JP6757938B2 - イソプレンオリゴマー、ポリイソプレン、及びこれらの製造方法、ゴム組成物、並びに空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
また、本発明のイソプレンオリゴマーの製造方法、及び本発明のポリイソプレンの製造方法では、末端部分に存在する反応性の高い二リン酸基の影響を受けずに、主鎖部分が充分に変性されたイソプレンオリゴマーやポリイソプレンを製造できる。
また、本発明では、構造既知の官能基等が付加された上記式(Y)で表される化合物を用いることにより得られたイソプレンオリゴマー、ポリイソプレンであるので、イソプレンオリゴマー、ポリイソプレンが有する官能基(変性基)を明確に把握することができる。
本発明のイソプレンオリゴマーは、下記式(X)で表されるアリル性二リン酸と、下記式(Y)で表される化合物(R−IPP)とから合成(生合成)されて得られるイソプレンオリゴマーである。
なかでも、窒素原子は強い分子間力を有し、酵素や細胞膜との強い相互作用を生じるという理由から、抗菌性に関しては、N−アルキルーアセトアミノ基(より好ましくはN−メチルーアセトアミノ基、N−ブチルーアセトアミノ基)、アジド基が好ましい。また、シリカ等の充填剤との相互作用が強いという理由から、アルコキシ基、水酸基が好ましい。
本発明のイソプレンオリゴマーは、上記式(X)で表されるアリル性二リン酸と、上記式(Y)で表される化合物とから合成(生合成)されて得られる。
上述のように、イソペンテニル二リン酸の3位のメチル基以外の部分の構造を維持しつつ、3位のメチル基を所望の基に置換した上記式(Y)で表される化合物(R−IPP)であれば、天然に存在するプレニルトランスフェラーゼ活性を有する酵素等を用いることで、イソプレンオリゴマーが生成可能である。
Z型(新たに増えたイソプレン単位がシス構造)にプレニル鎖を伸長させる酵素としては、例えば、Z−ノナプレニル二リン酸合成酵素(Ishii,K.et al.,(1986)Biochem,J.,233,773.)、ウンデカプレニル二リン酸合成酵素(Takahashi,I.and Ogura,K.(1982)J.Biochem.,92,1527.;Keenman,M.V.and Allen,C.M.(1974)Arch.Biochem.Biophys.,161,375.)、Z−ファルネシル二リン酸合成酵素(Identification of a short (C−15) chain Z−isoprenyl diphosphate synthase and a homologous long (C−50) chain isoprenyl diphosphate synthase in Mycobacterium tuberculosis, Schulbach, MC., et al. JOURNAL OF BIOLOGICAL CHEMISTRY, 275(30),22876−22881(2000))、デヒドロドキリキル二リン酸合成酵素(Identification of human dehydrodolichyl diphosphate synthase gene Endo,Shota. et al, Biochimica Et Biophysica Acta (BBA),1625(3),(2003)p.291−295.)等が挙げられる。
また、E型(新たに増えたイソプレン単位がトランス構造)にプレニル鎖を伸長させる酵素としては、例えば、ファルネシル二リン酸合成酵素、ゲラニルゲラニル二リン酸合成酵素、ヘキサプレニル二リン酸合成酵素、ヘプタプレニル二リン酸合成酵素、オクタプレニル二リン酸合成酵素、デカプレニル二リン酸合成酵素等が挙げられる。
各々の酵素により生成できる最大のイソプレン単位の数、プレニル鎖の伸長方向(トランス構造、シス構造)が決まっているため、目的のイソプレン単位数やプレニル鎖の伸長方向に応じて使用する酵素を変更すればよい。なお、本発明では、イソプレンオリゴマーのプレニル鎖の伸長方向(トランス構造、シス構造)は、特に限定されない。すなわち、本発明のイソプレンオリゴマーは、例えば、イソプレン単位が全てトランス型に結合したイソプレンオリゴマー(例えば、上記式(Z−1)で表されるイソプレンオリゴマー)であってもよく、イソプレン単位がトランス−シス型に結合したイソプレンオリゴマー(例えば、上記式(Z−2)で表されるイソプレンオリゴマー)であってもよく、イソプレン単位がトランス−シス−トランス型に結合したイソプレンオリゴマー等であってもよい。
なお、プレニルトランスフェラーゼ活性を有する酵素を発現するように形質転換された生物体は、当業者であれば、従来公知の遺伝子工学的手法により作製できる。
また、上記式(Z−1)、上記式(Z−2)中のYがホルミル基であるイソプレンオリゴマーは、例えば、上記式(Z−1)、上記式(Z−2)中のYがOPP基であるイソプレンオリゴマーを酸化することにより得られる。
また、上記式(Z−1)、上記式(Z−2)中のYがカルボキシ基であるイソプレンオリゴマーは、例えば、上記式(Z−1)、上記式(Z−2)中のYがOPP基であるイソプレンオリゴマーを酸化することにより得られる。
また、上記式(Z−1)、上記式(Z−2)中のYがアルコキシカルボキシ基であるイソプレンオリゴマー、及び上記式(Z−1)、上記式(Z−2)中のYがアルコキシカルボニル基であるイソプレンオリゴマーは、例えば、上記式(Z−1)、上記式(Z−2)中のYがOPP基であるイソプレンオリゴマーを上記の方法でカルボキシル化し、さらにエステル化することにより得られる。
