JP6759398B2 - 生体試料の組織処理のための溶液 - Google Patents

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Description

[関連出願に関する相互参照]
本出願は、2011年6月17日に出願された米国仮特許出願第61/498,159号、2011年7月6日に出願された米国仮特許出願第61/505,011号、および2011年7月21日に出願された米国仮特許出願番号第61/510,180号に基づく優先権を主張する。この先に提出された各出願は、全体として参照により本明細書に組み込まれる。
本開示は、生体標本の調製のための処方、より詳細には固定、染色およびリンス処方に関する。
数年間で、検査中の標本のコントラストを改善するために、実験室の技術は、生体標本を調製するためのロマノスフキー染色に使用されるような染料や染料を使用してきている。このような検査は、通常、顕微鏡、標本の画像を取り込む自動装置、または、他の例では、肉眼外観検査を利用する。検査用標本を調製するためのいくつかの異なるシステムおよび方法が知られている。たとえば、特許文献1〜6は、標本処理中に基板を染色するための機構および方法に関する。これらの刊行物は、検査用標本の染色および調製に関する種々の詳細を提供している。
米国特許第6,096,271号明細書 米国特許第7,318,913号明細書 米国特許第5,419,279号明細書 米国特許第5,948,360号明細書 米国特許公開第2008/0102006号明細書 米国特許公開第2006/0073074号明細書
本開示は、検査用標本を調製するための処方、システムおよび方法に関する。標本としては、顕微鏡スライドまたはカバースリップなどの基板に塗布された、血液試料などの生体試料由来の赤血球細胞、白血球細胞および血小板を含む血液試料などが挙げられる。種々の実施形態は、骨髄、尿、膣組織、上皮組織、腫瘍、精液、唾液および他の体液などの生体試料から標本を調製するために使用することができる。本開示のさらなる態様は、本開示の処方を用いる、標本を固定、染色、リンスおよび攪拌するためのシステムおよび方法を含む。通常、本明細書において開示される処方、システムおよび方法は、なるべく少ない液体量を用い、迅速で、効率的かつ高度に均一な標本調製および処理を提供する。その方法は、1回以上の固定、染色およびリンス段階を含み、たとえば1回以上の固定、染色およびリンス段階の各段階後の1回または複数回の攪拌段階を含む。システムは、独立型装置として、または標本を調製および検査するためのより大きいシステムにおける1構成要素として実行され得る。
第1の態様において、本開示は、アズールB;界面活性剤;メタノール;およびエチレングリコールを含む細胞固定液を特徴とする。
たとえば、細胞固定液は、約0.5g/L〜約5.0g/LのアズールB;約0.5mL/L〜約2.0mL/Lのポリソルベート20;約5mL/L〜約50mL/Lのエチレングリコール、プロピレングリコールまたはポリプロピレングリコール;約0.1g/L〜約10g/LのHEPESナトリウム塩;およびメタノールを含み得る。
別の例としては、細胞固定液は、約0.8g/L〜約1.2g/LのアズールB;約0.8mL/L〜約1.2mL/Lのポリソルベート20;約9mL/L〜約11mL/Lのエチレングリコール;約0.25g/L〜約0.38g/LのHEPESナトリウム塩;およびメタノールを含み得る。
たとえば、細胞固定液は、約1g/LのアズールB;約1mL/Lのポリソルベート20;約10mL/Lのエチレングリコール;約0.32g/LのHEPESナトリウム塩;およびメタノールを含み得る。
別の例としては、細胞固定液は、約1g/LのアズールB;約0.5mL/Lのポリソルベート20;約10mL/Lのプロピレングリコール;約0.32g/LのHEPESナトリウム塩;およびメタノールを含み得る。
さらなる例としては、細胞固定液は、約1g/LのアズールB;約1.5mL/Lのポリソルベート20;約10mL/Lのポリプロピレングリコール;約0.32g/LのHEPESナトリウム塩;およびメタノールを含み得る。
第2の態様において、本開示は、エオシンY;緩衝剤;界面活性剤;塩化ナトリウム;エチレングリコール;および水を含む第1の細胞染色液を特徴とする。
たとえば、第1の細胞染色液は、約0.5g/L〜約5.0g/LのエオシンY;約5mM〜約250mMのビス−トリス緩衝液またはリン酸緩衝液;約0.5mL/L〜約2.0mL/Lのポリソルベート20;約1g/L〜約20g/Lの塩化ナトリウム;約5mL/L〜約50mL/Lのエチレングリコール;約0.2ppm〜約50ppmのProClin300(登録商標);酢酸;および水を含むことができ、その溶液のpHは約5.8〜約6.2である。
別の例としては、第1の細胞染色液は、約0.6g/L〜約0.9g/LのエオシンY;約45mM〜約55mMのビス−トリス緩衝液;約0.8mL/L〜約1.2mL/Lポリソルベート20;約3g/L〜約5g/Lの塩化ナトリウム;約9mL/L〜約11mL/Lのエチレングリコール;約10ppm〜約20ppmのProClin300(登録商標);酢酸;および水を含むことができ、その溶液のpHは約5.8〜約6.2である。
たとえば、第1の細胞染色液は、約0.75g/LのエオシンY;約50mMのビス−トリス緩衝液;約1mL/Lのポリソルベート20;約4g/Lの塩化ナトリウム;約10mL/Lのエチレングリコール;約15ppmのProClin300(登録商標);酢酸;および水を含むことができ、その溶液のpHは約5.8〜約6.2である。
別の例としては、第1の細胞染色液は、約0.75g/LのエオシンY;約50mMのビス−トリス緩衝液;約0.5mL/Lのポリソルベート20;約6g/Lの塩化ナトリウム;約20mL/Lのエチレングリコール;約15ppmのProClin300(登録商標);酢酸;および水を含むことができ、その溶液のpHは約5.8〜約6.2である。
さらなる例としては、第1の細胞染色液は、約0.75g/LのエオシンY;約50mMのリン酸緩衝液;約2.0mL/Lのポリソルベート20;約4g/Lの塩化ナトリウム;約50mL/Lのエチレングリコール;約15ppmのProClin300(登録商標);酢酸;および水を含むことができ、その溶液のpHは約5.8〜約6.2である。
第3の態様において、本開示は、アズールB;メチレンブルー;緩衝剤;界面活性剤;塩化ナトリウム;および水を含む第2の細胞染色液を特徴とする。
たとえば、第2の細胞染色液は、約0.25〜約2.5g/LのアズールB;約0.25g/L〜約2.5g/Lのメチレンブルー;約5mM〜約250mMのビス−トリス緩衝液またはHEPES緩衝液;約0.5mL/L〜約2.0mL/Lのポリソルベート20、約1g/L〜約20g/Lの塩化ナトリウム、および約0.2ppm〜約50ppmのProClin300(登録商標);酢酸;および水を含むことができ、その溶液のpHは約6.8〜約7.2である。
別の例としては、第2の細胞染色液は、約0.4〜約0.6g/LのアズールB;約0.4g/L〜約0.5g/Lのメチレンブルー;約45mM〜約55mMのビス−トリス緩衝液;約0.8mL/L〜約1.2mL/Lのポリソルベート20;約1.8g/L〜約2.2g/Lの塩化ナトリウム、および約10ppm〜約20ppmのProClin300(登録商標);酢酸;および水を含むことができ、その溶液のpHは約6.8〜約7.2である。
たとえば、第2の細胞染色液は、約0.5g/LのアズールB;約0.45g/Lのメチレンブルー;約50mMのビス−トリス緩衝液;約1mL/Lのポリソルベート20;約2g/Lの塩化ナトリウム、および約15ppmのProClin300(登録商標);酢酸;および水を含むことができ、その溶液のpHは約6.8〜約7.2である。
別の例としては、第2の細胞染色液は、約0.5g/LのアズールB;約0.45g/Lのメチレンブルー;約50mMのHEPES緩衝液;約0.5mL/Lのポリソルベート20、約2g/Lの塩化ナトリウム、および約15ppmのProClin300(登録商標);酢酸;および水を含むことができ、その溶液のpHは約6.8〜約7.2である。
さらなる例としては、第2の細胞染色液は、約0.5g/LのアズールB;約0.45g/Lのメチレンブルー;約50mMのHEPES緩衝液;約1mL/Lのポリソルベート20、約1g/Lの塩化ナトリウム、および約15ppmのProClin300(登録商標);酢酸;および水を含むことができ、その溶液のpHは約6.8〜約7.2である。
第4の態様において、本開示は、ポリエチレングリコール;緩衝剤;界面活性剤;メタノール;および水を含む自動標本調製装置のためのリンス液を特徴とする。
たとえば、リンス液は、約0.2g/L〜約10g/Lのポリエチレングリコール;約1mM〜約250mMのHEPES、MESまたはビス−トリス緩衝液;約0.1mL/L〜約2.40mL/Lのポリソルベート20;約0.04ppm〜約50ppmのProClin300(登録商標);約9mL/L〜約200mL/Lのメタノール;および水を含むことができ、そのリンス液のpHは約6.6〜約7.0である。
たとえば、リンス液は、約1g/L〜約10g/Lのポリエチレングリコール;約5mM〜約250mMのHEPES、MESまたはビス−トリス緩衝液;約0.5mL/L〜約2.0mL/Lのポリソルベート20;約0.2ppm〜約50ppmのProClin300(登録商標);約10mL/L〜約200mL/Lのメタノール;および水を含むことができ、そのリンス液のpHは約6.6〜約7.0である。
別の例としては、リンス液は、約4.5g/L〜約5.5g/Lのポリエチレングリコール;約45mM〜約55mMのHEPES緩衝液;約0.8mL/L〜約1.2mL/Lのポリソルベート20;約10ppm〜約20ppmのProClin300(登録商標);約45mL/L〜約55mL/Lのメタノール;および水を含むことができ、そのリンス液のpHは約6.6〜約7.0である。
たとえば、リンス液は、約5g/Lのポリエチレングリコール;約50mMのHEPES緩衝液;約1mL/Lのポリソルベート20;約15ppmのProClin300(登録商標);約50mL/Lのメタノール;および水を含むことができ、そのリンス液のpHは約6.6〜約7.0である。
別の例としては、リンス液は、約10g/Lのポリエチレングリコール;約50mMのMES緩衝液;約1mL/Lのポリソルベート20;約15ppmのProClin300(登録商標);約50mL/Lのメタノール;および水を含むことができ、そのリンス液のpHは約6.6〜約7.0である。
さらなる例としては、リンス液は、約10g/Lのポリエチレングリコール;約50mMのビス−トリス緩衝液;約0.5mL/Lのポリソルベート20;約15ppmのProClin300(登録商標);約50mL/Lのメタノール;および水を含むことができ、そのリンス液のpHは約6.6〜約7.0である。
たとえば、リンス液は、約0.2g/L〜約2g/Lのポリエチレングリコール;約1mM〜約50mMのHEPES緩衝液;約0.16mL/L〜約0.24mL/Lのポリソルベート20;約0.04ppm〜約10ppmのProClin300(登録商標);約9mL/L〜約11mL/Lのメタノール;および水を含むことができ、そのリンス液のpHは約6.6〜約7.0である。
別の例としては、リンス液は、約0.9g/L〜約1.1g/Lのポリエチレングリコール;約9mM〜約11mMのHEPES緩衝液;約0.16mL/L〜約0.24mL/Lのポリソルベート20;約2ppm〜約10ppmのProClin300(登録商標);約9mL/L〜約11mL/Lのメタノール;および水を含むことができ、そのリンス液のpHは約6.6〜約7.0である。
なお別の例としては、リンス液は、約1g/Lのポリエチレングリコール;約10mMのHEPES緩衝液;約0.2mL/Lのポリソルベート20;約3ppmのProClin300(登録商標);約10mL/Lのメタノール;および水を含むことができ、そのリンス液のpHは約6.6〜約7.0である。
第5の態様において、本開示は、細胞固定液;第1の細胞染色液;第2の細胞染色液;およびリンス液を含む標本調製キットを特徴とする。いくつかの実施形態においては、標本調製キットは、個別に包装された細胞固定液;個別に包装された第1の細胞染色液;個別に包装された第2の細胞染色液;および個別に包装されたリンス液を含む。
第6の態様において、本開示は、検査用基板上に標本を調製する方法であって、(a)標本が表面に対向し、基板が、その表面と基板の少なくとも1部との間に少なくとも約100ミクロンの分離を形成するように配置されるように、基板をその表面に関して位置決めすること;(b)(i)固定液を基板と表面との間の分離中に標本と表面とが接触するのに十分な量を分配すること;(ii)少なくとも、第1の攪拌段階であって、固定液が第1の攪拌段階の間標本に接触しながら、基板と表面との間の距離を変化させる第1の攪拌段階を行うこと;および(iii)固定液を分離および標本から除去することを含む固定段階を行うこと;(c)第1の染色段階を行うこと;(d)第2の染色段階を行うこと;および(e)第1のリンス段階を行うことを含む方法を特徴とする。
第7の態様において、本開示は、自動標本分析機、ならびに細胞固定液;第1の細胞染色液;第2の細胞染色液;および/またはリンス液を含む標本を画像化するためのシステムを特徴とする。いくつかの実施形態においては、標本を画像化するためのシステムは、自動標本分析機および、細胞固定液;第1の細胞染色液;第2の細胞染色液;および/またはリンス液で調製された標本を含む。
本明細書において説明される細胞固定液、第1の細胞染色液、第2の細胞染色液、リンス液、方法、キットおよびシステムは、任意の1つ以上のつぎの特徴を含み得る。
いくつかの実施形態において、細胞固定液は、約0.5〜約5g/LのアズールB(たとえば、約1g/LのアズールB)を含み得る。たとえば、水で1:1000希釈した細胞固定液は、約640〜約650nmのピーク波長で約0.1〜約1のUV吸光度を有する。
いくつかの実施形態において、細胞固定液は、1つ(またはそれ以上)の赤色染料(たとえば1つまたはそれ以上の従来の当技術分野において既知の赤色染料、たとえばエオシンY、およびフルオレセイン誘導体)を含まないか、または実質的に含まない。
細胞固定液は、約0.05〜約0.5容量または重量%の界面活性剤(たとえば、約0.05〜約0.3容量または重量%の界面活性剤、約0.05〜約0.1容量または重量%の界面活性剤)を含み得る。界面活性剤は、非イオン性、カチオン性、アニオン性および両性イオン性界面活性剤からなる群より選択することができる。いくつかの実施形態において、界面活性剤は、非イオン性であり、たとえば、ポリソルベート20が挙げられる。たとえば、細胞固定液は、約0.5mL/L〜約2mL/L(たとえば、約0.5mL/L〜約1.5mL/L、約1mL/L)のポリソルベート20を含み得る。
いくつかの実施形態において、細胞固定液は、さらに、ビス−トリス緩衝液、リン酸緩衝液、HEPES緩衝液、MES緩衝液および/またはトリス緩衝液などの緩衝剤を含み得る。たとえば、水で1:10希釈した細胞固定液は、約6〜約8(たとえば、約6.7〜約7.3)のpHを有し、かつ約0.5mM〜約10mMのHEPESを含み得る。
細胞固定液は、約0.5〜約5容量%(たとえば、約1容量%)のエチレングリコールを含み得る。
いくつかの実施形態において、細胞固定液は、約1g/LのアズールB;約1mL/Lのポリソルベート20;約10mL/Lのエチレングリコール;約0.32g/LのHEPESナトリウム塩;およびメタノールを含み得る。
いくつかの実施形態において、第1の細胞染色液は、抗菌剤(たとえば、約0.2〜約50ppmの抗菌剤)を含み得、抗菌剤としては、たとえば、塩化ベンザルコニウム、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、ProClin(登録商標)(たとえば、ProClin300(登録商標))、アジド、メルチオレート、抗生物質、およびそれらの任意の組み合わせが挙げられる。たとえば、抗菌剤としては、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンおよび2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンが挙げられる。いくつかの実施形態において、抗菌剤は、ProClin300(登録商標)である。たとえば、第1の細胞染色液は、約15ppmのProClin300(登録商標)を含み得る。
第1の細胞染色液は、約0.5〜約1g/L(たとえば、約0.75g/L)のエオシンYを含み得る。たとえば、水で1:500希釈した溶液は、約510〜約530nmのピーク波長で約0.1〜約1のUV吸光度を有する。
いくつかの実施形態において、第1の細胞染色液は、1つ(またはそれ以上)の他の赤色染料(たとえば、1つ以上の当技術分野において既知の従来の他の赤色染料、たとえば他のフルオレセイン誘導体)を含まないかまたは実質的に含まない。
いくつかの実施形態において、第1の細胞染色液は、1つ(またはそれ以上)の青色染料(たとえば、1つ以上の当技術分野において既知の従来の青色染料、たとえばアズールB、メチレンブルーおよび/または他のチアジン染料)を含まないかまたは実質的に含まない。
いくつかの実施形態において、第1の細胞染色液は、1つ(またはそれ以上)の他の赤色染料(たとえば、1つ以上の当技術分野において既知の従来の他の赤色染料、たとえば他のフルオレセイン誘導体)を含まないかまたは実質的に含まず、かつ第1の細胞染色液は、1つ(またはそれ以上)の青色染料(たとえば、1つまたはそれ以上の当技術分野において既知の従来の青色染料、たとえばアズールB、メチレンブルーおよび/または他のチアジン染料)を含まないかまたは実質的に含まない。
第1の細胞染色液は、約0.5〜約5容量%(たとえば、約1容量%)のエチレングリコールを含み得る。
いくつかの実施形態において、第1の細胞染色液は、約5〜約8のpHと、約5〜約250mMの緩衝剤濃度とを有し得る。
緩衝剤としては、ビス−トリス、リン酸、HEPES、MES、トリスおよびそれらの任意の混合物が挙げられる。たとえば、第1の細胞染色液は、約5.8〜約6.2のpHと、約5mM〜約250mMのビス−トリス緩衝液濃度とを有し得る。いくつかの実施形態において、第1の細胞染色液は、さらに酢酸(たとえば、約2〜約3mL/Lの酢酸)を含み得る。
いくつかの実施形態において、第1の細胞染色液は、約0.05〜約0.5容量または重量%(たとえば、約0.05〜約0.3容量または重量%、約0.05〜約0.1容量または重量%)の界面活性剤を含み得る。界面活性剤は、非イオン性、カチオン性、アニオン性および両性イオン性界面活性剤からなる群より選択することができる。たとえば、界面活性剤は、ポリソルベート20などの非イオン性であり得る。いくつかの実施形態においては、第1の細胞染色液は、約0.5mL/L〜約2mL/L(たとえば、約0.5mL/L〜約1.5mL/L、約1mL/L)のポリソルベート20を含み得る。
いくつかの実施形態において、第1の細胞染色液は、約1〜約20g/Lの塩化ナトリウムを含み得る。
いくつかの実施形態において、第1の細胞染色液は、約0.75g/LのエオシンY;約50mMのビス−トリス緩衝液;約1mL/Lのポリソルベート20;約4g/Lの塩化ナトリウム;約10mL/Lのエチレングリコール;約15ppmのProClin300(登録商標);酢酸;および水を含むことができ、その溶液のpHは約5.8〜約6.2である。
いくつかの実施形態において、第2の細胞染色液は、抗菌剤(たとえば、約0.2〜約50ppmの抗菌剤)を含むことができ、抗菌剤としては、たとえば、塩化ベンザルコニウム、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、ProClin(登録商標)(たとえば、ProClin300(登録商標))、アジド、メルチオレート、抗生物質、およびそれらの任意の組み合わせが挙げられる。たとえば、抗菌剤としては、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンおよび2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンが挙げられる。いくつかの実施形態において、第2の細胞染色液は、ProClin300(登録商標)(たとえば、約15ppmのProClin300(登録商標))を含み得る。
いくつかの実施形態において、第2の細胞染色液は、約0.25〜約1g/L(たとえば、約0.5g/L)のアズールBを含み得る。第2の細胞染色液は、約0.25〜約1g/L(たとえば、約0.45g/L)のメチレンブルーを含み得る。たとえば、水で1:1000希釈した第2の細胞染色液は、約640〜約660nmのピーク波長で約0.1〜約1のUV吸光度を有し得る。
いくつかの実施形態において、第2の細胞染色液は、1つ(またはそれ以上)の他の青色染料(たとえば、1つ以上の当技術分野において既知の従来の他の青色染料、たとえばアズールB、メチレンブルーおよび/または他のチアジン染料)を含まないかまたは実質的に含まない。
いくつかの実施形態において、第2の細胞染色液は、1つ(またはそれ以上)の赤色染料(たとえば、1つ以上の当技術分野において既知の従来の赤色染料、たとえばフルオレセイン誘導体)を含まないかまたは実質的に含まない。
いくつかの実施形態において、第2の細胞染色液は、1つ(またはそれ以上)の他の青色染料(たとえば、1つ以上の当技術分野において既知の従来の他の青色染料、たとえば他のチアジン染料)を含まないかまたは実質的に含まず、かつ第2の細胞染色液は、1つ(またはそれ以上)の赤色染料(たとえば、1つ以上の当技術分野において既知の従来の赤色染料、たとえばフルオレセイン誘導体)を含まないかまたは実質的に含まない。
いくつかの実施形態において、第2の細胞染色液は、約5〜約8のpHおよび約5mM〜約250mMの緩衝剤濃度(たとえば、約6.8〜約7.2のpHおよび約25mM〜約100mMのビス−トリス緩衝液濃度)を有し得る。緩衝剤としては、ビス−トリス緩衝液、リン酸緩衝液、HEPES緩衝液、MES緩衝液、トリス緩衝液およびそれらの任意の混合物が挙げられる。いくつかの実施形態において、第2の細胞染色液は、さらに酢酸を含み得る。
いくつかの実施形態において、第2の細胞染色液は、約0.05〜約0.5容量または重量%(たとえば、約0.05〜約0.3容量または重量%、約0.05〜約0.1容量または重量%)の界面活性剤を有し得、界面活性剤としては、非イオン性、カチオン性、アニオン性および両性イオン性界面活性剤が挙げられる。いくつかの実施形態においては、界面活性剤は非イオン性であり、ポリソルベート20を含むことができ、第2の細胞染色液は、約0.5mL/L〜約2mL/L(たとえば、約0.5mL/L〜約1.5mL/L、約1mL/L)のポリソルベート20を含み得る。
いくつかの実施形態において、第2の細胞染色液は、約1〜約20g/Lの塩化ナトリウムを含み得る。
いくつかの実施形態において、第2の細胞染色液は、約0.5g/LのアズールB;約0.45g/Lのメチレンブルー;約50mMのビス−トリス緩衝液;約1mL/Lのポリソルベート20;約2g/Lの塩化ナトリウム;および約15ppmのProClin300(登録商標);酢酸;および水を含み得る。この溶液は、約6.8〜約7.2のpHを有し得る。
いくつかの実施形態において、リンス液は、抗菌剤(たとえば、約0.2〜約50ppmの抗菌剤、または約0.04〜約10ppmの抗菌剤)を含むことができ、抗菌剤としては、たとえば、塩化ベンザルコニウム、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、ProClin(登録商標)(たとえば、ProClin300(登録商標))、アジド、メルチオレート、抗生物質、およびそれらの任意の組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態において、抗菌剤には、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンおよび2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンが挙げられる。たとえば、リンス液は、ProClin300(登録商標)(たとえば、約15ppmのProClin300(登録商標)〜約3ppmのProClin300(登録商標))を含み得る。
リンス液は、約1〜約10g/L(たとえば、約5g/L)のポリエチレングリコールを含み得る。
リンス液は、約0.2〜約2g/L(たとえば、約1g/L)のポリエチレングリコールを含み得る。
リンス液は、5〜8のpHと、約5mM〜約250mMの緩衝剤濃度(たとえば、約5〜約8のpHと約50mMのHEPES緩衝液濃度)とを有し得る。緩衝剤としては、ビス−トリス緩衝液、リン酸緩衝液、HEPES緩衝液、MES緩衝液、トリス緩衝液およびそれらの任意の混合物が挙げられる。
リンス液は、5〜8のpHおよび約1mM〜約50mMの緩衝剤濃度(たとえば、約5〜約8のpHと約10mMのHEPES緩衝液濃度)とを有し得る。緩衝剤としては、ビス−トリス緩衝液、リン酸緩衝液、HEPES緩衝液、MES緩衝液、トリス緩衝液およびそれらの任意の混合物が挙げられる。
いくつかの実施形態において、リンス液は、約0.05〜約0.5容量または重量%(たとえば、約0.05〜約0.3容量または重量%、約0.05〜約0.1容量または重量%)の界面活性剤を含む。界面活性剤は、非イオン性、カチオン性、アニオン性および両性イオン性界面活性剤からなる群より選択することができる。たとえば、界面活性剤は、非イオン性であり、ポリソルベート20(たとえば、約0.5mL/L〜約2mL/L、約0.5mL/L〜約1.5mL/Lのポリソルベート20)を含み得る。
いくつかの実施形態において、リンス液は、約0.01〜約0.1容量または重量%(たとえば、約0.01〜約0.06容量または重量%、約0.01〜約0.02容量または重量%)の界面活性剤を含む。界面活性剤は、非イオン性、カチオン性、アニオン性および両性イオン性界面活性剤からなる群より選択することができる。たとえば、界面活性剤は、非イオン性であり得、ポリソルベート20(たとえば、約0.1mL/L〜約0.4mL/L、約0.1mL/L〜約0.3mL/Lのポリソルベート20)を含み得る。
いくつかの実施形態において、リンス液は、約45〜約55mL/L(たとえば、約50mL/L)のメタノールを含む。
いくつかの実施形態において、リンス液は、約9〜約11mL/L(たとえば、約10mL/L)のメタノールを含む。
いくつかの実施形態において、リンス液は、約5g/Lのポリエチレングリコール;約50mMのHEPES緩衝液;約1mL/Lのポリソルベート20;約15ppmProClin300(登録商標);約50mL/Lのメタノール;および水を含む。そのリンス液のpHは、約6.6〜約7.0であり得る。
いくつかの実施形態において、リンス液は、約1g/Lのポリエチレングリコール;約10mMのHEPES緩衝液;約0.2mL/Lのポリソルベート20;約3ppmのProClin300(登録商標);約10mL/Lのメタノール;および水を含む。そのリンス液のpHは、約6.6〜約7.0であり得る。
