[スロットマシンの構成]
本発明に係るスロットマシンを実施するための形態を実施形態に基づいて以下に説明する。本発明が適用されたスロットマシンの実施の形態について図面を用いて説明すると、本実施の形態のスロットマシン1は、図1に示すように、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bとから構成されている。
本実施の形態のスロットマシン1の筐体1aの内部には、図2に示すように、外周に複数種類の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられたリールモータ32L、32C、32R(図4参照)によって回転されることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示される一方で、各リール2L、2C、2Rの回転が停止されることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33Rと、リール2L、2C、2Rを背面から照射するリールLED55と、が設けられている。また、リールLED55は、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する12のLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
前面扉1bの各リール2L、2C、2Rの手前側(遊技者側)の位置には、液晶表示器51(図1参照)の表示領域51aが配置されている。液晶表示器51は、液晶素子に対して電圧が印加されていない状態で透過性を有する液晶パネルを有しており、表示領域51aの透視窓3に対応する透過領域51bおよび透視窓3を介して遊技者側から各リール2L、2C、2Rが視認できるようになっている。
前面扉1bには、図1に示すように、メダルを投入可能なメダル投入口4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数(本実施の形態では後述するRT0〜4の規定数として3、RBの規定数として2が定められている)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダルおよび賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジットおよび賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、演出に用いられる演出用スイッチ56が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
なお、本実施の形態では、回転を開始した3つのリール2L、2C、2Rのうち、最初に停止するリールを第1停止リールと称し、また、その停止を第1停止と称する。同様に、2番目に停止するリールを第2停止リールと称し、また、その停止を第2停止と称し、3番目に停止するリールを第3停止リールと称し、また、その停止を第3停止あるいは最終停止と称する。
また、前面扉1bには、図1に示すように、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード、後述のナビ報知によるリールの停止順を識別可能な情報、および設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値等が表示される遊技補助表示器12、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、リプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられた遊技用表示部13が設けられている。
MAXBETスイッチ6の内部には、MAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図4参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図4参照)がそれぞれ設けられており、演出用スイッチ56の内部には、演出用スイッチ56の操作が有効である旨を点灯により報知する演出用LED56a(図4参照)が設けられている。
前面扉1bの内側には、図2に示すように、所定のキー操作により後述するエラー状態および後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、所定の契機に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、所定の契機に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b、メダル投入口4から投入されたメダルの流路を、筐体1aの内部に設けられた後述のホッパータンク34a(図2参照)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入口4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31a〜c、投入メダルセンサ31a〜cの上流側で異物の挿入を検出する投入口センサ26を有するメダルセレクタ29、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25(図4参照)が設けられている。
筐体1aの内部には、図2に示すように、前述したリール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R(図4参照)、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L、33C、33R(図4参照)からなるリールユニット2、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000(図4参照)、メダル投入口4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b(図4参照)、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34c(図4参照)からなるホッパーユニット34、電源ボックス100が設けられている。
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留されたメダルが満タン状態となったことを検出する満タンセンサ35a(図4参照)が設けられている。
電源ボックス100の前面には、図2に示すように、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をon/offする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
なお、電源ボックス100は、筐体1aの内部に設けられており、さらに前面扉1bは、店員等が所持する所定のキー操作により開放可能な構成であるため、これら電源ボックス100の前面に設けられた設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39は、キーを所持する店員等の者のみが操作可能とされ、遊技者による操作ができないようになっている。また、所定のキー操作により検出されるリセットスイッチ23も同様である。特に、設定キースイッチ37は、キー操作により前面扉1bを開放したうえで、さらにキー操作を要することから、遊技場の店員のなかでも、設定キースイッチ37の操作を行うキーを所持する店員のみ操作が可能とされている。
本実施の形態のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入口4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すればよい。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインLN(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。本実施の形態では、後述するRT0〜4における規定数の賭数として3枚が定められ、後述するRBにおける規定数の賭数として2枚が定められており、これら遊技状態に応じた規定数の賭数が設定されると入賞ラインLNが有効となる。なお、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために設定されるラインである。本実施の形態では、図1に示すように、リール2Lの中段、リール2Cの中段、リール2Rの中段、すなわち中段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインLNのみが入賞ラインとして定められている。なお、本実施の形態では、1本の入賞ラインのみを適用しているが、複数の入賞ラインを適用してもよい。
また、本実施の形態では、入賞ラインLNに入賞を構成する図柄の組合せが揃ったことを認識しやすくするために、入賞ラインLNとは別に、無効ラインLM1〜4を設定している。無効ラインLM1〜4は、これら無効ラインLM1〜4に揃った図柄の組合せによって入賞が判定されるものではなく、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組合せが揃った際に、無効ラインLM1〜4のいずれかに入賞ラインLNに揃った場合に入賞となる図柄の組合せ(たとえば、ベル−ベル−ベル)が揃う構成とすることで、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組合せが揃ったことを認識しやすくするものである。
また、本実施の形態では、入賞役として、入賞ラインLNに役として定められた所定の図柄の組合せ(たとえば、「ベル−スイカ−チェリーb」)が揃ったときに入賞するとともに、かつ所定の図柄組合せが揃うことにより無効ラインLM1〜LM4のいずれかに所定の図柄組合せよりも認識しやすい指標となる図柄の組合せ(たとえば、「スイカ−スイカ−スイカ」)が揃うことにより、無効ラインLM1〜LM4のいずれかに揃った図柄の組合せによって入賞したように見せることが可能な役を含む。以下では、所定の図柄の組合せが入賞ラインLNに揃ったときに無効ラインLM1〜LM4のいずれかに揃う図柄の組合せを、指標となる図柄の組合せと呼び、指標となる図柄の組合せを構成する図柄を指標図柄と呼ぶ。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、入賞ラインLN上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役ともいう)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施の形態では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払い出されるようになっている。また、入賞ラインLN上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組合せが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組合せに応じた遊技状態に移行するようになっている。
なお、本実施の形態では、スタートスイッチ7の操作が有効な状態でスタートスイッチ7の操作が検出されたときにゲームが開始し、全てのリールが停止したときにゲームが終了する。また、ゲームを実行するための1単位の制御(ゲーム制御)は、前回のゲームの終了に伴う全ての制御が完了したときに開始し、当該ゲームの終了に伴う全ての制御が完了したときに終了する。
また、本実施の形態におけるスロットマシン1にあっては、ゲームが開始されて各リール2L、2C、2Rが回転して図柄の変動が開始した後、いずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに、当該ストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリールの回転が停止して図柄が停止表示される。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ms(ミリ秒)である。
リール2L、2C、2Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190msの間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。
このため、たとえば、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、リール2L、2C、2R各々において、ストップスイッチ8L、8Rのうちいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの中段に表示されている図柄を含めて5コマ以内に配置されている図柄を入賞ライン上に表示させることができる。
以下では、特に区別する必要がない場合にはリール2L、2C、2Rを単にリールという場合がある。また、リール2Lを左リール、リール2Cを中リール、リール2Rを右リールという場合がある。また、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作によりリール2L、2C、2Rを停止させる操作を停止操作という場合がある。
図4は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図4に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40および演出制御基板90に供給されるようになっている。また、電源基板101には、前述したホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
遊技制御基板40には、前述したMAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、投入メダルセンサ31a〜c、ドア開放検出スイッチ25、リールセンサ33L、33C、33Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述した払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。また、遊技制御基板40には、前述したクレジット表示器11、遊技補助表示器12、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述したホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
遊技制御基板40には、遊技の進行に関する処理を行うととともに遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御するメイン制御部41と、所定周波数の発振信号となる制御用クロックCCLKを生成する制御用クロック生成回路42と、制御用クロックCCLKの発振周波数とは異なる所定周波数の発振信号となる乱数用クロックRCLKを生成する乱数用クロック生成回路43と、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を取り込んでメイン制御部41に伝送するスイッチ検出回路44と、メイン制御部41から出力されたモータ駆動信号(ステッピングモータの位相信号)をリールモータ32L、32C、32Rに伝送するモータ駆動回路45と、メイン制御部41から出力されたソレノイド駆動信号を流路切替ソレノイド30に伝送するソレノイド駆動回路46と、メイン制御部41から出力されたLED駆動信号を遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDに伝送するLED駆動回路47と、スロットマシン1に供給される電源の電圧を監視して電圧の低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する電断検出回路48と、電源投入時または電源遮断時等の電力供給が不安定な状態においてメイン制御部41にシステムリセット信号を与えるリセット回路49とが搭載されている。
図5は、遊技制御基板40に搭載されたメイン制御部41の構成例を示している。メイン制御部41は、1チップマイクロコンピュータであり、外部バスインターフェイス501と、クロック回路502と、照合用ブロック503と、固有情報記憶回路504と、演算回路505と、リセット/割込コントローラ506と、CPU(Central Processing Unit)41aと、ROM(Read Only Memory)41bと、RAM(Random Access Memory)41cと、フリーランカウンタ回路507と、乱数回路508a、508bと、タイマ回路509と、割込コントローラ510と、パラレル入力ポート511と、シリアル通信回路512と、パラレル出力ポート513と、アドレスデコード回路514とを備えて構成される。
リセット/割込コントローラ506は、メイン制御部41の内部や外部にて発生する各種リセット、割込要求を制御するためのものである。リセット/割込コントローラ506は、指定エリア外走行禁止(IAT)回路506aとウォッチドッグタイマ(WDT)506bとを備える。IAT回路506aは、ユーザプログラムが指定エリア内で正しく実行されているか否かを監視する回路であり、指定エリア外でユーザプログラムが実行されたことを検出するとIAT発生信号を出力する機能を備える。また、ウォッチドッグタイマ506bは、設定期間ごとにタイムアウト信号を発生させる機能を備える。
外部バスインターフェイス501は、メイン制御部41を構成するチップの外部バスと内部バスとのインターフェイス機能や、アドレスバス、データバスおよび各制御信号の方向制御機能などを有するバスインターフェイスである。クロック回路502は、制御用クロックCCLKを2分周することなどにより、内部システムクロックSCLKを生成する回路である。照合用ブロック503は、外部の照合機と接続し、チップの照合を行う機能を備える。固有情報記憶回路504は、メイン制御部41の内部情報となる複数種類の固有情報を記憶する回路である。演算回路505は、乗算および除算を行う回路である。
CPU41aは、ROM41bから読み出した制御コードに基づいてユーザプログラム(ゲーム制御用の遊技制御処理プログラム)を実行することにより、スロットマシン1における遊技制御を実行する制御用CPUである。こうした遊技制御が実行されるときには、CPU41aがROM41bから固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU41aがRAM41cに各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU41aがRAM41cに一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU41aが外部バスインターフェイス501やパラレル入力ポート511、シリアル通信回路512などを介してメイン制御部41の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU41aが外部バスインターフェイス501やシリアル通信回路512、パラレル出力ポート513などを介してメイン制御部41の外部へと各種信号を出力する送信動作等も行われる。
ROM41bには、ユーザプログラム(ゲーム制御用の遊技制御処理プログラム)を示す制御コードや固定データ等が記憶されている。RAM41cは、ゲーム制御用のワークエリア等を提供する。ここで、RAM41cの少なくとも一部は、バックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、スロットマシン1への電力供給が停止しても、所定期間はRAM41cの少なくとも一部の内容が保存される。
フリーランカウンタ回路507として、8ビットのフリーランカウンタを搭載している。乱数回路508a、508bは、8ビット乱数や16ビット乱数といった、所定の更新範囲を有する乱数値となる数値データを生成する回路である。本実施の形態では、乱数回路508a、508bのうち16ビット乱数回路508bが生成するハードウェア乱数は、後述する内部抽選用の乱数として用いられる。タイマ回路509は、16ビットプログラマブルタイマであり、設定されたタイマ値を制御用クロックCCLKの入力に基づいてダウンカウントし、0000Hに達したときに割込コントローラへの割込要求信号を出力する。本実施の形態では、タイマ回路509を用いて定期的な割込要求や時間計測を行うことが可能である。
割込コントローラ510は、割込端子からの外部割込要求や、内蔵の周辺回路(たとえば、シリアル通信回路512、乱数回路508a、508b、タイマ回路509)からの割込要求を制御する回路である。パラレル入力ポート511は、8ビット幅の入力専用ポートを内蔵する。また、図4に示すメイン制御部41が備えるパラレル出力ポート513は、11ビット幅の出力専用ポートを内蔵する。シリアル通信回路512は、外部に対する入出力において非同期シリアル通信を行う回路である。
アドレスデコード回路514は、メイン制御部41の内部における各機能ブロックのデコードや、外部装置用のデコード信号であるチップセレクト信号のデコードを行うための回路である。チップセレクト信号により、メイン制御部41の内部回路、あるいは、周辺デバイスとなる外部装置を、選択的に有効動作させて、CPU41aからのアクセスが可能となる。
メイン制御部41は、たとえば、ROM41bの記憶領域のうちプログラム等が格納されていない領域へのアクセスがあったとき、RAM41cの記憶領域のうちアクセス禁止が設定された領域へのアクセスがあったとき、すなわち正常な動作ではアクセスすることのないメモリ領域へのアクセスがあったときにイリーガルアクセスリセットを発生させることで、遊技の進行を不能化させるようになっており、ROM41bの未使用領域や動作とは関係しない領域、RAM41cの未使用領域等に不正なプログラムが格納された場合であっても、不正なプログラムが実行されてしまうことを防止できる。
また、メイン制御部41は、内部または外部によるリセットが発生することで起動することとなるが、この際、ROM41bに割り当てられ、割込処理の先頭アドレスが設定されるベクタテーブルに設定された値が、未使用を示す値であるか、プログラム等が実際に格納された領域を示す値であるか、を判定し、いずれの値でもない場合には起動しないようになっており、割込の発生等により本来意図していない処理が実行されてしまうことを事前に防止できる。
メイン制御部41は、パラレル出力ポート513を介してサブ制御部91に各種のコマンドを送信する。メイン制御部41からサブ制御部91へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、サブ制御部91からメイン制御部41へ向けてコマンドが送られることはない。また、本実施の形態では、パラレル出力ポート513を介してサブ制御部91に対してコマンドが送信される構成、すなわちコマンドがパラレル信号にて送信される構成であるが、シリアル通信回路512を介してサブ制御部91に対してコマンドを送信する構成、すなわちコマンドをシリアル信号にて送信する構成としてもよい。
また、メイン制御部41は、遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態がパラレル入力ポート511から入力される。そしてメイン制御部41は、これらパラレル入力ポート511から入力される各種スイッチ類の検出状態に応じて段階的に移行するメイン処理を実行する。また、メイン制御部41は、割込の発生によりメイン処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっている。本実施の形態では、タイマ回路509にてタイムアウトが発生したこと、すなわち一定時間間隔(本実施の形態では、約0.56ms)毎にタイマ割込処理(メイン)を実行する。また、メイン制御部41は、割込処理の実行中に他の割込を自動的に禁止するように設定されているとともに、複数の割込が同時に発生した場合には、予め定められた順位によって優先して実行する割込が設定されている。なお、割込処理の実行中に他の割込要因が発生し、割込処理が終了してもその割込要因が継続している状態であれば、割込処理が終了した時点で割込禁止が自動的に解除され、その時点で新たな割込が発生することとなる。なお、割込処理の実行中に他の割込を自動的に禁止するように設定され、割込処理が終了した時点で割込禁止が自動的に解除されるのではなく、割込処理の開始時にプログラムによって他の割込を禁止し、割込処理の終了時にプログラムによって割込禁止を解除するようにしてもよい。
メイン制御部41は、メイン処理として遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が変化するまでは制御状態に応じた処理を繰り返しループし、各種スイッチ類の検出状態の変化に応じて段階的に移行する処理を実行する。また、メイン制御部41は、一定時間間隔(本実施の形態では、約0.56ms)毎にタイマ割込処理(メイン)を実行する。なお、タイマ割込処理(メイン)の実行間隔は、メイン処理において制御状態に応じて繰り返す処理が一巡する時間とタイマ割込処理(メイン)の実行時間とを合わせた時間よりも長い時間に設定されており、今回と次回のタイマ割込処理(メイン)との間で必ず制御状態に応じて繰り返す処理が最低でも一巡することとなる。