次に、本発明のポリイソプレンについて説明する。本発明のポリイソプレンは、上記式(X)で表されるアリル性二リン酸と、上記式(Y)で表される化合物とから合成(生合成)されて得られるポリイソプレンである。なお、上記式(X)で表されるアリル性二リン酸に重合させるモノマーとして、上記式(Y)で表される化合物と共に、イソペンテニル二リン酸を使用してもよい。例えば、本発明のポリイソプレンは、本発明のイソプレンオリゴマーと、上記式(Y)で表される化合物及び/又はイソペンテニル二リン酸とから合成(生合成)されて得られる。また、本発明のポリイソプレンは、例えば、未変性のイソプレンオリゴマー及び上記式(Y)で表される化合物から、又は、未変性のイソプレンオリゴマー、上記式(Y)で表される化合物、及びイソペンテニル二リン酸から合成(生合成)されて得られる。
本発明のポリイソプレンの製造方法としては、(A)本発明のイソプレンオリゴマーと、上記式(Y)で表される化合物(R−IPP)及び/又はイソペンテニル二リン酸(IPP)とから合成(生合成)する方法が挙げられる。なお、得られるポリイソプレンの目標物性に応じて、モノマーであるR−IPP、IPPの使用比率を適宜変更すればよく、一方の使用比率を0としてもよい。また、本発明のポリイソプレンの製造方法としては、(B)未変性のイソプレンオリゴマー及び上記式(Y)で表される化合物から、又は、(C)未変性のイソプレンオリゴマー、上記式(Y)で表される化合物、及びイソペンテニル二リン酸から合成(生合成)する方法も挙げられる。この場合も、得られるポリイソプレンの目標物性に応じて、モノマーであるR−IPP、IPPの使用比率を適宜変更すればよい。
すなわち、(A)本発明のイソプレンオリゴマーと、上記式(Y)で表される化合物及び/又はイソペンテニル二リン酸とから本発明のポリイソプレンを合成(生合成)する方法、(B)未変性のイソプレンオリゴマー及び上記式(Y)で表される化合物から本発明のポリイソプレンを合成(生合成)する方法、又は、(C)未変性のイソプレンオリゴマー、上記式(Y)で表される化合物、及びイソペンテニル二リン酸から本発明のポリイソプレンを合成(生合成)する方法としては、例えば、天然ゴムラテックス中に含まれる酵素やゴム延長因子等を用いて行う方法が挙げられる。また、天然ゴムラテックスからクローニングされた酵素やゴム延長因子等を用いて行ってもよい。
具体的には、例えば、本発明のイソプレンオリゴマーと、上記式(Y)で表される化合物及び/又はイソペンテニル二リン酸とを含む溶液中に、天然ゴムラテックスや天然ゴムラテックスから分離した酵素、ゴム延長因子等を添加することにより反応を行えばよい。また、反応温度は、例えば、10〜60℃、反応時間は、例えば、1〜72時間、pHは、例えば、6〜8とすればよい。また、必要に応じて、塩化マグネシウム、界面活性剤、2−メルカプトエタノール、フッ化カリウム等を添加してもよい。未変性のイソプレンオリゴマーを使用する場合も同様の条件で反応を行えばよい。
また、上記式(ZZ−1)、上記式(ZZ−2)中のYがホルミル基であるポリイソプレンは、例えば、上記式(ZZ−1)、上記式(ZZ−2)中のYがOPP基であるポリイソプレンを酸化することにより得られる。
また、上記式(ZZ−1)、上記式(ZZ−2)中のYがカルボキシ基であるポリイソプレンは、例えば、上記式(ZZ−1)、上記式(ZZ−2)中のYがOPP基であるポリイソプレンを酸化することにより得られる。
また、上記式(ZZ−1)、上記式(ZZ−2)中のYがアルコキシカルボキシ基であるポリイソプレン、及び上記式(ZZ−1)、上記式(ZZ−2)中のYがアルコキシカルボニル基であるポリイソプレンは、例えば、上記式(ZZ−1)、上記式(ZZ−2)中のYがOPP基であるポリイソプレンを上記の方法でカルボキシル化し、さらにエステル化することにより得られる。
本発明のゴム組成物は、本発明のイソプレンオリゴマー及び/又は本発明のポリイソプレンを含む。よって、本発明のゴム組成物は、低発熱性、ウェットグリップ性能、耐摩耗性、破断時伸び、破断強度(特に、低発熱性、耐摩耗性)に優れている。なお、本発明のポリイソプレンは、ゴム成分として使用できる。
本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法によって製造できる。すなわち、ゴム組成物を未加硫の段階でタイヤの各部材(例えば、トレッド、サイドウォール)の形状に合わせて押し出し加工し、タイヤ成形機上にて通常の方法にて成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧してタイヤを製造できる。
(3−R−3−butenyl diphosphate(上記式(Y)で表される化合物(R−IPP))の合成)
n−R−aldehydeを出発物質として合成した。n−R−aldehydeに、greenらの方法(M.B.Green,and W.J.Hickinbotton , J.Chem.Soc.,1957,3262)により、ギ酸中でジメチルアミンにより、α位にexomethlene基を導入した(下記(i)で表される化合物)。次に、水素化アルミニウムリチウムにより還元し、2−R−allylalcoholを得た(下記(ii)で表される化合物)。さらに、ピリジン中で塩化リンによりクロロ化し、2−R−allylcholorideを経て(下記(iii)で表される化合物)、グリニャール試薬を合成し、二酸化炭素を反応させてカルボン酸とした(下記(iv)で表される化合物)。次に、水素化アルミニウムリチウムにより還元し、アルコール体を得た(下記(v)で表される化合物)。次に、ピリジン中で、塩化トシルによりトシル化した(下記(vi)で表される化合物)。次に、アセトニトリル中で、リン酸トリメチルによりリン酸化を行い、目的生成物を得た(下記(vii)で表される化合物(上記式(Y)で表される化合物(R−IPP)))。各合成段階における中間体および最終生成物の確認は、TLCおよび機器による分析(IR、NMR)を用いて行った。
