JP6765155B1 - ファスナーへのノッチ形成用金型およびファスナーへのノッチ形成装置 - Google Patents

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    • B29D5/08Producing elements of slide fasteners; Combined making and attaching of elements of slide fasteners the interlocking members being formed by profiled or castellated edge of a stringer

Abstract

【課題】金型とテープに付着する残渣の量を少なくなるように工夫して、ファスナーの商品価値を高めることができるファスナーへのノッチ形成用金型およびファスナーへのノッチ形成装置をえる。【解決手段】エレメントの噛み合いによって一対のテープを結合するファスナーの熱溶解性素材からなるテープへのノッチ形成用金型。金型20は、基体と、基体201から突出したノッチ形成部202を有するとともに、基体201とノッチ形成部202との間に段部203を有し、金型20は、テープを熱溶解させるのに必要な温度に加熱するヒーターをさらに有し、ノッチ形成部は、基体から先端に向かって幅が小さくなる尖端形状である。【選択図】図3

Description

本発明は、ファスナーへのノッチ形成用金型およびファスナーへのノッチ形成装置に関するものである。
本明細書における「ファスナー」とは、線ファスナーといわれるもので、古くはスライドファスナーといわれていた。現在では単にファスナーといわれているので、本明細書でも「ファスナー」の名称を用いる。
ファスナーは、一対のテープと、頭部のかみ合いによって一対のテープを結合する「務歯」といわれるエレメントと、スライドすることによってエレメントを噛み合わせたり離したりするスライダーを有してなる。
ファスナーは、衣料品に広く用いられるとともに、工業製品の生産過程においても広く用いられている。例えば、車両用シートメーカーにおいては、シート素材同士を結合するためにファスナーを使用している。結合しようとする一方の素材の縁部にファスナーの一方のテープを縫い付け、結合しようとする他方の素材の縁部にファスナーの他方のテープを縫い付ける。スライダーをスライドさせて両方のテープのエレメントを噛み合わせると、シート素材同士を結合することができる。
このような乗り物用シートカバーに関する技術を開示した文献として特許文献1がある。
結合しようとする素材の縁部にファスナーのテープを縫い付けるに際して、素材とテープとの相対的な位置関係が重要で、正確な位置合わせを行うのに時間がとられ、能率的に作業を行うことができるようになるには熟練を要する。加えて、工業製品の生産過程で使用されるファスナーは、縫い付け作業の効率化と仕上がりの美しさ求められる。
従来は、ファスナーのテープと、テープを結合しようとする素材の縁部にマークを付け、双方のマーク同士を合わせることによって相互の位置合わせを行うようにしたものがある。マークの数、マーク相互間の寸法はユーザーの指定によって決まり、一定間隔である場合もあるし、不規則な間隔である場合もある。また、片方のテープにのみマークを付ける場合もあるし、一方のテープと他方のテープに交互にマークを付ける場合もある。
前記従来例では、テープに付されたマークの上を指などで擦ると、マークのペイントが擦れてテープ上に広がり、あるいはファスナーを結合しようとする素材側にペイントが付着することがある。ファスナーの用途が自動車などの乗り物用のシートカバーの場合、ペイントがシートカバーに付着するとシートカバーの美観が損なわれ、シートカバーとしての商品価値が損なわれてしまう。ファスナーを結合しようとする素材側にペイントが付着しないように留意しながらファスナーを結合しようとすると、作業効率が低下するという不具合が生じる。
特許第6111982号公報
本出願人は、ファスナーの熱溶解性素材からなるテープに、取り付け時の位置決めの目印となるノッチを熱溶解によって形成するファスナーへのノッチ形成装置について先に特許出願した。特願2019−103597が先の特許出願であり、この特許出願に係る発明はまだ公開されていない。
前記特許出願に係る発明によれば、ファスナーのテープを結合しようとする素材のマークに前記テープのノッチを合わせることによって相互の位置合わせを行うことができる。前記テープのノッチは、ペイントなどで記されたマークと異なってテープを汚すことはない。しかし、前記特許出願に係る発明は、さらに改良するべき技術課題があることが分かった。この技術課題を、図14、図15を参照して説明する。