また、メイン制御部41は、タイマ割込処理を実行する毎に、各種スイッチ類についてポート入力処理において入力データを取得し、今回のタイマ割込処理で取得された入力データと前回のタイマ割込処理で取得された入力データが同じ状態である場合に、該当する各スイッチについて今回と前回の入力データが同じ状態であることを示す確定データをRAM41cの所定領域に設定し、今回のタイマ割込処理で設定された確定データと前回のタイマ割込処理で設定された確定データとが異なる状態である場合に、今回と前回の確定データが異なる状態であることを示す各スイッチのエッジデータをRAM41cの所定領域に設定する。
そして、たとえば、スタートスイッチ7については、ゲームを開始可能な状態でスタートスイッチ7が操作されたか否かをスタートスイッチ7の立上りを示す立上りエッジデータが設定されるか否かに基づいて判定する。スタートスイッチ7の立上りエッジデータは、一定間隔毎に割り込んで実行するタイマ割込処理(メイン)4回毎に1回(約2.24ms毎)実行するスイッチ入力判定処理において、スタートスイッチ7の検出状態に基づく確定データがoffからonに変化したことを条件に設定される。確定データは、スイッチ入力判定処理毎に今回の検出状態と前回の状態が一致する場合にのみ更新されるデータであることから、スタートスイッチ7の立上りエッジデータは、スタートスイッチ7の検出状態がoffである場合に、スイッチ入力判定処理において2回連続してスタートスイッチ7のonが検知されることで設定されることとなる。一方、スイッチ入力判定処理の実行間隔は約2.24msであることから、スタートスイッチ7がonとなってから最低でも約2.24ms以上onが継続して検知されることを条件にスタートスイッチ7の立上りエッジデータが設定され、スタートスイッチ7の操作が検出されることとなる。なお、スタートスイッチ7以外の各種スイッチ類についても同様にして、確定データおよびエッジデータを設定する。
これにより、各スイッチ類について、onの状態が一定期間(最低でも約2.24ms)以上継続して検知されたことを条件に、当該スイッチの操作が検出されるようになっており、静電気などのノイズによって各スイッチのonの状態が誤って検出されてしまうことを防止できる。
設定キースイッチ37については、スロットマシン1への電力の供給が開始されて最初に実行する初期設定処理、およびゲームが開始されるまで待機する遊技開始待ち処理において、設定キースイッチ37が操作されたか否かを、設定キースイッチ37に対応する入力ポートの状態に基づいて判定する。すなわち、設定キースイッチ37がonの状態に変化するのみで設定キースイッチ37の操作が検出されることとなる。
これにより、初期設定処理または遊技開始待ち処理において、設定キースイッチ37が操作されたか否かを判定するときの設定キースイッチ37のon−offの状態に基づいて、設定キースイッチ37が操作されたか否かが判定されるので、設定キースイッチ37がonの状態が、タイマ割込処理(メイン)の実行間隔以下であっても、設定キースイッチ37が操作された可能性がある場合は、設定キースイッチ37の操作が行われたと判定するこができる。
演出制御基板90には、演出用スイッチ56が接続されており、この演出用スイッチ56の検出信号が入力されるようになっている。また、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の演出装置が接続されており、これら演出装置は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。なお、本実施の形態では、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91により、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の演出装置の出力制御が行われる構成であるが、サブ制御部91とは別に演出装置の出力制御を直接的に行う出力制御部を演出制御基板90または他の基板に搭載し、サブ制御部91がメイン制御部41からのコマンドに基づいて演出装置の出力パターンを決定し、サブ制御部91が決定した出力パターンに基づいて出力制御部が演出装置の出力制御を行う構成としてもよく、このような構成では、サブ制御部91および出力制御部の双方によって演出装置の出力制御が行われることとなる。また、本実施の形態では、演出装置として液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55を例示しているが、演出装置は、これらに限られず、たとえば、機械的に駆動する表示装置や機械的に駆動する役モノなどを演出装置として適用してもよい。
演出制御基板90は、サブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにより構成されて演出の制御を行うサブ制御部91と、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行う表示制御回路92と、演出効果LED52と、リールLED55の駆動制御を行うLED駆動回路93と、スピーカ53、54からの音声出力制御を行う音声出力回路94と、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95と、演出制御基板90に接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路96と、日付情報および時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置97と、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブCPU91aに対して出力する電断検出回路98と、その他の回路等、が搭載されている。
サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
リセット回路95は、遊技制御基板40においてメイン制御部41にシステムリセット信号を与えるリセット回路49よりもリセット信号を解除する電圧が低く定められており、電源投入時においてサブ制御部91は、メイン制御部41よりも早い段階で起動するようになっている。一方で、電断検出回路98は、遊技制御基板40においてメイン制御部41に電圧低下信号を出力する電断検出回路48よりも電圧低下信号を出力する電圧が低く定められており、電断時においてサブ制御部91は、メイン制御部41よりも遅い段階で停電を検知し、電断処理(サブ)を行うこととなる。
サブ制御部91は、メイン制御部41と同様に、割込機能を備えており、メイン制御部41からのコマンド受信時に割込を発生させて、メイン制御部41から送信されたコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、サブ制御部91は、システムクロックの入力数が一定数に到達する毎、すなわち一定時間間隔(約2ms)毎に割込を発生させて後述するタイマ割込処理(サブ)を実行する。また、サブ制御部91は、メイン制御部41とは異なり、コマンドの受信に基づいて割込が発生した場合には、タイマ割込処理(サブ)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を実行し、タイマ割込処理(サブ)の契機となる割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を最優先で実行するようになっている。また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
[設定値]
本実施形態のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、設定値に応じて、後述する内部抽選で用いる当選確率を決定することにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値に応じて当選確率が変化することを設定差あり、設定値に応じて当選確率が変化しないことを設定差なしとも言う。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。ただし、複数種類の抽選対象役のうち、遊技者にとっての有利度合いが高い状態(CZと呼ばれるAT抽選の高確率状態、および後述するATのような純増枚数が多くなる状態など)にある区間へ移行するか否かを決定する有利区間作動抽選の対象となる抽選対象役は、設定差がない。一方、複数種類の抽選対象役のうち、有利区間作動抽選の対象にならない抽選対象役は、設定差があってもよい。なお、設定値を変更するためには、スロットマシン1の内部に設けられた設定キースイッチ37を店員等の管理者が操作し、設定値を変更可能な設定変更状態に移行させればよい。また、設定値を確認するためには、店員等の管理者が設定キースイッチ37を操作をして、設定値を確認可能な設定確認状態に移行させればよい。
なお、設定値の設定に応じて内部抽選の当選確率を変化させること、設定値の設定に応じて有利区間作動抽選の当選確率を変化させること、および設定値の設定に応じて内部抽選の当選確率を変化させるとともに有利区間作動抽選の当選確率を変化させることのいずれが行われるものであってもよい。
設定値を変更するためには、設定キースイッチ37をon状態としてからスロットマシン1の電源をonする必要がある。設定キースイッチ37をon状態として電源をonすると、遊技補助表示器12にRAM41cから読み出された設定値が表示値として表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更が可能な設定変更状態に移行する。設定変更状態において、リセット/設定スイッチ38が操作されると、遊技補助表示器12に表示された表示値が1ずつ更新されていく(設定値6からさらに操作されたときは、設定値1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると表示値を設定値として確定する。そして、設定キースイッチ37がoffされると、確定した表示値(設定値)がメイン制御部41のRAM41cに格納され、遊技の進行が可能な状態に移行する。
なお、設定キースイッチ37がon状態で電源投入された場合に、ドア開放検出スイッチ25により前面扉1bの開放に対応する検出がされていることを条件に、設定変更状態に移行する構成としてもよく、このような構成とすることで、前面扉1bが開放されていない状態で不正に設定変更がされてしまうことを防止できる。また、前面扉1bの開放に対応する検出がされていることを条件に、設定変更状態に移行する構成においては、設定変更状態に移行後、ドア開放検出スイッチ25により前面扉1bの開放に対応する検出がされなくなっても、設定変更状態を維持することが好ましく、これにより、設定変更中に前面扉1bが一時的に閉じてしまっても、再度、設定変更状態に移行させるための操作を必要とせず、設定変更操作が煩雑となってしまうことがない。また、設定変更状態に移行後、スタートスイッチ7が操作されて設定値が確定した後、設定キースイッチ37がoffとなったときに、ドア開放検出スイッチ25により前面扉1bの開放に対応する検出がされていることを条件に、設定変更状態を終了して遊技の進行が可能な状態に移行する構成としてもよく、このような構成においても、前面扉1bが開放されていない状態で不正に設定変更がされてしまうことを防止できる。
また、設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37をon状態とすればよい。このような状況で設定キースイッチ37をon状態とすると、遊技補助表示器12にRAM41cから読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態に移行する。設定確認状態においては、ゲームの進行が不能であり、設定キースイッチ37をoff状態とすることで、設定確認状態が終了し、ゲームの進行が可能な状態に復帰することとなる。
なお、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37がonとなったときに、ドア開放検出スイッチ25により前面扉1bの開放に対応する検出がされていることを条件に、設定確認状態に移行する構成としてもよく、このような構成とすることで、前面扉1bが開放されていない状態で不正に設定値が確認されてしまうことを防止できる。また、前面扉1bの開放に対応する検出がされていることを条件に、設定確認状態に移行する構成においては、設定確認状態に移行後、ドア開放検出スイッチ25により前面扉1bの開放に対応する検出がされなくなっても、設定確認状態を維持することが好ましく、これにより、設定確認中に前面扉1bが一時的に閉じてしまっても、再度、設定確認状態に移行させるための操作を必要とせず、設定確認操作が煩雑となってしまうことがない。また、設定確認状態に移行後、スタートスイッチ7が操作されて設定値が確定した後、設定キースイッチ37がoffとなったときに、ドア開放検出スイッチ25により前面扉1bの開放に対応する検出がされていることを条件に、設定確認状態を終了して遊技の進行が可能な状態に復帰する構成としてもよく、このような構成においても、前面扉1bが開放されていない状態で不正に設定値が確認されてしまうことを防止できる。
[電断処理]
本実施の形態のスロットマシン1においては、メイン制御部41は、タイマ割込処理(メイン)を実行する毎に、電断検出回路48からの電圧低下信号が検出されているか否かを判定する停電判定処理を行い、停電判定処理において電圧低下信号が検出されていると判定した場合に、次回復帰時にRAM41cのデータが正常か否かを判定するためのデータを設定する電断処理(メイン)を実行する。
そして、メイン制御部41は、その起動時においてRAM41cのデータが正常であることを条件に、RAM41cに記憶されているデータに基づいてメイン制御部41の処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAM41cデータが正常でない場合には、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをレジスタにセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。
また、サブ制御部91もタイマ割込処理(サブ)において電断検出回路98からの電圧低下信号が検出されているか否かを判定し、電圧低下信号が検出されていると判定した場合に、次回復帰時にRAM91cのデータが正常か否かを判定するためのデータを設定する電断処理(サブ)を実行する。
そして、サブ制御部91は、その起動時においてRAM91cのデータが正常であることを条件に、RAM91cに記憶されているデータに基づいてサブ制御部91の処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAM91cのデータが正常でない場合には、RAM異常と判定し、RAM91cを初期化するようになっている。この場合、メイン制御部41と異なり、RAM91cが初期化されるのみで演出の実行が不能化されることはない。
また、サブ制御部91は、その起動時においてRAM91cのデータが正常であると判断された場合でも、メイン制御部41から設定変更状態に移行した旨を示す後述の設定コマンドを受信した場合、起動後一定時間が経過してもメイン制御部41の制御状態が復帰した旨を示す後述の復帰コマンドも設定コマンドも受信しない場合にも、RAM91cを初期化するようになっている。この場合も、RAM91cが初期化されるのみで演出の実行が不能化されることはない。
メイン制御部41は、初期設定処理において、まず、割込を禁止に設定した後、起動時に設定キースイッチ37がonの状態であるか否かを判定し、起動時に設定キースイッチ37がonの状態であると判定された場合に、設定変更処理に移行し、設定変更処理の開始時にRAM41cの初期化を行う。この際、RAM41cのデータが正常であれば、特別ワークを保持してそれ以外の領域を初期化することで、設定変更後も変更前の制御状態(設定値や遊技状態等)の一部を保持することができる一方で、RAM41cのデータが正常でない場合には、特別ワークを含む使用可能領域の全ての領域を初期化することで、RAM41cのデータに異常を確実に解消することができるようになっている。
RAM41cを初期化した後、割込を許可に設定し、リセット/設定スイッチ38が操作れる毎に設定値を1〜6の範囲で1ずつ更新し、スタートスイッチ7のonが検出された後、設定キースイッチ37のonが検出されたときの設定値をRAM41cに格納して、設定変更処理を終了させる。
このように、メイン制御部41は、割込マスタ許可フラグの初期値が割込の禁止を示す値であり、割込が禁止された状態で起動し、起動後の初期設定処理においても、まず、割込を禁止に設定したうえで、その後の初期設定処理を実行するようになっているので、意図しない割込が発生することを防止できる。
また、メイン制御部41は、設定変更処理の終了後、遊技単位毎にゲームの進行に応じて段階的に処理を行うメイン処理を実行する。また、メイン処理では、遊技単位毎にRAM41cの初期化を行うとともに、設定変更処理の終了時にもRAM41cの初期化を行う。そして、設定変更処理の終了後、メイン処理においてRAM41cの初期化を行う処理の前の段階からメイン処理を開始するようになっており、設定変更処理の終了後のRAM41cの初期化と、遊技単位毎のRAM41cの初期化とを共通の処理にて行うことが可能となる。
[内部抽選]
本実施の形態のスロットマシン1においては、入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役と、遊技者にとって有利な遊技状態への移行を伴う特別役とがある。以下では、小役と再遊技役をまとめて一般役とも呼ぶ。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、後述する内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAM41cに設定されている必要がある。なお、これら各役の当選フラグのうち、小役および再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となるが、特別役の当選フラグは、当該フラグにより許容された役の組合せが揃うまで有効とされ、許容された役の組合せが揃ったゲームにおいて無効となる。すなわち特別役の当選フラグが一度当選すると、例え、当該フラグにより許容された役の組合せを揃えることができなかった場合にも、その当選フラグは無効とされずに、次のゲームへ持ち越されることとなる。
内部抽選は、メイン制御部41が、上記した各役への入賞を許容するか否かを、全てのリール2L、2C、2Rの表示結果が導出される以前(具体的には、スタートスイッチ7の検出時)に決定するものである。内部抽選では、まず、スタートスイッチ7の検出時に内部抽選用の乱数値(0〜65535の整数)を取得する。詳しくは、乱数回路508bにより生成され、乱数回路508bの乱数値レジスタに格納されている値をRAM41cに割り当てられた抽選用ワークに設定する。そして、遊技状態に応じて定められた各役について、抽選用ワークに格納された数値データと、現在の遊技状態、賭数および設定値に応じて定められた各役の判定値数に応じて入賞を許容するか否かの判定が行われる。
内部抽選では、内部抽選の対象となる役、現在の遊技状態および設定値に対応して定められた判定値数を、内部抽選用の乱数値(抽選用ワークに格納された数値データ)に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役に当選したものと判定される。このため、判定値数の大小に応じた確率(判定値数/65536)で役が当選することとなる。
そして、いずれかの役の当選が判定された場合には、当選が判定された役に対応する当選フラグをRAM41cに割り当てられた内部当選フラグ格納ワークに設定する。内部当選フラグ格納ワークは、2バイトの格納領域にて構成されており、そのうちの上位バイトが、特別役の当選フラグが設定される特別役格納ワークとして割り当てられ、下位バイトが、一般役の当選フラグが設定される一般役格納ワークとして割り当てられている。詳しくは、特別役が当選した場合には、当該特別役が当選した旨を示す特別役の当選フラグを特別役格納ワークに設定し、一般役格納ワークに設定されている当選フラグをクリアする。また、一般役が当選した場合には、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。なお、いずれの役および役の組合せにも当選しなかった場合には、一般役格納ワークのみクリアする。
[リール制御]
次に、リール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。メイン制御部41は、リールの回転が開始したとき、およびリールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、ROM41bに格納されているテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの滑りコマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行う。
本実施の形態では、滑りコマ数として0〜4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。
本実施の形態では、いずれかの役に当選している場合には、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、最大4コマの引込範囲で揃えずに停止させる制御が行われることとなる。特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役が当選した場合など、特別役と小役が同時に当選している場合には、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を引き込めない場合には、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している特別役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、4コマの引込範囲で揃えずに停止させる制御が行われることとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも小役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、小役を引き込めない場合にのみ、特別役を入賞させることが可能となる。なお、特別役と小役を同時に引き込める場合には、小役のみを引き込み、特別役と同時に小役が入賞ライン上に揃わないようになる。また、特別役と小役が同時に当選している場合に、小役よりも特別役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、特別役を引き込めない場合にのみ、小役を入賞ライン上に揃える制御を行ってもよい。
また、本実施の形態では、特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場合など、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で再遊技役の図柄を揃えて停止させる制御を行う。なお、この場合、再遊技役を構成する図柄または同時当選する再遊技役を構成する図柄は、リール2L、2C、2Rのいずれについても5図柄以内、すなわち4コマ以内の間隔で配置されており、4コマの引込範囲で必ず任意の位置に停止させることができるので、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングに関わらずに、必ず再遊技役が揃って入賞することとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも再遊技役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、必ず再遊技役が入賞することとなる。なお、特別役と再遊技役を同時に引き込める場合には、再遊技役のみを引き込み、再遊技役と同時に特別役が入賞ライン上に揃わないようになる。
本実施の形態においてメイン制御部41は、ゲームの開始後、リールの回転を開始させる毎にその時点、すなわちリールの回転を開始させた時点から経過した時間であるゲーム時間を計時するようになっており、1ゲームの終了後、メダルの投入等により規定数の賭数が設定され、ゲームの開始操作が有効となった状態でゲームの開始操作がされたときに、前のゲームのリール回転開始時点から計時を開始したゲーム時間が規定時間(本実施の形態では4.1秒)以上であれば、すなわち前のゲームのリール回転開始時点から規定時間が経過していれば、ウェイトを発生させず、その時点で当該ゲームにおける遊技のためのリールの回転を開始させる。一方、1ゲームの終了後、メダルの投入等により規定数の賭数が設定され、ゲームの開始操作が有効となった状態でゲームの開始操作がされたときに、前のゲームのリール回転開始時点から計時を開始したゲーム時間が規定時間未満であれば、すなわち前のゲームのリール回転開始時点から規定時間が経過していなければ、ウェイトを発生させて、その時点ではリールの回転を開始させず、前のゲームのリール回転開始時点から計時を開始したゲーム時間が規定時間に到達するまで待機し、規定時間に到達した時点でリールの回転を開始させる。
