JP5194709B2 - 全固体電池およびその製造方法 - Google Patents

全固体電池およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5194709B2
JP5194709B2 JP2007273118A JP2007273118A JP5194709B2 JP 5194709 B2 JP5194709 B2 JP 5194709B2 JP 2007273118 A JP2007273118 A JP 2007273118A JP 2007273118 A JP2007273118 A JP 2007273118A JP 5194709 B2 JP5194709 B2 JP 5194709B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode layer
negative electrode
positive electrode
solid
slurry
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007273118A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009104818A (ja
Inventor
卓 上村
進啓 太田
光靖 小川
修 水野
勝治 江村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority to JP2007273118A priority Critical patent/JP5194709B2/ja
Publication of JP2009104818A publication Critical patent/JP2009104818A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5194709B2 publication Critical patent/JP5194709B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Primary Cells (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Description

本発明は、全固体電池およびその製造方法に関し、より具体的には、携帯電話、ノートパソコン等に用いられる全固体電池およびその製造方法に関するものである。
携帯用の電子機器が多様になり、それに適合する各種の電池が要求される時代にあって、各種の電池の軽量化、小型化または高放電容量化などの改善が精力的になされている。そのなかで全固体電池は、正極層、固体電解質層、負極層の各々が、固体からなり、電解液に付随する安全性についての問題を解消できるため、携帯機器用に実用化が始まっている。とくにリチウム系全固体電池は、高エネルギー密度を実現できるため、関心が高い。しかし、電解液を用いる場合はともかく、全固体電池の場合は、実用化にあたって克服すべき課題が多い。
その1つの課題が、イオン導電率の向上である。たとえば、塗布法で固体電解質層を作製する際に、バインダー用の高分子樹脂と固体電解質粒子とを混合する必要があるが、高分子樹脂はリチウムイオン導電性がないため、リチウムイオン導電性が阻害される。すなわちバインダー用の高分子樹脂によって、固体電解質層での内部抵抗が増大し、さらに全固体リチウム電池における出力特性が低下する。これらの問題を解決するために、塗布法または湿式法を用い、バインダー用の高分子樹脂にシリコーン樹脂を用いた固体電解質層の製造方法が提案された(特許文献1)。この特許文献1では、バインダー用樹脂にシリコーン樹脂を用い、一軸プレスやローラー加圧処理を採用することにより、バインダー用樹脂の分布を、イオン導電性の大きな障害となりにくい分布形態とできることを開示している。
特開2003−22841号公報
しかしながら、イオン導電性の大きな障害になりにくいように、バインダー用シリコーン樹脂の分布を制御できたとしても、シリコーン樹脂が無い場合よりもイオン導電性は低くなることは避けられない。また、シリコーン樹脂は弾性変形能が大きいので、一軸プレスやローラー加圧処理を行っても、イオン導電性がない空隙が残りやすい。したがって、イオン導電性の向上という課題に限っても、電池性能改善の余地がある。
本発明は、バインダー用の高分子樹脂を用いないことによって電池特性の改善をはかった全固体電池およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の全固体電池の製造方法は、正極層、固体電解質層および負極層を備える全固体電池の製造方法である。