図14は、前記特許出願に係る発明に用いられる金型の例を示している。図14に示すように、金型120は平面形状が楔状の三角形になっている。金型120の上面には芯材121が結合されている。芯材121にはヒーターが取り付けられていて、芯材121とともに金型120が加熱される。
金型120は上側の金型で、三つの角の一つが下側の金型のV字状の切込みに嵌まるようになっている。金型120の前記角の一つが、図15に示すファスナーのテープ2に押し付けられ、前記下側の金型のV字状の切込みに嵌まると、金型120の熱によってテープ2の一部が熱溶解されてテープ2にV字状のノッチ17が形成される。
前記特許出願に記載した金型120を用いてファスナーのテープ2にノッチを形成すると、金型120の一部に、テープ2が溶解した残渣123(図14参照)が付着することが分かった。残渣123は金型120の表面のうちテープ2に接する底面の一部および側面の一部に付着する。また、テープ2側のノッチ17の周辺にも、図15に示すように、テープ2が溶解した残渣123が付着し、テープ2の外観を損なうことが分かった。金型120に残渣123が付着していると、次に別のテープ2にノッチを形成するときノッチの周辺に残渣12が付着し、テープ2の外観を損なう。
テープ2に、金型120による熱溶解でノッチ17を形成するとき、熱溶解される部分の約8割は気体となって空中に放散されあるいはテープ2内に浸透する。残りの約2割が固形の残渣123となって金型120とテープ2に付着する。
本発明は、金型とテープに付着する残渣の量を少なくなることができるように工夫して、ファスナーの商品価値を高めることができるファスナーへのノッチ形成用金型およびファスナーへのノッチ形成装置を提供することを目的とする。
本発明に係るファスナーへのノッチ形成用金型は、
エレメントの噛み合いによって一対のテープを結合するファスナーの熱溶解性素材からなる前記テープへのノッチ形成用金型であって、
前記金型は、基体と、前記基体から突出したノッチ形成部を有するとともに、前記基体と前記ノッチ形成部との間には段部を有し、
前記金型は、前記テープを熱溶解させるのに必要な温度に加熱するヒーターをさらに有し、
前記ノッチ形成部は、前記基体から先端に向かって幅が小さくなる尖端形状であることを最も主要な特徴とする。
本発明に係るファスナーへのノッチ形成装置は、
エレメントの噛み合いによって一対のテープを結合するファスナーの熱溶解性素材からなる前記テープへのノッチ形成装置であって、
前記ファスナーの前記テープに押し付けられて前記テープにノッチを形成する金型と、
加熱された前記金型を前記ファスナーの前記テープに押し付ける金型移動機構と、を有し、
前記金型は、前記ファスナーへのノッチ形成用金型であることを特徴とする。
本発明によれば、金型の基体の体積に対してノッチ形成部の体積が小さくなり、ノッチ形成を繰り返し行っても、ノッチ形成による熱の消費量に対して基体からノッチ形成部への熱の供給量を十分に確保できる。よって、ノッチ形成部に接する前記テープの素材が迅速に加熱溶解されて放散され、前記ノッチ形成部および前記テープに形成されたノッチの周辺に付着する残渣の量が少なく、ファスナーの外観をきれいに保つことができる。
本発明に係るファスナーへのノッチ形成用金型およびファスナーへのノッチ形成装置によって得ることができるファスナーの例を示す平面図である。 本発明に係るファスナーへのノッチ形成用金型の一実施例を示す平面図である。 前記ノッチ形成用金型の一実施例の斜視図である。 前記ノッチ形成用金型とともに用いられる他方の金型の例を示す平面図である。 前記他方の金型の正面図である。 本発明に係るファスナーへのノッチ形成装置の実施例を示す正面図である。 前記ノッチ形成装置に用いられる前記ノッチ形成用金型とこの金型が有するヒーターの例を示す一部断面正面図である。 前記ノッチ形成用金型と前記他方の金型によるノッチ形成動作を示す一部断面正面図である。 前記ノッチ形成装置を制御系統の例とともに示す正面図である。 前記ノッチ形成装置によるノッチ形成の様子を示す平面図である。 本発明に係るファスナーへのノッチ形成用金型の別の実施例を示す(a)は斜視図、(b)は正面図である。 本発明に係るファスナーへのノッチ形成用金型のさらに別の実施例を示す斜視図である。 図12に示すノッチ形成用金型によるノッチ形成の様子を示す側面図である。 本出願人によって先に特許出願されたファスナーへのノッチ形成用金型の例を示す(a)は正面図、(b)は平面図である 図14に示すファスナーへのノッチ形成用金型によってファスナーのテープに形成されるノッチの例を示す平面図である。
