JP6770538B2 - 乗客コンベア及びその制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は乗客コンベア及びその制御方法に関し、例えば、エスカレーターに適用して好適なものである。
一般的に、エスカレーター等の乗客コンベアの移動手すりは、表面がエラストマー、裏面が起毛した綿(帆布)から形成されている。そして移動手すりは、乗客コンベアに設けられた移動手すり駆動装置において表面側及び裏面側の双方向からローラーで挟圧し、移動手すり及びローラー間に発生する摩擦力によってローラーの回転力を移動手すりに推進力として伝達することにより周回駆動している。
しかしながら移動手すりは、長年の使用により帆布の起毛が徐々に摩耗し、ローラーと帆布との摩擦力が低下する。そしてローラーと帆布との摩擦力が低下した場合、乗客コンベアの運転中にローラーが空転してローラーの回転力が移動手すりに伝達し難くなる。このような現象が発生した場合、移動手すりの速度が低下したり移動手すりが停止するために乗客の乗り心地が悪くなる問題がある。
また、乗客コンベアが長時間未使用だった場合、移動手すりにおけるローラーの当接部に圧痕が残り、移動手すりの湾曲部に塑性変形が発生する。この様な状態で乗客コンベアを運転した場合にも、移動手すりにおけるかかる塑性変形した箇所においてローラーが空転するために移動手すりの速度が低下するなどの現象(以下、この現象を移動手すりのスリップと呼ぶ)が発生するおそれがあった。このような移動手すりの塑性変形は、乗客コンベアが長時間未使用だった場合だけでなく、低温度、高湿度など環境的な影響を受けることも知られている。
この種の問題に対応するものとして、例えば、特許文献1には、乗客コンベア停止後、一定時間経過し、かつ乗客センサーの検出がない場合に、表示装置又は放送装置によって周囲に注意喚起を行った後、一定距離だけ移動手すりを周回させることにより、移動手すりのスリップを防止する方法が開示されている。
特開2008−137752号公報
ところで、実際に乗客コンベアの起動時や動作中に移動手すりにスリップが発生した場合、高度な技術を持った保守員が点検をしなくても復旧できる可能性があるにも関らず、保守員が現地に向かうことが多い。
しかしながら、上述のような移動手すりの塑性変形は一時的なものであり、ほとんどの場合、時間が経過すると移動手すりにおける塑性変形した箇所が元の形状に戻る。このため機器に故障がない場合には、移動手すりを人手により周回駆動させて移動手すりに対する移動手すり駆動装置のローラーの当接位置を塑性変形のない部分にまで移動させることにより、乗客コンベアが正常状態に戻ることが多いとされている。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、保守員の現地出動回数を抑制し、故障対応時間を低減し得る乗客コンベア及びその制御方法を提案しようとするものである。
かかる課題を解決するため本発明においては、無端状に連結された複数の踏段及び無端状の移動手すりが平行に配置され、前記複数の踏段の循環移動と同期して当該踏段と同一方向に前記移動手すりが周回する乗客コンベアであって、前記複数の踏段を循環移動させると共に前記移動手すりを周回駆動するための原動力を出力する乗客コンベア駆動装置と、前記乗客コンベアから出力された前記原動力を前記移動手すりに伝達して当該移動手すりを周回駆動する移動手すり駆動装置と、前記移動手すりの周回速度を検出する移動手すり速度検出装置と、前記乗客コンベア駆動装置を制御する制御装置とを設け、前記制御装置が、前記乗客コンベアの運転開始時に前記移動手すり速度検出装置により検出された前記移動手すりの周回速度に基づいて前記移動手すりのスリップを検知した場合であって、当該スリップが環境要因によるものであると判定し又は判定されたときに、前記乗客コンベア駆動装置を制御することにより前記踏段及び前記移動手すりを逆方向に周回させるリトライ運転を実行させ、前記リトライ運転中の前記移動手すりの周回速度を、前記移動手すり速度検出装置の出力に基づいて計測し、計測した前記リトライ運転中の前記移動手すりの周回速度が正常範囲でない場合に、必要な通報先に通報するようにした。
