JP6760818B2 - 運行業務支援装置 - Google Patents
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Description
列車は、同一路線を運行するときでも、10両編成又は15両編成など編成両数が異なる場合がある。また、編成両数に応じて駅のホームの停車位置が異なることがある。さらに、一つの路線の途中、特定の駅で、編成の切り離し又は連結が行われることもある。したがって、列車の乗員は、列車の編成両数を正確に把握して運行業務を行うよう要求される。
特許文献1には、本発明に関連する先行技術として、複数のカメラでホーム上を撮影し、これらの映像を合成してディスプレイに出力させることで、運転士が運転席に居ながらホームおよび列車の状態を十分に監視できるようにした支援システムが示されている。
多くのウェアラブル端末は、測位デバイスやモーションセンサなどを有するタブレット端末と、無線により通信接続する機能を備えている。また、測位デバイスやモーションセンサなどを備えるウェアラブル端末もある。従って、これらのデバイスを用いることで、列車の走行位置に応じた情報提示も実現可能であると考えられた。
本発明は、駅毎に編成両数の情報を持たない時刻表データを利用しつつ、ウェアラブル端末を用いて列車の編成両数に応じた運行業務の支援に十分対応できる運行業務支援装置を提供することを目的とする。
身に着けられるウェアラブル表示部と、
前記ウェアラブル表示部の表示内容を制御するデータ処理部と、
列車の始発時の編成両数と、路線上の複数の駅の各駅名と、各駅の運行時刻と、前記複数の駅のうち特定の駅における編成両数の変更情報とを含む運行管理情報が格納された時刻表データを記憶する記憶部と、
前記列車の走行位置を推測する走行位置推測部と、
推測された前記列車の走行位置から情報表示の対象駅を決定する対象駅決定部と、
を備え、
前記データ処理部は、
前記対象駅の前記運行管理情報に前記編成両数の変更情報がない場合に、前記始発時の編成両数又は前記対象駅以前の駅の前記編成両数の変更情報に基づいて、前記対象駅を運行する際の編成両数を求め、前記対象駅の駅名、運行時刻、編成両数を、前記ウェアラブル表示部に表示させることを特徴とする運行業務支援装置とした。
ここで、ウェアラブル表示部、データ処理部、記憶部、走行位置推測部、および対象駅決定部の複数の構成要素は、1つの筐体内(例えばウェアラブル端末内)に集約されていても良い。或いは、これらの複数の要素のうち何れか1つ又は複数が複数の筐体(例えばウェアラブル端末内、タブレット端末内)に分かれて搭載され、互いが通信を行うことで、協働して動作する構成としてもよい。また、これら複数の要素のうち、記憶部とデータ処理部の一方又は両方は、列車外のサーバ装置に搭載され、他の要素と通信を行うことで、協働して動作する構成としてもよい。
加速度を計測するモーションセンサを備え、
前記データ処理部は、
前記対象駅の前記運行管理情報に前記編成両数の変更情報がある場合に、前記対象駅の駅名、運行時刻、編成両数の変更情報を、前記ウェアラブル表示部に表示させ、且つ、前記走行位置推測部によって推測された走行位置と前記モーションセンサの測定値に基づいて、前記編成両数の変更情報の表示を、編成両数の表示へ切り替える構成としてもよい。
図1は、本発明の実施の形態に係る運行業務支援装置を示すブロック図である。
本発明の実施形態の運行業務支援装置は、列車の運行業務の支援を行う装置であり、可搬型端末10とウェアラブル端末30とを備える。運行業務支援装置は、列車の乗員(例えば運転士、車掌など)により所持され、ウェアラブル端末30は乗員の身に付けられて使用される。
記憶装置11は、不揮発性メモリなどであり、路線座標データ11aと、時刻表データ11bとが記憶される。路線座標データ11aには、路線および各駅の位置を表わす座標が格納されている。時刻表データ11bには、列車が運行する路線上の複数の駅の運行管理情報が、各々の駅毎にまとめられ、路線に沿った駅順に表形式に配列されている。時刻表データ11bの詳細は後述する。
表示部15は、画像を表示するデバイスであり、複数の駅の運行管理情報を表示可能な大きさを有する。
操作部16は、例えばデジタイザであり、操作者が表示部15の画面上をタッチするなどして操作指令を入力できる。
対象駅決定部22は、路線上の複数の駅の中から、次の情報表示の対象駅を決定する。例えば、対象駅決定部22は、走行位置推測部21によって推測された列車の走行位置から、或る駅を出発又は通過したことを判別すると、次の駅を情報表示の対象駅に決定する。なお、対象駅決定部22は、走行位置と加速又は減速などの動きの検出結果から、次に向かう駅を判別して、これを対象駅と決定してもよい。また、対象駅決定部22は、走行位置と時間とから次に向かう駅を判別して、これを対象駅と決定してもよい。また、対象駅決定部22は、次の駅まで所定距離の位置に列車が到達したことを判別して、次の駅を対象駅に決定してもよい。
ウェアラブル・データ処理部25は、ウェアラブル端末30の表示内容の制御と、ウェアラブル端末30に表示指令および通知指令を出力する制御とを行う。ウェアラブル・データ処理部25が表示内容を決定し、表示指令を出力することで、この表示内容のデータがウェアラブル端末30へ無線送信されて、ウェアラブル端末30でこの表示内容の画像出力が行われる。また、ウェアラブル・データ処理部25が、通知指令を出力することで、通知指令がウェアラブル端末30へ無線通信されて、ウェアラブル端末30で通知動作が行われる。
無線通信部31は、近距離無線通信により可搬型端末10の無線通信部14と通信可能に接続する。
