JP6768217B2 - 感光性凸版印刷原版 - Google Patents

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Description

本発明は、コンピュータ製版技術により凸版印刷版を製造するために使用される感光性凸版印刷原版に関する。
近年、凸版印刷やフレキソ印刷の分野において、デジタル画像形成技術として知られるコンピュータ製版技術(CTP技術)は、極めて一般的なものになってきている。CTP技術は、デジタルデータにより画像マスクを直接印刷版上に形成し、その後、画像マスク側から露光することによってレリーフとなる凹凸パターンを得る方法である。
CTP技術では、重合すべきでない領域を覆うために、従来から用いられているネガフィルムが印刷版内で形成統合されるマスクに取って代えられる。この統合マスクを得る方法として、感光性樹脂層上に化学線に対して不透明な感赤外線層(感熱マスク層)を設け、赤外線レーザーでこの感赤外線層を分解蒸散(アブレーション)することにより画像マスクを形成する方法が広く使用されている(特許文献1参照)。
CTP技術を導入した感光性凸版印刷原版としては、感光性樹脂層、分割層、感熱マスク層から構成される感光性凸版印刷原版が提案されている。この分割層は、二つの重要な機能を持つことが必要である。
第一に、感光性樹脂層と感熱マスク層との間の物質移動を最小限にすることが必要である。一般的に低分子量のモノマーや可塑剤は、隣接する層中の成分に対して親和性を有すると、隣接する層への経時的拡散移動が大きくなる。このような物質移動が起こると、感熱マスク層の赤外感度に影響を与える。
第二に、大気酸素から感光性樹脂層を保護することが必要である。大気酸素下で露光すると、ラジカル失活により感光性樹脂層は重合阻害を受ける。その結果、印刷版表面での硬化不足を招き、耐刷性が著しく低下する。
さらに、露光硬化時に十分な酸素遮断能を発現するには、分割層がレーザー融蝕に耐えうることが必要である。赤外線レーザーにより感熱マスク層をアブレーションすると、隣接する分割層は高温にさらされ、特にレーザー光路の重なり部での熱的ダメージは多大なものとなる。ダメージを受けた分割層は、レーザー光路の重なり部で局所的に融蝕、掘削され、分割層膜厚の不均一化、もしくは分割層の不連続化を招く。その結果、分割層の酸素透過性にバラツキを生じ、感光性樹脂層が露光される際、局所的な重合阻害を与える。不均一な酸素条件下で露光された感光性樹脂版は、版表面に凹凸、うねり、皺などの微細な荒れが生じ、印刷品位の低下を招く。
CTP技術を導入した感光性凸版印刷原版として、特許文献2には、酸素透過性の分割層を有する感光性樹脂凸版印刷原版が提案されている。しかしながら、この分割層は、酸素透過性であるため、酸素による重合阻害の感受性が高い感光性樹脂層を用いる場合には印刷版表面に硬化不足を生じ、耐刷性が劣る場合がある。
また、特許文献3には、水に溶解または分散可能な樹脂および紫外光により硬化可能なモノマーを含有する感光性樹脂層と、接着力調整層と、水不溶性の感熱マスク層とがこの順に積層され、前記接着力調整層が鹸化度60モル%以上の部分鹸化ポリ酢酸ビニルを含有する感光性樹脂印刷原版が開示されている。特許文献3では、前述した分割層の第一の機能(すなわち感光性樹脂層と感熱マスク層との間の物質移動を最小限にすること)に関しては、分割層によってではなく、前記感熱マスク層に水不溶性の樹脂を含有することによって実現している。また、特許文献3の接着力調整層には前述した分割層の第二の機能(すなわち酸素遮断性を発現するためにレーザー融蝕に耐えうること)は要求されておらず、従って接着力調整層は分割層とは異なる機能のものであると言える。さらに、この印刷原版の感熱マスク層は、水不溶性であるため、コシの強いブラシで、比較的高温の現像水を用いて現像することが必要である。そのために、現像中にブラシの摩擦や擦れによって版表面を荒らしたり、レリーフの飛びやカケが生じるといった問題がある。
一方、酸素透過の遮断性を向上させた場合には、光硬化不足による耐刷性不足は改善できるが、逆に光硬化を促進するためにマスク層のネガ画像よりも面積が大きくなる問題(太り)が起こり、耐刷性と画像再現性との両者を満足する印刷原版が求められていた。
特許第2773847号公報 特許第3429634号公報 特開2005−326442号公報