また本発明においては、無端状に連結された複数の踏段及び無端状の移動手すりが平行に配置され、前記複数の踏段の循環移動と同期して当該踏段と同一方向に前記移動手すりが周回する乗客コンベアの制御方法であって、前記乗客コンベアは、前記複数の踏段を循環移動させると共に前記移動手すりを周回駆動するための原動力を出力する乗客コンベア駆動装置と、前記乗客コンベアから出力された前記原動力を前記移動手すりに伝達して当該移動手すりを周回駆動する移動手すり駆動装置と、前記移動手すりの周回速度を検出する移動手すり速度検出装置と、前記乗客コンベア駆動装置を制御する制御装置とを有し、前記制御装置が、前記乗客コンベアの運転開始時に前記移動手すり速度検出装置により検出された前記移動手すりの周回速度に基づいて前記移動手すりのスリップを検知した場合であって、当該スリップが環境要因によるものであると判定し又は判定されたときに、前記乗客コンベア駆動装置を制御することにより前記踏段及び前記移動手すりを逆方向に周回させるリトライ運転を実行させ、前記リトライ運転中の前記移動手すりの周回速度を、前記移動手すり速度検出装置の出力に基づいて計測する第1のステップと、前記制御装置が、計測した前記リトライ運転中の前記移動手すりの周回速度が正常範囲でない場合に、必要な通報先に通報する第2のステップとを設けるようにした。
本発明の乗客コンベア及びその制御方法によれば、リトライ運転により移動手すりのスリップが解消した場合には通報先に通報されないため、乗客コンベアがリトライ運転によりスリップを解消し得る状態にあるときに保守員が現場に出動することを未然に防止することができる。
また乗客コンベアがリトライ運転によって移動手すりのスリップが解消できる状態にあるときには、保守員が現場に出動して移動手すりのスリップを解消するための作業を行う場合に比べてより迅速に乗客コンベア1を正常状態に復旧させることができる。
本発明によれば、保守員の現地出動回数を抑制し、故障対応時間を低減し得る乗客コンベア及びその制御方法を実現できる。
本実施の形態による乗客コンベアの概略構成を示す側面図である。 移動手すり駆動装置の概略構成を示す側面図である。 自己診断処理の処理手順を示すフローチャートである。 運行管理テーブルの構成例を示す図表である。
以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
(1)本実施の形態による乗客コンベアの構成
図1及び図2において、1は全体として本実施の形態による乗客コンベアを示す。本乗客コンベア1は、建物の上階床及び下階床間を上下に跨ぐように設置されるエスカレーターである。
この乗客コンベア1は、断面凹字状の本体フレーム2を備えて構成され、当該本体フレーム2内に、無端状に連結された複数の踏段3が本体フレーム2の長手方向に沿って循環移動できるように配置されている。
また本体フレーム2における無端状に連結された踏段3の左右両側にはそれぞれスカートガード4が立設され、これらスカートガード4の周端面上を踏段3の循環移動方向と平行に周回できるように無端状の移動手すり5がそれぞれ配置されている。
さらに乗客コンベア1の一方の乗降板(図示せず)の下側には、複数の踏段3を循環移動させると共に移動手すり5を周回するための原動力を出力するモータ6を備えた乗客コンベア駆動装置7と、その中心軸を中心として回転自在に枢支された第1の駆動ギア8とが収納されている。
そして、乗客コンベア駆動装置7のモータ6の出力軸に固定されたギア6Aと、第1の駆動ギア8との間には、無端状のドライビングチェーン9が掛け渡たされている。これにより乗客コンベア駆動装置7のモータ6の回転出力をドライビングチェーン9を介して第1の駆動ギア8に伝達し、この回転出力に基づいて第1の駆動ギア8を図1において時計回り方向や反時計回り方向に回転駆動させ得るようになされている。
