以下に、実施の形態にかかる充放電システムを図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの開示が限定されるものではない。
実施の形態1.
まず、実施の形態1にかかる充放電システム1の構成を説明する。図1は、実施の形態1にかかる充放電システム1の構成を示す図である。充放電システム1は、蓄電池51を充電する機能と蓄電池51に放電させる機能とを有する。実施の形態1では、蓄電池51は電気自動車50に搭載されている。図1には、電気自動車50及び蓄電池51も示されている。蓄電池51は、電気自動車50に搭載されていなくてもよい。
充放電システム1は、蓄電池51を充電する機能と蓄電池51に放電させる機能とを有する充放電器2と、系統電源52から供給される交流電力を充放電器2に供給する機能を有する切替開閉器3とを有する。図1には、系統電源52も示されている。充放電システム1は、系統電源52から切替開閉器3に流れる電流を検出する電流検出器4を更に有する。実施の形態1では、電流検出器4は、切替開閉器3の内部に配置されている。例えば、電流検出器4は、励磁コイルを有する装置であって、当該励磁コイルに流れる電流の量を検出する。
充放電器2は、切替開閉器3から供給される交流電力を受け取るための系統連系端子21と、系統連系端子21を介して切替開閉器3から供給される交流電力を直流電力に変換する機能を有する電力変換部22とを有する。電力変換部22は、蓄電池51から供給される直流電力を交流電力に変換する機能も有する。電力変換部22は、直流電圧について昇圧する機能と降圧する機能とを有するコンバータ23と、交流電力を直流電力に変換する機能と直流電力を交流電力に変換する機能とを有するインバータ24とを有する。
充放電器2は、電力変換部22によって得られる交流電力を切替開閉器3に供給するための自立出力端子25と、系統連系端子21と電力変換部22とを接続するための系統リレー26と、電力変換部22と自立出力端子25とを接続するための自立リレー27とを更に有する。具体的には、系統リレー26の一方の端部は系統連系端子21に接続されており、系統リレー26の他方の端部は電力変換部22が有するインバータ24に接続されている。自立リレー27の一方の端部は自立出力端子25に接続されており、自立リレー27の他方の端部はインバータ24に接続されている。
図1では、系統リレー26はオンの状態で示されており、自立リレー27はオフの状態で示されている。系統リレー26は、オンの状態において系統連系端子21と電力変換部22とを接続し、オフの状態において系統連系端子21と電力変換部22とを接続しない。自立リレー27は、オンの状態において電力変換部22と自立出力端子25とを接続し、オフの状態において電力変換部22と自立出力端子25とを接続しない。
充放電器2は、電力変換部22を制御すると共に、電流検出器4によって得られる検出結果をもとに系統リレー26及び自立リレー27を制御する充放電器側制御部28を更に有する。つまり、電流検出器4は検出結果を充放電器側制御部28に出力し、充放電器側制御部28は当該検出結果を受け取って当該検出結果をもとに系統リレー26及び自立リレー27を制御する。
充放電システム1のユーザは、系統連系運転により充放電システム1を動作させるのか自立運転により充放電システム1を動作させるのかを決定し、決定に対応する指示を表示器53に入力する。図1には、表示器53も示されている。表示器53は、情報を表示する機能と、指示を受け付ける機能とを有する。例えば、表示器53は、タッチパネルによって実現される。
系統連系運転は、充放電システム1が系統電源52から切替開閉器3に供給される電力を負荷54及び蓄電池51に供給する運転である。図1には、負荷54も示されている。負荷54は、交流電力をもとに動作する機器である。例えば、負荷54は家屋に配置される。自立運転は、充放電システム1が蓄電池51に蓄えられている電力を負荷54に供給する運転である。例えば、自立運転は、系統電源52において停電が発生して電力が系統電源52から切替開閉器3に供給されない場合に行われる。
ユーザが系統連系運転により充放電システム1を動作させる系統連系運転指示を表示器53に入力すると、表示器53は系統連系運転指示を受け付ける。ユーザが自立運転により充放電システム1を動作させる自立運転指示を表示器53に入力すると、表示器53は自立運転指示を受け付ける。表示器53は、受け付けた系統連系運転指示又は自立運転指示を充放電器側制御部28に出力する。充放電器側制御部28は、表示器53から出力される系統連系運転指示又は自立運転指示を受け取る。
充放電器側制御部28は、系統連系運転指示を受け取った場合、系統リレー26をオンの状態にして系統連系端子21と電力変換部22とを接続させる制御を行うと共に、自立リレー27をオフの状態にして電力変換部22と自立出力端子25とを接続させない制御を行う。加えて、充放電器側制御部28は、系統連系運転指示を受け取った場合、電力変換部22のインバータ24に対し、切替開閉器3から供給される交流電力を直流電力に変換させる制御を行うと共に、電力変換部22のコンバータ23に対し、インバータ24によって得られる直流電力における直流電圧について降圧させる制御を行う。充放電器2は、コンバータ23によって得られた直流電力を蓄電池51に供給して蓄電池51を充電する。
充放電器側制御部28は、自立運転指示を受け取った場合、系統リレー26をオフの状態にして系統連系端子21と電力変換部22とを接続させない制御を行うと共に、自立リレー27をオンの状態にして電力変換部22と自立出力端子25とを接続させる制御を行う。充放電器2は、蓄電池51に放電させる。充放電器側制御部28は、自立運転指示を受け取った場合、電力変換部22のコンバータ23に対し、蓄電池51から供給される直流電力における直流電圧について降圧させる制御を行うと共に、電力変換部22のインバータ24に対し、コンバータ23によって得られる直流電力を交流電力に変換させる制御を行う。つまり、充放電器側制御部28が自立運転指示を受け取ると、充放電器2は、蓄電池51に放電させて蓄電池51に蓄えられていた電力をもとにする交流電力を切替開閉器3に供給する。充放電器側制御部28が行う制御については、後にも説明する。
切替開閉器3は、系統電源52から供給される交流電力を受け取るための系統入力端子31と、配線5によって充放電器2の系統連系端子21に接続されている電力出力端子32とを有する。電力出力端子32は、交流電力を出力するための端子である。配線5には、負荷54が接続されている。
切替開閉器3は、配線6によって充放電器2の自立出力端子25に接続されている自立入力端子33を更に有する。自立入力端子33は、充放電器2から供給される交流電力を受け取るための端子である。切替開閉器3は、系統入力端子31と電力出力端子32とを接続するための第1切替リレー34と、自立入力端子33と電力出力端子32とを接続するための第2切替リレー35とを更に有する。具体的には、第1切替リレー34の一方の端部は第1内部配線36を介して系統入力端子31に接続されており、第1切替リレー34の他方の端部は電力出力端子32に接続されている。第2切替リレー35の一方の端部は自立入力端子33に接続されており、第2切替リレー35の他方の端部は電力出力端子32に接続されている。
