JP6760092B2 - 真空バルブ - Google Patents

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Description

本発明は、真空バルブに関する。
半導体やフラットパネルディスプレイ等の製造装置では、チャンバ内圧力を予め設定した所定圧力に自動調整する真空バルブが使用される。そのような真空バルブの一つとして、特許文献1に記載のような振り子式のスライドバルブが知られている。振り子式バルブでは、弁体をモータで駆動して駆動面内で回転させ、ガス流路となる開口面積に相当する開度θを変更することで、ガスの流れやすさの指標であるコンダクタンスを調整している。特に、目標圧力近傍では開度の微調整が必要なため、弁体を駆動するモータとしてステッピングモータが一般的に使用されている。
弁体駆動方式には、減速機構を用いる方式とダイレクト駆動方式とがあるが、高速駆動およびバックラッシュ低減などの応答性の観点からダイレクト駆動方式の方が有望である。開度微調整のためには、1ステップの角度分解能を向上させる必要がある。ダイレクト駆動方式の場合、ステップ分割数が非常に多く、ほぼ無段階で円滑な駆動が可能なマイクロステップ制御が採用される。
特開2011−137537号公報
マイクロステップ制御では正弦波状の電流がモータの各相に通電されるが、相電流がゼロクロスする近傍において歪みが発生しやすい。そのため、ゼロクロス近傍の電流値が保持電流として通電される開度に弁体を保持する場合、いずれかの相の保持電流が、ゼロクロス近傍の歪みによって本来の正弦波状電流値からずれてしまうことにより、弁体が振動発振する可能性があった。
本発明の好ましい実施形態による真空バルブは、弁体をステッピングモータで駆動して前記弁体の開度を制御する真空バルブであって、開度変化に対する圧力変化率が最も大きくなる開度と、モータ電流のゼロクロス点における開度との間に開度ずれが設定されている。
さらに好ましい実施形態では、前記開度ずれの値は、前記ステッピングモータの基本ステップ角の1/2に設定されている。
本発明の好ましい実施形態による真空バルブは、弁体を駆動するステッピングモータと、前記弁体の開度を検出する検出部と、前記ステッピングモータを制御する制御部と、を備える真空バルブであって、前記制御部は、前記検出部で検出された開度とモータ電流ゼロクロス点の開度との差分が差分閾値よりも小さく、かつ、バルブ吸気側圧力値のバルブ調整目標圧力値に対する偏差率の大きさが偏差率閾値よりも小さい第1の状態では、前記第1の状態を除く第2の状態におけるゲインよりも小さなゲインで制御を行う。
さらに好ましい実施形態では、開度変化と圧力変化率との関係を表すプラントゲインに基づいて前記弁体の開度制御が行われる。
本発明によれば、ゼロクロス点近傍における調圧性能の改善を図ることができる。
図1は、真空バルブの概略構成を示す図である。 図2は、バルブ本体の平面図である。 図3は、開度制御の一例を示すブロック図である。 図4は、プラントゲインGpの一例を示す図である。 図5は、モータ駆動部の構成の一例を示すブロック図である。 図6は、モータおよびインバータを説明する図である。 図7は、モータ電流を説明する図である。 図8は、プラントゲインの逆数1/Gpと相電流との関係を説明する図である。 図9は、開度θzと開度θminとを、基本ステップθsmの1/2倍だけずらした場合を示す図である。 図10は、第2の実施の形態におけるバルブ制御を説明するブロック図である。 図11は、第2の実施の形態においてプラントゲインGpを用いないで制御を行う場合のブロック図である。
以下、図を参照して本発明を実施するための形態について説明する。
−第1の実施の形態−
