JP6765067B2 - 便器 - Google Patents

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Description

本発明は、便器に関する。
特許文献1には、壁掛け便器が開示されている。特許文献1記載の壁掛け便器は、壁面に固定されるブラケットと、ブラケットに支持される便器とを備えている。
特開平10−273927号公報
ところで、この壁掛け便器にあっては、ブラケットは、縦面に固定される部分と便器を支持する部分とが一体であるため、便器を壁に設置する作業の自由度が低く、作業がしにくいものであった。
本発明の目的は、縦面への取り付けがしやすい便器を提供することである。
本発明に係る一態様の便器は、便器本体と、前記便器本体を縦面に取り付ける支持フレームと、を備える。前記支持フレームは、前記縦面に固定される後側フレームと、前記後側フレームに連結されて前記便器本体を支持する前側フレームと、を有する。前記後側フレームは、前記縦面に固定される固定体と、前記固定体から前方に向かって突出する左右方向に離れた一対の後側支持部と、を有する。前記前側フレームは、前記便器本体を支持し、後方に向かって突出する一対の前側支持部と、前記前側支持部を連結する前側連結部と、を有する。前記一対の前側支持部は前記一対の後側支持部に連結されていることを特徴とする。
本発明の便器ににあっては、縦面への取り付けがしやすいものである。
図1は、本発明に係る一実施形態の便器の斜視図である。 図2は、同上の便器の支持フレームの斜視図である。 図3Aは、同上の便器の水平断面図である。図3Bは、同上の便器の支持部の長手方向に垂直な断面図である。 図4は、同上の支持フレームの分解斜視図である。 図5Aは、同上の支持フレームのうちの前側フレームの斜視図である。図5Bは、同上の前側フレームの断面図である。 図6Aは、同上の前側フレームの前側固定部が設けられた部分の斜視図である。図6Bは、同上の前側フレームの前側固定部が設けられた部分の断面図である。図6Cは、同上の前側フレームの前側固定部が設けられた部分の他例の断面図である。 図7Aは、同上の支持フレームのうちの後側フレームの斜視図である。図7Bは、同上の後側フレームの後側支持部の断面図である。 図8は、同上の便器の鉛直面に沿った断面図である。 図9Aは、同上の便器本体の製造を説明する、前側連結部を挿入する前の断面図である。図9Bは、同上の便器本体の製造を説明する、前側連結部を挿入した後の断面図である。 図10は、同上の便器本体の支持フレームへの取り付けを説明する分解斜視図である。 図11は、変形例1の支持フレームの斜視図である。 図12Aは、変形例2−1の載置部の周辺の断面図である。図12Bは、変形例2−2の載置部の周辺の断面図である。図12Cは、変形例2−3の載置部の周辺の断面図である。 図13Aは、変形例3−1の載置部の周辺の断面図である。図13Bは、変形例3−2の載置部の周辺の断面図である。 図14Aは、変形例4−1の載置部の周辺の断面図である。図14Bは、変形例4−2の載置部の周辺の断面図である。図14Cは、変形例4−3の載置部の周辺の断面図である。図14Dは、変形例4−4の載置部の周辺の断面図である。 図15Aは、変形例4−5の載置部の周辺の断面図である。図15Bは、変形例4−6の載置部の周辺の断面図である。 図16Aは、変形例5−1の載置部の周辺の断面図である。図16Bは、変形例5−2の載置部の周辺の断面図である。 図17Aは、変形例5−1の突起部を下方から見た図である。図17Bは、図17Aの他例の突起部を下方から見た図である。 17Aのさらに他例の突起部を下方から見た図である。 図19Aは、変形例5−3の載置部の周辺の断面図である。図19Bは、変形例5−4の載置部の周辺の断面図である。 図20は、変形例6の便器の水平断面図である。 図21は、変形例7−1の支持部とリム部との分解斜視断面図である。 図22は、変形例7−2の支持部とリム部との分解斜視断面図である。 図23Aは、変形例8−1の載置部の周辺の断面図である。図23Bは、変形例8−2の載置部の周辺の断面図である。 図24は、変形例9の便器の鉛直面に沿った断面図である。
本発明は、便器に関し、特に、壁等の縦面に取り付けられた壁掛け便器に関する。以下、本発明の実施形態について添付図面に基づいて説明する。
以下の説明においては、便器1に着座したユーザーを基準に前後方向を決定する。すなわち、図1に示すように、縦面から便器1が突出した方向を前向きとし、その反対方向を後向きとする。また、前向きおよび後向きに平行な方向を前後方向といい、前後方向に直交しかつ水平面に沿う方向を左右方向という場合がある。
(1)概要
本実施形態の便器1は、トイレルームの壁面70などの縦面に取り付けられる便器1である。便器1は、床面71から離れて配置されており、便器1の下方に位置する床面71の清掃が容易となるように構成されている。一方、本実施形態の便器1は、床面71から離れた位置に配置されているため、ユーザーが着座した場合などの荷重に耐えるべく、便器本体3が、縦面に固定された支持フレーム2によって支持される。便器1は、便器本体3と、支持フレーム2とを備えている。
支持フレーム2は、図2に示すように、固定体21と、固定体21から前方に突出する支持体20とを備えている。支持体20は、前後方向に延びた一対の支持部24と、一対の支持部24の前端同士を連結する前側連結部25とを含む。支持フレーム2の一対の支持部24には、図3A,3Bに示すように、便器本体3の一対の載置部4が一対一で支持されるように構成されている。この載置部4において、支持部24により支持される領域を載置領域41とする。載置領域41は、便器本体3の前後方向に延びている。本実施形態の載置領域41は、リム部33の裏面の一部からなる。後述するが、本実施形態の支持フレーム2は、図2に示すように、前側フレーム2Aと、後側フレーム2Bとに分割されている。
本実施形態の便器本体3の載置領域41は、前後方向に延びており、載置領域41の全長にわたって支持フレーム2により支持されている。このため、便器本体3に掛かる下向きの荷重は、前後方向に延びた載置領域41を介して、支持フレーム2により受けられる。したがって、本実施形態の便器1は、便器本体3の自重とユーザーが着座した場合のユーザーの体重とからなる荷重を、一対の支持部24に対して、分布荷重として作用させることができる。この結果、本実施形態の便器1は、床面71から離れた位置に配置されていても、ユーザーが着座した場合などの荷重に耐えることができるような構造となっている。
(2)詳細
以下、本実施形態の便器1について詳しく説明する。ただし、以下に説明する構成は、本発明の一例に過ぎず、本発明は下記実施形態に限定されない。本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設置現場の環境や仕様等に応じて、下記実施形態からの種々の変更が可能である。
(2.1)支持フレーム
支持フレーム2は、便器本体3を縦面に取り付ける。支持フレーム2は、一定以上の剛性を有する部材により構成されており、例えば、鉄,ステンレス,アルミ等の金属や、カーボン、木材等により構成される。支持フレーム2は、図2に示すように、固定体21と、支持体20とを備えている。この支持体20は、一対の支持部24と、前側連結部25と、一対の補強部8とを有している。
固定体21は、縦面に固定されるように構成されている。ここで、縦面は、本実施形態においてトイレルームの壁面70により構成される。縦面は、本実施形態では鉛直面であるが、厳密な鉛直面だけを意味するのではなく、上下方向および左右方向に沿った面であれば、「縦面」の範疇に含まれる。つまり、ここでいう縦面には、やや前傾した面も含まれるし、やや後傾した面も含まれる。また、縦面は平面でなくてもよく、凹凸面であってもよい。
固定体21は、壁面70に沿って配置される一対の縦体22と、一対の縦体22を連結する横体23とを備えている。一対の縦体22は、上下方向に延びた中空パイプにより構成されており、左右方向に離れている。横体23は、一対の縦体22の上端部間に配置され、一対の縦体22に固定されている。横体23は、固定板232と、固定板232の上下方向の両端から前方に突出した一対の補強片233とを備え、断面略C字状に形成されている。一対の補強片233は、固定板232の変形を抑制する。固定板232は、固着具により壁面70にねじ止めされる。なお、ここでいう固着具としては、ビスやボルトなどのねじ具73(図1参照)や,リベット,釘などが例示できる。ねじ具73は、少なくとも、外周に雄ねじが形成された軸部を有するが、頭部はなくてもよい。また、平ワッシャーやスプリングワッシャーは、必要に応じて適宜用いられる。
