(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態を、図面を参照して説明する。
[スロットマシンの構成例]
本発明に係るスロットマシンを実施するための形態を以下に説明する。
本発明が適用されたスロットマシンの実施形態について、図面を用いて説明すると、本実施形態のスロットマシン1は、図1に示すように、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bとから構成されている。筐体1aの内部には、図2に示すように、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、図1、図3に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄(所定の順序でそれぞれ21個ずつ描かれている互いに識別可能な複数種類の図柄のうちの3つの図柄)が前面扉1bに設けられた透視窓3からそれぞれ見えるように配置されている。
リール2L,2C,2Rの内側には、リール2L,2C,2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L,33C,33Rと、リール2L,2C,2Rを背面から照射するリールLED55と、が設けられている。また、リールLED55は、リール2L,2C,2Rの連続する3つの図柄に対応する12のLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
前面扉1bの各リール2L,2C,2Rの手前側(遊技者側)の位置には、液晶表示器51(図1参照)の表示領域51aが配置されている。液晶表示器51は、液晶素子に対して電圧が印加されていない状態で透過性を有する液晶パネルを有しており、表示領域51aの透視窓3に対応する透過領域51bを介して遊技者側から各リール2L,2C,2Rが視認できるようになっている。
前面扉1bには、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数(本実施形態では後述するRT0〜RT4の規定数として3、RBの規定数として2が定められている)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダル及び賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジット及び賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、演出用ボタン56が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
また、前面扉1bには、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード、後述のナビ報知によるリールの停止順を識別可能な情報が表示される等が表示される遊技補助表示器12、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、リプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられた遊技用表示部13が設けられている。
MAXBETスイッチ6の内部には、MAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図4参照)が設けられており、ストップスイッチ8L,8C,8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L,8C,8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図4参照)がそれぞれ設けられている。
前面扉1bの内側には、所定のキー操作によりエラー状態及び打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23(図4参照)、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24(図2参照)、所定の契機(たとえば、後述のBB終了時)に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a(図2参照)、所定の契機(たとえば、BB終了時)に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b(図2参照)、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1aの内部に設けられた後述のホッパータンク34a(図2参照)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30(図4参照)、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31(図4参照)を有するメダルセレクタ29(図2参照)、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25(図4参照)が設けられている。
筐体1aの内部には、前述したリール2L,2C,2R、リールモータ32L,32C,32R(図4参照)、各リール2L,2C,2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L,33C,33R(図4参照)からなるリールユニット2(図2参照)、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000(図4参照)、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b(図4参照)、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34c(図4参照)からなるホッパーユニット34(図2参照)、電源ボックス100(図2参照)が設けられている。
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留されたメダルが所定量以上となったこと、すなわちオーバーフロータンク35が満タン状態となったことを検出する満タンセンサ35a(図4参照)が設けられている。
電源ボックス100の前面には、図2に示すように、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をon/offする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
なお、電源ボックス100は、筐体1aの内部に設けられており、さらに前面扉1bは、店員などが所持する所定のキー操作により開放可能な構成であるため、これら電源ボックス100の前面に設けられた設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39は、キーを所持する店員などの者のみが操作可能とされ、遊技者による操作ができないようになっている。また、所定のキー操作により検出されるリセットスイッチ23も同様である。特に、設定キースイッチ37は、キー操作により前面扉1bを開放したうえで、さらにキー操作を要することから、遊技場の店員のなかでも、設定キースイッチ37の操作を行うキーを所持する店員のみ操作が可能とされている。
本実施形態のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すれば良い。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインLN(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。本実施形態では、後述するRT0〜RT4における規定数の賭数として3枚が定められ、後述するRBにおける規定数の賭数として2枚が定められており、これら遊技状態に応じた規定数の賭数が設定されると入賞ラインLNが有効となる。なお、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために設定されるラインである。本実施形態では、図1に示すように、リール2Lの中段、リール2Cの中段、リール2Rの中段、すなわち中段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインLNのみが入賞ラインとして定められている。また、本実施形態では、入賞役として、入賞ラインLNに役として定められた所定の図柄の組合せが揃ったときに入賞するとともに、かつ所定の図柄組合せが揃うことにより無効ラインLM1〜LM4のいずれかに所定の図柄組合せよりも認識しやすい指標となる図柄の組合せが揃うことにより、無効ラインLM1〜LM4のいずれかに揃った図柄の組合せによって入賞したように見せることが可能な役を含む。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、入賞ラインLN上に予め定められた図柄の組合せが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施形態では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払い出されるようになっている。
図4は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図4に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
遊技制御基板40には、メイン制御部41、制御用クロック生成回路42、乱数用クロック生成回路43、スイッチ検出回路44、モータ駆動回路45、ソレノイド駆動回路46、LED駆動回路47、電断検出回路48、リセット回路49が搭載され、遊技の進行に関する処理を行うととともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
演出制御基板90には、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55、演出用ボタン56等の演出装置が接続されており、これら演出装置は、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。なお、本実施形態では、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91により、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55、演出用ボタン56等の演出装置の出力制御が行われる構成であるが、サブ制御部91とは別に演出装置の出力制御を直接的に行う出力制御部を演出制御基板90または他の基板に搭載し、サブ制御部91がメイン制御部41からのコマンドに基づいて演出装置の出力パターンを決定し、サブ制御部91が決定した出力パターンに基づいて出力制御部が演出装置の出力制御を行う構成としても良く、このような構成では、サブ制御部91及び出力制御部の双方によって演出装置の出力制御が行われることとなる。
演出制御基板90には、サブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにて構成され、演出の制御を行うサブ制御部91、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行う表示制御回路92、演出効果LED52、リールLED55の駆動制御を行うLED駆動回路93、スピーカ53、54からの音声出力制御を行う音声出力回路94、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、演出制御基板90に接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路96、日付情報及び時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置97、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブCPU91aに対して出力する電断検出回路98、その他の回路等、が搭載されており、サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
