JP6758490B2 - 同期電動機制御装置及び熱交換器ユニット - Google Patents

同期電動機制御装置及び熱交換器ユニット Download PDF

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Description

本発明は、単一のインバータ装置を用いて1台以上の同期電動機の回転を制御する同期電動機制御装置及び熱交換器ユニットに関する。
DC(Direct Current)ブラシレスモータの起動時における同期引き込み方法について、従来技術の一例を説明する。2台のモータのステータコイルに直流電圧が印加されると、2台のモータのステータコイルに同じ直流電流が流れてステータの各磁極が同一極性に励磁される。すると、永久磁石を備えた各モータのロータが同じ位相角度の位置に引き寄せられる。このとき、各モータのロータは位相角度が一致しているので、印加電圧の増加に伴って2台のモータは同期して加速する(例えば、特許文献1参照)。
上述の同期引き込み方法では、インバータの出力電流が二分されるため、大きな起動トルクを得ることができないという問題がある。この問題に対して、特許文献1では、2台のモータの起動のタイミングをずらすことを提案している。
特開2004−350385号公報
特許文献1に開示された方法では、モータの起動時にロータの永久磁石の磁束ベクトルとステータコイルに生じる磁界の磁束ベクトルとのなす角度が180°近傍であると、同期引き込みに必要な回転トルクが発生せず、引き込み動作が困難な場合がある。この場合、起動に失敗してしまうおそれがある。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、同期電動機の同期引き込みをより確実に行うことができる同期電動機制御装置及び熱交換器ユニットを提供するものである。
本発明に係る同期電動機制御装置は、並列に接続された複数の同期電動機の運転を制御する同期電動機制御装置であって、速度指令値に対応した電圧指令値を出力する制御部と、前記電圧指令値にしたがって直流電圧を前記複数の同期電動機に供給するインバータと、前記インバータから前記複数の同期電動機へ供給される電流を検知する電流センサと、を有し、前記制御部は、前記複数の同期電動機を起動する起動制御モードと、起動後の前記複数の同期電動機の回転を一定の速度まで加速する通常制御モードとを有し、前記起動制御モード時に、電圧ベクトルの方向がそれぞれ異なる前記電圧指令値を複数回前記インバータに出力し、前記起動制御モード時に第1電圧指令値を前記インバータに出力した後、前記電流センサが検知した電流から算出される相電流が予め決められた閾値以下になると、前記第1電圧指令値とは異なる第2電圧指令値を前記インバータに出力するものである。
本発明は、電圧ベクトルの方向が異なる電圧指令値を複数回設定する。これにより、同期電動機に1回目に印加される直流電圧の電圧ベクトルと回転子の磁石磁束ベクトルとのなす角度が同期引き込みに必要な回転トルクを発生しない角度であっても、他のいずれかの直流電圧の印加時に同期引き込みを行うことができる。そのため、同期引き込みの確実性を増加させることができる。
本発明の実施の形態1における同期電動機制御装置の一構成例を示す制御ブロック図である。 図1に示したインバータの一構成例を示すブロック図である。 図1に示した制御部が行う同期引き込み制御の原理を説明するための一例を示す図である。 図1に示した制御部が行う同期引き込み制御の原理を説明するための一例を示す図である。 図1に示した制御部が行う同期引き込み処理の手順を示すフローチャートである。 図1に示した制御部が図5のフローチャートにしたがって動作したときのタイムチャートである。 本発明の実施の形態2における同期電動機制御装置の一構成例を示す制御ブロック図である。 図7に示した制御部が行う起動制御処理の手順を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態2における同期電動機制御装置の変形例を示す制御ブロック図である。 本発明の実施の形態3における熱交換器ユニットの一構成例を示す斜視図である。 本発明の実施の形態3における制御部が行う起動制御処理の手順を示すフローチャートである。
実施の形態1.
本実施の形態1について、図1から図6を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態1における同期電動機制御装置の一構成例を示す制御ブロック図である。図1に示すように、同期電動機制御装置20は、制御部6と、座標変換部5と、直流電源4と、直流電圧を3相電圧に変換するインバータ3とを有する。インバータ3には、同期電動機制御装置20の制御対象となる第1同期電動機1及び第2同期電動機2が並列接続されている。
第1同期電動機1は3相電力線17を介してインバータ3と接続されている。第2同期電動機2は、3相電力線17の途中から分岐した3相電力線18を介してインバータ3と接続されている。第1同期電動機1及び第2同期電動機2のそれぞれは、永久磁石が設けられた回転子(不図示)と、印加される3相電圧にしたがって回転子の周囲に回転磁界を発生させる固定子(不図示)とを有する。直流電源4は、例えば、図示しない整流回路を備えているが、外部の3相電源から供給される交流電圧を直流電圧に変換して出力する回路であればよい。
