JP6767209B2 - 全固体電池の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は全固体電池の製造方法に関する。
リチウム二次電池は、各種二次電池の中でもエネルギー密度が高いことで知られている。しかし一般に普及しているリチウム二次電池は、電解質に可燃性の有機電解液を用いているため、リチウム二次電池では、液漏れ、短絡、過充電などに対する安全対策が他の電池よりも厳しく求められている。そこで近年、電解質に酸化物系や硫化物系の固体電解質を用いた全固体電池に関する研究開発が盛んに行われている。固体電解質は、固体中でイオン伝導が可能なイオン伝導体を主体として構成される材料であり、従来のリチウム二次電池のように可燃性の有機電解液に起因する各種問題が原理的に発生しない。そして全固体電池は層状の正極(正極層)と層状の負極(負極層)との間に層状の固体電解質(電解質層)が狭持されてなる一体的な焼結体(以下、積層電極体とも言う)に集電体を形成した構造を有している。
積層電極体の製造方法としては金型を用いて原料粉体を加圧して得た成形体を焼成する方法(以下、圧縮成形法とも言う)や周知のグリーンシートを用いた方法(以下、グリーンシート法)などがある。圧縮成形法では、金型内に正極層、固体電解質層、および負極層の各層の原料粉体を順次層状に充填して一軸方向に加圧することによって得た成形体を焼成して積層電極体を得る。
グリーンシート法は、正極活物質と固体電解質を含むスラリー状の正極層材料、負極活物質と固体電解質を含むスラリー状の負極層材料、および固体電解質を含むスラリー状の固体電解質層材料をそれぞれシート状(グリーンシート)に成形するとともに、固体電解質層材料のグリーンシートを正極層材料と負極層材料のグリーンシートで挟持した積層体を焼成して焼結体にすることで作製される。なお正極層および負極層(以下、電極層とも言う)に含まれている固体電解質は、粉体状の正極活物質および負極活物質の表面に被膜されつつ、電極活物質の粒子間に介在することで電極層でのイオン伝導性を発現させる機能を担っている。
正極活物質や負極活物質(以下、総称して電極活物質とも言う)としては従来のリチウム二次電池に使用されていた材料を使用することができる。また全固体電池では可燃性の電解液を用いないことから、より高い電位差が得られる電極活物質についても研究されている。固体電解質としては、一般式Liで表されるNASICON型酸化物系の固体電解質があり、当該NASICON型酸化物系の固体電解質としては、以下の特許文献1に記載されている、Li1.5Al0.5Ge1.5(PO(以下、LAGPとも言う)がよく知られている。そしてLAGPの作製方法としては、金属アルコキシドを原料とした周知のゾルゲル法があり、非特許文献1にはゾルゲル法によるLAGPの作製方法について記載されている。また非特許文献2には全固体電池の概要について記載されている。
特開2013−45738号公報
Masashi Kotobuki, Keigo Hoshina, Yasuhiro Isshiki, Kiyoshi Kanamura、「PREPARATION OF Li1.5Al0.5Ge1.5(PO4)3 SOLID ELECTROLYTE BY SOL-GEL METHOD」、Phosphorus Research Bulletin 、Vol.25(2011)、 pp.061-063 大阪府立大学 無機化学研究グループ、"全固体電池の概要"、[online]、[平成28年8月1日検索]、インターネット<URL:http://www.chem.osakafu-u.ac.jp/ohka/ohka2/research/battery_li.pdf>
全固体電池の基本構成である積層電極体は、固体電解質層を正極層と負極層で挟持した構造の焼結体からなる。上述したように、固体電解質は、固体電解質層だけではなく電極層にも含まれ、電極活物質の粒子表面を覆いつつ当該電極活物質の粒子間に介在している。そして固体電解質であるLAGPは、焼成によって結晶化することでイオン伝導度を発現する。粉体状の電極活物質の粒子表面に固体電解質の被膜を効果的に形成するためには、焼成前の電極層中の粉体材料(以下、電極材料とも言う)にLAGPを非晶質の状態で含ませる必要がある。ゾルゲル法を用いて非晶質のLAGPと電極活物質との混合物である電極材料を作製するためには、原料となる金属アルコキシドを含んだゾルと電極活物質を混合した上でゾルをゲル化し、さらに熱処理によって非晶質のLAGPを生成させる。このようにゾルゲル法を用いた電極材料の作製方法では、非晶質のLAGPが生成される以前にLAGPの原料と電極活物質を混合することができ、金属活物質の粒子表面に非晶質のLAGPの被膜を効果的に形成することができる。