リセット回路95は、遊技制御基板40においてメイン制御部41にシステムリセット信号を与えるリセット回路49よりもリセット信号を解除する電圧が低く定められており、電源投入時においてサブ制御部91は、メイン制御部41よりも早い段階で起動するようになっている。一方で、電断検出回路98は、遊技制御基板40においてメイン制御部41に電圧低下信号を出力する電断検出回路48よりも電圧低下信号を出力する電圧が低く定められており、電断時においてサブ制御部91は、メイン制御部41よりも遅い段階で停電を検知し、後述する電断処理(サブ)を行うこととなる。
サブ制御部91は、メイン制御部41と同様に、割込機能を備えており、メイン制御部41からのコマンド受信時に割込を発生させて、メイン制御部41から送信されたコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、サブ制御部91は、システムクロックの入力数が一定数に到達する毎、すなわち一定時間間隔(約2ms)毎に割込を発生させて後述するタイマ割込処理(サブ)を実行する。また、サブ制御部91は、メイン制御部41とは異なり、コマンドの受信に基づいて割込が発生した場合には、タイマ割込処理(サブ)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を実行し、タイマ割込処理(サブ)の契機となる割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を最優先で実行するようになっている。また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
[設定値について]
本実施形態のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、後述する内部抽選、ナビストック抽選等において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち、設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。なお、設定値は1、3、6や、1、4、H(High)等の3段階や、1〜7の7段階で設定してもよく、6段階に限定する必要はない。
なお、本実施形態では、いずれの設定値が設定されている場合でも、メイン制御部41が行う内部抽選の当選確率は共通であり、設定値に応じてサブ制御部91が行うナビストック抽選、上乗せ抽選の当選確率として異なる当選確率を用いることによりメダルの払出率が変わる構成であるが、メイン制御部41が行う抽選の当選確率、サブ制御部91が行う抽選の当選確率の少なくとも一方または双方の当選確率を設定値に応じて変更することで、メダルの払出率が変わる構成であればよい。
設定値を変更するためには、まず、前面扉1bが開放された状態で、設定キースイッチ37をON状態としてからスロットマシン1の電源をONする必要がある。設定キースイッチ37をON状態として電源をONすると、設定値表示器24にメイン制御部41の図示しないRAMから読み出された設定値が表示値として表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更状態(設定変更モード)に移行する。設定変更状態において、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された表示値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると表示値を設定値として確定する。そして、設定キースイッチ37がOFFされると、確定した表示値(設定値)がRAMに格納され、遊技の進行が可能な状態に移行する。なお、前面扉1bが開放されていなければ設定値を変更できないようにして、前面扉1bが開放されていない状態での不正な設定変更を防止してもよい。すなわち、前面扉1bの開放と設定キースイッチ37をオン状態にする操作と電源スイッチ39の操作とを設定変更状態の開始条件としてもよい。
なお、この場合、設定キースイッチ37がオフ状態になるまで前面扉1bの開閉に関わらず設定値変更状態が維持されるようにしてもよい。すなわち、前面扉1bの開放を設定変更状態の開始条件とした場合であっても前面扉1bの開閉を設定変更状態の終了条件にしなくてもよい。
また、設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で前面扉1bを開放して設定キースイッチ37をON状態とすればよい。このような状況で設定キースイッチ37をON状態とすると、設定値表示器24にRAMから読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態(設定確認モード)に移行する。設定確認状態においては、ゲームの進行が不能であり、設定キースイッチ37をOFF状態とすることで、設定確認状態が終了し、ゲームの進行が可能な状態に復帰することとなる。なお、設定値確認状態も設定値変更状態と同様に、前面扉1bが開放されていなければ設定値を変更できないようにして前面扉1bが開放されていない状態での不正な設定確認を防止してもよい。すなわち、前面扉1bの開放と設定キースイッチ37をオン状態にする操作とを設定確認状態の開始条件としてもよい。また、前面扉1bの開放を設定値確認状態の開始条件とした場合であっても前面扉1bの開閉を設定値確認状態の終了条件にしなくてもよい。
図5は、遊技制御基板40に搭載されたメイン制御部41の構成例を示している。図5に示すメイン制御部41は、1チップマイクロコンピュータであり、外部バスインターフェイス501と、クロック回路502と、照合用ブロック503と、固有情報記憶回路504と、演算回路505と、リセット/割込コントローラ506と、CPU(Central Processing Unit)41aと、ROM(Read Only Memory)41bと、RAM(Random
Access Memory)41cと、フリーランカウンタ回路507と、乱数回路508a、508bと、タイマ回路509と、割込コントローラ510と、パラレル入力ポート511と、シリアル通信回路512と、パラレル出力ポート513と、アドレスデコード回路514と、を備えて構成される。リセット/割込コントローラ506は、指定エリア外走行禁止(IAT)回路506aとウォッチドッグタイマ(WDT)506bとを備える。
CPU41aは、ROM41bから読み出した制御コードに基づいてユーザプログラム(ゲーム制御用の遊技制御処理プログラム)を実行することにより、スロットマシン1における遊技制御を実行する制御用CPUである。こうした遊技制御が実行されるときには、CPU41aがROM41bから固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU41aがRAM41cに各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU41aがRAM41cに一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU41aが外部バスインターフェイス501やパラレル入力ポート511、シリアル通信回路512などを介してメイン制御部41の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU41aが外部バスインターフェイス501やシリアル通信回路512、パラレル出力ポート513などを介してメイン制御部41の外部へと各種信号を出力する送信動作等も行われる。
ROM41bには、ユーザプログラム(ゲーム制御用の遊技制御処理プログラム)を示す制御コードや固定データ等が記憶されている。RAM41cは、ゲーム制御用のワークエリアを提供する。ここで、RAM41cの少なくとも一部は、バックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであれば良い。すなわち、スロットマシン1への電力供給が停止しても、所定期間はRAM41cの少なくとも一部の内容が保存される。
本実施形態においてメイン制御部41は、パラレル出力ポート513を介してサブ制御部91に各種のコマンドを送信する。メイン制御部41からサブ制御部91へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、サブ制御部91からメイン制御部41へ向けてコマンドが送られることはない。また、本実施形態では、パラレル出力ポート513を介してサブ制御部91に対してコマンドが送信される構成、すなわちコマンドがパラレル信号にて送信される構成であるが、シリアル通信回路512を介してサブ制御部91に対してコマンドを送信する構成、すなわちコマンドをシリアル信号にて送信する構成としても良い。
[入賞役などについて]
本実施形態におけるスロットマシン1は、遊技状態として、RT0〜RT4、RB(BB中のRB含む)のいずれかに制御される。入賞役のうち特別役には、ビッグボーナス(以下、ビッグボーナスをBBと称する)、レギュラーボーナス(以下、レギュラーボーナスをRBと称する)の2種類のボーナスが含まれる。BBは、RT0〜RT4において入賞ラインLNに「赤7−赤7−赤7」の組合せが揃ったときに入賞となる。BBに入賞すると、後述のレギュラーボーナス(以下、RBと称する)に毎ゲーム制御されるビッグボーナスに移行する。そして、ビッグボーナスは、316枚以上メダルが払い出されたことを条件として終了する。RBは、RT0〜RT4において入賞ラインLNに「BAR−BAR−BAR」の組合せが揃ったときに入賞となる。RBに入賞すると、レギュラーボーナス(以下、RBと称する)に移行される。そして、レギュラーボーナスは、いずれかの役が6回入賞するか、12ゲーム消化したことを条件として終了する。図11に示すように、BB、RBのいずれかに当選してから入賞するまでは、内部中としてのRT4に制御され、BBまたはRB(まとめてボーナスと呼ぶ)が終了した後は、RT3に制御されることとなる。
入賞役のうち小役には、上段ベル1、上段ベル2、上段ベル3、上段ベル4、上段ベル5、上段ベル6、上段ベル7、上段ベル8、中段ベル、右下がりベル、中段スイカ、右下がりスイカ、中段チェリー、角チェリーが含まれる。入賞役のうち再遊技役には、中段リプレイ、右上がりリプレイ、昇格リプレイ、特殊リプレイ、転落リプレイ、赤7リプレイ、青7リプレイが含まれる。
本実施形態では、RT0〜RT4、ボーナス(RB、BB中のRB)のいずれかに制御される。本実施形態では、RT0、RT1、RT3、RT4は、1ゲームあたりのメダルの払出率は100%未満となり、RT2、RB、BBは、1ゲームあたりのメダルの払出率は100%以上となる。RT0〜RT4、RB、BB(RB)のうち、RB及びBBが1ゲームあたりのメダルの払出率がもっとも高く、最も有利な遊技状態である。また、RT0〜RT4のうちRT0、RT2、RT4は、再遊技役の当選確率が高確率となり、1ゲームあたりのメダルの払出率がRT1、3に比較して高い点、特にRT0は、RT2へ移行可能となる点において、RT1、3よりも遊技者にとって有利な状態といえる。また、RT0、RT2、RT4のうちRT2は、1ゲームあたりのメダルの払出率がRT0、RT4に比較して高い点において、RT0、RT4よりも遊技者にとって有利な状態といえる。
また、本実施形態におけるスロットマシンでは、遊技状態がRT0〜2であるときに、メイン制御部41により、内部抽選結果に応じて遊技者にとって有利となる停止順を報知するナビ報知を実行可能な報知期間となるアシストタイム(以下、ATという)に制御可能となっている。
次に、本実施の形態におけるメイン制御部41が実行する各種制御内容を、図6〜図10に基づいて以下に説明する。
