JP2003238603A - 変性ゴム - Google Patents
変性ゴムInfo
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Abstract
ゴム材料を提供する。 【解決手段】ジエン構造を有するゴムに変性剤を配合し
て得られる変性ゴムが、イソプレンの5%〜40%の割
合でトランス構造を有するものとする。さらに、0.0
1%〜70%の割合で環状構造を有するものとする。
Description
ポリマー骨格の一部をトランス化および環化した変性ゴ
ムに関し、詳しくは高い破断伸びや破断強度を有し、あ
るいは高変形により高いヒステリシスロスを発生する力
学特性に優れた変性ゴムに関する。
や快適性を図る上で、振動並びに振動に起因する騒音の
低減は不可欠であり、近年、これらを低減させる各種の
低減技術が研究され、開発されている。
が挙げられる。制振は振動エネルギーを熱エネルギーに
変換させて振動を低減するものであり、この制振用の材
料としては、高分子系粘弾性材料が一般的に用いられて
いる。
域のエネルギー損失によって制振作用を発揮する。この
場合、この高分子粘弾性材料に求められる特性は、ガラ
ス転移温度(以下、Tgとする)が制振材を使用する温
度範囲と一致し、かつ、この温度範囲でエネルギー損失
の指標となる損失正接(以下、tanδとする)が大き
いことである。また、高分子系粘弾性材料が変形する際
に変形エネルギーを吸収し減衰させる特性(ヒステリシ
スロス)が大きいことも求められる特性である。そし
て、制振材が良好な制振特性を発揮するためには、使用
する温度範囲においてtanδの変化が小さいことも求
められる。このため、近年では高分子粘弾性材料を共重
合させることによってTgを調整し、さらに、ポリマー
ブレンドやIPN法を用いることによってTg領域の拡
大を図ることが広く行われている。また、高分子粘弾性
材料に種々の充填剤を添加して制振特性を高めることも
行われている。
シス種の樹木から採取された樹液を固化したもので、タ
イヤをはじめとする様々な用途に使用される最も汎用性
のある安価なゴム材料である。このような天然ゴムは、
ゴム弾性,強度,低温特性に優れる一方で耐油性,耐薬
品性,耐熱性に劣る特性を持つ。このため、天然ゴムは
優れたエコマテリアルであるにもかかわらずその用途は
限られ、いわゆる高性能,多機能材料として使用するこ
とは困難であった。また、この天然ゴムは高弾性,良低
温特性を持つために上述したような制振材料として使用
することは困難であった。
の関係を示す応力−歪み特性の非線型性が強く、特に高
歪み領域では応力が急激に上昇する傾向を示す、いわゆ
るハードニング現象を生じる。ハードニング現象が生じ
たゴム組成物はゴム弾性や引張り強度等の特性が失われ
る。したがって、天然ゴムを高歪みを必要とするゴム材
料として用いる場合には、ハードニング現象の発生を抑
制する必要があった。
と破断強度との間には、破断伸びが高ければ破断強度は
低く、破断強度が高ければ破断伸びが低いという背反し
た事象があった。しかし、医療用ゴム製品やラテックス
浸漬製品などに要求される耐荷重特性を満足させるには
破断伸びと破断強度とを両立させる必要があった。
慮してなされたもので、制振特性や高い破断伸びおよび
破断強度をもつゴム材料を提供することを目的とする。
明の第1発明の変性ゴムは、基ゴムに変性剤を配合し、
該基ゴムを変性することにより得られる変性ゴムであっ
て、上記変成ゴムを構成するイソプレンを100%とし
た場合その5%〜40%がトランス構造を有することを
特徴とする。
ソプレンの5%〜40%がトランス構造を有する構成と
することで、変性ゴムの破断伸びと破断強度とを高くす
ることが可能になる。
上記変成ゴムを構成するイソプレンを100%とした場
合その0.01%〜70%が環化構造の一部を構成して
いることが好ましい。
の10%〜30%がトランス構造を有することがより好
ましい。
変性剤を配合し、該基ゴムを変性することにより得られ
る変性ゴムであって、上記変成ゴムを構成するイソプレ
ンを100%とした場合その0.01%〜70%が環化
構造の一部を構成していることを特徴とする。
ソプレンの0.01%〜70%が環化構造の一部を構成
していることで、変性ゴムのヒステリシスロスを高くす
