JP6771741B2 - 密封装置 - Google Patents

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Description

本発明は、密封装置に関し、特に、自動車等の車両用の自動変速機(AT(Automatic Transmission)やCVT(Continuously Variable Transmission)等)に用いられるクラッチピストン機構の密封装置に関する。
従来、自動車等の車両の自動変速機に用いられるクラッチピストン機構の密封装置は、ボンデッドピストンシール、および、リターンスプリングを備えている。ボンデッドピストンシールは、シリンダ状のクラッチハウジング(以下、これを「ハウジング」ともいう。)の内部に設けられた多板クラッチの締結に使用されるゴムリップ加硫接着タイプのピストンシールである。
ピストンシールは、一般に自動変速機の多板クラッチを締結または解放させるため、ハウジングの内部に供給される作動油の供給油圧に応じて当該ハウジングの軸方向に作動(往復動)する金属環、および、当該金属環に一体形成されたシールリップを備えている。
ピストンシールが装着されるハウジングの内周面と、当該ピストンシールとの間にはピストン油圧室が形成されており、このピストン油圧室にハウジングのポートから作動油が供給される。ピストンシールは、この作動油の供給油圧に従い軸方向に沿って移動し、当該ピストンシールと一体に形成された押圧部材により当該クラッチ板を締結させる往動作と、供給油圧が解放されたときリターンスプリングの付勢力によりクラッチ板から押圧部材を離間するように移動して元の基準位置まで戻る復動作とが繰り返し行われる。
近年、自動車においては、低燃費化、ダウンサイジング化のニーズのために、全ての部品に対して小型化、省スペース化が要求されている。しかしながら、クラッチピストン機構の密封装置に用いられるピストンシール等の基本的な構造は変わらないので、部品点数を削減し、大幅なコストダウンを行うことは難しい状況にある。
従来、クラッチピストン機構の密封装置においては、ピストンシールと、リターンスプリングとの間にリターンスプリングガイド(以下、これを「スプリングガイド」ともいう。)を別体に設けた構造がある。また、これに対して、ピストンシール自体にスプリングガイド機能を持たせて部品点数を削減するようにした構造の密封装置についても提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。
図4(A)および(B)に示すように、従来のクラッチピストン機構の密封装置100は、変速機のハウジング101の内部に装着されている。密封装置100は、ピストンシール110、当該ピストンシール110と一体化された弾性体部120、リターンスプリング130、および、スプリングシート140を備えている。
ピストンシール110は、ハウジング101の軸線xを中心とする金属からなる環状部材である。ピストンシール110は、ハウジング101のポート101bから供給されるATF(Automatic Transmission Fluid)等の作動油の供給油圧に応じて、ハウジング101の内周面101aを軸線xに沿って当該ハウジング101と相対移動する。
ピストンシール110は、フランジ部111、円筒部112、U字状部113、押圧部115、および、スプリングガイド部119を備えている。フランジ部111は、軸線xを中心として、当該軸線xとは直交する方向に拡がる板状の円環状部分である。
円筒部112は、ハウジング101の内周面101aと近接したフランジ部111の端部から多板クラッチ107へ向かって延びる、当該軸線xを中心とする筒状部分である。U字状部113は、多板クラッチ107側の端部からハウジング101の内周面101aへ向かった後に折り返して軸線xに近付くよう折り曲げられた断面U字状部分である。
押圧部115は、U字状部113の軸線xに向かう方向の端部から多板クラッチ107へ向かって延びた所定の幅を有する板状部材である。この押圧部115は、ピストンシール110の周方向に沿って等間隔で複数固定されている。
スプリングガイド部119は、U字状部113の軸線xに向かう方向の端部から軸線xに沿って多板クラッチ107へ向かって僅かに突出した円柱状部材である。スプリングガイド部119は、押圧部115と押圧部115との間に、ピストンシール110の周方向に沿って等間隔で複数固定されている。