この製造方法では、正極層、固体電解質層および負極層のすべての層の作製において、金属アルコキシドを溶解したアルコール溶媒を用い、正極層の作製には、金属アルコキシドを溶解したアルコール溶媒に正極活物質粒子を分散させたスラリーを、負極層の作製には、金属アルコキシドを溶解したアルコール溶媒に負極活物質粒子を分散させたスラリーを、また固体電解質層の作製には、金属アルコキシドを溶解したアルコール溶媒であるスラリーを、下地に塗布し、その後で焼結し、塗布後であって、焼結前または焼結中に、各下地に塗布された塗布層に対して、加圧処理を加え、スラリーには、水を加えてあり、正極層または負極層の作製のためのスラリーには、さらにカーボン粒子を加えてあり、正極層、固体電解質層および負極層のすべての層の作製おいて、金属アルコキシドを溶解したアルコール溶媒が、La,Ti,Nb,Si,V,Taの各アルコキシドのうちの少なくとも1つと、Liアルコキシドとを含み、正極活物質粒子が、Co,Mn,Niのうちの少なくとも1つと、Liとを含む酸化物粒子であり、また負極活物質粒子が、C,Si,Snのうちの少なくとも1つを含む粒子であり、固体電解質層の作製において、スラリーに、さらにセラミック粒子を加え、該セラミック粒子が、Al,Siのうちの少なくとも1つを含む酸化物粒子であることを特徴とする。
上記の構成によれば、上記の各層は、イオン導電性を持たせた金属アルコキシドで形成されるので、イオン導電率を高め、全固体電池での出力特性を向上させることができる。正極層、負極層および固体電解質層のすべての層を、上記方法で製造する。なお、すべての層を上記方法で製造するが、通常、焼結するのは、1回である。また、上記の全固体電池は、一次電池でも二次電池でもよい。
上記塗布後であって、焼結前または焼結中に、各下地に塗布された塗布層に対して、加圧処理を加える。これにより、上記の各層は塑性変形しやすいため、空隙を減少させ、イオン導電率を高めることができる。ホットプレス工程(加圧工程)と焼結工程とを異なる工程で行ってもよいが、焼結中に加圧処理することにより、たとえばホットプレス工程と焼結工程とを1つの工程で行うことができる。
上記スラリーには、水を加えてある。これにより、スラリー中の固体粒子の分散性を向上させ、また塗布層を形成しやすいようにスラリーの粘度調整ができ、高品質の層を作製することができる。
上記正極層または負極層の作製のためのスラリーには、さらにカーボン粒子を加える。これにより、正極層または負極層の導電率を高めることができる。
上記正極層、固体電解質層および負極層のすべての層の作製において、金属アルコキシドを溶解したアルコール溶媒を用い、該金属アルコキシドを溶解したアルコール溶媒が、La,Ti,Nb,Si,V,Taの各アルコキシドのうちの少なくとも1つと、Liアルコキシドとを含み、正極活物質粒子が、Co,Mn,Niのうちの少なくとも1つと、Liとを含む酸化物粒子であり、また負極活物質粒子が、C,Si,Snのうちの少なくとも1つを含む粒子である構成をとることができる。これによって、リチウム系全固体電池において、バインダー用樹脂を用いることなく、焼結により上記の金属アルコキシド由来の酸化物凝集体と、各電極層での各活物質粒子の焼結体が形成される。このため、リチウム系全固体電池のリチウムイオン導電率を確保でき、また、塑性変形のし易さで空隙を除きやすくできる。空隙の減少は、またイオン導電率の向上をもたらす。
上記固体電解質層の作製において、スラリー(上記のように水を加えてある。)に、さらにセラミック粒子を加え、該セラミック粒子を、Al,Siのうちの少なくとも1つを含む酸化物粒子とする。これにより、リチウム系全固体電池におけるリチウムイオン導電率を高めることができる。
本発明の全固体電池は、上記のいずれかの全固体電池の製造方法を用いて製造され、上記固体電解質層が、絶縁体セラミック粒子の焼結体を含むことを特徴とする。これによって、上記の各製造方法における作用効果を持つ全固体電池を得ることができる。さらに、リチウム系全固体電池の場合、リチウムイオン導電率を向上することができる。
上記の全固体電池であって、正極層、固体電解質層および負極層のいずれもが、金属アルコキシド由来の金属酸化物凝集体を含み、樹脂を含まず、そして正極層が正極活物質粒子の焼結体を含み、負極層が負極活物質粒子の焼結体を含むことができる。
上記の全固体電池は、バインダー用の樹脂を含まず金属アルコキシドを焼結して得られる金属酸化物凝集体を含むため、イオン導電率を確保することができる。
上記正極層および/または負極層が、カーボン粒子を含むことができる。これにより、正極層または負極層の導電率を高めることができる。
本発明の全固体電池およびその製造方法によれば、バインダーに高分子樹脂を用いないため、高イオン導電率の全固体電池を得ることができる。
図1は、本発明の実施の形態における全固体リチウム電池を示す断面図である。図1において、全固体リチウム電池本体10は、(集電体基材(正極集電体)1/正極層2/固体電解質層3/負極層4/負極集電体5)の積層構造をとる。これらの層のうち(正極層2/固体電解質層3/負極層4)は、すべての層が金属アルコキシドを溶解したアルコール溶媒を用いて形成されている。このうち、正負極層2,4では、上記溶媒に、それぞれ正負極活物質を分散させたスラリーが用いられる。また固体電解質層3では、上記金属アルコキシドを溶解したアルコール溶媒に、リチウムイオン導電率を向上させるため、絶縁性セラミック粒子を加える。次に、各層について順次説明してゆく。
1.正極層および正極集電体
(1)正極層2を塗布する集電体基材(正極層の下地また正極集電体)1は、厚み3μm〜100μm、特に5μm〜25μmとするのがよい。
(2)正極層2の厚みは、厚み10μm〜150μm、特に50μm〜100μmとするのがよい。