図1は、本実施の形態の真空バルブ1の概略構成を示す図である。真空バルブ1は、バルブ本体1aとバルブ制御装置1bとを備える。バルブ本体1aは真空装置の真空チャンバ3と真空ポンプ4との間に設けられている。真空ポンプ4は、バルブ本体1aを介して真空チャンバ3を排気する。真空チャンバ3には、プロセスガス等のガスが導入される。真空チャンバ3の圧力は真空計31によって計測される。
バルブ本体1aには、弁体であるバルブプレート12と、バルブプレート12を揺動駆動するモータ13が設けられている。モータ13には、モータ13の回転の速度および位置を検出するための速度・位置検出器130が設けられている。速度・位置検出器130には、エンコーダやレゾルバ等が用いられる。本実施の形態では、モータ13にはステッピングモータが用いられる。
図2は、バルブ本体1aの平面図である。バルブプレート12をモータ13により揺動駆動すると、バルブプレート12が水平方向にスライド駆動されてバルブ開閉動作が行われる。バルブプレート12は、バルブ開口部11aの全体に対向する全遮蔽位置C2と、バルブ開口部11aに全く対向しない全開放位置C1との間の任意の位置にスライド移動させることができる。
バルブプレート12によるバルブ開口部11aの遮蔽状態は、開度と呼ばれるパラメータで表される。開度とは、比=(バルブプレートの揺動角):(全遮蔽状態からバルブ開口部11aが全て解放されるまでの揺動角)をパーセントで表したものである。図2の全遮蔽位置C2は開度=0%であり、全開放位置C1は開度=100%である。すなわち、バルブプレート12の開度を調整することにより、真空バルブ1のコンダクタンスを制御する。
図1に示すように、バルブ本体1aはバルブ制御装置1bによって制御される。バルブ制御装置1bには、制御部21、モータ駆動部22および記憶部23等が設けられている。制御部21は、速度・位置検出器130からの速度検出信号ωr、位置検出信号(以下では開度計測値と呼ぶことにする)θr、および上位のコントローラから入力される目標圧力値Psに基づいて開度指令θsおよび速度指令ωsを演算し、演算結果をモータ駆動部22へ出力する。モータ駆動部22は、開度指令θsおよび速度指令ωsに基づいてモータ13を駆動制御する。記憶部23には、後述するプラントゲインGpを含めバルブ制御に必要なデータが記憶されている。なお、速度検出信号ωrは制御部21に取り込んだ開度計測値θrを差分演算することで求めても良い。
(バルブ開度制御)
図3は、制御部21で行われる開度制御の一例を示すブロック図である。真空バルブ1のバルブ開度の変化dθと真空チャンバ3の圧力変化dPとの関係は、式(1)に示す排気の式に基づいて与えられる。式(1)において、S(Q,θ)は、真空チャンバ3,バルブ本体1aおよび真空ポンプ4を含む真空システムのコンダクタンスSである。コンダクタンスSは、真空ポンプ4の排気速度Spと真空バルブ1のコンダクタンス(以下では、バルブコンダクタンスと呼ぶ))Cとを用いて、「(1/S)=(1/Sp)+(1/C)」のように表される。一般的に、コンダクタンスSは、S(Q,θ)のように開度θだけでなく真空チャンバ3に流入するガスの流量Qにも依存している。V[m]は真空チャンバ3の容積であり、P[Pa]は真空チャンバ3内の圧力である。
Q=V・(dP/dt)+P・S(Q,θ) …(1)
式(1)から、この真空システムにおける、平衡点近傍の開度θの変化dθと圧力の変化dPの関係を求める。ここで、平衡点では流量一定、圧力変化dP/dtが0であるので式(1)はQ=P・S(Q,θ)となる。増分dPとdSの関係はQ=(P+dP)・(S+dS)とQ=P・Sの差分より、0=P・dS+S・dP。一方、dS=(dS/dθ)・dθであるから両式より、式(2)が求まる。
dθ=−{(1/P)・S/(dS/dθ)}・dP …(2)