固定板232は、壁面70に沿って固定される。固定板232は、左右方向に延びて帯状に形成された部分である。固定板232は、板状に形成されている。
固定板232には、複数の固着具挿通孔231が設けられている。この複数の固着具挿通孔231には、壁面70への固定に用いられる複数の固着具が一対一で通される。各固着具挿通孔231の周縁部(開口周縁部234)は、固定板232における複数の開口周縁部234以外の箇所に比べて厚く形成されている。この開口周縁部234の厚さは、例えば、固着具がねじ具の場合、雄ねじのねじ山の1ピッチの長さよりも厚く形成される。これにより、固着具挿通孔231の内周面に対して、少なくとも、2つ以上の雄ねじのねじ山が当たるように構成されている。また、開口周縁部234の外径は、固着具のワッシャーの外径と同じか、あるいは当該ワッシャーよりも大きく形成されている。
固着具挿通孔231の径(内径)は、固着具の軸部の外径と略同じとなるように形成されている。これにより、支持フレーム2を壁面70に取り付けた状態では、固着具挿通孔231の内周面と、固着具の軸部の外周面とが、接触または近接対向し、固着具挿通孔231と固着具の軸部との間には何も介在しないように構成されている。
ここで、一般に、陶器からなる壁掛け便器にあっては、壁面と陶器からなる便器本体とがねじ具で連結されている。この壁掛け便器においては、便器本体に対して、ねじ具のねじ山が接触しないようにするために、ねじ具の軸部と便器本体の挿通孔の内周面との間に緩衝材を介在することが行われている。このため、陶器からなる壁掛け便器では、ユーザーが便座に着座すると、緩衝材が弾性変形することで、便器本体がやや沈み込むように移動する。
これに対し、本実施形態の便器1は、破損しにくい支持フレーム2が壁面70と便器本体3との間に介在しており、壁面70にねじ止めされるねじ具73のねじ山に接触する箇所が、支持フレーム2となるように構成されている。このため、便器本体3に荷重が掛かっても、破損や割れが生じにくい。したがって、本実施形態の便器1にあっては、固着具挿通孔231の径を、固着具の外径と略同じとなるように形成することで、ユーザーが着座した際の沈み込みを抑制できる。
また、本実施形態の開口周縁部234は、開口周縁部234以外の箇所に比べて厚く形成されている。言い換えると、固着具の軸部と固定板232との接触面積が、一定の面積以上となるように構成されている。これにより、固定板232として、できる限り薄い材料を用いて、材料費を削減しながらも、固着具から固定板232に掛かる外力を分散させることができ、固定板232の破壊を抑制できる。
支持体20は、固定体21から前方に向かって突出している。支持体20は、便器本体3を支持する。支持体20は、一対の支持部24と、前側連結部25と、一対の補強部8とを含む。
一対の支持部24は、便器本体3を支持する。一対の支持部24は、一対の縦体22から前方に向かって突出しており、左右方向に離れている。本実施形態の一対の支持部24は、前後方向に直線状に延びて形成されている。
前側連結部25は、一対の支持部24の前側の端部(すなわち後述する前側支持部241の前端部)を連結する。前側連結部25は、便器本体3の一部(本実施形態ではリム部33)に当たるように構成されているため、支持部24に対する便器本体3の前側への移動を規制する。また、前側連結部25は、便器本体3の前側の端部を支持する。本実施形態の前側連結部25は、上方から見て(以下、平面視)半円弧状に形成されており、一対の支持部24に連続する。これにより、一対の支持部24と前側連結部25とは、平面視略U字状に形成されている。
一対の補強部8は、一対の支持部24を、一対一に対応して支持する。すなわち、各補強部8は、対応する支持部24を補強する。各補強部8は、一対の支持部24のうちの対応する支持部24と、一対の縦体22のうちの対応する縦体22とにわたって形成されており、この支持部24と縦体22とに固定される。これにより、各補強部8は、対応する縦体22と支持部24との相対的な位置関係を維持させる。本実施形態の各補強部8は、筋交い81により構成されている。
各筋交い81は、一対の縦体22のうちの一方の縦体22の下端部と、それに対応する支持部24とを連結する。すなわち、左側に位置する筋交い81は、左側に位置する縦体22の下端部と、左側に位置する支持部24(すなわち後述する後側支持部242)とを連結する。また、右側に位置する筋交い81は、右側に位置する縦体22の下端部と、右側に位置する支持部24(すなわち後側支持部242)とを連結する。本実施形態の一対の筋交い81は、一対の支持部24を下方から支持するように構成されている。
本実施形態では、支持フレーム2は、図4に示すように、別体の前側フレーム2Aと後側フレーム2Bとが連結されて、図2に示すような一体の支持フレーム2が構成されるものである。
図4に示すように、支持部24は、別体の前側支持部241と後側支持部242とが連結されて構成されるものである。前側支持部241および後側支持部242は、前後方向に直線状に延びる。
前側フレーム2Aは、図5Aに示すように、前側支持部241と、前側連結部25とを一体に備えている。前側支持部241は、前側連結部25から後方に向かって突出するように、左右方向に間隔をあけて一対設けられ、便器本体3を直接支持する。
図5Aに示す前側フレーム2A、すなわち、前側支持部241および前側連結部25は、図5Bに示すように、平坦な上面を含む角パイプにより一体に構成されている。
前側支持部241の後端部には、図5A、図6Aに示すように、前側固定部241Aが設けられている。前側固定部241Aは、図6A、図6Bに示すように、前側固定部241Aに左右方向に貫通する貫通孔241Bが設けられ、この貫通孔241Bに内部の雌ねじ241Cが通じるようにナット241Dが設けられて、構成されている。なお、本実施形態ではナット241Dにより雌ねじ241Cが形成されているが、図6Cに示すように、貫通孔241Bの内面に雌ねじ241Cが直接形成されてもよい。後側フレーム2Bは、図7Aに示すように、後側支持部242と、補強部8と、固定体21とを一体に備えている。
後側支持部242は、図7Bに示すように、縦片242Aと、縦片242Aの上下端部から内側に向けて突出する上横片242Bと下横片242Cとを備えている。後側支持部242には、前側支持部241が連結される状態で前側固定部241Aに対応する位置に、後側固定部242Dが設けられている。後側固定部242Dは、後側支持部242に左右方向に貫通する貫通孔が設けられて構成される。
なお、本実施形態では、前側支持部241の前側固定部241Aに雌ねじ241Cが設けられ、後側支持部242の後側固定部242Dに貫通孔が設けられているが、前側固定部241Aに貫通孔が設けられ、後側固定部242Dに雌ねじが設けられてもよい。
(2.2)便器本体
便器本体3は、本実施形態の便器1の主体を形成する。便器本体3は、図8に示すように、支持フレーム2に支持され、これにより、トイレルームの壁面70から突出した状態で取り付けられる。本実施形態の便器本体3は、ボウル部31と、リム部33と、便器後部34と、トラップ部35と、スカート36とを備え、これらは合成樹脂により構成されている。
ボウル部31は、ユーザーの排出する小便または大便を受ける部分である。ボウル部31は、上面が開口した上開口部311と、トラップ部35に通じる下開口部312と、突出片32とを備えている。突出片32は、ボウル部31の上開口部311の開口周縁から、水平面に沿ってかつ外側に向かって突出している。突出片32は、上開口部311の開口周縁の周方向の全長にわたって形成されており、フランジ状に形成されている。
リム部33は、ボウル部31の上開口部311の上方に載せられた状態で、ボウル部31に溶着されている。リム部33は、便座61および便蓋62を支持する。リム部33は、図3Bに示すように、フランジ片331と、下内周部332と、上内周部333と、横面部336とを備えており、これらフランジ片331・下内周部332・上内周部333・横面部336は樹脂成型により一体成型されている。
フランジ片331は、ボウル部31の突出片32に溶着される。フランジ片331は、水平に延びている。フランジ片331の上面は、横面部336の下面に対し、支持部24の上下方向の長さと略同じ寸法だけ下方に位置している。これにより、フランジ片331は、横面部336との間で支持部24を挟むことができるように構成されている。
