JP6768926B2 - クリップ処置具 - Google Patents
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Description
また、クリップ取外し部は、操作部による操作により開閉する把持部を備える把持鉗子を有し、突出部を把持部で挟んで押圧することにより突出部の外径を開口部の内径以下に縮めることが好ましい。
また、クリップ本体は、2以上の腕部の基端部の間を接続する接続部を有し、移動規制部は、ピン状部材を有し、ピン状部材は、両端部が押え管の内周面に固定され、2以上の腕部の間に挿通され、2以上の腕部の開閉方向と直交する方向に延在するものであり、係止が解除され、クリップ本体が押え管の先端側に相対的に移動した場合に、ピン状部材と接続部とが当接してクリップ本体が押え管の先端部から飛び出すことを規制することが好ましい。
また、クリップ本体は、2以上の腕部の基端部の間を接続する接続部を有し、移動規制部は、押え管の内周面に設けられ、2以上の腕部の間に挿通され、押え管の内周面から2以上の腕部の開閉方向と直交する方向に突出する2以上の凸部を有し、係止が解除され、クリップ本体が押え管の先端側に相対的に移動された場合に、2以上の凸部と接続部とが当接してクリップ本体が押え管の先端部から飛び出すのを規制することが好ましい。
また、押え管の基端部の外側端面において、突出部を押圧する押圧方向の突出部の両側に設けられ、押圧方向の両側から押圧されることにより突出部に向かって移動される被押圧部を有し、クリップ取外し部は、押圧方向の両側から被押圧部を押圧することにより、被押圧部を突出部に向かって移動させ、突出部を押圧して突出部の外径を開口部の内径以下に縮め、突出部と開口部との係合を解除することにより、係止を解除することが好ましい。
また、2以上の腕部の各々は、2以上の腕部が閉状態に係止された場合に押え管の中心軸から2以上の第2開口部の各々に向かって突出する第3凸部を有することが好ましい。
また、係止部は、2つの腕部の各々の基端側の端部に設けられた傾斜部と、傾斜部から先端側にそれぞれ設けられ、先端側の端部が角部となる頂部とを備え、頂部の先端側の端部が角部となる2つの板状部材を有し、2つの板状部材の頂部が2つの腕部の開閉方向に互いに対向するように形成されたものであり、被係止部は、押え管の基端側の端部が縮経することで形成され、対向する2つの頂部間の長さよりも小さい内径を持つ係止孔を有し、先端側から基端側への連結部材の移動によって、2つの傾斜部が係止孔の先端部によって互いに近接する方向に押圧されて係止孔を通過し、2つの頂部の角部が被係止部の係止孔を越える位置まで移動し、2つの傾斜部を弾性力によって互いに離間させて2つの頂部の角部が被係止部の基端面に係止され、連結部材は2つの腕部が閉状態で押え管にロックされることが好ましい。
また、クリップ本体と連結部材とが分離された状態において、2つの頂部が、両外側から押圧され、2つの頂部の先端側の角部における外径が係止孔の内径より小さくなると、クリップ本体が付勢部材によって付勢されて基端側から先端側に移動し、基端側から先端側へのクリップ本体の移動によって、2つの腕部が閉状態から次第に開いて開状態に戻ることが好ましい。
また、2つの腕部の各々は、幅方向に突出する突起部を有し、押え管は、内径が両端部における内径よりも狭い絞り部を軸方向の中央部に有し、付勢部材は、突起部と絞り部との間に配置され、係止部は、絞り部よりも基端側を移動可能であることが好ましい。
また、少なくとも操作部となる第1の操作部およびシース部を有する第1処置具と、少なくとも操作部となる第2の操作部およびクリップ取外し部を有する第2処置具とを備え、第1処置具と第2処置具とは別体で構成されていることが好ましい。
なお、全ての図面において、理解を容易にするために、本実施形態における各構成要素の厚さおよび長さ等の寸法は、必要に応じて実寸から適宜変更されている。
本実施形態のクリップ処置具は、第1処置具と、第2処置具とを備えている。まず、第1処置具について説明する。
図3および図4に示す第1処置具1は、内視鏡114の処置具挿入口136から患者の体内に挿入され、処置具導出口144から突出されて処置部Tをクリップで結紮するものであり、クリップ10と、処置具本体40とを備えている。クリップ10は、処置具本体40の先端部に着脱可能に取り付けられている。なお、本発明のクリップ処置具において、処置部の側を先端側、操作者の側を基端側とする。
まず、クリップ10の構成の説明を行う。
クリップ10は、図3および図4に示すように、クリップ本体11と、押え管31と、つる巻きバネ(本発明のバネ部材)36とを備えている。即ち、クリップ10は、クリップ本体11と、押え管31と、つる巻きバネ36とをユニット化したクリップユニットとして構成される。
クリップ10の構成部材は、コバルトクロム合金、チタンおよびステンレス鋼等の材料から形成され、クリップ10を患者の体内に留置した後も、その患者はMRI(核磁気共鳴画像法)を受診することが可能である。
クリップ本体11は、本発明の腕部を構成するものであり、第1腕部12と、第2腕部13と、中央部14とを備えている。
第1腕部12および第2腕部13は、基端側から先端側に向けて延びるとともに互いに対向するように並べて配置されている。また、第1腕部12および第2腕部13は、自然状態において基端側から先端側に向かうに従って互いに離間するように形成されている。中央部14は、第1腕部12の基端部と第2腕部13の基端部との間に位置する。第1腕部12および第2腕部13は、中央部14を介して互いに接続され、開閉動作が可能である。第1腕部12の先端部には、第2腕部13側に向かって延びる爪12aが形成されている。第2腕部13の先端部には、第1腕部12側に向かって延びる爪13aが形成されている。
第1腕部12の第1被係止部16、17、および、第2腕部13の第2被係止部21、22は、本発明のクリップ係止部の突出部を構成する。
また、クリップ本体11は、第1腕部12と中央部14との接続部、および第2腕部13と中央部14との接続部で折り曲げられて、中央部14が側面視でC字状となるように一体に形成されている。
押え管31は、円筒状に形成され、クリップ本体11の基端部を収容する。
図4および図5に示すように、押え管31の基端部の内周面には、全周にわたり係止部32が突出している。押え管31および係止部32は一体に形成されている。
図4に示すように、係止部32の基端面32b(基端側端面)および先端面32c(先端側端面)は、軸線方向Yに直交している。図5に示すように、第1腕部12の第1被係止部16の端から第1被係止部17の端までの直交方向Zの長さ、および第2腕部13の第2被係止部21の端から第2被係止部22の端までの直交方向Zの長さL1は、係止部32の内径よりも小さい。これに対し、第1腕部12の突部18の端から突部19の端までの直交方向Zの長さ、および第2腕部13の突部23の端から突部24の端までの直交方向Zの長さは、係止部32の内径よりも大きい。したがって、係止部32の開口部32a内には、第1腕部12における突部18、19よりも基端側の部分、第2腕部13における突部23、24よりも基端側の部分、および中央部14が挿通可能である。