いくつかの実施形態において、細胞固定液は、染料特許ブルーVFを含まない(たとえば、全く含まないか、または国際公開第2007/117798号に開示された処方に存在する量の特許ブルーVFよりも少ない量を含む)。
いくつかの実施形態において、第1の細胞染色液は、染料特許ブルーVFを含まない(たとえば、全く含まないか、または国際公開第2007/117798号に開示された処方に存在する量の特許ブルーVFよりも少ない量を含む)。
いくつかの実施形態において、第2の細胞染色液は、染料特許ブルーVFを含まない(たとえば、全く含まないか、または国際公開第2007/117798号に開示された処方に存在する量の特許ブルーVFよりも少ない量を含む)。
いくつかの実施形態において、リンス液は、染料特許ブルーVFを含まない(たとえば、全く含まないか、または国際公開第2007/117798号に開示された処方に存在する量の特許ブルーVFよりも少ない量を含む)。
いくつかの実施形態において、細胞固定液は、タンパク質分解酵素を含まない(たとえば、全く含まないか、または国際公開第2007/117798号に開示された処方に存在する量のタンパク質分解酵素よりも少ない量を含む)。
いくつかの実施形態において、第1の細胞染色液は、タンパク質分解酵素を含まない(たとえば、全く含まないか、または国際公開第2007/117798号に開示された処方に存在する量のタンパク質分解酵素よりも少ない量を含む)。
いくつかの実施形態において、第2の細胞染色液は、タンパク質分解酵素を含まない(たとえば、全く含まないか、または国際公開第2007/117798号に開示された処方に存在する量のタンパク質分解酵素よりも少ない量を含む)。
いくつかの実施形態において、リンス液は、タンパク質分解酵素を含まない(たとえば、全く含まないか、または国際公開第2007/117798号に開示された処方に存在する量のタンパク質分解酵素よりも少ない量を含む)。
いくつかの実施形態において、第1の染色段階を行うことは、(i)第1の細胞染色液を、基板と表面との間の分離に、標本と表面が接触するのに十分な量で分配すること;(ii)少なくとも第2の攪拌段階を行うこと(第2の攪拌段階は、基板と表面との間の距離を、第1の染色液が第2の攪拌段階の間、標本と接触しながら変化させることを含む);および(iii)第1の染色液を分離および標本から除去することを含む。
いくつかの実施形態において、第2の染色段階を行うことは、(i)第2の細胞染色液を、基板と表面との間の分離に、標本と表面が接触するのに十分な量で分配すること;(ii)少なくとも第3の攪拌段階を行うこと(第3の攪拌段階は、基板と表面との間の距離を、第2の染色液が第3の攪拌段階の間、標本と接触しながら変化させることを含む);および(iii)第2の染色液を分離および標本から除去することを含む。
いくつかの実施形態において、第1のリンス段階を行うことは、(i)リンス液を、基板と表面との間の分離に、標本と表面が接触するのに十分な量で分配すること;(ii)少なくとも第4の攪拌段階を行うこと(第4の攪拌段階は、基板と表面との間の距離を、リンス液が第4の攪拌段階の期間、標本と接触しながら変化させることを含む);および(iii)リンス液を分離および標本から除去することを含む。
いくつかの実施形態において、自動標本分析機は、基板把持部を含む基板アーム;基板アームに接続され、基板アームを開放位置と標本処理位置との間で移動させるように設定される第1のアクチュエータ;基板把持部により基板アーム上に把持された基板を攪拌するように配置および設定される第2のアクチュエータ;基板アームが標本処理位置にある場合に基板と向かい合って位置する上面を有するプラットホーム;およびプラットホームの上面上に配置される2つ以上のオフセットであって、基板が基板処理位置においてすべてのオフセットと接触する場合、基板およびプラットホームの上面が実質的に平行であり、少なくとも約50ミクロンの分離を形成するように配置される2つ以上のオフセットを含む。
自動標本検査システムの実施形態は、本明細書に開示される標本調製装置の任意の1つ以上の特徴などの、特徴本明細書に、適切なものとして開示されている任意の1つ以上の特徴を含み得る。
本明細書に開示された方法、キットおよびシステムの実施形態においては、(A)、(B)、(C)および(D)のうちの1つ、2つ、3つまたは4つ(たとえば4つ)を適用することができる。
(A) 細胞固定液は、アズールB;界面活性剤;メタノールおよびエチレングリコールを含む。
たとえば、細胞固定液は、約0.5g/L〜約5.0g/LのアズールB;約0.5mL/L〜約2.0mL/Lのポリソルベート20;約5mL/L〜約50mL/Lのエチレングリコール、プロピレングリコール、またはポリプロピレングリコール;約0.1g/L〜約10g/LのHEPESナトリウム塩;およびメタノールを含み得る。
別の例として、細胞固定液は、約0.8g/L〜約1.2g/LのアズールB;約0.8mL/L〜約1.2mL/Lのポリソルベート20;約9mL/L〜約11mL/Lのエチレングリコール;約0.25g/L〜約0.38g/LのHEPESナトリウム塩;およびメタノールを含み得る。
たとえば、細胞固定液は、約1g/LのアズールB;約1mL/Lのポリソルベート20;約10mL/Lのエチレングリコール;約0.32g/LのHEPESナトリウム塩;およびメタノールを含み得る。
別の例としては、細胞固定液は、約1g/LのアズールB;約0.5mL/Lのポリソルベート20;約10mL/Lのプロピレングリコール;約0.32g/LのHEPESナトリウム塩;およびメタノールを含み得る。
さらなる例としては、細胞固定液は、約1g/LのアズールB;約1.5mL/Lのポリソルベート20;約10mL/Lのポリプロピレングリコール;約0.32g/LのHEPESナトリウム塩;およびメタノールを含み得る。
実施形態は、上述したおよび/または発明の詳細な説明に記載したおよび/または特許請求の範囲に記載した特徴のいずれか1つ以上を含み得る。
(B) 第1の細胞染色液は、エオシンY;緩衝剤;界面活性剤;塩化ナトリウム;エチレングリコール;および水を含む。
たとえば、第1の細胞染色液は、約0.5g/L〜約5.0g/LのエオシンY;約5mM〜約250mMのビス−トリス緩衝液またはリン酸緩衝液;約0.5mL/L〜約2.0mL/Lのポリソルベート20;約1g/L〜約20g/Lの塩化ナトリウム;約5mL/L〜約50mL/Lのエチレングリコール;約0.2ppm〜約50ppmのProClin300(登録商標);酢酸;および水を含むことができ、その溶液のpHは、約5.8〜約6.2である。
別の例としては、第1の細胞染色液は、約0.6g/L〜約0.9g/LのエオシンY;約45mM〜約55mMのビス−トリス緩衝液;約0.8mL/L〜約1.2mL/Lのポリソルベート20;約3g/L〜約5g/Lの塩化ナトリウム;約9mL/L〜約11mL/Lのエチレングリコール;約10ppm〜約20ppmのProClin300(登録商標);酢酸;および水を含むことができ、その溶液のpHは、約5.8〜約6.2である。
たとえば、第1の細胞染色液は、約0.75g/LのエオシンY;約50mMのビス−トリス緩衝液;約1mL/Lのポリソルベート20;約4g/Lの塩化ナトリウム;約10mL/Lのエチレングリコール;約15ppmのProClin300(登録商標);酢酸;および水を含むことができ、その溶液のpHは、約5.8〜約6.2である。
別の例としては、第1の細胞染色液は、約0.75g/LのエオシンY;約50mMのビス−トリス緩衝液;約0.5mL/Lのポリソルベート20;約6g/Lの塩化ナトリウム;約20mL/Lのエチレングリコール;約15ppmのProClin300(登録商標);酢酸;および水を含むことができ、その溶液のpHは、約5.8〜約6.2である。
さらなる例としては、第1の細胞染色液は、約0.75g/LのエオシンY;約50mMのリン酸緩衝液、約2.0mL/Lのポリソルベート20;約4g/Lの塩化ナトリウム;約50mL/Lのエチレングリコール;約15ppmのProClin300(登録商標);酢酸;および水を含むことができ、その溶液のpHは、約5.8〜約6.2である。
実施形態は、上述したおよび/または発明の詳細な説明に記載したおよび/または特許請求の範囲に記載した特徴のいずれか1つ以上を含み得る。
(C) 第2の細胞染色液は、アズールB;メチレンブルー;緩衝剤;界面活性剤;塩化ナトリウム;および水を含む。
たとえば、第2の細胞染色液は、約0.25〜約2.5g/LのアズールB;約0.25g/L〜約2.5g/Lのメチレンブルー;約5mM〜約250mMのビス−トリスまたはHEPES緩衝液;約0.5mL/L〜約2.0mL/Lのポリソルベート20;約1g/L〜約20g/Lの塩化ナトリウム;および約0.2ppm〜約50ppmのProClin300(登録商標);酢酸;および水を含むことができ、その溶液のpHは、約6.8〜約7.2である。
別の例としては、第2の細胞染色液は、約0.4〜約0.6g/LのアズールB;約0.4g/L〜約0.5g/Lのメチレンブルー;約45mM〜約55mMのビス−トリス緩衝液;約0.8mL/L〜約1.2mL/Lのポリソルベート20;約1.8g/L〜約2.2g/Lの塩化ナトリウム;および約10ppm〜約20ppmのProClin300(登録商標);酢酸;および水を含むことができ、その溶液のpHは、約6.8〜約7.2である。
たとえば、第2の細胞染色液は、約0.5g/LのアズールB;約0.45g/Lのメチレンブルー;約50mMのビス−トリス緩衝液;約1mL/Lのポリソルベート20;約2g/Lの塩化ナトリウム、および約15ppmのProClin300(登録商標);酢酸;および水を含むことができ、その溶液のpHは、約6.8〜約7.2である。
別の例としては、第2の細胞染色液は、約0.5g/LのアズールB;約0.45g/Lのメチレンブルー;約50mMのHEPES緩衝液;約0.5mL/Lのポリソルベート20;約2g/Lの塩化ナトリウム、および約15ppmのProClin300(登録商標);酢酸;および水を含むことができ、その溶液のpHは、約6.8〜約7.2である。
さらなる例としては、第2の細胞染色液は、約0.5g/LのアズールB;約0.45g/Lのメチレンブルー;約50mMのHEPES緩衝液;約1mL/Lのポリソルベート20、約1g/Lの塩化ナトリウム、および約15ppmのProClin300(登録商標);酢酸;および水を含むことができ、その溶液のpHは、約6.8〜約7.2である。
溶液は、約6.8〜約7.2のpHを有し得る。
実施形態は、上述したおよび/または発明の詳細な説明に記載したおよび/または特許請求の範囲に記載した特徴のいずれか1つ以上を含み得る。
(D) 自動標本調製装置用のリンス液は、ポリエチレングリコール;緩衝剤;界面活性剤;メタノール;および水を含む。
たとえば、リンス液は、約0.2g/L〜約10g/Lのポリエチレングリコール;約1mM〜約250mMのHEPES、MESまたはビス−トリス緩衝液;約0.1mL/L〜約2.40mL/Lのポリソルベート20;約0.04ppm〜約50ppmのProClin300(登録商標);約9mL/L〜約200mL/Lのメタノール;および水を含むことができ、そのリンス液のpHは、約6.6〜約7.0である。
別の例としては、リンス液は、約1g/L〜約10g/Lのポリエチレングリコール;約5mM〜約250mMのHEPES、MESまたはビス−トリス緩衝液;約0.5mL/L〜約2.0mL/Lのポリソルベート20;約0.2ppm〜約50ppmのProClin300(登録商標);約10mL/L〜約200mL/Lのメタノール;および水を含むことができ、そのリンス液のpHは、約6.6〜約7.0である。
さらなる例としては、リンス液は、約4.5g/L〜約5.5g/Lのポリエチレングリコール;約45mM〜約55mMのHEPES緩衝液;約0.8mL/L〜約1.2mL/Lのポリソルベート20;約10ppm〜約20ppmのProClin300(登録商標);約45mL/L〜約55mL/Lのメタノール;および水を含むことができ、そのリンス液のpHは、約6.6〜約7.0である。
たとえば、リンス液は、約5g/Lのポリエチレングリコール;約50mMのHEPES緩衝液;約1mL/Lのポリソルベート20;約15ppmのProClin300(登録商標);約50mL/Lのメタノール;および水を含むことができ、そのリンス液のpHは、約6.6〜約7.0である。
別の例としては、リンス液は、約10g/Lのポリエチレングリコール;約50mMのMES緩衝液;約1mL/Lのポリソルベート20;約15ppmのProClin300(登録商標);約50mL/Lのメタノール;を含むことができ、そのリンス液のpHは、約6.6〜約7.0である。
さらなる例としては、リンス液は、約10g/Lのポリエチレングリコール;約50mMのビス−トリス緩衝液;約0.5mL/Lのポリソルベート20;約15ppmのProClin300(登録商標);約50mL/Lのメタノール;および水を含むことができ、そのリンス液のpHは、約6.6〜約7.0である。
たとえば、リンス液は、約0.2g/L〜約2g/Lのポリエチレングリコール;約1mM〜約50mMのHEPES緩衝液;約0.16mL/L〜約0.24mL/Lのポリソルベート20;約0.04ppm〜約10ppmのProClin300(登録商標);約9mL/L〜約11mL/Lのメタノール;および水を含むことができ、そのリンス液のpHは、約6.6〜約7.0である。
別の例としては、リンス液は、約0.9g/L〜約1.1g/Lのポリエチレングリコール;約9mM〜約11mMのHEPES緩衝液;約0.16mL/L〜約0.24mL/Lのポリソルベート20;約2ppm〜約10ppmのProClin300(登録商標);約9mL/L〜約11mL/Lのメタノール;および水を含むことができ、そのリンス液のpHは、約6.6〜約7.0である。
なお別の例としては、リンス液は、約1g/Lのポリエチレングリコール;約10mMのHEPES緩衝液;約0.2mL/Lのポリソルベート20;約3ppmのProClin300(登録商標);約10mL/Lのメタノール;および水を含むことができ、そのリンス液のpHは、約6.6〜約7.0である。
本明細書において使用する場合、溶液が1つ以上の物質を「含まない」という場合、これは、その溶液が、HPLC、UV分光法、電気泳動、および/または酵素アッセイ検出により測定した場合、その1つ以上の物質を5%未満(たとえば、4%未満、3%未満、2%未満、1%未満、0%(w/wまたはw/vまたはv/v))含むことを意味する。
定義されない限りは、本明細書で用いる技術用語および科学用語は、本発明の属する技術分野の当業者により一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載されているものと同様または同等の方法および材料は、本発明の実施または検査において用いられ得るが、適切な方法および材料が以下に記載される。本明細書で言及される全ての出版物、特許出願、特許、および他の参考文献は、それらの全体が参照により組み込まれている。矛盾する場合には、定義を含めて本明細書が考慮される。また、材料、方法および実施例は、単に例示に過ぎず、また限定を意図するものでもない。
本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および特許請求の範囲から明らかとなる。
固定液の一実施形態のHPLCクロマトグラフである。 固定液の一実施形態の紫外−可視吸収スペクトルである。 第1の染色液の一実施形態のHPLCクロマトグラフである。 第1の染色液の一実施形態の紫外−可視吸収スペクトルである。 第2の染色液の一実施形態のHPLCクロマトグラフである。 第2の染色液の一実施形態の紫外−可視吸収スペクトルである。 開放位置で両試料把持部20Aおよび20Bを備えた検査用標本の調製のための装置の一実施形態の斜視図である。 図7記載の装置の一部のもう1つの斜視図である(基板アームおよび試料把持部が示されていない)。 開放位置の試料把持部20Aおよび閉鎖(標本処理)位置の試料把持部20Bを備えた図7記載の装置の別の斜視図である。 図7記載の装置のインデキシング機構の斜視図である。 複数の液体ルートによる装置と液体容器との間の接続を示す図7の装置の斜視図である。 自動基板移動手段および本明細書に記載される標本調製装置の一実施形態を含む標本検査システムの斜視図である。 標本把持部20B、プラットホーム60Bおよびブロック80Bを詳細に示す図7の装置の一部の拡大斜視図である。 図7の装置のボールジョイント機構の斜視図である。 図12Bのボールジョイント機構の断面図である。 基板アームを開放位置から閉鎖(標本処理)位置へ移動させるための一連の工程を示すフローチャートである。 本明細書に記載される標本調製装置の一実施形態の概略図である。 基板アームを開放位置から標本処理位置へ移動させるための別の一連の工程を示すフローチャートである。 2つのアクチュエータを含む検査用標本を調製するための装置の概略図である。 標本に固定剤を適用するための一連の工程を示すフローチャートである。 標本に染色剤を適用するための一連の工程を示すフローチャートである。 基板から過剰な液体を除去するための一連の工程を示すフローチャートである。 基板から過剰な液体を除去するための別の一連の工程を示すフローチャートである。 標本をリンスするための一連の工程を示すフローチャートである。 標本を攪拌するための一連の工程を示すフローチャートである。 標本を乾燥するための一連の工程を示すフローチャートである。 より大きな標本検査システムにおいて使用される場合の標本調製装置の斜視図である。 基板上に載せた標本を処理するための一連の工程を示すフローチャートである。 図22のフローチャートにおいて、時間の関数として消費される液体の容量を示すグラフである。 自動基板移動手段により基板アーム上への基板の設置を示す図7の装置の斜視図である。 自動基板移動手段により基板アーム上への基板の設置を示す図7の装置の斜視図である。 固定液、第1の染色液、第2の染色液およびリンス液を含むキットの一実施形態である。
種々の図における同様の参照符号は同様の要素を示す。
本明細書に開示されるのは、自動標本処理のための処方、方法およびシステムである。本明細書に記載される自動標本処理方法およびシステムは、手動方法および他の自動処理方法に対して、手動または他のシステムによって処理される場合の染色剤、固定化剤および他の試薬の適用に関連したばらつきを有意に減少させると同時に高度に均一な染色で、最少の試薬量を用いる増強された処理速度といった利点を提供する。固定液、染色液およびリンス液は、標本のコントラストを増強し、自動標本処理システムから容易に分配され得る。さらに、固定液、染色液およびリンス液は、従来の固定液、染色液およびリンス液に対して改善された細胞同定および細胞分類を提供し得る。
従来の固定液、染色液およびリンス液は、通常、淡色の染色または生体試料の非特異的染色(たとえば、細胞質の非特異的染色)などの芳しくない染色結果を提供するか、または大量の処理液を必要とする。本明細書において開示する処方は、たとえば自動標本処理システムに用いられる場合、高コントラストおよび生体試料の選択的染色を低用量の処理液で可能とする。
さらに、従来の自動処理方法は、通常、比較的高スループットであるが同時に大量の処理液を消費するか、または比較的低スループットであるが処理液の消費量が少ない。しかしながら、多くの適用のためには、ハイスループット操業と低い液体消費量の両方が望ましい。ハイスループットを維持することにより、標本を効率的に処理および検査できる。液体消費量を低く抑えることにより、処理廃棄物の量が処理試薬の必要量と共に減少され、稼働コストが低く維持される。本明細書に開示された処方、システムおよび方法は、低用量の処理液(たとえば、標本につき液体約1mL未満、標本につき液体約1.5mL未満、標本につき液体約2mL未満)を用いて、迅速な標本の自動処理(たとえば、単独の機械で1時間当たり100標本より多く)を可能とする一方で、高度に均一で再現性のある結果を生み出す。
標本調製システムでの使用のための処方
固定液、1つ以上の染色液およびリンス液が本明細書において提供され、それらは自動標本調製システムにおいて使用され得る。各溶液は、特定の処方を有し得る。たとえば、固定液は、細胞学的染料、界面活性剤、有機溶媒、非特異的結合を最小化するための薬剤、および緩衝剤を含み得る。第1の染色水溶液は、細胞学的染料、緩衝剤、界面活性剤、塩、非特異的結合を最小化するための薬剤、および抗菌剤を含み得る。第2の染色水溶液は、1つ以上の細胞学的染料、緩衝剤、界面活性剤、塩および抗菌剤を含み得る。リンス液は、緩衝剤、界面活性剤、抗菌剤、有機溶媒および水溶性ポリマーを含み得る。処方組成は、HPLCによって純度が分析でき、および/または精製できる。処方は、pHを調製するための酸も含み得る。各処方を、さらに詳細に以下に説明する。
固定液
固定液に含めることができる固定化剤としては、生体試料を腐敗から保護するために使用される化学薬品が挙げられる。そのような固定化剤は、標本に生じる生物学的反応を防ぐことができ、標本の機械的強度と安定性を増加させる。種々の固定化剤を固定液に含めることができ、たとえば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド、EDTA、界面活性剤、金属塩、金属イオン、尿素およびアミノ化合物などが挙げられる。いくつかの実施形態において、固定液は、画像化の目的のために、有機溶媒または、細胞内の成分(たとえば、タンパク質)を沈殿、架橋もしくは保存させることができる固定化を含む。たとえば、固定化剤としては、メタノール、エタノールおよびイソプロパノールなどの1つ以上のアルコールなどの有機溶媒、またはアセトンおよびエーテルなどの他の有機溶媒などが挙げられる。いくつかの実施形態において、固定液は、メタノールなどの有機溶媒を含む。有機溶媒は、水が約0.1%未満のACSグレード(たとえば、水が約0.05%未満、水が約0.01%未満)を有し得る。有機溶媒は、溶液において、固定液に他の成分が添加された後の残りの量で存在し得る。有機溶媒は、標本用の乾燥剤としても働くことができ、そして標本から水分を排除することができる。
いくつかの実施形態において、固定液は、細胞学的染料を含む。染料は、標本の染色を増加させることができ、たとえば、アズールB、メチレンブルー、エオシン、チアジン染色剤、およびフルオレセイン誘導体などが含まれる。染料は、純度約80%以上(たとえば、純度約85%以上、純度約90%以上、純度約95%以上、または純度約99%以上)であり得る。アズールBの代表的なHPLCクロマトグラムは、たとえば図1に示される。染料は、固定液中、およそ0.5g/L(たとえば、およそ0.75g/L、およそ1g/L、およそ2g/L、およそ3g/L、およそ4g/L)から、およそ5g/L(たとえば、およそ4g/L、およそ3g/L、およそ2g/L、およそ1g/L、またはおよそ0.75g/L)の濃度であり得る。たとえば、固定液は、およそ1g/LのアズールBを含み得る。いくつかの実施形態において、固定液は、およそ0.8g/LのアズールBを含み得る。
固定液は、界面活性剤を含み得る。いかなる理論にも拘束されることを望むものではないが、界面活性剤は、溶媒の表面張力を減少させ、図13Bに示されるように、分離92で試料基板上への溶液の良好な塗布性を提供するものであると考えられる。いくつかの実施形態において、界面活性剤は非イオン性であり、そして、イオン的に帯電した染料などの処方内の成分とのイオン相互作用から生じ得る溶液からの沈殿の可能性を最小化し得る。沈殿をほとんどまたは全く含まない溶液は、より容易に分配ノズルから排出され得、分配ノズルが詰まる可能性や、液体の流れが徐々に弱まる可能性を減少させることができる。いくつかの実施形態において、界面活性剤は、固定液内の成分の標本への非選択的結合の可能性を減少させることができ、これにより、画像アーチファクトを最小化できる。
固定液は、液体界面活性剤の場合は容量%で、または固体界面活性剤の場合は重量%で、およそ0.05%から(たとえば、およそ0.075%から、およそ0.1%から、およそ0.2%から、およそ0.3%から、またはおよそ0.4%から)、およそ0.5%(たとえば、およそ0.4%、およそ0.3%、およそ0.2%、およそ0.1%、またはおよそ0.075%)の界面活性剤を含み得る。いくつかの実施形態において、固定液は、およそ0.5〜およそ2mL/Lの界面活性剤(たとえば、非イオン性界面活性剤)を含み得る。たとえば、固定液は、およそ1mL/Lのポリソルベート20(たとえば、Tween20)を含み得る。
界面活性剤は、非イオン性、カチオン性、アニオン性または両性イオン性であってもよい。界面活性剤の混合物が使用されてもよい。界面活性剤の具体的な分類には、アルコールエーテル硫酸塩、アルコール硫酸塩、アルカノールアミド、アルキルスルホネート、アミンオキサイド、両性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、ベタイン誘導体、カチオン性界面活性剤、ジスルホネート、ドデシルベンゼン、スルホン酸、エトキシ化アルコール、エトキシ化アルキルフェノール、エトキシ化脂肪酸、グリセロールエステルヒドロトロピー剤(hydrotropes)、ラウリル硫酸塩、モノおよびジグリセリド、非イオン性界面活性剤、リン酸エステル、第4級界面活性剤ならびにソルビタン誘導体が挙げられる。