なお、上記Rが、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基、メルカプト基、水酸基、アミノ基の場合について、上記式(Y)で表される化合物(R−IPP)を合成した。また、上記式(Y)中のRが、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基、メルカプト基、水酸基、アミノ基であるR−IPPを、以下においては、それぞれ、R−IPP−A、R−IPP−B、R−IPP−C、R−IPP−D、R−IPP−E、R−IPP−F、R−IPP−Gとも記載する。
まず、形質転換体の調製を行った。形質転換体の調製には、ヒト由来ゲラニルゲラニル二リン酸合成酵素が組み込まれたpET15b(pET15b/human−GGPS)を用いた。なお、pET15b/human−GGPSは、東北大学多元物質科学研究所の佐上博准教授より譲渡して頂いた。
pET15b/human−GGPSを用いてヒートショック法によってE.coli BL21 (DE3)を形質転換し、該形質転換体を50μg/mLのアンピシリンを含むLB寒天培地に塗布した後37℃で一晩培養し、形質転換株を選択した。
得られたE.coli BL21 (DE3)/pET15b/human−GGPS(野生型)を50μg/mLのアンピシリンを含む3mLのLB培地が入った試験管に接種し、37℃で5時間振盪培養した。得られた培養液のうち1mLを50μg/mLのアンピシリンを含むLB培地100mLが入った500mL三角フラスコに接種し、37℃で3時間振盪培養後、0.1mmol/LになるようにIPTGを添加し、30℃で18時間振盪培養した。該培養液を遠心分離し、湿菌体を取得した。上記で得られた湿菌体を超音波処理により破砕した後、遠心分離して得られた上清から、HisTrap(アマシャム社製)を用いてプレニルトランスフェラーゼ活性を有する蛋白質を精製した。精製した蛋白質は、SDS−PAGEにより精製を確認した。
精製した蛋白質を10mg、50mM Tris−HCl Buffer(pH7.5)、40mM 塩化マグネシウム、25mM 2−メルカプトエタノール、1mM 開始基質(ゲラニル二リン酸(GPP))、1mM イソペンテニル二リン酸(IPP)若しくは製造例1で調製した各R−IPPを含む反応液を調整し、37℃のwater bathで1時間反応させた。反応終了後、飽和食塩水100mlとペンタン500mlを加え、攪拌後、静置した。その後、上清(ペンタン層)をエバポレーションにより濃縮乾固した。その一部をNMRにより構造を確認し、イソプレンオリゴマーを得た。得られたイソプレンオリゴマーの詳細(式(Z−1−1−1)中のn、m、R)を、表1に示した。なお、式(Z−1−1−1)中のn、mは、使用した開始基質の情報と、TLCによるイソプレン鎖長を基に算出した。また、式(Z−1−1−1)中のRは、NMR、TLC、GC−MSにより構造を同定した。
また、モノマーとして、IPP、R−IPP−A、R−IPP−B、R−IPP−C、R−IPP−D、R−IPP−E、R−IPP−F、R−IPP−Gを使用して得られたイソプレンオリゴマーを、それぞれ、イソプレンオリゴマー(t−control)、イソプレンオリゴマー(t−A)、イソプレンオリゴマー(t−B)、イソプレンオリゴマー(t−C)、イソプレンオリゴマー(t−D)、イソプレンオリゴマー(t−E)、イソプレンオリゴマー(t−F)、イソプレンオリゴマー(t−G)として以下の実験で使用した。また、イソプレンオリゴマー(t−E)、イソプレンオリゴマー(t−F)は、イソプレンオリゴマーa、イソプレンオリゴマーeとして、以下の実験でゴム組成物に配合した。
IPP若しくは製造例1で調製した各R−IPP、及びゲラニル二リン酸(GPP)を用いて、以下の条件で反応を行い、GPPに対する各R−IPPの相対活性を、IPPの場合の活性を100として指数表示した。
精製した蛋白質を500ng、50mM Tris−HCl Buffer(pH7.5)、40mM 塩化マグネシウム、25mM 2−メルカプトエタノール、12.5μM GPP、50μM[1−14C]IPP若しくは製造例1で調製した各R−IPP、を含む反応液を調整し、37℃のwater bathで1時間反応させた。反応後、液体シンチレーションの値とTLCを定量することにより、各条件における活性を測定し、IPPの場合の活性を100として各R−IPPの相対活性を表2に示した。
また、上記(実施例1)(イソプレンオリゴマーの調製)と同様に、イソプレンオリゴマーを精製した。そして、得られたイソプレンオリゴマーの詳細(式(Z−1−1−1)中のn、m、R)を、表2に示した。なお、式(Z−1−1−1)中のn、mは、使用した開始基質の情報と、TLCによるイソプレン鎖長を基に算出した。また、式(Z−1−1−1)中のRは、NMR、TLC、GC−MSにより構造を同定した。
(ポリイソプレンの調製)
次に、上記式(Z−1−1−1)で表されるイソプレン単位が全てトランス型に結合したイソプレンオリゴマー(all−trans)を使用して、ポリイソプレンの調製を行った。
ラテックス成分を10μl、50mM Tris−HCl Buffer(pH7.5)、25mM 塩化マグネシウム、40mM 2−メルカプトエタノール、40mM フッ化カリウム、50μM イソプレンオリゴマー、1mM IPP若しくは製造例1で調製した各R−IPPを含む反応液を調整し、30℃のwater bathで3日間反応させた。反応後、GPCにより分子量を測定した。そして、測定した分子量と、使用した開始基質の情報を基に、開始基質であるGPPに付加したイソプレン単位数を算出した。結果を表3に示した。