ところで、全固体電池を実用化させるためには、固体電解質のイオン伝導度を高めることが重要となる。そのためには異相の割合が少ない純度の高い固体電解質を作製することが必要となる。図1は、非特許文献1に記載されている、LAGPのX線回折(以下、XRDとも言う)の測定結果の概略を示している。なお図1にXRD測定結果として示したグラフでは、CuKα線を用いたXRD測定結果が示されており、横軸の回折角度に対して縦軸が任意単位(a.u.)のX線の強度となっている。そしてこの図1に示したように、LAGPは800℃以上の高温で焼成すると異相を含まない単相となる。しかし500℃で焼成するとLAGPの結晶相は生成されず、異相であるGeOが生成されることがわかる。そしてGeOはイオン伝導性のない抵抗成分であり、全固体電池の性能を大きく劣化させる原因となる。したがってゾルゲル法によって作製されたLAGPを固体電解質として含む全固体電池では、800℃以上の温度で焼成して積層電極体を作製することが望ましい。
しかし800℃以上の高温で焼成する場合、実質的にLAGPのみから構成されている固体電解質層では問題がないものの、電極活物質を含む電極層ではLAGPが電極活物質と反応し、電極活物質におけるリチウムイオンの吸蔵放出機能が消失する可能性がある。電極活物質自体が熱で分解してしまう可能性もある。例えば、全固体電池の正極活物質として周知のリン酸バナジウムリチウム(Li(PO:以下、LVP)やリン酸コバルトリチウム(LiCoPO:以下、LCPO)、および負極活物質として周知の酸化チタン(TiO)などは約700℃の温度でLAGPと反応する。
電極活物質とLAGPとの反応を抑えるために低温で焼成すれば異相であるGeOが生成され、LAGPのイオン伝導度が低下する可能性がある。しかも焼結前の電極層に含ませる固体電解質はガラス化された非晶質であり、電極層中にゾルゲル法を用いて作製したLAGPを含ませる場合、ゲル化したLAGPの前駆体を約400℃〜600℃の温度で熱処理することで非晶質のLAGPを生成させる。そしてこの温度範囲は、GeOが生成する温度と重複している。そしてガラス化に際して生成されたGeOがその後の焼成によって消失しない可能性がある。すなわち非特許文献1に記載されている技術を用いることで単相のLAGPをゾルゲル法によって作製することはできるものの、そのゾルゲル法によるLAGPの作製方法を実際の全固体電池の製造方法に適用することが難しい。
そこで本発明は、異相の割合が少ないLAGPをゾルゲル法によって作製し、そのLAGPが含まれる正極層と負極層を備えた全固体電池の製造方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するための本発明は、一体的な焼結体で、正極用の電極活物質と固体電解質を含む正極層、固体電解質を含む固体電解質層、および負極用の電極活物質と固体電解質を含む負極層がこの順に積層されてなる積層電極体を備えた全固体電池の製造方法であって、
一般式Li1.5Al0.5Ge1.5(POで表されるLAGPを前記固体電解質として、非晶質状態の前記LAGPと前記正極用の電極活物質とを混合した正極材料と、非晶質状態の前記LAGPと前記負極用の電極活物質とを混合した負極材料を作製する電極材料作製ステップと、
層状の前記正極材料と層状の前記負極材料との間に、前記LAGPを含んだ層状の固体電解質材料を挟持してなる積層体を焼成することで前記積層電極体を作製する焼成ステップと、
を含み、
前記電極材料作製ステップでは、
前記LAGPのリチウムとリンの起源となる原料を含んで水を溶媒とした水系ストック溶液と、前記LAGPのゲルマニウムとアルミニウムの起源となる金属アルコキシドを含んでアルコールを溶媒とした有機系ストック溶液との混合溶液を用いたゾルゲル法によって前記LAGPを作製するLAGP作製ステップと、
前記混合溶液に粉体状の電極活物質を混合する活物質混合ステップと、
前記混合溶液と前記電極活物質との混合物を不活性雰囲気で前記焼成ステップにおける温度よりも低い温度で熱処理して非晶質の前記LAGPを生成させるガラス化ステップと、
を実行し、
前記焼成ステップでは、不活性雰囲気で650℃以下の焼成温度で前記積層体を焼結させる、
ことを特徴とする全固体電池の製造方法としている。
前記LAGP作製ステップでは、前記有機系ストック溶液を露点−40℃以下の乾燥雰囲気で調合してもよい。また前記焼成ステップでは、200℃/h以上の速度で前記焼成温度まで昇温させてもよい。
