JP6771218B2 - 熱伝導性組成物および熱伝導性部材 - Google Patents

熱伝導性組成物および熱伝導性部材 Download PDF

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Description

本発明は、発熱体と放熱体の間に介在し、発熱体が発する熱を放熱体に伝える熱伝導性組成物およびその硬化物である熱伝導性部材に関する。
発熱体と放熱体の間に介在し、発熱体が発する熱を放熱体に伝える熱伝導性物質としては、熱伝導性グリスや、予めシート状に成形された熱伝導性シート、流動性のある熱伝導性組成物が知られている。熱伝導性シートは発熱体と放熱体とに挟んで使われる一方で、熱伝導性グリスや熱伝導性組成物は発熱体と放熱体の隙間に塗布して使うことができる。そのため発熱体と放熱体が固定された状態で動かせないような場合には、熱伝導性グリスや熱伝導性組成物を好適に用いることができる。熱伝導性グリスは、発熱体と放熱体との間に塗布すれば良いという簡便さがあるものの、そのグリス状の性状により隙間が狭い場合には塗布することが難しい。これに対して熱伝導性組成物は液状であるため隙間が狭い場合でも塗布が容易であるという利点がある。
この熱伝導性組成物もその他の熱伝導性物質と同様に、その熱伝導率は熱伝導性充填材の配合量に大きく依存し、熱伝導性充填材を多く含むことが好ましい。ところが、熱伝導性充填材の配合量を高めると、熱伝導性組成物の粘度が上昇し、発熱体と放熱体との隙間に浸入し難くなるという問題がある。また、この熱伝導性組成物をシート状に硬化させて熱伝導性シートを製造する場合には、粘度が高いとシートへの加工性が損なわれるという問題も生じる。そのため、液状の熱伝導性組成物において熱伝導性充填材の配合量を高めるには限界があった。
熱伝導性充填材の配合量と粘度に対する課題を解決する先行技術として、例えば、特開2001−348488号公報(特許文献1)には、粒径の異なる3種類の熱伝導性充填材を所定の割合で配合する技術が開示されている。また、特開平4−328163号公報(特許文献2)には、高重合度のオルガノポリシロキサンに、低重合度のオルガノポリシロキサンと球状の酸化アルミニウムを配合することで、所定の加工性を備えながら熱伝導性充填材を高充填する技術が開示されている。あるいはまた、特開2008−031405号公報(特許文献3)や特開2008−056761号公報(特許文献4)には、特定のシラン化合物を用いることで熱伝導性充填材を高充填する技術が開示されている。
特開2001−348488号公報 特開平4−328163号公報 特開2008−031405号公報 特開2008−056761号公報
しかしながら、特開2001−348488号公報(特許文献1)や特開平4−328163号公報(特許文献2)に記載の技術では、所定の大きさや形状の熱伝導性充填材を利用しており、これらの熱伝導性充填材以外は利用できない。また、特開2008−031405号公報(特許文献3)や特開2008−056761号公報(特許文献4)に記載の技術では、特定のシラン化合物が用いられており、シリコーン系の材料を避けたい場合には利用することができなかった。そのためこうした懸念がなく流動性の高い熱伝導性組成物が求められている。
そこで本発明は、熱伝導性充填材の配合割合に対して流動性が高く、加工性の優れた熱伝導性組成物を得ることを目的とする。また、この熱伝導性組成物を硬化して得られる熱伝導性部材を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明の熱伝導性組成物および熱伝導性部材は以下のとおり構成される。
反応硬化性液状樹脂と、非反応性液状樹脂と、熱伝導性充填材と、を含み、反応硬化性液状樹脂が硬化して高分子マトリクスを形成可能な熱伝導性組成物であって、液状樹脂全体の100質量%のうち、反応硬化性液状樹脂を20〜80質量%、非反応性液状樹脂である脂肪族多価アルコールの脂肪族モノカルボン酸エステルを20〜65質量%それぞれ含み、25℃における粘度が10〜1000Pa・sである熱伝導性組成物である。
反応硬化性液状樹脂と、非反応性液状樹脂と、熱伝導性充填材と、を含み、反応硬化性液状樹脂が硬化して高分子マトリクスを形成可能な熱伝導性組成物であるため、流動性があり、所望の箇所への塗布後に反応硬化させることによって定形性のある熱伝導性部材とすることができる。
液状樹脂全体の100質量%のうち、反応硬化性液状樹脂を20〜80質量%、非反応性液状樹脂である脂肪族多価アルコールの脂肪族モノカルボン酸エステルを20〜65質量%それぞれ含むことから、熱伝導性充填材の配合割合に対して低粘度の熱伝導性組成物とすることができる。
