JP6766550B2 - 電力変換装置 - Google Patents

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Description

本開示は、スイッチング素子を用いた電力変換装置に関する。
モータの制御を、その相電流を用いて行う方法が知られている。そのために必要なモータの相電流を検出する低コストの方法として、コンバータ回路からインバータ回路に供給される電流を抵抗によって検出する方法が知られている。例えば、インバータ回路におけるスイッチングの情報、及びスイッチングの前後の検出された電流値から、インバータ回路の相電流、すなわち、モータの相電流を求めることができる(例えば非特許文献1を参照)。
谷沢之彦、外2名,「PWMインバータの三相出力電流の直流側での検出法」,1994年7月15日,電気学会,第IEA-94巻,第12-22号,pp.45-49
非特許文献1に記載された検出方法においては、ある相に対応する上アームの回路及び下アームの回路のうち、一方のアームの回路にのみ電流が流れることを前提としている。しかし、インバータ回路の入力電圧が大きく低下する場合には、本来電流が流れないはずのアームの回路に電流が流れてしまう。例えば、ある相に対応する上アームの回路と下アームの回路とに同時に電流が流れると、モータの相電流が正しく検出できない。そのような場合に、大きな誤差を含んだ相電流の値を用いてモータの制御を行うと、モータの回転が不安定となる。更に、過電流、過電圧、脱調等の現象が生じてモータが停止してしまうこともある。
本開示は、インバータ回路への入力電圧が低下したことに起因して、駆動されるモータの相電流が正しく求められない場合であっても、モータを安定して回転させる電力変換装置を提供する。
本開示による第1の態様は、交流を直流に変換するコンバータ回路(16)と、
上記コンバータ回路(16)が出力した直流を、駆動信号(DS)に基づいて交流に変換してモータ(94)に出力するインバータ回路(30)と、
上記モータ(94)の回転子に同期する回転座標系における二相電流の値を、上記コンバータ回路(16)から上記インバータ回路(30)へ流れる直流リンク電流(ic)に基づいて二相電流算出値として求めるとともに、該二相電流算出値が正しいか否かを判定し、正しいと判定した場合には、該二相電流算出値に基づいて上記駆動信号(DS)を生成し、正しい値ではないと判定した場合には、上記モータ(94)に対する電流指令値(idr,iqr)と、上記二相電流の値とに差がない場合に相当する上記駆動信号(DS)を生成する駆動信号生成部(60,260)と、
上記コンバータ回路(16)の出力ライン間に接続されたコンデンサ(24)を備え、
上記駆動信号生成部(60,260)は、上記コンデンサ(24)の電圧が所定閾値以上である場合には、上記二相電流算出値が正しく求められたと判定し、上記コンデンサ(24)の電圧が上記所定閾値未満である場合には、該二相電流算出値が正しく求められなかったと判定することを特徴とする電力変換装置である。
この電力変換装置によると、直流リンク電流(ic)に基づいて求めた二相電流算出値が正しい場合には、該二相電流算出値に基づいて駆動信号が生成され、正しい値ではない場合には、電流指令値(idr,iqr)と、二相電流の値とに差がない場合に相当する駆動信号(DS)が生成される
これによると、相電流が正しく求められたか否かをより正しく判定することができる
上記電力変換装置によれば、インバータ回路への入力電圧が低下したことに起因して、駆動されるモータの相電流が正しく求められない場合であっても、モータを安定して回転させることができる。
図1は、本発明の実施形態に係る電力変換装置の構成例を示すブロック図である。 図2は、図1のコンデンサの電圧の例を示すグラフである。 図3は、図1の二相電流演算部の構成例を示すブロック図である。 図4は、図3の二相電流演算部の変形例を示すブロック図である。 図5は、図3の二相電流演算部の他の変形例を示すブロック図である。 図6は、図3の二相電流演算部の他の変形例を示すブロック図である。 図7は、図3の二相電流演算部の他の変形例を示すブロック図である。 図8は、図3の二相電流演算部の他の変形例を示すブロック図である。 図9は、図1の電力変換装置の変形例を示すブロック図である。 図10は、モータの回転子の磁極位置の例を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図面において下2桁が同じ参照番号で示された構成要素は、互いに対応しており、同一の又は類似の構成要素である。
《発明の実施形態1》
図1は、本発明の実施形態1に係る電力変換装置の構成例を示すブロック図である。図1の電力変換装置(100)は、リアクトル(12)と、コンバータ回路(16)と、コンデンサ(24)と、電圧検出部(26)と、電流検出部(28)と、インバータ回路(30)と、位置/速度検出部(52)と、駆動信号生成部(60)とを有する。電力変換装置(100)は、交流電源(92)から供給された交流電力を三相の交流電力に変換してモータ(94)を駆動する。モータ(94)としては、例えばIPM(interior permanent magnet)モータが採用される。モータ(94)は、例えば、空気調和装置の圧縮機を駆動する。
コンバータ回路(16)は、リアクトル(12)を介して交流電源(92)に接続されている。この例では、コンバータ回路(16)は、4個のダイオードがブリッジ状に接続されたダイオードブリッジ回路である。これらのダイオードは、交流電源(92)からの交流を全波整流して直流に変換し、出力する。コンデンサ(24)は、コンバータ回路(16)の出力ラインである、ライン(L1)とライン(L2)との間に接続されている。