メイン制御部41は、リセットの発生により起動すると、起動時設定を行う。起動時設定では、メイン制御部41が備えるステータスフラグを初期化する。ステータスフラグは、命令の演算結果や実行結果の状態を保持するデータであり、特に割込の禁止/許可を設定する割込マスタ許可フラグを含む。割込マスタ許可フラグの初期値は割込の禁止を示す値であるため、メイン制御部41は、割込が禁止された状態で起動することとなる。
その後、メイン制御部41は、HWパラメータを参照して各種機能を設定した後、プログラム/データ領域に格納されたプログラムに従って、図6のフローチャートに示す初期設定処理を行う。初期設定処理では、まず、割込マスタ許可フラグの値を、割込禁止を示す値に設定することで割込を禁止する(Sa1)。前述のようにメイン制御部41は、割込禁止の状態で起動することとなるが、Sa1では、再度、割込を禁止する。次いで、初期化データをセットし(Sa2)、各出力ポートを初期化する(Sa3)。次いで、内蔵レジスタの設定を行う(Sa4)。
次いで、電源電圧が正常か否かを判定する(Sa5)。電源電圧が正常でない場合には正常になるまで判定を繰り返す。電源電圧が正常である場合には割込ベクタの上位アドレスをセットする(Sa6)。そして、RAM41cへのアクセスを許可し(Sa7)、スタックポインタを初期化する(Sa8)。
次いで、RAMパリティを計算する(Sa9)。そして、計算したRAMパリティが0になるか否かを判定する(Sa10)。RAMパリティが0にならない場合にはSa13のステップに進み、破壊診断用データをクリアする(Sa13)。
RAMパリティが0になる場合には、破壊診断用データをRAM41cから取得する(Sa11)。そして、取得した破壊診断用データが正しいか否かを判定し(Sa12)、破壊診断用データをクリアする(Sa13)。
次いで、設定キースイッチ37がON状態か否かを判定する(Sa14)。設定キースイッチ37がON状態の場合には、タイマ割込の設定を行う(Sa19)。具体的には、所定時間毎に定期的にタイマ割込がかかるようにメイン制御部41に内蔵されているタイマ回路509のレジスタの設定を行なう。本実施の形態では約0.56msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定されることで、約0.56ms毎に定期的にタイマ割込が発生することとなる。また、タイマ回路509ではレジスタの設定が行われることにより、タイマが初期化され、初期値から計時を開始することになる。Sa19のステップにおけるタイマ割込の設定が終了すると設定変更処理に移行する。
一方、設定キースイッチ37がOFF状態の場合には、RAM41cの記憶内容が破壊されているか否かを判定する(Sa15)。Sa15のステップでは、後述するRAM異常フラグが設定されているか否か、Sa10、Sa12の判定に基づきRAM41cの記憶内容が破壊されているか否かを判定する。RAM41cの記憶内容が破壊されていない場合には、復帰コマンドをサブ制御部91に送信する(Sa16)。尚、RAM41cの記憶内容が破壊されていない場合とは、RAM異常フラグがセットされておらず、かつSa10のステップにおいてRAMパリティが0であると判定され、さらにSa12のステップにおいて破壊診断用データが正しいと判定された場合である。
Sa16のステップの後、全レジスタを復帰し(Sa17)、Sa19のステップと同様のタイマ割込みの設定を行う(Sa18)。そして、後述のタイマ割込処理(メイン)のSd24の処理に移行する。これにより電断前に実行していた処理に復帰することとなる。
また、Sa15のステップにおいてRAM41cの記憶内容が破壊されている場合には、RAMの開始アドレス(0000h)をレジスタにセットし(Sa20)、指定したアドレスから使用可能領域の最終アドレス(0FFFh)までの領域、すなわち使用可能領域全ての領域を初期化する(Sa21)。
次いで、RAM41cの記憶内容が正常でないことを示すRAM異常フラグをRAM41cにセットし(Sa22)、エラー処理に移行する。エラー処理では、遊技の進行が不能化される。また、RAM異常フラグが設定されて移行したエラー状態では、設定キースイッチ37をON状態にして電源スイッチ39をONにすることによって、設定変更処理に移行させることにより解除することができる。一方、設定キースイッチ37をON状態にせずに電源スイッチ39をONにした場合には、RAM異常フラグが設定されたままであり、再びエラー状態となる。
図7は、メイン制御部41が実行するメイン処理の制御内容を示すフローチャートである。尚、メイン処理は一単位の遊技毎に繰り返し実行される。そして、メイン処理の一周期が遊技の一単位に相当している。
図7に示すように、メイン制御部41は、まず、割込を禁止する(Sc1)。次いで、初期化対象RAMの最終アドレスをセットする(Sc2)。
次いで、指定したアドレスで示すRAMの領域をクリアする(Sc3)。この際、設定変更処理後にメイン処理が開始された場合は、設定変更終了時の初期化対象RAMの先頭アドレスが設定され、Sc2のステップでは、設定変更終了時の初期化対象RAMの最終アドレス(0FFFh)が設定されるため、使用可能領域のうち重要ワーク及び特別ワーク以外の領域が初期化されることとなる。また、特定の遊技状態の終了時ではない遊技の終了時には、後述のSc10のステップにおいて特定の遊技状態の終了時の初期化対象RAMの先頭アドレスが設定され、Sc2のステップでは、最終アドレスとしてスタックポインタが示すアドレスが設定されるため、使用可能領域のうち一般ワーク、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化されることとなる。また、特定の遊技状態の終了時であり、かつ遊技の終了時には、後述のSc11のステップにおいて遊技の終了時の初期化対象RAMの先頭アドレスが設定され、Sc2のステップでは、最終アドレスとしてスタックポインタが示すアドレスが設定されるため、使用可能領域のうち未使用領域及び未使用スタック領域が初期化されることとなる。
Sc3のステップにおけるRAMの初期化の後、割込を許可する(Sc4)。
次いで、遊技開始待ち処理を実行する(Sc5)。遊技開始待ち処理では、賭数を設定可能な状態で待機し、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定され、スタートスイッチ7が操作された時点でゲームを開始させる処理を実行する。
次いで、内部抽選処理を実行する(Sc6a)。内部抽選処理では、Sc5のステップにおけるスタートスイッチ7の検出によるゲーム開始と同時にラッチされた内部抽選用の乱数値に基づいて上記した各役への入賞を許容するか(すなわち、表示結果の導出を許容するか否か)どうかを決定する処理を行う。
次いで、フリーズ関連処理を実行する(Sc6b)。フリーズ関連処理では、遅延条件が成立したときに遊技の進行を所定期間に亘って遅延させるフリーズ状態に制御する。
本実施の形態では、遅延条件は、AT中にフリーズ対象役に当選することとなっている。メイン制御部41は、AT中にフリーズ対象役に当選した場合に、その次ゲームでゲームが開始されたときにフリーズ状態に制御する。
フリーズ状態中においては、スタートスイッチ7の操作を遊技の進行に関与しない操作として受付可能とする。この状態でスタートスイッチ7を操作するとリールが回転開始してリール演出が開始する。リール演出が開始すると全リールが通常のゲームと異なる態様で回転開始し、一定期間が経過した後にリールが自動的に停止する。これにより、1セットのリール演出が終了する。
次いで、リール制御処理を実行する(Sc7)。リール制御処理では、スタートスイッチ7の操作に応答して各リール2L、2C、2Rを回転させる処理、Sd2のステップにおける内部抽選の結果及び遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことに応じて対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる処理を実行する。
次いで、遊技終了時設定処理を実行する(Sc8)。遊技終了時設定処理では、Sc7の処理において全てのリール2L、2C、2Rの回転が停止したと判定した時点で、各リール2L、2C、2Rに導出された表示結果に応じて入賞が発生したか否かを判定する処理を実行する。
また、遊技終了時設定処理では、サブ制御部91がATを実行しているか否かを判定する。具体的には、メイン制御部41は、内部抽選結果がハズレの場合(いずれの役も当選していない場合)または通常リプレイが当選した場合に、停止順種別として0または1の一方をランダムに選択する停止順種別選択抽選を行い、選択した停止順種別をRAM41cに設定するとともに、選択した停止順種別を特定可能な停止順種別コマンドをサブ制御部91に対して送信する。
そして、メイン制御部41は、ストップスイッチの実際の押し順と停止順種別選択抽選にて選択された押し順とを比較する。メイン制御部41は、押し順が一致した場合には、停止順種別選択抽選にて選択された押し順と実際の押し順とが一致した回数をカウントする押し順判定カウンタのカウント値に「1」加算する。そして、押し順判定カウンタのカウント値が「3」であれば、ATが開始されたことを特定し、RAM41cの所定領域にAT実行中フラグをセットする。
ここで、3回連続して押し順が一致したときに押し順判定カウンタのカウント値は「3」になるので、AT中のナビ演出に従ってストップスイッチを操作した結果、押し順が連続して一致した可能性が高い。よって、このとき、メイン制御部41は、AT中であることを特定する。また、メイン制御部41は、ストップスイッチの実際の押し順と停止順種別選択抽選にて選択された押し順とを比較した結果、押し順が一致しなかった場合には、押し順判定カウンタのカウント値をクリアする。
また、遊技終了時設定処理では、入賞が発生したと判定した場合に、その入賞に応じた払出枚数に基づきクレジットの加算並びにメダルの払出等の処理を行う。入賞が発生した場合にはメダルの払い出し等が終了した後に次のゲームに備えて遊技状態を設定する処理を実行する。また、入賞が発生しなかった場合にはリールが停止した後に、次のゲームに備えて遊技状態を設定する処理を実行する。
遊技終了時設定処理が終了すると、特定の遊技状態の終了時か否かを判定し(Sc9)、特定の遊技状態の終了時でない場合には、遊技終了時の初期化対象RAMの先頭アドレスをセットして(Sc10)、Sc1のステップに戻る。また、特定の遊技状態の終了時である場合には、特定の遊技状態の終了時の初期化対象RAMの先頭アドレスをセットして(Sc11)、Sc1のステップに戻る。
また、メイン処理では、ゲームの進行に応じてコマンドを生成してコマンドバッファに設定し、その後のタイマ割込処理(メイン)においてサブ制御部91に送信されるようになっている。サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドに基づいて、各種処理を行う。
本実施の形態では、メイン制御部41がサブ制御部91に対して、内部当選コマンド、ストップスイッチやスタートスイッチの操作コマンド、フリーズ開始コマンド、フリーズ終了コマンド、リール演出開始コマンド、継続抽選結果コマンド、仮停止コマンド、復帰コマンドを含む複数種類のコマンドを送信する。
内部当選コマンドは、内部当選フラグの当選状況、並びに成立した内部当選フラグの種類、特別役の持ち越しの有無を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信される。
ストップスイッチやスタートスイッチの操作コマンドはストップスイッチやスタートスイッチが操作されたことを示すコマンドであり、各操作時に送信される。
フリーズ開始コマンドは、フリーズ状態が開始したことを示すコマンドであり、フリーズ状態の開始時(すなわち、スタートスイッチ7の操作時)に送信される。
フリーズ終了コマンドは、フリーズ状態が終了したことを示すコマンドであり、擬似遊技が終了してフリーズ状態が終了するときに送信される。
リール演出開始コマンドは、リール演出を開始したことを示すコマンドであり、リール演出を開始するときに送信される。