脂肪族多価アルコールの脂肪族モノカルボン酸エステルの添加によって、粘度を低く抑えながら熱伝導性充填材を高充填することができる。この種の効果が得られる添加剤としては、分散剤やシランカップリング剤が知られている。ところが、一般に、分散剤は比較的少量の添加で熱伝導性充填材の分散性を高めることができる一方、充填性を高めるという点では必ずしも十分な効果を奏しない。また、分散剤を添加しても熱伝導性組成物の硬化物を柔軟にする効果はほとんど得られない。
シランカップリング剤については、熱伝導性充填材に対して事前に処理しておくことで、充填性を少しは高めることができるが、この効果は必ずしも高いものではない。また、いわゆるインテグラルブレンド法で、熱伝導性組成物にシランカップリング剤を添加することで、熱伝導性充填材の充填性をある程度高めることができるが、この場合にはシランカップリング剤の揮発や、反応性が原因で、経時で粘度が高くなるおそれがあり、保存安定性が悪くなることが懸念される。本発明は、シランカップリング剤や分散剤を併用することも出来るが、これらを含まない場合であっても、充填性を高めることができる。
そして、熱伝導性組成物は25℃における粘度が10〜1000Pa・sであるため、流動性を有しており発熱体と放熱体の間の隙間にも熱伝導性組成物を塗布することができる。
脂肪族多価アルコールの脂肪族モノカルボン酸エステルは、炭素数が5〜12の炭化水素にヒドロキシル基を3以上備える脂肪族多価アルコールと、炭素数が5〜12の炭化水素にカルボキシル基を1つ備える脂肪族モノカルボン酸とのエステルである熱伝導性組成物とすることができる。
脂肪族多価アルコールの脂肪族モノカルボン酸エステルについて、炭素数が5〜12の炭化水素にヒドロキシル基を3以上備える脂肪族多価アルコールと、炭素数が5〜12の炭化水素にカルボキシル基を1つ備える脂肪族モノカルボン酸とのエステルとしたため、高分子マトリクスとの親和性が良く、熱伝導性組成物を硬化した後の硬化物からブリードを起こし難く、柔軟性を有するものとできる。また、熱伝導性組成物の粘度を低くできる。
反応硬化性液状樹脂が末端にアリル基を有する非極性炭化水素系高分子である熱伝導性組成物とすることができる。
反応硬化性液状樹脂を末端にアリル基を有する非極性炭化水素系高分子としても、極性を有する脂肪族多価アルコールの脂肪族モノカルボン酸エステルと混合して用い、低粘度の熱伝導性組成物を得ることができる。また、末端にアリル基を有するため、所定の硬化剤と組合せることで、所定の条件で硬化する熱伝導性組成物を得ることができる。
加えて、電子機器では、シリコーン系の材質を用いると、低分子シロキサンによる接点障害等の問題が生じるおそれがあるが、非シリコーン形の材料である非極性炭化水素系高分子を用いることで、こうした懸念のない熱伝導性組成物を得ることができる。
液状樹脂100質量部に対して熱伝導性充填材を300〜1700質量部含む熱伝導性組成物とすることができる。
液状樹脂100質量部に対して熱伝導性充填材を300〜1700質量部含む熱伝導性組成物としたため、脂肪族多価アルコールの脂肪族モノカルボン酸エステルが熱伝導性充填材に対して相互作用し分散剤のような作用が生じると考えられ、熱伝導性組成物の粘度を低く抑えることができる。
また、高分子マトリクスと、非反応性液状樹脂と、熱伝導性充填材と、を含む熱伝導性部材であって、非反応性液状樹脂が、脂肪族多価アルコールの脂肪族モノカルボン酸エステルを含み、高分子マトリクスと非反応性液状樹脂の合計100質量%のうち、高分子マトリクスを20〜80質量%、脂肪族多価アルコールの脂肪族モノカルボン酸エステルを20〜65質量%それぞれ含む熱伝導性部材とすることができる。
高分子マトリクスと、非反応性液状樹脂と、熱伝導性充填材と、を含む熱伝導性部材であって、非反応性液状樹脂が、脂肪族多価アルコールの脂肪族モノカルボン酸エステルを含み、高分子マトリクスと非反応性液状樹脂の合計100質量%のうち、高分子マトリクスを20〜80質量%、脂肪族多価アルコールの脂肪族モノカルボン酸エステルを20〜65質量%それぞれ含む熱伝導性部材としたため、硬化反応をさせる前の熱伝導性組成物のときにその粘度を低くすることができる。
熱伝導性部材の硬さは、E硬度で0〜90とすることができる。
硬さがE硬度で0〜90である熱伝導性部材としたため、発熱体や放熱体の形状に沿って良好に追従する柔軟性と、発熱体や放熱体との密着性とを十分に確保することができる。また、放熱体への衝撃や振動があっても緩衝して基板への影響を低減することができ、発熱体を好適に保護することができる。
