JP6765755B2 - 軽量止水パネルを備えた止水装置 - Google Patents

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本発明は、防水装置に関するもので、さらに詳しくは、所定幅・高さの止水パネルを備え、氾濫水の危険があるときに地下室の出入り口等を該止水パネルで所定の高さで閉鎖して浸水を阻止するようになっている止水装置に関するものである。
河川の氾濫、大雨、高潮、津波等の自然災害が発生すると、あるいは例えば人工的な送水管が破裂すると、相対的な低地は水害を被る。特に、地下鉄設備、地下街、地下駐車場、地下室等においては、大量の水が流れ込むと水没する危険性もある。
このような氾濫水に対して、水の侵入通路となる地下室の出入り口、地下鉄のホームへの出入り口等には、平常時に使用される開閉扉とは別に、遮水機能あるいは堰き止め機能を有する扉装置、シャッタ装置等が色々提案されている。例えば、特開平7−3751号による自動緊急遮断扉装置、特開2003−41557号による止水板、同2003−129762号による水圧駆動式の防水装置、同2005−200990号による通路用止水装置、同2012−62742号による構造物出入り口の流入水遮断用フォローテイング防水扉の構造、同2014−47502号による止水装置等が提案されている。
上記のような従来提案されている止水装置によっても、地下室等への氾濫水の進入を阻止することはできる。特に、特開2003−129762号により提案されている防水装置によると、水道水あるいはタンク中の雨水により防水板を地下から所定高さまで駆動することができ、災害時の氾濫水の防止装置として有益であり、実施する上で格別問題はない。災害時にガス、電気等のサービスが停止するようなときにも最後までサービスされ、あるいは復旧も一番早いといわれる水道水が利用されるので、停電時にも作動し、しかも遠隔的にも駆動することができ、災害時の防水装置としては有益である。また、防水板を駆動する動力も、設置スペースも格別に必要とせず、しかも必要時には手動的に確実に駆動することができるという特徴も有する。しかしながら、他の提案されている止水装置と同様に構造が比較的複雑で高価である難点がある。また、構造が複雑であるため操作法も簡単ではない。そこで、このような問題点を解消した止水装置が特許文献1および2により提案されている。
特開2005−180066号公報 特開2006−214178号公報
特許文献1に記載の水防用のウォータゲート装置は、図5に示されているように、下端縁を基準にして水平姿勢と直立姿勢との範囲で揺動自在に設置されている遮蔽板40と、遮蔽板40の下端縁に沿って設置されている下枠部材41と、下枠部材41の両端位置に所定の間隔を保って設けられている一対の側枠部材42、42と、遮蔽板40を起伏駆動する手動巻き胴装置45とから構成されている。巻き胴装置45により索条46を巻き取ると、遮蔽板40は立ち上がって出入り口を閉鎖し、巻き戻すと伏して解放するようになっている。氾濫水による水圧は大きいので遮蔽板40には強度が要求され、必然的に遮蔽板40の重量は大きくなる。しかしながら特許文献1に記載のウォータゲート装置は、遮蔽板40を巻き胴装置45により立ち上げるようになっているので、重量の問題は生じない。
図6には、特許文献2により提案されている簡易止水装置が示されている。この止水装置は、所定面積の止水板50と、家屋、庭、車庫等の出入口に所定の間隔を置いて立設されている一対の方立て51、51とから構成されている。この止水板50は方立て51、51に対してラッチ手段55により着脱自在になっている。したがって止水板50をパッキン56を介して方立て51、51に当接してラッチすると、止水板50により出入口が氾濫水に対して遮断されることになる。
