JP6765867B2 - 抗菌性ハードコート、及びその製造方法 - Google Patents

抗菌性ハードコート、及びその製造方法 Download PDF

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本発明は、抗菌性を有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物からなるハードコート、及びその製造方法に関する。
従来から、飾り棚、収納箪笥、食器戸棚、及び机などの家具;冷蔵庫、洗濯機、エアコン、モバイルフォン、及びパソコンなどの家電製品;あるいは床、壁、及び浴室などの建築部材として、木材、合板、集成材、パーチクルボード、及びハードボードなどの木質系材料からなる基材の表面に;あるいは鉄、及びアルミニウムなどの金属系材料からなる基材の表面に化粧シートを貼合して加飾・化粧されたものが使用されている。化粧シートには装飾性はもちろんのこと、耐傷付性、及び耐汚染性などを高いレベルでバランスよく有することが要求される。化粧シートに上記のような特性を付与するため、その表面に活性エネルギー線硬化性樹脂組成物からなるハードコートを形成することが広く行われている。
近年、様々な菌による汚染、特に黄色ブドウ球菌などの強力な菌による汚染が深刻な問題としてクローズアップされており、病院、老人ホ―ム、及び保育園などにおける院内・所内感染が社会問題化している。そのためこれらの施設において使用される家具、家電製品、及び建築部材などの物品には、抗菌性を付与することが強く求められている。ところが、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に抗菌剤を含ませ、これを塗布し、活性エネルギー線の照射により硬化して得られるハードコートは、抗菌性をほとんど発現しないという問題があった。活性エネルギー線硬化性樹脂組成物からなるハードコートであって、抗菌性を有し、かつ十分なハードコート性を有するものは得られていないのが現状である。
特開昭59−136166号公報
本発明の課題は、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物からなるハードコートであって、抗菌性を有するものを提供することにある。本発明の更なる課題は、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物からなるハードコートであって、抗菌性を有し、かつ十分なハードコート性を有するものを提供することにある。
本発明者は、鋭意研究した結果、特定の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を特定の方法で硬化することにより、上記課題を達成できることを見出した。
すなわち、本発明は、(A)多官能(メタ)アクリレート;及び(B)有機窒素硫黄系抗菌剤;を含む活性エネルギー線硬化性樹脂組成物からなり、黄色ぶどう球菌について、JIS Z2801:2010に従い、温度23℃において測定した抗菌活性値が2以上であるハードコートである。
第2の発明は、上記成分(B)が、上記成分(B)が、2‐メチル‐4‐イソチアゾリン‐3‐オン、1,2‐ベンゾイソチアゾリン‐3‐オン、5‐クロロ‐2‐メチル‐4‐イソチアゾリン‐3‐オン、2‐n‐オクチル‐4‐イソチアゾリン‐3‐オン、及び1‐ヒドロキシピリジン‐2(1H)‐チオンからなる群から選択される1種以上を含む第1の発明に記載のハードコートである。
第3の発明は、上記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が更に(C)光重合開始剤を含む第1の発明又は第2の発明に記載のハードコートである。
第4の発明は、上記成分(C)が(C1)アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤を含む第3の発明に記載のハードコートである。
第5の発明は、上記成分(C)が、(C1)アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤 20〜60質量%と
(C2)アセトフェノン系光重合開始剤 80〜20質量%からなり、ここで上記成分(C1)と上記成分(C2)との和は100質量%である第4の発明に記載のハードコートである。
第6の発明は、上記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が更に(D)紫外線吸収剤を含む第1〜5の発明の何れか1に記載のハードコートである。
第7の発明は、第1〜6の発明の何れか1に記載のハードコートを含む物品である。
第8の発明は、第1〜6の発明の何れか1に記載のハードコートを含む化粧シートである。
第9の発明は、第8の発明に記載の化粧シートを含む物品である。
第10の発明は、
(1)フィルム基材の少なくとも一方の面の上に、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物のウェット塗膜を形成する工程;
(2)上記工程(1)で得たウェット塗膜を予備乾燥し、乾燥塗膜にする工程;
(3)上記工程(2)で得た乾燥塗膜の面の上に、活性エネルギー線透過性フィルムを重ね、仮貼りする工程;及び、
(4)上記工程(3)で得た積層体に活性エネルギー線を照射し、上記乾燥塗膜を硬化させる工程;
を含む、
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物からなり、
黄色ぶどう球菌について、JIS Z2801:2010に従い、温度23℃において測定した抗菌活性値が2以上であるハードコートの製造方法である。