下内周部332は、フランジ片331の内側の端部から内側上方に向かって延びている。下内周部332は、断面において上方に凹となるように、湾曲している。下内周部332の内側の端部からは、上内周部333が上方に向かって延びている。
上内周部333は、図8に示すように、ボウル部31の後方側の側壁の上方に位置する第一部334と、それ以外の側壁の上方に位置する第二部335とを備えている。第一部334と第二部335とは、図3Aに示すように、平面視環状に形成されており、ボウル部31の上開口部311の開口周縁に対応している。第一部334は、図8に示すように、ボウル部31の後方側の側壁に対応する位置にある下内周部332の内側の端部から、鉛直上方に向かって延びている。第二部335は、下内周部332の内側の端部から、外側上方に向かって延びており、すなわち、上方に向かうほど外側に位置するように傾斜している。
横面部336は、第一部334および第二部335の上端部から水平面に沿ってかつ外側に向かって延びている。つまり、横面部336は、上内周部333の開口周縁の全長に亘って設けられている。横面部336のうち、左右方向の両側に位置する前後方向に延びた部分(つまり、一対の支持部24に対応する部分)が、一対の載置部4を構成し、前側連結部25に対応する部分が前置部42を構成する。
また、リム部33は、図3Bに示すように、横面部336と上内周部333と下内周部332とにわたって設けられた複数のリブ337を有している。複数のリブ337は、鉛直面に沿って延びており、図3Aに示すように、ボウル部31の上開口部311の開口周縁に沿う方向に一定の間隔を置いて配置されている。複数のリブ337は、一対の支持部24および前側連結部25に対応する位置に設けられている。したがって、支持フレーム2の一対の支持部24の間にボウル部31を配置した状態で、一対の支持部24および前側連結部25は、複数のリブ337に当たる。これにより、支持フレーム2によってボウル部31が挟まれても、リブ337の補強作用によって、ボウル部31が損傷したり過剰にたわんだりするのを防ぐことができる。
便器後部34は、図8に示すように、ボウル部31の後方上部に設けられている。便器後部34は、局部洗浄装置などの機器を内部に収容する部分である。便器後部34には、便蓋62および便座61が回動自在に取り付けられている。
トラップ部35は、ボウル部31の下開口部312に接続されており、封水を形成する。トラップ部35は、封水を形成することで、臭気が排水管72からボウル部31側へ逆流したり、衛生害虫やねずみがボウル部31側へ侵入したりするのを防ぐ。本実施形態のトラップ部35は、いわゆるS字トラップにより構成されている。トラップ部35は、上流側の端部がボウル部31の下開口部312に接続され、下流側の端部が排水管72に接続されるように構成される。ここで、排水管72は、壁面70に設けられている。排水管72は、上流側の端部が室内に向かって開口しており、上流側の端部が下水管に通じている。
スカート36は、ボウル部31を外側から覆うように構成されている。スカート36の上端は、リム部33の横面部336の外周端部に、溶着により固定されている。スカート36は、支持フレーム2がボウル部31を支持した状態で、横面部336の外周端部に取り付けられると、支持フレーム2の外側を覆う。スカート36は、上下方向に幅を有している。スカート36は、平面視U字状に形成されており、上方、下方および後方に開放している。
便器本体3の製造について説明する。便器本体3は、図8に示すように、ボウル部31と、リム部33と、便器後部34と、トラップ部35と、スカート36とを備える、合成樹脂により構成されるものである。このうち、便器後部34を除くボウル部31、リム部33、トラップ部35、スカート36は、溶着により一体に形成される。便器後部34は、一体に形成されるボウル部31、リム部33、トラップ部35およびスカート36とは別体として、後で組み合わされて、便器本体3が構成される。
ボウル部31およびトラップ部35は、射出成形等の成形時に一体に形成される。ボウル部31およびトラップ部35を有する部分と、リム部33がそれぞれ射出成形により形成された後、図9Aに示すように、例えば振動溶着等の溶着により、ボウル部31およびトラップ部35を有する部分と、リム部33が固定される。本実施形態では、ボウル部31の突出片32と、リム部33のフランジ片331とが、溶着により固定される。
その後、図9Bに示すように、横面部336と横面部336の下方に位置する横片(フランジ片331)との間の空間に、前側連結部25が挿通される。本実施形態では、前側連結部25だけでなく、前側支持部241の前部も同様に、横面部336と横片(フランジ片331)との間の空間に挿通されている。
その後、スカート36がリム部33に溶着により固定される(図3B参照)。これにより、前側支持部241の前部および前側連結部25は、横面部336とスカート36と横片(フランジ片331)とで囲まれる空間に挿通されることとなり、前側フレーム2Aが組み込まれた便器本体3が構成される。前側フレーム2Aが組み込まれた便器本体3のボウル部31からは、前側支持部241が後方に向けて突出している。
なお、ボウル部31およびトラップ部35を有する部分、リム部33、スカート36の固定には、溶着の他、接着等が適宜採用可能であり、特に限定されない。
このような構成の便器本体3は、支持フレーム2の一対の支持部24によって支持される。便器本体3には一対の載置部4が設けられており、支持部24は、この一対の載置部4を支持する。本実施形態の一対の載置部4は、横面部336のうちの左右方向の両側に位置する部分からなる。
各載置部4は、図3Bに示すように、載置領域41を含んでいる。載置領域41は、載置部4が受けた上方からの荷重を、各支持部24に対して与える領域である。つまり、各支持部24は、載置領域41を介して載置部4を支持し、この結果、各支持部24は便器本体3を支持している。載置領域41は、前後方向に延びており、その全長にわたって各支持部24に支持される。これにより、各支持部24には、便器本体3から掛かる荷重を、前後方向にわたった分布荷重として作用させることができる。
載置領域41は、平坦な下面からなり、各支持部24の上面に対して面状に接触している。なお、載置領域41は、各支持部24に対して本実施形態のように、接触することで直接的に支持されてもよいし、載置領域41と各支持部24との間に異音防止材を介在させて間接的に支持されてもよい。これについては、後述の「(3.4)その他の部分の変形例」で詳述する。
また、載置領域41の幅は、各載置部4の幅の約1/3を占めている。また、載置領域41は、前後方向に直交する断面において、各載置部4の幅方向の中央を含む位置に形成されている。このため、各載置部4の幅方向の全てに荷重が掛かった場合であっても、各載置部4の破損の発生を抑制できる。なお、載置領域41の幅は、載置部4の幅の1/10以上であれば、適切に載置部4の破損を抑制できるが、好ましくは1/3以上であり、より好ましくは、1/2以上である。
(2.3)便器本体の支持フレームへの取り付け
便器本体3の支持フレーム2への取り付けについて説明する。図10に示すように、まず、壁面70に後側フレーム2Bが取り付けられる。
次に、前側フレーム2Aが組み込まれた便器本体3が取り付けられる。これにあたっては、後側フレーム2Bから前方に突出する一対の後側支持部242に、前方より、後方に突出する一対の前側支持部241が連結される。このとき、後側支持部242の内部に、前側支持部241が挿入される。図5Bに示す前側支持部241の幅W1は、図7Bに示す後側支持部242の内部の幅W2と同じかそれより小さく形成されるのが好ましいが、幅W1が幅W2よりも大きくてもよい。図5B示す前側支持部241の高さh1は、図7B示す後側支持部242の内部の高さh2(すなわち上横片242Bと下横片242Cの間隔)と同じかそれより所定長さ小さく形成される。このため、後側支持部242の内部に、前側支持部241が挿入された際、がたつきが発生しにくい。所定長さは、例えば1mm程度が挙げられるが、特に限定されない。前側支持部241の幅W1が後側支持部242の内部の幅W2に近く、かつ、前側支持部241の高さh1が後側支持部242の内部の高さh2に近いほど、前側支持部241の後側支持部242に対するがたつきが抑制される。
後側支持部242の後側固定部242D(貫通孔)よりボルトが挿入され、このボルトが前側支持部241の雌ねじ241Cにねじこまれて、後側支持部242と前側支持部241とが固定される。これにより、後側フレーム2Bに、便器本体3に組み込まれた前側フレーム2Aが容易に固定されて、便器本体3の支持フレーム2への取り付けが容易に行われる。
