JP6765043B1 - 局所臭気探索装置及び局所臭気の探索方法 - Google Patents

局所臭気探索装置及び局所臭気の探索方法 Download PDF

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Abstract

【課題】局所的な臭気を取得し、分析することで臭気発生部位を特定し、患者の治療に貢献する局所臭気探索装置を提供すること。【解決手段】患部から発生した臭気の原因となる原因ガスを含みその患部近傍に存在する気体からなる局所臭気から当該原因ガスを検出するための局所臭気探索装置10であって、前記局所臭気を吸引する吸気ノズル11と、4L/min以下の気体吸引量で前記気体を吸引可能な吸引部15と、を有する局所臭気探索装置10として構成した。【選択図】図1

Description

本発明は、疾病の原因となる部位から発生するガスを探索するための局所臭気探索装置とこの局所臭気探索装置を用いた局所臭気の探索方法に関する。
近年、口臭は他人に対して不快なものであるという認識が広がり、不快な口臭に対する改善が求められることから、個人の口臭の状態を検知、確認し制御する機運が高まっている。口臭を検知するには、様々な口臭検知デバイスが知られているが、もっとも汎用性が高いのは呼気を吹きかけるタイプの口臭検知装置であり、一般家庭だけでなく歯科医院でも使用されている。また歯科医院では簡易型のガスクロマトグラフィーが口臭検査に用いられるが、操作の煩雑さや価格の高さからあまり普及していない。
口臭検知に関する従来技術としては、例えば、「生物学的に関連する揮発性化合物を検出するための複合ガスクロマトグラフィー質量分析計センサーシステムの評価」(J Breath Res. 2017 Dec 6)(非特許文献1)には、ガスクロマトグラフィーを利用した分析システムについて述べられている。また、特開2018−87788号公報(特許文献2)には、呼気成分測定装置および異常判定方法の発明が記載されている。
口臭の原因については、う蝕、歯周疾患、唾液分泌量の低下、口腔内細菌叢の変化など様々な原因が知られているが、特定の疾患が特定の口臭を発生させることが報告されたこともあり、口腔内における臭気発生部位を特定することが必要と考えられる。しかしながら、一般家庭で普及している口臭検知装置や、歯科医院で利用される上記二つの装置、即ち、口臭検知デバイス及び歯科医師が行う官能試験は、口腔内の気体全体もしくは呼気全体から臭気を検出するものである。したがって、口腔内における臭気発生部位を特定することはほぼ不可能で、臭気発生の原因を特定することもまた不可能である。こうした現況下では、口臭に対する治療のほとんどが、口腔全体に対する清掃処置であり、局所的な臭気発生源に対する原因除去処置が行われない状態にあることもやむを得ない。
本発明は、臭気取得の改良を目的として生まれたものであり、局所的な臭気を取得し、分析することが臭気発生部位を特定して患者の治療に貢献すると考えてなされたものである。
上記の課題を解決するために、次の[1]〜[11]の構成を有する。
[1]患部から発生した臭気の原因となる原因ガスを含みその患部近傍に存在する気体からなる局所臭気から当該原因ガスを検出するための局所臭気探索装置であって、
前記局所臭気を吸引する吸気ノズルと、4L/min以下の気体吸引量で前記気体を吸引可能な吸引部と、を有する局所臭気探索装置である。
局所臭気の獲得には適切な吸引量の設定が重要であるところ、4L/min以下の気体吸引量で患部近傍に存在する気体を吸引可能な吸引部を備えるため、局所臭気を好適に捉えることができる。そのため、臭気の発生部位を見極め易い。なお「L/min」は、1分間当たりのリットルに換算した気体量(気体流量)を示す。
[2]前記吸気ノズルは、直径が1〜10mmの円面積相当分の開口を有する局所臭気探索装置とすることができる。
吸気ノズルの直径を1〜10mmとしたため、臭気発生部位の大きさに合わせた局所臭気を取得できる気体取得要求範囲内の気体を網羅して取得することができる。したがって、局所臭気以外の気体の取得を抑えることができる。
[3]前記吸気ノズルがディスポーサブルである局所臭気探索装置とすることができる。
吸気ノズルをディスポーサブルとしたため、衛生的、機能的な取り扱いが可能となる。
[4]前記吸気ノズルよりも柔らかい素材で形成され先端には切り欠きを有するガイドキャップを有する局所臭気探索装置とすることができる。
吸気ノズルよりも柔らかい素材で形成され先端には切り欠きを有するガイドキャップを設けたため、その柔らかさから、患部想定部位に当たった場合における患者の違和感を減らし、患者の負担を少なくすることができる。また、ガイドキャップを患部想定部位に当てつつ、切り欠きから気体を吸引させることができるため、局所臭気探索装置を患部想定部位から所定距離に保つものさしの役割を持たせながら、唾液等の液体の吸引を抑制することができる。
[5]前記吸気ノズルから吸引した局所臭気中の原因ガスを検知可能な臭気センサを有する局所臭気探索装置とすることができる。
前記吸気ノズルから吸引した局所臭気中の原因ガスを検知可能な臭気センサを有するため、この臭気センサで臭気の原因となる原因ガスを検知することができる。
