JP6640370B2 - ゴム混合物、ゴム混合物の加硫物、および車両用タイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、ゴム混合物、特には車両用タイヤのためのゴム混合物、そのゴム混合物の加硫物、および車両用タイヤに関する。
車両用タイヤの個々の構成要素のゴム組成物、特にはトレッドの組成物が、それの走行性能の決定に高度に関わっている。
混合物および加硫物の性質は、混合物への広く各種の添加剤の添加、および/または特定のポリマーの使用の影響を受ける。ここで取り上げておくべき添加剤の例としては、以下のものが挙げられる:充填剤(たとえば、カーボンブラック)、可塑剤、硫黄からなる老化安定剤および架橋剤、加硫促進剤、ならびに活性化剤。
加硫系の手段によるポリマー鎖の架橋によって、三次元の広く網状の(wide−mesh)化学的ネットワークが形成され、その結果として、そのゴム混合物が、架橋密度にも依存するが、より硬くなり、そして、たとえば、特には引き裂き伝播抵抗性が高くなった結果として、クラック抵抗性がより向上する。
架橋によって、ネットワークノード(network nodes)と呼ばれているものが生成し、そこでは、通常は、橋かけ、たとえばジエンゴムの硫黄架橋の場合ならば硫黄橋かけによって、複数のポリマー鎖が相互に結合されている。
ネットワークノードは、典型的には、ランダムに分散されているが、その理由は、利用可能な架橋サイト(すなわち、ジエンゴムの二重結合、特に硫黄架橋の場合)が、加硫において生成するネットワークノードの数よりも、はるかに多く存在しているからである。
ランダムに分散していることの結果として、加硫物の基本的な物理的性質は、極めて限定された程度でしか、改良することができない。加硫物を含む車両用タイヤで強くなってきた要請に応える目的で、転がり抵抗性と濡れ時におけるグリップ性との間のトレードオフの関係、および摩耗特性についての特定の性質または予測(predictor)が、関心の的となってきている。
国際公開第2008/076875A1号パンフレットには、a)未架橋のエラストマーポリマー、およびb)式AS−Y−Z(ここで、Yは、C12〜C100のアラルキル、アリール、アルキル、またはジアルキルエーテルと定義され、場合によっては、さらに、置換されていてもよい)のスルフィド系変性剤、からなる組成物が記載されている。国際公開第2008/076875A1号パンフレットに開示されている加硫物は、充填剤としてのシリカの存在下では、転がり抵抗性が低い。
したがって、本発明の目的は、従来技術を発展させて、特には車両用タイヤのための硫黄−架橋可能なゴム混合物を提供することであり、それが特徴としているのは、転がり抵抗性の挙動と濡れ時におけるグリップ特性との間のトレードオフの関係におけるさらなる改良を加えながらも、さらなる性質、特に摩耗特性を同一のレベルに留めるか、むしろ同様にさらに改良している点にある。
この目的は、少なくとも以下の構成成分を含むゴム混合物によって達成される:
− 少なくとも1種の充填剤、および
− 10〜100phrの、少なくとも1種の次の式I):
Figure 0006640370
[式中、
Sは、硫黄原子であり、そして
Pは、少なくとも1種の共役ジエン、および任意選択的に1種または複数のビニル芳香族化合物をアニオン重合させることによって得ることが可能なポリマー鎖であるが、任意選択的に鎖末端を変性されており、
は、独立して、C〜C11−アルキル、C〜C11−アリール、C〜C11−アラルキル、およびC〜C11−ジアルキルエーテル、好ましくはC〜C11−アルキル、より好ましくはC〜C−アルキルから選択され、
は、独立して、H、C〜C11−アルキル、C〜C11−アリール、C〜C11−アラルキル、C〜C11−ジアルキルエーテルおよび−SiR(ここで、R、RおよびRは、独立して、H、C〜C16−アルキル、C〜C16−アリールおよびC〜C16−アラルキルから選択される)から選択され、そしてRは、好ましくは、独立して、Hおよび−SiR(ここで、R、RおよびRは、独立して、H、C〜C16−アルキル、C〜C16−アリール、およびC〜C16−アラルキルから選択される)から選択され、そして
nは、1〜200、好ましくは1〜100、より好ましくは1〜50から選択される整数であるが、
ここで、その−S−R−S−R基は、ポリマー鎖Pの主鎖に結合されている。]のポリマーA。
驚くべきことには、上で定義された少なくとも1種のポリマーAを少なくとも1種の充填剤と組み合わせることによって、摩耗特性は同等または改良されながらも、転がり抵抗性と濡れ時におけるグリップ性との間のトレードオフの関係が改良されるということが見出された。
それと同時に、その他のタイヤの性質は、ほぼ同等の高いレベルに維持されるか、または一段と改良され、特にゴム混合物の引き裂き特性が、ほぼ同等の高いレベルに維持されるか、または一段と改良される。
本発明のさらなる目的は、転がり抵抗性と濡れ時におけるグリップ性との間のトレードオフの関係の点において従来技術に勝る改良を有し、しかもその摩耗特性が、少なくとも同じレベルに留まるか、または同様に改良された、車両用タイヤを提供することである。
その車両用タイヤが、少なくとも一つの構成要素の中に、先に言及したか、または以下において詳しく説明する特徴を有する、少なくとも1種の硫黄−架橋可能なゴム混合物の少なくとも1種の加硫物を含むことで、その目的が達成される。
少なくとも一つの構成要素の中、好ましくは少なくともそのトレッドの中に本発明のゴム混合物を含む車両用タイヤは、改良された、従って低減された、転がり抵抗性を有すると同時に、転がり抵抗性と濡れ時におけるグリップ性との間のトレードオフの関係における改良もされている。
本発明の文脈においては、車両用タイヤとは、産業用および建設現場用車両のためのタイヤ、ならびにトラック、乗用車、および二輪車のタイヤも含めた、車両用空気タイヤおよびソリッドゴムタイヤを意味していると理解されたい。
本発明のゴム混合物はさらに、車両用タイヤのその他の構成要素、特にたとえばサイドウォール、フランジプロファイル(flange profile)、さらにはインナータイヤの構成要素にも適している。本発明のゴム混合物はさらに、たとえばベローズ、コンベア用ベルト、空気バネ、ベルト、伝動ベルトまたはホース、さらには靴底などの、その他の工業的ゴム物品にもまた適している。
以下において、本発明の硫黄−架橋可能なゴム混合物の構成成分について詳しく説明する。それら記載された詳細はすべて、少なくとも一つの構成要素の中に本発明のゴム混合物を含む、本発明の車両用タイヤにも適用することができる。
そのゴム混合物が、10〜100phrの、少なくとも1種の先に示した式I)のポリマーAを含んでいることが、本発明にとっては、必須である。
本発明の文脈においては、「ポリマーA」とは、実施態様も含めた上述の特徴および以下に示す特徴を有する、上述の式I)のポリマーを意味していると理解されたい。
ポリマーAは、次の工程を含むプロセスの手段によって調製される:
(i)少なくとも1種の共役ジエンおよび任意成分の1種または複数のビニル芳香族化合物をアニオン的に重合させて、アニオン性のリビングポリマー鎖を得る工程、
(ii)重合を停止させる工程、および
(iii)そのポリマー鎖を、フリーラジカル開始剤の存在下に、次の式II):
II) HS−R−S−R
[式中、
Sは、硫黄原子であり、
は、独立して、C〜C11−アルキル、C〜C11−アリール、C〜C11−アラルキル、およびC〜C11−ジアルキルエーテル、好ましくはC〜C11−アルキル、より好ましくはC〜C−アルキルから選択され、
そして、Rは、独立して、H、C〜C11−アルキル、C〜C11−アリール、C〜C11−アラルキル、C〜C11−ジアルキルエーテルおよび−SiR(ここで、R、RおよびRは、独立して、H、C〜C16−アルキル、C〜C16−アリールおよびC〜C16−アラルキルから選択される)から選択され、そしてRは、好ましくは、独立して、Hおよび−SiR(ここで、R、RおよびRは、独立して、H、C〜C16−アルキル、C〜C16−アリール、およびC〜C16−アラルキルから選択される)から選択される。]の化合物と反応させる工程。
そのポリマーのポリマー鎖Pは、少なくとも1種の共役ジエンと任意成分の1種または複数のビニル芳香族化合物とを、通常は重合開始剤の存在下にアニオン重合させることによって、得ることができる。重合を停止させた後で、ポリマー鎖Pをフリーラジカル開始剤の存在下に、式II)の化合物と反応させる。その結果、ポリマー鎖の主鎖が、少なくとも1種の式−S−R−S−Rの基で変性される。本発明においては、ポリマー骨格の中を200個までの式−S−R−S−Rの基によって変性されたポリマー鎖を有するポリマーが、ゴム混合物の中で使用される。ポリマーの主鎖の変性とは、ポリマー鎖の、末端の繰り返し単位ではない、繰り返し単位(モノマー単位)の変性を意味しているが、その繰り返し単位は、共役ジエンからもたらされたものである。たとえば、モノマー単位M〜M1000からなるポリマー鎖の主鎖の変性は、モノマー単位M〜M999の1個または複数の変性に相当する。本発明の文脈においては、モノマー単位のMおよび/またはM1000の変性は、ポリマー鎖の主鎖の変性ではなく、ポリマー鎖の末端の変性(鎖末端変性)である。一つの繰り返し単位は、最大で1個の式−S−R−S−Rの基で変性することができる。
したがって、ポリマーAは、鎖に沿って変性されたポリマーである。
そのようなポリマー鎖に沿っての変性は、主鎖変性とも呼ばれている。変性は、たとえばポリブタジエンまたはスチレン−ブタジエンコポリマーの中に存在しているようなビニル性二重結合の上で実施されるのが好ましいが、あるいは、樹立された微細構造(microstructure established)において存在していてもよい。
本発明のゴム混合物においては、ポリマーA(および、存在している各種の他のジエンゴムのポリマー)が、加硫においては、そのポリマー鎖のアクセス可能な二重結合のところで、硫黄−架橋される。この場合においては、側基−S−R−S−Rの中のRに結合された硫黄原子が、R基の脱離が完了したところで、存在している硫黄加硫系に加えて(下記参照)、加硫に割り込んで、局所的なネットワークノードを形成することも可能である。
当業者には明らかなことであろうが、先の式I)のポリマーに関わる仕様(specification)は、硫黄−架橋可能なゴム混合物の構成成分の出発状態に関するものであって、それらの保護基が、(車両用タイヤのための、ゴム混合物の慣用される構成成分との)混合操作および/または加硫の際に脱離して、そしてそれぞれの硫黄原子が化学的に反応する。
含まれるモノマーを調節することによって、これらの(可能な)追加のネットワークノードの構成に影響を与えることもまた可能である。この文脈においては、ビニル性二重結合を有するモノマーの配列が、特に重要な役割を果たすが、その理由は、この場合、変性剤II)が、好ましくは、チオール−エン反応(thiol−ene reaction)によって、それらに加わってくるからである。
本発明のゴム混合物の加硫物が、従来技術の場合と比較すると、転がり抵抗性の指標と濡れ時におけるグリップ性の指標(indicator)との間のトレードオフの関係に改良をもたらすということが見出された。それと同時に、摩耗特性は、同等のレベルに留まるか、または同様にしてさらに改良される。
ポリマー鎖Pの鎖末端は、場合によっては、官能基によって、完全または部分的に変性されていてもよい。鎖末端−変性基は、重合の際に、たとえば官能性重合開始剤の手段によってポリマーの中で生成させるか、および/またはアニオン重合によって調製されたポリマーの鎖末端にそれらを結合させるが、当業者には公知であり、たとえば以下に記載されている:国際公開第2014/040640号パンフレット、国際公開第2014/040639号パンフレット、国際公開第2015/010710号パンフレット、国際公開第2015/086039号パンフレット、および国際公開第2015/055252号パンフレット、ならびに欧州特許出願第15 181 760.8号明細書(参照することにより、この出願を本明細書に組み入れたものとする)。ポリマー鎖Pの、任意の鎖末端変性を、場合によっては、−S−R−S−R基によって実施することもまた可能であるが、その場合には、それらの基は、式I)のパラメーター値nの測定にはカウントしない。
ポリマー鎖Pを調製するのに適した共役ジエンの例としては、たとえば以下のものが挙げられる:1,3−ブタジエン、2−(C〜C−アルキル)−1,3−ブタジエン、特にはイソプレン(2−メチル−1,3−ブタジエン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2,4−ヘキサジエン、1,3−ヘキサジエン、1,3−ヘプタジエン、1,3−オクタジエン、2−メチル−2,4−ペンタジエン、シクロペンタジエン、および1,3−シクロオクタジエン。2種以上の共役ジエンの混合物を使用してもよい。好ましい共役ジエンとしては、1,3−ブタジエンおよびイソプレンが挙げられる。一つの実施態様においては、その共役ジエンが1,3−ブタジエンである。
ポリマー鎖Pを調製するためには、好ましくは、モノマーの全量を規準にして、合計して30重量%〜100重量%の量で少なくとも1種の共役ジエンを使用する。
