JP2002253584A - 歯周病診断装置 - Google Patents

歯周病診断装置

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JP2002253584A
JP2002253584A JP2001052602A JP2001052602A JP2002253584A JP 2002253584 A JP2002253584 A JP 2002253584A JP 2001052602 A JP2001052602 A JP 2001052602A JP 2001052602 A JP2001052602 A JP 2001052602A JP 2002253584 A JP2002253584 A JP 2002253584A
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periodontal disease
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semiconductor gas
gas
semiconductor
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Junichi Koizumi
淳一 小泉
Masanichi Yamaguchi
将日 山口
Shinpei Fukuda
晋平 福田
Hiroshi Tanimoto
広志 谷本
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MOTOSAN ENGINEERING KK
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MOTOSAN ENGINEERING CORP
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 歯周病の進行度及び治療後の治療効果を短時
間にかつ的確に判定できる歯周病診断装置を提供する。 【解決手段】 ガス感応性の異なる複数の半導体ガスセ
ンサと、前記半導体ガスセンサの出力の時系を計測する
計測手段と、前記時系のうち予め定められた特徴値をニ
ューラルネットワークの入力層に入力して該ニューラル
ネットワークの出力層からの出力を歯周病の進行度とし
て演算する演算手段と、を備えるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、歯周病診断装置に
係り、特に、呼気中の成分ガスを測定することにより歯
周病の進行度を診断する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】歯周病は、プロフィロモナス・ジンジバ
リス菌やアクチノバチルス・アクチノマイセテコミタン
ス菌等の歯周病原菌により引き起こされる口腔内疾患で
あり、う蝕(虫歯)とともに二大歯科疾患と呼ばれ、社
会的な関心が高い。歯周病は歯肉炎と歯周炎に大別され
るが、このうち歯肉炎は歯肉のみの炎症であり、ブラッ
シングなどの機械的な治療で比較的容易に治癒する。こ
れに対して歯周炎は、歯肉だけでなく、歯を支えている
歯槽骨までも原因菌によって冒され、重度の場合には歯
を失う危険性があり、治癒は極めて困難である。また歯
周病は、高齢者に特有のものとされていたが、最近では
食生活の変化等により十代から発症する若年性歯周炎の
存在も確認されており、自覚症状もなく慢性的に進行す
るため発見が遅れやすく、末期的な症状になってから受
診することが多い。従って、歯周病の治癒には早期発
見、早期治療が特に重要である。
【0003】歯周病は、レントゲン検査や歯科医師が肉
眼的に観察した歯肉の腫脹、歯周ポケットの深さ、出血
の状態などの臨床所見を総合的に評価して診断される
が、一方、歯周病原菌が産生するアンモニア、メチルメ
ルカプタン、インドール等の臭気物質は口臭の大きな原
因の一つとなっており、その特徴は、メチルメルカプタ
ンが硫化水素に比べ高濃度であり、口臭の強度とメチル
メルカプタン/硫化水素比は歯周病の重症度に比例する