特許文献1に記載の水防用のウォータゲート装置は、手動巻き胴装置45の巻き胴を駆動して遮蔽板40を立てると遮水できるが、手動巻き胴装置45を設けなければならないので、構造は複雑になり高価になっている。また、手動巻き胴装置45の操作に時間がかかり、緊急時の装置としては問題がある。さらには、緊急時以外には使用しない遮蔽板40が建物の出入り口に常時設置されているので、人の出入りなどで痛むこともあり得る。一方、特許文献2に記載の止水装置によると、止水板50を、パッキン56を介して方立て51、51に当接してラッチすると、止水板50により出入口が氾濫水に対して遮断されるので、それなりの効果は認められる。しかしながら、止水板50は人力で運搬して方立て51、51に設ける必要がある。氾濫水の水圧に対応するように十分な強度が必要になるので、止水板50は必然的に重量が大きいはずである。そのような重量の大きい止水板50を人力で運搬し、方立て51、51に設けるのは困難を伴う。一応、軽量であると共に十分な強度を備えた素材も周知であり、このような素材を止水板50に採用することもできる。例えば炭素繊維強化プラスチックからなるボードを採用することが考えられる。しかしながら止水板50に必要な大きさで必要な厚さのボードを製造する場合、特注で製造しなければならないので、コストが大きくなるという問題がある。他にも問題がある。すなわち特許文献2に記載の止水装置は、緊急時にラッチ手段55を格別に操作しなければならない。操作し忘れて放置すると止水板50は落下して役に立たない。また、止水板50を方立て51、51に取り付けても止水板50のパッキン56は方立て51、51に必ずしも密着しないので、密着させるための楔等の別の器具を必要とする問題もある。
したがって、本発明は、構造が単純で安価であり、そして安価で有りながら必要な強度を備えかつ軽量で扱いが容易な止水板を備え、このような止水板を容易に方立てに装着あるいは嵌め込むことができ、嵌め込むと自動的にロックされると共に、止水板と方立てとの間のパッキンおよび止水パネル底辺のパッキンが自動的に締め付けられる、止水装置を提供することを目的としている。
本発明は、上記目的を達成するために、所定大きさの止水パネルと、一対のパネル支持部材すなわち方立てとが適用される。そして、止水パネルは、金属製方形パイプから格子状に形成された骨組みと、該骨組みの両面に固着されている一対の炭素繊維強化プラスチック板(CFRP板)とから構成する。止水パネルには楔作用によりパッキンを圧接するテーパ楔が設けられ、方立てにも前記テーパ楔に対応してテーパ楔が設けられる。また、方立ての上方端部には前記止水パネルを装着するとロックがかかるロック装置が設けられる。さらには、方立てには、止水パネルが装着されるときの動きは許容し、逆方向の取り外し方向の動きは阻止すると共に、止水パネルと方立てとの間に介装されているパッキンを圧接する方向に作用する締付けロック装置が設けられる。
すなわち、請求項1に記載の発明は前記目的を達成するために、所定面積の止水パネルと、地下鉄、地下室、家屋、車庫等の出入口に所定の間隔をおいて対向して立設されている一対の方立てとからなり、前記止水パネルが前記一対の方立ての密着面と楔取付面との間に装着されると、前記止水パネルにより前記出入口が氾濫水に対して遮断されるようになっている装置であって、前記止水パネルは、金属製方形パイプから格子状に形成された骨組みと、該骨組みの両面に固着されている一対の炭素繊維強化プラスチック板とからなり、前記止水パネル側または前記方立ての密着面側にはパッキンが、前記止水パネルの該パッキンに対応する面の反対側には下方に向かってテーパ状に薄くなった第1のテーパ楔が、前記方立ての楔取付面側には前記第1のテーパ楔に対応した下方に向かってテーパ状に厚くなった第2のテーパ楔が設けられ、前記方立ての上端部には、前記止水パネルを前記方立てに装着すると、ロックがかかるロック装置が設けられていることを特徴とする止水装置として構成される。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の装置において、前記止水パネルと前記方立てのとの間に介在されるパッキンが、前記方立ての方に固定的に設けられている止水装置として構成される。
