JP6764719B2 - ブタジエンの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ブタジエンを製造する方法に関する。
1,3−ブタジエン(以下、単に「ブタジエン」とも言う)を工業的に製造する方法としては、ナフサクラッキングにより得られたBBP(主として炭素数3から5の炭化水素の混合物)を溶剤に抽出し、ブタン、ブテン、アセチレン類、高沸成分及び低沸成分などを選択的に除去する方法が採用されている。
ブタジエンの製造方法には、ナフサクラッキングの他に、ブテンから接触酸化脱水素反応によりブタジエンを製造する方法も知られている。この方法の場合、目的物のブタジエン以外に有機酸、アルデヒド、ケトン、フランといった含酸素化合物が生成する。これらの副生成物のうち、ブタジエンと副生成物との沸点差が大きく、且つ共沸点を持たない化合物は、蒸留による除去が可能となる。しかし、副生成物の一つであるアセトアルデヒドは、ブタジエンとの沸点差が小さいことに加え、共沸点を持つために、蒸留では共沸組成までしか除去できない。また、メタクロレインは、ブタジエンとの反応性が高いために蒸留塔の加熱部などでブタジエンと反応してブタジエンを損失してしまう。
特許文献1には、炭素原子数4以上のモノオレフィンを含む原料ガスと分子状酸素含有ガスとを、反応器に供給し、触媒の存在下、酸化脱水素反応により対応する共役ジエンを含む生成ガスを得る反応工程を有する共役ジエンの製造方法において、該生成ガスのアセチレン系炭化水素濃度が0.016体積%以下である製造方法が記載されている。当該方法においては、冷却水を用いて生成ガスを冷却する方法が記載されている。
特許文献2には、流動層反応器内で、触媒にn−ブテンを接触させて生成したブタジエンを含む反応ガスを急冷する工程を有し、2区画以上の急冷塔を使用し、前記急冷塔の循環液がIA族、IIA族及びアンモニアから選ばれる少なくとも1種類を含むブタジエンの製造方法が記載されている。
特許文献3には、炭素数4以上のモノオレフィンを含む炭化水素と酸素とを供給して共役ジオレフィンを含む反応生成ガスを生成させる工程と、前記反応生成ガスを急冷塔に送入し、急冷剤によって洗浄する工程とを含み、前記急冷剤として有機アミン水溶液を用いる、共役ジオレフィンの製造方法が記載されている。
特開2010−90082号公報 特開2012−67048号公報 国際公開第2012/157495号パンフレット
特許文献1では、冷却工程において反応生成ガスを冷却水により洗浄する方法が記載されている。しかし、冷却水では、反応により副生するアルデヒド類、カルボン酸類の除去能力が低く、後工程に飛散した副生成物が配管を閉塞させる可能性がある。
特許文献2では、急冷塔の循環液にIA族、IIA族及びアンモニアから選ばれる少なくとも1種類を使用する方法が記載されている。しかし、前記循環液は、カルボン酸類を除去することができるが、アルデヒド類の除去能力が低く、後工程に飛散したアルデヒド類がブタジエンと反応しブタジエンの生産効率を低下させる。特にメタクロレインは、ブタジエンと反応しやすく、急冷塔で除去することが好ましい。
特許文献3では、冷却剤として有機アミン水溶液を用いる方法を記載している。後述する比較例で示されるように、特許文献3の実施例で使用されているモノエタノールアミン水溶液は、アセトアルデヒド及びメタクロレインの除去能力は高い。しかしながら、モノエタノールアミン水溶液は、その他のアルデヒド、ケトン、及びカルボン酸とも反応するため、消費量が多い。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、アセトアルデヒド及びメタクロレインの含有量が少ないブタジエンを、急冷剤の消費量を抑制して製造できる方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、アセトアルデヒドとメタクロレインとを選択的に除去可能な急冷剤によって除去し、蒸留によって他の副生成物を除去することで、アセトアルデヒドとメタクロレインとの含有量が少ないブタジエンを該急冷剤の消費量を抑制して製造する方法を着想した。検討を重ねた結果、急冷剤としてアミドと水と酸性溶剤とを含むアミド水溶液を使用することで上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1]
n−ブテンを含む原料ガスと酸素含有ガスとを反応器内で触媒と接触させて、ブタジエンを含む反応生成ガスを生成させる反応工程と、前記反応生成ガスを急冷塔内で、急冷剤によって洗浄する急冷工程とを含み、前記急冷剤としてアミドと水と酸性溶剤とを含むアミド水溶液を用いる、ブタジエンの製造方法。
[2]
前記アミド水溶液のpHを0.1〜6.0に制御する、[1]に記載のブタジエンの製造方法。
[3]
前記アミドが、尿素、ホルムアミド、アセトアミド、エチルアミド及びアクリルアミドからなる群から選択されるいずれか1種類以上である、[1]又は[2]に記載のブタジエンの製造方法。
本発明により、副生成物であるアセトアルデヒド及びメタクロレインを選択的に除去することで急冷剤の消費量を抑制し、高純度のブタジエンを得ることができる。
図1は、本実施形態のブタジエンの製造方法に使用される急冷塔の一例を示す図である。 図2は、本実施形態のブタジエンの製造方法に使用される急冷塔の一例を示す図である。 図3は、本実施形態のブタジエンの製造方法に使用される急冷塔の一例を示す図である。 図4は、本実施形態のブタジエンの製造方法に使用される急冷塔の一例を示す図である。 図5は、本実施形態のブタジエンの製造装置の一例を概略的に示す図である。 図6は、本実施形態のブタジエンの製造装置の別の例を概略的に示す図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」と言う。)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
[1]ブタジエンの製造方法
本実施形態のブタジエンの製造方法は、n−ブテンを含む原料ガスと酸素含有ガスとを反応器内で触媒と接触させて、ブタジエンを含む反応生成ガスを生成させる反応工程と、前記反応生成ガスを急冷塔内で、急冷剤によって洗浄する急冷工程とを含み、前記急冷剤としてアミドと水と酸性溶剤とを含むアミド水溶液を用いる、ブタジエンの製造方法である。
(1)原料ガス及び酸素含有ガス