図1では、第1切替リレー34はオンの状態で示されており、第2切替リレー35はオフの状態で示されている。第1切替リレー34は、オンの状態において系統入力端子31と電力出力端子32とを接続し、オフの状態において系統入力端子31と電力出力端子32とを接続しない。第2切替リレー35は、オンの状態において自立入力端子33と電力出力端子32とを接続し、オフの状態において自立入力端子33と電力出力端子32とを接続しない。
切替開閉器3は、電流検出器4によって得られる検出結果をもとに第1切替リレー34を制御する第1リレー制御部37を更に有する。つまり、電流検出器4は検出結果を第1リレー制御部37に出力し、第1リレー制御部37は当該検出結果を受け取って当該検出結果をもとに第1切替リレー34を制御する。第1リレー制御部37は、第1内部配線36の接続部位38に第2内部配線39を介して接続されている。電流検出器4は、接続部位38と第1リレー制御部37との間に配置されている。
切替開閉器3は、第2切替リレー35を制御する第2リレー制御部40を更に有する。第2リレー制御部40は、自立入力端子33が充放電器2から交流電力を受け取らない場合に第2切替リレー35をオフの状態にし、自立入力端子33が充放電器2から交流電力を受け取る場合に第2切替リレー35をオンの状態にする。
例えば、第2リレー制御部40は、電流検出器4が系統電源52から切替開閉器3に流れる電流を検出する状態から当該電流を検出しない状態に変化した時からあらかじめ決められた時間が経過した後に、第2切替リレー35をオンの状態にする。あらかじめ決められた時間は、例えば実験によって決定される。上記の時からあらかじめ決められた時間が経過すると、自立入力端子33は充放電器2から交流電力を受け取る。
切替開閉器3は、自立入力端子33が充放電器2から交流電力を受け取った場合、自立入力端子33が充放電器2から交流電力を受け取ったことを検出する自立出力検出部41を更に有する。つまり、自立出力検出部41は、自立運転が行われる場合、自立入力端子33が充放電器2から交流電力を受け取ったことを検出する。第1リレー制御部37は、自立出力検出部41によって得られる検出結果も利用して第1切替リレー34を制御する。
具体的には、第1リレー制御部37は、自立入力端子33が充放電器2から交流電力を受け取ったことが自立出力検出部41によって検出された場合、第1切替リレー34をオフの状態にする。すなわち、切替開閉器3が系統電源52から供給される交流電力を受け取ることができる状態であっても、充放電システム1が自立運転を行う場合、第1リレー制御部37は、第1切替リレー34をオフの状態にする。
電流検出器4が電流を検出する場合、充放電器2が有する充放電器側制御部28は系統リレー26をオンの状態にすると共に自立リレー27をオフの状態にし、切替開閉器3が有する第1リレー制御部37は、第1切替リレー34をオンの状態にする。これにより、充放電器2において系統連系端子21と電力変換部22とが接続されると共に、切替開閉器3において系統入力端子31と電力出力端子32とが接続される。
上述の通り、系統連系端子21と電力出力端子32とは配線5によって接続されており、配線5には負荷54が接続されている。そのため、電流検出器4が電流を検出する場合、充放電システム1は、系統電源52から切替開閉器3に供給される交流電力を負荷54に供給することができる。実施の形態1では、系統電源52が交流電力を切替開閉器3に供給することは、通常の状態であると定義される。つまり、系統電源52が交流電力を充放電システム1に供給することは、通常の状態である。すなわち、通常の状態において、充放電システム1は交流電力を負荷54へ供給することができる。
加えて、通常の状態において、充放電システム1は、系統電源52から切替開閉器3に供給される交流電力をもとにする直流電力を蓄電池51に供給することができる。すなわち、通常の状態において、充放電システム1は蓄電池51を充電することができる。
電流検出器4が電流を検出する状態から電流検出器4が電流を検出しない状態に変化した場合、充放電器側制御部28は、系統リレー26をオンの状態からオフの状態に変化させ、自立リレー27をオフの状態からオンの状態に変化させる。例えば、充放電器側制御部28は、系統リレー26がオンの状態からオフの状態に変化した後に自立リレー27をオフの状態からオンの状態に変化させる。電流検出器4が電流を検出する状態から電流検出器4が電流を検出しない状態に変化した場合、第1リレー制御部37は、第1切替リレー34をオンの状態からオフの状態に変化させる。
これにより、充放電器2において、系統連系端子21と電力変換部22とが接続されない状態になり、電力変換部22と自立出力端子25とが接続される。加えて、切替開閉器3において、系統入力端子31と電力出力端子32とが接続されない状態になる。上述の通り、系統連系端子21と電力出力端子32とは配線5によって接続されており、配線5には負荷54が接続されている。充放電器2の自立出力端子25と切替開閉器3の自立入力端子33とは、配線6によって接続されている。
自立運転が行われる場合、充放電器2は、蓄電池51に放電させて蓄電池51に蓄えられていた電力をもとにする交流電力を切替開閉器3に供給する。つまり、自立運転が行われる場合、充放電器2は交流電力を切替開閉器3に供給する。上述の通り、切替開閉器3の自立入力端子33は、充放電器2から供給される交流電力を受け取るための端子である。第2リレー制御部40は、自立入力端子33が充放電器2から交流電力を受け取らない場合に第2切替リレー35をオフの状態にし、自立入力端子33が充放電器2から交流電力を受け取る場合に第2切替リレー35をオンの状態にする。つまり、自立運転が行われる場合、自立入力端子33と電力出力端子32とが接続される。
電流検出器4が電流を検出しない状態は、系統電源52において停電が発生した状態である。停電が発生すると、系統電源52からの交流電力は切替開閉器3に供給されず、そのため、系統電源52からの交流電力は負荷54に供給されない。しかしながら、停電が発生しても自立運転が行われる場合、充放電器2は、蓄電池51に放電させて蓄電池51から供給される直流電力をもとにする交流電力を切替開閉器3に供給する。そのため、停電が発生しても自立運転が行われる場合、充放電システム1は蓄電池51に蓄えられていた電力をもとにする交流電力を負荷54に供給することができる。
次に、系統電源52が交流電力を充放電システム1に供給する通常の状態で系統電源52において停電が発生し、その後に系統電源52の状態が通常の状態に戻る場合の充放電システム1の動作の概略を説明する。図2は、通常の状態で系統電源52において停電が発生し、その後に系統電源52の状態が通常の状態に戻る場合の時間の経過と共に変化する実施の形態1にかかる充放電システム1の動作の変化の概略を示す図である。
