JP6459710B2 - q軸インダクタンスの推定方法及び推定装置 - Google Patents

q軸インダクタンスの推定方法及び推定装置 Download PDF

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Description

本発明は、モータを制御する技術に関する。
モータの制御をするためには、モータの磁極位置を知る必要がある。位置センサを用いることによって磁極位置を知ることができるが、コストがかかり、位置センサが故障するとモータの制御ができなくなることがある。このため、位置センサを用いずに磁極位置を推定することがよく行われている。また、モータの機器定数にはばらつきがあるので、モータの電圧方程式から推定される磁極位置には誤差が生じる。例えば特許文献1には、モータ電流が零になるときの磁極位置の推定値を正しい磁極位置と見なすことによって、q軸インダクタンスの修正を行い、より正確に磁極位置を推定する技術が記載されている。
特開2005−130691号公報
陳志謙、他3名,「突極型ブラシレスDCモータのセンサレス位置推定法と安定性の検討」,平成10年電気学会産業応用部門全国大会論文集,No.59,1998年,p.179−182 坂本潔、他2名,「軸誤差の直接推定演算によるIPMモータの位置センサレス制御」,電気学会半導体電力変換/産業電力電気応用合同研究会資料,2000年11月,SPC−00−67,p.73−76
しかしながら、特許文献1の技術によると、モータ電流が零にならない場合には、q軸インダクタンスを正確に推定することが困難であるという問題がある。
本発明は、モータ電流が零にならなくても、より正確にq軸インダクタンスを推定することを目的とする。
本発明に係る第1のq軸インダクタンスの推定方法は、(a)トルク変動が生じるようにモータ(4)を制御し、(b)上記モータ(4)の電流値(iu,iv,iw)、及びq軸インダクタンスの推定値(Lq^)に基づいて上記モータ(4)の磁極位置の推定値(θe1^)を求め、(c)上記トルク変動によって生じた、上記磁極位置の推定値(θe1^)の変動に基づいて、上記q軸インダクタンスの推定値(Lq^)を更新する。
これによると、トルク変動によって生じた、磁極位置の推定値(θe1^)の変動に基づいて、q軸インダクタンスの推定値(Lq^)を更新する。このため、モータ(4)の電流が零にならなくても、q軸インダクタンスの推定値(Lq^)をより正確に求めることができる。
本発明に係る第2のq軸インダクタンスの推定方法では、第1のq軸インダクタンスの推定方法において、上記モータ(4)を駆動するインバータ回路(80)には、交流電源が供給する交流を整流して得られた脈動する直流が入力され、上記(a)の処理では、上記インバータ回路(80)の入力電圧の脈動に同期して上記トルク変動が生じるように制御する。
これによると、インバータ回路(80)の入力電圧の脈動に同期してトルク変動が生じるようにするので、トルク変動を生じさせるための位相を生成する必要がない。
本発明に係る第3のq軸インダクタンスの推定方法では、第2のq軸インダクタンスの推定方法において、上記トルク変動の周波数は、上記交流電源が供給する交流の周波数の2倍の周波数である。
これによると、モータ(4)のトルク変動が、交流電源が供給する交流の周波数の2倍の周波数となることを利用することができる。
本発明に係る第4のq軸インダクタンスの推定方法は、第1のq軸インダクタンスの推定方法において、上記(c)の処理では、上記磁極位置の推定値(θe1^)の、上記トルク変動と同じ周波数の成分を求め、上記トルク変動と同じ周波数の成分が零に近づくように、上記q軸インダクタンスの推定値(Lq^)を更新する。
これによると、トルク変動と同じ周波数の成分が零に近づくように、q軸インダクタンスの推定値(Lq^)を更新する。このため、更新により、q軸インダクタンスの推定値(Lq^)をより正確に求めることができる。
本発明に係る第5のq軸インダクタンスの推定方法は、第1〜第4のいずれか1つのq軸インダクタンスの推定方法において、上記(b)及び(c)の処理を、所定の条件が満たされるまで繰り返す。
これによると、所定の条件が満たされるまでq軸インダクタンスの推定値(Lq^)が更新されるので、より正確なq軸インダクタンスの推定値(Lq^)を求めることができる。
本発明に係る第6のq軸インダクタンスの推定方法は、第1又は第4のq軸インダクタンスの推定方法において、上記(c)の処理では、上記磁極位置の推定値(θe1^)を平滑化し、その結果(θef1^)と上記磁極位置の推定値(θe1^)との差を、上記トルク変動によって生じた、上記磁極位置の推定値(θe1^)の変動として求める。
これによると、トルク変動によって生じた、磁極位置の推定値(θe1^)の変動を求めることができる。
本発明に係る第7のq軸インダクタンスの推定方法は、第1のq軸インダクタンスの推定方法において、上記(c)の処理では、上記トルク変動によって生じた、上記磁極位置の推定値(θe1^)の変動成分を、上記トルク変動によって生じた上記モータ(4)の回転速度の変動の影響を除去してから用いる。
これによると、トルク変動を生じさせることによって生じたモータ(4)の回転速度の変動の影響を除去するので、q軸インダクタンスの推定値(Lq^)をより正確に求めることができる。