継続抽選結果コマンドは、リール演出の継続回数を示すコマンドであり、リール演出継続抽選が行われたときに送信される。
仮停止コマンドは、擬似遊技が終了して通常遊技が開始される前の段階で図柄が仮停止していることを示すコマンドであり、擬似遊技で特定表示結果以外の表示結果が表示されているときに送信される。
復帰コマンドは、メイン制御部41が電断前の制御状態に復帰した旨を示すコマンドであり、メイン制御部41の起動時において電断前の制御状態に復帰した際に送信される。
図8及び図9は、メイン制御部41が一定間隔(約0.56msの間隔)で基本処理(主にメイン処理)に割り込んで実行するタイマ割込処理(メイン)の制御内容を示すフローチャートである。尚、タイマ割込処理(メイン)とは、タイマ回路509のカウントに応じて発生する割込により実行される処理であり、タイマ割込処理(メイン)のプログラムが格納されたアドレスは、ベクタテーブルのタイマ割込に対応する値として設定されている。そして、タイマ割込が発生すると当該アドレスからの処理が実行される。また、タイマ割込処理(メイン)の実行期間中は自動的に他の割込が禁止される。
図8に示すように、タイマ割込処理(メイン)においては、まず、使用中のレジスタをスタック領域に退避する(Sd1)。
次いで、停電判定処理を行う(Sd2)。停電判定処理では、電断検出回路48から電圧低下信号が入力されているか否かを判定し、電圧低下信号が入力されていれば、前回の停電判定処理でも電圧低下信号が入力されていたか否かを判定し、前回の停電判定処理でも電圧低下信号が入力されていた場合には停電と判定し、その旨を示す電断フラグを設定する。
Sd2のステップにおける停電判定処理の後、電断フラグが設定されているか否かを判定し(Sd3)、電断フラグが設定されていなければ、Sd4に進み、電断フラグが設定されていた場合には、電断処理(メイン)に移行する。
Sd4のステップでは、入力ポートから各種スイッチ類の検出データを入力するポート入力処理を行う。
次いで、4種類のタイマ割込1〜4から当該タイマ割込処理(メイン)において実行すべきタイマ割込を識別するための分岐用カウンタを1進める(Sd5)。Sd5のステップでは、分岐用カウンタ値が0〜2の場合に1が加算され、カウンタ値が3の場合に0に更新される。すなわち分岐用カウンタ値は、タイマ割込処理(メイン)が実行される毎に、0→1→2→3→0・・・の順番でループする。
次いで、分岐用カウンタ値を参照して2または3か、すなわちタイマ割込3またはタイマ割込4かを判定し(Sd6)、タイマ割込3またはタイマ割込4ではない場合、すなわちタイマ割込1またはタイマ割込2の場合には、リールモータ32C、32C、32Rの位相信号データを出力するモータ位相信号出力処理を実行する(Sd7)。
次いで、分岐用カウンタ値を参照して1か否か、すなわちタイマ割込2か否かを判定し(Sd8)、タイマ割込2ではない場合、すなわちタイマ割込1の場合には、リールモータ32L、32C、32Rの始動時のステップ時間間隔の制御を行うリール始動処理(Sd9)、リールモータ32L、32C、32Rの位相信号データの変更を行うモータステップ処理(Sd10)、リールモータ32L、32C、32Rの停止後、一定時間経過後に位相信号を1相励磁に変更するモータ位相信号スタンバイ処理(Sd11)を順次実行した後、Sd24のステップに進む。
また、Sd8のステップにおいてタイマ割込2の場合には、各種表示器をダイナミック点灯させるLEDダイナミック表示処理(Sd12)、各種LED等の点灯信号等のデータを出力ポートへ出力する制御信号等出力処理(Sd13)、各種時間カウンタを更新する時間カウンタ更新処理(Sd14)、ドア開放検出スイッチ25の検出状態の監視、ドアコマンドの送信要求などを行うドア監視処理(Sd15)、コマンドバッファに設定された各種コマンドをサブ制御部91に送信するコマンド送信処理(Sd16)、外部出力信号を更新する外部出力信号更新処理(Sd17)を順次実行した後、Sd24のステップに進む。
また、Sd6のステップにおいてタイマ割込3またはタイマ割込4であれば、更に、分岐用カウンタ値を参照して3か否か、すなわちタイマ割込4か否かを判定し(Sd18)、タイマ割込4でなければ、すなわちタイマ割込3であれば、回転中のリール2L、2C、2Rの原点通過(リール基準位置の通過)をチェックする原点通過時処理(Sd19)、スイッチ類の検出状態に変化があったか否かの判定等を行うスイッチ入力判定処理(Sd20)を順次実行した後、Sd24のステップに進む。
また、Sd18のステップにおいてタイマ割込4であれば、ストップスイッチ8L、8C、8Rの検出に伴って停止位置を決定する停止スイッチ処理(Sd21)、停止する時期になったら2相励磁によるブレーキを開始する停止処理(Sd22)、停止処理においてブレーキを開始してから一定時間後に3相励磁とする最終停止処理(Sd23)を順次実行した後、Sd24のステップに進む。
Sd24のステップでは、Sd1においてスタック領域に退避したレジスタを復帰し、割込前の処理に戻る。
図10は、メイン制御部41が前述したタイマ割込処理(メイン)において電断フラグが設定されていると判定した場合に実行する電断処理(メイン)の制御内容を示すフローチャートである。
電断処理(メイン)においては、まず、使用している可能性がある全てのレジスタをスタック領域に退避する(Se1)。なお、前述したIレジスタ及びIYレジスタの値は使用されているが、起動時の初期化に伴って常に同一の固定値が設定されるため、ここでは保存されない。
次いで、破壊診断用データ(本実施の形態では、5A(H))をセットする(Se2)。そして、全ての出力ポートを初期化する(Se3)。次いでRAM41cの全ての格納領域(未使用領域及び未使用スタック領域を含む)の排他的論理和が0になるようにRAMパリティ調整用データを計算してセットし(Se4)、RAM41cへのアクセスを禁止する(Se5)。
その後、電圧が低下してメイン制御部41のCPU41aが停止して待機状態に移行する。そして、この待機状態のまま電圧が低下すると内部的に動作停止状態になる。よって、電断時に確実にメイン制御部41は動作停止する。
このように本実施の形態では、メイン制御部41は、リセットが発生したときに、割込禁止の状態で起動するとともに、その後、最初に実行する初期設定処理の開始時にもプログラムにて割込の禁止を行うようになっており、何らかの原因で割込が禁止されない状態でメイン制御部41が起動した場合でも意図しない割込が発生してしまうことを防止できる。
また、メイン制御部41は、その起動後に、タイマ回路509におけるタイマ割込の設定の後、割込を許可するようになっており、タイマ割込が正常に動作しない状態で割込が発生してしまうことを防止できる。また、タイマ回路509ではタイマ割込の設定が行われることにより、タイマが初期化され、初期値から計時を開始するようになっており、起動後、初回の割込が発生するまでの時間と、2回目以降の割込が発生するまでの時間と、がずれてしまうようなことがなく、一定の時間間隔でタイマ割込を発生させることができる。また、メイン制御部41は、初期設定処理においてタイマ回路509の設定をプログラムにて初期値に更新するようになっており、起動時に、何らかの原因でタイマ回路509の設定が書き換わっていた場合であっても、意図しない割込が発生してしまうことを防止できる。
また、メイン制御部41は、その起動時に設定キースイッチ37がONの状態であれば設定変更処理に移行し、設定変更処理の開始時にRAM41cの初期化を行う。この際、RAM41cのデータが正常であれば、重要ワーク及び特別ワークを保持してそれ以外の領域を初期化することで、設定変更後も変更前の制御状態(設定値や遊技状態等)の一部を保持することができる一方で、RAM41cのデータが正常でない場合には、重要ワーク及び特別ワークを含む使用可能領域の全ての領域を初期化することで、RAM41cのデータに異常を確実に解消することができる。
また、メイン制御部41は、RAM異常が判定された場合にRAM異常フラグが設定されるので、RAM異常エラーの発生後に電断して、再度電源投入がされた場合に、RAMパリティが0であり、破壊診断用データが正常と判定された場合でも、RAM異常フラグに基づいてRAM41cのデータが破壊されているか否かを判定することが可能となる。
また、メイン制御部41は、設定変更処理の終了後、遊技単位毎にゲームの進行に応じて段階的に処理を行うメイン処理を実行する。また、メイン処理では、遊技単位毎にRAM41cの初期化を行うとともに、設定変更処理の終了時にもRAM41cの初期化を行う。そして、設定変更処理の終了後、メイン処理においてRAM41cの初期化を行う処理の前の段階からメイン処理を開始するようになっており、設定変更処理の終了後のRAM41cの初期化と、遊技単位毎のRAM41cの初期化と、を共通の処理にて行うことが可能となる。
また、メイン制御部41は、RAM41cの初期化を行う場合に、初期化が終了するまで割込を禁止するようになっており、RAM41cの初期化の実行中にタイマ割込処理(メイン)が発生することにより、初期化した内容が変更されたり、タイマ割込処理(メイン)で行われる処理が正常に行われなくなってしまうことを防止できる。
また、メイン制御部41は、メイン処理において外部出力信号の出力状態を更新し、更新された出力状態に基づいて、その後のタイマ割込処理(メイン)にて外部出力信号の出力状態を変更するとともに、外部出力信号の出力状態を更新する場合に、更新が終了するまで割込を禁止するようになっており、外部出力信号の出力状態が完了する前にタイマ割込処理(メイン)が発生することにより、意図しないデータを示す外部出力信号が出力されてしまうことを防止できる。
[タイマ割込処理(サブ)]
次に、サブ制御部91(CPU91c)が内部クロックのカウント値に基づいて1.12msの間隔で実行するタイマ割込処理(サブ)について説明する。
図11に示すように、タイマ割込処理(サブ)においては、サブ制御部91は、まず、使用中のレジスタをスタック領域に退避する(Sp1)。次いで、停電判定処理を行う(Sp2)。停電判定処理では、電断検出回路48から電圧低下信号が入力されているか否かを判定し、電圧低下信号が入力されていれば、前回の停電判定処理でも電圧低下信号が入力されていたか否かを判定し、前回の停電判定処理でも電圧低下信号が入力されていた場合には停電と判定し、その旨を示す電断フラグを設定する。
Sp2のステップにおける停電判定処理の後、電断フラグが設定されているか否かを判定し(Sp3)、電断フラグが設定されていた場合には電断処理(サブ)に移行する。電断処理(サブ)では起動処理(サブ)で用いるバックアップフラグをバックアップデータの作成後にセットしたり、チェックサムをバックアップデータの排他的論理和を算出して計算するなどの処理を実行する。
電断フラグが設定されていない場合にはコマンド解析処理を実行する(Sp4)。コマンド解析処理では、コマンドバッファにコマンドが格納されているか否かを判定し、コマンドバッファにコマンドが格納されていればコマンドバッファからコマンドを取得する。そして、取得したコマンドに応じた処理を実行する。
次いで、AT(アシストタイム)に制御するためのAT制御処理を実行する(Sp5)。AT制御処理において、サブ制御部91は、抽選対象役に当選するなどAT抽選契機が成立したときに、ATに制御するか否かを決定するAT抽選を行う。そして、AT抽選でATに制御すると決定したときにATに制御する。ATには50ゲーム消化するまで制御する。AT中にゲーム数が上乗せされた場合には、上乗せゲーム数を50ゲームに加算したゲーム数が消化されるまでATに制御する。
サブ制御部91は、AT中においては、内部抽選処理により所定の抽選対象役に当選したときに送信されるコマンド受信時に、遊技者にとって有利な図柄組合せを入賞ラインLN上に停止させるための操作手順(押し順)を特定可能なナビ演出を実行する。このため、ATに制御されることにより、遊技者は有利となる。
次いで、回転中のリール2L、2C、2Rの停止操作を促す停止促進報知処理を実行する(Sp6)。停止促進報知処理では、サブ制御部91は、リール2L、2C、2Rが回転を開始してからの時間が所定時間以上となった場合に、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作を遊技者に促す停止促進報知を実行する。