具体的な非イオン界面活性剤としては、たとえば、BigCHAP(N,N−ビス[3−(D−グルコンアミド)プロピル]コールアミド)、ビス(ポリエチレングリコールビス[イミダゾイルカルボニル])、Brij(登録商標)30(ポリオキシエチレン4ラウリルエーテル)、Brij(登録商標)35(ポリオキシエチレン23ラウリルエーテル)、Brij(登録商標)52(ポリオキシエチレン2セチルエーテル)、Brij(登録商標)56(ポリオキシエチレン10セチルエーテル)、Brij(登録商標)58(ポリオキシエチレン20セチルエーテル)、Brij(登録商標)72(ポリオキシエチレン2ステアリルエーテル)、Brij(登録商標)76(ポリオキシエチレン10ステアリルエーテル)、Brij(登録商標)78(ポリオキシエチレン20ステアリルエーテル)、Brij(登録商標)92(ポリオキシエチレン2オレイルエーテル)、Brij(登録商標)97(ポリオキシエチレン10オレイルエーテル)、Brij(登録商標)98(ポリオキシエチレン20オレイルエーテル)、Brij(登録商標)700(ポリオキシエチレン100ステアリルエーテル)、Cremophor(登録商標)EL(ヒマシ油/エチレンオキシドポリエーテル)、デカエチレングリコールモノドデシルエーテル、オクタノイル−N−メチルグルカミド(MECA−8)、デカノイル−N−メチルグルカミド(MECA−10)、n−オクチルグルコシド、n−ドデシルグルコシド、イソトリデシルポリ(エチレングリコールエーテル)n、N−デカノイル−N−メチルグルカミン、n−デシルα−Dグルコピラノシド、デシルβ−D−マルトピラノシド、n−ドデカノイル−N−メチルグルカミド、n−ドデシルα−D−マルトシド、n−ドデシルβ−D−マルトシド、ヘプタエチレングリコールモノデシルエーテル、ヘプタエチレングリコールモノテトラデシルエーテル、n−ヘキサデシルβ−D−マルトシド、ヘキサエチレングリコールモノドデシルエーテル、ヘキサエチレングリコールモノヘキサデシルエーテル、ヘキサエチレングリコールモノオクタデシルエーテル、ヘキサエチレングリコールモノテトラデシルエーテル、Igepal(登録商標)CA−630(オクチルフェニル−ポリエチレングリコール)、Igepal(登録商標)CA−210(ポリオキシエチレン(2)イソオクチルフェニルエーテル)、Igepal(登録商標)CA−520(ポリオキシエチレン(5)イソオクチルフェニルエーテル)、Igepal(登録商標)CO−630(ポリオキシエチレン(9)ノニルフェニルエーテル)、Igepal(登録商標)CO−720(ポリオキシエチレン(12)ノニルフェニルエーテル)、Igepal(登録商標)CO−890(ポリオキシエチレン(40)ノニルフェニルエーテル)、Igepal(登録商標)CO−990(ポリオキシエチレン(100)ノニルフェニルエーテル)、Igepal(登録商標)DM−970(ポリオキシエチレン(150)ジノニルフェニルエーテル)、メチル−6−O−(N−ヘプチルカルバモイル)−α−D−グルコピラノシド、ノナエチレングリコールモノドデシルエーテル、N−ノナノイル−N−メチルグルカミン、オクタエチレングリコールモノデシルエーテル、オクタエチレングリコールモノドデシルエーテル、オクタエチレングリコールモノヘキサデシルエーテル、オクタエチレングリコールモノオクタデシルエーテル、オクタエチレングリコールモノテトラデシルエーテル、オクチル−β−D−グルコピラノシド、ペンタエチレングリコールモノデシルエーテル、ペンタエチレングリコールモノドデシルエーテル、ペンタエチレングリコールモノヘキサデシルエーテル、ペンタエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ペンタエチレングリコールモノオクタデシルエーテル、ペンタエチレングリコールモノオクチルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールエーテルW−1、ポリオキシエチレン10トリデシルエーテル、ポリオキシエチレン100ステアレート、ポリオキシエチレン20イソヘキサデシルエーテル、ポリオキシエチレン20オレイルエーテル、ポリオキシエチレン40ステアレート、ポリオキシエチレン50ステアレート、ポリオキシエチレン8ステアレート、ポリオキシエチレンビス(イミダゾリルカルボニル)、ポリオキシエチレン25プロピレングリコールステアレート、サポニン、Span(登録商標)20(ソルビタンラウリン酸モノエステル)、Span(登録商標)40(ソルビタンパルミチン酸モノエステル)、Span(登録商標)60(ソルビタンステアリン酸モノエステル)、Span(登録商標)65(ソルビタンステアリン酸トリエステル)、Span(登録商標)80(ソルビタンオレイン酸モノエステル)、Span(登録商標)85(ソルビタンオレイン酸トリエステル)、任意の形態でのTergitol(15−S−5、15−S−7、15−S−9、15−S−12、15−S−30、NP−4、NP−7、NP−9、NP−10、NP−40、NPX(Imbentin−N/63)、TMN−3(ポリエチレングリコールトリメチルノニルエーテル)、TMN−6(ポリエチレングリコールトリメチルノニルエーテル)、TMN−10(ポリエチレングリコールトリメチルノニルエーテル)、MIN FOAM lx、およびMIN FOAM 2xなど)、テトラデシル−β−D−マルトシド、テトラエチレングリコールモノデシルエーテル、テトラエチレングリコールモノドデシルエーテル、テトラエチレングリコールモノテトラデシルエーテル、トリエチレングリコールモノデシルエーテル、トリエチレングルコールモノドデシルエーテル、トリエチレングリコールモノヘキサデシルエーテル、トリエチレングリコールモノオクチルエーテル、トリエチレングリコールモノテトラデシルエーテル、Triton(登録商標)CF−21、Triton(登録商標)CF−32、Triton(登録商標)DF−12、Triton(登録商標)DF−16、Triton(登録商標)GR−5M、Triton(登録商標)N−101(ポリオキシエチレン分岐ノニルフェニルエーテル)、Triton(登録商標)QS−15、Triton(登録商標)QS−44、Triton(登録商標)RW−75(ポリエチレングリコール260モノ(ヘキサデシル/オクタデシル)エーテルおよび1−オクタデカノール)、Triton(登録商標)X−100(ポリエチレングリコールtert−オクチルフェニルエーテル)、Triton(登録商標)X−102、Triton(登録商標)X−15、Triton(登録商標)X−151、Triton(登録商標)X−200、Triton(登録商標)X−207、Triton(登録商標)X−114、Triton(登録商標)X−165、Triton(登録商標)X−305、Triton(登録商標)X−405(ポリオキシエチレン(40)イソオクチルフェニルエーテル)、Triton(登録商標)X−405還元(ポリオキシエチレン(40)イソオクチルシクロヘキシルエーテル)、Triton(登録商標)X−45(ポリエチレングリコール4−tert−オクチルフェニルエーテル)、Triton(登録商標)X−705−70、任意の形態のTWEEN(登録商標)(TWEEN(登録商標)20(ポリオキシエチレンソルビタンラウリン酸モノエステル、すなわちポリソルベート20)、TWEEN(登録商標)21(ポリオキシエチレンソルビタンラウリン酸モノエステル)、TWEEN(登録商標)40(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンパルミチン酸モノエステル)TWEEN(登録商標)60(ポリエチレングリコールソルビタンステアリン酸モノエステル)、TWEEN(登録商標)61(ポリエチレングリコールソルビタンステアリン酸モノエステル)、TWEEN(登録商標)65(ポリオキシエチレンソルビタンステアリン酸トリエステル)、TWEEN(登録商標)80(ポリオキシエチレンソルビタンオレイン酸モノエステル)、TWEEN(登録商標)81(ポリオキシエチレンソルビタンオレイン酸モノエステル)およびTWEEN(登録商標)85(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンオレイン酸トリエステル)など)、Tyloxapol(ホルムアルデヒドとオキシランとの4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノールポリマー)、およびn−ウンデシルβ−D−グルコピラノシドが挙げられる。
具体的なアニオン性界面活性剤としては、ケノデオキシコール酸、コール酸、デヒドロコール酸、デオキシコール酸、ジギトニン、ジギトキシゲニン、N,N−ジメチルドデシルアミンN−オキシド、ドキュセートナトリウム、グリコケノデオキシコール酸ナトリウム、グリココール酸、グリコデオキシコール酸、グリコリトコール酸3−硫酸二ナトリウム塩、グリコリトコール酸エチルエステル、N−ラウロイルサルコシン、リチウムドデシル硫酸塩、Lugol(ヨードヨウ化カリウム)、Niaproof(2−エチルヘキシル硫酸ナトリウム塩)、Niaproof4(7−エチル−2−メチル−4−ウンデシル硫酸ナトリウム塩)、任意に置換されたアルキルスルホン酸塩(1−ブタンスルホン酸の塩、ペンタンスルホン酸の塩、ヘキサンスルホン酸の塩、1−オクタンスルホン酸の塩、1−デカンスルホン酸の塩、1−ドデカンスルホン酸の塩、1−ヘプタンスルホン酸の塩、1−ヘプタンスルホン酸の塩、1−ノナンスルホン酸の塩、1−プロパンスルホン酸の塩、および2−ブロモエタンスルホン酸の塩、特にナトリウム塩など)、コール酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウム、任意に置換されているドデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、タウロコール酸ナトリウム、タウロケノデオキシコール酸ナトリウム、タウロヒオデオキシコール酸ナトリウム、タウロリトコール酸3−硫酸二ナトリウム塩、タウロウルソデオキシコール酸ナトリウム塩、Trizma(登録商標)ドデシル硫酸、ウルソデオキシコール酸などが挙げられる。アニオン性界面活性剤は、酸または塩の形態、またはその両方で提供され得る。
具体的なカチオン性界面活性剤としては、臭化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンジルジメチルヘキサデシルアンモニウム、塩化ベンジルジメチルテトラデシルアンモニウム、臭化ベンジルドデシルジメチルアンモニウム、テトラクロロヨウ素酸ベンジルトリメチルアンモニウム、臭化ジメチルジオクタデシルアンモニウム、臭化ドデシルエチルジメチルアンモニウム、臭化ドデシルトリメチルアンモニウム、臭化エチルヘキサデシルジメチルアンモニウム、ジラード試薬T、臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、N,N’,N’−ポリオキシエチレンン(10)−N−タロー−1,3−ジアミノプロパン、臭化トンゾニウム、および臭化トリメチル(テトラデシル)アンモニウムが挙げられる。
具体的な両性イオン性界面活性剤としては、CHAPS(スルホン酸3−{(3−コールアミドプロピル)ジメチルアンモニオ}−I−プロパン)、CHAPSO(スルホン酸3−{(3−コールアミドプロピル)ジメチルアンモニオ}−2−ヒドロキシ−1−プロパン)、スルホン酸3−(デシルジメチルアンモニオ)プロパン、スルホン酸3−(ドデシルジメチルアンモニオ)プロパン、スルホン酸3−(N,N−ジメチルミリスチルアンモニオ)プロパン、スルホン酸3−(N,N−ジメチルオクタデシルアンモニオ)プロパン、スルホン酸3−(N,N−ジメチルオクチルアンモニオ)プロパン、およびスルホン酸3−(N,N−ジメチルパルミチルアンモニオ)プロパンが挙げられる。
界面活性剤には、既知のものまたは本技術分野において発見可能なものが含まれる。界面活性剤は、合成することができ、または任意の様々な販売者(たとえば、シグマアルドリッチ社、セントルイス、MO、米国、www.sigmaaldrich.com)から購入することもできる。所定の界面活性剤は、アーチファクトを減少させるその能力について、試験界面活性剤で処理したサンプルを、界面活性剤処理なしで処理したサンプルに対して、また汚染アーチファクトを減少させることが知られている界面活性剤または他の陽性コントロールに対して評価することにより調べてもよい。所定の界面活性剤は、処方中の成分の沈殿を減少させるその能力について、界面活性剤を含有する溶液を、界面活性剤なしの溶液に対して、溶液を少なくとも2週間静置した後に目視検査することにより調べてもよい。
固定液は、細胞成分への染料の非特異的結合を最小化するための薬剤、たとえばエチレングリコール、プロピレングリコールおよび/またはポリエチレングリコールを含み得る。いくつかの実施形態において、固定液は、液体の非特異的結合最小化剤の場合は容量%で、または固体の非特異的結合最小化剤の場合は重量%で、およそ0.5%(たとえば、およそ0.75%、およそ1%、およそ2%、およそ3%、またはおよそ4%)から、およそ5%(たとえば、およそ4%、およそ3%、およそ2%、およそ1%、またはおよそ0.75%)の非特異的結合最小化剤を含み得る。たとえば、固定液は、およそ5mL/L(たとえば、およそ10mL/L、およそ15mL/L、およそ20mL/L、およそ25mL/L、およそ30mL/L、およそ35mL/L、およそ40mL/L、またはおよそ45mL/L)から、およそ50mL/L(たとえば、およそ45mL/L、およそ40mL/L、およそ35mL/L、およそ30mL/L、およそ25mL/L、およそ20mL/L、およそ15mL/L、またはおよそ10mL/L)のエチレングリコールを含み得る。いくつかの実施形態において、固定液は、およそ10mL/L(たとえば、およそ15mL/L、およそ20mL/L、またはおよそ25mL/L)のエチレングリコールを含む。
固定液は、緩衝剤を含み得る。緩衝剤の例としては、HEPES緩衝液(たとえば、HEPESナトリウム塩および/またはHEPES遊離酸)、MES、ビス−トリス、および他の有機緩衝液が挙げられる。固定液は、およそ0.5mM(たとえば、およそ1mM、およそ3mM、およそ5mM、およそ7mM、またはおよそ9mM)から、およそ10mM(たとえば、およそ9mM、およそ7mM、およそ5mM、およそ3mM、またはおよそ1mM)の緩衝剤を含み得る。たとえば、固定液は、およそ1.5mM(たとえば、およそ2mMまたはおよそ1mM)のHEPESナトリウム塩を含み得る。固定液は、およそ0.1g/L〜およそ10g/LのHEPES(たとえば、およそ0.5g/L〜およそ10g/L、およそ0.25g/L〜およそ0.38g/L、およそ0.32g/L)を含み得る。
固定液は、固定液対水約1:10の比率で水に希釈した場合、およそ6〜およそ8のpH(たとえば、およそ6.3〜およそ7.7のpH、およそ6.5〜およそ7.5のpH、およそ6.7〜およそ7.3のpH、およそ6.8〜およそ7.2のpH、およそ6.9〜およそ7.1のpH、またはおよそ7.0のpH)を有し得る。いくつかの実施形態において、固定液は、固定液対水1:1000の希釈で、約640〜約650nm(たとえば、約646〜約648nm)のピーク波長で、およそ0.1から1(たとえば、およそ0.1〜0.8、およそ0.1〜0.7、およそ0.1〜0.5、およそ0.1〜0.4、およそ0.1〜0.3、およそ0.15〜0.3、およそ0.15〜0.2、およそ0.185〜0.205、およそ0.19、またはおよそ0.2)の吸光度を有し得る。
例として、固定液を作るために、メタノールなどの有機溶媒を最初に、最終の所望の容量の100%未満(たとえば、およそ90%)まで混合容器に加え得る。非特異的結合最小化剤(たとえば、エチレングリコール)、界面活性剤(たとえば、ポリソルベート20)、細胞学的染料(たとえば、アズールB)および緩衝剤(たとえば、HEPESナトリウム塩)の計算された量をメタノールに添加し得る。さらに、メタノールを、溶液をその最終所望容量とするように添加することができる。混合物をマグネチック攪拌プレート/攪拌棒および/または羽(impeller)で最低約30分間混合し得る。混合後、固定液を蒸留水で1:10希釈したものが調製され、pH測定がpHメーター(たとえば、メトラーpHメーター)を用いて行なわれ得る。いくつかの実施形態においては、pHが所望の範囲内でない場合、その後、さらに緩衝剤が、希釈していない固定液に、固定液の蒸留水への1:10希釈が所望のpHに達するまで添加され得る。
固定液の吸光度は、UV−分光光度計(たとえば、日立UV−分光光度計)を用いて測定することができる。最初にベースラインを分光光度計に走らせることができる。たとえば、10mLの固定液の試料を0.45μmシリンジフィルタを通してろ過することができ、溶液を蒸留水で1:1000に希釈し、およそ500とおよそ700nmとの間で分光光度計にかけることができる。約640〜約650nmでの吸光度が記録され得る。アズールBを含む固定液の代表的な紫外−可視吸収スペクトルは、たとえば図2に示されている。必要であれば、追加的な細胞学的染料を固定液に添加し、所望の範囲に吸光度を持ってくることができる。追加的な細胞学的染料が固定液に添加された場合、溶液は、最低約30分間混合され、測定プロセス(たとえば、10mLアリコートをろ過し、アリコートを蒸留水で1:1000の比率で希釈し、そして吸光度測定を行う)が繰り返される。溶液のpHも再度測定され得、(必要な場合)上述の方法により調整され得る。
最後に、固定液は、ボトリングの前に任意の粒状物質を取り除くために0.45μmフィルタを通してろ過してもよい。いくつかの実施形態において、微小なフィルタまたは粗いフィルタが使用され得る。たとえば、0.1〜1μmのフィルタ(たとえば、0.2μmフィルタ、0.4μmフィルタ、または0.8μmフィルタ)が、固定液中の任意の微生物および/または粒状物質を取り除くために使用され得る。いくつかの実施形態において、固定化剤は、500mLボトルにおいて保存され得、秤で測定した場合、396g±1gまで充填され得る。最終製品のpHは必要に応じて測定することができる。いくつかの実施形態において、固定液のHPLCクロマトグラムは、たとえば溶液純度を評価するために取得することができる。
いくつかの実施形態において、固定液は、メタノールに溶解し、アズールBに適合し、および/または約7.8にpHを調整し得るため、HEPES緩衝液(たとえば、HEPESナトリウム塩および/またはHEPES遊離酸)を含む。アズールBは、特定の細胞成分(たとえば、細胞核、好塩基球、細胞質、顆粒球など)を優先的に染色し、コントラストを向上させ得る。ポリソルベート20は、基板(たとえば、顕微鏡スライド)上への固定液の塗布性を向上させることができ、および/またはその後の水溶液の送達のためにノズルを準備し得る。エチレングリコールは、染色された標本において良好なコントラストを提供するために細胞成分(たとえば、核と比較して明るい色に染色された核小体を提供するためのクロマチン)への染料の非特異的な結合を減少させ得る。
たとえば、細胞固定液は、約0.5g/L〜約5.0g/LのアズールB;約0.5mL/L〜約2.0mL/Lのポリソルベート20;約5mL/L〜約50mL/Lのエチレングリコール、プロピレングリコールまたはポリプロピレングリコール;約0.1g/L〜約10g/LのHEPESナトリウム塩;およびメタノールを含み得る。
別の例として、細胞固定液は、約0.8g/L〜約1.2g/LのアズールB;約0.8mL/L〜約1.2mL/Lのポリソルベート20;約9mL/L〜約11mL/Lのエチレングリコール;約0.25g/L〜約0.38g/LのHEPESナトリウム塩;およびメタノールを含み得る。
たとえば、細胞固定液は、約1g/LのアズールB;約1mL/Lのポリソルベート20;約10mL/Lのエチレングリコール;約0.32g/LのHEPESナトリウム塩;およびメタノールを含み得る。
別の例として、細胞固定液は、約1g/LのアズールB;約0.5mL/Lのポリソルベート20;約10mL/Lのプロピレングリコール;約0.32g/LのHEPESナトリウム塩;およびメタノールを含み得る。
別の例として、細胞固定液は、約1g/LのアズールB;約1.5mL/Lのポリソルベート20;約10mL/Lのポリプロピレングリコール;約0.32g/LのHEPESナトリウム塩;およびメタノールを含み得る。
第1および第2の染色液
通常、第1の染色液は水溶液であり得る。溶媒としては、蒸留水または脱イオン水が挙げられる。第1の染色液は細胞学的染料を含む。第1の染色液は赤色染色剤を提供し得る。染料は、標本の染色を向上させることができ、たとえば、エオシンYおよびフルオレセイン誘導体が挙げられる。いくつかの実施形態においては、エオシンYは、たとえば血液試料から調製される標本内の細胞の細胞質および核を染めることができる。いくつかの実施形態においては、好酸球および好中球がエオシンYにより優先的に染色される。染料は、純度約80%以上(たとえば、純度約85%以上、純度約90%以上、純度約95%以上、または純度約100%)であり得る。エオシンYの代表的なHPLCクロマトグラムは、たとえば図3に示されている。染料は、第1の染色液において、およそ0.5g/L(たとえば、およそ0.75g/L、およそ1g/L、およそ2g/L、およそ3g/L、またはおよそ4g/L)から、およそ5g/L(たとえば、およそ4g/L、およそ3g/L、およそ2g/L、およそ1g/L、またはおよそ0.75g/L)の濃度を有し得る。たとえば、第1の染色液は、およそ0.75g/L(たとえば、およそ1g/L、およそ2g/L、およそ3g/L、およそ4g/L、または5g/L)のエオシンYを含み得る。
通常、第2の染色液は水溶液であり得る。溶媒としては、蒸留水または脱イオン水が挙げられる。第2の染色液は2つ以上の細胞学的染料を含み得る。第2の染色液は、青色染料を提供し得る。染料は、標本の染色を向上させることができ、たとえば、アズールB、メチレンブルー、および/または他のチアジン染料の少なくとも2つを含み得る。いくつかの実施形態においては、アズールBは、細胞核を優先的に染色することができ、一方、メチレンブルーは、たとえば血液サンプルから調製される標本内の細胞質を優先的に染色することができ、核をわずかに染めることができる。染料は、それぞれ独立して、純度約80%以上(たとえば、純度約85%以上、純度約90%以上、純度約95%以上、または純度約100%)であり得る。各染料は、独立して、第2の染色液において、およそ0.25g/L(たとえば、およそ0.3g/L、およそ0.4g/L、およそ0.45g/L、およそ0.5g/L、およそ0.75g/L、およそ1g/L、およそ1.5g/L、またはおよそ2g/L)から、およそ2.5g/L(たとえば、およそ2g/L、およそ1.5g/L、およそ1g/L、およそ0.75g/L、0.5g/L、およそ0.45g/L、およそ0.4g/L、またはおよそ0.3g/L)の濃度を有し得る。たとえば、第2の染色液は、およそ0.5g/LのアズールBおよびおよそ0.45g/Lのメチレンブルー水和物を含み得る。いくつかの実施形態においては、第2の染色液は、吸光度が各染料の最大吸光度に対応する波長(たとえば、約630nmおよび約660nm)でモニターされる場合、各染料の最大HPLCピーク面積によって評価した場合、およそ1:4〜およそ4:1(たとえば、およそ3:1、およそ2:1、およそ1:1、およそ1:2、またはおよそ1:3)の比率で2つの染料を含み得る。アズールBのメチレンブルーに対する比率およそ1:1で含む第2の染色液の代表的なHPLCクロマトグラフは、たとえば図5に示されている。
第1および第2の染色液は、それぞれ独立して、界面活性剤を含み得る。特定の理論に拘束されることを望むものではないが、界面活性剤は、溶媒の表面張力を減少させ、サンプル基板上への溶液の良好な塗布性を提供することができると考えられる。いくつかの実施形態において、界面活性剤は非イオン性であり、たとえば、イオン的に帯電した染料などの処方内の成分とのイオン相互作用から生じ得る溶液からの沈殿の可能性を最小化することができる。沈殿をほとんどまたは全く含まない溶液は、より容易に分配ノズルから排出され得、分配ノズルが詰まる可能性や、液体の流れが弱まる可能性を減少させ得る。いくつかの実施形態において、界面活性剤は、非特異的結合の可能性を減少させ得るか、または非特異的結合の結果として生じ得るアーチファクトを最小化し得る。沈殿のほとんどない、または沈殿のない溶液は、試料に存在し得るアーチファクトを最小化することもできる。
第1および第2の染色液は、それぞれ独立して、液体の界面活性剤の場合容量%で、または固体の界面活性剤の場合重量%で、およそ0.05%(たとえば、およそ0.075%、およそ0.1%、およそ0.2%、およそ0.3%、またはおよそ0.4%)から、およそ0.5%(たとえば、およそ0.4%、およそ0.3%、およそ0.2%、およそ0.1%、またはおよそ0.075%)の界面活性剤を含み得る。いくつかの実施形態においては、第1および第2の染色液は、それぞれ独立して、およそ0.5〜およそ2mL/Lの界面活性剤(たとえば、非イオン性界面活性剤)を含み得る。たとえば、第1および第2の染色液は、それぞれ独立して、およそ1mL/Lのポリソルベート20(たとえば、Tween20)を含み得る。
界面活性剤は、非イオン性、カチオン性、アニオン性または両性イオン性であってもよい。界面活性剤の混合物もまた使用できる。界面活性剤の具体的な分類には、アルコールエーテル硫酸塩、アルコール硫酸塩、アルカノールアミド、アルキルスルホネート、アミンオキサイド、両性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、ベタイン誘導体、カチオン性界面活性剤、ジスルホネート、ドデシルベンゼン、スルホン酸、エトキシ化アルコール、エトキシ化アルキルフェノール、エトキシ化脂肪酸、グリセロールエステルヒドロトロピー剤、ラウリル硫酸塩、モノおよびジグリセリド、非イオン性界面活性剤、リン酸エステル、第4級界面活性剤、およびソルビタン誘導体が挙げられる。具体的な界面活性剤は、「固定液」の項ですでに記載されたものである。
第1および第2の染色液は、それぞれ独立して、染料の細胞成分への非特異的結合を最小化するための薬剤、たとえばエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールを含み得る。いくつかの実施形態において、第1および第2の染色液は、それぞれ独立して、液体の非特異的結合最小化剤の場合は容量%で、または固体の非特異的結合最小化剤の場合は重量%で、およそ0.5%(たとえば、およそ0.75%、およそ1%、およそ2%、およそ3%、またはおよそ4%)から、およそ5%(たとえば、およそ4%、およそ3%、およそ2%、およそ1%、またはおよそ0.75%)の非特異的結合最小化剤を含み得る。たとえば、第1および第2の染色液は、それぞれ独立して、およそ5mL/L(たとえば、およそ10mL/L、およそ15mL/L、およそ20mL/L、およそ25mL/L、およそ30mL/L、およそ35mL/L、およそ40mL/L、またはおよそ45mL/L)から、およそ50mL/L(たとえば、およそ45mL/L、およそ40mL/L、およそ35mL/L、およそ30mL/L、およそ25mL/L、およそ20mL/L、およそ15mL/L、またはおよそ10mL/L)のエチレングリコールを含み得る。いくつかの実施形態において、第1および第2の染色液は、それぞれ独立して、およそ10mL/L(たとえば、およそ15mL/L、およそ20mL/L、またはおよそ25mL/L)のエチレングリコールを含む。
第1および第2の染色液は、それぞれ独立して、緩衝剤を含み得る。緩衝剤の例としては、ビス−トリス緩衝液、リン酸緩衝液、HEPES、MES、トリス、および約5と約8との間のpHを有する他の有機緩衝液が挙げられる。第1および第2の染色液は、それぞれ独立して、およそ5mM(たとえば、およそ25mM、およそ50mM、およそ100mM、およそ150mM、またはおよそ200mM)から、およそ250mM(たとえば、およそ200mM、およそ150mM、およそ100mM、およそ50mM、またはおよそ25mM)の緩衝剤を含み得る。たとえば、第1および第2の染色液は、それぞれ独立して、およそ50mMのビス−トリスを含み得る。いくつかの実施形態において、第2の染色液中の緩衝剤は、染色液間の相溶性を増加させるために第1の染色液中の緩衝剤と同じである。
第1および第2の染色液は、それぞれ独立して、塩化ナトリウム、塩化カリウム、酢酸ナトリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウムおよび硫酸アンモニウムなどの塩を含み得る。第1および第2の染色液は、それぞれ独立して、およそ1g/L(たとえば、およそ2g/L、およそ5g/L、およそ10g/L、またはおよそ15g/L)から、およそ20g/L(たとえば、およそ15g/L、およそ10g/L、およそ5g/L、またはおよそ2g/L)の塩濃度を含み得る。たとえば、第1および第2の染色液は、それぞれ独立して、およそ4g/L(およそ3g/Lまたはおよそ2g/L)の塩化ナトリウムなどの塩を含み得る。たとえば、第2の染色液は、およそ2g/L(たとえば、およそ3g/L、またはおよそ4g/L)の塩化ナトリウムなどの塩を含み得る。塩は、細胞学的染料の標本への非特異的結合をなくすことができる。任意の理論により拘束されることを望むものではないが、塩の陰イオンおよび陽イオンが、たとえば、標本内の荷電種に結合するなどして、染料と標本との間の非特異的電荷−電荷相互作用を遮蔽することができる。