本発明のハードコートは抗菌性を有する。本発明の好ましいハードコートは抗菌性を有し、かつ十分なハードコート性を有する。そのため本発明のハードコートを表面に有する化粧シートは、家具、家電製品、及び建築部材などの物品の加飾・化粧に好適に用いることができる。また本発明のハードコートを表面に有する化粧シートにより加飾・化粧された家具、家電製品、及び建築部材などの物品は、病院、老人ホ―ム、及び保育園などにおいて好適に用いることができる。
本発明のハードコートは、(A)多官能(メタ)アクリレート;及び、(B)有機窒素硫黄系抗菌剤;を含む活性エネルギー線硬化性樹脂組成物からなる。本発明のハードコートは、好ましくは(A)多官能(メタ)アクリレート;(B)有機窒素硫黄系抗菌剤;及び、(C)光重合開始剤;を含む活性エネルギー線硬化性樹脂組成物からなる。
(A)多官能(メタ)アクリレート:
上記成分(A)は、1分子中に2以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートであり、1分子中に2以上の(メタ)アクリロイル基を有するため、紫外線や電子線等の活性エネルギー線により重合・硬化して、ハードコートを形成する働きをする。
上記多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6‐ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2,2‘‐ビス(4‐(メタ)アクリロイルオキシポリエチレンオキシフェニル)プロパン、及び、2,2’‐ビス(4‐(メタ)アクリロイルオキシポリプロピレンオキシフェニル)プロパン等の(メタ)アクリロイル基含有2官能反応性モノマー;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、及びペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリロイル基含有3官能反応性モノマー;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリロイル基含有4官能反応性モノマー;ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の(メタ)アクリロイル基含有6官能反応性モノマー;トリペンタエリスリトールアクリレート等の(メタ)アクリロイル基含有8官能反応性モノマー及びこれらの1種以上を構成モノマーとする重合体(オリゴマーやプレポリマー)をあげることができる。なお本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートの意味である。
上記多官能(メタ)アクリレートは、上記成分(A)の総和を100質量%として、1分子中に3以上の(メタ)アクリロイル基を有するエタノールアミン変性ポリエーテル(メタ)アクリレートを好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上、更に好ましくは40質量%以上含むものであってよい。ハードコートの耐クラック性を良好にし、化粧シートを用いて物品を加飾・化粧する際の作業性を向上させることができる。一方、表面硬度の観点から、上記1分子中に3以上の(メタ)アクリロイル基を有するエタノールアミン変性ポリエーテル(メタ)アクリレートの含有量は、好ましくは90質量%以下、より好ましくは60質量%以下であってよい。
上記1分子中に3以上の(メタ)アクリロイル基を有するエタノールアミン変性ポリエーテル(メタ)アクリレートとしては、例えば、特開2013−064098号公報の成分(A)として開示されているものを用いることができる。
上記成分(A)としては、これらの1種又は2種以上の混合物を用いることができる。
(B)有機窒素硫黄系抗菌剤:
上記成分(B)は、有機窒素硫黄系抗菌剤であり、1分子中に1以上の窒素原子と1以上の硫黄原子を有する有機化合物である。上記成分(B)の好ましい典型例としては、ヘテロ原子として1以上の窒素原子を含むヘテロ環化合物であって、1分子中に1以上の硫黄原子を有するものであってよい。
上記有機窒素硫黄系抗菌剤としては、例えば、2‐メチル‐4‐イソチアゾリン‐3‐オン(CAS番号2682‐20‐4)、1,2‐ベンゾイソチアゾリン‐3‐オン(CAS番号2634‐33‐5)、5‐クロロ‐2‐メチル‐4‐イソチアゾリン‐3‐オン(CAS番号26472‐55‐4)、及び2‐n‐オクチル‐4‐イソチアゾリン‐3‐オン(CAS番号26530‐20‐1)などのイソチアゾリン系化合物;及び、1‐ヒドロキシピリジン‐2(1H)‐チオンなどのピリチオン系化合物;などをあげることができる。上記成分(B)としては、これらの1種又は2種以上の混合物を用いることができる。
上記成分(B)の配合量は、上記成分(A)100質量部に対して、抗菌性の観点から、通常0.001質量部以上、好ましくは0.005質量部以上、より好ましくは0.01質量部以上であってよい。一方、法規制や業界の自主規制の観点、及び経済性の観点から、通常1質量部以下、好ましくは0.5質量部以下、より好ましくは0.1質量部以下であってよい。
(C)光重合開始剤:
上記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物には、活性エネルギー線による硬化性を良好にする観点から、上記成分(C)光重合開始剤を更に含ませることが好ましい。