好ましくは、前記LAGP作製ステップでは、前記水系ストック溶液の溶媒である水のモル数を、前記有機系ストック溶液の溶媒であるアルコールのモル数で割った比が0.1以上5未満となるように前記混合溶液を調合することであり、より好ましくは、前記LAGP作製ステップでは、前記水系ストック溶液と前記有機系ストック溶液との混合溶液に、さらに前記アルコールを追加することで前記比が0.1以上5未満となるように当該混合溶液を調合することである。
前記LAGP作製ステップでは、前記水系ストック溶液の溶媒である水のモル数を、前記有機系ストック溶液中の前記ゲルマニウムの起源となる金属アルコキシドのモル数で割ったときの比が170以下で、前記水のモル数を、前記アルミニウムの起源となる金属アルコキシドのモル数で割ったときの比が523以下となるように前記混合溶液を調合した方がよい。
本発明によれば、異相の割合が少ないLAGPをゾルゲル法によって作製し、そのLAGPが含まれる正極層と負極層を備えた全固体電池を製造することができる。なおその他の効果については以下の記載で明らかにする。
従来の手順で作製したLAGPのX線回折の測定結果を示す図である。 ゾルゲル法を用いてLAGPを作製するための手順を示す図である。 上記ゾルゲル法を用いてLAGPを作製する際の熱処理の条件と作製された試料のX線回折の測定結果との関係を示す図である。 本発明の第1の実施例の方法で作製した試料のX線回折の測定結果を示す図である。 本発明の第2の実施例の方法で作製した焼成後の試料のX線回折の測定結果を示す図である。 本発明の第2の実施例の方法で作製した真空乾燥後の試料のX線回折の測定結果を示す図である。 本発明の第3の実施例の効果を確認するための方法で作製した試料のX線回折の測定結果を示す図である。 本発明の参考例に係る方法で作製した試料のX線回折の測定結果を示す図である。 本発明の第4の実施例の方法で作製した試料のX線回折の測定結果を示す図である。 本発明の第5の実施例の方法で作製した試料のX線回折の測定結果を示す図である。
===本発明に想到する過程===
LAGPを固体電解質として用いた実用的な全固体電池を実現させるためには、まず、非晶質のLAGPの被膜を電極活物質の粒子表面に効果的に形成することが必要である。そしてその要求に対しては電極層中のLAGPをゾルゲル法を用いて作製することが現実的である。また全固体電池の実現には、電極活物質とLAGPが反応する温度よりも低い温度で積層電極体を焼成することも必要である。例えば、電極活物質として周知のLVP、LCPO、TiOなどは700℃で反応してしまうことから、誤差を見込めば650℃以下で焼成することが必要となる。
ところでゾルゲル法によって非晶質のLAGPを得るためには、400℃〜600℃の温度での熱処理が必要となる。上述したようにこの温度では異相であるGeOが生成されてしまい、その後のより高温での焼成によってこのGeOを消失させることができなければ、ゾルゲル法によるLAGPの作製手順や熱処理など条件を非特許文献1などに記載されている従来技術を流用することができない。そしてゾルゲル法によるLAGPの作製手順や熱処理などの条件を根本的に見直す必要が生じる。そこで実際に全固体電池の電極層に含ませるLAGPをゾルゲル法を用いて作製し、その作製後のLAGPの結晶性をXRD測定によって調べてみた。
図2にゾルゲル法によるLAGPの作製手順の概略を示した。ゾルゲル法によるLAGPの作製手順としては、まずLAGPのリン(P)とリチウム(Li)の起源となる原料と溶媒である水(HO)を調合して水系ストック溶液を作製するとともに、LAGPのアルミニウム(Al)とゲルマニウム(Ge)の起源となる金属アルコキシドと溶媒であるアルコールを調合して有機系ストック溶液を作製する(s1a、s1b)。図2に示した例では、水系ストック溶液はLAGPのリチウムの起源となる酢酸リチウム(CHCOOLi)とリンの起源となるリン酸二水素アンモニウム(NHPO)を含んでいる。有機系ストック溶液は、アルミニウムの起源となるアルミニウムトリ−s−ブトキシド(Al(OBt))とゲルマニウムの起源となるゲルマニウム(IV)エトキシド(Ge(OEt))と溶媒であるブタノール(BtOH)を含んでいる。なお水系ストック溶液と有機系ストック溶液は、それぞれの原料が十分に混合するように、原料を調合してから1日間放置してから次のステップ(s2)を実施することとしている。
以下の表1に水系ストック溶液および有機系ストック溶液における原料とその配合比の一例を示す。なお表1に示す原料は化学薬品メーカーから製品として提供されている。また表2に原料中の各金属の濃度(mmol)とモル比を示し、 表3に水系ストック溶液の溶媒である水(HO)と有機系ストック溶液中の金属アルコキシドのモル比であるHO/Al(OBt)とHO/Ge(OEt)、および水と有機系ストック溶液の溶媒であるブタノール(BtOH)の比であるHO/BtOHを示す。