以上のように、本発明によると、所定面積の止水パネルと、地下鉄、地下室、家屋、車庫等の出入口に所定の間隔をおいて対向して立設されている一対の方立てとからなり、止水パネルが一対の方立ての密着面と楔取付面との間に装着されると、止水パネルにより出入口が氾濫水に対して遮断されるようになっている装置として構成される。つまり、格別に駆動装置を必要とせず、止水パネルは緊急時だけ人力で搬入して方立てに取付けるようになっている止水装置として構成されている。そして、止水パネルは、金属製方形パイプから格子状に形成された骨組みと、該骨組みの両面に固着されている一対の炭素繊維強化プラスチック板とから構成されている。金属製方形パイプは強度が高いので格子状に形成された骨組みは十分な強度を備えている。そしてこのような骨組みに対して両面に炭素繊維強化プラスチック板が固着されているので、炭素繊維強化プラスチック板として市販の1.0〜2.0mm程度の薄板を採用しても止水パネルは十分な強度が得られる。つまり安価な材料から強度が必要とされる止水パネルを製造することができる。そして金属製方形パイプからなる骨組みも、炭素繊維強化プラスチック板も軽量であるので止水パネルは軽量にできる。つまり本発明に係る止水パネルは、人力で容易に搬入できるという効果も得られる。本発明によると、止水パネル側または方立ての密着面側にはパッキンが、止水パネルの該パッキンに対応する面の反対側には下方に向かってテーパ状に薄くなった第1のテーパ楔が、方立ての楔取付面側には第1のテーパ楔に対応した下方に向かってテーパ状に厚くなった第2のテーパ楔が設けられている。そして方立ての上端部には、止水パネルを方立てに装着すると、ロックがかかるロック装置が設けられている。従って止水パネルを装着するだけで、あるいは落とし込むだけの簡単な操作によりロック装置により止水パネルはロックされる。このとき第1、2のテーパ楔の楔作用により、止水パネルを落とし込むだけで止水パネルと方立てとの間に介装されているパッキンは圧接される。
本発明の実施の形態を示す図で、その(ア)は止水パネルの実施の形態を示す斜視図、その(イ)は一対の方立ての実施の形態を建てた状態で示す斜視図、その(ウ)は第1の実施の形態の要部を示す断面図、その(エ)は止水パネルの下端部の実施の形態を示す断面図、その(オ)は止水パネルの下端部の他の実施の形態を示す断面図である。 本発明のロック装置の実施の形態を示す図で、その(ア)は非作動状態で、その(イ)は作動状態で、そして(ウ)はロックを解除している状態でそれぞれ示す断面図である。 本発明の実施の形態に係る止水パネルを、その一部を切断して示す斜視図である。 本発明の要部の他の実施の形態を示す図で、その(ア)は非作動状態で示す断面図、その(イ)は作動状態で示す断面図、その(ウ)は開放状態で示す断面図である。 従来例を示す斜視図である。 他の従来例を示す図で、その(ア)は全体を示す斜視図、その(イ)は止水板の斜視図、その(ウ)はラッチ部の断面図である。
以下、本発明の実施の形態を説明する。本実施の形態に係る止水パネル1は、図1の(ア)に示されているように、略方形を呈している。そして、本実施の形態に係る止水装置は、限定するものではないが、地下鉄の出入り口に設けることが意図されているので、止水パネル1は例えば、厚さ(d)が40〜50mm、有効高さ(h)が400〜600mm、有効幅(w)が3、000〜50、000mmに形成されている。止水パネル1を構成しているボードは、後で詳しくその構造を説明するように、所定の心材つまり骨組みと、一対の薄板の炭素繊維強化プラスチック板とからサンドイッチ構造に構成されている。これによって安価でありながら必要な強度を確保し、かつ軽量になっている。このような止水パネル1の下端縁には伸縮性に富むスポンジゴムのような材質からなるパッキン4が取り付けられ、上方縁には提げ手5、5が、上方縁の端部にはロック装置の一部が設けられている。図1の(ア)においては、ロック装置の取付枠体が符号28、28’で示されている。
図1の(エ)に示されているように、パッキン4は止水パネル1の下端部に長手方向に設けられているが、その中心部に同様に長手方向に収縮性に富む中空の第2のパッキン9が設けられている。中空の第2のパッキン9の下端部はパッキン4の下方へ所定量だけ突き出ている。したがって、止水パネル1を方立て10、10’間に落とし込むと、第2のパッキン9が最初に圧縮されることになる。これにより、止水パネル1の設置床面に多少の凹凸があっても水密性が保たれることになる。図1には示されていないが、第2のパッキン9はパッキン4の端に設けることもできるし、図1の(オ)に示されているように、パッキン9の先端部にヒダ状あるいは鋸の波状の凹凸を設け、水密性をさらに高めることもできる。
