JP6767925B2 - 光モジュールおよびその作製方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光通信や光センシングに用いられる可視光などの高エネルギーな光に耐性がある、平面光波回路と光ファイバとが光接続された光モジュール及びその作製方法に関する。
近年、スマートフォンの普及だけでなく、IoT(Internet of Things)を利用したサービスの拡大により、通信トラフィックの増大が顕著である。この大容量光通信を支える部品の1つに平面光波回路(PLC)がある。PLCは、現在の通信網で実際に利用されており、光を分岐するスプリッタや、光信号の経路を切り替える光スイッチ、また光源となるレーザや変調器なども広義のPLCで実現される。PLCは、石英系材料、シリコン系材料、半導体系材料などで構成される。PLCは通常、単一では用いられず、ほとんどの場合、PLCにおける入出力光を光ファイバに結合することにより用いられる。
図1を用いて、PLCと光ファイバを接続する方法の一例を説明する。図1には、レーザ光源(LD)1と、LD1に接続された光ファイバ2と、光ファイバ2から入力された光を伝搬して出力するPLC3と、光ファイバ2をPLC3に固定するためのファイバブロック4と、を備えた光モジュールが示されている。PLC3から出力された光を受光するフォトダイオード(PD)5は光ファイバ6に接続されており、PLC3とファイバブロック4との間は、UV硬化樹脂接着剤7で接着されている。
ファイバブロック4は、PLC3に対して接着面積を得るために光ファイバ2の先端に設置される。ファイバブロック4としては、V溝基板やマイクロキャピラリ等のガラス部材を用いるのが一般的である。
光ファイバ2とPLC3との位置は、PLC3と光ファイバ2及び6とを微動調心装置に固定した後、光ファイバ2が挿入されたファイバブロック4をPLC3に近接させた状態でUV硬化樹脂接着剤7を接続隙間に塗布した後に、PD5の受光強度が最大になるようにサブミクロンオーダーの精度で調整することによって決定される。その後、UV光を照射してUV硬化樹脂接着剤7を硬化させることにより、光ファイバ2及びPLC3を固定する。
ここで、必要に応じて、PD5に代えて、PLC3の出力端に光ファイバを直接接続し、この光ファイバをパワーメータに接続して出力光強度を測定して、パワーメータで測定した出力光強度が最大になるように微動調心装置により光ファイバ2とPLC3との位置を調整してもよい。また、光ファイバ2及びPLC3の接続に限らず、PLC3と別のPLCを接続してもよい。
このように、光ファイバとPLCとの接続には、UV硬化樹脂接着剤を用いるのが一般的である(例えば、特許文献1参照)。光ファイバとPLCの光接続においてUV硬化樹脂接着剤を用いる利点としては、次の3点が挙げられる。
1つ目の利点は、UV硬化樹脂接着剤を用いた場合、相対位置精度よく光ファイバをPLCに固定することができるという点である。仮に熱硬化型接着剤を用いて光接続する場合、熱硬化型接着剤を硬化するために加熱すると、ファイバブロックを押圧・固定するための治具の熱膨張により光ファイバとPLCの相対位置がずれ、光ファイバが微動調心装置上から動いてしまうため、精度良く固定することが難しい。また、室温硬化型接着剤を用いた場合には、室温硬化型接着剤が硬化するのに時間がかかってしまい、硬化中に治具自体の相対位置が保てなくなる。そのため、光接続における光ファイバとPLCとの相対位置がずれ、光ファイバが微動調心装置上から動いてしまうことが予想される。
一方で、UV硬化樹脂接着剤は硬化時間が短いため、光ファイバとPLCとの相対位置を維持した状態のまま接続することができる。したがって、UV硬化樹脂接着剤を用いる場合には、光ファイバを微動調心装置上から動かすことなくPLCに接続することができるため、相対位置精度の良好な光接続が可能となる。
2つ目の利点は、PLCを含むデバイスの量産性を考えた時、生産スループット良く光ファイバとPLCとを接続することができるという点である。
微動調心装置を用いた光接続工程は、サンプル一つ一つについて実施するため、サンプル一つについての微動調心装置の占有時間が長ければ生産スループットが劣化する。スループットを上げるためには光接続工程の並列処理が考えられるが、光接続に用いられるLD、パワーメータ及び微動調心装置等は安価なものでないため、これらの複数台用意することによる設備投資が多くなるという課題がある。