[外部出力]
本実施の形態においてメイン制御部41は、遊技状態やエラーの発生状況などを示す外部出力信号を出力する制御を行う。これら外部出力信号は、外部出力基板1000、スロットマシン1が設置される遊技店(ホール)の情報提供端子板を介してホールコンピュータなどのホール機器に出力されるようになっている。
メイン制御部41は、賭数の設定に用いられたメダル数を示すメダルIN信号、入賞の発生により遊技者に付与されたメダル数を示すメダルOUT信号、遊技状態がRB(レギュラーボーナス)中の旨を示すRB中信号、遊技状態がBB(ビッグボーナス)中の旨を示すBB中信号、AT(アシストタイム)の開始を示すAT信号、前面扉1bが開放中の旨を示すドア開放信号、後述する設定変更状態または設定確認状態に移行している旨を示す設定中信号、メダルセレクタ29の異常を示す投入エラー信号、ホッパーユニット34の異常を示す払出エラー信号をそれぞれ出力する。
外部出力基板1000には、リレー回路、パラレル・シリアル変換回路、出力信号毎の端子が設けられ、情報提供端子板の回路と電気的に接続するための接続されるコネクタが設けられている。遊技制御基板40から出力された信号のうち、メダルIN信号、メダルOUT信号、RB中信号、BB中信号、AT信号は、リレー回路を介して、そのままパルス信号として情報提供端子板に出力される。これに対してドア開放信号、設定中信号、投入エラー信号、払出エラー信号は、パラレル・シリアル変換回路にて、これらの信号を個別に識別可能なシリアル信号であるセキュリティ信号に変換されて情報提供端子板に出力される。なお、本実施の形態においては、設定中信号、投入エラー信号、および払出エラー信号のそれぞれは、外部出力基板1000上において、同一の端子から出力される。一方、ドア開放信号は、外部出力基板1000上において、設定中信号、投入エラー信号、および払出エラー信号のそれぞれとは異なる端子から出力される。
[コマンド]
次に、メイン制御部41がサブ制御部91に対して送信するコマンドについて説明する。
本実施の形態では、メイン制御部41は、サブ制御部91に対して、投入枚数コマンド、クレジットコマンド、遊技状態コマンド、内部当選コマンド、リール加速情報コマンド、停止操作時コマンド、滑りコマ数コマンド、停止コマンド、遊技終了コマンド、入賞枚数コマンド、払出開始コマンド、払出終了コマンド、待機コマンド、打止コマンド、エラーコマンド、復帰コマンド、設定コマンド、設定確認開始コマンド、設定確認終了コマンド、ドアコマンド、操作検出コマンド、精算開始コマンド、精算終了コマンド、エラー開始コマンド、エラー解除コマンドを含む複数種類のコマンドを送信する。これらコマンドは、コマンドの種類を示す1バイトの種類データとコマンドの内容を示す1バイトの拡張データとからなり、サブ制御部91は、種類データからコマンドの種類を判別できるようになっている。
投入枚数コマンドは、メダルの投入枚数、すなわち賭数の設定に使用されたメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、電断復帰時、または規定数の賭数が設定されていない状態においてメダルが投入されるか、MAXBETスイッチ6が操作されて賭数が設定されたときに送信される。また、投入枚数コマンドは、賭数の設定操作がなされたときに送信されるので、投入枚数コマンドを受信することで賭数の設定操作がなされたことを特定可能である。
クレジットコマンドは、クレジットとして記憶されているメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、規定数の賭数が設定されている状態において、メダルが投入されてクレジットが加算されたときに送信される。
遊技状態コマンドは、当該ゲームの遊技状態を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信される。
内部当選コマンドは、内部抽選結果を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときであって、遊技状態コマンドの後に送信される。内部当選コマンドは、第1の内部当選コマンドと、第2の内部当選コマンドと、を含み、内部抽選においてナビ報知の対象となる報知対象役が当選した場合に、ナビ報知が行われる状態(AT中、または非AT中でナビ報知が行われる場合)であれば、当選した報知対象役の種類も遊技者にとって有利な停止順も特定可能な第1の内部当選コマンドが送信され、ナビ報知が行われない状態(非AT中でナビ報知が行われない場合)であれば、当選した報知対象役の種類は特定可能であるが遊技者にとって有利な停止順は特定不能な第2の内部当選コマンドが送信される。
遊技状態コマンド、内部当選コマンドは、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信されるので、これらコマンドを受信することで、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したことを特定可能である。
停止操作時コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれのリールであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号を特定可能なコマンドであり、各リールの停止操作に伴う停止制御が行われる毎に送信される。
滑りコマ数コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれのリールであるか、該当するリールの停止操作がされてから停止するまでに移動する滑りコマ数を特定可能なコマンドであり、各リールの停止操作に伴う停止制御が行われる毎に、対応する停止操作時コマンドが送信された後に送信される。
停止コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれのリールであるか、該当するリールの停止位置の領域番号を特定可能なコマンドであり、各リールの停止操作に伴う停止制御が行われる毎に、対応する滑りコマ数コマンドが送信された後に送信される。
停止操作時コマンド、滑りコマ数コマンド、停止コマンドは、いずれも停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれのリールであるか、を特定可能であり、かつ各リールの停止操作に伴う停止制御が行われる毎に送信されるので、これらコマンドを受信することで、いずれかのリールの停止操作がされたことおよび停止するリールを特定可能である。
遊技終了コマンドは、遊技が終了された旨を特定可能なコマンドであり、遊技者が第3停止リールを停止させるためにストップスイッチを押下して、そのストップスイッチを離したときに送信される。
入賞枚数コマンドは、入賞ラインLNに揃った図柄の組合せ、入賞の有無、並びに入賞の種類、入賞時のメダルの払出枚数を特定可能なコマンドであり、遊技者が第3停止リールを停止させるためにストップスイッチを押下して、そのストップスイッチを離したときであり、遊技終了コマンドの送信後に送信される。
遊技終了コマンド、入賞枚数コマンドは、いずれも遊技者が第3停止リールを停止させるためにストップスイッチを押下して、そのストップスイッチを離したときに送信されるので、これらコマンドを受信することで、1ゲームを進行させるのに必要な全ての操作が終了したことを特定可能である。
払出開始コマンドは、メダルの払出開始を通知するコマンドであり、入賞によるメダルの払出が開始されたときに送信される。また、払出終了コマンドは、メダルの払出終了を通知するコマンドであり、入賞によるメダルの払出が終了したときに送信される。
精算開始コマンドは、クレジットまたは賭数に用いられたメダルの精算処理の開始を示すコマンドであり、精算処理を開始する際に送信され、精算終了コマンドは、精算処理の終了を示すコマンドであり、精算処理の終了時に送信される。
待機コマンドは、待機状態へ移行する旨を示すコマンドであり、1ゲーム終了後、賭数が設定されずに終了推定時間(本実施の形態では60秒)経過して待機状態に移行するとき、精算終了コマンドが送信された後に送信される。
打止コマンドは、打止状態の発生または解除を示すコマンドであり、BB終了後、エンディング演出待ち時間が経過した時点で打止状態の発生を示す打止コマンドが送信され、リセット操作がなされて打止状態が解除された時点で、打止状態の解除を示す打止コマンドが送信される。
エラー開始コマンドは、エラー処理の開始およびエラーの種類を示すコマンドであり、エラー処理を開始する際に送信され、エラー解除コマンドは、エラー処理の終了を示すコマンドであり、リセット操作がなされてエラー状態が解除されたときに送信される。
復帰コマンドは、メイン制御部41が電断前の制御状態に復帰した旨を示すコマンドであり、メイン制御部41の起動時において電断前の制御状態に復帰した際に送信される。
設定コマンドは、設定変更状態の開始または終了、設定変更後設定値を示すコマンドであり、設定変更状態に移行する時点で設定変更状態の開始を示す設定コマンドが送信され、設定変更状態の終了時に設定変更状態の終了および設定変更後の設定値を示す設定コマンドが送信される。また、設定変更状態への移行に伴ってメイン制御部41の制御状態が初期化されるため、設定開始を示す設定コマンドによりメイン制御部41の制御状態が初期化されたことを特定可能である。
設定確認開始コマンドは、設定確認状態の開始を示すコマンドであり、設定確認状態に移行する際に送信され、設定確認終了コマンドは、設定確認状態の終了を示すコマンドであり、設定確認状態の終了時に送信される。
ドアコマンドは、ドア開放検出スイッチ25の検出状態、すなわちon(開放状態)/off(閉状態)を示すコマンドであり、電源投入時、1ゲーム終了時(ゲーム終了後、次のゲームの賭数の設定が開始可能となる前までの時点)、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化(onからoff、offからon)した時に送信される。
操作検出コマンドは、操作スイッチ類(MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R)の検出状態(on/off)を示すコマンドであり、一定時間毎に送信される。
これらコマンドのうちドアコマンドおよび操作検出コマンド以外のコマンドは、メイン処理において生成され、RAM41cに設けられたコマンドキューに一時格納され、その後のタイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理おいて送信される。
一方、ドアコマンドは、タイマ割込処理(メイン)のドア監視処理において生成され、RAM41cに設けられたコマンドキューに一時格納され、その後のタイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理おいて送信される。
また、操作検出コマンドは、タイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理が10回実行される毎に、スイッチの検出状態に基づいて生成されるとともに、RAM41cに設けられたコマンドキューに一時格納され、その後のタイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理おいて送信される。
次に、メイン制御部41が演出制御基板90に対して送信するコマンドに基づいてサブ制御部91が実行する演出の制御について説明する。サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドを受信した際に、コマンド受信割込処理を実行する。コマンド受信割込処理では、RAM91cに設けられた受信用バッファに、コマンド伝送ラインから取得したコマンドを格納する。
サブ制御部91は、タイマ割込処理(サブ)において、受信用バッファに未処理のコマンドが格納されているか否かを判定し、未処理のコマンドが格納されている場合には、そのうち最も早い段階で受信したコマンドに基づいてROM91bに格納された制御パターンテーブルを参照し、制御パターンテーブルに登録された制御内容に基づいて液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の各種演出装置の出力制御を行う。制御パターンテーブルには、複数種類の演出パターン毎に、コマンドの種類に対応する液晶表示器51の表示パターン、演出効果LED52の点灯態様、スピーカ53、54の出力態様、リールLED55の点灯態様等、これら演出装置の制御パターンが登録されており、サブ制御部91は、コマンドを受信した際に、制御パターンテーブルの当該ゲームにおいてRAM91cに設定されている演出パターンに対応して登録された制御パターンのうち、受信したコマンドの種類に対応する制御パターンを参照し、当該制御パターンに基づいて演出装置の出力制御を行う。これにより演出パターンおよび遊技の進行状況に応じた演出が実行されることとなる。
なお、サブ制御部91は、あるコマンドの受信を契機とする演出の実行中に、新たにコマンドを受信した場合には、実行中の制御パターンに基づく演出を中止し、新たに受信したコマンドに対応する制御パターンに基づく演出を実行するようになっている。すなわち演出が最後まで終了していない状態でも、新たにコマンドを受信すると、受信した新たなコマンドが新たな演出の契機となるコマンドではない場合を除いて実行していた演出はキャンセルされて新たなコマンドに基づく演出が実行されることとなる。
演出パターンは、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じた選択率にて選択され、RAM91cに設定される。演出パターンの選択率は、ROM91bに格納された演出テーブルに登録されており、サブ制御部91は、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じて演出テーブルに登録されている選択率を参照し、その選択率に応じて複数種類の演出パターンからいずれかの演出パターンを選択し、選択した演出パターンを当該ゲームの演出パターンとしてRAM91cに設定するようになっており、同じコマンドを受信しても内部当選コマンドの受信時に選択された演出パターンによって異なる制御パターンが選択されるため、結果として演出パターンによって異なる演出が行われることがある。
本実施の形態におけるスロットマシン1では、メイン制御部41により、内部抽選結果に応じて遊技者にとって有利となる停止順を遊技補助表示器12の点灯態様により報知するナビ報知を実行可能な報知期間となるアシストタイム(以下、ATという)に制御可能となっている。
メイン制御部41は、ATに制御している場合には、遊技状態に応じたナビ対象役に当選することにより、ナビ報知を実行するとともに、サブ制御部91に対して押し順コマンドを送信することで、液晶表示器51等を用いたナビ演出を実行させる。また、本実施の形態においてメイン制御部41は、ATに制御していない通常状態であっても、一定の条件を満たすことにより、ナビ報知を実行し、ナビ演出を実行させることが可能である。
非遊技専用プログラムは、たとえば、試験信号出力処理、異物検知処理、ドア監視処理、外部出力2処理、投入メダルエラー判定処理、払出メダルエラー判定処理、停電判定処理、通常時コマンド送信処理、電断時コマンド送信処理を含む。試験信号出力処理は、遊技の結果に関連して発生する試験信号を出力するための処理であり、異物検知処理は、投入口センサ26によるメダル通路内の異物を検知するための処理であり、ドア監視処理は、前面扉1bの開放を検知するための処理であり、外部出力2処理は、外部出力信号のうちセキュリティ信号(ドア開放信号、設定中信号、投入エラー信号、払出エラー信号)の出力制御を行うための処理であり、投入メダルエラー判定処理は、投入メダルセンサ31a〜cの検出状況に基づいて投入メダルの逆流検知、メダルセレクタ29内のメダル詰り検知、メダルセレクタ29内の異物検知を行うための処理であり、払出メダルエラー判定処理は、払出センサ34cの検出状況に基づいて払出メダルの逆流検知、払出口付近のメダル詰り検知、払出口付近の異物検知を行うための処理であり、停電判定処理は、電断検出回路48からの電圧低下信号が検出されているか否かを判定するための処理であり、通常時コマンド送信処理は、遊技専用プログラムおよび非遊技専用プログラムのコマンド設定処理によりコマンドキューに設定されているコマンドのうち最初に設定された一のコマンドをサブ制御部91に対して送信するための処理であり、電断時コマンド送信処理は、コマンドキューに設定されている全てのコマンドをサブ制御部91に対して送信するための処理である。
[エラー]
投入エラーには、投入エラー1〜投入エラー3がある。投入エラー1とは、メダルセレクタ29内でメダルが詰まる等、メダルセレクタ29内でメダルが滞留状態であることが検出された場合に判定されるエラーである。たとえば、不正行為者が、スロットマシン1内に異物を投入するという不正行為をして異物がメダルセレクタ29内で詰まると、投入エラー1は発生する。投入エラー2とは、正規のタイミングとは異なるタイミングでメダルセレクタ29内のメダルの通過が生じたとき(メダル投入部4からホッパータンク34aにメダルが入ったとき)に検出されるエラーである。ここで、正規のタイミングとは、クレジットに空きがある状態(たとえば、クレジットされているメダル数が50枚未満の状態)または賭け数が最大値に到達していない状態(たとえば、賭け数が3枚未満の状態)、かつ、リールが回転していない状態である。通常、正規のタイミングとは異なるタイミングで、メダル投入部4からメダルが投入された場合には、メダルの流路として、流路切替ソレノイド30によりメダル払出口9側の流路が選択されているため、ホッパータンク34aには入らず、メダル払出口9からメダルが払出されることになる。つまり、正規のタイミングとは異なるタイミングでメダル投入部4からホッパータンク34a方向にメダルが流下し投入エラー2が発生しているときは、不正行為者により何かしらの不正行為が行われている可能性がある。投入エラー3とは、メダル投入部4からホッパータンク34aまでの流路を正規の通過順(投入メダルセンサ31a〜cの順)とは異なる順路でメダルが通過したときに発生するエラーである。たとえば、投入エラー3はメダルの逆流が生じたときなどに発生するエラーであって、投入エラー3が発生しているときは、不正行為が行われている可能性がある。
払出エラーには、払出エラー1〜払出エラー3がある。払出エラー1とは、ホッパータンク34aにメダルが貯留されていないことが検出された場合等、ホッパータンク34aが空である場合に判定されるエラーである。たとえば、ホッパータンク34a内のメダルを不正行為者が不正に取り出すという不正行為を行った場合に払出エラー1が発生する。払出エラー2とは、ホッパータンク34a内において払出されたメダルが詰まったことが検出された場合等、ホッパータンク34aからメダル払出口9の間でメダルが詰まった場合に判定されるエラーである。不正行為者がスロットマシン1内にメダル以外の異物を投入する等の不正行為を行った場合に払出エラー2は発生する。払出エラー3とは、正規のタイミングとは異なるタイミングでメダルの払い出し(ホッパータンク34aからメダル払出口9にメダルが払い出されること)が生じたときに検出されるエラーである。ここで、正規のタイミングとは、払出処理が実行されているタイミングである。払出エラー3は、不正行為者がメダル払出口から何らかの方法で不正にメダルを取り出そうとするときに生じ得るエラーであって、不正行為が行われている可能性があるときに発生する。
満タンエラーとは、オーバーフロータンク35が満タン状態であることが満タンセンサ35aにより検出された場合に判定されるエラーである。満タンエラーが発生した場合には、オーバーフロータンク35からメダルが溢れ、スロットマシン1の内部にメダルがこぼれるといった安全上の問題が発生する虞がある。
[エラー処理]
本実施の形態におけるスロットマシン1では、上述したようなエラーが発生すると、メイン制御部41は、タイマ割込処理によって当該エラーの発生を検知する。メイン制御部41は、エラーを検知すると、エラーコードをRAM41c内のレジスタに設定する。エラーコードが設定されると、メイン制御部41は、図13のSc8に示すように、開始待ち中エラー処理(図19)を実行する。開始待ち中エラー処理では、遊技の進行を不能化するエラー処理が実行される。
具体的に、メイン制御部41は、エラー処理において、遊技補助表示器12にエラーコードを表示する(図19のSh5)。さらに、メイン制御部41は、エラー処理において、サブ制御部91に対してエラー開始コマンドを送信する(図19のSh6)。サブ制御部91は、エラー開始コマンドを受信すると、液晶表示器51の画面上にエラーが発生した旨の画像を表示するとともに、スピーカ53,54からエラー報知音を出力する。このように、エラー処理が実行されると、遊技補助表示器12にエラーコードが表示されるため、払出枚数やナビ報知によるリールの停止順を識別可能な情報等が表示されず、遊技の進行が不能となる。また、エラー処理が実行されると、液晶表示器51の画面上にエラーが発生した旨の画像が表示されるとともに、スピーカ53,54からエラー報知音を出力されるため、遊技に関する演出等が表示されず、遊技の進行が不能となる。さらに、エラーが検知されると、流路切替ソレノイドがoffの状態になるため、メダルが投入されてもメダル払出口9側へと当該メダルが案内されてしまい、遊技の進行が不能となる。また、エラーが検知されると、スタートスイッチ7やストップスイッチが操作されても、エラーが解除されるまで(図19のSh7の処理でYesと判定されるまで)、当該操作に基づく処理が行われないため、リールが回転したり、あるいはリールが停止したりせず、遊技の進行が不能となる。
エラーの解除条件は、設定キースイッチ37を捻ってon状態にするか、あるいはリセットスイッチ23が操作(リセット操作ともいう)されることにより成立する。メイン制御部41は、リセット操作を受け付けると、遊技補助表示器12のエラーコードの表示をクリアする。また、メイン制御部41は、エラー処理を終了する旨を示すエラー解除コマンドをサブ制御部91に送信する。サブ制御部91は、エラー解除コマンドを受信すると、液晶表示器51のエラー画像の表示をクリアするとともに、スピーカ53,54からのエラー報知音の出力を停止する。さらに、エラーの解除条件が成立すると、メイン制御部41は、流路切替ソレノイドをoffからonに切り替えることで、ホッパータンク34a側へとメダルを案内する。また、エラーの解除条件が成立すると、メイン制御部41は、スタートスイッチ7やストップスイッチの操作に基づく処理を実行する。このように、エラーが解除されると、遊技の進行が可能になる。
一方、本実施の形態においては、設定確認状態や設定変更状態といった後述する管理者モードにおいては、設定キースイッチ37がon状態になったり、リセット操作されたりしても、エラーの解除条件が成立しない。
[メダルセレクタ]
次いで、メダルセレクタ29の構造を、主に図6および図7に基づいて説明する。なお、以下の説明において、前面扉1bの裏面側からメダルセレクタ29を見た状態を、メダルセレクタ29の前面側として説明する。
メダルセレクタ29は、図6および図7に示すように直方体形状に構成されており、その本体部の内部には、正面視略L字状のメダル流下通路133が形成されている。メダル流下通路133の側壁は、図6(b)および図7(b)に示すように、流下するメダルの上端が下端よりも前方側に傾く姿勢となるように下方から上方にかけて前面側に傾斜している。
メダルセレクタ29の本体部の上面には、メダル流下通路133の上流側に連通する流入口141が形成されており、メダル投入口4から投入されたメダルがメダル流下通路133に流入するようになっている。また、メダルセレクタ29の本体部の側面には、メダル流下通路133の下流側に連通する流出口142が形成されており、流出口142から排出されたメダルはメダルシュート149に案内されてホッパータンク34aに導かれる。
また、メダル流下通路133の上流側には、流入口141から流入したメダルの通過を検出する前述の投入口センサ26が設けられており、メダル流下通路133の下流側には、流出口142に排出されるメダルの通過を検出する前述の投入メダルセンサ31a〜cが設けられている。
また、メダルセレクタ29では、投入されたメダルの真偽(形状、大きさ、厚み等)が判別されるようになっており、真正なメダルは、その通過が投入メダルセンサ31a〜cにて検出された後、メダルセレクタ29の本体側面に形成された流出口142から流出され、偽メダルはその通過が投入メダルセンサ31a〜cにて検出される前に、メダルセレクタ29の本体下部に形成された返却部137から下方に向けて落下し、メダルセレクタ29の下方に設けられたメダル返却通路132(図2参照)を介してメダル払出口9(図1参照)から下皿に返却されるようになっている。