第1および第2の染色液は、それぞれ独立して、抗菌剤を含み得る。抗菌剤は、微生物の増殖を阻害し、染色液の保存可能期間を延ばすことができる。抗菌剤としては、塩化ベンザルコニウム、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、ProClin(登録商標)(たとえば、ProClin300(登録商標))、アジド、メルチオレートおよび/または抗生物質が挙げられる。いくつかの実施形態において、抗菌剤は、5−クロロ2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンおよび2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを含む。たとえば、抗菌剤は、シグマ−アルドリッチから入手可能な、約2.3%の5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンおよび約0.7%の2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを不活性溶媒(たとえば、修飾グリコールおよびアルキルカルボキシレート)中に含み得るProClin(登録商標)300であり得る。第1および第2の染色液は、それぞれ独立して、およそ0.2ppm(たとえば、およそ1ppm、およそ5ppm、およそ10ppm、およそ20ppm、およそ30ppm、またはおよそ40ppm)から、およそ50ppm(たとえば、およそ40ppm、およそ30ppm、およそ20ppm、およそ10ppm、およそ5ppm、またはおよそ1ppm)の濃度で抗菌剤を含み得る。いくつかの実施形態において、第1および第2の染色液は、それぞれ独立して、およそ15ppm(およそ10ppm、およそ5ppm、またはおよそ2ppm)のProClin300(登録商標)を含み得る。
いくつかの実施形態において、第1および第2の染色液は、それぞれ独立して、さらにpHを調整するために酸を含み得る。酸は、溶液のpHを調整するために伝統的に使用される任意の酸であり得る。たとえば、酢酸、硝酸、塩酸、リン酸、ギ酸、スルホン酸、またはクエン酸が使用できる。
第1および第2の染色液は、それぞれ独立して、およそ5〜およそ8のpH(たとえば、およそ5.5〜およそ8、およそ5.5〜およそ7.5、およそ5.5〜およそ7、およそ5.5〜およそ6、およそ5.8〜およそ6.2、およそ5.9〜およそ6.1、およそ6のpH、またはおよそ7のpH)を有し得る。いくつかの実施形態において、第1の染色液は、第1の染色液対水1:500の希釈で約510〜約530nm(たとえば、約510〜約520nm、または約515〜約517nm)の最大ピーク波長で、およそ0.1〜およそ1(たとえば、およそ0.1〜およそ0.8、およそ0.1〜およそ0.7、およそ0.1〜およそ0.5、およそ0.1〜およそ0.4、およそ0.1〜およそ0.3、およそ0.15〜およそ0.3、およそ0.15〜およそ0.2、およそ0.185〜およそ0.205、およそ0.19、またはおよそ0.2)の吸光度を有し得る。いくつかの実施形態において、第2の染色液は、第2の染色液対水1:1000の希釈で約630〜約660nm(たとえば、約640〜約660nm、約640〜約655nm、約645〜約655nm、約650〜約655nm、または約650.5〜約652.5nm)のピーク波長で、およそ0.1〜およそ1(たとえば、およそ0.1〜およそ0.8、およそ0.1〜およそ0.7、およそ0.1〜およそ0.5、およそ0.1〜およそ0.4、およそ0.1〜およそ0.3、およそ0.15〜およそ0.3、およそ0.15〜およそ0.2、およそ0.185〜0.205、およそ0.19、またはおよそ0.2)の吸光度を有し得る。
いくつかの実施形態において、第1または第2の染色液を作るために、蒸留水または脱イオン水を最初に、最終の所望の容量の100%未満(たとえば、およそ90%)まで混合容器に加える。非特異的結合最小化剤(たとえば、エチレングリコール)、界面活性剤(たとえば、ポリソルベート20)、1つ以上の細胞学的染料(たとえば、エオシンY、またはアズールBおよびメチレンブルー)、塩(たとえば、NaCl)、抗菌剤(たとえば、ProClin300(登録商標))、酸(たとえば、酢酸)、および/または緩衝剤(たとえば、ビストリス)の計算された量が水に添加され得る。さらに、水を、溶液をその最終所望容量とするように添加することができる。混合物はマグネチック攪拌プレート/攪拌棒および/または羽で最低約30分間混合され得る。混合後、pH測定はpHメーター(たとえば、メトラーpHメーター)を用いて第1または第2の染色液のアリコートに行い得る。いくつかの実施形態において、pHが所望の範囲内(たとえば、5〜8)でない場合、その後、さらに酸を、第1または第2の染色液に、所望のpHが得られるまで添加することができる。
第1の染色液の吸光度は、UV−分光光度計(たとえば、日立UV−分光光度計)を用いて測定することができる。最初にベースラインを分光光度計に走らせることができる。たとえば、10mLの第1の染色液の試料を0.45μmシリンジフィルタを通してろ過することができ、溶液を蒸留水で1:500に希釈し、その後、500〜700nmの間で分光光度計にかけることができる。510〜530nmでの吸光度が記録され得る。エオシンYを含む第1の染色液の代表的な紫外−可視吸収スペクトルは、たとえば図4に示されている。必要であれば、追加的な細胞学的染料を第1の染色液に添加し、所望の範囲に吸光度を持ってくることができる。追加的な細胞学的染料(たとえば、エオシン)が第1の染色液に添加された場合、溶液は、最低約30分間混合され、測定プロセス(たとえば、10mLアリコートをろ過し、アリコートを蒸留水で1:500の比率で希釈し、そして吸光度測定を行う)が繰り返される。溶液のpHも再度測定され得、(必要な場合)上述の方法によりpH5〜8に調整され得る。
第2の染色液の吸光度は、UV−分光光度計(たとえば、日立UV−分光光度計)を用いて測定することができる。最初にベースラインを分光光度計に走らせることができる。たとえば、10mLの第2の染色液の試料を0.45μmシリンジフィルタを通してろ過することができ、溶液を蒸留水で1:1000に希釈し、その後、500〜700nmの間で分光光度計にかけることができる。630〜660nmでの吸光度が記録され得る。1:1でメチレンブルーとアズールBを含む第2の染色液の代表的な紫外−可視吸収スペクトルは、たとえば図6に示されている。必要であれば、追加的な細胞学的染料を第2の染色液に添加し、所望の範囲に吸光度を持ってくることができる。ろ過した試料の一部を、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いてクロマトグラフィーにかけることができ、試料内の各染料に対応する最も高い吸光度ピークの面積を記録することができる。ピーク面積は、異なる染料成分におよそ均等であり得る。
第2の染色液内の染料についてのHPLCピーク面積が均等でない場合、追加の細胞学的染料(たとえば、アズールBおよび/またはメチレンブルー)を、溶液が各染料をおよそ等量(ピーク面積によって評価したように)含み得るまで第2の染色液に添加し得る。1つ以上の染料を添加した後、第2の染色液は、最低約30分間混合され、測定プロセス(たとえば、10mLアリコートをろ過し、アリコートを蒸留水で1:500の比率で希釈し、そして吸光度測定およびHPLC測定を行う)が繰り返され得る。溶液のpHも再度測定され得、(必要な場合)上述の方法により所望の範囲に調整され得る。
最後に、第1および第2の染色液は、それぞれ独立して、ボトリングの前に任意の粒状物質を取り除くために0.45μmフィルタを通してろ過され得る。いくつかの実施形態において、微小なフィルタまたは粗いフィルタが使用され得る。たとえば、0.1〜1μmのフィルタ(たとえば、0.2μmフィルタ、0.4μmフィルタ、または0.8μmフィルタ)が第1または第2の染色液中の任意の微生物および/または粒状物質を取り除くために使用され得る。いくつかの実施形態において、第1または第2の染色液は、それぞれ独立して、250mLボトルにおいて保存され得、秤で測定した場合、250g±1gまで充填され得る。最終製品のpHは必要に応じて測定することができる。いくつかの実施形態において、第1の染色液のHPLCクロマトグラムは、たとえば溶液純度を評価するために取得することができる。いくつかの実施形態において、第2の染色液のHPLCクロマトグラムは、たとえば溶液純度を評価するために、および/または溶液内の染料の比率を得るために取得することができる。
いくつかの実施形態において、第1の染色液は、たとえば、血液試料から調製される標本の特定の細胞(たとえば、好塩基球、好中球)を染色することができる。第1の染色液は、ビス−トリス緩衝液を含み得、得られる染色液は、赤みがかった色調およびより視覚的に満足のいく染色された標本を提供することができる。ビス−トリス緩衝液は、エオシンYと適合し得る。いくつかの実施形態において、アズールBは、固定液および第2の染色液においてなど、1つの処方より多くの処方に含まれる。標本が1回より多くアズールBに曝された場合、アズールBへの1回の暴露と比較して標本のより良い染色が生じ得ると考えられる。
第1および第2の染色液は、それぞれ独立して、NaClおよびエチレングリコールを含み得、それらは一緒に、非特異的結合に相乗的な遮蔽効果を提供し得る。すなわち、NaClおよびエチレングリコールの両方を含む処方は、NaClまたはエチレングリコールのいずれかの相当する濃度を含む処方よりも少ない非特異的結合を有し得る。たとえば、NaClおよびエチレングリコールの両方を含む処方は、核小体を残りの核よりも薄く着色することができ、一方、NaClおよびエチレングリコールを含まない処方は、一様に暗い核を与え得る。いくつかの実施形態において、NaClを含む染色液は、NaClを含まない染色液と比較してバックグラウンド染色を減少することができる。
たとえば、第1の細胞染色液は、約0.5g/L〜約5.0g/LのエオシンY;約5mM〜約250mMのビス−トリスまたはリン酸緩衝液;約0.5mL/L〜約2.0mL/Lのポリソルベート20;約1g/L〜約20g/Lの塩化ナトリウム;約5mL/L〜約50mL/Lのエチレングリコール;約0.2ppm〜約50ppmのProClin300(登録商標);酢酸;および水を含むことができ、この溶液のpHは約5.8〜約6.2である。
別の例として、第1の細胞染色液は、約0.6g/L〜約0.9g/LのエオシンY;約45mM〜約55mMのビス−トリス緩衝液;約0.8mL/L〜約1.2mL/Lのポリソルベート20;約3g/L〜約5g/Lの塩化ナトリウム;約9mL/L〜約11mL/Lのエチレングリコール;約10ppm〜約20ppmのProClin300(登録商標);酢酸;および水を含むことができ、この溶液のpHは約5.8〜約6.2である。
たとえば、第1の細胞染色液は、約0.75g/LのエオシンY;約50mMのビス−トリス緩衝液;約1mL/Lのポリソルベート20;約4g/Lの塩化ナトリウム;約10mL/Lのエチレングリコール;約15ppmのProClin300(登録商標);酢酸;および水を含むことができ、この溶液のpHは約5.8〜約6.2である。
別の例として、第1の細胞染色液は、約0.75g/LのエオシンY;約50mMのビス−トリス緩衝液;約0.5mL/Lのポリソルベート20;約6g/Lの塩化ナトリウム;約20mL/Lのエチレングリコール;約15ppmのProClin300(登録商標);酢酸;および水を含むことができ、この溶液のpHは約5.8〜約6.2である。
別の例として、第1の細胞染色液は、約0.75g/LのエオシンY;約50mMのリン酸緩衝液;約2.0mL/Lのポリソルベート20;約4g/Lの塩化ナトリウム;約50mL/Lのエチレングリコール;約15ppmのProClin300(登録商標);酢酸;および水を含むことができ、この溶液のpHは約5.8〜約6.2である。
たとえば、第2の細胞染色液は、約0.25g/L〜約2.5g/LのアズールB;約0.25g/L〜約0.5g/Lのメチレンブルー;約5mM〜約250mMのビス−トリスまたはHEPES緩衝液;約0.5mL/L〜約2.0mL/Lのポリソルベート20;約1g/L〜約20g/Lの塩化ナトリウム;約0.2ppm〜約50ppmのProClin300(登録商標);酢酸;および水を含むことができ、この溶液のpHは約6.8〜約7.2である。
別の例として、第2の細胞染色液は、約0.4g/L〜約0.6g/LのアズールB;約0.4g/L〜約0.5g/Lのメチレンブルー;約45mM〜約55mMのビス−トリス緩衝液;約0.8mL/L〜約1.2mL/Lのポリソルベート20;約1.8g/L〜約2.2g/Lの塩化ナトリウム;および約10ppm〜約20ppmのProClin300(登録商標);酢酸;および水を含むことができ、この溶液のpHは約6.8〜約7.2である。
たとえば、第2の細胞染色液は、約0.5g/LのアズールB;約0.45g/Lのメチレンブルー;約50mMのビス−トリス緩衝液;約1mL/Lのポリソルベート20;約2g/Lの塩化ナトリウム;および約15ppmのProClin300(登録商標);酢酸;および水を含むことができ、この溶液のpHは約6.8〜約7.2である。
別の例として、第2の細胞染色液は、約0.5g/LのアズールB;約0.45g/Lのメチレンブルー;約50mMのHEPES緩衝液;約0.5mL/Lのポリソルベート20;約2g/Lの塩化ナトリウム;および約15ppmのProClin300(登録商標);酢酸;および水を含むことができ、この溶液のpHは約6.8〜約7.2である。
また別の例として、第2の細胞染色液は、約0.5g/LのアズールB;約0.45g/Lのメチレンブルー;約50mMのHEPES緩衝液;約1mL/Lのポリソルベート20;約1g/Lの塩化ナトリウム;および約15ppmのProClin300(登録商標);酢酸;および水を含むことができ、この溶液のpHは約6.8〜約7.2である。
リンス液
通常、リンス液は水溶液であり得る。溶媒としては、蒸留水または脱イオン水が挙げられる。リンス液は、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、多糖および/または他の親水性水溶性ポリマーなどの非特異的結合最小化剤を含み得る。いくつかの実施形態において、非特異的結合最小化剤は、エチレングリコールまたはプロピレングリコールを含み得る。任意の理論に拘束されることを望むものではないが、非特異的結合最小化剤は、標本調製の間、標本に乾燥プロセスの準備をさせることができると考えられる。非特異的結合最小化剤は、標本の表面にラッカーを提供し、標本の視覚的外観を向上させることができる。非特異的結合最小化剤は、リンス液において、およそ1g/L(たとえば、およそ2g/L、およそ3g/L、およそ4g/L、およそ5g/L、およそ6g/L、およそ7g/L、およそ8g/L、またはおよそ9g/L)から、およそ10g/L(たとえば、およそ9g/L、およそ8g/L、およそ7g/L、およそ6g/L、およそ5g/L、およそ4g/L、およそ3g/L、またはおよそ2g/L)の濃度を有し得る。たとえば、リンス液は、およそ5g/Lのポリエチレングリコール(たとえば、ポリエチレングリコール1450)を含み得る。
リンス液は界面活性剤を含み得る。特定の理論に拘束されることを望むものではないが、界面活性剤は、溶媒の表面張力を減少させ、試料基板上への溶液の良好な塗布性を提供することができると考えられる。いくつかの実施形態において、界面活性剤は非イオン性であり、たとえばイオン的に帯電した染料などの処方内の成分とのイオン相互作用から生じ得る溶液成分の沈殿の可能性を最小化することができる。沈殿をほとんどまたは全く含まない溶液は、より容易に分配ノズルから排出され得、分配ノズルが詰まる可能性や、液体の流れが弱まる可能性を減少できる。いくつかの実施形態において、界面活性剤は、非特異的結合の可能性を減少することができるか、または非特異的結合の結果として生じ得るアーチファクトを最低限に抑えることができる。沈殿のほとんどない、または沈殿のない溶液は、標本に存在することができるアーチファクトを最低限に抑えることができる。
リンス液は、液体の界面活性剤の場合容量%で、または固体の界面活性剤の場合重量%で、およそ0.05%(たとえば、およそ0.075%、およそ0.1%、およそ0.2%、およそ0.3%、またはおよそ0.4%)から、およそ0.5%(たとえば、およそ0.4%、およそ0.3%、およそ0.2%、およそ0.1%、またはおよそ0.075%)の界面活性剤を含み得る。いくつかの実施形態において、リンス液は、およそ0.5〜およそ2mL/Lの界面活性剤(たとえば、非イオン性界面活性剤)を含み得る。たとえば、リンス液は、およそ1mL/Lのポリソルベート20(たとえば、Tween20)を含み得る。
界面活性剤は、非イオン性、カチオン性、アニオン性または両性イオン性であってもよい。界面活性剤の混合物もまた使用できる。界面活性剤の具体的な分類には、アルコールエーテル硫酸塩、アルコール硫酸塩、アルカノールアミド、アルキルスルホネート、アミンオキサイド、両性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、ベタイン誘導体、カチオン性界面活性剤、ジスルホネート、ドデシルベンゼン、スルホン酸、エトキシ化アルコール、エトキシ化アルキルフェノール、エトキシ化脂肪酸、グリセロールエステルヒドロトロピー剤、ラウリル硫酸塩、モノおよびジグリセリド、非イオン性界面活性剤、リン酸エステル、第4級界面活性剤およびソルビタン誘導体が挙げられる。具体的な界面活性剤は、「固定液」の項ですでに記載されたものである。
リンス液は緩衝剤を含み得る。緩衝剤の例としては、HEPES緩衝液(たとえば、HEPESナトリウム塩および/またはHEPES遊離酸)、ビス−トリス緩衝液、リン酸緩衝液、MES、トリスおよび約5と約8との間のpHを有する他の有機緩衝液が挙げられる。リンス液は、およそ5mM(たとえば、およそ25mM、およそ50mM、およそ100mM、およそ150mM、またはおよそ200mM)から、およそ250mM(たとえば、およそ200mM、およそ150mM、およそ100mM、およそ50mM、またはおよそ25mM)の緩衝剤を含み得る。たとえば、リンス液は、およそ50mMのHEPESを含み得る。
リンス液は抗菌剤を含み得る。抗菌剤は、微生物の増殖を阻害し、リンス液の保存可能期間を延ばすことができる。抗菌剤としては、塩化ベンザルコニウム、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、ProClin(登録商標)(ProClin300(登録商標))、アジド、メルチオレートおよび/または抗生物質が挙げられる。いくつかの実施形態において、抗菌剤は、5−クロロ2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンおよび2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを含む。たとえば、抗菌剤は、シグマ−アルドリッチから入手可能な、約2.3%の5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンおよび約0.7%の2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを不活性溶媒(たとえば、修飾グリコールおよびアルキルカルボキシレート)中に含むProClin(登録商標)300であり得る。抗菌剤は、およそ0.2ppm(たとえば、およそ1ppm、およそ5ppm、およそ10ppm、およそ20ppm、およそ30ppm、またはおよそ40ppm)から、およそ50ppm(たとえば、およそ40ppm、およそ30ppm、およそ20ppm、およそ10ppm、およそ5ppm、またはおよそ1ppm)の濃度で存在し得る。いくつかの実施形態において、リンス液は、およそ15ppm(およそ10ppm、およそ5ppm、またはおよそ2ppm)のProClin300(登録商標)を含み得る。
いくつかの実施形態において、リンス液はpHを調整するためにさらに酸を含み得る。酸は、溶液のpHを調整するために伝統的に使用される任意の酸であり得る。たとえば、酢酸、硝酸、塩酸、リン酸、ギ酸、スルホン酸、またはクエン酸が使用できる。
リンス液は、メタノール、エタノールまたはプロパノールなどのアルコールを含み得る。アルコールは、過剰な染料を除去することができ、標本および/または基板上のリンス液の高速乾燥を促進することができる。いくつかの実施形態において、DMSOまたは染料が溶解する他の有機溶媒がリンス液において使用され得、分配ノズルからの完全な液体の真空排気をもたらし得る。たとえば、リンス液は、およそ10mL/L(たとえば、およそ25mL/L、およそ50mL/L、およそ75mL/L、およそ100mL/L、およそ125mL/L、およそ150mL/L、またはおよそ175mL/L)から、およそ200mL/L(たとえば、およそ175mL/L、およそ150mL/L、およそ125mL/L、およそ100mL/L、およそ75mL/L、およそ50mL/L、またはおよそ25mL/L)のアルコールを含み得る。いくつかの実施形態において、リンス液は、およそ50mL/Lのメタノールを含む。いくつかの実施形態において、リンス液は、リンス液が過剰の量の所望の染料を染色した生体試料から洗浄することができないように、有機溶媒を最大およそ200mL/Lとすることができる。
リンス液のpHは、およそ5〜およそ8(たとえば、およそ5.5〜およそ8、およそ5.5〜およそ7.5、およそ5.5〜およそ7、およそ5.5〜およそ6、およそ5.8〜およそ6.2、およそ5.9〜およそ6.1、およそ7、またはおよそ6)であり得る。たとえば、リンス液のpHは、およそ7.0であり得る。
リンス液を作るために、蒸留水または脱イオン水は、最終の所望容量の100%未満(たとえば、およそ90%)まで混合容器に加え得る。アルコール(たとえば、メタノール)、非特異的結合最小化剤(たとえば、PEG)、緩衝剤(たとえば、HEPESナトリウム塩およびHEPES遊離酸)、界面活性剤(たとえば、ポリソルベート20)、酸(使用する場合)および抗菌剤(たとえば、ProClin300(登録商標))の計算された量が水に添加され得る。さらに、水を、溶液をその最終所望容量とするように添加することができる。混合物はマグネチック攪拌プレート/攪拌棒および/または羽で最低約30分間混合され得る。混合後、pH測定がpHメーター(たとえば、メトラーpHメーター)を用いてリンス液のアリコートに行なわれ得る。いくつかの実施形態において、pHが所望の範囲内(たとえば、約5〜約8)でない場合、その後、さらに酸を、リンス液に、所望のpHが得られるまで添加することができる。
最後に、リンス液は、ボトリングの前に任意の粒状物質を取り除くために0.45μmフィルタを通してろ過され得る。いくつかの実施形態において、微小なフィルタまたは粗いフィルタが使用され得る。たとえば、0.1〜1μmのフィルタ(たとえば、0.2μmフィルタ、0.4μmフィルタ、または0.8μmフィルタ)をリンス液中の任意の微生物および/または粒状物質を取り除くために使用することができる。いくつかの実施形態において、リンス液は、500mLボトルにおいて保存され得、秤で測定した場合、500g±1gまで充填され得る。最終製品のpHは必要に応じて測定することができる。
いくつかの実施形態において、染色塗布の最後に適用されるポリエチレングリコールを含むリンス液は、ポリエチレングリコールを含まないリンス液で処理した標本と比較して、標本の視覚的外観を改善することができる。いくつかの実施形態においては、HEPES緩衝液を含みおよそpH6.8のリンス液は、赤血球細胞などの細胞の外観を、赤色と青色の間の良好な色のバランスを提供することにより改善することができる。
いくつかの実施形態において、リンス液の成分は、上述したものよりも低い(たとえば、5分の1)濃度で存在し得る。
リンス液のポリエチレングリコール成分は、およそ0.2g/L(たとえば、およそ0.4g/L、およそ0.6g/L、およそ0.8g/L、およそ1g/L、およそ1.2g/L、およそ1.4g/L、およそ1.6g/L、またはおよそ1.8g/L)から、およそ2g/Lの濃度を有し得る。たとえば、リンス液は、およそ1g/Lのポリエチレングリコール(たとえば、ポリエチレングリコール1450)を含み得る。
リンス液は、液体の界面活性剤の場合容量%で、または固体の界面活性剤の場合重量%で、およそ0.01%(たとえば、およそ0.015%、およそ0.02%、およそ0.04%、およそ0.06%、またはおよそ0.8%)から、およそ0.1%の界面活性剤を含み得る。いくつかの実施形態において、リンス液は、およそ0.0501〜0.306%の界面活性剤を含み得る。いくつかの実施形態において、リンス液は、およそ0.1〜およそ0.4mL/Lの界面活性剤(たとえば、非イオン性界面活性剤)を含み得る。たとえば、リンス液は、およそ0.2mL/Lのポリソルベート20(たとえば、Tween20)を含み得る。
リンス液は、およそ1mM(たとえば、およそ5mM、およそ10mM、およそ20mM、およそ30mM、またはおよそ40mM)から、およそ50mMの緩衝剤を含み得る。たとえば、リンス液は、およそ10mMのHEPESを含み得る。
抗菌剤は、およそ0.04ppm(たとえば、およそ0.2ppm、およそ1ppm、およそ2ppm、およそ5ppm、およそ6ppm、またはおよそ8ppm)から、およそ10ppmの濃度で存在し得る。いくつかの実施形態において、リンス液は、およそ3ppm(およそ2ppm、およそ1ppm、またはおよそ0.4ppm)のProClin300(登録商標)を含む。
リンス液は、およそ2mL/L(たとえば、およそ5mL/L、およそ10mL/L、およそ15mL/L、およそ20mL/L、およそ25mL/L、およそ30mL/L、またはおよそ35mL/L)から、およそ40mL/Lのアルコールを含み得る。いくつかの実施形態において、リンス液はおよそ10mL/Lのアルコールを含む。いくつかの実施形態において、リンス液は、リンス液が過剰の量の所望の染料を染色した生体試料から洗浄することができないように、有機溶媒を最大およそ40mL/Lとすることができる。
たとえば、リンス液は、約0.2g/L〜約10g/Lのポリエチレングリコール;約1mM〜約250mMのHEPES、MESまたはビス−トリス緩衝液;約0.1mL/L〜約2.40mL/Lのポリソルベート20;約0.04ppm〜約50ppmのProClin300(登録商標);約9mL/L〜約200mL/Lのメタノール;および水を含むことができ、そのリンス液のpHは、約6.6〜約7.0である。