図2は、充放電システム1が通常の状態において系統連系運転を行い、停電が発生すると移行期間をおいて、充放電システム1が自立運転を行い、その後に充放電システム1が系統連系運転を行うことを示している。加えて、系統連系運転が図1と関連し、移行期間が図3と関連し、自立運転が図4と関連することを示している。図3及び図4については、後述する。
系統電源52が交流電力を充放電システム1に供給する通常の状態において、系統連系運転が行われる。系統連系運転が行われる場合、系統リレー26、自立リレー27、第1切替リレー34及び第2切替リレー35の各々のオン又はオフの状態は、図1において示される通りである。すなわち、充放電システム1が系統連系運転を行う場合、系統リレー26はオンの状態であり、自立リレー27はオフの状態であり、第1切替リレー34はオンの状態であり、第2切替リレー35はオフの状態である。
充放電システム1が系統連系運転を行う場合、切替開閉器3において、第1切替リレー34がオンの状態であるので、系統入力端子31と電力出力端子32とが接続される。電力出力端子32には、負荷54が接続されている配線5が接続されている。そのため、系統電源52から切替開閉器3に供給される交流電力が負荷54に供給される。
系統電源52において停電が発生すると、充放電システム1は系統連系運転を行うことができない。充放電システム1の運転は、移行期間を挟んで系統連系運転から自立運転に移行する。図3は、移行期間での実施の形態1にかかる充放電システム1の系統リレー26、自立リレー27、第1切替リレー34及び第2切替リレー35の各々の状態を説明するための図である。移行期間では、電流検出器4は電流を検出しない。そのため、図3に示される通り、移行期間では、第1リレー制御部37の制御によって、第1切替リレー34はオンの状態からオフの状態に変化する。
移行期間では、系統リレー26、自立リレー27及び第2切替リレー35の各々の状態は、系統連系運転が行われる場合の状態と同じである。すなわち、移行期間では、系統リレー26はオンの状態であり、自立リレー27はオフの状態であり、第2切替リレー35はオフの状態である。移行期間では、系統電源52において停電が発生しているので、交流電力は負荷54に供給されない。
移行期間の後、充放電システム1は、自立運転指示を受け取ると、自立運転を行う。以下では、充放電システム1が自立運転指示を受け取ったことを想定する。図4は、実施の形態1にかかる充放電システム1が自立運転を行う場合の系統リレー26、自立リレー27、第1切替リレー34及び第2切替リレー35の各々の状態を説明するための図である。充放電システム1が自立運転を行う場合、電流検出器4は電流を検出しないので、図4に示される通り、第1切替リレー34はオフの状態である。
充放電システム1が自立運転を行う場合、充放電器側制御部28の制御によって、系統リレー26はオンの状態からオフの状態に変化し、自立リレー27はオフの状態からオンの状態に変化する。充放電システム1が自立運転を行う場合、充放電器2は、蓄電池51に放電させて蓄電池51に蓄えられていた電力をもとにする交流電力を切替開閉器3に供給する。切替開閉器3の自立入力端子33は、充放電器2から供給される交流電力を受け取る。第2リレー制御部40の制御によって、第2切替リレー35はオフの状態からオンの状態に変化する。
充放電システム1が自立運転を行う場合、切替開閉器3において、第2切替リレー35がオンの状態であるので、自立入力端子33と電力出力端子32とが接続される。電力出力端子32には、負荷54が接続されている配線5が接続されている。そのため、交流電力は負荷54に供給される。
その後に系統電源52の状態が通常の状態に戻ると、つまり系統電源52が停電した後に復電すると、充放電システム1は系統連系運転を行う。なお、充放電器2において、充放電器側制御部28は、系統電源52が停電した後に復電した場合、蓄電池51から充放電器2に供給される直流電力をもとに得られる交流電力が切替開閉器3に供給されることが停止するまで、自立リレー27をオンの状態に維持させる。
次に、実施の形態1にかかる充放電システム1の動作の例を説明する。図5は、実施の形態1にかかる充放電システム1の動作の手順の例を示すフローチャートである。以下では、説明の便宜上、充放電システム1が系統連系運転を行っている状態以降の充放電システム1の動作の例を説明する。電流検出器4は、電流が系統電源52から切替開閉器3に流れているか否かを判断する(S1)。電流が系統電源52から切替開閉器3に流れていると電流検出器4によって判断された場合(S1でYes)、充放電システム1は系統連系運転を行うことを継続する。図5では、充放電システム1が系統連系運転を行うことを継続する場合、充放電システム1の動作は終了すると表現されている。
電流が系統電源52から切替開閉器3に流れていないと電流検出器4によって判断された場合(S1でNo)、充放電器側制御部28、第1リレー制御部37及び第2リレー制御部40は、停電を検知する(S2)。第1リレー制御部37は、停電を検知した時から第1の一定時間待機した後(S3)、第1切替リレー34をオンの状態からオフの状態に変化させる(S4)。
充放電器側制御部28は、停電が発生したことを表示器53に伝達する(S5)。具体的には、充放電器側制御部28は、停電が発生したことを示す情報を表示器53に出力する。表示器53は、停電が発生したことを示す情報を表示する。その際、表示器53は、充放電システム1に自立運転を行わせることをユーザに促す情報も表示する。例えば、表示器53は、「停電が発生しました。自立運転を開始させてください。」という文字列を表示する。
ユーザは、表示器53が表示する情報によって停電が発生したことを認識し、充放電システム1に自立運転を開始させる指示を表示器53に入力する。例えば、充放電システム1に自立運転を開始させる指示に対応するボタンが表示器53に設けられており、ユーザは、当該ボタンを押すことにより当該指示を表示器53に入力する。当該ボタンは、機械的なボタンであってもよいし、表示器53によって表示される画像のボタンであってもよい。当該指示は、自立運転指示である。表示器53は、自立運転指示を受け付け、自立運転指示を充放電器側制御部28に出力する。充放電器側制御部28は、自立運転指示を受け取る(S6)。すなわち、充放電器側制御部28は、ステップS6において、充放電システム1に自立運転を開始させる指示を受け取る。
充放電システム1は、自立運転を開始する(S7)。つまり、ステップS7において、充放電器側制御部28の制御によって、電力変換部22のコンバータ23は蓄電池51から供給される直流電力における直流電圧について昇圧し、電力変換部22のインバータ24はコンバータ23によって得られる直流電力を交流電力に変換する。ステップS7の動作が行われた後、充放電器側制御部28は、系統リレー26をオンの状態からオフの状態に変化させ、自立リレー27をオフの状態からオンの状態に変化させる(S8)。
第2リレー制御部40は、ステップS8の動作が行われた時から第2の一定時間待機し(S9)、その後、第2切替リレー35をオフの状態からオンの状態に変化させる(S10)。つまり、ステップS10において、第2切替リレー35はオフの状態からオンの状態に変化する。