本実施形態において、原料ガスは、炭素数4のモノオレフィンであるn−ブテンを含むガスをいう。本実施形態に用いる原料ガスにおいて、n−ブテンの濃度は40重量%以上が好ましく、50重量%以上がより好ましく、60重量%以上がさらに好ましい。具体的なn−ブテンは、1−ブテン、2−ブテンが該当する。n−ブテン中の1−ブテンと2−ブテンとの比率には特に制限が無く、1−ブテンは0〜100重量%、2−ブテンは100〜0重量%の範囲で任意に用いることができる。また、2−ブテンにはトランス体とシス体があるが、これらの比率もそれぞれトランス体が100〜0重量%、シス体が0〜100重量%の範囲で任意に用いることができる。
この原料ガスは、i−ブテンを含んでいてもよく、i−ブテンはn−ブテンに対して好ましくは10重量%以下、より好ましくは6重量%以下、更に好ましくは3重量%以下である。また、この原料ガスはn−ブタン、及びi−ブタンのほかに、炭素数が3以下の炭化水素、炭素数が5以上の炭化水素を含んでいてもよい。
この原料ガスは、例えば、ナフサ熱分解で副生するC4留分からブタジエンを抽出した残留成分や重油留分の流動接触分解(FCC)で副生するC4留分、エチレン又はエタノ−ルの接触転化反応で副生するC4留分などからi−ブテンをt−ブチルアルコール(以下「TBA」とも記す)、メチル−tert−ブチルエーテル(以下「MTBE」とも記す)、エチル−tert−ブチルエーテル(以下「ETBE」とも記す)、2量化反応による炭素数8の化合物とする方法により分離することで得ることができる。
原料ガスは必ずしも高純度である必要はなく、任意の混合物や工業グレードを使用することができる。例えば、ナフサ熱分解で副生するC4留分からブタジエンを抽出した成分(以下「BBS」とも記す)及び、BBSから更にイソブテンを分離した残留成分(以下「BBSS」とも記す)、重油留分の流動接触分解(以下「FCC」とも記す)で副生するC4留分、及びそれから更にイソブテンを分離した残留成分、n−ブタンの脱水素反応又は酸化脱水素反応により得られるC4成分、エチレンを二量化して得られるn−ブテン、並びにエチレン又はエタノ−ルの接触転化反応により得られるC4成分、及びそれから更にイソブテンを分離した残留成分を使用することができる。
イソブテンは、水和反応でTBA、アルコールと反応させてMTBEやETBE、n−ブテンへの骨格異性化、選択的吸着、二量化などによって分離することができる。エチレンは、ナフサ熱分解、エタン熱分解、エタノールの脱水反応によって得られるものを使用することができ、エタノールとして工業用エタノール、バイオマスエタノールを使用することができる。バイオマスエタノールとは植物資源から得られるエタノールであり、具体的には、特に限定されないが、例えば、サトウキビやトウモロコシ等の発酵により得られるエタノールや廃材、間伐材、稲わら、農作物等の木質資源から得られるエタノールが挙げられる。
原料ガス中のn−ブテン濃度は、ブタジエンの生産性の観点で、例えば、原料ガスと酸素含有ガスとの合計100体積%に対して2体積%以上が好ましく、触媒への負荷を抑える観点で30体積%以下が好ましい。より好ましくは、3〜25体積%である。原料ガス中のn−ブテン濃度が高いと反応生成物の蓄積やコークの析出が増し、触媒の劣化による触媒寿命が短くなる傾向にある。
酸素含有ガスは、酸素を含むガスをいう。通常、空気を用いるが、酸素を空気と混合するなどして酸素濃度を高めたガス、又は空気とヘリウム、窒素などの不活性ガスとを混合するなどして酸素濃度を低めたガスを用いることもできる。
n−ブテンを含む原料ガスと酸素含有ガスとは、上記に記載された成分以外に、パラフィン、水、スチーム、水素、窒素、二酸化炭素、一酸化炭素等を含んでいてもよい。パラフィンの例として、特に限定されないが、例えば、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナンを挙げることができる。また、反応生成ガスから目的生成物であるブタジエンを分離した後、未反応ブテンの少なくとも一部を、流動層反応器にリサイクルすることもできる。
(2)反応器
n−ブテンの接触酸化脱水素反応によるブタジエンの製造には、例えば、流動層反応器、固定層反応器、移動床反応器を採用することができる。触媒の抜出や追添が容易なことから流動層反応器が好ましい。
流動層反応器は、反応器とその中に設けられるガス分散器、流動状態を良好に維持するための内挿物及びサイクロンとをその主要構成要素として有し、予め反応器内に収容した触媒を気流によって流動させつつ、原料であるガスと接触させる構造を有する反応器である。流動床ハンドブック(株式会社培風館刊、1999年)等に記載の流動層反応器であれば使用可能であるが、特に気泡流動層方式の反応器が適している。発生する反応熱の除熱は反応器に内挿した冷却管を用いて行うことができる。
(3)反応工程
n−ブテンを含む原料ガスと酸素含有ガスとが反応器に供される。酸素に対するn−ブテンのモル比は、n−ブテン/酸素で0.4〜2.5とするのが好ましく、より好ましくは0.6〜2.1である。酸素に対するn−ブテンのモル比が2.5以下であると、生成した共役ジオレフィンの分解反応が抑制できる傾向にあり、0.4以上であると、n−ブテンの反応性が向上する傾向にある。
n−ブテンを含む原料ガスと酸素含有ガスとの反応器への導入方法は限定されない。触媒を充填した反応器へ、n−ブテンを含む原料ガスと酸素含有ガスとを予め混合して導入してもよいし、それぞれ独立して導入してもよい。さらに、反応に供するガスは反応器に導入した後に所定の反応温度に昇温することもできるが、連続して効率的に反応させるために、通常は予熱して反応器に導入することが好ましい。
反応温度は300〜420℃とするのが好ましい。反応温度を300℃以上にすることでn−ブテンの転化が起こり易く、420℃以下にすることで生成したブタジエンの燃焼分解を低く維持できる傾向にある。より好ましい反応温度は300〜400℃、特に好ましくは310〜390℃である。n−ブテンからブタジエンへの酸化脱水素反応は発熱反応であるので、通常、好適な反応温度となるように除熱を行う。冷却管による反応熱の除熱や加熱装置による給熱によって、上記の範囲に反応温度を調節することができる。
反応圧力は大気圧〜0.8MPaGとすることが好ましい。反応器に供給するガスと触媒との接触時間は0.5〜20(sec・g/cc)、好ましくは0.6〜10(sec・g/cc)である。該接触時間は、次式で定義される。
