JP6762771B2 - カーテンウォール及びカーテンウォールユニット用キャッチパン - Google Patents
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Description
例えば特許文献1に記載されたカーテンウォールは、上下に隣接するカーテンウォールユニット同士の嵌合部に沿って横方向に予め第一弾性シール材を配置し、左右に隣接するカーテンウォールユニット同士の嵌合部に沿って縦方向に予め第二弾性シール材を配置して互いに嵌合させる。しかも、上下左右のカーテンウォールユニット同士の交差部で、第一弾性シール材の端部同士を端部弾性シール材で連結し、第二弾性シール材同士の端部を上下の隙間塞ぎピースを介して端部弾性シール材に連結する。これによって、組み立てたカーテンウォールの交差部水密構造を実現している。
これらの合わせ面103a、104aに下側に開口するスリット状の空洞部105、106を設けて、第一及び第二端部弾性シール材103,104同士の合わせ面103a,104aに浸入する雨水を空洞部105,106に沿って下方に落下させ、外部に排出するようにしている。これによって、互いに密着する合わせ面103a、104aから毛細管現象で雨水が屋外側から漏水して屋内側に漏れ出ることを防いでいる。
本発明によれば、地震等の際に各カーテンウォールユニット同士が振動すると、第一端部シール材及び突起部が第二端部シール材と共にロッキングし、その際、突起部を支持する第一及び第二フィンは突起部の下方でロッキングするため、突起部で当接される第二端部シール材や上枠と第一及び第二フィンとが互いに干渉することなくロッキングし、ロッキング量とロッキング方向が同程度になるよう作動するため、損傷等を生じない。
第一端部シール材と第二端部シール材の密着面に雨水等の水が屋外側から滲み込んでも屋内側に漏れ出る前に、一対の突起部の間に位置する垂下部でガイドされて下方に誘導され、屋内側に漏れ出ることを防止できる。
第一端部シール材に設けた突起部の下に上端部を切除した第一フィン及び第二フィンを設けて支持するため、突起部は第二端部シール材と第一フィン及び第二フィンとの間に配設され、ロッキングの際に第二端部シール材や上枠と第一及び第二フィンとが互いに干渉することなくロッキングする。
外側に傾斜する一対の突起部を第一端部シール材の第一フィン及び第二フィンに位置決め支持させることで正しい姿勢で精度良く保持できる。
本発明によれば、一方のカーテンウォールユニットの上枠端部に設けた第一端部シール材の第一突起部及び第二突起部に、他方のカーテンウォールユニットの第二端部シール材を密着させることで、第一及び第二端部シール材を液密に密着させることができ、ロッキング時にロッキング量とロッキング方向が同程度になるよう作動する。
図1(a)、(b)、(c)に示す実施形態によるカーテンウォール1は、カーテンウォールユニット(以下、単にユニットということがある)2を上下左右に配設して互いに連結して構成されたものであり、例えば屋外側から見た外観図である。各ユニット2は建物躯体の床Fの端部に設けられた接合部3によってビルの壁面を形成している。
図2に示すカーテンウォールユニット2は例えばアルミ合金等の金属部材からなり、上枠4、下枠5、左右の縦枠6,7からなる枠体8の内部の中間に無目9が設けられ、左右の縦枠6,7に連結されている。枠体8内において例えば無目9の上側の枠内には、例えば、単層のガラスパネルG1が収納され、無目9の下側の枠内には複層のガラスパネルG2が収納されている。
図3に示す交差部Pにおける下側の左右のユニット2A,2Bについて、一方のユニット2Aは上枠4と一方の縦枠6を連結した上部角部を示すものであり、上部角部における上枠4の一端部には第一端部シール材12がネジによって連結されている。縦枠6の屋外側端部にはガラスパネルG1の端部を保持するための断面略コの字状の嵌合溝6aが形成されている。