制御部6は、図示しない上位の制御装置から入力される速度指令値ωに基づいて2軸の電圧指令値Vd及びVqを設定し、電圧指令値Vd及びVqを座標変換部5に出力する。また、制御部6は、速度指令値ωを積分処理して位相指令値θを算出し、位相指令値θを座標変換部5に出力する。制御部6は、例えば、マイクロコンピュータである。
制御部6は、動作モードとして、同期引き込みを行って第1同期電動機1及び第2同期電動機2を起動する起動制御モードと、起動後の第1同期電動機1及び第2同期電動機2の回転を一定の速度まで加速した後、速度を維持する通常制御モードとを有する。同期引き込みとは、同期電動機の永久磁石と回転磁界との間に生じる磁気吸引力が同期電動機に回転トルクを生じさせ、回転磁界の回転に同期電動機の回転を同期させることである。いずれの動作モードにおいても、第1同期電動機1及び第2同期電動機2には、位相指令値θに対応する同位相の電力が供給される。
座標変換部5は、制御部6から受け取る電圧指令値Vd及びVqと位相指令値θとに基づいて、電圧指令値Vd及びVqを3相電圧指令値Vuvwに変換してインバータ3に出力する。
以下では、動作モードを区別しない場合、2軸の電圧指令値をVd及びVq、3相電圧指令値をVuvw、速度指令値をω、位相指令値をθとそれぞれ表す。起動制御モードでは、Vd=Vd_ref、Vq=Vq_ref、Vuvw=Vuvw_ref、ω=ω_ref、θ=θ_refとする。通常制御モードでは、Vd=Vd*、Vq=Vq*、Vuvw=Vuvw*、ω=ω*、θ=θ*とする。
図2は、図1に示したインバータの一構成例を示すブロック図である。インバータ3は、6個のスイッチング素子32と、各スイッチング素子32に並列に設けられた逆流防止素子33とを有する。図2に示すように、2個のスイッチング素子32が3組設けられ、これら3つの組はU相、V相及びW相に対応する。インバータ3は、座標変換部5から受け取る3相電圧指令値Vuvwに対応して直流電源4の直流電圧をPWM(Pulse Width Modulation)制御し、直流電圧を3相電圧に変換して第1同期電動機1及び第2同期電動機2に供給する。
ここで、スイッチング素子32及び逆流防止素子33の構成例を説明する。スイッチング素子32及び逆流防止素子33には、一般的には珪素(Si)を材料とする半導体を用いるのが主流である。スイッチング素子32及び逆流防止素子33の基板材料として、珪素の代わりに、炭化珪素(SiC)、窒化ガリウム(GaN)及びダイヤモンドに代表される半導体を材料とするワイドバンドギャップ半導体を用いてもよい。
ワイドバンドギャップ半導体を用いたスイッチング素子32及び逆流防止素子33は、耐電圧性、許容電流がともに高く、これらの素子を小型化できる。小型化されたスイッチング素子32及び逆流防止素子33を用いることにより、これらの素子を組み込んだ半導体モジュールを小型化することができる。また、ワイドバンドギャップ半導体を用いたスイッチング素子32及び逆流防止素子33は耐熱性も高く、インバータ3の放熱に必要な冷却機構(例えば、放熱フィン、水冷機構など)を小型化できる。さらに、冷却方式を簡素化(例えば、水冷方式から構造が簡素な空冷方式への変更)することもできる。そのため、スイッチング素子32及び逆流防止素子33を組み込んだ半導体モジュールの一層の小型化を実現できる。
また、ワイドバンドギャップ半導体を用いたスイッチング素子32及び逆流防止素子33は、電力損失が低く、電力変換効率が向上するため、高い変換効率で第1同期電動機1又は第2同期電動機2を駆動させることができる。スイッチング素子32及び逆流防止素子33の両方がワイドバンドギャップ半導体を用いて形成されていることが望ましいが、いずれか一方の素子がワイドバンドギャップ半導体を用いて形成されていてもよい。
次に、第1同期電動機1及び第2同期電動機2に対して、起動制御モード時に制御部6が行う同期引き込み制御の原理を説明する。図3及び図4は、図1に示した制御部が行う同期引き込み制御の原理を説明するための一例を示す図である。図3及び図4では、固定の電機子の座標軸をα軸、β軸と定義し、回転子の座標軸をd軸、q軸と定義したときの磁束と電圧のベクトルを示す。
はじめに、図3と図4を対比しながら、同期引き込み制御の原理を説明する。図3と図4に示す磁石磁束ベクトルΦ1と磁石磁束ベクトルΦ2は、それぞれ第1同期電動機1と第2同期電動機2の永久磁石の磁束の向きを表している。これら磁石磁束ベクトルΦ1及びΦ2の方向は、第1同期電動機1及び第2同期電動機2が停止する度に毎回異なる。つまり、これら磁石磁束ベクトルΦ1及びΦ2の方向は起動毎に常に同じ向きになるとは限らない。
図3では、磁石磁束ベクトルΦ1及び磁石磁束ベクトルΦ2がd軸上に設定された第1電圧指令値V1に対して180°の位相差がある場合を示している。一方、図4は、磁石磁束ベクトルΦ1がd軸上に設定された第1電圧指令値V1に対して180°の位相差があるが、磁石磁束ベクトルΦ2はd軸上に設定された第1電圧指令値V1に対してX°(X<180°)の位相差がある場合を示している。なお、図3及び図4に示す第1電圧指令値V1及び第2電圧指令値V2は式(1)に基づいて算出される。
Figure 0006758490