メダル流下通路133の下部には、図6および図7に示すように、投入されたメダルの通過が投入口センサ26により検出される位置よりも下流側の位置から、メダル流下通路133を流下するメダルの通過が投入メダルセンサ31a〜cに検出される位置よりも上流側の位置にかけて、流路切替板147が設けられている。流路切替板147は、本体部の前面側に設けられる流路切替ソレノイド30(図4参照)の励磁に連係して、メダル流下通路133を流下するメダルの下面が案内されない非案内位置(図6(a)(b)の位置)と、メダル流下通路133を流下するメダルの下面が案内される案内位置(図7(a)(b)の位置)と、の間を移動可能なように取り付けられている。
流路切替板147は、流路切替ソレノイド30が励磁されていない状態(off状態)において、図6(a)(b)に示すように、非案内位置となるように付勢されることでメダル流下通路133の側方に退避しており、メダル流下通路133を流下するメダルの下面が案内されない状態となる。このため、流入口141から流入してメダル流下通路133を流下するメダルは、流路切替板147によってその下面が案内されないことから、図6(b)に示すように、メダル流下通路133から落下して、返却部137から排出され、メダル返却通路132を介してメダル払出口9から返却される。
また、流路切替板147は、流路切替ソレノイド30が励磁されると(on状態)、図7(a)(b)に示すように、非案内位置から案内位置に移動することで、メダル流下通路133を流下するメダルの下面が案内される状態となる。このため、流入口141から流入してメダル流下通路133を流下するメダルは、その下面が流路切替板147により案内されることで、図7(b)に示すように、メダル流下通路133から落下することなく、流出口142の方へ流下して、投入メダルセンサ31a〜cに検出され、流出口142から排出される。
なお、本実施の形態では、投入口センサ26、投入メダルセンサ31a〜cとして、投光部と受光部の間をメダルが通過することにより受光部が投光部からの光の遮断を検知することでメダルの通過を検出するフォトセンサを用いているが、投光部と受光部を通路の一端側に配置し、受光部がメダルに反射した投光部の光を検知することでメダルの通過を検出する反射型センサを用いてもよい。また、メダルの通過に連動して動作する可動片の動作を検知することでメダルの通過を検出する物理センサを用いてもよい。
[第1実施形態に係るスロットマシン]
上記のような構成を有するスロットマシン1において、図8〜図21を参照しながら、第1実施形態における各構成による各種処理について説明する。なお、図1〜図7を用いて説明したスロットマシン1が備える基本構成は、第1実施形態に係るスロットマシン1においても備わっている。
まず、設定変更状態または設定確認状態においてエラーが発生した際の処理について、図8〜図10に基づいて以下に説明する。なお、以下では、設定変更状態および設定確認状態のような遊技の進行が不可能な状態を管理者モードとも称し、遊技の進行が可能な状態を遊技モードとも称する。
[設定確認状態中にエラーが発生したとき]
図8は、第1実施形態における設定確認状態でエラーが発生した際の処理について説明するタイミングチャートである。横軸は時刻tを示し、上から「投入エラーコード、払出エラーコード」、「エラー処理」、「ドア開放検出スイッチ」、「設定キースイッチ」、「流路切替ソレノイド」、および「外部出力信号」が、onまたはoffのいずれであるかを示している。後述するように、エラーが検知された場合、レジスタにエラーコードが設定される。そして、エラーコード設定されている場合、後述する「開始待ち中エラー処理」に移行する。図8においては、発生したエラーの中でも「投入エラー(投入エラー1〜投入エラー3)」、「払出エラー(払出エラー1〜払出エラー3)」に関するエラーコードについて図示するものである。また、「エラー処理」についても、「投入エラー」および「払出エラー」に関するエラー処理について図示するものである。なお、タイマ割込処理は、設定確認状態中および設定変更状態中のいずれにおいても常に行われるため、設定確認状態中および設定変更状態中のいずれにおいてもエラーが発生したときには、当該エラーが検知されて、エラーコードが設定される。
前述のとおり、メイン制御部41は、遊技状態やエラーの発生状況などを示す外部出力信号を出力する制御を行う。これら外部出力信号は、外部出力基板1000、スロットマシン1が設置される遊技店(ホール)の情報提供端子板を介してホールコンピュータなどのホール機器に出力される。このうち、シリアル信号として情報提供端子板に出力される信号に、ドア開放信号、設定中信号(設定変更状態または設定確認状態に移行している旨を示す)、投入エラー信号、および払出エラー信号がある。図8の「外部出力信号」は、設定中信号、投入エラー信号、および払出エラー信号に関する出力信号を示している。具体的には、設定中信号、投入エラー信号、および払出エラー信号のいずれかの信号が外部出力信号として出力されていることをon状態で示し、設定中信号、投入エラー信号、および払出エラー信号のいずれの信号も出力されていないことをoff状態で示す。なお、本実施形態において、外部出力するエラー信号として、投入エラー信号、および払出エラー信号を記載した。しかし、これに限らず、設定変更状態中と設定確認状態中とに発生しうるものであればどのようなエラー信号を外部出力してもよい。
また、前述のように、流路切替ソレノイド30により、メダル投入口4から投入されたメダルの流路を、筐体1aの内部に設けられたホッパータンク34a側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えられる。流路切替ソレノイド30が励磁されていない状態(off状態)においては、流路切替板147は非案内位置となるように付勢され、メダル投入口4から投入されたメダルは、メダル払出口9から返却されるようになる。流路切替ソレノイド30が励磁されている状態(on状態)においては、流路切替板147は案内位置となるように付勢され、メダル投入口4から投入されたメダルは、メダルを貯留するためのホッパータンク34a側へ排出される。
なお、本実施の形態においては、「設定中信号、投入エラー信号、および払出エラー信号」に関する外部出力信号と、「ドア開放信号」に関する外部出力信号とを、別の外部出力信号として出力する構成とし、「ドア開放信号」についてはここでは図示しない。なお、「ドア開放信号、設定中信号、投入エラー信号、および払出エラー信号」を一つの外部出力信号として出力するものであってもよい。つまり、ドア開放信号は、外部出力基板1000上において、設定中信号、投入エラー信号、および払出エラー信号のそれぞれと同一の端子から出力されてもよい。なお、図8で示した「投入エラーコードおよび払い出しエラーコード」、「エラー処理」、「設定キースイッチ」、「流路切替ソレノイド」、および「外部出力信号」の定義は上記のとおりであるが、以降の図9、図10、および図22〜図24においても定義は同じである。
以下、図8に基づいて設定確認状態においてエラーが発生した際の処理について説明する。遊技モードから設定確認状態に切り替えるためには、店員などの管理者が、電源が投入されているon状態で、まず前面扉1bを開く必要がある。時刻t1において、前面扉1bの開放により、ドア開放検出スイッチ25は、off状態からon状態に切り替わる。次に、前面扉1bが開かれた状態で、時刻t2において、管理者が設定キースイッチ37をon状態にする。これにより、設定確認状態となり、設定確認処理が実行される。
遊技モードから設定確認状態に切り替わると、流路切替ソレノイド30はon状態からoff状態に切り替わる。これにより、流路切替板147は案内位置から非案内位置に切り替わるため、メダル投入口4から投入されたメダルは、メダル払出口9から返却されるようになる。
また、設定確認状態に移行することで設定中信号が出力されるため、外部出力信号はoff状態からon状態に切り替わる。
次に、時刻t3において、タイマ割込処理によって投入エラーまたは払出エラー(以下、投入等エラーとも称する)が検出されたとする。このとき、レジスタに投入エラーコードまたは払出エラーコード(以下、投入等エラーコードとも称する)が設定される。エラーコードが設定されている場合、後述の「開始待ち中エラー処理」においてエラー処理が実行される。しかし、設定確認状態中(管理者モード中)は開始待ち中エラー処理が実行されないため、エラー処理はon状態にはならず、off状態のままである。
時刻t4において、管理者が、設定キースイッチ37をon状態からoff状態に切り替えると、設定確認状態が終了する。
ここで投入等エラーが検出されている場合と、投入等エラーが検出されていない場合とについて以下説明する。時刻t4において、投入等エラーが検出されている場合、投入等エラーコード等はレジスタに設定されたままである。後述のように、設定確認処理が終了したときに、投入等エラーコードが設定されている(投入等エラーを検出し続けている)と開始待ち中エラー処理が実行される。メイン制御部41は、開始待ち中エラー処理においては、エラーの解除条件(リセット操作)が成立するまで、エラー処理を開始した旨を示すエラー開始コマンドをコマンドキューに設定し、設定されているエラーコードを遊技補助表示器12に表示させる。さらに、メイン制御部41は、サブ制御部91に対してエラー開始コマンドを送信する。エラー開始コマンドを受信したサブ制御部91側では、エラー処理中である旨を報知するエラー中報知を実行する。
さらにこのとき、流路切替ソレノイド30は励磁されていない状態を維持する(off状態を維持する)。すなわち、流路切替板147は非案内位置のままであるため、メダル投入口4から投入されたメダルは、メダル払出口9から返却される。
さらにこのとき、設定キースイッチ37がoffとなることで設定中信号はoffとなるが、未だ投入等エラーが解除されていなければ投入エラー信号または払出エラー信号はonを維持するため、外部出力信号はon状態のまま継続される。
次に、時刻t5において、開始待ち中エラー処理において、リセットスイッチ23によるリセット操作によりエラーの解除条件が成立して投入等エラーが解除されると、メイン制御部41は、遊技補助表示器12のエラーコードの表示をクリアする。また、メイン制御部41は、エラー処理を終了する旨を示すエラー解除コマンドを設定し、エラー解除コマンドを受信したサブ制御部91側では、エラー処理中である旨を示す報知を終了させる。
最後に、時刻t6において、管理者が前面扉1bを閉じることで遊技の進行が可能となる。
一方、時刻t4において、投入等エラーの検出が検出されていない場合、投入等エラーコードは設定されていない。設定確認処理が終了し、管理者モードである設定確認状態から遊技モードに切り替わったときに、投入等エラーコードが設定されていないため、開始待ち中エラー処理は実行されない。このため、エラー処理を開始した旨を示すエラー開始コマンドは設定されず、エラーコードを遊技補助表示器12に表示させることもない。サブ制御部91においても、エラー開始コマンドを受信しないため、エラー処理中である旨を報知するエラー中報知は実行されない。
このとき、流路切替ソレノイド30は励磁されていない状態から励磁されている状態に切り替わる(off状態からon状態へと切り替わる)。すなわち、流路切替板147は非案内位置から案内位置に切り替わるため、メダル投入口4から投入されたメダルは、メダルを貯留するためのホッパータンク34a側へ排出されるようになる。
さらにこのとき、設定キースイッチ37がoffとなることで設定中信号はoffとなる。また、投入エラー信号または払出エラー信号もoffのままであるため、外部出力信号はon状態からoff状態へと切り替わる。
[設定変更状態中にエラーが発生したとき]
図9は、第1実施形態における設定変更状態でエラーが発生した際の処理について説明するタイミングチャートである。設定変更を行うのは、通常、ホールの閉店時間である。スロットマシン1の電源がoffになっている状態で、管理者は前面扉1bを開放する。そして、管理者は、設定キースイッチ37をon状態としてからスロットマシン1の電源をonする。この作業により、設定変更状態に移行するとともに、遊技補助表示器12にRAM41cから読み出された設定値が表示値として表示される。設定変更を行う場合は、設定確認を行う場合と異なり、電源がoffの状態でドア開放することになる。このため、スロットマシン1の電源をonにしたタイミングでドア開放検出スイッチ25がon状態で検出される。また、同時に、設定キースイッチ37もon状態でスロットマシン1の電源をonにするため、スロットマシン1の電源をonにしたタイミングで設定キースイッチ37もon状態で検出される。すなわち、スロットマシン1の電源をonにした時刻t1において、ドア開放検出スイッチ25および設定キースイッチ37はon状態で検出される。
電源をonにしたタイミングでは、流路切替ソレノイド30は励磁されていない状態である(off状態)。流路切替板147非案内位置であるため、メダル投入口4から投入されたメダルは、メダル払出口9から返却されるようになる。
また、設定変更状態に移行することで設定中信号が出力されるため、外部出力信号はon状態で出力される。
次に、時刻t2において、タイマ割込処理によって投入等エラーが検出されたとする。このとき、レジスタに投入等エラーコードが設定される。エラーコードが設定されている場合、後述の「開始待ち中エラー処理」においてエラー処理が実行される。しかし、設定変更状態中(管理者モード中)は開始待ち中エラー処理が実行されないため、エラー処理はon状態にはならず、off状態のままである。
時刻t3において、管理者が、設定キースイッチ37をon状態からoff状態に切り替えると、設定変更状態が終了する。
ここで投入等エラーが検出されている場合と、投入等エラーが検出されていない場合とについて以下説明する。時刻t3において、投入等エラーが検出されている場合、投入等エラーコード等はレジスタに設定されたままである。後述のように、設定確認処理が終了し、管理者モードである設定確認状態から遊技モードに切り替わったときに、投入等エラーコードが設定されている(投入等エラーを検出し続けている)と開始待ち中エラー処理が実行される。メイン制御部41は、開始待ち中エラー処理においては、エラーの解除条件(リセット操作)が成立するまで、エラー処理を開始した旨を示すエラー開始コマンドをコマンドキューに設定し、設定されているエラーコードを遊技補助表示器12に表示させる。さらに、サブ制御部91に対してエラー開始コマンドを送信する。エラー開始コマンドを受信したサブ制御部91側では、エラー処理中である旨を報知するエラー中報知を実行する。
さらにこのとき、流路切替ソレノイド30は励磁されていない状態を維持する(off状態を維持する)。すなわち、流路切替板147は非案内位置のままであるため、メダル投入口4から投入されたメダルは、メダル払出口9から返却される。
さらにこのとき、設定キースイッチ37がoffとなることで設定中信号はoffとなるが、未だ投入等エラーが解除されていなければ投入エラー信号または払出エラー信号がonを維持するため、外部出力信号はon状態のまま継続される。
次に、時刻t4において、開始待ち中エラー処理において、リセットスイッチ23によるリセット操作によりエラーの解除条件が成立して投入等エラーが解除されると、メイン制御部41は、遊技補助表示器12のエラーコードの表示をクリアする。また、メイン制御部41は、エラー処理を終了する旨を示すエラー解除コマンドを設定し、エラー解除コマンドを受信したサブ制御部91側では、エラー処理中である旨を示す報知を終了させる。
最後に、時刻t5において、管理者が前面扉1bを閉じることで遊技の進行が可能となる。
一方、時刻t3において、投入等エラーの検出が検出されていない場合、投入等エラーコードは設定されていない。設定確認処理が終了し、管理者モードである設定確認状態から遊技モードに切り替わったときに、投入等エラーコードが設定されていないため、開始待ち中エラー処理は実行されない。このため、エラー処理を開始した旨を示すエラー開始コマンドは設定されず、エラーコードを遊技補助表示器12に表示させることもない。サブ制御部91においても、エラー開始コマンドを受信しないため、エラー処理中である旨を報知するエラー中報知は実行されない。
このとき、流路切替ソレノイド30は励磁されていない状態から励磁されている状態に切り替わる(off状態からon状態へと切り替わる)。すなわち、流路切替板147は非案内位置から案内位置に切り替わるため、メダル投入口4から投入されたメダルは、メダルを貯留するためのホッパータンク34a側へ排出されるようになる。
さらにこのとき、設定キースイッチ37がoffとなることで設定中信号はoffとなる。また、投入エラー信号または払出エラー信号もoffのままであるため、外部出力信号はon状態からoff状態へと切り替わる。
図10は、第1実施形態の変形例における設定変更状態でエラーが発生した際の処理について説明するタイミングチャートである。本実施の形態においては、スロットマシン1の電源をonにしたタイミングでは、流路切替ソレノイド30は励磁されていない状態(off状態)とした。しかし、これに限らず、スロットマシン1の電源をonにしたタイミングで、流路切替ソレノイド30を励磁されていない状態から励磁されている状態に一瞬切り替えてもよい(off状態からon状態に短時間のみ切り替える)。スロットマシン1の電源をonにしてすぐに流路切替ソレノイド30をon状態に切り替えておくことで、メダル投入口4から投入されたメダルは、メダルを貯留するためのホッパータンク34a側へ排出される。これにより、速やかに遊技の進行が可能となる。
スロットマシン1の電源をonにした時刻t1において、流路切替ソレノイド30を励磁されていない状態から励磁されている状態に切り替える処理を行う(off状態からon状態に切り替える)。これにより、メダル投入口4から投入されたメダルは、メダルを貯留するためのホッパータンク34a側へ排出される。そして、次に、時刻t1において、ドア開放検出スイッチ25および設定キースイッチ37はon状態で検出される。さらに、管理者モードである設定変更状態に切り替わることで、流路切替ソレノイド30は励磁されている状態から励磁されていない状態に切り替わる(on状態からoff状態に切り替わる)。これにより、流路切替板147は案内位置から非案内位置に切り替わるため、メダル投入口4から投入されたメダルは、メダル払出口9から返却されるようになる。結果として、流路切替ソレノイド30は、off状態からon状態に一瞬切り替わった直後に再度off状態となる。
また、設定変更状態に移行することで設定中信号が出力されるため、外部出力信号はon状態で出力される。時刻t2〜t5までの処理に関しては、図9に示す時刻t2〜t5までの処理と同様であるので、説明を省略する。
[メイン制御部41が実行する各種制御内容]
次に、本実施の形態におけるメイン制御部41が実行する各種制御内容を、図11〜図19に基づいて以下に説明する。
まず、メイン制御部41が起動時に実行する初期設定処理について説明する。メイン制御部41は、リセットの発生により起動すると、起動時設定を行う。起動時設定では、メイン制御部41が備えるステータスフラグを初期化する。ステータスフラグは、命令の演算結果や実行結果の状態を保持するデータであり、特に割込の禁止/許可を設定する割込マスタ許可フラグを含む。割込マスタ許可フラグの初期値は割込の禁止を示す値であるため、メイン制御部41は、割込が禁止された状態で起動することとなる。その後、メイン制御部41は、HWパラメータを参照して各種機能を設定した後、プログラム/データ領域に格納されたプログラムに従って初期設定処理を行う。
図11に示すように、初期設定処理では、まず、割込マスタ許可フラグの値を割込禁止を示す値に設定することで割込を禁止する(Sa1)。前述のようにメイン制御部41は、割込禁止の状態で起動することとなるが、Sa1では、再度、割込を禁止する。次いで、初期化データをセットし(Sa2)、パラレル出力ポート513を含む各出力ポートを初期化する(Sa3)。次いで、内蔵レジスタの設定を行う(Sa4)。
次いで、電源の電圧が正常か否かを判定する(Sa5)。電源の電圧が正常でない場合には正常になるまで判定を繰り返す。そして、電源の電圧が正常である場合には、割込ベクタの上位アドレスをセットし(Sa6)、RAM41cへのアクセスを許可し(Sa7)、スタックポインタを初期化する(Sa8)。
次いで、RAM41cの使用可能領域のうち遊技RAM領域(遊技スタック領域、未使用領域3を含む、F000H〜F1FFHの領域)のRAMパリティを計算する(Sa9)。そして、計算したRAMパリティが0か否かを判定する(Sa10)。後述のように前回の電源遮断時に正常に電断処理(メイン)が行われていれば、RAMパリティが0になるはずであるので、Sd10のステップにおいてRAMパリティが0でなければ、RAM41cの遊技RAM領域に格納されているデータが正常ではなく、この場合にはSa13ステップに進み、破壊診断用データをクリアする(Sa13)。一方、RAMパリティが0になる場合には、更に遊技RAM領域に格納されている破壊診断用データを取得し(Sa11)、取得した破壊診断用データが正しいか否かを判定し(Sa12)、破壊診断用データをクリアする(Sa13)。
次いで、設定キースイッチ37がon状態か否かを判定する(Sa14)。設定キースイッチ37がon状態の場合には、タイマ割込の設定を行う(Sa19)。具体的には、所定時間毎に定期的にタイマ割込が実行されるようにメイン制御部41に内蔵されているタイマ回路509のレジスタの設定を行なう。本実施の形態では約0.56msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定されることで、約0.56ms毎に定期的にタイマ割込が発生することとなる。また、タイマ回路509ではレジスタの設定が行われることにより、タイマが初期化され、初期値から計時を開始することになる。Sa19のステップにおけるタイマ割込の設定が終了すると設定変更処理に移行する。設定変更処理は、リセット/設定スイッチ38がoffからonに変化する毎に、レジスタの設定値を更新(1〜5の場合は1加算し、6の場合は1に更新)し、スタートスイッチ7がoffからonに変化した後、設定キースイッチ37がoff状態となった場合に、レジスタにセットされている設定値のデータをRAM41cに格納するとともに、後述のメイン処理での初期化対象RAMの先頭アドレスをRAM41cに設定して、メイン処理に移行する。また、設定変更処理では、メイン制御部41は、設定変更処理の開始時に、設定変更処理を実行中である旨を示す設定変更中フラグをRAM41cの所定領域に設定し、設定変更処理の実行中に行われるタイマ割込処理において、設定変更中フラグが参照されることで、外部出力基板1000から出力される外部出力信号としての設定中信号がonの状態に切り替えられる。そして、メイン制御部41は、設定確認の終了時に、設定変更中フラグを解除し、タイマ割込処理において、設定変更中フラグが設定されていないことに基づいて、設定中信号がoffの状態に切り替えられる。
設定変更処理の実行中に行われるタイマ割込処理において、投入等エラーが検出された場合、投入等エラーコードがレジスタに設定される。しかし、設定変更処理においては、エラー処理が実行されないため、メイン制御部41により設定されているエラーコードが遊技補助表示器12に表示され、サブ制御部91によりエラー処理中である旨が報知されることはない。メイン制御部41およびサブ制御部91でのエラー処理(エラー報知)は、設定変更処理が終了した後の「開始待ち中エラー処理」において実行される。
一方、設定キースイッチ37がoff状態の場合には、RAM41cの記憶内容が破壊されているか否かを判定する(Sa15)。Sa15のステップでは、後述するRAM異常フラグが設定されているか否か、Sa10、Sa12の判定に基づきRAM41cの記憶内容が破壊されているか否かを判定する。RAM41cの記憶内容が破壊されていない場合には、復帰コマンドをサブ制御部91に送信する(Sa16)。なお、RAM41cの記憶内容が破壊されていない場合とは、RAM異常フラグがセットされておらず、かつSa10のステップにおいてRAMパリティが0であると判定され、さらにSa12のステップにおいて破壊診断用データが正しいと判定された場合である。
Sa16のステップの後、RAM41cの遊技RAM領域に記憶されているデータに基づいて全てのレジスタを復帰させ(Sa17)、Sa19のステップと同様のタイマ割込の設定を行う(Sa18)。そして、後述のタイマ割込処理(メイン)のSd24の処理に移行する。これにより電断前のRAM41cの遊技RAM領域および非遊技RAM領域の状態、電断前に実行していた処理に復帰することとなる。
また、Sa15のステップにおいてRAM41cの記憶内容が破壊されている場合には、RAM41cの記憶内容が正常でないことを示すRAM異常フラグをRAM41cにセットし(Sa20)、エラー処理に移行する。エラー処理では、遊技の進行が不能化される。また、RAM異常フラグが設定されて移行したエラー状態では、設定キースイッチ37をon状態にして電源スイッチ39をonにすることによって、設定変更処理に移行させることにより解除することができる。一方、設定キースイッチ37をon状態にせずに電源スイッチ39をonにした場合には、RAM異常フラグが設定されたままであり、Sa15のステップにおいてRAMが破壊されていると判定されることで、再びエラー状態となる。
このように本実施の形態では、メイン制御部41は、リセットが発生したときに、割込禁止の状態で起動するとともに、その後、最初に実行する初期設定処理の開始時にもプログラムにて割込の禁止を行うようになっており、何らかの原因で割込が禁止されない状態でメイン制御部41が起動した場合でも意図しない割込が発生してしまうことを防止できる。