本発明は、かかる従来技術の現状に鑑み創案されたものであり、その目的は、水現像性、耐刷性及び画像再現性のいずれにも優れた印刷品位の良い印刷版を得ることのできる、CTP技術に適した感光性凸版印刷原版を得ることにある。
本発明者らは、かかる目的を達成するために鋭意検討した結果、特定の鹸化度及び特定の重合度を有するポリビニルアルコールを含有する酸素遮断性分割層を感光性樹脂層と感熱マスク層の間に設けたことによりレーザー許容性、耐刷性及び画像再現性に優れた凸版印刷原版が得られることを見出した。
本発明は、かかる知見に基づいて創案されたものであり、以下の(1)〜(2)の構成を有するものである。
(1)少なくとも(A)支持体、(B)感光性樹脂層、(C)酸素遮断性分割層、(D)カーボンブラックを含有する水溶性の感熱マスク層が順次積層されてなる水現像型感光性凸版印刷原版であって、
(B)感光性樹脂層が、合成高分子化合物、光重合性不飽和化合物、及び光重合開始剤を含有し、前記合成高分子化合物が、三級窒素原子を含有するポリアミド又はポリエーテルウレアウレタンを含有し、かつ、(C)酸素遮断性分割層が、鹸化度60〜85モル%、重合度200〜800のポリビニルアルコールを含有すること、但し前記ポリビニルアルコールは、鹸化度74モル%を分布ピークとせず、かつJIS K 6726によって規定される平均重合度が500でないことを特徴とする感光性凸版印刷原版。
(2)前記(D)感熱マスク層が、前記(B)感光性樹脂層が含有する前記合成高分子化合物を含有するものであることを特徴とする(1)に記載の感光性凸版印刷原版。
本発明の感光性樹脂凸版印刷原版は、アブレーション時の赤外線レーザー融蝕に耐え、露光時に大気酸素を効果的に遮断することによって酸素阻害を抑制しているため、感光性樹脂層の重合硬化を促進でき、且つレーザー融除したマスク層のネガ画像に対しては太りのない画像再現性を発現させることができる。結果として、露光後の版表面に微細な荒れのない、印刷性、耐刷性及び画像再現性に優れた印刷版を提供することができる。また、本発明の感光性樹脂凸版印刷原版は、水溶性または水分散性の感熱マスク層を有するために現像性に優れ、印刷品位の良い水現像型印刷版を得ることができる。
実施例3における現像後の版表面の顕微鏡写真である。 比較例1における現像後の版表面の顕微鏡写真である。
1:非画像部、すなわちレーザーにより画像形成されておらず、感熱マスク層が残存した部分
2:画像部、すなわちレーザーにより感熱マスク層が除去され、分割層表面が露出した部分
以下、本発明の感光性凸版印刷原版を詳細に説明する。
本発明の凸版印刷原版は、少なくとも(A)支持体、(B)感光性樹脂層、(C)酸素遮断性分割層、(D)水溶性または水分散性の感熱マスク層が順次積層された構成を有し、水現像型である。
本発明の凸版印刷原版において水現像型であるとは、水を主成分とする現像液中で未露光である非画像部をブラシで擦ることにより洗い出し、凹凸パターンを得ることができることを指す。
本発明の原版に使用される(A)支持体は、可撓性であるが、寸法安定性に優れた材料が好ましく、例えばスチール、アルミニウム、銅、ニッケルなどの金属製支持体、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルムおよびポリカーボネートフィルムなどの熱可塑性樹脂製支持体を挙げることができる。これらの中でも、寸法安定性に優れ、充分に高い粘弾性を有するポリエチレンテレフタレートフイルムが特に好ましい。支持体の厚みは、機械的特性、形状安定性あるいは印刷版製版時の取り扱い性等から50〜350μm、好ましくは100〜250μmが望ましい。また、必要により、支持体と感光性樹脂層との接着性を向上させるために、それらの間に接着剤層を設けても良い。
本発明の原版に使用される(B)感光性樹脂層は、合成高分子化合物、光重合性不飽和化合物、及び光重合開始剤の必須成分と、可塑剤、熱重合防止剤、染料、顔料、紫外線吸収剤、香料、及び酸化防止剤などの任意の添加剤とから構成される。