以下、本発明に係るファスナーへのノッチ形成用金型およびファスナーへのノッチ形成装置の実施例について図面を参照しながら説明する。
[ファスナーの例]
本発明に係るファスナーへのノッチ形成用金型およびファスナーへのノッチ形成装置を用いてノッチが形成されたファスナーの例を図1に示す。図1において、ファスナー1は、一対のテープ12、各テープ12の一側縁に沿って植えられているエレメント13、スライダー14を主要な構成要素として有している。テープ12は、熱溶解性素材、例えば、ポリエチレン、ポリ塩化ビニール、ポリエステル、ナイロンなどの樹脂からなる。各テープ12のエレメント13の頭部を互いに噛み合わせることにより一対のテープ12を結合する。双方のエレメント13相互の噛み合いおよび噛み合いの解除は、スライダー14をエレメント13に沿ってスライドさせることによって行う。
双方のエレメント13の植付け範囲、従ってスライダー14のスライド範囲は、下止め15と上止め16で規制される。下止め15は並行する一対のテープ12にまたがって装着され、一対のテープ12を繋いでいる。上止め16は一対のテープ12それぞれに装着されている。
一対のテープ12の長さ方向の外側縁部にはそれぞれ複数のノッチ17が形成されている。各ノッチ17は、テープ12の幅方向内方に向かって収束するV字形のノッチである。図示の実施例では、V字形のノッチ17が各テープ12に同数、かつ、それぞれのテープ12において長さ方向の同じ位置に形成されている。各テープ12の長さ方向における複数のノッチ17の相互間隔は異なっている。
ノッチ17は、ファスナー10によって互いに結合しようとする相手側の素材の一方と他方にそれぞれ一方のテープ12と他方のテープ12を縫い付けるときの目印となる。より厳密には、V字状のノッチ17の尖端を相手側の素材の目印の中心に合わせて相手側の素材とテープ12を縫い付ける。
一つのテープ12に形成するノッチ17の数は任意で、1個だけでもよい。ノッチ17の位置は、対をなすテープ12の一方と他方で異なっていてもよく、ノッチ17の間隔も対をなすテープ12の一方と他方で異なっていてもよい。ノッチ17は、対をなすテープ12の一方にのみ形成されていてもよい。ノッチ17の形状はV字形に限られるものではなく、例えば、半円形の切込み乃至は窪みであってもよいし、孔でもよい。
以上説明した実施例に係るファスナー10によれば、ノッチ17を目印にしてテープ12を相手側の素材に縫い付けることにより、ファスナー10を高い精度で位置決めして装着することができる。ファスナー10を装着するとき、テープ12の表面が擦られても、表面を汚すペイントなどがないから、ファスナーを装着する相手側の素材の美観を保つことができ、かつ、ファスナー装着の作業性を高めることができる。
[ファスナーへのノッチ形成用金型の一実施例]
次に、上に述べたようなファスナーを得るための、ファスナーへのノッチ形成用金型の実施例について説明する。図2乃至図5は、ファスナーへのノッチ形成用金型の一実施例を示している。
図2、図3において、金型20は、基体201と、基体201から突出したノッチ形成部202を有する。基体201は、上方から見て、すなわち平面視において台形状になっていて、台形の互いに平行をなす平面のうち短辺側の局部からノッチ形成部202が外方に向かって突出している。したがって、基体201とノッチ形成部202との間には段部203があり、平面視において、基体201のノッチ形成部202形成辺の幅よりもノッチ形成部202の幅が狭くなっている。
ノッチ形成部202は、基体201から先端に向かって連続的に幅が小さくなる尖端形状であって平面形状が前記ノッチ17の平面形状と同じV字形をしている。基体201の上面には芯材24の下端が結合され、基体201から上方に延びた芯材24の外周は、図7などに示すヒーター22によって覆われている。ヒーター22による金型20の加熱構造については後で詳細に説明する。
図4、図5は下型30を示している。下型30は全体が平板状で、下型30の上面に、前記ファスナー10が載せられる。下型30には、その長手方向の両方の縁部に、金型20が嵌るV字形の切込み31が形成されている。下型30の両側縁部の切込み31の少なくとも尖端側の一部をファスナー10の一対のテープ12が覆い、この状態で下型30の各切込み31に対向させてそれぞれ金型20のノッチ形成部202が配置される。金型20を下降させると、ノッチ形成部202がテープ12を熱溶解させながら切込み31に嵌まり合う。換言すれば、上型20は雄型であり、下型30は上型20のノッチ形成部202が嵌る雌型である。
