JP6761418B2 - ブロック合成物を含む熱可塑性加硫物 - Google Patents

ブロック合成物を含む熱可塑性加硫物 Download PDF

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Description

実施形態は、熱可塑性加硫物での使用のための、プロピレン系ポリマー、エチレン/アルファ−オレフィン/ジエンポリマー、ならびにプロピレンブロック及びエチレン/アルファ−オレフィン/ジエンブロックを有するブロックコポリマーを含むブロック合成物、それを組み込む物品、ならびにそれを製造する方法に関する。
熱可塑性加硫物(TPV)は、熱可塑性マトリックスに、細かく分散したゴム粒子を含み得る。TPVの物理的特性は、例えば、ゴム相の分子構造、熱可塑性マトリックスの特性、硬化レベル、及び/または充填剤の存在を含む多くの要因によって影響され得る。加硫可能なエラストマー(ゴム)、熱可塑性ポリオレフィン、ならびにその特性を強化させるために「軟質」セグメント及び「硬質」セグメントを有するブロックコポリマーを含むTPV組成物が、例えば、米国特許第8,476,366号に述べられている。しかしながら、ジエン(及びそれに関連する強化した特性)を含む単一のブロック合成物(及びそれに関連する強化した特性)を利用して、TPV組成物の個々の成分と同様に作用し、成分間の架橋を強化し、(例えば、比較可能なショアA硬度での)圧縮永久ひずみを強化し、かつ/または、(例えば、TPV製剤に必要な成分の総数を低減することにより)TPV組成物/物品を製造する方法を単純化することを可能にする必要性が存在する。
実施形態は、熱可塑性加硫物組成物を提供することによって、実現することができ、本熱可塑性加硫物組成物は、(A)(i)アルファ−オレフィンが3〜10個の炭素原子を有するアルファ−オレフィンモノマーであり、ジエンが2〜25個の炭素原子を有するジエンモノマーである、エチレン/アルファ−オレフィン/ジエンインターポリマー、(ii)プロピレン系ポリマー、ならびに(iii)軟質ブロック及び硬質ブロックを含むブロックコポリマーであって、軟質ブロックは、エチレン/アルファ−オレフィン/ジエンポリマーと同じ組成を有し、硬質ブロックは、プロピレン系ポリマーと同じ組成を有する、ブロックコポリマーを有する、15重量%超のブロック合成物と、(B)残りの硬化剤系、ならびに任意で、加硫可能なエラストマー、熱可塑性ポリオレフィン、及び油のうちの少なくとも1つと、を含む。
実施例1〜4のブロック合成物の2つのDSC融点温度プロファイルのセットを示す。第1のDSCプロファイルは、第2の加熱のプロファイルであり、第2のDSCプロファイルは、第1の冷却のプロファイルである。具体的には、ブロック合成物に対して、分析のためのDSCを使用して、第1の加熱、第1の冷却、及び第2の加熱が続いて実行される。
実施形態は、熱可塑性加硫物(TPV)での使用のための、エチレン/アルファ−オレフィン/ジエンインターポリマー、プロピレン系ポリマー、及びブロックコポリマー/インターポリマー(コポリマー及びインターポリマーは、本明細書で区別せずに使用される)を含むブロック合成物に関する。典型的には、TPV組成物では、加硫可能なエラストマーが、硬化剤系の存在下で熱可塑性ポリオレフィン(例えば、硬化剤系の一部である架橋剤)で架橋結合(すなわち、加硫処理)され得る。実施形態では、ブロック合成物の成分が、ブロック合成物を製造する方法を単純化するために、硬化剤系の存在下で架橋され得る。任意で、追加の加硫可能なエラストマー及び/または熱可塑性ポリオレフィンが、その特性を調整するためにTPV組成物に添加されてもよく、TPV組成物は、15重量%超のブロック合成物を含む。
ブロック合成物のブロックコポリマーに対して、2つの異なる相がブロックコポリマー内に組み込まれる。2つの異なる相とは、ブロックコポリマーが、少なくとも第1のブロックと、第1のブロックとは異なる化学的または物理的特性を有する第2のブロックとを含むことを意味する。本明細書で使用される場合、ブロックコポリマーは、違う型の配列に共有結合している、モノマー単位の配列(「ブロック」及び「セグメント」)を含む。ブロックコポリマーは、様々な方法のうちの少なくとも1つで接続されるマルチブロックであってもよく、ジブロック形態でA−B、及びトリブロック形態でA−B−A等であり、A及びBは異なるブロックを表す。ブロックコポリマーにおけるブロックのそれぞれは、例えば、米国特許第8,569,422号で述べられる通り、「硬質」セグメントまたは「軟質」セグメントのうちの1つとして記載され得る。様々なブロックコポリマー構造が可能であり、例えば、例としては、硬質プラスチックブロック(本質的に結晶性またはガラス質であり得る)のエラストマーブロック(熱可塑性エラストマー等)との共有結合が挙げられる。
ブロックコポリマーは、少なくとも2つの異なるブロックに基づき、一方は、エチレン/アルファ−オレフィン/ジエンブロックであり、他方は、プロピレン系ブロックである。エチレン/アルファ−オレフィン/ジエンブロックは、Mクラスのゴムであってもよい。Mクラスは、ASTM D1418に従う分類を指し、Mクラスの区別は、ポリメチレン型の飽和鎖を有するゴムを含む。例えば、エチレン/アルファ−オレフィン/ジエンブロックは、エチレン−プロピレン−ジエン(Mクラス)ゴム、別名EPDMを含んでもよい。製造されるエチレン/アルファ−オレフィン/ジエンゴムの大部分は、例えば、特に、低い結晶化度である場合、詰まらせ、共に一体化することがあり、(フリーフロー)ペレット形態に留まることができないが、ペレット形態は、連続TPV生成工程への供給に対して好ましい。その結果、実施形態は、生成中に容易なペレット化を可能にし、(フリーフロー)ペレット形態に維持されることができる、非晶質「軟質」セグメントを組み合わせ、結晶性及び/または半結晶性「硬質」セグメントを含有するエチレン/アルファ−オレフィン/ジエンブロックを含むブロックコポリマーを有するブロック合成物を含む。
TPV組成物は、ブロック合成物内に改善された弾性回復特性を提示し、良好な引張特性を保持するブロックコポリマーを含んでもよい。
用語
「組成物」及び同様の用語は、2つ以上の成分の混合物またはブレンドを意味する。例えば、1つの組成物は、少なくとも、熱可塑性ポリオレフィンとブロックインターポリマーとの組み合わせである。
「ブレンド」、「ポリマーブレンド」、及び同様の用語は、2つ以上のポリマーのブレンドを意味する。そのようなブレンドは、混和性であるか、またはそうでなくてもよい。そのようなブレンドは、相分離型であるか、またはそうでなくてもよい。そのようなブレンドは、透過電子分光法、光散乱、X線散乱、及び当技術分野で既知の任意の他の方法から決定される、1つ以上のドメイン配置を含有するか、またはしなくてもよい。
「ポリマー」は、同じまたは異なる種類のモノマーの重合によって調製される化合物を意味する。総称としてポリマーは、したがって、通常、1種類のみのモノマーから調製されるポリマーを指すために使用される用語ホモポリマー、及び後に定義される通りの用語インターポリマーを包含する。それはまた、すべての形態のインターポリマー、例えば、ランダム、ブロック、均一、不均一等を包含する。
「インターポリマー」及び「コポリマー」は、少なくとも2つの異なる種類のモノマーの重合によって調製されるポリマーを意味する。これらの総称は、古典的コポリマー、すなわち、2つの異なる種類のモノマーから調製されるポリマーと、例えば、ターポリマー、テトラポリマー等の2つ以上の異なる種類のモノマーから調製されるポリマーとの両方を含む。
「エチレン系ポリマー」及び同類の用語は、大部分の重量パーセントが重合されたエチレンモノマー(重合可能なモノマーの総重量に基づいて)を含み、任意で、エチレン系インターポリマーを形成するように、エチレンとは異なる少なくとも1つの重合コモノマー(C3−10α−オレフィン及びジエンから選択される少なくとも1つ等)を含み得るポリマーを意味する。例えば、エチレン系ポリマーが、コポリマーである場合、エチレンの量は、コポリマーの総重量に基づいて、50重量%を超える。エチレン系ポリマーが、エチレン/コモノマー/ジエンインターポリマーである場合、エチレンの量は、コモノマーの量及びジエンの量を超える。「エチレンに由来する単位」及び同類の用語は、重合エチレンから形成したポリマーの単位を意味する。
「アルファ−オレフィン系ポリマー」及び同類の用語は、大部分の重量パーセントの重合アルファ−オレフィンモノマー(重合可能なモノマーの総重量に基づいて)を含み、任意で、アルファ−オレフィン系インターポリマーを形成するように、重合アルファ−オレフィンモノマーとは異なる少なくとも1つの他の重合アルファ−オレフィンコモノマーを含むポリマーを意味する。アルファ−オレフィンモノマー及びコモノマーは、C3−10α−オレフィンの1つを意味する。「α−オレフィンに由来する単位」及び同類の用語は、α−オレフィンモノマー、特に、C3−10α−オレフィンの少なくとも1つの重合から形成されるポリマーの単位を意味する。例えば、アルファ−オレフィン系ポリマーは、プロピレン系ポリマーであってもよく、任意で、C及びC4−10α−オレフィンから選択される少なくとも1つのコモノマーを含む。
「プロピレン系ポリマー」及び同類の用語は、大部分の重量パーセントが重合されたプロピレンモノマー(重合可能なモノマーの総重量に基づいて)を含み、任意で、プロピレン系インターポリマーを形成するように、プロピレンとは異なる少なくとも1つの重合コモノマーを含むポリマーを意味する。例えば、プロピレン系ポリマーが、コポリマーである場合、プロピレンの量は、コポリマーの総重量に基づいて、50重量%を超える。「プロピレンに由来する単位」及び同類の用語は、プロピレンモノマーの重合から形成したポリマーの単位を意味する。「α−オレフィンに由来する単位」及び同類の用語は、α−オレフィンモノマー、特に、C3−10α−オレフィンの少なくとも1つの重合から形成されるポリマーの単位を意味する。
