WO2021186758A1

WO2021186758A1 - 口腔状態判定システム、口腔ケア具及び口腔状態判定用コンピュータプログラム

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Publication number: WO2021186758A1
Application number: PCT/JP2020/029414
Authority: WO
Inventors: 旭竹山; 智一廣瀬; 裕明南; 啓太上田; 央藤里
Original assignee: 株式会社Ｎｏｖｅｎｉｎｅ
Priority date: 2020-03-19
Filing date: 2020-07-31
Publication date: 2021-09-23

Abstract

本発明は、ユーザの口臭を検知する時間帯にばらつきが生じ難く、検知結果に基づく口腔内の状態に関する判定をより正確にすることが出来る、口腔状態判定システム、口腔ケア具、及び口腔状態判定用コンピュータプログラムを提供する。　上記課題解決のため、口腔ケア具は、ユーザの呼気に含まれる臭いを検知するための臭いセンサと、当該臭いセンサで検知された臭いに基づいて口臭情報を取得する、又は臭いセンサの検知結果に基づいて口腔内の状態に関する判定を行う、口臭処理を実行する第１制御部と、口臭情報に基づく口腔内の状態に関する判定結果又は第１制御部による口腔内の状態に関する判定結果を報知するための他の情報処理装置に対して、口臭情報又は前記口腔内の状態に関する判定結果を送信するための第１通信部と、を備えたことを特徴とする。

Description

口腔状態判定システム、口腔ケア具及び口腔状態判定用コンピュータプログラム

　本発明は、ユーザについて口腔内の状態に関する判定を行うための口腔状態判定システム、口腔ケア具及び口腔状態判定用コンピュータプログラムに関する。

　近年、特許文献１で示すような、ユーザの呼気に含まれる、口臭を示す化合物を検知する臭いセンサを用いて、ユーザの臭いレベル（口臭レベル）の測定（取得）を行う口臭測定用装置（システム）は知られている。

特表２０１８－５２８７９８号公報

　上述したような口臭測定用装置で測定された臭いレベル（口臭を示す化合物量に対応）は、臭いが検知される時間帯によってばらつきがあることが多い。例えば、朝起き抜け直ぐに臭いが検知された場合には臭いレベルは高くなる傾向にあり、歯磨きをした後や何かを飲食した後に臭いが検知された場合だと、臭いレベルが低くなる。なお、起き抜け直ぐに検知された臭いに基づく臭いレベルの測定が最も信頼性がある。この様に臭いレベルは臭いを検知する時間帯によってばらつきがあり、できるだけ毎日同じタイミングで臭いを検知することが、検知された臭いに基づいて正確に判定を行うためには好ましい。しかしながら、従来の口臭測定用装置では、臭いを検知しようとユーザが決断して、臭いを検知する操作を行わなければ臭いを検知することが出来ないため、ユーザが臭い検知を失念している場合や操作が煩わしく臭い検知を怠けた場合等には、毎日同じタイミングで臭いを検知することができなかった。同じタイミングで臭いを検知することができなければ、臭いレベルの測定等のような検知された臭いに基づく判定の正確性に影響がある。また、上記従来技術では、検知された臭いに基づいて、口臭レベルを測定することができても、口腔内の状態に関する判定を行うことが出来なかった。

　そこで、本発明の課題は、ユーザの口臭を検知する時間帯にばらつきが生じ難く、検知結果に基づく口腔内の状態に関する判定をより正確にすることが出来る、口腔状態判定システム、口腔ケア具、及び口腔状態判定用コンピュータプログラムを提供することである。

（１）上記課題を解決するために、本発明に係る口腔状態判定システムは、ユーザの呼気に含まれる臭いを検知するための臭いセンサと、当該臭いセンサで検知された臭いのレベルを示す口臭情報を取得する、又は前記臭いセンサの検知結果に基づいて口腔内の状態に関する判定を行う、口臭処理を実行する第１制御部と、前記口臭情報又は前記口腔内の状態に関する判定結果を送信するための第１通信部とを備えた口腔ケア具と、前記第１通信部から送信された前記口臭情報又は前記口腔内の状態に関する判定結果を受信する第２通信部と、第２報知部と、前記受信した口臭情報に基づいて口腔内の状態に関する判定を行って当該判定結果を前記第２報知部に報知させる処理、又は、前記受信した口腔内の状態に関する判定結果を前記第２報知部に報知させる処理を実行する第２制御部と、を備えた情報処理装置と、を備えたことを特徴とする。

　上記構成によれば、口腔ケア具に臭いセンサを配置して、この臭いセンサの検知する臭いに基づいて口腔内の状態に関する判定が行われる。この様に、臭いセンサが口腔ケア具に配置されているため、ユーザが日常生活において口腔ケアを行う際に、口腔内の臭い検知を行うことができる。このため、臭い検知を行う時間帯を一定にさせ易くなり、口腔内の状態に関する判定をより正確に行うことができる。この正確に判定された口腔内の状態に関する判定結果が報知されることで、ユーザは自己の口腔内の状態に関する正確な判定結果に基づいて適切な対応を取ることができる。なお、口腔ケア具とは、例えば、歯ブラシ、電動歯ブラシ、マウスウォッシュの容器（コップとして使用できる蓋等）、歯磨き粉の容器、マウスピース等といったような、ユーザが口腔内の洗浄等のケアを行うために日常的に使用するものである。「口腔内の状態に関する判定」は、ユーザが歯周病か否かの可能性の判定等のような歯周病に関する判定（歯周病判定）を含む。

（２）上記課題を解決するために、本発明に係る口腔ケア具は、ユーザの呼気に含まれる臭いを検知するための臭いセンサと、当該臭いセンサで検知された臭いに基づいて口臭情報を取得する、又は前記臭いセンサの検知結果に基づいて口腔内の状態に関する判定を行う、口臭処理を実行する第１制御部と、前記口臭情報に基づく口腔内の状態に関する判定結果又は前記第１制御部による前記口腔内の状態に関する判定結果を報知するための他の情報処理装置に対して、前記口臭情報又は前記口腔内の状態に関する判定結果を送信するための第１通信部と、を備える。

　上記構成によれば、上記（１）の構成と同様の作用効果を奏する。なお、「口臭情報に基づく口腔内の状態に関する判定結果」とは、第１通信部によって送信された口臭情報に基づいて、上記他の情報処理装置で行われる口腔内の状態に関する判定の結果である。

（３）上記口腔ケア具は、歯磨き動作によって歯を磨くためのブラシ部を備えた電動歯ブラシであって、前記第１制御部は、前記ブラシ部の前記歯磨き動作を制御し、前記口臭処理の実行の開始を前記第１制御部に対して指示する第１指示をユーザから受け付けるとともに、前記ブラシ部の前記歯磨き動作の制御の開始を前記第１制御部に対して指示する第２指示をユーザから受け付ける操作子を更に備え、前記第１指示は、前記操作子が第１所定時間以上かつ前記第２所定時間未満の時間操作された上で、操作解除を行うことで受け付けられ、第２指示は、前記操作子が前記第２所定時間に到達するまで操作されることで受け付けられる、ことを特徴とする。

　上記構成によれば、同一の操作子によって口臭情報の取得の開始を指示する第１指示と、ブラシ部の歯磨き動作の制御の開始を指示する第２指示とを受け付けることができ、操作子部分の構成が複雑にならず美観に優れた電動歯ブラシを提供することができる。ここで、ユーザが歯磨きを終えた後に臭いの検知が行われ、この検知された臭いに基づいて口臭情報を取得又は口腔内の状態に関する判定を行う場合には、臭いの原因となる物質が歯磨きで除去されてしまうため、正確に口腔内の状態に関する判定を行うことが難しい。上記構成では、第１指示は、操作子が第１所定時間以上かつ前記第２所定時間未満の時間操作された上で、操作解除を行うことで受け付けられ、第２指示は、操作子が前記第２所定時間に到達するまで操作されることで受け付けられる。すなわち、操作子に対して、第２所定時間未満の操作時間の後に操作解除をすると口臭処理が実行され、第２所定時間以上の操作時間になるように操作し続けると歯磨き動作が実行される。この様に、歯磨き動作を指示するための第２指示の方が、口臭処理を指示するための第１指示よりも、長い操作時間が要求される。このため、ユーザが誤って操作子を操作してしまうことにより、意図せずに歯磨き動作が口臭処理を行う前に実行され、臭いの原因となる物質が除去されてしまうことを防止することができる。これによって、臭いの原因となる物質を歯磨きで除去する前に口臭情報を取得出来るため、より正確に口腔内の状態に関する判定を行うことが可能になる。なお、第１所定時間は、０時間を含むが、０時間より長く第２所定時間よりも短い時間であってもよい。この場合には、ユーザが第１指示も第２指示も入力するつもりがなく誤って操作子を操作してしまった場合でも、直ぐに（第１所定時間に到達する前に）操作を解除することで、口臭処理等を実行することがなく操作無効とすることができる。

（４）前記操作子は、前記第１制御部が前記口臭処理を実行している場合に、当該口臭処理の実行を終了させるとともに当該終了直後に前記歯磨き動作を行わせないよう前記第１制御部に対して指示する第３指示と、前記口臭処理の実行を終了させるとともに当該終了直後に前記歯磨き動作を実行するよう第１制御部に対して指示する前記第４指示を受け付け、前記第３指示は、前記操作子が前記第３所定時間以上かつ前記第４所定時間未満の時間操作された上で、操作解除を行うことで受け付けられ、前記第４指示は、前記操作子が前記第４所定時間に到達するまで操作されることで受け付けられる、

　ユーザが呼気を電動歯ブラシに吹き付ける際に、何か別の動作を行ってしまう等の理由により、好適に口臭処理を行うことができない場合がある。この様な場合には、口臭処理を一旦停止させて再度口臭処理を行う必要があるため、再度の口臭処理の前に歯磨き動作が実行されることは好ましくない。上記構成によれば、このような場合に第３指示をユーザから受け付けることで、口臭処理の実行を終了させるとともに当該終了直後に前記歯磨き動作を行わせないよう前記第１制御部に指示することができる。また、ユーザが好適な口臭処理ができたと判断して、口臭処理を終了させて歯磨きを希望する場合には、第４指示をユーザから受け付けることで、口臭処理の実行を終了させるとともに当該終了直後に前記歯磨き動作を実行するよう第１制御部に指示することができる。更に、上記構成によれば、同一の操作子によって上記第１指示と第２指示に加えて、第３指示と第４指示を受け付けることができ、操作子部分の構成が複雑にならず美観に優れた電動歯ブラシを提供することができる。

　また、上記構成では、操作子に対して、第４所定時間未満の操作時間の後に操作解除をすると口臭処理が終了されるだけでその後歯磨き動作が実行されることがなく、第４所定時間以上の操作時間になるように操作し続けると口臭処理が終了されてその後歯磨き動作が実行される。この様に、口臭処理の終了に加えて歯磨き動作を指示するための第４指示の方が、口臭処理の終了のみを指示するための第３指示よりも、長い操作時間が要求される。このため、ユーザが誤って操作子を操作してしまうことにより、意図せずに歯磨き動作が再度の口臭処理を行う前に実行され、臭いの原因となる物質が除去されてしまうことを防止することができる。これによって、臭いの原因となる物質を歯磨きで除去する前に口臭情報を取得出来るため、より正確に口腔内の状態に関する判定を行うことが可能になる。なお、第３所定時間は第１所定時間と同じ時間であっても異なる時間であってもよく、４所定時間は第２所定時間と同じ時間であっても異なる時間であってもよい。なお、第３所定時間は、０時間を含むが、０時間より長く第２所定時間よりも短い時間であってもよい。この場合には、ユーザが第３指示も第４指示も入力するつもりがなく誤って操作子を操作してしまった場合でも、直ぐに（第１所定時間に到達する前に）操作を解除することで、口臭処理の終了を実行することがなく操作無効とすることができる。

（５）上記課題を解決するために、本発明に係る口腔状態判定用コンピュータプログラムは、第２通信部及び第２報知部を備えた情報処理装置のコンピュータを、ユーザの呼気に含まれる臭いを検知するための臭いセンサと、当該臭いセンサで検知された臭いに基づいて口臭情報を取得する、又は前記臭いセンサの検知結果に基づいて口腔内の状態に関する判定を行う、口臭処理を実行する第１制御部を備えた口腔ケア具から、前記口臭情報又は前記口腔内の状態に関する判定結果を前記第２通信部に受信させる受信手段と、前記受信した口臭情報に基づいて口腔内の状態に関する判定を行って当該判定結果を前記第２報知部に報知させる処理、又は、前記受信した口腔内の状態に関する判定結果を前記第２報知部に報知させる処理を実行する口腔状態報知手段と、して機能させることを特徴とする。

　上記構成によれば、上記（１）の構成と同様の作用効果を奏する。

（６）上記口腔状態報知手段は、所定期間において取得された複数の前記口臭情報に基づいて、前記口腔内の状態に関する判定を行ってもよい。

　上記構成によれば、臭いセンサは電動歯ブラシに配置されているため、所定期間（例えば、１日）における歯磨きの回数分の口臭情報を取得することができる。これらの複数の口臭情報に基づいて口腔内の状態に関する判定が行われるため、偶々１回分の口臭情報に関して臭いを適切に検知出来ない事情があった場合でも、口腔内の状態に関する判定を精度良く行うことが出来る。

（７）上記口腔状態報知手段は、前記複数の口臭情報の示す値に対してそれぞれ係数を乗算又は任意の値を加算し、これらの乗算又は加算した値に基づいて、前記口腔内の状態に関する判定を行ってもよい。

　所定期間（例えば、１日）における歯磨きの回数分の口臭情報を取得することができた場合、朝起き抜け直ぐに取得される口臭情報が最も信頼性が高い等のように、複数回分の口臭情報の間で信頼性にばらつきがある。上記構成によれば、信頼性に応じた係数を口臭情報の示す値に乗算することで、信頼性の高い情報の重みづけを大きくして、精度高く口腔内の状態に関する判定を行うことができる。

（８）上記口腔状態判定用コンピュータプログラムは、上記口腔状態報知手段による前記口腔内の状態に関する判定結果を前記情報処理装置の記憶部に蓄積させる蓄積手段として、前記コンピュータを更に機能させてもよい。また、上記口腔状態報知手段は、前記蓄積された前記判定結果に基づいて、前記判定結果の時間の経過にともなう変化を、前記第２報知部を用いて報知してもよい。

　上記構成によれば、口腔内の状態に関する判定結果を蓄積して、これらの蓄積された判定結果に基づいて判定結果の時間の経過にともなう変化が報知されるため、ユーザは自己の口腔内の状態が改善に向かっているのか悪化しているのか等を把握することができる。

（９）上記口腔状態判定用コンピュータプログラムは、気圧、温度、湿度、ユーザの口腔撮影画像、ユーザの口腔レントゲン画像、ユーザのブリーディングオンプロービング情報、ユーザのプラークコントロールレコード情報、ユーザの歯周組織検査情報、及びユーザの身体情報のうちの少なくとも何れか一つである補助情報を取得する補助情報取得手段として、前記コンピュータを更に機能させてもよい。また、上記口腔状態報知手段は、前記補助情報と前記口臭情報とに基づいて、前記口腔内の状態に関する判定を行ってもよい。

　気圧、湿度、温度によって、口腔内の状態が同じでも臭いセンサで検知される臭いのレベルが異なって検知される場合がある。また、ユーザの身体情報が示すユーザの身体の条件が大きく異なれば、同じ臭いレベルであっても、口腔内の状態に違いが出る。ユーザの身体情報とは、例えば、ユーザの睡眠時間、歩数計等で取得された一日の歩数等を示す運動状況、身長や体重等のユーザの身体の大きさ等を示す情報や、ユーザの所定時間における臭いセンサに対する息の吹込み量（吹込み強度）を示す情報である。更に、ユーザの口腔内の状態を示すユーザの口腔撮影画像、口腔レントゲン画像、ユーザのブリーディングオンプロービング情報や、ユーザのプラークコントロールレコード情報やユーザの歯周組織検査情報があれば、より正確に口腔内の状態に関する判定を行うことが出来る場合も多い。なお、ユーザの口腔撮影画像とは、例えばユーザの口腔内を歯茎が写るように撮影された写真画像である。ユーザの口腔レントゲン画像とは、例えば、歯科医院等にあるレントゲン撮影装置によって撮影されたユーザの歯が写り込んだ画像である。ユーザのブリーディングオンプロービング情報（ＢＯＰ情報）とは、ユーザの歯茎に針を刺した時に出る出血量を示す情報であり、ユーザのプラークコントロールレコード情報（ＰＣＲ情報）とは、ユーザの歯に付着するプラーク量を示す情報であり、ユーザの歯周組織検査情報とは、ユーザの各歯に関するプラークの有無、動揺度、歯周ポケットの深さからなる情報である。上記構成によれば、気圧、湿度、温度、ユーザの口腔撮影画像、ユーザのレントゲン画像、ユーザの身体情報、ＢＯＰ情報、及びＰＣＲ情報及び歯周組織検査情報のうちの少なくとも何れか一つである補助情報が取得され、口臭情報に加えて補助情報に基づいて口腔内の状態に関する判定が行われるため、より正確に口腔内の状態に関する判定を行うことができる。

（１０）上記補助情報取得手段は、歯科医院で管理する歯科医端末、サーバ及び口腔ケア具のうちの少なくとも何れか一つである補助情報送信情報処理装置から前記補助情報を取得してもよい。

　上記構成によれば、ユーザの口腔撮影画像、ユーザの口腔レントゲン画像、ＢＯＰ情報、ＰＣＲ情報及び歯周組織検査情報等の補助情報を歯科医端末から取得することができるため、歯科医院で入力された補助情報を臭いセンサの検知結果に加えて口腔内の状態に関する判定を行うことが出来ることとなる。このため、より正確に口腔内の状態に関する判定を行うことができる。また、気圧、湿度、温度等の補助情報をサーバや口腔ケア具から取得することができ、情報処理装置に気圧、湿度、温度を検知する機能がなくても、補助情報を取得して口腔内の状態に関する判定に用いることができる。

（１１）上記補助情報取得手段は、前記情報処理装置に対してユーザが入力した情報及び／又は前記情報処理装置に搭載されたセンサで取得した情報に基づいて補助情報を取得してもよい。

　上記構成によれば、ユーザが入力したユーザの身体情報（身長、体重、睡眠時間等）や、情報処理装置に搭載されたセンサ（例えば、加速度センサやジャイロセンサ等）で取得した情報（ユーザの一日の歩数）を補助情報として取得することができる。かかる情報は、比較的正確なユーザの身体情報であるため、より正確に口腔内の状態に関する判定を行うことができる。

（１２）上記（２）から（４）の何れかの口腔ケア具は、臭いセンサの他に、温度センサ、湿度センサ及び気圧センサのうち少なくとも何れか一つを備えたセンサ部を有し、前記第１制御部は、前記センサ部の検知結果に基づいて補助情報を取得する、又は、前記臭いセンサの検知結果及び前記センサ部の検知結果に基づいて前記口腔内の状態に関する判定を行い、前記第１通信部は、前記口臭情報と前記補助情報を前記情報処理装置に対して送信する、又は、前記臭いセンサの検知結果及び前記センサの検知結果に基づく口腔内の状態に関する判定結果を前記情報処理装置に対して送信してもよい。

　気圧、湿度、温度によって、口腔内の状態が同じでも臭いセンサで検知される臭いのレベルが異なって検知される場合がある。上記構成によれば、気圧、湿度、温度のうちの少なくとも何れか一つの検知結果に基づいて口腔内の状態に関する判定が行われるため、より正確に口腔内の状態に関する判定を行うことができる。また、口腔ケア具内のセンサ部によって取得された温度、湿度、気圧が口腔状態判定に用いられるため、補助情報が、口腔ケア具が配置されている空間の湿度、温度、気圧を正確に示すものとなり、より正確に口腔内の状態に関する判定を行うことができる。

（１３）上記課題を解決するために、本発明に係る口腔ケア具は、ユーザの呼気に含まれる臭いを検知するための臭いセンサと、前記臭いセンサの検知結果に基づいて口腔内の状態に関する判定を行う第１制御部と、前記第１制御部による口腔内の状態に関する判定結果を報知するための第１報知部と、を備えた、ことを特徴とする。