電流検出器4は、電流が系統電源52から切替開閉器3に流れているか否かを判断する(S11)。電流が系統電源52から切替開閉器3に流れていないと電流検出器4によって判断された場合(S11でNo)、ステップS11の動作が再度行われる。電流が系統電源52から切替開閉器3に流れていると電流検出器4によって判断された場合(S11でYes)、充放電器側制御部28、第1リレー制御部37及び第2リレー制御部40は、復電を検知する(S12)。つまり、ステップS12において、充放電器側制御部28、第1リレー制御部37及び第2リレー制御部40は、停電が解消したことを検知する。
充放電器側制御部28は、復電したことを表示器53に伝達する(S13)。具体的には、充放電器側制御部28は、復電したことを示す情報を表示器53に出力する。表示器53は、復電したことを示す情報を表示する。ユーザは、表示器53が表示する情報によって復電したことを認識し、充放電システム1に自立運転を停止させる指示を入力する。表示器53は、当該指示を受け付け、当該指示を充放電器側制御部28に出力する。充放電器側制御部28は、充放電システム1に自立運転を停止させる指示を受け取る(S14)。
充放電システム1は、自立運転を停止する(S15)。すなわち、充放電器側制御部28の制御によって、電力変換部22のコンバータ23及びインバータ24はステップS7の動作を停止する。充放電器側制御部28、第1リレー制御部37及び第2リレー制御部40は、充放電システム1が自立運転を停止した時から第3の一定時間待機する(S16)。その後、第1リレー制御部37は、第1切替リレー34をオフの状態からオンの状態に変化させ、第2リレー制御部40は第2切替リレー35をオンの状態からオフの状態に変化させる(S17)。
充放電器側制御部28は、系統リレー26をオフの状態からオンの状態に変化させ、自立リレー27をオンの状態からオフの状態に変化させる(S18)。充放電システム1は、系統連系運転を行う(S19)。
上述の通り、実施の形態1にかかる充放電システム1は、蓄電池51を充電する機能と蓄電池51に放電させる機能とを有する充放電器2と、系統電源52から供給される交流電力を充放電器2に供給する機能を有する切替開閉器3と、系統電源52から切替開閉器3に流れる電流を検出する電流検出器4とを有する。
電流検出器4が電流を検出する場合、充放電器2において、充放電器側制御部28は、系統リレー26をオンの状態にすると共に自立リレー27をオフの状態にし、切替開閉器3において、第1リレー制御部37は、第1切替リレー34をオンの状態にする。充放電器2の系統連系端子21と切替開閉器3の電力出力端子32とは、負荷54が接続されている配線5によって接続されている。そのため、系統電源52が交流電力を切替開閉器3に供給する通常の状態において、充放電システム1は、系統連系運転を行うことができる。つまり、通常の状態において、充放電システム1は、電力を負荷54に供給することができる。
電流検出器4が電流を検出する状態から電流検出器4が電流を検出しない状態に変化した場合、充放電器側制御部28は、系統リレー26をオンの状態からオフの状態に変化させると共に自立リレー27をオフの状態からオンの状態に変化させ、第1リレー制御部37は、第1切替リレー34をオンの状態からオフの状態に変化させる。切替開閉器3において、第2リレー制御部40は、自立入力端子33が充放電器2から交流電力を受け取らない場合に第2切替リレー35をオフの状態にし、自立入力端子33が充放電器2から交流電力を受け取る場合、第2切替リレー35をオンの状態にする。そのため、系統電源52において停電が発生した場合、充放電システム1は、自立運転を行うことができる。つまり、系統電源52において停電が発生した場合、充放電システム1は、電力を負荷54に供給することができる。
したがって、実施の形態1にかかる充放電システム1は、系統電源52において停電が発生した場合、電力が供給される負荷と電力が供給されない負荷とを区別することなく、停電が発生する前に電力が供給されていた負荷54に電力を供給することができる。
上述した実施の形態1では、充放電システム1は、自立運転指示を受け取った後に自立運転を行う。しかしながら、充放電システム1は、電流検出器4が電流を検出する状態から電流検出器4が電流を検出しない状態に変化した場合、自立運転指示を受け取らなくても、自立運転を行ってもよい。充放電システム1は、電流検出器4が電流を検出しない状態から電流検出器4が電流を検出する状態に変化した場合、つまり停電が発生した後に復電した場合、系統連系運転指示又は自立運転を停止させる指示を受け取らなくても、系統連系運転を行ってもよい。系統連系運転では、充放電システム1は、系統電源52から切替開閉器3に供給される電力を負荷54と蓄電池51とのうちの一方にだけ供給してもよい。
上述した実施の形態1では、電流検出器4は、接続部位38と第1リレー制御部37との間に配置されている。しかしながら、電流検出器4が配置される位置は、接続部位38と第1リレー制御部37との間の位置に限定されない。図6は、実施の形態1の第1の変形例にかかる充放電システム1Aの構成を示す図である。図1と図6とで相違する箇所は、電流検出器4が配置されている位置のみである。充放電システム1Aでは、電流検出器4は、接続部位38と系統入力端子31との間に配置されており、第1リレー制御部37と接続部位38との間には第2内部配線39しか存在しない。
図7は、実施の形態1の第2の変形例にかかる充放電システム1Bの構成を示す図である。図1と図7とで相違する箇所は、電流検出器4が配置されている位置のみである。充放電システム1Bでは、電流検出器4は切替開閉器3の外部に配置されている。具体的には、電流検出器4は、系統電源52と切替開閉器3との間に配置されている。充放電システム1Bでは、第1リレー制御部37と接続部位38との間には第2内部配線39しか存在しない。
図6及び図7に示されるように、電流検出器4が配置される位置は限定されない。いずれにしても、電流検出器4は、系統電源52から切替開閉器3に流れる電流を検出する。
図8は、実施の形態1の第3の変形例にかかる充放電システム1Cの構成を示す図である。図1が示す充放電システム1では、充放電器2の筐体は切替開閉器3の筐体と異なる。図8が示す充放電システム1Cは、充放電器2が有するすべての構成要素と切替開閉器3とを含む充放電器2Cを有する。つまり、切替開閉器3は、充放電器2Cの内部に配置されている。このように、充放電システム1の充放電器2と切替開閉器3とはひとつの筐体の内部に配置されて一体化されてもよい。
同様に、図示されないが、充放電システム1Aの充放電器2及び切替開閉器3もひとつの筐体の内部に配置されてもよいし、充放電システム1Bの充放電器2及び切替開閉器3もひとつの筐体の内部に配置されてもよい。更に言うと、充放電システム1Bの充放電器2、切替開閉器3及び電流検出器4もひとつの筐体の内部に配置されてもよい。
実施の形態2.