なお、本発明においては、クリップ本体は、2以上の腕部を有していても良いので、突出部の先端部は両側で4つ以上となるので、突出部の外径は、2以上の腕部の突出部の先端部に外接する外接円の直径であると定義される。また、本発明においては、押え管の係止部の開口部は、どのような形状の開口であっても良いので、開口部の内径は、開口部の開口に内接する内接円の直径であると定義される。
クリップ本体11が押え管31の基端側に相対的に移動されて、第1腕部12の第1被係止部16、17および第2腕部13の第2被係止部21、22、つまり、本発明のクリップ係止部を構成する突出部が、その外径が係止部32の開口部32aの内径よりも小さくなり押え管31の開口部32aを越えた場合に、突出部の外径が開口部32aの内径よりも大きくなり突出部と開口部32aとが係合されることによってクリップ10の腕部12、13が閉状態に係止される。
その結果、第1被係止部16、17、および第2被係止部21、22が開口部32aを越えると、第1腕部12と第2腕部13とが互いに中心軸線C1から離れ、突出部の外径が開口部32aの内径より大きくなり、上記長さL1がP1とP2との間の長さよりも大きくなる。その結果、第1被係止部16、17、および第2被係止部21、22と開口部32aとが係合されることによってクリップ本体11の腕部12、13が閉状態に係止される。
つる巻きバネ36は、押え管31内に収容されたクリップ本体11を押え管31の先端側に付勢する。図3および図4に示すように、つる巻きバネ36の先端部には、座巻き部36bが設けられている。
つる巻きバネ36は、押え管31内に収容され、先端部(座巻き部36b)が突部18、19、および突部23、24に係止されるとともに、基端部が係止部32の先端面32cに係止されている。
つる巻きバネ36内には、第1腕部12における突部18、19よりも基端側の部分、第2腕部13における突部23、24よりも基端側の部分、および中央部14が挿通可能である。突部18、19、23、24が基端側に移動したときには、突部18、19、23、24は、つる巻きバネ36の座巻き部36bに係止される。
一方、つる巻きバネ36は、クリップ10の腕部12、13の係止が解除された場合に伸張してクリップ本体11を押え管31の先端側に相対的に移動させる。クリップ10の腕部12、13は、押え管31の先端部から突出されるに従って開状態にされる。
上述のように構成されたクリップ10は、初期状態では第1腕部12と第2腕部13とが対向方向Xに離間している。このため、図5に示すように第1被係止部16を基端側に投影すると、第1被係止部16は係止部32の縁部32aにおける位置P1の部分に重なる。
初期状態の押え管31に対する第1腕部12の対向方向Xおよび直交方向Zの位置を維持した状態で、押え管31に対して第1腕部12を基端側に移動させると、縁部32aの位置P1の部分に第1被係止部16の基端面16aが点接触する。同様に、押え管31に対して第1腕部12を基端側に移動させると、縁部32aの位置P2の部分に第1被係止部17の基端面17aが点接触する。位置P1、P2に対応する縁部32aの直交方向Zの位置を、図4に位置Q1、Q2として示す。
押え管31に対して第1腕部12を基端側に移動させると、第1腕部12と一体に形成されている第2腕部13も押え管31に対して基端側に移動する。この場合には、第1腕部12の第1被係止部16、17と同様に、押え管31の係止部32の縁部32aに第2被係止部21、22の傾斜しているそれぞれの基端面(不図示)が接触する。
続いて、処置具本体40の構成の説明を行う。
処置具本体40は、図3および図4に示すように、外套管50と、外套管50内に進退可能に挿通された挿入部60と、挿入部60の基端部に取付けられた操作部100(本発明の第1の操作部)とを備えている。
挿入部60は、シース部61と、操作ワイヤ62と、連結部材63とを備えている。
操作ワイヤ62は、シース部61内に進退可能に挿通されている。連結部材63は、押え管31内に配置されている。連結部材63は、操作ワイヤ62の先端部に接続され、操作ワイヤ62に対して対向方向Xに平行な軸を中心として回動可能に設けられている。
先端部材67は円筒状に形成され、内径はコイルシース66の内径よりも小さい。先端部材67の外径は、コイルシース66や押さえ管31よりも大きい。先端部材67の基端部の外周面には、外径が縮径されることによって凹部67aが形成されている。この凹部67aにコイルシース66の先端を係合させた状態において、先端部材67とコイルシース66とが固定されている。
拡径部72は、円筒状に形成されている。拡径部72の外径は、コイルシース66の内径よりも小さく、先端部材67の内径よりも大きい。段部68に拡径部72の先端面が当接することにより、シース部61に対するループ部73の突出量が図17に示す長さL2に規制される。この長さL2は、先端部材67により許容されるループ部73の最大突出量である。
ループ部73は、ワイヤ73aを折り曲げることにより形成されている。折り曲げ部が先端側になるように折り曲げられたワイヤ73aの両端部は、拡径部72に固定されている。
操作部100は、図3に示すように、操作部本体101と、スライダ102とを備えている。
操作部本体101は、コイルシース66の基端部、言い換えると、シース部61の基端部に取付けられている。スライダ102は、操作部本体101に外嵌されて操作部本体101に対して軸線方向Yにスライド可能に設けられている。操作ワイヤ62の基端部はスライダ102に接続されている。
スライダ102は操作ワイヤ62に接続されているため、スライダ102を操作部本体101に対して基端側に引くと、操作ワイヤ62を基端側に引くことができ、クリップ本体11を押え管31に対して引き戻すことができる。つまり、操作部100による操作により、押え管31の先端部から突出された腕部12、13が押え管31内に収容されるに従って腕部12、13を閉状態にすることができる。
一方、スライダ102を操作部本体101に対して先端側に移動させるように操作することにより、操作ワイヤ62が先端側に移動される。つまり、操作部100による操作により、クリップ本体11が押え管31に対して先端側に移動され、腕部12、13が押え管31の先端部から突出されるに従って腕部12、13を開状態にすることができる。
つまり、スライダ102を操作部本体101に対して軸線方向Yにスライドさせることで、操作ワイヤ62を軸線方向Yに進退操作することができ、腕部12、13を開閉動作させることができる。
第2処置具は、クリップ10の突出部、つまり、第1腕部12の第1被係止部16、17および第2腕部13の第2被係止部21、22の外径を押え管31の開口部32aの内径以下に縮め、突出部と開口部32aとの係合を解除することにより腕部12、13の係止を解除する(図22〜図23参照)。腕部12、13の係止が解除された場合、つる巻きバネ36が伸張してクリップ本体11を押え管31の先端側に相対的に移動させ、腕部12、13が押え管31の先端部から突出されるに従って開状態にされる(図23参照)。
先端把持部80は、一対の爪部材83a、83bを備えている。爪部材83a、83bは、把持部を構成し、操作部82による操作により開閉する。爪部材83a、83bは、基端側から先端側に向けて延びるとともに、その把持面が閉状態において互いに対向するように配置されている。