電圧検出部(26)は、ライン(L1)とライン(L2)との間に接続されており、コンデンサ(24)の電圧(Vdc)を検出し、その値を電圧(vc)として駆動信号生成部(60)に出力する。電圧検出部(26)は、駆動信号生成部(60)に含まれていてもよい。電流検出部(28)は、ライン(L2)とライン(L3)との間に接続された抵抗を有しており、コンデンサ(24)とインバータ回路(30)との間の電流(直流リンク電流)、すなわち、インバータ回路(30)の入力電流(Idc)を検出する。より具体的には、電流検出部(28)は、その抵抗の電圧をその抵抗に流れる入力電流(Idc)の値に変換し、その結果を、検出された直流リンク電流(ic)として駆動信号生成部(60)に出力する。電流検出部(28)がその抵抗の電圧を出力し、駆動信号生成部(60)がこの電圧から直流リンク電流(ic)を求めてもよい。
駆動信号生成部(60)は、速度指令値(ωref)及び直流リンク電流(ic)に基づいて、インバータ回路(30)を駆動するための駆動信号(DS)を生成し、インバータ回路(30)に出力する。駆動信号(DS)は、U相用の複数の信号を含んでいる。駆動信号(DS)は、同様に、V相用の複数の信号及びW相用の複数の信号も含んでいる。V相用の各信号は、対応するU相用の信号より、位相が例えば120度(電気角)遅れている。W相用の各信号は、対応するU相用の信号より、位相が例えば240度(電気角)遅れている。
位置/速度検出部(52)は、例えば磁気センサを有しており、モータ(94)の回転子の磁極位置(θe)を検出する。位置/速度検出部(52)は、磁極位置(θe)の変化から回転子の回転速度(ωm)を求め、磁極位置(θe)及び回転子の回転速度(ωm)を駆動信号生成部(60)に出力する。
ライン(L1,L3)は、インバータ回路(30)の入力ラインである。電流検出部(28)の電圧降下は小さく、ライン(L1)とライン(L2)との間の電圧(Vdc)は、ライン(L1)とライン(L3)との間の電圧とほぼ同じである。コンデンサ(24)は、インバータ回路(30)のスイッチング素子(後述)がスイッチング動作する際に生じるリプル電圧(電圧変動)を平滑化可能な静電容量を有している。しかし、コンデンサ(24)は、比較的小容量しか有しておらず、交流電源(92)の瞬時電圧に応じて生ずる電圧変動を十分に平滑化するような容量は有していない。
より具体的には、インバータ回路(30)の入力電圧及びコンデンサ(24)の電圧(Vdc)は脈動成分を有し、この脈動成分の周波数は、交流電源(92)の周波数の整数倍(ここでは2倍)である。インバータ回路(30)の入力電圧及びコンデンサ(24)の電圧(Vdc)は、例えば、それぞれ、最大値が最小値の2倍以上となるように大きく脈動する。
図2は、図1のコンデンサ(24)の電圧(Vdc)の例を示すグラフである。コンデンサ(24)の容量が比較的小さいので、ライン(L1,L2)を流れる電流は脈流となり、ライン(L1,L2)の間の電圧は、図2のように大きく変動する。図2の場合、電圧(Vdc)の最大値(VM)は交流電源(92)の電圧の最大値(例えば交流電源(92)の電圧の実効値が220Vの場合、約311V)付近であり、電圧(Vdc)の最小値は0Vである。
インバータ回路(30)は、モータ(94)を駆動する。具体的には、インバータ回路(30)は、コンバータ回路(16)から出力された直流を、駆動信号(DS)に基づいて交流に変換してモータ(94)に出力する。インバータ回路(30)は、並列に接続された複数のレグ(32U,32V,32W)を有している。U相のレグ(32U)は、上アームのスイッチング回路(34)と、上アームのスイッチング回路(34)に直列に接続された下アームのスイッチング回路(36)とを有する。レグ(32U)は、上アームのスイッチング回路(34)と下アームのスイッチング回路(36)とが接続された出力ノード(NU)からモータ(94)に相電流(IU)を出力する。
上アームのスイッチング回路(34)は、スイッチング素子としてのトランジスタと、これに逆並列に接続されたダイオードとを有する。このトランジスタは、例えばIGBT(insulated gate bipolar transistor)であり、駆動信号(DS)に含まれる、このスイッチング回路(34)に対応する信号によって駆動される。下アームのスイッチング回路(36)も、上アームのスイッチング回路(34)と同様に構成されている。下アームのスイッチング回路(36)は、駆動信号(DS)に含まれる、このスイッチング回路(36)に対応する信号によって駆動される。
V相のレグ(32V)及びW相のレグ(32W)も、U相のレグ(32U)と同様に構成されている。レグ(32V)は、その出力ノード(NV)からモータ(94)に相電流(IV)を出力する。レグ(32W)は、その出力ノード(NW)からモータ(94)に相電流(IW)を出力する。
駆動信号生成部(60)は、減算器(66)と、速度制御部(68)と、電流制御部(72)と、二相/三相変換部(74)と、PWM(pulse width modulation)変調部(76)と、二相電流演算部(80)とを有している。
二相電流演算部(80)は、直流リンク電流(ic)から、回転座標系における二相電流(id,iq)を求める。以下では、二相電流演算部(80)が求めた二相電流(id,iq)を「二相電流算出値」と命名する。この回転座標系は、モータ(94)の回転子に同期して、磁極位置(θe)と同じ速度で回転する。二相電流(id,iq)は、モータ(94)の3相の相電流である三相電流(IU,IV,IW)に対応する。また、二相電流演算部(80)は、モータ(94)の相電流(すなわち、インバータ回路(30)の出力の相電流)が正しく求められたか否かの判定を行う。二相電流(id,iq)と三相電流との間の変換は容易にできるので、二相電流(id,iq)が正しく求められたか否かの判定は、モータ(94)の相電流が正しく求められたか否かの判定に等しい。