次に、実施の形態2にかかる充放電システム1Dを説明する。図9は、実施の形態2にかかる充放電システム1Dの構成を示す図である。充放電システム1Dは、充放電器2Dと、切替開閉器3Dとを有する。充放電器2Dは、実施の形態1にかかる充放電システム1の充放電器2が有するすべての構成要素と、第2補助リレー検出部29とを有する。切替開閉器3Dは、充放電システム1の切替開閉器3が有するすべての構成要素と、第2補助リレー42とを有する。実施の形態2では、実施の形態1との相違点を主に説明する。
切替開閉器3Dが有する第2補助リレー42は、第2切替リレー35と連動する。具体的には、第2補助リレー42の状態は、第2切替リレー35の状態と同じである。第2補助リレー42の一方の端部は、配線81によって、充放電器2Dのグランドに接続されている。第2補助リレー42の他方の端部は、配線82によって、充放電器2Dが有する第2補助リレー検出部29に接続されている。配線82は充放電器2Dの内部に接続部位83を有し、抵抗84が接続部位83に接続されている。抵抗84には5Vの電圧の電源が接続されている。当該電圧は、5Vに限定されない。
充放電器2Dが有する第2補助リレー検出部29は、第2補助リレー42の状態を検出する。具体的には、上述の通り抵抗84が接続部位83に接続されていて抵抗84には5Vの電圧の電源が接続されているので、第2補助リレー検出部29は、第2補助リレー42がオフの状態である場合に相対的に高い電圧を検出し、第2補助リレー42がオンの状態である場合に相対的に低い電圧を検出する。第2補助リレー検出部29は、検出した電圧の値をもとに第2補助リレー42の状態を検出する。
第2補助リレー検出部29は、充放電器側制御部28に接続されている。電流検出器4が電流を検出する状態から電流検出器4が電流を検出しない状態に変化した場合、充放電器側制御部28は、第2補助リレー検出部29によって得られる検出結果も用いて、系統リレー26及び自立リレー27を制御する。
上述の通り、第2補助リレー42は第2切替リレー35と連動し、第2補助リレー検出部29は第2補助リレー42の状態を検出する。そのため、充放電器側制御部28は、第2補助リレー検出部29によって得られる検出結果をもとに、第2切替リレー35の状態を把握することができる。つまり、充放電器側制御部28は、第2補助リレー検出部29によって得られる検出結果をもとに、切替開閉器3Dの自立入力端子33を介して充放電器2Dの自立出力端子25と切替開閉器3Dの電力出力端子32とが接続されたことを検出することができる。電力出力端子32には、負荷54が接続されている配線5が接続されている。
そのため、実施の形態2にかかる充放電システム1Dは、待機時間を必要とすることなく、第2補助リレー検出部29によって得られる検出結果をもとに自立運転を行うことができる。更に言うと、実施の形態1では待機時間が設定されているのに対し、実施の形態2では待機時間は設定されていないので、系統電源52において停電が発生した場合、充放電システム1Dは、実施の形態1にかかる充放電システム1より早く、電力を負荷54に供給することができる。
次に、実施の形態2にかかる充放電システム1Dの動作の例を説明する。図10は、実施の形態2にかかる充放電システム1Dの動作の手順の例を示すフローチャートである。以下では、説明の便宜上、充放電システム1Dが系統連系運転を行っている状態以降の充放電システム1Dの動作の例を説明する。電流検出器4は、電流が系統電源52から切替開閉器3Dに流れているか否かを判断する(S21)。電流が系統電源52から切替開閉器3Dに流れていると電流検出器4によって判断された場合(S21でYes)、充放電システム1Dは系統連系運転を行うことを継続する。図10では、充放電システム1Dが系統連系運転を行うことを継続する場合、充放電システム1Dの動作は終了すると表現されている。
電流が系統電源52から切替開閉器3Dに流れていないと電流検出器4によって判断された場合(S21でNo)、充放電器側制御部28、第1リレー制御部37及び第2リレー制御部40は、停電を検知する(S22)。第1リレー制御部37は、第1切替リレー34をオンの状態からオフの状態に変化させる(S23)。第2補助リレー検出部29は、第2切替リレー35がオフの状態であることを検出する(S24)。
充放電器側制御部28は、停電が発生したことを表示器53に伝達する(S25)。具体的には、充放電器側制御部28は、停電が発生したことを示す情報を表示器53に出力する。表示器53は、停電が発生したことを示す情報を表示する。その際、表示器53は、充放電システム1Dに自立運転を行わせることをユーザに促す情報も表示する。例えば、表示器53は、「停電が発生しました。自立運転を開始させてください。」という文字列を表示する。