[6]前記吸気ノズルから吸引した局所臭気中の原因ガスを前記局所臭気の吸収から2〜3秒で検知可能な臭気センサを有する局所臭気探索装置とすることができる。
吸気ノズルから吸引した局所臭気中の原因ガスを前記局所臭気の吸収から2〜3秒で検知可能な臭気センサを有するため、少ない時間で臭気を検知できることから患者の負担を少なくし、また吸引した気体に臭気が含まれるか否かを直ぐに判定できることから、一つの患部想定部位から別の患部想定部位に移動して気体を取得する流れ作業が容易になる。
[7]ガス取得部と本体部とから構成され、前記ガス取得部には吸気ノズルを有し、前記本体部には吸引部を有し、前記吸気ノズルは、前記本体部に直接接続しており、前記本体部が把持可能な筐体で覆われており携行可能である局所臭気探索装置とすることができる。
吸気ノズルは本体部に直接接続したものとしたため装置をコンパクトなものとでき、本体部が把持可能な筐体で覆われて携行可能であるため、操作がし易い局所臭気探索装置とすることができる。
[8]ガス取得部と本体部とから構成され、前記ガス取得部には、吸気ノズルとガイドキャップとを有し、前記本体部には、臭気センサであるセンサ部と吸引部と制御部とを有し、前記制御部は、前記吸引部の単位時間当たりの吸引量、前記臭気センサによる検知時間、及び前記臭気センサで検定する気体量の制御を行い、前記吸気ノズルは、前記本体部に直接接続しており、前記本体部が把持可能な筐体で覆われており携行可能である局所臭気探索装置とすることができる。
前記吸引部の単位時間当たりの吸引量、前記臭気センサによる検知時間、及び前記臭気センサで検定する気体量の制御を行う制御部を設けたため、コンパクトな装置の中にこれらの機能を備えることができる。そのため、操作者の手元で局所臭気の取得から検知までの操作を行うことが可能となる。
[9]遠隔のコンピュータやスマートフォン、ICデバイス等の外部デバイスで検出結果を表示可能なデータ送信部をさらに有する局所臭気探索装置とすることができる。
遠隔のコンピュータやスマートフォン、ICデバイス等の外部デバイスで検出結果を表示可能なデータ送信部を設けたため、局所臭気探索装置で得られた各種データをその装置外に送信することができ、各種データの2次利用に便利である。
[10]把持可能な筐体を有し、当該筐体にオンオフスイッチを設けた局所臭気探索装置とすることができる。
把持可能な筐体を有し、当該筐体にオンオフスイッチを設けたため、患者に向き合って患部想定部位からの局所臭気の取得を操作者の手元で簡単に行うことができる。
[11]上記何れかの局所臭気探索装置における前記吸気ノズルの先端を、歯牙や歯肉、舌表面等の患部想定部位から2〜10mm離して前記局所臭気を吸引する局所臭気の探索方法とすることができる。
上記何れかの局所臭気探索装置における前記吸気ノズルの先端を、歯牙や歯肉、舌表面等の患部想定部位から2〜10mm離して前記局所臭気を吸引する局所臭気の探索方法では、患部から発生した臭気の原因ガスを含む局所臭気を好適に取得することができ、それ以外の気体の取得を抑えることができる。
本発明の局所臭気探索装置及び局所臭気の探索方法によれば、腔内局所からの集気が可能となり、臭気発生部位を特定することができる。
また、本発明の局所臭気探索装置及び局所臭気の探索方法によれば、局所臭気からの臭気の検知に基づいて、局所細菌叢や口腔疾患、さらには全身疾患の有無等の検出が期待できる。
第1実施形態の局所臭気探索装置の概略斜視図である。 第1実施形態の局所臭気探索装置の構成を示すブロック図である。 気体取得要求範囲を説明する説明図である。 異なる大きさの開口を有するプローブの概略斜視図であり、開口の直径が分図4(a)は1mm、分図4(b)は2mm、分図4(c)は3mm、分図4(d)は4mmであるプローブをそれぞれ示す。 一例であるガイドキャップの概略斜視図である。 図5のガイドキャップであり、分図6(a)は正面図、分図6(b)は分図6(a)のI−I線断面図、分図6(c)は分図6(a)のII−II線断面図をそれぞれ示す。 他の一例であるガイドキャップの概略斜視図である。 図7のガイドキャップであり、分図8(a)は正面図、分図8(b)は分図8(a)のIII−III線断面図、分図8(c)は分図8(a)のIV−IV線断面図をそれぞれ示す。 第2実施形態の局所臭気探索装置の構成を示すブロック図である。 第3実施形態の局所臭気探索装置の概略斜視図である。 実験例2の結果を示し、吸引量が0.3L/minの場合の写真図である。 実験例2の結果を示し、吸引量が0.5L/minの場合の写真図である。 実験例2の結果を示し、吸引量が0.7L/minの場合の写真図である。 実験例3の結果を示す写真図である。
実施形態に基づき本発明の局所臭気探索装置10と局所臭気の探索方法についてさらに詳細に説明する。なお、各実施形態において、同一の部位、材料、機能、作用効果等については、重複説明を省略する。
<第1実施形態>:
第1実施形態としての局所臭気探索装置10aを、図1の概略斜視図及び図2のブロック図で示す。局所臭気探索装置10aは、吸気ノズル11として機能するプローブ11と、必要によりガイドキャップ12とを有するガス取得部Aと、センサ部14である臭気センサ14と、吸引部15として機能する吸引ポンプ15と、臭気センサ14の検出結果を電気的に出力する制御部16と、そして必要により検出結果、検出条件等を表示する表示部17とを有する本体部Bを備えてなる。