相電流が正しく求められたと判定した場合には、二相電流演算部(80)は、二相電流(id,iq)の最新値(すなわち最新の二相電流算出値)を二相電流(ids,iqs)として出力する。相電流が正しく求められなかったと判定した場合には、二相電流演算部(80)は、後述する電流指令値(idr,iqr)を二相電流(ids,iqs)として出力する。なお、図1では、便宜上、二相電流演算部(80)に電圧(vc)及び磁極位置(θe)が入力されているが、これらは、以下で説明する二相電流演算部(80)の変形例で用いられ得る信号である。
減算器(66)は、駆動信号生成部(60)の外部から入力された速度指令値(ωref)から、位置/速度検出部(52)で求められた回転子の回転速度(ωm)を減算し、減算結果を出力する。速度制御部(68)は、減算器(66)の減算結果に基づいてトルク指令値(Tmr)を求めて出力する。電流指令生成部(71)は、トルク指令値(Tmr)に基づいて、モータ(94)に対する電流指令値(idr,iqr)を求めて出力する。電流制御部(72)は、電流指令値(idr,iqr)と、二相電流演算部(80)の出力との偏差に基づいて、電圧指令値(vdr,vqr)を求めて出力する。
二相/三相変換部(74)は、電圧指令値(vdr,vqr)及び磁極位置(θe)に基づいて、電圧指令値(vur,vvr,vwr)を求めて出力する。PWM変調部(76)は、電圧指令値(vur,vvr,vwr)及びコンデンサ(24)の電圧(vc)に基づいて、PWM変調された駆動信号(DS)を求めて出力する。駆動信号(DS)に含まれる各信号は、必要に応じて増幅されて、インバータ回路(30)の対応するスイッチング素子に与えられる。
つまり、相電流が正しく求められたと二相電流演算部(80)によって判定された場合には、駆動信号生成部(60)は、二相電流(id,iq)の最新値(二相電流算出値の最新値)に基づいて駆動信号(DS)を生成する。相電流が正しく求められなかったと判定された場合には、駆動信号生成部(60)は、電流指令値(idr,iqr)と二相電流(id,iq)の値とに差がない場合に相当する駆動信号(DS)を生成する。二相電流演算部(80)について、以下により詳しく説明する。
図3は、図1の二相電流演算部(80)の構成例を示すブロック図である。二相電流演算部(80)は、電流変換部(81)と、電流推定部(83)と、判定部(88)と、選択部(89)とを有する。電流推定部(83)は、線形補間部(86A,86B)を有する。選択部(89)は、セレクタ(91A,91B)を有する。以下では、参照符号に付された(n)は、n番目のサンプル値であることを示す(nは整数)。
電流変換部(81)は、磁極位置(θe)と駆動信号(DS)を用いて、直流リンク電流(ic)から、モータ(94)の三相電流(IU,IV,IW)の瞬時値をそれぞれ示す値を、三相電流(iu,iv,iw)として求める。インバータ回路(30)の直流リンク電流(ic)から三相電流(iu,iv,iw)を求める方法については、例えば前述の非特許文献1に記載されているように、当業者にはよく知られている。なお、電流変換部(81)が、入力電流(Idc)が流れる電流検出部(28)の抵抗の電圧から直流リンク電流(ic)を求めてもよい。
電流変換部(81)は、三相電流(iu,iv,iw)を、固定座標系における二相電流(iα,iβ)に変換し、更に、回転座標系(d−q座標系)における二相電流(id,iq)に、磁極位置(θe)を用いて変換する。このような三相電流(iu,iv,iw)から二相電流(id,iq)への変換は、一般にd−q変換と呼ばれる。つまり、電流変換部(81)は、インバータ回路(30)へ流れる直流リンク電流(ic)に基づいて、二相電流(id,iq)を二相電流算出値として求めるのである。
電流推定部(83)は、二相電流(id,iq)の各成分について過去の値を線形補間することによって、二相電流(id,iq)の推定値(二相電流推定値と命名する)を求める。二相電流(id,iq)は、d軸電流(id)とq軸電流(iq)とを含む。線形補間部(86A)は、d軸電流(id)の過去の値を格納している。線形補間部(86B)は、q軸電流(iq)の過去の値を格納している。
線形補間部(86A)は、d軸電流の最新値(id(n))の1つ前のサンプル値(id(n-1))及び2つ前のサンプル値(id(n-2))を用いて、線形補間によってd軸電流の最新値(id(n))の推定を行う。つまり、線形補間部(86A)は、d軸電流の推定値(id(n)’)を、
id(n)’ = id(n-1)+(id(n-1)-id(n-2))
によって求めて出力する。
同様に、線形補間部(86B)は、q軸電流の最新値(iq(n))の1つ前のサンプル値(iq(n-1))及び2つ前のサンプル値(iq(n-2))を用いて、線形補間によってq軸電流の最新値(iq(n))の推定を行う。つまり、線形補間部(86B)は、q軸電流の推定値(iq(n)’)を、
iq(n)’ = iq(n-1)+(iq(n-1)-iq(n-2))
によって求めて出力する。
判定部(88)は、二相電流の各成分について、電流変換部(81)で求められた最新値(id(n)又はiq(n))と電流推定部(83)で求められた推定値(id(n)’又はiq(n)’)との差を求め、求められた差に基づいて、モータ(94)の相電流が正しく求められたか否かの判定を行う。より具体的には、判定部(88)は、電流変換部(81)で求められたd軸電流の値(id(n))と線形補間部(86A)で求められたd軸電流の推定値(id(n)’)との差、