(3)正極集電体(集電体基材)1の材料は、Al、ステンレススティール、V、Niなどの金属箔を用いるのがよい。
(4)正極層用の塗布スラリー
(A)正極活物質粒子には、LiMn24、LiCoO2、MnO2、FeS、FeS2、V23、TiS2などの正極活物質粒子を用いるのがよい。
(B)導電材または導電助剤には、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、人造黒鉛などのカーボン粒子を含んでいてもよい。
(C)アルコール溶媒は、エタノール、メタノール、プロパノールなどのアルコール溶媒とするのがよい。
(D)金属アルコキシドには、上記溶媒に溶解するもので、塗布、乾燥、焼結した後に、リチウムイオン導電性酸化物となるような濃度の単一のアルコキシドまたは、リチウムイオン導電性酸化物となる濃度比の複数のアルコキシドを溶解することが好ましい。たとえば下記(D1)または(D2)が好ましい例である。
(D1)たとえば、(Liエトキシド):(ペンタエトキシNb)=1:1(モル比)で溶解すると、焼結後に、LiNbO3のリチウムイオン導電性酸化物となる。
(D2)別の例として、(Laイソプロポキシド):(Liエトキシド):(Tiイソプロポキシド)=1:1:2(モル比)で溶解すると、焼結後に、La0.5Li0.5TiO2のリチウムイオン導電性酸化物となる。
(E)混合比
(E1)(金属アルコキシド総モル量):(活物質モル量)の値を、2:8から6:4の範囲内とするのが好ましい。
(E2)導電助剤は活物質量に対し、2〜10重量%が好ましい。
(E3)溶媒の量は、スラリー粘度0.1〜5Pa・sとなるように調整することが好ましい。
(F)その他:エタノール溶媒に対し1〜10wt%水を添加することでスラリー中の固体粒子の分散性が向上するので添加する。上記水の添加により粘度調整も可能である。
2.負極層および負極集電体
(1)負極層4の厚みは、10μm〜150μm、特に50μm〜100μmとするのがよい。
(2)負極集電体5の厚みは、1μm〜100μm、特に3μm〜25μmとするのがよい。
(3)負極集電体5の材料は、Cu、ステンレススティール、Ni、Vなど金属箔を用いるのがよい。
(4)負極層用の塗布スラリー
(A)負極活物質粒子には、C、Sn、SiOx、Siなどの活物質粒子を用いるのがよい。
上記正極層用の塗布スラリーについての項目(B)〜(F)を、負極層用の塗布スラリーにも適用する。
3.固体電解質層
(1)固体電解質層3の厚みは、3μm〜100μm、特に5μm〜50μmとするのがよい。
(2)固体電解質層3用の塗布スラリーの成分は、(C)溶媒、および(D)金属アルコキシドに絶縁セラミックス粒子を加える。(C)溶媒および(D)金属アルコキシドについては、上記正極層および負極層の場合と同じとすることができる。アルミナ、シリカなど絶縁セラミック粒子を含有することで、金属アルコキシドだけよりも焼結後のリチウムイオン導電度が向上する。この絶縁セラミック粒子は、金属アルコキシドのモル数に対し10%〜50%のモル比とすることができる。
(F)固体電解質層用のスラリーの場合、水分添加で粘度を0.1Pa・s〜5Pa・sとなるように調整する。
正極層2または負極層4では、正極活物質粒子または負極活物質粒子の焼結体が形成され、この焼結体に金属アルコキシド由来の金属酸化物凝集体が配置される。加圧処理を加えても、焼結時に生成する微細な空隙は完全には排除できずに残存する。また、導電材として、カーボン粒子を含む場合は、上記の焼結体中にカーボン粒子が配置される。固体電解質層3は、金属アルコキシドから焼結により生成した金属酸化物凝集体で形成される。焼結時に生成する微細な空隙は完全には排除されずに残存する。リチウムイオン導電率を向上させるために絶縁セラミックス粒子を用いる場合には、当該絶縁セラミックス粒子が金属酸化物凝集体中に配置される。
次に本発明の全固体電池の製造方法のポイントについて説明する。
1.上記スラリーを塗布する方法としては、ナイフロール方式、ダイコート方式、ディップコート方式、スピンコート方式のどれでも良い。
2.アルコール溶媒を大気中で乾燥する。乾燥条件は溶媒の沸点以下で実施する。
3.焼結温度は200℃〜450℃が好ましい。焼結時間は5〜60分以内が好ましい。
4.塗布後、焼結前に、ロールプレスや上記焼結温度以下の温度でホットプレスするなどの、加圧処理を行う。
上記の製造方法および材料で製造された全固体電池は、バインダー用に高分子樹脂を用いず、イオン導電性、とくにリチウムイオン導電性のある金属アルコキシド由来の金属酸化物凝集体がバインダーの役割を果たす。このため、イオン導電率の高く、しがって放電容量の高い全固体電池を得ることができる。
次に実施例により、本発明の作用効果を説明する。用いた試験体は、本発明例Aおよび比較例であり、いずれも全固体電池とした。これら全固体電池の評価のために、全固体電池の放電容量を測定した。
1.本発明例A
(正極層:図2参照)Liエトキシド10gとペンタエトキシNb67gを脱水エタノール100gに溶解し、粒径10μmのLiCoO2活物質粉末60gを添加した。良く攪拌しながら水をスポイトで添加し、スラリー粘度を1Pa・sに調整した。このスラリーをステンレススティール(JISのSUS相当)箔1にナイフロール法で塗布し、乾燥して正極層2を作製した。正極層2について、マイクロメータで厚み測定したところ塗布厚100μmであった。