後述するように、第一端部シール材12の下側で縦枠6から上下方向に延びる第一凸側縦壁15及び第二凸側縦壁16が第一フィン及び第二フィンとして略平行に突出している。また、第二端部シール材13の下側でも縦枠7から上下方向に延びる第一凹側縦壁18と第二凹側縦壁19が略平行に突出している(図4参照)。なお、第一端部シール材12と第二端部シール材13については後述する。
また、他方のユニット2Bの縦枠7において、屋外側端部にガラスパネルG2の左右方向の他端部を納める嵌合溝7aが形成され、嵌合溝7aの屋内側と屋外側に設けた気密材でガラスパネルG2を保持している。なお、一方の縦枠6と無目9及び下枠5にも同様な嵌合溝がそれぞれ形成され、屋内側と屋外側に設けた気密材によってガラスパネルG2の各端部を保持している。対向する縦枠6の嵌合溝6aと縦枠7の嵌合溝7aとの間に凹部形状の空隙が形成されている。
また、ユニット2Bの他方の縦枠7には対向する位置に一方のユニット2A方向に延びる第一凹側縦壁18と第二凹側縦壁19と第三凹側縦壁20とが所定間隔で略平行に形成されている。しかも、第一凸側縦壁15に設けた第一弾性シール材15aを介して第一凹側縦壁18と係合し、第二凸側縦壁16に設けた第二弾性シール材16aを介して第二凹側縦壁19と係合し、第三凸側縦壁17に設けた差し込み係合片17aを介して第三凹側縦壁20の受け溝20aに係合している。これら第一、第二、第三凸側縦壁15,16,17と第一、第二、第三凹側縦壁18,19,20とによって、ユニット2Aの一方の縦枠6の嵌合凸部6Aとユニット2Bの他方の縦枠7の嵌合凹部7Aとを互いに嵌合させるインターロック型の嵌合構造が形成されている。
下枠5における嵌合溝5aの屋内側には断面略逆U字状をなす凹型連結部23と連結壁部24とが所定の間隔を開けて連続して形成されている。
ユニットの2Cの下枠5における嵌合溝5aとユニット2Aの上枠4における嵌合溝4aとの間には所定の間隙が形成されており、ユニット2Cにおける下枠5の嵌合溝5aの下面にはユニット2Aの上枠4の嵌合溝4aに先端部が当接するスプラッシュバリア22が保持されて、上記の間隙を封止している。
これら凹型連結部23及び連結壁部24と第一凸型連結部26及び第二凸型連結部27とによって、上側のユニット2Cの下枠5と下側のユニット2Aの上枠4とを互いに嵌合させるインターロック型の嵌合構造が形成されている。
図6(a)、(b)、(c)に示すユニット2Aの第一端部シール材12は、所定の厚みを有していて略U字状に形成された板状のシール材本体12aとその下部からシール材本体12aに略直交して水平方向に突出する第一突起部12bと第二突起部12cとを備えている。シール材本体12aは上部に延びる第一耳部29aと第二耳部29bとを有しており、シール材本体12aの内部には補強用の金属板材30が収納されている。
シール材本体12aの第一及び第二突起部12b、12c側の面が第二端部シール材13との密着面12aaを形成しており、第一耳部29aの部分には若干の傾斜面からなる段差が形成されている。
しかも、図6(c)に示すように、第一突起部12bと第二突起部12cは所定間隔を開けて形成され、部品の状態で外側に傾斜して突出形成されている。
第一突起部12bと第二突起部12cはそれぞれ下面と外側面に亘って断面略L字状に切り欠いた第一係合受け部12baと第二係合受け部12caが形成されている。第一係合受け部12baには縦枠6の第一凸側縦壁15(第一フィン)の上端部が係合し、第二係合受け部12caには第二凸側縦壁16(第二フィン)の上端部が係合し、その状態で、第一突起部12bと第二突起部12cは外側に傾斜した姿勢から略平行な姿勢に強制的に矯正される。