まず、形質転換体の調製を行った。形質転換体の調製には、dsDNA templateとして、Micrococcus luteus B−P26由来ウンデカプレニル二リン酸合成酵素が組み込まれたpET22b(pET22b/MLU−UPS)を用いた。なお、pET22b/MLU−UPS は、東北大学多元物質科学研究所の古山種俊教授より譲渡して頂いた。
pET22b/MLU−UPSを用いてヒートショック法によってE.coli BL21 (DE3)を形質転換し、該形質転換体を50μg/mLのアンピシリンを含むLB寒天培地に塗布した後37℃で一晩培養し、形質転換株を選択した。
得られたE.coli BL21 (DE3)/pET22b/MLU−UPSを50μg/mLのアンピシリンを含む3mLのLB培地が入った試験管に接種し、37℃で5時間振盪培養した。得られた培養液のうち1mLを50μg/mLのアンピシリンを含むLB培地100mLが入った500mL三角フラスコに接種し、37℃で3時間振盪培養後、0.1mmol/LになるようにIPTGを添加し、30℃で18時間振盪培養した。該培養液を遠心分離し、湿菌体を取得した。上記で得られた湿菌体を超音波処理により破砕した後、遠心分離して得られた上清から、HisTrap(アマシャム社製)を用いてプレニルトランスフェラーゼ活性を有する蛋白質を精製した。精製した蛋白質は、SDS−PAGEにより精製を確認した。
精製した蛋白質を10mg、50mM Tris−HCl Buffer(pH 7.5)、40mM 塩化マグネシウム、40mM Triton X−100、25mM 2−メルカプトエタノール、1mM 開始基質(ファルネシル二リン酸(FPP))、1mM IPP若しくは製造例1で調製した各R−IPPを含む反応液を調整し、37℃のwater bathで1時間反応させた。反応終了後、飽和食塩水100mlと1−ブタノール500mlを加え、攪拌後、静置した。その後、上清(1−ブタノール層)をエバポレーションにより濃縮乾固した。その一部をNMRにより構造を確認し、イソプレンオリゴマーを得た。得られたイソプレンオリゴマーの詳細(式(Z−2−1−1)中のn、m、R)を、表4に示した。なお、式(Z−2−1−1)中のn、mは、使用した開始基質の情報と、TLCによるイソプレン鎖長を基に算出した。また、式(Z−2−1−1)中のRは、NMR、TLC、GC−MSにより構造を同定した。
また、モノマーとして、IPP、R−IPP−A、R−IPP−B、R−IPP−C、R−IPP−D、R−IPP−E、R−IPP−F、R−IPP−Gをそれぞれ使用して得られたイソプレンオリゴマーを、それぞれ、イソプレンオリゴマー(tc−control)、イソプレンオリゴマー(tc−A)、イソプレンオリゴマー(tc−B)、イソプレンオリゴマー(tc−C)、イソプレンオリゴマー(tc−D)、イソプレンオリゴマー(tc−E)、イソプレンオリゴマー(tc−F)、イソプレンオリゴマー(tc−G)として以下の実験で使用した。また、イソプレンオリゴマー(tc−E)は、イソプレンオリゴマーbとして、以下の実験でゴム組成物に配合した。更に、イソプレンオリゴマー(tc−A)、イソプレンオリゴマー(tc−B)、イソプレンオリゴマー(tc−C)、イソプレンオリゴマー(tc−D)、イソプレンオリゴマー(tc−E)、イソプレンオリゴマー(tc−F)、イソプレンオリゴマー(tc−G)を、イソプレンオリゴマーh、イソプレンオリゴマーi、イソプレンオリゴマーj、イソプレンオリゴマーk、イソプレンオリゴマーl、イソプレンオリゴマーm、イソプレンオリゴマーnとして、以下の実験でゴム組成物に配合した。
IPP若しくは製造例1で調製した各R−IPP、及びファルネシル二リン酸(FPP)を用いて、以下の条件で反応を行い、FPPに対する各R−IPPの相対活性を、IPPの場合の活性を100として指数表示した。
精製した蛋白質を500ng、50mM Tris−HCl Buffer(pH7.5)、40mM 塩化マグネシウム、40mM TritonX−100、25mM 2−メルカプトエタノール、12.5μM FPP、50μM[1−14C]IPP若しくは製造例1で調製した各R−IPP、を含む反応液を調整し、37℃のwater bathで1時間反応させた。反応後、液体シンチレーションの値とTLCを定量することにより、各条件における活性を測定し、IPPの場合の活性を100として各R−IPPの相対活性を表5に示した。
また、上記(実施例3)(イソプレンオリゴマーの調製)と同様に、イソプレンオリゴマーを精製した。そして、得られたイソプレンオリゴマーの詳細(式(Z−2−1−1)中のn、m、R)を、表5に示した。なお、式(Z−2−1−1)中のn、mは、使用した開始基質の情報と、TLCによるイソプレン鎖長を基に算出した。また、式(Z−2−1−1)中のRは、NMR、TLC、GC−MSにより構造を同定した。
(ポリイソプレンの調製)
次に、上記式(Z−2−1−1)で表されるイソプレン単位がトランス−シス型に結合したイソプレンオリゴマー(trans−cis)を使用して、ポリイソプレンの調製を行った。
ラテックス成分を10μl、50mM Tris−HCl Buffer(pH7.5)、25mM 塩化マグネシウム、40mM 2−メルカプトエタノール、40mM フッ化カリウム、50μM イソプレンオリゴマー、1mM IPP若しくは製造例1で調製した各R−IPPを含む反応液を調整し、30℃のwater bathで3日間反応させた。反応後、GPCにより分子量を測定した。そして、測定した分子量と、使用した開始基質の情報を基に、開始基質であるFPPに付加したイソプレン単位数を算出した。結果を表6に示した。
まず、形質転換体の調製を行った。形質転換体の調製には、Bacillus Sterarothermophilus由来ファルネシル二リン酸合成酵素が組み込まれたpET15b(pET15b/bacillus−FPS)を用いた。なお、pET15b/bacillus−FPSは、東北大学多元物質科学研究所の古山種俊教授より譲渡して頂いた。