式(2)をさらに変形すると、次式(3)が得られる。すなわち、圧力変化率(dP/P)は、開度変化dθに対して「−1/{S/(dS/dθ)}」の傾きで比例している。比例係数「1/{S/(dS/dθ)}」はプラントゲインGpと解釈することができ、1/Gp=S/(dS/dθ)の値が最小となるときに最も敏感に圧力値が変化することを表している。言い換えると、この最小点では開度変化に対する圧力変化率が最も大きくなる。図4は、プラントゲインGpの一例を示したものである。図4では、縦軸はプラントゲインの逆数1/Gpを示す。1/Gpは、比較的小さな開度θminにおいて最小値を示している。
dP/P=−dθ/{S/(dS/dθ)} …(3)
図3に示すように、制御部21は、目標圧力値Psに対する圧力計測値Prの偏差である圧力偏差ΔP(=Pr−Ps)を解消する開度操作量Δθを算出し、開度指令θs(=θr+Δθ)および、別途演算される速度指令ωsをモータ駆動部22に出力する。このときの開度操作量Δθは、圧力偏差ΔPを解消するための圧力変化(−ΔP)を発生させるものであり、式(2)の関係を用いると式(4)のように表される。式(4)において、Kpは圧力偏差ΔPに対する比例ゲインである。
Δθ={(1/P)・S/(dS/dθ)}・Kp・ΔP
=(1/P)・(1/Gp)・Kp・ΔP …(4)
例えば、Pr>Psであった場合には、ΔP>0なので、式(4)のΔθはΔθ>0となる。すなわち、圧力が低下するように開度θを増加させる。式(4)の関係をブロック図に表すと、図3のようなブロック図となる。算出されたΔθに開度計測値θrが加算され、加算された値を圧力指令θs(=θr+Δθ)としてモータ駆動部22に出力する。なお、上述した例では、比例ゲインを用いる場合を例に説明したが、積分成分、微分成分、その他のフィードバック制御時にも適用することができる。なお、プラントゲインGpあるいはプラントゲインの逆数値(1/Gp)は、バルブ制御装置1bに設けられた記憶部23に記憶されている。また記憶されている数値は流量、開度を離散的なパラメータとしたマトリックスデータとなる。
(モータ制御)
図5は、モータ駆動部22の構成の一例を示すブロック図である。モータ駆動部22は、モータ13に電流を供給するインバータ210と、インバータ210にPWMスイッチング信号を出力するモータ制御部200とを備えている。インバータ210からモータ13に電流を供給するラインには、電流検出センサ220が設けられている。モータ制御部200は、速度・位置制御部202、電流制御部204およびPWM信号生成部206を備えている。
速度・位置制御部202は、制御部21から入力される開度指令θs、速度指令ωsおよび速度・位置検出器130から入力される開度計測値θr、速度検出信号ωrに基づいて、目標電流値指令iαs,iβsを演算する。電流制御部204には、目標電流値指令iαs,iβsと電流検出センサ220により検出された電流値iαr,iβrとの差分が入力される。電流制御部204は、入力された差分をゼロに近づけるような電圧指令をPWM信号生成部206に出力する。PWM信号生成部206は、電流制御部204から入力された電圧指令に基づいて、インバータ210の各スイッチング素子をスイッチングするためのPWMスイッチング信号を生成する。なお、速度検出信号ωrは制御部202において開度計測値θrの差分演算を行い求めても良い。
図6はモータ13およびインバータ210を説明する図であり、図6(a)はモータ13を示し、図6(b)はインバータ210を示す。本実施の形態ではモータ13にステッピングモータが用いられる。図6(a)に示す例では2相のハイブリッド(HB)型ステッピングモータが用いられており、ロータ132の周囲にステータコイル134A,134Bが複数配置されている。例えば、2相8極モータであればA相(+)、B相(+)、A相(-)、B相(-)・・・のように8つのコイルが配置されている。さらにA相(-)のコイルはA相(+)を逆巻にしたものであり、後述する2つのブリッジ回路へA相、B相を各々バイポーラ接続するためにA相(+)、A相(-)間、B相(+)、B相(-)間で各極のコイル同士が配線されている。