ことが知られている。口臭から歯周病を診断しようとす
るには、極微量の臭気成分の測定が可能なガスクロマト
グラフが有効な手段である。また、呼気中の硫化物やア
ンモニアをガス検知管等の手法により測定する装置や口
臭用の1種類の半導体ガスセンサを内蔵した簡易型口臭
判定装置が市販されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ガスク
ロマトグラフは装置自体が非常に高価で、操作も煩雑で
あり、またガス検知管等の手法により測定する装置でも
高価なため、専門医等のいる歯科大学病院や一部の歯科
医院等での使用に限られ、家庭内や職場で簡便に測定す
ることはできない。また、半導体ガスセンサを内蔵した
簡易型口臭判定装置では、使用している半導体ガスセン
サは1種類であり、その感応ガス種の選択性が低いため
に共存する他のガスの影響を受けやすいという欠点があ
る。
【0005】本発明は上記事案に鑑み、歯周病の進行度
及び治療後の治療効果を短時間にかつ的確に判定できる
歯周病診断装置を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、被験者の呼気中の成分ガスを測定して歯
周病の診断を行う歯周病診断装置において、ガス感応性
の異なる複数の半導体ガスセンサと、前記半導体ガスセ
ンサの出力の時系を計測する計測手段と、前記時系のう
ち予め定められた特徴値をニューラルネットワークの入
力層に入力して該ニューラルネットワークの出力層から
の出力を前記被験者の歯周病の進行度として演算する演
算手段と、を備える。
【0007】本発明によれば、被験者の呼気中の成分ガ
ス測定にガス感応性の異なる複数の半導体ガスセンサを
用いるので、複数の情報により呼気中の成分ガスを識別
することができ、歯周病の進行度を正確に診断すること
ができる。また、半導体ガスセンサの出力の時系のうち
予め定められた特徴値のみをニューラルネットワークの
入力層に入力してその出力層からの出力を被験者の歯周
病の進行度として求めるので、短時間に歯周病の進行度
を診断することができる。
【0008】この場合の特徴値としては、少なくとも出
力の時系のうち最大値とその最大値を与える時間、及び
出力の時系を微分したときの最大値とその最大値を与え
る時間、の4つを含むことが好ましい。また、ニューラ
ルネットワークの入力層に、更に被験者の年齢、性別及
び喫煙習慣の有無に関する情報のうち少なくとも1つの
被験者属性情報を入力して、出力層からの出力を被験者
属性情報に関連させて歯周病の進行度を演算してもよ
い。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明に係
る歯周病診断装置の実施の形態について説明する。
【0010】図1に示すように、本実施形態のガス測定
部10は空気清浄装置11と、試料ガスを封入したサン
プル容器12と、半導体ガスセンサ14を備えたガス測
定装置13と、で構成される。空気清浄装置11は外部
から取り込んだ空気を清浄化したキャリアガスを発生
し、半導体ガスセンサ14を清浄にするためにガス測定
装置13内部に吸引される。このため空気清浄装置11
は、空気の湿度をコントロールする蒸留水層、二酸化炭
素を除去する塩化カルシウム層、水分及び臭い成分を除
去する活性炭層を含んでいる。また、サンプル容器12
には被験者から採取した呼気が封入されており、試料ガ
スとしてガス測定装置に吸引される。
【0011】ガス測定装置13は、ガス感応性の異なる
少なくとも1つの半導体ガスセンサ14を有し、サンプ
ル容器12から吸引した呼気中のガス成分によりそれぞ
れの半導体ガスセンサの比抵抗値変化を時系列値として
測定する。ガス測定装置13で測定した比抵抗値変化の
時系列値は演算部20に転送される。
【0012】本実施形態の演算部20は、外部データの
入出力を仲介する入出力インターフェース24、中央演
算処理装置として作動すると共にニューラルネットワー
クの演算を行うCPU21、装置全体の基本制御が記憶
されたROM22、CPUのワークエリアとして働くと
共に種々のデータを一時的に記憶するRAM23で構成
され、入出力インターフェース24は出力装置等へ接続