式(1)において、Vd_ref(n)はd軸の電圧指令値であり、Vq_ref(n)はq軸の電圧指令値であり、V(n)は電圧指令値を表している。nは1以上の整数である。なお、図3及び図4では、第1同期電動機1及び第2同期電動機2に印加される直流電圧の電圧ベクトルを、説明の便宜上、電圧指令値V(n)として表示している。実際には、電圧指令値V(n)に対応する3相電圧をインバータ3が第1同期電動機1及び第2同期電動機2に印加する。
図3において、制御部6は、起動制御モードで第1電圧指令値V1を設定する。このときに設定された第1電圧指令値V1のベクトル方向をd軸と定義する。インバータ3が第1電圧指令値V1に対応する3相電圧を第1同期電動機1及び第2同期電動機2に印加する。このときの電圧印加が後述の第一の直流電圧指令値印加処理に相当する。インバータ3から印加される電圧に対応して各同期電動機の固定子に発生する磁界の向きは第1電圧指令値V1のベクトル方向と一致する。図3の場合、第1電圧指令値V1と磁石磁束ベクトルΦ1及びΦ2とのなす角度が180°なので、同期引き込みに必要な回転トルクが回転子に発生せず、磁石磁束ベクトルΦ1及びΦ2は同じ位置に固定された状態を保つ。その結果、同期引き込みに失敗する。
続いて、制御部6は、第2電圧指令値V2を設定する。第2電圧指令値V2の電圧ベクトルは第1電圧指令値V1の電圧ベクトルとは方向が異なる。このときに設定された第2電圧指令値V2のベクトル方向を再度d軸と定義する。インバータ3が第2電圧指令値V2に対応する3相電圧を第1同期電動機1及び第2同期電動機2に印加する。このときの電圧印加が後述の第二の直流電圧指令値印加処理に相当する。図4の場合、第1電圧指令値V1と異なるベクトル方向に第2電圧指令値V2が設定されるため、第2電圧指令値V2のベクトルと磁石磁束ベクトルΦ1及びΦ2とのなす角度は180°未満となる。
例えば、第2電圧指令値V2による電圧ベクトル方向と磁石磁束ベクトルΦ1及びΦ2との位相差を90°とする。インバータ3から印加される電圧に対応して第1同期電動機1及び第2同期電動機2のそれぞれの固定子に発生する磁界の向きは、第2電圧指令値V2のベクトル方向と一致する。このとき、同期引き込みに必要な回転トルクが発生する。再定義したd軸、つまり、第2電圧指令値V2に対応して印加された電圧のベクトル方向に磁石磁束ベクトルΦ1及びΦ2が一致するように、第1同期電動機1及び第2同期電動機2の回転子が回転する。以上で、同期引き込みが完了する。
次に、図4の場合について詳しく説明する。制御部6は、起動制御モードで第1電圧指令値V1を設定する。このときに設定された第1電圧指令値V1のベクトル方向をd軸と定義する。第一の直流電圧指令値印加処理として、インバータ3が第1電圧指令値V1に対応する3相電圧を第1同期電動機1及び第2同期電動機2に印加する。図4の場合、第1電圧指令値V1と磁石磁束ベクトルΦ1とのなす角度が180°なので、同期引き込みに必要な回転トルクが発生せず、磁石磁束ベクトルΦ1は同じ位置に固定された状態を保つ。一方、磁石磁束ベクトルΦ2は同期引き込みに必要な回転トルクが発生して、第一の電圧指令値印加処理で印加された電圧ベクトル方向に磁石磁束ベクトルΦ2が一致するように、第2同期電動機2の回転子が回転する。
続いて、制御部6は、第2電圧指令値V2を設定する。このときに設定された第2電圧指令値V2のベクトル方向を再度d軸と定義する。第二の直流電圧指令値印加処理として、インバータ3が第2電圧指令値V2に対応する3相電圧を第1同期電動機1及び第2同期電動機2に印加する。第1電圧指令値V1と異なるベクトル方向に第2電圧指令値V2が設定されるため、第2電圧指令値V2のベクトルと磁石磁束ベクトルΦ1及びΦ2とのなす角度が180°未満となる。図4の場合、第2電圧指令値V2の電圧ベクトル方向に対して、磁石磁束ベクトルΦ1の位相差は反時計周りに90°であり、磁石磁束ベクトルΦ2の位相差は時計回りに90°である。このとき、同期引き込みに必要な回転トルクが第1同期電動機1及び第2同期電動機2の両方に発生する。再定義したd軸のベクトル方向、つまり、第二直流電圧指令値印加処理で設定された電圧のベクトル方向に磁石磁束ベクトルΦ1及びΦ2が一致するように、第1同期電動機1及び第2同期電動機2の回転子が回転する。以上で、同期引き込みが完了する。
次に、第1同期電動機1及び第2同期電動機2に対して、制御部6が行う同期引き込み制御の手順を説明する。図5は、図1に示した制御部が行う同期引き込み処理の手順を示すフローチャートである。制御部6は、第1同期電動機1及び第2同期電動機2の起動時に、同期引き込み処理(ステップS61)による同期引き込み制御を行う。同期引き込み処理(ステップS61)では、第一の直流電圧指令値印加処理(ステップS611)と第二の直流電圧指令値印加処理(ステップS612)とを行う。つまり、ステップS61において、電圧ベクトルの方向がそれぞれ異なる電圧指令値を複数回設定し、それぞれの電圧指令値に対応する直流電圧を第1同期電動機1及び第2同期電動機2に対して印加する処理を行う。