ポリマー鎖Pを調製するために、任意成分として使用されるビニル芳香族化合物としては、以下のものが挙げられる:モノビニル芳香族化合物、すなわち芳香族基に結合された一つだけのビニル基を有する化合物、ならびに、芳香族基に結合された2個以上のビニル基を有する、ジ−、トリ−などのビニル芳香族化合物。ポリマー鎖Pを調製するために、少なくとも1種のジエンと共に使用することが可能な任意成分としてのビニル芳香族化合物の例としては、以下のものが挙げられる:スチレン、C〜C−アルキル−置換されたスチレン、特には2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、α−メチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレンおよび4−tert−ブチルスチレン、スチルベン、ビニルベンジルジメチルアミン、4−ビニルベンジルジメチルアミノエチルエーテル、N,N−ジメチルアミノエチルスチレン、tert−ブトキシスチレン、ビニルピリジン、ならびにジビニル芳香族化合物、特には1,2−ジビニルベンゼン、1,3−ジビニルベンゼン、および1,4−ジビニルベンゼン。これらの2種以上の混合物を使用してもよい。使用するのに好適なビニル芳香族化合物は、モノビニル芳香族化合物、より好ましくはスチレンである。
それらのビニル芳香族化合物は、モノマーの全量を規準にして、全量で、一般的には70重量%まで、特には5重量%〜70重量%、好ましくは60重量%まで、より好ましくは50重量%までの量で使用してよいが、ただし、ジ−、トリ−およびより高次のビニル芳香族化合物は、モノマーの全量を規準にして、合計して1重量%以下の量で使用する。ポリマー鎖を調製するために使用されるスチレンの比率に関しては、一般的な制限は存在しないものの、スチレンが、モノマーの全量の、典型的には5重量%〜70重量%、好ましくは5重量%〜60重量%、より好ましくは5重量%〜50重量%を占めるようにする。スチレンの量が5重量%未満であると、転がり抵抗性、湿時の滑り抵抗性、および摩耗抵抗性のバランスが悪化し、機械的強度の性質が低下する可能性があるし、それに対して、70重量%を超える量だと、ヒステリシス損が高くなる可能性がある。
ポリマー鎖Pの調製に使用することが可能な、共役ジエンおよびビニル芳香族化合物以外のコモノマーとしては、以下のものが挙げられる:アクリル系モノマーたとえば、アクリロニトリル、アクリレートたとえば、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、およびアクリル酸ブチル、ならびにメタクリレート、たとえば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、およびメタクリル酸ブチル。共役ジエンおよびビニル芳香族化合物以外のモノマーの合計量は、モノマー全部の、好ましくは10重量%以下、より好ましくは5重量%以下である。特に好ましい実施態様においては、共役ジエンと、場合によってはビニル芳香族化合物以外の他のコモノマーを使用しない。
特に好ましい実施態様においては、共役ジエンとしての1,3−ブタジエンとビニル芳香族化合物としてのスチレンとをランダム共重合させることによってそのポリマー鎖Pを得ることができるが、スチレンを5重量%〜70重量%の量で使用するのが好ましい。
ポリマー鎖Pは、ランダムコポリマーまたはブロックコポリマーであってよい。ポリマー鎖Pはさらに、それぞれがランダムなスチレン分布を有する、各種の微細構造のポリマーセクションを有していてもよい。
繰り返しスチレン単位の40重量%以上が、ポリマー鎖の中に個別に組み込まれ、10重量%以下のものが、8個以上が連続して組み込まれたスチレン単位の「ブロック」であるのが、好ましい。これらの範囲から外れたポリマーでは、ヒステリシス損が高くなる可能性がある。繰り返しスチレン単位を含めて、連続して組み込まれたビニル芳香族単位の長さは、Tanakaらによって開発されたオゾン分解ゲル浸透クロマトグラフィー法によって測定することができる(Polymer,vol.,22,1721〜1723(1981))。
ポリマー鎖Pを得るための、少なくとも1種の共役ジエンと任意成分の1種または複数のビニル芳香族化合物との重合は、通常、1種または複数の重合開始剤の存在下に実施される。適切な重合開始剤としては、有機金属化合物、特には以下のものが挙げられる:オルガノリチウム化合物、たとえばエチルリチウム、プロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、フェニルリチウム、ヘキシルリチウム、1,4−ジリチオ−n−ブタン、1,3−ジ(2−リチオ−2−ヘキシル)ベンゼン、および1,3−ジ(2−リチオ−2−ヘキシル)ベンゼンおよび1,3−ジ(2−リチオ−2−プロピル)ベンゼン。これらの中では、n−ブチルリチウムおよびsec−ブチルリチウムが好ましい。重合開始剤の量は、重合させるモノマーの量およびポリマー鎖Pの目標分子量に基づいて選択する。重合開始剤の合計量は、100gのモノマー(重合性モノマーの合計)あたり、典型的には0.05〜20mmol、好ましくは0.1〜10mmolである。
共役ジエン成分の微細構造、すなわちポリマー鎖Pの中に存在するビニル結合の含量、または各種のビニル芳香族化合物の組成分布を調節する目的で、モノマー混合物または重合反応に対して、極性の配位化合物(coordinator compound)を添加することもまた可能である。2種以上の極性の配位化合物を同時に使用することもできる。極性の配位化合物は、一般的にはルイス塩基であり、好適なルイス塩基の例としては、以下のものが挙げられる:エーテル化合物、たとえばジエチルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル、C〜C−アルキルテトラヒドロフリルエーテル(メチルテトラヒドロフリルエーテル、エチルテトラヒドロフリルエーテル、プロピルテトラヒドロフリルエーテル、ブチルテトラヒドロフリルエーテル、ヘキシルテトラヒドロフリルエーテルおよびオクチルテトラヒドロフリルエーテルを含む)、テトラヒドロフラン、2,2−(ビステトラヒドロフルフリル)プロパン、ビステトラヒドロフルフリルホルマール、テトラヒドロフルフリルアルコールのメチルエーテル、テトラヒドロフルフリルアルコールのエチルエーテル、テトラヒドロフルフリルアルコールのブチルエーテル、α−メトキシテトラヒドロフラン、ジメトキシベンゼンおよびジメトキシエタン、ならびに三級アミンたとえば、トリエチルアミン、ピリジン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、ジピペリジノエタン、N,N−ジエチルエタノールアミンのメチルエーテル、N,N−ジエチルエタノールアミンのエチルエーテル、N,N−ジエチルエタノールアミン、ならびにジメチル−N,N−テトラヒドロフルフリルアミン。好適な極性の配位化合物の例は、国際公開第2009/148932号パンフレットに記載されている(参照することにより、この出願を本明細書に組み入れたものとする)。
極性の配位化合物は、典型的には0.012:1から10:1まで、好ましくは0.1:1から8:1まで、より好ましくは0.25:1から約6:1までの、極性の配位化合物対重合開始剤化合物のモル比で添加する。