用語「ブロック合成物」(BC)は、10モル%を超え、95モル%未満である総コモノマー含有量(C及びC4−10α−オレフィンのうちのそのような1つ、ならびに/またはジエンのうちの1つ)を有する軟質インターポリマーと、(プロピレン等の)モノマー含有量を有する硬質ポリマーと、ブロックコポリマー(例えば、軟質セグメント及び硬質セグメントを有するジブロック)と、を含むポリマーを指し、ブロックコポリマーの硬質セグメントは、ブロック合成物中の硬質ポリマーと本質的に同じ組成であり、ブロックコポリマーの軟質セグメントは、ブロック合成物の軟質コポリマーと本質的に同じ組成である。用語「硬質」セグメント/ブロックは、重合単位の結晶性ブロックを指す。用語「軟質」セグメント/ブロックは、重合単位の非晶質、本質的に非晶質、またはエラストマーブロックを指す。
「硬質」セグメントは、重合単位の高結晶性ブロックを指し、モノマーが、90モル%超、93モル%超、95モル%超、及び/または98モル%超の量で存在する。換言すると、硬質セグメント中の総コモノマー含有量は、2モル%未満、5モル%未満、7モル%未満、及び/または10モル%未満である。いくつかの実施形態では、硬質セグメントは、すべて、または本質的にすべてのプロピレン単位を含む。その一方で「軟質」セグメントは、重合単位の非晶質、本質的に非晶質、またはエラストマーブロックを指し、総コモノマー含有量(C及びC4−10α−オレフィンのうちのそのような1つ、ならびに/またはジエンのうちの1つ)は、10モル%を超え、90モル%未満(例えば、20モル%を超え、80モル%未満及び/または33モル%を超え、75モル%未満)である。高結晶化度の硬質ブロックを含有するブロックコポリマーは、100℃超の融点を有する硬質ブロックを有するポリマーである。そのようなブロックコポリマーの用途には、TPV製剤、ゴム、及びエラストマー架橋剤が含まれる。
用語「結晶性」は、示差走査熱量測定(DSC)または同等の技術で決定される一次転移または結晶性融点(Tm)を有するポリマーまたはポリマーブロックを指す。この用語は、用語「半結晶性」と区別せずに使用され得る。用語「結晶化可能」は、結果として得られるポリマーが結晶性であるように重合することができるモノマーを指す。結晶性プロピレンポリマーは、0.88g/cc〜0.91g/ccの密度、及び100℃〜170℃の融点を有してもよいが、これらに限定されない。用語「非晶質」は、示差走査熱量測定(DSC)または同等の技術で決定される結晶性融点を有さないポリマーを指す。
用語「アイソタクチック」は、13C−NMR分析で決定される、少なくとも70パーセントのアイソタクチックペンタッドを有するポリマー繰り返し単位と定義される。「高アイソタクチック」は、少なくとも90パーセントのアイソタクチックペンタッドを有するポリマーと定義される。例えば、ブロックコポリマーの硬質ブロックは、アイソタクチックポリプロピレンでもよい。
ブロック合成物
ブロック合成物には、エチレン/アルファ−オレフィン/ジエンインターポリマー、プロピレン系ポリマー、及びブロックコポリマー/インターポリマーが含まれる。ブロックコポリマーには、エチレン/アルファ−オレフィン/ジエンインターポリマーと同じ組成を有する軟質ブロック、及びプロピレン系ポリマーと同じ組成を有する硬質ブロックが含まれる。ブロック合成物は、TPV組成物の形成で使用するためにペレット化されたブレンドとして存在し得る単一の組成物である。その結果、例示的な実施形態で、TPV組成物は、ペレットとして添加したブロック合成物、及び硬化剤系の存在下でこのペレットを加熱することによって形成することができる。任意で、加硫可能なエラストマー及び/または熱可塑性ポリオレフィンが、TPV組成物に添加されてもよい。
ブロックコポリマーは、少なくとも軟質ブロックと、軟質ブロックとは異なる化学的及び/または物理的特性を有する硬質ブロックを含む。軟質ブロックは、少なくともエチレン、第1のアルファ−オレフィン、及び第1のジエンに由来し、硬質ブロックは、少なくともプロピレン系ポリマー(例えば、ジエンを除く結晶性プロピレン系ポリマー)に由来する。用語「ブロックインターポリマー」、「ブロックコポリマー」、「偽ブロックコポリマー」、「偽ブロックインターポリマー」、「セグメント化コポリマー」、及び「セグメント化インターポリマー」は、直線的に接合する2つ以上の化学的に異なる領域(「ブロック」または「セグメント」と称される)を含むブロックポリマー、すなわち、ペンダントまたはグラフト化された方法ではなく、重合機能に関して端と端で接合(共有結合)している化学的に区別された単位を含むポリマーを指す。ブロックコポリマーは、線状マルチブロック(ジブロック等)またはマルチブロック星形コポリマー(すべてのブロックは、同じ原子または化学的部分と結合する)であってもよいが、隣接する区別されたポリマー単位は、端と端で接合している(例えば、端と端で共有結合している)。ブロックは、その中に組み込まれるコモノマーの量または種類、密度、結晶化度の量、結晶化度の種類(例えば、ポリエチレン対ポリプロピレン)、そのような組成物のポリマーに起因する微結晶サイズ、立体規則性の種類または程度(アイソタクチックまたはシンジオタクチック)、位置規則性または位置不規則性、長鎖分岐またはハイパー分岐を含む分岐の量、均一性、及び/または任意の他の化学的または物理的特性において異なる。ブロックコポリマーは、従来のランダムコポリマー、ポリマーの物理的ブレンド、逐次的モノマー添加を介して調製されるブロックコポリマーと区別されてもよい。
エチレン/アルファ−オレフィン/ジエンインターポリマーは、Mクラスゴムであることを特徴とする。アルファ−オレフィンモノマーは、3〜10個の炭素原子(すなわち、C〜C10オレフィン)を有してもよい。ブロックコポリマーの軟質ブロックは、エチレン/アルファ−オレフィン/ジエンブロックであってもよく、このブロックは、Mクラスゴムブロックであることを特徴とし得る。エチレン/アルファ−オレフィン/ジエンインターポリマー及びブロックは、それぞれインターポリマー及びブロックの総重量に基づいて、40重量%〜80重量%の量のアルファ−オレフィン含有量を有してもよい。インターポリマー及び軟質ブロック中のアルファ−オレフィン含有量は、同じである。エチレン/アルファ−オレフィン/ジエンインターポリマー及びブロックは、それぞれインターポリマー及びブロックの総重量に基づいて、0.1重量%〜10.0重量%の量のジエン含有量を有してもよい。インターポリマー及び軟質ブロック中のアルファ−オレフィン含有量は、同じである。
例えば、インターポリマー及び軟質ブロックは、軟質ブロックの総重量に基づいて、40重量%〜80重量%の量のアルファ−オレフィン含有量、0.1重量%〜10重量%のジエン含有量、及び残りのエチレンを有してもいてもよい。エチレン/アルファ−オレフィン/ジエンインターポリマーは、その中のアルファ−オレフィンに対するエチレンの量に基づいて、エチレン系ポリマーまたはアルファ−オレフィン系ポリマーとみなされてもよい。同様に、エチレン/アルファ−オレフィン/ジエンブロックは、その中のアルファ−オレフィンに対するエチレンの量に基づいて、エチレン系ポリマーブロックまたはアルファ−オレフィン系ポリマーブロックとみなされてもよい。
インターポリマー及び軟質ブロックのアルファ−オレフィンモノマーは、3〜10個の炭素原子(すなわち、C〜C10オレフィン)を有してもよい。例えば、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキサン、1−オクテン、2−エチルー1−ヘキセン、及び1−ドデセンを含む。C−C10オレフィンは、ビニル不飽和を含有する脂肪族及び芳香族化合物、ならびにシクロブテン、シクロペンテン、ジシクロペンタジエン、及びヒドロカルビルまたはシクロヒドロカルビル基で置換されるノルボルネンを含むが、これらに限定されないノルボルネン等の環状化合物を包含する。同じアルファ−オレフィンモノマーが、インターポリマー及び軟質ブロック中に存在する。
インターポリマー及び軟質ブロックのジエンモノマーは、2〜25個の炭素原子(すなわち、C〜C25ジエン)、2〜20の炭素原子(すなわち、C〜C20ジエン)、5〜15の炭素原子(すなわち、C〜C15ジエン)、及び/または8〜12の炭素原子(すなわち、C〜C12ジエン)を有してもよい。例示的なジエンは、イソプレン、ブタジエン、クロロプレンエチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン、2,5−ジメチル−1,5−ヘキサジエン、1,4−オクタジエン、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、シクロオクタジエン、ジシクロペンタジエン、1−ビニル−1−シクロペンテン、1−ビニル−1−シクロヘキセン、3−メチル−ビシクロ(4,2,1)ノナ−3、7−ジエン、3−エチルビシクロノンジエン、メチルテトラヒドロインデン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ブチリデン−2−ノルボルネン、2−メタリル−5−ノルボルネン、2−イソプロペニル−5−ノルボルネン、5−(1,5−ヘキサジエニル)−2−ノルボルネン、5−(3,7−オクタジエニル)−2−ノルボルネン、及び3−メチル−トリシクロ−(5,2,1,0.sup.2,6)−3,8−デカジエンを含む。例示的なエチレンポリオレフィン/ジエンは、EPDMとしても既知のエチレン−プロピレン−ジエン(Mクラス)ゴムである。EPDMを調製するために使用されるジエンは、1,4−ヘキサジエン(HD)、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)、5−ビニリデン−2−ノルボルネン(VNB)、5−メチレン−2−ノルボルネン(MNB)、及びジシクロペンタジエン(DCPD)を含む。同じジエンモノマーが、インターポリマー及び軟質ブロック中に存在する。