第一の直流電圧指令値印加処理(ステップS611)において、制御部6が、2軸の電圧指令値Vd_ref及びVq_refと位相指令値θ_refとを調整することで、インバータ3が第1同期電動機1及び第2同期電動機2に直流電圧を印加する。例えば、制御部6は、d軸の電圧指令値Vd_refとして、第1同期電動機1又は第2同期電動機2が減磁する電流以下の値に第1同期電動機1又は第2同期電動機2の相抵抗を乗じた値を設定する。制御部6は、q軸の電圧指令値Vq_refに0[V]を設定する。制御部6は、位相指令値θ_refに0°を設定する。
座標変換部5は、制御部6が設定した電圧指令値Vd_ref及びVq_refと位相指令値θ_refとに応じた3相電圧指令値Vuvw_refをインバータ3に出力する。インバータ3は、座標変換部5から受け取る3相電圧指令値Vuvw_refに対応して第1同期電動機1及び第2同期電動機2の固定子に直流電圧を印加する。直流電圧が印加された固定子は、回転子の周囲に磁界を発生させる。このときの磁界の磁束の向きは、ステップS611で設定された電圧指令値Vd_ref及びVq_refと位相指令値θ_refとで決まる。
続いて、図5に示す第二の直流電圧指令値印加処理(ステップS612)において、制御部6は、2軸の電圧指令値Vd_refとVq_refにステップS611で印加した値と異なる値を設定し、又は、位相指令値θ_refを異なる値に設定する。つまり、ステップS612では、直流電圧は、ステップS611の直流電圧とは電圧ベクトルの向きが異なるように出力される。例えば、制御部6は、ステップS612において、2軸の電圧指令値Vd_ref及びVq_refにステップS611で設定した値と同じ値を設定し、位相指令値θ_refに90°を設定する。この設定により、第1同期電動機1及び第2同期電動機2に印加される電圧ベクトルの向きを変えることができる。第1同期電動機1及び第2同期電動機2の回転子の周囲に発生する磁界の磁束の向きは、ステップS612で設定された電圧指令値Vd_ref及びVq_refと位相指令値θ_refとで決まる。
図6は、図1に示した制御部が図5のフローチャートにしたがって動作したときのタイムチャートである。図6の上段及び下段のタイムチャートの横軸はいずれも時間[sec]である。上段のタイムチャートの縦軸は運転指令の有無を示す。ここでは、速度指令が入力された場合を運転指令有りとし、速度指令が入力されない場合を運転指令無しとする。上段のタイムチャートにおいて、0(運転指令無し)は第1同期電動機1及び第2同期電動機2が停止状態であることを表し、1(運転指令有り)は第1同期電動機1及び第2同期電動機2が駆動状態であることを表している。速度指令が入力される場合、制御部6は、速度指令値ω_refが増加したら起動制御モードに入り、同期引き込みが完了したら通常制御モードに入る。また、下段のタイムチャートの縦軸は、インバータ3の出力電圧であり、第1同期電動機1及び第2同期電動機2に印加される電圧値[V]を表している。
図6を参照して、時刻T1から時刻T6までの期間を複数に分け、各期間における制御部6の動作を説明する。制御部6は、時刻T1から時刻T5までは第1同期電動機1及び第2同期電動機2に対して起動制御モードで動作し、時刻T5以降になると、起動制御モードから通常制御モードに移行する。制御部6が起動制御モードから通常制御モードに移行すると、第1同期電動機1及び第2同期電動機2が加速する。以下に、各期間におけるインバータ出力電圧の状態を詳細に説明する。
図6に示すように、時刻T1から時刻T2の期間は、上述したように起動制御モードが実行され、図5を参照して説明した第一の直流電圧指令値印加処理(ステップS611)に基づいて、インバータ出力電圧が第1同期電動機1及び第2同期電動機2に印加される。制御部6は、時刻T1から時刻T2の期間を、電圧指令値に応じて決定する。制御部6は、電圧指令値を低く設定すれば、時刻T1から時刻T2までの期間を長くし、電圧指令値を高く設定すれば、時刻T1から時刻T2までの期間を短くする。
続いて、時刻T2から時刻T3の期間においては、2軸の電圧指令値Vd_refとVq_refはともに0[V]が設定される。そのため、インバータ出力電圧は0[V]となる。第一の直流電圧指令値印加処理(ステップS611)による電流が、時刻T2から時刻T3の期間として3相電力線17において脈動しなくなる時間を予め設定すればよい。具体的には、第一の直流電圧指令値印加処理(ステップS611)で設定した第1電圧指令値V1と磁石磁束ベクトルΦ1と、それらのなす角に応じて3相電力線17の電流脈動幅を予め推定することができる。そのため、制御部6は、このなす角を180°としたときの電流脈動幅の推定値にもとづいて時刻T2から時刻T3の期間を設定する。
時刻T3から時刻T4の期間においては、図5を参照して説明した第二の直流電圧指令値印加処理(ステップS612)に基づいて、インバータ出力電圧が第1同期電動機1及び第2同期電動機2に印加される。図6に示すインバータ出力電圧のうち、破線で囲まれた部分が直流電圧であることを示している。時刻がT1からT2の期間では、固定子が発生する磁界の磁束の方向は一定である。また、時刻がT3からT4の期間でも、固定子が発生する磁界の磁束の方向は一定であるが、時刻T1から時刻T2の期間の場合の磁界の磁束の方向とは異なる方向である。