Figure 0006767209
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なお、上記表1〜表3に示した水系と有機系のストック溶液のそれぞれの原料や配合比、原料中の各金属の濃度(mmol)とモル比、および水系ストック溶液の溶媒(HO)に対する有機系ストック溶液の原料や溶媒との比(HO/Al(OBt)、HO/Ge(OEt)、HO/BtOH)は、非特許文献1に記載のLAGPの作製方法と同様である。そして水系と有機系のストック溶液を調合して1日間放置したならば、その放置後の水系と有機系のストック溶液を混合し(s2)、その混合溶液が入った容器をホットプレート上で例えば100℃の温度で加熱しながら溶媒が蒸発するまで攪拌し、当該混合物を乾燥させる(s3)。それによってゲル化した化合物が得られる。なおゲル化は水系と有機系のストック溶液の混合直後から進行する。
さらにそのゲル化した化合物を110℃の温度で真空乾燥機内に置いて乾燥させる(s4)。それによって化合物中の溶媒を除去する(s4)。ここでは1晩程度(例えば、8h〜12h)の時間を掛けて乾燥させた。次いで、その乾燥させた化合物の凝集粉をメノウ乳鉢を用いて解砕した(s5)。そしてその解砕物を種々の条件で熱処理し(s6)、熱処理後の解砕物に対してXRD測定を行った。熱処理(s6)には、非晶質のLAGPを得るガラス化(s6a)と、焼結体を得る焼成(s6b)が含まれている。なお電極活物質とLAGPとを含んだ電極材料を作製する場合には、水系と有機系のストック溶液を混合する工程(s3)と乾燥工程(s4)の間に電極活物質を混合する工程(s10)を挿入することになる。
図3は熱処理(図2、s6)の条件と熱処理後の化合物におけるLAGPの結晶性との関係を示すXRD測定結果を示しており、図3(A)は、ガラス化(図2、s6a)を目的としてLAGPを大気雰囲気で500℃の温度で熱処理して得た化合物に対するXRD測定結果であり、図3(B)は、大気雰囲気で500℃の温度で熱処理した後に、焼成(図2、s6b)を目的として窒素雰囲気で625℃の温度で熱処理して得た化合物に対するXRD測定結果である。そして図3(C)は、大気雰囲気で500℃の温度で熱処理した後に、窒素雰囲気で625℃の温度で熱処理し、さらに大気雰囲気で750℃の温度で熱処理して得た化合物に対するXRD測定結果を示している。なお図3を含め、以下の図におけるXRD測定結果を示すグラフは、図1と同様に、CuKα線によるX線回折の状態を示している。そして各図におけるXRD測定結果を示すグラフ曲線は、X線強度のピークが容易に分かるように実際の測定結果に対して簡略化されている。
図3(A)に示したように、500℃の温度で熱処理すると異相であるGeOが発生し易く、図3(B)、(C)に示したように、一度発生したGeOはその後の熱処理の温度を高くしたり、雰囲気を変えたりしても残存することが分かった。すなわち、従来のゾルゲル法によるLAGPの作製技術を用いて実用的な全固体電池を製造することは極めて困難である。
そこで本発明者は、従来のゾルゲル法によるLAGPの作製手順は、全固体電池における積層電極体の電極層中のLAGPには適用できないと判断した。その一方で、電極活物質の粒子にLAGPの被膜を形成するためには、そのLAGPをゾルゲル法を用いて作製することが最も効果的であるとも判断した。そして焼結前の電極層を構成する電極材料中のLAGPをゾルゲル法を用いて作製しつつ、最終的に積層電極体を焼成するまでの様々な工程を根本的に見直すこととした。そして本発明は、非晶質化のための熱処理や焼成のための熱処理の条件、水系および有機系のストック溶液の組成や混合方法などを検討した結果なされたものである。
===本発明の実施例===
本発明の実施例に係る全固体電池の製造方法は、電極材料に含ませるLAGPを金属アルコキシドを原料としたゾルゲル法で作製することを基本として、そのLAGPの作製手順などに特徴を有している。以下では、第1〜第5の実施例として、ゾルゲル法を用いてLAGPを作製するための具体的な手順を挙げる。そして各実施例におけるLAGPの作製手順において最終的に生成された化合物やその最終的な化合物に至る途上で生成される各種化合物を試料として、各試料に対してXRD測定を行った。それによって試料中のLAGPや異相の生成状態などを調べた。
===第1の実施例===