ブロックコポリマーの硬質ブロックは、プロピレン系ポリマーと同じ組成を有する。プロピレン系ポリマー及び硬質ブロックは各々、少なくとも50重量%(例えば、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、少なくとも80重量%、少なくとも90重量%、及び/または少なくとも95重量%)のポリプロピレンを含む。例示的な実施形態では、プロピレン含有量は、90重量%〜100重量%及び/または95重量%〜100重量%である。プロピレン系ポリマーは、ホモポリマーまたはインターポリマーでもよい。硬質ブロックは、ポリプロピレンホモポリマーブロックまたはポリプロピレンインターポリマーブロックでもよい。インターポリマーは、プロピレン及び少なくとも1つのアルファ−オレフィンモノマーの総量が100重量%になるように、ポリマー(及びブロック)が少なくとも50重量%(例えば、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、少なくとも80重量%、少なくとも90重量%、及び/または少なくとも95重量%)のポリプロピレンと、残りのC及びC〜C10オレフィンの群から選択される少なくとも1つであるアルファ−オレフィンモノマーと、を含むことを意味する。例えば、ポリマーは、プロピレン−エチレンコポリマー、プロピレン−ブチレン、及び/またはプロピレン−オクテンコポリマーでもよい。例えば、プロピレン系ポリマーは、結晶性ホモポリマーまたはインターポリマーでもよく、硬質ブロックは、結晶性ホモポリマーまたはインターポリマーブロックでもよい。例えば、プロピレン系ポリマーは、アイソタクチックポリプロピレン(iPP)等のポリプロピレンホモポリマーでもよく、硬質ブロックは、アイソタクチックポリプロピレンブロック等のポリプロピレンホモポリマーでもよい。
軟質ブロックは、ブロックインターポリマーの総重量の約1重量%〜99重量%のブロックインターポリマー中に存在してもよい。例えば、軟質セグメントは、ブロックインターポリマーの総重量の5重量%〜95重量%、10重量%〜90重量%、15重量%〜85重量%、20重量%〜80重量%、25重量%〜75重量%、30重量%〜70重量%、35重量%〜65重量%、40重量%〜60重量%、及び/または45重量%〜55重量%の量で存在してもよい。硬質セグメントは、例えば、ブロックインターポリマー中の総セグメントに関して、残りを占めるように、同様の範囲で存在してもよい。ブロックインターポリマーにおいて、すべてのブロックは、ブロック中の総エチレン及び/またはアルファ−オレフィン含有量に基づいて、硬質セグメントまたは軟質セグメントの1つとして特徴付けられる。ポリマーは、存在する硬質セグメントの量が、存在する軟質セグメントの量を超える場合、硬質セグメントの大部分を有すると言われる。軟質セグメントの重量割合及び硬質セグメントの重量割合は、DSCまたはNMRから得られるデータに基づいて計算されることができる。そのような方法及び計算は、例えば、米国特許第8,486,878号に開示される。
ブロックコポリマー/インターポリマーは、異なる量のジエン(無しを含む)及び/またはα−オレフィンを含有する交互ブロックを含む。例えば、プロピレンの量は、軟質ブロック中よりも硬質ブロック中により多くあってもよく、ジエンは、硬質ブロック内には組み込まれず、軟質ブロック内にのみ組み込まれていてもよい。ブロックコポリマーの使用によって、ジエン及びアルファ−オレフィンの総量は、後続するポリマー特性の損失なしに低減されてもよい。すなわち、ジエン及びアルファ−オレフィンモノマーの一部は、ポリマー全体にわたって均一に、またはランダムにではなく、コポリマーのブロックに組み込まれ、それらは、より効果的に使用され、続いて、ブロックインターポリマーの架橋密度は、より良く制御され得る。そのような架橋可能なエラストマー及び硬化生成物は、例えば、比較的高い引張強度及びより良い弾性回復等の有利な特性を有する。
コモノマー含有量は、核磁気共鳴(「NMR」)分光法に基づく技術を含む、任意の適切な技術を使用して測定されてもよい。比較的広範囲なTREF曲線を有するポリマーまたはポリマーのブレンドに対して、ポリマーは、望ましくは、最初に、それぞれ10℃またはそれ以下の溶出温度範囲を有する画分へ、TREFを使用して分画される。すなわち、各溶出画分は、10℃以下の収集温度枠を有する。この技術を使用して、該ブロックインターポリマーは、比較可能なインターポリマーの対応する画分より高いモルのコモノマー含有量を有する少なくとも1つのそのような画分を有する。
ブロックコポリマーは、ポリマー多分散性(PDIまたはMw/Mn)及びブロック長さ分布(例えば、2つまたは3つの異なるブロック組成物での)の独特な分布によって特徴付けられてもよい。ブロックコポリマーは、異なるコモノマー含有量のブロック(ホモポリマーブロックを含む)を交互にすることを含んでもよい。ブロックコポリマーは、末端ブロックを含有してもよい。例えば、異なる重合条件下で動作する2つ以上の重合反応器またはゾーンにおける高活性金属錯体系重合触媒と組み合わせて1つ以上のシャトリング剤の使用の効果に基づく。ブロックコポリマーは、1.7〜3.5(例えば、1.8〜2.5、1.8〜2.2、及び/または1.8〜2.1)のPDIを所有してもよい。ブロックコポリマーはでもよいブロック長さは、同一またはほぼ同一のブロック長さというよりもむしろ最確分布である。偽ブロックコポリマー/ブロックインターポリマーは、ポアソン分布ではなくシュルツ−フローリー分布に適合するPDIを所有してもよいが、異なる密度またはコモノマー含有量のポリマーブロックのブロックの大きさにおける分布は、シュルツ−フローリー型の分布である。
ブロック合成物は、以下に定義されるように、0を超え、0.500未満であるブロック合成物指数(BCI)を有してもよい。例えば、BCIは、0.020〜0.400、0.050〜0.300、0.050〜0.200、及び/または0.050〜0.100でもよい。
例えば、ブロック合成物は、(1)少なくとも1.3、少なくとも1.5、少なくとも1.7、少なくとも2.0、及び/または少なくとも2.4〜最大値5.0、3.5、及び/または2.7までのPDI、(2)80J/g以下の融解熱、(3)少なくとも50重量%及び/または60重量%(例えば、及び85重量%未満)の全体のエチレン含有量、(4)10重量%未満、5重量%未満、及び/または1重量%未満の全体のジエン含有量、(5)−25℃未満及び/または−30℃未満のガラス転移温度Tg、ならびに/または(6)1つ及び唯一のTm(例えば、図1を参照)を所有してもよい。
ブロック合成物は、0.01〜2000g/10分、0.01〜1000g/10分、0.01〜500g/10分、及び/または0.01〜100g/10分のメルトフローレート(MFR)を有してもよい。ある実施形態では、ブロック合成物は、0.1〜50g/10分、1〜30g/10分、5〜25g/10分、10〜25g/10分、及び/または15〜20g/10分のMFRを有してもよい。ブロック合成物の密度は、0.80〜0.99g/cm及び/または0.85〜0.97g/cmであってもよい。例えば、ブロック合成物の密度は、0.860〜0.925g/cmまたは0.867〜0.910g/cmの範囲にあってもよい。
ブロック合成物及びその一部であるブロックコポリマーを作製するために有用な工程は、例えば、国際公開第WO2007/035485号に記載される工程である。例えば、ポリマーは、付加重合可能なモノマーまたはモノマーの混合物を、付加重合条件下で、少なくとも1つの付加重合触媒、共触媒、及び鎖シャトリング剤を含む組成物に接触させることを含む工程によって作製されてもよい。工程は、定常状態の重合条件下で動作する2つ以上の反応器内、または栓流重合条件下で動作する反応器の2つ以上のゾーン内で、区別された工程条件下で成長ポリマー鎖の少なくともいくつかの形成によって特徴付けられる。必要に応じて、水素等の連鎖停止剤を使用して反応器粘度またはポリマー分子量を制御してもよい。
本発明所に記載されるブロック合成物及びコポリマーは、アニオン重合及び制御フリーラジカル重合と区別可能な方法を使用して調製される。特に、そのような方法は、重合を伴う、相対的完全性への逐次的モノマー付加を必要とし、そのような方法で役立つように使用されることができるモノマーの種類は、限定される。例えば、SBS型ブロックコポリマーを形成するためのスチレン及びブタジエンのアニオン重合において、各ポリマー鎖は、化学量論量の開始剤を必要とし、結果として得られるポリマーは、好ましくは1.0〜1.3の非常に狭い分子量分布Mw/Mnを有する。すなわち、ポリマーブロック長さは、本質的に同一である。加えて、アニオン及びフリーラジカル工程は、比較的ゆっくりであり、劣るプロセス経済学をもたらし、α−オレフィンの重合に容易に適合しない。特に、本明細書に記載されるブロックコポリマーは、効果及び触媒的に(すなわち、1つ以上のポリマー分子が、各触媒または開始剤の分子のために生成される工程において)生成される。これらのポリマーの一部において、ポリマーブロックの一部またはすべては、エチレンのコポリマー、コモノマー、特に、エチレン、及び3個以上の炭素原子を有するα−オレフィン(モノマー)を含む非晶質ランダムコポリマー等の非晶質ポリマーを含むことが非常に望ましい。最後に、ポリマー分子の多くは、制御ブロック数、特に、ジブロックまたはトリブロックであるが、ブロック長さは、同一またはほぼ同一のブロック長さではなく最確分布である、偽ブロックまたはブロックコポリマーを調製することが望ましい。
ブロックコポリマーを形成するための代表的な触媒及び鎖シャトリング剤は、以下の通りである。
触媒(A1)は、[N−(2,6−ジ(1−メチルエチル)フェニル)アミド)(2−イソプロピルフェニル)(α−ナフタレン−2−ジイル(6−ピリジン−2−ジイル)メタン)]ハフニウムジメチルであり、国際公開第WO2003/040195号及び同第WO2004/024740号の教示に従って調製される。
触媒(A2)は、[N−(2,6−ジ(1−メチルエチル)フェニル)アミド)(2−メチルフェニル)(1,2−フェニレン−(6−ピリジン−2−ジイル)メタン)]ハフニウムジメチルであり、国際公開第WO2003/040195号及び同第WO2004/024740号の教示に従って調製される。
触媒(A3)は、ビス[N,N’’’−(2,4,6−トリ(メチルフェニル)アミド)エチレンジアミン]ハフニウムジベンジルである。
触媒(A4)は、ビス((2−オキソイル−3−(ジベンゾ−1H−ピロール−1−イル)−5−(メチル)フェニル)−2−フェノキシメチル)シクロヘキサン−1,2−ジイルジルコニウム(IV)ジベンジルであり、米国公開第2004/0010103号の教示に従って本質的に調製される。