続いて、時刻がT4からT5の期間は、2軸の電圧指令値Vd_refとVq_refはともに0[V]が設定される。このタイミングで同期引き込みが完了する。そのため、インバータ出力電圧は0[V]となる。その後、制御部6は、時刻がT5以降の期間は上述したように運転指令が通常制御モードに設定し、速度指令ω*に基づいて電圧指令値Vd*及びVq*と位相指令値θ*とを設定して座標変換部5に出力する。座標変換部5は、電圧指令値Vd*及びVq*を3相電圧指令値Vuvw*に変換してインバータ3に出力する。インバータ出力電圧の増加とともに第1同期電動機1及び第2同期電動機2の回転が加速していき、時刻T6で回転は一定の速度となる。通常制御モードでは、図6に示すインバータ出力電圧は3相の交流電圧である。
なお、図6に示すタイムチャートでは、時刻がT4からT5にインバータ3の出力電圧が0[V]になる期間が設けられているが、起動制御モードの時間を短縮したい場合、時刻T4の直後に動作モードを起動制御モードから通常制御モードに切り替えて、第1同期電動機1及び第2同期電動機2の回転の加速を開始してもよい。
本実施の形態1では、2台の同期電動機を用いて同期引き込み制御を実施しているが、1台が同期電動機でその他の電動機が同期電動機以外の電動機、例えば、誘導電動機であってもよい。この場合でも、1台の同期電動機に電圧指令値を上記のように複数回設定することで、同期引き込みの確実性を増加させることができる。
また、図3及び図4では、q軸の電圧指令値Vq_ref=0[V]であり、電圧指令値V(n)のベクトルの大きさ及び向きはd軸の電圧指令値Vd_ref(n)の場合で説明したが、この場合に限定されない。電圧指令値V(n)の電圧ベクトルの向きは、2軸の電圧指令値Vd_ref及びVq_refの合成ベクトルで決まる。
本実施の形態1の同期電動機制御装置20は、速度指令値に対応した電圧指令値を出力する制御部6と、電圧指令値にしたがって直流電圧を第1同期電動機1に供給するインバータ3と、を有し、制御部6は、第1同期電動機1の起動制御モード時に、電圧ベクトルの方向がそれぞれ異なる電圧指令値を複数回インバータ3に出力するものである。
電圧ベクトルの方向が異なる電圧指令値を複数回設定することで、第1同期電動機1に1回目に印加される直流電圧の電圧ベクトルと回転子の磁石磁束ベクトルとのなす角度が同期引き込みに必要な回転トルクを発生しない角度であっても、他のいずれかの直流電圧の印加時に同期引き込みを行うことができ、同期引き込みの確実性を増加させることができる。
また、本実施の形態1では、制御部6は、起動制御モード時に第1電圧指令値V1をインバータ3に出力した後、第1電圧指令値V1の電圧ベクトルに対して180°未満の位相差を設けた第2電圧指令値V2をインバータ3に出力する。第1同期電動機1に1回目に印加される直流電圧の電圧ベクトルと回転子の磁石磁束ベクトルとのなす角度が180°近傍で同期引き込みに必要な回転トルクが発生しなくても、第2電圧指令値による直流電圧の印加時に同期引き込みを行うことができ、同期引き込みの確実性を増加させることができる。
また、本実施の形態1において、制御部6は、第2電圧指令値V2の電圧ベクトルに第1電圧指令値V1の電圧ベクトルに対して90°の位相差を設けてもよい。制御対象が第1同期電動機1である場合、第1電圧指令値V1に基づく直流電圧の電圧ベクトルと回転子の磁石磁束ベクトルとのなす角度が180°近傍(180°を中心に一定の範囲)であると、第2電圧指令値V2に基づく電圧印加によって最大の回転トルクが第1同期電動機1に発生する。制御対象が第1同期電動機1と第2同期電動機2である場合、起動制御モードの開始時に第1同期電動機1と第2同期電動機2との永久磁石の極性が逆の場合でも、同期引き込みの確実性が増す効果を奏する。
さらに、本実施の形態1のように、インバータ3に複数の同期電動機が並列接続されていてもよい。この場合、起動制御モード時に複数の同期電動機が同位相状態でなくても、複数の電圧設定のうち、いずれかの電圧設定で複数の同期電動機のそれぞれに同期引き込みが生じる効果が得られる。
実施の形態2.
本実施の形態2について、図7及び図8を参照して説明する。図7は、本発明の実施の形態2における同期電動機制御装置の一構成例を示す制御ブロック図である。本実施の形態2においては、実施の形態1と同様な構成についての詳細な説明を省略する。
図7に示すように、同期電動機制御装置20aは、図1を参照して説明した同期電動機制御装置20と比較すると、第1電流センサ7、第2電流センサ8及びリレー9が追加された構成である。第1電流センサ7は3相電力線17に設置されている。第2電流センサ8は3相電力線18に設置されている。リレー9は3相電力線18に設置されている。
第1電流センサ7は、第1同期電動機1に入力される3相電流Iuvw1を検知して制御部6に伝送する。また、第2電流センサ8は、第2同期電動機2に入力される3相電流Iuvw2を検知して制御部6に伝送する。
制御部6は、起動制御モードで第1電圧指令値V1を座標変換部5を介してインバータ3に出力した後、第1電流センサ7が検知する3相電流Iuvw1を用いて第1同期電動機1の相電流を算出し、相電流が予め設定された閾値以下であるか否かを判定する。相電流が閾値以下になると、制御部6は、第1電圧指令値V1に対して電圧ベクトルの位相差が180°未満(例えば、90°)になる第2電圧指令値V2を設定する。また、制御部6は、第1電圧指令値V1をインバータ3に出力した後、相電流が閾値以下になると、リレー9をオン状態に設定する旨の切替指示信号SWをリレー9に送信する。