この点、UV硬化樹脂接着剤はUV光を照射して数分程度で硬化するため、数時間放置して硬化する室温硬化型接着剤や2液性接着剤に比べて硬化時間がはるかに短い。従って、UV硬化樹脂接着剤を用いることにより、生産スループットが良好な光接続が可能となる。
3つ目の利点は、UV硬化樹脂接着剤は樹脂であるため、光接続損失に大きく影響するUV硬化樹脂接着剤の屈折率をPLCの出射端面におけるコア層の屈折率に整合するように調整することができるという点である。
レンズを用いて空間を介して光ファイバとPLCとを光接続する場合など、反射の影響を無くすためにPLCの出射端面にAR(アンチリフレクション)処理を実施したりするが、これらはコスト増につながる。一方で、UV硬化樹脂接着剤を用いてその屈折率を調整することにより、安価に低損失な光接続が実現可能である。
このような利点から、多くの場合、光ファイバとPLCとの光接続にはUV硬化樹脂接着剤が用いられている。
特開2014−048628号公報
今まで、PLCは主に光通信用の部品として用いられていたが、最近では光プローブ型センサ等へも適応先が拡大している。また、PLCは、調芯工数が少なく、振動にも強いことから、RGB三原色光源を合分波するプロジェクタ内の光学部品として用いられることも期待されている。
このように、PLCの適応先拡大に伴って、PLCに伝搬させる光も通信波長帯の光だけでなく、可視光波長帯の光を用いることも増えてきた。従って、PLCや光ファイバ等、光モジュールを構成する部品だけでなく、それらを接続する光接続部分についても可視光を伝搬させるための対策が必要である。
先に説明したように、従来の光接続技術では、光接続部分にUV硬化型接着剤を用いている。しかし、このUV硬化樹脂接着剤は、高エネルギーな可視光を吸収して劣化してしまうことが知られている。この現象は、通信波長帯であっても数mW級のハイパワーな光をUV硬化樹脂接着剤に伝搬させることで生じてしまう。
図2は、PLCと光ファイバを接続する方法の他の例を示す。図2に示す構成では、PLC3及びファイバブロック4間において光が通過する部分が空隙となっている。このように、UV硬化樹脂接着剤の劣化を避けるために、PLC3及びファイバブロック4間において光が通過しない部分のみをUV硬化樹脂接着剤7で固定しておき、光が通過する部分を空隙にしておく接続方法が取られることもある。しかし、この接続方法では、光が通過する空隙部分に集塵現象が生じ、接続損失が増大してしまうという問題がある。
さらに、PLCを通信用に用いる場合には通常室温下で使用されているが、光センサとして用いる場合には、さらに過酷な温度条件下、例えば車のエンジンルーム内や、鉱山における地熱高温下など常時200℃程度の環境下での利用等も想定される。しかし、光接続に一般的に用いられているUV硬化樹脂接着剤は、85℃以上の耐熱性が担保されていないため、このようなUV硬化樹脂接着剤を用いて光接続した光モジュールを200℃程度の環境下においた場合、UV硬化樹脂接着剤が軟化し、光接続位置がずれて接続損失が増加してしまう。
最近では、200℃程度の高温で加熱しても軟化しない耐熱性の高いUV硬化樹脂接着剤が現れている。しかし、このような耐熱性の高いUV硬化樹脂接着剤を用いて光接続した光モジュールを200℃程度の環境下においた場合、熱によってUV硬化樹脂接着剤は軟化しないものの、湿度等の要因によってUV硬化樹脂接着剤の経時的劣化が生じ、PLCと光ファイバとの相体位置がずれて接続損失が増加してしまう。このため、従来、耐熱性の有する光接続を実現できていなかったため、PLCと光ファイバとを光接続した光モジュールを高温環境下で使用できなかった。