第1の駆動ギア8には、第2及び第3の駆動ギア10,11が同軸かつ一体に固定されている。そして第2の駆動ギア10と、乗客コンベア1の他方の乗降板の下側に配設された踏段用ギア12との間には、各踏段3とそれぞれ連結された無端状の踏段チェーン13が掛け渡されている。これにより、第1の駆動ギア8を回転させて踏段チェーン13を第2の駆動ギア10及び踏段用ギア12間で走行駆動させることで、各踏段3を本体フレーム2の長手方向に沿って周回駆動させ得るようになされている。
また乗客コンベア1の中段位置には、乗客コンベア駆動装置7のモータ6から出力された原動力を移動手すり5に伝達して当該移動手すり5を周回駆動する移動手すり駆動装置14が設けられている。実際上、移動手すり駆動装置14は、図2に示すように、第1〜第3の移動手すり駆動上ローラー15A〜15Cと、第1〜第3の移動手すり駆動下ローラー16A〜16Cと、テンションローラー17とを備えて構成される。
そして第3の駆動ギア11と、移動手すり駆動装置14の第1の移動手すり駆動上ローラー15A、テンションローラー17、第2の移動手すり駆動上ローラー15B及び第3の移動手すり駆動上ローラー15Cとの間には、テンションローラー18によりテンションが調整されると共に、第1及び第2のスプロケット19,20により走行方向を誘導されるようにして無端状の移動手すりチェーン21が掛け渡されている。これにより第1の駆動ギア8を回転させて移動手すりチェーン21を第3の駆動ギア11と、移動手すり駆動装置14の第1〜第3の移動手すり駆動上ローラー15A〜15Cとの間で走行駆動させることで、移動手すり駆動装置14の第1〜第3の移動手すり駆動上ローラー15A〜15Cを同じ回転方向に回転駆動させ得るようになされている。
また移動手すり駆動装置14の第1〜第3の移動手すり駆動下ローラー16A〜16Cは、それぞれ第1〜第3の移動手すり駆動上ローラー15A〜15Cのうちの対応する第1、第2又は第3の移動手すり駆動上ローラー15A、15B,15Cと共に移動手すり5を挟圧し得るように配設されている。これにより第1〜第3の移動手すり駆動上ローラー15A〜15Cが回転したときに、第1〜第3の移動手すり駆動上ローラー15A〜15Cと移動手すり5との間の摩擦力により移動手すり5を周回駆動させることができ、かくして移動手すり5を踏段3と同期して本体フレーム2に沿って踏段3と同じ方向に周回駆動させ得るようになされている。
一方、乗客コンベア1の上側には、1又は複数のカメラ22が配置されている。そしてこれらカメラ22の撮像出力は、通信装置から構成される遠隔監視装置29を介して管制センタ等に送信され、管制センタ等においてカメラ22の撮像出力に基づく映像を利用して乗客コンベア1を遠隔監視し得るようになされている。そして安全上の問題が発生した場合には、スピーカからなる放送装置24を介して利用者に音声案内を行うこともできるようになされている。
また乗客コンベア1には、エンコーダを備える上ローラー25と、当該上ローラー25と共に移動手すり5を挟圧する下ローラー26とから構成される移動手すり速度検出装置27が設けられており、移動手すり速度検出装置27のエンコーダから出力されたエンコード信号が乗客コンベア駆動装置7のモータ6の回転を制御する制御装置28に与えられる。
制御装置28は、CPU(Central Processing Unit)及びメモリ等の情報処理資源を備えるコンピュータ装置であり、エレベーターの起動時、移動手すり速度検出装置27から与えられるエンコード信号に基づいて移動手すり5のスリップの有無を判定する。そして制御装置28は、移動手すり5のスリップを検出した場合には、必要に応じてその旨を遠隔監視装置29を介して管制センタ等に通報する。
(2)本実施の形態による自己診断機能