ide(n)’ = id(n)-id(n)’ = id(n)-2・id(n-1)+id(n-2)
及び、電流変換部(81)で求められたq軸電流の値(iq(n))と線形補間部(86B)で求められたq軸電流の推定値(iq(n)’)との差、
iqe(n)’ = iq(n)-iq(n)’ = iq(n)-2・iq(n-1)+iq(n-2)
を求める。更に、判定部(88)は、差(ide(n)’)が所定の閾値(thd)以下、又は、差(iqe(n)’)が所定の閾値(thq)以下である場合に、二相電流(id,iq)が正しく求められた、すなわち、モータ(94)の相電流が正しく求められたと判定する。判定部(88)は、差(ide(n)’)が閾値(thd)より大きく、かつ、差(iqe(n)’)が閾値(thq)より大きい場合に、二相電流(id,iq)が正しく求められなかった、すなわち、モータ(94)の相電流が正しく求められなかったと判定する。判定部(88)は、判定結果を選択信号(ss)としてセレクタ(91A,91B)に出力する。
なお、判定部(88)は、差(ide(n)’及びiqe(n)’)を成分とするベクトルの大きさ
√(ide(n)’^2+iqe(n)’^2)
が所定の閾値(th)以下である場合に、相電流が正しく求められたと判定し、このベクトルの大きさが閾値(th)より大きい場合に、相電流が正しく求められなかったと判定してもよい。ここで、^2は2乗を表す。
相電流が正しく求められたと判定された場合には、セレクタ(91A,91B)は、d軸電流(id)及びq軸電流(iq)の最新値(id(n),iq(n))をそれぞれ選択し、d軸電流(ids)及びq軸電流(iqs)として出力する。相電流が正しく求められなかったと判定された場合には、セレクタ(91A,91B)は、電流指令生成部(71)で求められた、d軸電流指令値(idr)及びq軸電流指令値(iqr)をそれぞれ選択し、d軸電流(ids)及びq軸電流(iqs)として出力する。つまり、二相電流演算部(80)からは、相電流が正しく求められた場合には、最新の二相電流算出値が二相電流(id,iq)の値として出力され、相電流が正しく求められなかった場合には、電流指令値(idr,iqr)が二相電流(id,iq)の値として出力される。
電流制御部(72)は、電流指令値(idr,iqr)と、二相電流演算部(80)の出力との偏差に基づいて、電圧指令値(vdr,vqr)を求めて出力する。例えば、電流制御部(72)では、相電流が正しく求められなかったと判定された場合において、二相電流演算部(80)から電流指令値(idr,iqr)が二相電流(id,iq)の値として入力されることにより、電流指令値(idr,iqr)と二相電流(id,iq)との偏差がゼロであるものとして、電圧指令値(vdr,vqr)が生成されることになる。すなわち、相電流が正しく求められなかったと判定された場合には、駆動信号生成部(60)において、電流指令値(idr,iqr)と、二相電流(id,iq)の値とに差がない場合(上記偏差がゼロの場合)に相当する駆動信号(DS)が生成される。なお、相電流が正しく求められた場合には、電流制御部(72)では、電流指令値(idr,iqr)と、二相電流算出値との偏差に応じた電圧指令値(vdr,vqr)が生成されることになる。
そして、PWM変調部(76)では、電圧指令値(vdr,vqr)に応じた駆動信号(DS)が生成される。
〈本実施形態における効果〉
このように、判定部(88)は、電流変換部(81)で求められたd軸電流の値(id(n))とd軸電流の推定値(id(n)’)との差(ide(n)’)、及び、電流変換部(81)で求められたq軸電流の値(iq(n))とq軸電流の推定値(iq(n)’)との差(iqe(n)’)に基づいて、モータ(94)の相電流が正しく求められたか否かを判定する。このように回転座標系における電流に基づいて判定を行うので、判定部(88)は、モータ(94)の固定座標系における三相電流の位相によらず、安定した判定を行うことができる。また、二相電流の最新値(id(n),iq(n))が推定値(id(n)’,iq(n)’)とは大きく異なるような場合には、判定部(88)は、相電流が正しく求められなかったと判定することができる。
電流推定部(83)は、線形補間を行うので、比較的簡単に二相電流の推定値(id(n)’,iq(n)’)を求めることができる。二相電流演算部(80)は、相電流が正しく求められなかった場合には、電流指令値(idr,iqr)を選択して出力する。このため、二相電流演算部(80)は、大きな誤差を含んだ二相電流を出力しないようにすることができる。したがって、インバータ回路(30)への入力電圧が低下したこと等に起因して、モータ(94)の相電流が正しく求められない場合に、駆動信号生成部(60)が大きな誤差を含んだ電流値に基づいて駆動信号(DS)を生成することを防ぐことができ、インバータ回路(30)によって駆動されるモータ(94)を安定して運転することができる。
また、電流推定部(83)は、回転座標系におけるd軸電流(id)及びq軸電流(iq)を用いた線形補間を行う。このため、固定座標系におけるモータ(94)の相電流を用いた線形補間と比べると、インバータ回路(30)の出力周波数(これはモータ(94)の回転速度及びモータの極対数に依存する)によらず、安定した精度で電流の推定が可能となる。特に、小容量コンデンサを用いたインバータ回路のように、モータトルクを脈動させるためにインバータ回路の出力電流を脈動させるような場合には、その効果が大きくなる。