ユーザは、表示器53が表示する情報によって停電が発生したことを認識し、充放電システム1Dに自立運転を開始させる指示を表示器53に入力する。例えば、充放電システム1Dに自立運転を開始させる指示に対応するボタンが表示器53に設けられており、ユーザは、当該ボタンを押すことにより当該指示を表示器53に入力する。当該ボタンは、機械的なボタンであってもよいし、表示器53によって表示される画像のボタンであってもよい。当該指示は、自立運転指示である。表示器53は、自立運転指示を受け付け、自立運転指示を充放電器側制御部28に出力する。充放電器側制御部28は、自立運転指示を受け取る(S26)。すなわち、充放電器側制御部28は、ステップS26において、充放電システム1Dに自立運転を開始させる指示を受け取る。
充放電器側制御部28は、系統リレー26をオンの状態からオフの状態に変化させ、自立リレー27をオフの状態からオンの状態に変化させる(S27)。充放電システム1Dは、自立運転を開始する(S28)。つまり、ステップS28において、充放電器側制御部28の制御によって、電力変換部22のコンバータ23は蓄電池51から供給される直流電力における直流電圧について昇圧し、電力変換部22のインバータ24はコンバータ23によって得られる直流電力を交流電力に変換する。
第2リレー制御部40は、第2切替リレー35をオフの状態からオンの状態に変化させる(S29)。第2補助リレー検出部29は、第2切替リレー35がオンの状態であることを検出する(S30)。電流検出器4は、電流が系統電源52から切替開閉器3Dに流れているか否かを判断する(S31)。電流が系統電源52から切替開閉器3Dに流れていないと電流検出器4によって判断された場合(S31でNo)、ステップS31の動作が再度行われる。
電流が系統電源52から切替開閉器3Dに流れていると電流検出器4によって判断された場合(S31でYes)、充放電器側制御部28、第1リレー制御部37及び第2リレー制御部40は、復電を検知する(S32)。つまり、ステップS32において、充放電器側制御部28、第1リレー制御部37及び第2リレー制御部40は、停電が解消したことを検知する。
充放電器側制御部28は、復電したことを表示器53に伝達する(S33)。具体的には、充放電器側制御部28は、復電したことを示す情報を表示器53に出力する。表示器53は、復電したことを示す情報を表示する。ユーザは、表示器53が表示する情報によって復電したことを認識し、充放電システム1Dに自立運転を停止させる指示を入力する。表示器53は、当該指示を受け付け、当該指示を充放電器側制御部28に出力する。充放電器側制御部28は、充放電システム1Dに自立運転を停止させる指示を受け取る(S34)。
充放電システム1Dは、自立運転を停止する(S35)。すなわち、充放電器側制御部28の制御によって、電力変換部22のコンバータ23及びインバータ24はステップS28の動作を停止する。第1リレー制御部37は、第1切替リレー34をオフの状態からオンの状態に変化させ、第2リレー制御部40は第2切替リレー35をオンの状態からオフの状態に変化させる(S36)。
第2補助リレー検出部29は、第2切替リレー35がオフの状態であることを検出する(S37)。充放電器側制御部28は、系統リレー26をオフの状態からオンの状態に変化させ、自立リレー27をオンの状態からオフの状態に変化させる(S38)。充放電システム1Dは、系統連系運転を行う(S39)。
上述の通り、実施の形態2にかかる充放電システム1Dにおいて、切替開閉器3Dは第2切替リレー35と連動する第2補助リレー42を有し、充放電器2Dは第2補助リレー42の状態を検出する第2補助リレー検出部29を有する。そのため、充放電システム1Dは、待機時間を必要とすることなく、第2補助リレー検出部29によって得られる検出結果をもとに自立運転を行うことができる。更に言うと、実施の形態1では待機時間が設定されているのに対し、実施の形態2では待機時間が設定されていないので、系統電源52において停電が発生した場合、充放電システム1Dは、実施の形態1にかかる充放電システム1より早く、電力を負荷54に供給することができる。
なお、充放電システム1Dが有する電流検出器4は、図6及び図7において示される位置に配置されてもよい。すなわち、電流検出器4が配置される位置は限定されない。
図11は、実施の形態2の変形例にかかる充放電システム1Eの構成を示す図である。図9が示す充放電システム1Dでは、充放電器2Dの筐体は切替開閉器3Dの筐体と異なる。図11が示す充放電システム1Eは、充放電器2Dが有するすべての構成要素と切替開閉器3Dとを含む充放電器2Eを有する。つまり、切替開閉器3Dは、充放電器2Eの内部に配置されている。このように、充放電システム1Dの充放電器2Dと切替開閉器3Dとはひとつの筐体の内部に配置されて一体化されてもよい。電流検出器4は、当該ひとつの筐体の内部において、図6又は図7において示される位置に配置されてもよい。電流検出器4は、当該ひとつの筐体の内部に配置されなくてもよい。
実施の形態3.