以上のように、従来の光接続技術では、可視光などの高エネルギーな光を伝搬させたり、過酷な温度条件下においたりすると、光接続部に用いるUV硬化樹脂接着剤が劣化してしまうため、安定でかつ長期信頼性のある光接続が実現できないという課題があった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、ハイパワーな光に耐性があり、かつ熱耐性がある光モジュール及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る光モジュールは、1又は複数の光ファイバと、前記1又は複数の光ファイバと光接続される平面光波回路と、前記1又は複数の光ファイバが挿入・固定されたファイバブロックと、前記ファイバブロックと前記平面光波回路とを接着・固定するUV硬化樹脂接着剤層と、前記ファイバブロックと前記平面光波回路とを接着・固定するガラス層と、を備えた光モジュールであって、前記UV硬化樹脂接着剤層は、耐熱温度が200℃以上であり、前記ファイバブロックと前記平面光波回路との接続端面間において、前記1又は複数の光ファイバと前記平面光波回路との間で入力又は出力される光が通過しない部分に設けられ、前記ガラス層は、前記接続端面間において、前記1又は複数の光ファイバと前記平面光波回路との間で入力又は出力される光が通過する部分に設けられていることを特徴とする。
本発明の一態様に係る光モジュールの製造方法は、ファイバブロックに挿入・固定された1又は複数の光ファイバと平面光波回路とが光接続された光モジュールを作製する方法であって、微動調心装置を用いて、前記ファイバブロックに挿入・固定された前記光ファイバと前記平面光波回路との接続位置を調整するステップと、前記ファイバブロックと前記平面光波回路との接続端面間において、前記1又は複数の光ファイバと前記平面光波回路との間で入力又は出力される光が伝搬しない部分に耐熱温度が200℃以上であるUV硬化樹脂接着剤を塗布するステップと、前記UV硬化樹脂接着剤にUV光を照射して、前記ファイバブロックと前記平面光波回路とを接着・固定するステップと、前記接続端面間において、前記1又は複数の光ファイバと前記平面光波回路との間で入力又は出力される光が伝搬する部分にガラス前駆体材料を充填し、液相合成法によって前記ガラス前駆体材料を硬化させるステップと、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、ハイパワーな光に耐性があり、かつ熱耐性がある光モジュール及びその作製方法を提供することが可能となり、PLCの適応先拡大に大きく貢献するものである。
PLCと光ファイバを接続する方法の従来例を説明するための図である。 PLCと光ファイバを接続する方法の他の従来例を説明するための図である。 本発明の実施例1に係る光モジュールを例示する図である。 本発明の実施例1に係る光モジュールにおけるPLCとファイバブロックを接続する前の状態の斜視図である。 本発明に係る光モジュールについてのハイパワー耐性の測定系を示す図である。 本発明に係る光モジュールの経時的な損失変動の測定結果を示す図である。 本発明に係る光モジュールの信頼性試験の結果を示す図である。 本発明に係る光モジュールの耐熱性試験の結果を示す図である。 本発明の実施例3に係る光モジュールを例示する図である。
(実施例1)
図3は、本発明の実施例1に係る光モジュールの上面断面図を示す。図3には、光ファイバ101と、光ファイバ101と光接続されるPLC102と、光ファイバ101を挿入・固定するファイバブロック103と、PLC102とファイバブロック103との接続端面間において光ファイバ101及びPLC102間で入出力される光が通過しない部分を接着・固定するUV硬化樹脂接着剤層104と、PLC102とファイバブロック103との接続端面間において光ファイバ101及びPLC102間で入出力される光が通過する部分を接着・固定するガラス層105と、を備えた光モジュール100が示されている。図3に示されるように、ファイバブロック103には、接着剤堰き止め用溝106が設けられている。
ガラス層105は、液相合成法で生成される。液相合成法としては、例えば、液体原料が重合することによりゲル状になりこれを室温放置または焼成することにより硬化させてガラスを生成するゾル−ゲル法や、ゾル−ゲル法の一種でありポリシラザンを室温放置又は焼成することにより硬化させてガラスを生成するポリシラザン法や、液体原料が加水分解することにより硬化してガラスを生成する液相析出法を用いることができる。
ここで、本実施例では、ガラス層105の前駆体材料は、ポリシラザンを用いる。以下、ポリシラザンについて簡単に説明する。ポリシラザンは、SiH2NHを基本ユニットとする無機ポリマー材料であり、水と反応させることにより硬化して高純度なシリカ膜を形成する。硬化後のシリカ膜は、無色透明であり、可視光に対して吸収端を持たず、高い透明性を有する。また、ポリシラザンは、硬化後に無機のSiO2となるため、高エネルギーな光への耐性もあり、さらには1000℃程度の耐熱性も有する。さらに、ポリシラザンは、一液タイプの溶液であるため、接続端面の微小な隙間にも容易に充填させることができる。