次に、かかる本実施の形態の乗客コンベア1に搭載された自己診断機能について説明する。この自己診断機能は、乗客コンベア1の運転開始時に移動手すり5のスリップを検出した場合に、移動手すり5を通常運転時とは逆の方向に周回させる運転(以下、これをリトライ運転と呼ぶ)を実行することによって、乗客コンベア1が移動手すり5のスリップがない正常な状態に復旧するか否かを診断し、復旧しない場合にのみ管制センタ等に乗客コンベア1に不具合が発生したことを通知する機能である。
図3は、このような自己診断機能に関連して乗客コンベア1の運転開始時に制御装置28により実行される自己診断処理の処理手順を示す。制御装置28は、電源スイッチが投入された後、踏段3を下階から上階に向けて周回させるアップ運転又は踏段3を上階から下階に向けて周回させるダウン運転のいずれかの運転モードがユーザにより選択されて設定されると、この図3に示す自己診断処理を開始する。
そして制御装置28は、まず、乗客コンベア駆動装置7のモータ6を起動することにより、ユーザにより設定された運転モードでの乗客コンベア1の運転を開始させ(S1)、その後、移動手すり速度検出装置27から与えられるエンコード信号に基づいて、乗客コンベア1の運転開始直後における移動手すり5の周回速度を検出する(S2)。
続いて、制御装置28は、ステップS2で検出した移動手すり5の周回速度が予め設定された正常範囲内にあるか否かを判断する(S3)。ここで、この判断で肯定結果を得ることは、移動手すり駆動装置14の第1〜第3の移動手すり駆動上ローラー15A〜15Cの回転力が移動手すり5に推進力として適切に伝達されていることを意味する。かくして、このとき制御装置28は、この自己診断処理を終了する。従って、この場合には、乗客コンベア1の運転がそのまま継続される。
これに対して、ステップS3の判断で否定結果を得ることは、移動手すり駆動装置14の第1〜第3の移動手すり駆動上ローラー15A〜15Cの回転力が移動手すり5に推進力として適切に伝達されておらず、移動手すり5にスリップが発生していることを意味する。かくして、このとき制御装置28は、その原因が環境要因及び機械的要因のうちの環境要因によるものであるか否かを判断する(S4)。
なお「環境要因」とは、移動手すり5のスリップの要因のうち、低温環境下又は長時間の運転停止などの環境的な要因を指す。また「機械的要因」とは、移動手すり5のスリップの要因のうち、移動手すりチェーン21の緩みや、移動手すり5に対する移動手すり駆動装置14の第1〜第3の移動手すり駆動上ローラー15A〜15C及び第1〜第3の移動手すり駆動下ローラー16A〜16Cによる挟圧力の低下などの機械的な要因を指す。
具体的に、制御装置28は、ステップS4において、その乗客コンベア1の設置箇所の現在の気温及び湿度を例えば気象庁のウェブサイトから取得する。そして制御装置28は、取得した気温が予め判定閾値として設定された最高気温以上又は最低気温以下である場合や、その設置箇所の現在の気温が予め判定閾値として設定された最低湿度以下である場合には、移動手すり5のスリップの原因が環境要因によるものであると判定し、これ以外の場合には移動手すり5のスリップの原因が機械的要因によるものであると判定する。また制御装置28は、その乗客コンベア1の直前の停止時間が24時間以上である場合にも移動手すり5のスリップの原因が環境要因によるものと判定し、これ以外の場合には移動手すり5のスリップの原因が機械的要因によるものであると判定する。
なお、制御装置28が、日々の乗客コンベア1の起動時における移動手すり5のスリップの発生の有無や、そのときのリトライ運転の要否などを図4のような運行管理テーブルに登録して管理し、この運行管理テーブルに格納された情報に基づいて判定閾値を適切な値に適宜更新するようにしてもよい。例えば、乗客コンベア1の起動時の気温が11.2℃のときにも環境要因による移動手すり5のスリップが発生した場合には、気温に対する判定閾値を11.2℃に変更するようにしてもよい(図4の「No.2647」の行)。このようにすることによって、移動手すり5のスリップの原因が環境要因及び機械的要因のいずれによるものであるかの判定精度を向上させることができる。