ることが可能になる。
前記変成ゴムを構成するイソプレンを100%とした場
合その5%〜40%がトランス構造を有することが好ま
しい。
の30%〜70%が環化構造の一部を構成していること
がより好ましい。
固形物,液状物,及びラテックスから選ばれる少なくと
も1種とすることができる。
NBR,NIR,NBIR,BR,CR,NCR,X−
NBR,X−SBRの固形物,液状物,及びラテックス
から選ばれる少なくとも1種を含むことができる。
物はスルホン酸化合物,スルホキシド,硫酸などのプロ
トン酸化合物、重金属塩化物などのルイス酸化合物から
選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
対して0.1〜20重量部配合されることが好ましい。
て加温することによっておこなうことができる。
であり、かつ破断強度が10MPa以上であることが好
ましい。
%以上であることが好ましい。
が50℃以下であることが好ましい。
ネルギー損失を有することが好ましい。
ムに変性剤を配合し基ゴムを変性することによって得ら
れる変性ゴムである。ここで用いる基ゴムは、イソプレ
ン構造を有するゴムであれば良い。
ゴム,IR,IIR等が挙げられる。またその他、少な
くともシスブタジエンモノマーを含むモノマーから合成
されたSBR,NBR,NIR,NBIR,BR,C
R,NCRなどの合成ゴム、カルボキシル基変成したX
−NBR,X−SBRを基ゴムに加えて用いることもで
きる。そしてこれらのゴムの性状は、固形物,液状物,
及びラテックスのいずれでもよい。
天然素材である。このため、この天然ゴムを原料として
変性ゴムを製造することで、製造にかかるコストを抑え
ることができる。したがって、変性ゴムの原料としては
天然ゴムを用いることがより好ましい。
トン酸化合物、ルイス酸化合物から選ばれる少なくとも
1種であればよい。プロトン酸化合物としてはスルホン
酸化合物,スルホキシド,硫酸を用いることがより好ま
しく、ルイス酸化合物としては重金属塩化物を用いるこ
とがより好ましい。
スルホン酸,エタンスルホン酸などの鎖式スルホン酸
や、ベンゼンスルホン酸,p−トルエンスルホン酸,ナ
フタレンスルホン酸などの芳香族スルホン酸や、ナフト
ールスルホン酸,タウリン,スルファニル酸,ナフチル
アミンスルホン酸,スルホ安息香酸などスルホン酸基の
他に官能基を持つスルホン酸、フルオロスルホン酸,ク
ロロスルホン酸,スルファミン酸などの硫酸誘導体等が
挙げられる。
シド(DMSO),ジエチルスルホキシド,メチル=メ
チルチオメチル=スルホキシド(FAMSO),ジフェ
ニルスルホキシド,ジベンジルスルホキシドなどが挙げ
られる。
酸,ホウ酸,過塩素酸,酢酸,塩酸,などが挙げられ
る。
銅,塩化亜鉛,塩化チタンなどが挙げられる。
を配合することによっておこなうことができる。イソプ
レンを含む基ゴムに、例えば変性剤としてスルホン酸化
合物を配合することで、基ゴムのイソプレン構造の一部
が変性して、イソプレンのトランス構造や環状構造が増
す。また、このとき加温することで変性反応の反応速度
をより速くすることができる。
構造と環化構造とが生成する変性反応は逐次反応である
という知見を得た。すなわち、変性反応の比較的初期の
段階ではイソプレンがトランス化する反応が進行してト
ランス構造が増し、変性反応がさらに進行するとこのト
ランス構造を含むイソプレンが環化する反応が進行する
ことから環化構造が増す。
として加温温度が挙げられる。また、この変性反応の処
理時間が長くなれば変性はより進行する。したがって、
加温温度と処理時間とを適宜選択することによってイソ
プレンのトランス構造や環状構造の割合(以下、トラン
ス率・環化率とする)を制御することができる。このト
ランス率や環化構率は、変性ゴムの用途に応じて好適な
割合とすることができる。すなわち、変性ゴムを医療用
ゴムやラテックス浸漬製品等の、高い破断伸びと破断強
度とを必要とする製品に用いる場合はトランス率が5%
〜40%の割合となるように制御し、変性ゴムを制振材
料として用いる場合は、環化率が0.01%〜70%の
割合となるように制御することで用途に応じて最適な特
性をもつ変性ゴムを得ることが可能になる。さらに、ト
ランス率が5%〜40%の範囲となりかつ環化率が0.