pET15b/bacillus−FPSを用いてヒートショック法によってE.coli BL21 (DE3)を形質転換し、該形質転換体を50μg/mLのアンピシリンを含むLB寒天培地に塗布した後37℃で一晩培養し、形質転換株を選択した。
得られたE.coli BL21 (DE3)/pET15b/bacillus−FPS(野生型)を50μg/mLのアンピシリンを含む3mLのLB培地が入った試験管に接種し、37℃で5時間振盪培養した。得られた培養液のうち1mLを50μg/mLのアンピシリンを含むLB培地100mLが入った500mL三角フラスコに接種し、37℃で3時間振盪培養後、0.1mmol/LになるようにIPTGを添加し、30℃で18時間振盪培養した。該培養液を遠心分離し、湿菌体を取得した。上記で得られた湿菌体を超音波処理により破砕した後、遠心分離して得られた上清から、HisTrap(アマシャム社製)を用いてプレニルトランスフェラーゼ活性を有する蛋白質を精製した。精製した蛋白質は、SDS−PAGEにより精製を確認した。
精製した蛋白質を10mg、50mM Tris−HCl Buffer(pH7.5)、40mM 塩化マグネシウム、25mM 2−メルカプトエタノール、1mM 開始基質(ジメチルアリル二リン酸(DMAPP))、1mM イソペンテニル二リン酸(IPP)若しくは製造例1で調製した各R−IPPを含む反応液を調整し、37℃のwater bathで1時間反応させた。反応終了後、飽和食塩水100mlとペンタン500mlを加え、攪拌後、静置した。その後、上清(ペンタン層)をエバポレーションにより濃縮乾固した。その一部をNMRにより構造を確認し、イソプレンオリゴマーを得た。得られたイソプレンオリゴマーの詳細(式(Z−1−1−1)中のn、m、R)を、表7に示した。なお、式(Z−1−1−1)中のn、mは、使用した開始基質の情報と、TLCによるイソプレン鎖長を基に算出した。また、式(Z−1−1−1)中のRは、NMR、TLC、GC−MSにより構造を同定した。
また、モノマーとして、IPP、R−IPP−A、R−IPP−B、R−IPP−C、R−IPP−D、R−IPP−E、R−IPP−F、R−IPP−Gを使用して得られたイソプレンオリゴマーを、それぞれ、イソプレンオリゴマー(t−control−1)、イソプレンオリゴマー(t−A−1)、イソプレンオリゴマー(t−B−1)、イソプレンオリゴマー(t−C−1)、イソプレンオリゴマー(t−D−1)、イソプレンオリゴマー(t−E−1)、イソプレンオリゴマー(t−F−1)、イソプレンオリゴマー(t−G−1)として以下の実験で使用した。
IPP若しくは製造例1で調製した各R−IPP、及びジメチル二リン酸(DMAPP)を用いて、以下の条件で反応を行い、DMAPPに対する各R−IPPの相対活性を、IPPの場合の活性を100として指数表示した。
精製した蛋白質を500ng、50mM Tris−HCl Buffer(pH7.5)、40mM 塩化マグネシウム、25mM 2−メルカプトエタノール、12.5μM DMAPP、50μM[1−14C]IPP若しくは製造例1で調製した各R−IPP、を含む反応液を調整し、37℃のwater bathで1時間反応させた。反応後、液体シンチレーションの値とTLCを定量することにより、各条件における活性を測定し、IPPの場合の活性を100として各R−IPPの相対活性を表8に示した。
また、上記(実施例5)(イソプレンオリゴマーの調製)と同様に、イソプレンオリゴマーを精製した。そして、得られたイソプレンオリゴマーの詳細(式(Z−1−1−1)中のn、m、R)を、表8に示した。なお、式(Z−1−1−1)中のn、mは、使用した開始基質の情報と、TLCによるイソプレン鎖長を基に算出した。また、式(Z−1−1−1)中のRは、NMR、TLC、GC−MSにより構造を同定した。
(ポリイソプレンの調製)
次に、上記式(Z−1−1−1)で表されるイソプレン単位が全てトランス型に結合したイソプレンオリゴマー(all−trans)を使用して、ポリイソプレンの調製を行った。
ラテックス成分を10μl、50mM Tris−HCl Buffer(pH7.5)、25mM 塩化マグネシウム、40mM 2−メルカプトエタノール、40mM フッ化カリウム、50μM イソプレンオリゴマー、1mM IPP若しくは製造例1で調製した各R−IPPを含む反応液を調整し、30℃のwater bathで3日間反応させた。反応後、GPCにより分子量を測定した。そして、測定した分子量と、使用した開始基質の情報を基に、開始基質であるDMAPPに付加したイソプレン単位数を算出した。結果を表9に示した。
(イソプレンオリゴマー(trans−cis)の調製)
次に、アリル性二リン酸誘導体を使用して、下記式(Z−2−1−1)で表されるイソプレン単位がトランス−シス型に結合したイソプレンオリゴマーであって、主鎖部分に加えて、末端部分にも変性が施されたイソプレンオリゴマー(主鎖末端変性イソプレンオリゴマー)の調製を行った。
まず、アリル性二リン酸誘導体の合成を行った。
(8−metoxy−3,7−dimetyl−dodeca−(2E,6E)−dienyl diphosphate(上記式(B)で表される化合物)の合成)