触媒(A5)は、(ビス−(1−メチルエチル)(2−オキソイル−3,5−ジ(t−ブチル)フェニル)イミノ)ジルコニウムジベンジルである。
触媒(A5)の調製は、以下の通りに実行される。
a)(1−メチルエチル)(2−ヒドロキシ−3,5−ジ(t−ブチル)フェニル)イミンの調製
3,5−ジ−t−ブチルサリチルアルデヒド(3.00g)を10mLのイソプロピルアミンに添加する。溶液は、迅速に明るい黄色に変わる。周囲温度で3時間撹拌した後、揮発性物質を、真空下で除去し、明るい黄色の結晶性固体を得る(97パーセントの収率)。
b)(ビス−(1−メチルエチル)(2−オキソイル−3,5−ジ(t−ブチル)フェニル)イミノ)ジルコニウムジベンジルの調製
5mLのトルエン中の(1−メチルエチル)(2−ヒドロキシ−3,5−ジ(t−ブチル)フェニル)イミン(605mg、2.2ミリモル)の溶液を、50mLのトルエン中のZr(CHPh)(500mg、1.1ミリモル)の溶液にゆっくりと添加する。結果として得られた暗い黄色い溶液を、30分間撹拌する。溶媒を減圧下で除去し、所望の生成物を赤茶色の固体として得る。
触媒(A6)は、ビス−(1−(2−メチルクロロヘキシル)エチル)(2−オキソイル−3,5−ジ(t−ブチル)フェニル)イミノ)ジルコニウムジベンジルである。
触媒(A6)の調製は、以下の通りに実行される。
a)(1−(2−メチルシクロヘキシル)エチル)(2−オキソイル−3,5−ジ(t−ブチル)フェニル)イミンの調製
2−メチルシクロヘキシルアミン(8.44mL、64.0ミリモル)をメタノール(90mL)中で溶解し、ジ−t−ブチルサリカルデヒド(10.00g、42.67ミリモル)を添加する。反応混合物を3時間撹拌し、その後、−25℃まで12時間冷却する。結果として得られた黄色い固体の沈殿物を濾過によって収集し、冷たいメタノール(2×15mL)で洗浄し、その後、減圧下で乾燥させる。収率は、11.17gの黄色い固体である。H NMRは、異性体の混合物として所望の生成物と一致する。
b)ビス−(1−(2−メチルシクロヘキシル)エチル)(2−オキソイル−3,5−ジ(t−ブチル)フェニル)イミノ)ジルコニウムジベンジルの調製
200mLのトルエン中の(1−(2−メチルシクロヘキシル)エチル)(2−オキソイル−3,5−ジ(t−ブチル)フェニル)イミン(7.63g、23.2ミリモル)の溶液を、600mLのトルエン中のZr(CHPh)(5.28g、11.6ミリモル)の溶液にゆっくりと添加する。結果として得られた暗い黄色の溶液を1時間25℃で撹拌する。溶液をさらに680mLのトルエンで希釈し、0.00783Mの濃度を有する溶液を得る。
触媒(A7)は、(t−ブチルアミド)ジメチル(3−N−ピロリル−1,2,3,3a,7a−η−インデン−1−イル)シランチタニウムジメチルであり、米国特許第6,268,444号の技術に従って本質的に調製される。
触媒(A8)は、(t−ブチルアミド)ジ(4−メチルフェニル)(2−メチル−1,2,3,3a,7a−η−インデン−1−イル)シランチタニウムジメチルであり、米国特許公開第2003/004286号の教示に従って本質的に調製される。
触媒(A9)は、(t−ブチルアミド)ジ(4−メチルフェニル)(2−メチル−1,2,3,3a,8a−η−s−インダセン−1−イル)シランチタニウムジメチルであり、米国特許公開第2003/004286号の教示に従って本質的に調製される。
触媒(A10)は、ビス(ジメチルジシロキサン)(インデン−1−イル)ジルコニウムジクロリドであり、Sigma−Aldrichから入手可能である。
使用されてもよい例示的なシャトリング剤は、ジエチル亜鉛、ジ(i−ブチル)亜鉛、ジ(n−ヘキシル)亜鉛、トリエチルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリエチルガリウム、i−ブチルアルミニウムビス(ジメチル(t−ブチル)シロキサン)、i−ブチルアルミニウムビス(ジ(トリメチルシリル)アミド)、n−オクチルアルミニウムジ(ピリジン−2−メトキシド)、ビス(n−オクタデシル)i−ブチルアルミニウム、i−ブチルアルミニウムビス(ジ(n−ペンチル)アミド)、n−オクチルアルミニウムビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノキシド、n−オクチルアルミニウムジ(エチル(1−ナフチル)アミド)、エチルアルミニウムビス(t−ブチルジメチルシロキシド)、エチルアルミニウムジ(ビス(トリメチルシリル)アミド)、エチルアルミニウムビス(2,3,6,7−ジベンゾ−1−アザシクロヘプタンアミド)、n−オクチルアルミニウムビス(2,3,6,7−ジベンゾ−1−アザシクロヘプタンアミド)、n−オクチルアルミニウムビス(ジメチル(t−ブチル)シロキシド、エチル亜鉛(2,6−ジフェニルフェノキシド)、及びエチル亜鉛(t−ブトキシド)を含む。
熱可塑性加硫物組成物
熱可塑性加硫物(TPV)組成物は、少なくとも1つのブロック合成物及び硬化剤系を含む。ブロック合成物はその中に、全体のTPV組成物のためのポリマーマトリックス相の基礎を確立する全体の熱可塑性ポリマーの全部または一部を含む。ブロック合成物は、そこに全体のTPV組成物のためのゴム相を確立する全体の加硫可能なエラストマー(ゴム)の全部または一部をさらに含む。任意のTPV組成物は、追加の熱可塑性ポリマー及び/または加硫可能なエラストマーを含んでもよい。例示的な実施形態では、その製造の方法を単純化するために、TPV組成物は、追加の熱可塑性ポリマー及び加硫可能なエラストマーのうちのいずれも含まないか、または熱可塑性ポリマーまたは加硫可能なエラストマーのうちの1つだけを含む。
TPV組成物は15重量%超のブロック合成物を含む含み、例えば、TPV組成物は、15重量%を超え、最大70重量%のブロック合成物を含んでもよい。例えば、TPV組成物の量は、16重量%〜70重量%、20重量%〜70重量%、25重量%〜70重量%、25重量%〜60重量%、25重量%〜55重量%、30重量%〜55重量%、35重量%〜55重量%、及び/または45重量%〜55重量%であってもよい。例示的な実施形態では、ブロック合成物の量は、40重量%超である。ブロック合成物の中で、ブロックコポリマーは、ブロック合成物の全体の重量の少なくとも5重量%を占めてもよい。例えば、ブロックコポリマーの量は、ブロック合成物の総重量に基づいて、5重量%〜50重量%、5重量%〜40重量%、5重量%〜30重量%、5重量%〜20重量%、及び/または5重量%〜15重量%でもよい。
ブロック合成物の中で、エチレン/アルファ−オレフィン/ジエンインターポリマーは、ブロック合成物の全体の重量の少なくとも15重量%を占めてもよい。例えば、エチレン/アルファ−オレフィン/ジエンインターポリマーの量は、ブロック合成物の総重量に基づいて、15重量%〜70重量%、20重量%〜60重量%、30重量%〜60重量%、35重量%〜55重量%、及び/または40重量%〜55重量%でもよい。ブロック合成物の中で、プロピレン系ポリマーは、ブロック合成物の全体の重量の少なくとも15重量%を占めてもよい。例えば、プロピレン系ポリマーの量は、ブロック合成物の総重量に基づいて、15重量%〜70重量%、20重量%〜60重量%、30重量%〜60重量%、35重量%〜55重量%、及び/または40重量%〜55重量%でもよい。
TPV組成物は、硬化剤系を含む。硬化剤系は、TPV組成物の総重量の最大10重量%を占めてもよい。例えば、硬化剤系は、0.1重量%〜10.0重量%、0.1重量%〜9.0重量%、1.0重量%〜8.0重量%、1.0重量%〜5.0重量%、及び/または1.0重量%〜2.5重量%の量で存在してもよい。硬化剤系は、少なくとも1つの触媒及び/または少なくとも1つの架橋剤、例えばエラストマーを硬化することが可能なかつ/またはエラストマーの硬化プロセスで補助する任意の架橋剤等、を含んでもよい。例示的な触媒には、スズ系触媒、アミン系触媒、及び亜鉛系触媒が含まれる。例えば、架橋剤は、TPV組成物で使用される熱可塑性ポリマーを本質的に分解、及び/または硬化せずにエラストマーを硬化することが可能であってもよい。例えば、架橋剤は、ブロックインターポリマー中のブロックのうちの少なくとも1つを硬化することに対して選択的であってもよい。例示的な架橋剤は、過酸化物、フェノール樹脂、アジド、アルデヒド−アミン反応生成物、ビニルシラングラフト化部分、ヒドロシリル化、置換尿素、置換グアニジン、置換キサントゲン、置換ジチオカルバメート、硫黄含有化合物(チアゾール、イミダゾール、スルフェンアミド、チウラムジスルフィド、パラキノンジオキシム、ジベンゾパラキノンジオキシム、及び硫黄等)、及びそれらの組み合わせを含む。
TPV組成物は、油展性であってもよく、例えば、そこにブレンドされる少なくとも1つの油を含んでもよい。例えば、油(すなわち、総油)は、TPV組成物の総重量の1重量%〜70重量%(例えば、20重量%〜70重量%、20重量%〜60重量%、20重量%〜50重量%、及び/または25重量%〜45重量%)を占めてもよい。例えば、油の量は、TPV組成物の総重量に基づいて、25重量%〜40重量%及び/または25重量%〜35重量%でもよい。例示的な油は、展張EPDMゴム製剤を製造する際に従来的に使用される任意の油を含む。例は、ナフテン及びパラフィン油の両方を含む。例えば、油は、白色鉱油であってもよい。
TPV組成物は、ブロック合成物とは別個の(例えば、別個に添加される)少なくとも1つの加硫可能なエラストマーの追加の量を含んでもよい。含まれる場合、TPV組成物は、1重量%〜50重量%(例えば、5重量%〜40重量%、5重量%〜30重量%、10重量%〜25重量%、及び/または15重量%〜25重量%)の加硫可能なエラストマーを含んでもよい。例えば、加硫可能なエラストマーの量は、17重量%〜25重量%でもよい。例示的なエラストマーには、天然ゴム、エチレン/プロピレン(EPM)コポリマー、エチレン/プロピレン/ジエン(EPDM)コポリマー、スチレン/ブタジエンコポリマー、塩素化ポリエチレン、及びシリコーンゴムが含まれる。例示的な加硫可能なエラストマーは、ブロックインターポリマーに関して工程を経ていないエチレン−プロピレン−ジエン(EPDM)コポリマーを含む。例示的なEPDMコポリマーは、NORDEL(商標)の商標名の下にThe Dow Chemical Companyから入手可能なものを含む。