する入出力ポートに接続されている。
【0013】演算部20では、ガス測定部10から転送
された前記時系列値から特徴値を抽出し、ニューラルネ
ットワークの入力層として入力する。ニューラルネット
ワークは、後述するように予め所定回の学習をさせてあ
り、入力された入力層から歯周病の進行度を演算し出力
層に出力する。
【0014】
【実施例】次に、本実施形態に従って作製した実施例の
歯周病診断装置について詳述する。なお、比較のために
作製した歯周病診断装置についても併記する。
【0015】<ガス測定装置>本実施例では、ガス測定
装置としてガス感応性の異なる12種類の半導体ガスセ
ンサを有するALPHA M.O.S社製、商品名Fo
x3000を使用した。
【0016】半導体ガスセンサは酸化スズの微粒子を焼
結した円筒状のn型酸化物半導体(以下、n型半導体と
いう。)を有し、ガスの検知はこのn型半導体表面への
化学吸着現象に依存していることから、n型半導体表面
でのガス吸着速度を高めるためにヒータコイルで加熱さ
れる。n型半導体を流れる電流は酸化スズの微粒子の接
合部を通って流れ、半導体ガスセンサが清浄な大気中に
あるときは、n型半導体表面への酸素の吸着により粒子
界面のポテンシャル障壁が高くなり電子の移動を妨げる
ので、n型半導体は高い抵抗値を示す。そこへ還元性ガ
スが到達すると、n型半導体表面へのガス分子の吸着や
酸化反応が起こりポテンシャル障壁が低くなり電子の移
動が容易になるので、n型半導体の抵抗値は小さくな
る。従って、n型半導体の抵抗値の大きさを出力電圧と
して取り出すことによりガス濃度等を知ることができ
る。
【0017】本装置の12種類の半導体ガスセンサは、
下表1に示すようにそれぞれの気体に応答する。例え
ば、P10/1のセンサは炭化水素のガスを検知し、ガ
ス濃度に応じた比抵抗値の時系を出力する。
【0018】
【表1】
【0019】<試料ガス>測定する試料ガスには、歯周
病の診断を行う被験者の呼気を用いるが、予め口腔内を
清浄にした後に呼気を採取して用いた。採取した試料ガ
スはサンプル容器12に封入して、ガス測定装置13へ
吸引させる。
【0020】<ガス測定法>ガス測定装置13による測
定は以下の手順にて行った。先ず、空気清浄装置からの
清浄なキャリアガスをガス測定装置13に吸引させ、測
定装置内の残留ガスを除去し装置内を清浄にする。次い
で、試料ガスを流速200ml/min.でガス測定装
置13内に吸引し、比抵抗値の1秒ごとの時系列変化を
測定して波形データを得る。このときの試料ガスの吸引
法には、試料ガスを2秒間吸引した後キャリアガスを吸
引し、120秒間測定する2秒吸引法及び試料ガスのみ
を連続して吸引し、240秒間測定する連続吸引法の2
法を用いた。
【0021】<データ処理>上述の測定により得られた
比抵抗値の時系の波形データを演算部20に読み込ま
せ、ニューラルネットワークの構築に用いる特徴値を得
る。波形データから比抵抗値の最大値と最大値を与える
時間を、また、比抵抗値変化の波形データを微分して得
られるデータから微分値の最大値と最大値を与える時間
を得る。上述したように試料ガスの吸引法が2秒吸引法
及び連続吸引法の2法を用いるので、それぞれについて
データを得る。すなわち、1つの半導体ガスセンサか
ら、吸引法による2つの波形データから4つずつの特徴
値を得る。
【0022】図2に2秒吸引法によるデータの例を示し
た。(A)は比抵抗値の波形データを示しており、比抵
抗値の最大値と最大値を与える時間を特徴値として得
る。また(B)は(A)を微分して得られるデータを示
しており、微分値の最大値と最大値を与える時間を特徴
値として得る。また、図3に連続吸引法によるデータの
例を示した。(A)は比抵抗値の波形データを、(B)
は(A)を微分して得られるデータを示している。
(A)及び(B)のデータからそれぞれ最大値と最大値
を与える時間を特徴値として得る。
【0023】以上のデータ処理により、本実施形態で用
いたガス測定装置の12種類の半導体ガスセンサで測定
したデータから1つの半導体ガスセンサにつき8個の特
徴値を得、合計96個の特徴値を得た。
【0024】さらに、上記した表1に示した12種類の