　上記構成によれば、上記（１）に記載された作用効果を奏する。更に、口腔ケア具で口腔内の状態に関する判定結果が報知されるため、情報処理装置と通信を行うための操作等（ペアリング操作等）が不要となり、口腔ケア時に迅速に口腔内の状態に関する判定結果をユーザに報知することができる。なお、第１報知部は、ユーザの視覚又は聴覚によって判定結果を知らせることできる方法であれば如何なる方法で報知してもよいが、例えば、ライト部であって、発光色や点灯方法によってユーザに口腔内の状態に関する判定結果を示すものであってもよい。

（１４）上記（２）の口腔ケア具は、長尺の筐体の上部に、歯磨き動作によって歯を磨くためのブラシ部が取り付けられた電動歯ブラシであってもよい。前記筐体は、前記臭いセンサが取り付けられた支持体と、この支持体を覆うカバーとを備える。前記カバーは、前記支持体に対する相対的な位置関係を変更することによって、前記臭いセンサを覆う閉状態と、前記臭いセンサを覆わない開状態にすることが出来る位置可変カバー体を備える。

　上記構成によれば、ブラシ部で歯磨き動作を行っている時には、位置可変カバー体でセンサユニットを覆って臭いセンサを水気に晒すことを防止して、電動歯ブラシの長寿命化を図りながら、口臭処理時には臭いセンサを露出させて、臭いセンサでユーザの呼気を精度良く検知することが出来るようになっている。

（１５）上記（１４）の口腔ケア具は、位置可変カバー体が閉状態であるかどうかを検知するための位置検知部を備えてもよい。前記第１制御部は、前記位置可変カバー体が閉状態でないと前記位置検知部で検知した場合に、前記口臭処理を実行してもよい。

　上記構成によれば、ユーザが手等によって、位置可変カバー体を閉状態から開状態にする一連の動作をするたけで、口臭処理が実行されるため、操作性が良くなる。

（１６）上記（１５）の口腔ケア具は、前記第１制御部に対する前記ブラシ部の前記歯磨き動作の制御の開始の指示をユーザから受け付ける操作子を更に備えてもよい。前記第１制御部は、前記位置可変カバー体が前記閉状態にあると前記位置検知部で検知した場合であって、前記操作子で前記歯磨き動作の制御の開始の指示を受け付けた場合に、前記歯磨き動作の制御を実行し、前記位置可変カバー体が前記閉状態でないと位置検知部で検知した場合であって、前記操作子で前記歯磨き動作の制御の開始の指示を受け付けた場合には、前記歯磨き動作の制御を実行しなくてもよい。

　上記構成によれば、位置可変カバー体が閉状態にあると位置検知部で検知した場合にのみ、操作子で前記歯磨き動作の制御の開始の指示を受け付けることで、歯磨き動作の制御が実行される。一方、位置可変カバー体が閉状態でないと位置検知部で検知した場合には、操作子で歯磨き動作の制御の開始の指示を受け付けても、歯磨き動作の制御が実行されない。これによって、口臭処理の実行中に誤って操作子が操作されてしまい、歯磨き動作が実行されることを効果的に防止することができる。

（１７）上記（１５）又は（１６）の口腔ケア具において、前記位置検知部は、前記位置可変カバー体の内面に取り付けられた磁石と、前記支持体の外周における、前記位置可変カバー体が閉状態である場合に前記磁石に対向する位置に取り付けられた磁気センサとを有する磁石スイッチであってもよい。前記磁気センサと前記磁石との位置関係に基づいて、前記位置可変カバー体が閉状態であるかどうかが検知されてもよい。

　上記構成によれば、磁気センサを支持体の外周に取り付け、磁石を位置可変カバー体の内面に取り付けるだけの簡易な構成を用いながら、精度よく位置可変カバー体が開状態であるかどうかを検知することができる。また、機械式のスイッチと異なり、磁気センサと磁石とが非接触の状態で、位置可変カバー体の支持体に対する相対的な位置関係の変更を検知することが出来るため、位置検知部が摩耗し難く、位置検知部の長寿命化を図ることができる。また、比較的安価に当該作用効果を実現することができる。

（１８）上記（１４）から（１７）の何れかの口腔ケア具において、前記支持体の外周及び前記位置可変カバー体の内面の何れか一方に、ガイド溝が設けられ、前記支持体の外周及び前記位置可変カバー体の内面の何れか他方に、前記ガイド溝に嵌り込むガイド部材が形成されている。前記ガイド部材が前記ガイド溝を沿って移動することで、前記位置可変カバー体の位置の変更がガイドされてもよい。

　上記構成によれば、ガイド部材がガイド溝に沿って移動することで、位置可変カバー体の位置の変更がガイドされ、位置可変カバー体を閉状態から開状態に又は開状態から閉状態に滑らかに変化させることができる。

（１９）上記（１８）の口腔ケア具において、前記支持体又は前記位置可変カバー体は略筒状部位を有し、前記ガイド溝は、前記筒状部位においてその周方向に伸びる第１部位と、この第１部位の一端から前記筒状部位の軸方向に屈曲して伸びる第２部位と、を有してもよい。

　上記構成によれば、ガイド部材がガイド溝における第１部位に沿って移動することで、位置可変カバー体が回転移動され、ガイド部材がガイド溝における第２部位に沿って移動することで、位置可変カバーが上記筒状部位の軸が伸びる方向に沿ってスライド移動される。これによって、位置可変カバーを閉状態から開状態又は開状態から閉状態に変化させるためには、位置可変カバーを一旦回転移動させなければならないため、意図せずに、位置可変カバーを開状態にしたり、閉状態にすることを効果的に防止することができる。

（２０）上記（１８）又は（１９）の口腔ケア具において、前記ガイド部材は、前記ガイド溝における第１位置と第２位置との間で移動し、前記位置可変カバー体が閉状態にある場合に前記第１位置にあり、前記位置可変カバー体が開状態にある場合に前記第２位置にあってもよい。前記ガイド溝における前記第１位置に隣接する位置と前記第２位置に隣接する位置に夫々貫通孔が形成され、前記夫々の貫通孔には、ガイド部材の方向に向けて突出するように付勢体が嵌め入れられていてもよい。

　上記構成によれば、ガイド部材が第１位置にあるときに、付勢体によってユーザの手等の力によらずに移動することがロックされて、ユーザが意図していないのに位置可変カバーが開いてしまうことが効果的に防止される。また、ガイド部材が第２位置にあるときに、付勢体によってユーザの手等の力によらずに移動することがロックされて、ユーザが意図していないのに位置可変カバーを閉じてしまうことが効果的に防止される。

　上記構成によれば、本発明は、ユーザの口臭を検知する時間帯にばらつきが生じ難く、検知結果に基づく口腔内の状態に関する判定をより正確にすることが出来る、口腔状態判定システム、口腔ケア具、及び口腔状態判定用コンピュータプログラムを提供することができる。

第１実施形態に係る歯周病判定システムを示す図である。第１実施形態に係る歯周病判定システムの機能ブロック図である。歯ブラシ側歯周病判定用処理の一例を示すフローチャートである。図３で示す歯ブラシ側歯周病判定用処理における口臭処理の一例を示すフローチャート（その１）である。図３で示す歯ブラシ側歯周病判定用処理における口臭処理の一例を示すフローチャート（その２）である。図３で示す歯ブラシ側歯周病判定用処理における歯磨き動作処理の一例を示すフローチャートである。情報処理装置側歯周病判定用処理の一例を示すフローチャートである。第２実施形態に係る歯周病判定システムを構成する電動歯ブラシの正面図である。図８で示す電動歯ブラシの右側面図である。図８で示す電動歯ブラシの分解図である。位置可変カバー体が閉状態の電動歯ブラシを示す図である。位置可変カバー体が回転状態の電動歯ブラシを示す図である。位置可変カバー体が開状態の電動歯ブラシを示す図である。内部構造を示す電動歯ブラシの透視図である。位置可変カバー体を外した状態の電動歯ブラシの透視図である。図１５で示す電動歯ブラシのガイド溝とその周辺部分の部分拡大図である。ガイド溝の正面図である。位置可変カバー体を上下方向に沿って切断して内側から視認した図である。位置可変カバー体及び外側支持体の前部分を外した状態の電動歯ブラシの正面図である。付勢体の正面図である。付勢体の斜視図である。第２実施形態における歯ブラシ側歯周病判定用処理の一例を示すフローチャートである。第２実施形態における歯ブラシ側歯周病判定用処理の口臭処理の一例を示すフローチャート（その２）である。第３実施形態における情報処理装置側歯周病判定用処理の一例を示すフローチャートである。第３実施形態における歯ブラシ側歯周病判定用処理の一例を示すフローチャートである。

〔第１実施形態〕
（歯周病判定システム１の構成）
　以下に、図１及び図２を用いて、第１実施形態に係る歯周病判定システム１を説明する。図１は、第１実施形態に係る歯周病判定システムを示す図である。図２は、第１実施形態に係る歯周病判定システムの機能ブロック図である。歯周病判定システム１は、本発明に係る口腔状態判定システムを適用した一実施形態である。歯周病判定システム１は、口腔ケア具の一例である電動歯ブラシ２と、電動歯ブラシ２に通信可能に接続された情報処理装置３とを備え、電動歯ブラシ２のユーザの呼気に含まれる臭いを検知し、この検知された臭いに基づいてユーザが歯周病に関する判定（以下、「歯周病判定」と記載する場合がある）を行うことができるものである。歯周病判定は、本発明の「口腔内の状態に関する判定」の一例であり、第１実施形態では、ユーザが歯周病か否かの可能性を判定する。なお、第１実施形態では、口腔ケア具は電動歯ブラシ２であるが、例えば、歯ブラシ、電動歯ブラシ、マウスウォッシュの容器（コップとして使用できる蓋等）、歯磨き粉の容器、マウスピース等といったような他の口腔ケア具であってもよい。なお、口腔ケア具とは、ユーザが口腔内の洗浄等のケアを行うために日常的に使用する器具である。また、情報処理装置３は、歯周病判定用アプリケーション（歯周病判定用コンピュータプログラムＰを含む）を記憶して実行可能なものであり、第１実施形態では、スマートフォンやタブレット型端末のような携帯型の情報処理装置である。もっとも、ノート型のパーソナルコンピュータや据え置き型のパーソナルコンピュータ等の他の情報処理装置を用いてもよい。なお、歯周病判定用コンピュータプログラムＰは、本発明の口腔状態判定用コンピュータプログラムを適用した一実施形態である。歯周病判定用アプリケーション（歯周病判定用コンピュータプログラムＰを含む）は、情報処理装置３の出荷状態で記憶されていてもよいし、他の情報処理装置（図２のサーバ５等）からダウンロードすることで、情報処理装置３に記憶されてもよい。

　より具体的に説明すると、第１実施形態に係る歯周病判定システム１では、電動歯ブラシ２が、ユーザの呼気に含まれる臭いを検知する臭いセンサ２４を有し、この検知された臭いのレベルを示す口臭情報Ｄ２（図２）を取得し、取得した口臭情報Ｄ２を情報処理装置３に対して送信する。そして、情報処理装置３は、受信した口臭情報Ｄ２に基づいてユーザが歯周病に関する判定（歯周病判定）を行い、歯周病に関する判定結果（以下、「歯周病判定結果」と記載する場合がある）を報知する。歯周病判定結果は、本発明の「口腔内の状態に関する判定結果」の一例であり、第１実施形態では、ユーザが歯周病であるか否かの可能性の判定結果である。第１実施形態では、歯周病判定結果を表示しているが、音声出力等の他の方法で報知してもよい。この様に、臭いセンサ２４が電動歯ブラシ２に配置されているため、ユーザが日常生活において口腔ケア（歯磨き）を行う際に、口腔内の臭い検知を行うことができる。このため、臭い検知を行う時間帯を一定にさせ易くなり、歯周病判定をより正確に行うことができる。この正確に判定された歯周病判定結果が報知されることで、ユーザは自己の歯周病に関する正確な判定結果に基づいて適切な対応を取ることができる。

　また、第１実施形態では、電動歯ブラシ２が、情報処理装置３と通信を行わなくても歯周病判定結果を報知できるように、検知された臭いに基づいて歯周病判定を行い、その判定結果を報知することができるようになっている。より詳細に説明すると、電動歯ブラシ２が、臭いセンサ２４の検知する臭いに基づいて口臭情報Ｄ２を生成（取得）して、この口臭情報Ｄ２に基づいて、歯周病判定を行うことができるようになっている。

　更に、第１実施形態に係る歯周病判定システム１は、上述したように電動歯ブラシ２と情報処理装置３を備えるが、その他に、インターネット等の広域ネットワークＮを介して情報処理装置３に接続された歯科医端末４とサーバ５とを備える。なお、歯周病判定システム１は、必ずしも歯科医端末４及びサーバ５を備える必要はなく、電動歯ブラシ２と情報処理装置３とで構成されてもよい。

（歯周病判定システム１の機能的な構成）
　以下に、図１及び図２を用いて歯周病判定システム１を構成する各装置の機能的な構成を説明する。

（歯周病判定システム１の機能的な構成：電動歯ブラシの機能的な構成）
　まずは、電動歯ブラシ２の機能的な構成を説明する。電動歯ブラシ２は、長尺の筐体２１の上端にユーザの歯を磨くためのブラシ部２２を備えている。電動歯ブラシ２は、筐体２１に、駆動部２３、臭いセンサ２４、通信部２５、ライト部２６、センサ部２７、マイクロコンピュータ２８、及び操作スイッチ２９を備える。

　駆動部２３は、例えばモータ等であり、マイクロコンピュータ２８に制御されてブラシ部２２を振動させることで、ユーザの歯を磨くための歯磨き動作をブラシ部２２にさせる。臭いセンサ２４は、ユーザの呼気に含まれる臭いを検知するためのセンサであって、第１実施形態では、メチルメルカプタン等の揮発性有機化合物を臭い（口臭）として検知するガスセンサである。例えば、臭いセンサ２４としては、半導体式のガスセンサを使用することができる。なお、臭いセンサ２４は、ガスセンサの他の臭いセンサを採用してもよい。通信部２５は、本発明の「第１通信部」に相当し、情報処理装置３との間で、Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈ（登録商標）や、例えばＩＥＥＥ８０２．１１やＩＥＥＥ８０２．３等のＩＥＥＥ８０２シリーズの通信規格の様な所定の通信規格に基づいた無線通信を行うための通信インタフェースである。もっとも、無線通信によって通信を行うことに限定されず、有線通信によって通信をおこなってもよい。

　ライト部２６は、本発明の第１報知部として機能し、複数種類の色彩で発光可能なライトであり、第１制御部２８１による歯周病判定結果に応じた色彩で発光することで、自機で行われた歯周病判定結果を報知する。センサ部２７は、温度センサ、湿度センサ及び気圧センサ等で構成されたセンサユニットである。センサ部２７によって検知された情報は、口臭情報Ｄ２に基づいて歯周病判定を行う際の補助情報Ｄ３として用いられる。なお、必ずしもセンサユニットである必要はなくこれらのセンサのうち少なくとも何れか一つを備えていればよい。第１実施形態では、口臭センサ２４とセンサ部２７ともユニット化されているが、ユニット化されていなくてもよい。なお、電動歯ブラシ２がセンサ部２７を備えない構成であってもよい。

　マイクロコンピュータ２８は、第１制御部２８１と記憶部２８２とを有する。第１制御部２８１は、駆動部２３を作動させることでブラシ部２２の歯磨き動作を制御する。また、第１制御部２８１は、臭いセンサ２４で検知された臭いのレベルを示す口臭情報Ｄ２を取得する口臭処理を実行し、取得した口臭情報Ｄ２を情報処理装置３に対して通信部２５を用いて送信する。なお、臭いのレベルは、吹込まれた呼気（吹き込まれた呼気の量ｍｌ）に含まれる揮発性硫黄化合物や揮発性有機化合物の総量の、吹き込まれた呼気の量（ｍｌ）における割合に基づいて算出される。ここで、吹込まれた呼気のうち口臭情報Ｄ２の取得で使用される「吹き込まれた呼気の量（ｍｌ）」は呼気の吹込みの際における湿度変化量をもとに制御されてもよい。すなわち、呼気の吹込みの際における任意の時点（例えば、口臭処理における呼気検知開始時）の湿度を基準として、湿度変化量が所定の閾値に達した時点において、口臭情報Ｄ２の取得で使用される吹き込まれた呼気の量（ｍｌ）及び揮発性硫黄化合物や揮発性有機化合物の総量を確定させてもよい。なお、吹き込まれた呼気の量（ｍｌ）は、センサ部２７の湿度センサの検知結果に基づいて取得される。そして、揮発性硫黄化合物や揮発性有機化合物の総量を示す信号（アナログ信号）及び吹き込まれた呼気の総量（ｍｌ）に基づいて、臭いレベルが第１制御部２８１によって測定され、この臭いレベルを示すデジタル情報として、口臭情報Ｄ２が第１制御部２８１で生成される。なお、揮発性硫黄化合物や揮発性有機化合物の総量（ｐｐｍ）の取得方法は、例えば、臭いセンサ２４の回路における所定の電子部品の抵抗値（揮発性硫黄化合物や揮発性有機化合物の検出値に対応）の変化率（呼気検知開始時から終了時における抵抗値の変化量／呼気検知開始時の抵抗値）で求められてもよい。なお、「呼気検知開始時」とは、口臭処理の実行時において、上記呼気の吹込みの際における任意の時点（例えば、図４を用いて後述する口臭処理におけるステップＳ２２でＮＯと判断された時点）である。また、「呼気検知終了時」は、例えば、湿度変化量が所定の閾値を超えたときである。この様に取得された口臭情報Ｄ２が情報処理装置３に対して送信される。この送信された口臭情報Ｄ２に基づいて、情報処理装置３では、ユーザの歯周病判定が行われる。また、第１制御部２８１は、センサ部２７の検知結果に基づいて補助情報Ｄ３を取得する。センサ部２７の検知結果とは、例えば、電動歯ブラシ２の在る場所の温度、湿度、気圧等の検知結果である。そして、補助情報Ｄ３とは、例えば、電動歯ブラシ２のある場所の温度、湿度、気圧等を示す情報である。第２制御部２６１は、口臭情報Ｄ２だけでなく、補助情報Ｄ３も情報処理装置３に対して通信部２５（第１通信部）を用いて送信する。なお、詳細については後述するが、情報処理装置３では、口臭情報Ｄ２とともに補助情報Ｄ３に基づいて、歯周病判定が行われる。第２制御部２６１は、口臭情報Ｄ２や補助情報Ｄ３を記憶部２８２に記憶させる。記憶部２８２には、複数個（例えば１０回分）の口臭情報Ｄ２や補助情報Ｄ３を記憶することができる。

　第１実施形態では、第１制御部２８１は、口臭処理において、検知された臭いのレベルに基づいてユーザの歯周病判定を行う（第１歯周病結果判定手段２８１１として機能する）。第１実施形態では、検知された臭いのレベル（呼気に含まれる揮発性硫黄化合物や揮発性有機化合物の総量）が所定の閾値（以下、「歯周病判定用閾値」と記載する）を超えるかどうかの判定が歯周病判定として行われる。すなわち、所定の閾値を超えた場合に、歯周病であると判定される。第１制御部２８１は、ライト部２６を用いて歯周病判定結果を報知する。具体的には、第１制御部２８１は、歯周病であると判定した場合に、特定の色（例えば赤）でライト部２６を点灯させる。第１実施形態では、歯周病ではないと判定された場合でも、歯周病ではないことを示す特定の色（例えば青）でライト部２６を点灯させる。この様に、ライト部２６の点灯色の違いによって、ユーザに対して視認性良く自身の歯周病判定結果を把握させることができる。また、電動歯ブラシ２が臭い検知だけでなく、歯周病判定を行うことができるため、情報処理装置３と通信をできない場合でも、歯周病判定を行い、この結果を報知することができる。なお、第１実施形態では、ライト部２６の点灯色で歯周病判定結果を報知しているが、点灯色以外の点灯のさせ方の違いによって歯周病判定結果を報知してもよい。また、ライト部２６を用いる以外の報知方法を採用してもよく、例えば、液晶ディスプレイを用いて報知する、音声によって報知する等してもよい。