また、メイン制御部41は、その起動後に、タイマ回路509におけるタイマ割込の設定の後、割込を許可するようになっており、タイマ割込が正常に動作しない状態で割込が発生してしまうことを防止できる。また、タイマ回路509ではタイマ割込の設定が行われることにより、タイマが初期化され、初期値から計時を開始するようになっており、起動後、初回の割込が発生するまでの時間と、2回目以降の割込が発生するまでの時間と、がずれてしまうようなことがなく、一定の時間間隔でタイマ割込を発生させることができる。また、メイン制御部41は、初期設定処理においてタイマ回路509の設定をプログラムにて初期値に更新するようになっており、起動時に、何らかの原因でタイマ回路509の設定が書き換わっていた場合であっても、意図しない割込が発生してしまうことを防止できる。
次に、メイン制御部41が実行するメイン処理について、図12に基づいて説明する。なお、メイン処理は一単位の遊技毎に繰り返し実行される。そして、メイン処理の一周期が遊技の一単位に相当している。
図12に示すように、メイン制御部41は、まず、割込を禁止する(Sb1)。次いで、初期化対象RAMの最終アドレス(遊技スタック領域(未使用)の最終アドレス)をセットし(Sb2)、遊技領域初期化処理を実行して、指定されたアドレスで示されるRAM41cの領域をクリアする(Sb3)。
遊技領域初期化処理は、指定された先頭アドレスから終了アドレスまでを順次クリアすることで、遊技RAM領域のうち指定された初期化対象RAMの領域を初期化する。この際、設定変更処理の後にメイン処理が開始された場合には、設定変更処理が終了される際に、初期化対象RAMの先頭アドレスとして、使用可能領域のうち特別ワークが記憶されている領域の最終アドレスの次のアドレスが設定され、当該メイン処理のSb2において、初期化対象RAMの最終アドレスとして、遊技スタック領域(未使用)の最終アドレスが設定されるため、遊技RAM領域のうち特別ワークおよび遊技スタック領域(使用中)以外の領域(重要ワーク、一般ワーク、未使用領域3、スタック領域(未使用))が初期化されることとなる。また、特定の遊技状態ではない遊技の終了時には、後述するSb10のステップにおいて遊技終了時の初期化対象RAMの先頭アドレス(未使用領域3の先頭アドレス)が設定され、Sb2のステップにおいて、初期化対象RAMの最終アドレス(遊技スタック領域(未使用)の最終アドレス)が設定されるため、使用可能領域のうち未使用領域3および遊技スタック領域(未使用)が初期化されることとなる。また、特定の遊技状態の終了時であり、かつ遊技の終了時には、後述するSb11のステップにおいて特定の遊技状態の終了時の初期化対象RAMの先頭アドレス(遊技RAM領域のうち特別ワークが記憶されている領域の最終アドレスの次のアドレス)が設定され、Sb2のステップでは、特定の遊技状態の終了時の初期化対象RAMの最終アドレス(遊技スタック領域(未使用)の最終アドレス)が設定されるため、遊技RAM領域のうち一般ワーク、未使用領域3、遊技スタック領域(未使用)が初期化されることとなる。
Sb3のステップにおけるRAMの初期化の後、割込を許可し(Sb4)、遊技開始待ち処理を呼び出して実行する(Sb5)。遊技開始待ち処理では、賭数を設定可能な状態で待機し、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定され、スタートスイッチ7が操作された時点でゲームを開始させる処理を実行する。
次いで、内部抽選処理を実行する(Sb6)。内部抽選処理では、Sb5のステップにおけるスタートスイッチ7の検出によるゲーム開始と同時にラッチされた内部抽選用の乱数値に基づいて上記した各役への入賞を許容するか(すなわち、表示結果の導出を許容するか否か)どうかを決定する処理を行う。
次いで、リール制御処理を実行する(Sb7)。リール制御処理では、スタートスイッチ7の操作に応答して各リール2L、2C、2Rを回転させる処理、Sd2のステップにおける内部抽選の結果および遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことに応じて対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる処理を実行する。
次いで、遊技終了時設定処理を実行する(Sb8)。遊技終了時設定処理では、Sb7の処理において全てのリール2L、2C、2Rの回転が停止したと判定した時点で、各リール2L、2C、2Rに導出された表示結果に応じて入賞が発生したか否かを判定する処理を実行する。そして、入賞が発生したと判定した場合に、その入賞に応じた払出枚数に基づきクレジットの加算並びにメダルの払出等の処理を行う。入賞が発生した場合にはメダルの払い出し等が終了した後に次のゲームに備えて遊技状態を設定する処理を実行する。また、入賞が発生しなかった場合にはリールが停止した後に、次のゲームに備えて遊技状態を設定する処理を実行する。
遊技終了時設定処理が終了すると、特定の遊技状態の終了時か否かを判定し(Sb9)、特定の遊技状態の終了時でない場合には、遊技終了時の初期化対象RAMの先頭アドレスをセットして(Sb10)、Sb1のステップに戻る。また、特定の遊技状態の終了時である場合には、特定の遊技状態の終了時の初期化対象RAMの先頭アドレスをセットして(Sb11)、Sb1のステップに戻る。
また、メイン処理では、ゲームの進行に応じてコマンドを生成してコマンドキューに設定するコマンド格納処理を実行し、設定されたコマンドは、その後のタイマ割込処理(メイン)において実行される通常時コマンド送信処理によりサブ制御部91に対して送信されるようになっている。
このように、本実施の形態では、メイン制御部41は、スロットマシン1への電力供給が開始したときに、初期設定処理を開始し、バックアップ電源により保持されているRAM41cのうち遊技RAM領域のRAMパリティ、遊技RAM領域に記憶されている破壊診断用データに基づいてRAMの記憶内容が正常か否かを判定し、正常と判定された場合に、遊技RAM領域に記憶されているデータおよび非遊技RAM領域に記憶されているデータに基づいて制御を再開するようになっており、非遊技RAM領域に記憶されており、遊技の進行に支障のない非遊技用のデータが正常か否かの判定を省くことで、遊技の進行が正常に行えることを担保しつつ、制御を再開する際の負荷を軽減することができる。
また、RAM41cの遊技RAM領域は、遊技プログラムに基づく制御を行う際にも、非遊技プログラムに基づく制御を行う際にも、用いられることのない未使用領域3を含んでおり、メイン制御部41は、スロットマシン1への電力供給が開始されたときに、初期設定処理を実行し、初期設定処理において、未使用領域3を含む遊技RAM領域のRAMパリティを算出し、算出されたRAMパリティに基づいて遊技RAM領域の記憶内容が正常か否かを判定するので、未使用領域3に不正なデータが記憶されることを防止できる。
また、メイン制御部41は、スロットマシン1への電力供給が開始されたときに、初期設定処理を実行し、初期設定処理において、RAM41cの記憶内容が破壊されているか否かを判定し、RAM41cの記憶内容が破壊されていると判定した場合に、RAM異常フラグを設定してエラー処理に制御し、その後、自動的に復帰することがなくエラー状態を維持する一方、設定キースイッチ36がonの状態で、スロットマシン1への電力供給が開始されたときに、設定変更処理に制御し、遊技領域初期化処理を実行して遊技RAM領域を初期化するとともに、非遊技領域初期化処理を実行して非遊技RAM領域を初期化する、すなわちエラー状態が解除されることに伴い遊技RAM領域と非遊技RAM領域の双方を初期化するので、遊技RAM領域および非遊技RAM領域のいずれかに異常が生じたまま遊技が進行してしまうことを防止できる。
次に、メイン制御部41がメイン処理において呼び出して実行する遊技開始待ち処理について、図13〜図15に基づいて説明する。
図13に示すように、遊技開始待ち処理では、まず、RAM41cにおいて賭数の値が格納されるBETカウンタの値をクリアする(Sc1)。そして、遊技状態に応じた規定数をRAM41cに設定し(Sc2)、RAM41cにリプレイゲームである旨を示すリプレイゲームフラグが設定されているか否かに基づいて、当該ゲームがリプレイゲームであるか否かを判定する(Sc3)。
Sc3のステップにおいて、当該ゲームがリプレイゲームであると判定された場合には、BETカウンタの値を1加算した後(Sc4)、RAM41cに設定された賭数の規定数を参照して、BETカウンタの値が規定数であるか否か、すなわちゲームの開始条件となる賭数が設定されているか否かを判定する(Sc5)。そして、Sc5のステップにおいて、BETカウンタの値が規定数でなければ、Sc4のステップに戻る一方で、BETカウンタの値が規定数であれば、Sc6のステップに進み、後述するようにクレジットの値に応じてメダルの投入の可否を判定する投入可否判定処理を実行する。また、Sc3のステップにおいて、当該ゲームがリプレイゲームでないと判定されれば、Sc6のステップに進み、投入可否判定処理を実行する。
Sc6のステップにおいて投入可否判定処理を実行した後、レジスタにエラーコードが設定されているか否か、すなわちエラーが検知されたか否かを判定し(Sc7)、エラーコードが設定されていれば、後述する開始待ち中エラー処理に移行する(Sc8)。一方、Sc6のステップにおいて、エラーコードが設定されていなければ、ポート入力処理において取得された設定キースイッチ37に対応する入力ポートの状態を参照し、設定キースイッチ37がonの状態であるか否かを判定し(Sc9)、設定キースイッチ37がonの状態であれば、後述するように確認のために設定値を表示する設定確認処理を実行する(Sc10)。
そして、Sc10のステップにおいて設定確認処理が終了した後、またはSc9のステップにおいて設定キースイッチ37がonでないと判定した場合は、Sc11のステップに進み、後述するようにメダルの投入を判定するメダル投入判定処理を実行する。
Sc11のステップにおいてメダル投入判定処理を実行した後は、RAM41cの所定領域に設定されている確定データを参照して、スタートスイッチ7、MAXBETスイッチ6、精算スイッチ10のいずれかがoffの状態からonの状態に変化したか否かを各スイッチの確定データに基づいて判定し(Sc12、Sc21、Sc26)、いずれのスイッチもoffの状態からonの状態に変化していないと判定した場合は、Sc7のステップに戻る。
Sc12のステップにおいて、スタートスイッチ7がoffの状態からonの状態に変化したと判定した場合は、他のスイッチがonの状態か否かを各スイッチの確定データに基づいて判定し(Sc13)、他のスイッチがonでないと判定した場合は、BETカウンタの値が規定数であるか否かを判定する(Sc14)。Sc13のステップにおいて他のスイッチがonの状態であると判定した場合、またはSc14のステップにおいてBETカウンタの値が規定数に達していないと判定した場合は、Sc7のステップに戻る。一方、Sc13のステップにおいて他のスイッチがonの状態でないと判定し、かつSc14のステップにおいてBETカウンタの値が規定数に達している場合は、RAM41cの抽選用ワークに、乱数格納ワークの値を設定し(Sc15)、投入可能フラグをクリアし(Sc16)、流路切替ソレノイド30に対応する出力ポートの値をoffを示す値とし(Sc17)、メダルの流路をメダル払出口9側の経路として新たなメダルの投入を禁止するとともに、投入要求LED17をoffの状態に設定する(Sc18)。そして、所定期間(本実施の形態では、500ms)にわたり投入メダルセンサ31a〜cによるメダル詰りエラーの検出を無効化するための検出時間無効化タイマを設定し(Sc19)、ゲーム開始時の設定を行った後(Sc20)、遊技開始待ち処理を終了してメイン処理に復帰する。
Sc21のステップにおいて、MAXBETスイッチがoffの状態からonの状態に変化したと判定した場合は、BETカウンタの値が規定数に達しているか否かを判定し(Sc22)、規定数に達していない場合は、クレジットカウンタの値が0か否かを判定する(Sc23)。Sc23のステップにおいて、クレジットカウンタの値が0でない場合はクレジットカウンタを1減算し(Sc24)、BETカウンタを1加算して(Sc25)、Sc23のステップに戻り、BETカウンタの値が規定数に達するか、クレジットカウンタの値が0となるまで、Sc22〜Sc25の処理を繰り返し行う。そして、Sc22のステップにおいてBETカウンタの値が規定数に達していると判定した場合、またはSc23のステップにおいて、クレジットカウンタの値が0であると判定した場合は、Sc7のステップに戻る。
Sc26のステップにおいて、精算スイッチ10がoffの状態からonの状態に変化したと判定した場合は、後述するようにクレジットまたは賭数の設定に用いられたメダルを返却する精算処理を実行する(Sc27)そして、精算処理が終了した後は、Sc7のステップに戻る。
なお、本実施の形態の遊技開始待ち処理では、エラーコードが設定されておらず、エラー状態に移行していない状態で、設定キースイッチ37がonの状態とされた場合に、設定確認処理に移行する構成であるが、遊技開始待ち処理が開始されてからスタートスイッチ7の操作が検出されるまでの期間において、エラーコードが設定されていない状態で、設定キースイッチ37がonの状態とされた場合は、BETカウンタの値が0であるか否かを判定し、BETカウンタの値が0である場合、すなわちMAXBETスイッチ6の操作や再遊技役の入賞に応じて賭数が設定されていない場合には、設定確認処理に移行する一方で、BETカウンタの値が0である場合には、設定確認処理に移行しない構成としてもよい。
次に、メイン制御部41が実行するメダル投入判定処理について、図16に基づいて説明する。
図16に示すように、メダル投入判定処理では、投入可能フラグが設定されているか否かを判定して(Sd1)、投入可能フラグが設定されており、メダルの投入が可能な状態である場合は、投入メダルセンサ31a〜cの遷移データを取得し(Sd2)、投入可能フラグが設定されておらず、メダルの投入が不可能な状態である場合は、メダル投入判定処理を終了させて、遊技開始待ち処理に復帰する。
Sd2のステップにおいて投入メダルセンサ31a〜cの遷移データを取得した後は、取得した遷移データに基づいて、メダルセレクタ29のメダル流下通路133内を流出口142方向へメダルが通過中であるか否かを判定する(Sd3)。Sd3のステップにおいて、メダルが通過中でないと判定した場合は、流路切替ソレノイド30に対応する出力ポートの値をonを示す値に設定して(Sd4)、メダル流下通路133を流出口142側に切り替え新たなメダルの投入を許可し、投入要求LED17をonの状態に設定して(Sd5)、Sd6のステップへ進む。一方、Sd3のステップにおいて、メダルが通過中であると判定した場合は、流路切替ソレノイド30および投入要求LED17をonの状態に設定することなく、Sd6のステップへ進む。
Sd6のステップでは、Sd2のステップで取得した遷移データが正常であるか否かを判定し、遷移データが正常であると判定した場合は、更に、投入メダルセンサ31a〜cの出力に変化があるか否かを判定する(Sd7)。Sd6のステップにおいて遷移データが正常でないと判定した場合は、投入エラーを示すエラーコードを設定して(Sd13)、メダル投入判定処理を終了させ、Sd7のステップにおいて、投入メダルセンサ31a〜cの出力に変化がないと判定した場合も、メダル投入判定処理を終了させて、遊技開始待ち処理に復帰する。
Sd6のステップにおいては、投入メダルセンサ31a〜cの遷移データが正常であると判定し、かつ、Sd7のステップにおいて、投入メダルセンサ31a〜cの出力に変化があると判定した場合は、更に、投入メダルセンサ31a〜cの出力のいずれかがonの状態であるか否かを判定する(Sd8)。
Sd8のステップにおいて、投入メダルセンサ31a〜cの出力のいずれかがonの状態であると判定した場合は、RAM41cを参照して後述する1枚投入可能フラグが設定されているか否か、すなわち、投入メダルセンサ31a〜cにより検出されているメダルがスロットマシン1に投入可能な最終メダルであり、このメダルの投入によってクレジットの値が上限数に達するか否かを判定する。Sd9のステップにおいて、1枚投入可能フラグが設定されている場合は、流路切替ソレノイド30に対応する出力ポートの値をoffを示す値に設定し(Sd10)、メダル流下通路133をメダル払出口9側に切り替え、新たなメダルの投入を禁止し、投入要求LED17をoffの状態に設定し(Sd11)、投入メダルセンサ31a〜cによるメダル詰りエラーの検出を無効化するための検出時間無効化タイマを設定した後(Sd12)、メダル投入判定処理を終了して、遊技開始待ち処理に復帰する。一方、Sd9のステップにおいて、1枚投入可能フラグが設定されていないと判定した場合は、Sd10〜Sd12のステップを行うことなく、メダル投入判定処理を終了して、遊技開始待ち処理に復帰する。
また、Sd8のステップにおいて、投入メダルセンサ31a〜cの出力のいずれもonの状態でないと判定した場合は、BETカウンタの値を参照して、賭数が規定数に達しているか否かを判定し(Sd14)、賭数が規定数に達していない場合は、BETカウンタに1加算して(Sd15)、後述の投入可否判定処理を実行した後、メダル投入判定処理を終了して、遊技開始待ち処理に復帰する。一方、Sd14のステップにおいて、賭数が規定数に達していると判定した場合は、クレジットカウンタに1加算して(Sd17)、後述の投入可否判定処理を実行した後、メダル投入判定処理を終了して、遊技開始待ち処理に復帰する。
このように、メダル投入判定処理では、投入可能フラグが設定されており、メダルが通過中でない場合には、流路切替ソレノイド30および投入要求LED17をoffの状態に制御する。
また、メダル投入判定処理では、投入メダルセンサ31a〜cの遷移データが正常であり、投入メダルセンサ31a〜cのいずれかの出力がoffからonに変化しており、1枚投入可能フラグが設定されている場合、すなわち、スロットマシン1に投入可能な最終メダルの投入が検出されたときに、流路切替ソレノイド30および投入要求LED17をoffの状態に制御する。このため、1枚投入可能フラグが設定されており、投入メダルセンサ31aがメダルを検出したときに、他の投入メダルセンサ31b、31cが当該メダルを検出する前に、メダルの流下通路を流出口142側からメダル返却通路132側に切り替えるようになっており、メダルがあと1枚だけ投入可能な状態では、最後の1枚のメダルが投入されてから極力早い段階でメダルの流下経路が流出口142側からメダル返却通路132側に切り替わるので、更にメダルが流下してきた場合でも当該メダルが内部に取り込まれてしまうことを防止できる。
また、流路切替ソレノイド30がonからoffに切り替わったときには、検出時間無効化タイマが設定され、その後所定期間にわたり投入メダルセンサ31a〜cの検出時間がメダル詰り判定時間を超えてもメダル詰りエラーが判定されないようになっており、メダルの流下経路が流出口142側からメダル返却通路132側に切り替わった後、投入されたメダルが勢いでメダル流下通路133を流出口142側に流下してしまった際に、メダルの通過速度が通常よりも遅くなってもメダル詰りエラーと判定されてしまうことがないようになっている。
また、投入メダルセンサ31a〜cの遷移データが正常であり、投入メダルセンサ31a〜cの出力がonからoffに変化した場合、すなわちメダル流下通路133を流下するメダルが正常に流出口142に流下した場合に、投入されたメダルを賭数またはクレジットに加算する。
次に、メイン制御部41が実行する投入可否判定処理について、図17に基づいて説明する。投入可否判定処理は、遊技開始待ち処理、メダル投入判定処理、精算処理、設定確認処理、エラー処理などの各処理に基づいて呼び出すことが可能なように共通モジュール化されている。
図17に示すように、投入可否判定処理では、RAM41cの遊技RAM領域に割り当てられたクレジットカウンタおよびBETカウンタを参照してクレジットの値および賭数の値を特定するとともに、ROM41bの遊技データ領域を参照してクレジットの上限数(本実施の形態では、50)を特定する(Se1)。そして、クレジットの値と賭数の値との和が、投入可能な最大のメダル数(本実施の形態では、クレジットの上限数50と賭数の最大数3との和)に達しているか否かを判定し(Se2)、クレジットの値と賭数の値との和が、投入可能な最大のメダル数に達していると判定した場合は、メダルの投入可能を示す投入可能フラグをクリアして(Se3)、投入可否判定処理を終了して、呼び出し元の処理に復帰する。
一方、Se2のステップにおいて、クレジットの値と賭数の値との和が、投入可能な最大のメダル数に達していないと判定した場合は、クレジットの値と賭数の値との和が、投入可能な最大のメダル数より1少ない数に達しているか否かを判定する(Se4)。Se4のステップにおいて、クレジットの値と賭数の値との和が、投入可能な最大のメダル数より1少ない数に達している、すなわち、あと1枚だけメダルをスロットマシン1に投入可能な状態である場合は、メダルをあと1枚投入可能であることを示す1枚投入可能フラグを設定し(Se5)、投入可能フラグを設定して(Se6)、投入可否判定処理を終了する。一方で、Se5のステップにおいてクレジットの値と賭数の値との和が、投入可能な最大のメダル数より1少ない数に達していない場合は、投入可能フラグを設定して(Se6)、投入可否判定処理を終了する。
このように、本実施の形態の投入可否判定処理は、共通モジュール化されて遊技プログラムに含まれているので、精算処理、設定確認処理、エラー処理に基づいて呼び出すことが可能であり、遊技プログラムの容量を低減することができる。
また、本実施の形態の投入可否判定処理は、クレジットの値と賭数の値との和が、投入可能な最大のメダル数に達していないと判定した場合には、投入可能フラグを設定する。投入可能フラグが設定されることで、投入可否判定処理の後、メダル投入判定処理において参照されて、当該投入可否判定処理での判定結果、すなわち投入可能フラグが設定されていることに応じて、流路切替ソレノイド30がonの状態となる。
また、クレジットの値と賭数の値との和が投入可能な最大のメダル数より1少ない数に達していると判定した場合に、1枚投入可能フラグを設定する。1枚投入可能フラグが設定されることで、投入可否判定処理の後、メダル投入判定処理において投入されたメダルの通過が検出された際に参照されて、当該投入可否判定処理での判定結果、すなわち1枚投入可能フラグが設定されていることに応じて、流路切替ソレノイド30がoffの状態となる。
また、本実施の形態では、クレジットに記憶することができるメダルの最大数(本実施の形態では、50)が、ROM41bの遊技データ領域に記憶されており、投入可否判定処理では、ROM41bの遊技データ領域に設定された値を参照してクレジットの最大数を特定するようになっている。
次に、メイン制御部41が遊技開始待ち処理において実行する設定確認処理について、図18に基づいて説明する。
図18に示すように、設定確認処理においては、まず、メダルの投入が可能な旨を示す投入可能フラグをクリアし(Sg1)、流路切替ソレノイド30に対応する出力ポートの値をoffを示す値に設定して(Sg2)、メダルの流路をメダル払出口9側の経路として新たなメダルの投入を禁止する。そして、投入要求LED17を消灯し(Sg3)、設定確認処理を実行中である旨を示す設定確認中フラグをRAM41cの所定領域に設定する(Sg4)。設定確認中フラグが設定されている状態で、次回タイマ割込処理が実行されて外部出力2処理が行われることで、設定確認中フラグが設定されていることに連動して、外部出力基板1000から出力される外部出力信号としての設定中信号がonの状態に切り替えられる。
そして、所定期間(本実施の形態では、500ms)にわたり投入メダルセンサ31a〜cによるメダル詰りエラーの検出を無効化するための検出時間無効化タイマを設定する(Sg5)。その後、設定確認処理を開始した旨を示す設定確認開始コマンドをコマンドキューに設定し(Sg6)、現在設定されている設定値を遊技補助表示器12に表示させ(Sg7)、ポート入力処理において取得された設定キースイッチ37に対応する入力ポートの状態を参照し、設定キースイッチ37がon状態か否かを判定し(Sg8)、設定キースイッチ37がonの状態であると判定した場合は、設定キースイッチ37がoffの状態となるまで待機する。
Sg8のステップにおいて、設定キースイッチ37がonの状態でないと判定した場合は、遊技補助表示器12の設定値の表示を非表示にする(Sg9)。その後、所定期間(本実施の形態では、タイマ割込処理の4回分の時間間隔に相当する2.24ms(ミリ秒))にわたり設定確認処理の進行を遅延させるための遅延期間タイマをRAM41cの所定領域に設定し(Sg10)、当該所定期間が経過したか否かを判定して(Sg11)、当該所定期間が経過するまで待機する。なお、Sg10のステップでは、遅延期間タイマとしてRAM41cの所定領域に4が設定され、その後、タイマ割込処理毎に当該遅延期間タイマの値が1ずつ減算されることとなり、Sg11のステップでは、当該遅延期間タイマの値が0である場合に、所定期間が経過したと判定するようになっている。
Sg11のステップにおいて、遅延期間タイマに基づいて所定期間が経過したと判定した場合は、設定確認処理を終了させる旨を特定可能な設定確認終了コマンドを設定し(Sg12)、Sg4のステップで設定された設定確認中フラグを解除する(Sg13)。設定確認中フラグが解除されている状態で、次回タイマ割込処理が実行されて外部出力2処理が行われることで、設定確認中フラグが設定されていないことに連動して、設定中信号がoffの状態に切り替えられる。