01%〜70%の範囲となるようにトランス率と環化率
とを制御することで、変性ゴムに高い破断伸び,破断強
度のトランス構造由来の特性とヒステリシスロス等の環
化構造由来の特性とをともに付与することもできる。
40%がトランス構造を有する。あるいは、イソプレン
の0.01%〜70%が環状構造の一部を構成する。
率と破断伸びとの関係を表す図を図1に示し、本発明の
変性ゴムのイソプレンの環化率とヒステリシスロスとの
関係を表す図を図2に示す。ここで用いられた変性ゴム
は、基ゴムである天然ゴム100重量部に、変性剤とし
てp−トルエンスルホン酸を種々の割合で配合し、種々
の温度および処理時間で処理することで、変性ゴムのイ
ソプレンを各割合のトランス率または環化率に制御した
ものである。
0%がトランス構造を有する変性ゴムは高い破断伸びを
示し、このうちトランス率が25%の割合のときに破断
伸びの極大値を示す。
レンの環化率が高くなるとヒステリシスロスもまた高く
なる。ここで、イソプレンの環化率が0.01%に満た
ない場合は、充分なヒステリシスロスを得ることができ
ないため、制振材としては好ましくない。
を加硫配合剤と共に配合して加硫条件で処理することに
よって加硫と同時に行うことができる。また、変性反応
をあらかじめ別工程で行った後に加硫を行うことも可能
であり、この場合は、変性ゴムのトランス構造や環化構
造の割合をより好適に制御することができる。変性反応
をあらかじめ別工程でおこなう場合は、変性ゴムに通常
の方法で加硫することができる。
加硫促進剤,加硫促進助剤,加硫遅延剤,老化防止剤,
補強剤,充填剤,軟化剤,可塑剤,粘着性付与剤,潤滑
剤などを適宜添加して行うことができる。
法は通常の硫黄架橋によるものでも良いし、また過酸化
物架橋によるものでも良い。いずれの場合も変性と加硫
とは同じ工程でおこなうこともできるし、また、別工程
でおこなうこともできる。
れている、混練ロール機あるいはニーダ等の機械的練り
機を用いて混練することができる。
量部に対して0.1〜20重量部配合されることが好ま
しい。
制御することが困難になり、所望の割合のトランス構造
や環化構造を持つ変性ゴムを得ることが困難となるため
好ましくない。また、変性剤の量が0.1重量部に満た
ないと所望の割合のトランス構造や環化構造をもつ変性
ゴムが得られない場合がある。
温温度や時間と同様に、変性ゴムの用途によって適宜選
択して使用することができる。
配合するゴム組成物とすることができ、配合後のゴムに
免震,防振,制振,除振性能,その他の力学特性を付与
することができる。
されると想定される温度域である−50℃以下の範囲に
ガラス転移温度(Tg)があることが好ましい。
なエネルギー損失を持つことが好ましい。一般に制振材
は室温付近の温度域である0℃〜40℃で使用されるこ
とが多いことから、この温度域で大きなエネルギー損失
を持つ変性ゴムは制振ゴムとして、または制振ゴム用の
ゴム材料として良好に使用することができる。
や環化構造の割合と物性との関係について具体的に評価
するために、ゴムの変性条件や変性ゴムの加硫条件を変
えた試料1〜11のゴム試料を製作して各種の試験を行
った。以下に、その試験方法と試験結果とについて説明
する。
R−CV60)を用い、変性剤としてはp−トルエンス
ルホン酸を用いた。天然ゴム100重量部にp−トルエ
ンスルホン酸4重量部を配合して機械的にp−トルエン
スルホン酸をゴムに練り込み、次いで0.3mmHgの
減圧下で70℃で3時間加温して変性を行った。