このように、本実施形態の便器1にあっては、支持フレーム2が、縦面に固定される後側フレーム2Bと、後側フレーム2Bに連結されて便器本体3を支持する前側フレーム2Aとに分割されている。これにより、便器本体3の支持フレーム2への取り付けの自由度が向上する。
特に、前側固定部241Aが、横面部336とスカート36と横片(フランジ片331)とで囲まれる空間に挿通されているような場合に効果が大きい。すなわち、本実施形態では、ボウル部31、リム部33、トラップ部35およびスカート36が一体となって便器本体3が構成される際、予め前側連結部25が便器本体3に組み込まれる必要がある。
このとき、支持フレーム2が前側フレーム2Aと後側フレーム2Bとに分割されていなければ、作業者は、便器本体3を持ち上げて支持フレーム2の縦面への固定を行わなければならない。本実施形態では、支持フレーム2が前側フレーム2Aと後側フレーム2Bとに分割されているため、作業者は、支持フレーム2の壁面への固定を、便器本体3に組み込まれていない後側フレーム2Bのみで行えばよい。作業者は、便器本体3を持ち上げなくても支持フレーム2の壁面への固定を行うことができ、作業がしやすくなる。
(2.4)移動規制部
本実施形態の便器1は、移動規制部をさらに有している。移動規制部は、各支持部24に対する載置領域41の位置を保つように構成されており、支持フレーム2に支持された便器本体3のがたつきを防止する。本実施形態の移動規制部は、リム部33に設けられた挟持部としてのフランジ片331を有する。載置部4が支持部24により支持された状態で、フランジ片331は、この載置部4とで支持部24を挟む。これによって、フランジ片331は、便器本体3の各支持部24に対する載置部4の位置を保つように構成されている。
(2.5)その他の構成
便器1は、図8に示すように、便蓋62と便座61とを備えている。便座61は、ユーザーが着座する際に使用される。便蓋62は、便座61を覆うように設けられており、便座61がリム部33上に載った状態において、便座61の上方に配置される。便蓋62と便座61は、便器本体3の便器後部34に回転自在に取り付けられている。
また、便器1は、局部洗浄装置を備えている。局部洗浄装置は、便器後部34に収納されており、おしり洗浄機能やビデ機能を有している。
(3)変形例
以上の実施形態は本発明の一例に過ぎない。以下においては、本発明に係る技術思想の範囲における上記実施形態についての変形例を示す。
(3.1)支持フレームの変形例
(変形例1)
上記実施形態の支持フレーム2には、一対の補強部8として、一対の筋交い81が設けられていたが、例えば、一対の補強部8は、図11に示すような態様であってもよい(これを変形例1とする)。なお、本変形例においては、上記実施形態に対応する構成について、上記実施形態の構成と同じ符号を付した上で、符号の末尾に「a」を付記し、重複する説明は省略する。
変形例1の一対の補強部8aの各々は、横補強体82aと、複数の縦補強体83aとを備えている。横補強体82aは、縦体22aの下端部から前方に向かって突出している。横補強体82aは前後方向に延びており、横補強体82aの長手方向は、支持部24aの長手方向に平行である。横補強体82aは、支持部24aと同様に、角パイプからなる。複数の縦補強体83aは、横補強体82aと、この横補強体82aに対応する支持部24aとを連結する。複数の縦補強体83aは、上下方向に延びており、前後方向に一定の間隔をおいて並んでいる。
また、横補強体82aおよび縦補強体83aは、支持部24aの下方に配置されている。これにより、変形例1の各補強部8aは、支持部24aを下方から支持するように構成されている。
(その他の変形例)
また、上記実施形態の一対の支持部24は、直線状に形成されていたが、便器本体3の載置部4の形状に合わせた形状であればよく、例えば、平面視曲面状に形成されていてもよい。
また、上記実施形態の一対の支持部24は、中空の角パイプにより構成されたが、例えば、中実の角材であってもよく、また、断面C字状,断面I字状,断面T字状,断面D字状,断面O字状,断面L字状に形成されてもよい。また、各支持部24は、載置部4の下面の略全面を支持するように構成されてもよい。
また、上記実施形態の横体23は、固定板232の上下方向の両端に一対の補強片233が設けられて鉛直断面C字状に形成されていたが、例えば、固定板232の上下方向のいずれかの端部に補強片233が設けられて断面L字状に形成されてもよい。また、横体23は、例えば、リップ溝形鋼により構成されてもよい。さらに、横体23は、中空のパイプや角材により構成されてもよい。
(3.2)載置部の変形例
(変形例2−1)
上記実施形態の載置部4は、リム部33の横面部336のうち、左右方向の両側に位置する部分により構成されていたが、例えば、図12Aに示すような態様であってもよい(これを変形例2−1とする)。なお、本変形例においては、上記実施形態に対応する構成について、上記実施形態の構成と同じ符号を付した上で、符号の末尾に「c」を付記し、重複する説明は省略する。
変形例2−1の載置部4cは、リム部33cのフランジ片331cにより構成される。フランジ片331cは、下内周部332cの下端部から水平面に沿って外側に突出している。また、載置領域41cは、フランジ片331cの下面により構成される。なお、本変形例において、ボウル部31cの上開口部311cの開口周縁には、突出片32は設けられていない。
フランジ片331cは、ボウル部31cの上開口部311cの左右方向の両側に対応する位置にのみ設けられてもよいし、上開口部311cの左右方向の両側と前側とに対応する位置に設けられてもよい。上開口部311cの前側に対応する位置にフランジ片331cが設けられる場合、当該フランジ片331cは、前側連結部25により支持される。
(変形例2−2)
また、載置部4は、図12Bに示すような態様であってもよい(これを変形例2−2とする)。なお、本変形例においては、上記実施形態に対応する構成について、上記実施形態の構成と同じ符号を付した上で、符号の末尾に「d」を付記し、重複する説明は省略する。
変形例2−2の載置部4dは、ボウル部31dの上開口部311dの開口周縁に設けられた突出片32dにより構成される。載置領域41dは、突出片32dの下面により構成される。なお、突出片32dは、ボウル部31dの上開口部311dの左右方向の両側にのみ設けられてもよいし、上開口部311dの左右方向の両側と前側とに設けられてもよい。上開口部311dの前側に突出片32dが設けられる場合、当該突出片32dは、前側連結部25により支持される。
(変形例2−3)
また、載置部4は、図12Cに示すような態様であってもよい(これを変形例2−3とする)。なお、本変形例においては、上記実施形態に対応する構成について、上記実施形態の構成と同じ符号を付した上で、符号の末尾に「e」を付記し、重複する説明は省略する。
変形例2−3の載置部4eは、スカート36eからボウル部31e側に向かって突出した横板部361eにより構成される。横板部361eは、スカート36eの内周面の全長にわたって連続している。また、横板部361eは、スカート36eにおける支持部24eの上面に対応する位置に設けられている。載置領域41eは、横板部361eの下面の一部により構成されており、横板部361eの下面に含まれる。
本変形例においては、各横板部361eに、突出片32eとフランジ片331eとが載っている。つまり、便器本体3eは、横板部361e,突出片32eおよびフランジ片331eとを介して、支持部24eに支持されている。なお、突出片32eおよびフランジ片331eは設けられなくてもよく、横板部361eだけで便器本体3eが支持されてもよい。
(3.3)移動規制部の変形例
(変形例3−1)
上記実施形態の移動規制部は、挟持部としてのフランジ片331により構成されていたが、例えば、図13Aに示すような態様であってもよい(これを変形例3−1とする)。なお、本変形例においては、上記実施形態に対応する構成について、上記実施形態の構成と同じ符号を付した上で、符号の末尾に「h」を付記し、重複する説明は省略する。
変形例3−1の移動規制部は、ボウル部31hの外面から水平面に沿って外側に突出した突出片32hにより構成される。突出片32hは、ボウル部31hの開口周縁の左右方向の両側と前側とにわたって連続している。支持フレーム2hの一対の支持部24h(前側支持部241hの前部)および前側連結部25hは、載置部4hとしての横面部336hと、突出片32hとで挟まれる。つまり、本変形例においては、突出片32hが挟持部に相当する。支持部24h(前側支持部241hの前部)および前側連結部25hは、横面部336hとスカート36hと横片(突出片32h)とで囲まれる空間に挿通される。