(式中、Wは触媒充填量(g)、Fは原料ガスと酸素含有ガスとの合計流量(NL/時間、NTP換算値(0℃、1atmに換算した値))、Tは反応温度(℃)、Pは反応圧力(MPaG)を表す。)
触媒と反応器に供給する原料ガス及び酸素含有ガスとが反応器内で接触することにより、ブタジエンが生成する。生成物の収率及び/又は選択率は、原料、触媒、反応温度等に依存するので、これらの条件は、収率及び/又は選択率が望ましい値になるように適宜設定すればよい。
(4)急冷工程
本実施形態のブタジエンの製造方法は、前記反応生成ガスを急冷塔に送入し、急冷剤によって洗浄する工程(以下「急冷工程」とも記す。)を含む。
急冷工程において、前記急冷剤としてアミドと水と酸性溶剤とを含むアミド水溶液(以下「アミド水溶液」とも記す。)を用いる。第二の急冷剤として、芳香族系有機溶剤をさらに併用することが好ましい。前記第二の急冷剤として芳香族系有機溶剤を併用すると、より高純度のブタジエンを得ることができる。
急冷工程において、例えば、反応生成ガスは急冷塔に塔底から送入され、急冷塔内を上昇する。急冷塔内には例えば、急冷剤であるアミド水溶液が噴霧されているので、反応生成ガスはアミド水溶液に接触して洗浄され、塔頂から流出する。さらに、第二の急冷剤である芳香族系有機溶剤(以下「芳香族溶剤」とも記す。)が噴霧されている場合は、反応生成ガスは芳香族溶剤にも接触して洗浄される。
接触酸化脱水素反応によるブタジエンの製造では、n−ブテンからブタジエンを生成する主反応に加え、例えば、酸化反応であるが故に、カルボン酸、アルデヒド、ケトンといった含酸素化合物などを生成する副反応、生成したブタジエンや副生成物が反応原料となる二次反応が進行する。目的物であるブタジエンとの沸点差が大きく、且つ共沸しない副生成物については蒸留により除去することが好ましい。しかし、アセトアルデヒドは、ブタジエンとの沸点差が小さいことに加え、共沸点を持つために、蒸留では共沸組成までしか除去できない。製品ブタジエンは、重合反応により合成ゴムや樹脂の原料として用いられるが、アセトアルデヒドが存在すると重合反応を阻害するため、接触酸化脱水素反応によるブタジエンの製造の場合、急冷塔出口ガス中のアセトアルデヒドの濃度を0.10重量%以下にすることが好ましく、0.05重量%以下であることがさらに好ましい。また、メタクロレインは、ブタジエンとの沸点差が大きく、蒸留で除去できるが、加熱するとブタジエンと反応し4−メチル−4−フォルミル−1−シクロヘキセンを生成しブタジエンを損失するため、急冷塔で除去することが好ましい。従って、急冷塔出口ガス中のメタクロレインの濃度を0.30重量%以下にすることが好ましく、0.25重量%以下であることがさらに好ましい。アミドは、アルデヒドと選択的に反応する特徴を有する。例えば、反応生成ガス中に酢酸、メタクリル酸、アセトアルデヒド、メタクロレイン、アセトンが含まれている場合、酸成分はアミド水溶液に溶解し、メタクロレイン及びアセトアルデヒドはアミドと反応し反応生成ガスから除去される。アセトンは、後工程に流出するが、ブタジエンとの反応性が低く、後工程の精製工程により除去することができる。このように反応性の高いメタクロレインと蒸留により除去できないアセトアルデヒドとを選択的に除去し、蒸留で除去できる副生成物は蒸留で除去することにより、急冷剤であるアミドの消費量を抑制することができる。
一方、安息香酸、フタル酸、フェノール、ベンゾフェノン、9−フルオレノンなどの高沸点の副生成物は、昇華性があり、急冷塔出口の配管を閉塞させる可能性がある。これらの副生成物を除去するためには、アミド水溶液による急冷に加え、溶解除去という観点から、より副生成物との相溶性に優れた急冷剤を選択することも好ましい態様の一つである。即ち、反応生成ガスの急冷剤としてアミド水溶液に加えて芳香族系有機溶剤を使用することで、安息香酸、フタル酸、フェノール、ベンゾフェノン、9−フルオレノンなどの昇華性を有する高沸点の副生成物を除去する効果が得られる。副生成物の種類や量は、原料の他、触媒や温度、圧力等の反応条件によっても変動し、また最適な急冷剤は副生成物の組成に応じて選択される。したがって、除去すべき成分との相溶性という観点で急冷剤を選択することは、ブタジエンの製造を工業的に実施する上で極めて有用である。
急冷塔は、反応生成ガスに急冷剤を効率よく接触させる観点で、内部に二つ以上の区画を有する多段急冷塔が好ましく、三段以上の区画を有する多段急冷塔がより好ましい。急冷塔内では、各区画において抜出した急冷剤を抜出位置より上部に循環液として噴霧し、反応生成ガスの冷却と副生成物の除去とを行った後、各区画の抜出液となる。一方、急冷塔塔頂から流出するブタジエンを含むガスは次の工程へ送られる。抜出した急冷剤のうちアミド水溶液は、冷却した後に急冷塔に戻して再度噴霧することが好ましい。抜出した急冷剤のうち芳香族溶剤は、芳香族の副生成物の沸点や溶解度、昇華性に応じて、液温を室温〜70℃に調整することが好ましく、アミド水溶液同様、急冷塔に戻して再噴霧することが好ましい。また、後述の精製工程におけるイナートガスの脱気操作の負荷軽減を図るため、急冷塔の出口ガス温度は適切な温度に制御するのが好ましい。この制御のために急冷剤のうちアミド水溶液を再噴霧する前に適切な温度に冷却し、急冷塔の上段に供給するのが有効である。この時、急冷剤の温度は80℃以下に、好ましくは0〜70℃の範囲に制御し、急冷塔の出口ガス温度は70℃以下に、好ましくは5〜60℃の範囲に制御する。急冷塔は、例えば、第一の急冷塔が芳香族溶剤による反応生成ガスの洗浄、第二の急冷塔がアミド水溶液による反応生成ガスの洗浄、のように独立して設けることもできる。
急冷剤の供給量は、急冷剤の種類や温度、除去すべき副生成物の種類や量、急冷塔のサイズや段数等に応じて適宜設定すればよい。抜出した急冷剤を再利用する態様においては、再利用される急冷剤が必要量に対して不足する分だけ新しい急冷剤を追加することによって、必要な供給量にすればよい。
多段急冷塔で各段に異なる急冷剤を使用する場合、急冷剤の組み合わせによっては、抜出液が水相と油相との混合物となるので、抜出液を再度急冷塔に供給するのに先立って、抜出液をデカンタで油水分離するのが好ましい。例えば、急冷剤としてアミド水溶液と芳香族系有機溶剤とを併用する場合、抜出液をデカンタに供給し、油水分離してからアミド水溶液、芳香族系有機溶剤をそれぞれの段に再噴霧するのは好ましい態様である。
