JP6758511B2 - 天井埋込型空気調和機 - Google Patents

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Description

本発明は、天井側に取り付けられた天井埋込型空気調和機に係わり、特に吸込グリルを下側から開閉する化粧パネルに関するものである。
従来、天井埋込型空気調和機において、化粧パネルに吸込グリルを開閉あるいは脱着自在に取り付けるものが知られている。この化粧パネルの意匠性を損ねないために、吸込グリルの端部にスライド部を設け、このスライド部を手動で動かすことにより化粧パネルに係止させることが一般的である。また、開閉あるいは脱着作業を省人化するためにスライド機構にバネ機構を設ける、さらには部品点数を削減するために、係止部材と板ばねを同一構成としているものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2009−299999号公報
一般的な化粧パネルは、樹脂部品で構成されている。そのためスライド・バネ部を同一構成とした部品は樹脂部品が一般的である。樹脂部品では、金型成型時の熱応力、流動性等のばらつきにより、成型された部品自体のばらつき、樹脂部品のばらつきの要因により、化粧パネル組立時に構成部品間でのガタ付が懸念される。また、バネ機能を発揮する際にバネ支点部に加わる応力により耐久性についても懸念される。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、成形ばらつきによる組立て時のガタ付きの軽減や、ガタ付きによる操作性悪化の軽減、またバネ機能を発揮する際の支点を増やして加わる応力の分散により耐及性を向上させることができる天井埋込型空気調和機を得ることを目的とする。
本発明に係る天井埋込型空気調和機は、熱交換器および送風機を収納し、下面に開口が設けられた本体と、本体の開口の周縁部を覆い本体の下方に設置された化粧パネルと、一辺が化粧パネルに取り付け可能な回転軸を有して本体の開口を開放自在に覆う吸込グリルとを備え、吸込グリルには、該吸込グリルに摺動自在に設けられ化粧パネルと係止される係止部材と、係止部材の摺動方向に直交する両側に互いに反対方向に垂直に延伸した板バネ部と、吸込グリルに設けられ、板バネ部の両端面を異なる位置で挟持するバネ支持部とを有し、係止部材の板バネ部は長さが異なる長板バネ部と短板バネ部からなり、長板バネ部側が化粧パネルと先に嵌合するよう配置されるものである。
本発明の天井埋込型空気調和機は、熱交換器および送風機を収納し、下面に開口が設けられた本体と、本体の開口の周縁部を覆い本体の下方に設置された化粧パネルと、一辺が化粧パネルに取り付け可能な回転軸を有して本体の開口を開放自在に覆う吸込グリルとを備え、吸込グリルには、該吸込グリルに摺動自在に設けられ化粧パネルと係止される係止部材と、係止部材の摺動方向に直交する両側に互いに反対方向に垂直に延伸した板バネ部と、吸込グリルに設けられ、板バネ部の両端面を異なる位置で挟持するバネ支持部とを有し、係止部材の板バネ部は長さが異なる長板バネ部と短板バネ部からなり、長板バネ部側が化粧パネルと先に嵌合するよう配置されるので、吸込グリルの化粧パネルへの取り付け用の回転軸に対して垂直方向に係止部材を配置しても、ガタ付きを抑制しスムーズな嵌合を可能として操作性を向上できるという効果を奏する。
本発明の実施の形態1に係る天井埋込型空気調和機の天井面に設置した状態を下方から見て示す斜視図である。 本発明の実施の形態1に係る天井埋込型空気調和機の内部を示す断面図である。 本発明の実施の形態1に係る天井埋込型空気調和機の吸込グリルを開いた状態を示す斜視図である。 本発明の実施の形態1に係る天井埋込型空気調和機の吸込グリルに設けた係止部材の拡大図である。 本発明の実施の形態1に係る天井埋込型空気調和機の吸込グリルに係止部材を配置した状態の平面図である。 本発明の実施の形態1に係る天井埋込型空気調和機の吸込グリルに係止部材が摺動自在に支持された状態の平面図である。 本発明の実施の形態1に係る天井埋込型空気調和機の吸込グリルに係止部材を退行させた状態を示す平面図である。 本発明の実施の形態1に係る天井埋込型空気調和機の吸込グリルを化粧パネルの近くまで持ち上げたときの係止部材と化粧パネルとの位置関係を示す断面図である。 本発明の実施の形態1に係る天井埋込型空気調和機の吸込グリルを化粧パネルへ閉じる寸前の係止部材と化粧パネルとの位置関係を示す断面図である。 本発明の実施の形態1に係る天井埋込型空気調和機の吸込グリルを化粧パネルへ閉じたときの係止部材と化粧パネルとの位置関係を示す断面図である。 本発明の実施の形態1に係る天井埋込型空気調和機の吸込グリルを化粧パネルから開けるときの係止部材を後退させた係止部材と化粧パネルとの位置関係を示す断面図である。 本発明の実施の形態1に係る天井埋込型空気調和機の吸込グリルの係止部材を操作する操作部を示す断面図である。