スプリングガイド部119は、後述するリターンスプリング130の内側空間に挿入された状態で当該リターンスプリング130の一端を支持する。スプリングガイド部119は、リターンスプリング130の軸線xとは直交する方向への移動を規制するとともに、軸線xに沿った方向にリターンスプリング130の伸縮動作を案内するガイド部として機能する。
弾性体部120は、ピストンシール110を覆うゴム状弾性部材であり、当該ピストンシール110と一体化されている。弾性体部120は、軸線xに沿ってハウジング101の内周面101aをピストンシール110と一体に軸線xに沿った方向へ移動する。
弾性体部120は、外周側シールリップ121、および、内周側シールリップ122を具えている。外周側シールリップ121は、ハウジング101の内周面101aを軸線xに沿って摺動するように当接されるリップ先端部を有している。内周側シールリップ122についても、ハウジング2の図示しないスリーブを軸線xに沿って摺動するように当接されるリップ先端部を有している。
リターンスプリング130は、複数のスプリングガイド部119に対応して同じ数だけ設けられ、ピストンシール110を軸線xに沿って多板クラッチ107から離れる方向へ付勢する付勢力を付与する圧縮コイルばねである。
スプリングシート140は、ハウジング101の内周面101aに形成された環状の溝部に取り付けられ、リターンスプリング130の他端を支持する円環状部材である。スプリングシート140は、ハウジング101に固定されたスナップリング150に係止されており、当該スプリングシート140の軸線xに沿った方向への移動が規制されている。
このように構成された密封装置100は、ピストンシール110と一体化されたスプリングガイド部119によりリターンスプリング130をガイドすることができるので、従来のようなピストンシールと別体にスプリングガイド部を設けた構造と比べて部品点数を削減することが可能であった。
特開平9−189335号公報
しかしながら、上述した構成の密封装置100であっても、ピストンシール110にスプリングガイド部119が一体化された複雑な形状であり、加工工数が増大するため、部品点数を更に削減し、簡素化および小型化することが求められていた。
本発明は、上記の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、従来に比して部品点数を更に削減し、一段と簡素化かつ小型化した密封装置を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明は、ハウジング(101)の内部においてクラッチ部材(60)と対向したまま軸線(x)に沿って往復動可能に配置され、当該ハウジング(101)の内周面(101a)と密封摺動するピストンリップ(21)を有し、前記ハウジング(101)と共にピストン油圧室を形成する環状のピストンシール(10)と、前記ピストンシール(10)と一体に固定され、前記ハウジング(101)に形成された流路(101b)から前記ピストン油圧室に供給される油圧に応じて前記ピストンシール(10)が前記軸線(x)に沿って往復動した際、前記クラッチ部材(60)を押圧し、または、前記クラッチ部材(60)から離間するように形成された、前記ピストンシール(10)と一体に固定される押圧部(14)と、前記ピストンシール(10)を前記流路(101b)側へ向かって付勢する皿バネ形状を有する環状の付勢部材(30)と、前記ピストンシール(10)と対向した状態で前記ハウジング(101)の内部に固定され、前記ピストンシール(10)との間で前記付勢部材(30)を前記流路(101b)側へ付勢可能に保持する環状の保持部材(40)とを備えることを特徴とする。
本発明に係る密封装置において、前記押圧部(14)は、前記ピストンシール(10)の周方向に等配して複数固定され、前記付勢部材(30)は、前記複数の押圧部(14)と対応する箇所に当該複数の押圧部(14)との物理的な干渉を回避する複数の切欠部(31)を有し、前記保持部材(40)は、前記複数の押圧部(14)と対応する箇所に当該複数の押圧部(14)との物理的な干渉を回避する複数の干渉回避部(40b)を有するようにしてもよい。
本発明に係る密封装置において、前記保持部材(40)は、内周側開口端から軸線(x)に沿ったピストンシール(10)側へ向かって突出した円筒状の突出部(40a)を有し、前記付勢部材(30)は、前記ピストンシール(10)と前記保持部材(40)との間で、その外周端部(32b)が前記ピストンシール(10)と当接され、その内周端部(32a)が前記保持部材(40)の前記突出部(40a)に当接されて位置決めされた状態で保持されるようにしてもよい。