急冷剤の噴霧には、スプレーノズルを用いることができ、急冷剤と反応生成ガスとの接触及び反応生成ガスの送入量を考慮し、噴霧量、スプレーノズル数及び配置を適宜決定すればよい。急冷塔内の各区画には空塔、トレイ、充填物を設けることも好ましい実施態様の一つである。
急冷塔に供給される洗浄前のアミド水溶液は、常温で、循環時のpHが0.1〜6.0、好ましくは0.5〜4に制御されるのが好ましい。アミド水溶液をpH6.0以下の酸性条件にすることで、アルデヒドのカルボニル基が活性化され、アミドとの反応速度が上がる。アミド水溶液がpH0.1よりも低くなると急冷塔の表面が腐食されるため、アミド水溶液はpH0.1以上になるように制御する。洗浄後のアミド水溶液を急冷剤として循環使用する場合は、pH計により常にアミド水溶液のpHを監視し、アミド水溶液のpHが上記範囲の上下限に近づいた場合には、アミド水溶液中に追添される酸性溶剤の量でアミド水溶液のpHを制御することが好ましい。pHの制御に用いられる酸性溶剤は、特に限定されないが、酢酸、硝酸、硫酸が好ましい。また、反応器から急冷塔に供給される反応生成ガスには、酢酸、安息香酸、アクリル酸、メタクリル酸などの有機酸が含まれる場合があるため、循環使用されたアミド水溶液は反応由来の酸性溶剤を含む場合がある。従って、当初のアミド水溶液に酸性溶剤を含んでいなくても、急冷剤を循環使用すれば酸性溶剤を含むようになる場合がある。アミド水溶液は、所定濃度に予め調整したものを急冷塔に供給しても、アミド、水、酸性溶剤を急冷塔へ供給する前に混合して供給してもよい。急冷塔内の循環及び反応生成ガスの洗浄に用いる急冷剤としては、アミド水溶液及び芳香族溶剤に加え、水を、急冷塔の各区画独立に用いてもよい。急冷塔の区画液として排出された副生成物を含む廃アミド水溶液及び廃芳香族溶剤は、焼却処理することができる。廃アミド水溶液は、焼却炉の耐火レンガを侵食するアルカリ金属を含まないため、耐火レンガを損傷する恐れがない。
アミド水溶液が含むアミドの例として、−CONH2基を含む化合物であれば限定されないが、尿素、ホルムアミド、アセトアミド、エチルアミド、アクリルアミドなどのアミドが挙げられる。これらのアミドは、1種単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。好ましいアミドは尿素である。アミドのアミノ基とアセトアルデヒド及びメタクロレインが有するカルボニル基とが反応し、イミン誘導体を生成するため、効果的にアセトアルデヒド及びメタクロレインが除かれると推定される。また、アミドの反応性は、有機アミンと比較すると穏やかであるため、ケトンよりも反応性の高いアルデヒドが選択的に除去されると推定される。
アミド水溶液を急冷剤とする場合、アミド水溶液におけるアミド濃度は、アルデヒドなどの除去効率の観点で1〜30重量%が好ましく、3〜20重量%がさらに好ましい。当該アミド濃度を1重量%以上とすることでアルデヒドとの反応速度を十分に速くすることができ、当該アミド濃度を30重量%以下とすることでアルデヒド選択性を高くすることができる。
芳香族溶剤の例として、特に限定されないが、例えば、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、混合キシレン、トルエン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、1,2,3,4,5,6,7,8−デカヒドロナフタリン、クメン、分岐及び直鎖型アルキルベンゼン、プソイドクメンなどが挙げられる。好ましい芳香族溶剤はo−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、混合キシレン及びトルエンであり、特に好ましい芳香族溶剤はo−キシレン、m−キシレン、トルエンである。これらの芳香族溶剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。有機酸である安息香酸は水溶性が低いためか、反応生成ガスに同伴して急冷塔から流出し易く、アミド水溶液を使って急冷しても、後工程の配管設備内に付着し易い成分の一つであるが、芳香族溶剤の洗浄を組み合わせることで、検出されなくなることを本発明者らは実験的に確認している。この理由として、芳香族溶剤と同じ芳香族化合物である安息香酸は、芳香環同士の強いπ−π電子相互作用によって、芳香族溶剤と高い相溶性を有することで、反応生成ガス中から効果的に溶解除去されたことが考えられる。フタル酸、フェノール、ベンゾフェノン、9−フルオレノンなどの芳香族化合物も芳香族溶剤による洗浄を行うことで、反応生成ガス中から除かれるため、安息香酸同様の除去機構が考えられる。
安息香酸、フタル酸、フェノール、ベンゾフェノン、9−フルオレノンなどの芳香族の副生成物の生成量が炭化水素原料中のn−ブテン濃度及び組成、反応条件によって変動すること、更には急冷塔運転条件によって、これらの芳香族溶剤への溶解量も変動するため、急冷塔の各区画抜出液中の安息香酸、フタル酸、フェノール、ベンゾフェノン、9−フルオレノンなどの濃度を規定することは難しい。しかしながら、本発明者らの検討によれば、急冷塔から流出する芳香族の反応副生物の主成分である安息香酸の、各区画から抜き出した芳香族溶剤中濃度が500重量ppm以上であれば、反応生成ガス中から安息香酸、フタル酸、フェノール、ベンゾフェノン、9−フルオレノンなどの芳香族の副生成物は充分に除去されたと判断してよい。
一般に、急冷塔は反応器と圧力調整なしで繋がっており、反応器の圧力とほぼ等しくなる。従って、反応器の圧力を適正化するため、急冷塔の圧力は0.01〜0.4MPaGが好ましく、より好ましくは0.02〜0.3MPaG、更に好ましくは0.03〜0.2MPaGである。
本実施形態のブタジエンの製造方法は、前記急冷塔が上下複数の区画を有することが好ましい。以下、急冷塔が上下複数の区画を有する場合について、図を参照しながら具体的に説明する。
図1は、本実施形態のブタジエンの製造方法に使用される急冷塔2の一例を示す。この急冷塔2は2区画を有する例であり、中段にチムニー21が嵌められてその上下にそれぞれ区画が形成されている。チムニー21の上には充填床22が設けられている。チムニー21の下に設置された噴霧装置23Bと、充填床22の上に設置された噴霧装置23Aとから、それぞれアミド水溶液が急冷剤として噴霧される。