ポリシラザンには、シリカへの転化温度を下げるために、脱水素及び酸化触媒であるPb化合物や水分との反応を促進させるアミン系の触媒がドーパントとして添加されていることが多い。ポリシラザンの硬化速度、反応速度はポリシラザンに含まれるドーパントや硬化温度、高湿雰囲気中で硬化するなどの硬化環境によって異なる。
液相合成法で生成されるガラス層105の前駆体材料としては、ポリシラザンのようなSiH2NHを基本ユニットとする無機ポリマー材料の他に、例えば、シリコンアルコシドSi(OC254を主成分とするものやケイフッ化水素(H2SiF6)を主成分にするものなどを用いることができる。
図4は、本発明の実施例1に係る光モジュールにおけるPLCとファイバブロックを接続する前の状態の斜視図である。図4では、簡略化のため、PLCの出力側のみにファイバブロックを接続する際の構成を示している。
図4に示されるように、PLC102は、Si基板上でコア層をクラッド層で埋め込んだ埋め込み型導波路構造を有することができる。PLC102の入出力端の間は、コア層をS字状に形成することによって構成されたS字状の曲げ導波路によって接続されている。
以下、本発明に係る光モジュールの作製方法を説明する。PLC102は、例えば、次の手順で作製することができる。Si基板上に厚さ20μmの石英ガラスで構成されたアンダークラッド層と、Geドープにより屈折率を高めた厚さ2μmの石英ガラスで構成されたコア層と、を順に堆積する。一般的な露光現像技術及びエッチング技術により、コア層を光導波路のパターンに成形する。その後、石英ガラスで構成されたオーバークラッド層を15μm積層して光導波路を形成した後に、ウエハをカットし、5.0×10.0mmのサイズのチップを切り出すことにより、石英系のPLC102を作製した。石英系のPLC102は、耐熱温度が500℃を超えている。
ファイバブロック103は、例えば、V溝基板やマイクロキャピラリを用いることができる。ファイバブロック103は、V溝基板を用いた例では、次の手順で作製することができる。
厚さ1mm、5×5mmのサイズのガラス板にφ125μmのファイバ固定用のV溝を機械加工により形成する。当該V溝が形成されたV溝基板に光ファイバ101をセットし、V溝基板にセットされた光ファイバ101を厚さ1mm、5mm×3mmのサイズのガラス板で挟み込む。2枚のガラス板とこれらのガラス板に挟み込まれた光ファイバ101とをUV硬化樹脂接着剤で接着し、UV光を照射して固定した後、端面を研磨する。このようにして組み立てたファイバブロック103の接続端面に、幅150μm、深さ500μmの接着剤堰き止め用溝106を、接続端面の中心部分から左右2箇所に形成する。
このように接着剤堰き止め用溝106を形成することにより、UV硬化樹脂接着剤が接続端面における光通過部分に侵入することを防止することができる。そのため、UV硬化樹脂接着剤層104を接続端面において光が通過しない部分のみに設けつつ、ガラス層105を光通過部分にのみ設けながら、ファイバブロック103とPLC102とを接着固定することが可能となる。接着剤堰き止め用溝106は、例えば、幅100μm以上、深さ100μm以上あればよい。
次に、PLC102とファイバブロック103とを微動調心装置に固定し、PLC102とファイバブロック103との接続端面を1μm程度離した状態で接続位置を調整した後、UV硬化樹脂接着剤を接続端面間において光が通過しない部分に塗布する。このとき、UV硬化樹脂接着剤は毛細管現象により接続端面全体に広がろうとするが、接着剤堰き止め用溝106によってUV硬化樹脂接着剤が堰き止められ、接続端面における光通過部分にUV硬化樹脂接着剤が達しない。その後、PLC102とファイバブロック103との接続端面に広がったUV硬化樹脂接着剤に対してUV光を照射して硬化させることによりUV硬化樹脂接着剤層104を形成し、PLC102とファイバブロック103とを接着・固定する。
接着固定したPLC102とファイバブロック103とを微動調心装置から取り外した後、接続端面間における光通過部分の空隙にポリシラザンを充填し、室温で12時間放置することによってポリシラザンを硬化させることにより、ガラス層105を光通過部分に形成する。以上のようにして、本発明の実施例1に係る光モジュール100を作製した。