これにより、図8、図9に示すように、第一端部シール材12と第二端部シール材13のシール材本体12a、13aの密着面12aa、13aa同士を圧接して密着させた状態で、この密着面12aa、13aaの密着性の小さい部分から内部に浸み込む雨水等の水を室外側に傾斜する面を有する垂下部13eを通して下方に誘導し、屋内側に浸み込むことを防ぐことができる。
図8、図9に示すように、ユニット2A,2Bを嵌合させ、第一端部シール材12と第二端部シール材13のシール材本体12a、13aの密着面12aa、13aa同士を圧接して密着させた状態で、第一及び第二突起部12b、12c上に第二端部シール材13の第一嵌合凹部13bと第二嵌合凹部13cがそれぞれ嵌合している。
なお、本実施形態によるカーテンウォール1においても、上述した従来技術のカーテンウォールと同様に、第一端部シール材12及び第二端部シール材13に連結されて屋内外を液密にシールするカーテンウォール1の上下方向に形成された弾性シール材と左右方向または横方向に形成された弾性シール材とを備えている。これによって、カーテンウォールユニット2同士を液密にシールしている。これらの各弾性シール材の構成については上述した従来技術と同様であるため説明を省略する。
先ず、カーテンウォール1の組み立て方法について説明する。カーテンウォール1の組み立てに際して、図3及び図4を中心に交差部Pにおける左右方向のユニット2Aとユニット2Bの嵌合方法を説明する。交差部Pにおけるユニット2Aの上枠4と縦枠6が交差する上端角部において、上枠4の延長状の端部に第一端部シール材12を取り付け、第一及び第二突起部12b、12cを縦枠6から突出していて上部に欠損部を形成した第一凸側縦壁15と第二凸側縦壁16の上端部に装着させて嵌合する。そして、第一端部シール材12をガーターピース31の端部にねじ止めする。同様に交差部Pにおけるユニット2Bの上枠4と縦枠7が交差する上端角部において、上枠4の延長状の端部に第二端部シール材13を取り付ける。
連結に際し、図3及び図8に示すように、第二端部シール材13を第一端部シール材12の第一突起部12b及び第二突起部12cの上部に載置させる。これにより、第二端部シール材13の下部に形成した第一嵌合凹部13bが第一突起部12bの上面に嵌合し、第二嵌合凹部13cが第二突起部12cの上面に嵌合して互いに位置決めされる。
しかも、図4に示すように、縦枠6の屋内側に設けた第一、第二、第三凸側縦壁15,16,17を有する嵌合凸部6Aと、これに対向する縦枠7の屋内側に設けた第一、第二、第三凹側縦壁18,19,20を有する嵌合凹部7Aとが互いにそれぞれ嵌合することで、ユニット2Aの縦枠6とユニット2Bの縦枠7とを互いに連結させる。
また、上枠4の第二凸型連結部27が上枠第二シール部材27aで下枠5の連結壁部24に押圧される。更に下枠5の屋外側に設けたスプラッシュバリア22によって上枠4と下枠5との間の間隙を封止して外部から雨水等が流入することを抑制できる。
また、交差部Pにおける下側のユニット2Bと上側のユニット2Dについても同様に嵌合して連結される。このようにして多数のカーテンウォールユニット2を順次上下左右に連結することで、各ユニット2は建物躯体の各層の床Fの端部に設けられた接合部3によってビルの壁面に吊り下げられて連結されている。
上下左右のユニット2同士を連結固定した状態で、例えばユニット2A、2Bを図8に示すように第一端部シール材12と第二端部シール材13とを密着面12aa、13aa同士で面接触している。この場合でも密着面12aa、13aaの屋外側のわずかな隙間から雨水等の水が滲み込むことがある。特に、第一及び第二端部シール材12、13において第一耳部29a、35aと第二耳部29b、35bの間が凹嵌部の底部となっていて雨水等が載り易く溜まり易い傾向があり、その密着面12aa、13aaの間に水が滲み込み易い。
これによって、滲み込む水が屋内側に流れ込むことを防止して下方に落下させられ、隙間から外部に戻される。