次いで、ボタン演出を実行させるボタン演出処理を実行する(Sp7)。ボタン演出処理では、演出用ボタン56の操作を遊技者に促す演出を実行する準備を行う。
次いで、特定演出処理を実行する(Sp8)。特定演出処理では、ボタン演出処理において、演出用ボタン56の操作の有無に応じた演出を実行する準備を行う。
次いで、演出実行処理を実行する(Sp9)。演出実行処理では、ボタン演出処理及び特定演出処理で準備したボタン演出及び特定演出を実行する処理を行う。ボタン演出処理及び特定演出処理については、後に説明する。演出実行処理では、ボタン演出フラグがセットされているときにボタン演出を実行し、又は特定演出フラグがセットされているときに特定演出を実行する。ボタン演出を実行した後は、ボタン演出フラグをクリアし、特定演出を実行した後は特定演出フラグをクリアする。また、ボタン演出フラグ及び特定演出フラグがセットされていないときには、通常演出を実行する。ボタン演出を実行する際には、液晶表示器51にボタン演出画像を表示する。特定演出を実行する際には、液晶表示器51に特定演出画像を表示する。通常演出を実行する際には、液晶表示器51に通常演出画像を表示する。
[停止促進報知処理]
次に、タイマ割込処理(サブ)内で実行される停止促進報知処理について説明する。図12は、サブ制御部がタイマ割込処理(サブ)において実行する停止促進報知処理の制御内容を示すフローチャートである。
図12に示すように、サブ制御部91は、リール2L、2C、2Rが回転を開始したか否かを判定する(Si1)。スタートスイッチ7が操作されてリール2L、2C、2Rが回転を開始した場合(Si1:YES)には、停止促進タイマをセットする(Si2)。停止促進タイマは所定時間にセットする。所定時間は、リールが回転を開始してから、通常、リールを停止させるために要する最大の時間又はこの最大の時間を超えた時間であり、例えば30秒や60秒とすることができる。または、100秒や200秒など、その他の時間としてもよい。
続いて、リール2L、2C、2Rが回転中であるか否かを判定する(Si3)。また、ステップSi1でリール2L、2C、2Rが回転を開始していないと判定した場合(Si1:NO)には、そのままリール2L、2C、2Rが回転中であるか否かを判定する(Si3)。
リール2L、2C、2Rが回転中である場合(Si3:YES)、停止促進タイマが「0」となっているか否かを判定する(Si4)。停止促進タイマが「0」となっている場合(Si4:YES)、停止促進報知を実行する(Si5)。続いて、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたか否かを判定する(Si6)。また、ステップSi4において、停止促進タイマが「0」となっていないと判定された場合(Si4:NO)、そのままストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたか否かを判定する(Si6)。
ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたと判定した場合(Si6:YES)、停止促進報知が実行中であるか否かを判定する(Si7)。停止促進報知が実行中である場合(Si7:YES)、停止促進報知を終了させる(Si8)。続いて、全リールが停止したか否かを判定する(Si9)。全リール2L,2C,2Rが停止している場合(Si9:YES)、停止促進報知処理を終了する。全リール2L,2C,2Rが停止しておらず、何れかのリールが回転中である場合(Si9:NO)、停止促進タイマをセットする(Si2)。また、Si3でリールが回転中でないと判定した場合(Si3:NO)、Si6でストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されていないと判定した場合(Si6:NO)、そのまま停止促進報知処理を終了する。
[ボタン演出処理]
次に、タイマ割込処理(サブ)内で実行されるボタン演出処理について説明する。図13は、サブ制御部がタイマ割込処理(サブ)において実行するボタン演出処理の制御内容を示すフローチャートである。
図13に示すように、サブ制御部91は、図11のSp4で実行したコマンド解析処理の結果によって、メイン制御部41が送信した内部当選コマンドを受信したか否かを判定する(Sj1)。内部抽選コマンドを受信していない場合(Sj1:NO)、そのままボタン演出処理を終了する。
内部当選コマンドを受信した場合(Sj1:YES)には、ボタン演出決定抽選を行う(Sj2)。ボタン演出決定抽選では、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じた当選率でボタン演出を実行するか否かが決定される。ボタン演出決定抽選に当選したか否かを判定する(Sj3)。ボタン演出決定抽選に当選していない場合(Sj3:NO)、そのままボタン演出処理を終了する。
また、ボタン演出決定抽選に当選した場合(Sj3:YES)、ボタン演出フラグをセットする(Sj4)。ボタン演出フラグをセットした場合、図11のSp9における演出実行処理でボタン演出が実行される。続いて、ボタン有効タイマをセットする(Sj5)。ボタン有効タイマには、所定のボタン有効時間がセットされる。ここでのボタン有効時間は、ボタン演出を開始してから、通常、遊技者が演出用ボタン56を操作するまでに要すると最大の時間であり、例えば3秒や5秒とすることができる。また、ボタン有効時間は、7秒や10秒など他の時間としてもよい。その後、ボタン演出処理を終了する。
[特定演出処理]
次に、タイマ割込処理(サブ)内で実行される特定演出処理について説明する。図14は、サブ制御部がタイマ割込処理(サブ)において実行する特定演出処理の制御内容を示すフローチャートである。
図14に示すように、サブ制御部91は、ボタン演出を実行しているか否かを判定するSk1)。ボタン演出を実行していない場合(Sk1:NO)、そのまま特定演出処理を終了する。ボタン演出を実行している場合(Sk1:YES)、演出用ボタン56が操作されたか否かを判定する(Sk2)。
演出用ボタン56が操作されていないと判定した場合(Sk2:NO)、ステップSj5でセットしたボタン有効タイマが0となったか否かを判定する(Sk3)。ボタン有効タイマが0となっていない場合(Sk3:NO)、特定演出を開始することなく、ボタン演出を継続する。そのため、そのまま特定演出処理を終了する。演出用ボタン56が操作されたと判定した場合(Sk2:YES)、停止促進報知が実行中であるか否かを判定する(Sk4)。また、ステップSk3でボタン有効タイマが0となった場合(Sk3:YES)、停止促進報知が実行中であるか否かを判定する(Sk4)。
停止促進報知が実行されている場合(Sk4;YES)、停止促進報知と特定演出が一緒に実行されるのを防止するために、特定演出を行わないようにするため、そのまま特定演出処理を終了する。停止促進報知が実行されていない場合(Sk4:NO)、特定演出と停止促進報知が一緒に実行されることはないので、特定演出フラグをセットする(Sk5)。特定演出フラグをセットした場合、図11のSp9における演出実行処理で特定演出が実行される。こうして、特定演出処理を終了する。
[具体例]
次に、本実施の形態の具体例について図15〜図19を用いて説明する。なお、図中では上段が液晶表示器51、下段が液晶表示器51に対応するリール2L,2C,2Rの状態を示す。また、図中の矢印はリール2L,2C,2Rが回転していることを示す。図中の矢印については、以下の実施形態において同じである。液晶表示器51に表示される画像には、図15(A)に示す通常演出画像51A、図15(B)に示す停止促進画像51B、図17(A)に示すボタン演出画像51C、及び図17(B)に示す特定演出画像51Dがある。このうち、停止促進画像51Bは、停止促進報知が実行される際に液晶表示器51に表示される画像である。ボタン演出画像51Cは、ボタン演出が実行される際に液晶表示器51に表示される画像である。特定演出画像51Dは、特定演出が実行される際に液晶表示器51に表示される画像である。通常演出画像51Aは、これらの停止促進画像51B、ボタン演出画像51C、及び特定演出画像51D以外の画像である。
以下の説明において、3つのリール2L,2C,2Rのうち、最初に停止されるリールを第1停止リール、2番目に停止されるリールを第2停止リール、最後に停止されるリールを第3停止リールということがある。また、第1〜第3停止リールに対応するストップスイッチをそれぞれ第1ストップスイッチ〜第3ストップスイッチということがある。ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作順序は任意であるが、本具体例においては、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作順序が左ストップスイッチ8L、中ストップスイッチ8C、右ストップスイッチ8Rの順となるいわゆる順押しが実行される場合を例として説明する。したがって、この具体例では、左ストップスイッチ8Lが第1ストップスイッチとなり、中ストップスイッチ8Lが第2ストップスイッチとなり、右ストップスイッチ8Rが第3ストップスイッチとなる。また、左リール2Lが第1停止リールとなり、中リール2Cが第2停止リールとなり、右リール2Rが第3停止リールとなる。
[通常演出実行中の停止促進報知]
次に具体例として、通常演出の実行中に停止促進報知が実行される場合について説明する。規定の賭数を設定してスタートスイッチ7を操作すると、通常ゲームが開始する。通常ゲームにおいて、リール2L,2C,2Rの回転中には、図15(A)に示すように、液晶表示器51に通常演出画像51Aが表示される。
また、リール2L,2C,2Rは、ウェイトの時間が経過した後にストップスイッチ8L,8C,8Rを操作することで停止させることができる。ところが、遊技者がストップスイッチ8L,8C,8Rの操作を忘れ、あるいは意図的のストップスイッチ8L,8C,8Rの操作を怠ると、リール2L,2C,2Rが回転し続ける。リール2L,2C,2Rが回転し続けると、リール2L,2C,2Rの摩耗やリールモータ32L,32C,32Rの消耗を助長したり、電力の消費量を大きくしたりするというリールの長時間回転に伴う不具合がある。このため、リール2L,2C,2Rの回転が開始してから経過した時間が所定時間以上となると、図15(B)に示すように、液晶表示器51に表示される画像を通常演出画像51Aから停止促進画像51Bに変更して、停止促進報知を実行する。停止促進報知により、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作によるリール2L,2C,2Rの停止を遊技者に促す。
液晶表示器51に停止促進画像51Bが表示されているときに遊技者が第1ストップスイッチ(左ストップスイッチ8L)を操作すると、第1リール(左リール2L)が停止する。図16(A)に示す例では、液晶表示器51に停止促進画像51Bが表示された状態で左ストップスイッチ8Lが停止操作されたとする。この場合、図16(B)に示すように、左ストップスイッチ8Lに対応する左リール2Lが第1停止リールとして停止する。このように、停止促進報知を実行して、遊技者に第1ストップスイッチ(左ストップスイッチ8L)の操作を促すことにより、上記のリールの長時間回転に伴う不具合の発生を抑制することができる。
また、左ストップスイッチ8Lが操作されると、液晶表示器51に表示される画像を停止促進画像51Bから通常演出画像51Aに戻す。なお、左ストップスイッチ8Lが操作されて、左リールが停止したことで液晶表示器51に表示される画像を停止促進画像51Bから通常演出画像51Aに戻すようにしてもよい。
