JP6758965B2 - 移動式什器 - Google Patents

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Description

本発明は、移動式什器に関する。
従来、オフィスや病院、公共施設などの執務空間では、例えば、電子機器などが載置され、床面を走行可能な移動式什器が使用されている(例えば、特許文献1参照)。移動式什器は、執務空間において執務者とともに移動可能であるため、執務の効率化および利便性の向上を図ることができる。
特許文献1に開示された移動式什器は、第1天板と、第1天板の上方に間隔をあけて配置される第2天板と、第1天板に対して第2天板を前後方向にスライド可能に支持する支持部材(スライド機構)と、を有している。支持部材は、第1天板の両側縁部から上側に突出し、上端部に第2天板が連結されているとともに、第1天板に対して前後方向にスライド可能に構成されている。
特許第5257916号公報
特許文献1に開示された移動式什器では、支持部材は、外部に露出した状態で第2天板とともに前後方向に移動するため、第2天板をスライドさせている際に天板上に載置した物品や使用者の手指が支持部材と干渉してしまう虞がある。
そこで、本発明は、使用者がスライド機構に干渉することを防止できる移動式什器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る移動式什器は、床面を走行可能なベース部と、該ベース部から上方に延びる支持体と、該支持体に支持された第1天板と、該第1天板の上方に間隔をあけて配置された第2天板と、前記第1天板に対して前記第2天板を前後方向にスライド可能に支持するスライド機構と、を有する移動式什器において、前記第1天板の両側縁部それぞれから上方に突出する一対の側壁部をさらに有し、前記スライド機構は、前記一対の側壁部の内側に配置されれ、前記一対の側壁部には、それぞれ互いに対向する側に開口する凹部が形成され、前記スライド機構は、前記凹部に設けられたレール部材と、前記第2天板と連結されるとともに前記レール部材に沿って前後方向に移動可能な移動部材と、を有することを特徴とする。
本発明では、スライド機構は、一対の側壁部の内側に配置され、一対の側壁部の外側に露出しない構成とすることにより、スライド機構を外側方に露呈しない構成とすることができ、物品や使用者の手指がスライド機構に接触することを防止できる。
また、本発明では、前記一対の側壁部には、それぞれ互いに対向する側に開口する凹部が形成され、前記スライド機構は、前記凹部に設けられたレール部材と、前記第2天板と連結されるとともに前記レール部材に沿って前後方向に移動可能な移動部材と、を有する。
このような構成とすることにより、第1天板の上部に載置された物品や、第1天板と第2天板との間に挿し込まれた使用者の手指がスライド機構と接触しにくい構成とすることができる。
また、本発明に係る移動式什器では、前記スライド機構は、前記第1天板の上面から上方に離間した高さに配置されていることが好ましい。
このような構成とすることにより、スライド機構が第1天板の上部に載置された物品よりも上側に配置されるため、第1天板の上部に載置された物品がスライド機構と接触しにくい構成とすることができる。
また、本発明に係る移動式什器では、前記凹部を覆うカバー部を有することが好ましい。
このような構成とすることにより、カバー部によって第1天板の上部に載置された物品や、第1天板と第2天板との間に挿し込まれた使用者の手指がスライド機構と接触しにくい構成とすることができる。
本発明によれば、使用者がスライド機構に干渉することを防止できる。
(a)は本発明の実施形態による移動式什器の一例を示す側面図、(b)は斜視図である。 図1(b)の第1天板から上部側を示す図である。 図2をA方向から見た図である。 図2をB方向から見た図である。 第2天板が前側に移動した様子を示す図である。 第1側部落下防止部材を示す斜視図である。 第1側部落下防止部材の内部および第1スライド機構を説明する斜視図である。 第2天板が前側に移動した際の第1スライド機構を説明する斜視図である。
以下、本発明の実施形態による移動式什器について、図1乃至図8に基づいて説明する。