挿入部81は、シース84と、操作ワイヤ85とを備えている。
操作ワイヤ85は、シース84内に進退可能に挿通されている。先端把持部80は、シース84の先端部に取り付けられ、操作ワイヤ85の先端部に接続されている。
操作部82は、操作部本体86と、スライダ87とを備えている。
操作部本体86は、シース84の基端部に取付けられている。スライダ87は、操作部本体86に外嵌されて操作部本体86に対して挿入部81の延在方向にスライド可能に設けられている。操作ワイヤ85の基端部はスライダ87に接続されている。
爪部材83a、83bの開閉操作は操作部82により行われる。操作部本体86に対してスライダ87を基端側に移動させることにより、操作ワイヤ85が基端側に移動され、これにより、一対の爪部材83a、83bが閉状態(把持状態)になる。一方、操作部本体86に対してスライダ87を先端側に移動させることにより、操作ワイヤ85が先端側に移動され、これにより、一対の爪部材83a、83bが開状態(非把持状態)になる。
ループ部90は、ワイヤを折り曲げることにより形成されている。ワイヤの折り曲げ部が先端側に向けられている。ループ部90は、操作部92による操作により、そのループの径が拡縮する。
挿入部91は、シース94と、操作ワイヤ95とを備えている。
操作ワイヤ95は、シース内に進退可能に挿通されている。ループ部90のワイヤの両端部は、シース94の先端部に取り付けられ、操作ワイヤ95の先端部に接続されている。
操作部92の構成は、図6に示す操作部82と同様であり、操作部本体96と、スライダ97とを備えている。
ループ部90のループの径の拡縮操作は操作部92により行われる。操作部本体96に対してスライダ97を基端側に移動させることにより、操作ワイヤ95が基端側に移動され、これにより、ループ部90がシース94内に収容されてループ部90のループの径が縮められる。一方、操作部本体96に対してスライダ97を先端側に移動させることにより、操作ワイヤ95が先端側に移動され、これにより、ループ部90がシース94の先端部から突出されてループ部90のループの径が拡げられる。
まず、図1に示す内視鏡114の挿入部124を患者の体内に挿入し、患者の体内の様子を観察しながら処置部Tの近傍まで進め、かつ、アングルノブ134を操作して湾曲部128を湾曲させることにより、挿入部124の先端部130を処置部Tに近づける。例えば、図8Aおよび図8Bに示すように、食道を通過して胃の側壁にある処置部Tの近傍まで挿入部124の先端部130を進める。図8Bは、図8Aにおいて破線で囲まれた部分の拡大図である。
次に、第1処置具1の動作について説明する。
第1処置具1は、初期状態において、図9に示すように、処置具本体40に取付けられた状態のクリップ10を覆うように挿入部60に対して外套管50が押込まれている。先端支持面67bに押え管31の基端面が当接している。段部68に拡径部72の先端面が当接していて、先端部材67に対してループ部73は最大突出量まで突出している。
連結部材63は押え管31内に配置されているため、ループ部73に対して連結部材63が回動できず、フック部77と中央部14との係合は保持されている。
スライダ102をさらに引戻すと、押え管31の係止部32に第1被係止部16、17および第2被係止部21、22が接触した接触状態になる。このとき、図5に示すように、押え管31の縁部32aにおける位置P1に第1被係止部16が接触し、位置P2に第1被係止部17が接触する。
クリップ10の腕部12、13は、開状態から閉状態に変わる。連結部材63は押え管31内またはシース部61内に配置されているため、ループ部73に対して連結部材63が回動できず、フック部77と中央部14との係合は保持される。
第1被係止部16、17の基端面16a、17aは前述のように傾斜しており、縁部32aは円形形状である。このため、スライダ102をさらに引戻すと、図13に示す軸線方向Yに見たときに、第1被係止部16は係止部32の縁部32aに接触する位置P1において縁部32aの接線θに直交する法線Nに平行に、縁部32aから垂直抗力を受ける。この垂直抗力により、第1腕部12の第1被係止部16は、第2腕部13に近づくように対向方向Xに移動する。
クリップ10の腕部12、13は閉状態を維持している。連結部材63はシース部61内に配置されているため、フック部77と中央部14との係合は保持される。
図13に示すように、乗越え状態において、縁部32aの位置P3と位置P4との距離は、前述の第1被係止部16、17の長さL1に等しくなる。
なお、クリップ10は弾性変形する。このため、クリップ10が係止状態ではないときにスライダ102を押込むと、圧縮されていたつる巻きバネ36が伸びる。先端支持面67bに押え管31が当接した状態で押え管31に対してクリップ本体11が先端側に移動し、クリップ10が図11に示す初期状態に戻る。湾曲部128を湾曲操作するなどして内視鏡114を操作することにより、改めて他の処置部Tにクリップ10を対向させる。これ以降は前述の手順を行うことで、処置部Tをクリップ10で掴み直すことができる。
スライダ102を乗越え状態からさらに引戻すと、押え管31に対する第1腕部12および第2腕部13の対向方向Xおよび直交方向Zの位置を維持した状態で、係止部32内を第1被係止部16、17が設けられた第1腕部12、および第2被係止部21、22が設けられた第2腕部13が挿通する。そして、第1被係止部16、17および第2被係止部21、22が係止部32を超えて基端側に移動する。
この後で、処置具本体40からクリップ10を分離する。
クリップ10を処置具本体40から分離する手順は以下の通りである。スライダ102を押込むと、操作ワイヤ62がコイルシース66に対して先端側に移動する。図17に示すように、段部68に拡径部72の先端面が当接し、先端部材67に対してループ部73が最大突出量である長さL2まで突出する。
図19に示すように、スライダ102を引戻してシース部61内に連結部材63を収容し、内視鏡114の処置具挿入口136から第1処置具1を引抜いて取り出す。なお、複数の処置部を結紮する場合には前述の動作を繰り返し行う。
最後に、患者の体内から内視鏡114の挿入部124を取り出す。
内視鏡114の動作は、処置部Tを結紮する場合と同様である。例えば、図20に示すように、食道を通過して胃の側壁の処置部Tにあるクリップ10の近傍まで挿入部124の先端部130を進める。
次に、図6に示す第2処置具(把持鉗子)2の動作について説明する。
次に、図7に示す第2処置具(スネア状部材)3の動作について説明する。
これ以後の第2処置具(スネア状部材)3の動作は、第2処置具(把持鉗子)2の場合と同様である。
例えば、操作ミス等により、クリップ10による結紮位置が結紮すべき位置からずれた場合、ずれた位置に結紮されたクリップ10は不要なだけでなく、結紮すべき位置の直ぐ隣に残されていると、結紮すべき位置に次のクリップを結紮する場合にも邪魔となる。
この場合、内視鏡114の処置具挿入口136から第1処置具1を引抜いて取り出し、内視鏡114の挿入部124を引き抜かずに第2処置具2または3を挿入して、ずれた位置に結紮されたクリップ10の腕部12、13の係止を解除してクリップ10を取り出してもよい。