リレー9は、制御部6から切替指示信号SWを受け取ると、切替指示信号SWにしたがって、インバータ3と第1同期電動機1とを接続する3相電力線17に第2同期電動機2を接続し、あるいは、3相電力線17から第2同期電動機2を切り離す。切替指示信号SWは、例えば、リレー9に対して、オフ状態からオン状態へ切り替え、又はオン状態からオフ状態への切り替えを指示するものである。
リレー9がオフ状態であるとき第2同期電動機2がインバータ3と電気的に切り離された状態になる。例えば、第1同期電動機1及び第2同期電動機2のそれぞれに負荷となるファン(不図示)が接続されている場合を考える。この場合、外風等の外乱トルクによって第2同期電動機2が回転しても、リレー9がオフ状態なら、第2同期電動機2が第1同期電動機1と接続されていないので、第2同期電動機2の回転で発生する回生電流の第1同期電動機1に対する影響を遮断できる。
次に、第1同期電動機1及び第2同期電動機2に対して、制御部6が行う起動制御について説明する。図8は、図7に示した制御部が行う起動制御処理の手順を示すフローチャートである。図8に示す手順では、実施の形態1で説明した図5のフローチャートと比較すると、第一の直流電圧指令値印加処理(ステップS611)と第二の直流電圧指令値印加処理(ステップS612)との間にリレー切替処理(ステップS613)が追加されている。また、図8では、第二の直流電圧指令値印加処理(ステップS612)の後に、第三の直流電圧指令値印加処理(ステップS614)が追加されている。図8に示す手順では、初期状態として、制御部6はリレー9をオフ状態にしておく。
第一の直流電圧指令値印加処理(ステップS611)と第二の直流電圧指令値印加処理(ステップS612)は実施の形態1で説明した処理と同様なため、その詳細な説明を省略する。本実施の形態2では、リレー切替処理(ステップS613)及び第三の直流電圧指令値印加処理(ステップS614)について、詳細に説明する。
図8に示すように、リレー切替処理(ステップS613)は、判定処理(ステップS631)と切替処理(ステップS632)とを有する。制御部6は、第1電流センサ7から3相電流Iuvw1の情報を取得すると、3相電流Iuvw1から実効値電流I1を演算により求める。そして、判定処理(ステップS631)において、制御部6は、実効値電流I1と予め設定された実効値電流の閾値Ithとを比較する。制御部6は、実効値電流I1が閾値Ith未満になると、切替処理(ステップS632)に進み、実効値電流I1が閾値Ith以上であると、判定処理(ステップS631)を維持する。例えば、実効値電流の閾値Ithとして、同期引き込みが完了して相電流が安定しているときの電流値が予め設定される。
切替処理(ステップS632)において、制御部6は、リレー9をオフ状態からオン状態に切り替える。その結果、第2同期電動機2は、3相電力線17及び18を介して、インバータ3及び第1同期電動機1と電気的に接続される。制御部6がリレー切替処理(ステップS613)を実行することで、電流が脈動していないタイミングでリレー切替が実行され、図6に示したタイムチャートの時刻T3で第1同期電動機1又は第2同期電動機2に過電流が流れることを抑制できる。
第二の直流電圧指令値印加処理(ステップS612)の後、第三の直流電圧指令値印加処理(ステップS614)において、制御部6は、ステップS611とステップS612とは異なる電圧ベクトル方向の直流電圧を第1同期電動機1及び第2同期電動機2に印加するための第3電圧指令値V3を設定する。例えば、制御部6は、第3電圧指令値V3として、ステップS611で設定した2軸の電圧指令値Vd_ref及びVq_refを設定し、位相指令値θ_refに45°を設定する。
本実施の形態2では、制御部6は、第1電圧指令値V1をインバータ3に出力した後、第1電流センサ7が検知した電流を参照し、第1同期電動機1の相電流が閾値以下になると、第2電圧指令値V2をインバータ3に出力する。1回目の電圧指令値による電流が3相電力線17で脈動しなくなってから、他の電圧指令値による電圧を第1同期電動機及び第2同期電動機2に印加することができ、同期引き込みの確実性が増す。
また、本実施の形態2では、制御部6は、第1電圧指令値V1をインバータ3に出力した後、リレー9をオフ状態からオン状態に切り替える。この場合、1回目の電圧指令値に対応する直流電圧が第1同期電動機1に印加されたときによる脈動が第2同期電動機2に影響することを抑制し、第2同期電動機2に過電流が流れることを抑制でき、同期引き込みの確実性を増加させることができる。
ここで、本実施の形態2の変形例を説明する。図9は、本発明の実施の形態2における同期電動機制御装置の変形例を示す制御ブロック図である。
図9に示す同期電動機制御装置20bは、図7に示した同期電動機制御装置20aと比較すると、リレー9aの構成が異なる。具体的には、図9に示すリレー9aは、オフ状態であるとき、第2同期電動機2の入力端子同士を接続する構成である。図9に示す構成によれば、リレー9aがオフ状態になっているときに、第2同期電動機2は回転がブレーキされた状態となる。例えば、第2同期電動機2の回転子にファン(不図示)が取り付けられている場合、第2同期電動機2の停止時に、外風によりファンが回転するフリーランが発生することを抑制できる。
実施の形態3.