金型20は、後で説明する金型移動機構によって芯材24の中心軸線に沿い上下方向に移動し、ノッチ形成部202が下型30上のテープ12に押し付けられ、さらに上記のように下型30の切込み31に嵌まり合う。ノッチ形成部202は、基体201から、金型20のテープ12への押し付け方向に対して直交する方向に突出していて、基体201はテープ12に接することのないように金型20の移動軌跡が設定されている。
金型20はヒーター22で加熱され、金型20のノッチ形成部202がファスナー10のテープ12に接することにより、テープ12に上記ノッチ形成部202と同じV字形のノッチ17が熱溶解によって形成される。
図6、図7に示すように、金型20の基体201の上面には芯材24の下端が結合され、金型20から上方に延びた芯材24の外周はヒーター22によって覆われている。芯材24とヒーター22は止めネジ26によって結合されている。ヒーター22は電熱線などの電力による発熱体を有していて、ヒーター22で生成される熱エネルギーが芯材24を介して金型20の基体201からノッチ形成部202に伝達される。ヒーター22には電源28、例えば商用交流電源から電力が供給される。
図6に示す例では、金型20、芯材24、ヒーター22からなる金型ユニットが5個、支持体34によって支持されている。各金型ユニットは、アクチュエータを有してなる金型移動機構によって上下動し、各金型ユニットの上下動により5個の金型20が上下動するようになっている。下型30にはファスナー10が載せられ、その上方から5個の金型20が下降し、各金型20のノッチ形成部202が下型30の切込み31にそれぞれ嵌まるようになっている。
図8は、一つの金型20のノッチ形成部202が下型30の一つの切込み31に嵌った状態を示している。金型20は、予めヒーター22に電源28から電力が供給されることにより加熱される。電源28は例えば100Vの交流電源であり、ヒーター22の消費電力は例えば25W程度で、半田ごてと同様の仕組みで金型20の温度は280℃程度かそれ以上に加熱される。
加熱された金型20のノッチ形成部202がファスナー10のテープ12を下型30との間に挟み込む。上記テープ12は熱溶解性素材からなるため、金型20のノッチ形成部202の形に熱溶解され、ノッチ形成部202が下型30の切込み31に嵌まることにより、テープ12に、ノッチ形成部202の形に倣ったノッチ17が形成される。テープ12の熱溶解された部分の大半は気体となって放散し、一部はテープ12内に溶け込む。
[ノッチ形成用金型の一実施例によって得られる効果]
以上説明したノッチ形成用金型の一実施例は、基体201と、基体201から突出したノッチ形成部202を有するとともに、基体201とノッチ形成部202との間に段部203を有していることを一つの特徴としている。さらに金型20は、ファスナー10のテープ12を熱溶解させるのに必要な温度に加熱するヒーター22を有し、ノッチ形成部202は、基体201から先端に向かって幅が小さくなる尖端形状であることを特徴としている。
かかる特徴を有するノッチ形成用金型の一実施例によれば、ノッチ形成部202の体積に対して基体201の体積が十分に大きい。したがって、ファスナー10のテープ12にノッチ17を形成するときにノッチ形成部202で消費される熱量に対して基体201が保有している熱量が格段に多く、ノッチ17の形成による金型20の温度低下は僅かであり、金型20の温度を適温に安定して維持する。
金型20のノッチ形成部202を前記テープ12に接触させた直後からテープ12がノッチ形成部202の形に倣って熱溶解され、熱溶解されるテープ12の素材の大半は気体となって放散する。熱溶解されるテープ12の素材の残りの一部は残渣となってノッチ形成部202とテープ12に付着する。前述のように、ノッチ17の形成による金型20の温度低下は僅かで、金型20の温度は安定して適温に維持されるため、ノッチ形成部202とテープ12に付着する残渣の量は僅かである。したがって、金型20のノッチ形成部202とテープ12は残渣による汚れが少なく、ファスナー10の仕上がりがきれいになる。
金型20のノッチ形成部202の残渣による汚れを抑制できるため、ノッチ17の形成を繰り返し行っても、ノッチ形成部202に付着した残渣がテープ12に転移する量も少なく、金型20の定期的な清掃などのメンテナンスの労力を軽減できる。ノッチ17の形成による熱量の消費が少ないため、金型20で消費される電力量を軽減できる。