この場合、第1処置具1の操作部100および第2処置具2、3の操作部82、92を共通化して1つの操作部を使用することができる。また、上記のように、ずれた位置に結紮されたクリップ10を取り出す際に、第1処置具1と第2処置具2、3とが別体の場合には第1処置具と第2処置具2、3とを入れ替える必要があるが、一体型の場合には入れ替える必要がないというメリットがある。
図24および図25に示すクリップ10aは、クリップ本体11と、押え管31と、つる巻きバネ36と、本発明の移動規制部であるピン状部材34とを備えている。
クリップ10aは、図3および図4に示すクリップ10と、ピン状部材34を除いて同様の構成を有するものであるので、同じ構成要素には同じ番号を付し、その詳細な説明を省略する。
ピン状部材34は、図3および図4に示すクリップ10において、押え管31の中にクリップ本体11の係止部32による係止を、本発明のクリップ取外し部を構成する第2の処置具2または3によって解除した際の本発明のバネ部材であるつる巻きバネ36によるクリップ本体11の前方への飛び出しを防止するものである。
本実施形態のクリップ10aにおいては、押え管31内にピン状部材34を有することにより、押え管31の係止部32によるクリップ本体11の係止が解除されて、クリップ本体11が押え管31の先端側に移動する。その結果、つる巻きバネ36の座巻基部36bとクリップ本体11の第1腕部12の突部18、19、および第2腕部13の突部の23、24との係止が解除されて、押え管31からクリップ本体11が先端側に飛び出そうとするとき、ピン状部材34と、第1腕部12および第2腕部13の接続部である中央部14とが当接する。こうして、クリップ本体11は、押え管31の先端部から飛び出すことが規制される。
クリップ10bは、クリップ本体11と、押え管31と、つる巻きバネ36と、本発明の移動規制部である片持ち梁部材35とを備えている。
クリップ10bは、図24および図25に示すクリップ10aと、ピン状部材34の代わりに片持ち梁部材35を備えている点を除いて同様の構成を有するものであるので、同じ構成要素には同じ番号を付し、その詳細な説明を省略する。
また、図26に示す片持ち梁部材35は、図24および図25に示すクリップ10aのピン状部材34と同様に、押え管31の係止部32によるクリップ本体11の係止が解除されて、押え管31からクリップ本体11が先端側に飛び出そうとするとき、第1腕部12および第2腕部13の接続部である中央部14と当接して、クリップ本体11が押え管31の先端部から飛び出すことを規制するものである。
また、図26に示す例では、移動規制部として、一方の端部が押え管31の先端部に固定される片持ち梁部材35を用いているが、本発明はこれに限定されず、一方の端部が押え管31の内周面に固定される片持ち梁部材を用いても良い。
また、本発明においては、このようなピン状部材および片持ち梁部材の代わりに、中間部が切断されたピン状部材、または互いに先端部が対向する2つの片持ち梁部材等を用いても良い。
また、本発明においては、クリップ本体が2以上の腕部を有する場合には、2以上の腕部の少なくとも2つの腕部の間に挿通され、2以上の腕部の少なくとも2つの腕部の開閉方向と直交する方向に延在し、両端部が押え管の内周面または先端部に固定されたピン状部材、または一方の端部が押え管の先端部または内周面に固定される片持ち梁部材等を、移動規制部として用いても良い。
クリップ10cは、クリップ本体11と、押え管31と、つる巻きバネ36と、本発明の移動規制部である凸部37とを備えている。
クリップ10cは、図6に示すクリップ10bと、片持ち梁部材35の代わりに凸部37を備えている点を除いて同様の構成を有するものであるので、同じ構成要素には同じ番号を付し、その詳細な説明を省略する。
凸部37は、押え管31の先端部に形成され、図24および図25に示すピン状部材34と同様に、クリップ本体11の腕部12と13との間に挿通され、2つの腕部12および13の開閉方向に対して直交する方向(垂直)に突出するものである。
図27に示す凸部37は、ピン状部材34と同様に、クリップ本体11が押え管31から先端側に飛び出そうとするとき、第1腕部12および第2腕部13の接続部である中央部14と当接して、クリップ本体11が押え管31の先端部から飛び出すことを規制するものである。
クリップ10dは、クリップ本体11と、押え管31と、つる巻きバネ36と、本発明の移動規制部である突部18a、19aおよびスリット38a、38bと、被押圧部39a、39bとを備えている。
クリップ10dは、図24および図25に示すクリップ10aと、ピン状部材34の代わりに突部18a、19a、およびスリット38a、38b並びに被押圧部39を備えている点を除いて同様の構成を有するものであるので、同じ構成要素には同じ番号を付し、その詳細な説明を省略する。
突部18aおよび19aは、第1腕部12から押え管31の周壁面に向かって両側に突出するものである。なお、突部18aおよび19aは、図25に示すクリップ10aのクリップ本体11の第1腕部12の突部18および19の先端部を延長して形成したものであれば良い。
図28に示す例では、押え管31の係止部32によるクリップ本体11の係止が解除されて、押え管31からクリップ本体11が先端側に飛び出そうとするとき、第1腕部12の突部18aおよび19aは、それぞれスリット38aおよび38bと係合して、クリップ本体11が押え管31の先端部から飛び出すことを規制する。
なお、更に、本発明の移動規制部として、第2腕部13から押え管31の周壁面に向かって両側に突出する2つの突部と、これらの2つの突部に対応して押え管31の周壁面にそれぞれ形成され、2つの突部がそれぞれ係合する2つのスリットとを用いても良い。ここで、2つの突部は、図25に示すクリップ10aのクリップ本体11の第2腕部13の突部23および24の先端部を延長して形成したものであっても良い。
被押圧部39aおよび39bは、押え管31の係止部32の基端面32bに本発明の突出部である第1腕部12の第1被係止部16、17および第2腕部13の第2被係止部21と22を押圧する押圧方向の突出部の両側に互いに対向して設けられ、第2の処置具(図示せず)によって共に自らが内側に移動または変形して、クリップ本体11の第1被係止部16と17との間の第1腕部12の部分および第2被係止部21と22との間の第2腕部13の部分を互いに内側に押圧して、第1被係止部16、17および第2被係止部21、22の外接円の直径である突出部の外径を係止部32の開口部32aの内径より縮めて小さくする。その結果、第1被係止部16、17および第2被係止部21、22が開口部32aを通過し、押え管31の係止部32によるクリップ本体11の係止を解除する。
クリップ10eは、クリップ本体11と、押え管31と、つる巻きバネ36と、ピン状部材34と、押え管31基端側に設けられた開口部42aおよび42bと、クリップ本体
11の基端側に設けられた凸部43aおよび43bとを備えている。
クリップ10eは、図24および図25に示すクリップ10aと、開口部42a、42bおよび凸部43a、43bを備えている点を除いて,同様の構成を有するものであるので、同じ構成要素には同じ番号を付し、その詳細な説明を省略する。