上記光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、メチル‐o‐ベンゾイルベンゾエート、4‐メチルベンゾフェノン、4,4’‐ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、o‐ベンゾイル安息香酸メチル、4‐フェニルベンゾフェノン、4‐ベンゾイル‐4’‐メチルジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’ ‐テトラ(t‐ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、及び2,4,6‐トリメチルベンゾフェノン等のベンゾフェノン系光重合開始剤;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、及びベンジルメチルケタール等のベンゾイン系光重合開始剤;アセトフェノン、2,2‐ジメトキシ‐2‐フェニルアセトフェノン、及び1‐ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等のアセトフェノン系光重合開始剤;メチルアントラキノン、2‐エチルアントラキノン、及び2‐アミルアントラキノン等のアントラキノン系光重合開始剤;チオキサントン、2,4‐ジエチルチオキサントン、及び2,4‐ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン系光重合開始剤;アセトフェノンジメチルケタール等のアルキルフェノン系光重合開始剤;トリアジン系光重合開始剤;ビスイミダゾール光重合開始剤;2,4,6‐トリメチルベンゾイル‐ジフェニル‐フォスフィンオキサイド、及びビス(2,4,6‐トリメチルベンゾイル)‐フェニルフォスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤;チタノセン系光重合開始剤;オキシムエステル系光重合開始剤;オキシムフェニル酢酸エステル系光重合開始剤;ヒドロキシケトン系光重合開始剤;及び、アミノベンゾエート系光重合開始剤などをあげることができる。
これらの中で、上記成分(C)としては、耐擦傷性と耐汚染性の観点から、(C1)アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤を含むものが好ましく;(C1)アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤と(C2)アセトフェノン系光重合開始剤とからなるものがより好ましく;上記成分(C1)20〜60質量%、好ましくは30〜50質量%と上記成分(C2)80〜20質量%、好ましくは70〜50質量%からなり、ここで上記成分(C1)と上記成分(C2)との和は100質量%であるものが更に好ましい。
上記成分(C)としては、これらの1種又は2種以上の混合物を用いることができる。
上記成分(C)の配合量は、上記成分(A)100質量部に対して、形成されるハードコートが黄変着色したものにならないようにする観点から、通常10質量部以下、好ましくは7質量部以下、より好ましくは5質量部以下であってよい。一方、配合量の下限は、任意成分であるから特にないが、上記成分(C)の使用効果を確実に得る観点から、通常0.1質量部以上、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上、更に好ましくは3質量部以上であってよい。
(D)紫外線吸収剤:
上記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物には、ハードコートの耐候性を良好にする観点から、上記成分(D)紫外線吸収剤を更に含ませることが好ましい。
上記紫外線吸収剤としては、例えば、2‐(2H‐ベンゾトリアゾール‐2‐イル)‐4‐(1,1,3,3‐テトラメチルブチル)フェノール、2,2’‐メチレンビス[6‐(2H‐ベンゾトリアゾール‐2‐イル)‐4‐(1,1,3,3‐テトラメチルブチル)フェノール]、2‐(2H‐ベンゾトリアゾール‐2‐イル)‐p‐クレゾール、及び2‐(5‐クロロ‐2H‐ベンゾトリアゾール‐2‐イル)‐6‐t‐ブチル‐4‐メチルフェノールなどのベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤;2‐(4,6‐ジフェニル‐1,3,5‐トリアジン‐2‐イル)‐5‐[2‐(2‐エチルヘキサノイルオキシ)エトキシ]フェノール、及び2,4,6‐トリス(2‐ヒドロキシ‐4‐ヘキシルオキシ‐3‐メチルフェノール)‐1,3,5‐トリアジンなどのトリアジン系紫外線吸収剤;エチル‐2‐シアノ‐3,3‐ジフェニルアクリレート、(2‐エチルヘキシル)‐2‐シアノ‐3,3‐ジフェニルアクリレートなどのシアノアクリレート系紫外線吸収剤;及び、[2‐ヒドロキシ‐4‐(オクチルオキシ)フェノール](フェニル)メタノンなどのベンゾフェノン系紫外線吸収剤;などをあげることができる。上記成分(D)としては、これらの1種又は2種以上の混合物を用いることができる。
上記成分(D)の配合量は、上記成分(A)100質量部に対して、形成されるハードコートが黄変着色したものにならないようにする観点、及び硬化速度の観点から、通常10質量部以下、好ましくは7質量部以下、より好ましくは5質量部以下であってよい。一方、配合量の下限は、任意成分であるから特にないが、上記成分(D)の使用効果を確実に得る観点から、通常0.1質量部以上、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上であってよい。
