JP6762565B2 - 加工円盤材および加工円盤材の製造方法 - Google Patents

加工円盤材および加工円盤材の製造方法 Download PDF

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本発明は、加工円盤材および加工円盤材の製造方法に関する。
丸太材を輪切りにした円盤材は、木材独自の温もりや柔らかい質感に加え、切り口の年輪模様を活かしたテーブル等のインテリアとすることができるため、高い需要がある。一方で、円盤材は、周辺部から中心部への大きなV字型の割れ(V字割れ)が発生しやすく、大きな割れがある円盤材はインテリア用の材料として適さない。そのため、インテリアとしての使用を考えた場合、V字割れを抑制することが重要である。
円盤材の割れを防止するための方法として、特許文献1には、乾燥前に、円盤材の外周部から中心部まで厚さ方向全体の全長に対して切除部を設け、乾燥後に、この切除部に該切除部と略同形に形成された挿嵌部材を嵌め込む方法が記載されている。
また、特許文献2には、円盤材の心材と辺材の境界付近で切断し、乾燥させる方法が記載されている。
しかしながら、特許文献1や2に記載の方法では、円盤材の一部を切除する必要があり、プロセスが複雑であるだけでなく、円盤材の切り口の年輪模様を活かすことができない。そのために、円盤材の一部を切除することなしに、円盤材の乾燥を防止する方法が望まれている。
一方、薬剤処理により、木材の乾燥を防止する方法として、従来から、ポリエチレングリコール処理し、木材の収縮を抑制する方法が知られている(例えば、特許文献3)。
特開2004−268292号公報 特開2016−28873号公報 特開平6−234103号公報
円盤材は、心材部と辺材部を有し、特に心材部は薬剤が簡単に浸透するものではないため、薬剤の注入条件やその後の乾燥条件が重要となる。しかしながら、どのような製造条件とすれば、割れが抑制できるか明確でなかった。また、乾燥時の木材の収縮により割れは発生するが、どのように収縮率を制御すれば、割れが抑制できるのかは明らかではなかった。
かかる状況下、本発明の目的は、V字割れが発生しにくく、寸法安定性の高い加工円盤材およびその製造方法を提供することである。
本発明者らは、辺材部における接線方向の平均収縮率に着目し、鋭意研究を行った。その結果、辺材部における接線方向の平均収縮率を0.10%以下となるように乾燥することでV字割れを抑制できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、以下の発明に係るものである。
[1] 辺材部と心材部を有する加工円盤材の製造方法であり、含水率30%以上の円盤材に、ポリエチレングリコール水溶液を含浸させる薬剤含浸工程と、前記薬剤含浸工程の後に、ポリエチレングリコールを含浸させた円盤材を70〜100℃で乾燥させる乾燥工程とを有し、前記乾燥工程において、含水率が5〜10%、辺材部における接線方向の平均収縮率が0.10%以下となるように乾燥する加工円盤材の製造方法。
[2] 前記円盤材の大きさが厚さ10cm以下、直径30cm以上である[1]に記載の加工円盤材の製造方法。
[3] 前記薬剤含浸工程における、ポリエチレングリコール水溶液の含浸量が4kg/m2以上となるように含浸させる[1]または[2]に記載の加工円盤材の製造方法。
[4] 辺材部と心材部を有する、ポリエチレングリコールが含浸された加工円盤材であり、含水率が15%以下であり、前記辺材部における接線方向の平均収縮率が0.10%以下である加工円盤材。
[5] ポリエチレングリコールの含浸量が、2kg/m2以上である[4]に記載の加工円盤材。
本発明によれば、V字割れが発生しにくく、寸法安定性の高い加工円盤材およびその製造方法が提供される。