このように、本変形例の便器1によれば、便器本体3hの突出片32hと横面部336h(載置部4h)とで、一対の支持部24hを挟むことができるため、支持フレーム2hに対する載置領域41hの前後方向,左右方向および上下方向への移動を抑制できる。これにより、支持フレーム2hに対する便器本体3hのがたつきを防止することができる。
(変形例3−2)
また、移動規制部は、例えば、図13Bに示すような態様であってもよい(これを変形例3−2とする)。なお、本変形例においては、上記実施形態に対応する構成について、上記実施形態の構成と同じ符号を付した上で、符号の末尾に「i」を付記し、重複する説明は省略する。
変形例3−2の移動規制部は、スカート36iに設けられた横板部361iにより構成される。横板部361iは、スカート36iの内面からボウル部31i側に向かって突出している。横板部361iは、スカート36iの内周面の全長にわたって連続している。横板部361iは、スカート36iにおける支持部24i(前側支持部241iの前部)および前側連結部25iの下面に対応する位置に設けられている。一対の支持部24iは、載置部4iとしての横面部336iと、横板部361iとで挟まれる。つまり、本変形例においては、横板部361iが挟持部に相当する。支持部24i(前側支持部241iの前部)および前側連結部25iは、横面部336iとスカート36iと横片(横板部361i)とで囲まれる空間に挿通される。
このように、本変形例の便器によれば、便器本体3iにおいて横面部336i(載置部4i)と横板部361iとで、一対の支持部24iを挟むことができるため、支持部24iに対する載置領域41iの前後方向,左右方向および上下方向への移動を抑制できる。これにより、支持フレーム2iに対する便器本体3iのがたつきを防止することができる。
(変形例4−1)
上記実施形態の移動規制部は、載置部4と挟持部とにより一対の支持部24を挟むことで、各支持部24に対する載置領域41の位置を保持していたが、例えば、図14Aに示すような態様であってもよい(これを変形例4−1とする)。なお、本変形例においては、上記実施形態に対応する構成について、上記実施形態の構成と同じ符号を付した上で、符号の末尾に「j」を付記し、重複する説明は省略する。
変形例4−1の移動規制部は、載置領域41jと各支持部24j(前側支持部241jの前部)および前側連結部25jとを相互に固定する固着体56jにより構成される。本変形例の固着体56jは、ねじ具により構成される。支持部24j(前側支持部241jの前部)および前側連結部25jは、横面部336jとスカート36jと横片(フランジ片331j)とで囲まれる空間に挿通される。
リム部33jの横面部336jには、下方に向かって突出するねじ座51jが設けられている。ねじ座51jには複数の雌ねじが設けられており、複数の雌ねじが支持部24jの長さ方向に沿って所定の間隔をおいて配置されている。本変形例の載置領域41jは、ねじ座51jの下面により構成される。
支持部24jにねじ座51jが載った状態で、支持部24jの下方からねじ具(固着体56j)を通し、ねじ座51jに支持部24jをねじ止めする。これにより、支持部24jに対する載置領域41jの前後方向,左右方向および上下方向への移動が抑制され、支持部24jに対する載置領域41jの位置が保持される。したがって、本変形例によれば、支持フレーム2jに対する便器本体3jのがたつきを防止することができる。
(変形例4−2)
変形例4−1の固着体56jは、横面部336jと支持部24jとを相互に固着するものであったが、例えば、図14Bに示すような態様であってもよい(これを変形例4−2とする)。なお、本変形例においては、上記実施形態に対応する構成について、上記実施形態の構成と同じ符号を付した上で、符号の末尾に「k」を付記し、重複する説明は省略する。
変形例4−2のリム部33kは、フランジ片331kを有している。フランジ片331kには、複数の雌ねじが形成されている。複数の雌ねじは、フランジ片331kにおいて、支持部24kの長さ方向に沿って所定のピッチで形成されている。載置領域41kは、このフランジ片331kの下面により構成される。
支持部24kにフランジ片331kが載った状態で、支持部24kの下方からねじ具56kを通し、フランジ片331kの雌ねじに支持部24kをねじ止めする。これにより、支持部24kに対する載置領域41kの前後方向,左右方向および上下方向への移動が抑制され、支持部24kに対する載置領域41kの位置が保持される。したがって、本変形例によれば、支持フレーム2kに対する便器本体3kのがたつきを防止することができる。
(変形例4−3)
また固着体56は、例えば、図14Cに示すような態様であってもよい(これを変形例4−3とする)。なお、本変形例においては、上記実施形態に対応する構成について、上記実施形態の構成と同じ符号を付した上で、符号の末尾に「L」を付記し、重複する説明は省略する。
本変形例のリム部33Lは、フランジ片331Lを有している。また、ボウル部31Lは、上開口部311Lの開口周縁に設けられた突出片32Lを有している。フランジ片331Lおよび突出片32Lには、当該フランジ片331Lと突出片32Lとを貫通する複数の雌ねじが形成されている。複数の雌ねじは、フランジ片331Lおよび突出片32Lにおいて、支持部24Lの長さ方向に沿って所定のピッチで配置されている。載置領域41Lは、突出片32Lの下面により構成される。
支持部24Lに突出片32Lが載った状態で、支持部24Lの下方からねじ具56Lを通し、突出片32Lおよびフランジ片331Lの複数の雌ねじに支持部24Lをねじ止めする。これにより、支持部24Lに対する載置領域41Lの前後方向,左右方向および上下方向への移動が抑制でき、支持部24Lに対する載置領域41Lの位置が保持される。したがって、本変形例によれば、支持フレーム2Lに対する便器本体3Lのがたつきを防止することができる。なお、フランジ片331Lおよび突出片32Lのいずれか一方に雌ねじを形成し、他方において、雌ねじの同軸上にばか孔を形成してもよい。
(変形例4−4)
また固着体56は、例えば、図14Dに示すような態様であってもよい(これを変形例4−4とする)。なお、本変形例においては、上記実施形態に対応する構成について、上記実施形態の構成と同じ符号を付した上で、符号の末尾に「m」を付記し、重複する説明は省略する。
変形例のスカート36mには、スカート36mの内面からボウル部31m側に突出した支持片361mが設けられる。支持片361mは、スカート36mにおいて支持部24mの上面に対応する位置に設けられている。支持片361mは、スカート36mの内周面の全長にわたって連続している。本変形例において、載置部4mは支持片361mにより構成され、載置領域41mは、支持片361mの下面に含まれる。
支持片361mには、複数の雌ねじが形成されている。複数の雌ねじは、支持片361mにおいて、支持部24mの長さ方向に沿って所定のピッチで配置されている。
支持部24mに支持片361mが載った状態で、支持部24mの下方からねじ具56mを通し、支持片361mの雌ねじに支持部24mをねじ止めする。ここで、スカート36mの上端部は、便器本体3mのリム部33mに溶着により固定されている。このため、支持部24mに対する載置領域41mの前後方向,左右方向および上下方向への移動を抑制することで、支持部24mに対する載置領域41mの位置が保持される。したがって、本変形例によれば、支持フレーム2mに対する便器本体3mのがたつきを防止することができる。
(変形例4−5)
また固着体56は、例えば、図15Aに示すような態様であってもよい(これを変形例4−5とする)。なお、本変形例においては、上記実施形態に対応する構成について、上記実施形態の構成と同じ符号を付した上で、符号の末尾に「n」を付記し、重複する説明は省略する。
変形例4−5の固着体56nは、タッピングビスにより構成される。リム部33nの横面部336nには、下方に向かって突出するねじ止め部51nが設けられている。ねじ止め部51nは、所定の厚みを有する。本変形例の載置領域41nは、ねじ止め部51nの下面により構成される。