本発明によれば、従来に比して部品点数を更に削減し、一段と簡素化かつ小型化した密封装置を実現することができる。
本発明の実施の形態に係る密封装置が変速機のハウジングに装着された状態を示す軸線に沿う断面における部分断面図、および、押圧部と一体化されたピストンシールの部分拡大図である。 本発明の実施の形態に係る皿ばねの構造を示す略線的斜視図である。 本発明の実施の形態に係る皿ばねの構成を示す平面図である。 従来の密封装置が変速機のハウジングに装着された状態を示す軸線に沿う断面における部分断面図、および、押圧部とスプリングガイド部が一体化されたピストンシールの部分拡大図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。ここでは、説明の便宜上、図1乃至図3において、軸線xと直交する密封装置1のピストンシール10の径方向を矢印ab方向とする。したがって、外周側とは、ピストンシール10の外周側すなわち矢印a方向とし、内周側とは、ピストンシール10の内周側すなわち矢印b方向とする。また、密封装置1において軸線xに沿ったピストンシール10のストローク方向を矢印cd方向とする。したがって、筐体側とは、ピストンシール10の軸線xに沿ったストローク方向(矢印cd方向)の多板クラッチ60と反対の矢印c方向とする。多板クラッチ側とは、ピストンシール10の軸線xに沿ったストローク方向(矢印cd方向)の多板クラッチ60の存在する矢印d方向とする。なお、軸線xは、駆動軸(図示せず)やハウジング101の回転中心である。
<密封装置の構成>
図1乃至図3に示すように、密封装置1は、変速機のハウジング101の内部に装着されている。密封装置1は、ピストンシール10、ピストンリップとしての弾性体部20、付勢部材としてのリターンスプリング30、および、保持部材としてのスプリングシート40を備えている。
ピストンシール10は、ハウジング101の軸線xを中心とする金属からなる環状部材であり、当該ピストンシール10とハウジング101の内周面101aとの間にはピストン油圧室が形成される。ピストンシール10は、ハウジング101の流路としてのポート101bを介して供給されるATF等の作動油の供給油圧に応じて、ハウジング101の内周面101aを軸線xに沿って当該ハウジング101と相対移動する。
ピストンシール10は、弾性体部20とともにハウジング101に装着され、当該ハウジング101の回転と共に連れ回される。ピストンシール10の金属材としては、ステンレス鋼やSPCC(冷間圧延鋼)等があり、主にSPFH(熱間圧延鋼)、SAPH(熱間圧延鋼)である。ピストンシール10は、例えば、プレス加工や鍛造により製造される。
ピストンシール10は、フランジ部11、円筒部12、U字状部13、および、押圧部14を備えており、全体として一体に形成されている。フランジ部11は、軸線xを中心として、当該軸線xとは直交する方向に拡がる板状の円環状部分である。
円筒部12は、フランジ部11の外周側(矢印a方向)の端部から多板クラッチ側(矢印d方向)へ向かって延びる、当該軸線xを中心とする筒状部分である。U字状部13は、円筒部12の多板クラッチ側(矢印d方向)の端部から外周側(矢印a方向)へ向かった後に折り返して内周側(矢印b方向)に向かうように折り曲げられた断面U字状部分である。
押圧部14は、U字状部13の内周側(矢印b方向)の端部から多板クラッチ側(矢印d方向)へ向かって延びる所定の部材幅W1を有する板状部材である。この押圧部14は、ピストンシール110の周方向に沿って等間隔で複数(この場合、4個)固定されている。押圧部14は、ピストンシール10の周面に沿って僅かに湾曲している。押圧部14は、従来の押圧部115(図4参照。)よりも軸線xに沿った方向の長さが短く形成され、かつ、従来の押圧部115のようなスプリングガイド部119が設けられていないことを特徴とする。
押圧部14における多板クラッチ側(矢印d方向)の先端面14aは、クラッチ部材としての多板クラッチ60と対向するように形成されている。押圧部14の先端面14aは、ピストンシール10全体の軸線xに沿ったストローク方向(矢印cd方向)の動きに応じて、多層構造の多板クラッチ60を多板クラッチ側(矢印d方向)に向かって押圧する部分、または、多板クラッチ60から離れる部分である。押圧部14がピストンシール10とともに軸線xに沿ったストローク方向(矢印cd方向)に移動することにより、多板クラッチ60の締結または解放を行う。