本発明の(B)感光性樹脂層を構成する合成高分子化合物は、三級窒素原子を含有するポリアミド又はポリエーテルウレアウレタンである。三級窒素原子を含有するポリアミドとしては、三級窒素含有ポリアミドおよび/またはアンモニウム塩型三級窒素原子含有ポリアミド(例えば特開昭53−36555号公報参照)を含有するものである。三級窒素原子を含有するポリエーテルウレアウレタンとしては、三級窒素含有ポリエーテルウレアウレタンおよび/またはアンモニウム塩型三級窒素原子含有ポリエーテルウレアウレタン(例えば特開平4−97154公報参照)を含有するものである。また、水または水とアルコールの混合物に溶解または分散可能な合成高分子化合物であることが、現像性の面で好ましい。三級窒素原子を含有するポリアミド又はポリエーテルウレアウレタンは、アンモニウム塩型にすることで水現像が容易となり、特に好ましい。
本発明の(B)感光性樹脂層を構成する光重合性不飽和化合物としては、従来公知のものを採用することができるが、例えば多価アルコールのポリグリシジルエーテルとメタアクリル酸およびアクリル酸との開環付加反応生成物が挙げられる。前記多価アルコールとしては、ジペンタエリスリトール、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、フタル酸のエチレンオキサイド付加物などが挙げられ、そのなかでもトリメチロールプロパンが好ましい。
本発明の(B)感光性樹脂層を構成する光重合開始剤としては、従来公知のものを採用することができるが、例えばベンゾフェノン類、ベンゾイン類、アセトフェノン類、ベンジル類、ベンゾインアルキルエーテル類、ベンジルアルキルケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類などが挙げられる。具体的には、ベンゾフェノン、クロロベンゾフェノン、ベンゾイン、アセトフェノン、ベンジル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、ベンジルジエチルケタール、ベンジルジイソプロピルケタール、アントラキノン、2−エチルアントラキノン、2―メチルアントラキノン、2−アリルアントラキノン、2−クロロアントラキノン、チオキサントン、2−クロロチオキサントンなどが挙げられる。
本発明の原版に使用される(C)酸素遮断性分割層は、低鹸化度でかつ低重合度のポリビニルアルコールを含有することを特徴とする。本発明で用いられるポリビニルアルコールの鹸化度、重合度は、JIS K 6726(ポリビニルアルコール試験方法)に準拠して測定されるものである。ポリビニルアルコールの鹸化度は60〜85モル%、重合度は200〜800であることが必要であり、好ましくは鹸化度60〜80モル%、重合度250〜750である。上記範囲より鹸化度が高かったり、または重合度が高かったりすると、分割層が赤外線レーザー融蝕による熱的ダメージを受け、版表面に凹凸、うねり、皺などの微細な荒れを生じる。一方、上記範囲より鹸化度が低いと、水溶性に欠け、水現像することができない。上記範囲より重合度が低いと、造膜性に欠け、目的とする膜厚の分割層を得ることができない。又、画像再現性に対しては、鹸化度が低いと、酸素遮断性が不足し、鹸化度が高いと、酸素遮断性効果によって画像が太るために画像再現性が低下する問題が発生する。本発明において画像の太りとは、レーザー融除したマスク層の画像に対する印刷版の再現性を示し、太るとは、マスク層の画像に対して印刷版の画像面積が大きくなっていることを示す。マスク層の画像に対する印刷版の再現性は、画像面積率で95〜105%であることが好ましく、特に好ましくは95〜100%である。画像面積率が上記範囲未満では、画像面積が小さすぎ、上記範囲を超えると、太りの問題が発生するので好ましくない。
上述の低鹸化度でかつ低重合度のポリビニルアルコールを含有する(C)酸素遮断性分割層が優れた特性を示すのは、一般的に高分子材料において、熱伝導率と密度は比例関係にあるが、ポリビニルアルコールを主成分とするフィルムは高鹸化高重合度であるほど、分子間相互作用によりその密度は高くなり、熱伝導率が高くなるため、低鹸化度でかつ低分子量のポリビニルアルコールを使用すると熱伝導率が低くなり、熱安定性が高いことに起因すると考えられる。
(C)酸素遮断性分割層には、上述の低鹸化度でかつ低重合度のポリビニルアルコールの他に、所望により塗工性や安定性を調整するための界面活性剤や可塑剤などの添加剤を含有させることができる。
上述の低鹸化度でかつ低重合度のポリビニルアルコールの使用量は、(C)分割層を構成する全固形分に対して50重量%以上が好ましく、より好ましくは60重量%以上である。この使用量であれば、レーザー融蝕による熱的ダメージに十分に耐えることができる。また、均一な皮膜の形成が可能となるため、感光性樹脂層や感熱マスク層との接着力が十分に得られる。