ゲラニオールを出発物質として合成した。無水ジクロロメタン中でピリジンと無水酢酸を用いてアセチル化し、アセテート(下記(bi)で表される化合物)を得た(収率95%)。次に、エタノール中で8位の炭素にセレン酸化し、アルデヒド体(下記(bii)で表される化合物)を得た(収率24%)。次に水酸化カリウムを用いてアルカリ加水分解し、アルコール体(下記(biii)で表される化合物)を得た(収率38%)。次に無水ジクロロメタン中でイミダゾール、tert−ブチルジフェニルシリルクロライド(TBDPS)を用いて(下記(biv)で表される化合物)を得た(収率80%)。その後、無水エーテル中でブチルリチウムを反応させ、ブチルアルコール体(下記(bv)で表される化合物)を得た(収率73%)。次に無水テトラヒドラフラン中で水酸化ナトリウムでナトリウム塩にした後ヨウ化メチルを加え、Williamson合成により、エーテル体(下記(bvi)で表される化合物)を得た(収率95%)。次に無水テトラヒドラフラン中でテトラ−n−アンモニウムフルオリドを用いて脱離し、アルコール体(下記(bvii)で表される化合物)を得た(収率87%)。次に−40℃以下、無水ジクロロメタン溶媒中でN−クロロコハク酸イミドとジメチルスルフィドを用いて、一級水酸基を塩素置換し、塩化物(下記(bviii)で表わされる化合物)を得た(収率92%)。次に無水アセトニトリル中でトリス−テトラnブチルアンモニウム水素化リン酸塩を用いて二リン酸化し、目的物質である(下記(bix)で表わされる化合物(上記式(B)で表わされる化合物))を得た(収率26%)。
各合成段階における中間体および最終生成物の確認は、TLCおよび機器による分析(IR、NMR)を用いて行った。
(8−hydroxy−3,7−dimetyl−dodeca−(2E,6E)−dienyl diphosphate(上記式(C)で表される化合物)の合成)
ゲラニオールを出発物質として合成した。無水ジクロロメタン中でピリジンと無水酢酸を用いてアセチル化し、アセテート(下記(ci)で表される化合物)を得た(収率97%)。次に、エタノール中で8位の炭素にセレン酸化し、アルデヒド体(下記(cii)で表される化合物)を得た(収率20%)。次に水酸化カリウムを用いてアルカリ加水分解し、アルコール体(下記(ciii)で表される化合物)を得た(収率42%)。次に無水ジクロロメタン中でイミダゾール、tert−ブチルジフェニルシリルクロライド(TBDPS)を用いて(下記(civ)で表される化合物)を得た(収率80%)。その後、無水エーテル中でブチルリチウムを反応させ、ブチルアルコール体を得た(収率62%)。次に無水テトラヒドラフラン中でテトラ−n−アンモニウムフルオリドを用いて脱離し、ジオール体(下記(cvi)で表される化合物)を得た(収率94%)。次に−40℃以下、無水ジクロロメタン溶媒中でN−クロロコハク酸イミドとジメチルスルフィドを用いて、一級水酸基を塩素置換し、塩化物(下記(cvii)で表わされる化合物)を得た(収率90%)。次に無水アセトニトリル中でトリス−テトラnブチルアンモニウム水素化リン酸塩を用いて二リン酸化し、目的物質である(下記(cviii)で表わされる化合物(上記式(C)で表わされる化合物))を得た(収率46%)。
各合成段階における中間体および最終生成物の確認は、TLCおよび機器による分析(IR、NMR)を用いて行った。
開始基質としてアリル性二リン酸誘導体を使用した場合、野生型のプレニルトランスフェラーゼ活性を有する酵素を使用しても反応を進行させ、イソプレンオリゴマーを調製できるが、反応効率の向上を図るため、アリル性二リン酸誘導体に対する酵素活性を向上させた変異型酵素の作製を行った。
試薬はStratagene社のQuickChange Site−Directed Mutagenesis Kitを用いた。目的の部位に変異を導入できるようにプライマーを設計した。なお、変異導入用プライマーは株式会社医学生物学研究所(製造元:IDT)より購入した。設計したプライマーは、以下に示すとおりである。
変異型酵素N77A作製用プライマー
センスプライマー 5’−act gaa gca tgg tct cgt cct aaa g−3’(配列番号1)
アンチセンスプライマー 5’−gag acc atg ctt cag ttg aaa atg c−3’(配列番号2)
変異型酵素L91D作製用プライマー
センスプライマー 5’−gat gaa aga tcc ggg tga ttt ttt aa−3’(配列番号3)
アンチセンスプライマー 5’−cac ccg gat ctt tca tca agt aat ta−3’(配列番号4)
得られたE.coli BL21 (DE3)/pET22b/MLU−UPS(野生型および変異型)を50μg/mLのアンピシリンを含む3mLのLB培地が入った試験管に接種し、37℃で5時間振盪培養した。得られた培養液のうち1mLを50μg/mLのアンピシリンを含むLB培地100mLが入った500mL三角フラスコに接種し、37℃で3時間振盪培養後、0.1mmol/LになるようにIPTG を添加し、30℃で18時間振盪培養した。該培養液を遠心分離し、湿菌体を取得した。上記で得られた湿菌体を超音波処理により破砕した後、遠心分離して得られた上清から、HisTrap(アマシャム社製)を用いてプレニルトランスフェラーゼ活性を有する蛋白質を精製した。精製した蛋白質は、SDS−PAGEにより精製を確認した。得られた変異型酵素N77A、変異型酵素L91Dのアミノ酸配列を配列表配列番号5、6に示す。
精製した各蛋白質を10mg、50mM Tris−HCl Buffer(pH 7.5)、40mM 塩化マグネシウム、40mM Triton X−100、25mM 2−メルカプトエタノール、1mM 開始基質(ファルネシル二リン酸(FPP)又は製造例2、3で調製したアリル性二リン酸誘導体)、1mM IPP若しくは製造例1で調製した各R−IPPを含む反応液を調整し、37℃のwater bathで1時間反応させた。反応終了後、飽和食塩水100mlと1−ブタノール500mlを加え、攪拌後、静置した。その後、上清(1−ブタノール層)をエバポレーションにより濃縮乾固した。その一部をNMRにより構造を確認し、イソプレンオリゴマーを得た。得られたイソプレンオリゴマーの詳細(式(Z−2−1−1)中のn、m、R)を、表10に示した。なお、式(Z−2−1−1)中のn、mは、使用した開始基質の情報と、TLCによるイソプレン鎖長を基に算出した。また、式(Z−2−1−1)中のRは、NMR、TLC、GC−MSにより構造を同定した。