本発明に係るq軸インダクタンスの推定装置は、トルク変動が生じるようにモータ(4)を制御する変動生成部(40,214)と、前記モータ(4)の電流値(iu,iv,iw)、及びq軸インダクタンスの推定値(Lq^)に基づいて上記モータ(4)の磁極位置の推定値(θe1^)を求める磁極位置推定部(34)と、上記トルク変動によって生じた、上記磁極位置の推定値(θe1^)の変動に基づいて、上記q軸インダクタンスの推定値(Lq^)を更新するインダクタンス推定部(50;250)とを有する。
これによると、インダクタンス推定部(50;250)は、トルク変動によって生じた、磁極位置の推定値(θe1^)の変動に基づいて、q軸インダクタンスの推定値(Lq^)を更新する。このため、モータ(4)の電流が零にならなくても、q軸インダクタンスの推定値(Lq^)をより正確に求めることができる。
本発明によれば、モータ電流が零にならなくても、q軸インダクタンス(Lq^)をより正確に推定することができる。したがって、モータ(4)の磁極位置(θe1^)の推定や、モータ(4)の電流制御を、より正確に行うことができる。
図1は、本発明の実施形態に係る電力変換装置の構成例を示すブロック図である。 図2は、図1の電圧指令生成部の構成例を示すブロック図である。 図3は、図1のモータの磁極位置と座標軸との関係を示す説明図である。 図4は、図2の変動生成部及びインダクタンス推定部の構成例を示すブロック図である。 図5(a)は、図2の磁極位置推定部で求められた磁極位置の推定値等の例を示すグラフである。図5(b)は、図4の位相生成部の出力の例を示すグラフである。図5(c)は、トルク変動によって生じた、磁極位置の推定値の変動成分の例を示すグラフである。 図6は、q軸インダクタンスの近似式の例を示すグラフである。 図7は、q軸インダクタンスの近似式の他の例を示すグラフである。 図8は、図2の電圧指令生成部における処理の例を示すフローチャートである。 図9は、d軸電流値の制限範囲の例を示す図である。 図10は、図2の電圧指令生成部の変形例の構成を示すブロック図である。 図11は、図4のインダクタンス推定部の変形例の構成を示すブロック図である。 図12(a)は、図10の磁極位置推定部で求められた磁極位置の推定値等の例を示すグラフである。図12(b)は、図11のインダクタンス推定部で用いられる位相の例を示すグラフである。図12(c)は、トルク変動によって生じた、磁極位置の推定値の変動成分の例を示すグラフである。 図13は、図1の電力変換装置の変形例の構成を示すブロック図である。 図14は、図13のマトリクス回路のスイッチング回路の一例を示す回路図である。 図15は、図13のマトリクス回路のスイッチング回路の他の例を示す回路図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図面において同じ参照番号で示された構成要素は、同一の又は類似の構成要素である。
図1は、本発明の実施形態に係る電力変換装置の構成例を示すブロック図である。図1の電力変換装置(100)は、PWM(pulse width modulation)変調部(6)と、電圧指令生成部(10)と、リアクトル(72)と、コンバータ回路(76)と、コンデンサ(78)と、インバータ回路(80)とを有する。電力変換装置(100)は、交流電源(2)から供給された交流電力を三相の交流電力に変換してモータ(4)を駆動する。モータ(4)としては、例えば、いわゆるIPM(interior permanent magnet)モータが採用される。モータ(4)は、例えば、空気調和装置の圧縮機を駆動する。
コンバータ回路(76)は、リアクトル(72)を介して交流電源(2)に接続されている。この例では、コンバータ回路(76)は、4個のダイオードを有するダイオードブリッジ整流器である。これらのダイオードは、交流電源(2)からの交流を全波整流して直流に変換し、出力する。コンデンサ(78)は、コンバータ回路(76)の出力ノード(N1,N2)の間に接続されている。
インバータ回路(80)は、コンバータ回路(76)から出力された直流を交流に変換してモータ(4)に出力する。インバータ回路(80)は、並列に接続された複数のレグ(82U,82V,82W)を有している。U相のレグ(82U)は、上アームのスイッチング回路(84)と、上アームのスイッチング回路(84)に直列に接続された下アームのスイッチング回路(86)とを有する。レグ(82U)は、上アームのスイッチング回路(84)と下アームのスイッチング回路(86)とが接続された中間ノード(NU)からモータ(4)に駆動電流(IU)を出力する。
V相のレグ(82V)及びW相のレグ(82W)も、U相のレグ(82U)と同様に構成されている。レグ(82V)は、その中間ノード(NV)からモータ(4)に駆動電流(IV)を出力する。レグ(82W)は、その中間ノード(NW)からモータ(4)に駆動電流(IW)を出力する。