半導体ガスセンサからの波形データを比較すると、濃度
の低い水素、硫化物、アンモニアに反応するPA2型の
半導体ガスセンサからの出力が最も大きいことが判明し
た。そして、2秒吸引法によるPA2型半導体ガスセン
サの波形データは4種類の応答パターンに分類できるこ
とが判明した。
【0025】図4にPA2型半導体ガスセンサから得ら
れる波形データの4種類の応答パターンを示した。すな
わち、(1)のグラフのように吸引開始からなだらかに
比抵抗値が上昇し、120秒の測定時間の後半に最大ピ
ークとなるパターン、(2)のグラフのように測定時間
の前半に最大ピークとなり最大ピークの後は比抵抗値が
ほとんど低下しないパターン、(3)のグラフのように
測定時間の前半に最大ピークとなった後に比抵抗値が低
下するパターン、(4)のグラフのように吸引開始後短
時間で最大ピークとなり、その後なだらかに比抵抗値が
低下するパターン、の4種類のパターンに分類できる。
【0026】<ニューラルネットワークの構築>本実施
形態のニューラルネットワークは、一般的な入力層、中
間層及び出力層からなる3層構造を有し、上述のような
特徴値を入力層に入力し、歯周病の診断結果を出力層か
ら出力させるものである。予め歯科医師から提供された
カルテのデータを出力層として与え、演算部20により
入力層から中間層、並びに、中間層から出力層の重み係
数を繰り返し反復修正して学習させてネットワークを構
築させておくことにより、新たなデータを入力層に入力
したときに歯周病の診断結果を出力層から出力させるこ
とができる。
【0027】ネットワークを構築するために、上述した
96個の特徴値とPA2型半導体ガスセンサのデータか
ら得られる4種類のパターン値をあわせて97個の数値
を入力層とした。そして、歯科医師の診断に基づく5種
類の数値を出力層とした。すなわち、レントゲン撮影に
より歯槽骨の吸収度を判定した歯周病の進行度を示す数
値、歯周ポケットをプローブで突いたときに出血する割
合を示すB.O.P(Bleeding on Probing)値、歯周
ポケットの深さが4〜6mm、又は7mm以上を示す2
種類のPD(Probing Depth)値、歯垢の蓄積している
部位の割合を示すPI(Plaque Index)値、の5種類を
用いた。なお、ネットワークの入力層、出力層に用いる
全てのデータは正規化によるデータ変換を行った数値を
使用した。正規化は、次式(1)により算出した。
【0028】
【数1】
【0029】次に、全81データに対して、入力層97
個、出力層5個のネットワークを構築するのに適切な中
間層数の検証を行った。中間層数を変化させた状態で学
習を行い、学習の終了条件を、平均2乗誤差が0.00
05に至るか、学習回数が200,000回になるまで
のいずれかを満たすまでとして学習を行った。この検証
結果を下表2に示した。
【0030】
【表2】
【0031】中間層数は少ない方がネットワークの計算
負荷が小さいので好ましいが、表2に示した結果から、
中間層数が48、24では学習回数が200,000回
を越えても平均2乗誤差が0終了条件として設定した
0.0005に至らないため、本実施例では、中間層数
を73個とした。
【0032】<ネットワークの簡素化>上述したよう
に、入力層97個、中間層73個、出力層5個で構築し
たネットワークでは、出力を得るために演算する時間は
数時間を要し、所要時間を短縮するためにネットワーク
の簡素化を行った。
【0033】ネットワークの簡素化を行うために先ず、
2種類の吸引方法のネットワークに対する貢献度を検証
した。前述した2秒吸引法、連続吸引法のそれぞれの特
徴値のみでネットワークを構築し、学習の終了条件を上
述の中間層の検証で用いた条件と同じとして学習を行っ
た。結果を下表3に示した。
【0034】
【表3】
【0035】表3の結果から、2秒吸引法のみで学習し
たときの方が学習回数が多く、2秒吸引法のデータがネ
ットワークに対する貢献度の大きいことが明らかであ
る。
【0036】次に、2秒吸引法のみの学習において、1
2種類の半導体ガスセンサの貢献度を検証した。12種
類の半導体ガスセンサから1種類のセンサを除外して残