また移動手すり5のスリップの発生時の気温や湿度その他の条件を多変量解析などの統計的手法で解析し、移動手すり5のスリップの発生原因が環境要因及び機械的要因のいずれによるものであるかの判定を行うようにしてもよい。
そして制御装置28は、ステップS4で否定結果を得ると、乗客コンベア駆動装置7のモータ6の駆動を停止させ、さらに踏段3や移動手すり5が動かないようにモータ6の停止状態をロック(以下、この状態を電動運転ホールドと呼ぶ)した後に、遠隔監視装置29を介して管制センタ等に故障の発生を通報し(S20)、この後、この自己診断処理を終了する。かくして、この場合には、保守員がその乗客コンベア1の設置場所に向かい、その乗客コンベア1を点検することになる。
これに対して、ステップS4で肯定結果を得ることは、移動手すり5のスリップの原因が機械的な不具合ではなく、環境的な事由に起因する移動手すり5の一時的な塑性変形が原因であると考えられ、リトライ運転を実行することによって乗客コンベア1を正常な状態に復旧させることができる可能性があることを意味する。
かくして、このとき制御装置28は、ユーザの注意を促す所定の音声アナウンス(例えば、リトライ運転を実行する旨の音声アナウンス)を放送装置24を介して放送し(S5)、その後、乗客コンベア1の電動運転ホールドを解除した上で(S6)、乗客コンベア駆動装置7のモータ6を反転駆動(モータ6の出力軸を運転開始時とは逆方向に回転させるようにモータ6を駆動)させることにより例えば2秒程度の乗客コンベア1の反転運転を開始させる(S7)。
また制御装置28は、乗客コンベア1を反転運転している間、移動手すり速度検出装置27からのエンコード信号に基づいて、そのときの移動手すり5の周回速度を計測し(S8)、かくして得られたそのときの移動手すり5の周回速度が正常速度の範囲内にあるか否かを判断する(S9)。
ここで、この判断で肯定結果を得ることは、かかる移動手すり5のスリップの原因が移動手すり5の一時的な塑性変形に起因するものであり、乗客コンベア1を反転運転させたことにより、移動手すり5に対する移動手すり駆動装置14の第1〜第3の移動手すり駆動上ローラー15A〜15C及び第1〜第3の移動手すり駆動下ローラー16A〜16Cの当接部分が当該移動手すり5における塑性変形していない部分に移動し、この結果として移動手すり駆動装置14の第1〜第3の移動手すり駆動上ローラー15A〜15Cの回転力を適切に推進力として移動手すり5に伝達できるようになった(つまり移動手すり5がスリップしなくなった)ことを意味する。
かくして、このとき制御装置28は、乗客コンベア駆動装置7のモータ6の駆動を停止することにより乗客コンベア1の反転運転を停止させると共に(S15)、リトライ運転が正常に終了したので、再度、乗客コンベア1を運転開始すべき旨のアナウンスを放送装置24を介して放送する(S16)。
この後、制御装置28は、乗客コンベア1の運転を再開させる操作がユーザにより行われるのを待ち受ける(S17)。そして制御装置28は、やがてかかる操作が行われると、移動手すり速度検出装置27から与えられるエンコード信号に基づいて、移動手すり5の周回速度を計測し(S18)、計測した移動手すり5の周回速度が正常範囲内にあるか否かを判断する(S19)。なお、この判断は、乗客コンベア1の運転形態を通常の運転形態(アップ運転又はダウン運転)に戻した状態で移動手すり5が正常に周回駆動しているか否かを判断するためである。
ここで、この判断で肯定結果を得ることは、かかるリトライ運転により乗客コンベア1が正常な状態に復旧したことを意味する。かくして、このとき制御装置28は、この自己診断処理を終了する。
