JP2010286549A - 光信号処理回路、光信号処理回路付半導体装置および光信号処理回路の製造方法 - Google Patents
光信号処理回路、光信号処理回路付半導体装置および光信号処理回路の製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】導波路を有する光回路を半導体装置にフリップチップ接続する光回路付半導体装置に関して、外部との光入出力を行う光ファイバとの高効率な接続を可能とする。
【解決手段】光信号処理回路付半導体装置1は、半導体装置2と、半導体装置2に接続部4を介して接続された光信号処理回路3とからなる。光信号処理回路3は、光ファイバ20の端部を収納し、光信号の入・出射を行なう光入・出力部3aと、光入・出力部3aに接して形成された光回路3bとにより構成される。光入・出力部3aは、貫通する穴5aの開けられた基材5と、その穴5aの中に充填された有機樹脂12とにより構成され、有機樹脂12には、成形により、凸レンズ状のビーム形状変換部10と、光ファイバ20の位置決めを行う位置決め部11とが形成されている。光回路3bの光導波路6には、光導波路6を通る光を直角に曲げる光路変換部9が設けられている。
【選択図】図1
【解決手段】光信号処理回路付半導体装置1は、半導体装置2と、半導体装置2に接続部4を介して接続された光信号処理回路3とからなる。光信号処理回路3は、光ファイバ20の端部を収納し、光信号の入・出射を行なう光入・出力部3aと、光入・出力部3aに接して形成された光回路3bとにより構成される。光入・出力部3aは、貫通する穴5aの開けられた基材5と、その穴5aの中に充填された有機樹脂12とにより構成され、有機樹脂12には、成形により、凸レンズ状のビーム形状変換部10と、光ファイバ20の位置決めを行う位置決め部11とが形成されている。光回路3bの光導波路6には、光導波路6を通る光を直角に曲げる光路変換部9が設けられている。
【選択図】図1
Description
本発明は、光信号処理回路、光信号処理回路付半導体装置および光信号処理回路の製造方法に関し、特に、光ファイバとの間で光信号(連続光を含む)の授受を行うとともに、光信号の伝送、光電気変換・電気光変換処理などを行なう光信号処理回路、この光信号処理回路と半導体装置とが電気的に接続された光信号処理回路付半導体装置、および光信号処理回路の製造方法に関するものである。
半導体装置においては、扱う信号情報量の増大に対応するため、素子の微細化や配線幅の縮小化を行い、集積度を向上させると共に、多数の信号配線を高密度に配置して、そこに低電圧の高速信号を伝送するようになってきている。
そのため、伝送される電気信号の品質が劣化し、不具合を生じる場合がある。具体的には、信号遅延や信号間のスキュー、ジッターの問題が深刻化し、また、配線間におけるクロストークなどの発生も問題となる。
これらの不具合に対応するため、光信号による伝送をLSIチップ内の信号伝送にも使用する提案がなされている。
そのため、伝送される電気信号の品質が劣化し、不具合を生じる場合がある。具体的には、信号遅延や信号間のスキュー、ジッターの問題が深刻化し、また、配線間におけるクロストークなどの発生も問題となる。
これらの不具合に対応するため、光信号による伝送をLSIチップ内の信号伝送にも使用する提案がなされている。
図8、図9は、本発明者等が特願2008−258683にて開示した光回路付半導体装置の例を示す断面図である。図8において、光回路部51は、半導体装置部50に接続部56を介して電気的に接続されている。光回路部51には、コア55aとクラッド層55b、55b’とを有する光導波路55と、光導波路55に光学的に結合された光能動素子52と、光能動素子52に電気的に接続された電気配線53とが設けられており、電気配線53は接続部56を介して半導体装置部50に電気的に接続されている。また、光回路部51の光導波路55と外部の光ファイバOFとの接続は、光回路部51の端部において、光導波路のコア55aと光ファイバのコアOFaとを突き合わせることで実現している。ここで、OFbとOFcは光ファイバOFのクラッドと被覆である。
この構成において、半導体装置からの電気信号によって電気光変換素子を駆動して光信号を作る。また、光電気変換素子により、光信号を電気信号に変換して変換した電気信号を半導体装置に伝えることができる。すなわち、LSIの信号伝送を光信号で行うことができ、信号遅延や信号間のスキュー、ジッターの増加の問題を解決し、また、配線間におけるクロストークを軽減することができる。
この構成において、半導体装置からの電気信号によって電気光変換素子を駆動して光信号を作る。また、光電気変換素子により、光信号を電気信号に変換して変換した電気信号を半導体装置に伝えることができる。すなわち、LSIの信号伝送を光信号で行うことができ、信号遅延や信号間のスキュー、ジッターの増加の問題を解決し、また、配線間におけるクロストークを軽減することができる。
図9に示す例では、光回路部51の中に、光導波路55の光路を変換するミラーLCが設けられており、光路を上方に変換して、光回路部51の上方において外部の光ファイバ(図示せず)と接続できるようにしている。この例では、光路変換はミラーにより行なっているが、これに代えグレーティング構造とすることも可能である。
図8、図9に開示される先行技術は、光導波路のコアと光ファイバのコアとを付き合わせて光結合を行なうものであるので以下の問題が起こる。小さなLSIチップ内で光信号を伝送するには、電気配線と同様に光導波路の微細化が必要であり、屈折率の高い材料を用いて断面積の小さいコアを形成する必要がある。具体的にはSiON、Si3N4、Siなどの高屈折材料を用いてコアの大きさを1〜2μmやサブμmの大きさにしている。一方、外部とのレーザ光の入出力に使用されるのは、汎用のシングルモードファイバであり、このコア径は約10μmである。したがって、この光ファイバと光導波路の微細なコアとを直接つき合わせてもコアの大きさが異なるため効率よく結合させるにはできない。