このようにして作製した本発明の実施例1に係る光モジュール100に対して接続損失を評価した。図5は、本の実施例1に係る光モジュール100についてのハイパワー耐性の測定系を示す。図5に示されるように、光モジュール100の入力端にはLD110から波長405nmの光が入射され、光モジュール100の出力端から出射された光の出力パワーをパワーメータ120で測定した。
光モジュール100全体の挿入損失は3.0dBであった。PLC102の透過損失は既存の測定から1.0dBと見積もられるため、入出力端の2か所の接続損失はそれぞれ1.0dBと考えられる。
一方、図5に示す測定系において、光モジュール100に代えて、光通過部分を空隙にした従来の光モジュールを用いてその接続損失を同様に測定した場合、接続損失が1.0dBであった。従って、ポリシラザンを光通過部分に充填しても光の透過性に問題がなく、損失の少ない接続が実現できていることが確認できた。
図6は、波長405nm、20mWの光を入射した時の実施例1に係る光モジュール100の損失変動を2000時間測定し続けた時の結果を示す。図6に示すように、実施例1に係る光モジュール100では、2000時間経過しても出力パワーが3dBで変化しないことが分かった。
一方、光通過部分を空隙にした図2に示す従来の光モジュールの接続損失を同様に測定すると、100時間程度で出力パワーが劣化する。これは前述したように、集塵効果により空隙に埃を集めてしまい、それらが透過損失を増大させてしまうことで出力パワーが劣化することが分析により確認されている。
次に、図7(a)は、本発明の実施例1に係る光モジュール100を湿度85%、温度85℃の高温高湿試験に2000時間かけた時の接続損失の経時的変化を示し、図7(b)は、−40℃〜70℃のヒートサイクル試験を行った時の接続損失の経時的変化を示す。
図7(a)に示すように、本発明の実施例1に係る光モジュール100では、高温高湿条件下で2000時間経過しても出力パワーが3dBで変化しないことが分かった。また、図7(b)に示すように、本発明の実施例1に係る光モジュール100では、−40℃〜70℃のヒートサイクルを与えた場合であっても、出力パワーが3dBで変化しないことが分かった。したがって、本発明の実施例1に係る光モジュール100では、光伝搬特性の経時的劣化は生じなかった。
従って、図7(a)及び(b)に示した結果から、ポリシラザンを用いた本発明の実施例1に係る光モジュール100は信頼性試験にも耐えることが分かった。このことから、本実施例のように、ポリシラザンを用いて光ファイバ101とPLC102とを光接続した場合、可視領域の高エネルギーな光に耐性のある光接続が可能であることが示された。
実施例1に係る光モジュール100について光接続部の耐熱性を評価した。図8は、実施例1に係る光モジュール100を、室温下、100℃、200℃、300℃で1時間加熱したときの接続損失を示す。図8では、図5に示す測定系と同様の測定系を用いて、一方の光ファイバ101にLD110から波長1550nmの光を入射し、他方の光ファイバ101から出力された光の出力パワーをパワーメータ120で測定することで接続損失を評価した。図8に示されるように、実施例1に係る光モジュール100を100℃〜300℃の高温下で加熱し続けても接続損失が変化しないことが示された。
このように、本発明では、UV硬化樹脂接着剤層104を構成するUV硬化樹脂接着剤を微動調心装置上での接続位置の仮固定のために使用し、その後にガラス層105を形成して接続位置を本固定している。そのため、たとえUV硬化樹脂接着剤層104が熱により劣化したとしても、ガラス層105で接続位置、接続強度、透明性、信頼性を担保できることから、常時高温環境下でも耐え得る耐熱性を有する光接続が実現可能である。
本発明の実施例1に係る光モジュール100の製造方法の量産性について考えた時、実施例1に係る光モジュール100の製造方法では、光が通過しない部分をUV硬化樹脂接着剤層104で固定しておき、光通過部分をガラス前駆体材料で充填するため、図1に示すような従来の光モジュールの製造方法に比べて、ガラス前駆体材料を充填させて室温に長時間放置して硬化させる分だけ製造工程が増えてしまう。