またステップS20の判断で否定結果を得ることは、かかるリトライ運転によっては乗客コンベア1を復旧させることができなかったことを意味する。かくして、このとき制御装置28は、乗客コンベア駆動装置7のモータ6の駆動を停止させ、乗客コンベア1を電動運転ホールドした後に、遠隔監視装置29を介して管制センタ等に故障の発生を通報し(S20)、この後、この自己診断処理を終了する。かくして、この場合には、保守員がその乗客コンベア1の設置場所に向かい、その乗客コンベア1を点検することになる。
これに対して、制御装置28は、ステップS9の判断で否定結果を得ると、1回目のリトライ運転(S5〜S9−S15)に比べてより低速度かつより長時間乗客コンベア1を反転運転する2回目のリトライ運転を実行する(S10〜S15)。
具体的に、制御装置28は、まず、ユーザの注意を促す所定の音声アナウンス(例えば、リトライ運転を再度実行する旨の音声アナウンス)を放送装置24を介して放送し(S10)、乗客コンベア1の電動運転ホールドを解除した上で(S11)、乗客コンベア駆動装置7のモータ6をステップS7のときよりも低トルクかつ長時間反転駆動させることにより例えば12秒程度の乗客コンベア1の反転運転を開始させる(S12)。
また制御装置28は、乗客コンベア1を反転運転している間、移動手すり速度検出装置27からのエンコード信号に基づいて、そのときの移動手すり5の周回速度を計測し(S13)、かくして得られたそのときの移動手すり5の周回速度が正常速度の範囲内にあるか否かを判断する(S14)。
そして制御装置28は、この判断で肯定結果を得ると乗客コンベア駆動装置7のモータ6の駆動を停止することにより乗客コンベア1の反転運転を停止させ(S15)、この後、ステップS16以降の処理を上述と同様に実行する。
これに対して制御装置28は、ステップS14の判断で否定結果を得ると、乗客コンベア駆動装置7のモータ6の駆動を停止させ、乗客コンベア1を電動運転ホールドした後に、遠隔監視装置29を介して管制センタ等に故障の発生を通報し(S20)、この後、この自己診断処理を終了する。かくして、この場合には、保守員がその乗客コンベア1の設置場所に向かい、その乗客コンベア1を点検することになる。
(3)本実施の形態の効果
以上のように本実施の形態の乗客コンベア1では、運転開始時に環境要因による移動手すり5のスリップを検出した場合に、移動手すりや踏段を通常運転方向とは逆方向に移動させるリトライ運転を実行し、当該リトライ運転によっても移動手すり5のスリップが解消しなかった場合にのみ管制センタ等に通報する。
従って、本乗客コンベア1によれば、リトライ運転によって移動手すり5のスリップが解消した場合には管制センタ等への通報が行われないため、乗客コンベア1がリトライ運転によりスリップを解消し得る状態にあるときに保守員が現場に出動するのを未然に防止することができる。
また、乗客コンベア1がリトライ運転によって移動手すり5のスリップが解消できる状態にあるときには、保守員が現場に出動して移動手すり5のスリップを解消するための作業を行う場合に比べてより迅速に乗客コンベア1を正常状態に復旧させることができる。
よって、本乗客コンベア1によれば、保守員の現地出動回数を抑制し、故障対応時間を低減させることができる。
また本乗客コンベア1では、1回目のリトライ運転で正常状態に復旧しなかった場合に、より復旧し易い条件(低速度及び長時間)で2回目のリトライ運転を実行するため、乗客コンベア1が正常状態に復旧する可能性を向上させることができ、その結果、より一層と保守員の現地出動回数を抑制し、故障対応時間を低減することができる。
(4)他の実施の形態
なお上述の実施の形態においては、本発明をエスカレーターに適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、歩く歩道など、この他種々の乗客コンベアに広く適用することができる。
また上述の実施の形態においては、自己診断処理のステップS4において、移動手すり5のスリップの原因が機械的要因及び環境要因のいずれによるもかを制御装置28が判定するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、管制センタ等においてかかる判定を行うようにしてもよい。なお、この場合には、図4について上述した運行管理テーブルを管制センタ等において保持することになる。