また、酵素として変異型酵素N77A、開始基質として上記式(B)で表わされる化合物を使用し、モノマーとして、IPP、R−IPP−A、R−IPP−B、R−IPP−C、R−IPP−D、R−IPP−E、R−IPP−F、R−IPP−Gをそれぞれ使用して得られたイソプレンオリゴマーを、それぞれ、イソプレンオリゴマー(tc−control−AB)、イソプレンオリゴマー(tc−A−AB)、イソプレンオリゴマー(tc−B−AB)、イソプレンオリゴマー(tc−C−AB)、イソプレンオリゴマー(tc−D−AB)、イソプレンオリゴマー(tc−E−AB)、イソプレンオリゴマー(tc−F−AB)、イソプレンオリゴマー(tc−G−AB)として以下の実験で使用した。
また、酵素として変異型酵素L91D、開始基質として上記式(B)で表わされる化合物を使用し、モノマーとして、IPP、R−IPP−A、R−IPP−B、R−IPP−C、R−IPP−D、R−IPP−E、R−IPP−F、R−IPP−Gをそれぞれ使用して得られたイソプレンオリゴマーを、それぞれ、イソプレンオリゴマー(tc−control−DB)、イソプレンオリゴマー(tc−A−DB)、イソプレンオリゴマー(tc−B−DB)、イソプレンオリゴマー(tc−C−DB)、イソプレンオリゴマー(tc−D−DB)、イソプレンオリゴマー(tc−E−DB)、イソプレンオリゴマー(tc−F−DB)、イソプレンオリゴマー(tc−G−DB)として以下の実験で使用した。
また、酵素として変異型酵素N77A、開始基質として上記式(C)で表わされる化合物を使用し、モノマーとして、IPP、R−IPP−A、R−IPP−B、R−IPP−C、R−IPP−D、R−IPP−E、R−IPP−F、R−IPP−Gをそれぞれ使用して得られたイソプレンオリゴマーを、それぞれ、イソプレンオリゴマー(tc−control−AC)、イソプレンオリゴマー(tc−A−AC)、イソプレンオリゴマー(tc−B−AC)、イソプレンオリゴマー(tc−C−AC)、イソプレンオリゴマー(tc−D−AC)、イソプレンオリゴマー(tc−E−AC)、イソプレンオリゴマー(tc−F−AC)、イソプレンオリゴマー(tc−G−AC)として以下の実験で使用した。
また、酵素として変異型酵素L91D、開始基質として上記式(C)で表わされる化合物を使用し、モノマーとして、IPP、R−IPP−A、R−IPP−B、R−IPP−C、R−IPP−D、R−IPP−E、R−IPP−F、R−IPP−Gをそれぞれ使用して得られたイソプレンオリゴマーを、それぞれ、イソプレンオリゴマー(tc−control−DC)、イソプレンオリゴマー(tc−A−DC)、イソプレンオリゴマー(tc−B−DC)、イソプレンオリゴマー(tc−C−DC)、イソプレンオリゴマー(tc−D−DC)、イソプレンオリゴマー(tc−E−DC)、イソプレンオリゴマー(tc−F−DC)、イソプレンオリゴマー(tc−G−DC)として以下の実験で使用した。
なお、イソプレンオリゴマー(tc−E−AB)、イソプレンオリゴマー(tc−F−AB)、イソプレンオリゴマー(tc−E−DB)、イソプレンオリゴマー(tc−F−DB)は、イソプレンオリゴマーc、イソプレンオリゴマーf、イソプレンオリゴマーd、イソプレンオリゴマーgとして、以下の実験でゴム組成物に配合した。
IPP若しくは製造例1で調製した各R−IPP、及びファルネシル二リン酸(FPP)若しくは製造例2、3で調製したアリル性二リン酸誘導体を用いて、以下の条件で反応を行い、FPP、IPPを用いた場合に対する各アリル性二リン酸誘導体、各R−IPPを用いた場合の相対活性を、FPP、IPPの場合の活性を100として指数表示した。
精製した各蛋白質を500ng、50mM Tris−HCl Buffer(pH7.5)、40mM 塩化マグネシウム、40mM TritonX−100、25mM 2−メルカプトエタノール、12.5μM FPP若しくは製造例2、3で調製したアリル性二リン酸誘導体、50μM[1−14C]IPP若しくは製造例1で調製した各R−IPP、を含む反応液を調整し、37℃のwater bathで1時間反応させた。反応後、液体シンチレーションの値とTLCを定量することにより、各条件における活性を測定し、FPP、IPPの場合の活性を100として各アリル性二リン酸誘導体、各R−IPPを用いた場合の相対活性を表11に示した。
また、上記(実施例7)(イソプレンオリゴマーの調製)と同様に、イソプレンオリゴマーを精製した。そして、得られたイソプレンオリゴマーの詳細(式(Z−2−1−1)中のn、m、R)を、表11に示した。なお、式(Z−2−1−1)中のn、mは、使用した開始基質の情報と、TLCによるイソプレン鎖長を基に算出した。また、式(Z−2−1−1)中のRは、NMR、TLC、GC−MSにより構造を同定した。
(ポリイソプレンの調製)
次に、アリル性二リン酸誘導体を使用して、上記式(Z−2−1−1)で表されるイソプレン単位がトランス−シス型に結合したイソプレンオリゴマーであって、主鎖部分に加えて、末端部分にも変性が施されたイソプレンオリゴマー(主鎖末端変性イソプレンオリゴマー)を使用して、ポリイソプレンの調製を行った。
ラテックス成分を10μl、50mM Tris−HCl Buffer(pH7.5)、25mM 塩化マグネシウム、40mM 2−メルカプトエタノール、40mM フッ化カリウム、50μM イソプレンオリゴマー、1mM IPP若しくは製造例1で調製した各R−IPPを含む反応液を調整し、30℃のwater bathで3日間反応させた。反応後、GPCにより分子量を測定した。そして、測定した分子量と、使用した開始基質の情報を基に、開始基質であるFPP若しくはアリル性二リン酸誘導体に付加したイソプレン単位数を算出した。結果を表12に示した。