　また、第１実施形態では、第１制御部２８１は、臭いセンサ２４の検知結果だけでなく、センサ部２７の検知結果に基づいて歯周病判定を行う。具体的には、センサ部２７の検知結果に基づいて、上記歯周病判定用閾値を変更する。上述したように、気圧、湿度、温度によって、口腔内の歯周病に関する状態が同じでも臭いセンサ２４で検知される臭いのレベルが異なって検知される場合があるが、センサ部２７の検知結果に基づいて上記歯周病判定用閾値が変更される。例えば、湿度が高いほど、臭いセンサ２４の検知結果が高く出やすいので、上記歯周病判定用閾値が低くなるように補正される。この様にして、第１制御部２８１は、臭いセンサ２４の検知結果だけでなく、センサ部２７の検知結果に基づいて歯周病判定が行われるため、より正確に歯周病判定を行うことができる。第１制御部２８１は、歯周病判定結果を示す歯周病判定結果情報Ｄ１も、口臭情報Ｄ２や補助情報Ｄ３に加えて記憶部２８２に記憶させる。記憶部２８２には、複数個（例えば１０個）の歯周病判定結果情報Ｄ１を記憶することができる。

　操作スイッチ２９は、本発明の「操作子」に相当し、ユーザの操作を受け付けるためのものであり、第１実施形態では機械式のボタンスイッチであるが、レバー等の他の機械式スイッチであってもよい。また、操作スイッチ２９に代えてタッチパネル等の操作子を用いてもよく、ユーザの操作を受けつけ可能であればいかなる操作子を用いてもよい。操作スイッチ２９は、後述のマイクロコンピュータ２８に対して、口臭処理の実行の開始を指示する第１指示をユーザから受け付けるとともに、ブラシ部２２の歯磨き動作の制御の開始を指示する第２指示をユーザから受け付ける。ここで、第１指示は、操作スイッチ２９が第１所定時間（例えば、４ｍｓ）以上かつ第２所定時間（例えば、２ｓ）未満の時間操作（押下）された上で、操作解除（押下解除）を行うことで受け付けられ、第２指示は、操作スイッチ２９が第２所定時間（例えば、２ｓ）に到達するまで操作されることで受け付けられる。この構成によれば、同一の操作スイッチ２９によって口臭情報Ｄ２の取得の開始を指示する第１指示と、ブラシ部２２の歯磨き動作の制御の開始を指示する第２指示とを受け付けることができ、操作スイッチ２９部分の構成が複雑にならず美観に優れた電動歯ブラシを提供することができる。

　ここで、ユーザが歯磨きを終えた後に検知された臭いに基づいて口臭情報Ｄ２を取得する場合には、臭いの原因となる物質が除去されてしまうため、口臭情報Ｄ２に基づいて正確に歯周病判定を行うことが難しい。上記構成では、第１指示は、操作スイッチが第１所定時間（例えば、４ｍｓ）以上かつ第２所定時間（例えば、２ｓ）未満の時間操作された上で、操作解除を行うことで受け付けられ、第２指示は、操作スイッチが前記第２所定時間（例えば、２ｓ）に到達するまで操作されることで受け付けられる。すなわち、操作スイッチ２９に対して、第２所定時間未満の操作時間の後に操作解除をすると口臭処理が実行され、第２所定時間以上の操作時間になるように操作し続けると歯磨き動作が実行される。この様に、歯磨き動作を指示するための第２指示の方が、口臭処理を指示するための第１指示よりも、長い操作時間が要求される。このため、ユーザが誤って操作スイッチ２９を操作してしまうことにより、意図せずに歯磨き動作が口臭処理を行う前に実行され、臭いの原因となる物質が除去されてしまうことを防止することができる。これによって、臭いの原因となる物質を歯磨きで除去する前に口臭情報Ｄ２を取得出来るため、より正確に歯周病判定を行うことが可能になる。なお、第１実施形態では、第１所定時間（例えば、４ｍｓ）未満の時間で操作スイッチ２９を押下してから押下を解除した場合には、口臭処理が行われる操作無効となる。このため、ユーザが誤って操作スイッチ２９を押してしまった場合でも、意図せずに口臭処理や歯磨き処理が行われることが防止される。なお、第１所定時間が０時間であってもよく、操作スイッチ２９が押下されて第２所定時間未満の押下時間で押下が解除された場合に、必ず口臭処理が実行されてもよい。

　また、操作スイッチ２９は、後述のマイクロコンピュータ２８が口臭処理を実行している場合に、当該口臭処理の実行を終了させるとともに当該終了直後に前記歯磨き動作を行わせないようマイクロコンピュータ２８に指示する第３指示と、口臭処理の実行を終了させるとともに当該終了直後に歯磨き動作を実行するようマイクロコンピュータ２８に指示する第４指示を受け付ける。第３指示は、操作スイッチ２９が第３所定時間（例えば、４ｍｓ）以上かつ第４所定時間（例えば、２ｓ）未満の時間操作された上で、操作解除を行うことで受け付けられ、第４指示は、操作スイッチ２９が第４所定時間（例えば、２ｓ）に到達するまで操作されることで受け付けられる。

　ここで、ユーザが呼気を電動歯ブラシ２に吹き付ける際に、何か別の動作を行ってしまう等の理由により、好適に口臭処理を行うことができない場合がある。この様な場合には、口臭処理を一旦停止させて再度口臭処理を行う必要があるため、再度の口臭処理の前に歯磨き動作が実行されることは好ましくない。上記第１実施形態の構成によれば、このような場合に第３指示をユーザが行うことで、口臭処理の実行を終了させるとともに当該終了直後に歯磨き動作を行わせないよう第１制御部２８１に指示することができる。また、ユーザが好適な口臭処理ができたと判断して第４指示を入力することで、口臭処理を終了させて歯磨きを希望する場合には、口臭処理の実行を終了させるとともに当該終了直後に歯磨き動作を実行するよう第１制御部２８１に指示することができる。また、上記構成によれば、同一の操作スイッチ２９によって上記第１指示と第２指示に加えて、第３指示と第４指示を受け付けることができ、操作スイッチ２９部分の構成が複雑にならず美観に優れた電動歯ブラシ２を提供することができる。

　また、上記構成では、操作スイッチ２９に対して、第４所定時間（例えば、２ｓ）未満の操作時間の後に操作解除をすると口臭処理が終了されるだけでその後歯磨き動作が実行されることがなく、第２所定時間（例えば、２ｓ）以上の操作時間になるように操作し続けると口臭処理が終了されてその後歯磨き動作が実行される。この様に、口臭処理の終了に加えて歯磨き動作を指示するための第４指示の方が、口臭処理の終了のみを指示するための第３指示よりも、長い操作時間が要求される。このため、ユーザが誤って操作スイッチ２９を操作してしまうことにより、意図せずに歯磨き動作が再度の口臭処理を行う前に実行され、臭いの原因となる物質が除去されてしまうことを防止することができる。これによって、臭いの原因となる物質を歯磨きで除去する前に口臭情報Ｄ２を取得出来るため、より正確に歯周病判定を行うことが可能になる。なお、第３所定時間は第１所定時間と同じ時間であっても異なる時間であってもよく、第４所定時間は第２所定時間と同じ時間であっても異なる時間であってもよい。なお、第１実施形態では、第３所定時間（例えば、４ｍｓ）未満の時間で操作スイッチ２９を押下してから押下解除した場合には、口臭処理の終了が行われず操作無効となる。このため、ユーザが誤って操作スイッチ２９を押してしまった場合でも、意図せずに口臭処理が終了されることが防止される。なお、第３所定時間が０時間であってもよく、操作スイッチ２９が押下されて第４所定時間未満の押下時間で押下が解除された場合には、必ず口臭処理が終了されてもよい。

（歯周病判定システム１の機能的な構成：情報処理装置３の機能的な構成）
　次に、情報処理装置３の機能的な構成について説明する。情報処理装置３は、操作部３１、記憶部３２、通信部３３、報知部３４、ＣＰＵ３５及び撮影部３６を備える。操作部３１は、ユーザからの操作を受けつけるものであり、図１で示すタッチパネル搭載の液晶ディスプレイ装置３０を含む。記憶部３２は、ＣＰＵ３５の作業領域として機能する揮発性のＲＡＭ及びフラッシュメモリ等からなる。記憶部３２は、通信部３３を介して電動歯ブラシ２から受信した口臭情報Ｄ２を記憶するとともに、口臭情報Ｄ２に基づく歯周病判定の結果を示す情報（歯周病判定結果情報Ｄ１）を記憶する。

　通信部３３は、本発明の「第２通信部」として機能し、所定の無線通信規格に基づいて、電動歯ブラシ２と無線通信を行う通信インタフェースである。また、通信部３３は、インターネット等の広域ネットワークＮを介して、所定の通信規格に基づいてサーバ５と無線通信を行う通信インタフェースである。なお、第１実施形態では、無線通信を採用しているが、有線通信を採用してもよい。また、通信部３３は、歯科医端末４と直接又はサーバ５を介して通信可能であってもよい。通信部３３は、電動歯ブラシ２の通信部２５から送信された口臭情報Ｄ２を受信する。この口臭情報Ｄ２は、後述するＣＰＵ３５による歯周病判定に用いられる。

　また、報知部３４は、スピーカ及びディスプレイであり、図１で示すタッチパネル搭載の液晶ディスプレイ装置３０を含む。報知部３４は、記憶部３２に記憶されている歯周病結果情報Ｄ２に基づいて、ＣＰＵ３５による歯周病判定結果（本発明の「口腔内の状態に関する判定結果」に相当）を報知する。第１実施形態では、報知部３４は、液晶ディスプレイ装置３０に表示するが、音声によって報知してもよい。なお、第１実施形態では、歯周病判定が行われる度に歯周病判定結果情報Ｄ１を生成して記憶部３２に順次記憶させることで、歯周病判定結果情報Ｄ１を蓄積する。なお、記憶部３２には、複数個の歯周病判定結果情報Ｄ１を記憶することが可能になっている。記憶部３２に既に複数個の歯周病判定結果情報Ｄ１が記憶されている場合には、最も古くに生成された歯周病判定結果情報Ｄ１が破棄された上で、新しく生成された歯周病判定結果情報Ｄ１が記憶される。

　ＣＰＵ３５は、所定の歯周病判定用コンピュータプログラムＰを実行することで、電動歯ブラシ２（口腔ケア具）から、口臭情報Ｄ２を通信部３３に受信させる受信手段３５１と、口臭情報Ｄ２を受信した場合に、口臭情報Ｄ２に基づいて歯周病判定（本発明の「口腔内の状態に関する判定」に相当）を行って当該判定結果を報知部３４に報知させるための歯周病結果報知手段３５２として機能する。また、ＣＰＵ３５は、歯周病判定用コンピュータプログラムＰを実行することで、気圧、温度、湿度、ユーザの口腔撮影画像、ユーザの口腔レントゲン画像、ユーザのブリーディングオンプロービング情報、ユーザのプラークコントロールレコード情報、ユーザの歯周組織検査情報、及びユーザの身体情報のうちの少なくとも何れか一つである補助情報Ｄ３を取得する補助情報取得手段３５３として機能する。補助情報取得手段３５３は、自機で、又は歯科医院で使用する歯科医端末４、サーバ５及び電動歯ブラシ２（口腔ケア具）のうちの少なくとも何れか一つである補助情報送信情報処理装置から補助情報Ｄ３を取得する。なお、この補助情報Ｄ３は、口臭情報Ｄ２とともに歯周病判定に用いられる場合がある。

　例えば、補助情報取得手段３５３は、通信部３３を用いて、電動歯ブラシ２から補助情報Ｄ３を受信する。この補助情報Ｄ３は、電動歯ブラシ２がある場所の気圧、温度、湿度を示す。なお、電動歯ブラシ２がある場所の気圧、湿度、温度は、サーバ５から取得してもよい。この構成によれば、情報処理装置３に気圧、湿度、温度を検知する機能がなくても、補助情報Ｄ３を取得して歯周病判定に用いることができる。更に、補助情報取得手段３５３は、撮影部３６を用いてユーザの口腔撮影画像である補助情報Ｄ３を取得してもよい。補助情報取得手段３５３は、操作部３１を介して、ユーザから所定の身体情報（身長、体重、睡眠時間等）の入力を受けつけること等で自機で補助情報Ｄ３を取得してもよい。この様に、補助情報取得手段３５３は、情報処理装置３に対してユーザが入力した情報に基づいて補助情報Ｄ３を取得する。また、情報処理装置３は図略の加速度センサやジャイロセンサ（本発明の「情報処理装置に搭載されたセンサ」に相当）等を備え、補助情報取得手段３５３は、この加速度センサ等を用いてユーザの一日の歩数を補助情報Ｄ３として取得してもよい。この様に、補助情報取得手段３５３は、情報処理装置３に搭載されたセンサ（図略）で取得した情報に基づいて補助情報Ｄ３を取得する。また、補助情報取得手段３５３は、ユーザの電動歯ブラシ２の臭いセンサ２４への息の吹込み量（センサ部２７で取得可能）を電動歯ブラシ２から通信によって補助情報Ｄ３として取得してもよい。また、補助情報取得手段３５３は、サーバ５からネットワークＮを介してユーザの口腔レントゲン画像、ユーザのブリーディングオンプロービング情報、ユーザのプラークコントロールレコード情報、ユーザの歯周組織検査情報を補助情報Ｄ３として取得してもよい。なお、第１実施形態では、歯科医端末４が、サーバ５に対して、ユーザの口腔レントゲン画像、ユーザのブリーディングオンプロービング情報、ユーザのプラークコントロールレコード情報、ユーザの歯周組織検査情報をアップロードし、補助情報取得手段３５３は、サーバ５からダウンロードすることで補助情報Ｄ３を取得する。この構成によれば、歯科医院で入力された補助情報Ｄ３を臭いセンサ２４の検知結果に加えて歯周病判定を行うことが出来ることとなる。このため、より正確に歯周病判定を行うことができる。なお、補助情報取得手段３５３は、サーバ５を経由せずに、歯科医端末４から直接通信によってユーザの口腔レントゲン画像、ユーザのブリーディングオンプロービング情報、ユーザのプラークコントロールレコード情報、ユーザの歯周組織検査情報を取得してもよい。なお、上述した補助情報Ｄ３のうち全てを取得する必要はなく、一部のみ取得してもよい。また、上述した補助情報Ｄ３は一例であり、他の種類の補助情報Ｄ３を取得してもよい。

　以下に、ＣＰＵ３５（歯周病結果報知手段３５２）が実行する歯周病判定について説明する。第１実施形態では、歯周病結果報知手段３５２は、受信手段３５１で受信された口臭情報Ｄ２の示す臭いレベルに基づいて歯周病判定を行う。具体的には、口臭情報Ｄ２が示す臭いレベルが所定の閾値（以下、「歯周病判定用閾値」と記載する場合がある）を超えた場合に、歯周病の可能性があるとの判定を行う。なお、第１実施形態では、歯周病結果報知手段３５２は、所定の閾値以外にも所定の閾値より大きい複数の閾値（以下、「歯周病度合い閾値」と記載する場合がある）を有し、例えば歯周病度合い閾値Ａを超えた場合には、歯周病である可能性の度合いが「軽度」、歯周病度合い閾値Ｂを超えた場合には、歯周病である可能性の度合いが「中度」、歯周病度合い閾値Ｃを超えた場合には歯周病である可能性の度合いが「重度」のように歯周病である可能性の度合いを段階的にあらわすことができる。なお、歯周病である可能性の度合いを段階的に表す方法として、数値を用いてもよい。

　第１実施形態では、ユーザの歯周病判定用アプリケーションにおける設定（例えば第１精密判定モードを設定することで）によって、歯周病結果報知手段３５２は、所定期間（例えば１日）において複数個（複数回）の口臭情報Ｄ２を取得した場合には、取得された複数の口臭情報Ｄ２に基づいて、歯周病判定を行う。例えば、歯周病結果報知手段３５２は、複数個の口臭情報Ｄ２の平均値を算出し、この平均値が上記歯周病判定用閾値を超えるかどうかで歯周病かどうかを判定する。更に、平均値を複数の歯周病度合い閾値と比較して、歯周病度合いも判定される。ここで、臭いセンサ２４は電動歯ブラシ２に配置されているため、所定期間（例えば、１日）における歯磨きの回数分の口臭情報Ｄ２を取得することができる。しかしながら、これらの複数の口臭情報Ｄ２に基づいて歯周病判定が行われるため、偶々１回分の口臭情報Ｄ２に関して臭いを適切に検知出来ない事情があった場合でも、歯周病判定を精度良く行うことが出来る。なお、標準モードでは、単一の口臭情報Ｄ２に基づいて歯周病判定が行われる。

　また、第１実施形態では、ユーザの歯周病判定用アプリケーションにおける設定（例えば第２精密判定モードを設定することで）によって、歯周病結果報知手段３５２は、所定期間（例えば１日）において取得された複数の（複数回の）口臭情報Ｄ２の示す値に対してそれぞれ係数を乗算又は任意の値を加算し、これらの乗算又は加算した値に基づいて、歯周病判定を行うことができる。例えば、複数の口臭情報Ｄ２の示す値にそれぞれ係数を乗算又は任意の値を加算した値の平均値を算出し、この平均値が上記歯周病判定用閾値を超えるかどうかで歯周病判定を行う。更に、平均値を複数の歯周病度合い閾値と比較して、歯周病度合いも判定される。ここで、ユーザの歯周病判定用アプリケーションにおける設定によって、複数の口臭情報Ｄ２に乗算する係数又は加算する値の重みづけを変えることができる。所定期間（例えば、１日）における歯磨きの回数分の口臭情報Ｄ２を取得することができた場合、朝起き抜け直ぐに取得される口臭情報Ｄ２が最も信頼性が高い等のように、複数回分の口臭情報Ｄ２の間で信頼性にばらつきがある。第１実施形態の構成によれば、口臭情報Ｄ２の示す値に信頼性に応じた係数を乗算又は値を加算することで、信頼性の高い口臭情報Ｄ２の重みづけを大きくして、精度高く歯周病判定を行うことができる。

　また、歯周病判定用アプリケーションに対して設定を変更することで（例えば、特殊判定モードを設定することで）、歯周病結果報知手段３５２は、補助情報Ｄ３と口臭情報Ｄ２とに基づいて、歯周病判定（第２口臭判定）を行う。ここで、気圧、湿度、温度によって、口腔内の歯周病に関する状態が同じでも臭いセンサ２４で検知される臭いのレベルが異なって検知される場合がある。また、ユーザの身体情報が示すユーザの身体の条件が大きく異なれば、同じ臭いレベルであっても、歯周病である可能性に違いが出る。ユーザの身体情報とは、例えば、ユーザの睡眠時間、歩数計等で取得された一日の歩数等を示す運動状況、身長や体重等のユーザの身体の大きさ等を示す情報や、ユーザの所定時間における臭いセンサに対する息の吹込み量（吹込み強度）を示す情報である。更に、また、ユーザの口腔内の状態を示すユーザの口腔撮影画像、口腔レントゲン画像、ユーザのブリーディングオンプロービング情報、ユーザのプラークコントロールレコード情報やユーザの歯周組織検査情報があれば、より正確に歯周病判定を行うことが出来る場合も多い。なお、ユーザのブリーディングオンプロービング情報（ＢＯＰ情報）とは、ユーザの歯茎に針を刺した時に出る出血量を示す情報であり、ユーザのプラークコントロールレコード情報（ＰＣＲ情報）とは、ユーザの歯に付着するプラーク量を示す情報であり、ユーザの歯周組織検査情報とは、ユーザの各歯に関するプラークの有無、動揺度、歯周ポケットの深さからなる情報である。補助情報Ｄ３を口臭情報Ｄ２とともに歯周病判定に用いることで、気圧、湿度、温度、ユーザの口腔撮影画像、ユーザのレントゲン画像、ユーザの身体情報、ＢＯＰ情報、ＰＣＲ情報及び歯周組織検査情報のうちの少なくとも何れか一つである補助情報Ｄ３が取得され、口臭情報Ｄ２に加えて補助情報Ｄ３に基づいて歯周病判定が行われるため、より正確に歯周病判定を行うことができる。