脂肪族多価アルコールの脂肪族モノカルボン酸エステルは、炭素数が5〜12の炭化水素にヒドロキシル基を3以上備える脂肪族多価アルコールと、炭素数が5〜12の炭化水素にカルボキシル基を1つ備える脂肪族モノカルボン酸とのエステルである熱伝導性部材とすることができる。
脂肪族多価アルコールの脂肪族モノカルボン酸エステルについて、炭素数が5〜12の炭化水素にヒドロキシル基を3以上備える脂肪族多価アルコールと、炭素数が5〜12の炭化水素にカルボキシル基を1つ備える脂肪族モノカルボン酸とのエステルとしたため、高分子マトリクスとの親和性が良く、熱伝導性部材からのブリードが生じ難く、柔軟性を有するものとできる。また、硬化前の熱伝導性組成物の粘度を低くできる。
高分子マトリクスが非極性炭化水素系高分子である熱伝導性部材とすることができる。
高分子マトリクスが非極性炭化水素系高分子であるため、シリコーン系の材質を用いた場合のような低分子シロキサンによる接点障害等の問題が生じるおそれがない。
分子マトリクスと非反応性液状樹脂の合計100質量部に対して熱伝導性充填材を300〜1700質量部含む熱伝導性部材とすることができる。
分子マトリクスと非反応性液状樹脂の合計100質量部に対して熱伝導性充填材を300〜1700質量部含む熱伝導性部材としたため、熱伝導性の高い熱伝導性部材とすることができる。
本発明の熱伝導性組成物によれば、低粘度でありながら熱伝導性充填材を高充填することができる。
また、本発明の熱伝導性部材によれば、所定の硬度と柔らかさを有し、熱伝導性が高い。
本発明について実施形態に即して説明する。本実施形態で示す熱伝導性組成物は、反応硬化性液状樹脂と、非反応性液状樹脂と、熱伝導性充填材と、を含んで構成されている。これらの成分の詳細は以下のとおりである。
熱伝導性組成物中の液状成分には、反応硬化性液状樹脂と非反応性液状樹脂が含まれる。
反応硬化性液状樹脂は、硬化反応により高分子マトリクスを形成する液状成分であり、加熱したり光等を照射したりすることでそれ自体が硬化する反応硬化性液状樹脂や、別に硬化材を加えることで硬化する反応硬化性液状樹脂を含む。また、主剤と硬化剤を混合することでその二成分が重合するような場合には、主剤と硬化剤の双方が反応硬化性液状樹脂である。
このような反応硬化性液状樹脂としては、付加反応型の液状樹脂、縮合反応型の液状樹脂等を挙げることができるが、特に付加反応型の液状樹脂であることが好ましい。付加反応型の液状樹脂は、硬化収縮が小さいためである。より詳しくは、発熱体と放熱体との間に挟持した状態で硬化したときに、硬化収縮が大きいと発熱体または放熱体との間に隙間が生じることがあるからであり、付加反応型の液状樹脂であれば、硬化収縮が小さいため隙間が生じる不都合が生じ難い。
付加反応型の液状樹脂としては、例えばウレタンモノマーやオリゴマー、アクリル酸エステルモノマーやオリゴマー、エポキシモノマーやオリゴマー、末端にアリル基を有するポリイソブチレン等のαオレフィン、その他の極性、非極性の炭化水素系高分子、オルガノポリシロキサンなどを例示することができる。これらの中でも、柔軟性が高く、熱伝導性充填材の充填のし易さが望まれる用途にはオルガノポリシロキサンを用いることが好ましい。また、低分子シロキサンの問題が懸念される用途には、炭化水素系樹脂を用いることが好ましい。非極性炭化水素系高分子であり、末端にアリル基を有するポリイソブチレンを用いると、その熱伝導性組成物の硬化物は、柔軟でありながら所定の強度を備える熱伝導性部材とすることができる点で好ましい。ここで挙げた反応硬化性液状樹脂は、それぞれ単独で用いてもよく、また複数のものを混合して用いてもよい。
反応硬化性液状樹脂の25℃における粘度は0.05Pa・s〜100Pa・s程度であることが好ましい。粘度が0.05Pa・s未満の液状樹脂は低分子量であり、硬化した後でも分子量を高めにくいため、硬化後の熱伝導性部材が脆くなるおそれがある。一方、粘度が100Pa・sを超えると、熱伝導性組成物の粘度が上昇し易く、後述の脂肪族多価アルコールの脂肪族モノカルボン酸エステルと組合せた場合であっても熱伝導性充填材の配合量が少なくなり、熱伝導性が低下するおそれがある。
また、脂肪族多価アルコールの脂肪族モノカルボン酸エステルを含ませることで、25℃における粘度が10Pa・s以上あるような比較的粘度が高い液状樹脂と組合せたときに粘度低減効果が大きい。粘度が10Pa・s以上の液状樹脂を利用できれば、分子量もある程度高いため、硬化後の物性を高めることができる点で好ましい。こうした反応硬化性液状樹脂としては、アリル末端のポリイソブチレンやαオレフィンを例示できる。