りの11種類の半導体ガスセンサの特徴値を用い、学習
の終了条件を上述の中間層の検証で用いた条件と同じと
して学習を行い、学習回数を測定した。結果を下表4に
示した。
【0037】
【表4】
【0038】表4に示した結果は、1つの半導体ガスセ
ンサを抜いたときの学習回数が少ないときは、このとき
に抜いた半導体センサの貢献度は低いことを示してお
り、例えば、T50/1型の半導体センサを抜いたとき
の学習回数36233回に対して、T40/1型の半導
体ガスセンサを抜いたときの学習回数は50682回で
あり、T50/1型の半導体ガスセンサの方がT40/
1型の半導体ガスセンサよりも貢献度は低いと判断でき
る。
【0039】表4の結果に基づいて、貢献度の低い半導
体ガスセンサを順次抜いていったときの学習回数から、
5個の半導体ガスセンサを除外することができ、7個の
半導体ガスセンサからの特徴値28個に半導体ガスセン
サPA2型の波形データから得られるパターン値をあわ
せた29個の入力層で構築したネットワークを用いた歯
周病診断装置を比較例1とし、後述する歯周病診断の評
価を行った。
【0040】また、表4の結果に基づいて、貢献度の低
い半導体ガスセンサを順次抜いていったとき、ネットワ
ークに新たなデータを入力したときに正しい診断結果が
得られることに注意して学習回数を測定した結果を下表
5に示した。
【0041】
【表5】
【0042】表5に示した結果から、4個のセンサを除
外することができ、8個の半導体ガスセンサからの特徴
値32個に半導体ガスセンサPA2型の波形データから
得られるパターン値をあわせた33個の入力層で構築し
たネットワークを用いた歯周病診断装置を比較例2と
し、後述する歯周病診断の評価を行った。
【0043】また、上述したネットワークの簡素化は、
出力層に歯科医師の診断データに基づく5個のデータを
用いているが、歯周病診断装置としての出力では歯周病
の進行度が得られればよく、出力層を歯周病進行度の1
個に設定したときのネットワークの簡素化を行った。こ
のときの入力層としては、先ず、上述した2種類の吸引
法による12種類の半導体ガスセンサから得た波形デー
タから4つずつの特徴値を抽出し、これに、半導体ガス
センサPA2型のパターン値、歯科医師の診断結果に基
づいたB.O.P値、2種類のPD値、PI値、及び被
験者の年齢を示す年齢値、性別を示す性別値、服薬や喫
煙によるリスク値を加えた、合計104個を用いてネッ
トワークの構築を行った。次いで、計算の負荷を低減す
るために、上述した表3の結果に基づいて吸引法を2秒
吸引法のみとし、さらにセンサの数を減らす簡素化を行
った結果、半導体ガスセンサは表1に示した半導体ガス
センサの型のP10/9、P40/1、PA2、T50
/3の4個とすることができ、4個の半導体ガスセンサ
からの特徴値16個に半導体ガスセンサPA2型の波形
データから得られるパターン値、被験者の年齢値、性別
値、リスク値、及び歯科医師の診断結果に基づくPI値
をあわせた21個の入力層で構築したネットワークを用
いた歯周病診断装置を実施例とし、後述する歯周病診断
の評価を行った。
【0044】<歯周病診断装置の評価>本実施形態の歯
周病診断装置を用いて歯周病を診断したときの診断結果
が、実際に歯科医師が診断した結果とどの程度一致して
いるかの評価は以下の手順で行った。
【0045】先ず、ネットワークの学習データとして用
いる全被験者のデータから、歯科医師の診断結果に基づ
いて上述の式1により正規化した進行度に対する被験者
の累積度数分布を作成する。次に、進行度に対する累積
度数分布の関数を求めるが、ここでは進行度Xの範囲ご
とに、累積度数YをXの一次関数として近似式を求め
た。図5(A)は累積度数分布の例を示し、(B)には
近似式のグラフの例を示した。
【0046】歯科医師のデータによる進行度(実測値)
Xtと本実施形態の歯周病診断装置による測定値(予測
値)Xaに対する累積度数値YtとYaをそれぞれ求
め、次式(2)により、正答率を算出した。
【0047】
【数2】
【0048】式(2)では、累積度数値YtとYaの差
の絶対値を全データ数Rで除算し、その逆数の対数値を