(C)酸素遮断性分割層の厚さは、15μm以下が好ましく、0.1μm以上5μm以下がより好ましい。厚さが上記範囲を超えると、紫外光を露光した際の該層による光の屈曲や散乱が生じ、シャープなレリーフ画像が得られないおそれがある。また、上記範囲未満では、酸素遮断性が不十分になり、レリーフの版面に荒れが生じるおそれがある。
本発明の原版に使用される(D)感熱マスク層は、本発明の原版が水現像型であるために、水溶性または水分散性であることが必要である。本発明において、(D)感熱マスク層が水溶性または水分散性であるとは、(D)感熱マスク層単体が、水を主成分とする現像液中でブラシで擦ることにより溶解または分散する性質を具備することを指す。
本発明の原版に使用される(D)感熱マスク層は、バインダーと、赤外線レーザーを吸収し熱に変換する機能と紫外光を遮断する機能を有するカーボンブラックとから構成される。また、これら以外の任意成分として、顔料分散剤、フィラー、界面活性剤又は塗布助剤などを本発明の効果を損なわない範囲で含有することができる。
(D)感熱マスク層は、感光性樹脂層への化学線の到達を阻止するために、化学線に関して2.0以上の光学濃度であることが好ましい。さらに好ましくは2.0〜3.0の光学濃度であり、特に好ましくは、2.2〜2.5の光学濃度である。
上記光学濃度は、以下の式で定義される。
光学濃度=log10(100/T)=log10(I/I)
(ここで、Tは透過率(単位は%)、Iは透過率測定の際の入射光強度、Iは透過光強度である)。
光学濃度の測定には、入射光強度を一定にして透過光強度の測定値から算出する方法と、ある透過光強度に達するまでに必要な入射光強度の測定値から算出する方法が知られているが、本発明における光学濃度は前者の透過光強度から算出した値を言う。
光学濃度は、例えば白黒透過濃度計DM−520(大日本スクリーン製造(株))を用いることで測定することができる。
(D)感熱マスク層の厚さは0.5〜5.0μmが好ましく、1.0〜2.0μmがより好ましい。厚さが上記範囲未満では、高い塗工技術を必要とし、一定以上の光学濃度を得ることが困難になりうる。また、上記範囲を超えると、感熱マスク層の蒸発に高いエネルギーを必要とし、コスト的に不利になりうる。
(D)感熱マスク層に使用されるバインダーとしては、特に限定されないが、極性基を持つ共重合ポリアミドが好ましく用いられる。使用されるポリアミドは、従来公知のカチオン性ポリアミド、ノニオン性ポリアミド、アニオン性ポリアミドから適宜選択することが好ましく、例えば、第三級アミノ基含有ポリアミド、第四級アンモニウム塩基含有ポリアミド、エーテル基含有ポリアミド、スルホン酸基含有ポリアミドなどが挙げられる。
(D)感熱マスク層に使用されるカーボンブラックは、赤外線吸収機能と化学線遮断機能を有し、前記光学濃度と層厚を達成できる濃度のものが適宜用いられるが、一般的には(D)感熱マスク層の総重量に対して1〜60重量%、好ましくは10〜50重量%で使用される。使用量が上記下限未満では、光学濃度が低くなり、赤外線吸収機能と化学線遮断機能を示さなくなるおそれがある。また、上記上限を越えるとバインダーなどの他成分が不足して、皮膜形成性が低下するおそれがある。
(D)感熱マスク層上には、剥離可能な可撓性カバーフィルムを設けて印刷原版を保護することが好ましい。好適なカバーフィルムとしては、例えばポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルムを挙げることができる。しかしながら、このような保護フィルムは絶対に必要というものではない。
本発明の凸版印刷原版を製造する方法は、特に限定されないが、一般的には以下のようにして製造される。
まず、感熱マスク層を構成するカーボンブラック以外のバインダー等の成分を適当な溶剤に溶解または分散させ、そこにカーボンブラックを分散させて分散液を作製する。次に、このような分散液を感熱マスク層用支持体(例えばPETフィルム)上に塗布して、溶剤を蒸発させる。続いて、分割層を構成する成分の溶解液または分散液を感熱マスク層上に塗布して溶剤を蒸発させ、一方の積層体を作成する。さらに、これとは別に支持体上に塗工により感光性樹脂層を形成し、他方の積層体を作成する。このようにして得られた二つの積層体を、圧力及び/又は加熱下に、感光性樹脂層が感熱マスク層上の分割層に隣接するように積層する。なお、感熱マスク層用支持体は、印刷原版の完成後は剥離可能な可撓性カバーフィルムとなり、感熱マスク層の表面の保護フィルムとして機能する。