この局所臭気探索装置10aは、患部近傍にプローブ11を近づけ吸引ポンプ15から吸引することでプローブ11の先端近傍に存在する局所的な気体を選択的に吸引し、その局所的な気体に存在する疾患の原因物質を臭気センサ14で検知するものである。
従来の臭気センサでは、室内の臭気を検出するためにセンサを室内に設置したり、口臭を検出するために吹きかけられた息から臭気を検出したりと、もっぱら臭気の有無を検出することが目的で、その臭気の発生原因までをも探る目的で開発された臭気センサはこれまで無かった。
それに対して本発明では、例えば口臭を検知する場面についてみると、口腔内全体の気体から臭気を検知するのではなく、特定部位近傍の気体を採取することを特徴とする。口臭の原因が歯周病であれば、歯周病を患った歯牙の歯周組織が臭気発生部位となるから、その部位近傍の気体(局所臭気)を検査して臭気を検知できれば、歯周病であること、及び歯周病を患った歯牙を特定できる。1本の歯牙の幅は5〜10mm程度であり、2本の歯牙に挟まれた部分を中心に歯周疾患が起こり易いことに鑑みると、この歯周病由来の臭気を獲得するためには、2本の歯牙の間を中心にして歯牙と歯肉の境界に沿った5〜10mmの幅を含む範囲を、局所臭気の存在する範囲(気体取得要求範囲)として、その範囲内の気体を採取することで所期の目的が達成できると考えられる。
そうした一方で、実際の局所臭気を取得する場面では、プローブ11の先端を患部想定部位から2mm〜10mm離すことが好ましく、2mm〜5mm離すことがより好ましい。2mmよりも近いと気体の他に唾液などの液体を吸引するおそれがあり、液状成分の混入が臭気の測定に好ましくない影響を与える場合があるからである。また、10mmよりも患部想定部位から離すと、気体取得要求範囲以外の気体が多く含まれることになり、局所臭気以外の臭気が混入するおそれがある。また、5mmを超え10mm以下の場合は2〜5mmの場合よりも気体取得要求範囲を超えた広範囲の気体を取得し易くなるため、そうした気体を取得しないようにプローブ11の開口の大きさを調整しても吸引量の制御がやや難しくなる。
所定の大きさの開口を有するプローブ11を用い、患部から所定距離を離して気体を吸引すると、図3の模式図で示すように、プローブ11の開口を天面(上面)51とし、患者52の患部を中心として広がる部分を底面53として、この底面から天面まで滑らかに山の側面54a,54bを形成するように立ち上がる形状の部分(図3の太字で囲まれた範囲R)が吸引される(後述の実験例2及び3)。こうした山形状の範囲Rを気体取得要求範囲として、この範囲R内の気体を吸引することにより、局所臭気を好適に吸引することができる。
こうした山形状となる気体取得要求範囲の気体を取得するためには、プローブ11の先端開口は、開口形状が円形の場合で直径を1mm〜10mmとすることが好ましく、1mm〜4mmとすることがより好ましい。1mmより細かったり、10mmより太かったりすると、プローブ11を患部から所定距離離した場合に患部を中心とした所望範囲にまで広がる気体の採取が困難になるおそれがある。また、4mmを超え10mm以下の場合は4mm以下の場合よりも気体取得要求範囲を超えた広範囲の気体を取得し易くなるため、そうした気体を取得しないように吸引量と、患部とプローブ11先端との距離の制御がやや難しくなる。開口形状は円形に限られず楕円形や多角形状でも良いが、これらの形状の場合は円形の面積と同等の面積となる大きさ、即ち直径が1〜10mmの円面積相当分の開口となる大きさとすることが好ましい。
図4には、好適に採用できる円形開口がそれぞれ1mm、2mm、3mm、4mmとなる一例のプローブ11a,11b,11c,11dについて示した。こうしたプローブ11は、合成樹脂、合成ゴム、金属等で形成でき、衛生的観点からディスポーサブルであることが好ましい。
口腔内における患部としては、前歯歯間部、臼歯歯間部、舌表面などが想定される。これらの患部は、それぞれ大きさが異なることから、気体取得要求範囲も異なることになる。そのため、患部の大きさに応じて開口の直径が異なるプローブ11を適宜用いることが好ましい。例示すれば、前歯歯間部では患部の面積が小さいことから細めのプローブ11を用いることが好ましく、臼歯歯間部では中程度の太さのプローブ11を用いることが好ましい。また、舌表面では患部の面積が広いことから大きめのプローブ11を用いることが好ましく、図示していないが、例えば長径が10mmを超え20mm以下となるような楕円状のプローブを用いることが好ましい。
そして、この気体取得要求範囲からの気体を回収するためには、4L/min以下の比較的弱い吸引量で吸引するものとし、0.1L/min〜2L/minとすることが好ましく、0.3L/min〜0.7L/minとすることがより好ましい。4L/minより高い吸引力を有する吸引部15を採用すると、気体取得要求範囲外の広い範囲からの気体を吸引し、結果的に局所臭気以外の臭気も吸引することで、患部の特定ができなくなるおそれがある。また、0.1L/minよりも低い吸引力では、患部から離れるとプローブ11の開口付近の気体を吸引するだけで、開口から離れた患部近傍の局所臭気を吸引できないおそれがあるため、患部にプローブ11を近づける必要があり、操作がし難くなることから0.3L/min以上であれば操作がし易くなる。また、2L/minを超えると吸引量が大きいことから短い時間で吸引する必要があり、操作がし難くなることから0.7L/min以下であれば操作がし易くなる。