弾性体部20は、ピストンシール10を筐体側(矢印c方向)から覆うゴム状弾性部材であり、当該ピストンシール10と一体化されている。弾性体部20は、軸線xに沿ってハウジング101の内周面101aをピストンシール10と一体に筐体側(矢印c方向)または多板クラッチ側(矢印d方向)へ移動する。なお、弾性体部20のゴム状弾性部材としては、例えば、二トリルゴム(NBR)、水素添加ニトリルゴム(H−NBR)、アクリルゴム(ACM)、フッ素ゴム(FKM)、シリコンゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)等の合成ゴムが用いられる。
弾性体部20は、外周側シールリップ21、および、内周側シールリップ22を備えている。外周側シールリップ21は、ピストンシール10のU字状部13の外周側(矢印a方向)の端部から軸線xに沿って筐体側(矢印c方向)かつ外周側(矢印a方向)に突出するように形成された部分であり、ハウジング101の内周面101aを軸線xに沿って摺動するように当接されるリップ先端部を有している。
内周側シールリップ22は、ピストンシール10のフランジ部11の内周側(矢印b方向)の端部から軸線xに沿って筐体側(矢印c方向)かつ内周側(矢印b方向)に突出するように形成された部分であり、ハウジング101の図示しないスリーブに対して軸線xに沿って摺動するように当接されるリップ先端部を有している。
スプリングシート40は、ピストンシール10とともにリターンスプリング30を挟持した状態で保持する円環状の金属板である。スプリングシート40は、その中央に所定の内径の穴40hを備えている。この穴40hの内径は、ピストンシール10における複数の押圧部14による内径よりも長さLだけ小さい。
スプリングシート40は、当該スプリングシート40の外周側(矢印a方向)の端部がハウジング101の内周面101aの溝部に係合されるとともに、ハウジング101の内周面101aに取り付けられたスナップリング50の筐体側(矢印c方向)の端面上に固定されている。
また、スプリングシート40は、内周側(矢印b方向)の端部から筐体側(矢印c方向)へ僅かに突出した筒状の突出部40aを備えている。
スプリングシート40には、ピストンシール10における複数の押圧部14が多板クラッチ60へ向かって軸線xに沿ったストローク方向(矢印cd方向)に移動する際、当該複数の押圧部14との物理的な干渉を回避する干渉回避部としての複数の貫通孔40bが形成されている。
この複数の貫通孔40Bは、複数の押圧部14と対応するスプリングシート40の部分に形成されている。但し、干渉回避部としては、貫通孔40bに限るものではなく、押圧部14との物理的な干渉を回避するための切欠部(図示せず)がスプリングシート40に形成されていてもよい。
スプリングシート40は、スナップリング50を介して軸線xに沿った方向の移動が規制された状態でハウジング101に固定されているが、当該ハウジング101に固定された状態で当該ハウジング101の回転と共に連れ回る。スプリングシート40の金属材としては、ステンレス鋼やSPCC(冷間圧延鋼)等があり、主にSPFH(熱間圧延鋼)、SAPH(熱間圧延鋼)である。スプリングシート40は、例えば、プレス加工や鍛造により製造される。
スナップリング50は、スプリングシート40を固定する固定部材であり、ハウジング101の内周面101aの凹部に嵌め込まれた状態で当該ハウジング101と一体に取り付けられている。
図2および図3に示すように、リターンスプリング30は、金属の円勘状を有する所謂「皿バネ」からなり、以降の説明では皿バネ30と呼ぶこともある。皿バネ30を形成する金属材としては、炭素鋼、ステンレス鋼等が用いられる。
皿バネ30には、ピストンシール10の押圧部14と物理的な干渉を回避するために切り欠かれた4個の切欠部31が形成されている。切欠部31は、内周側から外周側へ向かって次第に大きくなる開口部分であり、最も小さな内周側の開口幅W2min、および、最も大きな外周側の開口幅W2maxを有している。切欠部31における内周側の開口幅W2minは、押圧部14の部材幅W1(図1参照。)よりも大きく形成されている。
また、皿バネ30は、切欠部31と切欠部31との間に、ヘアブラシの歯のように円周方向にわたって等しい間隔で形成された4個の歯部32を有している。この歯部32は、ピストンシール10のU字状部13の多板クラッチ側の下面13aと当接される外周端部32bを有している。また、皿バネ30は、内周側に所定径の開口30hを備え、当該開口30hを形成する内周端部32aを有している。内周端部32aは、スプリングシート40の突出部40aと係合される部分となる。