Sg13のステップの後には、投入可否判定処理を呼び出して実行し(Sg14)、投入可否判定処理が終了した後に、設定確認処理を終了させて遊技開始待ち処理に復帰する。
設定確認処理の実行中に行われるタイマ割込処理において、投入等エラーが検出された場合、投入等エラーコードがレジスタに設定される。しかし、設定確認処理においては、エラー処理が実行されないため、メイン制御部41により設定されているエラーコードが遊技補助表示器12に表示され、サブ制御部91側によりエラー処理中である旨が報知されることはない。メイン制御部41およびサブ制御部91でのエラー処理(エラー報知)は、設定確認処理が終了した後の「開始待ち中エラー処理」において実行される。
このように、本実施の形態では、設定確認処理を実行するときに、既に流路切替ソレノイド30をonの状態に設定する処理が行われているか否かに関わらず、流路切替ソレノイド30に対応する出力ポートの値をoffを示す値に設定することで、メダルセレクタ29の流路切替板147を非案内位置に位置させて、メダル流下通路133を返却部137側に切り替えるようになっている。
また、本実施の形態では、設定確認処理を開始したときに、メダルの投入可能を示す投入可能フラグをクリアすることで、メダルの投入が不可能な状態とした後、流路切替ソレノイド30をoffの状態に設定するようになっており、投入可能フラグがクリアされることで、投入メダルセンサ31a〜cに基づくメダルの投入判定が行われない状態となる。
また、本実施の形態では、設定確認処理を開始したときに、設定確認処理を開始した旨を示す設定確認開始コマンドを設定することで、サブ制御部91に対して設定確認開始コマンドを送信するようになっている。なお、設定確認開始コマンドを受信したサブ制御部91側では、設定確認状態中である旨を報知する設定確認中報知を実行し、設定確認状態中である旨を示す音声をスピーカ53、54から出力させて、設定確認状態中であること、メダル投入口4よりメダルを投入できないことを遊技者に報知する。
また、本実施の形態では、設定確認処理において設定キースイッチ37がoffの状態とされて、設定確認処理を終了させるときに、設定確認処理を終了する旨を示す設定確認終了コマンドを設定することで、サブ制御部91に対して設定確認終了コマンドを送信するようになっている。なお、設定確認終了コマンドを受信したサブ制御部91側では、設定確認中である旨を示す報知を終了させる。
また、本実施の形態では、設定確認処理において流路切替ソレノイド30をoffの状態に設定したときに、メダル検出無効化タイマを設定することで、所定期間(本実施の形態では、500ms)にわたり、投入メダルセンサ31a〜cでの検出を無効化するようになっている。
また、本実施の形態では、設定確認処理において流路切替ソレノイド30をoffの状態に設定したときに、投入要求LED17を消灯させるようになっている。
また、本実施の形態では、設定確認処理を終了させるときに、投入可否判定処理を呼び出して実行し、賭数とクレジットの値と賭数の値との和が、投入可能な最大のメダル数に達している場合は、投入可能フラグをクリアする一方で、賭数とクレジットの値と賭数の値との和が、投入可能な最大のメダル数に達していない場合は、投入可能フラグを設定するので、設定確認処理が終了された後に復帰する遊技開始待ち処理において、投入可否判定処理での判定結果、すなわち投入可能フラグが設定されているか否かに応じて、流路切替ソレノイド30のon‐offの状態が切り替えられることとなる。
また、本実施の形態では、設定確認処理において、設定確認中フラグが設定された後、設定キースイッチがonの状態であると判定されたときに、遅延期間タイマが設定されることで、その後、所定の遅延期間(2.24ms(ミリ秒))が経過するまで設定確認処理が進行されることなく待機されることとなり、設定確認中フラグが設定された状態で、遅延期間内にタイマ割込処理が実行されることで、当該タイマ割込処理の外部出力2処理において設定確認中フラグが参照されて、設定確認中フラグが設定されていることに基づいて、外部出力基板1000から出力される外部出力信号としての設定中信号がonの状態に切り替えられる。
また、本実施の形態では、設定確認処理において、設定キースイッチがonの状態であると判定されたときに、所定の遅延期間が少なくともタイマ割込処理において外部出力2処理が行われるまでの時間(本実施の形態では、タイマ割込処理4回分の時間)であり、かつ設定中信号が外部機器で検出するのに十分な時間に相当するように遅延期間タイマが設定されることで、当該所定の遅延期間が経過するまで設定確認処理が終了することなく待機されるので、当該所定の遅延期間内に実行されるタイマ割込処理の外部出力2処理において、確実に、設定中信号がonの状態に切り替えられるとともに、設定中信号のonの状態が外部機器で検出できる時間にわたり維持されることとなる。
また、本実施の形態では、設定確認処理において、設定確認開始コマンドがコマンドキューに設定された後、設定キースイッチがonの状態であると判定されたときに、遅延期間タイマが設定されることで、その後、所定の遅延期間(2.24ms(ミリ秒))が経過するまで設定確認処理が進行されることなく待機され、遅延期間内にタイマ割込処理が実行されることで、コマンドキューに設定された設定確認開始コマンドがサブ制御部91に対して送信されるようになっている。そして、遅延期間が経過した後、すなわち設定確認開始コマンドが送信された後に、設定確認終了コマンドがコマンドキューに設定され、その後のタイマ割込処理において送信されることとなるので、サブ制御部91側では、設定確認開始コマンドを受信した後、少なくとも遅延期間が経過した後に、設定確認終了コマンドを受信することとなり、少なくとも遅延期間にわたり設定確認中報知が実行されることなる。
また、メイン制御部41は、遊技開始待ち処理において、スタートスイッチ7、MAXBETスイッチ6、精算スイッチ10については、各スイッチの確定データに基づいてonの状態であるか否かを判定する一方で、遊技開始待ち処理および設定確認処理において、設定キースイッチ37については、対応する入力ポートの状態に基づいてonの状態であるか、offの状態であるかを判定するようになっており、遊技の進行に関するスイッチの操作の検出に要する期間(本実施の形態では、タイマ割込処理4回分の期間)に比較して、設定確認状態を開始または終了するためのスイッチの操作の検出に要する期間(タイマ割込処理1回分の期間)が短く設定されている。
次に、メイン制御部41が遊技開始待ち処理において実行する開始待ち中エラー処理について、図19に基づいて説明する。
図19に示すように、開始待ち中エラー処理においては、まず、メダルの投入が可能な旨を示す投入可能フラグをクリアし(Sh1)、流路切替ソレノイド30に対応する出力ポートの値をoffを示す値に設定することで、メダルの流路をメダル払出口9側の経路として新たなメダルの投入を禁止し(Sh2)、投入要求LED17を消灯し(Sh3)、所定期間(本実施の形態では、500ms)にわたり投入メダルセンサ31a〜cによるメダル詰りエラーの検出を無効化するための検出時間無効化タイマを設定する(Sh4)。
そして、設定されているエラーコードを遊技補助表示器12に表示させ(Sh5)、エラー処理を開始した旨を示すエラー開始コマンドをコマンドキューに設定する(Sh6)。このようなメイン制御部41によるエラー処理(Sh5,Sh6)により、メイン制御部41およびサブ制御部91によってエラー報知が行われる。
エラーの解除条件(リセット操作)が成立したか否かを判定し(Sh7)、エラーの解除条件が成立していない場合は、エラーの解除条件が成立するまで待機する。
Sh7のステップにおいて、エラーの解除条件が成立したと判定した場合は、遊技補助表示器12のエラーコードの表示をクリアし(Sh8)、投入可否判定処理を呼び出して実行する(Sh9)。そして、投入可否判定処理が終了した後は、エラー処理を終了する旨を示すエラー解除コマンドを設定し(Sh10)、遊技開始待ち処理に復帰する。
本実施の形態においては、管理者モード(設定確認状態または設定変更状態)においてエラーコードが設定されていると、遊技モードに切り替わった以降で開始待ち中エラー処理が行われ、エラー処理によってメイン制御部41により設定されているエラーコードが遊技補助表示器12に表示され、サブ制御部91によりエラー処理中である旨の表示がされる。当該表示は、メイン制御部41およびサブ制御部91のいずれにおいても行うものであってもよいし、メイン制御部41のみで表示を行うものであってもよいし、サブ制御部91のみで表示を行うものであってもよい。また、設定確認状態から遊技モードに切り替わったときはエラー処理が行われるが、設定変更状態から遊技モードに切り替わったときにはエラー処理が行われないものであってもよい。
このように、本実施の形態では、開始待ち中エラー処理を実行するときに、既に流路切替ソレノイド30をonの状態に設定する処理が行われているか否かに関わらず、流路切替ソレノイド30に対応する出力ポートの値をoffを示す値に設定することで、メダルセレクタ29の流路切替板147を非案内位置に位置させて、メダル流下通路133を返却部137側に切り替えるようになっている。
また、本実施の形態では、開始待ち中エラー処理を開始したときに、メダルの投入可能を示す投入可能フラグをクリアすることで、メダルの投入が不可能な状態とした後、流路切替ソレノイド30をoffの状態に設定するようになっており、投入可能フラグがクリアされることで、投入メダルセンサ31a〜cに基づくメダルの投入判定が行われない状態となる。
また、本実施の形態では、開始待ち中エラー処理を開始したときに、エラー処理を開始した旨を示すエラー開始コマンドを設定することで、サブ制御部91に対してエラー開始コマンドを送信するようになっている。なお、エラー開始コマンドを受信したサブ制御部91側では、エラー処理中である旨を報知するエラー中報知を実行し、エラー処理中である旨を示す音声をスピーカ53、54から出力させて、エラー中であること、メダル投入口4よりメダルを投入できないことを遊技者に報知する。
また、本実施の形態では、開始待ち中エラー処理においてエラーの解除条件が成立して、開始待ち中エラー処理を終了させるときに、エラー処理を終了する旨を示すエラー解除コマンドを設定することで、サブ制御部91に対してエラー解除コマンドを送信するようになっている。なお、エラー解除コマンドを受信したサブ制御部91側では、エラー処理中である旨を示す報知を終了させる。
また、本実施の形態では、開始待ち中エラー処理において流路切替ソレノイド30をoffの状態に設定したときに、メダル検出無効化タイマを設定することで、所定期間(本実施の形態では、500ms)にわたり、投入メダルセンサ31a〜cでの検出を無効化するようになっている。
また、本実施の形態では、開始待ち中エラー処理において流路切替ソレノイド30をoffの状態に設定したときに、投入要求LED17を消灯させるようになっている。
また、本実施の形態では、開始待ち中エラー処理を終了させるときに、投入可否判定処理を呼び出して実行し、賭数とクレジットの値と賭数の値との和が、投入可能な最大のメダル数に達している場合は、投入可能フラグをクリアする一方で、賭数とクレジットの値と賭数の値との和が、投入可能な最大のメダル数に達していない場合は、投入可能フラグを設定するので、開始待ち中エラー処理が終了された後に復帰する遊技開始待ち処理において、投入可否判定処理での判定結果、すなわち投入可能フラグが設定されているか否かに応じて、流路切替ソレノイド30のon‐offの状態が切り替えられることとなる。
本実施の形態のメイン制御部41は、一定間隔(約0.56msの間隔)でメイン処理に割り込んで実行するタイマ割込処理(メイン)を実行する。なお、タイマ割込処理(メイン)は、タイマ回路509のカウントに応じて発生する割込により実行される処理であり、タイマ割込処理(メイン)のプログラムが格納されたアドレスは、ベクタテーブルのタイマ割込に対応する値として設定されている。そして、タイマ割込が発生すると当該アドレスからの処理が実行される。また、タイマ割込処理(メイン)の実行期間中は自動的に他の割込が禁止される。
タイマ割込処理(メイン)では、停電判定処理を呼び出して実行し、電断検出回路48から電圧低下信号が入力されているか否かを判定し、連続する2回のタイマ割込処理(メイン)にわたって電圧低下信号が入力されていることが判定される場合に、停電と判定して電断処理(メイン)に移行するようになっている。
本実施の形態のスロットマシン1は、流路切替板147を非案内位置に位置させることで、メダル投入口4から投入されたメダルがメダル返却通路132側に流下する一方、流路切替板147を案内位置に位置させることで、メダル投入口4から投入されたメダルがホッパータンク34a側に流下するメダルセレクタ29を備えており、メイン制御部41は、流路切替ソレノイド30をoffの状態とすることで、流路切替板147を非案内位置に位置させる一方、流路切替ソレノイド30をonの状態とすることで、流路切替板147を案内位置に変化させることが可能な構成である。
このような構成において、メイン制御部41は、流路切替ソレノイド30のon‐offの状態を制御して、メダルセレクタ29のメダル流路を所定の流路側に切り替える際に、前回の切替制御に基づいて認識している流路の切替状況に応じて流路を切り替える制御を行う構成とすると、何らかの理由で、認識している切替状況と実際の切替状況とが一致していない場合には、メダル流路が所定の流路側に切り替えられない虞がある。
これに対して、本実施の形態のメイン制御部41は、精算処理を実行するときに、既に流路切替ソレノイド30をonの状態に設定する処理が行われているか否かに関わらず、流路切替ソレノイド30に対応する出力ポートの値をoffを示す値に設定することで、メダルセレクタ29の流路切替板147を非案内位置に位置させて、メダル流下通路133を返却部137側に切り替えるようになっており、精算処理を行うに際して確実にメダル返却通路132側に切り替えることができる。
また、本実施の形態のメイン制御部41は、設定確認処理を実行するときに、既に流路切替ソレノイド30をonの状態に設定する処理が行われているか否かに関わらず、流路切替ソレノイド30に対応する出力ポートの値をoffを示す値に設定することで、メダルセレクタ29の流路切替板147を非案内位置に位置させて、メダル流下通路133を返却部137側に切り替えるようになっており、設定確認処理を行うに際して確実にメダル返却通路132側に切り替えることができる。
また、本実施の形態のメイン制御部41は、開始待ち中エラー処理を実行するときに、既に流路切替ソレノイド30をonの状態に設定する処理が行われているか否かに関わらず、流路切替ソレノイド30に対応する出力ポートの値をoffを示す値に設定することで、メダルセレクタ29の流路切替板147を非案内位置に位置させて、メダル流下通路133を返却部137側に切り替えるようになっており、開始待ち中エラー処理を行うに際して確実にメダル返却通路132側に切り替えることができる。
また、本実施の形態のメイン制御部41は、精算処理、設定確認処理、開始待ち中エラー処理において、当該各処理を開始したときに、メダルの投入可能を示す投入可能フラグをクリアすることで、メダルの投入が不可能な状態とした後、流路切替ソレノイド30をoffの状態に設定するようになっており、投入可能フラグがクリアされることで、投入メダルセンサ31a〜cに基づくメダルの投入判定が行われない状態とすることで、意図せずに投入メダルセンサ31の出力に基づいてメダルが検出されてしまうことを防止できる。
なお、本実施の形態では、メイン制御部41は、投入可能フラグがクリアされている状態では、投入メダルセンサ31a〜cに基づくメダルの投入判定が行われない状態とすることで、投入メダルセンサ31a〜cによるメダルの検出を無効化する構成であるが、投入可能フラグがクリアされている状態で投入メダルセンサ31a〜cによるメダルの検出を無効となる構成であってもよい。
また、本実施の形態のメイン制御部41は、精算処理、設定確認処理、開始待ち中エラー処理の各処理の終了時において、メダルの投入が可能な状態か否かを判定する投入可否判定処理を行い、投入可否判定処理の判定結果に応じて投入可能な状態であれば投入可能フラグを設定し、その後、メダルの投入判定が行われるとともに、投入可能フラグが設定されていることを条件に、流路切替ソレノイド30をonの状態に設定し、メダル流下通路133がホッパータンク34a側に切り替えられるようになっており、メダル流下通路133がホッパータンク34a側に切り替わったときに、流下するメダルの投入判定が行われることなく、ホッパータンク34aへ流下してしまうことを防止できる。
また、本実施の形態のメイン制御部41は、精算処理、設定確認処理、エラー処理の各処理の終了時において、投入可否判定処理を呼び出して実行し、賭数とクレジットの値と賭数の値との和が、投入可能な最大のメダル数に達している場合は、投入可能フラグをクリアする一方で、賭数とクレジットの値と賭数の値との和が、投入可能な最大のメダル数に達していない場合は、投入可能フラグを設定し、その後投入可否判定処理での判定結果、すなわち投入可能フラグが設定されているか否かに応じて、流路切替ソレノイド30のon‐offの状態が切り替えるようになっている。
特に精算処理の終了後は、クレジットが0のはずであり、上記のような判定をする必要はないが、設定確認処理、エラー処理と同様に共通モジュール化された投入可否判定処理を実行し、投入可否判定処理における判定結果に応じて、流路切替ソレノイド30をon‐offの状態を切り替えるようにすることで、精算処理、設定確認処理、エラー処理の各処理の終了後に、流路切替ソレノイド30を切り替える制御に係るプログラムの容量を削減できる。
なお、本実施の形態では、精算処理、設定確認処理、エラー処理の各処理の終了時において、投入可否判定処理を実行し、投入可否判定処理における判定結果に応じて、流路切替ソレノイド30をon‐offの状態を切り替える構成であるが、精算処理、設定確認処理、エラー処理の各処理の開始前にメダルが投入可能な状態であったか否かを記憶しておき、精算処理、設定確認処理、エラー処理の各処理の終了時に開始前の状態に応じて流路切替ソレノイド30をon‐offの状態を切り替える構成であってもよい。
また、本実施の形態のメイン制御部41は、精算処理、設定確認処理、エラー処理の各処理を開始するときに、該当する処理を開始する旨を示すコマンドをサブ制御部91に対して送信し、サブ制御部91は、当該コマンドに応じて該当する処理が実行される旨を報知するので、精算処理、設定確認処理、エラー処理の各処理が行われているときに、メダルの投入が不可能であることを遊技者に報知することができる。
また、本実施の形態のメイン制御部41は、流路切替ソレノイド30がonからoffに切り替わったときには、検出時間無効化タイマが設定され、その後所定期間にわたり投入メダルセンサ31a〜cの検出時間がメダル詰り判定時間を超えてもメダル詰りエラーが判定されないようになっており、メダルの流下経路が流出口142側からメダル返却通路132側に切り替わった後、投入されたメダルが勢いでメダル流下通路133を流出口142側に流下してしまった際に、メダルの通過速度が通常よりも遅くなってもメダル詰りエラーと判定されてしまうことがなく、いわゆるメダルの飲み込みにより異常検出が頻発してしまうことを防止できる。
また、本実施の形態のメイン制御部41は、精算処理、設定確認処理、エラー処理の各首里を開始するときに、流路切替ソレノイド30をoffの状態にするときに、投入要求LED17を消灯させるので、精算処理、設定確認処理、エラー処理の各処理において、メダを投入できないことを、遊技者に報知することができる。
本実施の形態のスロットマシン1は、メダル投入口4から投入されたメダルの真偽を判別するメダルセレクタ29を備え、メイン制御部41は、メダルセレクタ29のメダル流下通路133を、メダルをホッパータンク34a側に導く流路と、メダルをメダル払出口9側に導く流路と、に切替可能であり、ホッパータンク34a側に導かれたメダル数が上限値(本実施の形態では、賭数の規定数とクレジットの最大数の和)に到達することで、メダル流下通路133をメダル払出口9側に導く流路に切り替える構成であり、メイン制御部41は、賭数またはクレジットに記憶されているメダルを返却する精算処理を行った後、メダル流下通路133をホッパータンク34a側に導く流路に切り替える構成である。
このような構成では、精算終了後は、本来であれば投入されたメダル数が上限数に達していることはないはずであるので、精算終了に伴ってメダルの投入を許可する構成とすると、不具合によりクレジットの精算が正常に行われなかった場合に、賭数とクレジットに記憶されているメダル数が上限値に達している状態のまま、精算の終了後にメダルの投入が許可されてしまう虞がある。
これに対して、本実施の形態のメイン制御部41は、精算処理の終了時に、クレジットとして記憶されているメダル数が上限数に達しているか否かを判定する投入可否処理を実行して、上限数に達していると判定された場合には投入可能フラグをクリアして、メダルの投入が不可能な状態とし、上限数に達していないと判定された場合には、投入可能フラグを設定して、メダルの投入が可能な状態とするので、不具合により精算処理が正常に行われずに終了した場合でも、クレジットに記憶されているメダル数が上限数に達している状態のまま、精算処理の終了後にメダルの投入が可能な状態とされてしまうことを防止できる。
また、本実施の形態のメイン制御部41は、精算処理、設定確認処理、開始待ち中エラー処理などの複数の処理において、クレジットに記憶しているメダル数が上限に達しているか否かを判定する投入可否判定処理を呼び出すことが可能であり、投入可否判定処理は、種々の処理に基づいて呼び出すことが可能な共通モジュールとして遊技プログラムに含まれているので、複数の処理において賭数またはクレジットに記憶されているメダル数が上限数に達しているか否かを判定する処理に要するプログラム容量を削減することができる。
本実施の形態のメイン制御部41は、クレジットに記憶しているメダル数が上限数に達しているか否かを判定する投入可否判定処理において、クレジットに記憶されているメダル数があと1加算されることで上限数に達するか否かを判定する処理を含むので、投入可否判定処理により賭数またはクレジットに記憶されているメダル数が上限数に達するか否かだけでなく、あと1加算されることで上限数に達するか否かも特定することができ、あと1加算されることで上限数に達することが特定された場合にメダルの投入を禁止するための準備を行うことが可能となる。
メイン制御部41は、クレジットに記憶しているメダル数が上限数に達しているか否かを判定する投入可否判定処理を実行可能な構成であって、プログラムおよびデータが記憶されるROM41bを備え、ROM41bは、プログラムが記憶されるプログラム領域(遊技プログラム領域および非遊技プログラム領域)と、プログラムが用いる固定データが記憶されるデータ領域(遊技データ領域および非遊技データ領域)と、を含み、投入可否判定処理において賭数またはクレジットに記憶しているメダル数が上限数に達しているか否かを判定する上限数は、ROM41bのプログラム領域ではなくデータ領域に記憶されているので、将来的に投入可否判定処理で用いる上限数を変更する場合でもプログラムを変更することなく上限数のみ変更することができる。
また、本実施の形態のメイン制御部41は、精算処理を開始するときに、精算処理を開始する旨を示す精算開始コマンドをサブ制御部91に対して送信し、サブ制御部91は、当該精算開始コマンドを受信することで精算処理が実行される旨を報知する精算中報知を行い、メイン制御部41は、精算処理の終了後、投入可否判定処理において投入可能フラグが設定されて、メダルの投入が可能な状態となった後に、精算処理を終了する旨を特定可能な精算終了コマンドをサブ制御部91に対して送信し、サブ制御部91は、当該精算終了コマンドを受信することで精算中報知を終了させるので、精算中報知が終了されているにも関わらずメダルの投入が制限されてしまうことを防止できる。なお、設定確認処理、開始待ち中エラー処理においても同様である。
本実施の形態では、図20に示すように、メイン制御部41では、遊技開始待ち処理の実行中に開始待ち中エラー処理が実行されていない状態で、設定キースイッチ37のonの状態が検出されたときに、設定確認処理が開始される。設定確認処理では、設定値の表示が開始され、現時点での設定値が遊技補助表示器12に表示され、設定確認中フラグがRAM41cに設定され、設定確認中フラグが設定されていることに基づいて、外部出力基板1000より外部出力信号として設定中信号の出力がonの状態となる。また、設定確認開始コマンドが設定され、当該コマンドがサブ制御部91に対して送信される。これに対して、サブ制御部91では、設定確認開始コマンドを受信することで、メイン制御部41が設定確認状態である旨を示す画像および音声を液晶表示器51、スピーカ53、54より出力させる設定確認中報知が開始される。