さらに上述の実施の形態においては、リトライ運転中の移動手すりの周回速度が正常範囲でない場合に、故障の発生を管制センタ等に通報するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、その乗客コンベア1の保守を担当する保守員に直接通報するようにしてもよく、かかる通報の通報先としては、この他種々の通報先を広く適用することができる。
本発明はエスカレーターや歩く歩道などの種々の形態の乗客コンベアに広く適用することができる。
1……乗客コンベア、3……踏段、5……移動手すり、6……モータ、7……乗客コンベア駆動装置、14……移動手すり駆動装置、15A〜15C……移動手すり駆動上ローラー、16A〜16C……移動手すり駆動下ローラー、27……移動手すり速度検出装置、28……制御装置。

Claims (8)

  1. 無端状に連結された複数の踏段及び無端状の移動手すりが平行に配置され、前記複数の踏段の循環移動と同期して当該踏段と同一方向に前記移動手すりが周回する乗客コンベアであって、
    前記複数の踏段を循環移動させると共に前記移動手すりを周回駆動するための原動力を出力する乗客コンベア駆動装置と、
    前記乗客コンベアから出力された前記原動力を前記移動手すりに伝達して当該移動手すりを周回駆動する移動手すり駆動装置と、
    前記移動手すりの周回速度を検出する移動手すり速度検出装置と、
    前記乗客コンベア駆動装置を制御する制御装置と
    を備え、
    前記制御装置は、
    前記乗客コンベアの運転開始時に前記移動手すり速度検出装置により検出された前記移動手すりの周回速度に基づいて前記移動手すりのスリップを検知した場合であって、当該スリップが環境要因によるものであると判定し又は判定されたときに、前記乗客コンベア駆動装置を制御することにより前記踏段及び前記移動手すりを逆方向に周回させるリトライ運転を実行させ、前記リトライ運転中の前記移動手すりの周回速度を、前記移動手すり速度検出装置の出力に基づいて計測し、
    計測した前記リトライ運転中の前記移動手すりの周回速度が正常範囲でない場合に、必要な通報先に通報する
    ことを特徴とする乗客コンベア。
  2. 前記制御装置は、
    前記乗客コンベアの運転開始時に前記移動手すり速度検出装置により検出された前記移動手すりの周回速度に基づいて前記移動手すりのスリップを検知した場合であって、当該スリップが環境要因によるものであると判定し又は判定されたときに、前記乗客コンベア駆動装置を制御することにより1回目の前記リトライ運転を実行させ、1回目の前記リトライ運転中の前記移動手すりの周回速度を、前記移動手すり速度検出装置の出力に基づいて計測し、
    計測した1回目の前記リトライ運転中の前記移動手すりの周回速度が正常範囲でない場合に、前記乗客コンベア駆動装置を制御することにより、1回目の前記リトライ運転よりも低速度で長時間前記踏段及び前記移動手すりを逆方向に周回させる2回目の前記リトライ運転を実行させ、2回目の前記リトライ運転中の前記移動手すりの周回速度を、前記移動手すり速度検出装置の出力に基づいて計測し、
    計測した2回目の前記リトライ運転中の前記移動手すりの周回速度が正常範囲でない場合に、前記通報先に通報する
    ことを特徴とする請求項1に記載の乗客コンベア。
  3. 前記制御装置は、
    前記乗客コンベアの運転開始時に前記移動手すり速度検出装置により検出された前記移動手すりの周回速度に基づいて前記移動手すりのスリップを検知した場合に、当該スリップが前記環境要因によるものであるか否かを判定し、
    当該スリップが前記環境要因によるものであると判定した場合には、前記リトライ運転を実行させ、当該スリップが前記環境要因によるものでないと判定した場合には、前記リトライ運転を実行させることなく前記通報先に通報する