ポリマー鎖を調製するために使用される重合方法は、溶液重合の形態(この場合は、生成したポリマーがその反応混合物の中に、実質的に可溶性である)か、または懸濁/三相(スラリー)重合の形態(この場合は、生成したポリマーがその反応混合物の中に、実質的に不溶性である)で実施するのが好ましい。ポリマー鎖Pが、溶液重合で得られるのが好ましい。使用される溶媒は、慣用的には、重合開始剤、配位化合物、または活性なポリマー鎖を不活性化させることがない、炭化水素である。2種以上の溶媒を組み合わせて使用してもよい。溶媒の例としては、脂肪族溶媒および芳香族溶媒が挙げられる。具体例は、以下のものである(すべての構造異性体を含む):プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ブテン、プロペン、ペンテン、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、およびキシレン。溶液重合は、典型的には、10MPa以下の圧力(絶対圧)、好ましくは0〜120℃の温度範囲内で実施される。その重合は、バッチ式、連続式、あるいは半連続式で実施することができる。
式I)のエラストマー性ポリマーにおいて、Rは、独立して、C〜C11−アルキル、C〜C11−アリール、C〜C11−アラルキルおよびC〜C11−ジアルキルエーテル、好ましくはC〜C11−アルキル、より好ましくはC〜C−アルキルから選択される。選択されたRの例は、エチリデン[−(CH−]、プロピリデン[−(CH−]、およびヘキシリデン[−(CH−]である。
は、独立して、H、C〜C11−アルキル、C〜C11−アリール、C〜C11−アラルキル、C〜C11−ジアルキルエーテル、および−SiR(ここで、R、R、およびRは、独立して、H、C〜C16−アルキル、C〜C16−アリール、およびC〜C16−アラルキルから選択される)から選択される。Rは、好ましくは、独立して、Hおよび−SiR(ここで、R、RおよびRは、独立して、H、C〜C16−アルキル、C〜C16−アリール、およびC〜C16−アラルキルから選択される)から選択される。選択されたRの例としては、以下のものが挙げられる:−SiMe、−SiEt、−SiPr、−SiBu、−SiMeEt、−SiMePr、−SiMeBu、−SiMe(C13)、および−SiMe(C17)(ここで、Prは、n−プロピルまたはi−プロピルであり、Buは、n−ブチル、t−ブチルまたはi−ブチルである)。
式I)および式II)における−S−R−S−Rサブストラクチャーの選択された例としては、以下のものが挙げられる:−S−(CH−S−SiMe、−S−(CH−S−SiMeEt、−S−(CH−S−SiMePr、−S−(CH−S−SiMeBu、−S−(CH−S−SiEt、−S−(CH−S−SiMe、−S−(CH−S−SiMeEt、−S−(CH−S−SiMePr、−S−(CH−S−SiMeBu、−S−(CH−S−SiEt、−S−(CH−S−SiMe、−S−(CH−S−SiMeEt、−S−(CH−S−SiMePr、−S−(CH−S−SiMeBu、および−S−(CH−S−SiEt
nは、1〜200、好ましくは1〜100、より好ましくは1〜50から選択される整数である。
プロセスの工程(i)は、上述のポリマー鎖Pの調製に相当するので、詳細および条件および好ましい実施態様については、上述のポリマー鎖Pの調製を参照されたい。
工程(i)のアニオン重合、およびそれによって得られたアニオン性リビングポリマー鎖を、工程(ii)において、停止反応させる。この重合停止反応または連鎖停止反応は、プロトン源または官能性反応剤の手段によって、慣用される公知の方法で実施することができる。連鎖停止反応のための反応剤には、アニオン性ポリマー鎖の末端と反応して、プロトン化させることが可能な少なくとも1個の活性水素原子が含まれる。単一の連鎖停止剤か、または2種以上を組み合わせたものを使用してもよい。好適な連鎖停止剤としては、以下のものが挙げられる:水(水蒸気)、アルコール、アミン、メルカプタン、および有機酸、好ましくはアルコール、より好ましくはC〜Cアルコール、好ましくはメタノールおよびエタノール、より好ましくはメタノール。鎖末端でポリマー鎖を変性させるために、連鎖停止剤に代えるか、またはそれと共に、鎖末端を変性させる1種または複数の化合物を使用することもまた可能である。それに相当する化合物は、従来技術からも当業者には公知であり、例としては、すでに先にも引用した、以下の文献の開示を参照されたい:国際公開第2014/040640号パンフレット、国際公開第2014/040639号パンフレット、国際公開第2015/086039号パンフレット、および国際公開第2015/055252号パンフレット。
工程(ii)における連鎖停止反応の後で、そのようにして得られた、鎖末端を不活性化されたポリマーを、フリーラジカル開始剤の存在下に、式II)の化合物と反応させる。その反応によって、ポリマー鎖の主鎖の変性がもたらされ、その結果、式I)のエラストマー性ポリマーとなる。工程(iii)における変性は、典型的には工程(ii)の後に、直接実施される。しかしながら、場合によっては、工程(ii)の後に、その溶媒除去したり、および/または交換したりしてから、工程(iii)における変性を実施することも可能である。
工程(iii)において添加される式II)の化合物の量は、ポリマー鎖Pの長さと、式I)において所望される指数nとに依存する。その量は、全部のモノマーを合計した量を規準にして、典型的には0.01重量%〜10重量%、好ましくは0.025重量%〜7.5重量%、より好ましくは0.05重量%〜5重量%である。
フリーラジカル開始剤は、使用される式II)の化合物の量を規準にして、典型的には1〜25mol%、好ましくは2〜20mol%の量で添加される。工程(iii)における反応は、一般的には50〜180℃、好ましくは60〜150℃の温度で実施される。
工程(iii)において使用されるフリーラジカル開始剤は、たとえばペルオキシド、アゾ重合開始剤、および光重合開始剤が選択すればよく、そして2種以上フリーラジカル開始剤を組み合わせて使用してもよい。フリーラジカル開始剤としては、ペルオキシドたとえば、ラウロイルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、tert−ブチルペルオキシド、または1,1−ジ(tert−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンを使用するのが好ましい。アゾ重合開始剤の一例が、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)である。
工程(iii)で得られた反応混合物を、典型的には、慣用される方法で処理すると、ポリマーAが得られる。「処理(workup)」とは、蒸留または真空蒸発による溶媒の除去を意味している。この文脈においては、さらなるポリマーおよび通常の構成成分または重合プロセスの間に生成したポリマー組成物の一部として、目的の重合反応の副反応生成物が、ポリマーAの一部として存在している可能性があるが、それらは、本発明の式I)のエラストマー性ポリマーを構成するものではない。