(固体電解質層:図3参照)Liエトキシド10gとペンタエトキシNb67gを脱水エタノール50gに溶解し、粒径0.5μmのアルミナ粉末20gを添加した。良く攪拌しながら水をスポイトで添加し、スラリー粘度を1Pa・sに調整した。このスラリーを上記正極層2上にナイフロール法で塗布し、乾燥して固体電解質層3を作製した。固体電解質層3について、マイクロメータで厚み測定したところ塗布厚30μmであった。
(負極層:図4参照)Liエトキシド10gとペンタエトキシNb67gを脱水エタノール50gに溶解し、粒径3μmのカーボン粉末40gを添加した。良く攪拌しながら水をスポイトで添加し、スラリー粘度を1Pa・sに調整した。このスラリーを上記固体電解質層3上にナイフロール法で塗布し、乾燥して負極層4を作製した。負極層4について、マイクロメータで厚み測定したところ塗布厚100μmであった。
(負極集電体:図5参照)これらの層上に負極集電体としてステンレススティール(JISのSUS相当)箔5を積層し、全体を150℃で50Pa×1分の条件でホットプレスした。その後、大気中400℃で1時間焼結処理を実施した。その後、露点−70℃のアルゴン雰囲気中でアルミラミネート袋中に封止し、発電部面積10cm2のリチウム2次電池とした。
(放電容量の測定)電流10mAで充放電を実施したところ、放電容量40mAhが得られた。
2.比較例
(正極層)脱水ヘキサン中に2液型シリコーン樹脂を所定量比で計20g溶解し、粒径10μmのLiCoO2の活物質粉末60gを添加し、スラリー粘度を1Pa・sとした。また導電助剤としてアセチレンブラック5gを添加した。このスラリーをステンレススティール(SUS相当)箔にナイフロール法で塗布後、アルゴン中で150℃×30分硬化し、乾燥して、マイクロメータで厚み測定したところ塗布厚100μmであった。
(固体電解質層)脱水ヘキサン中に2液型シリコーン樹脂を所定量比で計20g溶解し、粒径1μmのLi427の硫化物固体電解質粉末60gを添加し、スラリー粘度を1Pa・sとした。このスラリーを上記正極上にナイフロール法で塗布後、アルゴン中で150℃×30分硬化し、乾燥して、マイクロメータで厚み測定したところ塗布厚30μmであった。
(負極層)脱水ヘキサン中に2液型シリコーン樹脂を所定量比で計20g溶解し、粒径3μmのカーボン活物質粉末40gを添加し、スラリー粘度を1Pa・sとした。このスラリーを上記固体電解質上にナイフロール法で塗布後、150℃×30分で硬化し、乾燥して、マイクロメータで厚み測定したところ塗布厚100μmであった。
(負極集電体)これらの層上に負極集電体としてステンレススティール(SUS相当)箔を積層し、全体を150℃で50Pa×1分の条件でホットプレスした。その後、露点−70℃のアルゴン雰囲気中でアルミラミネート袋中に封止し、発電部面積10cm2のリチウム2次電池とした。
(放電容量の測定)電流10mAで充放電したところ、放電容量12mAhが得られた。
上記の放電容量の測定結果によれば、本発明例Aの放電容量は、比較例のそれの3.3倍であり、飛躍的に向上しており、本発明の全固体電池の性能が優れていることが確認された。
上記の実施の形態および実施例では、全固体電池の正極層、負極層、固体電解質層のすべての層を、金属アルコキシドを溶解したアルコール溶媒を用いて製造する方法を示したが、任意の1つの層または2つの層を、上記の方法(湿式法)で製造して、他の層を他の製造方法、たとえばレーザーアブレーション法などの気相法で製造してもよい。電池性能、作業能率(経済性)などを考慮して、適切な方法を組み合わせた製造方法とするのがよい。
また、上記の実施の形態および実施例では、リチウム系全固体電池についてのみ説明したが、本発明の全固体電池およびその製造方法は、リチウム系全固体電池に限定されず、金属アルコキシドを溶解したアルコール溶媒を用いて、塗布法により製造される全固体電池であれば、どのような全固体電池も含まれる。また、一次電池または二次電池を問わず、含まれる。
上記において、本発明の実施の形態および実施例について説明を行ったが、上記に開示された本発明の実施の形態および実施例は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれら発明の実施の形態に限定されない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
本発明の全固体電池およびその製造方法によれば、リチウムイオン導電性の高い金属アルコキシドをバインダーに用い、高分子樹脂を用いないので、イオン導電率および放電容量の高い全固体電池を得ることができる。
本発明の実施の形態における全固体電池を示す断面図である。 実施例において正極層を作製した段階の断面図である。 固体電解質層を作製した段階の断面図である。 負極層を作製した段階の断面図である。 負極集電層を積層した後、ホットプレスする段階の図である。
1 集電体基材(正極集電体)、2 正極層、3 固体電解質層、4 負極層、5 負極集電体、10 全固体電池本体。