光回路の光導波路と光ファイバとを効率よく結合させようとする提案は従来よりいくつかなされている(例えば、特許文献1、2参照)。
特許文献1には、光導波路のコアの幅をファイバのコア径と同等程度にまで広げ、その拡大された部分に光路を曲げるグレーティングを形成し、そのグレーティング形成箇所に直接ファイバのコアを近接させて結合する構造が提案されている。この構造によると、結合光学系を用いないので大幅な小型化が実現でき、光ファイバも導波路面から略直角方向に伸びるため、光学的結合のためにLSI周辺部の大きな領域を占有するという問題も解決できる。
一方、特許文献2には、InPなどから基板の表面に光導波路を形成し、そのコアにコアを伝播する信号光を基板内方向に反射するミラーを形成した後、基板裏面方向からエッチングして光ファイバを収納するガイド穴を形成し、さらにそのガイド穴の底面をエッチングして凸レンズ面に加工してなる光結合回路が開示されている。特許文献2によると、光ファイバの出射するビームを、光ファイバのコアとはサイズの異なる光導波路のコアに整合させることができ、光ファイバとプレーナ型導波路とを高い効率で結合できる、とされる。
特許文献1には、光導波路のコアの幅をファイバのコア径と同等程度にまで広げ、その拡大された部分に光路を曲げるグレーティングを形成し、そのグレーティング形成箇所に直接ファイバのコアを近接させて結合する構造が提案されている。この構造によると、結合光学系を用いないので大幅な小型化が実現でき、光ファイバも導波路面から略直角方向に伸びるため、光学的結合のためにLSI周辺部の大きな領域を占有するという問題も解決できる。
一方、特許文献2には、InPなどから基板の表面に光導波路を形成し、そのコアにコアを伝播する信号光を基板内方向に反射するミラーを形成した後、基板裏面方向からエッチングして光ファイバを収納するガイド穴を形成し、さらにそのガイド穴の底面をエッチングして凸レンズ面に加工してなる光結合回路が開示されている。特許文献2によると、光ファイバの出射するビームを、光ファイバのコアとはサイズの異なる光導波路のコアに整合させることができ、光ファイバとプレーナ型導波路とを高い効率で結合できる、とされる。
特許文献1の構造によると、導波路のコア径をファイバと同等まで大きくすることにより、必要とされる位置決め精度が緩和されるが、それでも1μm程度の位置決め精度は必要であり、ファイバの位置決め調整機構が必要で、その機構を導波路回路上に高精度に形成することは困難である。また、コアに設けられるグレーティングは、光ファイバのコア部と正対させるため、光ファイバのコアと同等以上の大きさが必要であり、これは、サブμmの導波路のコアに比べると、1桁以上大きく、グレーティングのそばには光配線が配置できず、高密度な光配線を実現できないという問題が起こる。
これに対し、特許文献2に開示された構造では、光ファイバを出射する光はレンズにより収束されて導波路回路に入射されるため、導波路回路に光入・出射のために大きなスペースを割く必要はなく、高密度な光配線を実現できる。しかしながら、特許文献2に記載されたものでは、ガイド穴や凸レンズを形成するためのエッチングマスクを形成する際の位置合わせを、基板裏面側において行なう必要があるところ、基板にはInPなどの可視光に不透明な材料が用いられているため、加工面側から光路変換部(ミラー)の位置を直接認識することは困難である。そのため、光路変換部の位置を視認できない状態で位置決めを行なわざるを得ず、加工位置誤差が生じて、高効率の光結合を実現することは困難である。その上、微小径の微妙な曲面を有する凸レンズをエッチングにより高精度の形状に形成することは困難であり、このことも光結合の効率劣化を招く。
本発明の課題は、上述した従来技術の問題点を解決することであって、その目的は、第1に、光回路の高密度化・小型化を実現できるようにすることであり、第2に、光ファイバと光回路の導波路との高効率の結合を実現できるようにすることである。
本発明の課題は、上述した従来技術の問題点を解決することであって、その目的は、第1に、光回路の高密度化・小型化を実現できるようにすることであり、第2に、光ファイバと光回路の導波路との高効率の結合を実現できるようにすることである。
上記の目的を達成するため、本発明によれば、光ファイバまたはフェルールを受納する光入・出力部と、前記光入・出力部の一主面上に形成され、前記光入・出力部と光学的に結合された光回路と、を備えた光信号処理回路であって、前記光入・出力部は、第1主面とこれと平行な第2主面とを有し、貫通穴が形成された基材と、前記基材の前記貫通穴に埋め込まれた成形体とからなり、前記光入・出力部には、前記基材の第2主面側から挿入される光ファイバまたはフェルールを位置決めして受納する位置決め部と、前記成形体からなる、光ファイバから出射されるビームを収束するビーム形状変換部とが形成されており、前記光回路は前記基材の第1主面側に形成され、該光回路には、光導波路と、該光導波路に光学的に結合された光機能素子と、該光機能素子に接続された電気配線と、前記光導波路の光路を前記ビーム形状変換部側へと変換する光路変換部とが形成されている、ことを特徴とする光信号処理回路、が提供される。
そして、好ましくは、前記位置決め部は、光ファイバまたはフェルールを呼び込む面取り部と、該面取り部に続き前記光ファイバまたは前記フェルールの光軸に直角方向の位置を規制するガイド部と、前記光ファイバまたは前記フェルールの先端の光軸方向の位置を規制するストッパ部とからなることを特徴とする。また、好ましくは、前記位置決め部は、前記基材の前記第2主面側から開けられた前記貫通穴の一部として形成されているか、あるいは、前記成形体に前記ビーム形状変換部と一体的に形成されている。
また、上記の目的を達成するため、本発明によれば、第1主面とこれと平行な第2主面とを有する基材の第1主面上に、光導波路と、該光導波路に光学的に結合された光機能素子と、前記光導波路の光路を前記基材側に変換する光路変換部とを含む光回路を形成する工程と、前記基材の第2主面側から前記光路変換部に対応する位置の前記基材を加工して光ファイバまたはフェルールの位置決めを行う位置決め部を前記基材に形成する工程と、前記位置決め部の底の部分をさらに加工して前記基材を貫通する穴を形成する工程と、前記基材の貫通穴の底部に成形可能材料を供給し、該成形可能材料を成形して前記光路変換部のビーム形状と光ファイバのコアとを整合させるビーム形状変換部を形成する工程と、を具備する光信号処理回路の製造方法、が提供される。
また、上記の目的を達成するため、本発明によれば、第1主面とこれと平行な第2主面とを有する基材の第1主面上に、光導波路と、該光導波路に光学的に結合された光機能素子と、前記光導波路の光路を前記基材側に変換する光路変換部とを含む光回路を形成する工程と、前記基材の第2主面側から前記光路変換部に対応する位置の前記基材を加工して前記基材を貫通する穴を形成する工程と、前記基材の第2主面側から前記光路変換部に対応する位置の前記基材を加工して光ファイバまたはフェルールの位置決めを行う位置決め部を前記基材に形成する工程と、前記基材の貫通穴の底部に成形可能材料を供給し、該成形可能材料を成形して前記光路変換部のビーム形状と光ファイバのコアとを整合させるビーム形状変換部を形成する工程と、を具備する光信号処理回路の製造方法、が提供される。
また、上記の目的を達成するため、本発明によれば、第1主面とこれと平行な第2主面とを有する基材の第1主面上に、光導波路と、該光導波路に光学的に結合された光機能素子と、前記光導波路の光路を前記基材側に変換する光路変換部とを含む光回路を形成する工程と、前記基材の第2主面側から前記光路変換部に対応する位置の前記基材を加工して基材を貫通する穴を形成する工程と、前記基材の貫通穴内に成形可能材料を供給し、該成形可能材料を成形して光ファイバまたはフェルールの位置決めを行う位置決め部と、前記光路変換部のビーム形状と光ファイバのコアとを整合させるビーム形状変換部とを形成する工程と、を具備する光信号処理回路の製造方法、が提供される。
また、上記の目的を達成するため、本発明によれば、第1主面とこれと平行な第2主面とを有する基材の第1主面上に、複数の光導波路と、該光導波路に光学的に結合された光機能素子と、前記光導波路の光路を前記基材側に変換する複数の光路変換部とを含む光回路を形成する工程と、前記基材の第2主面側から前記複数の光路変換部に対応する位置の前記基材を加工し該基材を貫通する、前記複数の光路変換部に共通する穴を形成する工程と、前記基材の貫通穴内に成形可能材料を供給し、該成形可能材料を成形して、前記複数の光路変換部のそれぞれに対応して、光ファイバまたはフェルールの位置決めを行う複数の位置決め部と、前記光路変換部のビーム形状と光ファイバのコアとを整合させる複数のビーム形状変換部とを一括成形する工程と、を具備する光信号処理回路の製造方法、が提供される。
また、上記の目的を達成するため、本発明によれば、第1主面とこれと平行な第2主面とを有する基材の第1主面上に、複数の光導波路と、該光導波路に光学的に結合された光機能素子と、前記光導波路の光路を前記基材側に変換する複数の光路変換部とを含む光回路を形成する工程と、前記基材の第2主面側から前記複数の光路変換部に対応する位置の前記基材を加工し該基材を貫通する、前記複数の光路変換部に共通する穴を形成する工程と、前記基材の第2主面側から前記複数の光路変換部に対応するそれぞれの位置の前記基材を加工し前記基材に前記光路変換部のそれぞれに対応する位置決め部を形成する工程と、前記基材の貫通穴内に成形可能材料を供給し、該成形可能材料を成形して、前記複数の光路変換部のそれぞれに対応する、前記光路変換部のビーム形状と複数の光ファイバのコアとを整合させる複数のビーム形状変換部とを一括成形する工程と、を具備する光信号処理回路の製造方法、が提供される。
本発明の光信号処理回路によれば、光路変換部は小さくできるので、光配線を高密度に配線でき、光信号処理回路延いては光信号処理回路付半導体装置の伝送容量を大きくすることができる。あるいは光信号処理回路および光信号処理回路付半導体装置を小型化することができる。また、ビーム形状変換部や位置決め部を光回路部の基材に作ることができるので、外部の光ファイバとの結合部を小さくでき、実装時に光回路付半導体装置を高密度に実装できると共に、光回路付半導体装置の上面に放熱用のスペースを確保できる。また、位置決め部により、容易にファイバの位置決めができるので、外部光ファイバとの光結合におけるロスを少なくできる。さらに、ビーム形状変換部や位置決め部の形状を有機材料等の成形材料にて成形できるので、安価な光結合部を高精度に形成することができ、高効率の光結合を実現できる。
本発明の光信号処理回路の製造方法は、第1主面側に光回路を有する基材を第2主面側から加工して基材を貫通する穴を開け、その中に成形材料を供給して、その中に型を押し込むことによりビーム形状変換部や位置決め部を形成するものであるので、ビーム形状変換部や位置決め部を位置精度高くかつ高精度の形状に成形でき、さらに、複数の光導波路に対する複数のビーム形状変換部や位置決め部を一括成形できる等、量産性に優れており、位置精度が高くかつ形状精度に優れた光信号処理回路を安価に提供することができる。
本発明の光信号処理回路の製造方法は、第1主面側に光回路を有する基材を第2主面側から加工して基材を貫通する穴を開け、その中に成形材料を供給して、その中に型を押し込むことによりビーム形状変換部や位置決め部を形成するものであるので、ビーム形状変換部や位置決め部を位置精度高くかつ高精度の形状に成形でき、さらに、複数の光導波路に対する複数のビーム形状変換部や位置決め部を一括成形できる等、量産性に優れており、位置精度が高くかつ形状精度に優れた光信号処理回路を安価に提供することができる。
以下に、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態の光信号処理回路付半導体装置を示す断面図である。図1に示されるように、光信号処理回路付半導体装置1は、半導体装置2と、半導体装置2に対面して配置され、接続部4を介して半導体装置2と電気に接続された光信号処理回路3とからなる。光信号処理回路3は、光ファイバ20の端部を収納し、光信号の入・出射を行なう光入・出力部3aと、光入・出力部3aに接して形成された光回路3bとにより構成される。光入・出力部3aは、貫通する、円錐台形状の穴5aの開けられた基材5と、その穴5aの中に充填された有機樹脂12とにより構成され、有機樹脂12には、成形により、凸レンズ状のビーム形状変換部10と、この変換部10に隣接して設置される光ファイバ20の位置決めを行う位置決め部11とが形成されている。
ここで、位置決め部11は、光ファイバの挿入を容易にする面取り部11aと、光ファイバの光軸に垂直平面内の位置を規制するガイド部11bと、光ファイバ先端部の光軸方向の位置を規制するストッパ部11cとを有している。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態の光信号処理回路付半導体装置を示す断面図である。図1に示されるように、光信号処理回路付半導体装置1は、半導体装置2と、半導体装置2に対面して配置され、接続部4を介して半導体装置2と電気に接続された光信号処理回路3とからなる。光信号処理回路3は、光ファイバ20の端部を収納し、光信号の入・出射を行なう光入・出力部3aと、光入・出力部3aに接して形成された光回路3bとにより構成される。光入・出力部3aは、貫通する、円錐台形状の穴5aの開けられた基材5と、その穴5aの中に充填された有機樹脂12とにより構成され、有機樹脂12には、成形により、凸レンズ状のビーム形状変換部10と、この変換部10に隣接して設置される光ファイバ20の位置決めを行う位置決め部11とが形成されている。
ここで、位置決め部11は、光ファイバの挿入を容易にする面取り部11aと、光ファイバの光軸に垂直平面内の位置を規制するガイド部11bと、光ファイバ先端部の光軸方向の位置を規制するストッパ部11cとを有している。
光回路3bは、光入・出力部3aの表面(図の下側)上に形成されており、コア6aおよびクラッド6b、6cを有する光導波路6と、光導波路6のコア6aに光学的に結合された光機能素子7と、光機能素子7に接続された電気配線8と、光導波路6の光路を基材5側へ変換するグレーティング構造の光路変換部9とを有している。光機能素子7には、発光素子、受光素子、光変調素子などが含まれる。図1には受光素子の例が示されている。なお、この光機能素子7に接続される電気配線8は、実際には、図の手前側と奥側に存在しており、光導波路のコア6aとは接触していない。
図2は、図1に示す光路変換部9を説明するための上方から透視した平面図であり、光路変換部9は、光導波路6のコア6aが、通常の幅の通常配線部6a−1から、順次コア幅が広くなるスポットサイズ変換部6a−2に続くコア幅の広い幅広部6a−3の部分に設置されている。
光導波路のコアの細い通常配線部6a−1に閉じ込められて伝わってきたレーザ光のビーム径は、スポットサイズ変換部6a−2でコア幅同様に拡大される。コア幅およびビーム径が拡大された幅広部6a−3に設けられた光路を変換するグレーティングである光路変換部9により、レーザ光の光路は基材5側に切り替えられる。切り替えられたレーザ光は、光導波路の基材側のクラッド6bを通り、有機樹脂12の中を伝わっていくが、ここでは光導波路のようなコアが存在しないためビーム径が拡散して行く。ここで、有機樹脂12の屈折率は、光導波路6のクラッド6bと等しく、また、光の透過損失が低い材料であることが好ましい。また、有機樹脂12は、成形が容易な有機材料が好ましいが、有機と無機のハイブリッド材料でもよく、また、部分的に金属材料が付加されていてもよい。
光導波路のコアの細い通常配線部6a−1に閉じ込められて伝わってきたレーザ光のビーム径は、スポットサイズ変換部6a−2でコア幅同様に拡大される。コア幅およびビーム径が拡大された幅広部6a−3に設けられた光路を変換するグレーティングである光路変換部9により、レーザ光の光路は基材5側に切り替えられる。切り替えられたレーザ光は、光導波路の基材側のクラッド6bを通り、有機樹脂12の中を伝わっていくが、ここでは光導波路のようなコアが存在しないためビーム径が拡散して行く。ここで、有機樹脂12の屈折率は、光導波路6のクラッド6bと等しく、また、光の透過損失が低い材料であることが好ましい。また、有機樹脂12は、成形が容易な有機材料が好ましいが、有機と無機のハイブリッド材料でもよく、また、部分的に金属材料が付加されていてもよい。
小さなLSIチップ内で光信号を伝送する光導波路は、SiON、Si3N4、Siなどの高屈折材料を用いて、好ましくはコアの大きさを1μm以下に形成される。クラッドには、低屈折率のSiO2が用いられるのが一般的であり、部分的には、何も設けず、空気とすることも可能である。
この場合、スポットサイズ変換部を介して拡大されたコア幅は2〜5μm程度が好適である。それは、コア幅が狭すぎると位置決め精度が厳しくなりすぎ、コア幅を拡大しすぎると光配線密度を高くできなくなるからである。
光路変換部におけるコア幅を2μmとすると、レーザ光の波長やクラッド材や有機材料の種類により異なるが、光路が切り替えられたレーザ光は、グレーティングの位置から数十μm程度の位置で、光ファイバ20のコア20aと同等のビーム径になる。この位置に、グレーティング9でビームウエストを持ち拡散して行くレーザ光を略平行光に変換するビーム形状変換部10を設置する。
この場合、スポットサイズ変換部を介して拡大されたコア幅は2〜5μm程度が好適である。それは、コア幅が狭すぎると位置決め精度が厳しくなりすぎ、コア幅を拡大しすぎると光配線密度を高くできなくなるからである。
光路変換部におけるコア幅を2μmとすると、レーザ光の波長やクラッド材や有機材料の種類により異なるが、光路が切り替えられたレーザ光は、グレーティングの位置から数十μm程度の位置で、光ファイバ20のコア20aと同等のビーム径になる。この位置に、グレーティング9でビームウエストを持ち拡散して行くレーザ光を略平行光に変換するビーム形状変換部10を設置する。
また、このビーム形状変換部10に近接して、光ファイバ20のコア20aの先端位置が来るようにストッパ部11cの位置を形成し、また、レーザ光の光軸と光ファイバの光軸が一致するようにガイド部11bが形成されている。
一般に光回路の基材5の厚みは強度の問題もあり200μm以上を確保することが好ましく、この場合、ビーム形状変換部10は、基材の内部の、しかも光回路3bに近い位置となるので、位置決め部11を設置する厚みを基材5内に確保できる。
基材5の裏面(図の上側の面)から空けられた穴5aの大きさは、その穴の中にビーム形状変換部10と位置決め部11が丁度形成できる大きさにすることが好ましい。必要以上に大きくすると穴の内部に充填する有機樹脂12の量が多くなり、温度や湿度の変化による膨張・収縮、さらに経年変化などの影響により有機材料の形状が変化する量が大きくなり、効率的なファイバとの結合が阻害される可能性があるためである。
一般に光回路の基材5の厚みは強度の問題もあり200μm以上を確保することが好ましく、この場合、ビーム形状変換部10は、基材の内部の、しかも光回路3bに近い位置となるので、位置決め部11を設置する厚みを基材5内に確保できる。
基材5の裏面(図の上側の面)から空けられた穴5aの大きさは、その穴の中にビーム形状変換部10と位置決め部11が丁度形成できる大きさにすることが好ましい。必要以上に大きくすると穴の内部に充填する有機樹脂12の量が多くなり、温度や湿度の変化による膨張・収縮、さらに経年変化などの影響により有機材料の形状が変化する量が大きくなり、効率的なファイバとの結合が阻害される可能性があるためである。
本実施形態では、ビーム形状変換部10は、凸レンズにより構成していたが、同様の機能を持つフレネルレンズやグレーティング構造のレンズでもよい。また、光路変換部9にグレーティング構造を用いていたが、導波路を略45度でカットし、切断面に金属をコーティングするなどしてミラーを形成してもよい。また、本実施形態では、ビーム形状変換部10や位置決め部11を形成するのに有機材料を用いていたが、これに代え型により成形を行なうことのできる他の材料、例えば低融点ガラスなどを用いてもよい。また、位置決め部11により光ファイバ20の外形を直接規制して位置決めしていたが、光ファイバ20をフェルールに保持固定させ、このフェルールを位置決めするようにしてもよい。また、このフェルールを位置決めするにも、フェルールの外形を規制してもよく、また、フェルールに設けた位置決めピンやピン穴を利用してもよい。
以上の構成により、光ファイバ20を光信号処理回路3の光入・出力部3aに設けられた位置決め部11に挿入すると、面取り部11aで正しい位置に呼び込まれ、ガイド部11bで光軸が合わされ、またストッパ部11cで光ファイバのコア20aの先端部とビーム形状変換部10とが近接して位置決めされるので、光導波路6のコア6aを通るレーザ光を効率よく光ファイバ20のコア20aに導くことができる。また、光ファイバ20は、光信号処理回路付半導体装置1の上面から上方に引き出されるため、光信号処理回路付半導体装置1を基板に実装した際にも周囲の他の電気部品との干渉を避けることができ、高密度の実装が可能となる。また、光路変換部9は光ファイバのコアより小さいため、光ファイバのコアの下の光路変換部9周辺にも他の光導波路を配置でき、高密度の光配線が実現できる。
また、形状が複雑なビーム形状変換部10とファイバ位置決め部11を、成形が容易な有機樹脂12で成形しているため、安価にかつ設計どおりの形状に作ることができる。また、有機樹脂12は基材5の穴5aの中にあり、有機樹脂12の周囲を基材5が取り囲む構造となるので、有機材料の温度や湿度の変化による膨張・収縮、さらに経年変化などの影響を低減でき、安定した構造を実現できる。
上記説明では、光導波路から光ファイバへの結合を例に説明したが、逆に光ファイバから光導波路への結合も同様に行なわれる。
上記説明では、光導波路から光ファイバへの結合を例に説明したが、逆に光ファイバから光導波路への結合も同様に行なわれる。
[第1の実施形態の製造方法]
次に、第1の実施形態での光信号処理回路3の製造方法について、その工程フローを示す図3を参照して説明する。まず、ステップS11にて、基材5上に光回路3bを形成する。すなわち、基材5上に、光路変換部9を有する光導波路6を形成し、光導波路6のコアに光学的に結合された光機能素子7を形成し、光機能素子7に接続される電気配線8を形成する。次に、ステップS12にて、基材5の裏面から光路変換部に対応する位置の基材を加工して基材を貫通する穴5aを形成する。この穴開け工程は、前記光路変換部に対応する位置に開ける必要があるが、高精度に位置決めする必要なく、また、穴の形状や大きさもあまり高精度に管理する必要はない。そのため、加工方法は、ウエットエッチング、ドライエッチング、ミリング、その他機械加工など、基材に合わせて適当な方法を選択することができる。特に基材がSiの場合は、ウエットエッチングにより簡易にかつ安価に穴を形成できる。
次に、第1の実施形態での光信号処理回路3の製造方法について、その工程フローを示す図3を参照して説明する。まず、ステップS11にて、基材5上に光回路3bを形成する。すなわち、基材5上に、光路変換部9を有する光導波路6を形成し、光導波路6のコアに光学的に結合された光機能素子7を形成し、光機能素子7に接続される電気配線8を形成する。次に、ステップS12にて、基材5の裏面から光路変換部に対応する位置の基材を加工して基材を貫通する穴5aを形成する。この穴開け工程は、前記光路変換部に対応する位置に開ける必要があるが、高精度に位置決めする必要なく、また、穴の形状や大きさもあまり高精度に管理する必要はない。そのため、加工方法は、ウエットエッチング、ドライエッチング、ミリング、その他機械加工など、基材に合わせて適当な方法を選択することができる。特に基材がSiの場合は、ウエットエッチングにより簡易にかつ安価に穴を形成できる。
次のステップS13では、形成した穴の底に有機材料を充填する。この工程では、ディスペンサ等を用いて、穴の中に適量の有機材料を塗布するだけでよい。次に、ステップS14にて、充填した有機材料の中に型を押し込み、光ファイバまたは光ファイバの位置決めを行ないそれを保持固定する位置決め部11と、光路変換部のビーム形状と光ファイバのコアとを整合させるビーム形状変換部10とを成形する。この工程で用いる型は、事前に精度よく加工しておく必要があるが、個々の成形時には、型を位置決めして有機材料に押し込むだけでよい。また、位置決めも、ステップS12にて基材が除去されているので、有機材料を充填する工程の前に、裏面(図1の上側)から光導波路の光路変換部を容易に確認でき、容易に精度よく位置決めが可能である。最後に、ステップS15にて、成形した有機材料を固化して、ビーム形状変換部10と位置決め部11を完成させる。この工程では、有機材料に熱硬化型の材料を用いた場合は、加熱することで固化する。また、有機材料に紫外線硬化型の材料を用いた場合は、ガラス等の透明材料で型を形成すれば、型上から紫外線を照射して容易に硬化させることができる。また、硬化剤を混合させた材料を用いた場合は、固化するまで型を保持すればよい。また、有機材料に熱可塑性材料を用いた場合は、加熱して軟化した材料を穴の底に充填して、加熱したまま型で成形し、その後冷却する。一般に有機材料が固化するときには体積収縮を起こすが、基材にあける穴を最小限の大きさとして、充填する有機材料の量を少なくすれば、収縮量も小さく、収縮のばらつきも小さくできるので、設計どおりの形状を実現できる。
[第2の実施形態]
図4は、本発明の第2の実施形態の光信号処理回路付半導体装置を示す断面図である。本実施形態の光信号処理回路付半導体装置1は、第1の実施形態のそれに比し、光信号処理回路3の光入出力部3aの構造が異なるのみで、他の部分は同様である。本実施形態においては、位置決め部11が基材5に作り込まれており、そして有機樹脂12は、ビーム形状変換部10を形成するためのみに用いられている。
本実施形態の光信号処理回路では、位置決め部11が基材5で形成されているため、有機材料に比べて硬く磨耗しにくく、また、熱膨張率も小さいため、温度や湿度の変化による位置ずれが起き難く、長期信頼性に優れている。
図4は、本発明の第2の実施形態の光信号処理回路付半導体装置を示す断面図である。本実施形態の光信号処理回路付半導体装置1は、第1の実施形態のそれに比し、光信号処理回路3の光入出力部3aの構造が異なるのみで、他の部分は同様である。本実施形態においては、位置決め部11が基材5に作り込まれており、そして有機樹脂12は、ビーム形状変換部10を形成するためのみに用いられている。
本実施形態の光信号処理回路では、位置決め部11が基材5で形成されているため、有機材料に比べて硬く磨耗しにくく、また、熱膨張率も小さいため、温度や湿度の変化による位置ずれが起き難く、長期信頼性に優れている。
[第2の実施形態の製造方法]
次に、第2の実施形態での光信号処理回路3の製造方法について、その工程フローを示す図5を参照して説明する。まず、ステップS21にて、先の説明におけるステップS11と同様にして、基材5上に光回路3bを形成する。次に、ステップS22にて、基材5の裏面(図4の上側)から光路変換部9に対応する位置の基材を加工し、光ファイバまたはフェルールの位置決めを行う位置決め部11を形成する。この工程では、ドライエッチング等を用いて位置決め部を高い精度に形成する。次いで、ステップS23では、位置決め部11の底の部分をさらに加工して、基材5を貫通する穴5aを形成する。この工程は、先のステップS12の工程と同様に高い精度は要求されないので、ウエットエッチング、ドライエッチング、ミリング、その他機械加工など、基材に合わせて適当な方法で行なう。次いで、ステップS24にて、加工した穴の底に有機材料を充填する。この工程では、ディスペンサ等を用いて、穴の中に適量の有機材料を供給する。そして、ステップS25にて、充填した有機樹脂の中に型を押し込み、光路変換部9のビーム形状と光ファイバ20のコア20aとを整合させるビーム形状変換部10を成形する。この工程で使用する型は、事前にビーム形状変換部の形状に精度よく加工したものであり、これを基材裏面(図4の上側)から光導波路の光路変換部9を確認して位置決めして押し込む。最後に、ステップS26にて、成形した有機材料を、その材料に適した硬化/固化方法を用いて固化して、ビーム形状変換部10を形成する。
次に、第2の実施形態での光信号処理回路3の製造方法について、その工程フローを示す図5を参照して説明する。まず、ステップS21にて、先の説明におけるステップS11と同様にして、基材5上に光回路3bを形成する。次に、ステップS22にて、基材5の裏面(図4の上側)から光路変換部9に対応する位置の基材を加工し、光ファイバまたはフェルールの位置決めを行う位置決め部11を形成する。この工程では、ドライエッチング等を用いて位置決め部を高い精度に形成する。次いで、ステップS23では、位置決め部11の底の部分をさらに加工して、基材5を貫通する穴5aを形成する。この工程は、先のステップS12の工程と同様に高い精度は要求されないので、ウエットエッチング、ドライエッチング、ミリング、その他機械加工など、基材に合わせて適当な方法で行なう。次いで、ステップS24にて、加工した穴の底に有機材料を充填する。この工程では、ディスペンサ等を用いて、穴の中に適量の有機材料を供給する。そして、ステップS25にて、充填した有機樹脂の中に型を押し込み、光路変換部9のビーム形状と光ファイバ20のコア20aとを整合させるビーム形状変換部10を成形する。この工程で使用する型は、事前にビーム形状変換部の形状に精度よく加工したものであり、これを基材裏面(図4の上側)から光導波路の光路変換部9を確認して位置決めして押し込む。最後に、ステップS26にて、成形した有機材料を、その材料に適した硬化/固化方法を用いて固化して、ビーム形状変換部10を形成する。
上記フローにおいて、ステップS22では、位置決め部の下穴加工と仕上げ加工に分けて行うことも可能である。さらに、図6に示すように、下穴加工と仕上げ加工の間にステップS23の穴開け工程を行なってもよい。つまり、まず基材5に下穴5bを形成し〔図6(a)〕、下穴5bの底面に基材5を貫通する穴5aを形成した〔図6(b)〕後、基材5に位置決め部11を加工する〔図6(c)〕。また、図7に示すように、下穴加工により、ステップS23を兼ねることも可能である。つまり、まず基材5に下穴を兼ねる基材貫通穴5aを開け〔図7(a)〕、その後に基材5に位置決め部11を加工する〔図7(b)〕。
後2者の方法によれば、位置決め部の加工の際に、基材が除去されているので、裏面側から光導波路6の光路変換部9を容易に確認でき、高精度の位置決め加工が可能となる。
また、ステップS25の型押し込み工程では、その位置決めを単に光導波路の光路変換部を確認して行なうだけではなく、ステップS22で形成した位置決め部11を測定して、位置決め部の加工位置ずれを考慮して型を押し込む位置を補正することも可能である。
後2者の方法によれば、位置決め部の加工の際に、基材が除去されているので、裏面側から光導波路6の光路変換部9を容易に確認でき、高精度の位置決め加工が可能となる。
また、ステップS25の型押し込み工程では、その位置決めを単に光導波路の光路変換部を確認して行なうだけではなく、ステップS22で形成した位置決め部11を測定して、位置決め部の加工位置ずれを考慮して型を押し込む位置を補正することも可能である。
[複数の位置決め部11を有する実施形態]
図1、図4に示した光信号処理回路3は、1つの光ファイバ20を受納するものであったが、複数の光ファイバ20を受納するようにすることもできる。すなわち、図の奥行き方向(Y方向)に、複数の光導波路6と光路変換部9を設け、基材5に光路変換部9のそれぞれに対応する位置に複数の穴5aを開け、それぞれにビーム形状変換部10と位置決め部11を設置するようにしてもよい。さらに、図1、図4の左右方向(X方向)にも複数の光ファイバ20を受納できるようにして、ビーム形状変換部10と位置決め部11がマトリクス状に配列されるようにしてもよい。
図1、図4に示した光信号処理回路3は、1つの光ファイバ20を受納するものであったが、複数の光ファイバ20を受納するようにすることもできる。すなわち、図の奥行き方向(Y方向)に、複数の光導波路6と光路変換部9を設け、基材5に光路変換部9のそれぞれに対応する位置に複数の穴5aを開け、それぞれにビーム形状変換部10と位置決め部11を設置するようにしてもよい。さらに、図1、図4の左右方向(X方向)にも複数の光ファイバ20を受納できるようにして、ビーム形状変換部10と位置決め部11がマトリクス状に配列されるようにしてもよい。
また、複数の対になるビーム形状変換部10とファイバ位置決め部11を、基材5の裏面側から開けられた1つの穴5aの中に、有機樹脂12にて一体成形することもできる。図1を借用してその工程について簡単に説明すると、基材5をその裏面側(図の上側)から加工して図の奥側(Y方向)に長大な穴5aを開け、その穴に樹脂を充填した後、複数のビーム形状変換部、ファイバ位置決め部を一括成形するための型を押し込み、有機樹脂を固化させて複数組のビーム形状変換部10とファイバ位置決め部11を形成する。
また、複数のビーム形状変換部10は基材5の裏面側から開けられた1つの穴5aの中に有機樹脂12にて一体成形し、複数のファイバ位置決め部11は個別に基材5に形成することもできる。その工程について図6を借用して簡単に説明する。基材5をその裏面側(図の上側)から加工して図の奥側(Y方向)に長大な下穴5bを開け〔図6(a)〕、その穴の底面にさらに加工を加えて図の奥側(Y方向)に長大な、基材5を貫通する穴5aを開ける〔図6(b)〕。その後、さらに基材5を加工して、Y方向に複数存在する光路変換部9のそれぞれに対応する位置に、位置決め部11を形成する〔図6(c)〕。そして、穴5aの底に樹脂を充填した後、複数のビーム形状変換部を一括成形するための型を押し込み、有機樹脂を固化させて複数のビーム形状変換部10を一括形成する。
1 光信号処理回路付半導体装置
2 半導体装置
3 光信号処理回路
3a 光入・出力部
3b 光回路
4 接続部
5 基材
5a 穴
5b 下穴
6 光導波路
6a コア
6a−1 通常配線部
6a−2 スポットサイズ変換部
6a−3 幅広部
6b、6c クラッド
7 光機能素子
8 電気配線
9 光路変換部
10 ビーム形状変換部
11 位置決め部
11a 面取り部
11b ガイド部
11c ストッパ部
12 有機樹脂
20 光ファイバ
20a コア
20b クラッド
2 半導体装置
3 光信号処理回路
3a 光入・出力部
3b 光回路
4 接続部
5 基材
5a 穴
5b 下穴
6 光導波路
6a コア
6a−1 通常配線部
6a−2 スポットサイズ変換部
6a−3 幅広部
6b、6c クラッド
7 光機能素子
8 電気配線
9 光路変換部
10 ビーム形状変換部
11 位置決め部
11a 面取り部
11b ガイド部
11c ストッパ部
12 有機樹脂
20 光ファイバ
20a コア
20b クラッド
Claims (16)
- 光ファイバまたはフェルールを受納する光入・出力部と、前記光入・出力部の一主面上に形成され、前記光入・出力部と光学的に結合された光回路と、を備えた光信号処理回路であって、
前記光入・出力部は、第1主面とこれと平行な第2主面とを有し、貫通穴が形成された基材と、前記基材の前記貫通穴に埋め込まれた成形体とからなり、前記光入・出力部には、前記基材の第2主面側から挿入される光ファイバまたはフェルールを位置決めして受納する位置決め部と、前記成形体からなる、光ファイバから出射されるビームを収束するビーム形状変換部とが形成されており、
前記光回路は前記基材の第1主面側に形成され、該光回路には、光導波路と、該光導波路に光学的に結合された光機能素子と、該光機能素子に接続された電気配線と、前記光導波路の光路を前記ビーム形状変換部側へと変換する光路変換部とが形成されている、
ことを特徴とする光信号処理回路。 - 前記基材がシリコンにより構成されていることを特徴とする請求項1に記載の光信号処理回路。