本発明の製造方法で使用される円盤材の模式図である。 本発明の加工円盤材の応用例の写真である。 本発明の加工円盤材の別の応用例の写真である。 実施例1の製造方法における薬剤含浸工程の様子を示す写真である。 実施例1で得られた加工円盤材の写真である。 比較例1で得られた加工円盤材の写真である。 実施例1で得られた加工円盤材の接線方向の平均収縮率をプロットしたグラフである。 比較例1で得られた加工円盤材の接線方向の平均収縮率をプロットしたグラフである。 ポリエチレングリコール水溶液の含浸量と浸漬日数の関係をプロットしたグラフである。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を変更しない限り、以下の内容に限定されない。
[加工円盤材の製造方法]
本発明は、辺材部と心材部を有する加工円盤材の製造方法であり、含水率30%以上の円盤材に、ポリエチレングリコール水溶液を含浸させる薬剤含浸工程と、前記薬剤含浸工程の後に、ポリエチレングリコールを含浸させた円盤材を70〜100℃で乾燥させる乾燥工程とを有し、前記乾燥工程において、含水率が5〜10%、辺材部における接線方向の平均収縮率が0.10%以下となるように乾燥する加工円盤材の製造方法(以下、「本発明の製造方法」と記載する場合がある。)に関する。
このように辺材部における接線方向の平均収縮率を0.10%以下となるように乾燥することで、放射方向との収縮率の差による応力の影響が小さくなり、V字割れが発生しにくいと考えられる。得られる加工円盤材は、切り口の年輪模様を活かした応用が可能である。
なお、本発明において、図1に示すように、「円盤材」とは、丸太を輪切りにした材料を意味する。「心材部」とは、木の中心の色合いが濃い部分を指し、「辺材部」とは、木の表面近くの色合いが薄い部分を指す。
本発明の製造方法は、V字割れが発生しやすい、大きさが厚さ10cm以下、直径30cm以上の円盤材(すなわち、大径の円盤材)に対して好適に使用できる。より好適な対象は、厚さ8cm以下、直径50cm以上の円盤材である。
インテリア用の材料等の応用を考慮し、円盤材の厚さの下限は2cm以上や5cm以上であってもよい。また、円盤材の直径の上限は、150cm以下や100cm以下であってもよい。
なお、本発明において、「直径」とは、図1に示すように、円盤材の木口面の直径を意味し、木口面が円形でない場合は、円相当径を直径とする。
円盤材の樹木の種類は特に限定されず、スギやヒノキ等の針葉樹や広葉樹等を用いることができる。好ましい樹木の一つは、スギである。
(薬剤含浸工程)
薬剤含浸工程は、含水率30%以上の円盤材に、ポリエチレングリコール水溶液を含浸させる工程である。
使用される円盤材は、含水率30%以上の円盤材であり、生材状態であっても、半乾燥状態であってもよい。使用される円盤材の含水率は、35%以上や40%以上であってもよく、90%以下や70%以下、50%以下であってもよい。
なお、「含水率」は、JIS Z 2010:2009にて規定されている全乾法により算出した値である。
具体的には、使用する円盤材の含水率は、同じ丸太から切断された未処理円盤から直径方向のストリップを採取し、105℃オーブンで水分を蒸発させ、前後の重量差から水分割合を求め、含水率を算出した。
ポリエチレングリコール(PEG)は、円盤材へ浸透しやすくするために、通常水溶液として用いられる。ポリエチレングリコール水溶液の濃度(wt%)の下限は、20wt%以上であっても、30wt%以上であっても、40wt%以上であっても、50wt%以上であってもよい。その上限は、80wt%以下であっても、70wt%以下であっても、60wt%以下であってもよい。
ポリエチレングリコール水溶液の液温度は、室温〜90℃程度であり、20℃以上や25℃以上とすることができる。また、80℃以下や60℃以下、40℃以下、30℃以下とすることもできる。
ポリエチレングリコールの重量平均分子量は、400〜40000程度である。円盤材へより浸透しやすくするためには、500〜3000が好ましく、800〜2000がより好ましい。