本発明の印刷原版から印刷版を製造する方法としては、保護フィルムが存在する場合には、まず保護フィルムを感光性印刷版から除去する。その後、感熱マスク層をIRレーザーによりアブレーションして、感光性樹脂層上に画像マスクを形成する。好適なIRレーザの例としては、ND/YAGレーザー(波長1064nm)又はダイオードレーザー(波長例、830nm)を挙げることができる。これらのレーザーシステムは、市販されており、印刷原版を保持する回転円筒ドラム、IRレーザの照射装置、及びレイアウトコンピュータを含む。画像情報は、レイアウトコンピュータからレーザ装置に直接移される。
画像情報を感熱マスク層に書き込んだ後、感光性印刷原版にマスクを介して活性光線を全面照射する。これは版をレーザシリンダに取り付けた状態で行うことも可能であるが、版をレーザ装置から除去し、慣用の平板な照射ユニットで照射する方が規格外の版サイズに対応可能な点で有利であり一般的である。活性光線としては、150〜500nm、特に300〜400nmの波長を有する紫外線を使用することができる。その光源としては、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ジルコニウムランプ、カーボンアーク灯、紫外線用蛍光灯等を使用することができる。その後、照射された版は現像され、印刷版を得る。現像工程は、慣用の現像ユニットで実施することができる。
以下、実施例により本発明の効果を具体的に示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<感熱マスク層塗工液の調製>
ε−カプロラクタム53重量部、N,N’−ビスアミノプロピルピペラジンアジペート38重量部、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンアジペート9重量部とを重合せしめて、融点139℃、比粘度1.95の三級窒素含有ポリアミドを得た。カーボンブラック分散液(AMBK−8 オリエント化学工業(株)製)と上述のようにして得られた三級窒素含有ポリアミドを固形分重量比でカーボンブラック分散液:三級窒素含有ポリアミド=63:37になるよう、メタノール・エタノール・イソプロピルアルコール混合液に溶解し、感熱マスク層塗工液を調製した。
<分割層塗工液の調製>
下記のようにして得た各種の鹸化度および重合度を有するポリビニルアルコール(PVA505、PVA405、PVA403、PVA205、PVA−1〜7)を水・イソプロピルアルコール混合液に溶解し、分割層塗工液を調製した。
ポリビニルアルコールPVA505、PVA405、PVA403、PVA205はクラレ(株)製のクラレポバールを使用した。
ポリビニルアルコールPVA−1は次のようにして合成した。酢酸ビニル50重量部、メタノール60重量部を窒素置換下、60℃で重合せしめ、重合度が100に達したところで冷却して重合を停止した。次いで、未反応の酢酸ビニルを除去し、ポリ酢酸ビニルのメタノール溶液を得た。得られた溶液にNaOHメタノール溶液(10%濃度)を添加して脱酢酸し、鹸化度63モル%のポリビニルアルコールPVA−1を得た。
ポリビニルアルコールPVA−2〜5は次のようにして合成した。ポリビニルアルコールPVA−1と同様にして酢酸ビニル50重量部、メタノール60重量部を窒素置換下、60℃で重合せしめ、重合度が300、500、700、1000に達したところで冷却して重合を停止した。次いで、未反応の酢酸ビニルを除去し、ポリ酢酸ビニルのメタノール溶液を得た。得られた溶液にNaOHメタノール溶液(10%濃度)を添加して脱酢酸し、重合度が300で鹸化度63モル%のポリビニルアルコールPVA−2、重合度が500で鹸化度63モル%のポリビニルアルコールPVA−3、重合度が700で鹸化度63モル%のポリビニルアルコールPVA−4、及び重合度が1000で鹸化度63モル%のポリビニルアルコールPVA−5を得た。