　口臭情報Ｄ２と補助情報Ｄ３とに基づいて、歯周病判定を行う方法として例えば次のような方法がある。取得された補助情報Ｄ３が数値である場合には、予め設定された複数段階の閾値と比較して、閾値の段階に対応付けて設定されている歯周病判定用閾値の調整用パラメータに変換される。この調整用パラメータを歯周病判定用閾値に乗算又は加算することで、歯周病判定用閾値を調整する。例えば、湿度に応じて歯周病判定用閾値の調整を行う等である。また、補助情報Ｄ３が画像である場合には、機械学習等によって、仮の歯周病判定を行う。仮の歯周病判定が行われたときの歯周病判定用閾値の調整用パラメータが用意されており、仮判定の結果に応じた歯周病判定用閾値の調整用パラメータが歯周病判定用閾値に乗算又は加算される。例えば、画像で確認が可能な歯茎の下がり具合等の情報から仮の歯周病判定を行う等である。歯は歯茎で覆われていない部分の表面がエナメル質であり、歯茎で覆われている部分の表面がセメント質である。歯周病になると歯茎が下がり、エナメル質とセメント質との境目部分が露出するが、この境目部分（境目ａ）を色彩等によって自動的に判別し、歯茎と歯との境目（境目ｂ）についても色彩等によって自動的に判別し、この判別した境目ａと境目ｂとの間の距離が歯茎の下がり具合（度合い）を示す情報となる。

　また、第１実施形態では、ＣＰＵ３５は、歯周病判定用コンピュータプログラムＰを実行することで、歯周病結果報知手段３５２による歯周病判定結果を示す歯周病判定結果情報Ｄ１を記憶部３２に蓄積させる蓄積手段３５４として機能する。そして、歯周病結果報知手段３５２は、ユーザからの履歴情報の表示指示を操作部３１で受け付けた場合に、蓄積された歯周病判定結果情報Ｄ１に基づいて、歯周病判定結果の時間の経過にともなう変化を、報知部３４を用いて報知する。この様に、歯周病判定結果情報Ｄ１（口腔内の状態に関する判定結果）を蓄積して、判定結果の時間の経過にともなう変化が報知されるため、ユーザは歯周病に関する自己の口腔内の状態が改善に向かっているのか悪化しているのか等を把握することができる。第１実施形態では、横軸と日時、縦軸を歯周病レベル（歯周病度合いを複数段階で示すもの）とした折れ線グラフ等を表示することで、歯周病レベルの推移をユーザに表示することができる。なお、この様な折れ線ぐらいによる表示に限定されず、棒グラフや、歯周病度合いを文字や数値で示す等の他の判定結果の表示方法を採用してもよい。報知方法は表示に限定されず、音声によって報知してもよい。

（歯周病判定システム１の機能的な構成：サーバ５の機能的な構成）
　サーバ５は、ネットワークＮを介して情報処理装置３と通信を行う情報処理装置である。サーバ５は、情報処理装置３からの求めに応じて、または自動的に補助情報Ｄ３等の情報を情報処理装置３に対して送信する。また、サーバ５は、歯科医端末４とも通信を行って、歯科医端末４から補助情報Ｄ３を取得し、この補助情報Ｄ３を情報処理装置３に対して送信する。もっとも、サーバ５は、歯科医端末４から補助情報Ｄ３を取得せず、情報処理装置３が直接歯科医端末４から補助情報Ｄ３を取得する構成であってもよい。

（歯周病判定システム１の機能的な構成：歯科医端末４の機能的な構成）
　歯科医端末４は、歯科医院で管理されて、歯科医師や歯科衛生士等によって操作（使用）される端末であり、ネットワークＮを介してサーバ５と通信を行う情報処理装置である。歯科医端末４は、サーバ５に対して補助情報Ｄ３をアップロードする。第１実施形態では、歯科医端末４は、情報処理装置３と直接通信は行わないが、情報処理装置３からの求めに応じて、または自動的に補助情報Ｄ３等の情報を情報処理装置３に対して送信してもよい。なお、歯科医端末４は、サーバ５を介して情報処理装置３から歯周病結果情報Ｄ１や口臭情報Ｄ２等を取得して、これらの取得した歯周病結果情報Ｄ１や口臭情報Ｄ２に基づいて、ユーザに対するアドバイスの歯科医からの入力を受け付ける。歯科医端末４は、入力されたアドバイスを情報処理装置３に対してサーバ５を介して又は直接送信してもよい。

（歯ブラシ側歯周病判定用処理）
　以下に、図１、図２及び図３を用いて電動歯ブラシ２の第１制御部２８１が実行する歯ブラシ側歯周病判定用処理を説明する。図３は、歯ブラシ側歯周病判定用処理の一例を示すフローチャートである。歯ブラシ側判定処理は、所定の起動操作を例えば操作スイッチ２９で受け付けることにより実行開始され、所定の起動終了操作を例えば操作スイッチ２９で受け付けられることで実行終了される。また、歯ブラシ側判定処理は、所定の歯ブラシ側歯周病判定用コンピュータプログラムを第１制御部２８１が実行することにより行われる。

　まず、第１制御部２８１は、操作スイッチ２９が押下されているかどうかを判断する（Ｓ１）。操作スイッチ２９が押下されていないと判断した場合には（Ｓ１でＮＯ）、第１制御部２８１は、処理をステップＳ４に進める。ステップＳ４についての詳細は後述する。一方、操作スイッチ２９が押下されていると判断した場合には（Ｓ１でＹＥＳ）、第１制御部２８１は、スイッチ押下時間をカウントする（Ｓ２）。具体的には、第１制御部２８１は、押下時間カウンタに「１」加算する。その後、第１制御部２８１は、操作スイッチ２９の押下時間が第２所定時間（例えば、２ｓ）に到達したかどうかを判断する（Ｓ３）。なお、本判断は、上記押下時間カウンタの値に基づいて行われる。

　ここで、操作スイッチ２９の押下時間が第２所定時間（例えば、２ｓ）に到達していないと判断した場合には（Ｓ３でＮＯ）、第１制御部２８１は、処理をステップＳ１に戻す。これによって、操作スイッチ２９がユーザによって押下され続けている場合には、操作スイッチ２９の押下時間が第２所定時間に到達するまで、上記ステップＳ１でＹＥＳと判断され、ステップＳ２の実行が繰り返され、押下時間カウンタの値が更新されていくことになる。操作スイッチ２９の押下時間が第２所定時間（例えば、２ｓ）に到達していると判断した場合には（Ｓ３でＹＥＳ）、第１制御部２８１は、ステップＳ１２に処理を進める。ステップＳ１２の処理の詳細については後述する。

　以下、ステップＳ１でＮＯと判断された場合の処理を説明する。操作スイッチ２９が押下されていないと判断した場合には（Ｓ１でＮＯ）、第１制御部２８１は、操作スイッチ２９の押下が解除されたかどうかを判断する（Ｓ４）。なお、本処理において、直近のステップＳ１の処理で操作スイッチ２９が押下されていないと判断され、その一つ前の回（直近回の前の回）のステップＳ１の処理で操作スイッチ２９が押下されていると判断された場合に、操作スイッチ２９の押下が解除されたと判断される。すなわち、操作スイッチ２９が押下されて離された直後に、ステップＳ４の処理でＹＥＳと判断され、操作スイッチ２９が押下されない状態が継続している場合に、ステップＳ４の処理でＮＯと判断される。

　上記ステップＳ４において、操作スイッチ２９の押下が解除されていると判断した場合には（Ｓ４でＹＥＳ）、第１制御部２８１は、操作スイッチ２９の押下時間が第１所定時間以上（例えば、４ｍｓ以上）であるかどうかを判断する（Ｓ５）。操作スイッチ２９の押下時間が第１所定時間以上（例えば、４ｍｓ以上）でないと判断した場合には（Ｓ５でＮＯ）、第１制御部２８１は、押下時間カウンタの値をリセットして（Ｓ６）、処理をステップＳ１に戻す。これによって、ユーザが操作スイッチ２９を誤って押下してしまい、４ｍｓ未満の短時間だけ操作スイッチ２９を操作してしまった場合には、当該操作を無効にすることができる。

　一方、操作スイッチ２９の押下時間が第１所定時間以上（例えば、４ｍｓ以上）であると判断した場合には（Ｓ５でＹＥＳ）、第１制御部２８１は、ペアリング要求を受信しているかどうかを判断し（Ｓ７）、ペアリング要求を受信していると判断した場合には（Ｓ７でＹＥＳ）、情報処理装置３との間で通信を確立するペアリング処理を行う（Ｓ８）。なお、ペアリング要求は、図７を用いて後述する情報処理装置側歯周病判定用処理におけるステップＳ１０６において、情報処理装置３によって送信される。これによって、情報処理装置３において所定の歯周病判定用コンピュータプログラムＰが実行され、ペアリング要求が行われている場合に、電動歯ブラシ２と情報処理装置３との間で通信を行うことができるようになる。この後、第１制御部２８１は、処理をステップＳ９に進める。なお、ペアリング要求を受信していないと判断した場合には（Ｓ７でＮＯ）、第１制御部２８１は、上記ステップＳ８を実行することなく、処理をステップＳ９に進める。

　ステップＳ９において、第１制御部２８１は、口臭情報送信要求を情報処理装置３から受信したかどうかを判断する（Ｓ９）。なお、口臭情報送信要求は、図７を用いて後述する情報処理装置側歯周病判定用処理におけるステップＳ１０８において、情報処理装置３によって送信される。口臭情報送信要求を情報処理装置３から受信したと判断した場合には（Ｓ９でＹＥＳ）、第１制御部２８１は、記憶部２８２に記憶されている口臭情報Ｄ２を情報処理装置３に対して送信する（Ｓ１０）。なお、記憶部２８２は、過去に取得された所定回数分（例えば１０回分）の口臭情報Ｄ２を記憶しており、これらの口臭情報Ｄ２が送信される。なお、ここで記憶される所定回数分の口臭情報Ｄ２とは、最新のものから所定回数分の口臭情報Ｄ２である。この後、第１制御部２８１は、処理をステップＳ１１に進める。なお、口臭情報送信要求を受信していないと判断した場合には（Ｓ９でＮＯ）、第１制御部２８１は、上記ステップＳ１０を実行することなく、処理をステップＳ１１に進める。

　上記ステップＳ１１において、第１制御部２８１は、ユーザの呼気に含まれる臭い（口臭）を検出して、この検出された臭いのレベルを示す口臭情報Ｄ２を取得して情報処理装置３に対して送信するとともに、検出された臭いに基づいて歯周病判定を行う、口臭処理を実行する（Ｓ９）。なお、口臭処理についての詳細は後述する。その後、第１制御部２８１は本歯ブラシ側歯周病判定用処理を終了させる。

　次に、上記ステップＳ３でＹＥＳと判断された場合の処理について説明する。この場合とは、操作スイッチ２９の押下時間が第２所定時間（例えば、２ｓ）に到達していると判断した場合である。すなわち、操作スイッチ２９が第２時間に到達するまで押下され続けた場合である。この場合には（Ｓ３でＹＥＳ）、第１制御部２８１は、押下時間カウンタをリセットし（Ｓ１２）、その後、歯磨き動作処理を実行する（Ｓ１３）。歯磨き動作処理とは、ユーザの歯を磨くための歯磨き動作をブラシ部２２に実行させるために、駆動部２３を駆動させる処理である。この歯磨き動作処理についての詳細は図６を用いて後述する。その後、第１制御部２８１は、歯ブラシ側歯周病判定用処理を終了させる。

（歯ブラシ側歯周病判定用処理における口臭処理）
　次に、図４及び図５を用いて、図３で示す歯ブラシ側歯周病判定用処理のステップＳ１１で実行される口臭処理を説明する。図４は、図３で示す歯ブラシ側歯周病判定用処理における口臭処理の一例を示すフローチャート（その１）である。図５は、図３で示す歯ブラシ側歯周病判定用処理における口臭処理の一例を示すフローチャート（その２）である。

　まずは、第１制御部２８１は、臭いセンサ２４で検知された臭いを示す信号（口臭を示す化合物の量を示す信号）及び呼気の吹込み量を取得し得る待機状態となる（Ｓ２１）。なお、臭いセンサ２４で検出された臭いを示す信号とは、第１実施形態では、臭いセンサ２４を構成する電気回路の所定の電子部品の抵抗値を示す信号である。本処理において、湿度を検知して初期湿度として設定してもよい。

　次に、第１制御部２８１は、判定フラグがオンであるかどうかを判断する（Ｓ２２）。判定フラグは後述のステップＳ２２０においてオンされる。判定フラグがオフであると判断した場合には（Ｓ２２でＮＯ）、第１制御部２８１は、ライト部２６を用いて吹きかけ指示表示処理を行う（Ｓ２２０）。吹きかけ指示表示処理の内容は、例えば、ライト部２６を特定の態様（例えば特定の色や特定の点灯パターン）で表示させることである。そして、第１制御部２８１は、現時点での臭いセンサ２４の上記電子部品の抵抗値の値を抵抗値基準値に設定するとともに、現時点での湿度を湿度基準値に設定し、判定フラグをオンにする（Ｓ２２１）。なお、抵抗値基準値の設定及び湿度基準値の設定は、第１制御部２８１によって呼気の吹きかけの開始が検知できたときに行ってもよい。呼気の吹きかけの開始は、例えば、上記抵抗値が所定の閾値を超えたときや、ステップＳ２１の処理において検知された初期湿度から所定の変化量で湿度が変化したときに、検知される。判定フラグのオンによって、呼気検知が開始されることになる。なお、口臭処理においては、ユーザは複数回呼気を吹きかけて、口臭情報Ｄ２を複数回取得することができる。２回目以降の口臭情報Ｄ２の取得の際には、抵抗値基準値及び湿度基準値に前回の抵抗値基準値及び湿度基準値が設定されているが、既に設定されている値に上書きされることで、新たな値が設定される。その後、第１制御部２８１は、ステップＳ２３に処理を進める。一方、判定フラグがオンであると判断した場合には（Ｓ２２０でＹＥＳ）、第１制御部２８１は、ステップＳ２２０、Ｓ２２１を実行することなく、ステップＳ２３に処理を進める。

　第１制御部２８１は、センサ部２７の検知結果に基づいて補助情報Ｄ３を取得する（Ｓ２３）。ここで、ユーザの電動歯ブラシ２の臭いセンサ２４への息の吹込み量（ｍｌ）や温度、湿度、上記湿度基準値からの湿度の変化を測定して、この吹込み量や温度、湿度又は湿度の変化を補助情報Ｄ３として取得する。次に、第１制御部２８１は、上記湿度基準値からの湿度の変化の量が閾値を超えたかどうかを判断する（Ｓ２２２）。例えば、湿度基準値が４５％であり、閾値が１０％である場合には、湿度が５５％を超えたときに、ステップＳ２２１でＹＥＳと判断される。上記湿度基準値からの湿度の変化の量が閾値を超えたと判断した場合には（Ｓ２２２でＹＥＳ）、第１制御部２８１は、呼気の吹きかけの終了指示表示処理を行って、判定フラグをオフする（Ｓ２２３）。吹きかけ指示表示処理の内容は、例えば、ライト部２６を特定の態様（例えば特定の色や特定の点灯パターン）で表示させることである。次に、第１制御部２８１は、臭いセンサ２４で検出された臭いを示す信号（上記抵抗値を示す信号）に基づいて口臭情報Ｄ２を取得（生成）し、この口臭情報Ｄ２と上記ステップＳ２３で取得された補助情報Ｄ３に基づいて、第１歯周病判定処理を行う（Ｓ２４）。第１歯周病判定処理では、上述した通りの歯周病判定方法を用いて歯周病判定が行われ、この歯周病判定の結果を示す歯周病判定結果情報Ｄ１が生成されて、記憶部２８２に記憶される。第１実施形態では、湿度の変化量の計測開始時（ステップＳ２２０の湿度基準値の設定時）から現在までに取得された呼気の吹き込み量（ｍｌ）における揮発性硫黄化合物や揮発性有機化合物の総量の割合に基づいて口臭情報Ｄ２が取得される。ここで、揮発性硫黄化合物や揮発性有機化合物の総量は、呼気検知開始時から終了時における抵抗値の変化量（現在の抵抗値の値－基準抵抗値）／呼気検知開始時の抵抗値（基準抵抗値）で算出される。その後、第１制御部２８１は、ライト部２６を用いて歯周病判定の結果を報知する（Ｓ２５）。この歯周病判定の結果の報知方法については、上述した通りである。そして、第１制御部２８１は、図３のステップＳ８でペアリング処理が行われて、情報処理装置３と通信が確立されている場合には、口臭情報Ｄ２と補助情報Ｄ３を情報処理装置３に対して送信する（Ｓ２６）。なお、ステップＳ２４における歯周病判定の結果（歯周病判定結果情報Ｄ１）についても送信してもよい。なお、本ステップＳ２２２において、湿度の変化量が所定の閾値を超えていないと判定された場合には（Ｓ２２２でＮＯ）、第１制御部２８１は、上記ステップＳ２２３、Ｓ２４～Ｓ２６が実行されない。また、図３のステップＳ８でペアリング処理が行われていない場合には、第１制御部２８１は、ステップＳ２６を実行しない。その後、第１制御部２８１は、図５のステップＳ２７に処理を進める。

　図５を参照して、第１制御部２８１は、口臭処理の開始から所定時間（例えば、３０ｓ）が経過したかどうかを判断する（Ｓ２７）。口臭処理の開始から所定時間（例えば、３０ｓ）が経過したと判断した場合には（Ｓ２７でＹＥＳ）、第１制御部２８１は本口臭処理を終了させる。また、口臭処理の開始から所定時間（例えば、３０ｓ）が経過していないと判断した場合には（Ｓ２７でＮＯ）、第１制御部２８１は、操作スイッチ２９が押下されているかどうかを判断する（Ｓ２８）。操作スイッチ２９が押下されていないと判断した場合には（Ｓ２８でＮＯ）、第１制御部２８１は、ステップＳ３１に処理を進める。ステップＳ３１についての詳細は後述する。

　一方、操作スイッチ２９が押下されていると判断した場合には（Ｓ２８でＹＥＳ）、第１制御部２８１は、スイッチ押下時間をカウントする（Ｓ２９）。具体的には、第１制御部２８１は、押下時間カウンタに「１」加算する。その後、第１制御部２８１は、操作スイッチ２９の押下時間が第４所定時間（例えば、２ｓ）に到達したかどうかを判断する（Ｓ３０）。なお、本判断は、上記押下時間カウンタの値に基づいて行われる。

　操作スイッチ２９の押下時間が第４所定時間（例えば、２ｓ）に到達していないと判断した場合には（Ｓ３０でＮＯ）、第１制御部２８１は、処理をステップＳ２２に戻す。これによって、本口臭処理において、繰り返しステップＳ２２からＳ２７（Ｓ２２０～Ｓ２２３も含む）が実行されて、複数回口臭情報Ｄ２及び補助情報Ｄ３の取得及びこれらの情報の情報処理装置３に対する送信が行われる場合があるが、情報処理装置３では、これらの情報の平均値を用いて口臭判定処理（図７のＳ１１０の第２歯周病判定処理）が実行されてもよい。なお、操作スイッチ２９がユーザによって押下され続けている場合には、操作スイッチ２９の押下時間が第４所定時間に到達するまで、上記ステップＳ２９の実行が繰り返され、押下時間カウンタの値が更新されていくことになる。

　一方、操作スイッチ２９の押下時間が第４所定時間（例えば、２ｓ）に到達していると判断した場合には（Ｓ３０でＹＥＳ）、第１制御部２８１は、本口臭処理を終了させて、図３のステップＳ１２に処理を進める。これによって、押下時間カウンタがリセットされ（Ｓ１２）、その後、歯磨き動作処理が実行されることになる（Ｓ１３）。この様に、本口臭処理では、口臭処理の開始から所定時間経過（例えば、３０ｓ経過）する前に、口臭処理を終了させて、歯磨き動作処理を実行させることができる。

　以下に、ステップＳ２８でＮＯと判断された場合の処理について説明する。操作スイッチ２９が押下されていないと判断した場合には（Ｓ２８でＮＯ）、第１制御部２８１は、操作スイッチ２９の押下が解除されているかどうかを判断する（Ｓ３１）。操作スイッチ２９が解除されたかどうかの判断方法は、図３のステップＳ４の処理と同じ方法を採用してもよい。操作スイッチ２９の押下が解除されていないと判断した場合には（Ｓ３１でＮＯ）、第１制御部２８１は、処理をステップＳ２２に戻す。これによって、本口臭処理において、繰り返しステップＳ２２からＳ２７（Ｓ２２０～Ｓ２２３も含む）が実行される。