したがって、「10〜100phrのポリマーA」(または、好ましい実施態様)という記述は、存在しているポリマーAと、通常の不純物として存在しており、(i)ポリマー鎖Pを得るための重合の結果として得られるか、または重合の際に添加された成分、および(ii)重合物から溶媒を除去した後に残っている成分、から選択される成分とを含めた合計量に関連している。
本発明の有利な実施態様においては、そのゴム混合物には、100phrのポリマーAが含まれる、すなわち、いかなる他のゴムも含まれず、そして、すべての重量の数字は、100重量%のポリマーAを規準にしたものである(不純物が存在している可能性という上述の例外も含む)。
本発明のさらに有利な実施態様においては、そのゴム混合物には、10〜90phr、より好ましくは40〜90phrのポリマーAが、10〜90phr、より好ましくは10〜60phrの少なくとも1種のさらなるゴムとの組合せで、含まれている。
その少なくとも1種のさらなるゴムは、好ましくは以下のものからなる群より選択される:天然ポリイソプレンおよび/または合成ポリイソプレンおよび/またはブタジエンゴムおよび/または溶液重合したスチレン−ブタジエンゴムおよび/または乳化重合したスチレン−ブタジエンゴムおよび/または液状ゴム(20,000g/molより大のGPCによる分子量Mwを有している)および/またはハロブチルゴムおよび/またはポリノルボルネンおよび/またはイソプレン−イソブチレンコポリマーおよび/またはエチレン−プロピレン−ジエンゴムおよび/またはニトリルゴムおよび/またはクロロプレンゴムおよび/またはアクリレートゴムおよび/またはフルオロゴムおよび/またはシリコーンゴムおよび/またはポリスルフィドゴムおよび/またはエピクロロヒドリンゴムおよび/またはスチレン−イソプレン−ブタジエンターポリマーおよび/または水素化アクリロニトリル−ブタジエンゴムおよび/またはイソプレン−ブタジエンコポリマーおよび/または水素化スチレン−ブタジエンゴム。
ニトリルゴム、水素化アクリロニトリル−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、ハロブチルゴム、またはエチレン−プロピレン−ジエンゴムは、特に工業的ゴム物品たとえば、ベルト、伝動ベルトおよびホース、および/または靴底の製造で使用されている。
さらなるゴムは、好ましくは少なくとも1種のさらなるジエンゴムである。存在させるポリマーAも同様に、ジエンゴムである。
ジエンゴムとは、ジエンおよび/またはシクロアルケンを重合または共重合させることによって得られ、そのために、主鎖または側基のいずれかにC=C二重結合を有しているゴムを指している。
少なくとも1種のさらなるジエンゴムは、好ましくは、以下のものからなる群より選択される:合成ポリイソプレン(IR)および天然ポリイソプレン(NR)、ならびにスチレン−ブタジエンゴム(SBR)およびポリブタジエン(BR)。
すべての実施態様における天然および/または合成のポリイソプレンは、cis−1,4−ポリイソプレンまたは3,4−ポリイソプレンのいずれかである。しかしながら、90重量%を超えるcis−1,4含量を有するcis−1,4−ポリイソプレンを使用するのが好ましい。第一には、Ziegle−Natta触媒を用いて溶液中で立体特異性重合させるか、または微粉砕したアルキルリチウムを使用することによって、そのようなポリイソプレンを得ることが可能である。第二には、天然ゴム(NR)がそのようなcis−1,4−ポリイソプレンの一つであり、天然ゴム中のcis−1,4含量は、99重量%よりも高い。
それらに加えて、1種または複数の天然ポリイソプレンと1種または複数の合成ポリイソプレンとの混合物もまた考えられる。
本発明のゴム混合物に、存在しているポリマーA)に加えて、さらなるジエンゴムとして、少なくとも1種のブタジエンゴム(=BR、ポリブタジエン)を含んでいるのなら、対象となっているゴムのタイプには、当業者公知のあらゆるタイプのものが含まれ得る。これらには、いわゆる高−cisタイプと低−cisタイプとが含まれるが、90重量%以上のcis含量を有するポリブタジエンが高−cisタイプと呼ばれ、90重量%未満のcis含量を有するポリブタジエンが低−cisタイプと呼ばれている。低−cisポリブタジエンの一例が、20重量%〜50重量%のcis含量を有する、Li−BR(リチウム触媒によるブタジエンゴム)である。高−cisBRでは、特に、ゴム混合物の良好な摩耗性能および低いヒステリシスが達成される。
使用される1種または複数のポリブタジエンは、変性剤(modifications)および官能化剤(functionalizations)を用いて末端基変性されているか、および/またはポリマー鎖に沿って官能化されていてよい。その変性は、ヒドロキシル基および/またはエトキシ基および/またはエポキシ基および/またはシロキサン基および/またはアミノ基および/またはアミノシロキサンおよび/またはカルボキシル基および/またはフタロシアニン基および/またはシラン−スルフィド基を含む変性であってよい。しかしながら、官能化剤としても知られる、当業者には公知のさらなる変性剤もまた好適である。金属原子が、そのような官能化剤の構成成分であってもよい。
少なくとも1種のスチレン−ブタジエンゴム(スチレン−ブタジエンコポリマー)が、ゴム混合物の中に、ポリマーAに加えて、さらなるジエンゴムとして存在している場合においては、それが、溶液重合したスチレン−ブタジエンゴム(SSBR)または乳化重合したスチレン−ブタジエンゴム(ESBR)のいずれであってもよく、そして、少なくとも1種のSSBRと少なくとも1種のESBRとの混合物を使用することもまた可能である。「スチレン−ブタジエンゴム」と「スチレン−ブタジエンコポリマー」の用語は、本発明の文脈においては、同義語として使用されている。使用されるスチレン−ブタジエンコポリマーは、先にポリブタジエンのところで引用した変性剤および官能化剤を用いて、末端基変性されるか、および/またはポリマー鎖に沿って官能化されていてもよい。
本出願の文脈においては、さらなるジエンゴムの群からのスチレン−ブタジエンゴム(スチレン−ブタジエンコポリマー)は、従来技術で公知のスチレン−ブタジエンゴムである。
本発明にとって本質的に重要なことは、そのゴム混合物が、少なくとも1種の充填剤を含んでいるということである。そのゴム混合物が、20〜300phrの少なくとも1種の充填剤を含んでいるのが好ましい。
後者は、ゴム工業において考えられるいかなる充填剤であってもよく、たとえば、カーボンブラックおよび/またはシリカ、またはその他の充填剤、たとえばアルミノシリケート、カオリン、チョーク、デンプン、酸化マグネシウム、二酸化チタン、またはゴムゲル、ならびに繊維(たとえば、アラミド繊維、ガラス繊維、炭素繊維、セルロース繊維)などである。
さらなる、任意成分の補強用フィラーは、たとえば、カーボンナノチューブ((CNT)、ディスクリート(discrete)CNT、中空炭素繊維(HCF)と呼ばれているもの、および1種または複数の官能基たとえば、ヒドロキシル基、カルボキシル基、およびカルボニル基を含む変性CNTを含む)、グラファイトおよびグラフェン、ならびにいわゆる「炭素−シリカ二相充填剤(dual−phase filler)」などである。