32より先端側に互いに対向して設けられている。開口部42aおよび42bは、2つの腕部12および13が閉状態に係止された場合に、2つの腕部12及び13の各々の一部を露出させるためのもので、2つの腕部12および13の各々に対向する周壁面の基端側に位置する。押え管31の側面の2つの開口部42aおよび42bから露出されるクリップ本体11の2つの腕部12および13を、第2の処置具(図示せず)によって互いに内側に押圧して、押え管31の係止部32によるクリップ本体11の係止状態を解除する。
具体的には、押え管31の側面の開口部42aおよび42bは、押え管31の係止部3
2によるクリップ本体11の係止状態(クリップ本体11の第1腕部12と第2腕部13との閉状態)において、クリップ本体11の第1腕部12の第1被係止部16、17と突部18、19との間、および第2腕部13の第2被係止部21、22と突部23、24との間を露出するものである。第2の処置具(図示せず)によって開口部42aおよび42
bから第1腕部12および第2腕部13の露出部分を互いに内側に押圧して、第1被係止部16、17および第2被係止部21、22の外接円の直径である突出部の外径を係止部32の開口部32aの内径より縮めて小さくする。その結果、第1被係止部16、17および第2被係止部21、22が開口部32aを通過し、押え管31の係止部32によるクリップ本体11の係止を解除することができる。
クリップ本体11の第1腕部12および第2腕部13は、上述のような凸部43aおよび43bを有することにより、第2の処置具(図示せず)によって効率よく押圧することができる。
なお、クリップ10eにおいては、押え管31は、開口部42aおよび42bに隣接する先端側の内周面に円状の凸部41を有する。凸部41は、つる巻バネ36の基端部を係止する。
図33は、本発明のクリップ処置具の他の実施形態の外観を示す部分透視斜視図である。図34は、図33に示すクリップ処置具の内部の構成を表す部分断面斜視図である。図35は、図34に示すクリップ処置具のクリップ本体の斜視図である。図36は、図33に示すクリップ処置具の押え管の断面図である。図37は、図34に示すクリップ処置具の付勢部材の斜視図である。
クリップ202は、クリップ本体206と、押え管208と、付勢部材210とを備えている。本実施形態においても、クリップ202は、クリップ本体206と、押え管208と、付勢部材210とをユニット化したクリップユニットとして構成される。
第1腕部214aおよび第2腕部214bの先端側は、互いに開閉する方向に動き、先端には、それぞれ爪216aおよび216bが設けられている。爪216aおよび216bは、それぞれ第1腕部214aおよび第2腕部214bの先端部が相対する方向に一定の角度で折り曲げられることによって形成されており、処置部を挟んで結紮する部分である。第1腕部214aおよび第2腕部214bの中央部は、互いに基端側と先端側とを平行に往復動する。第1腕部214aおよび第2腕部214bの基端側には、係止部218aおよび218bが設けられている。
一方、第2腕部214bの開閉する部分の基端側には、板幅方向の図中上側に突出する凸部222が設けられている。凸部222は、クリップ202を処置具本体204から分離する際に、クリップ本体206を押え管208に係止するためのものである。なお、凸部222と同じ凸部を第1腕部214aの開閉する部分の基端側にも設けても良い。
第1腕部214aの中央部には、基端側において図中下側から板幅が狭くなる段部224aと、板幅が狭くなった部分に長方形状の孔部226aとが設けられており、第2腕部214bの中央部には、基端側において図中上側から板幅が狭くなる段部224bと、板幅が狭くなった部分に長方形状の孔部226bとが設けられている。なお、第1腕部214aおよび第2腕部214bの板幅は、先端側でも同じであり、狭幅の基端側でも、同じであることが好ましい。また、孔部226aおよび226bは、第1腕部214aおよび第2腕部214bを対向配置した時、同じ位置となるように設けられている。
以上のような構成を有する2つの腕部214aおよび214bは、凸部220及び凸部222を除けば、同一の形状を有するものであり、点対称の位置に配置される。
また、押え管208は、内径が両端部における内径よりも狭い絞り部242を軸方向の中央部に有する。絞り部242は、付勢部材210の基端側の端部を係止するためのものである。
より詳しくは、先端側から基端側へのクリップ本体206の移動に従って、2つの腕部214a、214bが押え管208の先端部によって互いに近接する方向に押圧されて弾性変形し、2つの腕部214a、214bが開状態から次第に閉じて最終的に閉状態になる。一方、基端側から先端側へのクリップ本体206の移動に従って、2つの腕部214a、214bが弾性力によって閉状態から次第に開いて最終的に開状態になる。
クリップ本体206の2つの腕部214aおよび214bの係止部218aおよび218bと押え管208の被係止部238とは、本発明のクリップ係止部を構成する。
付勢部材210は、2つの腕部214a、214bの外側面を覆うように設けられ、クリップ本体206の第1腕部214aの凸部220と押え管208の絞り部242との間に配置されている。すなわち、付勢部材210の先端側の端部は、凸部220の基端面に当接し、付勢部材210の基端側の端部は、押え管208の絞り部242の先端側の端面に当接している。
押え管208に対する先端側から基端側へのクリップ本体206の移動に従って、付勢部材210は次第に圧縮される。一方、押え管208に対する基端側から先端側へのクリップ本体206の移動に従って、付勢部材210は、伸長して、その弾性力によってクリップ本体206を押え管208に対して基端側から先端側に付勢し、クリップ本体16を押え管208に対して基端側から先端側に移動させる。
連結部材212は、図38に示すように、先端部分が円筒形状のものであり、押え管208の絞り部242の内径よりも小さい外径を持っている。連結部材212は、クリップ
202から分離されるまでは、押え管208内に収容されている。連結部材212は、先端の円筒部分に設けられる2つの凹部250aおよび250bと、基端部分に設けられる2つの切欠き部252aおよび252bと、2つの切欠き部252aおよび252bの中央にそれぞれ設けられる2つの凸部254aおよび254bとを有する。
切欠き部252aおよび252bは、それぞれ凹部250aおよび250bの中心軸側の面と面一な面を有している。
凸部254aおよび254bは、それぞれ腕部214aおよび214bに設けられた孔部226aおよび226bに嵌入されるものであり、連結部材212とクリップ本体206の腕部214aおよび214bとを一体化した組立体として押え管208内を先端側または基端側に移動することができる。
なお、凸部254aおよび254bの基端側の側面は先端側から基端側に傾斜する傾斜面を持つことが好ましい。凸部254aおよび254bが傾斜面を持つことにより、連結部材212が基端側に強く引かれた時に、凸部254aおよび254bがそれぞれ腕部214aおよび214bの孔部226aおよび226bから外れ易くなるからである。