Claims (4)

  1. 正極層、固体電解質層および負極層を備える全固体電池の製造方法であって、
    前記正極層、固体電解質層および負極層のすべての層の作製において、金属アルコキシドを溶解したアルコール溶媒を用い、
    前記正極層の作製には、前記金属アルコキシドを溶解したアルコール溶媒に正極活物質粒子を分散させたスラリーを、前記負極層の作製には、前記金属アルコキシドを溶解したアルコール溶媒に負極活物質粒子を分散させたスラリーを、また前記固体電解質層の作製には、前記金属アルコキシドを溶解したアルコール溶媒であるスラリーを、下地に塗布し、その後で焼結し、
    前記塗布後であって、前記焼結前または焼結中に、前記各下地に塗布された塗布層に対して、加圧処理を加え、
    前記スラリーには、水を加えてあり、
    前記正極層または負極層の作製のための前記スラリーには、さらにカーボン粒子を加えてあり、
    前記正極層、固体電解質層および負極層のすべての層の作製において、前記金属アルコキシドを溶解したアルコール溶媒が、La,Ti,Nb,Si,V,Taの各アルコキシドのうちの少なくとも1つと、Liアルコキシドとを含み、前記正極活物質粒子が、Co,Mn,Niのうちの少なくとも1つと、Liとを含む酸化物粒子であり、また前記負極活物質粒子が、C,Si,Snのうちの少なくとも1つを含む粒子であり、
    前記固体電解質層の作製において、前記スラリーに、さらにセラミック粒子を加え、該セラミック粒子が、Al,Siのうちの少なくとも1つを含む酸化物粒子であることを特徴とする、全固体電池の製造方法。
  2. 請求項1に記載の全固体電池の製造方法を用いて製造され、前記固体電解質層が絶縁体セラミック粒子の焼結体を含むことを特徴とする、全固体電池。
  3. 請求項2に記載の全固体電池であって、前記正極層、固体電解質層および負極層のいずれもが、前記金属アルコキシド由来の金属酸化物凝集体を含み、樹脂を含まず、前記正極層が正極活物質粒子の焼結体を含み、前記負極層が負極活物質粒子の焼結体を含むことを特徴とする、全固体電池。
  4. 請求項またはに記載の全固体電池であって、前記正極層および/または負極層が、カーボン粒子を含むことを特徴とする、全固体電池。
JP2007273118A 2007-10-19 2007-10-19 全固体電池およびその製造方法 Expired - Fee Related JP5194709B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007273118A JP5194709B2 (ja) 2007-10-19 2007-10-19 全固体電池およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007273118A JP5194709B2 (ja) 2007-10-19 2007-10-19 全固体電池およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009104818A JP2009104818A (ja) 2009-05-14
JP5194709B2 true JP5194709B2 (ja) 2013-05-08