図1に示す移動式什器1は、例えば、オフィスや病院、公共施設などの執務空間において、電子機器、書類ファイルや薬品などを載置して移動可能に構成されている。
移動式什器1は、不図示の使用者がハンドル41を把持して押すことで移動するように構成されている。
以下の説明では、移動式什器において使用者と近接し対向する側(ハンドル41が設けられている側、手前側)を前側とし、使用者と離間する側(ハンドル41と離間する側、奥側)を後側とし、前側と後側を結ぶ水平方向を前後方向とする。また、前後方向に直交する水平方向を幅方向とする。
移動式什器1は、床面11を走行可能なベース部2と、ベース部2から上方に延びる支持体3と、支持体3に支持された第1天板4と、第1天板4の上方に間隔をあけて配置された第2天板5と、第1天板4に対して第2天板5を前後方向にスライド可能に支持するスライド機構6と、第1天板4の幅方向の一方側の側縁部4aの上側に配置された第1側部落下防止部材(側部落下防止部材)7Aと、第1天板4の幅方向の他方側の側縁部4bの上側に配置された第2側部落下防止部材(側部落下防止部材)7Bと、第1天板4の後縁部4cの上側に配置された第1後部落下防止部材(後部落下防止部材)8と、第2天板5の前縁部5aから上側に突出する前部落下防止部材9と、第2天板5の後部側の上側に配置された第2後部落下防止部材10と、を有している。
ベース部2は、4本の直線状の脚杆21,21…と、これらの脚杆21,21…の根元が接続される接続部22と、脚杆21,21…それぞれの先端部に取り付けられるキャスタ23,23…と、前側に配置される2つのキャスタ23,23をそれぞれロック可能なロック部24,24と、を備えている。移動式什器1は、キャスタ23,23…が床面11に当接した状態で転動することにより、走行可能に構成されている。また、ロック部24,24によりキャスタ23,23をロックすることによって、移動式什器1の走行が規制されるように構成されている。
支持体3は、外側支柱ユニット31と、内側支柱ユニット32とを有している。外側支柱ユニット31は、筒状に形成され、上下方向に延びる向きでベース部2の接続部22上に立設している。本実施形態では、外側支柱ユニット31に2つのトレイ33,33がそれぞれトレイ支持体34,34を介して取り付けられている。
内側支柱ユニット32は、筒状に形成され、上下方向に延びる向きで外側支柱ユニット31に上下方向に移動可能に挿通されている。内側支柱ユニット32は、上端部に第1天板4が固定されている。内側支柱ユニット32は、外側支柱ユニット31に対して上下方向の所定のピッチの各位置において固定可能に構成されている。外側支柱ユニット31に対する内側支柱ユニット32の高さを調整することで第1天板4の高さを任意の高さに調整することができる。
図1乃至図4に示すように、第1天板4は、上面が不図示の書類やファイルなどの物品が載置可能な物品載置面とされた矩形の板状に形成されている。
第1天板4の前縁部には、前方に突出するハンドル41(図2乃至図4では省略)が設けられている。ハンドル41は、移動式什器1を走行させる際に使用者が把持するために設けられている。
第1天板4の下側には、第1天板4に支持され、不図示のアダプター等の物品を収容可能な第1物品収容部42が設けられている。
第1天板4の後縁部4cには、幅方向の中間部に前側に窪んだ切欠き部43が形成されている。
第1天板4の幅方向の一方側の縁部近傍には、上下方向に貫通し第1側部落下部材7Aを固定するネジ(不図示)が挿通される孔部44が前後方向に間隔をあけて2つ形成されている。第1天板4の幅方向の他方側の縁部には、上下方向に貫通し第2側部落下部材7Bを固定するネジが挿通される孔部44が前後方向に間隔をあけて2つ形成されている。これらの孔部44,44…のうちの前側の孔部は、第1天板4の前後方向の中間部に形成され、後側の孔部は第1天板4の後端部近傍に形成されている。
第2天板5は、上面が不図示の電子機器などの物品が載置可能な物品載置面とされた矩形の板状に形成されている。第2天板5は、第1天板4の上方に第1天板4と間隔をあけて重なるように配置されている。第2天板5は、後述するスライド機構6に支持され、第1天板4に対して前後方向にスライド可能に構成されている。図1乃至図4では、第2天板5が第1天板4に対して後側に配置された様子を示しており、図5では、第2天板5が第1天板4に対して前側に配置された様子を示している。