支持部24n(前側支持部241nの前部)および前側連結部25nにねじ止め部51nが載った状態で、支持部24nの下方からタッピングビス(固着体56n)を通し、ねじ止め部51nにねじ込んで、ねじ止めする。支持部24n(前側支持部241nの前部)および前側連結部25nは、横面部336nとスカート36nと横片(フランジ片331n)とで囲まれる空間に挿通される。これにより、支持部24nに対する載置領域41nの前後方向,左右方向および上下方向への移動が抑制され、支持部24nに対する載置領域41nの位置が保持される。
(変形例4−6)
また固着体56は、例えば、図15Bに示すような態様であってもよい(これを変形例4−6とする)。なお、本変形例においては、上記実施形態に対応する構成について、上記実施形態の構成と同じ符号を付した上で、符号の末尾に「o」を付記し、重複する説明は省略する。
変形例4−6の固着体56oは、ボルトとナットとで構成される。リム部33oのフランジ片331oには、上下方向に貫通する孔が設けられている。また、支持部24oには、上下方向に貫通する貫通孔が設けられており、貫通孔は、フランジ片331oの孔に対応する位置に設けられる。本変形例の載置領域41oは、フランジ片331oの下面により構成される。
ボルトは、支持部24oの下方から支持部24oの孔とフランジ片331oの貫通孔に通された状態で、ボルトの先端にナットがねじ込まれ、締結される。これにより、支持部24oに対するフランジ片331oの前後方向,左右方向および上下方向への位置ずれが防止され、支持部24oに対する載置領域41oの位置が保持される。
(変形例5−1)
上記実施形態の移動規制部は、載置部4と挟持部とにより一対の支持部24を挟むことで、各支持部24に対する載置領域41の位置を保持していたが、例えば、図16Aに示すような態様であってもよい(これを変形例5−1とする)。なお、本変形例においては、上記実施形態に対応する構成について、上記実施形態の構成と同じ符号を付した上で、符号の末尾に「p」を付記し、重複する説明は省略する。
変形例5−1の移動規制部は、突起部52pにより構成されている。本変形例の突起部52pは、横面部336pの下面において、支持部24p(前側支持部241pの前部)および前側連結部25pの外縁に沿って突出する。突起部52pは、図17Aに示すように、一対の支持部24pおよび前側連結部25pに沿って連続した突条であってもよいし、図17Bに示すように、一対の支持部24pにのみ沿って連続した突条であってもよい。また、突起部52pは、図18に示すように、複数の点状の突起により構成されてもよい。この複数の点状の突起は、横面部336pの下面において、支持部24pの外縁に沿って一定の間隔をおいて断続的に形成されている。載置領域41pは、横面部336pの下面の一部により構成され、横面部336pに含まれる。支持部24p(前側支持部241pの前部)および前側連結部25pは、横面部336pとスカート36pと横片(フランジ片331p)とで囲まれる空間に挿通される。
便器本体3pの載置領域41pが支持部24pに載ると、図18Aに示すように、各支持部24pの左右方向の両側に突起部52pが位置する。これにより、支持部24pに対する載置領域41pの、少なくとも左右方向の相対的な移動が規制され、支持部24pに対する載置領域41pの位置が保持される。
また、突起部52pが前側連結部25に対応する位置にも設けられる場合には、支持部24pに対する載置領域41pの前後方向の移動も規制することができる。
(変形例5−2)
変形例5−2の突起部52pは、各支持部24pの左右方向の両側に設けられていたが、例えば、図16Bに示すような態様であってもよい(これを変形例5−2とする)。なお、本変形例においては、上記実施形態に対応する構成について、上記実施形態の構成と同じ符号を付した上で、符号の末尾に「q」を付記し、重複する説明は省略する。
本変形例の突起部52qは、各支持部24q(前側支持部241qの前部)および前側連結部25qの左右両側の外縁のうち、外側に位置する外縁に沿って設けられている。この突起部52qは、変形例5−1と同様に、一対の支持部24qに対応する箇所にのみ設けられてもよいし、一対の支持部24qおよび前側連結部25qに対応する箇所に設けられてもよい。また、突起部52qは、突条により構成されてもよいし、複数の点状の突起により構成されてもよい。載置領域41qは、横面部336qの下面の一部により構成される。支持部24q(前側支持部241qの前部)および前側連結部25qは、横面部336qとスカート36qと横片(フランジ片331q)とで囲まれる空間に挿通される。
便器本体3qの載置領域41qが支持部24qに載ると、各支持部24qの外側の外縁に沿って突起部52qが位置する。これにより、支持部24qに対する載置領域41qの、少なくとも左右方向の相対的な移動が規制され、支持部24qに対する載置領域41qの位置が保持される。
また、突起部52qが前側連結部25に対応する位置にも設けられる場合には、支持部24qに対する載置領域41qの前後方向の移動も規制することができる。
(変形例5−3)
変形例5−1の突起部52pは、横面部336pに設けられていたが、例えば、図19Aに示すような態様であってもよい(これを変形例5−3とする)。なお、本変形例においては、上記実施形態に対応する構成について、上記実施形態の構成と同じ符号を付した上で、符号の末尾に「r」を付記し、重複する説明は省略する。
変形例5−3の突起部52rは、ボウル部31rの突出片32rから、各支持部24r(前側支持部241rの前部)および前側連結部25rの外縁に沿って突出している。突起部52rは、突出片32の上面から上方に突出している。支持部24rの内側の側面は、リブ337rの端面に当たっている。支持部24r(前側支持部241rの前部)および前側連結部25rは、横面部336rとスカート36rと横片(突出片32r)とで囲まれる空間に挿通される。
便器本体3rの載置領域41rが支持部24rに載ると、各支持部24rの外側の外縁に沿って突起部52rが位置する。これにより、支持部24rに対する載置領域41rの、少なくとも左右方向の相対的な移動が規制され、支持部24rに対する載置領域41rの位置が保持される。
また、突起部52rが前側連結部25に対応する位置にも設けられる場合には、支持部24rに対する載置領域41rの前後方向の移動も規制することができる。
(変形例5−4)
変形例5−1の突起部52pは、横面部336pに設けられていたが、図19Bに示すような態様であってもよい(これを変形例5−4とする)。なお、本変形例においては、上記実施形態に対応する構成について、上記実施形態の構成と同じ符号を付した上で、符号の末尾に「s」を付記し、重複する説明は省略する。
変形例5−4の突起部52sは、スカート36sに設けられた支持片361sの先端に設けられる。支持片361sは、スカート36sにおいて支持部24s(前側支持部241sの前部)および前側連結部25sの下面に対応する位置に設けられている。支持片361sは、スカート36sの内周面の全長にわたって設けられている。突起部52sは、支持片361sにおいて、各支持部24sの両側の外縁のうちの内側の外縁に沿って突出している。支持部24s(前側支持部241sの前部)および前側連結部25sは、横面部336sとスカート36sと横片(支持片361s)とで囲まれる空間に挿通される。
便器本体3sの載置領域41sが支持部24sに載ると、各支持部24sの外側の外縁に沿って突起部52sが位置する。これにより、支持部24sに対する載置領域41sの、少なくとも左右方向の相対的な移動が規制され、支持部24sに対する載置領域41sの位置が保持される。
また、突起部52sが前側連結部25に対応する位置にも設けられる場合には、支持部24sに対する載置領域41sの前後方向の移動も規制することができる。
(変形例6)
移動規制部は、図20に示すような態様であってもよい(これを変形例6とする)。なお、本変形例においては、上記実施形態に対応する構成について、上記実施形態の構成と同じ符号を付した上で、符号の末尾に「t」を付記して、重複する説明は省略する。
変形例6の移動規制部は、前側連結部25tと、後側連結部27tを有している。後側連結部27tは、長手方向の途中で分断されている。後側連結部27tは、分断された部分がねじ具で連結されている。なお、後側連結部27tの分断された部分の構造は、前側連結部25tの分断された部分の構造と同じ構造であるため、説明は省略する。
なお、上記実施形態の後側連結部27tは、左右方向に直線状に形成されたが、本変形例の後側連結部27tは、ボウル部31tの後壁に沿って湾曲している。