図1は本発明の実施の形態に係る天井埋込型空気調和機の天井面に設置した状態を下方から見て示す斜視図、図2は図1の本体の内部を模式的に示す断面図、図3は図1の吸込グリルを開いた状態を示す斜視図である。
図1〜図3において、天井埋込型空気調和機の本体10は、熱交換器11及び送風ファン12が収容され、下面に設けられた開口の周縁部を覆う化粧パネル13と、化粧パネル13により形成された本体10の開口を開放自在に覆う吸込グリル14とを備えている。この天井埋込型空気調和機は、化粧パネル13及び吸込グリル14が天井板200から露出し、天井板200の内側に本体10が設置される形態である。天井埋込型空気調和機の本体10は、図示せぬ室外機に冷媒配管を介して接続される。
天井埋込型空気調和機の本体10の熱交換器11は、空調対象となる空気と冷媒との熱交換を行う。この熱交換器11は、圧縮機、四方弁、室外熱交換器、膨張弁、室内熱交換器が順次配管接続された冷媒回路を構成する一部である室内熱交換器であり、暖房運転時においては凝縮器として機能し、冷媒を凝縮して液化させ、冷房運転時においては蒸発器として機能し、冷媒を蒸発させて気化させる。
本体10は、下面が開口された直方体形状の板金によって形成されている。吸込グリル14は、本体10の長手方向に沿って四辺形である長方形状に形成され、短手方向の両端にそれぞれ複数のグリルによって長く形成された吸込口16が設けられている。この吸込グリル14は、樹脂成型により形成されている。化粧パネル13は、本体10に固定されている。吸込口16の一方側の化粧パネル13には、吹出口17が設けられている。この吹出口17には、回動して、空気の吹き出し方向を可変する風向ベーンが取り付けられている。
吸込グリル14の吸込口16の一辺側は、本体10に取り付けられた回転軸20によって回動自在に支持されている。吸込グリル14は、その回転軸20によって、本体10の開口を開いたり閉じたりすることができる。また、吸込グリル14の回転軸20により支持された一辺に直角に延びる両端の辺には、本体10の開口を吸込グリル14で閉じた際に、その吸込グリル14の閉塞状態を保持する一対の係止部材30がそれぞれ取り付けられている。
吸込グリル14を開閉できるようにしているのは、後述するエアーフィルタ18の交換、本体10内の清掃作業を行えるようにするためである。このエアーフィルタ18は、吸込口16の裏面である機内側に取り外し自在に取り付けられ、吸込口16から本体10内に流入する空気に含まれる塵埃を捕集する。
送風ファン12は、吹出口17と連通する風路19内に配置された例えば貫流ファンと、この貫流ファンの軸心方向の片側に設置されたモーター(図示せず)とを備えている。熱交換器11は、送風ファン12と吸込口16との間にそれぞれ配置され、V字状に設置されている。
前記のように構成された天井埋込型空気調和機においては、送風ファン12が駆動すると、室内の空気は、吸込グリル14の吸込口16から吸引され、エアーフィルタ18を通過して本体10の内部に流入する。本体10の内部に流入した空気は、さらに送風ファン12によって熱交換器11側に吸引され、熱交換器11に流れる冷媒と熱交換される。そして、熱交換された空気は、風路19内へ送り込まれ、吹出口17から室内へ吹き出される。
次に、前述した係止部材30の構成について、図4〜図7を用いて説明する。
図4は図3に示す係止部材の拡大斜視図、図5は図4に示す係止部材を吸込グリルに配置した状態の平面図、図6は図5に示す係止部材が吸込グリルに摺動自在に支持された状態の平面図、図7は図6の係止部材を退行させた状態を示す平面図である。
係止部材30には、図4に示すように、樹脂成型により板状に形成された長板バネ部31aと短板バネ部31bとが取り付けられている。この長板バネ部31aと短板バネ部31bは、推進・退行方向に直角に、そして互いに逆向きに延在した形状を成している。係止部材30は、係止部32、案内部33、操作部35、案内部33の間に設けられた一対のスライド部とで形成された長穴により構成されている。
係止部32は、係止部材30の案内部33よりも先端部から下方に突出する突起からなっている。案内部33は、係止部材30の両端上面から上方に突出している。この案内部33は、傾斜面が設けられている。長板バネ部31a及び短板バネ部31bは、係止部材30の摺動方向に直交する両端から互いに反対方向に直角に延びている。操作部35は、係止部材30の後部に下方へ延びて形成されている。スライド部には、ネジ40が載置される。長穴へは、係止部材30の前後方向に長く形成され、このネジ40が挿入される。