まずLAGPのイオン伝導性を阻害する最も大きな要因であるGeOの生成を抑制するために、LAGPをガラス化するときの熱処理の雰囲気、および焼成するときの熱処理の雰囲気について検討した。ここでは、電極活物質の混合工程を省略して、図2に示した手順に従ってガラス化まで行ったLAGPやその前駆体、あるいは異相などの副生成物を含む試料と、その試料を焼成して得た最終的な試料のそれぞれに対してXRD測定を行った。そして第1の実施例の手順では、ガラス化時と焼成時の雰囲気を不活性ガス雰囲気としている。
具体的に第1の実施例の手順について説明すると、図2に示したLAGPの作製手順において、原料となる水系および有機系のストック溶液に関する各種条件は表1〜表3に示した条件と同じにするとともに、図2における熱処理(s6)として、まず非晶質のLAGPを得るために、解砕工程(s5)によって得た解砕物を電気炉を用いて窒素雰囲気で100℃/hの昇温速度で500℃まで加熱し、その500℃の温度を2時間維持するガラス化処理を行い、非晶質のLAGPを得る。そしてその非晶質のLAGPを窒素雰囲気で100℃/hの昇温速度で625℃まで加熱し、その625℃の温度を2h維持する焼成を行い、焼結体としてのLAGPを得る。また第1の実施例に対する比較例(以下、第1の比較例とも言う)として、ガラス化のための500℃での熱処理を大気雰囲気で行った以外は第1の実施例と同様の手順でLAGPを作製した。すなわち625℃での焼成については第1の実施例と同様に窒素雰囲気とした。そして第1の実施例と第1の比較例の各方法で作製して得た試料に対してXRD測定を行った。
図4に第1の実施例と第2の比較例によって得た試料のXRD測定結果を示した。図4(A)はガラス化のための熱処理後の試料に対するXRD測定結果であり、図4(B)は焼結のための熱処理後の試料に対するXRD測定結果である。図4(A)に示したように、第1の実施例で作製した試料では、500℃の温度でのガラス化しても結晶相のピークが見られず当該試料が非晶質状態であることが確認できる。一方、第1の比較例で作製した試料では、GeOが生成しているのが確認できる。そして図4(B)に示したように、窒素雰囲気で625℃で焼成した場合、第1の実施例による試料は、異相としてGePが生成されたものの、GeOが生成されなかった。一方、第1の比較例による試料ではGePに加え、残存したGeOが混在している。以上より、全固体電池の電極層に含ませるLAGPをゾルゲル法を用いて作製する場合、LAGPを不活性ガス雰囲気で非晶質化させることで、GeOの生成を抑制することができることが分かった。
===第2の実施例===
本発明の第2の実施例に係るLAGPの作製手順は、図2における有機系ストック溶液の調合工程(s1b)をドライエアーが充填された露点−40℃のドライボックス内で実施し、混合工程(s2)以降の工程については第1の実施例と同じ手順でLAGPを作製するものである。またドライエアーが充填された露点−30℃のドライボックス内で有機系ストック溶液の調合し、それ以外の工程については第2の実施例と同様にした手順(以下、第2の比較例)でもLAGPを作製した。
図5に第2の実施例と第2の比較例における焼成後の試料のXRD測定結果を示した。第2の比較例の手順で作成した試料では異相となるGePが含まれており、GeとAlの起源となる金属アルコキシド(Al(OBt)、HO/Ge(OEt))の反応が妨げられていることが示された。一方、第2の実施例で作製した試料では、ほぼ単相のLAGPが得られた。以上の結果より、第2の実施例では有機系ストック溶液を調合する際の露点が低いため、異相の生成要因となるGeと組成中に水を含む化合物の割合が少なくなり、その結果、異相が生成されにくくなったものと考えることができる。一方、第2の比較例では、露点が高かったためGeと水を含む化合物の割合が多くなり、その化合物中の水がGeアルコキシドとAlアルコキシドの反応を妨げたものと考えることができる。
つぎに上記考えを検証するために、第2の実施例および第2の比較例の手順で焼成を行うまでの途上で生成された試料に対してXRD測定を行った。ここでは図2における真空乾燥工程(s4)によって得られた試料に対してXRD測定を行った。図6に当該XRD測定結果を示した。図6に示したように、水を含む化合物である(NHH(Ge16)(HO)2.72のピークを見ると、第2の実施例による試料では第2の比較例による試料よりもこの水を含む化合物の生成が抑制されていることがわかる。以上より、有機系ストック溶液を露点−40℃以下の乾燥雰囲気で調合することで、焼成によるGePの生成を抑制することができる。
===第3の実施例===