ロータ132は、軸方向にNSに着磁された永久磁石の軸方向両端を、2つの回転子鉄心132a,132bで挟み込んだ構造になっている。各回転子鉄心132a,132bの外周には複数の小歯133が形成されている。2つの回転子鉄心の小歯は1/2ピッチずれて形成されている。
インバータ210には、4つのスイッチング素子S1〜S4を用いたフルブリッジ回路が、各相コイル毎に設けられている。図6(b)では、A相に関する各極コイルを配線したコイルを改めてA相コイルとし、B相に関する各極コイルを配線したコイルを改めてB相コイルとして各々フルブリッジ回路210A,210Bへ接続した図を示した。フルブリッジ回路210A,210Bのスイッチング素子S1〜S4にはトランジスタやIGBT等が用いられ、各スイッチング素子S1〜S4にはダイオードD1〜D4が並列接続されている。PWM信号生成部206からのスイッチング信号によりインバータ210のスイッチング素子S1〜S4をオンオフ制御することにより、各相コイルに通電する。
このようなステッピングモータの基本ステップ角θsmは、θsm=180/mNr(deg)で与えられる。なお、mはステータの相数、Nrはロータの小歯の数である。モータ13は、2相で、Nr=50に設定されているので、θsm=1.8(deg)である。
マイクロステップ制御は、基本ステップ角θsmをさらに電気的に細分化して駆動するものであり、A相コイルとB相コイルの電流配分を徐々に変化させることで、基本ステップ角θsmの間が複数のステップに分割される。一般的には、図7に示すような正弦波状電流がA相コイルおよびB相コイルに通電される。
図7(a)は、所定の開度に位置決めする際のA相電流およびB相電流の状況を説明する図である。符号IaacおよびIadcで示すラインはA相電流を示し、符号IbacおよびIbdcで示すラインはB相電流を示す。時刻tAまでは、正弦波状電流Iaac,IbacがA相電流およびB相電流として通電され、モータ13は回転駆動される。そして、時刻tA以後は、A相電流は一定の電流値Iadcに保持され、B相電流は一定の電流値Ibdcに保持される。その結果、図1のバルブプレート12は、時刻tAにおいて電流値Iadc,Ibdcで決まる所定の開度θAに停止され、それ以後は開度θAに保持される。
なお、図7(a)では、曲線Iaac,Ibacを滑らかな正弦波曲線で示しているが、基本ステップθsmをさらに複数のステップに分割して駆動するマイクロステップ制御では、詳細に見ると正弦波近似の階段状電流となっている。
前述したように、マイクロステップ制御では正弦波状の相電流が通電されるが、相電流がゼロクロスするゼロクロス点ZCの近傍において歪みが発生しやすい。図7(b)は、破線Dで示す領域を拡大した図である。例えば、符号Iaacで示す正弦波状電流の波形が符号Eで示すラインのように歪んでいる場合、保持電流Iadcは電流Ieのように下方にずれてしまうことになり、バルブプレート12が振動発振するおそれがある。
さらに、図8に示すように、プラントゲインの逆数1/Gpが最小となる開度が、相電流がゼロクロスとなる開度に一致する場合(または、近傍にある場合)を考える。図8は、開度θに対するA相電流およびB相電流の変化とプラントゲインの逆数1/Gpの変化とを示す図であり、点Pはプラントゲインの逆数1/Gpが最小となる点である。図7では横軸は時間であったが、図8では横軸は開度θである。この場合、ゼロクロス点ZCの近傍では開度変化に対して最も敏感に圧力値が変化するので、保持開度の位置ズレが僅かであっても大きな圧力値ズレが発生することになる。その結果、調圧性能が大きく低下することになる。
また、プラントゲインの逆数1/Gpが最小となる開度θminがゼロクロス点ZCの開度θzにほぼ一致している場合には、開度θzの近傍に停止しない場合であっても、その開度を通過して調圧を行う場合に調圧応答性能が低下することになる。