上記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物には、形成されるハードコートの靱性、及びフィルム基材との密着性の観点から、1分子中に2以上のイソシアネート基(−N=C=O)を有する化合物を更に含ませることができる。上記1分子中に2以上のイソシアネート基を有する化合物としては、例えば、メチレンビス−4−シクロヘキシルイソシアネート;トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、ヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、イソホロンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、トリレンジイソシアネートのイソシアヌレート体、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体、イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート体、ヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット体等のポリイソシアネート;及び、上記ポリイソシアネートのブロック型イソシアネート等のウレタン架橋剤などをあげることができる。上記1分子中に2以上のイソシアネート基を有する化合物としては、これらの1種又は2種以上の混合物を用いることができる。また、架橋の際には、必要に応じてジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジエチルヘキソエートなどの触媒を添加してもよい。
上記1分子中に2以上のイソシアネート基を有する化合物の配合量は、上記成分(A)100質量部に対して、活性エネルギー線による硬化性の観点から、通常40質量部以下、好ましくは20質量部以下、より好ましくは10質量部以下、更に好ましくは5質量部以下であってよい。一方、配合量の下限は、任意成分であるから特にないが、上記1分子中に2以上のイソシアネート基を有する化合物の使用効果を確実に得る観点から、通常0.1質量部以上、好ましくは0.3質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上であってよい。
上記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物には、所望に応じて、帯電防止剤、界面活性剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、汚染防止剤、印刷性改良剤、酸化防止剤、耐候性安定剤、耐光性安定剤、熱安定剤、無機微粒子、有機微粒子、無機着色剤、及び有機着色剤などの添加剤を1種又は2種以上含ませることができる。
上記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、塗工し易い濃度に希釈するため、所望に応じて溶剤を含んでいてもよい。上記溶剤は上記成分(A)〜(D)、及びその他の任意成分と反応したり、これらの成分の自己反応(劣化反応を含む)を触媒(促進)したりしないものであれば、特に制限されない。上記溶剤としては、例えば、1‐メトキシ‐2‐プロパノール、酢酸エチル、酢酸nブチル、トルエン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ダイアセトンアルコール、及びアセトンなどをあげることができる。上記溶剤としては、これらの1種又は2種以上の混合物を用いることができる。
上記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、これらの成分を混合、攪拌することにより得ることができる。
本発明のハードコートは、黄色ぶどう球菌について、JIS Z2801:2010に従い、温度23℃において測定した抗菌活性値が2以上、好ましくは2.5以上、より好ましくは3以上、更に好ましくは3.5以上、最も好ましくは4以上である。抗菌活性値は高いほど好ましい。ここで上記抗菌活性値は、下記実施例の(イ)抗菌性1に従い測定した値である。
同様に本発明のハードコートは、メチシリン耐性黄色ぶどう球菌について、JIS Z2801:2010に従い、温度23℃において測定した抗菌活性値が2以上、好ましくは2.5以上、より好ましくは3以上、更に好ましくは3.5以上、最も好ましくは4以上である。抗菌活性値は高いほど好ましい。ここで上記抗菌活性値は、下記実施例の(ロ)抗菌性2に従い測定した値である。
本発明のハードコートは、上述の抗菌性を有するものであり、任意の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物であって抗菌剤を含むものを用いて、好ましくは上述の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を用いて、(1)フィルム基材の少なくとも一方の面の上に、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物のウェット塗膜を形成する工程;
(2)上記工程(1)で得たウェット塗膜を予備乾燥し、乾燥塗膜にする工程;
(3)上記工程(2)で得た乾燥塗膜の面の上に、活性エネルギー線透過性フィルムを重ね、仮貼りする工程;及び、
(4)上記工程(3)で得た積層体に活性エネルギー線を照射し、上記乾燥塗膜を硬化させる工程;
を含む方法により得ることができる。