《発明の実施形態2》
図4は、図3の二相電流演算部(80)の変形例を示すブロック図である。図1の駆動信号生成部(60)は、二相電流演算部(80)に代えて図4の二相電流演算部(280)を有してもよい。図4の二相電流演算部(280)は、電流推定部(83)に代えて電流推定部(283)を有する点が、図3の二相電流演算部(80)とは異なっている。その他の点については、二相電流演算部(80)とほぼ同様であるので、説明を省略する。
電流推定部(283)は、振幅演算部(85)と、線形補間部(86A,86B)と、電流算出部(87)とを有する。電流推定部(283)は、二相電流(id,iq)の振幅及び位相のそれぞれについて過去の値を線形補間することによって、二相電流(id,iq)の振幅及び位相のそれぞれの推定値(すなわち二相電流推定値)を求める。
振幅演算部(85)は、二相電流(id,iq)の振幅、すなわち、d軸電流(id)とq軸電流(iq)とのベクトル和の大きさ(idq)を、
idq = √(id^2+iq^2)
によって求め、線形補間部(86A)に出力する。電流変換部(81)は、二相電流(id,iq)に加えて、その位相、すなわち、d軸電流(id)とq軸電流(iq)とのベクトル和の回転座標系における位相(β)も求め、線形補間部(86B)に出力する。線形補間部(86A)は、このようなベクトル和の大きさ(idq)の過去の値を格納している。線形補間部(86B)は、ベクトル和の位相(β)の過去の値を格納している。
線形補間部(86A)は、ベクトル和の大きさの最新値(idq(n))の1つ前のサンプル値(idq(n-1))及び2つ前のサンプル値(idq(n-2))を用いて、線形補間によってベクトル和の大きさ(idq(n))の推定を行う。つまり、線形補間部(86A)は、ベクトル和の大きさの推定値(idq(n)’)を、
idq(n)’ = idq(n-1)+(idq(n-1)-idq(n-2))
によって求めて出力する。
同様に、線形補間部(86B)は、ベクトル和の位相の最新値(β(n))の1つ前のサンプル値(β(n-1))及び2つ前のサンプル値(β(n-2))を用いて、線形補間によってベクトル和の位相(β(n))の推定を行う。つまり、線形補間部(86B)は、ベクトル和の位相の推定値(β(n)’)を、
β(n)’ = β(n-1)+(β(n-1)-β(n-2))
によって求めて出力する。
電流算出部(87)は、二相電流の推定値の成分であるd軸電流の推定値(id(n)’)及びq軸電流の推定値(iq(n)’)を、
id(n)’ = -idq(n)’・cosβ(n)’
iq(n)’ = idq(n)’・sinβ(n)’
によって求め、判定部(88)に出力する。
判定部(88)は、モータ(94)の相電流が正しく求められたか否かの判定を、電流変換部(81)で求められたd軸電流の値(id(n))と電流算出部(87)で求められたd軸電流の推定値(id(n)’)との差、及び、電流変換部(81)で求められたq軸電流の値(iq(n))と電流算出部(87)で求められたq軸電流の推定値(iq(n)’)との差、に基づいて行い、その結果を選択信号(ss)としてセレクタ(91A,91B)に出力する。判定部(88)及びセレクタ(91A,91B)の詳細については、図3の二相電流演算部(80)と同様である。より具体的には、判定部(88)は、差(id(n)’-id(n))が所定の閾値(thd)以下、又は、差(iq(n)’-iq(n))が所定の閾値(thq)以下である場合に、相電流が正しく求められたと判定する。
このように、電流推定部(283)は、二相電流の振幅及び位相のそれぞれを推定することによって、二相電流の推定値(id(n)’,iq(n)’)を求めることができる。二相電流演算部(280)は、相電流が正しく求められた場合には、d軸電流(id)及びq軸電流(iq)の最新値(id(n),iq(n))を出力し、相電流が正しく求められなかった場合には、電流指令値(idr,iqr)を出力する。このため、相電流が正しく求められない場合に、駆動信号生成部(60)が大きな誤差を含んだ電流値に基づいて駆動信号(DS)を生成することを防ぐことができる。
《発明の実施形態3》
図5は、図3の二相電流演算部(80)の他の変形例を示すブロック図である。図1の駆動信号生成部(60)は、二相電流演算部(80)に代えて図5の二相電流演算部(380)を有してもよい。図5の二相電流演算部(380)は、電圧変換部(82)を更に有し、電流推定部(83)に代えて電流推定部(383)を有する点が、図3の二相電流演算部(80)とは異なっている。その他の点については、二相電流演算部(80)とほぼ同様であるので、説明を省略する。
電圧変換部(82)は、PWM変調部(76)で求められた駆動信号(DS)と、コンデンサ(24)の電圧(vc)とから、インバータ回路(30)の出力電圧である各相の電圧(vu,vv,vw)を求める。更に、電圧変換部(82)は、磁極位置(θe)を用いて、電圧(vu,vv,vw)を前述の回転座標系における二相電圧(vd,vq)に変換する。電流推定部(383)は、過去の二相電流(id,iq)の値(すなわち、過去の二相電流算出値)、及び過去の二相電圧(vd,vq)の値に基づいて、モータ(94)についての電圧方程式を用いて、二相電流(id,iq)の推定値(id’,iq’)、すなわち二相電流推定値を求める。
モータ(94)における電圧方程式は、d軸電圧(vd)、q軸電圧(vq)、d軸電流(id)、q軸電流(iq)、モータ巻線抵抗(R)、d軸インダクタンス(Ld)、q軸インダクタンス(Lq)、鎖交磁束数(φ)、回転子の回転速度(電気角周波数)(ω)、及び微分演算子(p)を用いて、一般に、