　上記ステップＳ３１において、操作スイッチ２９の押下が解除されていると判断した場合には（Ｓ３１でＹＥＳ）、第１制御部２８１は、操作スイッチ２９の押下時間が第３所定時間以上（例えば、４ｍｓ以上）であるかどうかを判断する（Ｓ３２）。操作スイッチ２９の押下時間が第３所定時間以上（例えば、４ｍｓ以上）でないと判断した場合には（Ｓ３２でＮＯ）、第１制御部２８１は、押下時間カウンタの値をリセットして（Ｓ３３）、処理を図４のステップＳ２２に戻す。これによって、ユーザが操作スイッチ２９を誤って押下してしまい、４ｍｓ未満の短時間だけ操作スイッチ２９を操作してしまった場合には、当該操作を無効にすることができる。

　一方、操作スイッチ２９の押下時間が第１所定時間以上（例えば、４ｍｓ以上）であると判断した場合には（Ｓ３２でＹＥＳ）、第１制御部２８１は、本口臭処理を終了させて、図３の歯ブラシ側口臭判定処理に戻り、歯ブラシ側口臭判定処理も終了させる。これによって、口臭処理の開始から所定時間経過（例えば、３０ｓ経過）する前に、口臭処理を終了させることができる。なお、ステップＳ３２でＮＯと判断されて、本口臭処理が終了された場合には、ステップＳ３０でＹＥＳと判断されて、本口臭処理が終了された場合とは異なり、口臭処理の終了後に、歯磨き動作処理が実行されることがない。

（歯ブラシ側歯周病判定用処理における歯磨き動作処理）
　次に、図６を用いて図３で示す歯ブラシ側歯周病判定用処理におけるステップＳ１３の歯磨き動作処理を説明する。図６は、図３で示す歯ブラシ側歯周病判定用処理における歯磨き動作処理の一例を示すフローチャートである。

　まずは、第１制御部２８１は、駆動部２３を所定時間（例えば、３０ｓ）作動させる（Ｓ４１）。これによって、ブラシ部２２が歯磨き動作を所定時間行うようになっている。その後、第１制御部２８１は、駆動部２３の作動回数をカウントする（Ｓ４２）。ここでは、作動回数カウンタに１加算されることで、カウントされる。なお、作動回数カウンタは、歯磨き動作処理の開始時にリセットされており、初回のステップＳ２が実行されることで、作動回数カウンタの値は「１」となる。そして、第１制御部２８１は、所定時間（例えば、０．５ｓ）駆動部２３の作動を停止させる（Ｓ４３）

　そして、第１制御部２８１は、駆動部２３の作動回数が所定回数（例えば９回）に達したかどうかを判断する（Ｓ４４）。この判断は、上記作動回数カウンタの値に基づいて行われ、作動回数カウンタの値が例えば「９」を示している場合に、ＹＥＳと判断される。駆動部２３の作動回数が所定回数（例えば９回）に達したと判断した場合に（Ｓ４４でＹＥＳ）、第１制御部２８１は、本歯磨き動作処理を終了させて、処理を歯ブラシ側歯周病判定用処理に戻す。これによって、駆動部２３が所定回数作動されたときに、本歯磨き動作処理が終了されることになる。

　一方、駆動部２３の作動回数が所定回数（例えば９回）に達していないと判断した場合に（Ｓ４４でＮＯ）、第１制御部２８１は、操作スイッチ２９が押下されているかどうかを判断する（Ｓ４５）。操作スイッチ２９が押下されていないと判断した場合には（Ｓ４５でＮＯ）、第１制御部２８１は、ステップＳ４８に処理を進める。ステップＳ４７についての詳細は後述する。一方、操作スイッチ２９が押下されていると判断した場合には（Ｓ４５でＹＥＳ）、第１制御部２８１は、スイッチ押下時間をカウントする（Ｓ４６）。具体的には、第１制御部２８１は、押下時間カウンタに「１」加算する。

　その後、第１制御部２８１は、操作スイッチ２９の押下時間が第４所定時間（例えば、２ｓ）に到達したかどうかを判断する（Ｓ４７）。なお、本判断は、上記押下時間カウンタの値に基づいて行われる。操作スイッチ２９の押下時間が第２所定時間（例えば、２ｓ）に到達していないと判断した場合には（Ｓ４７でＮＯ）、第１制御部２８１は、処理をステップＳ４１に戻す。これによって、本歯磨き動作処理において、繰り返しステップＳ４１からＳ４４が実行されて、ブラシ部２２が歯磨き動作を行うことになる。なお、操作スイッチ２９がユーザによって押下され続けている場合には、操作スイッチ２９の押下時間が第２所定時間に到達するまで、上記ステップＳ４５でＹＥＳと判断されて上記ステップＳ４６の実行が繰り返され、押下時間カウンタの値が更新されていくことになる。

　一方、操作スイッチ２９の押下時間が第２所定時間（例えば、２ｓ）に到達していると判断した場合には（Ｓ４７でＹＥＳ）、第１制御部２８１は、本歯磨き動作処理を終了させて、図３の歯ブラシ側歯周病判定用処理が実行される。この様に、本歯磨き動作処理では、駆動部２３の作動回数が所定回数（例えば９回）に達する前に、本歯磨き動作処理を終了させることができる。

　以下、ステップＳ４５でＮＯと判断された場合の処理について説明する。操作スイッチ２９が押下されていないと判断した場合には（Ｓ４５でＮＯ）、第１制御部２８１は、操作スイッチ２９の押下が解除されたかどうかを判断する（Ｓ４８）。なお、ステップＳ４８の処理の判断方法は、図３のステップＳ４の処理と同内容である。操作スイッチ２９の押下が解除されたと判断した場合には（Ｓ４８でＹＥＳ）、第１制御部２８１は、押下時間カウントをリセットさせて（Ｓ４９）、処理をステップＳ４１に戻す。これによって、操作スイッチ２９が押下され、第２所定時間（例えば、２ｓ）に到達する前に、押下が解除された場合には、押下時間のカウントが初期化するとともに操作無効となる。一方、操作スイッチ２９の押下が解除されていないと判断した場合、すなわち、操作スイッチ２９が押下されていない状態が継続されている操作には（Ｓ４８でＮＯ）、第１制御部２８１は、上記ステップＳ４９を実行することなく、処理をステップＳ４１に戻す。これによって、ステップＳ４１からＳ４４の処理が実行されて、ブラシ部２２が歯磨き動作を行うことになる。

　なお、第１実施形態においては、図３のステップＳ１でＹＥＳと判断されてから歯磨き動作処理が開始されても操作スイッチ２９の押下状態が継続されている場合には、図６のステップＳ４５では、操作スイッチ２９が押下されていても、ＮＯと判断されることになる。この様な場合には、駆動部２３が所定回数（例えば９回）作動された場合にのみ（Ｓ４４でＹＥＳ）、本歯磨き動作処理が終了される。なお、歯磨き動作処理において、操作スイッチ２９の押下が解除された場合には（Ｓ４９でＹＥＳ）、次の操作スイッチ２９の押下操作は有効なものとなり、ステップＳ４５でＹＥＳと判断されるようにしてもよい。

（情報処理装置側歯周病判定用処理）
　以下に、図７を用いて、情報処理装置３のＣＰＵ３５が歯周病判定用コンピュータプログラムＰを実行することで行われる情報処理装置側歯周病判定用処理の一例を説明する。図７は、情報処理装置側歯周病判定用処理の一例を示すフローチャートである。情報処理装置側歯周病判定用処理は、例えばユーザから情報処理装置側歯周病判定用処理の実行開始指示（操作）を受け付けることで開始され、ユーザから情報処理装置側歯周病判定用処理の終了指示（操作）を受け付けることで終了される。なお、情報処理装置側歯周病判定用処理の実行開始操作は、例えば表示されているアイコンをユーザが指でタップする等である。また、情報処理装置側歯周病判定用処理の終了操作は、歯周病判定用コンピュータプログラムＰの実行時に表示されている終了ボタンをユーザが指でタップすること等である。

　まず、ＣＰＵ３５は、ユーザインタフェースとなる画面を報知部３４に表示する等の所定の初期処理を実行する（Ｓ１００）。その後、ＣＰＵ３５は、サーバ５（図２）からの情報取得指示を操作部３１で受け付けたかどうかを判断する（Ｓ１０１）。なお、サーバ５は、情報処理装置３に対して所定のタイミングで情報処理装置３に対して情報取得指示を送信する。この所定のタイミングは、例えば、所定の時刻（例えば、０時）や所定の周期（例えば、３時間毎）等である。情報取得指示を受信したと判断した場合に（Ｓ１０１でＹＥＳ）、ＣＰＵ３５は、サーバ５からの補助情報取得処理を実行する（Ｓ１０２）。なお、補助情報取得処理は、ＣＰＵ３５がサーバ５に対して補助情報送信要求を送信し、この補助情報送信要求を受信したサーバ５から送信された補助情報Ｄ３を受信して記憶部３２に記憶させる処理である。その後、ＣＰＵ３５は、ステップＳ１０３に処理を進める。一方、情報取得指示を受信していないと判断した場合に（Ｓ１０１でＮＯ）、ＣＰＵ３５は、上記ステップＳ１０２を実行することなくステップＳ１０３に処理を進める。なお、第１実施形態では、サーバ５からの情報取得指示の受信によって、補助情報取得処理が実行されているが、上記ステップＳ１０１、Ｓ１０２を実行せずに、ステップＳ１００の初期処理において補助情報取得処理を実行するようにしてもよい。

　なお、サーバ５から受信される補助情報Ｄ３は、例えば、口腔レントゲン画像、ユーザのブリーディングオンプロービング情報、ユーザのプラークコントロールレコード情報やユーザの歯周組織検査情報等である。また、第１実施形態では、電動歯ブラシ２のセンサ部２７に基づいて取得している温度、湿度、気圧等の補助情報Ｄ３をサーバ５から受信してもよい。

　次に、ＣＰＵ３５は、ユーザ情報の登録指示を操作部３１で受け付けたかどうかを判断する（Ｓ１０３）。なお、ユーザ情報の登録指示は、例えば、表示されているユーザインタフェースとなる画面に基づいて受け付けられる。ユーザ情報の登録指示を操作部３１で受け付けたと判断した場合には（Ｓ１０３でＹＥＳ）、ＣＰＵ３５は、操作部３１でユーザ情報の登録処理を行う（Ｓ１０４）。このユーザ情報の登録処理では、例えば、表示されているユーザインタフェースとなる画面に基づいてユーザ情報をユーザに入力させ、この入力されたユーザ情報が登録（記憶部３２に記憶）される。この時登録されるユーザ情報は、ユーザＩＤ、パスワード、ユーザの身体情報、ユーザの口腔撮影画像等である。ユーザＩＤ及びユーザパスワードが登録された場合には、サーバ５に送信されて、ユーザＩＤに対応付けて補助情報Ｄ３等が記憶されてもよい。このユーザＩＤに対応する補助情報Ｄ３が、ステップＳ１０２の補助情報取得処理において取得されてもよい。ユーザの身体情報は、上述したようなユーザの睡眠時間、歩数計等で取得された一日の歩数等を示す運動状況、身長や体重等のユーザの身体の大きさ等を示す情報等である。なお、ユーザの口腔撮影画像として、撮影部３６（図２）によって撮影されたユーザの口腔撮影画像が登録されてもよい。また、図２において図示されていない加速度センサやジャイロセンサ等を用いて歩数を計測する歩数計測アプリケーション（歩数計）と連動して、一日の歩数等を示す運動状況を取得してもよい。その後、ＣＰＵ３５は、ステップＳ１０５を実行する。なお、ユーザ情報の登録指示を操作部３１で受け付けていないと判断した場合には（Ｓ１０３でＮＯ）、ＣＰＵ３５は、上記ステップＳ１０４を実行することなく、ステップＳ１０５を実行する。

　ステップＳ１０５において、ＣＰＵ３５は、ユーザからペアリング指示を操作部３１で受け付けたかどうかを判断する（Ｓ１０５）。ペアリング指示は、例えば、表示されているユーザインタフェースとなる画面に基づいて受け付けられる。ユーザからペアリング指示を操作部３１で受け付けたと判断した場合には（Ｓ１０５でＹＥＳ）、ＣＰＵ３５は、電動歯ブラシ２との間で通信を確立するためのペアリング処理を行う（Ｓ１０６）。このペアリング処理において、ペアリング要求が電動歯ブラシ２に対して送信され、このペアリング要求は、図３で示す歯ブラシ側歯周病判定用処理のステップＳ７において電動歯ブラシ２に受信され、ステップＳ７でＹＥＳと判断されて、ステップＳ８において電動歯ブラシ２によって上記ペアリング処理が行われる。これによって、電動歯ブラシ２と情報処理装置３との間の通信が確立される。その後、ＣＰＵ３５は、ステップＳ１０７に処理を進める。なお、ユーザからペアリング指示を操作部３１で受け付けていないと判断した場合には（Ｓ１０５でＮＯ）、ＣＰＵ３５は、上記ステップＳ１０６を実行することなく、ステップＳ１０７を実行する。なお、第１実施形態では、ペアリング処理は、歯周病判定用コンピュータプログラムの実行による本情報処理装置側歯周病判定用処理で行われるが、別のプログラム（オペレーションプログラム等）の実行によって行われてもよい。

　ステップＳ１０７において、ＣＰＵ３５は、ユーザから口臭情報送信要求指示を操作部３１で受け付けたかどうかを判断する（Ｓ１０７）。この口臭情報送信要求指示は、例えば、表示されているユーザインタフェースとなる画面に基づいて受け付けられる。ユーザから口臭情報送信要求指示を操作部３１で受け付けたと判断した場合には（Ｓ１０７でＹＥＳ）、ＣＰＵ３５は、通信部３３を用いて電動歯ブラシ２に対して口臭情報送信要求を送信する（Ｓ１０８）。なお、この口臭情報送信要求は、図３で示す歯ブラシ側歯周病判定用処理のステップＳ９において電動歯ブラシ２に受信され、ステップＳ９でＹＥＳと判断されて、記憶部２８２に記憶されている口臭情報Ｄ２が電動歯ブラシ２から送信される。その後、ＣＰＵ３５は、ステップＳ１０９に処理を進める。なお、ユーザから口臭情報送信要求指示を操作部３１で受け付けていないと判断した場合には（Ｓ１０７でＮＯ）、ＣＰＵ３５は、上記ステップＳ１０８を実行することなく、ステップＳ１０９を実行する。

　ステップＳ１０９において、ＣＰＵ３５は、通信部３３によって電動歯ブラシ２から口臭情報Ｄ２を受信したかどうかを判断する（Ｓ１０９）。口臭情報Ｄ２は、図３で示す歯ブラシ側歯周病判定用処理のステップＳ１０又は図４で示す口臭処理のステップＳ２６によって、電動歯ブラシ２から送信されるものである。なお、同じタイミングで、口臭情報Ｄ２とともに補助情報Ｄ３を電動歯ブラシ２から受信する。通信部３３によって電動歯ブラシ２から口臭情報Ｄ２を受信したと判断した場合には（Ｓ１０９でＹＥＳ）、ＣＰＵ３５は、口臭情報Ｄ２を取得し、この口臭情報Ｄ２を用いて第２歯周病判定処理を行う（Ｓ１１０）。第２歯周病判定処理では、口臭情報Ｄ２に基づいて歯周病判定が行われ、歯周病判定の結果を示す歯周病判定結果情報Ｄ１が生成されて、記憶部２８２に記憶される。なお、歯周病判定の方法についての詳細は、上述した通りである。上述した通り、設定されているモードが特殊判定モードである場合には、口臭情報Ｄ２とともに補助情報Ｄ３も取得して、口臭情報Ｄ２と補助情報Ｄ３とを用いて歯周病判定を行う。ここで、口臭情報Ｄ２とともに受信した補助情報Ｄ３が用いられるが、ステップＳ１０２においてサーバ５から受信した補助情報Ｄ３や、ステップＳ１０４において登録された補助情報Ｄ３（ユーザの身体情報）がある場合には、これらの補助情報Ｄ３も歯周病判定で用いられる。その後、ＣＰＵ３５は、報知部３４を用いて第２歯周病判定処理における歯周病判定結果を表示する判定結果表示処理を実行する（Ｓ１１１）。

　判定結果表示処理では、例えば、ユーザの歯周病判定結果が文章又は数値で示される。更に、歯周病の度合いを段階的に示してもよい。更に、歯周病判定結果の表示とともに、履歴情報の表示指示を受け付けるための操作子が報知部３４（タッチパネルが搭載された液晶ディスプレイ装置３０）に表示されてもよい。この操作子のタッチによって、履歴情報の表示指示がユーザから受け付けられた場合に、蓄積された歯周病判定結果情報Ｄ１に基づいて、歯周病判定結果の時間の経過にともなう変化を表すグラフ等が表示されてもよい。

　その後、ＣＰＵ３５は、歯周病判定結果情報Ｄ１をサーバ５に対して送信するサーバ５への情報送信処理を実行する（Ｓ１１２）。なお、歯周病判定結果情報Ｄ１だけでなく、この歯周病判定結果情報Ｄ１の根拠となった口臭情報Ｄ２及び補助情報Ｄ３をサーバ５に対して送信してもよい。サーバ５は、歯周病判定結果情報Ｄ１、口臭情報Ｄ２及び補助情報Ｄ３を受信した場合には、受信した情報に基づいて機械学習を行うことで、より精度よく歯周病判定を行い、この歯周病判定結果をユーザの求めに応じて情報処理装置３に対して送信できるようにしてもよく、これらの情報Ｄ１、Ｄ２、Ｄ３を歯科医端末４に対してネットワークＮを介して送信してもよい。その後、ＣＰＵ３５は、処理をステップＳ１０１に戻す。なお、通信部３３によって電動歯ブラシ２から口臭情報Ｄ２を受信していないと判断した場合には（Ｓ１０９でＮＯ）、ＣＰＵ３５は、上記ステップ１１０からＳ１１２を実行することなく、処理をステップＳ１０１に戻す。

　なお、図７で示す情報処理装置側歯周病判定用処理では、ステップＳ１１０で口臭情報Ｄ２を取得する度に、第２歯周病判定処理及び判定結果表示処理を行っているが、最初に口臭情報Ｄ２を受信してから所定の時間（例えば、３０ｓ）が経過するまで、口臭情報Ｄ２及び補助情報Ｄ３を取得するだけで、第２歯周病判定処理を行わなくてもよい。そして、所定の時間が経過したときに、所定の時間において受信した複数の口臭情報Ｄ２の平均値と、所定の時間において受信した補助情報Ｄ３の平均値とを算出し、これらの平均値を今回取得した口臭情報Ｄ２及び補助情報Ｄ３の値（１回分の口臭情報Ｄ２及び補助情報Ｄ３の値）として用いて第２歯周病判定処理を行ってもよい。なお、図７を用いた上記情報処理装置側歯周病判定用処理では、特殊判定モードが設定されている場合について説明したので、口臭情報Ｄ２に加えて補助情報Ｄ３を用いて歯周病判定が行われたが、標準モードが設定されている場合には、口臭情報Ｄ２のみを用いて歯周病判定処理が行われる。また、標準モード又は特殊判定モードに加えて、第１精密判定モードや第２精密判定モードが追加で設定されている場合には、第２歯周病判定処理において今回取得された口臭情報Ｄ２に加えて過去に取得された口臭情報Ｄ２を用いて歯周病判定を行ってもよいこと、また、これらの口臭情報Ｄ２の重みづけを変えて歯周病判定を行ってもよいことは上述した通りである。これらの標準モードと特殊判定モードとの間の設定変更や、第１精密判定モードや第２精密判定モードの追加設定は、ユーザからの入力に基づいて上記ステップＳ１０４のユーザ情報の登録処理において行われてもよい。また、第２精密判定モードの追加設定がなされる場合には、口臭情報Ｄ２の重みづけの変更設定をユーザから受け付けてもよい。例えば、午前中に取得された口臭情報Ｄ２の重みづけを、午後に取得された口臭情報Ｄ２の重みづけよりも大きくする等の設定を受け付けてもよい。