上述したように、500℃でのガラス化を大気雰囲気で行うとGeOが生成されてしまい、そのGeOは焼成後も残存する。言い換えれば、LAGPの原料からGeOが生成されてしまい、LAGPの生成が抑制されてしまう。そこで第3の実施例では、LAGPをガラス化する熱処理とLAGPを焼成する熱処理のそれぞれにおける昇温速度を速くしている。とくに焼成時の昇温速度を速くすることでGeOが生成される温度範囲に止まる時間をより短くしつつ、LAGPが結晶化する温度まで素早く昇温させ、GeOの生成を抑制し、LAGPの生成を促進させている。
ここで熱処理時における昇温速度の影響を調べるために、第1の比較例におけるガラス化と焼成のそれぞれにおける昇温速度を200℃/hにして、それ以外の工程を比較例1と同様にして作製した試料(以下、試料A)と、第1の比較例と同じ手順によって作製した試料(以下、試料B)に対してXRD測定を行った。図7に当該試料Aと試料Bに対するXRD測定結果を示した。
図7に示したように、試料Aと試料Bはともに、第1の比較例と同様に大気雰囲気でガラス化されているため、双方の試料でGeOが生成されている。しかし試料Aは試料Bに対してLAGPの生成が促進されていることが分かる。したがって本発明の第3の実施例は、窒素雰囲気でガラス化を行いつつ、200℃/h以上の昇温速度で焼成を行ってLAGPを作製する手順となる。そして第3の実施例では、GeOの生成を抑制し、LAGPの生成を促進させることができる。
===第4の実施例===
<参考例>
第1〜第3の実施例では、ガラス化や焼成のための熱処理の条件や有機系ストック溶液の調合環境に特徴があった。しかし水系および有機系のストック溶液の組成や配合比、水系ストック溶液の溶媒(HO)に対する有機系ストック溶液の原料や溶媒との比については非特許文献1に記載の手順(以下、従来例)と同様であった。そこでまず、水系ストック溶液の溶媒(HO)に対する有機系ストック溶液の原料や溶媒との比(HO/Al(OBt)、HO/Ge(OEt)、HO/BtOH)を最適化することを検討した。
まず上記各比を最適化する前に、水系ストック溶液の溶媒である水(H2O)と有機系ストック溶液中の金属アルコキシドのモル比を従来例と同様にHO/Al(OBt)=1634/1、HO/Ge(OEt)4=533/1としつつ、水と有機系ストック溶液の溶媒であるブタノール(BtOH)の比HO/BtOHを変えた試料を参考例として作製した。ここでは、従来例におけるHO/BtOH=16/1に対し、参考例では、HO/BtOH=5/1、8/1および12/1として、4種類の試料を作製した。なお、その他の試料作製手順については第2の実施例と同様にしている。また従来例と同じ手順を第4の比較例とした。
図8に参考例および第4の比較例の手順で作成した試料のXRD測定結果を示した。図8(A)は、真空乾燥後の試料に対するXRD測定結果であり、図8(B)は焼成後の試料に対するXRD測定結果である。従来例でもある第4の比較例による試料では、図8(A)に示したように、真空乾燥後ですでにGeOが生成している。一方、参考例による4種類の試料では、真空乾燥後にGeOが生成されず、非晶質の試料が生成されていることが確認できる。そして図8(B)に示したように、第4の比較例では、625℃での焼成後でもGeOが残存し、参考例ではGeOが生成されておらず、第4の比較例に対してLAGPの生成も促進されている。したがって、水系および有機系ストック溶液をHO/Al(OBt)=1634/1、HO/Ge(OEt)4=533/1としつつ、5≦HO/BtOH≦12以下となるように調合することで、ゲル化の段階でのGeOの生成を抑制することができる。
<第4の実施例>
上記参考例による試料のXRD測定結果を踏まえ、本発明の第4の実施例では、水系ストック溶液の溶媒である水(HO)と有機系ストック溶液中の金属アルコキシドのモル比と、それぞれのストック溶液の溶媒の比HO/BtOHの双方を最適化している。表4に第4の実施例における水系ストック溶液と有機系ストック溶液との調合条件を示した。
Figure 0006767209
表4において、条件0は従来例、すなわち第4の比較例である。そして図9に第4の実施例および第4の比較例の手順で作成した試料のXRD測定結果を示した。図9(A)は、真空乾燥後の試料に対するXRD測定結果であり、図9(B)は焼成後の試料に対するXRD測定結果である。図9(A)に示したように、第4の比較例では真空乾燥後にGeOが生成されている。また条件1で作製した試料では、GeOが生成されていないものの、NHPOと(NHH(Ge16)(H0)2.72のピークが見られ、GeアルコキシドとAlアルコキシドの反応が妨げられていることが示されている。また条件2で作製した試料ではNHPOに対応するピークが僅かに見られる。なお条件3で作製した試料では異相に相当するピークが見られず、当該試料ではLAGPが均一にガラス化されているものと思われる。