vd = R・id + p・Ld・id - ω・Lq・iq
vq = R・iq + p・Lq・iq + ω・Ld・id + ω・φ
で表すことができる。
モータ(94)の端子電圧の前回の値をvd(n-1)、vq(n-1)、d軸電流及びq軸電流の前回の値をid(n-1)及びiq(n-1)、回転子の電気角周波数の前回の値をω(n-1)、サンプリング周波数をfsとする。id(n-1)及びiq(n-1)は、それぞれ、d軸電流及びq軸電流の最新値id(n)、iq(n)の1つ前のサンプル時の値である。このとき、電圧方程式は、
vd(n-1) = R・id(n-1) + Ld・{id(n)-id(n-1)}・fs - ω(n-1)・Lq・iq(n-1)
vq(n-1) = R・iq(n-1) + Lq・{iq(n)-iq(n-1)}・fs + ω(n-1)・Ld・id(n-1) + ω(n-1)・φ
となる。
これらの式をid(n)及びiq(n)について解くと、d軸電流の推定値(id(n)’)及びq軸電流の推定値(iq(n)’)が求められる。したがって、電流推定部(383)は、d軸電流の推定値(id(n)’)及びq軸電流の推定値(iq(n)’)を、
id(n)’ = id(n-1) + {vd(n-1)-R・id(n-1)+ω(n-1)・Lq・iq(n-1)}/(Ld・fs)
iq(n)’ = iq(n-1) + {vq(n-1)-R・iq(n-1)-ω(n-1)・Ld・id(n-1)-ω(n-1)・φ}/(Lq・fs)
によって求め、判定部(88)に出力する。
判定部(88)は、モータ(94)の相電流が正しく求められたか否かの判定を、電流変換部(81)で求められたd軸電流の値(id(n))と電流推定部(383)で求められたd軸電流の推定値(id(n)’)との差、及び、電流変換部(81)で求められたq軸電流の値(iq(n))と電流推定部(383)で求められたq軸電流の推定値(iq(n)’)との差、に基づいて行い、その結果を選択信号(ss)としてセレクタ(91A,91B)に出力する。判定部(88)及びセレクタ(91A,91B)の詳細については、図3の二相電流演算部(80)と同様である。
このように、電流推定部(383)は、電圧方程式を用いるので、より正確に二相電流の推定値(id(n)’,iq(n)’)を求めることができる。二相電流演算部(380)は、相電流が正しく求められた場合には、d軸電流(id)及びq軸電流(iq)の最新値(id(n),iq(n))を出力し、相電流が正しく求められなかった場合には、電流指令値(idr,iqr)を出力する。このため、相電流が正しく求められない場合に、駆動信号生成部(60)が大きな誤差を含んだ電流値に基づいて駆動信号(DS)を生成することを防ぐことができる。
《発明の実施形態4》
図6は、図3の二相電流演算部(80)の他の変形例を示すブロック図である。図1の駆動信号生成部(60)は、二相電流演算部(80)に代えて図6の二相電流演算部(480)を有してもよい。二相電流演算部(480)は、判定部(88)及び電流推定部(83)に代えて判定部(288)及び電流推定部(483)を有する点が、図3の二相電流演算部(80)とは異なっている。その他の点については、二相電流演算部(80)とほぼ同様であるので、説明を省略する。
電流推定部(483)は、レジスタ(84A,84B)を有している。レジスタ(84A)は、電流変換部(81)で求められたd軸電流の値(id)を記憶し、1サンプル分の時間、遅延させて判定部(288)に出力する。レジスタ(84B)は、電流変換部(81)で求められたq軸電流の値(iq)を記憶し、1サンプル分の時間、遅延させて判定部(288)に出力する。つまり、レジスタ(84A)は、d軸電流の値(id(n-1))をd軸電流の推定値(id(n)’)として出力する。レジスタ(84B)は、q軸電流の値(iq(n-1))をq軸電流の推定値(iq(n)’)として出力する。つまり、電流推定部(483)は、過去に求めた二相電流算出値に基づいて二相電流推定値を求めている。
判定部(288)は、d軸電流の値(id(n))及びq軸電流の値(iq(n))が検出された時点におけるコンデンサ(24)の電圧(vc)を検出する。判定部(288)は、推定された二相電流(id(n)’,iq(n)’)に対して二相−三相変換を行って、推定された3相の相電流を求める。
判定部(288)は、コンデンサ(24)の電圧が所定値以上である場合には、モータ(94)の相電流が正しく求められたと判定する。この所定値は、インバータ回路(30)に含まれるスイッチング素子(すなわち、スイッチング回路(34,36等)のスイッチング素子)のオン電圧以上の値である。判定部(288)は、コンデンサ(24)の電圧がこの所定値未満である場合には、相電流が正しく求められなかったと判定する。
スイッチング素子のオン電圧は、例えば、そのスイッチング素子の相の推定された相電流がそのスイッチング素子に流れることによって生じる電圧である。スイッチング素子としてIGBTが用いられる場合、スイッチング素子のオン電圧は、そのIGBTのコレクタ−エミッタ間電圧である。そのIGBTについて、コレクタ−エミッタ間電流に対するコレクタ−エミッタ間電圧の関係を、関数として予め求めておき、判定部(288)が記憶しておく。
インバータ回路(30)の入力電圧が低下し、コンデンサ(24)の電圧がインバータ回路(30)に含まれるスイッチング素子のオン電圧未満である場合には、本来電流が流れないはずのアームの回路に電流が流れてしまう。この場合、電流検出部(28)には各相電流の一部しか流れないので、電流検出部(28)によって相電流を正しく求めることができない。この場合、判定部(288)は、相電流が正しく求められなかったと判定する。