〔第２実施形態〕
　以下に図８から図２２を用いて第２実施形態に係る歯周病判定システム１´について説明する。図８は、第２実施形態に係る歯周病判定システムを構成する電動歯ブラシの正面図である。図９は、図８で示す電動歯ブラシの右側面図である。図１０は、図８で示す電動歯ブラシの分解図である。図１１は、位置可変カバー体が閉状態の電動歯ブラシを示す図である。図１２は、位置可変カバー体が回転状態の電動歯ブラシを示す図である。図１３は、位置可変カバー体が開状態の電動歯ブラシを示す図である。図１４は、内部構造を示す電動歯ブラシの透視図である。図１５は、位置可変カバー体を外した状態の電動歯ブラシの透視図である。なお、図１５において、センサユニットカバー２１１１、ＬＥＤカバー２１１２、ガイド部材２１１４、補強リブ２１１７、磁石ＳＷ１１は、位置可変カバー体ＳＣ１の部材であるが、説明の便宜のために表示している。図１６Ａは、図１５で示す電動歯ブラシのガイド溝とその周辺部分の部分拡大図である。図１６Ｂは、ガイド溝の正面図である。図１７は、位置可変カバー体を上下方向に沿って切断して内側から視認した図である。図１８は、位置可変カバー体及び外側支持体の前部分を外した状態の電動歯ブラシの正面図である。なお、図１８において、位置可変カバー体ＳＣ１の部材であるセンサユニットカバー２１１１、ＬＥＤカバー２１１２と、外側支持体の前部分のリブ２１２８を、説明の便宜のために表示している。図１９は、付勢体の正面図である。図２０は、付勢体の斜視図である。図２１は、第２実施形態における歯ブラシ側歯周病判定用処理の一例を示すフローチャートである。図２２は、第２実施形態における歯ブラシ側歯周病判定用処理の口臭処理の一例を示すフローチャート（その２）である。

　なお、図８から図２２を用いた第２実施形態の説明において第１実施形態と同一の符号が付されている部材の構成やステップの内容は、第１実施形態と同様である。第２実施形態に係る歯周病判定システム１´において、電動歯ブラシ２´が第１実施形態に係る歯周病判定システム１と異なっている。その他の構成については、第１実施形態に係る歯周病判定システム１と同様である。第２実施形態における電動歯ブラシ２´と第１実施形態における電動歯ブラシ２との大きな相違点は、次のようなものである。（ｉ）第２実施形態における電動歯ブラシ２´では、筐体２１´におけるユーザが把持する部分に位置可変カバー体ＳＣ１を有し、位置可変カバー体ＳＣ１をユーザの操作によって下方に押し下げるようにスライドさせて、位置可変カバー体ＳＣ１内に収納されていたセンサユニット２１０（臭気センサ２４、センサ部２７を備える）を露出させることが出来る。（ｉｉ）第１実施形態における電動歯ブラシ２は、操作スイッチ２９を用いて、第１制御部２８１に対して、ブラシ部２２´の歯磨き動作の制御の開始指示と、口臭処理の実行の指示を受け付ける。これに対して、第２実施形態に係る電動歯ブラシ２´では、操作スイッチ２９´は、ブラシ部２２´の歯磨き動作の制御の開始指示を受け付けるが、口臭処理の実行の指示はユーザから受け付けない。第２実施形態に係る電動歯ブラシ２´は、位置可変カバー体ＳＣ１が閉状態にあることを検知するための磁石スイッチ部ＳＷ１（本発明の「位置検知部」に相当）を備え、磁石スイッチ部ＳＷ１を用いて位置可変カバー体ＳＣ１が閉状態にないことを第１制御部２８１が検知することで、口臭処理の実行の指示が受け付けられる。

（第２実施形態に係る電動歯ブラシの構造：全体構造）
　以下に、第２実施形態に係る電動歯ブラシ２´の構造について詳細に説明する。まずは、図８から図１６Ａを参照して、電動歯ブラシ２´の全体構造を説明する。電動歯ブラシ２´は、二次電池を内蔵し、充電器１００の上に載置して充電可能なものである。電動歯ブラシ２´は、上下方向に伸びる長尺で略円筒状の筐体２１´の上部に、ブラシ部２２´が取り付けられている。より詳細に説明すると、ブラシ部２２´は、棒状体２２１の上端にブラシ２２２を備えて成り、棒状体２２１の下端で筐体２１´の上部に取り付けられている。筐体２１´内には、駆動部２３、臭いセンサ２４、通信部２５、ライト部２６´、センサ部２７及びマイクロコンピュータ２８が配置されている。なお、第２実施形態では、ライト部２６´は、第１ライト部２６１及び第２ライト部２６２を有する。第１ライト部２６１は、ＬＥＤライト（図略）とＬＥＤライト（図略）の光の透光部２６１２を有し、第２ライト部２６２は、ＬＥＤライト（図略）とＬＥＤライト（図略）の光の透光部２６２２を有する。

　筐体２１´は、支持体２１２と、この支持体２１２を覆うように支持体２１２の外側に配置されたカバー２１１とを備える。支持体２１２には、駆動部２３、臭いセンサ２４とセンサ部２７とからなるセンサユニットＵ１、通信部２５、第１ライト部２６１のＬＥＤライト（図略）、第２ライト部２６２のＬＥＤライト（図略）、マイクロコンピュータ２８が取り付けられている。カバー２１１は、底面及び上面を有する略円筒状の部材であり、上下方向の略中央の位置で下部スライドカバー２１１Ａと上部カバー２１１Ｂとに分割されている。なお、上部カバー２１１Ｂの方が、下部スライドカバー２１１Ａよりも上に配置されており、上部カバー２１１Ｂの上面から突出するように、ブラシ部２２´が配置されている。また、下部スライドカバー２１１Ａは、筒状体であり、その下部に底部スライドカバー２１１Ｃが取り付けられることで、下部が塞がれている。なお、下部スライドカバー２１１Ａと底部スライドカバー２１１Ｃとで、位置可変カバー体ＳＣ１を構成している。すなわち、カバー２１１は、位置カバー体ＳＣ１を有する。また、下部スライドカバー２１１Ａは、全体が筒状体であるが、その一部に筒状体を有する構成であってもよく、筒状体を有さなくてもよい。

　第２実施形態においては、図１０で示すように、位置可変カバー体ＳＣ１を開けて、支持体２１２（図１４の外側支持体２１２Ｂ）の表面に取り付けられたセンサユニットＵ１を露出させることができる。より詳細に説明すると、位置可変カバー体ＳＣ１は、支持体２１２に対する相対的な位置関係を変更可能であり、この位置関係の変更によって、臭いセンサ２４を覆う閉状態から臭いセンサ２４を覆わない開状態になったり、開状態から閉状態になることが出来るようになっている。これによって、歯磨き動作時には、位置可変カバー体ＳＣ１でセンサユニットＵ１を覆ってセンサユニットＵ１を水気に晒すことを防止して、電動歯ブラシ２´の長寿命化を図りながら、口臭処理時にはセンサユニットＵ１を露出させて、臭い物質等をセンサユニットＵ１で感知し易くして、ユーザの呼気を精度良く検知することが出来るようになっている。図１１は、位置可変カバー体ＳＣ１が閉状態である状態を示す。位置可変カバー体ＳＣ１の動きが分かりやすいように、図１１から図１３においては、目印ａと目印ｂとを付しており、閉状態では、目印ａと目印ｂとが並んでいる。閉状態にある位置可変カバー体ＳＣ１を、平面視において、反時計回りに所定の角度だけ回転させる。所定の角度は、例えば、０度より大きく約４５度未満の角度、例えば約３０度であるが、４５度以上の角度であってもよい。位置可変カバー体ＳＣ１を所定の角度回転させた状態を回転状態と記載する。図１２は、回転状態にある位置可変カバー体ＳＣ１を示す。その後、位置可変カバー体ＳＣ１を下方向に押し下げてスライド移動させることで、位置可変カバー体ＳＣ１を開けて、センサユニットＵ１を露出させることができる。押し下げた状態の位置可変カバー体ＳＣ１を開状態と記載し、図１３は、開状態の位置可変カバー体ＳＣ１を示す。

（第２実施形態に係る電動歯ブラシの構造：スライドカバーの開閉機構）
　以下に、図１４から図２０を用いて位置可変カバー体ＳＣ１の開閉機構について詳細に説明する。図１７で示すように、下部スライドカバー２１１Ａの内側（内面）には、その上端における電動歯ブラシ２´の正面部分（前部分）に、センサユニットＵ１を覆うためのセンサユニットカバー２１１１と、第２ライト部２６２を覆うＬＥＤカバー２１１２とが上下方向に並んで配置されている。なお、センサユニットカバー２１１１の方がＬＥＤカバー２１１２より上方に配置されている。下部スライドカバー２１１Ａの内面におけるＬＥＤカバー２１１２の直下には、リブ２１１３が形成されている。リブ２１１３は、平面視においてリング状に形成されており、下部スライドカバー２１１Ａの内周を一周するように形成されている。位置可変カバー体ＳＣ１の内面におけるリブ２１１３の直下には、ガイド部材２１１４が突設されている。ガイド部材２１１４は、略直方体状の部材であり、支持体２１２に形成されたガイド溝２１２５（図１４参照）に嵌り込んだ状態で移動することで、位置可変カバー体ＳＣ１の開閉動作をガイドするようになっている。すなわち、ガイド部材２１１４がガイド溝２１２５を沿って移動することで、位置可変カバー体ＳＣ１の位置の変更がガイドされる、位置可変カバー体ＳＣ１の開閉動作のガイドについての詳細は、後述する。

　また、下部スライドカバー２１１Ａの内側には、上下方向に伸びる４個の補強リブ２１１５が設けられている。４個の補強リブ２１１５は、平面視において略等間隔に並んで配置されており、その内縁が支持体２１２の外周（図１８を用いて後述する外側支持体２１２Ｂの外周）に当接するようになっている。これによって、下部スライドカバー２１１Ａ（位置可変カバー体ＳＣ１）が閉状態であるときに、下部スライドカバー２１１Ａと支持体（図１８の外側支持体２１２Ｂ）との間に遊びが出来てぐらつき、水気が入ってしまうことを防止することが出来る。このため、センサユニットＵ１や第２ライト部２６２水気に晒されにくく、電動歯ブラシ２´を長寿命化させることが出来る。

　次に、支持体２１２の構成について説明する。図１８で示すように、支持体２１２は、筒状の内側支持体２１２Ａと、内側支持体２１２の外周を覆うように内側支持体２１２の外側に配置され、底面を有する筒状の外側支持体２１２Ｂと、外側支持体２１２Ｂの下部分を塞ぐ下部支持体２１２Ｃとからなる。下部支持体２１２Ｃは、二次電池を内蔵し、その上面の右縁及び左縁には、上方に延設された突出部位２１２１を有する。内側支持体２１２Ａは、外側支持体２１２Ｂ内に挿入された状態で、外側支持体２１２Ｂの底面にその下部が円筒部材２１２２を介して固定されて、外側支持体２１２Ｂと一体的になっている。なお、外側支持体２１２Ｂにはビス止め用貫通孔Ｈ１が複数形成され、このビス止め用貫通孔Ｈ１に対して外側からビス止めをされることで、内側支持体２１２Ａに外側支持体２１２Ｂが固定可能になっている。外側支持体２１２Ｂは、下側支持体２１２Ｃにおける２個の突出部位２１２１の間に取り付けられている。下部支持体２１２Ｃには、略円柱状の支柱２１３が取り付けられている。支柱２１３は、下部支持体２１２Ｃの上面から上方に起立するものであり、外側支持体２１２Ｂの底面を貫通して、内側支持体２１２Ａ内を通って筐体２１´の上端まで伸びるように形成されている。

　図１４及び図１５で示すように、外側支持体２１２Ｂの正面部分（前部分）における上端の位置には、上下方向に並ぶように２個の貫通孔が形成されており、上側の貫通孔には内側からセンサユニットＵ１が嵌め入れられ、下側の貫通孔には内側には第２ライト部２６２のＬＥＤライト（図略）が嵌め入れられている。このＬＥＤライト（図略）の下方には、外側支持体２１２Ｂの外周に亘ってリブ２１２８が形成されている。リブ２１２８の下方には、有底孔であるガイド溝２１２５が穿設されている。上述したように、支持体２１２は、略筒状部位である外側支持体２１２Ｂを有する。ガイド溝２１２５は、筒状部位（外側支持体２１２Ｂ）の周方向に伸びる部位と、この部位の一端から筒状部位（外側支持体２１２Ｂ）の軸方向（上下方向）に屈曲して直線状に伸びる部位と、を有する。上述したように、ガイド溝２１２５内には、下部スライドカバー２１１Ａの内側のガイド部材２１１４が嵌り込んだ状態で移動可能になっており、位置可変カバー体ＳＣ１（下部スライドカバー２１１Ａ）が閉状態のときには、ガイド部材２１１４がガイド溝２１２５の左端（周方向に伸びる部分の左端）の第１位置Ｐ１（図１６Ｂ参照）に位置するようになっている。

　そして、ガイド部材２１１４は、位置可変カバー体ＳＣ１を閉状態から回転状態にする際に、ガイド溝２１２５の周方向に伸びる部分を平面視において反時計回りの方向（右方向）に移動する。ガイド部材２１１４は、位置可変カバー体ＳＣ１が回転状態になると、ガイド溝２１２５の上記周方向に伸びる部分の右端、かつ軸方向（上下方向）に延びる部分の上端に位置する。ガイド溝２１２５は、位置可変カバー体ＳＣ１を回転状態から開状態にする際に、ガイド溝２１２５の上記軸方向に伸びる部分の上端から下端に移動する。ガイド部材２１１４は、位置可変カバー体ＳＣ１が開状態になると、ガイド溝２１２５の軸方向に伸びる部分の下端の第２位置Ｐ２（図１６Ｂ参照）に位置する。

　図１６Ａ及び図１６Ｂで示すように、ガイド溝２１２５における底部には２個の貫通孔２１２５Ａ、２１２５Ｂが形成されている。ガイド溝２１２５における第１位置Ｐ１に隣接する位置と第２位置Ｐ２に隣接する位置には、夫々貫通孔（貫通孔２１２５Ａ、２１２５Ｂ）が形成されている。より具体的に説明すると、貫通孔２１２５Ａは、ガイド溝２１２５における第２位置Ｐ２の真上の位置に形成されている。また、貫通孔２１２５Ｂは、第１位置Ｐ１の右の真横の位置に形成されている。夫々の貫通孔２１２５Ａ、２１２５Ｂには、ガイド部材２１１４の方向に向けて突出するように内側から付勢体２１２４が嵌め込まれている。これによって、ガイド部材２１１４が、ユーザの手等によって位置可変カバー体ＳＣ１が動かされていないにもかかわらず、ガイド溝２１２５内を移動してしまうことを効果的に防止することができる。言い換えれば、ユーザの手等によって位置可変カバー体ＳＣ１が動かされない場合には、ガイド部材２１１４は、ガイド溝２１２５の左端又は下端の位置から動かないように付勢体２１２４にロックされる。なお、付勢体２１２４によるロック構造についての詳細は後述する。

　図１８で示すように、内側支持体２１２Ａの前面には、板面が前後方向を向いた平板状の制御基板２１２３が固着されている。図１８では示していないが、制御基板２１２３には、センサユニットＵ１（臭いセンサ２４及びセンサ部２７）、通信部２５、第１ライト部２６１のＬＥＤライト（図略）、第２ライト部２６２のＬＥＤライト（図略）、及びマイクロコンピュータ２８が取り付けられている。なお、センサユニットＵ１は、制御基板２１２３の上部に設けられて、位置可変カバー体ＳＣ１が閉状態の場合には、位置可変カバー体ＳＣ１（下部スライドカバー２１１Ａ）内に形成されているセンサユニットカバー２１１１で覆われている。第２ライト部２６２のＬＥＤライト（図略）は、センサユニットＵ１の直下に設けられて、位置可変カバー体ＳＣ１が閉状態の場合には、位置可変カバー体ＳＣ１（下部スライドカバー２１１Ａ）内に形成されているＬＥＤカバー２１１２で覆われている。図１８は、センサユニットカバー２１１１及びＬＥＤカバー２１１２が図示されているため、センサユニットＵ１及び第２ライト部２６２のＬＥＤライト（図略）が表示されていない。

　制御基板２３２３における第２ライト部２６２のＬＥＤライト（図略）の直下から右寄りの位置に、付勢体２１２４が固着されている。付勢体２１２４は、図１９及び図２０で示すように、板面が前後方向を向いた金属製の平板状の平板部材２１２４Ａを有する。平板部材２１２４Ａは、上下方向に直線状に延びて下端で右方向に屈曲されて屈曲部位２１２４Ａ´が形成されており、その屈曲部位２１２４Ａ´の右端部が後方に、０度より大きく９０度より小さい所定角度（例えば約７５度）程折り曲げられてた形状を有する。なお、平板部材２１２４Ａの上下方向に直線状に伸びる部位は、基板２３２３に固着されているが、屈曲部位２１２４Ａ´は、基板２３２３に固着されておらず、前後方向に力がかかると撓むようになっている。

　平板部位２１２４Ａの上端部（上下方向に直線状に伸びる部位の上端部）における左縁から、第１付勢部位２１２４Ｂが延設されている。第１付勢部位２１２４Ｂは、金属製であり、平板部位２１２４Ａの上端部における左縁から前右方向に起立する平板状の起立部位Ｂ１と、起立部位Ｂ１の前縁から右方に延設された平板状の段部Ｂ２と、弧を描く様に前方に張り出してから後方に伸びるように段部Ｂ２の右縁から延設された張り出し部Ｂ３とを有する。張り出し部Ｂ３は、上下方向に伸びる円筒を切断したような半円筒状であり、張り出し部Ｂ３の切断面側が後方に向いており、その左側の切断面側が段部Ｂ２の右縁に繋がっている。また、張り出し部Ｂ３の右側の切断面から連続するように、右方に突出する突出部Ｂ４が形成されている。図１６Ａで示すように、第１付勢部位２１２４Ｂは、外側支持体２１２Ｂに形成されたガイド溝２１２４の貫通孔２１２５Ｂ内に嵌り込むようになっている。これによって、下部スライドカバー２１１Ａの内側のガイド部材２１１４がガイド溝２１２５の第１位置Ｐ１（図１６Ａ参照）に位置する際に、ガイド部材２１１４を第１付勢力部位２１２４Ｂでロックして移動しないようにすることが可能である。また、位置可変カバー体ＳＣ１をユーザが動かすと、ガイド部材２１１４が、第１付勢部位２１２４Ｂを押して撓ませて、第１付勢部位２１２４Ｂを乗り越えることが出来るようになっている。なお、張り出し部Ｂ３が半筒体であるため、ガイド部材２１１４に滑らかに第１付勢力部位２１２４Ｂを乗り越えさせることが出来、ユーザの操作性が良くなっている。

　また、図１９及び図２０で示すように、平板部材２１２４Ａにおける屈曲部位２１２４Ａ´の右端前面には、第２付勢部位２１２４Ｃが前方に突設されている。第２付勢部位２１２４Ｃは、球面を有する３つの半球状部材Ｃ１、Ｃ２、Ｃ３を重ねたような形状を有する。より具体的には、半球状部材Ｃ１の球面の中央部位の上に、半球状部材Ｃ１より径の小さい半球状部材Ｃ２が固着され、半球状部材Ｃ２の球面の中央部位の上に、半球状部材Ｃ２よりも径の小さい半球状部材Ｃ３が固着されている。なお、半球状部材Ｃ１、Ｃ２、Ｃ３の球面は、何れも外側（屈曲部位２１２４Ａ´の反対側）に向いている。図１６Ａで示すように、第２付勢部位２１２４Ｃは、外側支持体２１２Ｂに形成されたガイド溝２１２４の貫通孔２１２５Ａ内に嵌り込むようになっている。これによって、下部スライドカバー２１１Ａの内側のガイド部材２１１４がガイド溝２１２５の第２位置Ｐ２（図１６Ｂ参照）に位置する際に、第２付勢力部位２１２４Ｃでロックして移動しないようにすることが可能である。また、位置可変カバー体ＳＣ１をユーザが動かすと、ガイド部材２１１４が、第２付勢部位２１２４Ｃを押して基板２３２３の屈曲部位２１２４Ａ´を撓ませて、第２付勢部位２１２４Ｃを乗り越えることが出来るようになっている。なお第２付勢部位２１２４Ｃは、球面を有する３つの半球状部材Ｃ１、Ｃ２、Ｃ３を重ねた形状であるため、ガイド部材２１１４に滑らかに第１付勢力部位２１２４Ｂを乗り越えさせることが出来、ユーザの操作性が良くなっている。なお、付勢体２１２４が金属製であり、ガイド部材２１１４と外側支持体２１２Ｂとが樹脂製であり、異素材で形成されている。このため、位置可変カバー体ＳＣ１の開閉動作を繰り返し行うによって、付勢体２１２４とガイド部材２１１４や、付勢体２１２４と外側支持体２１２Ｂのガイド溝２１２４部分とが繰り返し擦れても、擦れた部分が摩耗し難い。これによって、電動歯ブラシ２´の長寿命化を図ることができる。