図1で示す局所臭気探索装置10aは、プローブ11から吸引した気体取得要求範囲の気体は、臭気センサ14に届くまでには所定の時間が必要である。即ち、気体取得要求範囲の気体が臭気センサ14に入り込む適切なタイミングで臭気センサ14を機能させる必要がある。そのため、吸引ポンプ15の単位時間当たりの吸引量、吸気ノズル11の吸気から臭気センサ14の実質的な検知までの時間、臭気センサ14で検知する気体量等の設定が重要である。
即ち、気体取得要求範囲の気体が臭気センサ14に至るまでに、ガス取得部Aにおける所定の通路を通る必要があり、吸引ポンプ15の起動からその通路の体積分の気体が臭気センサ14を通過した後の気体を臭気センサ14で検知する必要がある。例えば、気体取得要求範囲の気体の体積が1000mm(1mL)であり、ガス取得部Aにおける気体の通る部分の体積が約2000mm(2mL)であれば、最初の2mLを除いた次の1mLの気体から局所臭気を検出する必要がある。但し、ガス取得部Aにおける2mLの気体には何の臭気ガスも含まれないことを考慮すると、この気体を含めたトータルで3mLの気体から局所臭気を検出しても良い。
したがって、臭気ガスの検知時間を短縮する観点からは、ガス取得部Aにおける気体の通過体積をできるだけ少なくすることは好ましい一態様であり、図1で示す局所臭気探索装置10aのように、プローブ11を本体部Bに直接接合することは好ましい一態様である。以下の実験例でも説明するように、上記所望の時間当たりの吸引量で、上記所望の大きさの開口を有するプローブ11を用い、患部想定部位から所望の距離を置いてプローブ11を配置して吸引を行うと、2〜3秒で局所臭気の検出が可能となる。
上述のように、口腔内は唾液や歯肉溝液等の液体、あるいは湿度の高い空気が存在しており、気体取得要求範囲の気体吸引時に誤ってこれらの液体または湿度の高い空気を吸引すると、臭気センサ14の故障や計測データのばらつきにつながるおそれがある。局所臭気探索装置10aの操作者である歯科医師等は、プローブ11の先端を患部と想定される歯肉や歯牙から離すことを理解していても、手ブレが生じる場合もあり、操作上、液体を吸引する危険が避けられない。したがって、液体の吸引防止のため、プローブ11先端にガイドキャップ12を取り付けることは好ましい。
ガイドキャップ12には、例えば、図5及び図6で示すようなガイドキャップ12a及び図7及び図8で示すようなガイドキャップ12bが例示できる。これらの図で示すガイドキャップ12(12a,12b)は、患部の中心を覆う形状であるとともに、完全に被覆してしまうと覆われた内部が陰圧となり唾液等を吸引し易くなることからその一部は外部に対して開放した構成としている。より具体的には、プローブ11との接続端側は円筒状であり、それとは反対の先端側は円筒状の部分からスリット状の切り欠きを設けた櫛状に形成している。そして、円筒先端部の切り欠きの大きさは、その円筒の断面の半分以上を占める面積となるように切り欠くことが好ましい。解放部を広く取らないと唾液等が吸引され易くなるからである。図5及び図6で示すガイドキャップ12aでは、円筒の断面の半分の面積分を切り欠いている。
また、ガイドキャップ12aの長さは、少なくともガイドキャップ12aをプローブ11に取り付けた際に、プローブ11とガイドキャップ12aの境界からガイドキャップ12aの先端までの長さが、ガイドキャップ12aを取り付けない場合に、プローブ11の先端を患部の中心から離す距離と同程度とすることが好ましく、2mm〜10mmとすることが好ましい。ガイドキャップ12aは、患部想定部位からプローブ11の先端を所定距離だけ離すときの物差しとしても機能させることができるからである。なお、図5及び図6で示すガイドキャップ12aでは、切り欠きの基端となる部分にプローブ11の先端が位置するように装着されることを想定している。
ガイドキャップ12aの先端側の内部直径は、プローブ11の開口直径に合わせ、直径が1〜10mmの円面積相当分の大きさとすることができる。よって、短いものでは直径1mmの円面積相当分、長いものでは直径10mmの円面積相当分とすることができる。また、局所臭気の範囲に合わせた適当な大きさとするため、例えば、舌表面の局所臭気を取得しようとする場合は、直径10mmの円面積相当の長径20mmまでの楕円状とすることができる。ガイドキャップ12aの先端は、歯牙や歯肉等、測定したい場所に直接当てて局所臭気の採取を行えば、プローブの先端から患部の中心までの距離を所望の距離に保つことができて好ましいからである。ガイドキャップ12aの材質としてはシリコーンゴムなどの軟らかい弾性材料が適切であり、シリコーンゴムであれば耐久性、耐薬品性もある点で優れている。
図7及び図8で示すガイドキャップ12bは、その大きさはガイドキャップ12aと同様であるが、その先端形状が円筒の半分を切り欠いた形状としている点でガイドキャップ12aと異なる。ガイドキャップ12bでは、その先端の片側側面を残し、それとは反対側の片側側面を切り欠いた形状であることから、吸引したくない方向に残したU字側面を当てて局所臭気を吸引することができる。例えば、歯周病の疑いが濃いが舌苔からの口臭が強い患者の場合には、舌苔に起因する臭気を歯周病に起因する臭気に混入させたくないため、対象とする歯牙の裏の舌側にU字側面を置いて操作することができる。