したがって、皿バネ30は、ピストンシール10とスプリングシート40との間に挟持した状態で保持される際、当該皿バネ30の内周端部32aがスプリングシート40の突出部40aに係合され、当該歯部32の外周端部32bがピストンシール10のU字状部13の多板クラッチ側(矢印d方向)の下面13aに当接される。
<動作および効果>
以上の構成において、密封装置1は、ピストンシール10とスプリングシート40との間に、従来のような複数の圧縮コイルばねからなるリターンスプリング130を配置するのではなく、1個の皿バネ30を挟み付けるように装着している。
この場合、皿バネ30の内周端部32aがスプリングシート40の突出部40aに係合されることにより位置決めされるとともに、皿バネ30の歯部32の外周端部32bがピストンシール10のU字状部13の下面13aに当接される。
皿バネ30の内周端部32aがスプリングシート40の突出部40aに係合されることにより、当該皿バネ30の径方向(矢印ab方向)の位置が規制される。一方、皿バネ30の歯部32の外周端部32bは、ピストンシール10のU字状部13の下面13aに当接されているだけである。したがって、皿バネ30の内周端部32aをスプリングシート40の突出部40aに係合させるだけで、ピストンシール10とスプリングシート40との間に皿バネ30を容易に装着することができる。
この密封装置1は、ハウジング101のポート101bを介して供給される作動油の供給油圧に応じてピストンシール10が軸線xに沿って多板クラッチ側(矢印d方向)へ移動する場合、当該ピストンシール10とともに押圧部14が多板クラッチ側(矢印d方向)へ移動する。
ピストンシール10とスプリングシート40との間に保持された皿バネ30は、当該ピストンシール10の多板クラッチ側(矢印d方向)への移動とともに、U字状部13の下面13aにより多板クラッチ側(矢印d方向)へ撓み、歯部32の外周端部32bがスプリングシート40へ次第に近付いていく。
このときピストンシール10の押圧部14は、皿バネ30の切欠部31を介して歯部32と接触することなく、また、スプリングシート40の貫通孔40bを介して当該スプリングシート40と接触することなく、多板クラッチ側(矢印d方向)へ押し下げられて多板クラッチ60を押圧する。
その後、密封装置1は、ハウジング101のポート101bを介して供給される作動油の供給油圧が解放されると、皿バネ30の筐体側(矢印c方向)への付勢力により、ピストンシール10が軸線xに沿った方向の筐体側(矢印c方向)へ移動するとともに、当該ピストンシール10とともに押圧部14が多板クラッチ60から離間する。
このときもピストンシール10の押圧部14は、皿バネ30の切欠部31を介して歯部32と接触することなく、また、スプリングシート40の貫通孔40bを介して当該スプリングシート40と接触することなく、筐体側(矢印c方向)へ押し上げられて多板クラッチ60から離間する。
したがって、密封装置1は、従来のように圧縮コイルばねからなる複数のリターンスプリング130を用いる代わりに、ピストンシール10とスプリングシート40との間に1個の皿バネ30を配置するだけで済むので、部品点数を削減し、構成を簡素化することができる。なお、密封装置1は、皿バネ30の切欠部31およびスプリングシート40の貫通孔40bによりピストンシール10の押圧部14との干渉を回避しているので、径方向(矢印ab方向)においても小型化することができる。
また、密封装置1は、圧縮コイルばねからなる複数のリターンスプリング130を用いる代わりに1個の皿バネ30を用いるようにしたことにより、ストローク方向(矢印cd方向)の高さを低く抑え、全体として小型化することができる。その理由は、リターンスプリング130の圧縮コイルばねにおいては、軸線xに沿った方向に硬鋼線等の線材を巻き付ける構造であるために軸線xに沿った方向に長くなるが、皿バネ30においては、構造上、圧縮コイルばねと同程度の付勢力であれば、圧縮コイルばねよりも軸線xに沿った方向に短くすることができるからである。
以上の構成によれば、従来に比して更に部品点数を削減し、一段と簡素化かつ小型化した密封装置1を実現することができる。
<他の実施の形態>