次に、実施の形態3にかかる充放電システム1Fを説明する。図12は、実施の形態3にかかる充放電システム1Fの構成を示す図である。充放電システム1Fは、充放電器2Fと、切替開閉器3Fとを有する。充放電器2Fは、実施の形態2にかかる充放電システム1Dの充放電器2Dが有するすべての構成要素と、第1補助リレー検出部85とを有する。切替開閉器3Fは、充放電システム1Dの切替開閉器3Dが有するすべての構成要素と、第1補助リレー43とを有する。実施の形態3では、実施の形態2との相違点を主に説明する。
切替開閉器3Fが有する第1補助リレー43は、第1切替リレー34と連動するリレーである。具体的には、第1補助リレー43の状態は、第1切替リレー34の状態と同じである。第1補助リレー43の一方の端部は、配線86によって、充放電器2Fのグランドに接続されている。第1補助リレー43の他方の端部は、配線87によって、充放電器2Fが有する第1補助リレー検出部85に接続されている。配線87は充放電器2Fの内部に接続部位88を有し、抵抗89が接続部位88に接続されている。抵抗89には5Vの電圧の電源が接続されている。当該電圧は、5Vに限定されない。
充放電器2Fが有する第1補助リレー検出部85は、第1補助リレー43の状態を検出する。具体的には、上述の通り抵抗89が接続部位88に接続されていて抵抗89には5Vの電圧の電源が接続されているので、第1補助リレー検出部85は、第1補助リレー43がオフの状態である場合に相対的に高い電圧を検出し、第1補助リレー43がオンの状態である場合に相対的に低い電圧を検出する。第1補助リレー検出部85は、検出した電圧の値をもとに第1補助リレー43の状態を検出する。
第1補助リレー検出部85は、充放電器側制御部28に接続されている。電流検出器4が電流を検出する状態から電流検出器4が電流を検出しない状態に変化した場合、充放電器側制御部28は、第1補助リレー検出部85によって得られる検出結果も用いて、系統リレー26及び自立リレー27を制御する。
上述の通り、第1補助リレー43は第1切替リレー34と連動し、第1補助リレー検出部85は第1補助リレー43の状態を検出する。充放電器側制御部28は、第1補助リレー検出部85によって得られる検出結果をもとに、第1切替リレー34の状態を把握することができる。
そのため、実施の形態3にかかる充放電システム1Fは、第1補助リレー検出部85によって得られる検出結果をもとに、系統電源52における停電が解消した場合、待機時間を必要とすることなく系統連系運転を行うことができる。つまり、実施の形態3では待機時間は設定されていないので、系統電源52における停電が解消した場合、充放電システム1Fは、より早く系統連系運転を行うことができる。更に言うと、系統電源52における停電が解消した場合、充放電システム1Fは、蓄電池51が蓄えている電力の消耗を抑制することができる。
次に、実施の形態3にかかる充放電システム1Fの動作の例を説明する。図13は、実施の形態3にかかる充放電システム1Fの動作の手順の例を示すフローチャートである。以下では、説明の便宜上、充放電システム1Fが系統連系運転を行っている状態以降の充放電システム1Fの動作の例を説明する。電流検出器4は、電流が系統電源52から切替開閉器3Fに流れているか否かを判断する(S41)。電流が系統電源52から切替開閉器3Fに流れていると電流検出器4によって判断された場合(S41でYes)、充放電システム1Fは系統連系運転を行うことを継続する。図13では、充放電システム1Fが系統連系運転を行うことを継続する場合、充放電システム1Fの動作は終了すると表現されている。
電流が系統電源52から切替開閉器3Fに流れていないと電流検出器4によって判断された場合(S41でNo)、充放電器側制御部28、第1リレー制御部37及び第2リレー制御部40は、停電を検知する(S42)。第1リレー制御部37は、第1切替リレー34をオンの状態からオフの状態に変化させる(S43)。第1補助リレー検出部85は、第1切替リレー34がオフの状態であることを検出し、第2補助リレー検出部29は、第2切替リレー35がオフの状態であることを検出する(S44)。
充放電器側制御部28は、停電が発生したことを表示器53に伝達する(S45)。具体的には、充放電器側制御部28は、停電が発生したことを示す情報を表示器53に出力する。表示器53は、停電が発生したことを示す情報を表示する。その際、表示器53は、充放電システム1Fに自立運転を行わせることをユーザに促す情報も表示する。例えば、表示器53は、「停電が発生しました。自立運転を開始させてください。」という文字列を表示する。
ユーザは、表示器53が表示する情報によって停電が発生したことを認識し、充放電システム1Fに自立運転を開始させる指示を表示器53に入力する。例えば、充放電システム1Fに自立運転を開始させる指示に対応するボタンが表示器53に設けられており、ユーザは、当該ボタンを押すことにより当該指示を表示器53に入力する。当該ボタンは、機械的なボタンであってもよいし、表示器53によって表示される画像のボタンであってもよい。当該指示は、自立運転指示である。表示器53は、自立運転指示を受け付け、自立運転指示を充放電器側制御部28に出力する。充放電器側制御部28は、自立運転指示を受け取る(S46)。すなわち、充放電器側制御部28は、ステップS46において、充放電システム1Fに自立運転を開始させる指示を受け取る。
充放電器側制御部28は、系統リレー26をオンの状態からオフの状態に変化させ、自立リレー27をオフの状態からオンの状態に変化させる(S47)。充放電システム1Fは、自立運転を開始する(S48)。つまり、ステップS48において、充放電器側制御部28の制御によって、電力変換部22のコンバータ23は蓄電池51から供給される直流電力における直流電圧について昇圧し、電力変換部22のインバータ24はコンバータ23によって得られる直流電力を交流電力に変換する。
第2リレー制御部40は、第2切替リレー35をオフの状態からオンの状態に変化させる(S49)。第1補助リレー検出部85は、第1切替リレー34がオフの状態であることを検出し、第2補助リレー検出部29は、第2切替リレー35がオンの状態であることを検出する(S50)。電流検出器4は、電流が系統電源52から切替開閉器3Fに流れているか否かを判断する(S51)。電流が系統電源52から切替開閉器3Fに流れていないと電流検出器4によって判断された場合(S51でNo)、ステップS51の動作が再度行われる。
電流が系統電源52から切替開閉器3Fに流れていると電流検出器4によって判断された場合(S51でYes)、充放電器側制御部28、第1リレー制御部37及び第2リレー制御部40は、復電を検知する(S52)。つまり、ステップS52において、充放電器側制御部28、第1リレー制御部37及び第2リレー制御部40は、停電が解消したことを検知する。
充放電器側制御部28は、復電したことを表示器53に伝達する(S53)。具体的には、充放電器側制御部28は、復電したことを示す情報を表示器53に出力する。表示器53は、復電したことを示す情報を表示する。ユーザは、表示器53が表示する情報によって復電したことを認識し、充放電システム1Fに自立運転を停止させる指示を入力する。表示器53は、当該指示を受け付け、当該指示を充放電器側制御部28に出力する。充放電器側制御部28は、充放電システム1Fに自立運転を停止させる指示を受け取る(S54)。
充放電システム1Fは、自立運転を停止する(S55)。すなわち、充放電器側制御部28の制御によって、電力変換部22のコンバータ23及びインバータ24はステップS48の動作を停止する。第1リレー制御部37は、第1切替リレー34をオフの状態からオンの状態に変化させ、第2リレー制御部40は第2切替リレー35をオンの状態からオフの状態に変化させる(S56)。