判定部(288)は、判定結果を選択信号(ss)としてセレクタ(91A,91B)に出力する。セレクタ(91A,91B)については、図3の二相電流演算部(80)と同様である。
このように、判定部(288)は、コンバータ回路(16)とインバータ回路(30)との間の直流リンクに接続されたコンデンサ(24)の電圧に基づいて、モータ(94)の相電流が正しく求められたか否かを判定することができる。また、電流推定部(483)においては、演算によって二相電流の推定値を求める必要がないので、処理が簡単になる。
《発明の実施形態5》
図7は、図3の二相電流演算部(80)の他の変形例を示すブロック図である。図1の駆動信号生成部(60)は、二相電流演算部(80)に代えて図7の二相電流演算部(580)を有してもよい。二相電流演算部(580)は、電流推定部(483)に代えて図3の電流推定部(83)を有する点が、図6の二相電流演算部(480)とは異なっている。その他の点については、二相電流演算部(480)とほぼ同様である。また、二相電流演算部(580)が、電流推定部(83)に代えて、図4の電流推定部(283)又は図5の電流推定部(383)を有してもよい。
このように、図3〜図5の電流推定部(83,283,383)のいずれかが用いられた場合にも、判定部(288)は、コンバータ回路(16)とインバータ回路(30)との間の直流リンクに接続されたコンデンサ(24)の電圧に基づいて、モータ(94)の相電流が正しく求められたか否かを判定することができる。
なお、図6及び図7の判定部(288)は、スイッチング素子のオン電圧として、インバータ回路(30)の最大出力電流がそのスイッチング素子に流れる場合の、そのスイッチング素子のオン電圧を用いてもよい。この場合、判定部(288)は、d軸電流の推定値(id(n)’)及びq軸電流の推定値(iq(n)’)を用いる必要はない。また、判定部(288)は、コンデンサ(24)の電圧(vc)に代えてインバータ回路(30)の入力電圧を検出してもよい。
《発明の実施形態6》
図8は、図3の二相電流演算部(80)の他の変形例を示すブロック図である。図1の駆動信号生成部(60)は、二相電流演算部(80)に代えて図8の二相電流演算部(680)を有してもよい。図8の二相電流演算部(680)は、判定部(288)に代えて判定部(388)を有する点が、図7の二相電流演算部(580)とは異なっている。その他の点については、二相電流演算部(580)とほぼ同様であるので、説明を省略する。
判定部(388)は、図3の判定部(88)と同様に、d軸電流の値(id(n))とd軸電流の推定値(id(n)’)との差(ide(n)’)、及び、q軸電流の値(iq(n))とq軸電流の推定値(iq(n)’)との差(iqe(n)’)に基づいて、モータ(94)の相電流が正しく求められたか否かの判定を行う。これを第1判定と称する。また、判定部(388)は、図6の判定部(288)と同様に、3相の相電流を求め、コンバータ回路(16)とインバータ回路(30)との間の直流リンクに接続されたコンデンサ(24)の電圧(vc)に基づいて、モータ(94)の相電流が正しく求められたか否かの判定を行う。これを第2判定と称する。
判定部(388)は、第1判定及び第2判定の両方において相電流が正しく求められたと判定された場合には、モータ(94)の相電流が正しく求められたとの最終的な判定を行う。一方、判定部(388)は、第1判定及び第2判定のいずれかにおいて相電流が正しく求められなかったと判定された場合には、モータ(94)の相電流が正しく求められなかったとの最終的な判定を行う。
これによると、モータ(94)の相電流が正しく求められたとの判定が誤ってされる可能性を小さくすることができる。このため、駆動信号生成部(60)が大きな誤差を含んだ電流値に基づいて駆動信号(DS)を生成することをより確実に防ぐことができ、インバータ回路(30)によって駆動されるモータ(94)をより安定して運転することができる。
判定部(388)は、次のように最終的な判定を行ってもよい。すなわち、判定部(388)は、第1判定及び第2判定のいずれかにおいて相電流が正しく求められたと判定された場合には、モータ(94)の相電流が正しく求められたとの最終的な判定を行う。一方、判定部(388)は、第1判定及び第2判定の両方において相電流が正しく求められなかったと判定された場合には、モータ(94)の相電流が正しく求められなかったとの最終的な判定を行う。
これによると、モータ(94)の相電流が正しく求められなかったとの判定が誤ってされる可能性を小さくすることができる。
なお、二相電流演算部(680)が、電流推定部(83)に代えて、図4の電流推定部(283)又は図5の電流推定部(383)を有してもよい。
《発明の実施形態7》
図9は、図1の電力変換装置(100)の変形例を示すブロック図である。図9の電力変換装置(200)は、駆動信号生成部(60)に代えて駆動信号生成部(260)を有し、位置/速度検出部(52)を有しない点が、図1の電力変換装置(100)とは異なっている。駆動信号生成部(260)は、二相電流演算部(80)に代えて磁極位置/速度推定部(63)及び二相電流演算部(380)を有する点が、図1の駆動信号生成部(60)とは異なっている。駆動信号生成部(260)のその他の点については、駆動信号生成部(60)とほぼ同様であるので、説明を省略する。