反応硬化性液状樹脂は、液状樹脂全体100質量%中で20〜80質量%であることが好ましい。反応硬化性液状樹脂の割合が20質量%未満では硬化物の硬さや柔軟性等の所望の物性が得られないおそれがある。一方、80質量%を超えると、相対的に脂肪族多価アルコールの脂肪族モノカルボン酸エステルの割合が少なくなり、熱伝導性充填材を高充填できず、また熱伝導性組成物の粘度を十分に低減することができないおそれがある。
非反応性液状樹脂は、加熱や光照射等で硬化しない液状成分である。換言すれば、熱伝導性組成物を硬化して熱伝導性部材としても、熱伝導性部材内で高分子マトリクスを形成しない成分である。
こうした非反応性液状樹脂には、前記反応硬化性液状樹脂と同種の骨格でありながら反応基を有しない液状樹脂や、そうした骨格を有せずとも前記反応硬化性液状樹脂と混ざるものを挙げることができる。反応硬化性液状樹脂と同種の骨格を有するものとしてパラフィンオイルやポリαオレフィン、プロセスオイル等の炭化水素系オイルや、アクリル系オイル、シリコーンオイル等を例示できる。また、反応硬化性液状樹脂と同種の骨格を有しないものとして後述の脂肪族多価アルコールの脂肪族モノカルボン酸エステル等のエステル系オイルやポリブテン系オイル等を例示できる。
本発明では、非反応性液状樹脂の中でも脂肪族多価アルコールの脂肪族モノカルボン酸エステルを必須成分として含む。この脂肪族多価アルコールの脂肪族モノカルボン酸エステルは、脂肪族多価アルコールと脂肪族モノカルボン酸がエステル結合したものであって、脂肪族多価アルコールの脂肪族モノカルボン酸エステルを構成する脂肪族多価アルコールおよび脂肪族モノカルボン酸は以下のとおりである。
まず脂肪族多価アルコールは、炭素数が5〜12の炭化水素に、ヒドロキシル基を3以上備える化合物とすることが好ましい。例えばトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、キシリトール、ボレミトール等を例示できる。炭素数が5未満の場合には、高分子マトリクスとの親和性が損なわれるおそれがあり、また硬化物からのブリードが懸念される。一方、炭素数が12を超えるとエステルの粘度が高くなり、熱伝導性組成物を低粘度にする効果が小さくなることが懸念される。
脂肪族多価アルコールに含まれるヒドロキシル基は全てエステル化していることが好ましい。ヒドロキシル基が残っていると、親水性が高まることから、反応硬化性液状樹脂との相溶性が損なわれたり、硬化物の耐湿性が損なわれたりするおそれがある。加えて一部の反応硬化性液状樹脂とヒドロキシル基が反応するおそれがある。また、脂肪族多価アルコールは飽和脂肪族であることが好ましい。不飽和基の存在もまた一部の反応硬化性液状樹脂と反応するおそれがあるとともに、耐候性が損なわれるおそれがあるためである。
次に脂肪族モノカルボン酸は、炭素数が5〜12の炭化水素に、カルボキシル基を1つ備える化合物とすることが好ましい。例えばペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、エチルヘキサン酸、ノナン酸、デカン酸などの中鎖脂肪酸が好適である。炭素数が5未満の場合には、熱伝導性組成物を低粘度にする効果が小さくなることが懸念され、硬化物についても柔軟性が損なわれるおそれがある。一方、炭素数が12を超えるとエステルの粘度が高くなり、熱伝導性組成物を低粘度にする効果が小さくなることが懸念される。
脂肪族モノカルボン酸は、飽和脂肪族であることが好ましい。不飽和基の存在は一部の反応硬化性液状樹脂と反応するおそれがあるとともに、耐候性が損なわれるおそれがあるためである。
脂肪族多価アルコールの脂肪族モノカルボン酸エステルの粘度は、25℃で0.01〜10Pa・sであることが好ましい。このような脂肪族多価アルコールの脂肪族モノカルボン酸エステルとしては、トリメチロールプロパンまたはペンタエリスリトールと、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸またはエチルヘキサン酸のエステルを例示できる。これらは比較的低粘度であり、特に熱伝導性組成物の粘度を低減する効果に優れている。
脂肪族多価アルコールの脂肪族モノカルボン酸エステル以外の非反応性液状樹脂の粘度は25℃で0.05Pa・s〜10Pa・sであることが好ましい。粘度が0.05Pa・s未満の液状樹脂は低分子量であり、硬化後にも反応性せずに残存するため長期間の使用の際には揮発するおそれがあり、また、硬化後の熱伝導性部材が脆くなるおそれがある。一方、粘度が100Pa・sを超えると、熱伝導性組成物の粘度が上昇し易く、脂肪族多価アルコールの脂肪族モノカルボン酸エステルを含んでいても熱伝導性充填材の配合量が少なくなり、熱伝導性が低下するおそれがある。