たとえば、リンス液は、約1g/L〜約10g/Lのポリエチレングリコール;約5mM〜約250mMのHEPES、MESまたはビス−トリス緩衝液;約0.5mL/L〜約2.0mL/Lのポリソルベート20;約0.2ppm〜約50ppmのProClin300(登録商標);約10mL/L〜約200mL/Lのメタノール;および水を含むことができ、そのリンス液のpHは、約6.6〜約7.0である。
別の例として、リンス液は、約4.5g/L〜約5.5g/Lのポリエチレングリコール;約45mM〜約55mMのHEPES緩衝液;約0.8mL/L〜約1.2mL/Lのポリソルベート20;約10ppm〜約20ppmのProClin300(登録商標);約45mL/L〜約55mL/Lのメタノール;および水を含むことができ、そのリンス液のpHは、約6.6〜約7.0である。
たとえば、リンス液は、約5g/Lのポリエチレングリコール;約50mMのHEPES緩衝液;約1mL/Lのポリソルベート20;約15ppmのProClin300(登録商標);約50mL/Lのメタノール;および水を含むことができ、そのリンス液のpHは、約6.6〜約7.0である。
別の例として、リンス液は、約10g/Lのポリエチレングリコール;約50mMのHEPES緩衝液;約1mL/Lのポリソルベート20;約15ppmのProClin300(登録商標);約50mL/Lのメタノール;および水を含むことができ、そのリンス液のpHは、約6.6〜約7.0である。
さらなる例として、リンス液は、約10g/Lのポリエチレングリコール;約50mMのビス−トリス緩衝液;約0.5mL/Lのポリソルベート20;約15ppmのProClin300(登録商標);約50mL/Lのメタノール;および水を含むことができ、そのリンス液のpHは、約6.6〜約7.0である。
たとえば、リンス液は、約0.2g/L〜約2g/Lのポリエチレングリコール;約1mM〜約50mMのHEPES緩衝液;約0.16mL/L〜約0.24mL/Lのポリソルベート20;約0.04ppm〜約10ppmのProClin300(登録商標);約9mL/L〜約11mL/Lのメタノール;および水を含むことができ、そのリンス液のpHは、約6.6〜約7.0である。
別の例として、リンス液は、約0.9g/L〜約1.1g/Lのポリエチレングリコール;約9mM〜約11mMのHEPES緩衝液;約0.16mL/L〜約0.24mL/Lのポリソルベート20;約2ppm〜約10ppmのProClin300(登録商標);約9mL/L〜約11mL/Lのメタノール;および水を含むことができ、そのリンス液のpHは、約6.6〜約7.0である。
さらに別の例として、リンス液は、約1g/Lのポリエチレングリコール;約10mMのHEPES緩衝液;約0.2mL/Lのポリソルベート20;約3ppmのProClin300(登録商標);約10mL/Lのメタノール;および水を含むことができ、そのリンス液のpHは、約6.6〜約7.0である。
キット
いくつかの実施形態において、キットは、固定液、第1の染色液、第2の染色液および/またはリンス液のそれぞれに1つ以上のボトルを含み得る。キットは、取り扱い説明書とラベルとを含み得る。ラベルは、たとえば、ロット情報および有効期限を含み得る。図25は、固定液、第1および第2の染色液およびリンス液を含むキットの例を示している。
いくつかの実施形態において、処理工程は、固定液を塗布すること、固定液を塗布すること、第1の染色液を塗布すること、第2の染色液を塗布すること、リンス液を塗布すること、リンス液を塗布することを含む。
標本調製システムおよび方法
上述の固定、染色、およびリンス処方は、標本調製のための装置または機械(たとえば、2011年11月9日に出願された米国特許出願番号13/293050号(本明細書に全体が参照により組み込まれる)に記載したような)において、標本中の特定の特徴の視覚的外観を向上させるために使用することができる。図7は、検査や画像化のために、顕微鏡スライド、カバースリップまたは他の透明な表面などの基板2上に標本を調製するための装置すなわち機構1の一実施形態を説明する。機構1は、図21に示されまた以下に記載されるシステム2000などの細胞を含む体液または他の生体試料を含む標本を調製および分析するための総合的なシステム中に組み込まれ得る。機構1は、通常、標本を得る第1の工程、基板に標本を適用する第2の工程、標本を固定および染色するためのそれぞれ第3および第4の工程、標本を乾燥する第5の工程、標本を撮影する第6の工程、および標本から得られた画像およびデータを分析するための第7の工程を特徴とするシステムを含むか、またはその一部を形成することができる。機構1のある実施形態は、システム2000に適合し;機構1のいくつかの実施形態は、他の標本調製システムにおいて、および/または独立型装置として使用され得る。
通常、機構1は、1つ以上(たとえば、2、3、4、5、または5より多くの)プラットホーム60Aおよび60Bを図7〜9に示されるように標本処理のために備えてもよい。図8に示されるように、プラットホーム60Aは、プラットホームの上面を支えるための側面を含み得る。図7および9に示されているシールド100は、液体がプラットホーム60間にはね散るのを防止するためにプラットホーム60Aおよび60Bの間に配置され得る。いくつかの実施形態において、シールド100は、プラットホーム60Aおよび60Bの1つから液体が他のプラットホームに混入するのを阻止する透明な材料から形成され得る。ある実施形態においては、シールド100は、半透明または不透明な材料から形成され得る。図7および9において、シールド100は、シールド100の裏側に位置する他の構成要素を同じ図に示すことができるように透明な材料から形成されているものとして描かれている。シールド100は、不透明材料から形成されているように示すこともできるが、その場合、プラットホーム60Aおよびブロック80Aなどのいくつかの構成要素の一部がよく見えないであろう。
図9Bは、基板把持部20A、20Bの各々から標本処理のための位置に基板2を提供するために機構1を移動させるために使用し得るインデキシング機構50Aを示す。インデキシング機構50Aは、電気機械装置(たとえば、電気モータを備えたラックアンドピニオン式のギア)、線形アクチュエータ(たとえば、空気圧式アクチュエータ、油圧アクチュエータ、または電磁アクチュエータ)など多くのタイプであり得る。説明された実施形態において、インデキシング機構50Aは、2つの位置の間で機構1を直線状に移動させているが、他の移動経路も機構1に含まれるプラットホームの数によって、また円形または半円形(たとえば、弓型経路で動くことができるインデキシングテーブル)などのそれらの構成やレイアウトによって可能である。示されるように、インデキシング機構50Aは、機構1のベース50Cに取り付けられたギアラック50Bと、ベース50Cに固定されている電気モータ50Eに取り付けられたピニオンギア50Dを含み得る。機構1は、機構1がインデキシング機構50Aにより移動される際に滑らかに動くことができるように、1つ以上のスライド装置50Fを用いてベース50Cに取り付けることができる。使用の間、インデキシング機構50Aは、機構1の複数の基板把持部20Aおよび/または20Bが基板移動手段120から基板2を受け取ることができるように(図11に示される)、基板上に沈着させた試料が機構1により調製できるように、そして一旦調製されたら基板把持部20Aおよび/または20Bが調製された試料を有する基板2を標本処理のために基板移動手段120に提供できるように、機構1を動かし得る。
2つのプラットホーム60Aおよび60Bを有する機構のため、説明した実施形態におけるように、基板2は、典型的には交互に基板移動手段120に、そして基板移動手段120から提供される。いくつかの実施形態において、第1の基板2は、第1のプラットホーム60Aで処理されるために、基板移動手段120から第1の基板把持部20Aに提供され、一方機構1は最初の位置にある。第1の基板2が第1のプラットホーム60Aで処理されている間、インデキシング機構50Aは、第2の基板把持部20Bが、第2のプラットホーム60Bで処理されるべく、基板移動手段120から第2の基板を受け取れるように、機構1を第2の位置に移動させることができる。第2の基板が第2のプラットホーム60Bで処理されている間、インデキシング機構50Aは、基板移動手段120が第1の基板2を第1の基板把持部20Aから取り除くことができるように、機構1を移動させて最初の位置に戻すことができる。一旦基板2が第1の把持プラットホーム20Aから取り除かれたら、つぎの基板が第1の把持プラットホーム20Aに提供され得る。基板を交互に把持プラットホームに提供するためのこの方法は、2つより多く(たとえば、3、4、5または5より多く)のプラットホームで実施でき、それによりさらなる評価のために調製される標本の処理能力を高められる。
プラットホーム60Aおよび60Bは、典型的には、標本処理の間に使用される液体に対して比較的化学的に不活性であり、そして適切な表面張力を提供する1つ以上の材料から形成される。プラットホーム60Aおよび60Bを形成するために使用することができる具体的な材料としては、それらが、処理液を基板2とプラットホームとの間の空間に一様に分配し、閉じ込め、そしてその上処理液の適切な真空排気をなされるのを助けるために作用する適切な表面張力を提供するために、提供され、製造されおよび/または処理されるならば、ポリオキシメチレン(たとえば、デュポン社製のDelrin(登録商標))などの工業熱可塑性物質、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)(たとえば、デュポン社製のTeflon(登録商標))などの高分子量フルオロカーボン、ならびにアルミニウム、スチールおよびチタニウムなどの金属が挙げられる。適切な材料の選択により、プラットホームは、分配されたとき、液体内の泡または空間の形成を有利に減少または解消することもできると共に、同時にプラットホームと基板2との間の分離の外への液体の漏れを減少または削減するように十分な表面張力を維持することもできる。
通常、プラットホーム60Aおよび60Bの表面積は、基板の取扱および液体送達のために望まれるように選択され得る。プラットホーム60Aおよび60Bの表面積などの因子は、基板2の選択された表面積にも影響し得る。たとえば、いくつかの実施形態において、プラットホーム60Aの表面積(たとえば、基板2に接するプラットホーム60Aの表面の面積)は、プラットホーム60Aに接する基板2の表面の面積よりもわずかに小さい。プラットホーム60Aおよび基板2の接面の面積の間のそのような関係を維持することにより、表面間の領域からの液体の漏れを減少または解消することができる。典型的には、たとえば、基板2に接するプラットホーム60Aの表面の面積は、基板2の表面の面積よりも2%以上(たとえば、3%以上、5%以上、7%以上、10%以上、15%以上、20%以上、25%以上、30%以上)分小さい。
プラットホーム60Aおよび60Bは、それぞれブロック80Aおよび80Bに取り付けられ得る。ブロック80Aは、図8に示されるように、上面85Aを支える側面81A〜84Aを含む。ブロック80Aおよび80Bは、金属、セラミックス、および/またはプラスチックなどの、プラットホームに使用されるものと同じまたは同様の材料で作ることができる。したがって、Delrin(登録商標)などの材料は、特に、標本のロマノスフキー染色を実施する態様において、ブロック80Aおよび80Bを形成するために使用され得る。態様において使用することができる他の材料には、金属、およびTeflon(登録商標)ブランドのポリテトラフルオロエチレンコートアルミニウム、スチールまたはチタニウムが挙げられる。
いくつかの実施形態において、プラットホーム60Aおよび/または60Bは、図7〜9に示されるように持ち上げられ得る。あるいは、ある実施形態においては、プラットホーム60Aおよび/または60Bは、ブロック80Aおよび80Bの上部表面とそれぞれ一体とすることもできる。いずれの場合にも、機構1の特定の特徴ならびに液体の表面張力およびプラットホームまたはブロックの表面エネルギーは、過剰な液体が、プラットホーム60A/60Bおよび/またはブロック80A/80Bの縁を越えて流れるのを防ぐ。
図7および8に示されるように、プラットホーム60Aは、プラットホーム60Aと基板2との間の分離を提供し、基板2がプラットホーム60Aと接触するのを防止するためにオフセット70A〜70Dを含み得る。プラットホーム60Bは、対応するオフセットのセット71A〜71Dを含み得る。オフセットとしては、スタンドオフ、ピン、くぎ、棒、ビーズ、壁または、プラットホーム60Aおよび/または60Bの表面と基板2との間に分離を提供できる他の構造物が挙げられる。オフセット70A〜70Dおよび71A〜71Dは、プラットホーム60Aおよび60Bと基板2との表面を、基板2がオフセットに接触している場合に実質的に平行なままでいることを確保する。これらの2つの表面を平行に維持することの利益は、これらの2つの表面の間で囲まれる容積がそれにより規定され、正確に制御できるということである。2つの表面が実質的に平行でなく、それらの間の角度が変化する場合、それらの間の容積も変化し、固定されず、正確に制御されない。加えて、そのような2つの表面が実質的に平行でない場合、液体は、標本に均一に適用できないおそれがある。
本明細書において使用される場合、語句「実質的に平行」とは、基板2がオフセットと接触したとき、基板2の表面平坦性の不完全性が減少または解消できるように、2つの表面が正確に平行であるか、またはほぼ平行であることを意味する。たとえば、基板の製造に細心の注意を払っても、ある基板が歪みおよび/または角が同一平面にないといった欠陥を有し得る。本明細書に開示されるシステムおよび方法においては、オフセットの使用が、必要な場合基板2の表面平坦性を改善し、プロセスにおいてプラットホーム60Aおよび60Bに対して実質的に平行な関係に基板2を位置決めすることによりこれらの欠点を修正するのを助ける。語句「実質的に平行」は、少なくとも基板表面のオフセットとの接点が、同一平面状にあるように、2つの表面が完全に平坦ではないが、しかしオフセットが全て同じサイズまたは高さである状況を含める。
図12Aは、基板2、基板把持部20B、ブロック80A、80B、プラットホーム60A、60B、オフセット70A〜70Dおよび71A〜71D、および基板2とプラットホーム60Bとの間の分離92を示している。分離92は、液体を、ポート40B〜45Bを含むプラットホーム60Bの表面と基板2との間に移動させる。最適な標本固定、染色、およびリンスのために必要とされる分離距離は、ポート40B〜45B(および/またはポート40A〜45A)から分配される液体の流速、ポートの直径、処理中に適用される液体の粘度、および基板、分離およびプラットホームから液体を除去するのに使用可能な吸引量によって変化する。
いくつかの実施形態において、たとえば、プラットホーム60Bの表面と基板2との間に約100〜200ミクロンの分離92を提供するオフセットは、500〜1500ミクロンの範囲の直径を有するポート40B〜45Bから1秒間に約50〜約300μLの範囲の流速で液体を分配できる実施形態において、赤血球を含む標本の固定、染色およびリンスを可能とする。通常、分離92のサイズまたは高さは、そのような実施形態が標本処理の間、液体を分配および除去しながら分離における液体の表面張力を克服することができる限り、特定の実施形態に対して約50ミクロン〜1000ミクロン(たとえば、約50〜500ミクロン、約75〜250ミクロン、約100〜200ミクロン)変化し得る。さらに、ある実施形態においては、プラットホーム60Aおよび/または60B上に位置されるポートの直径は、約125ミクロン〜5000ミクロンまで変化し得る。
図12Bおよび6Cは、基板把持部20Aをプラットホーム60Aと平行になるように整列させるために使用し得るボールジョイント機構25を示している。ボールジョイント機構25は、基板把持部20Aに堅く固定されるボール部材25A、たわみ部材25B(たとえば、ばね)、基板アーム10Aに堅く接続されている下部ソケット25C、上部ソケット25D、下部ソケット25Cに固定される(たとえば留め具を用いて)キャップ25E、および止めねじ25Fを含み得る。いくつかの実施形態において、機構1および基板把持部20Aおよび/または20Bの製造および/または組立の間、ボールジョイント機構25は、交差累積または成形上の問題のために存在するかもしれない整合不良を補うために調整され得る。いくつかの実施形態において、ボールジョイント機構25を調整するために、止めねじ25Fがゆるめられ、基板アーム10Aが閉鎖位置に移動される。止めねじ25Fが緩められるので、基板把持部20Aは、基板2を掴みながら、基板2が接触オフセット70に沿って配置される間、プラットホーム60Aと実質的に平行に置くことができる。あるいは、いくつかの実施形態においては、プラットホーム60上のオフセットの数が減少または完全になくされ、所望の分離距離に対応する厚さのシムが、標本処理のための所望の距離で分離92を設定するためにボールジョイント機構25と併せて機構1の設定または校正の間一時的に使用できる。ボールジョイント機構25はゆるめられるが、たわみ部材25Bは、基板アーム10Aに半固定された基板把持部20Aを、それが独立して動くことができるが、ゆる過ぎず、また機構1の他の構成要素と干渉し、または損傷を生じさせるほど自由に動けないように、維持するために力をかける。基板2が閉鎖位置に押し付けられて固定されると、基板2は実質的にプラットホーム60Aに平行となるので、止めねじ25Fを堅く締め、ボールジョイント機構25を確実に固定することができる。示されているように、堅く締めると、止めねじ25Fは、上部ソケット25D上に下向きの力をかけ、それにより、上部ソケット25Dを介してボール部材25Aの上部に摩擦力をかける。下部ソケット25Cはキャップ25Eに固定されているので、止めねじ25Fにより生じた力は、下部ソケット25Cが摩擦力をボール部材25Aの底側にかけてボール部材25Aを上部および下部ソケット25C、25D内に拘束するように下部ソケット25Cを持ち上げもする。一旦ボール部材25Aに拘束されると、基板把持部20Aは、基板アーム10Aに固定されるようになる。
典型的には、一旦基板把持部20Aが配置され、止めねじ25Fで拘束されると、ボールジョイント機構25は、正常使用の間は再び調整する必要はない。しかしながら、基板把持部20Aが正しく整列していないようになり、それによりボールジョイント機構25が調整を必要とする場合(たとえば、損傷、機構の修理、性能不良、または他の理由により)、止めねじ25Fを緩めることができ、基板把持部20Aは閉鎖位置、基板把持部20Aにより掴まれた基板が実質的にプラットホーム60Aと平行になるような位置に動かすことができ、その後止めねじ25Fを堅く締めてボールジョイント機構25を確実に固定することができる。
通常、アクチュエータ30Aおよび/または30Bは、プラットホーム60Aおよび/または60Bの表面と基板2との間の分離の程度を変化させるために基板アーム10Aおよび/または10Bの位置を調整するように設定することができる。この分離の変化により、各ポートに割り当てられる液体、流速、液体の粘度およびプラットホーム60Aおよび/または60Bからの排気力を調整することを可能にする実施形態における大きな柔軟性が与えられる。たとえば、100ミクロンの分離92は、プラットホーム60Aから適用された液体が115μL/秒の流速で500ミクロン〜1500ミクロンの範囲のポート直径を有するポート40A〜45Aから分配される場合、十分な標本の固定、染色およびリンスを提供できる。あるいは、プラットホーム60Aの表面と基板2との間の分離92の距離がおよそ200ミクロンでは、ポート40A〜45Aから分配される液体は、140μL/秒などのより速い流速を標本処理に使用することができる。
上述したように、機構1は、標本処理の間に適用される液体を分配および除去するための一連のポートおよびチューブを含み得る。以下の議論は、プラットホーム60Aと関連して様々なポート、チューブ、および他の構成要素を説明するが、同様の考察はプラットホーム60Bおよびその関連構成要素に適用される。図8は、図7に示されている装置の拡大図を示し、プラットホーム60A上のポート40A〜45Aおよびブロック80Aに接続されたチューブ50A〜55Aを詳細に示す。1つ以上の固定液、染色液およびリンス液などの特定の液体をプラットホーム全域に、分離中に、そして基板上に分配する。図8に示されているように、プラットホーム60Aの上面は、チューブ50A〜55Aに接続されている6つのポート40A〜45Aを含む。液体は、1つ以上のポンプによりチューブおよびポートを通って基板上に推し出される。たとえば、図10に示すような、1つ以上の液体容器210A〜213A(第1の染色剤容器211A、第2の染色剤容器212A、固定化剤容器210Aおよびリンス液容器213A)は、液体をプラットホーム60Aおよび基板2上に向かわせることができる。図7〜9に示されているポート40A〜45Aの直径は、およそ500ミクロンから1500ミクロンの範囲であるが、直径は、特定の実施形態においては、より小さくもまたはより大きくもなり得る。いくつかの実施形態においては、真空ポート40Aおよび41Aの直径は、液体ポート42A〜45Aの直径の2倍より大きい。
各ポート40A〜45Aは、典型的には、特定の液体または真空源に専用とする。あるいは、1つよりも多くのポートを、各液体または真空源のために使用してもよく、様々な液体および真空源からの複数のチューブをプラットホーム60A上に配置される単一のポートに接続してもよい。たとえば、いくつかの実施形態においては、プラットホーム60A上のただ1つのポートが、廃棄物除去のために使用されてもよいが、より粘性のある液体を用いる場合には、単一のポートでは、プラットホームから残った液体を排気するための十分な吸引を提供することができない場合がある。したがって、ある実施形態においては、図8のポート40A〜41Aで示されるように、過剰な染色液、固定液およびリンス液を除去するために、プラットホームの異なる位置に2つの吸引ポートを備える(たとえば、プラットホームの各端に1つの吸引ポート)ことが望ましい場合がある。さらに液体対ポートの配置の多様性を強調すると、ある実施形態においては、プラットホーム60A上の単一のポートを、特定の染色剤に専用としてもよく、一方、他の実施形態においては、複数のポートを標本処理の間に染色剤を適用するために使用する。実際、ポートの数、ポート配置、ならびに各ポートおよび液体チューブに割り当てられる液体に関する様々な組み合わせは、本発明の種々の実施形態において使用が可能である。
ポート40A〜45Aは、通常、基板2への液体の送達および基板2からの液体の除去を導くために、プラットホーム60A上に要望通りに配置することができる。典型的には、各液体ポートは、標本が処理を受けている際、ポート開口部が直接基板2上の標本3に隣接または真下に配置されないようにプラットホーム60A上に配置される。標本および染料の特定の組み合わせでは、たとえば、仮に染色剤が標本3の一部に直接隣接または真下に位置するポートから分配される場合、より多くの量の染色剤が、標本の他の部分の細胞よりもその部分(ポートの開口部のある部分)の細胞に適用され得る。結果として、より多くの量の染色剤を受けた細胞は、標本画像においてより濃く見える可能性があり、この不均一な標本細胞染色は、画像に基づく診断測定および分析的結果に誤りを引き起こし得る。したがって、標本3に染色剤を送達する液体ポートは、染色結果を改善するために、基板(たとえば、スライド)の標本含有領域から特定の距離を開けて置くことができる。
加えて、互いに反対側に配置された対のポート、たとえば複数の対のポートの使用も染色の均一性を向上させ得る。たとえば、いくつかの実施形態において、2つのポートが標本3に染色剤を送達するために使用される。その2つのポートは、プラットホーム60A上に、標本3の縁から特定の距離(たとえば、オフセット)を開けた位置に配置され、かつプラットホーム60Aの短い縁に平行な方向に互いに向かい合って配置され得る。染色剤が2つの間隔をあけたポートから分配されると、染色剤の相対的に均一な量が標本3の異なる領域の細胞に沈着され、染色の均一性の改善が標本画像により観察される。
同様に、ポート40A〜45Aは通常、1つ以上の真空源を用いて基板2の表面から過剰な液体を除去するために要望通りに配置することができるが、いくつかの実施形態においては、液体の除去のために使用されるポートは、基板2上の標本3内の細胞の直接真下にあるプラットホーム60Aの位置から一定の距離を空けて置かれる。このやり方で廃棄物除去ポートを配置すると、そのようなポートを基板2から液体を排気するために作用させる場合、標本3から細胞が、不注意にも液体除去ポートに引き込まれる可能性が減少する。ある実施形態においては、プラットホーム60Aの長い側面と短い側面の長さの違いにより、廃棄物除去ポートは、標本領域の縁から離れて置かれ、プラットホーム60Aの長い縁に平行な方向に沿ってお互いに向かい合って配置される。
機構1は、機構1の別の斜視図を提供する図10に示されるように、制御システム5を含むかまたは制御システム5に接続されることができる。制御システム5としては、それぞれ、ハードドライブ、光学ディスクまたはメモリなどのコンピュータ読み取り可能な媒体に格納されたソフトウェアの指示を実行することができる中央処理ユニットを含む1つ以上のコンピュータを含み得る。加えて、制御システム5は、ソフトウェアの指示を実行するための電気回路を含み得る。制御システム5は、機構1の操作を制御するための使用者コマンドを受けるための使用者インターフェースを含み得る。コンピュータに格納されたまたはコンピュータに提供されるソフトウェアは、標本処理の間に液体ポンプやバキュームなどの機構1の構成要素の操作を制御するプログラムを含み得る。たとえば、ソフトウェアは、機構1に種々の固定化剤、染料およびリンスを標本に適用させ、また標本処理の間に数回の攪拌工程を行わせるための指示を含み得る。
さらに、ソフトウェアは、初期設定を含むことができ、そして使用者インターフェースは、これらの初期設定を変更する能力を使用者に与えるためのカスタマイズ機能を含んでもよい。たとえば、使用者インターフェースは、使用者にスピード、頻度または固定化、染色およびリンス段階の指示ならびに攪拌パラメータ(さらに以下に説明される)をカスタマイズすることを許可するためのカスタマイズ機能を含み得る。制御システム5は、ネットワークプロトコル(Appletalk(登録商標)、IPXまたはTCP/IPなど)を通じて通信することもできる。たとえば、ネットワークプロトコルは、ケーブル(ツイストペアケーブルなど)および/またはWiFiなどのワイヤレス接続を使用し得る。制御システムは、ネットワークプロトコルを用いて実験室情報システムに接続し得る。実験室情報システムは、機構1において処理される標本に関連する情報を保存するためのサーバーおよび/またはデータベースを含み得る。たとえば、データベースは、標本のヒトまたは源についての情報(たとえば、名前、誕生日(DOB)、住所、標本採取時間、性別など)、標本処理に関する情報(処理日##/##/####、標本番号#、など)、標本の既得の任意の画像のコピー、および画像を分析することにより得られるあらゆる結果のコピーを提供する表を含み得る。