5重量部,CBS2.5重量部,硫黄1重量部,CTP
0.5重量部を加えて140℃で硫黄による加硫を行っ
て試料1のゴム試料を得た。
た以外は試料1と同じ原料および工程で変性と加硫とを
行って試料2のゴム試料を得た。
た以外は試料1と同じ原料および工程で変性と加硫とを
行って試料3のゴム試料を得た。
量を10重量部とした以外は試料2と同じ原料および工
程で変性と加硫とを行って試料4のゴム試料を得た。
トルエンスルホン酸を配合せず変性を行わなかったこと
以外は、試料1と同じ原料および工程で加硫を行って試
料5のゴム試料を得た。
を表1に示し、各ゴム試料のトランス構造の割合と破断
強度および破断伸びの関係を図3に示す。
料の1H−NMRスペクトルによるトランス部由来のメ
チル基のプロトンピークの積分比により算出した。ま
た、破断強度および破断伸びの試験は、加硫後の各ゴム
試料を用いて行った。破断強度および破断伸びの試験は
JIS K6251に準拠して行った。
にある試料2および試料3の変性ゴムは、変性をおこな
っていない試料5のゴム試料や、トランス構造の割合が
5%〜40%の範囲外である試料1および試料4のゴム
試料と比較して高い破断伸びを示した。そして、トラン
ス構造の割合が5%〜40%の範囲にある試料2および
試料3の変性ゴムは破断強度もあまり低下しなかった。
したがって、5%〜40%の範囲でトランス構造の割合
を制御することで破断強度をあまり低下させることなく
所望の破断伸びをもつ変性ゴムを得ることができる。ま
た、図3のグラフより、トランス構造の割合が10%〜
30%の範囲にある変性ゴムは、中でも高い破断強度を
保ちつつ高い破断伸びを示す。したがって、トランス構
造の割合が10%〜30%の範囲にある変性ゴムは耐荷
重特性を要求されるゴム素材としてはより好適に使用す
ることができる。
量を5重量部とし、加温温度を100℃とし、変性の加
温時間を7時間とした以外は実施例1と同じ原料および
工程で変性と加硫とを行って試料6のゴム試料を得た。
たゴム原料に、CBS1.5重量部,硫黄0.6重量
部,CTP0.3重量部を加えて試料5と同じ工程で加
硫を行って試料7のゴム試料を得た。
料の物性を表2に示し、各ゴム試料の応力−歪み曲線を
図4に示す。応力−歪み試験はJIS K6251に準
拠して行い、ヒステリシスロスの試験は25℃,100
%引張り変形時のヒステリシスロスを測定することによ
り行った。また、環化率の試験は加硫前の各ゴム試料の
1H−NMRスペクトルによる二重結合部由来のプロト
ンピークの積分比により算出した。ここで変性ゴムにお
いて、環化が進行するに従って二重結合が減少し環由来
のメチル基およびエチル基が増加する。したがって環化
率の測定は、二重結合部由来のプロトンの積分比から算
出することにより間接的に行うことができる。
して天然ゴムを用いたものであるが、未変性ゴムである
試料7のゴム試料と比較して、応力の上昇がより高歪み
側にシフトしているため、ハードニング現象の発生が抑
制されている。そして、トランス構造の割合が5%〜4
0%の範囲にある試料6のゴム試料は高い破断伸びと破
断強度とを示している。さらに、試料6のゴム試料は環
化構造の割合が0.01〜70%の範囲にあるため、環
化構造をもたない試料7のゴム試料と比較して高いヒス
テリシスロスを示している。このように、変性ゴムを、
5%〜40%のトランス率を有し、かつ0.01〜70
%の環化率を有する構成とすることで、変性ゴムに高い
破断伸びや破断強度とともに高いヒステリシスロス性能
を付与することも可能である。