脂肪族多価アルコールの脂肪族モノカルボン酸エステルは、液状樹脂全体100質量%中で20〜65質量%であることが好ましい。脂肪族多価アルコールの脂肪族モノカルボン酸エステルの含有量が20質量%未満では、粘度を低減する効果が小さくなるおそれがあり、またその結果熱伝導性充填材を高充填できず、熱伝導率が低くなるおそれがある。一方、65質量%を超える場合には、相対的に反応硬化性液状樹脂の含有量が少なくなるため、硬化物の物性が低下するおそれがある。
脂肪族多価アルコールの脂肪族モノカルボン酸エステル以外の非反応性液状樹脂は、液状樹脂全体の100質量%中で0〜40質量%を占めるものとして添加することができる。すなわち脂肪族多価アルコールの脂肪族モノカルボン酸エステル以外の非反応性液状樹脂は添加しなくても良く、一方、上限としては40質量%となる。40質量%を超える場合には、相対的に反応硬化性液状樹脂または脂肪族多価アルコールの脂肪族モノカルボン酸エステルのどちらか一方、または双方の割合が少なくなり、それらの添加量の低減に起因する問題が発生するおそれがある。
熱伝導性充填材は、熱伝導性を付与するために添加される。この熱伝導性充填材には、例えば、金属や炭素、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属水酸化物、炭素繊維などからなる微細粉が挙げられる。金属としては、銅、アルミニウムなどが挙げられ、炭素としてはピッチ系炭素繊維、PAN系炭素繊維、樹脂繊維を炭化処理した繊維、樹脂繊維を黒鉛化処理した繊維や、グラファイト粉末などが挙げられる。熱伝導性部材に耐電圧性が求められる場合には、金属や炭素以外の熱伝導性充填材を用いることが好ましい。
金属酸化物としては、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化鉄、石英などが挙げられ、金属窒化物としては、窒化ホウ素、及び窒化アルミニウムなどが挙げられる。また、金属炭化物としては、炭化ケイ素などが挙げられ、金属水酸化物としては、水酸化アルミニウムなどが挙げられる。こうした熱伝導性充填材は、液状樹脂中で一定方向に配向させることもでき、配向させた方向に熱伝導性が高まる点で好ましい。
熱伝導性充填材の形状としては、球状であっても球状以外の形状であっても良いが、平均粒径の異なる複数の球状粒子が含まれることが好ましい。平均粒径の異なる球状粒子を組合わさることで熱伝導性組成物の粘度を低減することができるためである。
熱伝導性充填材の含有量は、液状樹脂100質量部に対して熱伝導性充填材を300〜1700質量部含むことが好ましく、300〜800質量部含むものとすることがより好ましい。熱伝導性充填材の含有量を、液状樹脂100質量部に対して300質量部以上のときに粘度低減の顕著な効果を奏し、800質量部までなら、25℃における粘度を500Pa・s以下とすることができ、1700質量部までなら配合量が多い程、熱伝導性を高めることができ、1700質量部を超えると粘度が高くなりすぎるからである。液状樹脂100質量部に対して熱伝導性充填材を300〜1700質量部含ませることができる理由は、脂肪族多価アルコールの脂肪族モノカルボン酸エステルが熱伝導性充填材に対して相互作用し、分散剤のような作用が生じていると考えられ、熱伝導性組成物の25℃における粘度を10〜1000Pa・sにできるからである。
熱伝導性組成物中の成分には、さらに上記液状樹脂や熱伝導性充填材以外にも、加工性、生産性、耐候性、耐熱性など種々の性質を高める目的で種々の添加材を含むことができる。例えば、補強材、着色剤、耐熱向上剤、界面活性剤、分散剤、カップリング剤、難燃剤、触媒、硬化遅延剤、劣化防止剤など、種々の機能性向上剤が挙げられる。
そして、液状樹脂、熱伝導性充填材および必要な添加剤等の各成分を混合することで熱伝導性組成物を得ることができる。
熱伝導性組成物は、熱伝導性を高めるために熱伝導性充填材を高充填していることから、見た目には高粘度のペースト状の性状となるが、発熱体と放熱体の隙間への塗布や、シート化を容易とする粘度を有することが好ましく、より具体的には、25℃で10〜1000Pa・sとすることが好ましい。熱伝導性組成物の粘度が10Pa・s未満では、相対的に熱伝導性充填材の添加量が少なく、熱伝導性組成物の熱伝導率が十分でないおそれがある。一方、1000Pa・sを超えると塗布やシート成形の作業が困難になるおそれがある。
なお、上記粘度は、粘度計(BROOKFIELD回転粘度計DV−E)でスピンドルSC4−14の回転子を用い、回転速度10rpmで測定した粘度を示す。
熱伝導性組成物は、反応硬化性液状樹脂の種類に応じて硬化させる手段、即ち、加熱や、光照射、紫外線照射等の所定の手段により高分子マトリクスを形成して硬化し熱伝導性部材となる。