上記のように構成されている止水パネル1の所定高さ位置には、図1の(ウ)に示されているように、締付装置6が設けられている。この締付装置6は、一対の第1、2のテーパ楔7、8からなっている。一方の第1のテーパ楔7は、止水パネル1の方に取り付けられて下方がテーパ状に薄くなっている。これに対し、詳しくは後述する方立て10に取り付けられている第2のテーパ楔8は下方が厚くなっている。この締付装置6は、他方の方立て10’の方にも同様に設けられるが、図1には示されていない。
止水パネル1よりも所定量だけ高い、一対の方立て10、10’は、互いに向き合って対称形になっている。したがって、一方の方立て10について説明し、他方の方立て10’については同じ参照数字にダッシュ「’」を適宜付けて重複説明はしない。方立て10は、本実施の形態ではステンレス鋼板から略溝型鋼を呈する中空体から構成されている。方立て10は、所定の間隔すなわち止水パネル1の厚さよりも所定量だけ広い間隔13を有するように形成されている第1、2の翼部11、12すなわち戸受けガイド11と、戸当たりガイド12からなっている。戸受けガイド11は、基礎Gに取り付けられる取付面14と、組立た時に止水パネル1が接する密接面15とからなっている。戸当たりガイド12は、第2のテーパ楔8が取り付けられる楔取付面16からなっている。このように構成されている一対の方立て10、10’の取付面14、14’がコンクリートのような建築部材からなる基礎Gに打ち込まれたアンカーボルトにより取り付けられる。そして、戸当たりガイド12と戸受けガイド11との間13に止水パネル1が挿入あるいは落とし込まれることになる。アンカーボルト、取付金具等は、図には示されていないが、基礎Gと取付面14、14’との間に埋め込まれているシリコンからなる目地材は符号17、17’で示されている。
方立て10、10’の密接面15、15’には伸縮性に富むスポンジゴムのような材質からなる所定幅のパッキン3、3’が上下方向に取り付けられている。止水パネル1を方立て10、10’に装着すると、これらのパッキン3、3’により止水されることになる。
本実施の形態によると、方立て10、10’の上方端には、止水パネル1を方立て10、10’に装着あるいは上方から挿入すると、自動的にロックされ盗難あるいは浮き上がりが防止され、キー操作により簡単に解除されるロック装置が設けられている。その実施の形態が、図2に模式的に示されている。ロック装置20は、戸当たりガイド12の楔取付面16に取り付けられている所定径の筒状の受座すなわちストライク21と、止水パネル1側に取り付けられているラッチバー22とからなっている。ラッチバー22は先端部が薄くなっているテーパ部あるいはカム部23と、このカム部23に続く軸部24とからなっている。軸部24は円筒状のラッチバーケース25内に軸方向に移動自在に設けられている。そして、軸部24の端部とネジ付きカバー26との間にスプリング27が介装されている。したがって、ラッチバー22は、スプリング27によりケース25から所定量突き出て、ラッチ作用あるいはロック作用を奏するが、専用の操作キーにより、あるいはネジ付きカバー26を緩めて解除することもできる。専用の操作キーは図には示されていない。
上記のように構成されているロック装置20は、止水パネル1の両端の上方端の取付枠体28に、図には示されていないが、盗難防止ボルトにより取り付けられている。この盗難防止ボルトの頭部は特殊な形状に形成され、この形状に合致する工具のみによってのみ取り外すことができるようになっている。また、ラッチバーケース25は、紙面に垂直な軸により回動可能に取り付けられている。したがって、図2の(ウ)に示されているように、回動させてラッチ状態を解除することもできる。
止水パネル1を構成しているボードの構造を説明する。止水パネル1を構成しているボードは、図3に示されているように、金属製の方形パイプからなる骨組み1Aと、この骨組み1Aの両面に貼り合わせられた一対の炭素繊維強化プラスチック板1B、1Cとから構成されている。骨組み1Aは、本実施の形態においてはいわゆるアルミパイプからなり、アルミニウムまたはアルミニウム合金の方形パイプから構成されている。所定長さの複数本の方形パイプが、互いに溶接されて格子状に形成されている。骨組み1Aは方形パイプからなるので軽量であると共に十分な強度を備えている。炭素繊維強化プラスチック板1B、1Cは、炭素繊維から平織りされた布が1枚または複数枚積層され、このような炭素繊維からなる布に樹脂が含浸されて一体成形された板である。本実施の形態において、炭素繊維強化プラスチック板1B、1Cは、その厚さが1.0〜2.0mmの市販品が利用されている。従って止水パネル1は安価に製造されている。このような止水パネル1に、既に説明したように、第1のテーパ楔7、7’や、ロック装置20を備えた取付枠体28、28’が取付けられている。