磁極位置/速度推定部(63)は、コンデンサ(24)の電圧(vc)、並びに直流リンク電流(ic)及び駆動信号(DS)に基づいて、インバータ回路(30)によって駆動されるモータ(94)の回転子の回転速度(ωm)及び磁極位置(θe)を推定し、出力する。減算器(66)は、速度指令値(ωref)から、磁極位置/速度推定部(63)で求められた回転子の回転速度(ωm)を減算し、減算結果を出力する。その他の点については、図9の電力変換装置(200)は、図1の電力変換装置(100)とほぼ同様に構成されている。
図9の電力変換装置(200)によると、磁極位置/速度推定部(63)がモータ(94)の回転子の回転速度(ωm)及び磁極位置(θe)を推定するので、磁極位置を検出するためのセンサを有する位置/速度検出部(52)が不要となる。このため、装置の低コスト化を図ることができる。
《発明の実施形態8》
図10は、モータ(94)の回転子の磁極位置(θe)の例を示すグラフである。図10に示されているように、モータ(94)の回転子が一定の速度で回転している場合、時刻T(n-2),T(n-1),T(n)における磁極位置は、それぞれθe(n-2),θe(n-1),θe(n)である。磁極位置のサンプリング間隔(ts)は、
ts = T(n-1)-T(n-2) = T(n)-T(n-1)
である。磁極位置/速度推定部(63)は、次のように動作してもよい。
磁極位置/速度推定部(63)は、例えば二相電流演算部(80,280,380,480,580又は680)と同様に、モータ(94)の相電流が正しく求められたか否かの判定を行う。磁極位置/速度推定部(63)は、そのような判定結果を、二相電流演算部(80,280,380,480,580又は680)から受信してもよい。相電流が正しく求められない場合には、磁極位置/速度推定部(63)は、磁極位置(θe(n))の代わりに、誤った磁極位置(θa)を求めてしまうことがある。磁極位置/速度推定部(63)が誤った磁極位置を出力すると、モータ(94)の運転に悪影響を与える。そこで、相電流が正しく求められなかったと判定された場合、磁極位置/速度推定部(63)は、過去の磁極位置から現在の磁極位置(θe(n))を推定する。
回転子の回転速度が一定の場合、サンプリング間隔(ts)毎の磁極位置の変化は一定であるので、磁極位置/速度推定部(63)は、過去の磁極位置(θe(n-1),θe(n-2))を用いて、
θe(n) = θe(n-1)+(θe(n-1)-θe(n-2))
によって現在の磁極位置(θe(n))を推定する。また、磁極位置/速度推定部(63)は、速度指令値(ωref)を用いて、
θe(n) = θe(n-1)+ωref・ts
によって現在の磁極位置(θe(n))を推定してもよい。
このような磁極位置/速度推定部(63)によると、ほぼ正しい磁極位置(θe(n))を求めることができるので、インバータ回路(30)によって駆動されるモータ(94)を安定して運転することができる。
二相/三相変換部(74)は、相電流が正しく求められなかったと判定された場合には、電圧指令値(vdr,vqr)として、それぞれの1つ前のサンプル値を用いてもよい。つまり、二相/三相変換部(74)は、vdr(n)に代えてvdr(n-1)を用い、vqr(n)に代えてvqr(n-1)を用いるようにしてもよい。この際、二相/三相変換部(74)は、上述のように磁極位置/速度推定部(63)で過去の磁極位置から推定された磁極位置を用いる。すると、電流制御部(72)による誤った演算結果が電圧指令値(vdr,vqr)として使われないので、モータ(94)をより安定して運転することができる。
本明細書における各機能ブロックは、典型的にはハードウェアで実現され得る。代替としては各機能ブロックの一部又は全ては、ソフトウェアで実現され得る。例えばそのような機能ブロックは、プロセッサ及びプロセッサ上で実行されるプログラムによって実現され得る。換言すれば、本明細書で説明される各機能ブロックは、ハードウェアで実現されてもよいし、ソフトウェアで実現されてもよいし、ハードウェアとソフトウェアとの任意の組合せで実現され得る。
以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本開示は、電力変換装置等について有用である。
16 コンバータ回路
24 コンデンサ
30 インバータ回路
60 駆動信号生成部
94 モータ
100 電力変換装置
200 電力変換装置
260 駆動信号生成部

Claims (1)

  1. 交流を直流に変換するコンバータ回路(16)と、
    上記コンバータ回路(16)が出力した直流を、駆動信号(DS)に基づいて交流に変換してモータ(94)に出力するインバータ回路(30)と、
    上記モータ(94)の回転子に同期する回転座標系における二相電流の値を、上記コンバータ回路(16)から上記インバータ回路(30)へ流れる直流リンク電流(ic)に基づいて二相電流算出値として求めるとともに、該二相電流算出値が正しいか否かを判定し、正しいと判定した場合には、該二相電流算出値に基づいて上記駆動信号(DS)を生成し、正しい値ではないと判定した場合には、上記モータ(94)に対する電流指令値(idr,iqr)と、上記二相電流の値とに差がない場合に相当する上記駆動信号(DS)を生成する駆動信号生成部(60,260)と、
    上記コンバータ回路(16)の出力ライン間に接続されたコンデンサ(24)を備え、
    上記駆動信号生成部(60,260)は、上記コンデンサ(24)の電圧が所定閾値以上である場合には、上記二相電流算出値が正しく求められたと判定し、上記コンデンサ(24)の電圧が上記所定閾値未満である場合には、該二相電流算出値が正しく求められなかったと判定することを特徴とする電力変換装置。
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