電圧指令生成部(10)は、速度指令値(ωref)、PWM変調部(6)で求められた電圧値(vu,vv,vw)、及びモータ(4)の各相の電流値(iu,iv,iw)に基づいて、電圧指令値(vu_ref,vv_ref,vw_ref)を生成し、PWM変調部(6)に出力する。電流値(iu,iv,iw)は、例えば、各レグ(82U,82V,82W)に直列に接続されたシャント抵抗を用いて測定される。PWM変調部(6)は、電圧指令値(vu_ref,vv_ref,vw_ref)に基づいて、駆動信号(DS)及びモータ(4)の各相の電圧値(vu,vv,vw)を求めて出力する。駆動信号(DS)には、それぞれがインバータ回路(80)の各スイッチング素子を制御する複数の信号が含まれている。これらの信号は、必要に応じて増幅されて、それぞれに対応するスイッチング素子の制御端子に与えられる。
図2は、図1の電圧指令生成部の構成例を示すブロック図である。図2の電圧指令生成部(10)は、速度制御部(12)と、電流指令生成部(14)と、加算器(15)と、電流制御部(16)と、座標変換部(22,24,26,28)と、磁極位置推定部(34)と、速度演算部(36)と、変動生成部(40)と、インダクタンス推定部(50)とを有する。磁極位置推定部(34)、変動生成部(40)、及びインダクタンス推定部(50)は、q軸インダクタンスの推定装置として動作する。
図3は、図1のモータの磁極位置と座標軸との関係を示す説明図である。図3には、α軸、β軸、d軸、q軸、d^軸、q^軸、及びモータ(4)のロータの回転軸である原点(C)が示されている。α軸とβ軸とは静止しており、原点(C)で互いに直交する。
d軸は、原点(C)からモータ(4)のロータのN極へ向かう軸であり、d軸は、原点(C)でq軸と直交する。d軸は、モータ(4)の磁極位置(θe)を示している。磁極位置(θe)は、α軸とd軸とがなす角度であって、α軸から反時計回りに測定される。d軸は、モータ(4)の回転速度(ω)で反時計回りに回転する。
d^軸は、原点(C)からモータ(4)のロータの推定されたN極へ向かう軸であり、d^軸は、原点(C)でq^軸と直交する。d^軸は、モータ(4)の磁極位置の推定値(θe1^)を示している。磁極位置の推定値(θe1^)は、α軸とd^軸とがなす角度であって、α軸から反時計回りに測定される。d^軸は、モータ(4)の推定回転速度(ω^)で反時計回りに回転する。
本明細書においては、電流、電圧等を表す符号に、軸を表す文字α,β,d,q,d^又はq^が付されることがある。各文字が付された符号は、その文字が表す軸の方向の成分を示す。角度は電気角で示される。
図2を参照して説明する。速度制御部(12)は、入力された速度指令値(ωref)とモータ(4)の推定回転速度(ω^)とに基づいてトルク指令値(Tm_ref)を求め、出力する。電流指令生成部(14)は、トルク指令値(Tm_ref)に基づいてd軸電流指令値(id_ref)及びq軸電流指令値(iq_ref1)を求め、出力する。変動生成部(40)は、位相(θs)及び電流値(iq_s)を生成して出力する。
加算器(15)は、q軸電流指令値(iq_ref1)に、変動生成部(40)で生成された電流値(iq_s)を加算し、加算結果をq軸電流指令値(iq_ref2)として出力する。電流制御部(16)は、電流指令値(id_ref,iq_ref2)、d軸電流値(id)、q軸電流値(iq)、及びインダクタンス推定部(50)で求められたモータ(4)のq軸インダクタンス(Lq^)に基づいて電圧指令値(vd_ref,vq_ref)を求め、出力する。
座標変換部(22)は、磁極位置推定部(34)で求められた磁極位置の推定値(θe1^)を用いて、電圧指令値(vd_ref,vq_ref)に対して二相−三相変換を行い、得られた3相の電圧指令値(vu_ref,vv_ref,vw_ref)をPWM変調部(6)に出力する。座標変換部(24)は、検出されたモータ(4)の電流値(iu,iv,iw)に対して三相−二相変換を行い、得られた電流値(iα,iβ)を出力する。
座標変換部(26)は、PWM変調部(6)から出力されたモータ(4)の電圧値(vu,vv,vw)に対して三相−二相変換を行い、得られた電圧値(vα,vβ)を出力する。座標変換部(28)は、磁極位置の推定値(θe1^)を用いて、電流値(iα,iβ)に対してα−β座標からd−q座標への座標変換を行い、得られたd軸電流値(id)及びq軸電流値(iq)を出力する。
インダクタンス推定部(50)は、q軸電流値(iq)、磁極位置の推定値(θe1^)、及び変動生成部(40)で生成された位相(θs)に基づいて、モータ(4)のq軸インダクタンス(Lq^)を推定し、出力する。磁極位置推定部(34)は、モータ(4)の電流値(iα,iβ)、電圧値(vα,vβ)、及びq軸インダクタンスの推定値(Lq^)に基づいてモータ(4)の磁極位置(θe1^)を推定し、出力する。磁極位置(θe1^)は公知の方法で推定することができる。その詳細については後述する。速度演算部(36)は、磁極位置の推定値(θe1^)に基づいてモータ(4)の推定回転速度(ω^)を求め、出力する。
図4は、図2の変動生成部及びインダクタンス推定部の構成例を示すブロック図である。図4の変動生成部(40)は、振幅生成部(42)と、位相生成部(44)と、演算部(46)とを有する。図4のインダクタンス推定部(50)は、演算部(51,53,58,64,67)と、積分部(52,54,66)と、フィルタ(62)と、減算器(63,69,93)と、初期値格納部(68)と、変動演算部(92)とを有する。