以後、中ストップスイッチ8C及び右ストップスイッチ8Rが停止操作されると、中リール2C及び右リール2Rが停止する。また、第1停止リールが停止した後、所定時間が経過したときに第2ストップスイッチ(図15の例では中ストップスイッチ又は右ストップスイッチ)が停止操作されない場合には、液晶表示器51に表示する画像は通常演出画像51Aから停止促進画像51Bに変化する。第1停止リールが停止した後も、第2停止リール及び第3停止リールが停止操作されないと、第2停止リール及び第3停止リールに上記の不具合が生じ得る。このため、第1停止リールが停止した後に経過した時間が所定時間以上となった場合にも、液晶表示器51に停止促進画像51Bを表示する。同様に、第2停止リールが停止した後に経過した時間が所定時間以上となった場合にも、液晶表示器51に停止促進画像51Bを表示する。この停止促進報知を受けて、遊技者などが第2ストップスイッチ(中ストップスイッチ8C及び第3ストップスイッチ(右ストップスイッチ8R)が停止操作されることで、第2停止リール(中リール2C)及び第3停止リール(右リール2R)が停止する。こうして、上記のリールの長時間回転に伴う不具合の発生を抑制することができる。
また、停止促進画像51Bが表示されているときに遊技者によって第2ストップスイッチ(中ストップスイッチ8C)が操作されると、第2リール(中リール2L)が停止する。遊技者によって中ストップスイッチ8Cが操作されると、液晶表示器51に表示される画像を停止促進画像51Bから通常演出画像51Aに戻される。同様に、停止促進画像51Bが表示されているときに遊技者によって第3ストップスイッチ(右ストップスイッチ8R)が操作されると、第3リール(右リール3L)が停止する。遊技者によって右ストップスイッチ8Rが操作されると、液晶表示器51に表示される画像を停止促進画像51Bから通常演出画像51Aに戻される。
[ボタン演出]
次に、ボタン演出について説明する。液晶表示器51に表示される演出として、ボタン演出がある。ボタン演出が実行されると、図17(A)に示すように、ボタン演出画像51Cが表示される。液晶表示器51には、ボタン演出画像51Cとして、演出用ボタン56を模したボタン画像51C1、「押せ!」の文字からなる文字画像51C2、及び下向きの矢印を示す矢印画像51C3が表示される。ボタン画像51C1の上方に下向きの矢印画像51A3が表示され、「押せ!」の文字からなる文字画像51C2が表示されることで、遊技者に演出用ボタン56の押下操作を要求する。
液晶表示器51にボタン演出画像51Cが表示されているときに、遊技者によって演出用ボタン56が押下操作されると、図17(B)に示すように、液晶表示器51に特定演出画像51Dが表示される。特定演出画像51Dでは、「鬼熱!」の文字画像52C2が表示される。文字画像52C1が表示されることで、BBやRB、あるいはATなどの遊技者に有利となる遊技状態への移行に対する期待感を高めることができる。特定演出画像51Dとして表示される文字画像としては、多数の種類の文字のいずれかが表示されるようにしてもよい。例えば、遊技者に有利となる遊技状態に移行する割合に応じて、表示される文字が変わるようにしてもよい。例えば、文字画像として「チャンス!」「激熱!」「鬼熱!」のいずれかが表示される場合、「鬼熱!」>「激熱!」>「チャンス!」の順で遊技者に有利となる遊技状態に移行する割合が高くなるようにしてもよい。また、特定演出画像51Dは、文字が表示される画像のほか、キャラクタや背景を含む映像が表示される画像でもよく、これらの映像と文字が表示される画像としてもよい。
ボタン演出の表示が開始されてから、ボタン有効時間が経過するまでは、ボタン演出画像51Cが表示された状態となる。ボタン演出の表示が開始されてから演出用ボタン56の押下操作が実行されることなくボタン有効時間が経過すると、演出用ボタン56の押下操作が実行されなくとも特定演出が実行される。ただし、ボタン演出の表示が開始されてから演出用ボタン56の押下操作が実行されることなくボタン有効時間が経過した場合に、ボタン演出画像51Cの表示が消去され、ボタン演出が表示されなかった場合に表示されることがある画像が表示されるようにしてもよい。例えば、RT0に制御されているときにボタン演出が実行された場合には、ボタン有効時間が経過した後、RT0に制御されているときにボタン演出が実行されない場合の演出(通常演出)が表示されるようにしてもよい。
[ボタン演出実行中の停止促進報知]
次に、ボタン演出が実行されている場合における停止促進報知について説明する。ボタン演出が実行されると、図18(A)に示すように、液晶表示器51にボタン演出画像51Cが表示される。ボタン演出が実行されているときにおいても、通常演出が実行されている場合と同様、上記のリールの長時間回転に伴う不具合が生じ得る。このため、リール2L,2C,2Rの回転が開始してから経過した時間が所定時間以上となったときには、通常演出が実行されている場合と同様に、停止促進報知を実行する。ボタン演出の実行中に停止促進報知を実行する場合には、通常演出の実行中と同様に、ボタン演出画像51Cを消去して停止促進画像51Bを表示することが考えられる。
ところが、ボタン演出は、遊技者の演出用ボタン56の操作を要求する演出である。このように演出用ボタン56の操作を要求しておきながら、ボタン有効時間が経過する前に、演出用ボタン56の操作が実行されることなくボタン演出画像51Cを消去してしまうと、遊技者に大きな違和感を与える虞がある。
あるいは、ボタン演出の実行中に停止促進報知を実行する場合には、ボタン演出画像51Cと停止促進画像51Bとを重畳的に表示することが考えられる。ところが、ボタン演出の実行中は、図18(A)に示すように、液晶表示器51には、ボタン画像51C1、文字画像51C2、及び下向きの矢印を示す矢印画像51C3を含むボタン演出画像51Cが表示されている。このため、ボタン演出画像51Cと停止促進画像51Bとをそのまま重畳的に表示してしまうと、ボタン演出画像51Cと停止促進画像51Bとが混在して、遊技者に見にくくさせてしまう虞がある。
そこで、本実施形態では、図18(B)に示すように、ボタン演出の実行中に停止促進報知を実行する場合には、ボタン演出画像51Cと停止促進画像51Bとを重畳的に表示するが、ボタン演出画像51Cを薄く表示している。このため、ボタン演出画像51Cは表示されたままであるが、停止促進画像51Bの方がボタン演出画像51Cよりも明確に表示される。このため、遊技者に対して、停止促進画像51Bによる停止促進報知を分かりやすく実行することができる。
また、ボタン演出画像51Cは、停止促進画像51Bよりも薄く表示される分、視認性は低くなる。しかし、リール2L,2C,2Rが所定時間回転し続けてストップスイッチ8L,8C,8Rの操作が実行されないと、上記のリールの長時間回転に伴う不具合が生じることがあるので、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作を促す停止促進報知は、重要度が高い事項である。これに対して、ボタン演出は、演出用ボタン56の操作を要求する演出であるが、演出用ボタン56の操作の有無によって、入賞の可否などに与える影響はほとんどない。また、演出用ボタン56が操作されないことによる不具合は、停止促進報知が実行された際にストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されないことによる不具合よりも小さい。このため、ボタン演出画像51Cの表示による演出用ボタン56のボタン操作要求よりも停止促進画像51Bの表示による停止促進報知の方が重要であるので、重要な情報を遊技者に提供することができる。
また、ボタン演出の実行中に停止促進報知を実行する場合、停止促進報知の実行前に必ずボタン演出によるボタン演出画像が液晶表示器51に表示されている。このため、ボタン演出が実行されていることは、遊技者に認識させることができる。したがって、液晶表示器51に表示されるボタン演出画像が薄いものであっても、ボタン演出が実行されていることについて、遊技者に認識させることができる。
ボタン演出の実行中に、ボタン演出画像51Cの要求に基づいて、遊技者が演出用ボタン56を押下操作した場合、停止促進報知の実行中でない場合には、特定演出が実行され、図17(B)に示すように、液晶表示器51に特定演出画像51Dが表示される。その一方で、ボタン演出の実行中に停止促進報知が実行されるときには、図19(A)に示すように、液晶表示器51にボタンに停止促進画像51Bが表示されるとともに、ボタン演出画像51Cが停止促進画像51Bよりも薄く表示されている。このとき、演出用ボタン56を押下操作すると、演出用ボタン56の操作は無効とされ、図19(B)に示すように、図19(A)に示す画像が維持されたままとなる。
このように、本実施形態に係るスロットマシン1では、停止促進報知の実行中は、ボタン演出が実行されているときに演出用ボタン56が押下操作されたとしても、演出用ボタン56の押下操作は無効とされ、特定演出の実行による特定演出画像51Dの表示が行われない。このため、ボタン演出中に演出用ボタン56を操作しても特定演出が実行されないことに対する不満を覚える遊技者もいる虞がある。
本実施形態では、ボタン演出の実行中、停止促進報知の実行中でない場合には、演出用ボタン56の操作によって特定演出が実行され、停止促進報知の実行中の場合には、演出用ボタン56を操作しても特定演出が実行されない。このため、停止促進報知が実行されているときには、演出用ボタン56の操作が無効になり、ボタン操作の要求と停止促進報知との間の関連性を遊技者に認識させることができるので、遊技者に与える不満を軽減することができる。
また、停止促進報知を実行している際には、演出用ボタン56の操作が無効となるので、ボタン演出に対する遊技者の関心度は低くなる。このため、停止促進報知に対する遊技者の関心度を相対的に高めることができるのでボタン演出が停止促進報知の邪魔となる度合いを軽減することができる。さらには、ボタン演出を実行しているときに演出用ボタン56が押下操作されても液晶表示器51には、特定演出の実行による特定演出画像51Dが表示されない。このため、特定演出画像51Dによって停止促進画像51Bが見にくくなることによって停止促進報知が邪魔されるという事態を抑制することができる。また、演出用ボタン56を操作しても液晶表示器51の表示が変わらずに維持され、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作によって液晶表示器51の表示が変化するので、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作を促進することができる。
また、本実施形態に係るスロットマシン1では、停止促進報知、ボタン演出、及び特定演出を液晶表示器51に表示される停止促進画像、ボタン演出画像、及び特定演出画像を用いて行っている。このため、停止促進報知、ボタン演出、及び特定演出を共通するデバイスで実行できる。ところが、ボタン演出画像や特定演出画像によって停止促進画像が見にくくなる事態が想定される。この点、ボタン演出画像を薄く表示することにより、停止促進画像が見にくくなる事態を抑制することができる。また、演出用ボタン56の操作を無効にして特定演出画像の表示を行わないようにすることで、停止促進画像が見にくくなり、停止促進報知を遊技者が認識しにくくなる事態を抑制することができる。
なお、上記の実施形態では、ボタン演出の実行中に停止促進報知を実行する場合、演出用ボタン56が押下操作されると、演出用ボタン56が押下操作されてもボタン演出画像51Cの表示を維持するようにしているが、演出用ボタン56が押下操作されるとボタン演出が終了して液晶表示器51からボタン演出画像51Cを消去するようにしてもよい。また、ボタン演出画像51Cを消去する態様に代えて、ボタン演出画像51Cを隠蔽する態様としてもよい。
(第2の実施形態)
第1の実施形態で示したスロットマシンにおいて、さらに、ボタン演出の実行中に停止促進報知が実行されている場合、演出用ボタン56の押下操作が実行された場合に、特定演出を実行するが、停止促進報知を終了させないようしてもよい。以下ボタン演出の実行中に停止促進報知が実行されている場合、演出用ボタン56の押下操作が実行された場合に、特定演出を実行するが、停止促進報知を終了させない第2の実施形態について説明する。なお、この実施形態の説明において、第1の実施形態と同様の構成及び処理をなす部分についてはその詳細な説明を省略し、主として第1の実施の形態と異なる部分について説明する。