なお、イソプレンオリゴマー(tc−E−AB)、イソプレンオリゴマー(tc−F−AB)、イソプレンオリゴマー(tc−E−DB)、イソプレンオリゴマー(tc−F−DB)、イソプレンオリゴマー(tc−E−AC)、イソプレンオリゴマー(tc−E−DC)を使用して得られたポリイソプレンは、ポリイソプレンE、ポリイソプレンB、ポリイソプレンF、ポリイソプレンC、ポリイソプレンG、ポリイソプレンHとして、以下の実験でゴム組成物に配合した。
NR:TSR20
BR:JSR(株)製のBR01
カーボンブラック:三菱化学(株)製のダイヤブラック(N220)
イソプレンオリゴマーa〜n:上記実施例で得られたイソプレンオリゴマー
ポリイソプレンA〜P:上記実施例で得られたポリイソプレン
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛1号
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
ワックス:大内新興化学工業(株)製のサンノックワックス
硫黄:鶴見化学(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤NS:大内新興化学工業(株)製のノクセラ−NS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)
シリカ:日本シリカ工業(株)製のニップシールAQ(湿式シリカ)
シランカップリング剤:デグッサ社製のSi266(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド)
加硫促進剤DPG:大内新興化学工業(株)製のノクセラーD(N,N−ジフェニルグアニジン)
(株)岩本製作所製の粘弾性スペクトロメーターを用いて、70℃、歪み2%時(初期伸度)の条件でtanδの測定を行ない、基準配合のtanδを100として指数表示した。指数が大きいほど発熱が大きいことを表す。指数が100以下のとき、耐発熱性(低発熱性)は向上したものとみなした。すなわち、指数が小さいほど低発熱性に優れることを示す。
(株)岩本製作所製のランボーン摩耗試験機を用いて、荷重3kg、スリップ率40%および砂量15g/分の条件で5分間摩耗試験を実施した。サンプルの形状は厚さ5mm、直径50mmとし、砥石は、粒度#80のGCタイプ砥粒を使用した。試験結果を、基準配合を100(基準)として指数化した。指数が大きいほど耐摩耗性に優れ、指数が100を超えるとき耐摩耗性は向上したものとみなした。
JIS K6251「加硫ゴムおよび熱可塑性ゴム−引張特性の求め方」に準じて、上記加硫ゴムシートからなる3号ダンベル型試験片を用いて引張試験を実施し、破断強度(TB)(MPa)、破断時伸び(EB)(%)を測定した。破断時伸びが480%未満では、大型タイヤに用いるとゴム欠けが発生しやすく、改良が必要である。また破断強度についても、低下するとタイヤの破壊原因となるため、材料の変更による低下を防ぐ必要がある。
配列番号1:変異型酵素N77A作製用センスプライマー
配列番号2:変異型酵素N77A作製用アンチセンスプライマー
配列番号3:変異型酵素L91D作製用センスプライマー
配列番号4:変異型酵素L91D作製用アンチセンスプライマー
配列番号5:変異型酵素N77Aのアミノ酸配列
配列番号6:変異型酵素L91Dのアミノ酸配列
Claims (8)
- 下記式(Z−1)又は下記式(Z−2)で表されるイソプレンオリゴマーであって、下記式(Z−1)又は下記式(Z−2)中のv部分に含まれる原子又は原子団の少なくとも1つが、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、ケイ素原子、窒素原子含有基、酸素原子含有基、硫黄原子含有基、又はケイ素原子含有基により置換されているイソプレンオリゴマー。
- 前記式(Z−1)又は前記式(Z−2)中のiv部分に含まれる原子又は原子団の少なくとも1つが、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、ケイ素原子、炭素原子、窒素原子含有基、酸素原子含有基、硫黄原子含有基、ケイ素原子含有基、又は炭素原子含有基により置換されている請求項1記載のイソプレンオリゴマー。
- 下記式(ZZ−1)又は下記式(ZZ−2)で表されるポリイソプレンであって、下記式(ZZ−1)又は下記式(ZZ−2)中のv部分に含まれる原子又は原子団の少なくとも1つが、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、ケイ素原子、窒素原子含有基、酸素原子含有基、硫黄原子含有基、又はケイ素原子含有基により置換されているポリイソプレン。
- 前記式(ZZ−1)又は前記式(ZZ−2)中のiv部分に含まれる原子又は原子団の少なくとも1つが、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、ケイ素原子、炭素原子、窒素原子含有基、酸素原子含有基、硫黄原子含有基、ケイ素原子含有基、又は炭素原子含有基により置換されている請求項4記載のポリイソプレン。
- 請求項1又は2に記載のイソプレンオリゴマーと、前記式(Y)で表される化合物及び/又はイソペンテニル二リン酸とから合成するポリイソプレンの製造方法。
- 請求項1又は2に記載のイソプレンオリゴマー及び/又は請求項3〜5のいずれかに記載のポリイソプレンを含むゴム組成物。
- 請求項7記載のゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤ。
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