TPV組成物は、ブロック合成物とは別個の(例えば、別個に添加される)任意の熱可塑性ポリマーを含んでもよい。含まれる場合、TPV組成物は、1重量%〜50重量%(例えば、5重量%〜40重量%、5重量%〜30重量%、10重量%〜25重量%、及び/または15重量%〜25重量%)の少なくとも1つの熱可塑性ポリマーを含んでもよい。例示的な任意の熱可塑性ポリマーは、ポリエチレン(分岐ポリエチレン及びポリエチレン系ポリマーを含む)、ポリプロピレン(分岐ポリプロピレン及びポリプロピレン系ポリマーを含む)、ポリカーボネート、オレフィンブロックコポリマー/インターポリマー(上述されるエチレン/アルファ−オレフィン/ジエンブロックを含むブロックインターポリマーとは異なる)を含むブロック合成物、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート(分岐ポリエチレンテレフタレートを含む)、及びナイロン(分岐ナイロンを含む)を含む。例えば、TPV組成物は、2〜20個の炭素原子(すなわち、C〜C20オレフィン)、2〜10個の炭素原子(すなわち、C〜C10オレフィン)、及び/または2〜5個の炭素原子(すなわち、C〜Cオレフィン)を有するアルファ−オレフィンモノマーに由来する任意の熱可塑性ポリオレフィンを含んでもよい。例えば、熱可塑性ポリオレフィンは、エチレン、プロピレン、及び/またはブチレンモノマーを含んでもよい。熱可塑性ポリオレフィンは、ポリプロピレン、ポリエチレン、またはポリブチレンに基づいてもよい。熱可塑性ポリオレフィンは、アイソタクチックポリプロピレン(iPP)等のポリプロピレンホモポリマーでもよい。実施形態では、熱可塑性ポリオレフィンは、結晶性であってもよく、100℃を超える高い融点を有する。
TPVの特性は、加硫の前後いずれかに、例えば、EPDMゴム、熱可塑性ポリマー樹脂、及び/またはそれらのブレンドの配合で使用される原料の添加によって修正されてもよい。例示的な重合調整剤は、有機または無機粒(有機または無機繊維、ナノサイズの粒子、及びカーボンブラックを含む)等の微粒子充填剤、ゼオライト、非晶質沈降またはヒュームドシリカ、二酸化チタン、着色顔料、粘土、タルク、炭酸カルシウム、珪灰石、マイカ、モンモリロナイト、ガラスビーズ、中空ガラス球、ガラス繊維、酸化亜鉛及びステアリン酸、安定剤、劣化防止剤、難燃剤、加工助剤、接着剤、粘着付与剤、油展張剤(パラフィンまたはナフテン油を含む)、ならびに他の天然及び合成ポリマー、可塑剤、ワックス、不連続繊維(木材セルロース繊維等)、ならびにエキステンダー油を含む。同様に、ブロックインターポリマーは、添加剤及び補助剤と組み合わされてもよい。適切な添加剤は、充填剤、粘着付与剤、油展張剤(パラフィンまたはナフテン油を含む)、ならびに他の天然及び合成ポリマーを含むが、これらに限定されない。加えて、少量の異なるポリマーは、いずれの添加剤のための担体として使用されてもよい。そのようなポリマーの例は、ポリエチレン、例えば、AFFINITY(登録商標)樹脂(The Dow Chemical Company)及びEXACT(登録商標)樹脂(ExxonMobil Chemical Companyである。
TPVは、押出成形(例えば、シート押出成形及びプロファイル押出成形)、射出成形、鋳造、回転成形、及びブロー成形等の知られているポリマー法で様々な有用な物品を調製するために使用されてもよい。典型的に、押出成形は、ポリマーが、融解され、圧縮され、最終的に金型を通して押し出される高温高圧の領域を通ってスクリューに沿って連続的に推進される工程である。押出機は、1軸スクリュー押出機、複数軸スクリュー押出機、ディスク押出機、またはラム押出機であり得る。金型は、フィルム金型、インフレーションフィルム金型、シート金型、パイプ金型、管金型、またはプロファイル押出金型であり得る。射出成形は、様々な用途の様々なプラスチック部品を製造するために幅広く使用される。典型的に、射出成形は、ポリマーが、融解され、高圧で所望の形状の逆である鋳型へ射出されて、所望の形状及び大きさの部品を形成する工程である。鋳造は、典型的に、ポリマーが、融解され、所望の形状の逆である鋳型へ導かれて、所望の形状及び大きさの部品を形成する工程である。鋳造は、無加圧または圧力利用鋳造であり得る。回転成形は、中空プラスチック製品を生成するために典型的に使用される工程である。回転成形は、熱、融解、形成、及び冷却ステージが、すべて、ポリマーが鋳型に配置された後に生じ、したがって外圧が形成中にかからないという点で、他の加工方法とは異なってもよい。ブロー成形は、中空プラスチック容器を作製するために使用されてもよい。工程は、典型的に、軟化ポリマーを鋳型の中央に配置すること、ポリマーを、ブローピンを有する鋳型壁に対して膨らませること、及び生成物を冷却によって固体化することを含む。押出ブロー成形、射出ブロー成形、及びストレッチブロー成形の3つの一般的な種類のブロー成形がある。
TPV組成物は、タイヤ、ホース、ベルト、ガスケット、鋳型、靴底、及び成形部品等の様々な物品を作製するために有用であり得る。成形部品は、射出成形、押出成形ブロー成形、または射出ブロー成形によって調製されてもよい。成形部品は、化学的または物理的発泡剤によって発泡されてもよい。TPV組成物は、大きい部品のブロー成形、フォーム、及び、ワイヤケーブル等の高い融解強度を求める用途に対して有用であり得る。
熱可塑性加硫物の調製
熱可塑性加硫物は、動的加硫によってプラスチックと硬化ゴムとをブレンドすることによって調製されてもよい。様々な混合機を使用して、動的加硫プロセスによってTPVを調製することができる。示される混合機は、BRABENDER(登録商標)ミキサー等のバッチミキサー、Banburyブランドのミキサー、FARREL連続ミキサー等の連続ミキサー、及びCOPERION ZSK 53等の1つ以上のスクリューを有する押出機を含む。押出機を含む、1つ以上のそのような混合機は、連続して使用されてもよい。
少なくともブロック合成物及び硬化剤(ならびに含まれる場合、任意の熱可塑性ポリマー及び/または加硫可能なエラストマー)は、個々の供給流として、乾式ブレンドとして、またはマスターバッチとして、加熱されたミキサーに添加されてもよい。押出機を使用してTPV組成物を調製する場合、追加の油が必要であれば、油を、融解混合装置に提供されるポートからギアポンプまたは同様のものを使用して添加してもよい。他の樹脂及びエラストマーを含む、追加の添加剤または材料は、融解混合装置上にある側面供給装置、または同様のものによって添加されてもよい。
TPVのための例示的な硬化温度は、当業者に周知である。例示的な硬化温度は、熱可塑性ポリマー及び加硫剤ならびに/または活性剤に依存し得る。硬化温度は、80℃〜300℃の範囲であってもよい。例えば、ポリプロピレンホモポリマーが熱可塑性ポリマーとして使用され、硬化剤がフェノール樹脂である場合、170℃〜270℃及び/または190℃〜250℃の硬化温度が使用されてもよい。これらの加硫温度での加熱及び融解することは、加硫反応を数分以下で完了するのに適切であり得るが、より短い加硫時間が望ましい場合、より高い温度が使用されてもよい。所望の離散架橋ゴム粒子(この場合、ゴムブロックインターポリマー)の分散及び最終特性は、スクリュー設計及びスクリュー速度の選択によって得られ得る。加硫の進捗は、工程中に融解温度または混合エネルギーもしくは混合トルク要件を監視することによって観察されてもよい。必要に応じて、動的加硫が完了した後に、安定剤パッケージ、加工助剤、油、可塑剤、及び/または追加の熱可塑性ポリマー等の追加の原料を添加することができる。
いくつかの実施形態では、TPVは、1つのステップまたは2つ以上のステップの配合工程を使用して作製される。例えば、フェノール硬化剤を使用する1ステップ配合では、配合温度は、例えば、フェノール硬化剤を分解しないように、220℃より低く維持されてもよい。2ステップ配合では、加硫剤が、硬化活性剤を必要としない場合、TPVプレミックスは、いかなる加硫剤をも含有しない。加硫剤が、硬化活性剤を必要とする場合、硬化活性剤が、TPVプレミックスに添加されることができ、硬化剤は、第2のステップ中に添加されてもよく、第2のステップ中の温度は、220℃より低く維持されてもよい。
混合装置から取り出した後、TPVは、任意の他の所望の技術によって、粉砕される、切り刻まれる、ペレット化される、射出成型される、または加工されてもよい。
TPV組成物に関して、多くの用途のために引張強度、圧縮永久ひずみ、及び/または総靭性を改善することが望ましい。そのような特性は、ゴム粒径の減少、及び/またはゴム相と塑性相との間の界面接着性の上昇によって改善することができると考えられる。ポリプロピレン及びEPDMからの熱可塑性加硫物は、TPVの物理的特性の改善のためのメタロセン触媒を含むシングルサイト触媒によって重合化したランダムポリプロピレンコポリマーまたはランダムエチレン−/アルファ−オレフィンコポリマーによって改質され得る。しかしながら、これらの相溶化剤は、一般に、極限伸び及び靭性を改善するが、圧縮永久ひずみは改善しない。その結果、実施形態は、良好、かつ/または改善された引張強度及び/または総靭性を依然として有しながら実現され得る、結果として得られるTPV組成物が少なくとも圧縮永久ひずみの改善を提供することができるブロック合成物の使用に関する。
反対の記述がない限り、文脈から暗黙的に、または当技術分野で習慣的に、すべての部分及び割合は、重量に基づき、すべての試験方法は、本開示の出願日の時点で最新でのものある。すべての分子量数は、別段の指示がない限り、数平均分子量に基づく。本開示における数値範囲は、おおよそである。
キャラクタリゼーション法
ブロック合成物、ブロックコポリマーに関する例示的なキャラクタリゼーション(試験)法及びそれらの調製方法は、米国特許第8,569,422号、同第8,476,366号、及び/または同第8,716,400号に述べられている。熱可塑性加硫物に関する例示的なキャラクタリゼーション法、及びその調製方法は、米国特許第8,476,366号に述べられている。