次に、上記実施の形態の作用について説明する。氾濫水に対して、水の侵入通路となる地下室、地下のプラットホーム等の出入り口に、前述したようにして、一対の方立て10、10’を所定の間隔をおいて設けておく。このとき、戸当たりガイド12側が、外側に位置するように、つまり氾濫水が作用する側になるように設けておく。必要が生じた時に、止水パネル1を提げ手5、5を利用して人力により運び込む。本実施の形態に係る止水パネル1は軽量になっているので容易に運搬することができる。図1の(ア)、(イ)に示されているように、止水パネル1を方立て10、10’のパッキン3、3’と楔取付面16との間13、13’に上方から挿入あるいは落とし込む。落とし込むとき、あるいは押し込むときラッチバー21のテーパ部23がストライク21に当たり、ラッチバー22はスプリング27を圧縮して待避する。待避するので、押し込みを完了させることができる。押し込みが終わると、ラッチバー22は解放されスプリング27の復元力により復元し、その先端部はストライク21内に入り込む。これにより、止水パネル1はロックされ氾濫水による浮き上がり等が防止される。押し込むとき、第2のパッキン9等は圧縮され水密性が高められる。このとき、ラッチバー22がストライク21内に入り込むように実施すれば、止水パネル1の重量がストライク21により支持され、第2のパッキン9あるいはパッキン4のヘタリが防止される。
落とし込むと、締付装置6の一対のテーパ楔7、7’の楔作用により、方立て10、10’の楔取付面16、16’と止水パネル1との間隔Dは広くなる。広くなると、楔取付面16、16’は固定的であるので、止水パネル1の方が移動することになる。すなわち、止水パネル1のパッキン3、3’が圧縮される。また、氾濫水の水圧によっても圧接さる。これにより水密的に止水される。氾濫水が引いて不用になったら解除キーによりロック装置20を解除し、手動的に搬出する。
本実施の形態に係る止水パネル1は、アルミニウム製方形パイプからなる骨組み1Aと、比較的薄板の炭素繊維強化プラスチック板1B、1Cからなるが、水圧に耐えることができる十分な強度を備えていることを確認するため、実験を行った。
実験内容:本実施の形態に係る止水パネル1を次の条件で製造した。骨組み1Aはアルミニウム製方形パイプ40mm×40mmを使用。炭素繊維強化プラスチック板1B、1Cは厚さ1.5mmの市販品を使用。止水パネル1は、幅1,980mm×高さ500mm、厚さ43mmになるように製造した。水槽内に本実施の形態に係る一対の方立10、10’をその間隔が1,900mmになるように設け、止水パネル1を方立10、10’に嵌め込んだ。止水パネル1の内側には水が浸入しないように方立10、10’は所定の壁に設けるようにしてあるので、止水パネル1の外側つまり前面側に水を供給すると、水は止水パネル1の全面側にのみ溜まった。水深が約50cmになるように水を満たした。つまり止水パネル1の高さギリギリまで水を満たした。しかしながら止水パネル1は水圧によって大きく湾曲することはなく、止水パネル1の内側への浸水は完全に防止された。
考察:アルミニウム製方形パイプからなる骨組み1Aと、比較的薄板の炭素繊維強化プラスチック板1B、1Cからなる本実施の形態に係る止水パネル1は、氾濫水の水位が50cm程度であれば、十分な強度を備えて、適切に浸水を防止できることが確認された。
本発明の実施の形態は、色々変形可能である。例えば、パッキン3、3’は、前述もされているように、止水パネル1の方に設けておくこともできる。また、方立て10、10’は、必ずしもステンレス鋼板から中空体に構成する必要はない。さらには、一対のテーパ楔7、8からなる締付装置6は、複数段に設けることもできる。複数段に設けることにより製作誤差等が生じてもパッキン3、3’の弾性により誤差は吸収される。