量を10重量部とし、変性の加温時間を6時間とした以
外は試料1と同じ原料および工程で変性と加硫とを行っ
て試料8のゴム試料を得た。
た以外は試料8と同じ原料および工程で変性と加硫とを
行って試料9のゴム試料を得た。
した以外は試料8と同じ原料および工程で変性と加硫と
を行って試料9のゴム試料を得た。
した以外は試料8と同じ原料および工程で変性と加硫と
を行って試料10のゴム試料を得た。
し、加温時間を3時間とした以外は試料8と同じ原料お
よび工程で変性と加硫とを行って試料11のゴム試料を
得た。
の配合比および物性を表3に示し、各ゴム試料の環化構
造の割合と破断強度,破断伸び,ヒステリシスロスの関
係を図5に示す。また、試料5,試料9および試料11
の各ゴム試料の動的粘弾性−温度グラフを図6に示す。
MRスペクトルによる二重結合部由来のプロトンピーク
の積分比により算出した。Tgおよびtanδは動的粘
弾性測定装置により測定した。
なるにつれてヒステリシスロスは上昇し、破断強度と破
断伸びとは低下する。このうち環化構造の割合が0.0
1〜70%の範囲にある試料8〜試料10のゴム試料
は、高いヒステリシスロスを示し、かつ、破断強度が
8.9MPa〜5.9MPaであり破断伸びが850%
〜430%であるためゴム材料として良好に使用できる
範囲となっている。
とTgとの関係はほぼ比例関係にある。このうち、環化
構造の割合が0.01〜70%の範囲にある試料8〜試
料11のゴム試料においては、制振材が使用されると想
定される、一般的な外気温域の範囲にTgがある。した
がって、使用する温度域に応じて環化構造の割合を制御
することで、Tgを使用温度域と一致させることがで
き、変性ゴムに良好な制振作用を付与することが可能と
なる。
および環化構造の割合が64%の試料11は室温である
20℃におけるtanδが大きくなっているため、室温
付近で大きなエネルギー損失を有する。したがって、通
常用いる制振材としてより良好に使用することができ
る。
た試料5のゴム試料と比較して環化構造の割合が0.0
1〜70%の範囲にある試料9および試料11のゴム試
料は、tanδの変化が小さくなっている。したがっ
て、制振機能の温度依存性がより抑制されることから、
制振材としてより良好に使用することができる。
した以外は試料1と同じ原料および工程で変性を行っ
た。次いで、ジクミルパーオキサイド(40%希釈(v
/v))4重量部を加えて140℃で過酸化物による加
硫を行って試料13のゴム試料を得た。
わなかったゴム材料に試料13と同じ原料および工程で
加硫を行って試料14のゴム試料を得た。
比および物性を表4に示し、各ゴム試料の応力−歪み曲
線を図7に示す。
化物により加硫を行ったものであるが、硫黄により加硫
を行った場合と同様に、未変性ゴムである試料14のゴ
ム試料と比較して、応力の上昇がより高歪み側にシフト
しているため、ハードニング現象の発生が抑制されてい
る。
の割合が5%〜40%の範囲にあり、変性を行っていな
い試料14と比較して高い破断強度と破断伸びとを示
す。また、硫黄による加硫を行った試料3と比較しても
同程度の破断伸びと破断強度とを示す。
ムはトランス構造の割合を5%〜40%の範囲にするこ
とで高い破断伸びと破断強度とを示す。また、環化構造
の割合を0.01%〜70%の範囲にすることで高いヒ
ステリシスロスを示す。
トランス率と環化率とを制御することによって、免震,
防振,制振,除振などの種々の用途に最適なヒステリシ
スロス,破断伸び,破断強度,Tg,tanδ等の特性