示差走査熱量測定(DSC)を使用して、ポリマー(例えば、エチレン系(PE)ポリマー)中の結晶化度を測定する。約5〜8mgのポリマーサンプルを量り、DSC皿に配置する。蓋を皿上に押し付け、閉じられた空気を確保する。サンプル皿をDSCセル内に配置し、その後、約10℃/分の速度で、PEに対して180℃(ポリプロピレンまたは「PP」に対して230℃)の温度まで加熱する。サンプルをこの温度で3分間保持する。その後、サンプルをPEに対して10℃/分〜−90℃(PPに対して−40℃)の速度で冷却し、その温度で3分間等温的に保持する。サンプルを、次に、完全に融解するまで10℃/分の速度で加熱する(第2の加熱)。パーセント結晶化度は、第2の熱曲線から決定された融解熱(H)をPEに対して292J/g(PPに対して165J/g)の理論的融解熱で割り、この数量に100(例えば、結晶化度%=(H/292J/g)×100(PEに対して))を掛けることによって計算する。特に明記しない限り、各ポリマーの融点(T)は、熱曲線(ピークTm)決定される。エンタルピーは、融解ピークの始めから最後までに引かれた直線ベースラインに関して計算され、ポリオレフィンゴムに対する典型的な開始温度は、−35℃である。
高温液体クロマトグラフィー(HTLC)は、例えば、米国特許公開第2010/0093964号に開示される方法に従って行われる。サンプルは、以下に記載される方法によって分析される。
Waters GPCV2000高温SECクロマトグラフは、HT−2DLC器具類を組み立てるために再構成された。2つのShimadzu LC−20ADポンプは、二成分ミキサーを通って、GPCV2000内の注入装置弁に接続された。第1の寸法(D1)HPLCカラムは、注入装置と10ポート切り換え弁(Valco Inc)との間に接続された。第2の寸法(D2)SECカラムは、10ポート弁とLS(Varian Inc.)、IR(濃度及び組成)、RI(屈折率)、及びIV(固有粘度)検出器との間に接続された。RI及びIVは、GPCV2000内蔵の検出器であった。IR5検出器は、PolymerChar,Valencia,Spainによって提供された。
カラム:D1カラムは、Thermo Scientificから購入した高温Hypercarbグラファイトカラム(2.1×100mm)であった。D2カラムは、Varianから購入したPLRapid−Hカラム(10×100mm)であった。
試薬:HPLC等級トリクロロベンゼン(TCB)は、Fisher Scientificから購入した。1−デカノール及びデカンは、Aldrich製であった。2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(イオノール)もまた、Aldrichから購入した。
サンプル調製:0.01〜0.15gのポリオレフィンサンプルを、10mL Watersオートサンプラーバイアル内に配置した。その後で、7mLの1−デカノールまたはデカンのいずれかを200ppmのイオノールと一緒にバイアルに添加した。ヘリウムをサンプルバイアルに約1分間スパージした後で、サンプルバイアルを160℃に設定した、加熱した加振機上に置いた。バイアルをその温度で2時間振ることによって、溶解を行った。次いで、バイアルを注入のために、オートサンプラーに移した。溶液の実際の量は、溶媒の熱膨張に起因して7mL超であったことに留意されたい。
HT−2DLC:D1流量は、0.01mL/分であった。移動相の組成は、運転の最初の10分間は、100%の弱溶離液(1−デカノールまたはデカン)であった。次いで、組成を489分で60%の強溶離液(TCB)まで増加させた。生クロマトグラムの期間として、489分間データを収集した。10ポート弁を、3分毎に切り換えて、489/3=163 SECクロマトグラムを得た。489分のデータ取得時間後に、運転後勾配を使用して、次の運転のためにカラムを洗浄及び平衡化した。
洗浄ステップ:
1. 490分:流量=0.01分;//0〜490分、0.01mL/分の一定流量を維持する。
2. 491分:流量=0.20分;//流量を0.20mL/分に増加させる。
3. 492分:B%=100;//移動相の組成を100%TCBに増加させる。
4. 502分:B%=100;//2mLのTCBを使用してカラムを洗浄する。
平衡ステップ:
5. 503分:B%=0;//移動相の組成を100%の1−デカノールまたはデカンに変更する。
6. 513分:B%=0;//2mLの弱溶離液を使用してカラムを平衡化する。
7. 514分:流量=0.2mL/分;//491〜514分、0.2mL/分の一定流量を維持する。
8. 515分:流量=0.01mL/分;//流量を0.01mL/分に低下させる。
ステップ8の後、流量及び移動相の組成は、運転勾配の初期条件と同一であった。D2流量は、2.51mL/分であった。2つの60μLループを、10ポート切り換え弁上に取り付けた。D1カラムからの30μLの溶離液を、弁の切り換え毎にSECカラム上に充填した。IR、LS15(15°における光散乱信号)、LS90(90°における光散乱信号)、及びIV(固有粘度)信号を、SS420Xアナログ・デジタル変換ボックスを通じてEZChromによって収集した。クロマトグラムを、ASCII形式でエクスポートし、データ整理のために自作のMATLABソフトウェアにインポートした。分析されているブロック合成物中に含有される硬質ブロック及び軟質ブロックと類似した性質のポリマーの、ポリマー組成及び保持体積の適切な較正曲線を使用する。較正ポリマーは、組成(分子量及び化学的組成の両方)が狭く、分析中の目的の組成を網羅するような妥当な分子量範囲に及ぶべきである。生データの分析は、以下の通りに計算した。第1の次元のHPLCクロマトグラムを、各カットのIR信号(そのカットの総IR SECクロマトグラムから)を、溶出体積の関数としてプロットすることによって再構築した。IR対D1溶出体積を、総IR信号によって正規化して、重量分率対D1溶出体積のプロットを得た。IRメチル/測定値の比を、再構築したIR測定値及びIRメチルクロマトグラムから得た。この比を、SEC実験から得たPP重量%(NMRによる)対メチル/測定値の較正曲線を使用して、組成に変換した。MWを、再構築したIR測定値及びLSクロマトグラムから得た。この比を、PE標準物を使用してIR及びLS検出器の両方を較正した後、MWに変換した。単離したPPの重量%を、組成較正曲線によって決定される単離ピーク、及び保持体積に基づいて、硬質ブロック組成に対応する面積として測定する。
ブロックインターポリマーの特徴を決定するための13C NMR分析は、約3gのテトラクロロエタン−d/オルトジクロロベンゼンの50/50混合物を、10mmのNMR管中の0.4gのサンプルに添加することによってサンプルを調製することによって行われる。サンプルを溶解し、管及びその内容物を150℃に加熱することによって均質にする。データは、100.5MHzの13C共振周波数に対応するJEOL Eclipse(商標)400MHzスペクトロメーターまたはVarian Unity Plus(商標)400MHzスペクトロメーターを使用して収集する。データは、6秒のパルス繰り返し遅延を伴う、1つのデータファイルにつき4000の過渡信号を使用して得る。定量分析のための最小限の信号対雑音を得るために、複数のデータファイルを集計する。分光幅は、32Kデータ点の最小ファイルサイズで25,000Hzである。サンプルは、130℃で10mmの広帯域プローブにおいて分析する。コモノマーの組み込みは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、ランドールのトライアッド法(Randall,J.C.;JMS−Rev.Macromol.Chem.Phys.,C29,201−317(1989)を使用して決定される。
ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)は、Polymer Laboratories ModelPL−210またはPolymer Laboratories Model PL−220計器のいずれかからなるシステムである。カラム及び回転区画は、140℃で動作させる。3つのPolymer Laboratories10−micron Mixed−Bカラムを使用する。溶媒は、1,2,4トリクロロベンゼンである。試料は、200ppmのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)を含有する50ミリリットルの溶媒中に0.1グラムのポリマーの濃度で調製する。サンプルは、160℃で2時間、軽く攪拌することによって調製する。使用される射出体積は、100マイクロリットルであり、流量は、1.0ml/分である。
GPCカラムセットの較正を、個々の分子量間で少なくとも10の分離を有する6つの「カクテル」混合物に配列した、580〜8,400,000の範囲の分子量を有する21個の狭分子量分布ポリスチレン標準物を用いて行う。標準物をPolymer Laboratories(Shropshire,UK)から購入する。ポリスチレン標準物を、1,000,000以上の分子量に関しては50ミリリットルの溶媒中に0.025グラム、1,000,000未満の分子量に関しては50ミリリットルの溶媒中に0.05グラムで調製する。ポリスチレン標準物を、30分間やさしく攪拌しながら80℃で溶解させる。最高分子量成分を減少させて、劣化を最小限にするために、狭い標準物の混合物を初めに実行する。ポリスチレン標準物ピーク分子量を、以下の等式(Williams and Ward,J.Polym.Sci.,Polym.Let.,6,621(1968)に説明される)を使用してポリエチレン分子量に変換する。Mポリプロピレン=0.645(Mポリスチレン)。ポリプロピレン等価分子量計算を、Viscotek TriSECソフトウェアVersion3.0を使用して行う。
メルトインデックス及びメルトフローレート:メルトインデックス(I)を、10分当たりのグラムで測定し、これは、ASTM D 1238、条件190℃/2.16kgに従って行う。PP樹脂のMFRを、ASTM D1238、条件230℃/2.16kgに従って測定する。