第2天板5の幅方向の寸法は、第1天板4の幅方向の寸法と略同じ寸法に形成されている。第2天板5の前後方向の寸法は、第1天板4の前後方向の寸法よりも小さく形成されている。第2天板5の前後方向の寸法は、例えば、第1天板4の前後方向の寸法の1/2〜2/3程度に設定されている。
第2天板5の下側には、第1天板4に支持され、不図示のファイルや用箋挟などを収容可能な第2物品収容部51(図4参照)が設けられている。
図2および図3に示すように、前部落下防止部材9は、第2天板5の前縁部5a全体から上側に突出する第1板部91と、第1板部91の上縁部全体から前側に突出する第2板部92と、第2板部92の前縁部全体から下側に向かって漸次前側に向かう斜め方向に突出する第3板部93と、を有している。第2板部92は、第2天板5よりも例えば、15mm程上側に配置され、上面が水平面となる平坦面に形成されている。第3板部93は、幅方向の中間部が幅方向の両側部よりも第2板部92の前縁部から上記の斜め方向に大きく突出している。
第1板部91の前面と第2板部92の下面と第3板部93の後面において下向きに開口する凹部95が形成されこの凹部95が第2天板5をスライドさせる際に使用者が手を掛ける手掛け部94となっている。本実施形態では、第3板部93の幅方向の中間部が両端部よりも下側に突出しているため、第3板部93の幅方向の中間部に手を掛けやすい。
本実施形態では、第2天板5および前部落下防止部材9は、鋼板を加工して一体に形成されている。なお、第2天板5および前部落下防止部材9は、鋼板以外の板金で形成されていたり、樹脂の型抜きなどで形成されていたりしてもよい。
図2乃至図5に示すように、第2後部落下防止部材10は、第2天板5の幅方向の両側縁部それぞれの後部側および第2天板5の後縁部5bの上側に沿って配置された落下防止バー101と、第2天板5の後縁部5bにおける幅方向の中間部に上側に突出するように固定され落下防止バー101を第2天板5の上側に支持する支持体102と、を有している。
落下防止バー101は、平面視形状が前側に開口するC字形状となる棒状に形成され、両端部101a,101aそれぞれの近傍が前側に向かって漸次下側に向かうように傾斜し、両端部101a,101aが第2天板5に直接固定されている。落下防止バー101のうちの両端部101a,101aそれぞれの近傍以外は、第2天板5の上方に第2天板5と間隔をあけて水平に配置され支持体102の上部に固定されている。落下防止バー101は、第2天板5よりも例えば、30mm程上側に配置されている。第2天板5と落下防止バー101との間に隙間が設けられていることにより、この隙間に第2天板5に載置された電子機器の配線を通すことができる。
第1側部落下防止部材7Aと第2側部落下防止部材7Bとは、幅方向に対称となるように形成されている。以下では、第1側部落下防止部材7Aの詳細について説明し、第2側部落下防止部材7Bの詳細については説明を省略する。また、第2側部落下防止部材7Bを構成する部材は、対応する第1側部落下防止部材7Aの部材と同じ符号で説明する。
第1側部落下防止部材7Aは、第1天板4の上面の幅方向の一方側の側縁部4aにおける後部側に立設し、前後方向に延びる壁状に形成されている。第1側部落下防止部材7Aは、前端部が第1天板4の前後方向の中間部に配置され、後端部が第1天板4の後縁部4cよりもやや前側に配置されている。第1側部落下防止部材7Aの前後方向の寸法は、第1天板4および第2天板5の前後方向の寸法より小さく設定されている。
図6乃至図8に示すように、第1側部落下防止部材7Aは、幅方向の他方側に開口する凹部73が形成され略直方体の箱状に形成された本体部71と、本体部71の幅方向の他方側に配置され本体部の凹部73を覆うカバー部72と、を有している。図6および図7では、第2天板5が第1天板4(図1参照)に対して後側に配置された様子を示しており、図8では、第2天板5が第1天板4に対して前側に配置された様子を示している。