Family

ID=40706304

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007273118A Expired - Fee Related JP5194709B2 (ja) 2007-10-19 2007-10-19 全固体電池およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5194709B2 (ja)

Families Citing this family (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5262143B2 (ja) * 2008-01-31 2013-08-14 トヨタ自動車株式会社 正極体およびその製造方法
JP4985489B2 (ja) * 2008-03-11 2012-07-25 住友電気工業株式会社 Liイオン伝導性固体電解質
JP5132639B2 (ja) * 2008-08-21 2013-01-30 日本碍子株式会社 セラミックス材料及びその製造方法
JP5136804B2 (ja) 2009-04-24 2013-02-06 大日本印刷株式会社 非水電解液二次電池用電極板、非水電解液二次電池用電極板の製造方法、および非水電解液二次電池
JP4930733B2 (ja) 2009-04-24 2012-05-16 大日本印刷株式会社 非水電解液二次電池用負極板、非水電解液二次電池用負極板の製造方法、および非水電解液二次電池
JP5212394B2 (ja) * 2009-04-24 2013-06-19 大日本印刷株式会社 非水電解液二次電池用電極板の製造方法
JP5196197B2 (ja) 2009-04-24 2013-05-15 大日本印刷株式会社 非水電解液二次電池用電極板の製造方法
JP4924852B2 (ja) 2009-04-24 2012-04-25 大日本印刷株式会社 非水電解液二次電池用電極板の製造方法
JP5747506B2 (ja) * 2009-11-25 2015-07-15 トヨタ自動車株式会社 電極積層体の製造方法および電極積層体
JP5625746B2 (ja) * 2010-10-27 2014-11-19 トヨタ自動車株式会社 固体電解質焼結体および全固体リチウム電池
JP5634362B2 (ja) * 2011-09-15 2014-12-03 本田技研工業株式会社 電極活物質材料およびその製造方法
JP6767209B2 (ja) * 2016-09-01 2020-10-14 Fdk株式会社 全固体電池の製造方法
JP6859234B2 (ja) * 2017-09-05 2021-04-14 国立研究開発法人物質・材料研究機構 全固体電池の製造方法
CN111092265A (zh) * 2019-12-04 2020-05-01 昆明理工大学 一种正极支撑型全固态锂离子电池的制备方法
KR20240052520A (ko) * 2022-10-14 2024-04-23 삼성에스디아이 주식회사 고체 전해질과 그 제조 방법, 양극 및 전고체 이차 전지