操作ワイヤ66は、コイルシース246およびチューブシース248内を先端側または基端側に移動し、一体化された連結部材212とクリップ本体206とを押え管208の内部において先端側または基端側に移動させる。すなわち、操作ワイヤ244を基端側から先端側に押し出ことにより、一体化された連結部材212とクリップ本体206とを押え管208内の先端側に移動させ、操作ワイヤ244を先端側から基端側に引くことにより、一体化された連結部材212とクリップ本体206とを押え管208内の基端側に移動させることができる。
なお、操作ワイヤ244の基端側の端部は、図示しない操作部に接続されている。
次に、クリップ処置具200の動作を説明する。
まず、クリップ202によって処置部を結紮する場合の動作を説明する。以下の説明では、図示していない内視鏡の挿入部が既に患者の体内に挿入されているものとする。
まず、操作者による操作により、図示しない内視鏡の処置具挿入口からクリップ処置具200の挿入部が挿入され、クリップ処置具200の挿入部の先端部、より正確には、クリップ202の先端部が内視鏡の処置具導出口から突出される。
続いて、操作者によるクリップ処置具200の操作部の操作により、操作ワイヤ244が基端側から先端側に移動される。
基端側から先端側への操作ワイヤ244の移動に従って、付勢部材210が伸長し、連結部材212およびクリップ本体206が付勢部材210によって付勢されて基端側から先端側に移動する。これにより、図39および図40に示すように、クリップ本体206の2つの腕部214a、214bは開状態となる。
続いて、開状態の2つの腕部214a、214bの先端部が処置部に押し当てられた状態において、操作者によるクリップ処置具200の操作部の操作により、操作ワイヤ244が先端側から基端側に移動される。
先端側から基端側への操作ワイヤ244の移動に従って付勢部材210が圧縮される。連結部材212およびクリップ本体206は、付勢部材210による付勢力に逆らって、先端側から基端側に移動し、かつ2つの腕部214a、214bが押え管208の先端部によって互いに近接する方向に押圧されて弾性変形して、2つの腕部214a、214bは開状態から次第に閉じる。
クリップ本体206が押え管208に係止(ロック)される前の状態においては、先端側または基端側への連結部材212およびクリップ本体206の移動に従って、2つの腕部214a、214bは開閉可能である。
このように、クリップ本体206が押え管208にロックされる前の状態においては、2つの腕部214a、214bを開閉し、処置部を2つの腕部214a、214bの爪216aおよび216bによって掴み直すことができるため、目的とする処置部を正確に掴むことができる。
これに従って、付勢部材210がさらに圧縮され、付勢部材210による付勢力に逆らって、連結部材212およびクリップ本体206が先端側から基端側にさらに移動して、2つの腕部214a、214bはさらに閉じる。
先端側から基端側への連結部材212およびクリップ本体206のさらなる移動に従って、およびクリップ本体206の係止部218a、218bが先端側から基端側にさらに移動し、係止部218a、218bが押え管208の係止孔240を通過して押え管20
8の基端面から突出する。
先端側から基端側への係止部218a、218bのさらなる移動に従って、クリップ本体206の腕部214aおよび214bの係止部218a、218bの傾斜部230a、230bが係止孔240の先端部によって互いに近接する方向に押圧されて、係止部218a、218bを備える板状部材228a、228bが互いに近接する方向に撓む。これにより、2つの傾斜部230a、230b、さらには2つの頂部234a、234bの間隔が縮んで、係止部218a、218bが押え管208の係止孔240を通過する。
先端側から基端側へのクリップ本体206の係止部218a、218bのさらなる移動に従って、2つの頂部234a、234bの先端側の角部232a、232bが係止孔240を越える位置まで移動し、間隔が縮んだ2つの頂部234a、234bが板状部材228a、228bの弾性力によって互いに離間する。これにより、2つの頂部234a、234bの先端側の角部232a、232bにおける間隔が係止孔240の内径よりも大きくなり、2つの頂部234a、234bの先端側の角部232a、232bが押え管208の被係止部238の基端面に係止される。つまり、係止部218a、218bが被係止部238に係止される。
これにより、連結部材212と一体化されたクリップ本体206は、2つの腕部214a、214bが閉状態において押え管208に係止(ロック)され、2つの腕部214a、214bの爪216aおよび爪216bによって処置部が結紮される。
これに従って、連結部材212およびクリップ本体206が先端側から基端側にさらに移動し、第2の腕部214bの凸部222の基端側の端部が押え管208の先端部に当接する。これにより、先端側から基端側への連結部材212およびクリップ本体206の移動が規制される。
続いて、連結部材212およびクリップ本体206が押え管208にロックされ、かつ先端側から基端側への連結部材212およびクリップ本体206の移動が規制された状態において、操作ワイヤ244が先端側から基端側にさらに牽引され、移動される。
基端側から先端側への操作ワイヤ244の移動に従って、連結部材212も基端側から先端側に移動し、連結部材212の先端部がクリップ本体206の係止部218a、218bの基端部に当接する。
基端側から先端側への操作ワイヤ244のさらなる移動に従って、連結部材212によってクリップ本体206の係止部218a、218b、つまり、クリップ本体206が先端側に押し出されて、クリップ202の押え管208がコイルシース246から分離される。これにより、図43および図44に示すように、クリップ201が閉状態で分離される。すなわち、クリップ202によって処置部が結紮された状態において、クリップ2022が処置部に留置される。
その後、操作者による操作により、クリップ処置具200の挿入部が、内視鏡の内部に挿入されたままの状態において患者の体内から内視鏡の挿入部が引き抜かれて取り出される。なお、複数の処置部を結紮する場合には前述の動作が繰り返し行われる。
まず、操作者による操作部の操作により第2の処置具を用いてクリップ202を取り外す場合の動作を説明する。
クリップ202を処置部から取り外す場合、クリップ202が処置部に留置された状態において、操作者による第2の処置具の操作により、クリップ本体206の2つの腕部214aおよび214bの係止部218a、218bの対向する2つの頂部234a、234bが図43に示す矢印の方向に両外側から挟まれて押圧される。
その後、操作者による操作により第2の処置具が内視鏡の内部に挿入されたままの状態において患者の体内から内視鏡の挿入部が引き抜かれて取り出される。例えば、第2の処置具によってクリップ202の任意の箇所が挟持された状態において、患者の体内から内視鏡の挿入部が引き抜かれて、処置部から取り外されたクリップ202も同時に患者の体外に取り出される。なお、複数のクリップ202を処置部から取り外す場合には前述の動作が繰り返し行われる。
2、3 第2処置具
10、10a、10b、10c、10e,202 クリップ(クリップユニット)
11、206 クリップ本体
12、214a 第1腕部
12a、13a、216a、216b 爪
13、214b 第2腕部
14 中央部
16、17 第1被係止部