そして図9(B)に示したように、第4の比較例では625℃での焼成後でもGeOが残存するが、第4の実施例に対応するサンプルではほぼ単相のLAGPとなっていた。また条件1、条件 2、条件3の順でLAGPの生成が促進されていることが分かる。とくに条件2と条件3ではHO/BtOHのみが異なっており、HO/BtOHの比が小さいほどLAGPの生成が促進されることが分かった。そして第4の実施例と上記参考例のそれぞれにおける試料に対するXRD測定結果を考慮すると、水系ストック溶液の溶媒である水と有機系ストック溶液中の金属アルコキシドの比が、HO/Ge(OEt)<170、かつHO/Al(OBt)<523であることが望ましい。また水系ストック溶液と有機系ストック溶液のそれぞれの溶媒の比については、0.1<HO/BtOH<5であればよい。
===第5の実施例===
上記第4の実施例では、水系ストック溶液と有機系ストック溶液の組成や配合比を最適化しているが、その組成や配合比を調整する際の手順についても検討した。具体的には、図2における混合工程(s2)において、水系ストック溶液と有機系ストック溶液の配合比(モル比)をブタノールの混合割合によって調整する際に、先に水系ストック溶液と有機系ストック溶液とを混合し、その混合溶液(以下、アルコキシ溶液とも言う)に対してブタノールを加える手順を経て焼結体の試料を作製する手順(以下、第5の実施例とも言う)と、ブタノールに対してアルコキシ溶液を加えた手順を経て焼結体の試料を作製する手順(以下、第5の比較例とも言う)とによって試料を作製した。なお水系ストック溶液と有機系ストック溶液の組成や配合比は第1の実施例と同様であり、第1の実施例では、有機系ストック溶液中に所定量のブタノールが含まれていたが、第5の実施例ではアルコキシ溶液に有機系ストック溶液の溶媒であるブタノールのみを後から追加して最終的な水系ストック溶液と有機系ストック溶液の混合溶液を調合している。また第5の比較例では用意しておいたブタノールにアルコキシ溶液を加えて混合溶液を調合している。そして混合溶液の調合手順以外は、第1の実施例と同様の手順でガラス化および焼成を行った。
図10に第5の実施例および第5の比較例の手順で作成した試料のXRD測定結果を示した。図10(A)は、真空乾燥後の試料に対するXRD測定結果であり、図10(B)は焼成後の試料に対するXRD測定結果である。図10(A)に示したように、第5の比較例では、真空乾燥後のXRD測定結果に異相を示す強いピークが複数あり、LAGPが非晶質になっていないことが分かる。一方、第5の実施例ではXRD測定結果に目立ったピークがなくLAGPが非晶質になっていることが確認できた。また図10(B)に示したように、第5の実施例では、焼成によってほぼ単相のLAGPが生成されたが、第5の比較例では図中円100で示したように、LAGP以外の異相が生成されていることが確認された。以上より、水系ストック溶液と有機系ストック溶液の配合比を調整する際には、先に水系ストック溶液と有機系ストック溶液とを混合したアルコキシ溶液に対してアルコールを加えることが望ましい。
===その他の実施例===
上記第1〜第5の実施例では、有機系ストック溶液の溶媒にブタノールを使用していたが、金属アルコキシドの溶媒として機能するのであれば、当然のことながら、他のアルコールでもよい。したがって、上記第4の実施例における水系ストック溶液の溶媒と有機系ストック溶液の溶媒との比の最適値は、実際には、水とアルコールの比(水/アルコール)であって、0.1<水/アルコール<5となる。
上記第1〜第5の実施例では、電極材料中のLAGPについてのガラス化や焼成の条件、あるいは原料の組成や調合法を最適化していた。上述したように、実際に全固体電池の積層電極体を作製する際には、上記各実施例においてLAGPをガラス化する前に電極活物質を混合することになる。また焼成は正極層と負極層によって固体電解質層が挟持された構造を有した焼結体である積層電極体を作製するための工程であり、実際の全固体電池を作製する際には、上述した圧縮成形法やグリーンシート法によって、シート状の正極材料、固体電解質、および負極材料をこの順に積層した積層体を作製し、その積層体に対して焼成を行うことになる。
上記第1〜第5の実施例では、500℃の温度でLAGPをガラス化していたが、もちろんこの温度に限定されない。一般的には、ゾルゲル法によってLAGPを作製する場合では、400℃以上600℃以下の温度の熱処理でLAGPが非晶質となることが知られている。いずれにしても焼成温度よりも低い温度で非晶質のLAGPが生成される温度であればよい。