本発明の文脈においては、酸化亜鉛は、充填剤の群には属さない。
その充填剤は、好ましくは、少なくとも1種のシリカおよび/または少なくとも1種のカーボンブラックである。
カーボンブラックとしては、当技術分野に詳しい人なら知っている、すべてのタイプのカーボンブラックが可能である。
一つの実施態様においては、そのカーボンブラックが、30g/kg〜250g/kgの間、好ましくは30〜180g/kg、より好ましくは40〜180g/kg、最も好ましくは40〜130g/kgのASTM D 1510に従ったヨウ素価(iodine number)(ヨウ素吸着量(iodine adsorption number)とも呼ばれる)と、30〜200mL/100g、好ましくは70〜200mL/100g、より好ましくは90〜200mL/100gの、ASTM D 2414に従ったDBP価(DBP number)を有している。
ASTM D 2414に従ったDBP価は、フタル酸ジブチルの手段による、カーボンブラックまたは淡色の充填剤の比吸収体積(specific absorption volume)を規定する。
ゴム混合物、特に車両用タイヤにおいてそのようなタイプのカーボンブラックを使用することによって、摩耗抵抗性と蓄熱(heat buildup)との間で最善の折り合いを付けることが可能となり、その結果、エコロジー的に関連のある転がり抵抗性にも好影響が出る。この場合、それぞれのゴム混合物においてただ一つのタイプのカーボンブラックを使用することが好ましいが、ゴム混合物の中に、各種のタイプのカーボンブラックを混ぜ込むこともまた可能である。存在させるカーボンブラックを合計した量は、最大で300phrに相当する。
シリカは、タイヤゴム混合物のための充填剤として好適な、当業者には公知の各種のタイプのシリカであってよい。しかしながら、35〜400m/g、好ましくは35〜350m/g、より好ましくは100〜320m/g、最も好ましくは120〜235m/gの窒素表面積(BET表面積)(DIN ISO 9277およびDIN 66132による)、および30〜400m/g、好ましくは50〜330m/g、より好ましくは100〜300m/g、最も好ましくは110〜230m/gのCTAB表面積(ASTM D 3765による)を有する、微粉砕された、沈降シリカを使用するのが特に好ましい。そのようなシリカは、たとえばタイヤトレッドのためのゴム混合物において、特に良好な加硫物の物理的性質を与える。それに加えて、同一の製品性能を維持しながらも、混合時間が短くなったことの結果として、混合物の加工においても、メリットを得ることが可能となり、それによって、生産性の改良がもたらされる。使用されるシリカは、従って、たとえば、Evonik製のUltrasil(登録商標)VN3タイプ(商品名)、またはHDシリカとして知られる高分散性シリカ(たとえば、Solvay製のZeosil(登録商標)1165MP)のいずれかであってよい。
その充填剤が、少なくとも1種のシリカであれば、より好ましい。
本発明の好ましい実施態様においては、そのゴム混合物には、充填剤として少なくとも1種のシリカを含んでおり、ここで、上述の特徴を有する1種または複数の異なったシリカが考えられるが、存在させるシリカの合計量は、300phr以下である。
この実施態様においては、本発明のゴム混合物には、20〜300phr、好ましくは20〜250phr、より好ましくは20〜150phr、最も好ましくは80〜110phrの少なくとも1種のシリカが含まれる。
本発明のこの実施態様の有利な展開においては、そのゴム混合物には、1種または複数のシリカ以外のいかなるさらなる充填剤も含まれない。
本発明のこの実施態様のさらに有利な展開においては、そのゴム混合物には、1種または複数のシリカとは別に、さらなる充填剤としての、少なくとも1種のカーボンブラックがもっぱら含まれている。その場合のカーボンブラックの量は、0.1〜20phr、好ましくは0.1〜10phrであるが、ただし、カーボンブラックとシリカとを合計した量が、300phr以下である。
本発明の好ましい実施態様においては、そのゴム混合物に、充填剤としての少なくとも1種のカーボンブラックが含まれるが、ここでは、上述の特徴を有する、1種または複数の異なったカーボンブラック(カーボンブラックのタイプ)が考えられる。
この実施態様においては、本発明のゴム混合物には、20〜300phr、好ましくは20〜150phr、より好ましくは40〜150phr、最も好ましくは40〜100phrの、少なくとも1種のカーボンブラックが含まれる。
加工性を改良し、そして存在しているシリカおよび各種その他の極性充填剤とジエンゴムに結合させるために、ゴム混合物の中でシランカップリング剤を使用してもよい。この場合、1種または複数の異なったシランカップリング剤を、相互に組み合わせて使用することも可能である。そのようにすると、そのゴム混合物は、異なったシランの混合物を含むことができる。
それらのシランカップリング剤は、ゴムの混合の間、またはゴム混合物の混合の途中(インサイチュー)、またはその充填剤をゴムに添加するより前であっても予備処理(予備変性)の形で、シリカの表面のシラノール基または、その他の極性基と反応する。使用するシランカップリング剤は、ゴム混合物において使用するための、当業者には公知のいかなるシランカップリング剤であってもよい。従来技術から公知のそのようなカップリング剤は、ケイ素原子の上に脱離基としての少なくとも1個のアルコキシ、シクロアルコキシ、またはフェノキシ基を有し、そして、他の官能基として、場合によっては、解離した後に、ポリマーの二重結合と化学反応することが可能な基を有する、二官能性オルガノシランである。後者の基は、たとえば次の化学基であってよい:−SCN、−SH、−NH、または−S−(x=2〜8)。
たとえば、使用されるシランカップリング剤は、以下のものであってよい:3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−チオシアナトプロピルトリメトキシシラン、または2〜8個の硫黄原子を有する3,3’−ビス(トリエトキシシリルプロピル)ポリスルフィド、たとえば、3,3’−ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(TESPT)、それらに相当するジスルフィド(TESPD)、またはそうでなければ、1〜8個の硫黄原子を有するスルフィドと、各種の割合の各種のスルフィドとの混合物。TESPTは、たとえば工業用カーボンブラック(商品名X50S(登録商標)、Evonik製)との混合物として添加することもまた可能である。
40重量%〜100重量%のジスルフィド、より好ましくは55重量%〜85重量%のジスルフィド、最も好ましくは60重量%〜80重量%のジスルフィドを含む、シランの混合物を使用するのが好ましい。