ショアA硬度は、ASTM D2240を使用して決定する。特に、測定は、ショアA型デュロメーターで行う。デュロメーターを、約3mmの厚さのプラーク上に配置する。
引張特性は、ASTM D1708を使用して決定する。特に、100%係数(MPa)、破断時の引張強度(%)、及び破断時の伸び(%)は、ASTM D1708に従って測定する。
圧縮永久ひずみは、(1)22時間、70℃に基づく25%のひずみ、及び(2)70時間、120℃に基づく25%のひずみでASTM D395を使用して決定する。圧縮永久ひずみは、圧縮後のサンプルの回復度の測定値であり、方程式CS=(H0−H2)/(H0−H1)に従って計算され、式中、H0は、サンプルの元の厚さであり、H1は、使用されるスペーサー棒の厚さであり、H2は、圧縮力の除去後のサンプルの最終厚さである。
引裂強度は、ASTM D624を使用して決定する。
密度は、ASTM D792を使用して決定する。
ブロック合成物の調製
ブロック合成物は、両方の反応器へ同時に供給される触媒を使用して生成される。軟質ブロックは、第1の反応器内で生成され、低結晶化度の硬質ブロックは、第2の反応器内で生成される。軟質ブロックと硬質ブロックとの間の分割は、50:50である。未使用のENBを、0.9重量%のレベルが、ポリマーへ組み込まれるまで、第2の反応器へ供給されている溶媒流に0.1lb/時間の増分でゆっくりと添加した。ENBは、非晶質軟質ブロックへ組み込まれる。
ブロック合成物を、直列に接続された2つの連続撹拌槽型反応器(CSTR)を使用して調製する。各反応器は、液圧的に満杯であり、定常状態条件で動作するように設定される。サンプルA1を、表1にまとめられるプロセス条件に従ってモノマー、触媒、共触媒−1、共触媒−2、及びSAを流すことによって調製する。2つのポート注入装置を使用して、触媒、共触媒−1、共触媒−2、及びSA(シャトリング剤)−1を別々に反応器へと供給する。ブロック合成物の調製に対して、触媒は、([[レル−2’,2’’’−[(1R,2R)−1,2−シクロヘキサンジイルビス(メチレンオキシ−κO)]ビス[3−(9H−カルバゾール−9−イル)−5−メチル[1,1’−ビフェニル]−2−オラト−κO]](2−)]ジメチル−ハフニウム)である。共触媒−1は、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸塩のメチルジ(C14−18アルキル)アンモニウム塩の混合物であり、それは、長鎖トリアルキルアミン(Armeen(商標)M2HT、Akzo−Nobel,Inc.から入手可能)の反応によって調製され、使用される。共触媒−2は、米国特許第6,395,671号、実施例16に従って調製される、ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)−アルマン)−2−ウンデシルイミダゾリドの混合C14−18アルキルジメチルアンモニウム塩である。SA−1は、Akzo Nobel Chemicals製の1〜3モル%の修飾メチルアルモキサン(MMAO−3A)を含有してもよいジエチル亜鉛(DEZ)の溶液である。反応器を出るとすぐに、水及び/または添加剤をポリマー溶液に注入してもよい。
ブロック合成物を生成するための工程条件は、以下の通りである。
結果として得られるブロック合成物のDSC融点温度プロファイル(第2の加熱及び第1の冷却)を図1に示す。ブロック合成物の密度は、0.877g/cmである。
ブロック合成物は、iPP−EPDMブロックコポリマー、EPDMポリマー、及びiPP(アイソタクチックポリプロピレン)ポリマーを含む。ブロック合成物指数は、以下で論じられるように、0.088である。EPDMポリマー対iPPポリマーの比率を、おおよそ1:1に設定する。
ブロック合成物の特徴を、以下の表2に示す。
ブロック合成物の組成物を以下の表3に示す。特に、ブロック合成物のサンプルの総重量に基づく、第1の反応器からのブロックコポリマーに組み込まれた総重量%C、及び第2の反応器からのブロックコポリマーに組み込まれた総重量%Cを表3に示す。一方、ブロックコポリマーの全体の総C含有量を上記の表2に示す。さらに、ブロック合成物の総重量に基づく、第1の反応器からのブロックコポリマー中のENBの重量%、及び第2の反応器からのブロックコポリマー中のENBの重量%を表3に示す。さらに、第1の反応器内で作製されたブロックコポリマーの総重量及び第2の反応器内で作製されたブロックコポリマーの総重量の割合(合計100重量%)を表3に示す。
さらに、ブロック合成物のキャラクタリゼーションは、推定ブロック合成物指数(BCI)の決定を伴い、これは、以下の表4に要約される。
BCIの決定に関して、第1のステージは、画分サンプルの調製であり、この結果は、以下の表5に要約される。画分サンプルを調製する工程は、以下を伴う。
2〜4グラムのポリマーを、還流条件下で2時間、200mlのo−キシレンに溶解する。次いで、溶液を温度制御された水浴中で25℃に冷却して、キシレン不溶性画分を結晶化させる。溶液が冷却され、不溶性画分が溶液から析出したら、キシレン不溶性画分からのキシレン可溶性画分の分離を、濾紙を通す濾過によって行う。残りのo−キシレン溶媒を濾液から蒸発させる。キシレン可溶性(XS)画分及びキシレン不溶性(XI)画分の両方を、真空オーブンで、100℃で60分間乾燥させ、計量する。
特に、ポリマー全体を、抽出手順に供して、キシレン不溶性画分及びキシレン可溶性画分を生成する。表5は、運転の分析結果を示す。ポリマーの分子量分布は比較的狭く、2.3〜3.0の範囲にある。iPPブロックに接続されたEPDMブロックは、溶媒への鎖の可溶性を強化することができる、かつ/またはiPPブロックの結晶化を妨げることができる。
結果を、以下に要約する。
この分析において、キシレン可溶性画分は、結晶化可能ではない軟質ポリマーの量の推定である。逆に、不溶性画分は、ある量のiPPポリマー及びiPP−EPDMジブロックを含有することができる。ポリマー鎖の結晶化及び溶出はその最長の結晶化可能プロピレン配列によって管理されるため、ジブロックコポリマーは、iPPポリマーと一緒に析出する。これは、「不溶性」画分中に存在する、かなりの量、かつ普通なら説明のつかない量のエチレンを示す、例えば、NMR及び/またはDSC分析によって実証可能である。iPPとEPDMゴムとのブレンドの典型的な分離において、アイソタクチックPPは、この分析によって明白に分離される。不溶性画分中に存在する「追加の」エチレンが存在するという事実は、ジブロックの画分が存在することを実証する。画分間のモノマーの総質量平衡を明らかにすることによって、ブロック合成物指数を推定することができる。
ジブロックの存在の別の表れは、iPPの量の増加に伴う不溶性画分の分子量の増加である。第1の反応器から第2の反応器に渡される間にポリマー鎖が配位的に連結されるため、ポリマーの分子量が増加するはずである。
ブロック合成物指数(BCI)は、そのポリマーが、単純にiPPホモポリマーとEPコポリマーとのブレンドである場合、不溶性画分が普通なら存在しないであろうかなりの量のエチレンを含有することを示すことに基づく。この「余分なエチレン」を説明するために、質量平衡計算を行って、キシレン不溶性画分及び可溶性画分の量、ならびに画分の各々中に存在する重量%エチレンから、ブロック合成物指数を推定することができる。この「余分なエチレン」を説明するために、質量平衡計算を行って、キシレン不溶性画分及び可溶性画分の量、ならびに画分の各々中に存在する重量%エチレンから、ブロック合成物指数を推定することができる。
等式1に従う各画分からの重量%エチレンの合計は、(ポリマー中の)全体の重量%エチレンをもたらす。この質量平衡等式は、二成分ブレンド中の各成分の量を定量化するためにも使用され得るか、または三成分ブレンド、もしくはn成分ブレンドにまで拡大され得る。
等式2〜4を適用して、不溶性画分中に存在する、(余分なエチレンの源を提供する)軟質ブロックの量を計算する。等式2の左側の不溶性画分の重量%Cを置換することによって、重量%iPP硬質及び重量%EP軟質を、等式3及び4を使用して計算することができる。EP軟質中のエチレンの重量%は、キシレン可溶性画分中の重量%エチレンと等しくなるように設定されることに留意されたい。iPPブロック中の重量%エチレンは、0に設定されるか、またはさもなければそのDSCの融点または他の組成物の測定値から既知である場合は、その値がiPPブロック中の重量%エチレンの位置に入れられてもよい。
不溶性画分中に存在する「追加の」エチレンの説明後に、不溶性画分中に存在するEPコポリマーを有する唯一の方法、EPポリマー鎖は、iPPポリマーブロックに接続されていなければならない(さもなければ、EPDMポリマー鎖は、キシレン可溶性画分内へ抽出される)。したがって、iPPブロックが結晶化するとき、それはEPブロックが可溶化する可能性を低減させ得る、かつ/またはそれを妨げ得る。
具体的には、本明細書で使用されるブロック合成物に関して、BCIは、表6で以下に示されるように計算される。
ブロック合成物指数を推定するために、各ブロックの相対量が考慮に入れられなければならない。これに近づくために、EPDM軟質とiPP硬質との間の比が使用される。EPDM軟質ポリマーとiPP硬質ポリマーとの間の比は、ポリマー中で測定された総エチレンの質量平衡から等式2を使用して計算することができる。あるいは、EPDM軟質ポリマーとiPP硬質ポリマーとの間の比は、重合の間のモノマー及びコモノマー消費の質量平衡からも推定することができる。iPP硬質の重量分率及びEPDM軟質の重量分率は、等式2を使用して計算され、iPP硬質がエチレンを含有しないことを前提とする。EPDM軟質の重量%エチレンは、キシレン可溶性画分中に存在するエチレンの量である。
用語、ブロック合成物指数(BCI)は、本明細書で、ブロックコポリマーの重量割合を100%で除したもの(すなわち重量分率)と等しいと定義される。ブロック合成物指数の値は、0〜最大1の範囲にあることができ、1は、100%のブロックコポリマーと等しく、0は、従来のブレンドまたはランダムコポリマー等の材料である。上述の実施例に関して、ブロック合成物のBCIは、0.088である。不溶性画分に関して、BCIは、1.000であり、可溶性画分に関して、BCIには、0の値が割り当てられる。