このように、本変形例の移動規制部は、一対の支持部24tの間に後述のボウル部31tが入った状態で、前側連結部25tの分断された部分と、後側連結部27tの分断された部分とがねじ具で連結されると、ボウル部31tが一対の支持部24tで挟まれる。この結果、支持フレーム2tとボウル部31tとの左右方向の隙間がなくなり、支持フレーム2tに対する便器本体3tの左右方向の移動が規制される。
(変形例7−1)
移動規制部は、図21に示すような態様であってもよい(これを変形例7−1とする)。なお、本変形例においては、上記実施形態に対応する構成について、上記実施形態の構成と同じ符号を付した上で、符号の末尾に「u」を付記し、重複する説明は省略する。
変形例7−1の移動規制部は、係止部54uと、被係止部55uとを有している。係止部54uは、載置部4uとしての横面部336uに設けられている。係止部54uは、載置領域41uに相当する部分に配置されており、すなわち、係止部54uは載置領域41u内に設けられている。係止部54uは、横面部336uの載置領域41u内の部分から下方に向かって突出している。係止部54uは、第1の径を有する軸状部541uと、第1の径よりも大きい第2の径を有する膨大部542uとを有している。
被係止部55uは、各支持部24uに設けられている。被係止部55uは、いわゆるだるま孔により構成されている。被係止部55uは、支持部24uの長手方向に沿って、第一孔551uと第二孔552uとが並んでおり、第一孔551uと第二孔552uとが互いに繋がっている。第一孔551uは、膨大部542uの径(第2の径)よりも大きく形成されている。第二孔552uは、第2の径よりも小さくかつ第1の径よりも大きく形成されている。
被係止部55uに係止部54uを引っ掛けるには、次のようにして行う。第一孔551uに係止部54uを挿入し、支持部24uに横面部336uを載せる。この状態で、横面部336uを第二孔552u側に向かって(前向きに)移動させると、係止部54uと被係止部55uとが互いに係り合う。
係止部54uと被係止部55uとが係り合った状態の便器1は、支持部24uに対する載置領域41uの左右方向の相対的な移動が規制され、支持部24uに対する載置領域41uの位置が保持される。なお、本変形例の第一孔551uは、第二孔552uの後方に配置されたが、第二孔552uの前方に配置されてもよい。また、第一孔551uと第二孔552uとの位置関係は、前後方向に並ぶ態様に限らず、左右方向に並んでいてもよい。
(変形例7−2)
変形例7−1の移動規制部は、係止部54uおよび被係止部55uにより構成されたが、係止部54uおよび被係止部55uは例えば、図22に示すような態様であってもよい(これを変形例7−2とする)。なお、本変形例においては、上記実施形態に対応する構成について、上記実施形態の構成と同じ符号を付した上で、符号の末尾に「v」を付記し、重複する説明は省略する。
本変形例の係止部54vは、L字状の係止爪540vにより構成されている。係止爪540vは、その先端が前向きに延びている。被係止部55vは、矩形状の貫通孔550vにより構成されている。貫通孔550vには、係止爪540vが挿通可能に構成されている。
被係止部55vに係止部54vを引っ掛けるには、次のようにして行う。貫通孔550vに係止爪540vを挿入し、支持部24vに横面部336vを載せる。この状態で、横面部336vを前向きに移動させると、係止爪540vと貫通孔550vとが互いに係り合う。これにより、支持部24vに対する載置領域41vの左右方向の相対的な移動が規制され、支持部24vに対する載置領域41vの位置が保持される。なお、本変形例の係止爪540vの先端は、前向きに延びていたが、例えば、後向きや左右方向のいずれか向かってに延びてもよい。
(3.4)その他の部分の変形例
(変形例8−1)
上記実施形態では、各支持部24と載置領域41とは直接接触していたが、例えば、図23Aのように、各支持部24と載置領域41との間に異音防止材が設けられてもよい(これを変形例8−1とする)。なお、本変形例においては、上記実施形態に対応する構成について、上記実施形態の構成と同じ符号を付した上で、符号の末尾に「w」を付記し、重複する説明は省略する。
変形例8−1の異音防止材9wは、支持部24w(前側支持部241wの前部)および前側連結部25wと載置領域41wとの間と、支持部24wとフランジ片331wとの間とに設けられている。支持部24w(前側支持部241wの前部)および前側連結部25wは、横面部336wとスカート36wと横片(フランジ片331w)とで囲まれる空間に挿通される。異音防止材9wには、例えば、ゴムや、テフロン(登録商標)や合成樹脂等からなる低摩擦テープが用いられる。
本変形例においては、支持部24wと載置領域41wとの間と、支持部24wとフランジ片331wとの間に異音防止材9wが介在しているため、横面部336wに下方への外力が掛かっても、支持部24wと便器本体3wが擦れて、異音が発生するのを抑制できる。
(変形例8−2)
変形例8−1では、支持部24wと載置領域41wとの間と、支持部24wとフランジ片331wとの間に異音防止材9wが設けられていたが、異音防止材9wは、例えば、図23Bの位置に設けられてもよい(これを変形例8−2とする)。なお、本変形例においては、上記実施形態に対応する構成について、上記実施形態の構成と同じ符号を付した上で、符号の末尾に「x」を付記し、重複する説明は省略する。
変形例8−2の異音防止材9xは、支持部24x(前側支持部241xの前部)および前側連結部25xと載置領域41xとの間にのみ設けられている。支持部24x(前側支持部241xの前部)および前側連結部25xは、横面部336xとスカート36xと横片(フランジ片331x)とで囲まれる空間に挿通される。これにより、支持部24xと便器本体3xとの最も強く擦れる部分に異音防止材9xが設けられるため、最小限の異音防止材9xで、大きな異音が発生するのを抑制できる。
(変形例9)
上記実施形態のトラップ部35は、いわゆるS字トラップであったが、例えば、図24に示すように、電動式のトラップ装置が用いられてもよい。なお、本変形例においては、上記実施形態に対応する構成について、上記実施形態の構成と同じ符号を付した上で、符号の末尾に「y」を付記し、重複する説明は省略する。
変形例9のトラップ部35yは、後端が上下方向に移動可能なトラップ筒351yと、トラップ筒351yを駆動する駆動部352yと、トラップ筒351yを収容するケース353yとを備える。トラップ筒351yは、後端が上方に向くと、封水が形成可能となり、後端が下方に向くと排水できるように構成される。駆動部352yの駆動源は、例えばモータである。
トラップ部35yの下端は、スカート36yの下端よりも上方に位置している。これにより、本変形例のトラップ部35yは、スカート36yの内部に収容される。電動式のトラップ部は、本実施形態のようなS字トラップに比べて重量が大きくなるが、支持フレーム2yによって壁面70に強固に固定されているため、がたつくことなく、便器本体3yを支持することができる。
(4)応用例
上記実施形態の縦面は、トイレルームの壁面70により構成されていたが、例えば、キャビネットなどの箱体の前面により構成されてもよく、縦面は壁面70に限定されない。また、上記実施形態の固定体21は壁面70に固定されるが、固定体21は、縦面に対して移動しないように取り付けられていればよい。例えば、支持フレーム2が壁パネルに取り付けられる場合、壁パネルの裏側にフレームを配置し、当該フレームと支持フレーム2とを連結することで、壁パネルに支持フレーム2を取り付けてもよい。これにより、壁面70(壁パネルの前面)に対し、固定体21を移動しないように、強固に取り付けることができる。なお、壁の剛性が高い場合には、支持フレーム2を壁に直接取り付けてもよい。
上記実施形態の前側支持部241は、図5Bに示すように、平坦な上面を含む角パイプにより構成されているが、前側支持部241の断面形状は、T字状、または、転倒したH字状、または、転倒したL字状等、特に限定されない。なお、前側支持部241は平坦な上面を有することが好ましい。
上記実施形態の後側支持部242は、図7Bに示すような形状をしているが、後側支持部242は、内部に前側支持部241が挿入可能な角パイプにより構成されてもよく、形状は特に限定されない。
上記実施形態の載置領域41は、左右方向に沿った断面において、各支持部24の上面のすべてに接触しているが、支持部24の上面の一部にのみ接触するような態様であってもよい。例えば、横面部336の一部に、載置領域41を形成する下方に突出する部分を設け、この突出する部分の下面が、断面において、支持部24の上面の一部に載るような態様が挙げられる。