ガイドキャップ12a,12bとプローブ11の接続は、ガイドキャップ12a,12bを直接プローブ11に取り付けても良いが、両者の大きさが異なる場合には両者の間に介在させる接続具を用いても良い。また、図5〜図8で示すガイドキャップ12a,12bは単一の太さであるが、プローブ11との接続側と先端側の太さを変えたものとすることも好ましい。
ガイドキャップ12a,12bを用いる利点として、ガイドキャップ12a,12bの患者ごとの交換がプローブ11の交換よりも容易であることが挙げられる。ガイドキャップ12は、プローブ11よりも小さく、安価に形成できるからである。また、ガイドキャップ12はプローブ11よりも柔らかくすることができ、簡単に取り代えができることから、例えば臼歯部遠心などアプローチが困難な部位においては長さの長いガイドキャップ12を準備しておくなど、測定部位の形状に即した形状、症例に応じた柔らかさなど、種々のガイドキャップ12を準備することができる。粘膜へガイドキャップ12が当たってもプローブ11よりは柔らかいため、口腔内の違和感を減らすことができるなど、口腔内での使用に際する患者の負担を少なくすることができる。
局所臭気探索装置10aの本体部Bは、臭気センサ14と、吸引ポンプ15と、制御部16とを有し、これらは筐体19に組み込まれて、全体としては軽くコンパクトで操作者が把持して操作できる大きさに形成されている。
吸引ポンプ15は、4L/min以下、又は0.1L/min〜2L/min、若しくは0.3L/min〜0.7L/min程度の小さなガス吸引量を有するもので良く、エアポンプや、チューブポンプ等の種々の既存の吸引装置を用いることができる。
臭気センサ14は、患部から発生する臭気ガスを検出し得るガスセンサであり、歯周病などから生じる悪臭は硫化水素や、メチルメルカプタン、ジメチルサルファイド等のイオウ分子を含んだガスによる場合が多いことから、少なくともこれらのイオウ分子含有ガスを検出するガスセンサ(イオウ分子ガスセンサ、硫化物センサ)であることが好ましい。そして、コンパクトに形成できる点で半導体式のガス吸着型のセンサとすることが好ましい。
但し、イオウ分子含有ガスの検出は一例であり、臭気の原因となる気体を検出する各種センサを用いることができる。
制御部16は、筐体19に設けたオンオフスイッチ(図示せず)等を通じた局所臭気探索装置10aのオンオフ操作や、臭気センサ14での目的ガスとの接触による反応を電位変化として検出し、そしてまたその結果を表示部17に表示させる機能を有する部位である。また、吸引ポンプ15の単位時間当たりの吸引量や、臭気センサ14による検知時間、臭気センサ14で検定する気体量の制御を行い、さらには、後述する外部表示部18との間で無線接続可能な無線制御を行い、検出データを保存するデータ保持部として機能させることもできる。そして制御部16はまた、遠隔のコンピュータやスマートフォン、ICデバイス等の外部デバイスで検出結果を表示できるように、検出データ等の検出結果をこれらの機器に送信できるデータ送信部を備えることができる。
表示部17は目的ガスの検出の有無を表示する部位であり、ここでは本体部Bに設けたディスプレイとして、検出ガスの検出濃度を数字で表示したり、種々のカラーを用いたグラフ表示したりするものとして設けることができるが、本体部Bとは別体として構成し、紙などにプリントできる外部プリンタなどの外部表示部18とすることも可能である。
局所臭気探索装置10aによれば、臭気の発生部位を特定することができるため、治療が必要となる口臭の原因部位を容易に突き止めることができる。また、局所臭気探索装置10aが軽量でコンパクトなため、操作者の作業負担が少なくて済み、また一部位に対する検査時間が非常に短く、疾患が疑われる口腔内の様々な箇所からの検出を試みてもその全体の時間も短いため、患者に対する負担を少なくすることができる。
一般的な臭気センサでは、臭気というもの自体が様々な原因物質(原因ガス)の混合体から構成されるため、こうした原因物質を網羅して検出するセンサが必要な場合があった。これに対して本発明では、疾病が疑われる部位からの発生が予測される原因物質(原因ガス)が予測できれば、その原因物質だけを検出できるセンサを用いることが可能になるため、センサを簡易化、小型化、そして軽量化することができる。
そうした一方で、小型の装置とできれば、予測される原因物質の検出だけを行うセンサに代えて、様々な原因ガスを検出して網羅的な解析が可能となるMEMSセンサ等のセンサを設けることもできる。局所臭気には予想外の原因物質が含まれる可能性も否定できないため、多分子を一度に検出できる高機能センサを用いることが好ましい場合もあるからである。
<第2実施形態>:
局所臭気探索装置10aでは、操作者がプローブ11を操作する把持部Cを、本体部Bと一体に設けてコンパクトでモバイルな装置としていたが、把持部Cと臭気センサ14のある本体部Bとを別体とし、その両者間をシリコーンチューブなどのホース(配管)13でつなぐ構成とすることができる。こうした構成とした局所臭気探索装置10bを図9のブロック図で示す。