第1補助リレー検出部85は、第1切替リレー34がオンの状態であることを検出し、第2補助リレー検出部29は、第2切替リレー35がオフの状態であることを検出する(S57)。充放電器側制御部28は、系統リレー26をオフの状態からオンの状態に変化させ、自立リレー27をオンの状態からオフの状態に変化させる(S58)。充放電システム1Fは、系統連系運転を行う(S59)。
上述の通り、実施の形態3にかかる充放電システム1Fにおいて、切替開閉器3Fは第1切替リレー34と連動する第1補助リレー43を有し、充放電器2Fは第1補助リレー43の状態を検出する第1補助リレー検出部85を有する。そのため、充放電システム1Fは、第1補助リレー検出部85によって得られる検出結果をもとに、系統電源52における停電が解消した場合、待機時間を必要とすることなく系統連系運転を行うことができる。更に言うと、実施の形態3では待機時間は設定されていないので、系統電源52における停電が解消した場合、充放電システム1Fは、より早く系統連系運転を行うことができる。
なお、充放電システム1Fが有する電流検出器4は、図6及び図7において示される位置に配置されてもよい。すなわち、電流検出器4が配置される位置は限定されない。
図14は、実施の形態3の変形例にかかる充放電システム1Gの構成を示す図である。図12が示す充放電システム1Fでは、充放電器2Fの筐体は切替開閉器3Fの筐体と異なる。図14が示す充放電システム1Gは、充放電器2Fが有するすべての構成要素と切替開閉器3Fとを含む充放電器2Gを有する。つまり、切替開閉器3Fは、充放電器2Gの内部に配置されている。このように、充放電システム1Fの充放電器2Fと切替開閉器3Fとはひとつの筐体の内部に配置されて一体化されてもよい。電流検出器4は、当該ひとつの筐体の内部において、図6又は図7において示される位置に配置されてもよい。電流検出器4は、当該ひとつの筐体の内部に配置されなくてもよい。
図15は、実施の形態1にかかる充放電システム1の充放電器2が有する充放電器側制御部28の一部又は全部がプロセッサ91によって実現される場合のプロセッサ91を示す図である。つまり、充放電器側制御部28の一部又は全部の機能は、メモリ92に格納されるプログラムを実行するプロセッサ91によって実現されてもよい。プロセッサ91は、CPU(Central Processing Unit)、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、又はDSP(Digital Signal Processor)である。図15には、メモリ92も示されている。
充放電器側制御部28の一部又は全部の機能がプロセッサ91によって実現される場合、当該一部又は全部の機能は、プロセッサ91と、ソフトウェア、ファームウェア、又は、ソフトウェア及びファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェア又はファームウェアはプログラムとして記述され、メモリ92に格納される。プロセッサ91は、メモリ92に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、充放電器側制御部28の一部又は全部の機能を実現する。
充放電器側制御部28の一部又は全部の機能がプロセッサ91によって実現される場合、充放電器2は、充放電器側制御部28によって実行されるステップの一部又は全部が結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリ92を有する。メモリ92に格納されるプログラムは、充放電器側制御部28が実行する手順又は方法の一部又は全部をコンピュータに実行させるものであるともいえる。
メモリ92は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等の不揮発性もしくは揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク又はDVD(Digital Versatile Disk)等である。
図16は、実施の形態1にかかる充放電システム1の充放電器2が有する充放電器側制御部28の一部又は全部が処理回路93によって実現される場合の処理回路93を示す図である。つまり、充放電器側制御部28の一部又は全部は、処理回路93によって実現されてもよい。
処理回路93は、専用のハードウェアである。処理回路93は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化されたプロセッサ、並列プログラム化されたプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はこれらを組み合わせたものである。
充放電器側制御部28の一部は、残部とは別個の専用のハードウェアであってもよい。
充放電器側制御部28の複数の機能について、当該複数の機能の一部がソフトウェア又はファームウェアで実現され、当該複数の機能の残部が専用のハードウェアで実現されてもよい。このように、充放電器側制御部28の複数の機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの組み合わせによって実現することができる。
実施の形態1にかかる充放電システム1の切替開閉器3が有する第1リレー制御部37、第2リレー制御部40及び自立出力検出部41の少なくとも一部の機能は、メモリに格納されるプログラムを実行するプロセッサによって実現されてもよい。当該メモリは、第1リレー制御部37、第2リレー制御部40及び自立出力検出部41によって実行されるステップの少なくとも一部が結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリであって、メモリ92と同様のメモリである。当該プロセッサは、プロセッサ91と同様のプロセッサである。第1リレー制御部37、第2リレー制御部40及び自立出力検出部41の少なくとも一部の機能は、処理回路によって実現されてもよい。当該処理回路は、処理回路93と同様の処理回路である。
実施の形態2にかかる充放電システム1Dの充放電器2Dが有する充放電器側制御部28及び第2補助リレー検出部29の少なくとも一部の機能は、メモリに格納されるプログラムを実行するプロセッサによって実現されてもよい。当該メモリは、充放電器側制御部28及び第2補助リレー検出部29によって実行されるステップの少なくとも一部のステップが結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリであって、メモリ92と同様のメモリである。当該プロセッサは、プロセッサ91と同様のプロセッサである。充放電器側制御部28及び第2補助リレー検出部29の少なくとも一部の機能は、処理回路によって実現されてもよい。当該処理回路は、処理回路93と同様の処理回路である。
実施の形態3にかかる充放電システム1Fの充放電器2Fが有する充放電器側制御部28、第2補助リレー検出部29及び第1補助リレー検出部85の少なくとも一部の機能は、メモリに格納されるプログラムを実行するプロセッサによって実現されてもよい。当該メモリは、充放電器側制御部28、第2補助リレー検出部29及び第1補助リレー検出部85によって実行されるステップの少なくとも一部のステップが結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリであって、メモリ92と同様のメモリである。当該プロセッサは、プロセッサ91と同様のプロセッサである。充放電器側制御部28、第2補助リレー検出部29及び第1補助リレー検出部85の少なくとも一部の機能は、処理回路によって実現されてもよい。当該処理回路は、処理回路93と同様の処理回路である。
以上の実施の形態に示した構成は、一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、実施の形態同士を組み合わせることも可能であるし、要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略又は変更することも可能である。