チムニー21は中央部で開口している。該開口部には上に突出した堰が設けられている。図1に示すとおり、噴霧された急冷剤は、チムニー21上に一体となって設置されたトレイに溜まり(以下、急冷塔中に溜まった急冷剤については図示を省略する)、循環路へ流出する。また、噴霧された急冷剤は、塔底にも溜まり、循環路へ流出する。それぞれ流出した急冷剤はポンプ24A、24Bを介して噴霧装置23A、23Bに供給され、循環利用される。充填床22には充填物が収容されている。当該充填床22において、急冷剤とガスとの通過を阻害しながら、両者を効率的に接触させる。充填物の種類は特に限定されず、ラシヒリング、カスケードリング、ポールリング等、公知の充填物を利用できる。充填の仕方も特に限定されず、規則的でもよいし不規則的でもよい。
反応器から流出した反応生成ガスは、急冷塔2に塔底部から導入され、急冷剤と接触しながら塔内を上昇する。そして、図1に示すとおり、一部のガスがチムニー21の隙間を抜け、充填床22を通過して塔頂から流出する(以下、急冷塔中のガスの流れについては図示を省略する)。
図2に示す急冷塔2は、急冷剤の循環路にデカンタが設けられ、2種類の急冷剤を使用している以外、図1に示す例と同じであるので、相違点のみ以下に説明する。噴霧装置23Aからはアミド水溶液が噴霧され、噴霧装置23Bからは芳香族溶剤が噴霧される。チムニー21上に一体となって設置されたトレイ及び塔底に溜まった急冷剤は、循環路を通ってそれぞれデカンタ25A、25Bに流入する。図2に示す急冷塔2では2種類の急冷剤が使用されている。循環路に流入する急冷剤は水相と油相とを含有する。デカンタ25A、25Bで急冷剤の水相と油相とを分離する。噴霧装置23Aには水相のアミド水溶液、噴霧装置23Bには油相の芳香族溶剤がそれぞれ供給されるようにデカンタ出口が設定されている。デカンタ25Aで分離された油相、25Bで分離された水相は廃棄してもリサイクルしてもよい。リサイクルする場合は、25Aで分離された油相は24Bのポンプに供給し、25Bで分離された水相は24Aのポンプに供給することができる。また、油相のみをリサイクルして、水相は廃棄してもよい。
図3に示す急冷塔2は、チムニー及び充填床が2つずつ設けられ、各充填床22A、22Bの上に噴霧装置23A、23Bが設けられ、チムニー21Bの下に噴霧装置23Cが設けられた3区画を有する急冷塔である以外、図1に示す例と同じである。各噴霧装置から供給されたアミド水溶液は、塔内でガスと接触した後、チムニー21A上に一体となって設置されたトレイ、21B上に一体となって設置されたトレイ及び塔底で回収され、循環路を経てそれぞれ噴霧装置23A、23B、23Cに戻される。
図4に示す急冷塔2は、各循環路にデカンタが設けられ、2種類の急冷剤を使用している以外、図3に示す装置と同じである。噴霧装置23A、23Bからはアミド水溶液が供給され、噴霧装置23Cから芳香族溶剤が供給される。各噴霧装置から供給された急冷剤は、チムニー21A上に一体となって設置されたトレイ、21B上に一体となって設置されたトレイ及び塔底で回収された後、各循環路に設けられたデカンタ25A、25B、25Cで油相と水相とに分離される。噴霧装置23A、23Bにはアミド水溶液が供給され、噴霧装置23Cには芳香族溶剤が供給されるようにデカンタ出口が設定されている。
前記急冷塔が上下複数の区画を有し、急冷剤としてアミド水溶液と芳香族溶剤とを併用する場合、前記複数の区画中の最下区画の急冷剤としては芳香族溶剤を用い、前記最下区画より上の区画における急冷剤としては、アミド水溶液を用いることが好ましい。芳香族溶剤を急冷剤とする場合、副生成物を芳香族溶剤への溶解によって除去することになる。そのため、使用後の芳香族溶剤は蒸留等を行えば再利用可能である。その結果、全体的な製造コストが安くなり有利である。一方、アミド水溶液を急冷剤とする場合、副生成物をアミドと反応させることで、その除去が行われる。そのため、芳香族溶剤の場合と異なり、アミド水溶液と副生成物とを分離してアミド水溶液を再利用することは難しい。前記急冷塔が上下複数の区画を有する場合、副生成物の量は、通常反応生成ガスが急冷塔の塔底に導入された時点が最も多く、区画を上へ経る毎に除去されて減少する。したがって、急冷剤としてアミド水溶液と芳香族溶剤とを併用する場合、反応生成ガスと最初に接触する最下区画の急冷剤として、再利用可能な芳香族溶剤を選択することが、急冷剤のコストの観点で有利である。以上のことから、前記急冷塔が上下複数の区画を有し、急冷塔の塔底側から反応生成ガスを導入する一般的な急冷塔の形態の場合、最下段の急冷剤として芳香族溶剤を使用し、比較的多く含まれる副生成物を溶解させることによって除去した後、残りの副生成物をアミド水溶液と反応させて除去するのは、コスト的に好ましい態様である。なお、図4に示す急冷塔2において、デカンタ25A、25Bの入口を変更すれば、噴霧装置23A、23Bのいずれかから芳香族溶剤を噴霧することもできる。
なお、図1〜4においては、アミド水溶液等の急冷剤の補給管及び排出管、並びに噴霧装置の手前に設置される冷却手段は省略されているが、これらの手段は必要に応じて設けられてよい。
(5)精製工程
急冷塔から流出した反応生成ガスは、公知の技術、例えば特公昭45−17407号公報、特開昭60−126235号公報及び特公平3−48891号公報、合成ゴムハンドブック(92〜100頁、1969年)、PETROTECH、第二巻、第四号(59〜65頁、1978年)などに記載の方法によって精製することができる。例えば上記合成ゴムハンドブックに記載のブタジエン抽出蒸留塔に急冷塔塔頂から流出したガスを導入し、ブタジエンとブタン・ブテン類とを分離した後、ブタジエン精製塔で2−ブテンなどの高沸成分を除去し、製品ブタジエンを回収することができる。この時、製品ブタジエンは純度99.0%以上に精製されることが好ましい。
[2]触媒
以下、本実施形態に用いる触媒について説明する。
本実施の形態に用いる触媒は、金属を含む酸化物を担体に担持した触媒であれば特に制限されず、かかる金属としては、例えば、モリブテン(Mo)、ビスマス(Bi)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、マグネシウム(Mg)、セシウム(Ce)、コバルト(Co)、タングステン(W)等が好ましく、中でも、Mo、Bi及びFeがより好ましい。金属の組成は合目的な酸化物を形成するように調節されており、酸化物中の格子酸素によって、n−ブテンからブタジエンの酸化脱水素反応が行われると考えられる。