本体部71およびカバー部72は、例えば、鋼板などで形成されている。
図7および図8に示すように、本体部71は、第1天板4の上面に固定される下板部711と、下板部711の幅方向の一方側の縁部から立ち上がる側板部712と、側板部712の上縁部から幅方向の他方側に延びる上板部713と、下板部711の前縁部から上板部713の前縁部まで立ち上がり幅方向の一方側の側縁部が側板部712の前縁部と接続される前板部714と、下板部711の後縁部から上板部713の後縁部まで立ち上がり幅方向の一方側の側縁部が側板部712の後縁部と接続される後板部715と、を有している。
下板部711の上側、側板部712の幅方向の他方側、上板部713の下側、前板部714の後側、後板部715の前側に凹部73が形成されている。
下板部711には、上下方向に貫通する孔部711aが前後方向に間隔をあけて2つ形成されている。孔部711aの上側には、それぞれナット75が溶接されている。ナット75の孔部は、下板部711に形成された孔部711aと連通している。
カバー部72は、板面が略長方形状となり板面が幅方向を向く姿勢で配置されるカバー板部721と、カバー板部721の下縁部から幅方向の一方側に突出する下側突出板部722と、カバー板部721の前縁部における上端部近傍から幅方向の一方側に突出しする前側突出板部723と、カバー板部721の後縁部における上端部近傍から幅方向の一方側に突出する後側突出板部724と、を有している。
カバー板部721は、本体部71の凹部73を覆うように本体部71の幅方向の他方側に配置される。カバー板部721の上縁部は、前端部近傍および後端部近傍が前後方向の中間部分よりも上側に突出している。このため、カバー板部721の上縁部のうちの前端部近傍および後端部近傍は、本体部71の上板部713と当接またはわずかな隙間をあけて近接している。また、カバー板部721の上縁部のうちの前後方向の中間部は、本体部71の上板部713よりも下側に配置されている。これにより、カバー板部721の上縁部のうちの前後方向の中間部と、本体部71の上板部713との間には、隙間74(図5参照)が形成されている。
下側突出板部722には、後端部近傍に上下方向に貫通する孔部722aが前後方向に間隔をあけて2つ形成されている。下側突出板部722は、本体部71の下板部711の下側に配置される。
第1側部落下防止部材7Aは、第1天板4の上に立設すると、カバー部72の下側突出板部722が第1天板4の上面と当接する。そして、第1天板4の幅方向一方側の縁部近傍に形成された孔部44、下側突出板部722に形成された孔部722a、本体部71の下板部711に形成された孔部711a、およびこの孔部711aの上側のナット75の孔部が上下方向に重なる。これらの重なった孔部に第1天板4の下側からネジが挿通され、ネジがナット75に螺合することで第1側部落下防止部材7Aが第1天板4に固定され、第1天板4の幅方向の一方側の縁部のうちの後部側に立設する。
このような、第1側部落下防止部材7Aは、第1天板4の幅方向の一方側の縁部のうちの後部側に立設していることにより、第1天板4に載置された物品が第1天板4の後部側から幅方向の一方側に落下することを確実に防止することができる。
図3乃至図5に示すように、第1後部落下防止部材8は、幅方向に延在する棒状に形成され、第1側部落下防止部材7Aおよび第2側部落下防止部材7Bそれぞれの後端部近傍の間に架設されている。第1後部落下防止部材8は、幅方向の一方側の端部が第1側部落下防止部材7Aの後端部近傍に固定され、幅方向の他方側の端部が第2側部落下防止部材7Bの後端部近傍に固定されている。
第1後部落下防止部材8の幅方向の両端部近傍は、第1天板4の上面と当接している。第1後部落下防止部材8の幅方向の中間部は、第1天板4の上面よりも上側に配置され、第1天板4に形成された切欠き部43の上側に配置されている。これにより、第2天板5に載置された電子機器の配線が第2天板5と落下防止バー101との間に隙間を介して第1天板4の上に延ばし、さらに切欠き部43を介して第1天板4の下方に延ばすことができる。第2天板5に載置された電子機器の配線を下方に延ばすことにより、例えば、第1天板4の下側の第1物品収容部42に収容されたアダプターやバッテリなどに接続することができる。