熱伝導性部材の硬度は、日本工業規格であるJIS K 6253のタイプEの硬度計によって測定される値(以下「E硬度」という)で0〜90であることが好ましく、0〜50であることがより好ましい。E硬度が90を超える場合、発熱体や放熱体の形状への追従性が十分に得られず、発熱体や放熱体と熱伝導性部材との密着性が低下してその熱伝導性も低下するおそれがある。E硬度が90以下の場合には、発熱体や放熱体の形状に沿って良好に追従する柔軟性と、発熱体や放熱体との密着性とを十分に確保することができる。また、E硬度が50以下であれば、例えば放熱体への衝撃や振動があっても熱伝導性部材が緩衝して基板への影響を低減することにより、これらの被着体を好適に保護することができる。
E硬度が0または0に近い場合に別の指標を用いて表すと、JIS K 2220に従って1/4円錐を用いて測定される不混和ちょう度(単に「ちょう度」ともいう)で100以下とすることができ、90以下であることが好ましい。ちょう度が100を超えると、硬化性が不十分なことに起因して、長期間の使用でポンプアウトが起こる可能性がある。
次に示す実験例1〜実験例3において、表1〜表3で示す各成分を各配合量で混合して試料1〜20の熱伝導性組成物を作製し、またこの熱伝導性組成物を硬化させて試料1〜20の熱伝導性部材を作製した。以下に詳細に説明するが、表中の各成分の配合量は質量部で示す。また、粘度は、粘度計(BROOKFIELD回転粘度計DV−E)でスピンドルSC4−14の回転子を用い、回転速度10rpm、25℃の条件で測定した結果を示す。
実験例1:アリル末端ポリイソブチレンに対する各種非反応性液状樹脂の影響
反応硬化性液状樹脂としてのアリル末端ポリイソブチレンと混合する非反応性液状樹脂の種類を変えた試料1〜4の熱伝導性組成物とその硬化物である試料1〜4の熱伝導性部材を作製した。
試料1:
反応硬化性液状樹脂として、アリル末端ポリイソブチレンを44質量部、非反応性液状樹脂として脂肪族多価アルコールの脂肪族モノカルボン酸エステルであるトリエチルヘキサン酸トリメチロールプロパンを56質量部、熱伝導性充填材として、水酸化アルミニウム(不定形で平均粒径1.2μmのものと不定形で平均粒径10μmのものと不定形で平均粒径50μmのものとを3:5:8の重量比で混合した混合物)320質量部と、酸化アルミニウム(球状、平均粒径20μm)100質量部を混合して表1の試料1として示す熱伝導性組成物を作製した。また、試料1の熱伝導性組成物を100℃で1時間、加熱硬化して硬化物である試料1の熱伝導性部材を作製した。なお、反応硬化性液状樹脂としてのアリル末端ポリイソブチレンは、主剤としてのアリル末端ポリイソブチレンの10重量部に対して、硬化剤としてはハイドロジェンオルガノポリシロキサンを1重量部含み、その合計が44重量部である。
アリル末端ポリイソブチレンの主剤の粘度は50mPa・s、トリエチルヘキサン酸トリメチロールプロパンの粘度は0.1Pa・sであった。
試料2:
試料1で用いた非反応性液状樹脂を、表1に示す脂肪族多価アルコールの脂肪族モノカルボン酸エステルであるテトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリトール(粘度0.07Pa・s)に変更し、それ以外は試料1と同様にして試料2の熱伝導性組成物とその硬化物である試料2の熱伝導性部材を作製した。
試料3:
試料1で用いた非反応性液状樹脂を、表1に示すプロセスオイル(パラフィン系、粘度0.08Pa・s)に変更し、それ以外は試料1と同様にして試料3の熱伝導性組成物とその硬化物である試料3の熱伝導性部材を作製した。
試料4:
試料1で用いた非反応性液状樹脂を、表1に示す側鎖型エステル系オイル(粘度0.1Pa・s)に変更し、それ以外は試料1と同様にして試料4の熱伝導性組成物とその硬化物である試料4の熱伝導性部材を作製した。
Figure 0006771218
実験結果の分析1:
反応硬化性液状樹脂としてのアリル末端ポリイソブチレンと混合する非反応性液状樹脂の種類の影響について検討した。
非反応性液状樹脂としてプロセスオイルを用いた試料3を基準にして、プロセスオイル以外の非反応性液状樹脂を用いた試料1、試料2、試料4について、各試料の粘度を比較したところ、トリエチルヘキサン酸トリメチロールプロパンを用いた試料1は試料3との比で0.55であった。また、テトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリトールを用いた試料2は試料3との比で0.71であった。そして、側鎖型エステルオイルを用いた試料4は試料3との比で0.90であった。これらの結果から、テトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリトールでは、かなり粘度を低くすることができ、側鎖型エステルオイルでは粘度がやや低下するに留まることがわかった。