図5(a)は、図2の磁極位置推定部(34)で求められた磁極位置の推定値等の例を示すグラフである。図5(b)は、図4の位相生成部の出力の例を示すグラフである。図5(c)は、トルク変動によって生じた、磁極位置の推定値の変動成分の例を示すグラフである。
図4及び図5(a)〜(c)を参照して説明する。振幅生成部(42)は、所定の振幅値(is)を生成して出力する。位相生成部(44)は、例えば図5(b)のように、一定のレートで変化する位相(θs)を生成して出力する。演算部(46)は、位相(θs)から求められた値(sinθs)を振幅値(is)に乗算し、得られた電流値(iq_s)を図2の加算器(15)に出力する。これにより、q軸電流指令値(iq_ref2)が変動し、モータ(4)のトルクが変動する。つまり、変動生成部(40)は、モータ(4)のトルクが所定周波数で変動するように、モータ(4)を制御する。また、演算部(46)は、位相(θs)を演算部(51,53,64)に出力する。
演算部(51)は、位相(θs)から求められた値(sinθs)をq軸電流値(iq)に乗算し、得られた値を出力する。積分部(52)は、演算部(51)の出力を積分し、得られた値(iq_sin)を出力する。演算部(53)は、位相(θs)から求められた値(cosθs)をq軸電流値(iq)に乗算し、得られた値を出力する。積分部(54)は、演算部(53)の出力を積分し、得られた値(iq_cos)を出力する。演算部(58)は、モータ(4)のトルクの変動と、q軸電流に含まれる所定周波数の成分との間の位相差(δ)を、
δ=tan-1(iq_sin/iq_cos)
によって求め、出力する。
フィルタ(62)は、例えばローパスフィルタ(LPF)であって、磁極位置推定部(34)で求められた磁極位置の推定値(θe1^)を平滑化し、得られた結果をフィルタ通過後の磁極位置(θef1^)として出力する。減算器(63)は、磁極位置の推定値(θe1^)からフィルタ通過後の磁極位置(θef1^)を減算し、得られた差(Δθe1^)を出力する。差(Δθe1^)は、変動生成部(40)によるトルク変動によって生じた、磁極位置の推定値(θe1^)の変動成分を表している。フィルタ(62)の処理は、例えば式(1)のz変換で表される。
Figure 0006459710
a及びbは実数係数である。
インダクタンス推定部(50)は、変動生成部(40)によるトルク変動によって生じた、磁極位置の推定値(θe1^)の変動成分を、変動生成部(40)によるトルク変動によって生じたモータ(4)の回転速度の変動の影響を除去してから用いる。より具体的には、変動演算部(92)は、速度制御部(12)から出力されたトルク指令値(Tm_ref)に、変動生成部(40)と同様にsinθsを乗算して、変動するトルク指令値を求める。変動演算部(92)は、現在の変動するトルク指令値と、その直前にサンプリングされた変動するトルク指令値との差を、トルク変動(ΔT)として求める。
変動演算部(92)は、入力されたモータ(4)のロータの慣性モーメント(J)を用いて、運動方程式、
dω/dt = ΔT/J
から、モータ(4)の回転速度の変化率(dω/dt)を求める。求められた値から、変動生成部(40)によるトルク変動によって、モータ(4)の回転速度が変わることがわかる。変動演算部(92)は、回転速度の変化率(dω/dt)を2階積分して、モータ(4)の回転速度の変動の影響として磁極位置の変化(Δθv)を求め、出力する。減算器(93)は、減算器(63)の出力(Δθe1^)から、磁極位置の変化(Δθv)を減じて、演算部(64)に出力する。このように、変動演算部(92)及び減算器(93)により、トルク変動を生じさせることによって生じたモータ(4)の回転速度の変動の影響を除去することができる。
演算部(64)は、位相(θs)及び位相差(δ)から求められた値(sin(θs+δ))を減算器(93)の出力に乗算して、トルク変動によって生じた、磁極位置の推定値(θe1^)の変動成分(Δθe1^)に含まれる、モータ(4)に与えられたトルク変動と同じ周波数の成分を求め、出力する。積分部(66)は、演算部(64)の出力を積分し、得られた値を出力する。
図6は、q軸インダクタンス(Lq)の近似式の例を示すグラフである。図6に示されているように、q軸インダクタンス(Lq)は、モータ(4)の電流値(i)(q軸電流値(iq)又は相電流値(iu,iv,iw))に応じて変化する。そこで、インダクタンス推定部(50)は、近似式として、
Lq^=f1
=g*(Lq0+Lq1*i+Lq2*i2) (g,Lq0,Lq1,Lq2は実数係数) …(近似式A)
を用いて、係数gを適切な値に変化させていく。あらかじめ、モータ(4)に関して、係数Lq0、Lq1及びLq2を求めておく。係数(Lq0)は、例えば、モータ(4)の無通電時のq軸インダクタンスである。以下では、モータ(4)の電流値(i)としてq軸電流値(iq)を用いる例について説明する。
図4の初期値格納部(68)は、係数(g)の初期値として1を格納し、出力する。減算器(69)は、この初期値から積分部(66)の出力を減算し、得られた結果を係数(g)として出力する。演算部(67)は、上述の近似式Aを用い、係数(g)及びq軸電流値(iq)に基づいてq軸インダクタンスの推定値(Lq^)を求め、出力する。
図7は、q軸インダクタンス(Lq)の近似式の他の例を示すグラフである。演算部(67)は、近似式として、