そこで、本実施の形態の真空バルブ1では、相電流がゼロクロスとなる開度θzとプラントゲインの逆数1/Gpが最小となる開度θminとを、ゼロクロスにおける電流波形の歪みの影響を受けない程度ずらすようにした。図9は一例を示したものであり、開度θzと開度θminとを、基本ステップθsmの1/2倍だけずらすように構成した。図9からも分かるように、ゼロクロス点は0.9(deg)間隔で存在するので、プラントゲインの逆数1/Gpが最小となる開度θminの位置が、隣接する2つゼロクロス点の中間位置となるようにずらし量を設定するのが好ましい。
プラントゲインGpはバルブ制御装置1bに設けられた記憶部23に記憶されており、プラントゲインGpとバルブプレート12の開度θとの関係は少なくとも製品としてユーザへ出荷する前までに予め分かっている。また、モータ13の電気角90度の間隔でゼロクロス点が定まるが、そのゼロクロス点となる電気角とエンコーダ(速度・位置検出器130)の位置関係も少なくとも製品としてユーザへ出荷する前までに予め分かっている。そのため、ユーザへ出荷する前までに、バルブプレート12とモータ軸との接続関係を、図9に示すような相電流と1/Gpとの関係が満たされるように設定すれば良い。
例えば、バルブプレート12の回転軸とモータ軸との位相関係を調整する機構を設けるようにして、組立時や組立後に調整するようにしても良い。具体的には、バルブ本体1aの組立時に、エンコーダの検出値から得られる電気角とプラントゲインの逆数1/Gpが最小になる開度θminとが、0.9(deg)だけずれるように、回転軸とモータ軸との位相関係を機台毎に調整する。
(変形例)
上述した実施形態では、図3のようにプラントゲインGpも加味して式(4)によりΔθを設定したが、プラントゲインGpを考慮しない従来のPI制御によりに開度指令θsを生成するようにしてもよい。そのような制御の場合には、開度変化に対して最も敏感に圧力値が変化する開度θminを実際に計測して求め、図9に示すようにゼロクロスとなる開度θzに対して開度θminをずらすようにバルブプレート12の回転軸とモータ軸との位相を調整する。
位相調整の方法としては、バルブプレート12の回転軸とモータ軸とを位相調整可能な継手で接続する構造とする。別の方法としては、モータ13のバルブハウジング11への固定位置を調整可能な構成とし、固定位置を調整することで回転軸に対するモータ軸の位相を調整する。
開度θminの具体的な求め方としては、例えば、試験用のチャンバに真空バルブ1および真空ポンプ4を取り付け、ガスを実際に流入させた状態で真空バルブ1の開度を変化させ、S/(dS/dθ)のデータを複数取得する。実際には、S/(dS/dθ)が最小となる概略の開度範囲は予め分かるので、その範囲内でデータを複数点取得し、S/(dS/dθ)が最小となる開度θminを推定する。あるいは、シンプルに直接開度変化に対する圧力変化率の最大点を求め、この点をθminとしても良い。
以上のように、第1の実施の形態では、図9に示すように、バルブプレート12の開度変化dθに対してバルブ吸気側圧力値(例えば、真空チャンバ3の圧力値)の圧力変化率dP/Pが最も大きくなる開度θminと、モータ電流のゼロクロス点ZCにおける開度θzとの間に開度ズレが設定されている。その結果、圧力が敏感に変化する開度θminの近傍にバルブプレート12を保持する場合に、ゼロクロス点ZCにおける電流波形歪みの影響を低減することができ、調圧性能の悪化を防止することができる。
また、図9に示すように、開度ずれの値をステッピングモータの基本ステップ角θsmの1/2に設定することにより、開度ずれを最も大きく設定することができる。
−第2の実施の形態−