上記実施の形態では、パッキン3、3’は締付装置6のテーパ楔7、8の楔作用により圧接され、ロック装置20により浮き上がりが防止されるようになっているが、両作用を兼ねた締付けロック装置30の実施の形態が図3に示されている。図3には、止水装置の要部のみが示されている。すなわち、方立て10の所定高さ位置に締付けロック装置30が設けられている。この締付けロック装置30は、図3の(ア)に示されているように、側面形状が略扇形を呈する作用爪31からなっている。作用爪31の円周部32には凹凸あるいは鋸の波状の凹凸が付けられている。これにより摩擦が大きくなっている。そして、その要部がピン33により方立て10の楔取付面16に回動自在に取り付けられている。
このように構成されている作用爪31の要部からは一体的に作用棒34が延び、この作用棒34に、バネ作用を奏する錘35が取り付けられている。この錘35により作用爪31はピン33を中心として時計針方向の回動力が付与されている。このときの回動量は、図には示されていないがストッパにより規制されている。図3の(ア)には、作用爪31の時計針方向の回動が所定量規制されている状態で示されている。
この状態では、図3の(ア)に示されているように、作用爪31の先端部は止水パネル1の落とし込み通路内に突き出ているが、作用爪31は斜め下方を向いているので、錘35に抗して反時計針方向に回動させ、止水パネル1を上方から挿入あるいは装着することができる。すなわち、作用爪31は止水パネル1の装着を許容する。装着している途中の状態が図3の(イ)に示されている。
嵌め込みあるいは装着を終わると、錘35の作用により作用爪31には時計針方向に回動する力が生じる。これにより、止水パネル1はある程度方立て10、10’の密接面15、15’に圧接される。止水パネル1が上方へ抜けようとしても、この動きは作用爪31の要部33と止水パネル1との間隔が広くなる方向の動きであるのでは動くことはできない。すなわち、止水パネル1はロックされる。なお、挿入を終わって、止水パネル1を少量引き上げると、ロックおよび圧接はより確実となる。
止水パネル1を外すときは、錘35を図には示されていないワイヤ、桿等の適当な部材で所定量引き上げ、作用爪31を反時計針方向に所定量回動させる。回動させると、作用爪31は止水パネル1の装着通路から待避する。待避している状態が図3の(ウ)に示されている。
前述もされているように、締付けロック装置30も圧接作用を奏するので、ロック装置30を複数段に設け、締付け装置6、6’を省略することもできる。締付けロック装置30には錘25が適用されているので、バネあるいはスプリングに比較して耐久性に優れているが、バネあるいはスプリングでも実施できる。さらには、図3には、締付けロック装置30は1個あるいは1段設けられた例が示されているが、複数段に設けることもできる。
1 止水パネル 1A 骨組み
1B、1C 炭素繊維強化プラスチック板
3、3’ パッキン 6 締付装置
7、8 第1、2のテーパ楔
10、10’ 方立て 11、11’ 戸受けガイド
12、12’ 戸当たりガイド 15、15’ 密着面
16、16’ 楔取付面 20、20’ ロック装置
30、30’ 締付けロック装置 31 作用爪
35 錘

Claims (2)

  1. 所定面積の止水パネルと、地下鉄、地下室、家屋、車庫等の出入口に所定の間隔をおいて対向して立設されている一対の方立てとからなり、
    前記止水パネルが前記一対の方立ての密着面と楔取付面との間に装着されると、前記止水パネルにより前記出入口が氾濫水に対して遮断されるようになっている装置であって、
    前記止水パネルは、金属製方形パイプから格子状に形成された骨組みと、該骨組みの両面に固着されている一対の炭素繊維強化プラスチック板とからなり、
    前記止水パネル側または前記方立ての密着面側にはパッキンが、前記止水パネルの該パッキンに対応する面の反対側には下方に向かってテーパ状に薄くなった第1のテーパ楔が、前記方立ての楔取付面側には前記第1のテーパ楔に対応した下方に向かってテーパ状に厚くなった第2のテーパ楔が設けられ、
    前記方立ての上端部には、前記止水パネルを前記方立てに装着すると、ロックがかかるロック装置が設けられていることを特徴とする止水装置。
  2. 請求項1に記載の装置において、前記止水パネルと前記方立てのとの間に介在されるパッキンが、前記方立ての方に固定的に設けられている止水装置。
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