上記工程(1)において用いるフィルム基材は、特に制限されず、任意の樹脂フィルムをフィルム基材として用いることができる。上記樹脂フィルムとしては、例えば、芳香族ポリエステル、脂肪族ポリエステルなどのポリエステル系樹脂;アクリル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;ポリ(メタ)アクリルイミド系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン、及びポリメチルペンテンなどのポリオレフィン系樹脂;セロファン、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、及びアセチルセルロースブチレートなどのセルロース系樹脂;ポリスチレン、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合樹脂(ABS樹脂)、スチレン・エチレン・ブタジエン・スチレン共重合体、スチレン・エチレン・プロピレン・スチレン共重合体、及びスチレン・エチレン・エチレン・プロピレン・スチレン共重合体などのスチレン系樹脂;ポリ塩化ビニル系樹脂;ポリ塩化ビニリデン系樹脂;ポリフッ化ビニリデンなどの含弗素系樹脂;その他、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール、ポリエーテルエーテルケトン、ナイロン、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリエーテルイミド、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン;などの樹脂フィルムをあげることができる。これらのフィルムは、無延伸フィルム、一軸延伸フィルム、及び二軸延伸フィルムを包含する。またこれらの1種以上を2層以上積層した積層フィルムを包含する。
上記フィルム基材が、化粧シートの構成層の1つである場合には、上記フィルム基材とハードコートとの密着性を高める観点から、上記フィルム基材のウェット塗膜形成面は、コロナ放電処理やアンカーコート形成などの易接着処理が施されたものであってよい。
また上記フィルム基材が化粧シートの構成層の1つである場合、上記フィルム基材の厚みは特に制限されないが、ハンドリング性の観点から、通常20μm以上、好ましくは30μm以上であってよい。意匠性の観点から、通常50μm以上、好ましくは80μm以上であってよい。一方、化粧シートの薄膜化の観点から、通常2000μm以下、好ましくは800μm以下、より好ましくは300μm以下であってよい。
上記フィルム基材の面の上に形成されたハードコートを、他のフィルム基材に転写して用いる場合には、上記フィルム基材のウェット塗膜形成面は易剥離処理がされたものであってよい。
また上記フィルム基材の面の上に形成されたハードコートを他のフィルム基材に転写して用いる場合、上記フィルム基材の厚みは特に制限されないが、ハンドリング性の観点から、通常20μm以上、好ましくは30μm以上であってよい。一方、経済性の観点から、通常100μm以下、好ましくは75μm以下であってよい。
上記工程(1)において上記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物のウェット塗膜を形成する方法は、特に制限されない。上記方法としては、例えば、ロールコート、グラビアコート、リバースコート、ロールブラッシュ、スプレーコート、エアナイフコート、及びダイコートなどの方法をあげることができる。
上記工程(2)において上記工程(1)で得たウェット塗膜は予備乾燥され、乾燥塗膜になる。上記予備乾燥は、例えば、ウェブを温度23〜150℃程度、好ましくは温度50〜120℃に設定された乾燥炉内を、入口から出口までパスするのに要する時間が0.5〜10分程度、好ましくは1〜5分となるようなライン速度でパスさせることにより行うことができる。
上記工程(3)において上記工程(2)で得た乾燥塗膜の面の上に、活性エネルギー線透過性フィルムが重ねられ、仮貼りされる。これにより活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の活性エネルギー線照射による硬化反応の酸素障害が抑制される。
理論に拘束される意図はないが、本発明のハードコートが上述の抗菌・抗ウイルス性を有し、かつ十分なハードコート性を有するのは、上記乾燥塗膜の面の上に重ね仮貼りされた上記活性エネルギー線透過性フィルムが酸素を遮断することにより、硬化反応の酸素障害が抑制されるとともに、活性エネルギー線と酸素の相互作用による上記成分(B)の不活化も抑制されるためと考察される。
上記乾燥塗膜の面の上に、上記活性エネルギー線透過性フィルムを重ね仮貼りする方法の例を、図1を用いて説明する。上記工程(2)で得られた積層体1は、所望の温度に予熱された回転する加熱ドラム3の上に、上記工程(2)で得た積層体1の上記乾燥塗膜とは反対側の面が加熱ドラム3側となるようにのせられ、更に活性エネルギー線透過性フィルム2が上記乾燥塗膜の面の上にのせられ、圧着ロール4により圧着される。上記乾燥塗膜の面の上に上記活性エネルギー線透過性フィルムを重ね仮貼りされた積層体6は、ガイドロール5により加熱ドラム3からリリースされ、工程(4)へと送られる。
上記活性エネルギー線透過性フィルムは、活性エネルギー線透過率が通常70%以上、好ましくは80%以上のフィルムである。ここで活性エネルギー線透過率は、波長200〜600ナノメートルの全範囲における活性エネルギー線の透過率が100%であると仮定した場合の透過スペクトルの積分面積に対する波長200〜600ナノメートルにおける活性エネルギー線の透過スペクトルの積分面積の割合であり、島津製作所株式会社の分光光度計「SolidSpec−3700(商品名)」を用い、光を入射角0°でフィルムに入射させて測定した値である。