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06310135A (ja) * 1991-03-05 1994-11-04 Furukawa Battery Co Ltd:The 密閉型アルカリ蓄電池
JPH05174814A (ja) * 1991-12-25 1993-07-13 Shin Kobe Electric Mach Co Ltd アルカリ蓄電池用焼結基板の製造法
JPH1139939A (ja) * 1997-07-15 1999-02-12 Kinya Adachi 絶縁体の前駆体と固体電解質との固溶体の分解によるイオン伝導性ナノコンポジット固体電解質の作製
JP2001143697A (ja) * 1999-11-12 2001-05-25 Canon Inc 二次電池用電極、該電極を用いた二次電池およびそれらの製造方法
JP2001243984A (ja) * 2000-02-28 2001-09-07 Kyocera Corp 固体電解質電池およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009104818A (ja) 2009-05-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5194709B2 (ja) 全固体電池およびその製造方法
JP7123101B2 (ja) 複合電極の製造方法および固体バッテリの製造方法
JP6941808B2 (ja) 全固体電池
US9368828B2 (en) All-solid battery and manufacturing method therefor
CN111864207B (zh) 全固体电池
US20130273437A1 (en) All solid state battery
JP2019500737A (ja) 固体Li−S電池およびその作製方法
JP5755400B2 (ja) 負極合材、負極合材混合液、負極、全固体リチウム電池および装置
JP6183783B2 (ja) 全固体電池
JP2010015782A (ja) 全固体電池
KR20170003544A (ko) 전극, 그의 제조 방법, 전지, 및 전자 기기
JP6575109B2 (ja) リチウムイオン伝導体、電極、電池およびその製造方法、ならびに電子機器
KR20180046574A (ko) 이중층 고체전해질을 포함하는 전고체전지 및 그 제조방법
WO2018139448A1 (ja) 全固体電池およびその製造方法
JP2013051171A (ja) 全固体電池用電極体及び全固体電池
CN108695538A (zh) 全固体电池的制造方法
JPWO2014073468A1 (ja) 全固体電池およびその製造方法
US20120003547A1 (en) Electrode Material, Lithium-Ion Battery And Related Methods
WO2014068777A1 (ja) 全固体リチウムイオン二次電池
KR101586536B1 (ko) 전고상 리튬이차전지용 탄소섬유 시트 집전체의 제조방법 및 탄소섬유 시트 집전체를 포함하는 전고상 리튬이차전지
JP6840946B2 (ja) 固体電解質、全固体電池、およびそれらの製造方法
WO2020241691A1 (ja) 全固体電池及びその製造方法
WO2020184340A1 (ja) 全固体電池の製造方法
JP6201569B2 (ja) 固体電解質材料、及び全固体電池
JP7122139B2 (ja) 全固体電池の製造方法および全固体電池

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100524

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120713

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120801

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120827

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121016

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121119

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130108

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130121

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160215

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees