JP6767316B2 - 電子部品およびその製造方法 - Google Patents
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Description
本発明者等は、種々検討を行った結果、電子部品の製造におけるハーメチックシールを有する封口体とケースの接合の際に、歩留り向上が実現できることを見出して、本発明を完成した。
開口部を有する金属製ケースと、前記ケースの内部に収納された素子と、前記開口部を封口する金属製封口体からなるものにおいて、
前記封口体がハーメチックシールで封止された外部引出端子を有し、
前記封口体の一部が前記ケースに嵌め入れられるとともに、前記封口体と前記ケースの開口側先端とをレーザー溶接にて接合した接合層と、少なくとも前記接合層の表面に超音波はんだによるはんだ層を有することを特徴とする。
素子が内部に収納された金属製ケースの開口周縁に、当該ケースの開口を封止可能な形状を有し、外部引出端子がハーメチックシールで封止された金属製封口体を嵌め入れ、前記ケースの開口周縁をレーザー溶接により接合する第1の工程、および、
前記第1の工程にてレーザー溶接した接合部分の少なくとも一部を、さらに超音波はんだ付けにより接合する第2の工程
を含むことを特徴とする。
そして、第2の工程(超音波はんだ付け工程)においては、レーザー溶接した接合部分の少なくとも一部を、さらに超音波はんだ付けし、ケース2と封口体3との気密性の向上を図る。
本発明の製造方法では、電子部品の製造に使用される一般的なレーザー溶接装置がいずれも使用でき、溶接条件は、使用するケースと封口体の材質によって適宜選択することができる。
本発明においては、前記ケースと前記封口体の材質は、JIS規格A1000系の純アルミニウム、JIS規格A3000系のアルミニウム−マンガン系(Al−Mn)合金および、JIS規格A5000系のアルミニウム−マグネシウム系(Al−Mg)合金からなるグループより選ばれものであることが好ましい。
本発明では、レーザー溶接した接合部分を全て、即ち、ケースの開口周縁全周を、超音波はんだ付けにより接合してもよいが、熱ストレスの少ないレーザー溶接で接合を行った後に、接合部の気密性確認試験を行い、気密不良が確認された箇所のみ超音波はんだで補填してもよい。
以下、本発明の電子部品の製造例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は、これに限定されるものではない。
電子部品であるアルミ電解コンデンサを一例に説明する。アルミ電解コンデンサ素子を収納するために一方向が開口した角形のケース(外形寸法:29mm×15mm×3mm)として、A3004材(Al−Mn合金)から成り、長辺側の厚みが0.175mm、短辺側の厚みが0.250mmのものを準備した。
上記ケースの開口を封止するための封口体としては、A1000系(A1100材、純アルミニウム)、A3000系(A3004材、Al−Mn合金)、A5000系(A5083材、Al−Mg合金)から成り、封口体のケースより外部に位置する外形寸法が14.95mm×2.95mmのものをそれぞれ準備した。
上記ケースの開口に上記の各封口体を嵌め入れ、レーザー溶接による接合層の厚さが約0.400mm(ケース長辺側厚みに対して2.29倍、ケース短辺側厚みに対して1.60倍)となるように、ケースの開口周縁をレーザー出力:250W、溶接速度:120mm/秒、焦点距離:+0.5mmのレーザー溶接条件にて溶接し、封止した。次に、溶接部分をさらに、こて温度:350℃、振動数:60kHzの条件にて、Sn70〜80%、Zn3〜5%、Sb3〜5%、In15〜25%のはんだを用いて超音波はんだ付けで封止し、封止品(本発明品)を得た。本発明品の溶接部断面概略図を図3に示す。ケース2と封口体3の接合箇所にレーザー溶接による接合層4がケース2の厚みの1.25倍以上に形成され、接合層4の表面全体が超音波によるはんだ層5で覆われている。なお、点線はレーザー溶接前の状態を示している。
上記1.と同条件でレーザー溶接のみ行って、封止品(従来品)を得た。
上記で得られた従来品および本発明品をフロリナート(商標)中に120℃にて浸漬し、封止部からの気泡の発生の有無を1分間目視により観察し、気泡の発生のないものを「良品」、気泡の発生のあるものを「不良品」として評価した。
なお、上記の気密性確認試験は、封口体の材質(3種類)ごとに、それぞれ10個ずつ行った。
その結果、従来品(レーザー溶接封止のみによる封止品)についての歩留りが、A1000系の場合9/10個(90%)、A3000系の場合7/10個(70%)、A5000系の場合5/10個(50%)であったのに対し、本発明品(レーザー溶接+超音波はんだ封止による封止品)についての歩留りは、A1000系の場合10/10個(100%)、A3000系の場合10/10個(100%)、A5000系の場合10/10個(100%)であった。
2 ケース
3 封口体
4 接合層(レーザー溶接による溶接部)
5 はんだ層
Claims (6)
- 開口部を有する金属製ケースと、前記ケースの内部に収納された素子と、前記開口部を封口する金属製封口体からなる電子部品において、
前記封口体がハーメチックシールで封止された外部引出端子を有し、
前記封口体の一部が前記ケースに嵌め入れられるとともに、前記封口体と前記ケースの開口側先端とをレーザー溶接にて接合した接合層と、少なくとも前記接合層の表面に超音波はんだによるはんだ層を有することを特徴とする電子部品。 - 前記ケースおよび前記封口体の材質が、JIS規格A1000系の純アルミニウム、JIS規格A3000系のアルミニウム−マンガン系合金および、JIS規格A5000系のアルミニウム−マグネシウム系合金からなるグループより選ばれるものであることを特徴とする請求項1に記載の電子部品。
- 前記接合層の厚さが、前記ケースの厚みの1.25倍以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の電子部品。
- 電子部品を製造するための方法であって、当該方法が、
素子が内部に収納された金属製ケースの開口周縁に、当該ケースの開口を封止可能な形状を有し、外部引出端子がハーメチックシールで封止された金属製封口体を嵌め入れ、前記ケースの開口周縁をレーザー溶接により接合する第1の工程、および、
前記第1の工程にてレーザー溶接した接合部分の少なくとも一部を、さらに超音波はんだ付けにより接合する第2の工程
を含むことを特徴とする電子部品の製造方法。 - 前記ケースおよび前記封口体の材質が、JIS規格A1000系の純アルミニウム、JIS規格A3000系のアルミニウム−マンガン系合金および、JIS規格A5000系のアルミニウム−マグネシウム系合金からなるグループより選ばれるものであることを特徴とする請求項4に記載の電子部品の製造方法。
- 前記ケースの材質と前記封口体の材質が異なるものであることを特徴とする請求項4または5に記載の電子部品の製造方法。
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