ポリビニルアルコールPVA−6は次のようにして合成した。酢酸ビニル50重量部、メタノール60重量部を窒素置換下、60℃で重合せしめ、重合度が700に達したところで冷却して重合を停止した。次いで、未反応の酢酸ビニルを除去し、ポリ酢酸ビニルのメタノール溶液を得た。得られた溶液にNaOHメタノール溶液(15%濃度)を添加して脱酢酸し、鹸化度80モル%のポリビニルアルコールPVA−6を得た。
ポリビニルアルコールPVA−7は次のようにして合成した。酢酸ビニル50重量部、メタノール60重量部を窒素置換下、60℃で重合せしめ、重合度が500に達したところで冷却して重合を停止した。次いで、未反応の酢酸ビニルを除去し、ポリ酢酸ビニルのメタノール溶液を得た。得られた溶液にNaOHメタノール溶液(7%濃度)を添加して脱酢酸し、鹸化度50モル%のポリビニルアルコールPVA−7を得た。
<積層フィルムXの作製>
両面に離形処理を施した100μmのPETフィルム上に感熱マスク層塗工液を適切な種類のバーコーターを用いて塗工し、120℃で5分間乾燥し、PETフィルム上に膜厚1.5μmの感熱マスク層を積層した。この時の光学濃度は2.3であった。この光学濃度は、白黒透過濃度計DM−520(大日本スクリーン製造(株))によって測定した。
次いで、上記感熱マスク層の上に分割層塗工液を適切な種類のバーコーターを用いて塗工し、120℃で5分間乾燥し、PETフィルム上に膜厚1.5μmの感熱マスク層と膜厚3.0μmの分割層をこの順に積層されている積層フィルムXを得た。
<感光性樹脂層Aを有する感光性凸版印刷原版の調製>
ε−カプロラクタム53重量部、N,N’−ビスアミノプロピルピペラジンアジペート38重量部、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンアジペート9重量部とを重合せしめて、融点139℃、比粘度1.95の三級窒素含有ポリアミドを得た。得られたポリアミド55部をメタノール200重量部、水24重量部に溶解し、この溶液にメタクリル酸3重量部、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルとアクリル酸35モル%及び、メタクリル酸65モル%との反応物36部、N−エチル−p−トルエンスルホンアミド5重量部、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.1重量部、ベンジルジメチルケタール1重量部を加え、感光性樹脂組成物溶液を得た。この感光性樹脂溶液を濃縮機に送り、110℃で濃縮して感光性樹脂組成物Aを得た。次いで、250μmのPETフィルムに接着剤を20μmコートして得た支持体フィルムの接着剤塗布面側と、前記積層フィルムXの分割層側との間に感光性樹脂組成物Aを挟み込み、110℃で加熱プレスして、全厚み950μmの感光性凸版印刷原版を作成した。
<感光性樹脂層Bを有する感光性凸版印刷原版の調製>
N,N’−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジン80部と2−メチルペンタメチレンジアミン20部をメタノール1000部に溶解した後、該ジアミン溶液にポリエチレングリコール(平均分子量600)600部とヘキサメチレンジイソシアネート369部を反応させて得られた実質的に両末端にイソシアネート基を有するウレタンオリゴマー450部を、撹拌下徐々に添加した。両者の反応は約15分で完了し、比粘度が1.75の三級窒素含有ポリエーテルウレアウレタンを得た。得られたポリエーテルウレアウレタン55.0部を、メタノール100部に65℃で加熱溶解し、N−エチルトルエンスルホン酸アミド5.0部、1,4−ナフトキノン0.03部、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.1部を添加してさらに30分撹拌溶解させた。その後、乳酸3.6部、グリシジルメタクリレート(GMA)2.5部、水18部、亜硫酸アンモニウム0.3部、シュウ酸0.1部、光重合開始剤としてベンジルジメチルケタール1.0部、2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロピルメタクリレート(日本油脂株式会社製架橋剤ブレンマーGAM)32.5部を添加して30分撹拌溶解させた。この感光性樹脂溶液を濃縮機に送り、110℃で濃縮して感光性樹脂組成物Bを得た。次いで、250μmのPETフィルムに接着剤を20μmコートして得た支持体フィルムの接着剤塗布面側と、前記積層フィルムXの分割層側との間に感光性樹脂組成物Bを挟み込み、110℃で加熱プレスして、全厚み950μmの感光性凸版印刷原版を作成した。