Lq^=f2
=g*(Lq0+Lq1*i) (g,Lq0,Lq1は実数係数) …(近似式B)
を用いてもよい。あらかじめ、モータ(4)に関して、係数Lq0及びLq1を求めておく。この場合、式f2の下限値を値(LL)としてもよい。
なお、インダクタンス推定部(50)は、変動演算部(92)及び減算器(93)を有さなくてもよい。この場合、演算部(64)は、減算器(63)の出力を用いる。
図8は、図2の電圧指令生成部(10)における処理の例を示すフローチャートである。図2の電圧指令生成部(10)は、以下のような動作を行う。
ブロックS12では、インダクタンス推定部(50)は、q軸インダクタンスの初期値(例えばLq0+Lq1*iq+Lq2*iq 2)をq軸インダクタンスの推定値(Lq^)として出力する。
ブロックS14では、変動生成部(40)が、電流値(iq_s)を図2の加算器(15)に出力することによって、q軸電流指令値(iq_ref2)を変動させ、モータ(4)にトルク変動を開始させる。つまり、変動生成部(40)は、モータ(4)のトルクが所定周波数で変動するように、モータ(4)を制御する。ここで、変動生成部(40)は、モータ(4)に大きな速度変動が生じない程度に、トルクを変動させる。例えば、モータ(4)の推定回転速度(ω^)の変動率よりq軸電流値(iq)の変動率の方が十分に大きくなるようにする。変動生成部(40)は、モータ(4)にトルク変動を生じさせるこのような制御を、後述のブロックS24の処理を行うまで継続する。
ブロックS16では、磁極位置推定部(34)は、モータ(4)の電流値(iα,iβ)、電圧値(vα,vβ)、及びq軸インダクタンスの推定値(Lq^)に基づいてモータ(4)の磁極位置の推定値(θe1^)を求め、出力する。前述のように、電流値(iα,iβ)は、モータ(4)の相電流値(iu,iv,iw)から求められている。
ブロックS18では、インダクタンス推定部(50)は、上述の変動生成部(40)によるトルク変動によって生じた、磁極位置の推定値(θe1^)の変動、つまり、磁極位置の推定値(θe1^)に含まれる所定周波数(トルク変動の周波数)の成分を求める。より具体的には、フィルタ(62)は、磁極位置推定部(34)で求められた磁極位置の推定値(θe1^)を平滑化し、その結果をフィルタ通過後の磁極位置(θef1^)として求める。減算器(63)は、磁極位置の推定値(θe1^)からフィルタ通過後の磁極位置(θef1^)を減算し、得られた差(Δθe1^)を、トルク変動によって生じた、磁極位置の推定値(θe1^)の変動成分として出力する。
変動演算部(92)は、上述のように、変動生成部(40)によるトルク変動によって生じたモータ(4)の回転速度の変動の影響として磁極位置の変化(Δθv)を求め、出力する。減算器(93)は、減算器(63)の出力(Δθe1^)から、磁極位置の変化(Δθv)を減じて、演算部(64)に出力する。なお、変動演算部(92)及び減算器(93)の処理を省略してもよい。
演算部(51,53)及び積分部(52,54)は、q軸電流値(トルク電流値)(iq)に含まれる、上述のブロックS14の処理で与えられたトルク変動と同じ周波数の成分(iq_sin,iq_cos)を求める。演算部(58)は、トルク変動の位相(θs)に対する、これらの周波数成分の位相差(δ)を求める。演算部(64)は、値(sin(θs+δ))を差(Δθe1^)に乗算して、差(Δθe1^)に含まれる、トルク変動と同じ周波数の成分を、磁極位置の推定値(θe1^)に含まれる、トルク変動の周波数の成分として求める。
ブロックS20では、積分部(66)、演算部(67)及び減算器(69)は、この、トルク変動と同じ周波数の成分が零に近づくように、q軸インダクタンスの推定値(Lq^)を更新する。具体的には、上述の近似式A又は近似式Bの係数gが更新される。積分部(66)の処理は、例えば式(2)のz変換で表される。
Figure 0006459710
実数係数(k)は積分部(66)における積分のゲインを表し、係数(k)は例えば正の値である。このため、差(Δθe1^)に含まれる、トルク変動と同じ周波数の成分が正の場合はq軸インダクタンス(Lq^)が減少し、この成分が負の場合はq軸インダクタンス(Lq^)が増加する。
ブロックS22では、インダクタンス推定部(50)は、q軸インダクタンスの推定値(Lq^)の更新を終了すべきか否かを判定する。インダクタンス推定部(50)は、判定部を有し、判定部は、例えば、ブロックS20の処理における、更新前及び更新後のq軸インダクタンス(Lq^)の間の差の絶対値が所定値より小さくなるという条件を満たすと、更新を終了すべきであると判定する。この条件を満たさない場合には、ブロックS16に戻る。このように、磁極位置推定部(34)及びインダクタンス推定部(50)は、q軸インダクタンス(Lq^)を更新しながら、ブロックS16〜S20の処理を、所定の条件が満たされるまで繰り返し、q軸インダクタンス(Lq^)は収束していく。
ブロックS24では、変動生成部(40)は、モータ(4)にトルク変動を終了させる。具体的には、変動生成部(40)は電流値(iq_s)の出力を停止する。q軸電流指令値(iq_ref1)に変動生成部(40)で生成された電流値(iq_s)を加算して、モータ(4)にトルク変動を与え続けると、モータ(4)の効率が悪くなるからである。