第2の実施形態では、第1の実施形態における停止促進処理及び特定演出処理の手順が異なる。第2の実施形態における停止促進処理では、図12に示す停止促進処理における停止促進報知実行(Si5)とストップスイッチが操作されたか否かの判定(Si6)との間に、図20に示す停止促進報知中処理が挿入された処理を実行する。Si4で停止促進タイマが0となっていないと判定された後は、停止促進報知中処理は実行しない。以下、停止促進報知中処理について説明する。図20は、第2の実施形態に係る停止促進報知中処理の手順を示すフローチャートである。
図20に示すように、停止促進報知中処理では、サブ制御部91は、ボタン演出が実行中であるか否かを判定する(Si11)。ボタン演出が実行中でない場合(Si11:NO)には、そのまま停止促進報知中処理を終了する。また、ボタン演出が実行中である場合(Si11:YES)には、演出用ボタン56が押下操作されたか否かを判定する(Si12)。
演出用ボタン56が押下操作されなかった場合(Si12:NO)には、そのまま停止促進報知中処理を終了する。演出用ボタン56が押下操作された場合(Si12:YES)には、停止促進演出を弱化させる(Si13)。停止促進演出を弱化させることで、液晶表示器51に表示される停止促進画像の表示を薄くする。なお、本明細書中、画像の弱化とは、画像の表示を薄くすることをいう。こうして、停止促進報知中処理を終了する。
次に、特定演出処理について説明する。図21は、第2の実施形態に係る停止促進処理の手順を示すフローチャートである。図21に示すように、第2実施形態に係る特定演出処理では、サブ制御部91は、ボタン演出を実行しているか否かを判定する(Sk1)。ボタン演出を実行していない場合(Sk11:NO)、そのまま特定演出処理を終了する。ボタン演出を実行している場合(Sk11:YES)、演出用ボタン56が操作されたか否かを判定する(Sk12)。
演出用ボタン56が操作されていないと判定した場合(Sk12:NO)、ステップSj5でセットしたボタン有効タイマが0となったか否かを判定する(Sk13)。ボタン有効タイマが0となっていない場合(Sk13:NO)、特定演出を開始することなく、ボタン演出を継続する。そのため、そのまま特定演出処理を終了する。演出用ボタン56が操作されたと判定した場合(Sk12:YES)、特定演出フラグをセットする(Sk14)。また、ステップSk13でボタン有効タイマが0となった場合(Sk13:YES)、特定演出フラグをセットする(Sk14)。特定演出フラグをセットした場合、図11のSp9における演出実行処理で特定演出が実行される。こうして、特定演出処理を終了する。
[具体例]
次に、本実施の形態の具体例について図22を用いて説明する。この具体例では、ボタン演出の実行中に演出用ボタン56が操作された場合について説明する。ボタン演出の実行中に停止促進報知が実行されると、図22(A)に示すように、液晶表示器51には、停止促進画像51Bが表示されるとともに、ボタン演出画像51Cが停止促進画像51Bよりも薄く表示される。この表示態様は、上記第1の実施形態と同様である。
液晶表示器51に停止促進画像51B及びボタン演出画像51Cが表示された状態で、図22(A)に示すように、演出用ボタン56が押下操作されると、本実施形態では、演出用ボタン56が無効となることはなく有効とされ、図22(B)に示すように、特定演出画像51Dが表示される。また、液晶表示器51には、特定演出画像51Dが表示されるとともに、停止促進画像51Bが表示されたままとなる。ただし、停止促進画像51Bは、表示されたままではあるものの、特定演出画像51Dよりも薄く表示される。
このように、本実施形態に係るスロットマシン1では、ボタン演出の実行中に停止促進報知が実行され、ボタン演出における演出用ボタン56の操作要求に応じて遊技者が演出用ボタン56を押下操作した場合に、特定演出を実行して液晶表示器51に特定演出画像51Dを表示する。また、演出用ボタン56の押下操作によって特定演出を実行するが、停止促進報知を終了させることなくそのまま継続している。このため、停止促進報知の実行中であってもボタン演出による演出用ボタン56の操作は有効となると遊技者に認識させることができるので、演出用ボタン56の操作の要求とリールの停止促進報知とに関して、遊技者に与える不満を軽減することができる。また、演出用ボタン56を押下操作したことによって実行される特定演出を遊技者に楽しませることができるので、興趣の向上に寄与することができる。
また、停止促進報知の実行中、ボタン演出による演出用ボタン56の操作要求に応じて演出用ボタン56が操作された場合、特定演出は実行されるものの、停止促進報知は終了することなくそのまま継続して実行される。このため、特定演出が停止促進報知の邪魔となる度合いを軽減することができる。
また、特定演出を実行するとともに停止促進報知を実行するにあたり、液晶表示器51において、停止促進画像51Bを特定演出画像51Dよりも薄く表示している。このため、特定演出が実行させることによる興趣の向上を主としながらも、リールの停止を遊技者に促すことができる。
なお、停止促進画像51Bを特定演出画像51Dよりも薄く表示する態様に代えて、特定演出画像51Dを停止促進画像51Bよりも薄く表示するようにしてもよい。この場合、特定演出が停止促進報知の邪魔となる度合いをより軽減することができる。また、停止促進画像51Bと特定演出画像51Dとを同程度の濃さ(薄さ)で表示してもよい。
(第3の実施形態)
第1の実施形態で示したスロットマシンにおいて、さらに、ボタン演出の実行中に停止促進報知を実行する場合に、停止促進報知の実行に伴ってボタン演出を終了させるようにしてもよい。以下、ボタン演出の実行中に停止促進報知を実行する場合に、停止促進報知の実行に伴ってボタン演出を終了させる第3の実施形態について説明する。なお、この実施形態の説明において、第1の実施形態と同様の構成及び処理をなす部分についてはその詳細な説明を省略し、主として第1の実施の形態と異なる部分について説明する。
第3の実施形態では、第1の実施形態におけるボタン演出処理の手順が異なる。第3の実施形態におけるボタン演出処理では、図13に示すボタン演出処理における内部当選コマンドを受信していないと判定した後(Sj1:NO)、またはボタン演出フラグをセットした後(Sj4)に、図23に示すボタン演出中処理が挿入された処理を実行する。以下、ボタン演出中処理について説明する。
サブ制御部91は、ボタン演出中処理において、ボタン演出が実行中であるか否かを判定する(Sj11)。ボタン演出が実行中でないと判定した場合(Sj11:NO)、そのままボタン演出中処理を終了する。ボタン演出が実行中であると判定した場合(Sj11:YES)、停止促進報知を実行するか否かを判定する(Sj12)。
停止促進報知を実行しないと判定した場合(Sj12:NO)には、そのままボタン演出中処理を終了する。停止促進報知を実行すると判定した場合(Sj12:YES)、ボタン演出終了フラグをセットして(Sj13)、ボタン演出中処理を終了する。ボタン演出終了フラグをセットした場合、現在実行されているボタン演出を、図11のSp9における演出実行処理において、終了させる処理が行われる。
[具体例]
次に、本実施の形態の具体例について図24を用いて説明する。この具体例では、ボタン演出の実行中に停止促進報知が実行される場合について説明する。ボタン演出が実行されると、図24(A)に示すように、液晶表示器51には、ボタン演出画像51Cが表示される。
ボタン演出の実行中に、リール2L,2C,2Rの回転が開始してから経過した時間が所定時間となる停止促進報知が開始される。停止促進報知を開始する際、本実施形態では、ボタン演出画像51Cを消去し、図24(B)に示すように、液晶表示器51には、停止促進画像51Bを表示する。
このように、本実施形態に係るスロットマシン1では、ボタン演出の実行中に停止促進報知が開始されると、ボタン演出が終了して停止促進報知のみが実行されるようになる。このため、リールの長時間の回転に伴う不具合の抑制の観点からボタン演出よりも重要度の高い停止促進報知をボタン演出に優先して実行するので、演出用ボタン56の操作の要求とリールの停止促進報知とに関して、遊技者に与える不満を軽減することができる。また、ボタン演出の実行中、停止促進報知が開始されると、ボタン演出が終了する。このため、ボタン演出が停止促進報知の邪魔となる度合いを軽減することができる。
なお、この実施形態では、停止促進報知の開始とともにボタン演出を終了させるようにしているが、停止促進報知を開始した後の他のタイミングでボタン演出を終了させるようにしてもよい。例えば、停止促進報知を開始してから、所定の経過時間が経過した後にボタン演出を終了させてもよい。また、ボタン演出を終了させる際に、ボタン演出画像51Cを一気に消去して停止促進画像51Bを表示するのではなく、ボタン演出画像51Cをフェードアウトさせて徐々に消去しながら、停止促進画像51Bに置き換えていくようにしてもよい。あるいは、ボタン演出画像51Cを徐々に消去し、ボタン演出画像51Cが完全に消去した後に停止促進画像51Bを表示してもよい。
また、ボタン演出を終了させる態様として、ボタン演出画像51Cの全体を消去するほか、ボタン演出画像51Cの一部を消去するようにしてもよい。例えば、ボタン演出画像51Cのうち、ボタン画像51C1を消去するようにしてもよし、文字画像51C2を消去するようにしてもよい。あるいは、矢印画像51C3を消去するようにしてもよいし、ボタン画像51C1、文字画像51C2、矢印画像51C3の一部を消去するようにしてもよい。また、ボタン画像51C1、文字画像51C2、矢印画像51C3を消去するにあたり、これらの一部を徐々に消去するようにしてもよし、これらを順に消去するようにしてもよい。ボタン演出画像51Cを消去する態様に代えて、ボタン演出画像51Cを隠蔽する態様としてもよい。
[電断からの復帰]
上記第1〜第3の実施形態では、停止促進報知、ボタン演出、特定演出の各態様について説明した。上記の各実施形態では、停止促進報知、ボタン演出、特定演出の実行中に電断が生じると、電断からの復帰時には、電断中に実行されていた演出と異なる演出が実行された状態で復帰することがある。以下、電断時の復帰の際の演出について説明する。
[第1の復帰態様]
第1の復帰態様について、図25を参照して説明する。図25は、電断時及び電断復帰時における液晶表示器51に表示される第1の演出の内容を説明する図である。図25(A)に示すように、液晶表示器51にボタン演出画像51Cが表示されていることがある。また、図25(B)に示すように、液晶表示器51に特定演出画像51Dが表示されていることがある。
図25(A)に示すように、液晶表示器51にボタン演出画像51Cが表示されているとき、または図25(B)に示すように、液晶表示器51に特定演出画像51Dが表示されているときに電断が発生すると、図25(C)に示すように、液晶表示器51の表示が暗転し、液晶表示器51には画面が表示されない状態となる。
電断からの復帰の際、メイン制御部41では、図6に示す初期設定処理を実行する。前述のとおり、図6に示す初期設定処理において、電源電圧が正常であり(Sa5:YES)、RAMが破壊されていないと判定した場合(Sa15:NO)には、メイン制御部41は、復帰コマンドをサブ制御部91に送信する(Sa16)。また、RAMが破壊されていると判定した場合(Sa15:YES)には、RAM異常フラグをセットし(Sa22)、エラー処理に移行して遊技の進行が不能化される。
また、サブ制御部91は、その起動時においてRAM91cのデータが正常であることを条件に、RAM91cに記憶されているデータに基づいてサブ制御部91の処理状態を電断前の状態に復帰させる。ただし、RAM91cのデータが正常でない場合には、RAM異常と判定し、RAM91cを初期化する。RAM91cを初期化するにあたり、メイン制御部41と異なり、RAM91cが初期化されるのみで演出の実行が不能化されることはない。