上記第1〜第5の実施例において想定される電極活物質は、LVP、LCPO、TiOであり、これらの電極活物質は700℃以上の温度で焼成するとLAGPと反応してしまう可能性がある。もちろん電極活物質は、これらの化合物に限定されない。そしてその他の電極活物質では、より高い温度で焼成してもLAGPと反応しないものもあるかもしれない。しかし上記各実施例で想定しているLVP、LCPO、TiOは、全固体電池用の電極活物質として周知のものであり、全固体電池を実用化させるためには、これらの電極活物質を使用することが現実的である。そのために、本発明の実施例では、焼成温度を650℃以下としている。具体的には、各実施例における実際の焼成温度を、650℃よりもさらに低い625℃としている。そして各実施例では、この625℃の焼成温度でも結晶化したLAGP、すなわちLAGPの焼結体を得ることができた。もちろん625℃よりも低い温度であっても、シート状に成形された正極材料と負極材料でシート状に成形された固体電解質材料を挟持させてなる積層体を焼結させて積層電極体を作製できる可能性はある。いずれにしても、焼成温度は、650℃以下で、かつ積層体を焼結させることができる温度であればよい。
s1a 水系ストック溶液の調合工程、s1b 有機系ストック溶液の調合工程、
s2 水系ストック溶液と有機系ストック溶液の混合工程、s4 真空乾燥工程、
s6a ガラス化工程、s6b 焼成工程

Claims (6)

  1. 一体的な焼結体で、正極用の電極活物質と固体電解質を含む正極層、固体電解質を含む固体電解質層、および負極用の電極活物質と固体電解質を含む負極層がこの順に積層されてなる積層電極体を備えた全固体電池の製造方法であって、
    一般式Li1.5Al0.5Ge1.5(POで表されるLAGPを前記固体電解質として、非晶質状態の前記LAGPと前記正極用の電極活物質とを混合した正極材料と、非晶質状態の前記LAGPと前記負極用の電極活物質とを混合した負極材料を作製する電極材料作製ステップと、
    層状の前記正極材料と層状の前記負極材料との間に、前記LAGPを含んだ層状の固体電解質材料を挟持してなる積層体を焼成することで前記積層電極体を作製する焼成ステップと、
    を含み、
    前記電極材料作製ステップでは、
    前記LAGPのリチウムとリンの起源となる原料を含んで水を溶媒とした水系ストック溶液と、前記LAGPのゲルマニウムとアルミニウムの起源となる金属アルコキシドを含んでアルコールを溶媒とした有機系ストック溶液との混合溶液を用いたゾルゲル法によって前記LAGPを作製するLAGP作製ステップと、
    前記混合溶液に粉体状の電極活物質を混合する活物質混合ステップと、
    前記混合溶液と前記電極活物質との混合物を不活性雰囲気で前記焼成ステップにおける温度よりも低い温度で熱処理して非晶質の前記LAGPを生成させるガラス化ステップと、
    を実行し、
    前記焼成ステップでは、不活性雰囲気で650℃以下の焼成温度で前記積層体を焼結させる、
    ことを特徴とする全固体電池の製造方法。
  2. 請求項1において、前記LAGP作製ステップでは、前記有機系ストック溶液を露点−40℃以下の乾燥雰囲気で調合することを特徴とする全固体電池の製造方法。
  3. 請求項1または2において、前記焼成ステップでは、200℃/h以上の速度で前記焼成温度まで昇温させることを特徴とする全固体電池の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかにおいて、前記LAGP作製ステップでは、前記水系ストック溶液の溶媒である水のモル数を、前記有機系ストック溶液の溶媒であるアルコールのモル数で割った比が0.1以上5未満となるように前記混合溶液を調合することを特徴とする全固体電池の製造方法。
  5. 請求項4において、前記LAGP作製ステップでは、前記水系ストック溶液と前記有機系ストック溶液との混合溶液に、さらに前記アルコールを追加することで前記比が0.1以上5未満となるように当該混合溶液を調合することを特徴とする全固体電池の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかにおいて、前記LAGP作製ステップでは、前記水系ストック溶液の溶媒である水のモル数を、前記有機系ストック溶液中の前記ゲルマニウムの起源となる金属アルコキシドのモル数で割ったときの比が170以下で、前記水のモル数を、前記アルミニウムの起源となる金属アルコキシドのモル数で割ったときの比が523以下となるように前記混合溶液を調合することを特徴とする全固体電池の製造方法。
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