をを付与することができ、種々の用途に好適に使用する
ことができる。
破断伸びとの関係を表すグラフである。
テリシスロスとの関係を表すグラフである。
破断強度および破断伸びの関係を示すグラフである。
線を示すグラフである。本発明の実施例2の各ゴム試料
の応力−歪み曲線を示すグラフである。
化構造の割合と破断強度,破断伸び,ヒステリシスロス
の関係を示すグラフである。
動的粘弾性−温度グラフである。
ラフである。
Claims (15)
- 【請求項1】 イソプレンを含む基ゴムに変性剤を配合
し、該基ゴムを変性することにより得られる変性ゴムで
あって、 前記変成ゴムを構成するイソプレンを100%とした場
合その5%〜40%がトランス構造を有することを特徴
とする変性ゴム。 - 【請求項2】 さらに、前記変成ゴムを構成するイソプ
レンを100%とした場合その0.01%〜70%が環
化構造の一部を構成している請求項1に記載の変性ゴ
ム。 - 【請求項3】 イソプレンを含む基ゴムに変性剤を配合
し、該基ゴムを変性することにより得られる変性ゴムで
あって、 前記変成ゴムを構成するイソプレンを100%とした場
合その0.01%〜70%が環化構造の一部を構成して
いることを特徴とする変性ゴム。 - 【請求項4】 さらに、前記変成ゴムを構成するイソプ
レンを100%とした場合その5%〜40%がトランス
構造を有する請求項3に記載の変性ゴム。 - 【請求項5】 前記変性ゴムを構成するイソプレンを1
00%とした場合、その10%〜30%がトランス構造
を有する請求項1に記載の変性ゴム。 - 【請求項6】 前記変成ゴムを構成するイソプレンを1
00%とした場合、その30%〜70%が環化構造の一
部を構成している請求項3に記載の変性ゴム。 - 【請求項7】 前記基ゴムは、天然ゴム,IR,IIR
の固形物,液状物,及びラテックスから選ばれる少なく
とも1種である請求項1から請求項6のいずれかに記載
の変性ゴム。 - 【請求項8】 前記基ゴムは、さらに、SBR,NB
R,NIR,NBIR,BR,CR,NCR,X−NB
R,X−SBRの固形物,液状物,及びラテックスから
選ばれる少なくとも1種を含む請求項7に記載の変性ゴ
ム。 - 【請求項9】 前記変性剤は酸化合物であって、該酸化
合物はスルホン酸化合物,スルホキシド,硫酸などのプ
ロトン酸化合物、重金属塩化物などのルイス酸化合物か
ら選ばれる少なくとも1種である請求項1から請求項6
のいずれかに記載の変性ゴム。 - 【請求項10】 前記変性剤は、前記基ゴム100重量
部に対して0.1〜20重量部配合される請求項1から
請求項6のいずれかに記載の変性ゴム。 - 【請求項11】 前記変性は、前記基ゴムに変性剤を配
合して加温することによってなされる請求項1から請求
項6のいずれかに記載の変性ゴム。 - 【請求項12】 前記変性ゴムは、破断伸びが800%
以上であり、かつ破断強度が10MPa以上である請求
項1または請求項2に記載の変性ゴム。 - 【請求項13】 前記変性ゴムは、ヒステリシスロスが
10%以上である請求項2から請求項4のいずれかに記
載の変性ゴム。 - 【請求項14】 前記変性ゴムは、ガラス転移温度(T
g)が50℃以下である請求項2から請求項4のいずれ
かに記載の変性ゴム。 - 【請求項15】 前記変性ゴムは、0℃〜40℃で大き
なエネルギー損失を有する請求項2から請求項4のいず
れかに記載の変性ゴム。
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