たとえば国際公開第99/09036号パンフレットからも公知の、ブロックされているメルカプトシランもまた、シランカップリング剤として使用することができる。国際公開第2008/083241A1号パンフレット、国際公開第2008/083242A1号パンフレット、国際公開第2008/083243A1号パンフレット、および国際公開第2008/083244A1号パンフレットに記載されているようなシランを使用することもまた可能である。たとえば、Momentive(USA)からNXTの名称で多くのタイプが市販されているシラン、またはEvonik IndustriesからVP Si 363(登録商標)の名称で市販されているものを使用することも可能である。
本発明の好ましい実施態様においては、そのゴム混合物に、シランとして、2〜8個の硫黄原子を有する3,3’−ビス(トリエトキシシリルプロピル)ポリスルフィド、好ましくは70重量%〜80重量%の3,3’−ビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィドを含む混合物が含まれる。
本発明のさらなる好ましい実施態様においては、そのゴム混合物に、少なくとも1種の、ブロックされているか、および/またはブロックされていないメルカプトシランが含まれる。
「ブロックされていないメルカプトシラン」が意味しているのは、−S−H基、すなわち硫黄原子の上に水素原子を有しているシランである。「ブロックされているメルカプトシラン」が意味しているのは、S−PG基を有しているシランであって、ここでPGは、硫黄原子の上の保護基の略称である。好ましい保護基は、以下においても説明するが、アシル基である。
「ブロックされているか、および/またはブロックされていない、メルカプトシラン」という表現は、本発明のゴム混合物が、ブロックされているシラン、またはブロックされていないシラン、またはブロックされているシランとブロックされていないシランとの混合物を含んでいてよい、ということを意味している。
当業者には明らかなことであるが、この説明は、硫黄−架橋可能なゴム混合物の構成成分の初期の状態に関するものであり、そして、その保護基が、混合プロセスの間および/または加硫の間に脱離されて、それぞれの硫黄原子が化学反応する。
そのブロックされているか、および/またはブロックされていない、メルカプトシランは、好ましくは、次の一般的な実験式X):
X) (RSi−Z−S−R
[式中、分子の中のR基は、同一であっても、異なっていてもよく、1〜10個の炭素原子を有するアルコキシ基および/または−O−((CH−O−)の形(z=2〜9、x=2〜9)のアルキルポリエーテル基であるが、ここでその分子内のR基は、同一であっても、異なっていてもよく、そして10〜25個の炭素原子を有するアルキル基であり、そして
は、1〜20個の炭素原子を有するアシル基であるか、または水素原子(H)であり、そして
Zは、1〜10個の炭素原子を有するアルキル基であり、
Sは、硫黄原子、Siはケイ素原子、そしてOは酸素原子の略称である。]を有している。
本発明の好ましい実施態様は、少なくとも1種のブロックされているメルカプトシランに関する。本発明のこの実施態様の好ましい展開においては、本発明のゴム混合物には、ブロックされていないメルカプトシランを一切含まない、すなわち、0phfである、すなわち、この実施態様においては、ブロックされていないメルカプトシランが存在しない。
ブロックされているメルカプトシランは、硫黄原子の上に保護基(本発明の場合においては式I)の中のR基)を担持していて、「保護されたメルカプトシラン」とも呼ばれている。
ブロックされているメルカプトシランの好ましい実施態様においては、R基はすべてアルコキシ基である。より好ましくは、R基の少なくとも1個は、エトキシ基である。最も好ましくは、3個のR基のそれぞれが、エトキシ基(略して、OEt)である。
本発明の一つの好ましい実施態様においては、ブロックされているメルカプトシランが、3−オクタノイルチオ−1−プロピルトリエトキシシランであるが、これが意味しているのは、上に挙げた式I)において、Rがエトキシ(OEt)であり、そしてZがプロピル基であり、Rがオクタノイル基である。
驚くべきことには、上述のポリマーAと、ブロックされているメルカプトシラン、特には3−オクタノイルチオ−1−プロピルトリエトキシシランとを組み合わせることによって、転がり抵抗性の指標において、特に良好な改良が得られる。
カップリング剤の量は、好ましくは0.1〜20phf、より好ましくは1〜15phfである。
この明細書で使用されるphf(重量で、充填剤100部あたりの部数)という表現は、ゴム工業において、充填剤に対するカップリング剤の量として、慣用されている単位である。本出願の文脈においては、phfは、存在しているシリカに関しているが、それは、存在している各種その他の充填剤たとえばカーボンブラックなどは、シランの量の計算には含まれないということを意味している。
それに加えて、そのゴム混合物には、充填剤、特にカーボンブラックを結合させるための、さらなる活性化剤および/または反応剤が含まれていてもよい。後者は、たとえば欧州特許出願公開第2589619A1号明細書に開示されているような化合物のS−(3−アミノプロピル)チオ硫酸および/またはそれらの金属塩であってもよいが、それは、特には充填剤としての少なくとも1種のカーボンブラックと組み合わさって、ゴム混合物に極めて良好な物理的性質を与える。
上述のシランおよび活性剤は、ゴム混合物の製造の際に、好ましくは少なくとも1回のマスターバッチ混合ステージにおいて添加される。
本発明のゴム混合物には、0〜150phrの少なくとも1種の可塑剤が含まれていてもよい。好ましい実施態様においては、本発明のゴム混合物には、少なくとも1種の可塑剤が含まれるが、可塑剤の合計量は、好ましくは、0.1〜150phrである。上述の構成成分の組合せの場合は特に、その結果として、ゴム混合物、特に架橋前の押出し物に特に良好な加工性を与えると同時に、良好な転がり抵抗性の指標および良好な(すなわち、低い)蓄熱性を与える。
本発明の好ましい実施態様においては、そのゴム混合物、より特にはそしてたとえば、インナータイヤの構成要素には、1〜25phrの少なくとも1種の可塑剤が含まれる。
本発明のさらなる好ましい実施態様においては、より特にはそしてたとえば、トレッド、好ましくは冬用タイヤのための、ゴム混合物には、30〜80phrの少なくとも1種の可塑剤が含まれる。