図7は、機構1は、デバイスをシステム内の位置に固定するための支持体110Aおよび110Bまたは実験室のワークステーションを含み得ることも示している。機構1は、それぞれアクチュエータ30Aおよび30Bにそれらの土台で接続された1つ以上の基板アーム10Aおよび10Bも含む。基板アーム10Aおよび10Bの反対端は、標本処理の間、基板を受け取り保持するための基板把持部20Aおよび20Bを含む。各基板把持部20Aおよび20Bは、機構1がすべての標本処理工程を完了する間、基板2を受け取り保持する(以下に説明する)。基板は、顕微鏡スライド、カバースリップ、または標本処理の間および標本処理後の顕微鏡検査の間、標本を保持するのに適切な他の透明な材料であるか、またはそれを含み得る。図7の実施形態は、ガラス顕微鏡スライド、標本3を含む基板2を描いている。吸引ポートを用い、基板把持部20A、20Bは、基板2を基板アーム10A、10Bに標本処理の間、保持することができる。吸引チューブ23は、吸引ポート21Aおよび21B、および22Aおよび22Bにより基板把持部20Aおよび20Bに吸引をもたらす(図7においてポート21Aおよび22Aは、スライド2の後ろに位置しており、破線で示されていることに留意)。
図7〜9に示されている機構1の実施形態は、基板アーム10Aおよび10Bのそれぞれの上の基板を保持および処理することができる二重基板機構である。別の実施形態は、単一の基板または3つもしくはそれ以上の基板を、順にまたは同時に処理することを提供する。さらに、図7〜12に描かれている実施形態は、基板アーム10Aおよび10Bに基板2を取り付けるために吸引を使用するが、代替的な実施形態は、標本処理の間基板アーム10Aに基板2を取り付けるために様々な種類のクランプ、フィンガーまたは磁石(基板が磁化されている場合)を使用する。
図11および24A〜Bに示される実施形態において、機構1は、標本3を担持する基板2を自動基板移動手段120または手動で個人から受け取る。例として、基板移動手段120は、位置間(たとえば、位置121から位置122へ、位置123へ、位置124へ、そして位置125へ)に基板を移送するデバイスである。図11は、第1のレベルリーダー位置121、アプリケータ位置122、機構1を含む染色位置123、カメラまたは画像化位置124、および第2のラベルリーダー位置125を有するシステムを示す。第1のラベルリーダー位置121は、特定の基板2およびその上の標本3を同定するために使用されるバーコードおよび/または「フィンガープリント」情報などの基板2からの情報を読むために設定される。第2のラベルリーダー位置125は、同じ方法で機能し、それが読む情報は、位置124で画像化された標本3が処理された基板のもとの同じであることを確認するために使用される。
基板移動手段120は、基板を保持するための把持部127、および基板2が移動手段120に載せられるかどうかを移動手段120が決定できるようにするための登録回路またはソフトウェアを含み得る。1つの実施形態においては、基板移動手段120は、基板2を第1の位置121から第2の位置122へ移動させるための水圧シリンダーを含み得る。標本処理後、基板移動手段120は、処理した基板を染色位置123から取り除き、基板2を顕微鏡または位置124などの基板検査のための別の位置に移送し得る。あるいは、個人は、手動で基板を機構1から標本処理後に取り除き得る。
基板アーム10Aおよび10Bは、ロードするために開放位置から標本処理位置への基板の移動を可能にし、標本処理後にアンロードするために開放位置に戻すことを可能にするために軸の周りに回転することができる。図13Aは、開放位置から処理位置に基板アームを動かすための一連の工程を含むフローチャート500を示す。フローチャート500は、機構1の概略図を示す図13Bを参照して以下さらに説明される。
図7における機構1は、2つの基板を受け入れて検査するために設定されていることに留意すべきである。以下の議論および図においては、参照は機構1におけるただ1組の構成要素についてなされ得る(たとえば、基板把持部20A、アクチュエータ30A、基板アーム10Aなど)。しかしながら、1組の構成要素に関連して開示されている同じ工程、特徴および特性が、機構1における他の組の構成要素(たとえば、基板把持部20B、アクチュエータ30B、基板アーム10Bなど)にも適用できることが理解されるべきである。したがって、本明細書における議論は、明確にそして簡単にするため1組の構成要素にのみ焦点を当てているが、機構1などの標本検査のための機構は、2つまたはさらにそれより多くの組の構成要素を含むことができ、各組は本明細書に説明されている特徴のいくつかまたはすべてを有することが理解される。
図13Aおよび13Bに戻って、フローチャート500の第1の工程502において、基板移動手段120は、基板2を基板把持部20Aに接触させて置く。工程504において、基板2は、「標本が上(specimen up)」または「開放」位置で基板把持部に配置される。次に、工程506において、アクチュエータ30Aは、基板が工程510において処理位置となるように、基板アーム10Aをおよそ180°(図13B参照)回転させ、基板2を「標本下(specimen down)」または「標本処理」または「閉鎖」位置でプラットホーム60Aの真上に配置する(工程508)。
その後、工程512において、機構1は、ポート42A、43A、44Aおよび45Aを通って標本3に接触するように容器210A、211A、212Aおよび213Aから送り出される染色剤、リンス液および固定化剤を含む適切な液体を向けることにより、基板2上に置かれた標本3を染色する。過剰な液体は標本3から真空ポンプによりポート40Aおよび41Aを通って除去され、廃棄物回収器230および231に回収される。
工程514において、標本3の染色に続き、アクチュエータ30Aは基板アーム10をおよそ180°(工程506の回転とは逆に)回転し基板を「標本上」配置に戻す。最終的に、工程516において、基板移動手段120は、処理した基板を基板把持部20Aから取り除く。他の開放、または「標本上」配置も、オペレーターまたは自動基板移動手段がロードでき、機構1から基板をアンロードできる限り使用することができる。たとえば、標本上配置は、標本処理位置から100°以上(たとえば、120°以上、130°以上、140°以上)回転させることができる。いくつかの実施形態においては、標本上配置は、オペレーターまたは自動基板移動手段がロードでき、機構1から基板をアンロードできるならば、標本処理位置から100°未満(たとえば、90°未満、80°未満、70°未満)回転させることができる。
アクチュエータ30Aおよび/または30Bは、アーム10Aおよび/または10Bを動かすために、電気モータ、油圧、磁力システム、または他のハードウェア(たとえば、ウォーム・ギヤ)を含み得る。基板アーム10Aおよび10Bが図7に描かれているように開放位置にある場合、把持部20Aおよび20Bは、は、それぞれ基板2を受け取ることができる。一旦基板把持部20Aまたは20B上にロードされたら、アクチュエータ30Aおよび/または30Bはその後アーム10Aおよび/または10Bを、したがって基板2を、開放(「標本上」)配置から、攪拌工程を含む固定化剤、染色剤およびリンスの適用のために処理位置(「標本下」図9におけるアーム10Bに示されるように)に回転し、処理後アンロードするための開放位置に戻す。
図9Aに関して、アクチュエータ30Bは、基板アーム10Bを図1に描かれている開放位置から「閉鎖」または処理位置に回転させる。図9Aは、基板アーム10B上の基板2が反転し、そしておよそ180°その図7に示されているロード位置から、基板2上の標本3がプラットホーム60Bの表面に実質的に平行となる下向きに面した位置に回転する。上記図13Aに関連して議論されるように、機構1は、基板2上の標本3に種々の固定化剤、染色剤およびリンスをいくつかの処理段階により適用し、この段階はより詳細に以下に説明される。基板2を処理位置から取り除くために、アクチュエータ30Bは、基板アーム10Bを回転し、図7(両アーム)および図9A(1つのアーム10Aのみが開放位置にある)に示されるように開放位置に戻す。
ある実施形態においては、制御システム5は、インジケータアーム101Aおよび101B(図7および9に示されるように)を検出するための1つ以上のセンサ105Aおよび105Bを用いて、アームの位置を検出することができる。センサ105Aおよび105Bは、アームの存否を検出するために、たとえば赤外線または種々の他の技術(レーザー、動作感知装置など)を使って、たとえば光電子センサなどの近接センサであり得る。たとえば、近接センサ105Aまたは105Bは、検出フィールドを有し、センサは基板アーム(たとえば、アーム10Aおよび/または10B)または基板把持部(たとえば、把持部20Aおよび/または20B)が検出フィールド内にあるかどうかをインジケータアーム101Aおよび/または101Bを検出することにより決定することができる。制御システム5は、基板アーム10の位置を決定するためにセンサから情報を受け取ることができる。たとえば、基板アーム10B(図9には示されていない)が処理位置に回転すると、インジケータアーム101Bの近接端上の近接センサ105Bは標的基板把持部20Bを感知し、基板アーム10Bが標本処理位置に回転することを制御システム5に知らせる。この位置において、センサは任意の標的(たとえば、基板アームまたは基板把持部)を検出しないので、インジケータ101Bの遠位端上の近接センサ105Bは、制御システム5にシグナルを送らない。
基板アーム10Bが開放位置(図7に示されるような)に回転した場合、インジケータアーム101Bの遠位端上の近接センサ105Bは、標的の基体把持部20Bを感知し、制御システム5に、基板アーム10Bが開放位置に回転したことを知らせる。言い方を変えれば、基板アーム10Bがセンサ105Bから離れて回転すると、センサは、制御システム5に「存在しない」シグナルを送る。アーム10Bが開放位置に回転すると、アーム10Bはセンサ105Bに近づき、センサが制御システム5に「存在する」シグナルを送る。代替的な設定においては、センサは、基板10Bが開放位置上に載せられ、インジケータアーム101Bの存在を検出することができる。いくつかの実施形態においては、制御システム5は、開放位置および標本処理位置を知るために、および/または制御シグナルおよび/またはアクチュエータ30Aおよび30Bから受けたフィードバックに基づき基板アーム10Aおよび10Bの動きおよび位置を積極的にモニタするためにアクチュエータ30Aおよび30Bの位置を調整するために使用することができる。
図7における基板アーム10Aおよび10Bの回転の構造および軸は、本発明の他の実施形態においては変えられ得る。図14Aは、開放位置から処理位置に基板アームを動かすための別の一連の工程を含むフローチャート600を示す。フローチャート600は、さらに、図14Bに関連して以下に説明される。図14Bは機構1の概略図を示す。
フローチャート600の工程602において、基板移動手段120は、「標本上」の方向で基板2を基板把持部20Aに置く。次に、工程604において、第1のアクチュエータ30Aは、基板2が、プラットホーム60Aの上側に「標本上」配置で方向付けられたままとなるように、基板2を図14Bの平面に垂直面でおよそ180°基板2を回転する。工程606において、第2のアクチュエータ35Aは、「標本上」配置に方向付けられた基板2を受け取る。その後、工程608において、第2のアクチュエータ35A(たとえば、基板アーム10Aおよび基板把持部20Aの間の位置)は、基板2を「標本下」方向に回転させる。第2のアクチュエータ35Aは、基板2がオフセット70Aおよび70Bに接触するように、基板2をプラットホーム60Aの方に下向きに動かすこともできる。
次に、工程610において、処理位置の基板2を用い、機構1は基板2上の標本3を、フローチャート500の工程512に関連して上述したように、染色液、固定液およびリンス液を適用することにより染色する。染色が完了した後、第2のアクチュエータ35Aは、基板2を「標本下」方向から「標本上」方向に回転し(工程614)、そしてその後、第1のアクチュエータ30Aが、基板が「標本上」配置に方向付けられたままとなるように、基板2をおよそ180°(たとえば、図14Bの平面に垂直な面で、工程606において適用される回転と逆に)回転させる。最終的に、工程618において、基板移動手段120は、基板把持部20Aから処理した基板を取り除く。
固定段階
図10によれば、液体チューブ52A〜55Aおよび52B〜55Bは、標本処理の間、固定化剤をプラットホーム60Aおよび60B、分離92、基板2および標本3に送達するために配置することができる。1つ以上の液体チューブ52〜55Aは、プラットホーム60Aおよび個々の固定化剤容器210A内のポートに接続することができる。液体チューブは、固定化剤を容器から、チューブおよびプラットホーム上に位置するポートを通って基板および標本上に移動させることができるポンプ200Aおよび/またはバルブへの継手を含む。例として、ポンプ200Aは、固定液をチューブ54Aを通してブロック80Aの外へ、ポート44Aを通してプラットホーム60A上に、プラットホーム60Aと基板2との間の分離92中に、標本3を含む基板2上に運ばれ得る。特定量の固定液を基板2に適用した後、真空または他の吸引源220Aおよび/または221Aが、残りの固定液をプラットホーム60A、分離92、および基板2から、1つ以上のポート40Aおよび/または41Aを経て廃棄物チューブ50Aおよび51Aを通って廃棄物容器230Aおよび/または231Aに排気することができる。
図15は、固定液を標本に適用するための一連の工程を含むフローチャート700を示す。工程702において、ポンプ(たとえば、ポンプ200A)が、固定液(たとえば、メタノール)を保存容器(たとえば、保存容器210A)から固定液チューブ(たとえば、チューブ54A)に向かわせる。工程704において、固定液は、ブロック80Aに取り付けられたポート44Aの中に向かわせられる。その後、工程706において、固定液は、プラットホーム60Aにおいてポート44Aの外に移動される。工程708において、固定液は、ポート44Aを通して外、および基板2とプラットホーム60Aとの間の分離92中に移動される。最終的には、工程710において、基板2上の標本3は、固定液により固定される。
いくつかの実施形態において、ポンプ200Aは、固定液を、チューブ54Aおよびポート44Aを通って、プラットホーム60Aの上に、そして分離92の中に1秒間に約50μL以上(たとえば、75μL以上、100μL以上、150μL以上、200μL以上、または250μL以上)および/または約300μL以下(たとえば、250μL以下、200μL以下、150μL以下、100μL以下、または75μL以下)の流速で約2(たとえば、3、4または5)秒間移動させる。たとえば、流速は、約115μL/s(約70μL/s、約100μL/s、約150μL/s)で約2秒間(たとえば、3秒間または4秒間)であり得る。真空または他の吸引源220Aおよび/または221Aは、その後、分離92中および/またはプラットホーム60Aおよび基板2上に存在する残りの固定液を、ポート40Aおよび/または41Aおよび廃棄物チューブ50Aおよび/または51Aを用いて取り除くことができる(さらに以下で説明)。次に、ポンプ200Aは、再び、固定液をチューブ54Aおよびポート44Aを通して、プラットホーム60A上に、1秒間に約50μL以上(たとえば、75μL以上、100μL以上、150μL以上、200μL以上、または250μL以上)および/または約300μL以下(たとえば、250μL以下、200μL以下、150μL以下、100μL以下、または75μL以下)の流速で約2(たとえば、3、4または5)秒間移動させる。たとえば、流速は、約115μL/s(約70μL/s、約100μL/s、約150μL/s)で約2秒間(たとえば、3秒間または4秒間)であり得る。この固定および排気のプロセスは、固定を必要とする標本の種類によって同じまたは異なる固定化剤を用いてもう1度繰り返すことができる。さらに、機構1は、各固定段階について頻度と流速を変化させることができる。分離92に位置する液体の表面張力を乗り越えるのに十分な他の流速も使用することができる。固定段階の頻度および/または流速を調整することにより、機構1は、様々な標本に対していくつかの異なる固定化剤を用いて最適な固定化を達成することができる。異なる種類の標本に対する機械指令が、制御ユニット5において、ハードウェアに組み込まれるかまたはプログラムされ、必要に応じてシステムオペレーターにより選択されることができる。
一般に、固定段階の間、試料に多種多様な固定化剤を適用することができる。たとえば、85%メタノールを固定化剤として使用することができる。いくつかの染料について、エチルアルコールまたはホルムアルデヒドベースの固定化剤が使用できる。本明細書において開示される固定液の実施形態は、検査用標本の調製のために使用することができる。
染色段階
機構1は、1回以上の染色段階において、1つ以上の染料または染料を基板に固定された試料に適用するように構成されたチューブおよびポートも含む。標本の染色は、それを顕微鏡または他の画像処理装置のもとで見るまたは撮影する場合、標本のコントラストを向上させる。
図16は、標本に染色剤を適用するための一連の工程を含むフローチャート800である。工程802において、ポンプ(たとえば、ポンプ201A)は、染色液を容器(たとえば、容器211A)から染色チューブ(たとえば、チューブ52A)に送る。工程804において、染色液は、ブロック80Aに取り付けられたポート(たとえば、ポート42A)に送られる。つぎに、工程806において、染色液は、プラットホーム60Aにおいてポート42Aの外に出てくる。工程808において、染色液は、基板2とプラットホーム60Aとの間の分離92の中に流れる。最終的に、工程810において、染料が基板2上の標本3に適用される。
いくつかの実施形態において、複数のチューブおよびポートが、染色剤を標本3に適用するために使用され得る。たとえば、第2のポンプ(たとえば、ポンプ202A)は、染色液(たとえば、容器211Aから分配されるものと同じ染料または異なる染料)を容器212Aからチューブ53Aおよびポート43Aを通って、プラットホーム60A上に送ることができる。ある実施形態において、2つ以上の液体チューブは、染色剤をポートを通してプラットホーム上に送るために使用される、共通染色容器またはポンプおよび/またはバルブに接続され得る。図8を振り返って、チューブ52Aは、エオシンYなどの赤色染料をプラットホーム、基板3および標本2に送達し得る。チューブ53Aは、チアジン染料(たとえば、アズールB、メチレンブルー)などの青色染料を送達し得る。図7〜12において、プラットホーム60A上のポートの部材、配置、およびサイズは、基板に固定される標本への染料の適用を最適化するために選択される。別の染料が選択される場合、ポートの異なる部材、配置およびサイズが染料の粘度に好ましくは左右される。
各ポート40A〜45A(および40B〜45B)は、液体を受けるためのインプットチャネルおよび液体を出力するためのアウトプットチャネルの両方を含み得る。いくつかの実施形態においては、リンス剤45A、固定化剤44Aおよび染色ポート42A〜43Aのアウトプットチャネルは、プラットホーム60Aの上面上にあり、そして真空ポート40Aおよび41Aのインプットチャネルは、プラットホーム60Aの上面の反対側の端にあり得る。リンス剤45A、固定化剤44Aおよび染色ポート42A〜43Aのインプットチャネルを、ブロック80Aの同じ側面上に位置させてもよく、そして真空ポート40Aおよび41Aのアウトプットチャネルを、ブロック80Aの反対の側面上に配置することができる。
例として、そして図8および16を参照して、制御システム5は、工程802において、ポンプ(たとえば、ポンプ201A)に第1の染色液(たとえば、エオシンYを含む染料)を染料容器から液体チューブ52Aに送らせる。工程804において、第1の染色液は、液体チューブからポート42に入る。つぎに、工程806において、第1の染色液は、ポート42Aから出て、工程808において、第1の染色液は、プラットホーム60Aと基板2との間の分離92中に、1秒につき約50μL以上(たとえば、75μL以上、100μL以上、150μL以上、200μL以上、または250μL以上)および/または約300μL以下(たとえば、250μL以下、200μL以下、150μL以下、100μL以下、または75μL以下)の流速で約2(たとえば、3、4または5)秒間置かれる。たとえば、流速は、約115μL/s(たとえば、約70μL/s、約100μL/s、または150μL/s)で、約2秒(たとえば、3秒または4秒)の間とすることができる。工程810において、基板2上の標本3は、第1の染色液で染色される。染色につづき、真空または他の吸引源(たとえば、ポンプ220および/または221)は、その後、分離92中、プラットホーム60A上および基板3上に残存する第1の染色液を、ポート40A〜41Aおよび廃棄物チューブ50A〜51Aを用いて排気し得る。
機構1は、第1の染色段階の後、遅れ(たとえば、3秒と10秒の間の遅れ、5秒の遅れなど)の後、これらの染色および排気段階を繰り返すためにプログラムされることができる。第2のポンプ202Aは、制御システム5により、第2の染色液(チアジン染料を含む溶液)を、染色容器から液体チューブ53Aを通って、ポート43Aの外に、1秒につき約50μL以上(たとえば、75μL以上、100μL以上、150μL以上、200μL以上、または250μL以上)および/または約300μL以下(たとえば、250μL以下、200μL以下、150μL以下、100μL以下、または75μL以下)の流速で約2(たとえば、3、4または5)秒間、プラットホーム60A上に送るように指示される。たとえば、流速は、約115μL/s(たとえば、約70μL/s、約100μL/s、または150μL/s)で、約2秒(たとえば、3秒または4秒)の間とすることができる。真空または他の吸引源(たとえば、ポンプ220Aおよび/または221)は、その後、分離92中、および/またはプラットホーム60A上および/または基板2上に残存する第2の染色液を、ポート40A〜41Aおよび廃棄物チューブ50A〜51Aを用いて排気し得る。固定段階と同じように、機構1は、各染色段階に対して頻度と流速を変化させることができる。流速は、たとえば、50〜300μL/秒の範囲であり得、流速が、分離92中に位置する液体の任意の表面張力に打ち勝つのに十分なものであれば、この範囲の外側限界よりもより小さいまたはより大きい(たとえば、10〜500μL/秒)であってもよい。
標本に適用できる典型的な染色には、特に限定されるものではないが、ライト−ギムザ染色、ギムザ染色およびロマノフスキー染色などがあり、本明細書に開示される第1および第2の染色液の実施形態を含む。免疫細胞化学的試薬などの他の試薬や特異的細胞成分の他のマーカーも標本に適用できる。
不用な液体の除去
上述したように、真空または他の吸引源220および/または221は、基板2、分離92およびプラットホーム60Aから、固定および染色段階の間中、または間に残余液体を排気できる。図7によれば、1つ以上の廃棄物チューブが、ブロック80Aの側面82Aおよび84Aに接続されることができる。廃棄物または真空チューブ50Aおよび51Aは、プラットホーム60A、分離92および基板2から廃棄物容器または機構1から離れた他の場所に液体および小さな粒状物質を回収するために使用される。図8に関して、廃棄物チューブ51Aおよび51Bは、廃棄物チューブの先端で別々の真空源220および221、そして廃棄物容器230および231に接続され得る。あるいは、2つ以上の廃棄物チューブが、単一の真空源、そして同じ廃棄物容器に図10に示すように接続されることもできる。廃棄物チューブ50Aおよび50Bは、それぞれピンチバルブ90Aおよび90Bにより拡張し得る。
吸引するための真空または他の吸引源(たとえば、真空ポンプ220および/または221)は、液体をプラットホーム60Aおよび/または60B、分離92および基板2から廃棄物容器230および231に引き込むために廃棄物チューブ50A、50B、51Aおよび51Bの1つ以上に接続し得る。廃棄物チューブ内に適用される真空力は、基板2とプラットホームとの間の分離が、100〜200ミクロンの間である場合、液体を除去するための十分な吸引を提供するためにマイナス1〜マイナス5ポンド/平方インチ(「psi」)に相当するものとし得る。一般に、本明細書において使用される場合、「マイナス」圧力は、機構1内の周囲の圧力または機構1のまわりの環境よりも低い圧力を意味する。たとえば、いくつかの実施形態においては、機構1の周りの環境は、およそ1気圧の周囲の大気圧である。「マイナス」圧力は、この周囲の大気圧よりも低い圧力を意味する(たとえば、液体に適用されるマイナス1psiの圧力は、液体にかけられる周囲の大気圧よりも1psi低い圧力である)。0.1psi〜14psiまたはそれより大きい範囲の他の真空は、そのような真空が、分離中に存在する液体の任意の表面張力に打ち勝つのに十分なものであれば、使用することができる。加えて、分離から液体を排気するために真空をかける直前に、アクチュエータ30Aは、標本処理位置から15〜35ミクロンの距離に基板2の近接する縁を持ち上げることができる。このように基板2とプラットホーム60との間の分離を増加させることにより、真空段階の間の分離92における任意の残留液体の排気を改善することができる。
いくつかの実施形態においては、制御システム5は、標本処理の間、液体の除去に適用される頻度および真空を変化させるように構成される。図17Aは、基板から過剰な液体を除去するための一連の工程を特徴づけるフローチャート900を含む。固定段階につづき、たとえば、制御システム5は、ピンチバルブ90Aおよび/または90Cを工程902において開け、廃棄物チューブ(たとえば、廃棄物チューブ50Aおよび51A)に5psiの真空を5秒間かけることができる。この間、固定液は、分離、基板およびプラットホームからポート40Aおよび41Aを通って除去される(工程904)。液体は、工程906において廃棄物チューブを通って進み、工程908において1つ以上の廃棄物容器(たとえば、容器230および/または231)中に入れられる。一旦排気期間が終了すると、制御システム5は、工程910において、1つ以上のピンチバルブ90A、90Cに廃棄物チューブ50Aおよび/または51Aを閉鎖させることができ、それにより、真空220〜221によるさらなる排気を防止する。制御システム5は、機構1に各固定段階の後にこの液体除去工程を繰り返させ得る。
図17Bは、基板から過剰な液体を取り除くための代替的な一連の工程を特徴付けるフローチャート1000を含む。フローチャート1000の方法は、廃棄物チューブを封止するためにピンチバルブを使用しない。代わりに、染色段階の後、吸引源220および/または221は、工程に1002において初期化され、工程1004において活性状態に入る。吸引源は、廃棄物チューブ50Aおよび/または51Aに3psiの圧力を4秒間かけて、工程1006において分離92、基板2およびプラットホーム60Aからポート40Aおよび41Aを通して染料を取り除く。排気された液体は、工程1008において、廃棄物チューブ50Aおよび/または51Aを通って進み、工程1010において、1つ以上の廃棄物容器230、231に入れられる。機構1は、各染色段階の後にこの液体除去工程を繰り返し得る。液体除去工程の間にかけられる頻度および圧力を変えることにより、機構1は、標本の最適な固定および染色を達成し得る。