以上の試料1〜4は何れも反応硬化性液状樹脂としてアリル末端ポリイソブチレンを用いており、これらの結果より、この反応硬化性液状樹脂に対して混合する非反応性液状樹脂には、プロセスオイルよりもエステルオイルを用いると粘度低減効果を見込むことができ、エステルオイルの中でもトリエチルヘキサン酸トリメチロールプロパンやテトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリトールなどの脂肪族多価アルコールの脂肪族モノカルボン酸エステルを用いると、粘度を大きく低下させることができることがわかった。
また試料1〜4のE硬度は、E18〜E24であり、何れの熱伝導性部材も好適な硬さを有する熱伝導性部材であった。
実験例2:アリル末端ポリイソブチレン以外の各種反応硬化性液状樹脂の影響
反応硬化性液状樹脂の種類を変えて試料5〜10の熱伝導性組成物とその硬化物である試料5〜10の熱伝導性部材を作製した。その成分および配合量を表2に示す。なお、表2で示す成分名のうち表1で示す成分名と同じものは表1と同じ内容を示す。
試料5、6:
反応硬化性液状樹脂として、アリル基含有オルガノポリシロキサン(1.0Pa・s)を用いた。主剤としてのアリル基含有オルガノポリシロキサンに対し、硬化剤としてのハイドロジェンオルガノポリシロキサンを用い、これを主剤:硬化剤=10:1の割合で混合した。また、得られた試料5、6の熱伝導性組成物を120℃、1時間の条件で硬化して試料5、6の熱伝導性部材を作製した。
試料7、8:
反応硬化性液状樹脂として、エステル系アクリルオリゴマー(9.0Pa・s)を用いた。主剤としてのエステル系アクリルオリゴマーに対し、反応開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを用い、これを主剤:反応開始剤=100:1の割合で混合した。また、得られた試料7、8の熱伝導性組成物は、100℃、1時間の条件で硬化して試料7、8の熱伝導性部材を作製した。
試料9、10:
反応硬化性液状樹脂として、ビスフェノールAエポキシ樹脂(2.3Pa・s)を用いた。主剤としてのビスフェノールAエポキシ樹脂に対し、硬化剤としての脂肪族ポリアミンを用い、これを主剤:硬化剤=10:1の割合で混合した。ここで得られた試料9、10の熱伝導性組成物は、120℃、1時間の条件で硬化して試料9、10の熱伝導性部材を作製した。
Figure 0006771218
実験結果の分析2:
反応硬化性液状樹脂の種類による粘度低減効果について検討した。
反応硬化性液状樹脂としてアリル基含有ポリオルガノシロキサン、エステル系アクリルオリゴマー、ビスフェノールAエポキシ樹脂を用い、これらに対して非反応性樹脂としてトリエチルヘキサン酸トリメチロールプロパンを添加した試料とプロセスオイルを添加した試料の粘度を比較した。
その結果、プロセスオイルを添加した試料に対して、トリエチルヘキサン酸トリメチロールプロパンを添加した試料は、いずれも低粘度になった。即ち、アリル基含有ポリオルガノシロキサンを用いた試料5は試料6との粘度比で0.36、エステル係アクリル酸エステルオリゴマーを用いた試料7は試料8との粘度比で0.69となった。また、ビスフェノールAエポキシ樹脂を用いた試料9の粘度は165Pa・sとなり、プロセスオイルを用いた試料10が流動性を示さなかったのに対して良好な流動性を示すものとなった。
これらの結果から、脂肪族多価アルコールの脂肪族モノカルボン酸エステルは、種々の反応硬化性液状樹脂に対して粘度低減効果を見込めることがわかった。
また、試料5及び6のE硬度はE15程度、試料7及び8のE硬度はE70程度、試料9及び10のE硬度はE90程度であり、試料5、7、9の熱伝導性部材は好適な硬さを有する熱伝導性部材であった。
実験例3:各成分の配合量変化による影響
反応硬化性液状樹脂、非反応性液状樹脂および熱伝導性充填材の配合量を変えて試料11〜20の熱伝導性組成物とその硬化物である試料11〜20の熱伝導性部材を作製した。その成分および配合量を表3及び表4に示す。なお、表3、表4で示す成分名のうち表1や表2で示す成分名と同じものは表1や表2と同じ内容を示す。また、表3、表4におけるポリアルファオレフィンは、粘度1.9Pa・sのものを用いた。
Figure 0006771218
Figure 0006771218
実験結果の分析3:
各成分の配合量の相違による粘度低減効果について検討した。