    ことを特徴とする請求項1に記載の乗客コンベア。
  4. 前記制御装置は、
    前記リトライ運転させる際に、ユーザの注意を促す音声アナウンスを放送する
    ことを特徴とする請求項1に記載の乗客コンベア。
  5. 無端状に連結された複数の踏段及び無端状の移動手すりが平行に配置され、前記複数の踏段の循環移動と同期して当該踏段と同一方向に前記移動手すりが周回する乗客コンベアの制御方法であって、
    前記乗客コンベアは、
    前記複数の踏段を循環移動させると共に前記移動手すりを周回駆動するための原動力を出力する乗客コンベア駆動装置と、
    前記乗客コンベアから出力された前記原動力を前記移動手すりに伝達して当該移動手すりを周回駆動する移動手すり駆動装置と、
    前記移動手すりの周回速度を検出する移動手すり速度検出装置と、
    前記乗客コンベア駆動装置を制御する制御装置と
    を有し、
    前記制御装置が、前記乗客コンベアの運転開始時に前記移動手すり速度検出装置により検出された前記移動手すりの周回速度に基づいて前記移動手すりのスリップを検知した場合であって、当該スリップが環境要因によるものであると判定し又は判定されたときに、前記乗客コンベア駆動装置を制御することにより前記踏段及び前記移動手すりを逆方向に周回させるリトライ運転を実行させ、前記リトライ運転中の前記移動手すりの周回速度を、前記移動手すり速度検出装置の出力に基づいて計測する第1のステップと、
    前記制御装置が、計測した前記リトライ運転中の前記移動手すりの周回速度が正常範囲でない場合に、必要な通報先に通報する第2のステップと
    を備えることを特徴とする乗客コンベアの制御方法。
  6. 前記第1のステップにおいて、前記制御装置は、
    前記乗客コンベアの運転開始時に前記移動手すり速度検出装置により検出された前記移動手すりの周回速度に基づいて前記移動手すりのスリップを検知した場合であって、当該スリップが環境要因によるものであると判定し又は判定されたときに、前記乗客コンベア駆動装置を制御することにより1回目の前記リトライ運転を実行させ、1回目の前記リトライ運転中の前記移動手すりの周回速度を、前記移動手すり速度検出装置の出力に基づいて計測し、
    計測した1回目の前記リトライ運転中の前記移動手すりの周回速度が正常範囲でない場合に、前記乗客コンベア駆動装置を制御することにより、1回目の前記リトライ運転よりも低速度で長時間前記踏段及び前記移動手すりを逆方向に周回させる2回目の前記リトライ運転を実行させ、2回目の前記リトライ運転中の前記移動手すりの周回速度を、前記移動手すり速度検出装置の出力に基づいて計測し、
    前記第2のステップにおいて、前記制御装置は、
    計測した2回目の前記リトライ運転中の前記移動手すりの周回速度が正常範囲でない場合に、前記通報先に通報する
    ことを特徴とする請求項5に記載の乗客コンベアの制御方法。
  7. 前記第1のステップにおいて、前記制御装置は、
    前記乗客コンベアの運転開始時に前記移動手すり速度検出装置により検出された前記移動手すりの周回速度に基づいて前記移動手すりのスリップを検知した場合に、当該スリップが前記環境要因によるものであるか否かを判定し、
    当該スリップが前記環境要因によるものであると判定した場合には、前記リトライ運転を実行させ、当該スリップが前記環境要因によるものでないと判定した場合には、前記リトライ運転を実行させることなく前記通報先に通報する
    ことを特徴とする請求項5に記載の乗客コンベアの制御方法。
  8. 前記第1のステップにおいて、前記制御装置は、
    前記リトライ運転させる際に、ユーザの注意を促す音声アナウンスを放送する
    ことを特徴とする請求項5に記載の乗客コンベアの制御方法。
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