<感光性樹脂層Cを有する感光性凸版印刷原版の調製>
nyloprint(登録商標)WF95H(BASF社製)のフィルムベース上に配置された水現像可能な市販の凸版印刷板から保護フィルムを剥離した。次いで、混合比9:1のn−プロパノールと水の混合物を使用し、保護フィルムを剥離した方の面に前記積層フィルムXを積層させ、感光性凸版印刷原版を得た。
<感光性樹脂層Dを有する感光性凸版印刷原版の調製>
TORELIEF(登録商標)WF95DT IV(東レ社製)のフィルムベース上に配置された水現像可能な市販の凸版印刷板から保護フィルムを剥離した。次いで、混合比18:1のn−プロパノールと水の混合物を使用し、保護フィルムを剥離した方の面に前記積層フィルムXを積層させ、感光性凸版印刷原版を得た。
<印刷版の作製>
感光性凸版印刷原版から保護フィルムを剥離した後、外面ドラム型IRレーザ装置にて(C)感熱マスク層に描画した。IRレーザー装置は、CDI Spark2530(エスコグラフィックス(株)社)、ThermoFlex Narrow(Kodak(株)製)を使用した。アブレーション条件は、それぞれのレーザー装置で、上記感感熱マスク層がレーザー照射により実質上分解、蒸散される条件に設定した。描画された原版を活性光線で75秒(Philips10R、365nmにおける照度8mW/cm)UV露光したのち、ブラシ式洗出し機・乾燥機一体型装置(日本電子精機(株)JOWA2 SD)で2分30秒洗い出し、60℃10分の乾燥を行った。その後に、後露光として75秒(Philips10R、365nmにおける照度8mW/cm)UV露光し、印刷版を得た。
実施例1〜8、比較例1〜7
表1又は表2に記載の条件に従って、上記の方法により実施例1〜8及び比較例1〜7の各印刷版を得た。そして、得られた各印刷版を以下のようにして評価した。評価結果を表1又は表2に示す。
レーザー許容性の評価
コンピュータ製版技術に好適なレーザシステムは、印刷原版を保持する回転円筒ドラム、赤外線レーザの照射装置、及びレイアウトコンピュータを含む。アブレーション条件は、感熱マスク層がレーザー照射により実質上分解、蒸散される条件に設定される。アブレーション条件は、具体的には回転円筒ドラムの回転数(レーザー照射時間)と、レーザー照射出力値(レーザーエネルギー)により設定される。好適なレーザシステムとして様々なレーザー装置が市販されているが、そのアブレーション条件や良好なレリーフを与えるアブレーション適正範囲はレーザー装置により異なる。そこで、CDI Spark2530(エスコグラフィックス(株)社)を用いて様々なアブレーション条件にてマスク描写を行った。マスク描写後の版表面を超深度レーザー微鏡で観察し、凹凸、うねり、皺などの微細な荒れの有無を確認した。判定は以下の通りに行った。
○:版表面に凹凸、うねり、皺などの荒れなし
△:版表面の一部に軽微な凹凸、うねり、皺があり。
×:版表面に凹凸、うねり、皺などの荒れが生じた
マスク描写後の版表面の状態の例として、実施例3、比較例1における顕微鏡写真を図1、図2に示す。
アブレーション条件:CDI Spark2530、200rpm、9W
超深度レーザー顕微鏡:KEYENCE VK−9500、観察倍率100倍
画像再現性の評価
レーザーアブレーションによって得られた150線1%(直径19μm)のマスク層のネガ画像を用いて、以下の方法でレリーフ表面の面積再現率を計算した。なお、網点面積の測定方法は、レリーフ表面を顕微鏡で50倍に拡大し、市販の画像解析ソフトを用いて面積を測定した。画像ソフトとしは市販のものが使用できるが、画像解析ソフト A像くん(旭化成エンジニアリング社製)を用いた画像解析によって網点表面の面積を測定した。
150線1%のネガマスク層画像に対するレリーフ面積再現率(%)=(B/A)×100
A:マスク層のネガ画像の網点面積
B:レリーフの網点面積
耐刷性の評価