局所臭気探索装置10aでは、本体部Bは操作者が把持する把持部Cでもあるため、本体部Bはコンパクトで軽いものであることが要求されるところ、臭気センサ14として高性能で大型、重量のあるセンサの利用が制限された。そこで、本実施形態として説明する局所臭気探索装置10bでは、把持部Cにはスイッチ等の制御部16の一部の機能を残す構成にとどめ、データ記録や管理、その他の臭気センサ14への制御等を行う機能を室内に備え付けのパーソナルコンピュータ等に移し、センサ部14とともに把持部Cから切り離した本体部Bとした。
把持部Cを本体部Bとは離して別途設けることで、把持部Cをより軽量化、コンパクト化することもでき、プローブ11操作もより簡単に行うことができる。本実施形態では、把持部Cと本体部Bとが直接繋がるものではなくホース13を介在させて両者をつなぐ必要があるが、その内部を気体が通過する容量を計算することで、臭気ガスの検知に対する計測時間や、臭気センサ14での計測容量に反映させることができ、適切な局所臭気の検出を行うことができる。
把持部Cから切り離したセンサ部14には、より大型で精緻な検出を行うことができるセンサを選択することができ、例えば、ガスクロマトグラフィー装置を利用することもできる。また、単に硫化物センサを配置するだけでなく、揮発性硫黄化合物(VSC)以外の臭気に対して反応するセンサを硫黄センサに組み合わせて配置したり、硫黄センサに代えて、揮発性硫黄化合物及びこれ以外の臭気物質に反応するセンサを配置したりすることができる。半導体式の他にも、水晶振動子式や、FETバイオセンサ、膜型表面応力センサといった公知の臭気センサを用いることもできる。なお、大型化されるセンサだけでなく、MEMSセンサ等の小型の高機能センサを用いることもできる。
<変形形態1>:
臭気センサ14への液体又は湿気の混入が問題となる場合には、湿気除去装置を設けることが好ましい。例えば外気温よりも低くなる金属等の素材から構成される結露部のような構成を、例えばホース13の途中やプローブ11内に設けることが挙げられる。吸引された湿気は、結露部で結露させ、ドレンキャッチに結露を導くことで臭気センサ14や吸引ポンプ15への液体の流通を阻害できる。こうした金属を用いた結露による除湿以外でも、除湿皮膜を用いたり、ペルチェ素子等で気体を高温・低温にして除湿したりすることも可能である。
<変形形態2>:
センサ部14に用いるセンサによっては、必要に応じて洗浄装置を設けることができる。例えば吸着型のセンサを用いる場合には、吸着物を取り除く洗浄装置等が例示できる。局所臭気探索装置では短時間で局所臭気を検知するため、それまで測定した局所臭気とは異なる局所から吸引された別の気体を瞬時に計測する必要があるからである。
<その他の変形形態>:
唾液や歯肉溝液等の液体からも疾病から生じる成分を含むため、変形形態1で採取された液体を分析できるセンサを含む構成とすることができる。これにより、ガスだけでなく液体からも疾病の有無を判断できる装置として構成することができる。
<第3実施形態>:
さらに別の実施形態としての局所臭気探索装置10cを、図10の概略斜視図に示す。局所臭気探索装置10cは、吸気ノズルとして機能するプローブ11を有するガス取得部Aと、吸引部15として機能する吸引ポンプ15と局所臭気収容部15aを有する本体部Bを備えてなる。
この局所臭気探索装置10cは、患部近傍にプローブ11を近づけ吸引ポンプ15で吸引し筐体19内の局所臭気収容部15aに吸引した局所臭気を保持することができるものである。この保持した局所臭気は、別途臭気センサで臭気成分を検知することができる。プローブ11の形状や口径、吸引ポンプ15の吸引量等は他の実施形態で説明したものと同じである。局所臭気探索装置10cによれば、局所臭気を好適に取得することができ、そうした局所臭気から別途設けた臭気センサで臭気成分を検知することができる。
次に本発明の創作において行ったいくつかの実験例について説明する。
実験例1:
プローブ11から吸引される気体の状態を観察する実験を次のようにして行った。ドライアイスを使って白煙を発生させ白煙層を形成し、この白煙の表面を患部表面に見立てた。そして、白煙の表面から所定距離離してプローブ11を置き、プローブ11から白煙を吸引したときの白煙の変化する形状を、顕微ビデオカメラを用いて撮影した。そして、その画像を画像解析装置で解析した。
実験例1では、プローブ11の先端からの気体の吸引量を変化させたときの白煙の形状変化を観察した。より具体的には、直径1mmの円形の先端開口を持つプローブ11と、0.2L/min〜0.3L/minの吸引量での吸気が可能な吸引ポンプ15を便宜的に接続し、プローブ11の先端から4mm離れた位置に存在する白煙を吸引した。このとき、吸引量を0.2L/minとすると4mm離れた白煙を吸引できなかった。一方、0.3L/min以上の吸引量とすると、4mm離れた白煙はプローブ11の先端から吸引されることがわかった。
実験例2(図11〜図13):
実験例2では、実験例1と同様にプローブ11の先端からの気体の吸引量を変化させたときの白煙の形状変化を観察したが、実験例1で直径1mmの円形の先端開口を持つプローブ11を使用したのに代えて、直径3mmの円形の先端開口を持つプローブ11を使用した。そして、0.3L/min、0.5L/min、0.7L/minに吸引量を変化させて、プローブ11の先端から4mm離れた位置に存在する白煙を吸引した。