（第２実施形態に係る電動歯ブラシの構造：スライドカバーの開閉検知機構）
　図１４、図１５、図１７、及び図１８を用いて位置可変カバー体ＳＣ１の開閉検知機構について詳細に説明する。上述したように、位置可変カバー体ＳＣ１は、外側支持体２１２Ｂの外周を覆い、外側支持体２１２Ｂとの位置関係を変更することが出来るようになっている。この位置関係は、磁石スイッチＳＷ１を用いて検知される。すなわち、磁気スイッチＳＷ１は、位置可変カバー体ＳＣ１が閉状態であるかどうかを検知するためのものである。なお、磁石スイッチＳＷ１ではない他のセンサを用いてこの位置関係を検知してもよい、第２実施形態においては、磁石センサＳＷ１は、位置可変カバー体ＳＣ１の内面に取り付けられた磁石ＳＷ１１と、外側支持体２１２Ｂの外周に取り付けられた磁気センサＳＷ１２とを有する。磁気センサＳＷ１２は、位置可変カバー体ＳＣ１が閉状態である場合に磁石ＳＷ１１に対向する位置に取り付けられている。

　より具体的に説明すると、図１７で示すように、下部スライドカバー２１１Ａの内側の下端には、円筒状の肉厚部２１１７Ａが嵌め入れられており、肉厚部２１１７Ａの上方及びガイド部材２１１４の下方の位置には、磁石ＳＷ１１が固着されている。なお、磁石ＳＷ１１の下面から肉厚部２１１７の上面に亘って補強リブ２１１７が形成されている。図１８で示すように、内側支持体２１２Ａの制御基板２１２３の下部には、磁気センサＳＷ１２が固着されている。磁気センサＳＷ１２は、外側支持体２１２Ｂに形成された貫通孔（図略）から外側に（前方に）突出するようになっている。これによって、位置可変カバー体ＳＣ１（下部スライドカバー２１１Ａ）が閉状態の場合には、磁石ＳＷ１１と磁気センサＳＷ１２とが並んで近接するようになっている。そして、位置可変カバー体ＳＣ１の閉状態が解除された場合には、例えば、回転状態になるように移動させた場合には、磁石ＳＷ１１と磁気センサＳＷ１２とが離間することになる。磁気センサＳＷ１２は、例えば、例えば、ホールセンサやＭＲ（磁気抵抗）センサである。ここで、磁気センサＳＷ１２は制御基板２１２３に搭載されたマイクロコンピュータ２８（第１制御部２８１）に電気的に接続されている。マイクロコンピュータ２８（図２を参照）は、磁石センサＳＷ１２に磁石ＳＷ１１が近接したこと、及び離間したことを検知することで、磁気スイッチＳＷ１を用いて位置可変カバー体ＳＣ１が閉状態であるかどうかを検知することが出来るようになっている。

（位置可変カバー体ＳＣ１の開閉動作及びび位置可変カバー体ＳＣ１の開閉検知方法）
　以下に、図１１から図１８を用いて、位置可変カバー体ＳＣ１の開閉動作及び位置可変カバー体ＳＣ１の開閉検知方法について説明する。図１１で示すように位置可変カバー体ＳＣ１が閉状態である場合には、位置可変カバー体ＳＣ１の内側に設けられているガイド部材２１１４は、外側支持体２１２Ｂのガイド溝２１２５の左端の第１位置Ｐ１に位置する。そして、磁石ＳＷ１１は、図１５で示すように、磁気センサＳＷ１２に近接した位置に存在する。

　そして、ユーザの手等によって位置可変カバー体ＳＣ１を平面視において反時計回りに回転させていくと、ガイド部材２１１４が、貫通孔２１２５Ｂに嵌め入れられた第１付勢力部位２１２４Ｂを乗り越えて、ガイド溝２１２５における周方向（外部支持体２１２Ｂの周方向）に延びる部分の右端に向かって移動していく。ここで、磁石ＳＷ１１は、位置可変カバー体ＳＣ１を反時計回りに回転させるのに伴って反時計回りに回転し、磁気センサＳＷ１２と離間する。位置可変カバー体ＳＣ１が図１２で示すような回転状態になると、ガイド部材２１１４が、ガイド溝２１２５における上記周方向に延びる部分の右端に位置するようになる。その後、位置可変カバー体ＳＣ１をユーザの手等によって下方にスライド移動させていくと、ガイド部材２１１４が、ガイド溝２１２５の上下方向に直線状に延びる部分の下端に向かって移動していく。ガイド部材２１１４が、貫通孔２１２５Ｂに嵌め入れられた第２付勢力部位２１２４Ｃを乗り越えて、ガイド溝２１２５の上下方向に直線状に延びる部分の下端（第２位置Ｐ２）まで移動する。このときに、位置可変カバー体ＳＣ１が図１３で示すような閉状態になる。ここで、磁石ＳＷ１１は、ライドカバーＳＣ１の下方への移動に伴って下方に移動することになる。なお、位置可変カバー体ＳＣ１は、上縁が外部支持体２１２Ｂのリブ２１２８に対向するまで下方にスライド移動することができる。

（第２実施形態に係る電動歯ブラシの機能的構成）
　図２を用いて、電動歯ブラシ２´の機能的構成を説明する。電動歯ブラシ２´の機能的構成は、第１実施形態における電動歯ブラシ２の機能的構成とほぼ同じである。相違点は次のようなものである。第１実施形態においては、マイクロコンピュータ２８（第１制御部２８１）が、操作スイッチ２９の押下によって口臭処理を開始するのに対して、第２実施形態においては、磁石スイッチＳＷ１の状態で口臭処理を開始することが異なっている。より具体的には、位置可変カバー体ＳＣ１が閉状態にあり、磁石ＳＷ１１が磁気センサＳＷ１２に近接した状態（磁石スイッチＳＷ１のオン状態）にあるときに、第１制御部２８１は口臭処理を実行しない。また、磁石スイッチＳＷ１のオン状態のときのみ、操作スイッチ２９´が操作されることで、第１制御部２８１は歯磨き動作を実行することができる。

　また、上述したように、回転状態や開状態等にされて位置可変カバー体ＳＣ１の閉状態が解除されると、磁石ＳＷ１１が磁気センサＳＷ１２から離間した状態（磁石スイッチＳＷ１のオフ状態）になるが、第１制御部２８１は、磁石スイッチＳＷ１のオフ状態を検知した場合に、口臭処理の実行を開始する。これによって、ユーザが位置可変カバー体ＳＣ１を閉状態から回転状態を経て開状態に移動させるといった、一連のセンサユニットＵ１を露出させる動作を行うだけで、口臭処理の実行が開始される。このため、ユーザにとって操作性良く、口臭処理の実行の開始の指示を行うことができる。また、磁石スイッチＳＷ１がオフ状態の場合に、操作スイッチ２９´が操作されて歯磨き動作の実行の指示を受け付けても、第１制御部２８１は歯磨き動作を実行しない。これによって、口臭処理の実行時に誤って、操作スイッチ２９´が操作されてしまい、口臭物質が除去されることを効果的に防止することが出来るようになっている。

（第２実施形態に係る歯周病判定システム１´の処理）
　以下に、第２実施形態に係る歯周病判定システム１´の処理について説明する。歯周病判定システム１´の処理のうち電動歯ブラシ２´の処理のみ、第１実施形態に係る歯周病判定システム１の処理とは異なる。歯周病判定システム１´の処理のうちその他の処理（電動歯ブラシ２´の他の装置の処理）については、第１実施形態に係る歯周病判定システム１の処理と同様であるため、説明を省略する。また、第２実施形態において、電動歯ブラシ２´の処理のうち歯ブラシ側歯周病判定用処理のみが、第１実施形態における歯ブラシ側歯周病判定用処理とは異なる点がある。以下、この異なる点についてのみ、図２１及び図２２を用いて説明する。

　図２１は、第２実施形態における歯ブラシ側歯周病判定用処理の一例を示すフローチャートである。図２２は、第２実施形態における歯ブラシ側歯周病判定用処理における口臭処理の一例を示すフローチャート（その２）である。まず、図２１を参照して、まず、第１制御部２８１は、磁石スイッチＳＷ１がオン状態であるかどうかを判断する（Ｓ３０１）。ここで、磁石スイッチＳＷ１がオン状態の場合には位置可変カバー体ＳＣ１が閉状態であり、磁石スイッチＳＷ１がオフ状態の場合には位置可変カバー体ＳＣ１が閉状態ではない。磁石スイッチＳＷ１がオン状態ではない（オフ状態である）と判断された場合には（Ｓ３０１でＮＯ）、第１制御部２８１は、押下時間カウンタをリセットして（Ｓ３０２）、ステップＳ７に処理を進める。ステップＳ７以降の処理は、図３を用いて説明した第１実施形態における歯ブラシ側歯周病判定用処理と同様である。一方、磁石スイッチＳＷ１がオン状態であると判断された場合には（Ｓ３０１でＹＥＳ）、第１制御部２８１は、操作スイッチ２９´が押下されているかどうかを判断する（Ｓ１）。これによって、第１制御部２８１は、位置可変カバー体ＳＣ１が閉状態にあると磁石スイッチＳＷ１で検知した場合であって操作スイッチ２９´で歯磨き動作の制御の開始の指示を受け付けた場合にのみ、歯磨き動作の制御（ステップＳ１３）を実行可能になる。言い換えれば、位置可変カバー体ＳＣ１が閉状態でないと磁石スイッチＳＷ１で検知した場合には、操作スイッチ２９´で歯磨き動作の制御の開始の指示を受け付けた場合でも、第１制御部２８１は、歯磨き動作の制御を実行しないことになる。

　第１制御部２８１は、操作スイッチ２９´が押下されたと判断された場合には（Ｓ１でＹＥＳ）、第１実施形態と同様に、操作スイッチ２９´の押下時間をカウントして（Ｓ２）、その後、操作スイッチ２９´の押下時間が第２所定時間に到達したかどうかを判断する（Ｓ３）。操作スイッチ２９´の押下時間が第２所定時間に到達したと判断した場合に（Ｓ３でＹＥＳ）、第１制御部２８１は、第１実施形態と同様に、ステップＳ１２に処理を進める。ステップＳ１２以降の処理については、図３を用いて説明した第１実施形態における歯ブラシ側歯周病判定用処理と同様である。一方、操作スイッチ２９´の押下時間が第２所定時間に到達していないと判断した場合に（Ｓ３でＮＯ）、第１制御部２８１は、第１実施形態における歯ブラシ側歯周病判定用処理とは異なり、ステップＳ３０１に処理を戻す。

　また、操作スイッチ２９´が押下されていないと判断された場合には（Ｓ１でＮＯ）、第１実施形態と同様に、第１制御部２８１は操作スイッチ２９´の押下が解除されたか（前回のステップＳ１では操作スイッチ２９´が押下されていると判断されていたか）どうかを判断する（Ｓ４）。ここで、第１制御部２８１は、操作スイッチ２９´の押下が解除されていない（操作スイッチ２９´が押下されていない状態が続いている）と判断した場合に（Ｓ４でＮＯ）、処理をステップＳ１ではなくステップＳ３０１に戻す点が第１実施形態と異なっている。また、第１制御部２８１は、操作スイッチ２９´の押下が解除されたと判断した場合に（Ｓ４でＹＥＳ）、第１実施形態のようにステップＳ５を実行せずに、押下時間カウンタをリセットして（Ｓ６）、処理をステップＳ３０１に戻す。

　歯ブラシ側歯周病判定用処理のステップＳ１３の歯磨き動作処理については、第２実施形態においても、図６を用いて説明した第１実施形態における処理と同様の処理を実行する。ステップＳ１１の口臭処理については、図５を用いて説明した第１実施形態における処理とステップＳ２７より後の処理が異なっている。以下、図２２を用いて、第２実施形態における口臭処理のステップＳ２７より後の処理を説明する。第１実施形態と同様に、ステップＳ２７において、第１制御部２８１は、口臭処理開始から所定時間経過したかを判断する。口臭処理開始から所定時間経過したと判断した場合に（Ｓ２７でＹＥＳ）、第１制御部２８１が、口臭処理を終了させる点では第１実施形態と同様である。口臭処理開始から所定時間経過していないと判断した場合に（Ｓ２７でＮＯ）、第１制御部２８１は、磁石スイッチＳＷ１がオン状態かどうかを判断する（Ｓ３０３）。この点が第１実施形態とは異なる。そして、磁石スイッチＳＷ１がオン状態ではないと判断した場合（Ｓ３０３でＮＯ）、第１制御部２８１は、処理をステップＳ２２（図４を参照）に戻す。一方、磁石スイッチＳＷ１がオン状態である判断した場合（Ｓ３０３でＹＥＳ）、第１制御部２８１は、口臭処理を終了させる。上述したように、位置可変カバー体ＳＣ１が閉状態にされることで、磁石スイッチＳＷ１がオン状態になる。従って、位置可変カバー体ＳＣ１を閉状態にすることで、口臭処理を終了させることができる。

〔第３実施形態〕
　以下に、第３実施形態に係る歯周病判定システム１″について説明する。歯周病判定システム１″の構造的な構成については、第２実施形態に係る歯周病判定システム１´と同様である。すなわち、歯周病判定システム１″を構成する電動歯ブラシ２″と情報処理装置３″の構造的な構成については、第２実施形態における電動歯ブラシ２´と情報処理装置３と同様である。第３実施形態に係る歯周病判定システム１″と第２実施形態に係る歯周病判定システム１´との相違点は次のようなものである。第２実施形態においては、電動歯ブラシ２を起動して、歯ブラシ側歯周病判定用処理を実行する都度、電動歯ブラシ２´と情報処理装置３との間でペアリング設定を行う。これに対して、第３実施形態においては、電動歯ブラシ２″と情報処理装置３″との間でペアリング設定を行えば、歯ブラシ側歯周病判定用処理を実行する都度、ペアリング設定を行う必要がなく、電動歯ブラシ２″と情報処理装置３″との間で接続及び通信を行うことができる。

　なお、第３実施形態においては、電動歯ブラシ２″と情報処理装置３″との間で、例えば、Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈ（登録商標）等の所定の無線通信規格を用いて通信を行う。第３実施形態において、「ペアリング設定」とは、電動歯ブラシ２″と情報処理装置３″との間で近距離無線通信を行うための諸設定である。例えば、「ペアリング設定」とは、電動歯ブラシ２″と情報処理装置３″とがアクセス情報（例えば、ＭＡＣアドレス等）を交換して登録したり、鍵交換を行って交換した鍵を保存したりすること等によって、電動歯ブラシ２″と情報処理装置３″とが通信出来る状態にするという意味である。「ペアリング処理」とは、「ペアリング設定」をするための電動歯ブラシ２″の処理又は情報処理装置３″の処理である。「ペアリングモード」とは、情報処理装置３″との間でペアリング設定を行う電動歯ブラシ２″の動作モードである。電動歯ブラシ２″に対して所定の操作を行うことで、電動歯ブラシ２″がペアリングモードに設定される。

（第３実施形態に係る歯周病判定システム１″の処理）
　以下に、第３実施形態に係る歯周病判定システム１″の機能的構成及び処理を、図２、図２３及び図２４を用いて説明する。図２３は、第３実施形態における情報処理装置側歯周病判定用処理の一例を示すフローチャートである。図２４は、第３実施形態における歯ブラシ側歯周病判定用処理の一例を示すフローチャートである。なお、第３実施形態における、情報処理装置側歯周病判定用処理及び歯ブラシ側歯周病判定用処理については、第２実施形態における情報処理装置側歯周病判定用処理及び歯ブラシ側歯周病判定用処理と異なる点についてのみ説明する。説明がない部分については、第２実施形態における情報処理装置側歯周病判定用処理及び歯ブラシ側歯周病判定用処理と同様である。

　まず、図２３を参照して、第３実施形態における情報処理装置側歯周病判定用処理について説明する。ＣＰＵ３５は、初期処理を実行した後に、ユーザからのペアリング操作を受け付けたかどうかを判断する（Ｓ４０１）。ペアリング操作とは、情報処理装置３″に対して、ペアリング対象となる機器（電動歯ブラシ２″）を検索させるための操作である。ペアリング操作は、例えば、初期処理において表示されたユーザインタフェースとなる画面にガイドされて、ユーザに行われる。ユーザからのペアリング操作を受け付けたと判断した場合には（Ｓ４０１でＹＥＳ）、ＣＰＵ３５は、ペアリング対象である電動歯ブラシ２″を検索して、検索された電動歯ブラシ２″との間でペアリング処理を行う（Ｓ４０２）。その後、ＣＰＵ３５は処理をステップＳ１０１に進める。なお、検索される電動歯ブラシ２″は、ペアリングモードに設定されている電動歯ブラシ２″である。情報処理装置３″でステップＳ４０２が実行されているときには、電動歯ブラシ２″でも後述のステップＳ５０２が実行されることで、ペアリング処理が実行される。ここで、ペアリング処理の実行によって、電動歯ブラシ２″との間でペアリング設定が行われることで、ペアリング設定が解除されるまでは、情報処理装置側歯周病判定用処理を実行する都度、自動的にペアリングされている電動歯ブラシ２″との間で通信を行うことができる。これによって、口臭判定の都度、ユーザがペアリング操作を行う等してペアリング処理を行う必要はなくなり、ユーザの操作負担が軽減される。なお、ペアリング設定の解除は、本フローチャートで示してはいないが、ユーザインタフェースとなる画面にガイドされて、解除操作をユーザが行うことで、ペアリング設定を解除することができる。

　一方、ユーザからのペアリング操作を受け付けていないと判断した場合には（Ｓ４０１でＮＯ）、ＣＰＵ３５は、上記ステップＳ４０２を実行することなく、処理をステップＳ１０１に進める。

　また、第３実施形態における情報処理装置側歯周病判定用処理においては、ステップＳ１０５、Ｓ１０６に代えて、ステップＳ４０３、Ｓ４０４が実行される。ステップＳ４０３では、ＣＰＵ３５は、未接続のペアリングされている電動歯ブラシ２″があるかどうかを検索して判断する。未接続のペアリングされている電動歯ブラシ２″があると判断した場合には（Ｓ４０３でＹＥＳ）、ＣＰＵ３５は、当該電動歯ブラシ２″を通信可能に接続するための接続処理を行う（Ｓ４０４）。なお、接続処理においては、電動歯ブラシ２″に対して接続要求が送信される。その後、ＣＰＵ３５は、ステップＳ１０７に処理を進める。一方、未接続のペアリングされている電動歯ブラシ２″がないと判断した場合には（Ｓ４０３でＮＯ）、ＣＰＵ３５は、上記ステップＳ４０４を実行することなく、ステップＳ１０７に処理を進める。ステップＳ１０７以降の処理については、図７を用いて上述した情報処理装置側歯周病判定用処理と同様である。

　次に、図２４を参照して、第３実施形態における歯ブラシ側歯周病判定用処理について説明する。まず、第１制御部２８１は、電動歯ブラシ２″がペアリングモードに設定されたかどうかを判断する（Ｓ５０１）。なお、ユーザが所定の操作を行うことで、電動歯ブラシ２″がペアリングモードに設定され、ステップＳ５０１でＹＥＳと判断される。例えば、所定の操作とは、電動歯ブラシ２″の図略のモード切替ボタンをユーザが押下することである。ペアリングモードが設定されたと判断した場合には（Ｓ５０１でＹＥＳ）、第１制御部２８１は、情報処理装置３″との間でペアリング処理を行う（Ｓ５０２）。これによって、電動歯ブラシ２″は、情報処理装置３″とペアリング設定される。その後、第１制御部２８１は、処理をステップＳ３０１に進める。ペアリングモードが設定されていないと判断した場合には（Ｓ５０１でＮＯ）、第１制御部２８１は、上記ステップＳ５０２を実行することなく、処理をステップＳ３０１に進める。