上記活性エネルギー線透過性フィルムの好ましいものとしては、例えば、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート系樹脂フィルム、二軸延伸ポリプロピレン系樹脂フィルム、及び含弗素系樹脂フィルムなどをあげることができる。
上記活性エネルギー線透過性フィルムの上記乾燥塗膜との貼合面は、高光沢のハードコートを所望する場合には、高度に平滑なものであってよい。上記活性エネルギー線透過性フィルムの上記乾燥塗膜との貼合面は、エンボス模様の付与されたハードコートを所望する場合には、エンボス模様が彫刻されたものであってよい。
上記工程(4)において、上記工程(3)で得た積層体に活性エネルギー線が、通常は上記活性エネルギー線透過性フィルム側の面から照射されて上記乾燥塗膜は硬化し、ハードコートが形成される。
上記工程(4)において使用する活性エネルギー線としては、例えば、紫外線、及び電子線等の電離放射線などをあげることができる。上記工程(4)において使用する活性エネルギー線としては、例えば、高圧水銀ランプ、及びメタルハライドランプなどを光源とする白色活性エネルギー線をあげることができる。また白色活性エネルギー線を365フィルター(短波カットフィルター)、254フィルター(長波カットフィルター)、及び300フィルターなどのフィルターを使用して単色化し、用いてもよい。
上記工程(4)における活性エネルギー線の照射量は、上記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化特性、ハードコート厚み、及びライン速度などにより適宜調節される。上記照射量は、通常10〜10000mJ/cm、好ましくは50〜1000mJ/cmであってよい。
本発明のハードコートは、任意の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物であって抗菌剤を含むものを用いて、好ましくは上述の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を用いて、
(1’)活性エネルギー線透過性フィルムの少なくとも一方の面の上に、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物のウェット塗膜を形成する工程;
(2’)上記工程(1’)で得たウェット塗膜を予備乾燥し、乾燥塗膜にする工程;
(3’)上記工程(2’)で得た乾燥塗膜の面の上に、フィルム基材を重ね、仮貼りする工程;及び、
(4’)上記工程(3’)で得た積層体に活性エネルギー線を照射し、上記乾燥塗膜を硬化させる工程;
を含む方法により得ることができる。
後述の方法は、前述の方法と比較して、耐溶剤性の低いフィルム基材にも適用できるという利点を有する。前述の方法は、後述の方法と比較して、フィルム基材が化粧シートの構成層の1つである場合に、フィルム基材とハードコートとの密着性を高めることが容易であるという利点を有する。
上記工程(1’)において上記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物のウェット塗膜を形成する方法は、特に制限されない。上記方法としては、例えば、ロールコート、グラビアコート、リバースコート、ロールブラッシュ、スプレーコート、エアナイフコート、及びダイコートなどの方法をあげることができる。上記活性エネルギー線透過性フィルムについては、前述の方法の工程(3)の説明において説明した。
上記工程(2’)において上記工程(1’)で得たウェット塗膜は予備乾燥され、乾燥塗膜になる。上記予備乾燥は、例えば、ウェブを温度23〜150℃程度、好ましくは温度50〜120℃に設定された乾燥炉内を、入口から出口までパスするのに要する時間が0.5〜10分程度、好ましくは1〜5分となるようなライン速度でパスさせることにより行うことができる。
上記工程(3’)において上記工程(2’)で得た乾燥塗膜の面の上に、フィルム基材が重ねられ、仮貼りされる。これにより活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の活性エネルギー線照射による硬化反応の酸素障害が抑制される。また理論に拘束される意図はないが、活性エネルギー線と酸素の相互作用による上記成分(B)の不活化も抑制されると考察される。上記フィルム基材については、前述の方法の工程(1)の説明において説明した。
上記工程(4’)において、上記工程(3’)で得た積層体に活性エネルギー線が、通常は上記活性エネルギー線透過性フィルム側の面から照射されて上記乾燥塗膜は硬化し、ハードコートが形成される。活性エネルギー線、及びその照射量については、前述の方法の工程(4)の説明において説明した。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
測定方法
(イ)抗菌性1:
JIS Z2801:2010に従い、黄色ぶどう球菌(Staphylococcus aureus 、NBRC12732)を用い、温度23℃、試験菌液の生菌数1.4×10/mL、及び接種量0.4mLの条件で、化粧シートから採取した縦50mm、横50mmの大きさの試験片のハードコート面について測定した。ブランクは、化粧シートのフィルム基材(下記(α−1))から採取した縦50mm、横50mmの大きさのもののハードコート形成面とした。カバーフィルムには縦40mm、横40mm、厚み0.09mmのポリエチレンフィルムを用いた。また清浄化は、試験片の全面を、純度99%以上のエタノールを吸収させた局方ガーゼで軽く拭いた後、十分に乾燥させることにより行った。
(ロ)抗菌性2:
メチシリン耐性黄色ぶどう球菌(Methicillin resistant Staphylococcus aureus 、IID1677)を用い、試験菌液の生菌数を1.0×10/mLとしたこと以外は、上記(イ)抗菌性1と同様に測定した。
(ハ)耐擦傷性:
化粧シートをそのハードコート面が表面になるようにJIS L0849:2013の学振形試験機(摩擦試験機2形)に置いた。続いて、学振形試験機の摩擦端子に#0000のスチールウールを取り付けた後、500g荷重を載せ、試験片の表面を10往復擦った。当該摩擦箇所を目視観察し、以下の基準で評価した。
◎:傷がない
○:1〜5本の傷がある
△:6〜10本の傷がある
×:11本以上の傷がある
(ニ)耐汚染性:
化粧シートのハードコート面を株式会社パイロットの赤色の万年筆用ボトルインク「INK−30(商品名)」によりスポット汚染した後、汚染部分を時計皿で被覆し、室温で24時間放置した。次いで、汚染部分を、蒸留水を十分含ませた日本製紙クレシア株式会社の紙ワイパー「キムワイプ(商品名)」を用いて、紙ワイパーに新たな汚れが付かなくなるまで拭いて洗浄した後、上記部分を目視観察し、以下の基準で評価した。
◎:汚染無し
○:汚染が僅かに残っている
△:汚染がかなり残っている
×:汚染が著しく残っている
(ホ)色差:
JIS Z 8722:2009に従い、コニタミノルタジャパン株式会社の分光測色計「CM600d」を使用し、幾何条件c、鏡面反射となる成分含む条件で、XYZ座標を測定し、これをL*a*b*座標に換算することにより、下記フィルム基材(α−1)のハードコート形成面側から光を入射したときの色を測定した。同様に化粧シートのハードコート面側から光を入射したときの色を測定した。両者のCIELAB色差をJIS Z8781−4:2013の4.3色差に準拠して算出した。CIELAB色差は好ましくは1.6以下、より好ましくは1.2以下、更に好ましくは0.8以下であってよい。
(へ)最小曲げ半径(耐クラック性):
JIS−K6902:2007の曲げ成形性(B法)を参考とし、温度23℃±2℃、相対湿度50±5%にて24時間状態調節した試験片について、曲げ温度23℃±2℃、折り曲げ線は化粧シートのマシン方向と直角となる方向とし、化粧シートのハードコートが外側となるように折り曲げて曲面が形成されるようにして行った。クラックが発生しなかった成形ジグのうち正面部分の半径の最も小さいものの正面部分の半径を最小曲げ半径とした。この「正面部分」は、JIS K6902:2007の18.2項に規定されたB法における成形ジグに関する同用語を意味する。最小曲げ半径は好ましくは50mm以下、より好ましくは40mm以下、更に好ましくは35mm以下であってよい。
(ト)表面平滑性:(表面外観):
化粧シートのハードコート面を、蛍光灯の光の入射角をいろいろと変えて当てながら、蛍光管の映り込みや表面凹凸や曇感を目視観察し、以下の基準で評価した。
◎:表面にうねりや傷がない。曇感がなく、蛍光管の映り込みは鮮明である。
○:僅かにうねりがある。蛍光管の映り込みは鮮明である。
△:蛍光管の映り込みが少し不鮮明となる。
×:表面に凹凸多数あり、蛍光灯の蛍光管は不鮮明となる。
使用した原材料
(A)多官能(メタ)アクリレート:
(A−1)日本化薬株式会社のジペンタエリスリトールヘキサアクリレート。
(A−2)特開2013−064098号公報の段落0055に従い合成した1分子中に4のアクリロイル基を有するエタノールアミン変性ポリエーテルアクリレート。
(B)抗菌剤:
(B−1)有効成分として、溶剤中に2‐メチル‐4‐イソチアゾリン‐3‐オンを2.5質量%、1,2‐ベンゾイソチアゾリン‐3‐オンを2.5質量%、及び1‐ヒドロキシピリジン‐2(1H)‐チオンを4.0質量%含む抗菌剤。従って、上記成分(B−1)を1質量部配合したとは、上記(B)抗菌剤を0.09質量部配合したことを意味する。
(C)光重合開始剤:
(C−1)BASF社のアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤(2,4,6‐トリメチルベンゾイル‐ジフェニル‐フォスフィンオキサイド)「IRGACURE TPO(商品名)」。
(C−2)BASF社のアセトフェノン系光重合開始剤(1‐ヒドロキシ‐シクロヘキシル‐フェニルケトン)「IRGACURE184(商品名)」。
(C−3)BASF社のアセトフェノン系光重合開始剤(2‐ヒドロキシ‐2‐メチル‐1‐フェニルプロパン‐1‐オン)「IRGACURE1173(商品名)」。
(D)紫外線吸収剤:
(D−1)BASF社のシアノアクリレート系紫外線吸収剤「ユビナール3039(商品名)」。(2‐エチルヘキシル)‐2‐シアノ‐3,3‐ジフェニルアクリレート。
(E)その他成分:
(E−1)東ソー株式会社の1分子中に2以上のイソシアネート基を有する化合物「コロネートHX(商品名)」。
(E−2)メチルエチルケトン。
(α)フィルム基材:
(α−1)リケンテクノス株式会社の白色ポリエステル系樹脂フィルム「HR(WHT)(商品名)」。厚み250μm。
(β)活性エネルギー線透過性フィルム:
(β−1)厚み50μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレート系樹脂フィルム。活性エネルギー線透過率82%。
例1
(1)上記成分(A−1)50質量部、上記成分(A−2)50質量部、上記成分(B−1)2質量部、上記成分(C−1)2質量部、上記成分(C−2)3質量部、上記成分(D−1)3質量部、上記成分(E−1)2質量部、及び上記成分(E−2)150質量部を含む活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を、上記フィルム基材(α−1)の片方の面の上に、フィルムメイヤーバー方式の塗工装置を使用し、硬化後の厚みが10μmとなるように、ウェット塗膜を形成した。