金型20のノッチ形成部202をテープ12に接触させた直後からテープ12がノッチ形成部202の形に倣って熱溶解されるため、下型30の切込み31は、金型20のノッチ形成部202の形に対応していなくてもよい。例えば、下型30の切込み31をノッチ形成部202の投影面積より大きくして、ノッチ形成部202に対する逃げとなっていればよい。したがって、下型30はファスナーを載置できかつファスナーのテープ12にある程度の張力を与えてこれを保持できればよく、金型としての機能はなくてもよい。
[金型移動機構]
図9は、複数の金型20を上下動させる金型移動機構の具体例およびその制御系の例を示す。図9において、金型移動機構は支持体34によって支持されている。支持体34は、基台38と、基台38から立ち上がった複数の支柱37と、各支柱37の上端で支持されている梁36を有してなる。基台38の上に下型30が固定されている。金型20を有する上型ユニットを上下動させるアクチュエータ32が梁36によって支持されている。図9に示す例では上型ユニットが4個あり、各上型ユニットを個別に上下動させる4個のアクチュエータ32がある。
図9の例では、アクチュエータ32はエアシリンダである。金型移動機構は電源28と圧縮空気源50につながっていて、電源28と圧縮空気源50は、金型移動機構内のコントロールボックス40につながっている。金型移動機構は金型20の温度を検出する温度センサ54を有している。コントロールボックス40は、温度センサ54で検出される金型20の温度が所定の範囲に保たれるように、各金型20のヒーター22に供給する電力を制御する。
金型移動機構には、基台38の両端部に稼働スイッチ56が取り付けられている。稼働スイッチ56を操作することにより、コントロールボックス40がエアシリンダからなるアクチュエータ32に圧縮空気を供給して各上型20を下降させ、前述の通りファスナーのテープ12にノッチ17を形成する。その後、稼働スイッチ56をオフにすると、各アクチュエータ32が各上型20を上昇させ、一連のノッチ形成動作を終わる。
図10は、ノッチ形成装置によってノッチ17が形成されたファスナー10の例と、上記ノッチ17を形成するための前記金型20を有する金型ユニットの配置例を示す。図10において、ファスナー10を構成する一対のテープ12の両方に複数のノッチ17が形成されている。
[ファスナーへのノッチ形成用金型の別の実施例]
図11乃至図13は、本発明に係るファスナーへのノッチ形成用金型の別の実施例を示す。図2、図3に示すノッチ形成用金型の実施例では、金型20の基体201とノッチ形成部202の上下の面がそれぞれ同一面にあり、ノッチ形成部202の下面すなわちファスナー10のテープ12と対向する側の端面が平面になっている。このような構成であっても、前述のとおり初期の効果を得ることができる。図11乃至図13に示すノッチ形成用金型の別の実施例は、目的に即したより一層望ましい効果を得ることができるように工夫したものである。
図11に示すノッチ形成用金型の実施例は、金型20のノッチ形成部202を、ファスナー10のテープ12と対向する側すなわち下側の端縁部204が尖端形状になるように、傾斜方向が互いに異なる傾斜面を両側に形成したものである。この実施例に係るノッチ形成用金型によれば、金型20をファスナー10のテープ12に向けて押し付けると、まずノッチ形成部202の下側の尖端部がテープ12に接し、前記先端部からテープ12に局所的に熱が加えられる。テープ12はノッチ形成部202の下側の尖端部と接触する部分から溶解し始め、溶解部分が、テープ12の適度な張力によって裂けるようして開き始める。金型20が下降するに従ってテープ12の溶解が進み、ノッチ形成部202の先端側の平面方向からの投影面に相当するノッチ17がテープ12に形成される。
このように、図11に示すノッチ形成用金型の実施例によれば、ノッチ形成部202の下側の尖端形状によって、テープ12によるノッチ17の形成が順次進行し、ノッチ形成部202による熱の消費が時間とともに行われ、大量の熱量が瞬時に消費されることはない。よって、多くのノッチ17を連続して形成しても、金型20の温度低下がなく、テープ12の熱溶解によってノッチ形成部202およびテープ12に付着する残渣の量を低減できる。
図12に示すノッチ形成用金型の実施例は、図11に示す金型20をさらに改良したものである。図12に示す金型20は、金型20のノッチ形成部202の、ファスナー10のテープ12と対向する下側の端縁部204が尖端形状であり、前記端縁部204が、基体201側からノッチ形成部202の先端に向かって上昇する向きに傾斜している。さらに、前記端縁部204は、基体201からノッチ形成部202の先端部において、ノッチ形成部202の先端上側に向かう斜めの線に沿って切断されている。