表示部32は、画像を表示するデバイスであり、可搬型端末10の表示部15と比較して小さな画面を有する。表示部32には、複数の駅の運行管理情報を一度に表示するのは難しい。
制御部34は、ウェアラブル端末30の各部の制御を行う。制御部34は、例えば、無線通信部31を介して可搬型端末10から表示内容の情報と通知の指令とを受信すると、これらに従って、表示部32に画像の表示出力を行わせ、報知部33を動作させる。
図2は、時刻表データの一例を示す図である。
時刻表データ11bは、列車ごとに路線の始発駅から終着駅にかけて各駅の運行管理情報が表わされたデータである。運行管理情報には、列車の情報として、列車を識別する列車番号、当初の編成両数、および最高速度などが含まれる。また、運行管理情報には、各駅の運行管理情報として、路線上の各駅名、駅間の運転時間、各駅の運行時刻(着時刻、発時刻、通過時刻)、着発する駅の番線を示す着発線、各駅の制限速度、様々な情報を記すことのできる記事の情報が含まれる。駅名、着時刻、発時刻(又は通過時刻)、着番線、制限速度、および記事の情報は、路線上の駅毎にまとめられ、路線に沿った駅の順番で表形式に配列されている。
続いて、可搬型端末10とウェアラブル端末30とによって実行される時刻表提示処理について説明する。
図3は、可搬型端末の制御部により実行される時刻表提示処理の手順を示すフローチャートである。図4は、時刻表停止処理による可搬型端末の表示例を示す図である。図5は、時刻表提示処理によるウェアラブル端末の表示例と表示の切り替えタイミングの一例を説明する図である。
このようなウェアラブル端末30の表示によれば、乗員は、可搬型端末10の時刻表を見ることができない状況であっても、ウェアラブル端末30の表示を見ることで、列車の編成両数を把握することができる。従って、編成両数に応じてホームの停止位置が異なる場合でも、停止位置を間違えることなく、列車の運行業務を遂行することができる。
さらに、編成両数が変更される駅で、列車が停止した際には、ウェアラブル端末30の表示は、識別マーク「[併]」又は「[分]」が除去されて、予定される変更後の編成両数の表示へと切り替わるので、乗員は、この駅の出発時の編成両数を把握できる。従って、乗員は、編成の連結又は切り離しの操作後の列車の状態を間違いなく把握できるという効果が得られる。
図6は、ウェアラブル端末の表示の切り替えタイミングのその他の例を説明する図である。
上述した実施形態において、ウェアラブル端末30の表示の更新タイミング、および、編成両数が変更される駅における「[併]」又は「[分]」の識別マークの除去タイミングは、適宜変更可能である。
例えば、図6の例に示すように、前駅の運行管理情報の表示から、次駅の運行管理情報の表示へ切り替わるタイミングは、次駅のブレーキ開始地点の所定距離手前の地点を通過したタイミングとしてもよい。このような制御は、図3のステップS4の処理を変更し、対象駅決定部22が、路線座標データ11aと走行位置とを比較して、上記地点を通過したタイミングで、ステップS5へ処理を移行することで実現できる。
続いて、時刻表データ11bの着時刻と発時刻のデータが、文字データからなり、時の桁が前駅と同じ場合に省略され、もしくは、秒の桁が「00」である場合にも省略される構成である場合について説明する。
このような時刻表データ11bであると、ウェアラブル・データ処理部25が、時刻表データ11bの着時刻のデータと発時刻のデータをそのまま表示画像として作成した場合、或る駅では、ウェアラブル端末30に時の桁もしくは秒の桁が表示されず、分かりにくい表示となってしまう。
そして、ウェアラブル・データ処理部25は、データが補われた着時刻又は発時刻のデータをウェアラブル端末30に送信する。これにより、ウェアラブル端末30に、時桁もしくは秒桁が補われた、分かりやすい着時刻と発時刻の表示を行うことができる。
11 記憶装置(記憶部)
11b 時刻表データ
12 測位装置
13 モーションセンサ
14 無線通信部
15 表示部
20 制御部
21 走行位置推測部
22 対象駅決定部
24 データ処理部
25 ウェアラブル・データ処理部(データ処理部)
30 ウェアラブル端末
31 無線通信部
32 表示部(ウェアラブル表示部)
33 報知部
34 制御部
40 時刻表表示
41 見出し欄
42 管理情報欄
44 現在位置マーク
Claims (2)
- 身に着けられるウェアラブル表示部と、
前記ウェアラブル表示部の表示内容を制御するデータ処理部と、
列車の始発時の編成両数と、路線上の複数の駅の各駅名と、各駅の運行時刻と、前記複数の駅のうち特定の駅における編成両数の変更情報とを含む運行管理情報が格納された時刻表データを記憶する記憶部と、
前記列車の走行位置を推測する走行位置推測部と、
推測された前記列車の走行位置から情報表示の対象駅を決定する対象駅決定部と、
を備え、
前記データ処理部は、
前記対象駅の前記運行管理情報に前記編成両数の変更情報がない場合に、前記始発時の編成両数又は前記対象駅以前の駅の前記編成両数の変更情報に基づいて、前記対象駅を運行する際の編成両数を求め、前記対象駅の駅名、運行時刻、編成両数を、前記ウェアラブル表示部に表示させることを特徴とする運行業務支援装置。 - 加速度を計測するモーションセンサを備え、
前記データ処理部は、
前記対象駅の前記運行管理情報に前記編成両数の変更情報がある場合に、前記対象駅の駅名、運行時刻、編成両数の変更情報を、前記ウェアラブル表示部に表示させ、且つ、前記走行位置推測部によって推測された走行位置と前記モーションセンサの測定値に基づいて、前記編成両数の変更情報の表示を、編成両数の表示へ切り替えることを特徴とする請求項1記載の運行業務支援装置。
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