ブロックS26では、磁極位置推定部(34)は、更新されたq軸インダクタンスの推定値(Lq^)を用いて磁極位置の推定値(θe1^)を求める。以上の処理により、q軸インダクタンス(Lq^)をより正確に推定することができ、モータ(4)の磁極位置(θe1^)をより正確に推定することができる。また、電流制御部(16)は、q軸インダクタンスの推定値(Lq^)を用いてモータ(4)の制御を行う。このため、モータ(4)の電流制御を、より正確に行うことができる。以上の処理において、モータ(4)の電流が零になる必要はない。
なお、モータ(4)の回転速度が所定値以上変化した場合や、モータ(4)の負荷が所定値以上変化した場合に、上記ブロックS14〜S26の処理を再開するようにしてもよい。
磁極位置推定部(34)における磁極位置(θe1^)の推定方法について説明する。式(3)は、α−β座標上での電圧方程式を表す。ここで、Raは電機子抵抗、Ldはd軸インダクタンス、θは磁極位置、pは時間微分演算子、φaは界磁主磁束をそれぞれ示す。
Figure 0006459710
λαβを式(4)で定義すると、磁極位置(θ)は式(5)で表すことができ、式(3)は式(6)に変形できる。これを式(5)に代入することで磁極位置(θ)を求めることができる。このような手法は、例えば非特許文献1に記載されている。
Figure 0006459710
Figure 0006459710
Figure 0006459710
式(6)からわかるように、λαβは、可観測量(iα,iβ,vα,vβ)、並びに、機器定数である電機子抵抗(Ra)及びq軸インダクタンス(Lq)を用いて決定される。このため、式(5)によって得られる磁極位置(θ)も、電機子抵抗(Ra)及びq軸インダクタンス(Lq)に依存する。しかしある程度高速の運転では、電圧(vα,vβ)は大きく、Raiα,Raiβは無視できる。よって磁極位置(θ)は、機器定数のうち、q軸インダクタンス(Lq)のみに依存する。したがって、q軸インダクタンスの推定値(Lq^)が既知であれば、これを式(6)のq軸インダクタンス(Lq)として採用することにより、式(5)の磁極位置(θ)を磁極位置(θe1^)として採用することができる。
磁極位置推定部(34)における磁極位置(θe1^)の推定方法としては、次の方法を用いてもよい。式(7)は、d^−q^座標上での電圧方程式を表す。ここでθerrは、推定軸(d^軸及びq^軸)のd軸及びq軸に対する誤差、ωはd軸及びq軸の角周波数、ω^は推定軸の角周波数をそれぞれ示す。
Figure 0006459710
角周波数及び電流が一定であるとして、微分演算子(p)が含まれる項を無視する近似を式(7)に施す。この近似の下で式(7)を軸誤差(θerr)について解くことにより、式(8)が求められる。軸誤差(θerr)が零になるように、例えばPLL制御を用いて推定軸の角周波数(ω^)を調節する。そして、その調節された推定軸の角周波数(ω^)を用いて時間について積分することで、磁極位置の推定値(θe1^)が求められる。このような手法は、例えば非特許文献2に記載されている。
Figure 0006459710
式(3)〜(6)を用いて磁極位置(θe1^)を求めた場合と同様にして、電機子抵抗(Ra)を含む項は無視でき、q軸インダクタンスの推定値(Lq^)が既知であれば、これを式(8)のq軸インダクタンス(Lq)として採用することにより、当該手法で求められる磁極位置(θe)を磁極位置(θe1^)として採用することができる。
図9は、d軸電流値の制限範囲の例を示す図である。図1の電力変換装置(100)は、q軸インダクタンス(Lq)に誤差がある場合にはq軸電流の変化によって磁極位置の誤差が変化するのを利用して、q軸インダクタンス(Lq)を推定する。そこで、d軸電流(id)の変化によってq軸電流(iq)の変化による磁極位置の誤差の変化が打ち消されないように、図9のようにd軸電流(id)を制限してもよい。
例として、q軸インダクタンスの誤差(ΔLq)が正、かつ、q軸電流値(iq)がiq1からiq2に変化したときのq軸電流値の変化(Δiq)が正の場合について説明する。q軸電流値(iq)がiq1であるときの磁極位置の誤差をθ1とすると、q軸電流値(iq)が増加することで磁極位置の誤差はマイナス側に変化する。ここで、例えば磁極位置推定部(34)は、q軸電流値(iq)がiq2であるときに磁極位置の誤差がθ1となるd軸電流値(id)を、d軸電流制限値(Id_lim)として求める。
d軸電流値(id)は負であるので、q軸電流(iq)の変化による磁極位置の誤差の変化が打ち消されないようにするためには、d軸電流値(id)はd軸電流制限値(Id_lim)より大きい値(つまり、d軸電流制限値(Id_lim)より零に近い値)に設定する必要がある。そこで、電流制御部(16)は、d軸電流値(id)がd軸電流制限値(Id_lim)より大きくなるように制御する。図9に示された、q軸インダクタンスの誤差(ΔLq)とq軸電流値の変化(Δiq)との他の組み合わせについてのd軸電流値(id)の範囲も、同様に求めることができる。