ノッチ形成部202の下側の端縁部204は尖端縁部205になっている。端縁部204をノッチ形成部202の先端上側に向かう斜めの線に沿って切断した部分も尖端縁部206になっている。換言すれば、ノッチ形成部202は、その底部から先端の上面に至るまで、連続した尖端縁部205と尖端縁部206で構成されている。尖端縁部206は、図12、図13に示す例のように曲線に沿ったものでもよいし、直線に沿ったものでもよい。
図12に示すノッチ形成用金型の実施例によれば、図11に示す実施例と同様の効果を得ることができるほか、尖端形状の前記端縁部204が、基体201側からノッチ形成部202の先端に向かって上昇する傾斜面になっていることにより、以下の効果を得ることができる。すなわち、図13に示すように、金型20の下降に伴いテープ12に対するノッチ形成部202の接触位置が点接触的に順次進んでいく。そのため、ノッチ形成部202による単位時間ごとの熱の消費がさらに軽減され、ノッチ17の形成による金型20の温度低下を抑制して、テープ12の熱溶解によって生じた残渣がノッチ形成部202およびテープ12に付着する量を低減できる。
[ノッチ形成装置の設置例]
ファスナーの製造工程の初期においては、一対のテープに植えられたエレメント(務歯)が互いに噛み合った形で連続的に製造され、リールなどに巻き取られる。この製造初期段階のファスナーを実用可能な形態にするために、務歯抜き装置により所定の長さごとに所定数のエレメントが除去され、ファスナーとして機能する部分が確定される。さらに、下止め、スライダー、上止めが装着され、務歯抜きされた部分でテープを切断することにより、実用に供するファスナーが製造される。
本発明に係るファスナーへのノッチ形成装置は、上記務歯抜き装置中に組み込み、務歯抜き工程を実行中に、あるいは務歯抜き工程の後に、ノッチ形成装置により自動的にノッチを形成するようにしてもよい。このように構成しておけば、効率的にノッチを形成することができる。
[本発明に係るノッチ形成装置の実施例によって得られる効果]
本発明に係るノッチ形成装置の実施例は、ファスナーのテープに、ファスナーを取り付けるときの位置の目印となるノッチを形成するようにした。ノッチは、ファスナーの取り付け位置の目印として付される従来のペイントによるマークのように、擦られることによってファスナーあるいはファスナーが取り付けられる相手の部材を汚すことはない。したがって、前記実施例に係るノッチ形成装置によってノッチが形成されたファスナーを使用した製品の品質を損なうことはなくなる。
本発明に係るノッチ形成装置は、前述のノッチ形成用金型を備えているため、ノッチ形成用金型の実施例について説明した効果を得ることができる。
10 ファスナー
12 テープ
13 エレメント
14 スライダー
17 ノッチ
20 金型
22 ヒーター
201 基体
202 ノッチ形成部
203 段部
204 先端縁部

Claims (6)

  1. エレメントの噛み合いによって一対テープを結合するファスナーの熱溶解性素材からなる前記テープへのノッチ形成用金型であって、
    前記金型は、基体と、前記基体の一辺の局部から突出したノッチ形成部を有するとともに、前記基体と前記ノッチ形成部との間に段部を有し、
    前記金型は、前記テープを熱溶解させるのに必要な温度に加熱するヒーターをさらに有し、
    前記ノッチ形成部は、前記基体から先端に向かって幅が小さくなる尖端形状であるファスナーへのノッチ形成用金型。
  2. 前記ノッチ形成部は、前記基体から、前記金型の前記テープへの押し付け方向に対して直交する方向に突出している請求項1記載のファスナーへのノッチ形成用金型。
  3. 前記金型の前記ノッチ形成部は、前記テープと対向する側の端部が尖端形状である請求項1または2記載のファスナーへのノッチ形成用金型。
  4. 前記金型の前記ノッチ形成部は、前記テープと対向する側の端部でありかつ前記基体から先端に向かう尖端形状の先端部分が、斜めに切断されている請求項1、2または3記載のファスナーへのノッチ形成用金型。
  5. 前記斜めに切断されている部分は、直線または曲線に沿って切断されかつ尖端形状である請求項4記載のファスナーへのノッチ形成用金型。
  6. エレメントの噛み合いによって一対のテープを結合するファスナーの熱溶解性素材からなる前記テープへのノッチ形成装置であって、
    前記ファスナーの前記テープに押し付けられて前記テープにノッチを形成する金型と、
    加熱された前記金型を前記ファスナーの前記テープに押し付ける金型移動機構と、を有し、
    前記金型は、請求項1乃至5のいずれかに記載のノッチ形成用金型であるファスナーへのノッチ形成装置。
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