　また、第３実施形態における歯ブラシ側歯周病判定用処理においては、図２０のステップＳ７、Ｓ８に代えて、ステップＳ５０３、Ｓ５０４が実行される。ステップＳ５０３では、第１制御部２８１は、情報処理装置３″から接続要求を受信したかどうかを判断する（Ｓ５０３）。なお、接続要求は、図２３のステップＳ４０４において送信される。情報処理装置３″から接続要求を受信したと判断した場合には（Ｓ５０３でＹＥＳ）、第１制御部２８１は、接続要求の送信元の情報処理装置３″と通信可能に接続するための接続処理を実行する（Ｓ５０４）。その後、第１制御部２８１は、処理をステップＳ９に進める。一方、情報処理装置３″から接続要求を受信していないと判断した場合には（Ｓ５０３でＮＯ）、第１制御部２８１は、上記ステップＳ５０４を実行することなく、処理をステップＳ９に進める。ステップＳ９以降の処理については、図２１を用いて上述した歯ブラシ側歯周病判定用処理と同様である。

　上述した第３実施形態に係る歯周病判定システム１″では、第２実施形態に係る歯周病判定システム１´と同様の作用効果を奏する。更に、ペアリング設定が継続されている限りは、歯ブラシ側歯周病判定用処理を行う都度、電動歯ブラシ２″と情報処理装置３″との間でペアリング設定を行わなくても、自動的に通信可能に接続されるため、ユーザの操作性が良くなる。

　なお、第３実施形態に係る歯周病判定システム１″の構造的な構成については、第２実施形態に係る歯周病判定システム１´と同様であるが、第１実施形態に係る歯周病判定システム１と同様であってもよい。この場合においては、情報処理装置側歯周病判定用処理は、図２３を用いて上述した処理が実行されてもよい。また、この場合において、歯ブラシ側歯周病判定用処理については、図２４を用いて上述したステップＳ５０１、Ｓ５０２が、図３のステップＳ１の前実行されればよい。また、図３のステップＳ７、ステップＳ８に代えて、図２４を用いて上述したステップＳ５０３、Ｓ５０４が実行されればよい。

（変形例）
　以下に第１から第３実施形態に係る歯周病判定システム１、１´、１″、電動歯ブラシ２、２´、２″、及び歯周病判定用コンピュータプログラムの変形例を説明する。

（１）第１から第３実施形態では、電動歯ブラシ２、２´、２″、及び情報処理装置３、３″の双方で歯周病判定を行い報知しているが、電動歯ブラシ２、２´、２″のみが歯周病判定をしても、情報処理装置３、３″のみが歯周病判定をしてもよい。電動歯ブラシ２、２´、２″のみで歯周病判定を行う場合には、電動歯ブラシ２、２´、２″（第１通信部２５）は、口臭処理において、口臭情報Ｄ２及び補助情報Ｄ３を情報処理装置３に対して送信せず、臭いセンサ２４の検知結果及びセンサ部２７の検知結果に基づく歯周病判定結果（口腔内の状態に関する判定結果）のみを情報処理装置３に対して送信すればよい。情報処理装置３、３″では、通信部３３が歯周病判定結果を受信し、報知部３４が受信した判定結果を報知（表示）する。言い換えれば、ＣＰＵ３５は、歯周病判定用コンピュータプログラムＰを実行することで、電動歯ブラシ２、２´、２″（口腔ケア具）からの歯周病判定結果（口腔内の状態に関する判定結果）を通信部３３に受信させる受信手段３５１と、電動歯ブラシ２、２´、２″（口腔ケア具）から受信した歯周病判定結果（口腔状態判定結果）を報知部３４に報知させるための歯周病結果報知手段３５２と、して機能する。

（２）第１から第３実施形態では、電動歯ブラシ２、２´、２″及び情報処理装置３、３″は、口臭情報Ｄ２に加えて補助情報Ｄ３に基づいて、歯周病判定を行っているが、口臭情報Ｄ２のみに基づいて（補助情報を用いずに）歯周病判定を行ってもよい。また、情報処理装置３では、標準モードと特殊判定モードとの間でモード切り替えができ、第１精密判定モードや第２精密判定モードを追加設定することができるようになっているが、モード設定の切り替え等ができず、これらのモードのうち何れかの歯周病判定方法でのみ歯周病判定ができる構成であってもよい。

（３）第１から第３実施形態では、本発明の「口腔内の状態に関する判定」の一例として「歯周病に関する判定（歯周病判定）」を行っているが、ユーザの口臭に基づいて他者に与えるユーザの口腔の好感度の判定や、虫歯のなり易さ等、歯周病以外の口腔内の状態の判定を行ってもよい。また、「歯周病判定」として本実施形態では、ユーザが歯周病であるか否かの可能性を判定しているが、それ以外の歯周病に関する判定を行ってもよい。例えば、歯周病であるか否かを断定的に判定してもよく、ユーザの歯周病へのなり易さ（将来歯周病になるリスクの高さ）の判定等であってもよい。

（４）第１から第３実施形態では、電動歯ブラシ２、２´、２″に臭いセンサ２４を搭載しているが、他の口腔ケア具に臭いセンサ２４等の図２で示した電動歯ブラシ２、２´、２″の構成（ブラシ部２２、駆動部２３を除く）を搭載して、電動歯ブラシ２の代わりに用いてもよい。

（５）第１から第３実施形態に係る歯周病判定システム１、１´、１″は、上述したように電動歯ブラシ２、２´、２″と情報処理装置３、３″に加えて、インターネット等の広域ネットワークＮを介して情報処理装置３に接続された歯科医端末４とサーバ５とを有するが、歯科医端末４とサーバ５を有しなくてもよい。

（６）第１から第３実施形態では、口腔ケア具の一例である電動歯ブラシ２、２´、２″は情報処理装置３、３″と通信できるようになっているが、通信できなくてもよい（しなくてもよい）。この場合に、電動歯ブラシ２（口腔ケア具）は、通信部２５を備えなくてもよいが、ユーザの呼気に含まれる臭いを検知するための臭いセンサ２４と、臭いセンサの検知結果に基づいて歯周病判定（口腔内の状態に関する判定）を行う第１制御部２８１と、第１制御部２８１による歯周病判定結果（口腔内の状態に関する判定結果）を報知するためのライト部２６（第１報知部）と、を備える必要がある。

（７）第２、第３実施形態では、支持体２１２の外周にガイド溝２１２５が形成され、位置可変カバー体ＳＣ１の内面に、ガイド部材２１１４が形成されているが、支持体２１２の外周にガイド部材が形成され、前記位置可変カバー体の内面にガイド溝が形成されていてもよい。支持体２１２の外周及び位置可変カバー体ＳＣ１の内面の何れか一方に、ガイド溝が設けられ、支持体２１２の外周及び位置可変カバー体ＳＣ１の内面の何れか他方に、ガイド溝に嵌り込むガイド部材が形成され、ガイド部材がガイド溝を沿って移動することで、位置可変カバー体の位置の変更がガイドされる構成であればよい。

（８）また、第２、第３実施形態では、位置可変カバー体ＳＣ１が閉状態であるかどうかを検知するための位置検知部として、磁石ＳＷ１１と磁気センサＳＷ１２とからなる磁石スイッチ部ＳＷ１であるが、メカ的なスイッチや電気的なスイッチや光学的なスイッチ等の他のスイッチを位置検知部として用いてもよい。

（９）第２、第３実施形態では、操作スイッチ２９´は、機械式のボタンスイッチであるが、レバー等の他の機械式スイッチであってもよい。また、操作スイッチ２９として、タッチパネル等の操作子を用いてもよく、ユーザの操作を受けつけ可能であればいかなる操作子を用いてもよい。

（１０）第１から第３実施形態における情報処理装置側歯周病判定用処理では、ステップＳ１０７において、ＣＰＵ３５は、ユーザから口臭情報送信要求指示を操作部３１で受け付けたかどうかを判断するが、この判断を行わずに、未受信の口臭情報等がある場合には、自動的に口臭情報送信要求を送信してもよい。具体的には、ステップＳ１０７を実行せず、ステップＳ１０８で、ＣＰＵ３５は、電動歯ブラシ２、２´、２″に対して未受信の口臭情報送信を送信させる口臭情報送信要求を送信すればよい。歯周病判定処理において、この口臭情報送信要求を受信した電動歯ブラシ２、２´、２″は、ステップＳ１０において、未送信の口臭情報等を電動歯ブラシ２、２´、２″に対して送信すればよい。

１、１´、１″　　　　　　歯周病判定システム（口腔状態判定システム）
２、２´、２″　　　　　　電動歯ブラシ（口腔ケア具、補助情報送信情報処理装置）
２１、２１´　　　　　　　筐体
２１１　　　　　　　　　　カバー
２１１Ａ　　　　　　　　　下部スライドカバー（位置可変カバー体の一部）
２１１Ｃ　　　　　　　　　底部スライドカバー（位置可変カバー体の一部）
ＳＣ１　　　　　　　　　　位置可変カバー体
２１１４　　　　　　　　　ガイド部材
２１２　　　　　　　　　　支持体
２１２Ａ　　　　　　　　　内側支持体
２１２Ｂ　　　　　　　　　外側支持体
２１２５　　　　　　　　　ガイド溝
２１２５Ａ、２１２５Ｂ　　貫通孔
ＳＷ１　　　　　　　　　　磁石スイッチ部（磁石スイッチ）
ＳＷ１１　　　　　　　　　磁石
ＳＷ１２　　　　　　　　　磁気センサ
２２、２２´　　　　　　　ブラシ部
２３　　　　　　　　　　　駆動部
２４　　　　　　　　　　　臭いセンサ
２５　　　　　　　　　　　通信部
２６、２６´　　　　　　　ライト部（第１報知部）
２７　　　　　　　　　　　センサ部
２８１　　　　　　　　　　第１制御部
２９、２９´　　　　　　　操作スイッチ（操作子）
３、３″　　　　　　　　　情報処理装置
３２　　　　　　　　　　　記憶部
３３　　　　　　　　　　　通信部（第２通信部）
３４　　　　　　　　　　　報知部（第２報知部）
３５１　　　　　　　　　　受信手段
３５２　　　　　　　　　　歯周病結果報知手段（口腔状態報知手段）
３５３　　　　　　　　　　補助情報取得手段
３５４　　　　　　　　　　蓄積手段
４　　　　　　　　　　　　歯科医端末（補助情報送信情報処理装置）
５　　　　　　　　　　　　サーバ（補助情報送信情報処理装置）
Ｄ２　　　　　　　　　　　口臭情報
Ｄ３　　　　　　　　　　　補助情報
Ｐ　　　　　　　　　　　　歯周病判定用コンピュータプログラム（口腔状態判定用コンピュータプログラム）

Claims

　ユーザの呼気に含まれる臭いを検知するための臭いセンサと、当該臭いセンサで検知された臭いのレベルを示す口臭情報を取得する、又は前記臭いセンサの検知結果に基づいて口腔内の状態に関する判定を行う、口臭処理を実行する第１制御部と、前記口臭情報又は前記口腔内の状態に関する判定結果を送信するための第１通信部とを備えた口腔ケア具と、
　前記第１通信部から送信された前記口臭情報又は前記口腔内の状態に関する判定結果を受信する第２通信部と、第２報知部と、前記受信した口臭情報に基づいて口腔内の状態に関する判定を行って当該判定結果を前記第２報知部に報知させる処理、又は、前記受信した口腔内の状態に関する判定結果を前記第２報知部に報知させる処理を実行する第２制御部と、を備えた情報処理装置と、
を備えた口腔状態判定システム。
　ユーザの呼気に含まれる臭いを検知するための臭いセンサと、
　当該臭いセンサで検知された臭いに基づいて口臭情報を取得する、又は前記臭いセンサの検知結果に基づいて口腔内の状態に関する判定を行う、口臭処理を実行する第１制御部と、
　前記口臭情報に基づく口腔内の状態に関する判定結果又は前記第１制御部による前記口腔内の状態に関する判定結果を報知するための他の情報処理装置に対して、前記口臭情報又は前記口腔内の状態に関する判定結果を送信するための第１通信部と、
を備えた口腔ケア具。
　歯磨き動作によって歯を磨くためのブラシ部を備えた電動歯ブラシであって、
　前記第１制御部は、前記ブラシ部の前記歯磨き動作を制御し、
　前記口臭処理の実行の開始を前記第１制御部に対して指示する第１指示をユーザから受け付けるとともに、前記ブラシ部の前記歯磨き動作の制御の開始を前記第１制御部に対して指示する第２指示をユーザから受け付ける操作子を更に備え、
　前記第１指示は、前記操作子が第１所定時間以上かつ前記第２所定時間未満の時間操作された上で、操作解除を行うことで受け付けられ、第２指示は、前記操作子が前記第２所定時間に到達するまで操作されることで受け付けられる、
ことを特徴とする請求項２に記載の口腔ケア具。
　前記操作子は、前記第１制御部が前記口臭処理を実行している場合に、当該口臭処理の実行を終了させるとともに当該終了直後に前記歯磨き動作を行わせないよう前記第１制御部に対して指示する第３指示と、前記口臭処理の実行を終了させるとともに当該終了直後に前記歯磨き動作を実行するよう第１制御部に対して指示する前記第４指示を受け付け、
　前記第３指示は、前記操作子が前記第３所定時間以上かつ前記第４所定時間未満の時間操作された上で、操作解除を行うことで受け付けられ、前記第４指示は、前記操作子が前記第４所定時間に到達するまで操作されることで受け付けられる、
ことを特徴とする請求項３に記載の口腔ケア具。
　第２通信部及び第２報知部を備えた情報処理装置のコンピュータを、
　ユーザの呼気に含まれる臭いを検知するための臭いセンサと、当該臭いセンサで検知された臭いに基づいて口臭情報を取得する、又は前記臭いセンサの検知結果に基づいて口腔内の状態に関する判定を行う、口臭処理を実行する第１制御部を備えた口腔ケア具から、前記口臭情報又は前記口腔内の状態に関する判定結果を前記第２通信部に受信させる受信手段と、
　前記受信した口臭情報に基づいて口腔内の状態に関する判定を行って当該判定結果を前記第２報知部に報知させる処理、又は、前記受信した口腔内の状態に関する判定結果を前記第２報知部に報知させる処理を実行する口腔状態報知手段と、
して機能させることを特徴とする口腔状態判定用コンピュータプログラム。
　前記口腔状態報知手段は、所定期間において取得された複数の前記口臭情報に基づいて、前記口腔内の状態に関する判定を行う、
ことを特徴とする請求項５に記載の口腔状態判定用コンピュータプログラム。
　前記口腔状態報知手段は、前記複数の口臭情報の示す値に対してそれぞれ係数を乗算又は任意の値を加算し、これらの乗算又は加算した値に基づいて、前記口腔内の状態に関する判定を行う、
ことを特徴とする請求項６に記載の口腔状態判定用コンピュータプログラム。
　前記口腔状態報知手段による前記口腔内の状態に関する判定結果を前記情報処理装置の記憶部に蓄積させる蓄積手段として、前記コンピュータを更に機能させ、
　前記口腔状態報知手段は、前記蓄積された前記判定結果に基づいて、前記判定結果の時間の経過にともなう変化を、前記第２報知部を用いて報知する、
ことを特徴とする請求項５から７の何れかに記載の口腔状態判定用コンピュータプログラム。
　気圧、温度、湿度、ユーザの口腔撮影画像、ユーザの口腔レントゲン画像、ユーザのブリーディングオンプロービング情報、ユーザのプラークコントロールレコード情報、ユーザの歯周組織検査情報、及びユーザの身体情報のうちの少なくとも何れか一つである補助情報を取得する補助情報取得手段として、前記コンピュータを更に機能させ、
　前記口腔状態報知手段は、前記補助情報と前記口臭情報とに基づいて、前記口腔内の状態に関する判定を行う、
ことを特徴とする請求項５から８の何れかに記載の口腔状態判定用コンピュータプログラム。
　前記補助情報取得手段は、歯科医院で管理する歯科医端末、サーバ及び口腔ケア具のうちの少なくとも何れか一つである補助情報送信情報処理装置から前記補助情報を取得する、ことを特徴とする請求項９に記載の口腔状態判定用コンピュータプログラム。
　前記補助情報取得手段は、前記情報処理装置に対してユーザが入力した情報及び／又は前記情報処理装置に搭載されたセンサで取得した情報に基づいて補助情報を取得することを特徴とする請求項９又は１０に記載の口腔状態判定用コンピュータプログラム。
　前記臭いセンサの他に、温度センサ、湿度センサ及び気圧センサのうち少なくとも何れか一つを備えたセンサ部を有し、
　前記第１制御部は、前記センサ部の検知結果に基づいて補助情報を取得する、又は、前記臭いセンサの検知結果及び前記センサ部の検知結果に基づいて前記口腔内の状態に関する判定を行い、
　前記第１通信部は、前記口臭情報と前記補助情報を前記情報処理装置に対して送信する、又は、前記臭いセンサの検知結果及び前記センサの検知結果に基づく口腔内の状態に関する判定結果を前記情報処理装置に対して送信する、
ことを特徴とする請求項２から４の何れかに記載の口腔ケア具。
　ユーザの呼気に含まれる臭いを検知するための臭いセンサと、
　前記臭いセンサの検知結果に基づいて口腔内の状態に関する判定を行う第１制御部と、
　前記第１制御部による口腔内の状態に関する判定結果を報知するための第１報知部と、
を備えた、ことを特徴とする口腔ケア具。
　長尺の筐体の上部に、歯磨き動作によって歯を磨くためのブラシ部が取り付けられ、電動歯ブラシであって、
　前記筐体は、前記臭いセンサが取り付けられた支持体と、この支持体を覆うカバーとを備え、
　前記カバーは、前記支持体に対する相対的な位置関係の変更によって、前記臭いセンサを覆う閉状態と、前記臭いセンサを覆わない開状態にすることが出来る位置可変カバー体を備えた、
ことを特徴とする請求項２に記載の口腔ケア具。
　前記位置可変カバー体が閉状態であるかどうかを検知するための位置検知部を備え、
　前記第１制御部は、前記位置可変カバー体が閉状態でないと前記位置検知部で検知した場合に、前記口臭処理を実行する、
ことを特徴とする請求項１４に記載の口腔ケア具。
　前記第１制御部に対する前記ブラシ部の歯磨き動作の制御の開始の指示をユーザから受け付ける操作子を更に備え、
　前記第１制御部は、前記位置可変カバー体が前記閉状態にあると前記位置検知部で検知した場合であって、前記操作子で前記歯磨き動作の制御の開始の指示を受け付けた場合に、前記歯磨き動作の制御を実行し、前記位置可変カバー体が前記閉状態でないと位置検知部で検知した場合であって、前記操作子で前記歯磨き動作の制御の開始の指示を受け付けた場合には、前記歯磨き動作の制御を実行しない、
ことを特徴とする請求項１５に記載の口腔ケア具。
　前記位置検知部は、前記位置可変カバー体の内面に取り付けられた磁石と、前記支持体の外周における、前記位置可変カバー体が閉状態である場合に前記磁石に対向する位置に取り付けられた磁気センサとを有する磁石スイッチであり、
　前記磁気センサと前記磁石との位置関係に基づいて、前記位置可変カバー体が閉状態であるかどうかが検知される、
ことを特徴とする請求項１５又は１６に記載の口腔ケア具。
　前記支持体の外周及び前記位置可変カバー体の内面の何れか一方に、ガイド溝が設けられ、前記支持体の外周及び前記位置可変カバー体の内面の何れか他方に、前記ガイド溝に嵌り込むガイド部材が形成され、
　前記ガイド部材が前記ガイド溝を沿って移動することで、前記位置可変カバー体の位置の変更がガイドされる、
ことを特徴とする請求項１４から１７の何れかに記載の口腔ケア具。
　前記支持体又は前記位置可変カバー体は略筒状部位を有し、前記ガイド溝は、前記筒状部位においてその周方向に伸びる第１部位と、この第１部位の一端から前記筒状部位の軸方向に屈曲して伸びる第２部位と、を有する、
ことを特徴とする請求項１８に記載の口腔ケア具。
　前記ガイド部材は、前記ガイド溝における第１位置と第２位置との間で移動し、前記位置可変カバー体が閉状態にある場合に前記第１位置にあり、前記位置可変カバー体が開状態にある場合に前記第２位置にあり、
　前記ガイド溝における前記第１位置に隣接する位置と前記第２位置に隣接する位置に夫々貫通孔が形成され、前記夫々の貫通孔には、ガイド部材の方向に向けて突出するように付勢体が嵌め入れられている、
ことを特徴とする請求項１８又は１９に記載の口腔ケア具。