図9のようにモータ(4)のd軸電流を制限するので、変動生成部(40)によるトルク変動によって生じた、磁極位置の推定値(θe1^)の変動がd軸電流の変化によって完全に打ち消されることがない。このため、この変動に基づいてq軸インダクタンスの推定値(Lq^)を確実に求めることができる。
なお、q軸インダクタンスの推定の際には、位置変動を所定時間積算して求めるので、d軸電流値(id)が微小時間だけd軸電流の制限を超えても問題はない。
次に、変形例について説明する。図10は、図2の電圧指令生成部の変形例の構成を示すブロック図である。図10の電圧指令生成部(210)は、図1の電力変換装置(100)において、図2の電圧指令生成部(10)に代えて用いられる。図10の電圧指令生成部(210)は、電流指令生成部(14)及びインダクタンス推定部(50)に代えて電流指令生成部(214)及びインダクタンス推定部(250)を有し、加算器(15)及び変動生成部(40)を有していない点が、図2の電圧指令生成部(10)とは異なっているが、他の点は同様に構成されている。電流指令生成部(214)、磁極位置推定部(34)及びインダクタンス推定部(250)は、q軸インダクタンスの推定装置として動作し、電流指令生成部(214)は変動生成部としても動作する。
図11は、図4のインダクタンス推定部の変形例の構成を示すブロック図である。図11のインダクタンス推定部(250)は、演算部(51,53,64)に代えて演算部(251,253,264)を有し、演算部(256)を更に有する点が、図4のインダクタンス推定部(50)とは異なっているが、他の点は同様に構成されている。
図12(a)は、図10の磁極位置推定部で求められた磁極位置の推定値等の例を示すグラフである。図12(b)は、図11のインダクタンス推定部で用いられる位相の例を示すグラフである。図12(c)は、トルク変動によって生じた、磁極位置の推定値の変動成分の例を示すグラフである。
ここでは、図1のコンデンサ(78)は、その容量が比較的小さいものであるとする。このような場合、交流電源(2)が供給する交流を整流して得られた直流は脈動し、インバータ回路(80)の入力電圧であるノード(N1)とノード(N2)との間の電圧が脈動する。図1の場合には、この電圧は、図1の交流電源(2)が供給する交流の周波数の2倍の周波数で脈動する。
このように、インバータ回路(80)は、交流電源(2)の交流成分を含む直流(脈流)を用いてモータ(4)を駆動し、電流指令生成部(214)は、トルク指令値(Tm_ref)及び電源位相(θin)に基づいてd軸電流指令値(id_ref)及びq軸電流指令値(iq_ref)を求め、出力する。このとき、d軸電流指令値(id_ref)及びq軸電流指令値(iq_ref)は、交流電源(2)が供給する交流の周波数の2倍の周波数で変動する。このため、モータ(4)は、交流電源(2)が供給する交流の周波数の2倍の周波数でトルクが変動するように制御される。つまり、電流指令生成部(214)は、インバータ回路(80)の入力電圧の脈動に同期してトルク変動が生じるようにモータ(4)を制御する。トルク変動の周波数は、交流電源(2)が供給する交流の周波数の2倍の周波数である。
図11及び図12(a)〜(c)を参照して説明する。インダクタンス推定部(250)には、位相(θs)に代えて、電源位相(θin)が入力される。電源位相(θin)は、図1の交流電源(2)の位相である。電力変換装置(100)は、ゼロクロス検出回路を有していてもよく、電源位相(θin)は、例えば、このゼロクロス検出回路により求めることができる。
演算部(256)は、電源位相(θin)を2倍にし、得られた位相(2θin)を演算部(251,253,264)に出力する。演算部(251)は、位相(2θin)から求められた値(sin2θin)をq軸電流値(iq)に乗算し、得られた値を出力する。演算部(253)は、位相(2θin)から求められた値(cos2θin)をq軸電流値(iq)に乗算し、得られた値を出力する。
演算部(264)は、位相(2θin)及び位相差(δ)から求められた値(-cos(2θin+δ))を、減算器(63)から出力される差(Δθe1^)に乗算して、差(Δθe1^)に含まれる、モータ(4)のトルク変動と同じ周波数の成分を求め、出力する。インダクタンス推定部(250)のその他の構成要素については、図4のインダクタンス推定部(50)と同様であるので、説明を省略する。
この変形例によると、モータ(4)のトルク変動が、交流電源(2)が供給する交流の周波数の2倍の周波数となることを利用することができ、図2の電圧指令生成部(10)のようにトルク変動を発生させるための位相(θs)を生成する必要がないので、図4に示されているような変動生成部(40)は必要がない。このため、装置の構成を簡素化することができる。
図13は、図1の電力変換装置の変形例の構成を示すブロック図である。図13の電力変換装置(300)において、図2の電圧指令生成部(10)又は図10の電圧指令生成部(210)を用いるようにしてもよい。電力変換装置(300)は、PWM変調部(306)と、電圧指令生成部(10,210)と、リアクトル回路(372)と、コンデンサ回路(378)と、マトリクス回路(380)とを有する。電力変換装置(300)は、三相交流電源(302)から供給された交流電力を、直接、三相の交流電力に変換してモータ(4)を駆動する。