この状態で、メイン制御部41では、設定キースイッチ37が操作されて、設定キースイッチ37のoffの状態が検出されたときに、遊技補助表示器12での設定値の表示が終了され、遅延期間タイマが設定される。そして、所定の遅延期間(本実施の形態では、2.24ms)が経過した後に、設定確認中フラグがRAM41cからクリアされることで、設定変状態信号の出力がoffの状態とされる。また、設定確認終了コマンドが設定され、当該コマンドがサブ制御部91に対して送信される。これに対して、サブ制御部91では、設定確認終了コマンドを受信することで、メイン制御部41での設定確認状態が終了されたと判定し、設定確認中報知を終了させる。
このように、本実施の形態では、メイン制御部41は、設定確認処理において設定確認状態を終了させる操作が行われたときに遅延期間を設定し、遅延期間の経過後に設定確認中フラグをクリアするので、遅延期間中において、外部出力信号の出力がonの状態で維持され、遅延期間の経過した後に、設定確認中フラグのクリアされた後に、外部出力信号の出力がoffの状態にされる。
本実施の形態のメイン制御部41は、遊技者にとって有利度である設定値に応じてメダルの払出率を変更することが可能であり、遊技が行われておらず、遊技開始待ち処理を行っているときに、設定キースイッチ37がonの状態とされた場合に、設定値を確認可能に遊技補助表示器12に表示する設定確認処理を開始させ、設定キースイッチ37がoffの状態とされた場合に、設定確認処理を終了させて遊技開始待ち処理に復帰する構成である。
このような構成では、遊技開始待ち処理を行っているときに、設定キースイッチ37がonの状態とされた後、すぐに設定キースイッチ37がoffの状態とされた場合には、不正に設定確認がされた場合など設定確認がされたことを外部で認識できず、不正がされた可能性を特定できない虞がある。
これに対して、本実施の形態のメイン制御部41は、遊技開始待ち処理を行っているときに、設定キースイッチ37がonの状態とされた場合に、設定値を確認可能に表示する設定確認処理を開始させて、遊技補助表示器12での設定値の表示を開始させた後、設定キースイッチ37がoffの状態とされた場合に、遊技補助表示器12での設定値の表示を終了させた後に、遊技開始待ち処理に復帰する構成であって、設定キースイッチ37がonの状態とされて、設定確認処理を開始したきに、設定確認処理が行われていることをメイン制御部41が管理する遊技補助表示器12での設定値の表示を開始させるとともに、設定確認処理が行われていることをメイン制御部41の外部で認識可能に出力する外部出力制御(設定中信号を出力する制御、設定確認開始コマンドを送信する制御)を開始させ、設定キースイッチ37がoffの状態とされたときに、遊技補助表示器12での設定値の表示を終了させる一方で、遅延期間タイマを設定して、所定の遅延期間が経過した後に外部出力制御を終了させた後に、設定確認処理を終了させて遊技開始待ち処理に復帰するので、遊技補助表示器12での設定値の表示は、設定確認処理の開始操作を契機に開始され、終了操作を契機に終了される一方で、設定確認処理が行われていることを外部で認識可能に出力する外部出力制御は、設定確認処理の開始操作を契機に開始され、終了操作がされた後も所定の遅延時間が経過するまで継続されるので、設定確認処理が実行されたことをメイン制御部41の外部で確実に認識させることができる。
また、本実施の形態のメイン制御部41は、遊技開始待ち処理において設定確認処理を実行可能な構成であって、設定キースイッチ37がonの状態とされて、設定確認処理を開始したきに、設定確認中フラグを設定することで外部出力制御として外部出力信号である設定中信号の出力を開始させ、設定キースイッチ37がoffの状態とされた後、所定の遅延期間が経過した後に、設定確認中フラグを解除することで設定中信号の出力を終了させるので、スロットマシン1の外部に接続される外部機器で、設定中信号の出力に基づいて設定確認処理が実行されたことをメイン制御部41の外部で確実に認識させることができる。
特に、図21に示すように、設定キースイッチ37がonの状態とされて設定確認処理が開始された後、設定中信号の出力状態を制御する外部出力2処理が行われるタイマ割込処理が実行されるまでの期間において、設定確認中フラグがクリアされてしまうと、設定中信号がonに切り替わることなく設定確認処理が終了してしまうこととなるが、設定確認処理が開始された後、設定中信号の出力状態を制御する外部出力2処理が行われるタイマ割込処理が実行されるまでの期間よりも長い期間が所定の遅延期間として設定されることで、設定キースイッチ37がonの状態が検出されて設定確認処理が行われたにも関わらず、外部出力信号として設定中信号がonの状態に切り替えられず、外部機器で設定中信号が検出されなくなってしまうことを防止できる。
また、設定中信号が入力される外部機器においては、設定中信号がonの状態に切り替わったことを検出するのに一定の時間を要することとなるが、設定キースイッチ37がonの状態とされて設定確認処理が開始され、設定中信号がonの状態に切り替わった後、offの状態に切り替わるまでの期間として、外部機器において設定中信号がonの状態に切り替わったことを検出するのに十分な時間が確保されるように所定の遅延期間が設定されることで、設定キースイッチ37がonの状態が検出されて設定確認処理が行われて設定中信号がonの状態に切り替わったにも関わらず、外部機器で設定中信号が検出されなくなってしまうことを防止できる。
また、本実施の形態のメイン制御部41は、遊技開始待ち処理において設定確認処理を実行可能な構成であって、設定キースイッチ37がonの状態とされて、設定確認処理を開始したきに、外部出力制御として設定確認処理が開始されたことを特定可能な設定確認開始コマンドをサブ制御部91に対して送信させ、設定キースイッチ37がoffの状態とされた後、所定の遅延期間が経過した後に、設定確認処理が終了されることを特定可能な設定確認終了コマンドをサブ制御部91に対して送信させた後、設定確認処理を終了させて遊技開始待ち処理に復帰するのに対して、サブ制御部91は、設定確認開始コマンドを受信したときに、設定確認処理が行われていることを報知する設定確認中報知を開始して、設定確認終了コマンドを受信したときに、設定確認中報知を終了させるので、サブ制御部91側において、設定確認開始コマンドおよび設定確認終了コマンドに基づいて、メイン制御部41で設定確認処理が実行されたことを確実に認識させることができる。
特に、設定確認開始コマンドを送信した後、設定確認終了コマンドを送信するまで遅延させる所定の遅延期間として、サブ制御部91が設定確認コマンドを受信して設定確認中報知を開始した後、設定確認中報知を店員等が認識するのに十分な期間が設定されることで、設定キースイッチ37がonの状態が検出されて設定確認処理が行われたにも関わらず、設定確認中報知により設定確認処理が行われたことを認識できなくなってしまうことを防止できる。
なお、本実施の形態では、メイン制御部41は、設定確認処理において設定キースイッチ37がoffの状態であると判定した場合に、遅延期間タイマを設定することで、所定の遅延期間の経過後に設定確認終了コマンドをサブ制御部91に対して送信し、これに対して、サブ制御部91は、設定確認終了コマンドを受信したときに、設定確認中報知を終了させる構成であるが、メイン制御部41は、設定確認処理において設定キースイッチ37がoffの状態であると判定したときに、設定確認終了コマンドをサブ制御部91に対して送信し、サブ制御部91は、設定確認終了コマンドを受信してから所定の遅延期間が経過した後に、設定確認中報知を終了させる構成としてもよいし、メイン制御部41は、設定確認処理において設定キースイッチ37がoffの状態であると判定したときに、遅延期間タイマを設定し、所定の遅延時間の経過後に、設定確認終了コマンドをサブ制御部91に対して送信し、サブ制御部91は、設定確認終了コマンドを受信してからさらに所定の遅延期間が経過した後に、設定確認中報知を終了させる構成としてもよい。このような構成では、メイン制御部41は、設定確認処理において、設定確認状態の終了させるための操作が行われた後、少なくとも所定の遅延期間が経過した後に、サブ制御部91が設定確認報知を終了させるように管理することができる。
また、本実施の形態では、メイン制御部41は、設定確認処理において、設定確認開始コマンドを送信した後に、所定の遅延期間が少なくとも4回分のタイマ割込処理の時間間隔に相当するように遅延期間タイマを設定し、当該遅延期間の経過後に、設定確認中フラグを解除し、設定確認終了コマンドを送信する構成であるが、メイン制御部41は、設定確認開始コマンドを送信した後から、設定確認中フラグの解除し、設定確認終了コマンドを送信するまでに、意図的に遅延させる処理を備える構成であれば、タイマ割込4回分未満の時間間隔を遅延期間として設定してもよいし、タイマ割込4回分以上の時間間隔を遅延期間として設定してもよく、このような構成において、上記のように所定の遅延期間として、設定中信号の出力状態を制御する外部出力2処理が行われるタイマ割込処理が実行されるまでの期間よりも長い期間、外部機器において設定中信号がonの状態に切り替わったことを検出するのに十分な時間が確保される期間、設定確認中報知を店員等が認識するのに十分な期間等が設定される構成であれば、設定確認処理が実行されたことをメイン制御部41の外部で確実に認識させることができる。
また、本実施の形態のメイン制御部41は、設定キースイッチ37がonの状態とされ、設定中信号の出力を開始させるとともに、設定確認開始コマンドを送信させた後、所定の遅延時間が経過した後に、設定中信号の出力を終了させるとともに、設定確認終了コマンドを送信させる構成であり、設定中信号の出力を終了させるまでの遅延期間と、設定確認終了コマンドを送信させる遅延期間とが、同じ時間間隔に設定されているが、設定中信号の出力を終了させるまでの遅延期間と、設定確認終了コマンドを送信させる遅延期間とが、異なる時間間隔とする構成してもよい。
また、本実施の形態では、メイン制御部41は、設定確認処理において、設定キースイッチ37がonの状態とされたときに、設定値を遊技補助表示器12に表示させ、設定キースイッチ37がoffの状態とされたときに、遊技補助表示器12の設定値の表示を停止させる構成であるが、メイン制御部41は、設定キースイッチ37がonの状態とされたときに、設定値を遊技補助表示器12に表示させ、設定キースイッチ37がoffの状態とされたときに、遅延期間タイマを設定し、所定の遅延期間が経過したときに、遊技補助表示器12の設定値の表示を停止させる構成であってもよい。このような構成とすることで、設定キースイッチ37がoffの状態とされた後、所定の遅延期間が経過するまでの期間にわたり、遊技補助表示器12での設定値の表示を維持することで、遊技補助表示器12による設定値の表示を外部で確実に認識させることができる。
また、本実施の形態のメイン制御部41は、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R等の遊技の進行に係る各種スイッチ類の操作については、前回と今回のタイマ割込処理で取得された入力データが同じ状態であることを示す確定データ、すなわち複数のタイミングで取得された入力データに基づいて、操作されたことを検出する一方で、設定確認処理を開始する契機となる設定キースイッチ37の操作については、その時点における対応する入力ポートの状態、すなわち単一のタイミングで取得された設定キースイッチ37のon/offの状態に基づいて、操作されたことを検出するようになっており、設定キースイッチ37の操作を検出するのに要する時間は、遊技の進行に係る操作を検出するのに要する時間よりも相対的に短いため、極短時間であっても設定キースイッチ37がonの状態となった場合には、設定確認状態に移行して外部出力制御が実行されることとなるので、不正がなされた可能性があれば、高い割合で検出することが可能となり、一方で遊技の進行に係る操作を検出するのに要する時間が相対的に長いことで、静電気などのノイズによって誤って操作が検出されてしまうことなく、操作がされたか否かの判定精度を高めることができる。
なお、本実施の形態では、遊技開始待ち処理において設定確認処理を開始させる際、および設定確認処理において設定確認処理を終了させる際に、その時点における対応する入力ポートの状態に基づいて設定キースイッチ37のon-offの状態を判定する構成であるが、設定確認処理を開始させる際または終了させる際に、設定キースイッチ37の確定データに基づいてon-offの状態を判定する構成であってもよい。この場合でも、設定キースイッチ37の確定データの取得に要する時間を、遊技を進行させるための他のスイッチ類よりも確定データの取得に要する時間よりも短く設定することで、極短時間であっても設定キースイッチ37がonの状態となった場合には、設定確認状態に移行して外部出力制御が実行されることとなり、不正がなされた可能性があれば、高い割合で検出することが可能となり、一方で遊技の進行に係る操作を検出するのに要する時間が相対的に長いことで、静電気などのノイズによって誤って操作が検出されてしまうことなく、操作がされたか否かの判定精度を高めることができる。
また、本実施の形態のメイン制御部41は、設定キースイッチ37が操作されることで設定確認処理を開始する構成であり、設定キースイッチ37は、前面扉1bを開放することで操作することが可能となっているので、設定確認処理へ移行させるために一手間を要することから、不正により設定確認処理が実行されることを防止できる。
なお、本実施の形態のメイン制御部41は、遊技開始待ち処理において設定キースイッチ37がonの状態とされることで設定確認処理を行う構成であるが、設定キースイッチ37がonの状態とされた際に、ドア開放検出スイッチ25の出力に基づいて前面扉1bが開放されていることが特定される場合に、設定確認処理を行う構成としてもよく、このような構成とすることで、前面扉1bを開放せずに設定値確認処理が実行させることができないため、不正により設定確認処理が実行されることをより効果的に防止できる。
前述した実施の形態においては、図8および図10に示したように、設定変更状態または設定確認状態である管理者モードにおいてタイマ割込処理によって投入等エラーが検出されエラーコードが設定されたときには、当該管理者モードから状態移行した後の遊技モードにおいてエラー処理(開始待ち中エラー処理のSh5,Sh6、メイン制御部41によりエラーコードが遊技補助表示器12に表示される処理、およびサブ制御部91によりエラー処理中である旨が報知される処理)が実行される。仮に、設定変更状態または設定確認状態である管理者モードにおいてエラー処理が実行されてしまった場合、遊技補助表示器12にエラーコードが表示されてしまい、管理者による設定確認や設定変更が行えなくなってしまう。また、設定変更状態または設定確認状態である管理者モードにおいてエラー処理が実行されてしまった場合、液晶表示器51の画面上においてエラー画像が表示されるとともに、スピーカ53,54からエラー報知音が出力されてしまい、管理者による設定確認や設定変更の邪魔になってしまう。そこで、本実施の形態においては、管理者モードにおいて投入等エラーが検出されエラーコードが設定されても、当該管理者モード中ではエラー処理を実行しないようにすることで、当該管理者モードにおける管理者の設定変更操作または設定確認操作が中断してしまうといった不都合を生じさせない。さらに、管理者モードから遊技モードに状態移行した後においては、エラー処理を実行することで、投入等エラーによる異常の発生を管理者に示唆することができる。また、遊技モードから管理者モードに状態移行したときに、流路切替ソレノイドがonからoffに切り替わることで、メダルが通過する通路が、メダルを貯留するためのホッパータンク34a側への取込通路からメダル払出口9側への返却通路へと切り替えられるため、遊技が進行不可能な管理者モードであるにもかかわらずメダルがスロットマシン1の内部に取り込まれてしまうことを防ぐことができる。
前述した実施の形態においては、図8〜10に示したように、さらに、設定変更状態または設定確認状態である管理者モードから遊技モードに状態移行した後においては、エラー処理が実行されているときに、流路切替ソレノイドがoff状態を維持することで、メダルが通過する通路が、メダル払出口9側への返却通路からメダルを貯留するためのホッパータンク34a側への取込通路へと切り替えられないため、投入等エラーによる異常が発生しているにもかかわらずメダルがスロットマシン1の内部に取り込まれてしまうことを防ぐことができる。
前述した実施の形態においては、図8〜10に示したように、さらに、遊技モードから設定変更状態または設定確認状態である管理者モードに状態移行したときに設定キースイッチ37がon状態になることで設定中信号が外部出力信号として外部出力されるため、適切なタイミングで外部出力信号(設定中信号)を外部出力することができる。
前述した実施の形態においては、図8〜10に示したように、さらに、設定変更状態または設定確認状態である管理者モードから遊技モードに状態移行した後においては、エラー処理が実行されているときには外部出力信号の外部出力が維持される(設定中信号は検出されなくなるが、投入エラー信号または払出エラー信号が新たに検出されるため、外部出力信号の出力は維持される)のに対して、エラー処理が実行されていないときには外部出力信号の外部出力が終了するため、エラー処理の実行有無に応じて適切に外部出力信号を外部出力することができる。
[第2実施形態に係るスロットマシン]
図22〜図24を参照しながら、第2実施形態に係るスロットマシン1について説明する。なお、図1〜図7、および図11〜図22を用いて説明したスロットマシン1が備える基本構成は、第2実施形態に係るスロットマシン1においても備わっている。なお、第2実施形態に係るスロットマシンにおいても、タイマ割込処理は、設定確認状態中および設定変更状態中のいずれにおいても常に行われるため、設定確認状態中および設定変更状態中のいずれにおいてもエラーが発生したときには、当該エラーが検知されて、エラーコードが設定される。
第1実施形態においては、設定変更状態または設定確認状態の管理者モードにおいて投入等エラーの異常が検知されたときには、管理者モードが設定変更状態および設定確認状態のいずれの管理状態であったかにかかわらず、管理者モードから遊技モードに移行してからエラー処理を実行し、メイン制御部41によりエラーコードが遊技補助表示器12に表示され、さらに、サブ制御部91側によりエラー処理中である旨が報知されるようにした。
第2実施形態においては、管理者モードにおいて投入等エラーの異常が検知されたときには、該管理者モードから遊技モードに移行したときに、管理者モードが設定変更状態あった場合にはエラー処理を実行しない。一方、管理者モードが設定確認状態あった場合にはエラー処理を実行し、メイン制御部41によりエラーコードが遊技補助表示器12に表示され、さらに、サブ制御部91側によりエラー処理中である旨が報知されるようにした。
[設定確認状態中にエラーが発生したとき]
図22は、第2実施形態における設定確認状態でエラーが発生した際の処理について説明するタイミングチャートである。遊技モードから設定確認状態に切り替えるためには、店員などの管理者が、電源が投入されているon状態で、まず前面扉1bを開く必要がある。時刻t1において、前面扉1bの開放により、ドア開放検出スイッチ25は、off状態からon状態に切り替わる。次に、前面扉1bが開かれた状態で、時刻t2において、管理者が設定キースイッチ37をon状態にする。これにより、設定確認状態となり、設定確認処理が実行される。
遊技モードから設定確認状態に切り替わると、流路切替ソレノイド30はon状態からoff状態に切り替わる。これにより、流路切替板147は案内位置から非案内位置に切り替わるため、メダル投入口4から投入されたメダルは、メダル払出口9から返却されるようになる。
また、設定確認状態に移行することで設定中信号が出力されるため、外部出力信号はoff状態からon状態に切り替わる。
次に、時刻t3において、タイマ割込処理によって投入等エラーが検出されたとする。このとき、レジスタに投入等エラーコードが設定される。エラーコードが設定されている場合、「開始待ち中エラー処理」においてエラー処理が実行される。しかし、設定確認状態中(管理者モード中)は開始待ち中エラー処理が実行されないため、エラー処理はon状態にはならず、off状態のままである。
時刻t4において、管理者が、設定キースイッチ37をon状態からoff状態に切り替えると、設定確認状態が終了する。
ここで投入等エラーが検出されている場合と、ここで投入等エラーが検出されていない場合とについて以下説明する。投入等エラーが検出されている場合、投入等エラーコード等はレジスタに設定されたままである。先に述べたように、管理者モードから遊技モードに移行したときに、管理者モードが設定確認状態あった場合にはエラー処理を実行する。設定確認処理が終了し、管理者モードである設定確認状態から遊技モードに切り替わったときに、投入等エラーコードが設定されている(投入等エラーを検出し続けている)と、開始待ち中エラー処理が実行される。メイン制御部41は、開始待ち中エラー処理においては、エラーの解除条件(リセット操作)が成立するまで、エラー処理を開始した旨を示すエラー開始コマンドをコマンドキューに設定し、設定されているエラーコードを遊技補助表示器12に表示させる。さらに、サブ制御部91に対してエラー開始コマンドを送信する。エラー開始コマンドを受信したサブ制御部91側では、エラー処理中である旨を報知するエラー中報知を実行する。
さらにこのとき、流路切替ソレノイド30は励磁されていない状態を維持する(off状態を維持する)。すなわち、流路切替板147は非案内位置のままであるため、メダル投入口4から投入されたメダルは、メダル払出口9から返却される。
さらにこのとき、設定キースイッチ37がoffとなることで設定中信号はoffとなるが、未だ投入等エラーが解除されていなければ投入エラー信号または払出エラー信号がonを維持するため、外部出力信号はon状態のまま継続される。
次に、時刻t5において、開始待ち中エラー処理において、リセットスイッチ23によるリセット操作によりエラーの解除条件が成立して投入等エラーが解除されると、メイン制御部41は、遊技補助表示器12のエラーコードの表示をクリアする。また、メイン制御部41は、エラー処理を終了する旨を示すエラー解除コマンドを設定し、エラー解除コマンドを受信したサブ制御部91側では、エラー処理中である旨を示す報知を終了させる。
最後に、時刻t6において、管理者が前面扉1bを閉じることで遊技の進行が可能となる。
一方、時刻t4において、投入等エラーの検出が検出されていない場合、投入等エラーコードの設定は解除される。設定確認処理が終了し、管理者モードである設定確認状態から遊技モードに切り替わったときに、投入等エラーコードが設定されていないため、開始待ち中エラー処理は実行されない。このため、エラー処理を開始した旨を示すエラー開始コマンドは設定されず、エラーコードを遊技補助表示器12に表示させることもない。サブ制御部91においても、エラー開始コマンドを受信しないため、エラー処理中である旨を報知するエラー中報知は実行されない。
このとき、流路切替ソレノイド30は励磁されていない状態から励磁されていない状態に切り替わる(off状態からon状態へと切り替わる)。すなわち、流路切替板147は非案内位置から案内位置に切り替わるため、メダル投入口4から投入されたメダルは、メダルを貯留するためのホッパータンク34a側へ排出されるようになる。
さらにこのとき、設定キースイッチ37がoffとなることで設定中信号はoffとなる。また、投入エラー信号または払出エラー信号もoffのままであるため、外部出力信号はon状態からoff状態へと切り替わる。
[設定変更状態中にエラー発生したとき]
図23は、第2実施形態における設定変更状態でエラーが発生した際の処理について説明するタイミングチャートである。設定変更を行うのは、通常ホールが閉店している時間である。スロットマシン1の電源がoffになっている状態で、前面扉1b開放する。そして、設定値を変更するためには、設定キースイッチ37をon状態としてからスロットマシン1の電源をonする。この作業により、設定変更状態に移行するとともに、遊技補助表示器12にRAM41cから読み出された設定値が表示値として表示される。設定変更を行う場合は、設定確認を行う場合と異なり、電源がoffの状態でドア開放することになる。このため、スロットマシン1の電源をonにしたタイミングでドア開放検出スイッチ25がon状態で検出される。また、同時に、設定キースイッチ37もon状態でスロットマシン1の電源をonにするため、スロットマシン1の電源をonにしたタイミングで設定キースイッチ37もon状態で検出される。すなわち、スロットマシン1の電源をonにした時刻t1において、ドア開放検出スイッチ25および設定キースイッチ37はon状態で検出される。
電源をonにしたタイミングでは、流路切替ソレノイド30は励磁されていない状態である(off状態)。流路切替板147非案内位置であるため、メダル投入口4から投入されたメダルは、メダル払出口9から返却されるようになる。
また、設定変更状態に移行することで設定中信号が出力されるため、外部出力信号はon状態で出力される。
次に、時刻t2において、タイマ割込処理によって投入等エラーが検出されたとする。このとき、レジスタに投入等エラーコードが設定される。エラーコードが設定されている場合、「開始待ち中エラー処理」においてエラー処理を実行する。しかし、設定変更状態中(管理者モード中)は開始待ち中エラー処理が実行されないため、エラー処理はon状態にはならず、off状態のままである。
管理者による設定変更が終了したとき、設定キースイッチ37をoff状態にする。これにより、時刻t3において、設定キースイッチ37はoff状態からon状態に切り替わっている。