また、各載置部4は各支持部24に対して、前後方向に延びた少なくとも1つの載置領域41を介して支持されていればよく、載置領域41の数量は限定されない。例えば、各載置部4は、1つの支持部24に対して、複数の載置領域41を介して支持されていてもよい。
上記実施形態の一対の支持部24は、前側連結部25により連結されていたが、この前側連結部25はなくてもよい。すなわち、支持体20として、一対の支持部24の先端部が互いに連結されていなくてもよいし、上記実施形態のように一対の支持部24の先端同士が互いに連結されていてもよい。
上記実施形態の便器本体3は、合成樹脂により形成されていたが、例えば、薄い金属板により形成されてもよく、便器本体3の材質は限定されない。
また、上記実施形態の便器1は、ユーザーが便座61に着座可能な、いわゆる洋式の便器であったが、例えば、男性の小便用の便器に適用してもよい。この場合においても、縦面に支持フレームを固定し、便器本体を支持フレームに支持させるようにして構成される。男性の小便用の便器に適用することで、例えば、ユーザーが便器に手を掛けた際の外力に対して強くすることができる。
実施形態と各変形例とで説明した構成は、適宜組み合わせて適用可能である。
(5)効果
以上述べた実施形態および変形例から明らかなように、本発明に係る第1の形態の便器1は、便器本体3と、便器本体3を縦面に取り付ける支持フレーム2とを備える。支持フレーム2は、縦面に固定される後側フレーム2Bと、後側フレーム2Bに連結されて便器本体3を支持する前側フレーム2Aと、を有する。後側フレーム2Bは、縦面に固定される固定体21と、固定体21から前方に向かって突出する左右方向に離れた一対の後側支持部242とを有する。前側フレーム2Aは、便器本体3を支持し、後方に向かって突出する一対の前側支持部241と、前側支持部241を連結する前側連結部25と、を有する。一対の前側支持部241は一対の後側支持部242に連結されている。
第1の形態の便器1によれば、支持フレーム2が、縦面に固定される後側フレーム2Bと、後側フレーム2Bに連結されて便器本体3を支持する前側フレーム2Aとに分割されている。これにより、便器本体3の支持フレーム2への取り付けの自由度が向上する。
本発明に係る第1の態様の便器1は、以下の付加的な第2〜7の形態を有する。
本発明に係る第2の形態の便器1では、第1の形態において、便器本体3は、上面が開口するボウル部31、ボウル部31の上端部に設けられフランジ状をした横面部336を有するリム部33と、リム部33に接続されボウル部31の側方を覆うスカート36と、横面部336の下方に位置する横片と、を一体に有する。前側固定部241Aは、横面部336とスカート36と横片とで囲まれる空間に挿通されていることを特徴とする。
この第2の形態の便器1によれば、ボウル部31、リム部33およびスカート36が一体となって便器本体3が構成される際、予め前側連結部25が便器本体3に組み込まれる必要がある。支持フレーム2が前側フレーム2Aと後側フレーム2Bとに分割されているため、支持フレーム2の壁面への固定は、便器本体3に組み込まれていない後側フレーム2Bのみで行われればよい。作業者は、便器本体3を持ち上げなくても支持フレーム2の壁面への固定を行うことができ、作業がしやすくなる。
本発明に係る第3の形態の便器1では、第1または第2の形態において、一対の前側支持部241の各々の上面が平坦であることを特徴とする。この第3の形態の便器1によれば、便器本体3の載置領域41を平坦にするという簡略な構成で、支持部24と載置領域41との面接触を実現できる。
本発明に係る第4の形態の便器1では、第1〜第3のいずれかの形態において、以下の構成を備えることを特徴とする。すなわち、支持フレーム2は、一対の後側支持部242を一対一で対応して補強する一対の補強部8を備える。一対の補強部8の各々は、一対の後側支持部242のうちの対応する後側支持部242と固定体21とにわたって形成される。この第4の形態の便器1によれば、支持フレーム2の強度および剛性を向上させることができ、便器本体3から支持部24に掛かる荷重や支持部24から載置部4に係る反力によって便器1が変形したり破壊したりするのを抑制できる。
本発明に係る第5の形態の便器1では、第4の形態において、一対の補強部8の各々は、対応する後側支持部242と固定体21とを連結した筋交い81であることを特徴とする。この第5の形態の便器1によれば、筋交い81という簡略な構造で補強部8を実現できる。
本発明に係る第6の形態の便器1では、第1〜5のいずれかの形態において、前側支持部241は、平坦な上面を含む角パイプにより構成される。後側支持部242は、縦片242Aと、縦片242Aの上下端部から突出する上横片242Bおよび下横片242Cを備える。前側支持部241の高さh1が、上横片242Bと下横片242Cの間隔と同じかそれより所定長さ小さく形成されることを特徴とする。この第6の形態の便器1によれば、後側支持部242の内部に前側支持部241が挿入された際、がたつきが発生しにくい。
本発明に係る第7の形態の便器1では、第1〜6のいずれかの形態において、前側支持部241に前側固定部241Aが設けられ、後側支持部242に後側固定部242Dが設けられる。前側固定部241Aと後側固定部242Dは、一方が雌ねじを有し、他方が貫通孔を有する。前記貫通孔を挿通するボルトが前記雌ねじに締結されていることを特徴とする。この第7の形態の便器1によれば、後側フレーム2Bに前側フレーム2Aが容易に固定される。
1 便器
2 支持フレーム
2A 前側フレーム
2B 後側フレーム
21 固定体
241 前側支持部
241A 前側固定部
242 後側支持部
242A 縦片
242B 上横片
242C 下横片
242D 後側固定部
25 前側連結部
3 便器本体
31 ボウル部
33 リム部
336 横面部
36 スカート
8 補強部
81 筋交い

Claims (7)

  1. 便器本体と、
    前記便器本体を縦面に取り付ける支持フレームと、を備え、
    前記支持フレームは、前記縦面に固定される後側フレームと、前記後側フレームに連結されて前記便器本体を支持する前側フレームと、を有し、
    前記後側フレームは、前記縦面に固定される固定体と、前記固定体から前方に向かって突出する左右方向に離れた一対の後側支持部と、を有し、
    前記前側フレームは、前記便器本体を支持し、後方に向かって突出する一対の前側支持部と、前記前側支持部を連結する前側連結部と、を有し、
    前記一対の前側支持部は前記一対の後側支持部に分割可能に連結されている、便器。
  2. 前記便器本体は、上面が開口するボウル部と、前記ボウル部の上端部に設けられフランジ状をした横面部を有するリム部と、前記リム部に接続され前記ボウル部の側方を覆うスカートと、前記横面部の下方に位置する横片と、を一体に有し、
    前記前側連結部は、前記横面部と前記スカートと前記横片とで囲まれる空間に挿通されている、請求項1記載の便器。
  3. 前記一対の前側支持部の各々の上面は平坦である、請求項1または2記載の便器。
  4. 前記支持フレームは、前記一対の後側支持部を一対一で対応して補強する一対の補強部を備え、
    前記一対の補強部の各々は、前記一対の後側支持部のうちの対応する後側支持部と前記固定体とにわたって形成されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の便器。
  5. 前記一対の補強部の各々は、前記対応する後側支持部と前記固定体とを連結した筋交いである、請求項4記載の便器。
  6. 前記前側支持部は、平坦な上面を含む角パイプにより構成され、
    前記後側支持部は、縦片と、前記縦片の上下端部から突出する上横片および下横片を備え、前記前側支持部の高さが、前記上横片と前記下横片の間隔と同じかそれより所定長さ小さく形成される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の便器。
  7. 前記前側支持部に前側固定部が設けられ、
    前記後側支持部に後側固定部が設けられ、
    前記前側固定部と前記後側固定部は、一方が雌ねじを有し、他方が貫通孔を有し、前記貫通孔を挿通するボルトが前記雌ねじに締結されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の便器。
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