正答率として求める。このようにして求めた正答率によ
れば、実測値との誤差が小さい場合に正答率の数値が大
きくなるので、歯周病診断装置による診断の正確さが容
易に判定できる。
【0049】この評価手順に従って、上述した実施例及
び比較例1、比較例2の歯周病診断装置の評価を行っ
た。
【0050】(実施例)前述したように構築したネット
ワークを用いた実施例の歯周病診断装置に、全被験者数
93のデータから、ネットワークの学習に89データを
使用し、残りの4データを用いて上述の評価を行った。
評価結果を下表6に示した。
【0051】
【表6】
【0052】表6から明らかなように、本実施例の歯周
病診断装置を用いて診断した実施例1〜実施例4の正答
率は、いずれも高い数値を示している。また、このとき
の診断結果を得るまでの所要時間は数分程度であった。
前述したように12種類の半導体ガスセンサを用いて診
断したときに数時間を要したことと比較すると著しく短
縮されることが明らかである。
【0053】なお、前述したネットワークの簡素化にお
いて、吸引法の貢献度を考慮せずに2法による特徴値を
用いて、12種類の半導体ガスセンサの中から1種類を
除外したときの学習回数を測定して、半導体ガスセンサ
の貢献度を検証した結果を下表7に示した。
【0054】
【表7】
【0055】表7の結果から、2法の吸引法による測定
結果を用いたときの半導体ガスセンサの貢献度における
半導体ガスセンサの序列は、2秒吸引法のみの測定結果
を用いたときの半導体ガスセンサの貢献度における半導
体ガスセンサの序列(表4参照)とは、異なっている。
この結果に基づいて、貢献度の低い半導体ガスセンサを
順次除外していったときの学習回数を測定し、結果を下
表8に示した。
【0056】
【表8】
【0057】表8は、除外した半導体センサの数とその
ときの学習回数を示しているが、この結果から、8個の
半導体ガスセンサを除外することが可能であることが判
明した。このときに残った4個の半導体ガスセンサの型
は、P10/9、P40/1、PA2、T50/3であ
り、実施例の歯周病診断装置で使用した4種類の半導体
ガスセンサと一致する。従って、この4種類の半導体ガ
スセンサは、歯周病診断には重要な役割を果たしている
と判断できる。
【0058】(比較例1)前述したように構築したネッ
トワークを用いた比較例1の歯周病診断装置に、全被験
者数81のデータから、ネットワークの学習に77デー
タを使用し、残りの4データを用いて上述の評価を行っ
た。評価結果を下表9に示した。
【0059】
【表9】
【0060】表9から明らかなように、比較例1−4の
正答率は高い数値を示しているが、比較例1−1〜比較
例1−3は低い正答率であり、比較例1の歯周病診断装
置は安定した診断結果を得るためには不適当である。
【0061】(比較例2)前述したように構築したネッ
トワークを用いた比較例2の歯周病診断装置に、全被験
者数81のデータから、ネットワークの学習に77デー
タを使用し、残りの4データを用いて上述の評価を行っ
た。評価結果を下表10に示した。
【0062】
【表10】
【0063】表10から明らかなように、比較例2−1
及び比較例2−2は高い正答率を示しているが、比較例
2−3及び比較例2−4は正答率が低くなっている。こ
のことから比較例2の歯周病診断装置は安定した診断結
果を得るためには不適当である。
【0064】以上のように、本実施形態のガス感応性の
異なる4種類の半導体ガスセンサを用いた歯周病診断装
置では、従来極めて高価な装置と長時間の測定を必要と
していた呼気を測定することによる歯周病の進行度の診
断が、極めて短時間の測定により、かつ安定して精度の
高い診断結果を得ることができる。そして、ネットワー
クの学習データを増やすことにより、さらに精度の高い
診断を行うことが可能になる。
【0065】なお、上記実施例では、Fox3000を
使用したが、半導体ガスセンサの型がP10/9、P4
0/1、PA2、T50/3である少なくとも4種類の
半導体ガスセンサを有していれば、本発明の適用が可能
である。また、用いる半導体ガスセンサは、上記4種類
の半導体ガスセンサと同等の性能を有していればよく、