しかしながら、この充填工程は、微動調心装置を用いたサンプル一つ一つ実施する工程ではなく、多数光モジュールの接続端面にまとめてガラス前駆体材料を充填して硬化させればよいので、量産性が大きく低下するものではない。
よって、本発明の実施例1に係る光モジュール100の製造方法により、従来のUV硬化樹脂接着剤を用いた光接続の利点を生かしつつ、高エネルギーな光に耐性のあり、かつ熱耐性がある光接続が実現できた。従って、本発明は、PLCの適応先拡大に大きく貢献するものである。
なお、本実施例1では、簡略化のため、入出力端にそれぞれ1本の光ファイバ101を接続した構成を例示しているが、これに限定されず、ファイバブロック103に複数の光ファイバ101を挿入・固定するための複数のV溝を形成し、PLC102に複数本の光導波路を形成して、その入出力端にそれぞれ複数の光ファイバ101を接続した構成とすることができる。以下の実施例2でも同様である。
(実施例2)
以下、本発明の実施例2に係る光モジュールについて説明する。本実施例2に係る光モジュールでは、光が通過しない部分を接着するUV硬化樹脂接着剤層104を構成するUV硬化樹脂接着剤として、200℃程度で加熱しても軟化しないUV硬化樹脂接着剤を使用し、ガラス前駆体材料を加熱することによって硬化させてガラス層105を形成している。
ポリシラザンなどのガラス前駆体材料は、加熱すると酸素や水と反応が早く進み、室温放置した場合に比べて硬化にかかる時間を短縮することができることが知られている。本実施例2に係る光モジュールでは、UV硬化樹脂接着剤層104を構成するUV硬化樹脂接着剤として200℃以上で加熱しても軟化しないUV硬化樹脂接着剤を使用することにより、ガラス前駆体材料の充填後に加熱処理によってガラス前駆体材料を硬化させてガラス層105を形成することを可能にしている。そのため、本実施例2に係る光モジュールによると、ポリシラザンを室温での12時間放置によって硬化させる実施例1に比べて、硬化時間をはるかに短縮することができることから、量産スループットの向上を実現することが可能となる。
実施例2では、ファイバブロックの組み立て時に用いるUV硬化樹脂接着剤として200℃で加熱しても剥離や劣化が生じないUV硬化樹脂接着剤を用いたことを除き、PLC102とファイバブロック103を実施例1と同様の手順で作製した。また、実施例2では、接続端面において光が通過しない部分の接続に用いるUV硬化樹脂接着剤として200℃で1時間加熱しても軟化しないUV硬化樹脂接着剤を用いたこと、ポリシラザンとして200℃で加熱すると1時間で硬化可能なものを用いたこと、及び、ポリシラザンを充填後に、室温で12時間放置せずに、200℃程度で1時間加熱することによってポリシラザンを硬化させたこと、を除き、実施例1と同様の手順でこれらを接続した。
このようにして作製した実施例2に係る光モジュールについて接続損失を評価したところ、接続損失は1.0dBで実施例1と同等であった。また、光接続部のハイパワー耐性を評価するために、波長405nm、1mWの光を2000時間、光モジュールに透過し続けたが、出力パワーに変動は生じなかった。実施例2に係る光モジュールの耐熱性を評価したところ、実施例1に係る光モジュール100と同様に、100℃〜300℃の高温下で加熱し続けても接続損失が変化しなかった。よって、実施例2でも、実施例1と同様に、ハイパワー耐性及び耐熱性のある光接続を実現することができた。
以上のように、実施例2では、ポリシラザンを室温での12時間放置によって硬化させる実施例1に比べ、硬化時間を1/12にすることができるため、ハイパワー耐性及び耐熱性のある光接続を実現しつつ、量産スループットの向上を実現することが可能となる。
(実施例3)
図9は、本発明の実施例3に係る光モジュールを示す。図9には、光ファイバ201と、光ファイバ201と光接続されるPLC202と、光ファイバ201を挿入・固定するマイクロキャピラリ203と、PLC202とマイクロキャピラリ203との接続端面間において光が通過しない部分を接着・固定するUV硬化樹脂接着剤層204と、PLC202とマイクロキャピラリ203との接続端面間において光が通過する部分を接着・固定するガラス層205と、を備えた光モジュール200が示されている。図9に示されるように、マイクロキャピラリ203には、接着剤堰き止め用溝206が設けられている。
PLC202は、実施例1及び2と同様の手順で作製した。