16a、17a、32b 基端面
16b、17b、32c 先端面
18、18a、19、19a、23、24 突部
21、22 第2被係止部
31、208 押え管
32、218a、218b 係止部
32a 縁部(開口部)
34 ピン状部材
35 片持ち梁部材
36 つる巻きバネ(バネ部材)
36a 素線
36b 座巻き部
37 凸部
38a、38b スリット
39a、39b 被押圧部
40、204 処置具本体
41、43a、43b、220、222、254a、254b 凸部
42a、42b 開口部
50 外套管
60、81、91、124 挿入部
61 シース部
62、85、95、244 操作ワイヤ
63、212 連結部材
66、246 コイルシース
67 先端部材(ストッパ部)
67a 凹部
67b 先端支持面(先端面)
68 段部
69 支持部材
72 拡径部
73、90 ループ部
73a ワイヤ
76 連結部本体
76a 貫通孔
76b 傾斜面
77 フック部
80 先端把持部
82、92、100、126 操作部
83a、83b 爪部材
84、94 シース
86、96、101 操作部本体
87、97、102 スライダ
110 内視鏡システム
112 光源装置
114 内視鏡
116 プロセッサ装置
118 モニタ(表示装置)
120 コンソール(入力装置)
122 ユニバーサルコード
128 湾曲部
130 先端部
132 ボタン
134 アングルノブ
136 処置具挿入口
138a、138b 照明窓
140 観察窓
142 送気・送水口
144 処置具導出口
200 クリップ処置具
210 付勢部材
224a、224b 段部
226a、226b 孔部
228a、228b 板状部材
230a、230b 傾斜部
232a、232b 角部
234a、234b 頂部
236a、236b、250a、250b 凹部
238 被係止部
240 係止孔
242 絞り部
248 チューブシース
252a、252b 切欠き部
Claims (18)
- 操作部と、
クリップと、
シース部と、
クリップ取外し部と、を備え、
前記シース部は、前記クリップが先端部に着脱可能に配置され、前記操作部が基端部に取り付けられたものであり、
前記クリップは、
開閉する2以上の腕部を有するクリップ本体と、
前記操作部による操作により、前記クリップ本体の前記2以上の腕部が開状態にされ、前記開状態にされた前記2以上の腕部の先端部が処置部に押し当てられた状態で前記2以上の腕部が閉状態にされ、前記閉状態にされた前記2以上の腕部の先端部によって前記処置部が結紮された後、前記2以上の腕部を前記閉状態に係止するクリップ係止部と、を備え、
前記クリップ取外し部は、前記操作部による操作により、前記クリップ係止部によって前記2以上の腕部が前記閉状態に係止された前記クリップが前記シース部から分離されて前記処置部に留置された後、前記処置部に留置された前記クリップの前記2以上の腕部の前記閉状態への係止を解除し、前記係止が解除されることによって前記2以上の腕部が前記開状態にされ、前記処置部から取り外されたクリップを保持して取り出し、
前記クリップは、さらに、前記クリップ本体の基端部を収容する筒状の押え管を備え、
前記操作部による操作により、前記2以上の腕部が前記押え管の先端部から突出されるに従って前記開状態にされ、前記押え管の先端部から突出された前記2以上の腕部が前記押え管内に収容されるに従って前記閉状態にされ、
前記クリップ係止部は、前記2以上の腕部に設けられた突出部と、前記押え管の基端部に設けられた開口部と、を有し、
前記クリップ本体が前記押え管の基端側に相対的に移動されて、前記2以上の腕部の前記突出部の先端部に外接する外接円の直径である前記突出部の外径が前記開口部の開口に内接する内接円の直径である前記開口部の内径より小さくなって前記突出部が前記開口部を越えた場合に、前記突出部の外径が前記開口部の内径よりも大きくなり前記突出部と前記開口部とが係合されることによって前記2以上の腕部が前記閉状態に係止され、
前記クリップは、さらに、前記押え管内に収容された前記クリップ本体を前記押え管の先端側に付勢するバネ部材を備え、
前記バネ部材は、前記クリップ本体が前記押え管の基端側に相対的に移動されるに従って圧縮され、前記2以上の腕部は、前記クリップ本体が前記バネ部材によって前記押え管の先端側に付勢された状態で前記閉状態に係止され、
前記バネ部材は、前記係止が解除された場合に伸張して前記クリップ本体を前記押え管の先端側に相対的に移動させ、前記2以上の腕部は、前記押え管の先端部から突出されるに従って前記開状態にされ、
前記クリップ取外し部は、前記突出部の外径を前記開口部の内径以下に縮め、前記突出部と前記開口部との係合を解除することにより前記係止を解除し、前記係止が解除された場合に前記バネ部材が伸張して前記クリップ本体を前記押え管の先端側に相対的に移動させ、前記2以上の腕部が前記押え管の先端部から突出されるに従って前記開状態にされ、
前記クリップは、さらに、前記クリップ取外し部が前記係止を解除し、前記バネ部材が伸張して前記クリップ本体を前記押え管の先端側に相対的に移動させた場合に、前記クリップ本体が前記押え管の先端部から飛び出すことを規制する移動規制部を備え、
前記移動規制部は、前記2以上の腕部の各々から前記押え管の壁面に向かって突出する第2凸部と、前記2以上の腕部の各々の前記第2凸部に対応して前記押え管の壁面に形成され、前記2以上の腕部の各々の前記第2凸部がそれぞれ係合する2以上のスリットと、を有し、
前記係止が解除され、前記クリップ本体が前記押え管の先端側に相対的に移動された場合に、前記2以上の腕部の各々の前記第2凸部が前記押え管の2以上の前記スリットの各々の先端部にそれぞれ当接して前記クリップ本体が前記押え管の先端部から飛び出すことを規制するクリップ処置具。 - 前記クリップ取外し部は、前記操作部による操作により径が拡縮するループを備えるスネア状部材を有し、前記突出部を前記ループで囲んで締め付けることにより前記突出部の外径を前記開口部の内径以下に縮める請求項1に記載のクリップ処置具。
- 前記クリップ取外し部は、前記操作部による操作により開閉する把持部を備える把持鉗子を有し、前記突出部を前記把持部で挟んで押圧することにより前記突出部の外径を前記開口部の内径以下に縮める請求項1に記載のクリップ処置具。
- 前記クリップ本体は、前記2以上の腕部の基端部の間を接続する接続部を有し、
前記移動規制部は、ピン状部材を有し、前記ピン状部材は、両端部が前記押え管の内周面に固定され、前記2以上の腕部の間に挿通され、前記2以上の腕部の開閉方向と直交する方向に延在するものであり、
前記係止が解除され、前記クリップ本体が前記押え管の先端側に相対的に移動した場合に、前記ピン状部材と前記接続部とが当接して前記クリップ本体が前記押え管の先端部から飛び出すことを規制する請求項1に記載のクリップ処置具。 - 前記クリップ本体は、前記2以上の腕部の基端部の間を接続する接続部を有し、
前記移動規制部は、1以上の片持ち梁部材を有し、前記1以上の片持ち梁部材は、一方の端部が前記押え管の先端部に固定され、前記2以上の腕部の間に挿通され、前記押え管の先端部から前記2以上の腕部の開閉方向と直交する方向に延在するものであり、