担体は、担体と酸化物との合計に対して30〜70重量%、好ましくは40〜60重量%の範囲で有効に用いることができる。担体は、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニアが好ましく、より好適な担体はシリカである。シリカは他の担体に比べ不活性な担体であり、目的生成物に対する触媒の活性や選択性を低下させることなく、触媒と良好な結合作用を有する。加えて、酸化物を担体に担持することによって、粒子形状・大きさ・分布、流動性、機械的強度といった、流動床反応に好適な物理的特性を付与することできる。
[3]ブタジエンの製造装置
本実施形態のブタジエンの製造装置は、金属酸化物及び担体を含む触媒が収容された反応器と、前記反応器に接続された急冷塔と、を有することが好ましい。
当該製造装置は、上述したブタジエンの製造方法に好適に用いることができる。具体的には、例えば、当該製造装置における反応器に、n−ブテンを含む炭化水素と、酸素とが供給され、生成したブタジエンを含む反応生成ガスは前記急冷塔に流入し、前記急冷塔内で前記反応生成ガスは急冷剤によって洗浄される。前記急冷剤としては、アミド水溶液を用い、芳香族系有機溶剤をさらに併用することが好ましい。
以下、図5及び6を参照して本実施形態のブタジエンの製造装置の好適な態様を詳細に説明する。
図5は、本実施形態のブタジエンの製造装置の一例を概略的に示す図である。反応器から流出した反応生成ガスは、急冷塔に塔底から送入され、急冷塔内でアミド水溶液、又はアミド水溶液及び芳香族溶剤に接触して洗浄される。洗浄された反応生成ガスは、塔頂から流出し、吸収塔の塔底に導入される。吸収塔の塔底に導入された反応生成ガスは、吸収塔内で、溶剤(例えばキシレン、混合キシレン又はトルエン)に吸収され、ブタジエン含有溶液として塔底から流出する。一方、オフガスが吸収塔塔頂から流出する。吸収塔の塔底から流出したブタジエン含有溶液はスタビライザの上部に導入される。原料成分中にイナートガス(不活性ガス)を含有させた場合、スタビライザではブタジエン含有溶液からイナートガスが分離される。イナートガスが分離されたブタジエン含有溶液は、スタビライザの塔底から流出してフラッシュ塔に導入される。フラッシュ塔でブタジエン含有溶液から溶剤を分離した後、ブタジエンと水とを含む溶液が塔頂から流出し、冷却器に供給される。冷却器で水が分離された粗ブタジエンは、第一の抽出蒸留塔の中段に供給される。第一の抽出蒸留塔では塔頂から溶剤(例えば、ジメチルホルムアミド)が噴霧されており、粗ブタジエンの溶液が生成して塔底から流出する。流出した粗ブタジエンの溶液は、放散塔に導入されると共に、例えばブタンが塔頂から分離される。放散塔では粗ブタジエン溶液の溶剤が分離され、塔頂から流出した粗ブタジエンが第二の抽出蒸留塔に導入される。第二の抽出蒸留塔でも、第一の抽出蒸留塔と同様に塔頂から溶剤が噴霧されており、粗ブタジエン溶液が生成する。第二の抽出蒸留塔は、ブタジエンを含む成分が塔頂から流出し、アセチレン等の不純物を溶解した溶剤が塔底から分離される温度で運転される。これにより粗ブタジエンは第二の抽出蒸留塔の塔頂から流出する。第二の抽出蒸留塔から流出した粗ブタジエンから、第一及び第二の蒸留塔で、低沸点化合物(例えばメチルアセチレン)及び高沸点化合物(例えば2−ブテン)が分離されると、精製ブタジエンが得られる。
図6は、本実施形態のブタジエンの製造装置の別の例を概略的に示す図である。図6に示す装置における反応器及び急冷塔並びに第一の抽出蒸留塔以降の塔は、図5に示す例と同じであるので、相違点のみ次に説明する。急冷塔で洗浄された反応生成ガスは、モレキュラーシーブ等の脱水剤が充填された脱水塔に導入され、塔底から流出し、溶媒吸収塔に供給される。溶媒吸収塔で噴霧されている溶剤に反応生成ガスが接触し、ブタジエン含有溶液が生成する。生成したブタジエン含有溶液が塔底から流出して脱気塔及び溶媒分離塔に導入される。原料成分中にイナートガス(不活性ガス)を含有させた場合、脱気塔でブタジエン含有溶液からイナートガスが分離される。そして、溶媒分離塔でブタジエン含有溶液から溶媒が分離され、粗ブタジエンが得られる。
なお、図5及び6に示す例では、コンプレッサー、ドレインポット、熱交換器等の記載を省略しているが、これらは装置の運転上の必要性又は効率性や、熱の有効利用等の目的で、適宜追加することができる。例えば、特開昭60−193931号公報、特開2003−128595号公報及び特開2010−90082号公報に記載の装置を参考にすることは、コンプレッサー、ドレインポット、熱交換器等を追加する上で有効である。また、これらの先行文献は、蒸留塔の運転温度、圧力や溶剤の種類等の面でも、参考にすることができる。
以下に実施例を示して、本発明をより詳細に説明するが、本発明は以下に記載の実施例によって制限されるものではない。
(反応成績)
実施例及び比較例において、反応成績を表すために用いたn−ブテン転化率、1,3−ブタジエン選択率及び収率は次式で定義した。
(反応装置)
流動層反応方式の反応装置として、管径3インチ・高さ950mmのSUS304製流動層反応器を用いた。酸素含有ガスは、反応器底部から供給し、n−ブテンを含む原料ガスは、反応器底部から150mm上方に位置するノズルから供給した。
(n−ブテンを含む原料ガス)
n−ブテンを含む原料ガスとしてBBSS又はn−ブテンを用いた。BBSSはC4成分組成のモル比が、1−ブテン:2−トランス−ブテン:2−シス−ブテン:イソブテン:n−ブタン:イソブタン:ブタジエン=41.30:17.70:13.50:5.60:16.10:4.70:1.10であった。n−ブテンはC4成分組成のモル比が、1−ブテン:2−トランス−ブテン:2−シス−ブテン:イソブテン:n−ブタン:イソブタン:ブタジエン=98.00:0.05:0.05:0.85:0.99:0.03:0.03であった。
(酸素含有ガス)
酸素含有ガスとして空気を窒素で希釈して用いた。
n−ブテンの濃度は、2〜30重量%で反応を行った。n−ブテン/酸素は、0.4〜2.5とした。n−ブテンを含む原料ガスと酸素含有ガスとの総流量は、920NL/時間(NTP換算)で反応装置に供給した。
(反応条件)
反応温度T=340〜390℃、反応圧力P=0.05MPaG、触媒充填重量W=1580〜1980gの条件で反応を行った。
(接触時間)
接触時間は次式で定義した。
(式中、Wは触媒充填量(g)、Fは原料混合ガス流量(NL/時間、NTP換算)、Tは反応温度(℃)、Pは反応圧力(MPaG)を表す)
(反応生成ガスの分析)