本実施の形態3について、図10及び図11を参照して説明をする。本実施の形態3では、実施の形態1で説明した同期電動機制御装置20を適用した製品の一例として、空調用の熱交換器ユニットの場合を説明する。
図10は、本発明の実施の形態3における熱交換器ユニットの一構成例を示す斜視図である。熱交換器ユニットは、同期電動機制御装置20と、第1同期電動機1及び第2同期電動機2と、第1ファン10及び第2ファン11と、圧縮機12と、上位制御部13と、第1熱交換器15及び第2熱交換器16と、これらの構成を収容するケーシング14とを有する。図10は、ケーシング14内部において、上記構成を説明するために、透視図で表している。図10に示すように、熱交換器ユニットには、第1ファン10及び第2ファン11と圧縮機12とを連通する風路が形成されている。
第1ファン10は第1同期電動機1の回転子に取り付けられ、第2ファン11は第2同期電動機2の回転子に取り付けられている。第1同期電動機1は同期電動機制御装置20と3相電力線17を介して接続されている。第2同期電動機2は3相電力線18を介して3相電力線17と接続されている。
3相電力線17に第1電流センサ7が設けられ、3相電力線18に第2電流センサ8が設けられている。第1電流センサ7及び第2電流センサ8は図1に示した制御部6と接続されている。第1電流センサ7は、第1同期電動機1から出力される電流Iuvw1を検知して同期電動機制御装置20に伝送する。第2電流センサ8は、第2同期電動機2から出力される電流Iuvw2を検知して同期電動機制御装置20に伝送する。
圧縮機12、第1熱交換器15及び第2熱交換器16は冷媒配管(不図示)を介して負荷側ユニット(不図示)と接続されている。第1熱交換器15及び第2熱交換器16は、ケーシング14の側面に垂直な面に平行な熱交換面を有している。図10では、ケーシング14の4つの側面のうち、第1熱交換器15及び第2熱交換器16がそれぞれ1つの側面に設けられている場合を示しているが、複数の側面に設けられていてもよい。例えば、第1熱交換器15が第1同期電動機1及び第1ファン10を囲むように、ケーシング14の3つの側面に設けられていてもよい。
上位制御部13は、圧縮機12の駆動状況に応じて、同期電動機制御装置20に速度指令値ωを伝送し、圧縮機12に運転指令DSを伝送する。上位制御部13は、例えば、マイクロコンピュータである。同期電動機制御装置20は、実施の形態1で説明したように、入力を速度指令値ωとし、出力を3相電圧として第1同期電動機1及び第2同期電動機2を制御する。
第1同期電動機1は回転エネルギーを第1ファン10に伝える。第2同期電動機2は回転エネルギーを第2ファン11に伝える。第1ファン10は、第1同期電動機1から受け取る回転エネルギーを流体エネルギーに変換し、上位制御部13から出力された速度指令値ω_refに応じた風を発生させる。第2ファン11は、第2同期電動機2から受け取る回転エネルギーを流体エネルギーに変換し、上位制御部13から出力された速度指令値ω_refに応じた風を発生させる。
圧縮機12は、上位制御部13からの運転指令DSに応じて圧縮機12内のモータを駆動させる。負荷が高くなるほど圧縮機12の内部の発熱量が増すが、第1ファン10又は第2ファン11が回転することで圧縮機12に風があたり、圧縮機12は冷却される。
ケーシング14は、図10に示した同期電動機制御装置20及び圧縮機12などを含む構成を収容し、側面から空気を取り込むことができる構成である。すなわち、ケーシング14の側面には、空気を吸い込む吸込み口(不図示)が形成されている。ケーシング14の、第1ファン10及び第2ファン11のそれぞれの上方には、空気を吹き出す吹出し口19が形成されている。
第1ファン10又は第2ファン11が回転することで、ケーシング14の側面から空気が取り込まれ、取り込まれた空気が第1熱交換器15及び第2熱交換器16で冷媒と熱交換され、熱交換された空気がケーシング14の上方に吹き出される。また、第1ファン10又は第2ファン11が回転することで、第1同期電動機1、第2同期電動機2及び圧縮機12が発生する熱もケーシング14の外に放熱される。ケーシング14の内部が連通しているため、第1ファン10又は第2ファン11が回転動作することで、第1熱交換器15及び第2熱交換器16だけでなく、第1同期電動機1、第2同期電動機2及び圧縮機12にも送風することができる。
上述の構成により、同期電動機制御装置20は、第1同期電動機1及び第2同期電動機2に取り付けられた第1ファン10及び第2ファン11の回転数を制御することで、第1ファン10及び第2ファン11の回転数に応じて発生する風量を制御し、圧縮機12からの発熱を抑制する。
次に、第1同期電動機1及び第2同期電動機2に対して、同期電動機制御装置20が行う起動制御について説明する。図11は、本発明の実施の形態3における制御部が行う起動制御処理の手順を示すフローチャートである。図11において、図1に示した制御部6は、初期回転数推定(ステップS62)、ブレーキ制御(ステップS63)及び同期引き込み処理(ステップS61)の順で処理を実行する。
第1ファン10又は第2ファン11にフリーランが発生してしまうことがある。第1同期電動機1又は第2同期電動機2の起動前にフリーランが発生しているか否かを判定するために、フリーラン回転数を推定する必要がある。そこで、図11に示す初期回転数推定(ステップS62)において、制御部6は、第1電流センサ7又は第2電流センサ8が検知する電流から誘起電圧を算出し、誘起電圧からフリーラン回転数を推定する。
第1同期電動機1又は第2同期電動機2がフリーランで回転している場合、起動前に回転を減速する必要がある。制御部6は、推定したフリーラン回転数から第1同期電動機1又は第2同期電動機2が回転していると判定すると、ブレーキ制御(ステップS63)において、インバータ3に設けられたスイッチング素子32の下アームを短絡させる。これにより、第1同期電動機1又は第2同期電動機2のフリーランによる回転を減速させることができる。その後、同期引き込み処理(ステップS61)において、制御部6は、実施の形態1で説明した処理と同様の処理を実行する。
本実施の形態3の熱交換器ユニットは、同期電動機制御装置20と、第1同期電動機1と、第1同期電動機1が回転させる第1ファン10と、第1ファン10が送風した空気を冷媒と熱交換させる第1熱交換器15とを有する。同期電動機制御装置20が第1同期電動機1の同期引き込みを確実に行うことで、起動後の第1ファン10の回転数を制御し、第1ファン10の回転数に応じて発生する風量を制御できる。その結果、第1熱交換器15において冷媒が空気と効率良く熱交換することができる。また、熱交換器ユニットには圧縮機12と第1ファン10及び第2ファン11とを連通する風路が形成されているため、圧縮機12からの発熱を抑制することができる。