係止部材30は、図5に示すように、吸込グリル14の吸込口15側であって、その吸込口15の端部に位置するグリルから吸込口15の内側に延びる支持台に設置される。この支持台には、前述したネジ40がねじ込まれるネジ孔が設けられ、長穴の長手方向に摺動自在に支持する。
また、係止部材30の両側に延在した長板バネ部31a及び短板バネ部31bは、吸込口16を形成する複数本のグリルのうち端部側の2本のグリルに、それぞれ設けられた主リブ15aと補助リブ15bとの間に挟み込まれた状態となり、この2点で保持されている。これにより、長短板バネ部31a、31bの成型時に発生しうる推進方向50、又は退行方向60への変形やバラツキを矯正することができる。主リブ15aと補助リブ15bは、吸込グリル14に一体に成型されたばね支持部であって、長板バネ部31aと短板バネ部31bのそれぞれの両面を異なる位置で狭持している。長板バネ部31aを狭持するための主リブと補助リブの位置と、短板バネ部31bを狭持するための主リブと補助リブの位置の方が、長板バネ部31a用のリブが短板バネ部31b用のリブの位置よりも係止部32から離れた位置となるよう配置されている。
図6に示す係止部材30において、操作部35の手動操作によって、係止部材30を図7に示す実線矢印の方向(退行方向)に移動させた場合、長短板バネ部31a、31bは、それぞれ主リブ15aと補助リブ15bを支点として退行方向60に弾性力に抗して撓む。この状態において、操作部35から手を離した場合、係止部材30は、長短板バネ部31a、31bの弾性力により点線矢印の方向(推進方向50)に付勢され、図6に示す状態に戻る。
図7に示す係止部材30では、退行方向60に移動すると、直角に延伸した形状の長短板バネ部31a、31bは撓んで、主リブ15a、補助リブ15bを支点に推進方向50にバネ反力を発生させることになる。また、主リブ15aと補助リブ15bを支点とすることにより、バネ反力により発生する支点部への反力を分散することができる。
そして、推進方向50に発生するバネ反力は、係止部32と主リブ15a、補助リブ15bまでの距離で調整でき、距離を長く取って離すことにより反力を弱めることができるので、吸込グリル14を化粧パネル13に取り付ける際に、長板バネ部31a側が先に化粧パネル13に嵌合する側となるよう配置する。長板バネ部31a側はバネ力が弱いため、嵌合開始時でも係止部32が反嵌合側に動かず、斜めに傾くことはない。したがって、係止部材30の長板バネ部31aが、吸込グリル14を開閉するための回転軸20側となるように配置することで、係止部材30が化粧パネル13に安定して嵌合固定され、吸込グリル14のスムーズな取り付けを可能とする。
次に、吸込グリル14の開閉時の係止関係の機能について、図8〜図11を用いて説明する。
図8は図3の吸込グリルを化粧パネルの近くまで持ち上げたときの係止部材と化粧パネルとの位置関係を示す断面図、図9は図8の吸込グリルを閉じる寸前の係止部材と化粧パネルとの位置関係を示す断面図、図10は図9の吸込グリルを閉じたときの係止部材と化粧パネルの係止状態を示す断面図、図11は図10の係止部材を退行させたときの係止部材と化粧パネルとの位置関係を示す断面図である。
化粧パネル13の係止部材30と対向する位置の側壁に、本体10の開口側に水平に突出する突起片が設けられている。この突起片は、係止部材30の幅と同じ長さを有し、先端に係止部材30の吸込グリル側の案内部33の傾斜面に平行となる傾斜面を持った化粧パネル側の案内部13aが形成されている。化粧パネル13の意匠面より内側にこの突起片を設けることにより、使用者が開閉操作する吸込グリル14側に突出部位をなくすことができ、安全性を確保することができる。
図8に示すように、吸込グリル14を化粧パネル13の近くまで持ち上げると、係止部材30が化粧パネル側の案内部13aの下方に位置する。吸込グリル14を更に持ち上げていくと、図9に示すように、係止部材30の吸込グリル側の案内部33の傾斜面が化粧パネル側の案内部13aの傾斜面に接触する。そして、これらの傾斜面同士が接触した状態で、係止部材30を持ち上げると、係止部材30は、この傾斜面によって案内される。この時、係止部材30は、スライド部は実線矢印の方向(退行方向60)へ退行する。
この場合、係止部材30の両側に設けられた長短板バネ部31a、31bは、それぞれ主リブ15a及び補助リブ15bを支点として退行方向60に弾性力に抗して撓む。この状態において、吸込グリル14を化粧パネル13内に押し込んだ時に、係止部材30は、図10に示すように、両長短板バネ部の弾性力により点線矢印の方向(進行方向50)へ進行し、係止部材30の吸込グリル側の係止部32が化粧パネル側の固定係止部13bに係止される。この係止部材30の係止により、吸込パネル14は本体10の開口を閉じる。