上述した第1の実施の形態では、図9に示すように、相電流がゼロクロスとなる開度θzとプラントゲインGpの逆数1/Gpが最小となる開度θminとをずらすことで、バルブプレート停止時における調圧応答性能への悪影響を低減するようにした。一方、第2の実施の形態では、開度θzと開度θminとをずらすことに代えて、目標圧力Psに対する圧力偏差率ΔP/Psに応じてゲインを低下させることで、同様の効果を奏するようにした。
(プラントゲインGpを用いて制御を行う場合)
まず、上述した図3の場合と同様に、プラントゲインGpを用いてΔθを算出する構成の場合について説明する。この場合には、1/Gpが最小となる開度θminは予め分かっていることになる。そして、デフォルト状態において、ゼロクロス点の開度θzと開度θminとが電流波形の歪みの悪影響が出ない程度にずれている場合には、すなわち、予め定めたずれ量の閾値αに対して「θz−θmin≦−α」または「θz−θmin≧α」の場合には、図3の場合と同様の制御が行われる。一般に、目標圧力値へ現在値を調整して追い込む際に、目安として目標圧力値に対する偏差率ΔP/Psが予め決めた許容値γ以内になることが求められる。すなわち|ΔP|/Ps<γ。一方、式(3)より|ΔP|/Ps=Gp・|Δθ|であるから、両式より|Δθ|<γ/Gpが得られる。つまり、閾値αとしては、γ/Gpあるいはその数倍程度が用いられる。
一方、ゼロクロス点ZCの開度θzと開度θminとが、予め定めた閾値αに対して「−α<θz−θmin<α」を満たしていて、電流波形の歪みが調圧に悪影響を及ぼす場合には、図10のようにバルブ制御を行う。図10に示す構成では、切替部211を切替制御部212により切り替えることで、上記悪影響が出る条件においては、補正ゲインG1(<1)をさらに適用して制御ゲインを低下させるようにした。
切替制御部212は、開度計測値θrが、図8に示す開度範囲|θ−θz|<βの外側にある場合には、1/Gpが最小となる開度θminがゼロクロス点ZCの近傍にあったとしても、電流波形歪みによる影響を受けない。そのため、制御ゲインを下げるための補正ゲインG1(<1)を適用する必要がなく、切替部211は切替位置aとされる。ここで、βとしては、αと同様にγ/Gpあるいはその数倍程度が用いられる。
一方、開度計測値θrがゼロクロス点(ただし、開度θminの近傍にあるゼロクロス点)の開度θzの近傍にあり(|θr−θz|<β)、かつ、目標圧力値Psに対する圧力偏差率ΔP/Psの大きさ|ΔP|/Psが許容値γよりも小さい場合には、切替制御部212は、切替部211を切替位置bに切り替える。なお、|ΔP|/Ps<γということは、現在の開度(開度計測値θr)が、停止すべき開度位置の近傍にあることを意味する。許容値γとしては、例えば、目標圧力値Psの1%程度とする。
切替部211が切替位置bに切り替えられると、補正ゲインG1がさらに適用されて、Δθは式(4)で計算される値から、次式(5)で計算される値に変更される。その結果、制御ゲインが低下することで電流波形歪みの圧力変化への影響が低減され、バルブプレート12の開度を保持すべき開度位置に安定して停止させることができる。
Δθ=(1/P)・(1/Gp)・G1・Kp・ΔP …(5)
(プラントゲインGpを用いないで制御を行う場合)
上述した変形例の場合と同様に、プラントゲインGpを考慮しない制御を採用する場合について説明する。まず、試験等を行うことによってS/(dS/dθ)が最小となる開度θminが分かっていて、かつ、ゼロクロス点の開度θzと開度θminとが、電流波形の歪みの悪影響が出ない程度にずれている場合には、制御ブロック図は、図3においてゲイン(1/P)・(1/Gp)の部分を除いた構成となる。
一方、ゼロクロス点の開度θzと開度θminとが、予め定めた閾値αに対して「−α<θz−θmin<α」を満たしていて、電流波形の歪みが悪影響を及ぼす場合には、図11のようなバルブ制御を行う。図11は、図10の構成からゲイン(1/P)・(1/Gp)の部分を削除したものである。切替部211および切替制御部212の動作については、図10の場合と同様であり、ここでは説明を省略する。