ポリエチレングリコール水溶液の含浸方法は、従来公知の方法が使用でき、減圧下や加圧下で行っても、大気圧下で行ってもよい。
浸漬時間は、円盤材の種類や大きさに応じて適宜決定される。より木材の内部までポリエチレングリコールを浸透させるためには、浸漬時間は1日以上が好ましく、2日以上が好ましく、5日以上がより好ましい。その上限は、特に限定されず、10日以下であることが好ましい。
また、ポリエチレングリコール水溶液の含浸量は4kg/m2以上であることが好ましく、7kg/m2以上であることがより好ましく、8kg/m2以上であることがさらに好ましい。ポリエチレングリコール水溶液の含浸量が少ない場合、円盤材の内部までのポリエチレングリコールの含浸が不十分の場合があり、割れが生じやすくなる。一方、ポリエチレングリコール水溶液の含浸量は一定以上となると、割れを抑制する効果が低いことに加えて、含浸量を多くすれば、浸漬時間を長くする必要がある。ポリエチレングリコール水溶液の含浸量の上限は、20kg/m2以下や15kg/m2以下とすることができる。
なお、「ポリエチレングリコール水溶液の含浸量」は、木口面積1m2当たりのポリエチレングリコール水溶液の含浸量を意味し、円盤材へのポリエチレングリコール水溶液の全含浸量(全注入量)(kg)を円盤材の木口面積(m2)で割ったものである。円盤材へのポリエチレングリコール水溶液の全含浸量(全注入量)(kg)は、ポリエチレングリコール水溶液含浸前後の円盤材の重量の差より求めることができる。
(乾燥工程)
乾燥工程は、薬剤含浸工程の後に行われる、ポリエチレングリコールを含浸させた円盤材を70℃〜100℃で乾燥させる乾燥工程であり、含水率が5〜10%、辺材部における接線方向の平均収縮率が0.10%以下となるように乾燥する工程である。
上述の通り、円盤材は、特に割れが生じやすいため、40℃程度の低温でゆっくり乾燥することが多いが、本発明の製造方法では、比較的高温で乾燥を行う。このような乾燥温度で、含水率が5〜10%、辺材部における接線方向の平均収縮率が0.10%以下となるように乾燥することで、5cm以上の厚物円盤でもV字割れが発生しにくい短時間乾燥が可能になる。また、含水率5〜10%まで乾燥させることで、得られる加工円盤材は、その後に乾燥しにくく、更なる割れの発生が抑えられる。
なお、乾燥後の加工円盤材の含水率は、上述のように、JIS Z 2010:2009にて規定されている全乾法により算出できる。
「接線方向の平均収縮率」は、含水率と同様に、JIS Z 2010:2009で規定されている方法で測定することができる。また、「辺材部における接線方向の平均収縮率が0.10%以下となるように乾燥する」とは、辺材部の木口面の表層だけでなく、中心層においても、接線方向の平均収縮率が、0.10%以下となるように乾燥するとの意味である。例えば、厚さ8cmの加工円盤材の場合、木口面から厚さ方向に0〜1cmの部分が表層、木口面から厚さ方向に3〜4cmの部分が中心層であり、この木口面から厚さ方向に3〜4cmの部分の接線方向の平均収縮率も0.10%以下となるように乾燥するとの意味である。具体的な、辺材部における接線方向の平均収縮率の算出方法は、実施例にて後述する。
V字割れの発生をより抑制するためには、乾燥工程において、辺材部における接線方向の平均収縮率が0.08%以下や0.06%以下となるように乾燥することが好ましい。
乾燥温度は、円盤材の大きさ等により適宜調整され、その下限は、70℃以上や75℃以上、80℃以上、85℃以上であってもよい。また、その上限は、100℃以下や95℃以下、90℃以下であってもよい。また、乾燥温度は一定であっても、円盤材の乾燥の進行に合わせて変化させてもよい。
乾燥時間は、円盤材の大きさや乾燥温度等により適宜調整され、含水率が5〜10%とすることができればよい。例えば、乾燥時間は、1日以上や2日以上とすることができ、10日以下や7日以下、5日以下とすることもできる。