- 前記成形体が光透過性樹脂により形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の光信号処理回路。
- 前記位置決め部は、前記光ファイバまたは前記フェルールを呼び込む面取り部と、該面取り部に続き前記光ファイバまたは前記フェルールの光軸に直角方向の位置を規制するガイド部と、前記光ファイバまたは前記フェルールの先端の光軸方向の位置を規制するストッパ部とからなることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の光信号処理回路。
- 前記位置決め部は、前記基材の前記第2主面側から開けられた前記貫通穴の一部として形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の光信号処理回路。
- 前記位置決め部は、前記成形体に前記ビーム形状変換部と一体的に形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の光信号処理回路。
- 前記光回路には複数の光導波路と複数の光路変換部が設けられており、この複数の光路変換部に対応して前記光入・出力部には前記ビーム形状変換部および前記位置決め部が複数組設けられていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の光信号処理回路。
- 前記ビーム形状変換部と前記位置決め部との複数組が、同一成形体に一体的に形成されていることを特徴とする請求項7に記載の光信号処理回路。
- 複数の前記位置決め部は、それぞれ前記基材に作り込まれており、複数の前記ビーム形状変換部は同一成形体に一体的に形成されていることを特徴とする請求項7に記載の光信号処理回路。
- 請求項1から9のいずれかに記載された光信号処理回路と半導体装置とが接続部を介して電気的に接続されていることを特徴とする光信号処理回路付半導体装置。
- 第1主面とこれと平行な第2主面とを有する基材の第1主面上に、光導波路と、該光導波路に光学的に結合された光機能素子と、前記光導波路の光路を前記基材側に変換する光路変換部とを含む光回路を形成する工程と、前記基材の第2主面側から前記光路変換部に対応する位置の前記基材を加工して光ファイバまたはフェルールの位置決めを行う位置決め部を前記基材に形成する工程と、前記位置決め部の底の部分をさらに加工して前記基材を貫通する穴を形成する工程と、前記基材の貫通穴の底部に成形可能材料を供給し、該成形可能材料を成形して前記光路変換部のビーム形状と光ファイバのコアとを整合させるビーム形状変換部を形成する工程と、を具備する光信号処理回路の製造方法。
- 第1主面とこれと平行な第2主面とを有する基材の第1主面上に、光導波路と、該光導波路に光学的に結合された光機能素子と、前記光導波路の光路を前記基材側に変換する光路変換部とを含む光回路を形成する工程と、前記基材の第2主面側から前記光路変換部に対応する位置の前記基材を加工して前記基材を貫通する穴を形成する工程と、前記基材の第2主面側から前記光路変換部に対応する位置の前記基材を加工して光ファイバまたはフェルールの位置決めを行う位置決め部を前記基材に形成する工程と、前記基材の貫通穴の底部に成形可能材料を供給し、該成形可能材料を成形して前記光路変換部のビーム形状と光ファイバのコアとを整合させるビーム形状変換部を形成する工程と、を具備する光信号処理回路の製造方法。
- 第1主面とこれと平行な第2主面とを有する基材の第1主面上に、光導波路と、該光導波路に光学的に結合された光機能素子と、前記光導波路の光路を前記基材側に変換する光路変換部とを含む光回路を形成する工程と、前記基材の第2主面側から前記光路変換部に対応する位置の前記基材を加工して基材を貫通する穴を形成する工程と、前記基材の貫通穴内に成形可能材料を供給し、該成形可能材料を成形して光ファイバまたはフェルールの位置決めを行う位置決め部と、前記光路変換部のビーム形状と光ファイバのコアとを整合させるビーム形状変換部とを形成する工程と、を具備する光信号処理回路の製造方法。
- 前記光回路を形成する工程においては複数の光導波路および複数の光路変換部を形成し、前記基材を加工する工程においては前記複数の光路変換部光導波路に対応して前記基材に複数の穴を開けることを特徴とする請求項11から13のいずれかに記載の光信号処理回路の製造方法。
- 第1主面とこれと平行な第2主面とを有する基材の第1主面上に、複数の光導波路と、該光導波路に光学的に結合された光機能素子と、前記光導波路の光路を前記基材側に変換する複数の光路変換部とを含む光回路を形成する工程と、前記基材の第2主面側から前記複数の光路変換部に対応する位置の前記基材を加工し該基材を貫通する、前記複数の光路変換部に共通する穴を形成する工程と、前記基材の貫通穴内に成形可能材料を供給し、該成形可能材料を成形して、前記複数の光路変換部のそれぞれに対応して、光ファイバまたはフェルールの位置決めを行う複数の位置決め部と、前記光路変換部のビーム形状と光ファイバのコアとを整合させる複数のビーム形状変換部とを一括成形する工程と、を具備する光信号処理回路の製造方法。
- 第1主面とこれと平行な第2主面とを有する基材の第1主面上に、複数の光導波路と、該光導波路に光学的に結合された光機能素子と、前記光導波路の光路を前記基材側に変換する複数の光路変換部とを含む光回路を形成する工程と、前記基材の第2主面側から前記複数の光路変換部に対応する位置の前記基材を加工し該基材を貫通する、前記複数の光路変換部に共通する穴を形成する工程と、前記基材の第2主面側から前記複数の光路変換部に対応するそれぞれの位置の前記基材を加工し前記基材に前記光路変換部のそれぞれに対応する位置決め部を形成する工程と、前記基材の貫通穴内に成形可能材料を供給し、該成形可能材料を成形して、前記複数の光路変換部のそれぞれに対応する、前記光路変換部のビーム形状と複数の光ファイバのコアとを整合させる複数のビーム形状変換部とを一括成形する工程と、を具備する光信号処理回路の製造方法。
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