次に、S/(dS/dθ)が最小となる開度θminが分かっていない場合の制御について説明する。この場合、ゼロクロス点の開度θzに対して開度θminがどの程度ずれているかについても不明なので、図11の制御ブロック図において次のような制御動作を行う。開度計測値θrがいずれかのゼロクロス点の近傍にあり(|θr−θz|<β)、かつ、目標圧力値Psに対する圧力偏差率ΔP/Psの大きさ|ΔP|/Psが許容値γよりも小さい場合には、切替制御部212は、切替部211を切替位置bに切り替える。
なお、前述した開度θminが分かっている場合には、開度計測値θrが、開度θminの近傍にあるゼロクロス点の近傍である場合にのみ切替位置bに切り替えた。しかし、ここでは開度θminが分かっていないので、目標圧力値の近傍におけるいずれのゼロクロス点に対しても、開度計測値θrがゼロクロス点の近傍であれば、切替部211を切替位置bに切り替えることになる。
上述のように、第2の実施の形態では、図10,11で説明したように、開度計測値θrとゼロクロス点ZCの開度θzとの差分が差分閾値βよりも小さく、かつ、バルブ吸気側圧力値(圧力計測値Pr)の目標圧力値Psに対する圧力偏差率の大きさが、偏差率閾値γよりも小さい第1の状態では補正ゲインG1を適用して、第1の状態を除く第2の状態におけるゲインよりも小さなゲインで制御を行う。
その結果、その結果、制御ゲインが低下することで電流波形歪みの圧力変化への影響が低減され、バルブプレート12の開度を保持すべき開度位置に安定して停止させることができる。
上記では、種々の実施の形態および変形例を説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。例えば、上述した実施の形態ではバルブプレート12を揺動するタイプの真空バルブであったが、上述のプラントゲインGpと同様の開度θminを有するゲイン特性の真空バルブであれば、同様に適用することができる。
1…真空バルブ、1a…バルブ本体、1b…バルブ制御装置、3…真空チャンバ、4…真空ポンプ、12…バルブプレート、13…モータ、21…制御部、22…モータ駆動部、23…記憶部、130…速度・位置検出器、211…切替部、212…切替制御部、G1…補正ゲイン、Gp…プラントゲイン

Claims (4)

  1. 弁体をステッピングモータで駆動して前記弁体の開度を制御する真空バルブであって、
    開度変化に対する圧力変化率が最も大きくなる開度と、モータ電流のゼロクロス点における開度との間に開度ずれが設定されている、真空バルブ。
  2. 請求項1に記載の真空バルブにおいて、
    前記開度ずれの値は、前記ステッピングモータの基本ステップ角の1/2に設定されている、真空バルブ。
  3. 弁体を駆動するステッピングモータと、
    前記弁体の開度を検出する検出部と、
    前記ステッピングモータを制御する制御部と、を備える真空バルブであって、
    前記制御部は、前記検出部で検出された開度とモータ電流ゼロクロス点の開度との差分が差分閾値よりも小さく、かつ、バルブ吸気側圧力値のバルブ調整目標圧力値に対する偏差率の大きさが偏差率閾値よりも小さい第1の状態では、前記第1の状態を除く第2の状態におけるゲインよりも小さなゲインで制御を行う、真空バルブ。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の真空バルブにおいて、
    開度変化と圧力変化率との関係を表すプラントゲインに基づいて前記弁体の開度制御が行われる、真空バルブ。
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