吸引された形状を観察すると、何れの吸引量の場合もほぼ同様な山形状を示すことがわかった。吸引量が0.3L/minの場合に撮影した写真を図11に、0.5L/minの場合を図12に、0.7L/minの場合を図13にそれぞれ示した。
実験例3(図14):
実験例3では、プローブ11の先端開口の大きさを変化させたときの白煙の形状変化を観察した。より具体的には、プローブ11の先端開口の大きさが、直径1mm、直径2mm、直径3mm、直径4mmとなる図4で示すような4種類のプローブ11を準備した。そして、0.3L/minの吸引ガス量を設定し、プローブ11の先端から4mm離れた位置の白煙を吸引した。
その結果、それぞれのプローブ11で白煙は山形状となって吸引されたが、その底面直径、換言すれば、吸引しない際の白煙の表面位置において吸引により立ち上がりが生じた部分の直径は、直径1mmのプローブを用いた際に5.48mm、直径2mmのプローブで6.78mm、直径3mmのプローブで9.37mm、直径4mmとなる先開き形状のプローブで7.61mmとなった。撮影した写真を図14で示す。
写真からも明らかなように、吸引によって生じた白煙は、プローブ11の開口の大きさによって、その開口付近の大きさが異なり、また、底面の大きさが異なるが、その形状はほとんど同じであった。
また、底面の大きさは、プローブの直径が1mmから3mmと大きくなるにつれて大きくなったが、プローブの直径が4mmとなると直径が3mmのときよりも小さくなった。このことから、吸引量を0.3L/minとした場合には、直径が3mm程度までは開口の大きさを大きくすることによって大きな患部に対応できるが、患部がそれより大きくなっても単に開口の大きさを大きくするだけでは対応できないことがわかった。そのため、吸引量を0.3L/minに設定して舌苔からの臭気を吸引するような広い面積から吸引する場合には先端開口を複数に分けるように構成されたプローブ又はガイドキャップを用いることが有効である。また、この実験からプローブの直径が4mm以上となる場合には、吸引量は0.3L/minよりも大きくすることが好ましいことがわかった。
実験例4:
局所臭気探索装置による局所臭気の検知の可否を調べる実験を行った。
臭気センサ14にはイオウ分子ガスセンサ、プローブ11には円形開口の直径が2mmの硬質プラスチック製プローブを用いた図1で示すような局所臭気探索装置10aを製造した。
そうした一方で、石膏で作製した下顎の歯形模型について、左側の第2小臼歯と第1大臼歯の間で歯牙と歯肉の境界部分、及び同じく左側の第1大臼歯と第2大臼歯の間で歯牙と歯肉の境界部分をそれぞれ患部として、イオウ分子含有成分を含有させたPVAゲルと、イオウ分子含有成分を含有させないPVAゲルをそれぞれの患部に塗り込んだ。そして、それぞれの患部に対して、プローブが4mm離れる位置から、0.4L/minのガス吸引量で吸引し、臭気センサ14でイオウ分子含有成分の検出を試みた。
吸引開始からイオウ分子含有成分濃度の変化を逐次グラフに表示すると、イオウ分子含有成分を含有させたPVAゲル近傍にプローブ11を当てたときには、2秒以内にイオウ分子含有成分を検知し始め、3秒以内にそのピークを検出した。一方、イオウ分子含有成分を含有させなかったPVAゲル近傍にプローブ11を当てたときには、何も検知しないことが確認された。以上の実験により、プローブ11の開口の大きさ、単位時間当たりの吸引量のそれぞれの条件設定が有効であることがわかった。
臭気センサの検知時間は計測システム構築において重要な要素となるが、上記条件の場合に2〜3秒程度で検出のピーク値が認められるが、この半分程度のピーク高さでも濃度の違いを判定できることから気体の吸引量はこの条件で0.3L/min〜0.7L/minとすることが最も好ましいと考えられる。また、実験例1〜実験例3の結果も併せて考慮すると、プローブの開口形状としては直径1〜10mmの円形でも有効であると考えられる。
なお、2〜3秒で検出のピーク値が認められることから、こうした半導体式のガス吸着型のセンサを用いた場合には局所臭気の吸収から5秒以内で検知することができ、1〜4秒で検知することが好ましく、2〜3秒で検知することがより好ましい。
実験例5:
上記実験例の結果に鑑みて、さらに実験を進め、プローブ11の開口の大きさ、吸引量、患部想定部位とプローブ11先端の距離(以下単に「距離」)のそれぞれの値を変化させて上記実験に倣った実験を行った。
その結果、プローブ11先端の開口については、直径1mmの円形よりも小さな直径0.8mmの円形とすると、吸引量を4L/minを超える吸引量としても適当な大きさの気体取得要求範囲を得ることができず、吸引量を0.1L/minを下回る吸引量とするとほとんど吸引できず、要求される局所臭気を好適に取得できなかった。また、直径10mmの円形よりも大きな直径10.2mmの円形とすると、吸引量を4L/minを超える吸引量とすると適当な大きさの気体取得要求範囲よりも広範囲の気体を取得することになり、吸引量を0.1L/minを下回る吸引量とすると距離を2mmより近づけてもほとんど気体を吸引できなかった。