ピンチバルブ90A、90B、90cおよび90Dは、図7に示されるように、廃棄物チューブ50A、50B、51Aおよび51Bを閉鎖する。ピンチバルブ90A〜90Dは、バルブ内部に含まれる、またバルブ外部のアクチュエータにより、機械的に、電気的に、油圧でまたは空気圧で作動され得る。ピンチバルブ90A〜90Dは、廃棄物チューブ50A、50B、51Aおよび51Bを通る液体流を妨げるために機能する。たとえば、満たされた廃棄物容器230を、機構1から交換する、または空にする場合、廃棄物チューブに存在する残留液体の漏れを防止するため、ピンチバルブ(90A〜90D)を閉鎖することが望ましい。異なる種類のバルブまたはクランプもしくはストッパーなどの他の機構は、廃棄物チューブ50A、50B、51Aおよび51Bを閉鎖するために機構1の実施形態で使用され得る。
リンス段階
リンス液は、機構1による標本処理の間、1回以上のリンス段階で適用することができる。たとえば、固定段階間、染色段階間、および/または固定段階と染色段階との間、基板2、分離92およびプラットホーム60Aおよび/または60Bを洗浄することが望ましい。
図18は、標本をリンスするための一連の工程を特徴付けるフローチャート1100を含む。工程1102において、ポンプ(たとえば、ポンプ203A)は、リンス液(たとえば、蒸留水を含む)を容器(たとえば、容器213A)からリンスチューブ(たとえば、リンスチューブ55A)に送る。工程1104において、リンス液は、基板2とプラットホーム60Aとの間の分離92に入る。工程1110において、標本3のリンスが行われる。最終的に、工程1112において、真空源220、221は、廃棄物チューブ50Aおよび51Aの1つ以上に吸引をかけ、分離92および基板2からリンス液を除去し、リンス液は、廃棄物容器230および/または231に移送される。いくつかの実施形態においては、前述の工程が第2のリンス段階において繰り返される。
いくつかの実施形態においては、制御システム5は、ポンプ203Aにリンス液を、1秒につき約50μL以上(たとえば、75μL以上、100μL以上、150μL以上、200μL以上、または250μL以上)および/または約300μL以下(たとえば、250μL以下、200μL以下、150μL以下、100μL以下、または75μL以下)の流速で約2(たとえば、3、4または5)秒間適用させる。たとえば、流速は、約115μL/s(たとえば、約70μL/s、約100μL/s、または150μL/s)で、約2秒(たとえば、3秒または4秒)の間とすることができる。固定段階と同じように、制御システム5は、各リンス段階の継続時間および流速ならびにリンス段階の数を変化させることができる。加えて、制御システム5は、標本処理の間、1回以上のリンス段階の配置を調整し得る。制御システム5は、たとえば、リンス段階が、すべての固定段階の完了後に1度起こり、すべての染色段階の完了後に第2のリンス段階が1度起こることを指示し得る。あるいは、リンス段階は、2以上の固定段階の間、または2以上の染色段階の間に組み入れられ得る。
いくつかの実施形態においては、染色手順は、(1)固定段階、(2)第2の固定段階、(3)第1の染色液を用いる第1の染色段階、(4)第2の染色液を用いる第2の染色段階、(5)リンス段階、および(6)第2のリンス段階を含み得る。いくつかの実施形態においては、様々な(たとえば、第1および第2)染色段階および/または溶液は、任意の順序で使用することができ、および/または任意の順序で繰り返すことができる。たとえば、第1および第2の染色段階および/または溶液は、入れ替えることができる。各段階は、1秒につき約50μL以上(たとえば、75μL以上、100μL以上、150μL以上、200μL以上、または250μL以上)および/または約300μL以下(たとえば、250μL以下、200μL以下、150μL以下、100μL以下、または75μL以下)の沈着流速で約2(たとえば、3、4または5)秒間を含み得る。たとえば、流速は、約115μL/s(たとえば、約70μL/s、約100μL/s、または150μL/s)で、約2秒(たとえば、3秒または4秒)の間とすることができる。
攪拌段階
ある実施形態における標本処理は、固定段階、染色段階および/またはリンス段階の間、分離92、基板2およびプラットホーム60Aおよび/または60Bのあらゆる場所に固定液、染色液および/またはリンス液を分散させるために1回以上の攪拌段階を含む。図19は、標本を攪拌するための一連の工程を特徴付けるフローチャート1200を含む。図9に示されるアクチュエータ30Aおよび/または30Bは、基板2のプラットホーム60Aおよび/または60Bに対する位置を変化するために微細運動調整を提供することができる。
制御システム5は、アクチュエータ30Aおよび/または30Bに攪拌段階の開始を指示するためのソフトウェアおよび/またはハードウェアを含み得る。アクチュエータ30Aおよび/または30Bは、制御システムからの攪拌開始指令により基板アーム20Aおよび/または20Bを上下に動かすために構成することができる。攪拌段階は、所定のサイクル数繰り返し得る。本明細書において使用される場合、用語「サイクル」は、開始位置からの上向きの動きとそれに続く上向きとは反対の下向きの動きを意味する。いくつかの実施形態においては、1回以上の攪拌サイクルは、各サイクルの最後に、または少なくともいくつかのサイクルの最後に基板2を開始位置に戻す。ある実施形態においては、基板2は、いくつかの攪拌サイクルまたはすべての攪拌サイクルの最後に開始位置に戻らず、各サイクルは、なお上向きの動きとそれに続く下向きの動きを含む。アクチュエータ30Aおよび/または30Bは、典型的に、1回以上の攪拌サイクルにおいて停止指令が制御システム5からアクチュエータに送られるまで基板2を動かし続ける。攪拌段階は、基板2とプラットホーム60Aおよび/または60Bの表面との間の分離サイズ(分離距離)を一時的に増加させ得、その後、基板を標本処理位置に戻し得る。加えて、攪拌段階は、プラットホーム60Aおよび/または60Bの表面に対する角度位置と標本処理位置との間で基板2を移動させる一連の動きを含み得る。プラットホームと基板2との間の分離中に分配された液体の表面張力は、基板が攪拌段階の間に標本処理位置から動く際に基板上の液体分子の再分配を引き起こし、標本全域での液体の分配を有利に改善できる。
攪拌段階の間プラットホームに対して基板2を動かすために他の方法使用することができる。たとえば、いくつかの実施形態においては、1つ以上のオフセット70A〜Dおよび/または71A〜D(たとえば、オフセットがプラットホーム60Aおよび/または60Bの表面上に拡張する量)の位置が、標本3の攪拌のために迅速に調整されることができる。ある実施形態においては、プラットホーム60Aおよび/または60Bの位置は、標本3の攪拌を生じるように調整されることができる。たとえば、プラットホーム60Aおよび/または60Bは、標本3の攪拌を生じるように上下に交互に動かすことができる(たとえば、上述の基板2の動きの方向に対応して)。
いくつかの実施形態においては、標本3の攪拌は、下記に説明するように、基板アームを収縮する材料で作製する場合、アクチュエータ30Aおよび/または30Bが、基板2をオフセット70A〜Dおよび/または71A〜Dの方へ動かす程度を変化させることによりなすこともできる。歪みゲージは、時間の関数として基板アームにおける歪みの変動を検出することにより、基板2に適用される攪拌の頻度を測定し調整するために使用することができる。
図19によれば、第1の工程1202において、攪拌段階が開始される。工程1204において、制御システム5は、アクチュエータ30Aに攪拌サイクルを始めさせる。この指示に対して、アクチュエータ30Aは、工程1206において基板2を上向きに回転し、基板2とプラットホーム60Aとの間の距離を増加させる。次に、工程1208において、アクチュエータ30Aは、基板2をプラットホーム60Aの方に下向きに回転し、基板とプラットホーム60Aとの間の距離が減少する。決定工程1210において、攪拌段階が継続される場合、制御が工程1204に戻り、アクチュエータ30Aによる基板2の回転が別の攪拌サイクルにおいて再び起こる。攪拌段階が終結した場合、その後、制御が工程1210から工程1212に通過し、基板2は攪拌完了でその初期位置に返却される。
攪拌段階は、アクチュエータ30Aおよび/または30Bにより適用される1つ以上の攪拌サイクルを含み得る。さらに、攪拌段階は、固定液、染色液および/またはリンス段階それぞれの間に1回または複数回、固定段階、染色段階および/またはリンス段階のそれぞれの間の様々な頻度で起こすことができる。たとえば、図9によれば、アクチュエータ30Aおよび/または30Bは、基板2の近接した縁を、標本処理位置から35ミクロンの距離に垂直に持ち上げ、その後、基板2を標本処理位置に3回、固定段階、染色段階およびリンス段階のそれぞれの後1回戻し得る。アクチュエータ30Aおよび/または30Bは、各攪拌サイクルを2秒で完了し得る(たとえば、基板2の近接した縁を標本処理位置から35ミクロンの距離に垂直に持ち上げるのに1秒、そして標本処理位置に基板を戻すのに1秒)。機構1は、各攪拌サイクルおよび/または段階に対して攪拌頻度および距離を変化する指令を実施できる。たとえば、攪拌段階は、1秒に10〜20回、基板2の近接した縁を標本処理位置から垂直に5ミクロンの距離に持ち上げ、その後基板を標本処理位置に戻すアクチュエータ30Aおよび/または30Bを含み得る。
攪拌距離と頻度の代替的な組み合わせも使用することができる。たとえば、いくつかの実施形態において、攪拌距離は25ミクロン以上(たとえば、50ミクロン以上、100ミクロン以上、150ミクロン以上、200ミクロン以上、250ミクロン以上、300ミクロン以上、500ミクロン以上、700ミクロン以上、1mm以上)である。たとえば、ある実施形態においては、攪拌距離は35ミクロンおよび350ミクロンの間である。
いくつかの実施形態においては、攪拌サイクル頻度は、1秒に1サイクル以上(たとえば、1秒に2サイクル以上、1秒に3サイクル以上、1秒に4サイクル以上、1秒に5サイクル以上、1秒に7サイクル以上、1秒に10サイクル以上)である。
付加的な攪拌技術も使用することができる。たとえば、いくつかの実施形態においては、基板把持部20Aおよび/または20Bは、図7および9に描くように、基板をアクチュエータ30Aおよび/または30Bの回転軸に垂直な軸の周りに回転させるアクチュエータを含み得る。
あるいは、プラットホーム60Aおよび/またはプラットホーム60Bは、固定段階、染色段階およびリンス段階の間に1つ以上のオフセット70A〜Dおよび/または71A〜Dを上げ下げするためのオフセットアジャスターを備え得る。オフセットアジャスターを組み込むために、プラットホーム60Aおよび/または60Bは、プラットホームの内部プレートに取り付けられているオフセットを含み得る。プレートの高さは、内部アクチュエータを用いて変化し得、それによりオフセットの高さが変化する。あるいは、オフセット70A〜Dおよび71A〜Dの基板2に対する位置は、アクチュエータに指示してプラットホーム60Aおよび/または60B、またはブロック80Aおよび/または80Bを動かすことにより変化させることができ、それにより、攪拌段階の間、分離距離が変化する。制御システム5は、標本をより効率的に処理するために、従来の染色および調製技術と比べて標本調製処理の間かなり少ない液量を用いて、液体サイクル、流速、オフセットの高さ、分離距離、および攪拌パラメータおよび頻度を調整することができる。
いくつかの実施形態においては、基板アームは、標本処理位置において基板がプラットホームから延びる2つのオフセットのみ支えられる場合、アクチュエータまたは他の原動力要素が、スライドが4つすべてのオフセットに支えられるまでプラットホーム表面の方にさらにスライドを回転し得るように収縮する材料で作製し得る。これらの2つの位置の間の基板の位置の変化は、標本処理の間の十分な攪拌が成し遂げられ得る。基板アームは、基板アームの歪みをモニターするために歪みゲージを含み、プラットホームオフセットに対する基板の位置を制御システム5に知らせるために使用され得る。加えて、制御システムは、制御システムが標本処理位置においてまたは攪拌段階の間、基板を置く際に説明し得る、基板の厚さ欠陥に対応する情報を含み得る。
乾燥段階
ある実施形態においては、制御システム5は、機構1に取り付けられた乾燥機4を用いて標本を乾燥することができる。図20は、標本を乾燥するための一連の工程を特徴付けるフローチャート1300を含む。染色およびその他の段階(たとえば、1回以上のリンス段階)の完了が確認される開始工程1302に続き、工程1304において、乾燥機4は、標本全域に空気の流れを送る。乾燥プロセスは、信号が乾燥を停止するために制御ユニットから受信されるまで、工程1306において続けられる。信号が受信されると、乾燥機が標本全域への空気の流れを止め、乾燥段階が工程1308で終了する。
一般に、機構1は、標本3を乾燥するために、空気の温度、流速、適用される空気の流れの持続時間、標本処理の間の段階を変えるために制御される。たとえば、染色段階を完了した後、乾燥機4が、標本全域に7秒間10L/分の流速でおよそ120°Fで空気の流れを送ることができる。他の空気の温度(たとえば、周囲温度から300°Fまで)、空気の流速(たとえば、1L/分から100L/分)、および空気を流す期間(たとえば、2、3秒から数分)も使用することができる。
標本検査システム
本明細書に開示される自動標本調製機構および装置は、機構1を含み、通常、米国出願番号第12/430885号および同13/293050号(これらの全体は、参照により本明細書に組み込まれる)明細書に開示されるものなどのより大きい標本検査システムと共に使用することができ、および/またはそこに組み込まれルことができる。たとえば、図21は、標本検査システム2000の1つの可能な実施形態を説明する概略図を示す。システム2000は、プラットホーム2100、受光デバイス2200、コンピュータ2300、塗布器2400、ガス循環デバイス2500、光源2600、ディスペンサー2800、排出デバイス2900、スライドラベラー3000、およびスライドラベルリーダー3100を含む。アドバンサー2110は、1つ以上のスライドまたは他の基板2700受け取るように構成され得る。アドバンサー2110は、プラットホームの表面、上面2101などに取り付けられ得る。アドバンサー2110は、ベルト形状とし得、システムは、基板に載せた標本をプラットホームの表面2101に沿って動かすために、機械アーム、重力、磁力、水圧、ギア、または他の移動技術を用いることができる。
プラットホーム2100は、フィーダー2102およびコレクター2106を、それぞれ基板2700(たとえば、スライド)を、スタックまたはラックからまたはスタックまたはラックへ供給および回収するために含み得る。フィーダー2102は、アドバンサー2110上の標本を押すためのフィーダー推進機構2103(ゴム車輪など)を備えていてもよい。あるいは、基板2700をつかみ、直接アドバンサー上に基板を置くために機械アームを使用することができる。フィーダー2102の外へ基板を進ませるための代替的な機構は、磁石または水圧などを使用し得る。フィーダーは、スライドがどのくらい存在するか測定するためのセンサを含み得る。センサは、たとえばどのくらいの基板が存在するかを決定するために基板2700の重量を測定する。コレクター2106は、どれだけの基板が存在するかを決定するためのセンサを含むこともできる。センサは、セットする前の標本の数を分析するとすぐにコンピュータ2300に知らせるために構成することができ、および/または基板上に載せられた標本の受け取りを継続的にコンピュータに知らせることができる。
受光デバイス220は、顕微鏡(明視野顕微鏡など)、ビデオカメラ、スチールカメラ、または他の光を受ける光学デバイスであり得る。標準的な明視野顕微鏡を含む実施形態は、自動ステージ(たとえば、基板移動手段2201)および自動フォーカスも含み得る。いくつかの実施形態において、顕微鏡は、モータを付けたステージおよびフォーカスモータを取り付けることができる。顕微鏡は、コンピュータ2300の制御下で種々の倍率のレンズを選択させるためのモータを付けた対物レンズ取り付け台を有することができる。フィルタホイールは、コンピュータ2300が光経路における狭帯域カラーフィルタを自動的に選択できるように使用されることができる。LED証明をフィルタに代替させることができ、LEDの使用は、フィルタホイールの回転に必要な時間と比べて画像収集時間を減少させることができる。たとえば、狭帯域光観察を収集するために1600×1200画素のFireWire(登録商標)(IEEE1394高速シリアルバス)カメラを使用することができる。
いくつかの実施形態においては、受光デバイス2200は、基板2700から反射された光を受け、反射光により形成される1つ以上の画像を保存する。あるいは、または加えて、いくつかの実施形態においては、基板上の標本からの蛍光発光が、受光デバイス2200により検出されることができる。
ある実施形態においては、受光デバイス2200は、基板上の標本の透過像を得るために構成される。たとえば、発光源2600をプラットホームの下に配置し、光をプラットホーム2100および基板2700を通って受光デバイス2200に通過するように向けることができる。
受光デバイス2200および図21に示されるあらゆる他の構成要素は、リンク(2011〜2014)によりコンピュータ2300と連動させることができ、その結果、コンピュータにエネルギーを供給でき、コンピュータ2300から構成要素に指示を与えることができ、および/または構成要素にコンピュータ2300に情報を送らせることができる。リンク2011〜2014は、有線リンクであっても無線リンクであってもよい。
受光デバイス2200は、X、YおよびZ軸方向の動きが可能である(他の実施形態においては、モータのつけられたステージまたは基板移動手段2201がX、YおよびZ軸方向への動きを備え得る)。受光デバイス2200は、コンピュータ2300が受光デバイス2200を適切な位置に配置することができるよう、パン、チルトおよび/または移動アクチュエータを含み得る。受光デバイス2200は、入射光を焦点に収束させるレンズ2210を含み得る。
受光デバイス2200は、白黒および/またはカラー画像を捕えるために選択することができる。いくつかの実施形態においては、2つ以上の受光デバイスが画像の取得と関連する処理時間を分担するために使用することができる。たとえば、低倍率造影工程を受けて、次に高倍率造影工程とすることができる。同様に、いくつかの実施形態においては、システム2000、プラットホーム2100、コンピュータ2300および/または受光デバイス2200は、基板移動手段2201に基板2700を、基板上または基板の特定部分上の細胞のすべてまたはほとんどの1つ以上の画像の取得および保存を確実にするために動かすことができる。
コンピュータ2300は、ノート型、サーバー、ワークステーション、または他の種類のコンピュータ装置であってよい。コンピュータは、プロセッサ、ディスプレイ2320、インターフェイス2310、および内部メモリおよび/またはディスクドライブを含み得る。コンピュータ2300は、メモリ内にまたは光学ディスクなどのコンピュータに読み取り可能な有形型媒体上に格納されたソフトウェアを含み得る。ソフトウェアは、受光デバイス2200、アプリケータ2400、ガス循環デバイス2500、プラットホーム2100、アドバンサー2110、光源2600、ディスペンサー2450および/または2800、標本調製機構1、またはこれらの構成要素の1つの中にある、または接続されている任意の構成要素をコンピュータに操作させるための指令を含み得る。同様に、コンピュータは、これらの構成要素のいずれかから情報を受けるように配置される。
たとえば、ソフトウェアは、フィーダー2102からの基板の分散速度を制御し得、フィーダー2102は、コンピュータに存在する基板の数についての情報を知らせ得る。加えて、コンピュータ2300は、受光デバイス2200により捕えられた画像の分析の実行を担当することもできる。分析プロセスにより、コンピュータは、特定の血液量中の特定の種類の細胞の数、たとえば、血液、赤血球、白血球および血小板算定、ならびにヘモグロビン含有量、赤血球形態または算出可能である白血球百分率などの完全血球算定の他の測定または誘導される成分などを計算するために整えられ、制御されることができる。画像分析ソフトウェアは、各個々の領域を分析し、全体の赤血球計数および白血球計数を合計することができる。患者の血液サンプルにおける1μL当たりの合計計数を計算するために、スライド上で計数された数に希釈率およびサブサンプルの容量を乗じることができる。スライドからの計数の結果、形態学的測定、および赤血球細胞および白血球細胞の画像がディスプレイ2320上に示され得る。
いくつかの実施形態においては、コンピュータ2300は、数値データ、細胞集団ヒストグラム、散布図およびモニター上に表示される赤血球の画像を用いる細胞形態の直接評価を表示するために構成される。細胞形態を表示する能力は、経験を積んだ技術者または他の専門家による手動の再調査のための追加のスライドを調製することを保証し得る細胞形態学における異常の存否を迅速に立証する能力をシステム2000の使用者に提供する。ソフトウェアは、コンピュータに、受光デバイスから受ける画像2331を表示させる指示を与得ることもでき、またディスプレイ2330に、画像分析の結果2332(おそらく、たとえばチャートまたはグラフ)を示させ得る。同様に、コンピュータ2300は、特定の血液量における特定の種類の細胞の数を数えあげる、または特定の血液量における損傷細胞、がん様細胞または溶解細胞の数を数えあげるために制御されることもできる。ソフトウェアは、コンピュータが分析プロセスを実行できるようにする。コンピュータは、分析中、1つ以上の拡大図(magnification)を使用することができる。
1つの構成要素として示されているが、コンピュータ2300は、複数のコンピュータ;第1のコンピュータはシステム2000の構成要素を制御するために使用することができ、第2のコンピュータは受光デバイス2200からの画像を処理するために使用することができる。種々のコンピュータは、コンピュータに情報を共有させるために一緒にリンクさせることができる。コンピュータ2300は、コンピュータに他のコンピュータの情報を送受信させるためにネットワークや実験室の情報システムに接続させることもできる。
ある実施形態においては、アプリケータ2400は、シリンジ、手動またはモータ駆動のピペッター、またはチューブでピペットチップに取り付けられたモータ制御のポンプを含み得る。アプリケータ2400は、制御された様式で標本を基板2700に適用する。具体的な特徴、特性およびアプリケータ2400を使用する方法は、たとえば、米国特許公開第2009/0269799号公報に開示されている。標本には、1つ以上の血液成分、細胞、組織、または他の生物学的成分が挙げられる。
標本は一旦基板2700に適用されると、適用した標本が機構1により処理される。機構1は本明細書において説明したように機能し、1つ以上の染色液、固定液および/または他の溶液を基板上の標本に適用する。
いくつかの実施形態においては、システム2000は、アプリケータ2400のチップから細胞の非接触の行を置くことによって、基板2799上におかれた細胞間の重なりを最小化するように構成されることができる。希釈された液体の粘度の増加、または希釈剤の種類や量は、アプリケータからの標本流れの最終的な定着位置の幅に影響し得る。血液サンプルにおける典型的な変化を許容する行間の距離を選択することにより、すべての細胞をすべてのサンプルにおいて計数することができる。
ガス移動デバイス2500は、図21に示されているように個別のデバイスであってもよく、前述したように機構1に組み込まれていてもよいが、ファンを含むことができ、および/またはたとえばコンプレッサや送風機などの他のガス移動デバイスを含んでもよい。ガス移動デバイス2500は、コンピュータ2300に直接接続されてもよく、またはプラットホーム2100またはアプリケータ2400などの別の構成要素により接続されていてもよい。ガス移動デバイスは、基板上の標本を乾燥する速度を制御するために、ガス(ある場合には大気)を基板全域に押し出す。基板を横切る空気の量が多すぎたり、速さが速過ぎたりすると(すなわち、ファンのスピードが高すぎる)、急速な乾燥により標本中の細胞が破裂することがあり、空気が少な過ぎたり基板を横切るのが遅過ぎたりすると(すなわち、ファンのスピードが低すぎる)、細胞の乾燥が遅すぎ、収縮がみられることがある。
コンピュータ2300は、一定時間に基盤を横切る空気の量(たとえば、空気の立方フィートまたは立方センチメーター/秒)を、ガス移動デバイスの基板からの距離、分析される液体の種類、流れの幅、ガス(たとえば、空気)の温度、および流れの平均の厚さに基づいて選択および制御することができる。ガス移動デバイス2500は、ガスが約15〜20秒間、30°〜60°(たとえば、45°)の角度で基板にあたるようにデバイスがガスを送ることができるように配置することができる。いくつかの実施形態においては、コンピュータ2300は、ガス移動デバイス2500を使用せずに乾燥プロセスを行うためにシステムの近くで湿度および温度設定を制御することができる。
発光デバイス2600、およびその様々な構成要素は、米国特許公開第2009/0269799号明細書に例として説明されている。様々な波長の光を発光デバイス2600により発生させることができ、受光デバイス2200により検出させることができる。たとえば、415nmなどの波長は、RBC形態学およびヘモグロビン含有量を評価するために、ヘモグロビンのみの画像を得るのに有用である。600nmで発光する光は、血小板および核の高コントラスト画像を提供するのに有用であり得る。他の波長は、好塩基球、単球、リンパ球(すべて青色の色調)、好酸球(赤色)および好中球(中間色)の色を最も良好に区別するために選択され得る。
以下の実施例によりさらに本開示を説明するが、以下の実施例は、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
実施例1