また、第2天板5に載置された電子機器の配線が切欠き部43を通ることで第1天板4の外周に配置されることがないため、第1天板4の外縁部が他の什器や壁などと当接した場合でも、配線が第1天板4と他の什器や壁などの間に挟まれることがなく、配線の損傷を防止することができる。
スライド機構6は、第1側部落下防止部材7Aに支持され第2天板5の幅方向の一方側の側縁部と固定される第1スライド機構6Aと、第2側部落下防止部材7Bに支持され第2天板5の幅方向の他方側の側縁部と固定される第2スライド機構6Bと、を有している。第1スライド機構6Aおよび第2スライド機構6Bは、両方で第2天板5を支持している。
第1スライド機構6Aと第2スライド機構6Bとは、幅方向に対称となるように形成されている。以下では、第1スライド機構6Aの詳細について説明し、第2スライド機構6Bの詳細については説明を省略する。また、第2スライド機構6Bを構成する部材は、対応する第1スライド機構6Aの部材と同じ符号で説明する。
図7および図8に示すように、第1スライド機構6Aは、第1側部落下防止部材7Aの本体部71の凹部73に配置されて凹部73の前後方向の略全体にわたって延在するレール部材61と、レール部材61に沿って移動可能であるとともに第2天板5に固定された移動部材62と、レール部材61に沿って最前端に移動した移動部材62を係止する前側係止部63と、レール部材61に沿って最後端に移動した移動部材62を係止する後側係止部64と、を有している。
レール部材61は、延在方向に直交する断面がL字形状に形成され、板面が水平面となり上面を移動部材62が摺動する摺動板部611と、摺動板部611の幅方向の他方側の縁部全体から下側に突出しカバー部72のカバー板部721に溶接される固定板部612と、を有している。なお、図7では、レール部材61を図示するためカバー板部721と固定板部612とは離間している。
移動部材62は、第1側部落下防止部材7Aの本体部71の凹部73に配置されてレール部材61の摺動板部611に沿って摺動する摺動部65と、第1側部落下防止部材7Aの上側に配置されて第2天板5の下面に固定される第2天板固定部66と、摺動部65と第2天板固定部66とを連結する連結部67と、を有している。
摺動部65は、幅方向の他方側に開口する凹部が形成され略直方体の箱状に形成され、レール部材61の摺動板部611の上面に配置される下板部651と、下板部651の幅方向の一方側の縁部から立ち上がる側板部652と、側板部652の上縁部から幅方向の他方側に延びる上板部653と、下板部651の前縁部から上板部653の前縁部まで立ち上がり幅方向の一方側の側縁部が側板部652の前縁部と接続される前板部654と、下板部651の後縁部から上板部653の後縁部まで立ち上がり幅方向の一方側の側縁部が側板部652の後縁部と接続される後板部655と、を有している。
下板部651は、幅方向の他方側の側縁部から上側に立ち上がる立ち上がり部が形成されている。下板部651の下面には、レール部材61の摺動板部611とのすべりを良くする滑り材が設けられている。
側板部652は、第1側部落下防止部材7Aの本体部の側板部712の幅方向の他方側に沿って配置されている。
上板部653は、幅方向の他方側の縁部が下板部651、前板部654および後板部655の幅方向の他方側の縁部よりも幅方向の他方側に配置され、第1側部落下防止部材7Aの本体部の上板部713とカバー板部721の上縁部との間の隙間74に挿通されている。摺動部65がレール部材に沿って前後方向に移動すると、上板部653は、隙間74に沿って前後方向に移動するように構成されている。
前板部654の前側の面には、後述する前側係止部63に設けられた前側マグネット632に吸着可能な前側吸着板656が設けられている。
後板部655の後側の面には、後述する後側係止部64に設けられた後側マグネット642に吸着可能な後側吸着板657が設けられている。
第2天板固定部66は、板面が略長方形状となる板状に形成され、第2天板5の下面に固定されている。
連結部67は、摺動部65の上板部653の幅方向の他方側の側縁部全体から上方に延びる板状の部材で、上縁部が第2天板固定部66の幅方向の他方側の縁部における後部側に連続している。連結部67は、第2天板固定部66よりも前後方向の寸法が小さく形成されている。