試料11〜試料16について粘度比を見ると、いずれも0.70〜0.77の範囲となり、少なくとも検討した配合量の範囲では優れた粘度低減効果を発揮することがわかった。また、プロセスオイルを用いた試料18、試料20は、流動性を示す熱伝導性組成物を得られなかったが、トリエチルヘキサン酸トリメチロールプロパンを用いた試料は、いずれも流動性を有していた。また、試料13、15のような非反応性液状樹脂を用いても、トリエチルヘキサン酸トリメチロールプロパンを含むことで粘度低減効果があることがわかった。
これらの結果から、液状樹脂100質量部に対して、脂肪族多価アルコールの脂肪族モノカルボン酸エステルの配合量が20〜65質量部のときに粘度低減効果が見込めることがわかった。また、反応硬化性液状樹脂については20〜80質量部のときに粘度低減効果が見込めることがわかった。一方、熱伝導性充填材について見ると、液状樹脂100質量部に対して300〜842質量部の範囲で所定の粘度低減効果があることがわかった。
また、試料11〜16のE硬度はE18〜E24、熱伝導性充填材の配合量が多い試料ではやや硬さが増し試料17及び18のE硬度はE31程度、試料19及び20のE硬度はE38程度であった。試料11、13、15、17、19の熱伝導性部材は好適な硬さを有する熱伝導性部材であった。
上記実施形態や実施例で示したのは本発明の例示であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、実施形態の変更または公知技術の付加や、組合せ等を行い得るものであり、それらの技術もまた本発明の範囲に含まれるものである。

Claims (7)

  1. 反応硬化性液状樹脂と、非反応性液状樹脂と、熱伝導性充填材と、を含み、反応硬化性液状樹脂が硬化して高分子マトリクスを形成可能な熱伝導性組成物であって、液状樹脂全体の100質量%のうち、反応硬化性液状樹脂を20〜80質量%、非反応性液状樹脂である脂肪族多価アルコールの脂肪族モノカルボン酸エステルを20〜65質量%それぞれ含み、25℃における粘度が10〜1000Pa・sであり、
    脂肪族多価アルコールの脂肪族モノカルボン酸エステルは、炭素数が5〜12の炭化水素にヒドロキシル基を3以上備える脂肪族多価アルコールと、炭素数が5〜12の炭化水素にカルボキシル基を1つ備える脂肪族モノカルボン酸とのエステルである熱伝導性組成物。
  2. 反応硬化性液状樹脂と、非反応性液状樹脂と、熱伝導性充填材と、を含み、反応硬化性液状樹脂が硬化して高分子マトリクスを形成可能な熱伝導性組成物であって、液状樹脂全体の100質量%のうち、反応硬化性液状樹脂を20〜80質量%、非反応性液状樹脂である脂肪族多価アルコールの脂肪族モノカルボン酸エステルを20〜65質量%それぞれ含み、25℃における粘度が10〜1000Pa・sであり、
    反応硬化性液状樹脂が、末端にアリル基を有する非極性炭化水素系高分子である熱伝導性組成物。
  3. 液状樹脂100質量部に対して熱伝導性充填材を300〜1700質量部含む請求項1または請求項2記載の熱伝導性組成物。
  4. 高分子マトリクスと、非反応性液状樹脂と、熱伝導性充填材と、を含む熱伝導性部材であって、
    非反応性液状樹脂が、脂肪族多価アルコールの脂肪族モノカルボン酸エステルを含み、
    高分子マトリクスと非反応性液状樹脂の合計100質量%のうち、高分子マトリクスを20〜80質量%、脂肪族多価アルコールの脂肪族モノカルボン酸エステルを20〜65質量%それぞれ含み、
    脂肪族多価アルコールの脂肪族モノカルボン酸エステルは、炭素数が5〜12の炭化水素にヒドロキシル基を3以上備える脂肪族多価アルコールと、炭素数が5〜12の炭化水素にカルボキシル基を1つ備える脂肪族モノカルボン酸とのエステルである熱伝導性部材。
  5. 高分子マトリクスと、非反応性液状樹脂と、熱伝導性充填材と、を含む熱伝導性部材であって、
    非反応性液状樹脂が、脂肪族多価アルコールの脂肪族モノカルボン酸エステルを含み、
    高分子マトリクスと非反応性液状樹脂の合計100質量%のうち、高分子マトリクスを20〜80質量%、脂肪族多価アルコールの脂肪族モノカルボン酸エステルを20〜65質量%それぞれ含み、
    高分子マトリクスが非極性炭化水素系高分子である熱伝導性部材。
  6. 硬さがE硬度で0〜90である請求項4または請求項5記載の熱伝導性部材。
  7. 高分子マトリクスと非反応性液状樹脂の合計100質量部に対して熱伝導性充填材を300〜1400質量部含む請求項4〜請求項6何れか1項記載の熱伝導性部材。
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