投入等エラーが検出されている場合、投入等エラーコード等はレジスタに設定されたままである。設定変更処理が終了し、管理者モードである設定変更状態から遊技モードに切り替わったときに、投入等エラーコードが設定されている(投入等エラーを検出し続けている)と開始待ち中エラー処理が実行される。しかし、図23に示す変形例においては、設定変更状態から遊技モードに切り替わるときにエラーコードの設定が削除される。これにより、管理者モードから遊技モードに移行したときには、エラー処理が実行されない。
なお、本実施の形態では、開始待ち中エラー処理が実行される前にエラーコードの設定を削除する処理を行うようにしたが、これに限らず、投入等エラーが検出されても、そもそも投入等エラーコードを設定されないようにしてもよい。このように、設定変更状態中において投入等エラーコードが設定されなければ、設定変更状態から遊技モードに移行してもエラー処理が実行されない。
設定キースイッチ37がoffとなると、設定中信号はoffとなる。また、投入エラー信号または払出エラー信号もoffのままであるため、外部出力信号はon状態からoff状態へと切り替わる。
最後に、時刻t4において、管理者が前面扉1bを閉じることで遊技の進行が可能となる。
図24は、第2実施形態の変形例における設定変更状態でエラーが発生した際の処理について説明するタイミングチャートである。図23では、スロットマシン1の電源をonにしたタイミングでは、流路切替ソレノイド30は励磁されていない状態(off状態)とした。しかし、これに限らず、スロットマシン1の電源をonにしたタイミングで、流路切替ソレノイド30を励磁されていない状態から励磁されている状態に一瞬切り替えてもよい(off状態からon状態に短時間のみ切り替える)。スロットマシン1の電源をonにしてすぐに流路切替ソレノイド30をon状態に切り替えておくことで、メダル投入口4から投入されたメダルは、メダルを貯留するためのホッパータンク34a側へ排出される。これにより、速やかに遊技の進行が可能となる。
スロットマシン1の電源をonにした時刻t1において、流路切替ソレノイド30を励磁されていない状態から励磁されている状態に切り替える処理を行う(off状態からon状態に切り替える)。これにより、メダル投入口4から投入されたメダルは、メダルを貯留するためのホッパータンク34a側へ排出される。そして、次に、時刻t1において、ドア開放検出スイッチ25および設定キースイッチ37はon状態で検出される。さらに、管理者モードである設定変更状態に切り替わることで、流路切替ソレノイド30は励磁されている状態から励磁されていない状態に切り替わる(on状態からoff状態に切り替わる)。これにより、流路切替板147は案内位置から非案内位置に切り替わるため、メダル投入口4から投入されたメダルは、メダル払出口9から返却されるようになる。結果として、流路切替ソレノイド30は、off状態からon状態に一瞬切り替わった直後に再度off状態となる。
また、設定変更状態に移行することで設定中信号が出力されるため、外部出力信号はon状態で出力される。時刻t2〜t5までの処理に関しては、図23に示す時刻t2〜t5までの処理と同様であるので、説明を省略する。
前述した実施の形態においては、図23および図24に示したように、設定変更状態において投入等エラーが検出され異常が発生したときには当該設定変更状態の終了後にエラー処理(開始待ち中エラー処理のSh5,Sh6、メイン制御部41によりエラーコードが遊技補助表示器12に表示される処理、およびサブ制御部91によりエラー処理中である旨が報知される処理)が実行されないため、店員等の管理者による作業がエラー処理によって煩わしくなってしまうといった不都合が生じない。また、図22に示したように、設定確認状態において投入等エラーが検出され異常が発生したときには当該設定確認状態の終了後にエラー処理が実行されるため、設定確認状態後においてエラー処理が実行されないことによって不正などを防止することができないといった不都合が生じない。これにより、異常の発生に伴う不都合が生じることがない。
前述した実施の形態においては、図23および図24に示すように、設定変更状態においてエラーコードを設定しても、設定キースイッチがoffに切り替わって設定変更状態から遊技モードに切り替わったときにはエラーコードの設定が削除される(エラーコードがoffに切り替わる)。これにより、設定変更状態においては、設定確認状態と同様にスロットマシン1で発生した異常を検知するため、状態にかかわらず異常を検知する処理を共通化することができ、記憶容量を余分に使用する必要がない。
また、前述した実施の形態においては、投入等エラーが検出されても、そもそも投入等エラーコードを設定されないようにしてもよい。これにより、設定変更状態においては異常が検知されないため、設定変更状態における処理を簡素化することができる。さらに、設定変更状態においては、タイマ割込が実行されないことで、投入等エラーが検出されないものであってもよい。あるいは、設定変更状態においては、タイマ割込が実行されても、投入等エラーは検出されないものであってもよい。
前述した実施の形態においては、図22に示したように、設定変更状態または設定確認状態である管理者モードにおいて投入等エラーが検出され異常が検知されたときには、当該管理者モードから状態移行した後の遊技モードにおいてエラー処理が実行される。このため、管理者モードにおいて投入等エラーが検出され異常が発生したときでも、当該管理者モードにおける管理者の設定変更操作または設定確認操作が中断してしまうといった不都合が生じず、さらに、管理者モードから遊技モードに状態移行した後において投入等エラーによる異常の発生を管理者に示唆することができる。また、遊技モードから管理者モードに状態移行したときに、流路切替ソレノイドがonからoffに切り替わることで、メダルが通過する通路が、メダルを貯留するためのホッパータンク34a側への取込通路からメダル払出口9側への返却通路へと切り替えられるため、遊技が進行不可能な管理者モードであるにもかかわらずメダルがスロットマシン1の内部に取り込まれてしまうことを防ぐことができる。
前述した実施の形態においては、図22に示したように、さらに、設定変更状態または設定確認状態である管理者モードから遊技モードに状態移行した後においては、開始待ち中エラー処理(メイン制御部41によりエラーコードが遊技補助表示器12に表示される処理、およびサブ制御部91によりエラー処理中である旨が報知される処理)が実行されているときに、流路切替ソレノイドがoff状態を維持することで、メダルが通過する通路が、メダル払出口9側への返却通路からメダルを貯留するためのホッパータンク34a側への取込通路へと切り替えられないため、投入等エラーによる異常が発生しているにもかかわらずメダルがスロットマシン1の内部に取り込まれてしまうことを防ぐことができる。
前述した実施の形態においては、図22に示したように、さらに、遊技モードから設定変更状態または設定確認状態である管理者モードに状態移行したときに設定キースイッチ37がon状態になることで設定中信号が外部出力信号として外部出力されるため、適切なタイミングで外部出力信号(設定中信号)を外部出力することができる。
前述した実施の形態においては、図22に示したように、さらに、設定変更状態または設定確認状態である管理者モードから遊技モードに状態移行した後においては、エラー処理が実行されているときには外部出力信号の外部出力が維持される(設定中信号は検出されなくなるが、投入エラー信号または払出エラー信号が新たに検出されるため、外部出力信号の出力は維持される)のに対して、エラー処理が実行されていないときには外部出力信号の外部出力が終了するため、エラー処理の実行有無に応じて適切に外部出力信号を外部出力することができる。
[変形例]
以上、本発明の実施の形態を図面により説明してきたが、本発明はこの実施の形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれることは言うまでもない。
[エラー処理について]
本実施の形態においては、管理者モードにおいて投入等エラーが検出され異常が検知されたときには、管理者モード中においてはメイン制御部41によるエラー報知およびサブ制御部91によるエラー報知のいずれも実行されず、当該管理者モードから遊技モードに移行した後においてメイン制御部41によるエラー報知およびサブ制御部91によるエラー報知(エラー処理)が行われるものであった。しかし、これに限らない。
管理者モードにおいて実行されても、管理者による設定確認や設定変更の操作の邪魔にならず、管理者による設定確認や設定変更が中断してしまうといった不都合が生じないエラー処理であれば、管理者モードにおいて実行されてもよい。たとえば、本実施の形態においては、設定値が遊技補助表示器12に表示される一方で、エラーコードも遊技補助表示器12に表示されるものであったが、設定値とエラーコードとが互いに異なる表示器で表示されるものであれば、管理者モードにおいてもエラーコードを表示してもよい。また、本実施の形態においては、管理者による設定確認や設定変更の邪魔になってしまうという理由で、液晶表示器51やスピーカ53,54によるエラー報知についても管理者モードにおいて実行されなかったが、直接的には管理者による設定確認や設定変更の操作が中断しないため、管理者モードにおいても液晶表示器51やスピーカ53,54によるエラー報知を実行してもよい。
上述したように、管理者による設定確認や設定変更が中断しないものであれば、たとえば、管理者モードにおいて投入等エラーが検出され異常が検知されたときには、管理者モード中においてメイン制御部41によるエラー報知のみを行って、サブ制御部91によるエラー報知を行わないものであってもよい。そして、当該管理者モードから遊技モードに移行した後において、メイン制御部41によるエラー報知およびサブ制御部91によるエラー報知が行われてもよい。あるいは、当該管理者モードから遊技モードに移行した後において、メイン制御部41によるエラー報知およびサブ制御部91によるエラー報知のいずれかが行われてもよい。
たとえば、管理者モードにおいて投入等エラーが検出され異常が検知されたときには、管理者モード中においてサブ制御部91によるエラー報知のみを行って、メイン制御部41によるエラー報知を行わないものであってもよい。そして、当該管理者モードから遊技モードに移行した後において、メイン制御部41によるエラー報知およびサブ制御部91によるエラー報知が行われてもよい。あるいは、当該管理者モードから遊技モードに移行した後において、メイン制御部41によるエラー報知およびサブ制御部91によるエラー報知のいずれかが行われてもよい。
[エラーの解除について]
本実施の形態においては、リセットスイッチ23を操作することでエラー状態が解除されたが、設定変更操作(たとえば、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作、スタートスイッチ7の操作による設定値の確定操作)でエラー状態が解除されてもよいし、設定変更状態を終了する際に設定キースイッチ37をoffすることでエラー状態が解除されてもよい。
[パチンコ遊技機への適用について]
前述した実施の形態では、図8〜10、および図22〜24で示したように、遊技機の一例であるスロットマシンについて管理者モードである設定変更状態または設定確認状態においてエラーが発生した際の処理について説明した。しかし、これに限らず、いわゆる遊技球を遊技領域に打込んで遊技を行うパチンコ遊技機に適用してもよい。
たとえば、所定の遊技領域に遊技媒体(パチンコ玉)を打込んで遊技を行うパチンコ遊技機において、打込んだパチンコ玉が遊技領域に設けられた始動領域を通過することにより抽出した乱数に基づいて、大当りを発生させるか否か、大当りを発生させるときには当該大当り終了後において、大当りとなる確率が通常時よりも向上する確変状態や時短状態に制御するか否かなどについて決定するものであってもよい。さらに、パチンコ遊技機においては、所定の演出を実行するものであってよい。たとえば、大当りに制御すると決定したときには、キャラクタの演出画像や祝福音を報知するなどの大当り演出を実行してもよい。
このようなパチンコ遊技機において、たとえば、管理者モードとしては、演出の設定内容(音、色、キャラクタ、役物の動作など)を変更または確認する状態、および大当り抽選(時短、確変)の当選確率を変更または確認する状態について適用できる。また、設定確認状態としては、演出の設定内容(音、色、キャラクタ、役物の動作など)を確認する状態、および大当り抽選(時短、確変)の当選確率を確認する状態について適用できる。また、設定変更状態としては、演出の設定内容(音、色、キャラクタ、役物の動作など)を変更する状態、および大当り抽選(時短、確変)の当選確率を変更する状態について適用できる。適用例について以下説明する。
たとえば、管理者が演出の設定内容(音、色、キャラクタ、役物の動作など)を変更または確認する状態、または大当り抽選(時短、確変)の当選確率を変更または確認する状態に移行したときに、設定スイッチがon状態になることで設定中信号が外部出力信号として外部出力されるようなものであってもよい。
また、たとえば、管理者が演出の設定内容(音、色、キャラクタ、役物の動作など)を変更または確認する状態、または大当り抽選(時短、確変)の当選確率を変更または確認する状態から通常の遊技状態に移行した後においては、エラー処理が実行されているときには外部出力信号の外部出力が維持されるのに対して、エラー処理が実行されていないときには外部出力信号の外部出力が終了するようなものであってもよい。
また、たとえば、演出の設定内容(音、色、キャラクタ、役物の動作など)を変更する状態、または大当り抽選(時短、確変)の当選確率を変更する状態において異常が発生したときに当該変更状態の終了後にエラー処理が実行されず、演出の設定内容(音、色、キャラクタ、役物の動作など)を確認する状態、または大当り抽選(時短、確変)の当選確率を確認する状態においてエラーが検出され異常が発生したときには当該確認状態の終了後にエラー処理が実行されるようにしてもよい。
[スロットマシンの変形例について]
上記実施形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すスロットマシンを説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式のスロットマシンを採用してもよい。基盤とドラムとが流通可能で、筺体が共通なもので基盤のみあるいは基盤とドラムとを遊技機と称する。また、遊技玉を発射して遊技を行うことが可能な遊技領域を備え、遊技領域に設けられた所定領域を遊技玉が通過することに応じて賭数の設定が可能となるスロットマシンであってもよい。
[特典について]
前述した例では、特典として、AT当選など、メダルやパチンコ玉の払出率に直接影響を及ぼす価値を例示した。しかし、特典としては、遊技者にとっての有利度合いを向上させる価値であればよく、たとえば、メダルの払出率に直接影響を及ぼすものではない価値であってもよい。具体的に、AT抽選において通常時よりも高確率でAT当選する高確率状態が設けられている場合において、現在の状態が高確率状態であるか否かを示唆するための確率示唆演出の実行、液晶表示器51に音声とともにプレミア演出の実行(特別キャラクタ出現、次回発生したボーナス中において特別なボーナス中演出実行など)、設定されている設定値を示唆するための設定値示唆演出の実行、一定数を集めることでスロットマシン1が設置された遊技店において定めたサービスと交換可能なポイント付与、特典映像や特典情報を所定のWebサイトにてダウンロードすることが可能な2次元コードを液晶表示器51において表示などであってもよい。
また、Tに関する特典としては、これに限らず、たとえば、ATに所定ゲーム数(たとえば50ゲーム)制御可能にする権利(ナビストック)を特典としてもよい。また、ナビ演出を実行可能なナビ演出実行可能回数を決定し、当該決定されたナビ演出実行可能回数分、ナビ演出が実行されるまでATに制御する場合、ナビ演出実行可能回数を特典としてもよい。また、たとえば、上限付与量を決定し、付与された遊技用価値(メダル払出枚数)が決定された上限付与量に到達するまでATに制御する場合、上限付与量を特典としてもよい。また、所定のAT開始条件が成立してから所定のAT終了条件が成立するまでATに制御され、AT終了条件が成立したときに当該ATを継続するか否かの継続抽選を行う場合、継続抽選において継続すると決定される継続確率を特典としてもよい。
[有利な状態について]
前述した例では、有利な状態として、ATなどを例示したが、遊技者にとって有利な状態であればこれに限るものではなく、以下においてスロットマシンの例を説明する。
有利な状態は、たとえば、所定の入賞役の当選確率が高確率となるレギュラーボーナス(RB)やリプレイタイム(RT)、小役の集中状態や、少なくとも1のリールの引き込み可能範囲が通常よりも狭くなるとともに毎ゲームにおいてすべての小役の発生が許容された状態となるチャレンジタイム(CT)、入賞役の当選確率などを変化させるものではなく当選した小役を入賞させるための操作手順を所定期間(たとえば50ゲーム消化するまでの間)に亘って報知する擬似ボーナスなどであってもよい。また、これらの有利な状態に制御される確率が高確率となる状態であってもよく、また、フリーズ状態に制御される確率が高確率の状態、ATゲーム数などのゲーム数が高確率で上乗せされる状態、ATの上乗せゲーム数が増加されやすくなる状態など、上記実施形態と異なる態様の有利状態を設定してもよい。また、通信回線網上で特典を得るための条件や、プレミアム感のある演出(フリーズ演出、プレミアム演出など)を実行する条件の成立確率が高確率となる状態等、遊技者にとって間接的に有利な特典や、遊技の興趣を向上させる状態などであってもよい。また、有利な状態への移行を許容するか否かを決定する許容決定手段は、内部抽選処理に限らず、入賞役とは無関係に決定する手段であってもよい。
また、有利な状態とは、たとえば、特典を付与するか否かを決定する特典付与抽選において、「特典が付与される確率」、および「特典が付与されることが決定されたときに付与される特典の価値(または特典量の期待値)」のうちの少なくとも一方が、通常の状態(有利な状態とは異なる状態)よりも高い状態としてもよい。また、有利な状態とは、特典付与抽選の実行契機の数が、該通常の状態よりも多いものとしてもよい。また、有利な状態とは、特典を付与させるために消化することが必要な消化必要ゲーム数が、通常の状態よりも少なくなる状態としてもよい。
たとえば、特典をATゲーム数とした場合には、有利な状態とは、通常の状態よりも、「AT抽選でのAT当選確率」、および「AT抽選でのAT当選した場合に付与されるATゲーム数の価値」のうちの少なくとも一方が、通常の状態よりも高い状態としてもよい。また、有利な状態とは、AT抽選の実行契機の数が、該通常の状態よりも多いものとしてもよい。たとえば、通常の状態でのAT抽選の実行契機が、第1役当選および第2役当選とした場合には、有利な状態でのAT抽選の実行契機は、第1役当選および第2役当選に加えて第3役当選としてもよい。
[演出や報知について]
前述した例では、液晶表示器51を用いて演出や報知を行う例を挙げたが、たとえば、スピーカ53,54、リールの背面側(内側)に配置されたバックランプ(上記実施形態のリールLED55)、リールの前面側に配置された透過液晶表示器(リールを目視できるように構成された液晶表示器)、前面扉1bなどに取り付けられたランプやLED、ストップスイッチの振動、ストップスイッチの周囲からの送風、ストップスイッチの温度の変化など、上記の実施形態と異なる手段で演出を実行してもよい。
[ATについて]
上記スロットマシンの例では、ATに係る制御をメイン制御部41が実行する例について説明したが、メイン制御部41が実行するATに係る制御としては、AT抽選の実行が挙げられる。AT抽選には、AT抽選の当選または非当選の決定、ATゲーム数をストックするか否かの決定、ATゲーム数の決定、ATゲーム数の上乗せ抽選などが含まれるものであってもよい。また、ATに係る制御としてAT抽選の高確率状態の制御が挙げられる。AT抽選の高確率状態の制御には、AT抽選の当選確率が高確率になる制御、内部抽選の結果に応じてATに制御されるまでの期間を短縮する制御、上乗せ抽選の当選確率やゲーム数を優遇する制御などが含まれる。また、ATに係る制御として、規定ゲーム数のゲームが消化されたときにATに制御することが挙げられる。規定ゲーム数のゲームが消化されたときとして、天井ゲーム数に到達したとき、抽選で決定されたゲーム数に到達したときが含まれる。また、ATに係る制御として、前兆期間を設定する制御が挙げられる。前兆期間を設定する制御には、ATの開始前の前兆期間にたとえば0〜32ゲームの演出を実行する制御が含まれる。また、ATに係る制御として、ペナルティを付与する制御が挙げられる。ペナルティを付与する制御には、ペナルティ内容の決定、ペナルティ期間の決定または設定が含まれる。また、ATに係る制御として、AT中である旨のランプやLEDの点灯制御をメイン制御部41が行うことが挙げられる。
また、ATに係る制御として、ナビ演出を実行するためのランプやLEDの点灯制御をメイン制御部41が行うことが挙げられる。さらに、メイン制御部41がナビ演出を実行することに連動してサブ制御部91がナビ演出を実行するようにしてもよい。さらに、メイン制御部41は、たとえばAT抽選の高確率状態に制御するときなど抽選確率を向上させるときに、その旨をランプやLED(たとえば、遊技補助表示器12など)の点灯制御によって報知するようにしてもよい。より具体的に、メイン制御部41は、遊技補助表示器12によりナビ演出を所定回数実行することによりAT抽選の高確率状態に制御する旨を報知するようにしてもよい。あるいは、メイン制御部41は、サブ制御部91にナビ演出を所定回数実行させることによりAT抽選の高確率状態に制御する旨を報知するようにしてもよい。
なお、ATに係る制御をメイン制御部41が実行する場合には、メイン制御部41の処理を、メイン制御部41に従属し、メイン制御部41の下位となる制御部に実行させることが好ましい。たとえば、リールの停止制御を遊技制御基板以外の基板に設けた制御部が実行するようにし、メイン制御部41はストップスイッチの操作信号を当該制御部に転送することが挙げられる。このように、メイン制御部41の制御を下位となる制御部に行わせることにより、ATに係る制御を行うときのROM41bやRAM41cの容量不足やメインCPU41aの処理能力不足を防止することができる。
また、前述した実施の形態では、前述したATに係る制御をメイン制御部41が実行するようにしたが、サブ制御部91が実行するようにしてもよい。サブ制御部91は、たとえば、メイン制御部41からの内部当選コマンドに基づいてAT抽選処理や上乗せ抽選処理を行い、その結果に応じてATに制御するための処理やナビ演出を実行するための処理などを行うようにしてもよい。
[設定変更状態および設定確認状態について]
設定変更状態に関して、「電源on」+「設定キースイッチON」+「前面扉開放検出」を条件として、設定変更状態に移行させるようにしてもよい。これにより、前面扉が開放されていない状態での不正な設定変更を防ぐことができる。また、一旦設定変更状態に移行された後は、設定変更状態を終了させる終了条件(設定値確定後に設定キースイッチがoff操作)が成立するまで前面扉の開閉状態に関わらず設定変更状態を維持するようにしてもよい。これにより、設定変更状態中に前面扉が閉まっても設定変更状態を終了させないため、再度設定変更状態へ移行させる手間を生じさせてしまうことを防ぐことができる。
また、設定確認状態に関して、「設定キースイッチon」+「前面扉開放検出」を条件として、設定確認状態に移行させるようにしてもよい。これにより、前面扉が開放されていない状態での不正な設定確認を防ぐことができる。また、一旦設定確認状態に移行された後は、設定確認状態を終了させる終了条件(設定キースイッチがoff操作)が成立するまで前面扉の開閉状態に関わらず設定確認状態を維持するようにしてもよい。これにより、設定確認状態中に前面扉が閉まっても設定確認状態を終了させないため、再度設定確認状態へ移行させる手間を生じさせてしまうことを防ぐことができる。
前述した実施の形態では、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能なリールを複数備え、リールを変動表示した後、リールの変動表示を停止することで表示結果を導出し、複数のリールの表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能なスロットマシンについて説明した。すなわち、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を複数備え、前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、複数の可変表示部の表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能なスロットマシンについて説明した。しかし、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンであれば、3つのリールを備えるものに限らず、1のリールしか備えないものや、3以外の複数のリールを備えるスロットマシンであってもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。