一方、本体10の開口を閉じている吸込パネル14を開ける場合は、図11に示すように、係止部材30の操作部35を実線矢印の方向へ手動により引くことで、係止部材30の係止部32が化粧パネル13の固定係止部13bから離れ係止状態が解除される。この解除により、吸込パネル14は、支持軸20を支点として本体10の開口を開く。
以上のように本実施の形態によれば、係止部材30の両側に延伸して設けられた長板バネ部31aと短板バネ部31bは、その板バネの長さが異なるとともに、それぞれ主リブ15a及び補助リブ15bにより挟持される部位までの距離が異なるので、弾性力に抗して撓むバネ力が長短の長さで異なることを利用し、吸込グリル14に設けられた係止部材30の幅方向における嵌合ずれを吸収することができ、操作性の向上が得られる効果がある。
また、吸込パネル14に成型された主リブ15aと補助リブ15bを支点にすることにより、板バネ部の機能を発揮する際に加わる荷重を分散することができる。このため、樹脂材料で成型された板バネ部としての耐久性を向上させることができる。さらには、主リブ15aと補助リブ15bとを対面方向に配置することにより、板バネ部の形状ばらつきを矯正した状態で装着ができ、そのガタ付を吸収することができる。
また、図12に示すように、操作部35の下端部を係止部32側へ突出させるようにして操作溝36を形成するようにしても良い。その図12は実施の形態における係止部材の変形例を示す断面図である。このように指掛けとなるように操作溝36を形成することにより、操作部35を退行方向60に動かす際に、指を引っ掛けやすくなり操作性を確保することができる。
10 本体、11 熱交換器、12 送風ファン、13 化粧パネル、13a 化粧パネル側の案内部、13b 化粧パネル側の固定係止部、14 吸込グリル、15a 主リブ、15b 補助リブ、16 吸込口、17 吹出口、18 エアーフィルタ、19 風路、20 回転軸、21 回転軸の辺、30 係止部材、31a 長板バネ部、31b 短板バネ部、32 吸込グリル側の係止部、33 吸込グリル側の案内部、34a 先に嵌合する部分、34b 後に嵌合する部分、35 操作部、36 操作溝、40 ネジ、50 進行方向、60 退行方向、200 天井板。

Claims (5)

  1. 熱交換器および送風機を収納し、下面に開口が設けられた本体と、前記本体の開口の周縁部を覆い前記本体の下方に設置された化粧パネルと、一辺が前記化粧パネルに取り付け可能な回転軸を有して前記本体の開口を開放自在に覆う吸込グリルと、を備え、前記吸込グリルには、前記吸込グリルの裏面に摺動自在に設けられ前記化粧パネルと係止される係止部材と、前記係止部材の摺動方向に直交する両側に、互いに反対方向に垂直に延伸した板バネ部と、前記吸込グリルに設けられ、前記板バネ部の両端面を異なる位置で挟持するバネ支持部とを有し、前記係止部材の板バネ部は長さが異なる長板バネ部と短板バネ部からなり、前記長板バネ部側が前記化粧パネルと先に嵌合するように配置されることを特徴とする天井埋込型空気調和機。
  2. 前記係止部材を中心として、前記係止部材から延伸した前記長板バネ部を挟持する前記バネ支持部までの距離が、前記短板バネ部を挟持する前記バネ支持部までの距離よりも長いことを特徴とする請求項1記載の天井埋込型空気調和機。
  3. 前記吸込グリルに設けられる前記係止部材は、前記吸込グリルが前記回転軸を介して前記化粧パネルに取り付けられる一辺に対して、直角に延びる両端の辺に沿ってそれぞれ配置されることを特徴とする請求項1または2記載の天井埋込型空気調和機。
  4. 前記板バネ部は、前記係止部材が前記化粧パネルより退行方向に摺動した時に、異なる位置で挟持する前記バネ支持部を支点として、前記係止部材を前記化粧パネルとの嵌合方向に付勢することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の天井埋込型空気調和機。
  5. 前記熱交換器はV字状であり、貫流ファンの送風機と前記吸込グリルとの間に配置され、
    前記吸込グリルの長方形状における長手方向が前記貫流ファンの軸心方向であり、もう一方の短手方向の両側に前記係止部材が配置されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の天井埋込型空気調和機。
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