また、本実施の形態3では、制御部6は、第1電流センサ7及び第2電流センサ8が検知する電流情報を参照して第1同期電動機1及び第2同期電動機2が起動前にフリーランで回転しているか否か推定し、回転している同期電動機があると、その回転をインバータ3に減速させるブレーキ制御を行う。起動前の第1同期電動機1又は第2同期電動機2がフリーランで回転していても、フリーランによる回転を減速し、起動前に回転子の磁石磁束ベクトル方向を固定することができる。そのため、実施の形態1で説明した同期引き込み処理を行うことができ、同期引き込みの確実性が増す効果を奏する。
なお、上述の実施の形態1〜3では、実施の形態毎に同期電動機制御装置及び制御方法を説明したが、これらの実施の形態で説明した内容を組み合わせもよく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で本発明の同期電動機制御装置及び制御方法を適用することができる。実施の形態1〜3では、2台の同期電動機が並列に接続される場合で説明したが、並列に接続される同期電動機の数は3台以上であってもよく、また、制御対象の同期電動機が1台であってもよい。実施の形態3において、3台以上の同期電動機が並列に接続される場合、同期電動機の数に対応して、熱交換器、ファン及び吹出し口がそれぞれ3つ以上設けられていてもよい。
例えば、実施の形態3の熱交換器ユニットに、実施の形態2の同期電動機制御装置20aを適用することもできる。実施の形態3の熱交換器ユニットに実施の形態2で説明した制御方法を適用することで、低負荷時に一方の第2同期電動機2を停止させて、低消費電力化を達成することができる。
また、実施の形態2の変形例を、実施の形態3の熱交換器ユニットに適用すれば、変形例の効果がより顕著となる。図9を参照して説明したように、リレー9aがオフ状態になっているとき、第2同期電動機2は回転がブレーキされた状態になる。このとき、第2ファン11の回転が抑制されるため、第2ファン11の上方の吹出し口19からの空気の吐き出しが抑制される。その結果、第1熱交換器15を通る空気の風量の低下が抑制されるため、第1熱交換器15が効率よく熱交換を行うことができる。なお、3台以上の同期電動機が並列に接続される場合、同期電動機の数に対応して、リレー9aが3つ以上設けられていてもよい。
さらに、実施の形態3では、同期電動機制御装置が空調用に使用される場合の一例を説明したが、実施の形態1〜3又はこれらの実施の形態の組み合せによる同期電動機制御装置を、車両用など、その他の用途にも利用することができる。
1 第1同期電動機、2 第2同期電動機、3 インバータ、4 直流電源、5 座標変換部、6 制御部、7 第1電流センサ、8 第2電流センサ、9、9a リレー、10 第1ファン、11 第2ファン、12 圧縮機、13 上位制御部、14 ケーシング、15 第1熱交換器、16 第2熱交換器、19 吹出し口、20、20a、20b 同期電動機制御装置、32 スイッチング素子、33 逆流防止素子。

Claims (8)

  1. 並列に接続された複数の同期電動機の運転を制御する同期電動機制御装置であって、
    速度指令値に対応した電圧指令値を出力する制御部と、
    前記電圧指令値にしたがって直流電圧を前記複数の同期電動機に供給するインバータと、
    前記インバータから前記複数の同期電動機へ供給される電流を検知する電流センサと、
    を有し、
    前記制御部は、
    前記複数の同期電動機を起動する起動制御モードと、起動後の前記複数の同期電動機の回転を一定の速度まで加速する通常制御モードとを有し、
    前記起動制御モード時に、電圧ベクトルの方向がそれぞれ異なる前記電圧指令値を複数回前記インバータに出力し、
    前記起動制御モード時に第1電圧指令値を前記インバータに出力した後、前記電流センサが検知した電流から算出される相電流が予め決められた閾値以下になると、前記第1電圧指令値とは異なる第2電圧指令値を前記インバータに出力する
    同期電動機制御装置。
  2. 前記制御部は、前記起動制御モード時に前記第1電圧指令値を前記インバータに出力した後、該第1電圧指令値の電圧ベクトルに対して180°未満の位相差を設けた前記第2電圧指令値を前記インバータに出力する、請求項1に記載の同期電動機制御装置。
  3. 前記第2電圧指令値は、前記第1電圧指令値の電圧ベクトルに対して90°の位相差を有する、請求項2に記載の同期電動機制御装置。
  4. 前記複数の同期電動機のうち、少なくとも1台の同期電動機と前記インバータとの間に設けられ、該1台の同期電動機を該インバータに接続するオン状態と該1台の同期電動機を該インバータから切り離すオフ状態とを有するリレーをさらに有し、
    前記制御部は、
    前記起動制御モード時に第1電圧指令値を前記インバータに出力した後、前記リレーをオフ状態からオン状態に切り替える、請求項1〜のいずれか1項に記載の同期電動機制御装置。
  5. 前記リレーは、前記オフ状態に、前記インバータから切り離された同期電動機の入力端子同士を接続する、請求項に記載の同期電動機制御装置。
  6. 前記制御部は、
    前記起動制御モードの開始時に前記複数の同期電動機が回転していると、前記複数の同期電動機の回転を前記インバータに減速させる、請求項1〜のいずれか1項に記載の同期電動機制御装置。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載の同期電動機制御装置と、
    前記複数の同期電動機と、
    前記複数の同期電動機に対応して取り付けられた複数のファンと、
    前記複数のファンに対応して設けられ、前記ファンが送風した空気を冷媒と熱交換させる複数の熱交換器と、
    を有する熱交換器ユニット。
  8. 前記複数の同期電動機、前記複数のファン及び前記複数の熱交換器を収容し、該複数のファンが空気を吹き出す複数の吹出し口が設けられたケーシングをさらに有し、
    前記複数の同期電動機のそれぞれに、該同期電動機を前記インバータに接続するオン状態と該同期電動機を前記インバータから切り離して該同期電動機の入力端子同士を接続するオフ状態とを有するリレーが接続されている、請求項に記載の熱交換器ユニット。
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