反応生成ガスの分析は、流動層反応器に直結させたガスクロマトグラフィー(GC−2010(島津製作所製)、分析カラム:HP−ALS(アジレントJ&W製)、キャリアガス:ヘリウム、カラム温度:ガス注入後、100℃で8分間保持した後、10℃/分で195℃になるまで昇温し、その後195℃で40分間保持、TCD(熱伝導型検出器)・FID(水素炎イオン検出器)設定温度:250℃)を用いて行った。
(急冷塔)
急冷塔として、管径200mm・高さ300mmの缶部(塔底)とその上部に管径100mm・高さ1000mmの塔部(急冷部)を有するSUS304製の急冷塔を用いた。急冷部は三段に区画され、上段、中段及び下段から抜き出した液を、それぞれ100、100、100L/時間で抜き出した段に噴霧した。
(急冷塔塔底液の分析)
急冷塔塔底液の分析は、次の二通りで行った。
(1)ガスクロマトグラフィー(GC−2010(島津製作所製)、分析カラム:CPVolamine(VARIAN製)、キャリアガス:ヘリウム、カラム温度:40℃で
10分間保持後、300℃まで10℃/分で昇温・保持、FID(水素炎イオン検出器)設定温度:250℃)を用いて行った。
(2)ガスクロマトグラフ質量分析計(GCMS−QP2010Plus(島津製作所製);GC分析カラム:DB−WAX(アジレントJ&W製)、キャリアガス:ヘリウム、カラム温度:ガス注入後、60℃で11分間保持した後、7.5℃/分で135℃、続いて11.5℃/分で250℃になるまで昇温した後、20分間保持;イオン化モード:電子イオン化(EI)MSイオン源温度:200℃、MS試料室温度:250℃、)を用いて行った。
(急冷剤の原単位)
急冷剤の原単位は次式で定義した。
(実施例1)
(a)触媒
金属元素の組成がMo12Bi0.60Fe1.8Ni5.00.09Rb0.05Mg2.0Ce0.75で表される酸化物を、50重量%のシリカに担持した触媒を使用した。
(b)ブタジエンの製造反応
上記(a)触媒1980gを、管径管径3インチ・高さ950mmのSUS304製流動層反応器に入れた。BBSS流量=75NL/時間、空気=228NL/時間、窒素=617NL/時間(総流量F=920NL/時間)で前記反応器に供給し、反応温度T=360℃、反応圧力P=0.05MPaGの条件で前記(a)触媒と接触させて反応を行って反応生成ガスを得た。この時、触媒との接触時間は5.0(g・sec/cc)であった。
反応生成ガスの分析は、反応器及び急冷塔に直結させたガスクロマトグラフィーで上述とおり行った。反応開始から24時間後の反応成績は、n−ブテンの転化率が95.9%、ブタジエンの選択率が82.8%、ブタジエン収率が79.4%であった。
(c)急冷工程
上記(b)の工程で得られた反応生成ガスを、急冷塔(ボトム(管径200mm、高さ300mm)の上部に急冷部(管径100mm、高さ1000mm)を有するSUS304製)の下段に導入した。該急冷塔の上段、中段、下段から硝酸によりpHを1.8に調節した10重量%の尿素水溶液を急冷剤としてそれぞれ100L/時間で噴霧し、該急冷塔の塔頂から排出ガスを得た。この時、急冷塔塔頂からの排出ガス温度は50℃であり、また、24時間後の排出ガス中のアセトアルデヒドの濃度は0.05重量%、メタクロレインの濃度は0.16重量%であった。尿素の原単位は、0.054kg−尿素/kg−ブタジエンであった。
(d)ブタジエンの精製
図6に示す装置を使用し、急冷後の排出ガスを脱水工程、回収工程、脱気工程、ブタジエン分離工程及び粗ブタジエンの精製工程に付した。より具体的には、特開2010−90082号公報の図1のクエンチ塔より下流部分と同様に精製装置を組み、急冷塔塔頂からの排出ガスを、凝縮水の分離、圧縮機による昇圧、再冷却及び水分離を経た後、モレキュラーシーブを充填した脱水塔に導入した。脱水ガスは回収塔に導入し、液温30〜40℃に設定したジメチルホルムアミドと向流接触させた。得られたブタジエン溶液は抽出蒸留塔に導入して精製し、純度99.5%のブタジエンを得た。
(実施例2)
上記(c)の工程における反応生成ガスの急冷剤としてpHを0.1に調節した1重量%の尿素水溶液を用いた以外は、実施例1と同様にブタジエンの製造、反応生成ガスの急冷、ブタジエンの精製を行った。24時間後の急冷塔塔頂からの排出ガス中のアセトアルデヒドの濃度は、0.07重量%、メタクロレインの濃度は0.17重量%であった。尿素の原単位は、0.049kg−尿素/kg−ブタジエンであった。得られたブタジエン溶液は抽出蒸留塔に導入して精製し、純度99.4%のブタジエンを得た。
(実施例3)
上記(c)の工程における反応生成ガスの急冷剤としてpHを4.0に調節した30重量%の尿素水溶液を用いた以外は、実施例1と同様にブタジエンの製造、反応生成ガスの急冷、ブタジエンの精製を行った。24時間後の急冷塔塔頂からの排出ガス中のアセトアルデヒドの濃度は0.10重量%、メタクロレインの濃度は0.28重量%であった。尿素の原単位は、0.039kg−尿素/kg−ブタジエンであった。得られたブタジエン溶液は抽出蒸留塔に導入して精製し、純度99.0%のブタジエンを得た。
(実施例4)
上記(b)の工程におけるBBSS流量=152NL/時間、空気=551NL/時間、窒素=199NL/時間(総流量F=920NL/時間)で供給した以外は、実施例1と同様にブタジエンの製造、反応生成ガスの急冷、ブタジエンの精製を行った。24時間後の急冷塔塔頂からの排出ガス中のアセトアルデヒドの濃度は0.07重量%、メタクロレインの濃度は0.18重量%であった。尿素の原単位は、0.057kg−尿素/kg−ブタジエンであった。得られたブタジエン溶液は抽出蒸留塔に導入して精製し、純度99.3%のブタジエンを得た。
(実施例5)
上記(b)の工程において、触媒量を1580gとし、原料ガスをn−ブテン(流量=75NL/時間)とし、空気の流量を295NL/時間、窒素の流量を550NL/時間(総流量F=920NL/時間)とした以外は、実施例1と同様にブタジエンの製造、反応生成ガスの急冷、ブタジエンの精製を行った。(b)の工程において、触媒との接触時間は4.0(g・sec/cc)であった。n−ブテンはC4成分組成のモル比が、1−ブテン:2−トランス−ブテン:2−シス−ブテン:イソブテン:n−ブタン:イソブタン:ブタジエン=98.00:0.05:0.05:0.85:0.99:0.03:0.03であった。
反応生成ガスの分析は、反応器及び急冷塔に直結させたガスクロマトグラフィーで上述とおり行った。反応開始から24時間後の反応成績は、n−ブテンの転化率が98.2%、ブタジエンの選択率が88.6%、ブタジエン収率が87.0%であった。