前記係止が解除され、前記クリップ本体が前記押え管の先端側に相対的に移動した場合に、前記片持ち梁部材と前記接続部とが当接して前記クリップ本体が前記押え管の先端部から飛び出すことを規制する請求項1に記載のクリップ処置具。 - 前記クリップ本体は、前記2以上の腕部の基端部の間を接続する接続部を有し、
前記移動規制部は、ピン状部材を有し、前記ピン状部材は、両端部が前記押え管の先端部に固定され、前記2以上の腕部の間に挿通され、前記2以上の腕部の開閉方向と直交する方向に延在するものであり、
前記係止が解除され、前記クリップ本体が前記押え管の先端側に相対的に移動された場合に、前記ピン状部材と前記接続部とが当接して前記クリップ本体が前記押え管の先端部から飛び出すことを規制する請求項1に記載のクリップ処置具。 - 前記クリップ本体は、前記2以上の腕部の基端部の間を接続する接続部を有し、
前記移動規制部は、前記押え管の内周面に設けられ、前記2以上の腕部の間に挿通され、前記押え管の内周面から前記2以上の腕部の開閉方向と直交する方向に突出する2以上の凸部を有し、
前記係止が解除され、前記クリップ本体が前記押え管の先端側に相対的に移動された場合に、前記2以上の凸部と前記接続部とが当接して前記クリップ本体が前記押え管の先端部から飛び出すのを規制する請求項1に記載のクリップ処置具。 - 前記押え管の基端部の外側端面において、前記突出部を押圧する押圧方向の前記突出部の両側に設けられ、前記押圧方向の両側から押圧されることにより前記突出部に向かって移動される被押圧部を有し、
前記クリップ取外し部は、前記押圧方向の両側から前記被押圧部を押圧することにより、前記被押圧部を前記突出部に向かって移動させ、前記突出部を押圧して前記突出部の外径を前記開口部の内径以下に縮め、前記突出部と前記開口部との係合を解除することにより前記係止を解除する請求項1ないし7のいずれか一項に記載のクリップ処置具。 - 前記押え管は、前記腕部が前記閉状態に係止された場合に、前記2以上の腕部の各々の一部を露出させる2以上の第2開口部を、前記2以上の腕部の各々に対向する側面の基端側の位置に有し、
前記クリップ取外し部は、前記押え管の側面の前記2以上の第2開口部から露出される前記2以上の腕部を押圧して前記突出部の外径を前記開口部の内径以下に縮め、前記突出部と前記開口部との係合を解除することにより前記係止を解除する請求項1ないし7のいずれか一項に記載のクリップ処置具。 - 前記2以上の腕部の各々は、前記2以上の腕部が閉状態に係止された場合に、前記押え管の中心軸から前記2以上の第2開口部の各々に向かって突出する第3凸部を有する請求項9に記載のクリップ処置具。
- さらに、前記操作部の操作により前記シース部内に進退可能に挿通される操作ワイヤと、
前記クリップ本体と前記操作ワイヤとを連結する連結部材と、を備え、
前記クリップは、さらに、筒状の押え管と、付勢部材と、を備え、
前記クリップ本体は、2つの腕部を有し、前記2つの腕部は、互いに対向し、かつ、基端側から先端側に向かうに従って互いに離間するように延在し、
前記押え管は、先端側または基端側への前記クリップ本体の移動に従って、前記2つの腕部を開閉するように作用し、かつ、先端側から基端側への前記クリップ本体の移動によって、内部に前記クリップ本体を収容し、
前記クリップ係止部は、前記2つの腕部の基端側に設けられた係止部と、前記押え管の基端側に設けられた被係止部と、を有し、
前記連結部材は、前記押え管の内部に収容され、かつ、前記2つの腕部と着脱可能に係合され、基端部に前記操作ワイヤの先端部を接続することにより、前記クリップ本体と前記操作ワイヤとを連結し、
前記付勢部材は、前記押え管の内部に収容され、前記クリップ本体を前記押え管に対して基端側から先端側に付勢し、
前記操作部の操作による先端側から基端側への前記操作ワイヤの移動に従って、前記連結部材が先端側から基端側に移動し、前記クリップ本体が先端側から基端側に移動し、前記係止部が前記被係止部に係止されて、前記クリップ本体が前記押え管にロックされる請求項1に記載のクリップ処置具。 - 先端側から基端側への前記連結部材の移動によって、前記2つの腕部が前記押え管の先端部によって互いに近接する方向に押圧されて、前記2つの腕部が前記開状態から次第に閉じて前記閉状態になる請求項11に記載のクリップ処置具。
- 前記係止部は、前記2つの腕部の各々の基端側の端部に設けられた傾斜部と、前記傾斜部から先端側にそれぞれ設けられ、先端側の端部が角部となる頂部とを備え、前記頂部の先端側の端部が角部となる2つの板状部材を有し、前記2つの板状部材の前記頂部が前記2つの腕部の開閉方向に互いに対向するように形成されたものであり、
前記被係止部は、前記押え管の基端側の端部が縮経することで形成され、対向する前記2つの頂部間の長さよりも小さい内径を持つ係止孔を有し、
先端側から基端側への前記連結部材の移動によって、前記2つの傾斜部が前記係止孔の先端部によって互いに近接する方向に押圧されて前記係止孔を通過し、前記2つの頂部の前記角部が前記被係止部の前記係止孔を越える位置まで移動し、前記2つの傾斜部を弾性力によって互いに離間させて前記2つの頂部の前記角部が前記被係止部の基端面に係止され、前記連結部材は前記2つの腕部が前記閉状態で前記押え管にロックされる請求項12に記載のクリップ処置具。 - 前記連結部材の外径は、前記係止孔の内径よりも小さく、
前記連結部材が前記押え管にロックされた状態において、先端側から基端側への前記操作ワイヤの移動によって前記2つの腕部と前記連結部材との係合が解除され、前記連結部材が前記係止孔を通過して、前記連結部材の先端部が前記係止部の基端部を越える位置まで移動し、前記クリップ本体と前記連結部材とが分離する請求項13に記載のクリップ処置具。 - 前記クリップ本体と前記連結部材とが分離された状態において、前記2つの頂部が、両外側から押圧され、前記2つの頂部の先端側の角部における外径が前記係止孔の内径より小さくなると、前記クリップ本体が前記付勢部材によって付勢されて基端側から先端側に移動し、基端側から先端側への前記クリップ本体の移動によって、前記2つの腕部が前記閉状態から次第に開いて前記開状態に戻る請求項14に記載のクリップ処置具。
- 前記2つの板状部材は、それぞれ前記2つの腕部の各々の基端部の幅方向の一部が、前記2つの腕部の開閉方向と直交する方向に折り曲げられて形成され、
前記2つの頂部は、それぞれ前記2つの腕部の開閉方向に窪む凹部を有し、
前記2つの頂部の各凹部が、前記2つの腕部の開閉方向の両外側から押圧される請求項13ないし15のいずれか一項に記載のクリップ処置具。 - 前記2つの腕部の各々は、幅方向に突出する突起部を有し、
前記押え管は、内径が両端部における内径よりも狭い絞り部を軸方向の中央部に有し、
前記付勢部材は、前記突起部と前記絞り部との間に配置され、前記係止部は、前記絞り部よりも基端側を移動可能である請求項11ないし16のいずれか一項に記載のクリップ処置具。 - 少なくとも前記操作部となる第1の操作部および前記シース部を有する第1処置具と、
少なくとも前記操作部となる第2の操作部および前記クリップ取外し部を有する第2処置具とを備え、
前記第1処置具と前記第2処置具とは別体で構成されている請求項1ないし17のいずれか一項に記載のクリップ処置具。
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