例えば、iPP−EPDMポリマーが全体で47重量%のCを含有し、67重量%のCを有するEPDM軟質ポリマー及びエチレンを全く含有しないiPPホモポリマーを生成する条件下で作製される場合、EPDM軟質及びiPP硬質の量は、それぞれ70重量%及び30重量%である。EPDMのパーセントが70重量%であり、iPPが30重量%である場合、EPDM:iPPブロックの相対比は、2.33:1と表現することができる。したがって、当業者がポリマーのキシレン抽出を行い、40重量%の不溶性及び60重量%の可溶性を回収した場合、これは予想外の結果であり、これは、本発明のブロックコポリマーの画分が存在したという結論につながる。不溶性画分のエチレン含有量が実質的に25重量%Cであると測定された場合、等式2〜4がこの追加のエチレンを説明するために解かれ得、37.3重量%のEPDM軟質ポリマー及び62.7重量%のiPP硬質ポリマーが不溶性画分中に存在することがもたらされ得る。
総ポリマー組成物からの推定、ならびに硬質ブロック及び軟質ブロックの組成を推定するために使用される分析測定値における誤差によって、5〜10%の相対誤差が、ブロック合成物指数の計算された値において起こり得る。そのような推定には、DSC融点、NMR分析、または工程条件から測定されるiPP硬質ブロック中の重量%C2;キシレン可溶性の組成から、またはNMRによって、もしくは(検出された場合)軟質ブロックのDSC融点によって推定される軟質ブロック中の平均重量%C2が含まれる。しかしながら全体的に見て、ブロック合成物指数計算が、不溶性画分中に存在する予想外の量の「追加の」エチレンを合理的に説明し、不溶性画分中に存在するEPコポリマーを有する唯一の方法、EPDMポリマー鎖は、iPPポリマーブロックに接続されていなければならない(さもなければ、EPDMポリマー鎖は、キシレン可溶性画分内へ抽出される)。
熱可塑性加硫物の調製
主に使用された材料は、以下の通りである。
[表]
実施例1〜4及び比較例Aは、以下の近時の製剤に従って調製される。
表7を参照すると、フェノール樹脂の量は、実施例1と比較して実施例2において増加し、実施例3と比較して実施例4において増加する。油の量は、実施例1及び2それぞれと比較して、実施例3及び4の両方において(おおよそ42重量%)増加する。比較例Aは、ポリオレフィンと、(ENBがブロック合成物及びEPDM1の両方に由来する実施例などの場合、全体のENB含有量がすべての実施例において同じになるように)より低いENB含有量を有するEPDM2とのブレンドを使用する。
表7の製剤による、実施例1〜4及び比較例AのTPV製剤のための調製工程は、以下の通りである。
(1)遅延を最小限にし、混合時間を減少させるために、エラストマーペレットをガラス瓶内のパラフィン油に、50℃で24時間吸収させる。
(2)Haakeミキサーボウルを190℃に加熱する。
(3)ミキサーを、35rpmで開始する。
(4)油吸収エラストマー及びブロック合成物(ペレットとして)またはポリオレフィン(Profax 6823、0.5MFR、LyondellBasellから入手可能なポリプロピレンホモポリマー)をミキサーに添加する。
(5)材料は、4分間75rpmで混合する。
(6)硬化パッケージ(フェノール樹脂、塩化スズ、及び酸化亜鉛)を溶融混合物に添加し、混合をさらに3分間継続させる。
(7)酸化防止剤を添加し、混合をさらに1分間継続させる。
(8)溶解物をインターナルミキサーから取り出し、190℃の2本ロールミル上でさらに混合させる。溶解物をミキサーに通過させ、結果として得られたシートを、縦方向にミルに配置し、通過させる前に、葉巻形の見本に巻く。手順を6回繰り返し、その後、サンプルを、シートとしてミルから取り除く。
(9)ミルからのシートを、加熱プレス(190℃)内で、2分間、2000psi未満の圧力で予熱する。その後、シートを190℃で55000psi未満の圧力で4分間、圧縮成形し、4分間、55000psiの圧力で冷却する。この手順は、1/16インチ〜1/8インチの厚さの試験プラークを生成する。
以下の表8を参照すると、ショアA硬度、引張特性、圧縮永久ひずみ、及び引裂強度は、実施例1及び2ならびに比較例A及びBのそれぞれのサンプルのために測定される。
実施例1〜4は、例えば、圧縮永久ひずみと比較して、比較例Aへの有意な改善を示す。製造の工程に示されるように、TPVは、単純化され得、かつ/または結果として得られる特性が、本明細書に記載されるブロック合成物を使用することによって改善され得る。例えば、表8を参照して、ショアA硬度は、実施例1〜2及び4ならびに比較例Aに対して比較可能である。さらに、比較例Aと比較して、圧縮永久ひずみ(より良好な弾性回復を示す)及び引張強度それぞれに関して、有意な改善が実施例1、2、及び4で見られる。
なお、本願発明は次の態様も含む。
(1)熱可塑性加硫物組成物であって、
(A)
(i)エチレン/アルファ−オレフィン/ジエンインターポリマーであって、前記アルファ−オレフィンが、3〜10個の炭素原子を有するアルファ−オレフィンモノマーであり、前記ジエンが、2〜25個の炭素原子を有するジエンモノマーである、エチレン/アルファ−オレフィン/ジエンインターポリマー、
(ii)プロピレン系ポリマー、ならびに
(iii)軟質ブロック及び硬質ブロックを含むブロックコポリマーであって、前記軟質ブロックが、前記エチレン/アルファ−オレフィン/ジエンポリマーと同じ組成を有し、前記硬質ブロックが、前記プロピレン系ポリマーと同じ組成を有する、ブロックコポリマーを含む、15重量%超のブロック合成物と、
(B)残りの硬化剤系、ならびに任意で、加硫可能なエラストマー、熱可塑性ポリオレフィン、及び油のうちの少なくとも1つと、を含む、熱可塑性加硫物組成物。
(2)前記ブロック合成物の量が、前記熱可塑性加硫物組成物の総重量に基づいて、25重量 %を超え、最大70重量%である、前記(1)に記載の熱可塑性加硫物組成物。
(3)さらに前記油を含む、前記(1)に記載の熱可塑性加硫物組成物。
(4)前記熱可塑性加硫物組成物の総重量に基づいて、前記ブロック合成物の量が、25重量%〜70重量%であり、前記油の量が、1重量%〜70重量%であり、前記硬化剤系の量が、0.1重量%〜10.0重量%である、前記(3)に記載の熱可塑性加硫物組成物。
(5)さらに加硫可能なエラストマーを含み、
前記熱可塑性加硫物組成物の総重量に基づいて、前記ブロック合成物の量が、25重量%〜70重量%であり、前記加硫可能なエラストマーの量が、1重量%〜50重量%であり、前記油の量が、20重量%〜70重量%であり、前記硬化剤系の量が、0.1重量% 〜10.0重量%である、前記(3)に記載の熱可塑性加硫物組成物。
(6)前記熱可塑性加硫物組成物の総重量に基づいて、前記ブロック合成物の量が、25重量%〜55重量%であり、前記加硫可能なエラストマーの量が、10重量%〜25重量%であり、前記油の量が、20重量%〜50重量%であり、前記硬化剤系の量が、0.1重量%〜10.0重量%である、前記(5)に記載の熱可塑性加硫物合成物。
(7)前記ブロック合成物の量が、15重量%〜70重量%の前記エチレン/アルファ−オレフィン/ジエンインターポリマー、15重量%〜70重量%の前記プロピレン系ポリマー、及び5重量%〜50重量%の前記ブロックコポリマーを含む、前記(1)〜(6)のいずれか一項に記載の熱可塑性加硫物合成物。
(8)前記ブロック合成物のブロック合成物指数が、0.050〜0.300である、前記(1)〜(7)のいずれか一項に記載の熱可塑性加硫物組成物。
(9)前記エチレン/アルファ−オレフィン/ジエンインターポリマーが、エチレン−プロピレン−ジエンゴムであり、前記軟質ブロックが、エチレン−プロピレン−ジエンゴムブロックである、前記(1)〜(8)のいずれか一項に記載の熱可塑性加硫物組成物。
(10)前記プロピレン系ポリマーが、アイソタクチックポリプロピレンであり、前記硬質ブロックが、アイソタクチックポリプロピレンブロックである、前記(1)〜(9)のいずれか一項に記載の熱可塑性加硫物組成物。

Claims (5)

  1. 熱可塑性加硫物組成物であって、
    (A)(i)エチレン/アルファ−オレフィン/ジエンインターポリマーであって、前記アルファ−オレフィンが、3〜10個の炭素原子を有するアルファ−オレフィンモノマーであり、前記ジエンが、2〜25個の炭素原子を有するジエンモノマーである、エチレン/アルファ−オレフィン/ジエンインターポリマー、
    (ii)プロピレン系ポリマー、及び
    (iii)軟質ブロック及び硬質ブロックを含むブロックコポリマーであって、前記軟質ブロックが、前記エチレン/アルファ−オレフィン/ジエンポリマーと同じ組成を有し、前記硬質ブロックが、前記プロピレン系ポリマーと同じ組成を有する、ブロックコポリマーを含む、ブロック合成物、
    (B)加硫可能なエラストマー、
    (C)油、並びに
    (D)硬化剤系、
    を含み、
    熱可塑性加硫物組成物の総重量に基づいて、前記ブロック合成物の量が25〜55重量%であり、前記加硫可能なエラストマーの量が10〜25重量%であり、前記油の量が20〜50重量%であり、前記硬化剤系の量が0.1〜10.0重量%である、熱可塑性加硫物組成物。
  2. 前記ブロック合成物が15重量%〜70重量%の前記エチレン/アルファ−オレフィン/ジエンインターポリマー、15重量%〜70重量%の前記プロピレン系ポリマー、及び5重量%〜50重量%の前記ブロックコポリマーを含む、請求項に記載の熱可塑性加硫物合成物。
  3. 前記ブロック合成物のブロック合成物指数が、0.050〜0.300である、請求項1又は2に記載の熱可塑性加硫物組成物。
  4. 前記エチレン/アルファ−オレフィン/ジエンインターポリマーが、エチレン−プロピレン−ジエンゴムであり、前記軟質ブロックが、エチレン−プロピレン−ジエンゴムブロックである、請求項1〜のいずれか一項に記載の熱可塑性加硫物組成物。
  5. 前記プロピレン系ポリマーが、アイソタクチックポリプロピレンであり、前記硬質ブロックが、アイソタクチックポリプロピレンブロックである、請求項1〜のいずれか一項に記載の熱可塑性加硫物組成物。
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