また、乾燥は、相対湿度を一定あるいは変調させて行う。例えば、乾燥による円盤材の含水率の低下に応じて、相対湿度を変調させる場合、初期相対湿度を100%程度とし、円盤材の含水率の低下に応じて、60%以下、50%以下、40%以下、30%以下、20%以下、10%以下と変調させて行うことができる。
[加工円盤材]
また、本発明は、辺材部と心材部を有する、ポリエチレングリコールが含浸された加工円盤材であり、含水率が15%以下であり、前記辺材部における接線方向の平均収縮率が0.10%以下である加工円盤材(以下、「本発明の加工円盤材」と記載する場合がある。)に関する。
このような加工円盤材は、加工時や使用時にも割れが発生しにくく、寸法安定性に優れた円盤材となる。なお、本発明の加工円盤材は、木口面がV字割れ等の大きな割れを有さず、均質である加工円盤材であり、上述した本発明の製造方法により好適に製造することができる。このような加工円盤材は、インテリア用の材料として好適である。
インテリア用の材料等への応用を考慮した場合、好適な加工円盤材の大きさは、厚さ10cm以下、直径30cm以上の円盤材(すなわち、大径の円盤材)であり、より好適には、厚さ8cm以下、直径50cm以上である。また、加工円盤材の厚さの下限は2cm以上や5cm以上であってもよい。円盤材の直径の上限は、150cm以下や100cm以下であってもよい。
また、本発明の加工円盤材は、含水率が15%以下である。本発明の加工円盤材は、上述の発明の製造方法により好適に製造でき、含水率の下限は5%以上である。また、製造後の経過日数により大気中の湿度に応じて加工円盤材の含水率は変化するため、含水率の上限は10%以上となりうる。製造後の経過日数にもよるが、通常、含水率は15%以下(12〜15%程度)である。
また、本発明の加工円盤材は、ポリエチレングリコールが含浸されている。ポリエチレングリコールの含浸量は2kg/m2以上であることが好ましく、4kg/m2以上であることがより好ましく、7kg/m2であることがさらに好ましい。ポリエチレングリコールの含浸量が少ないと、加工円盤材の内部はポリエチレングリコールに含浸されていない場合があり、環境変化により割れや反りが発生しやすいものとなる。一方で、ポリエチレングリコールの含浸量が多すぎる場合は、ポリエチレングリコールの溶脱が懸念される。ポリエチレングリコールの含浸量の上限は、例えば、15kg/m2以下とすることができる。
また、寸法安定性をより向上させるためには、本発明の加工円盤材は、辺材部における接線方向の平均収縮率が0.08%以下や0.06%以下であることが好ましい。
本発明の加工円盤材は、そのままテーブル等のインテリアに使用することができる。また、本発明の加工円盤材をさらに加工し、目的の製品(テーブルや椅子等)とすることもできる。図2、図3に、本発明の加工円盤材を用いた応用例を示す。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を変更しない限り以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
(PEG処理)
直径50cm、厚さ8cmの円盤材を60%ポリエチレングリコール(#1000)水溶液に1日浸漬した。なお、円盤材には、図4に示すように重しを載せて、浸漬時に浮かないようにした。
その後、温度80℃の乾燥機(ヒルデブランド株式会社製蒸気式乾燥機)で1日間乾燥させ、含水率が約10%程度となるまで乾燥し、加工円盤材を得た。実施例1の加工円盤材の写真を図5に示す。
得られた加工円盤材の辺材部と心材部について以下のようにして接線方向の平均収縮率を求めた。まず、辺材部の任意の2か所を選択し、加工円盤材の木口面から中心層に至る4層(木口面から厚さ方向に1cmずつ切り取り1番から4番とした)に分割した。JIS Z 2010:2009に規定された方法を用いて、各試験片について接線方向の平均収縮率を測定した。各試験片の接線方向の平均収縮率はいずれも0.06%以下であった。