連結部67の上縁部は、第1側部落下防止部材7Aの上板部713の上端面よりも上側に突出している。これにより、連結部67の上縁部に連続する第2天板固定部66は、第1側部落下防止部材7Aの上板部713の上面よりも上方に間隔をあけて配置されている。
第2天板5は、第1スライド機構6Aおよび第2スライド機構6Bそれぞれの第2天板固定部66に固定されることで、第1スライド機構6A、第2スライド機構6B、第1側部落下防止部材7Aおよび第2側部落下防止部材7Bを介して第1天板4に支持されている。
前側係止部63は、第1側部落下防止部材7Aの本体部の内部における前端部近傍に固定されている。前側係止部63は、レール部材61よりも上側に配置され、摺動部65の前板部654と対向する前側対向面631が形成されている。前側対向面631には、摺動部65の前板部654に設けられた前側吸着板656と対向するように前側マグネット632が設けられている。
マグネットには、前側に移動してきた移動部材62の前側吸着板656が吸着するように構成されている。前側吸着板656は、第2天板5が所定の力で後側に押され、第2天と固定されている移動部材62が後側移動すると前側マグネット632から外れるように構成されている。
また、本実施形態では、前側係止部63は、上端部63aが第1側部落下防止部材7Aの上板部713よりも上方に突出している。本実施形態では、第1側部落下防止部材7Aの上板部713における前端部近傍の幅方向の他方側の縁部に切欠き部713aが形成されていて、この切欠き部713aを前側係止部63が貫通している。前側係止部63の上端部63aは、水平面に形成され、前側係止部63の上端部63aに取り付けられた滑り材63bを介して第2天板固定部66と当接している。前側係止部63の上端部63aが第2天板固定部66と当接していることにより、第2天板5が摺動部65と共に前側に移動した際に第2天板5の前部側が下側に垂れることを防止できるとともに、第2天板5をより安定的に支持することができる。
後側係止部64は、第1側部落下防止部材7Aの本体部の内部における後端部近傍に固定されている。後側係止部64は、レール部材61よりも上側に配置され、摺動部65の後板部655と対向する後側対向面641が形成されている。後側対向面641には、摺動部65の後板部655に設けられた後側吸着板657と対向するように後側マグネット642が設けられている。
後側マグネット642には、後側に移動してきた移動部材62の後側吸着板657が吸着するように構成されている。後側吸着板657は、第2天板5が所定の力で後側に押され、第2天板5と固定されている移動部材62が前側移動すると後側マグネット642から外れるように構成されている。
本実施形態では、レール部材61が第1スライド機構6Aのうちの最下部分に設けられていて、レール部材61が第1側部落下防止部材7Aの本体部71の下板部711(第1天板4の上面に固定される部分)よりも上側に離間して配置されている。このため、第1スライド機構6Aは、第1天板4よりも上側に離間して配置されている。これにより、第2天板5が前後に移動した際に、第1天板4に載置された物品がスライド機構6Aに接触する可能性を低減させることができる。特に、スライド機構6Aが第1側部落下防止部材7Aのカバー部72に覆われておらず露出しているような場合でも第1天板4に載置された物品がスライド機構6Aに接触する可能性を低減させることができる。
次に、上述した移動式什器の作用・効果について図面を用いて説明する。
上述した本実施形態による移動式什器1では、第1スライド機構6Aおよび第2スライド機構6Bは、それぞれ第1側部落下防止部材7Aと第2落下防止部材7Bとの内側に配置され、第1側部落下防止部材7Aおよび第2落下防止部材7Bの幅方向の外側に露出しない構成とすることにより、移動式什器1の幅方向の両側から物品や使用者の手指が第1スライド機構6Aおよび第2スライド機構6Bに接触することを防止できる。