なお、上述した実施の形態においては、押圧部14との物理的な干渉を回避するために、皿バネ30に対して切欠部31を形成するようにした場合について述べた。しかしながら、本発明はこれに限らず、押圧部14がピストンシール10のU字状部13の外周側(矢印a方向)の端部に形成され、皿バネ30と物理的に干渉しなければ、皿バネ30に切欠部31を形成しなくてもよい。
また、上述した実施の形態においては、押圧部14との物理的な干渉を回避するために、スプリングシート40に貫通孔40bを形成するようにした場合について述べた。しかしながら、本発明はこれに限らず、押圧部14との物理的な干渉を回避するように、当該押圧部14と対応する部分にはスプリングシート40が存在しないように、複数に分割されたセグメントをハウジング101の内周面101aの周方向に等配して固定することによりスプリングシートを形成するようにしてもよい。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に係る密封装置1に限定されるものではなく、本発明の概念および特許請求の範囲に含まれるあらゆる態様を含む。また、上述した課題および効果の少なくとも一部を奏するように、各構成を適宜選択的に組み合わせてもよい。例えば、上記実施の形態における各構成要素の形状、材料、配置、サイズ等は、本発明の具体的使用態様によって適宜変更され得る。
本願発明の密封装置は、自動車等の車両およびその補機、一般産業機械、建設機械等の汎用機械においてピストンシールを移動させる際の部品点数を削減して簡素化および小型化する場合に利用することが可能である。
1,100 密封装置
10,110 ピストンシール
11,111 フランジ部
12,112 円筒部
13,113 U字状部
14,115 押圧部
20,120 弾性体部
21,121 外周側リップ
22,122 内周側リップ
30 皿バネ(付勢部材)
30h 開口
32a 内周端部
32b 外周端部
31 切欠部
32 歯部
40,140 スプリングシート
40a 突出部
40b 貫通孔(干渉回避部)
50,150 スナップリング
60,107 多板クラッチ
101 ハウジング
101a 内周面
101b ポート
119 スプリングガイド部
130 リターンスプリング
x 軸線

Claims (3)

  1. ハウジングの内部においてクラッチ部材と対向したまま軸線に沿って往復動可能に配置され、当該ハウジングの内周面と密封摺動するピストンリップを有し、前記ハウジングと共にピストン油圧室を形成する環状のピストンシールと、
    前記ピストンシールと一体に固定され、前記ピストンシールの内周側の端部から前記クラッチ部材の側へ向かって延びる所定の部材幅を有する板状部材であり、前記ハウジングに形成された流路から前記ピストン油圧室に供給される油圧に応じて前記ピストンシールが前記軸線に沿って往復動した際、前記クラッチ部材を押圧し、または、前記クラッチ部材から離間するように形成された押圧部と、
    前記ピストンシールを前記流路側へ向かって付勢する皿バネ形状を有する環状の付勢部材と、
    前記ピストンシールと対向した状態で外周側の端部が前記ハウジングの内周面に固定され、前記ピストンシールとの間で前記付勢部材を前記流路側へ付勢可能に保持する環状の保持部材と
    を備え
    前記付勢部材は、前記押圧部と対応する箇所に当該複数の押圧部との物理的な干渉を回避する切欠部を有し、
    前記保持部材は、前記押圧部と対応する箇所に当該押圧部との物理的な干渉を回避する貫通孔である干渉回避部を有することを特徴とする密封装置。
  2. 前記押圧部は、前記ピストンシールの周方向に等配して複数固定され、
    前記付勢部材は、前記複数の押圧部と対応する箇所に複数の前記切欠部を有し、
    前記保持部材は、複数の前記押圧部と対応する箇所に複数の前記干渉回避部を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の密封装置。
  3. 前記保持部材は、内周側開口端から軸線に沿ったピストンシール側へ向かって突出した円筒状の突出部を有し、
    前記付勢部材は、前記ピストンシールと前記保持部材との間で、その外周端部が前記ピストンシールと当接され、その内周端部が前記保持部材の前記突出部に当接されて位置決めされた状態で保持される
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の密封装置。
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