心材部についても、加工円盤材の心材部の木口面から中心層に至る4層(木口面から厚さ方向に1cmずつ切り取り1番から4番とした)に分割し、同様に接線方向の平均収縮率を測定した。
また、各試験片の接線方向の平均収縮率をプロットしたグラフを図7に示す。
[比較例1]
比較として、実施例1と同一の丸太から切り出した円盤(直径50cm、厚さ7cm)を用いた。ポリエチレングリコール水溶液による処理は行わず、温度80℃の乾燥機(ヒルデブランド株式会社製蒸気式乾燥機)で1日間乾燥させ、含水率が約10%程度となるまで乾燥した。比較例1の加工円盤材の写真を図6に示す。
また、実施例1と同様に、辺材部と心材部のそれぞれの試験片について接線方向の平均収縮率を測定した。各試験片の接線方向の平均収縮率をプロットしたグラフを図8に示す。
[実施例2]
ポリエチレングリコール(#1000)水溶液への浸漬時間を2、5、7、10日にした以外は、実施例1と同様にして加工円盤材を得た。
[実施例3]
使用した円盤材を、直径80cm、厚さ8cmの円盤材に変更した以外は、実施例1および2と同様にして加工円盤材を得た。
[評価]
(V字割れの評価)
得られた加工円盤材の割れを目視により評価した。
図5に示すように、実施例1では、V字割れのない加工円盤材が得られた。実施例2、3のそれぞれの加工円盤材についても、V字割れの発生は観察されなかった。なお、実施例1の加工円盤材では、心材部と辺材部の境界でわずかに割れが確認されたが、実用上問題ないレベルであった。浸漬時間が5、7、10日の加工円盤材では、V字割れは観察されず、さらに、心材部と辺材部の境界の割れも観察されなかった。
一方、比較例1の加工円盤材では、図6に示すようにV字割れが見られた。
[ポリエチレングリコール水溶液の含浸量]
実施例1、2、3の加工円盤材について、60%ポリエチレングリコール水溶液への浸漬前後での重量の差を求め、各加工円盤材の木口面積で割り、60%ポリエチレングリコール水溶液の含浸量を求めた。図9に結果を示す。図9に示すように、浸漬時間1、2日では、ポリエチレングリコール水溶液含浸量(注入量)は4〜7kg/m2であった。浸漬時間を5日以上としたものは、ポリエチレングリコール水溶液含浸量(注入量)は7〜12kg/m2であった。
本発明によれば、大径の円盤材のV字割れを抑制することができ、得られる加工円盤材はインテリア等の製品へ応用できるため有用である。

Claims (5)

  1. 辺材部と心材部を有する加工円盤材の製造方法であり、
    含水率30%以上の円盤材に、ポリエチレングリコール水溶液を含浸させる薬剤含浸工程と、
    前記薬剤含浸工程の後に、ポリエチレングリコールを含浸させた円盤材を70〜100℃で乾燥させる乾燥工程とを有し、
    前記乾燥工程において、含水率が5〜10%、辺材部における接線方向の平均収縮率が0.10%以下となるように乾燥する加工円盤材の製造方法。
  2. 前記円盤材の大きさが厚さ10cm以下、直径30cm以上である請求項1に記載の加工円盤材の製造方法。
  3. 前記薬剤含浸工程における、ポリエチレングリコール水溶液の含浸量が4kg/m2以上である請求項1または2に記載の加工円盤材の製造方法。
  4. 辺材部と心材部を有する、ポリエチレングリコールが含浸された加工円盤材であり、
    含水率が15%以下であり、
    前記辺材部における接線方向の平均収縮率が0.10%以下である加工円盤材。
  5. ポリエチレングリコールの含浸量が、2kg/m2以上である請求項4に記載の加工円盤材。
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