版の表面が弱い場合、印刷部数を増やしていくと、微細なヒビ割れが発生する。このヒビ割れの発生有無を以下に述べる耐刷加速試験にて評価した。印刷機の運転環境は20から25℃、湿度30から40%RHで行った。印刷機は、凸輪転印刷機(三條機械P−20)を用いて1画像すべてに印圧がかかる状態に印刷版を版胴に配置する。印刷版画像の形状は直径16mmの星型で行った。印圧は、通常150〜250μm印刷物に対して押し込むところを、450μm押し込んで負荷を過剰に掛けて行った。このときの印刷速度は20〜30m/分で行った。インキは、UVインキ(T&K TOKA ベストキュアーUVカラー藍B)を使用、反射濃度計(大日本スクリーン製造DM−800)で0.6以上2.0以下になるようインキ濃度を調整した。印刷用の紙はミラーコートのタック紙(リンテック グロスPW 8K)を用いた。印刷は8000ショットまで行ない、ヒビ割れ発生が生じたものを不可として判定した。ヒビ割れ発生の評価は、印刷物に現れるヒビ跡の有無をルーペで目視観察することで判定した。
表1から明らかな通り、感光性樹脂層中の合成高分子化合物が三級窒素原子を含有するポリアミド又はポリエーテルウレアウレタンを含有し、かつ分割層が本発明の範囲の低鹸化低重合度のポリビニルアルコールからなる実施例1〜8は、どのアブレーション条件を用いた場合でも凹凸、うねり、皺などの荒れのない良好な印刷版を与え、レーザー許容性に優れるといえる。 又、画像再現性については、実施例1〜8の画像再現率が95〜103%と殆ど太りが見られず、特にポリビニルアルコールの鹸化度が60〜80モル%の範囲では画像再現率が95〜100%と優れた画像再現性であることが分かる。
一方、ポリビニルアルコールの鹸化度が本発明の範囲未満の比較例3では画像再現率が92%と小さくなりすぎ、またポリビニルアルコールの鹸化度が本発明の範囲超の比較例2では画像再現率が107%と大きくなりすぎるために好ましくない。また、ポリビニルアルコールの重合度が本発明の範囲超の比較例1及びポリビニルアルコールの鹸化度が本発明の範囲超の比較例2は、アブレーション条件によって版表面に凹凸、うねり、皺などの荒れを生じた。これらの荒れは製版後のレリーフ上でも観察され、印刷性に影響をきたすものであった。ポリビニルアルコールの鹸化度が本発明の範囲未満の比較例3は、どのアブレーション条件を用いた場合でも凹凸、うねり、皺などの荒れは観察されなかった。ところが、鹸化度が低すぎるために水現像することができず、レリーフを得ることができなかった。ポリビニルアルコールの重合度が本発明の範囲未満の比較例4は、分割層塗工液の造膜性に欠け、分割層を作成することができなかった。従って、評価不可能であった。比較例5は、分割層を有さないので、均一な大気酸素条件下で適度の重合阻害を受けながら感光性樹脂層の硬化反応が進行する。よって、版表面に荒れのない良好な印刷版を与える。ところが、印刷版表面の露光硬化不足のため、印刷時に刷版表面ベタ部にヒビ割れが生じやすく、耐刷性に劣るものであった。また、感光性樹脂層中の合成高分子化合物が三級窒素原子を含有するポリアミド又はポリエーテルウレアウレタンを含有しない比較例6〜7は、軽微なものではあるが、アブレーション条件によって版表面に軽微な荒れを生じた。耐刷性も実施例の評価よりもやや劣るものであった。
本発明の感光性樹脂凸版印刷原版は、アブレーション適正範囲が広いので種々のCTP製版装置によって製版することができ、露光後の版表面の凹凸、うねり、皺、などの微細な荒れが少なく、印刷品位と耐刷性に優れた印刷版を提供することができる。

Claims (2)

  1. 少なくとも(A)支持体、(B)感光性樹脂層、(C)酸素遮断性分割層、(D)カーボンブラックを含有する水溶性の感熱マスク層が順次積層されてなる水現像型感光性凸版印刷原版であって、
    (B)感光性樹脂層が、合成高分子化合物、光重合性不飽和化合物、及び光重合開始剤を含有し、前記合成高分子化合物が、三級窒素原子を含有するポリアミド又はポリエーテルウレアウレタンを含有し、かつ、(C)酸素遮断性分割層が、鹸化度60〜85モル%、重合度200〜800のポリビニルアルコールを含有すること、但し前記ポリビニルアルコールは、鹸化度74モル%を分布ピークとせず、かつJIS K 6726によって規定される平均重合度が500でないことを特徴とする感光性凸版印刷原版。
  2. 前記(D)感熱マスク層が、前記(B)感光性樹脂層が含有する前記合成高分子化合物を含有するものであることを特徴とする請求項1に記載の感光性凸版印刷原版。
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