また、第1スライド機構6Aおよび第2スライド機構6Bは、第1天板4の上面から上方に離間した高さに配置されていることにより、第1スライド機構6Aおよび第2スライド機構6Bが第1天板4の上部に載置された物品よりも上側に配置されるため、第1天板4の上部に載置された物品が第1スライド機構6Aおよび第2スライド機構6Bと接触しにくい構成とすることができる。
また、第1側部落下防止部材7Aおよび第2落下防止部材7Bには、それぞれ互いに対向する側に開口する凹部73が形成され、第1スライド機構6Aおよび第2スライド機構6Bは、凹部73に設けられたレール部材61と、第2天板5と連結されるとともにレール部材61に沿って前後方向に移動可能な移動部材62と、を有することにより、第1天板4の上部に載置された物品や、第1天板4と第2天板5との間に挿し込まれた使用者の手指が第1スライド機構6Aおよび第2スライド機構6Bと接触しにくい構成とすることができる。
また、第1側部落下防止部材7Aおよび第2落下防止部材7Bのそれぞれの凹部73を覆うカバー部72を有することにより、カバー部72によって第1天板4の上部に載置された物品や、第1天板4と第2天板5との間に挿し込まれた使用者の手指がスライド機構と接触しにくい構成とすることができる。
以上、本発明による移動式什器の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記の実施形態では、一対の側壁部として第1天板4に載置された物品が落下することを確実に防止する第1側部落下防止部材7Aおよび第2落下防止部材7Bが設けられているが、一対の側壁部は第1天板4に載置された物品が落下することを確実に防止することを目的として設けられていなくてもよい。
また、上記の実施形態では、第1スライド機構6Aおよび第2スライド機構6Bは、第1天板4の上面から上方に離間した高さに配置されているが、第1天板4の上面に設けられていてもよい。
また、上記の実施形態では、第1側部落下防止部材7Aおよび第2落下防止部材7Bには、それぞれ互いに対向する側に開口する凹部73が形成され、第1スライド機構6Aおよび第2スライド機構6Bのレール部材61および移動部材62の摺動部65が凹部73の内部に配置されているが、第1側部落下防止部材7Aおよび第2落下防止部材7Bに凹部73が形成されておらず、第1側部落下防止部材7Aおよび第2落下防止部材7Bそれぞれの互いに対向する面に沿って第1スライド機構6Aおよび第2スライド機構6Bが設けられていてもよい。
また、上記の実施形態では、第1側部落下防止部材7Aおよび第2落下防止部材7Bのそれぞれの凹部73を覆うカバー部72が設けられているが、設けられていなくてもよい。
1 移動式什器
2 ベース部
3 支持体
4 第1天板
4 第1天板
4a,4b 側縁部
5 第2天板
6 スライド機構
6A 第1スライド機構
6B 第2スライド機構
7A 第1側部落下防止部材(側壁部)
7B 第2側部落下防止部材(側壁部)
61 レール部材
62 移動部材
71 本体部
72 カバー部
73 凹部

Claims (2)

  1. 床面を走行可能なベース部と、
    該ベース部から上方に延びる支持体と、
    該支持体に支持された第1天板と、
    該第1天板の上方に間隔をあけて配置された第2天板と、
    前記第1天板に対して前記第2天板を前後方向にスライド可能に支持するスライド機構と、を有する移動式什器において、
    前記第1天板の両側縁部それぞれから上方に突出する一対の側壁部をさらに有し、
    前記スライド機構は、前記一対の側壁部の内側に配置され、
    前記一対の側壁部には、それぞれ互いに対向する側に開口する凹部が形成され、
    前記スライド機構は、前記凹部に設けられたレール部材と、前記第2天板と連結されるとともに前記レール部材に沿って前後方向に移動可能な移動部材と、を有することを特徴とする移動式什器。
  2. 前記一対の側壁部には、それぞれ互いに対向する側に開口する凹部が形成され、
    前記スライド機構は、前記凹部に設けられたレール部材と、前記第2天板と連結されるとともに前記レール部材に沿って前後方向に移動可能な移動部材と、を有することを特徴とする請求項に記載の移動式什器。
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