図22は、基板上に載せた標本を処理するための典型的な一連の工程を示すフローチャート1400である。フローチャート1400における工程は、検査用標本を調製するために使用され得る。このプロセスの説明は、時には特定の範囲を有する特定の工程を引用し、または特定の順序で発生する工程を開示するが、その説明は1つのプロセス例を説明するに過ぎないことを意図するものである。図22を参照して、機構1は、処理工程の間、種々の機構構成要素の操作を命令するための制御システム5に接続されている。標本開始工程において、血液のアリコート由来の赤血球、白血球および血小板を含む標本3は、ガラス顕微鏡スライドからなる基板2に載せられる。これは、同時係属米国特許出願公開第2008/0102006号に記載された1つ以上の工程(station)などの種々の工程を用いて行うことができる。配置工程1402において、標本3を含む基板2は、図7に示すような基板アーム10Aの基板把持部20A上にロードされる。制御システム5は吸引源222に基板把持部20Aから空気を真空排気するように指示する(工程1404)。吸引ポート21および22を通して適用された吸引は(工程1406)、標本処理の間、基板2を基板把持部20Aに付着させる。制御システム5は、基板3を図7に示す開放位置から図9Aに示す標本処理位置へと回転させるようにアクチュエータ30Aに指示する(工程1408)。標本処理位置において、標本3は、プラットホーム60Aの表面に向けられ、基板2は図8に示されるオフセット70A〜Dに支えられる。このオフセットは、基板2がプラットホーム60Aの表面と接触するのを防ぐ。この典型的なプロセスにおいて、基板2の標本接触表面とプラットホーム60Aの表面との間の分離92は、およそ100ミクロンから200ミクロン(たとえば200ミクロン)である。
第1の固定段階(工程1412、図15も参照)の間、ポンプは、工程1414において固定液を標本3に適用する。図8に示される液体チューブ54Aに接続されたポンプ200Aは、メタノールを含む固定液を固定剤容器210からチューブ54Aを通して、ポート44Aの外、プラットホーム60A上、基板2上、およびプラットホーム60Aと基板2との間の分離92中に推し進める。ポンプ200Aは、固定液をポート44Aから115μL/秒の流速で2秒間T1押し出し、それにより合計230μLの固定液V1を基板2上に移動させる。
次に、第1の攪拌工程1416において、制御システム5は、アクチュエータ30Aを基板2の近接した縁を標本処理位置から垂直に35ミクロンの距離上昇するように動かし、そして標本をその標本処理位置に戻すことにより基板を攪拌する。機構1はこの攪拌工程をもう4回繰り返す。機構1は、図23に示すように5回の攪拌動作をおよそ10秒、T2で完了する。攪拌後、制御システムは、真空工程1420を開始する。−0.10psiの真空力が1秒半、T3の間かけられ、分離中、プラットホームの上、または基板上に存在する残りの固定液を、ポート40Aおよび41A、ならびに廃棄物チューブ50Aおよび51Aを経て真空排気する(工程1422)。真空排気された固定液は、廃棄物容器230および/または231に回収される。
その後、第2の攪拌工程を含む第2の固定段階において、第1の固定段階および第1の攪拌段階の上述の工程が繰り返される。
固定段階の後、制御システム5は、第1の染色段階を開始する(工程1424)。その際、制御システム5は、機構1に標本を染色させる(工程1426)。図8および図16のフローチャートを参照すると、液体チューブ52Aに接続されたポンプ201は、エオシンYを含む第1の染色液を染色容器211Aからポート42Aの外、プラットホーム60A上、基板2上およびプラットホーム60Aと基板2との間の分離92中に押し出す。ポンプ201は、第1の染色液をポート42A中に、115μl/秒の流速で2秒間、T4注入し、それにより、230μlの第1の染色液V2が基板上に導かれる。
第1の染色液を標本3に適用した後、機構1は、第2の攪拌工程1428を、アクチュエータ30Aに、基板2の近接した縁を標本処理位置から垂直方向に35ミクロンの距離に上昇させ(工程1430)、その後、標本をその標本処理位置に戻すことにより行う。
制御システム5は、機構1にこの攪拌工程をもう2回繰り返させ、図23に示されるおよそ6秒の期間T5にわたって3回の攪拌が完了する。
つぎに、第2の真空段階が工程1432で開始される。5psiの真空が、工程1434において、3秒間、T6適用され、分離92中またはプラットホームおよび基板上に存在する残りの第1の染色液を、ポート40Aおよび/または41Aおよび廃棄物チューブ50Aおよび51Aを経て真空排気する。真空排気された第1の染色液は、廃棄物容器230Aおよび/または231Aに回収される。
エオシンYを含む第1の染色液で標本を染色した後、機構1は、工程1436において、アズールBおよびメチレンブルーを含む第2の染色液を用いて第2の染色段階を開始する。液体チューブ53Aに接続されたポンプ202は、第2の染色液を染色剤容器からポート43Aを通ってプラットホーム60A上、基板2上、プラットホーム60Aと基板2との間の分離92中に押し出す(工程1438)。機構1は、第2の染色液をポート43Aを通って115μl/秒の速度で2秒間、T7分配し、それにより第2の染色液を合計で230μl、V3基板上に移動させる。
標本3に染色剤を適用した後、機構1は、工程1440において、アクチュエータ30Aを基板2の近接する縁を標本処理位置から35ミクロンの距離に上昇させ(工程1442)、その後標本3をその標本処理位置に戻すことにより第3の攪拌段階を開始する。機構1は、この攪拌工程をもう3回繰り返す。機構は、約8秒間、T8かけて4回の攪拌動作を完了する。
第3の真空工程1444が次に開始される。5psiの真空が、2秒間、T9適用され、攪拌後、分離中またはプラットホーム60Aおよび基板2上に残った第2の染色液を工程1446において、ポート40Aおよび/または41A、および廃棄物チューブ50Aおよび/または51Aを経て真空排気する。真空排気された第2の染色液は、廃棄物容器230Aおよび/または231Aに回収される。
機構1は、その後、2回の一連のリンス−攪拌−真空段階を行う。第1回目の一連の段階は、制御システム5が機構1に第1のリンス段階を開始させるよう指示するとき工程1448で開始される。リンス液を含む容器213Aは、ポンプ203および液体チューブ55Aに接続される。ポンプ203は、リンス液を、ポート45Aに供給する洗浄チューブ55Aを通って、分離92の中に入って、プラットホーム60Aおよび基板2上に移動させ、工程1450において標本3をリンスする。あるいは、いくつかの実施形態において、リンス液は、2つ以上の液体ポート42A〜45Aに通される。ポンプ203は、リンス液を、流速115μl/秒で2秒間、T10、ポート45Aの外へ送り、それにより合計230μl、V4の水が基材上に送られる。
次に、制御システム5は、工程1452において、アクチュエータ30Aを基板2の近接する縁を標本処理位置から垂直に5ミクロンの距離に上昇させ(工程1454)、標本をその標本処理位置に戻すことにより第4の攪拌段階を開始する。制御システム5は、機構1にこの攪拌段階を繰り返させ、およそ4秒間、T11に2回の攪拌を完了する。
その後、真空段階が工程1456において開始される。工程1458において、5秒半、T12かけた5psiの真空は、攪拌後に、分離92中、またはプラットホーム60Aおよび基板2の上に存在する残存リンス液を、ポート40Aおよび/または41A、および廃棄物チューブ50Aおよび/または51Aを経て排気する。
その後、工程1460において、制御システム5は、機構1に、第2のリンス段階を開始することにより、第2回目のリンス−攪拌−真空段階を開始させる。第2のリンス段階(工程1460、1462)、第5の攪拌段階(工程1464、1466)、および第5の真空段階(工程1468、1470)が、1回目のリンス−攪拌−真空段階について上述したのと同様に行われる。2回目のリンス−攪拌−真空段階の間、リンス液の量、V5、および処理時間、T13、T14、およびT15は、通常、1回目のリンス−攪拌−真空段階工程におけるものと同じである。
標本を固定し、エオシンYを含む第1の染色液ならびにアズールBおよびメチレンブルーを含む第2の染色液で染色し、そしてリンスした後、機構1は、工程1472において乾燥段階を開始する。乾燥器4は、およそ120°で流速10L/分の気流を標本全域に8秒間、T16送る(工程1474)。
この工程の完了後、基板2は、工程1476においてその元の位置に戻される。この工程において、アクチュエータ30Aは、図7に示すように基板2を標本処理位置から開放位置に回転させる。基板2は、その後基板移動手段により取り除かれ、そして新しい基板が新しい標本を処理するためにロードされてもよい。
上述および図23に示される典型的な標本処理工程において説明されるように、本明細書に開示されるシステムおよび方法は、自動および手動標本調製技術などの従来の標本処理方法と比較してより少ない試薬の消費により、より効率的な標本処理のために提供される。図23によれば、たとえば、機構1は、標本の固定、染色およびリンスのために典型的な処理工程の間に1.5mL未満の試薬を消費する(たとえば、固定液460μL+第1の染色液230μL+第2の染色液230μL+リンス液460μL=試薬1380μL)。いくつかの実施形態においては、およそ1380μLの液体が標本処理の間に使用され得る。たとえば、標本の処理において使用される液体の量は、およそ1150μL(たとえばリンス段階を1回除外することにより)とすることができる。
上記液体の容量は、通常、基板とプラットホームとの間のおよそ100ミクロンの間隔と関係している。基板とプラットホームとの間の間隔がより大きいと、標本処理の間により多くの容量の液体が通常消費される。たとえば、間隔がおよそ200ミクロンである場合、消費される液体の合計容量は、1380μLよりも多くなければならないであろう。
より一般的には、消費される液体の合計容量は、500μL以上(たとえば、520μL以上、540μL以上、560μL以上、580μL以上、600μL以上、650μL以上、700μL以上、750μL以上)および/または2mL以下(たとえば、1.5mL以下、1.4mL以下、1.3mL以下、1.2mL以下、1.1mL以下、1.0mL以下、900μL以下)である。
再び図23によれば、標本調製プロセスは、1分を少し上回る時間(たとえば、各固定段階の間に13.5秒経過し、固定に合計27秒+第1の染色段階の間に11秒経過+第2の染色段階の間に12秒経過+リンス段階の間に23秒経過+乾燥段階の間に8秒経過=合計経過時間81秒)で完了する。ある実施形態において、標本調製は、大体81秒で完了され得る。たとえば、標本処理は、180秒以下(たとえば、150秒以下、120秒以下、90秒以下、80秒以下、70秒以下、60秒以下、50秒以下、または40秒以下)で完了され得る。
さらに、上述の典型的なプロセスは、単一の標本についての処理時間を説明しているが、複数の基板を処理するためのシステムおよび方法(たとえば、2つの基板を処理するように構成されている図7の機構1、および/または3つ以上の基板を処理するように構成されているシステム)では、1時間に100以上の標本を処理することが可能である(たとえば、1時間に60標本と120標本の間)。本明細書に開示されるシステムおよび方法の実験室での使用は、結果として、標本当たりでより速い処理能力をもたらし、一方、液体(たとえば、固定液、染色液、およびリンス液)の消費量は、従来の自動および手動標本調製技術と比較して減少される。
実施例2
実施例1について上述された処理工程は、以下のように本発明の他の実施形態において調整され得る。加えて、本明細書に記載される固定液処方、染色液処方およびリンス液処方は、以下の実施例の処理工程において使用され得る。
第1の固定段階(工程1412、図22も参照)の間、ポンプは、工程1414において固定液を標本3に塗布する。図8に示される液体チューブ54Aに接続されるポンプ200Aは、メタノールを含む固定液を固定剤容器210からチューブ54Aを通って、ポート44Aの外、プラットホーム60Aの上、基板2の上、そしてプラットホーム60Aと基板2との間の分離92中に押し出す。ポンプ200Aは、ポート44Aから固定液を、115μL/秒の流速で2秒間T1押出し、それにより合計230μLの固定液V1が基板2上に送られる。
つぎに、第1の攪拌工程1416において、制御システム5が、アクチュエータ30A(工程1418)に、基板2の近接の縁を、標本処理位置から垂直に35ミクロン上昇させ、そして、標本をその標本処理位置に戻すことにより基板を攪拌する。機構1は、この攪拌工程をさらに5回繰り返す。機構1は、およそ12秒で6回の攪拌動作を完了する。攪拌後、制御システムは、真空工程1420を開始する。−6psiの真空力を1秒半の間(T3)かけ、分離中、プラットホーム上、または基板上に残存した固定液を、ポート40Aおよび41A、および排気チューブ50Aおよび51Aを経て真空排気する(工程1422)。排気された固定液は、廃棄物容器230および/または231に回収される。
その後、第2の攪拌工程を含む第2の固定段階において、上述した第1の固定段階および第1の攪拌工程が繰り返される。
固定段階に続いて、制御システム5は、第1の染色段階を開始する(工程1424)。その際に、制御システム5は、機構1に標本を染色させる(工程1426)。図8および図16のフローチャートによれば、液体チューブ52Aに接続されるポンプ201は、エオシンYを含む第1の染色液を、染色剤容器211Aからポート42Aの外、プラットホーム60Aの上、標本3を含む基板2の上、およびプラットホーム60Aと基板2との間の分離92中に押し出す。ポンプ201は、第1の染色液を、ポート42Aを通って、115μL/秒の流速で2秒間、T4、分配し、それにより230μLの第1の染色液、V2、が基板上に送られる。
第1の染色液を標本3に適用した後、機構1は、第2の攪拌工程1428を、アクチュエータ30Aに、工程1430において、基板2の近接した縁を標本処理位置から垂直35ミクロンの距離に上昇させ、そして、その後、標本をその標本処理位置に戻すことにより行う。制御システム5は、機構1にこの攪拌工程をさらに2回繰り返させ、図23に示すように、およそ6秒間、T5、かけて3回の攪拌を完了する。
つぎに、第2の真空段階が工程1432において開始される。−5psiの真空を工程1434において3秒間(T6)かけ、分離92中、またはプラットホームおよび基板上に残存した第1の染色液を、ポート40Aおよび/または41A、および廃棄物チューブ50Aおよび51Aを経て真空排気する。排気された第1の染色液は、廃棄物容器230Aおよび/または231Aに回収される。
エオシンYを含む第1の染色液で標本を染色した後、機構1は、第2の染色段階を工程1436において、アズールBおよびメチレンブルーを含む第2の染色液を用いて開始する。液体チューブ53Aに接続されるポンプ202は、第2の染色液を、染色剤容器からポート43Aを通って、プラットホーム60Aの上、基板2の上、およびプラットホーム60Aと基板2との間の分離92中に押し出す(工程1438)。機構1は、第2の染色液を、ポート43Aを通って、115μL/秒の流速で2秒間、T7、分配し、それにより230μLの第2の染色液、V3、が基板上に送られる。
染色剤を標本3に適用した後、機構1は、第3の攪拌段階を、工程1440において、アクチュエータ30Aに、基板2の近接した縁を標本処理位置から垂直に35ミクロン上昇させ(工程1442)、そして、その後、標本3をその標本処理位置に戻すことにより開始する。機構1は、この攪拌工程をさらに2回繰り返す。機構は、およそ6秒間、T8、かけて3回の攪拌動作を完了する。
つぎに第3の真空工程1444が開始される。−6psiの真空を2秒間(T9)かけ、工程1446において、分離中、またはプラットホーム60Aおよび基板2上に残存した第2の染色液を、ポート40Aおよび/または41A、および廃棄物チューブ50Aおよび/または51Aを経て攪拌後真空排気する。排気された第2の染色液は、廃棄物容器230Aおよび/または231Aに回収される。
機構1は、次に、一連のリンス−攪拌−真空段階を2回行う。第1回目は、工程1448で制御システム5が機構1に第1のリンス段階の開始を指示すると開始される。リンス液を含む容器213Aは、ポンプ203および液体チューブ55Aに接続される。ポンプ203は、リンス液を、ポート45Aに供給する洗浄チューブ55Aを通して、分離92中に、およびプラットホーム60Aおよび基板2上に移動させ、工程1450において標本3をリンスする。あるいは、いくつかの実施形態においては、リンス液は、2つ以上の液体ポート42A〜45Aを通って送られる。ポンプ203は、リンス液を、ポート45Aの外へ、115μL/秒の流速で2秒間、T10、移動させ、それにより合計230μL、V4、の水が基板上に送られる。
つぎに、制御システム5は、第4の攪拌段階を、工程1452において、アクチュエータ30Aに、基板2の近接した縁を標本処理位置から垂直に35ミクロン上昇させ(工程1454)、そして、標本をその標本処理位置に戻すことにより開始する。制御システム5は、その後、機構1に、この攪拌工程をさらに3回繰り返させ、およそ8秒、T11、で4回の攪拌を完了する。
つぎに真空段階が工程1456において開始される。5psiの真空を5秒半の間(T12)かけ、工程1458において、分離92中、またはプラットホーム60Aおよび基板2上に残存したリンス液を、ポート40Aおよび/または41A、および廃棄物チューブ50Aおよび/または51Aを経て攪拌後真空排気する。
その後、工程1460において、制御システム5は、機構1に、2回目のリンス−攪拌−真空段階を、第2のリンス段階を開始することにより始めさせる。第2のリンス段階(工程1460、1462)、およそ12秒間に完了される6回の攪拌を含む第5の攪拌段階、および第5の真空段階(工程1468、1470)が、先に1回目のリンス−攪拌−真空段階について開示したのと同じ方法で行われる。2回目のリンス−攪拌−真空段階の間、リンス液の量、V5、および処理時間、T13、T14およびT15は、通常、1回目のリンス−攪拌−真空段階におけるものと同じである。加えて、真空段階の直前に、アクチュエータ30Aは、標本処理位置から15〜35ミクロンの距離に基板2の近接した縁を上昇させる。基板2とプラットホーム60との間のこの増加した分離は、最終的な真空段階の間の分離92に残った液体の真空排気を改善する。
標本が固定され、エオシンYを含む第1の染色液およびアズールBおよびメチレンブルーを含む第2の染色液で染色され、リンスされたのち、機構1は、工程1472において乾燥段階を開始する。乾燥機4は、およそ120°の気流を10L/分の流速(工程1474)で8秒間、T16、標本全域に流す。
これらの工程の完了後、基板2は、その元の位置に工程1476において戻される。この工程において、アクチュエータ30Aは、基板2を標本処理位置から図7に示される開放位置に回転させる。基板2は、その後、基板移動手段により取り除かれ、新しい基板が新しい標本を処理するためにロードされ得る。
上述の例示的な標本処理工程において説明されるように、本明細書に開示されるシステムおよび方法は、自動および手動標本調製技術などの従来の標本処理方法と比較してより少ない試薬の消費により、より効率的な標本処理のために提供される。実施例2によれば、機構1は、標本の固定、染色およびリンスのために典型的な処理工程の間に1.5mL未満の試薬を消費する(たとえば、固定液460μL+第1の染色液230μL+第2の染色液230μL+リンス液460μL=試薬1380μL)。いくつかの実施形態においては、およそ1380μLの液体を標本処理の間に使用することができる。たとえば、標本の処理において使用される液体の量は、およそ1150μL(たとえばリンス段階を1回除外することにより)または1000μL未満(たとえば、さらに固定段階を1回除外することにより)とすることができる。
実施例1に関する図23については、機構1は、標本の固定、染色およびリンスのために典型的な処理工程の間に1mL未満の試薬を消費した(たとえば、メタノール固定化剤140μL+フルオレセイン染料140μL+チアジン染料140μL+リンス液280μL=試薬700μL)。いくつかの実施形態においては、大体700μLの液体が標本処理の間に使用され得る。たとえば、標本の処理において使用される液体の量は、およそ560μL(たとえばリンス段階を1回除外することにより)とすることができる。
通常、消費される液体の合計容量は、500μL以上(たとえば、520μL以上、540μL以上、560μL以上、580μL以上、600μL以上、650μL以上、700μL以上、750μL以上)および/または2mL以下(たとえば、1.5mL以下、1.4mL以下、1.3mL以下、1.2mL以下、1.1mL以下、1.0mL以下、900μL以下)である。
図23および実施例1によれば、標本調製プロセスは、1分を少し上回る時間(たとえば、固定段階の間に13.5秒経過+フルオレセイン染色段階の間に11秒経過+チアジン染色段階の間に12秒経過+リンス段階の間に23秒経過+乾燥段階の間に8秒経過=合計経過時間67.5秒)で完了する。ある実施形態においては、標本調製は、実施例2に示すようにおよそ67.5秒で完了することができる。たとえば、標本処理は、180秒以下(たとえば、150秒以下、120秒以下、90秒以下、80秒以下、70秒以下、60秒以下、50秒以下、または40秒以下)で完了することができる。
さらに、上述の典型的なプロセスは、単一の標本についての処理時間を説明しているが、複数の基板を処理するためのシステムおよび方法(たとえば、2つの基板を処理するように構成されている図7の機構1、および/または3つ以上の基板を処理するように構成されているシステム)では、1時間に100以上の標本を処理することが可能である(たとえば、1時間に60標本と120標本の間)。本明細書に開示されるシステムおよび方法の実験室での使用は、結果として、標本当たりでより速い処理能力をもたらし、一方、液体(たとえば、固定化液、染色液、およびリンス液)の消費量は、従来の自動および手動標本調製技術と比較して減少される。
実施例3
表1における各一連の実験について、血液サンプルは、たとえば、米国特許公開第20090269799号公報に記載されているサンプル調製技術を用いて調製した。つぎに、サンプルを、一般的に実施例1にしたがった固定化、染色、およびリンスにより処理した。流速は、固定液、染色液、およびリンス液の各々について2秒間、115μL/sであった。以下に挙げる実験の各セットについて、基板(たとえば、顕微鏡スライド)は、少なくとも5つの血液サンプルから調製した。つぎに、処理したサンプルを手動で評価し、サンプル染色および調製(たとえば、染色の全体的な均一性、色、細胞特徴の区別(differentiation of cellular features)、バックグラウンドにおけるデブリの有無、など)の質を顕微鏡下で少なくとも10×の倍率で評価した。手動の評価は、サンプル標本の染色およびサンプル調製の質をコントロール標本の染色およびサンプル調製の質に対して比較するために行った。典型的には、「継続制御条件(rolling control condition)」を採用し、最適な染色およびサンプル調製品を提供する先の処方を、新しい適応を様々な処方と比較するためのコントロールとして用いた。したがって(以下に特段の規定がない限り)、表1の任意の行は、典型的にはつぎの行にまとめられた一連の実験のコントロール条件を表す。限られた数のサンプルであるため、また手動の検査の後、仮にあるとすれば、標本に存在する5つのタイプのWBCsを分類するための画像装置の能力に処方がどのように影響を与えるかを調べるためにサンプルは米国特許公開第20090269799号公報に記載されたような画像装置で処理された。これらの結果を表2に報告する。
Figure 0006759398

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表2に挙げるWBC分類結果を、サンプル中のABCsの手動分類に対して、本明細書においてそのすべてを組み込んでいる米国特許公開第20090269799号公報に記載されているような自動機械WBC分類結果と比較する。その百分率は、サンプル中のWBCsの手動検査および分類と比較して自動機械分類の正確度を反映する。3つの実験(2−1、2−2および2−3)それぞれについて、そこで最新の固定液および染色液を用いて調製した最低10個のサンプルを、システム上で処理し、各サンプル中のWBCsの手動検査と比較した。WBCs区別から構成される各手動検査は、サンプル中の少なくとも100WBCsに行われた。
Figure 0006759398
実施例4
数十の市販の血液固定および染色製品を、本明細書に記載するシステムにおいて検査した。そのような製品は、一般的に、本明細書に記載する細胞同定、計数、および分類システムでの使用に適していなかった。たとえば、これらの製品で達成される染色の暗度を本明細書に記載する処方で達成されるものと比較した。概して、調べた製品は、本明細書に記載する処方のようには最適なサンプル調製結果を生み出さなかった(たとえば、サンプルは濃く、または均一なものとして染色されなかった)。市販の製品は、本明細書に記載する処方と比較した場合、たとえば、薄く染色された核および細胞質を生じた。
他の実施形態
本発明は、詳細な説明と併せて説明されているので、上記説明は、例示を意図したものであり、開示の範囲を限定するものではなく、開示の範囲は添付の特許請求の範囲により規定される。その他の態様、利点、および改変は、以下の特許請求の範囲の範囲内である。
特許出願、特許公報および特許などの本明細書に引用されたすべての参考資料は、それらの全体として参照することにより本明細書に組み込まれる。

Claims (14)

  1. アズールB染料;
    ポリソルベート20
    HEPES緩衝剤;
    有機溶媒;および
    エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、およびそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される薬剤
    からなる細胞固定液。
  2. アズールB染料が0.5〜5g/Lの量で存在する請求項1記載の細胞固定液。
  3. ポリソルベート20が0.05〜0.5容量%の量で存在する請求項1記載の細胞固定液。
  4. ポリソルベート20が0.05〜0.3容量%の量で存在する請求項1記載の細胞固定液。
  5. ポリソルベート20が0.5mL/L〜2.0mL/Lの量で存在する請求項記載の細胞固定液。
  6. 溶液の水での1:10希釈物が、6〜8のpHを有し、かつHEPES緩衝剤が0.5mM〜10mMの量で存在する請求項記載の細胞固定液。
  7. 溶液の水での1:10希釈物が、6.7〜7.3のpHを有し、かつHEPES緩衝剤が0.5mM〜10mMの量で存在する請求項記載の細胞固定液。
  8. 薬剤がエチレングリコールである請求項1記載の細胞固定液。
  9. エチレングリコールが0.5〜5容量%の量で存在する請求項記載の細胞固定液。
  10. 固定溶液の水での1:1000希釈物が、640〜650nmのピーク波長で0.1〜1のUV吸光度を有する請求項1記載の細胞固定液。
  11. 有機溶媒がアルコールである請求項1記載の細胞固定液。
  12. アルコールがメタノール、エタノール、またはイソプロパノールである請求項11記載の細胞固定液。
  13. 有機溶媒がアセトンまたはエーテルである請求項1記載の細胞固定液。
  14. 0.5g/L〜5.0g/LのアズールB染料;
    0.5mL/L〜2.0mL/Lのポリソルベート20;
    5mL/L〜50mL/Lのエチレングリコール;
    0.10g/L〜10g/LのHEPESナトリウム塩;および
    アルコール
    を含む細胞固定液。
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