マトリクス回路(380)は、9個のスイッチング回路(87)を有し、交流電源(302)が供給する交流から、駆動信号(DS)に従ってモータ(4)の駆動電流(IU,IV,IW)を生成して、モータ(4)に供給する。PWM変調部(306)は、電圧指令生成部(10又は210)で生成された電圧指令値(vu_ref,vv_ref,vw_ref)に基づいて、駆動信号(DS)及びモータ(4)の各相の電圧値(vu,vv,vw)を求めて出力する。駆動信号(DS)には、それぞれがマトリクス回路(380)の各スイッチング回路(87)を制御する複数の信号が含まれている。このように、図13のマトリクス回路(380)においても、電圧指令生成部(10,210)を用いることができる。
図14は、図13のマトリクス回路(380)のスイッチング回路(87)の一例を示す回路図である。図14の回路は、2個のトランジスタ(88)と2個のダイオード(89)とを有している。図15は、図13のマトリクス回路(380)のスイッチング回路(87)の他の例を示す回路図である。図15の回路は、1個のトランジスタ(88)と4個のダイオード(89)とを有している。
本明細書における各機能ブロックは、典型的にはハードウェアで実現され得る。代替としては各機能ブロックの一部又は全ては、ソフトウェアで実現され得る。例えばそのような機能ブロックは、プロセッサ及びプロセッサ上で実行されるプログラムによって実現され得る。換言すれば、本明細書で説明される各機能ブロックは、ハードウェアで実現されてもよいし、ソフトウェアで実現されてもよいし、ハードウェアとソフトウェアとの任意の組合せで実現され得る。
以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、q軸インダクタンスの推定方法及び推定装置、並びに磁極位置の推定を行うモータ制御装置等について有用である。
4 モータ
10,210 電圧指令生成部
34 磁極位置推定部
40 変動生成部
50,250 インダクタンス推定部
80 インバータ回路
214 電流指令生成部(変動生成部)
Lq^ q軸インダクタンスの推定値
θe 磁極位置
θe1^ 磁極位置の推定値
iu,iv,iw モータの相電流値

Claims (8)

  1. (a)トルク変動が生じるようにモータ(4)を制御し、
    (b)上記モータ(4)の電流値(iu,iv,iw)、及びq軸インダクタンスの推定値(Lq^)に基づいて上記モータ(4)の磁極位置の推定値(θe1^)を求め、
    (c)上記トルク変動によって生じた、上記磁極位置の推定値(θe1^)の変動に基づいて、上記q軸インダクタンスの推定値(Lq^)を更新する
    ことを特徴とするq軸インダクタンスの推定方法。
  2. 請求項1において、
    上記モータ(4)を駆動するインバータ回路(80)には、交流電源が供給する交流を整流して得られた脈動する直流が入力され、
    上記(a)の処理では、上記インバータ回路(80)の入力電圧の脈動に同期して上記トルク変動が生じるように制御する
    ことを特徴とするq軸インダクタンスの推定方法。
  3. 請求項2において、
    上記トルク変動の周波数は、上記交流電源が供給する交流の周波数の2倍の周波数である
    ことを特徴とするq軸インダクタンスの推定方法。
  4. 請求項1において、
    上記(c)の処理では、
    上記磁極位置の推定値(θe1^)の、上記トルク変動と同じ周波数の成分を求め、
    上記トルク変動と同じ周波数の成分が零に近づくように、上記q軸インダクタンスの推定値(Lq^)を更新する
    ことを特徴とするq軸インダクタンスの推定方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項において、
    上記(b)及び(c)の処理を、所定の条件が満たされるまで繰り返す
    ことを特徴とするq軸インダクタンスの推定方法。
  6. 請求項1又は4において、
    上記(c)の処理では、上記磁極位置の推定値(θe1^)を平滑化し、その結果(θef1^)と上記磁極位置の推定値(θe1^)との差を、上記トルク変動によって生じた、上記磁極位置の推定値(θe1^)の変動として求める
    ことを特徴とするq軸インダクタンスの推定方法。
  7. 請求項1において、
    上記(c)の処理では、上記トルク変動によって生じた、上記磁極位置の推定値(θe1^)の変動成分を、上記トルク変動によって生じた上記モータ(4)の回転速度の変動の影響を除去してから用いる
    ことを特徴とするq軸インダクタンスの推定方法。
  8. トルク変動が生じるようにモータ(4)を制御する変動生成部(40,214)と、
    前記モータ(4)の電流値(iu,iv,iw)、及びq軸インダクタンスの推定値(Lq^)に基づいて上記モータ(4)の磁極位置の推定値(θe1^)を求める磁極位置推定部(34)と、
    上記トルク変動によって生じた、上記磁極位置の推定値(θe1^)の変動に基づいて、上記q軸インダクタンスの推定値(Lq^)を更新するインダクタンス推定部(50;250)とを備える
    ことを特徴とするq軸インダクタンスの推定装置。
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