さらに、サブ制御部91は、ボタン演出を実行する場合に、ボタン演出実行フラグをRAM91cに記憶し、特定演出が終了した後にボタン演出実行フラグをクリアする。RAM91cのデータが正常である場合には、ボタン演出実行フラグのON/OFFが記憶されている。ここで、サブ制御部91の処理状態を電断前の状態に復帰させるにあたり、RAM91cにボタン演出実行フラグがセットされているか否かを判定する。その判定の結果、RAM91cにボタン演出実行フラグが記憶されていると判定した場合には、RAM91cに記憶されるデータを通常演出のデータに書き換える。このため、電断から復帰したときは、図25(D)に示すように、液晶表示器51には、通常演出画像51Aが表示された状態となる。
このように、ボタン演出または特定演出が実行されているときに電断が発生した場合、電断から復帰した後は、RAM91cにボタン演出実行フラグがセットされていることにより、液晶表示器51に通常演出画像を表示して通常演出を実行する。このため、電断からの復帰後は、共通した演出が実行され、共通した画像が表示される。したがって、電断からの復帰に備えてボタン演出実行フラグを記憶しておけばよく、ボタン演出または特定演出が実行されているか否かについての内容までをも記憶する必要はないので、サブ制御部91における負担を軽減することができる。
[第2の復帰態様]
第2の復帰態様について、図26を参照して説明する。図26は、電断時及び電断復帰時における液晶表示器51に表示される演出の内容を説明する図である。図26(A)に示すように、液晶表示器51に停止促進画像51Bが表示されていることがある。また、図26(B)に示すように、液晶表示器51に通常演出画像51Aが表示されていることがある。
図26(A)に示すように、液晶表示器51に停止促進画像51Bが表示されているとき、または図26(B)に示すように、液晶表示器51に通常演出画像51Aが表示されているときに電断が発生すると、図26(C)に示すように、液晶表示器51の表示が暗転し、液晶表示器51には画面が表示されない状態となる。
その後、電断から復帰したときに、図26(D)に示すように、液晶表示器51には、デモ画像51Eが表示された状態となる。このように、停止促進演出が実行されているときに電断が発生した場合、電断から復帰した後は、液晶表示器51にデモ画像を表示してデモ演出を実行することにより、電断からの復帰後は、共通した演出が実行され、共通した画像が表示される。このため、電断時の演出内容を記憶させておく必要がないので、サブ制御部91における負担を軽減することができる。
[第3の復帰態様]
第3の復帰態様について、図27を参照して説明する。図27は、電断時及び電断復帰時における液晶表示器51に表示される演出の内容を説明する図である。図27(A)に示すように、液晶表示器51に停止促進画像51Bが表示されていることがある。また、図27(B)に示すように、液晶表示器51に停止促進画像51Bが表示されるとともに、ボタン演出画像51Cが停止促進画像51Bよりも薄く表示されていることがある。
図27(A)に示すように、液晶表示器51に停止促進画像51Bが表示されているとき、または図27(B)に示すように、液晶表示器51に停止促進画像51B及びボタン演出画像51Cが表示されているときに電断が発生すると、図27(C)に示すように、液晶表示器51の表示が暗転し、液晶表示器51には画面が表示されない状態となる。
その後、電断から復帰したときに、図27(D)に示すように、液晶表示器51には、通常演出画像51Aが表示された状態となる。このように、停止促進演出が実行されているときに電断が発生した場合、電断から復帰した後は、液晶表示器51に通常演出画像51Aを表示して通常演出を実行することにより、電断からの復帰後は、共通した演出が実行され、共通した画像が表示される。このため、電断時の演出内容を記憶させておく必要がないので、サブ制御部91における負担を軽減することができる。
[第1の復帰態様の変形例]
なお、上記第1の復帰態様では、電断からの復帰時の演出として通常演出が実行されるが、他の演出が実行される態様であってもよい。例えば、スロットマシン1が遊技されない状態で所定の待機時間が経過した場合に実行されるデモ演出としてもよい。デモ演出では、液晶表示器51にデモ画像が表示される。デモ画像には、遊技についての興味を遊技者に抱かせるような画像が表示されたり、実際の演出に類似する演出が表示されたりするようにしてもよい。
また、電断時の遊技状態を記憶しておき、遊技状態に応じて決定される演出を実行するようにしてもよい。例えば、電断時にAT中であった場合には、電断からの復帰時に、AT中に実行されるAT中演出を実行するようにしてもよい。また、電断からの復帰時には、背景画像を共通させる演出を行ってもよい。例えば、演出で表示される画像をキャラクタ画像と背景画像とに分離し、電断からの復帰時には、背景画像が共通し、キャラクタは任意に決定される態様としてもよい。
また、連続演出の過程でボタン演出や特定演出が実行された場合において、ボタン演出や特定演出中に電断が発生した場合でも、電断からの復帰時に共通する演出を実行するようにしてもよい。連続演出とは、リール2L,2C,2Rが回転を開始してから停止するまでを1回の遊技として、複数回の遊技にまたがって実行される演出をいう。連続演出中に電断が発生した場合には、電断からの復帰時において、電断が発生した回数によらずに共通の演出を実行してもよく、電断が発生した回数に応じた演出を実行してもよい。例えば、4回の遊技にまたがる連続演出が実行される場合において、1回目の遊技でボタン演出または特定演出が実行されているときに電断が発生した場合と、2回目の遊技でボタン演出または特定演出が実行されているときに電断が発生した場合とで、電断からの復帰時に共通する演出を実行してもよい。
あるいは、1回目の遊技でボタン演出または特定演出が実行されているときに電断が発生した場合と、2回目の遊技でボタン演出または特定演出が実行されているときに電断が発生した場合とで、電断からの復帰時に異なる演出を実行してもよい。例えば、1回目の遊技でボタン演出または特定演出が実行されているときに電断が発生した場合にはデモ演出を実行し、2回目の遊技でボタン演出または特定演出が実行されているときに電断が発生した場合には通常演出を実行してもよい。
また、前兆演出の最中にボタン演出または特定演出が実行されているときに電断が発生した場合に、当該前兆の経過期間または前兆の残り期間が異なる場合でも、電断からの復帰時に共通する演出を実行してもよい。さらに、ボーナスゲーム中において、ボタン演出または特定演出が実行されているときに電断が発生した場合に、電断からの復帰時に共通する演出を実行してもよい。
また、第2の復帰態様及び第3の復帰態様においても、上記の第1の復帰態様と同様の変形例に応じた復帰態様とすることができる。
また、上記の各実施形態では、停止促進画像、ボタン演出画像、特定画像が共通する液晶表示器51に表示されるが、他の表示器に表示される態様としてもよい。例えば、上記の液晶表示器51以外のサブ液晶表示器を設け、このサブ液晶表示器に停止促進画像、ボタン演出画像、特定画像のいずれかを表示するようにしてもよい。あるいは、液晶表示器51とサブ液晶表示器のいずれかまたは両方に停止促進画像、ボタン演出画像、特定画像を表示可能とし、停止促進画像、ボタン演出画像、特定画像を表示する表示器を液晶表示器51とサブ液晶表示器のいずれにするかを適宜決定可能としてもよい。この場合、サブ液晶表示器を可動式としてもよい。また、例えばボタン演出画像51Cを隠蔽する態様として、ボタン演出画像51Cを液晶表示器51に表示し、可動式のサブ液晶表示器でボタン演出画像51Cを隠蔽し、サブ液晶表示器に停止促進画像などを表示するようにしてもよい。
また、上記の各実施形態では、ボタン演出に用いる専用の演出用ボタン56を設けているが、他のスイッチ等を演出用ボタンとすることができる。例えば、MAXBETスイッチ6、精算スイッチ10、スタートスイッチ7等を演出用ボタンとしても兼用できるようにしてもよい。
[遊技機について]
以上のように、上記の実施の形態では、メダル並びにクレジットを用いて賭数を設定するスロットマシンを例に挙げて説明したが、これに限定されることなく、例えば、パチンコ遊技機で用いられている遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、クレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンに上記の実施の形態で示した構成を適用して、請求項に係る発明を実現することが可能である。遊技球を遊技媒体として用いる場合は、例えば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させた場合に、上記の実施の形態で賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
また、本発明のスロットマシンは、メダル及び遊技球などの複数種類の遊技用価値のうちのいずれか1種類のみを用いるものに限定されるものでなく、例えばメダル及び遊技球などの複数種類の遊技用価値を併用できるものであってもよい。すなわち、メダル及び遊技球などの複数種類の遊技用価値のいずれを用いても賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダル及び遊技球などの複数種類の遊技用価値のいずれをも払い出し得る遊技機も本発明のスロットマシンに含まれるものである。
また、本実施の形態では、3つのリール2L、2C、2Rを有する可変表示装置を備え、すべてのリールが停止した時点で1ゲームが終了し、3つのリールに導出された表示結果の組合せに応じて入賞が発生するスロットマシンについて説明した。すなわち、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な複数の可変表示領域のそれぞれに表示結果を導出させることが可能な可変表示装置を備え、遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、前記複数の可変表示領域のすべてに前記表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、1ゲームの結果として前記複数の可変表示領域のそれぞれに導出された前記表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンについて説明した。しかし、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであれば、3つのリールを有する可変表示装置を備えるものに限らず、1のリールしか有しないものや、3以外の複数のリールを有する可変表示装置を備えるスロットマシンであってもよい。また、本実施の形態では、リール2L、2C、2Rは縦方向に回転するリールであるが、リール2L、2C、2Rは横方向や斜め方向など、どの方向に回転するリールであってもよい。
また、本実施の形態に係るスロットマシン1は、各々が識別可能な複数種類の識別情報(図柄)を変動表示可能な複数の可変表示領域(透視窓3)のそれぞれに表示結果を導出させることが可能な可変表示装置を備え、遊技用価値(メダル、クレジット)を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、複数の可変表示領域のすべてに表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、1ゲームの結果として複数の可変表示領域のそれぞれに導出された表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであってもよい。
また、本実施の形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すスロットマシンを説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式のスロットマシンを採用してもよい。基盤とドラムとが流通可能で、筺体が共通なもので基盤のみあるいは基盤とドラムとを遊技機と称する。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。