上記(c)の工程において、急冷塔塔頂からの排出ガス温度は50℃であり、また、24時間後の排出ガス中のアセトアルデヒドの濃度は0.02重量%、メタクロレインの濃度は0.04重量%であった。尿素の原単位は、0.038kg−尿素/kg−ブタジエンであった。得られたブタジエン溶液は抽出蒸留塔に導入して精製し、純度99.5%のブタジエンを得た。
(実施例6)
上記(c)の工程における反応生成ガスの急冷剤として酢酸によりpHを2.5に調節した10重量%の尿素水溶液を用いた以外は、実施例1と同様にブタジエンの製造、反応生成ガスの急冷、ブタジエンの精製を行った。24時間後の急冷塔塔頂からの排出ガス中のアセトアルデヒドの濃度は0.08重量%、メタクロレインの濃度は0.22重量%であった。尿素の原単位は、0.041kg−尿素/kg−ブタジエンであった。得られたブタジエン溶液は抽出蒸留塔に導入して精製し、純度99.4%のブタジエンを得た。
(実施例7)
上記(c)の工程における反応生成ガスの急冷剤として、急冷塔の上段から硫酸によりpHを1.8に調節した10重量%の尿素水溶液を100L/時間で噴霧し、急冷塔の中段及び上段からトルエンを100L/時間で噴霧した以外は、実施例1と同様にブタジエンの製造、反応生成ガスの急冷、ブタジエンの精製を行った。24時間後の急冷塔塔頂からの排出ガス中のアセトアルデヒドの濃度は0.05重量%、メタクロレインの濃度は0.18重量%であった。尿素の原単位は、0.053kg−尿素/kg−ブタジエンであった。得られたブタジエン溶液は抽出蒸留塔に導入して精製し、純度99.5%のブタジエンを得た。
(実施例8)
上記(c)の工程における反応生成ガスの急冷剤としてpHを1.8に調節した10重量%のアセトアミド水溶液を用いた以外は、実施例1と同様にブタジエンの製造、反応生成ガスの急冷、ブタジエンの精製を行った。24時間後の急冷塔塔頂からの排出ガス中のアセトアルデヒドの濃度は、0.08重量%、メタクロレインの濃度は0.20重量%であった。尿素の原単位は、0.050kg−尿素/kg−ブタジエンであった。得られたブタジエン溶液は抽出蒸留塔に導入して精製し、純度99.4%のブタジエンを得た。
(比較例1)
上記(c)の工程における反応生成ガスの急冷剤として水を用いた以外は、実施例1と同様にブタジエンの製造、反応生成ガスの急冷、ブタジエンの精製を行った。24時間後の急冷塔塔頂からの排出ガス中のアセトアルデヒドの濃度は、0.15重量%、メタクロレインの濃度は、0.36重量%であった。得られたブタジエン溶液は抽出蒸留塔に導入して精製し、純度98.6%のブタジエンを得た。
(比較例2)
上記(c)の急冷工程における反応生成ガスの急冷剤としてpH12.6の25重量%の苛性ソーダ水溶液を用いた以外は、実施例1と同様にブタジエンの製造、反応生成ガスの急冷、ブタジエンの精製を行った。24時間後の急冷塔塔頂からの排出ガス中のアセトアルデヒドの濃度は、0.13重量%、メタクロレインの濃度は、0.35重量%であった。苛性ソーダの原単位は、0.024kg−苛性ソーダ/kg−ブタジエンであった。得られたブタジエン溶液は抽出蒸留塔に導入して精製し、純度98.7%のブタジエンを得た。
(比較例3)
上記(c)の工程における反応生成ガスの急冷剤としてpH8.7の25重量%のモノエタノールアミンを用いた以外は、実施例1と同様にブタジエンの製造、反応生成ガスの急冷、ブタジエンの精製を行った。また、24時間後の排出ガス中のアセトアルデヒドの濃度は0.04重量%、メタクロレインの濃度は、0.05重量%であった。モノエタノールアミンの原単位は、0.086kg−モノエタノールアミン/kg−ブタジエンであった。このようにモノエタノールアミン水溶液は、反応生成ガスの急冷剤として用いると、アセトアルデヒド以外のアルデヒド、ケトン、及びカルボン酸とも反応するため、その消費量が多くなることがわかった。得られたブタジエン溶液は抽出蒸留塔に導入して精製し、純度99.5%のブタジエンを得た。
(比較例4)
上記(c)の工程における反応生成ガスの急冷剤として水と尿素を混合した30重量%の尿素水溶液を用いた以外は、実施例1と同様にブタジエンの製造、反応生成ガスの急冷、ブタジエンの精製を行った。24時間後の排出ガス中のアセトアルデヒドの濃度は0.12重量%、メタクロレインの濃度は、0.31重量%であった。尿素の原単位は、0.014kg−尿素/kg−ブタジエンであった。得られたブタジエン溶液は抽出蒸留塔に導入して精製し、純度98.5%のブタジエンを得た。
例えば、炭素数4以上のモノオレフィンを含む炭化水素と分子状酸素とを、金属酸化物及び担体を含む触媒を用いた接触酸化脱水素反応によって、これらのモノオレフィンに対応する共役ジオレフィンを製造するにあたり、本発明の製造方法では、共役ジオレフィンの重合を阻害する不純物を急冷工程において充分に低減させることによって、合成ゴムや樹脂等の原料として好適に使用できる共役ジオレフィンを製造することができる。
1:反応器、2:急冷塔、3:吸収塔、4:スタビライザ、5:フラッシュ塔、6:冷却器、7:抽出蒸留塔、8:放散塔、9:抽出蒸留塔、10:蒸留塔、11:蒸留塔、12:ブタジエン、13:脱水塔、14:溶媒吸収塔、15:脱気塔、16:溶媒分離塔、21:チムニー、21A:チムニー、21B:チムニー、21C:チムニー、22:充填床、22A:充填床、22B:充填床、22C:充填床、23A:噴霧装置、23B:噴霧装置、23C:噴霧装置、23D:噴霧装置、24A:ポンプ、24B:ポンプ、24C:ポンプ、24D:ポンプ、25A:デカンタ、25B:デカンタ、25C:デカンタ、25D:デカンタ、31:反応生成ガス、32:急冷(洗浄)後の反応生成ガス、33:ガスの流れ、41:急冷剤

Claims (2)

  1. n−ブテンを含む原料ガスと酸素含有ガスとを反応器内で触媒と接触させて、ブタジエンを含む反応生成ガスを生成させる反応工程と、前記反応生成ガスを急冷塔内で、急冷剤によって洗浄する急冷工程とを含み、前記急冷剤としてアミドと水と酸性溶剤とを含むアミド水溶液を用い、前記アミドが、尿素、及びアセトアミドからなる群から選択されるいずれか1種類以上である、ブタジエンの製造方法。
  2. 前記アミド水溶液のpHを0.1〜6.0に制御する、請求項1に記載のブタジエンの製造方法。
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