吸引量については、4L/minを超えるとプローブ11の口径が直径1mmより小さいと液体まで吸い上げるおそれが強く、プローブ11の口径が直径10mmの円相当面積より大きくても適当な大きさの気体取得要求範囲よりも広範囲の気体を取得することになり好ましい結果とはならなかった。
さらに、距離については、2mmよりも短くすると、プローブ11の口径の大きさや吸引量にかかわらず液体を吸引する可能性が高まりすぎ、10mmを超える長さとすると、プローブ11の口径の大きさにかかわらず、吸引量が少ないときには患部により近い部分の広がりが十分でなく、吸引量が多いときには適当な大きさの気体取得要求範囲よりも広範囲の気体を取得することになり好ましい結果とはならなかった。
以上より、プローブ11の開口の大きさは直径1〜10mmの円面積相当分の開口とし、吸引量は4L/min以下とし、患部とプローブ11先端の距離は2〜10mmとすることが好ましいことがわかった。
上記実施形態は本発明の一例であり、各実施形態で説明した事項の組合せや組み替え、そして、公知の手段や方法をさらに備えるものであっても良く、本発明の趣旨を変更しない範囲で適宜、変更が可能である。
例えば、第2実施形態で説明した各種センサはコンパクトなものであれば第1実施形態で説明したセンサに代えて用いることもできる。
あるいはまた、プローブ11をガイドキャップ12のような柔らかな材質から形成し、又はプローブ11の先端を、ガイドキャップ12に設けたような形状とする等を行うことで、プローブ11にガイドキャップの機能を持たせることもできる。
さらに、局所臭気探索装置10の使用に関し、上記実施形態では口腔内における局所臭気の探索に基づいて説明したが、口腔内の患部に起因する臭気以外の臭気の探索のため、口腔内以外でも用いることができる。
10,10a,10b 局所臭気探索装置
A ガス取得部
B 本体部
C 把持部
R 山形状の範囲(気体取得要求範囲)
11,11a,11b,11c,11d 吸気ノズル(プローブ)
12,12a,12b ガイドキャップ
13 ホース(配管)
14 センサ部(臭気センサ)
15 吸引部(吸引ポンプ)
15a 局所臭気収容部
16 制御部
17 表示部
18 外部表示部
19 筐体
51 天面(上面)
52 患者
53 底面
54a,54b 側面

Claims (11)

  1. 歯牙や歯肉、舌表面等の口腔内患部から発生した臭気の原因となる原因ガスを含みその患部近傍に存在する気体からなる局所臭気から当該原因ガスを検出するための口腔内局所臭気の探索方法であって、
    局所臭気探索装置における吸気ノズルの先端を、歯牙や歯肉、舌表面等の患部想定部位から2〜10mm離して前記口腔内局所臭気を吸引する口腔内局所臭気の探索方法。
  2. 前記口腔内局所臭気の探索方法に、前記口腔内局所臭気を集める集気方法を含む請求項1記載の口腔内局所臭気の探索方法。
  3. 前記患部想定部位に、前歯歯間部、臼歯歯間部、又は2本の歯牙の間を含む請求項1又は請求項2記載の口腔内局所臭気の探索方法。
  4. 前記吸気ノズルよりも柔らかい素材で形成され先端には切り欠きを有し唾液等の液体の吸引を抑制するガイドキャップを前記吸気ノズルに装着し、当該ガイドキャップを前記患部想定部位に当てて前記口腔内局所臭気を吸引する請求項1〜請求項3何れか1項記載の口腔内局所臭気の探索方法。
  5. 直径が1〜10mmの円面積相当分の開口を有する前記吸気ノズルから吸引する請求項1〜請求項4何れか1項記載の口腔内局所臭気の探索方法。
  6. 4L/min以下の気体吸引量で前記気体を吸引する請求項1〜請求項5何れか1項記載の口腔内局所臭気の探索方法。
  7. 前記口腔内局所臭気が気体取得要求範囲の気体である請求項1〜請求項6何れか1項記載の口腔内局所臭気の探索方法。
  8. 歯牙や歯肉、舌表面等の口腔内患部から発生した臭気の原因となる原因ガスを含みその患部近傍に存在する気体からなる局所臭気から当該原因ガスを検出するための口腔内局所臭気探索装置であって、
    直径が1〜10mmの円面積相当分の開口を備え、前記局所臭気を吸引する吸気ノズルと、4L/min以下の気体吸引量で前記気体を吸引する吸引部と、を有し、
    前記口腔内患部想定部位近傍の気体取得要求範囲の気体を吸引する口腔内局所臭気探索装置。
  9. 前記吸気ノズルよりも柔らかい素材で形成され先端には外部に対して開放した構成となる切り欠きを有するガイドキャップを有する請求項8記載の口腔内局所臭気探索装置。
  10. 前記吸気ノズルよりも柔らかい素材で形成され先端には円筒の半分を切り欠いた形状の切り欠きを有するガイドキャップを有する請求項8又は請求項9記載の口腔内局所臭気探索装置。
  11. ガス取得部と本体部とから構成され、
    前記ガス取得部には、吸気ノズルとガイドキャップとを有し、
    前記本体部には、臭気センサであるセンサ部と吸引部と制御部とを有し、
    前記制御部は、前記吸引部の単位時間当たりの吸引量、前記臭気センサによる検知時間、及び前記臭気センサで検定する気体量の制御を行い、
    前記吸気ノズルは、前記本体部に直接接続しており、
    前記本体部が把持可能な筐体で覆われており携行可能である請求項8〜請求項10何れか1項記載の口腔内局所臭気探索装置。
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