上記した4種類の型に限定されるものではない。また、
4種類の半導体ガスセンサを一体型とした半導体ガスセ
ンサを用いてもよい。
【0066】また、本実施例では、ニューラルネットワ
ークの入力層に入力する特徴値として、1種類の半導体
ガスセンサについて4個のデータを得たが、これ以外の
特徴値を得るようにしてもよい。これにより、さらに精
度の高い診断が行えることが期待できる。また、本実施
例の歯周病診断装置では、入力層に歯科医師のデータに
基づくPI値(歯垢の蓄積している部位の割合を示す
値)を用いているが、PI値を用いずに診断することも
十分可能である。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
被験者の呼気中の成分ガス測定にガス感応性の異なる複
数の半導体ガスセンサを用いるので、複数の情報により
呼気中の成分ガスを識別することができ、歯周病の進行
度を正確に診断することができると共に、半導体ガスセ
ンサの出力の時系のうち予め定められた特徴値のみをニ
ューラルネットワークの入力層に入力してその出力層か
らの出力を被験者の歯周病の進行度として求めるので、
短時間に歯周病の進行度を診断することができる、とい
う効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した歯周病診断装置の構成を示す
概略ブロック図である。
【図2】半導体ガスセンサによる2秒吸引法での測定デ
ータの特徴値を示すグラフであり、(A)は比抵抗値の
時間変化を示し、(B)は(A)の微分値の時間変化を
示す。
【図3】半導体ガスセンサによる連続吸引法での測定デ
ータの特徴値を示すグラフであり、(A)は比抵抗値の
時間変化を示し、(B)は(A)の微分値の時間変化を
示す。
【図4】半導体ガスセンサPA2型による2秒吸引法で
の4種類の応答パターンを示すグラフである。
【図5】歯周病診断装置の評価における累積度数値の算
出過程を示すグラフである。
【符号の説明】
12 サンプル容器 13 ガス測定装置(計測手段) 14 半導体ガスセンサ 20 演算部(演算手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷本 広志 東京都千代田区麹町3−1−8 モトサン エンジニアリング株式会社内 Fターム(参考) 2G045 AA25 AA33 CB22 JA01 2G046 AA05 AA08 AA09 AA10 AA16 AA18 AA19 AA22 AA23 AA24 AA31 BA09 BB03 BE07 BG04 DC14 DC16 DC17 DC18 EB01 FB02 FE39 4C052 NN01 NN11 NN16

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被験者の呼気中の成分ガスを測定して歯
    周病の診断を行う歯周病診断装置において、ガス感応性
    の異なる複数の半導体ガスセンサと、前記半導体ガスセ
    ンサの出力の時系を計測する計測手段と、前記時系のう
    ち予め定められた特徴値をニューラルネットワークの入
    力層に入力して該ニューラルネットワークの出力層から
    の出力を前記被験者の歯周病の進行度として演算する演
    算手段と、を備えた歯周病診断装置。
  2. 【請求項2】 前記特徴値は、少なくとも前記時系のう
    ち最大値と該最大値を与える時間、及び前記時系を微分
    したときの最大値と該最大値を与える時間を含むことを
    特徴とする請求項1に記載の歯周病診断装置。
  3. 【請求項3】 前記入力層に、更に被験者の年齢、性別
    及び喫煙習慣の有無に関する情報のうち少なくとも1つ
    の被験者属性情報を入力し、前記出力層からの出力を前
    記被験者属性情報に関連させて前記歯周病の進行度を演
    算することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の
    歯周病診断装置。
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