(2)次に温度90℃に設定された乾燥炉内を、入口から出口までパスするのに要する時間が1分となるようなライン速度でパスさせ、上記ウェット塗膜を予備乾燥し、乾燥塗膜にした。
(3)次に図1に概念図を示す装置を使用し、上記フィルム基材(α−1)と上記乾燥塗膜との積層体1を、温度30℃に予熱された回転する加熱ドラム3の上に、上記積層体1の上記乾燥塗膜とは反対側の面が加熱ドラム3側となるようにのせ、更に上記活性エネルギー線透過性フィルム(β−1)2を、上記乾燥塗膜の面の上にのせ、圧着ロール4により圧着することにより、上記乾燥塗膜の面の上に、上記活性エネルギー線透過性フィルム(β−1)を重ね、仮貼りした。次に上記フィルム基材(α−1)、上記乾燥塗膜、及び上記活性エネルギー線透過性フィルム(β−1)をこの順に有する積層体6を、ガイドロール5により加熱ドラム3からリリースした。
(4)次に高圧水銀灯タイプの紫外線照射装置を使用し、積層体6の上記活性エネルギー線透過性フィルム(β−1)面側から、積算光量240mJ/cmの条件で活性エネルギー線を照射し、上記乾燥塗膜を硬化させ、ハードコートを形成した。
(5)続いて、上記活性エネルギー線透過性フィルム(β−1)を剥離除去し、上記フィルム基材(α−1)の片方の面の上にハードコートを有する化粧シートを得た。上記試験(イ)〜(ト)を行った。結果を表1に示す。
例2〜10
用いる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の配合を表1又は2に示すように変更したこと以外は、例1と同様に行った。結果を表1又は2に示す。
例11
上記成分(A−1)50質量部、上記成分(A−2)50質量部、上記成分(B−1)2質量部、上記成分(C−1)2質量部、上記成分(C−2)3質量部、上記成分(D−1)3質量部、上記成分(E−1)2質量部、及び上記成分(E−2)150質量部を含む活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を、上記フィルム基材(α−1)の片方の面の上に、フィルムメイヤーバー方式の塗工装置を使用し、硬化後の厚みが10μmとなるように、ウェット塗膜を形成した。次に温度90℃に設定された乾燥炉内を、入口から出口までパスするのに要する時間が1分となるようなライン速度でパスさせ、上記ウェット塗膜を予備乾燥し、乾燥塗膜にした。次に高圧水銀灯タイプの紫外線照射装置を使用し、上記乾燥塗膜に積算光量240mJ/cmの条件で活性エネルギー線を照射することにより、上記乾燥塗膜を硬化させ、ハードコートを形成した。こうして上記フィルム基材(α−1)の片方の面の上にハードコートを有する化粧シートを得た。上記試験(イ)〜(ト)を行った。結果を表2に示す。
例12
用いる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の配合を表2に示すように変更したこと以外は、例11と同様に行った。結果を表2に示す。
本発明の方法により生産された本発明のハードコートは、抗菌活性値が2以上であり、抗菌性を発現している。また本発明の好ましいハードコートは、更に耐擦傷性、耐汚染性、色調、及び表面平滑性も良好である。
実施例で用いた積層装置の概念図である。
1:フィルム基材と予備乾燥塗膜をこの順に有する積層体
2:活性エネルギー線透過性フィルム
3:加熱ドラム
4:圧着ロール
5:ガイドロール
6:フィルム基材、予備乾燥塗膜、及び活性エネルギー線透過性フィルムをこの順に有する積層体

Claims (8)

  1. (A)多官能(メタ)アクリレート;
    (B)有機窒素硫黄系抗菌剤;及び、
    (C)光重合開始剤;
    を含み、ここで上記成分(C)光重合開始剤が(C1)アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤を含む活性エネルギー線硬化性樹脂組成物からなり、
    黄色ぶどう球菌について、JIS Z2801:2010に従い、温度23℃において測定した抗菌活性値が2以上であるハードコート。
  2. 上記成分(C)が、
    (C1)アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤 20〜60質量%と
    (C2)アセトフェノン系光重合開始剤 80〜20質量%からなり、
    ここで上記成分(C1)と上記成分(C2)との和は100質量%である
    請求項に記載のハードコート。
  3. 上記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が更に(D)紫外線吸収剤を含む請求項1又は2に記載のハードコート。
  4. 上記成分(D)紫外線吸収剤が(D1)シアノアクリレート系紫外線吸収剤を含む請求項3に記載のハードコート。
  5. 上記成分(B)が、2‐メチル‐4‐イソチアゾリン‐3‐オン、1,2‐ベンゾイソチアゾリン‐3‐オン、5‐クロロ‐2‐メチル‐4‐イソチアゾリン‐3‐オン、2‐n‐オクチル‐4‐イソチアゾリン‐3‐オン、及び1‐ヒドロキシピリジン‐2(1H)‐チオンからなる群から選択される1種以上を含む請求項1〜4の何れか1項に記載のハードコート。
  6. 請求項1〜の何れか1項に記載のハードコートを含む物品。
  7. 請求項1〜の何れか1項に記載のハードコートを含む化粧シート。
  8. 請求項に記載の化粧シートを含む物品。
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