また、第一凸側縦壁15及び第二凸側縦壁16及び縦枠6と第一凹側縦壁18及び第二凹側縦壁19及び縦枠7とが互いに同量ずつロッキングし、互いの擦過や変形等を防止できると共に地震終了時に元の位置に戻る。
しかも、縦枠6の第一端部シール材12に第一及び第二突起部12b,12cを設けたためにこれを支持する第一凸側縦壁15及び第二凸側縦壁16の高さが低く、上枠4に干渉しない。
そのため、地震等でカーテンウォール1の隣接するカーテンウォールユニット2同士がロッキングした場合でも第一端部シール材12の第一突起部12b及び第二突起部12cが第一凹側縦壁18及び第二凹側縦壁19内で規則正しく同量にロッキングし、また、互いに干渉せず変形追従等することを防止して互いの損傷を防止できる。
また、第一端部シール材12の第一突起部12b及び第二突起部12cは部品段階でそれぞれ外側に傾斜して開いており、これを第一凸側縦壁15、第二凸側縦壁16の上部に装着する際にほぼ平行に矯正させて、第一突起部12b及び第二突起部12cを第二端部シール材13の下側に嵌合させることで、この部分の水密性を確実に確保できる。
上枠4及び下枠5、左右の縦枠6,7を備えた隣り合うカーテンウォールユニット2の上枠4の両端部に配設される対向する第一端部シール材12及び第二端部シール材13と、縦枠6,7から左右方向に延びる第一凸側縦壁15及び第二凸側縦壁16の上に配置される第一及び第二突起部12b、12cはカーテンウォール1用のキャッチパンを構成する。
2,2A,2B,2C,2D カーテンウォールユニット
4 上枠
5 下枠
6、7 縦枠
12 第一端部シール材
12a、13a シール材本体
12aa、13aa 密着面
12b 第一突起部
12c 第二突起部
13 第二端部シール材
13b 第一嵌合凹部
13c 第二嵌合凹部
15 第一凸側縦壁
16 第二凸側縦壁
18 第一凹側縦壁
19 第二凹側縦壁
P 交差部
Claims (5)
- カーテンウォールユニットを縦横に連結して配列したカーテンウォールであって、
隣り合う一方のカーテンウォールユニットの上枠端部に配設されている第一端部シール材と、
前記第一端部シール材に配設されていて隣り合う他方の前記カーテンウォールユニットに向けて突出する突起部と、
前記突起部を支持する第一フィン及び第二フィンと、
前記隣り合う他方のカーテンウォールユニットの上枠端部に配設されていて前記第一端部シール材に密着させられた第二端部シール材とを備え、
前記第一端部シール材と前記第二端部シール材を互いに密着させた状態で、前記第二端部シール材は前記突起部に当接されていることを特徴とするカーテンウォール。 - 前記突起部は、前記第一フィンに支持される突起および前記第二フィンに支持される突起からなる一対の突起部として構成され、
前記第二端部シール材は前記一対の突起部の間に位置していて下方に垂下する垂下部を有している請求項1に記載されたカーテンウォール。 - 前記第一フィン及び第二フィンの上端部は前記上枠近傍まで延びていて前記第一フィン及び第二フィンの上端部に前記突起部がそれぞれ連結されている請求項1または2に記載されたカーテンウォール。
- 前記突起部は、前記第一フィンに支持される突起および前記第二フィンに支持される突起からなる一対の突起部として構成され、
前記第一端部シール材の前記一対の突起部はそれぞれ外側に傾斜して突出している請求項1から3のいずれか1項に記載されたカーテンウォール。 - 上枠及び下枠と左右の縦枠を備えたカーテンウォールユニットの上枠の一方の端部に配設される第一端部シール材及び前記上枠の他方の端部に配設される第二端部シール材と、
前記第一端部シール材に設けられていて、前記縦枠から突出する第一フィンの上に配置される第一突起部及び前記縦枠から突出する第二フィンの上に配置される第二突起部と、
を備えたことを特徴とするカーテンウォールユニット用キャッチパン。
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