マイクロキャピラリ203は、例えば、φ0.126mmの穴が開いたφ1mm、長さ5mmの円柱状のガラス部材で構成することができる。このようなガラス製のマイクロキャピラリ203は、耐熱温度が500℃を超えている。マイクロキャピラリ203にポリイミド被覆の耐熱温度300℃の光ファイバ201を挿入し、200℃の耐熱性を有するUV硬化樹脂接着剤を用いて固定した。
PLC202と、光ファイバ201を挿入・固定したマイクロキャピラリ203との接続手順は実施例2と同様である。
本実施例3でも実施例2と同様に、ハイパワー耐性及び耐熱性のある光接続を実現しつつ、量産スループットの向上を実現することが可能となる。
ここで、本実施例3では、簡略化のため、入出力端にそれぞれ1本の光ファイバ201を接続した構成を例示しているが、これに限定されず、マイクロキャピラリ203ととして複数の光ファイバ201を挿入可能な多芯マイクロキャピラリを使用し、PLC202に複数本の光導波路を形成することにより、その入出力端にそれぞれ複数の光ファイバ201を接続した構成とすることができる。
なお、上記実施例では、PLCとファイバブロック又はマイクロキャピラリとの接続について説明したが、本発明の原理は、PLC同士の接続、ファイバ同士の接続など、光導波路デバイス全般に応用することが可能である。また、PLCの材料は石英系に限らず、シリコン系、半導体系など、どのような材料であってもよい。さらに、上記実施例では、接着剤堰き止め用溝をファイバブロック又はマイクロキャピラリに設けた構成を示しているが、接着剤堰き止め用溝をPLCに設けてもよい。

Claims (5)

  1. 1又は複数の光ファイバと、
    前記1又は複数の光ファイバと光接続される平面光波回路と、
    前記1又は複数の光ファイバが挿入・固定されたファイバブロックと、
    前記ファイバブロックと前記平面光波回路とを接着・固定するUV硬化樹脂接着剤層と、
    前記ファイバブロックと前記平面光波回路とを接着・固定するガラス層と、
    を備えた光モジュールであって、
    前記UV硬化樹脂接着剤層は、耐熱温度が200℃以上であり、前記ファイバブロックと前記平面光波回路との接続端面間において、前記1又は複数の光ファイバと前記平面光波回路との間で入力又は出力される光が通過しない部分に設けられ、
    前記ガラス層は、前記接続端面間において、前記1又は複数の光ファイバと前記平面光波回路との間で入力又は出力される光が通過する部分に設けられていることを特徴とする光モジュール。
  2. 前記ファイバブロック又は前記平面光波回路には、前記UV硬化樹脂接着剤層を構成するUV硬化樹脂接着剤が前記光が通過する部分に侵入することを防止するための接着剤堰き止め用溝が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の光モジュール。
  3. ファイバブロックに挿入・固定された1又は複数の光ファイバと平面光波回路とが光接続された光モジュールを作製する方法であって、
    微動調心装置を用いて、前記ファイバブロックに挿入・固定された前記光ファイバと前記平面光波回路との接続位置を調整するステップと、
    前記ファイバブロックと前記平面光波回路との接続端面間において、前記1又は複数の光ファイバと前記平面光波回路との間で入力又は出力される光が伝搬しない部分に耐熱温度が200℃以上であるUV硬化樹脂接着剤を塗布するステップと、
    前記UV硬化樹脂接着剤にUV光を照射して、前記ファイバブロックと前記平面光波回路とを接着・固定するステップと、
    前記接続端面間において、前記1又は複数の光ファイバと前記平面光波回路との間で入力又は出力される光が伝搬する部分にガラス前駆体材料を充填し、液相合成法によって前記ガラス前駆体材料を硬化させるステップと、
    を含むことを特徴とする方法。
  4. 前記ガラス前駆体材料を硬化させるステップは、室温で前記ガラス前駆体材料を放置することにより前記ガラス前駆体材料を硬化させることを特徴とする請求項に記載の方法。
  5. 記ガラス前駆体材料を硬化させるステップは、前記ガラス前駆体材料を加熱することにより前記ガラス前駆体材料を硬化させることを特徴とする請求項に記載の方法。
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