本発明の文脈において使用される可塑剤には、当業者には公知のすべての可塑剤が含まれるが、それらの例としては、たとえば以下のものが挙げられる:芳香族系、ナフテン系またはパラフィン系の鉱油性可塑剤、たとえばMES(mild extraction solvate)もしくはRAE(residual aromatic extract)もしくはTDAE(treated distillate aromatic extract)、またはrubber−to−liquidオイル(RTL)もしくはbiomass−to−liquidオイル(BTL)、好ましくはIP 346に従って測定して3重量%未満の多環式芳香族化合物を有するもの、またはナタネ油、またはファクチス、または可塑剤樹脂、または500〜20,000g/molの間の平均分子量(BS ISO 11344:2004に従ってGPC=ゲル浸透クロマトグラフィーにより測定)を有する液状ポリマー。本発明のゴム混合物において、可塑剤として追加の液状ポリマーを使用するのなら、それらは、ポリマーマトリックスの組成の計算においてゴムとしてはカウントしない。
可塑剤は、上述の可塑剤からなる群より選択するのが好ましい。
可塑剤オイルとしては、鉱油が特に好ましい。
鉱油を使用する場合には、以下のものからなる群より選択するのが好ましい:DAE(distilled aromatic extracts)および/またはRAE(residual aromatic extracts)および/またはTDAE(treated distilled aromatic extracts)および/またはMES(mild extracted solvents)および/またはナフテン系オイル。
可塑剤は、本発明のゴム混合物の製造において、少なくとも1回のマスターバッチ−混合ステージで添加するのが好ましい。
さらには、本発明のゴム混合物には、標準的な添加剤を、慣用される重量比で含んでいてもよい。そのような添加剤としては、以下のものが挙げられる:
a)老化安定剤たとえば、N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン(6PPD)、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン(DPPD)、N,N’−ジトリル−p−フェニレンジアミン(DTPD)、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン(IPPD)、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン(TMQ)、N,N’−ビス−(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミン(77PD)、
b)活性化剤たとえば、酸化亜鉛および脂肪酸(たとえば、ステアリン酸)、
c)ワックス、
d)樹脂、特に粘着性付与樹脂、
e)素練り助剤たとえば、2,2’−ジベンズアミドジフェニルジスルフィド(DBD)、および
f)加工助剤たとえば、脂肪酸塩たとえば亜鉛セッケン、ならびに脂肪酸エステルおよびそれらの誘導体。
特に、本発明のゴム混合物が、タイヤまたは工業用ゴム物品のための、そこに存在している強化要素と直接接触する内部構成要素として使用される場合には、一般的には、適切な結合系、多くは粘着性付与樹脂の形態にあるものをそのゴム混合物に対してさらに添加する。
さらなる添加剤を合計した量の比率は、3〜150phr、好ましくは3〜100phr、より好ましくは5〜80phrである。
さらなる添加剤を合計した比率には、0.1〜10phr、好ましくは0.2〜8phr、より好ましくは0.2〜4phrの酸化亜鉛(ZnO)が含まれる。
それは、当業者には公知の各種のタイプの酸化亜鉛、たとえばZnOペレットまたはパウダーであってよい。慣用されている酸化亜鉛は、一般的には、10m/g未満のBET表面積を有している。しかしながら、10〜60m/gのBET表面積を有する、ナノ酸化亜鉛と呼ばれているものを使用することもまた可能である。
加硫は、場合によっては、硫黄および/または硫黄供与体の存在下、加硫促進剤も併用して実施されるが、いくつかの加硫促進剤は、硫黄供与体として同時に作用することも可能である。
式I)のポリマーAの中に結合されているのは、加硫の際に加硫および架橋に参加する、ネットワーク−形成基である。しかしながら、本発明の文脈においては、式I)のポリマーAは、硫黄供与体の一つではない。
硫黄および/またはさらなる硫黄供与体およびさらには1種または複数の加硫促進剤が、最後の混合工程において、ゴム混合物へ添加される。加硫促進剤は、以下のものからなる群より選択される:チアゾール系加硫促進剤および/またはメルカプト系加硫促進剤および/またはスルフェンアミド系加硫促進剤および/またはチオカルバメート系加硫促進剤および/またはチウラム系加硫促進剤および/またはチオホスフェート系加硫促進剤および/またはチオ尿素系加硫促進剤および/またはキサントゲネート系加硫促進剤および/またはグアニジン系加硫促進剤。
以下のものからなる群より選択される少なくとも1種のスルフェンアミド加硫促進剤を使用するのが好ましい:N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(CBS)および/またはN,N−ジシクロヘキシルベンソチアゾール−2−スルフェンアミド(DCBS)および/またはベンゾチアジル−2−スルフェノモルホリド(MBS)および/またはN−tert−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド(TBBS)。
使用される硫黄供与性物質は、当業者には公知の各種の硫黄供与性物質であってよい。ゴム混合物に硫黄供与性物質を含ませる場合には、たとえば、以下のものを含む群から選択するのが好ましい:チウラムジスルフィド、たとえばテトラベンジルチウラムジスルフィド(TBzTD)および/またはテトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)および/またはテトラエチルチウラムジスルフィド(TETD)、および/またはチウラムテトラスルフィド、たとえばジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド(DPTT)、および/またはジチオホスフェート、たとえば、DipDis(ビス(ジイソプロピル)チオホスホリルジスルフィド)および/またはビス(O,O−2−エチルヘキシルチオホスホリル)ポリスルフィド(たとえば、Rhenocure SDT 50(登録商標)、Rheinchemie GmbH製)および/または亜鉛ジクロリルジチオホスフェート(たとえば、Rhenocure ZDT/S(登録商標)、Rheinchemie GmbH製)および/または亜鉛アルキルジチオホスフェート、および/または1,6−ビス(N,N−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサンおよび/またはジアリールポリスルフィド、および/またはジアルキルポリスルフィド。
たとえば商品名Vulkuren(登録商標)、Duralink(登録商標)またはPerkalink(登録商標)として入手可能なさらなるネットワーク形成系、または国際公開第2010/049216A2号パンフレットに記載されているようなネットワーク形成系もまた、ゴム混合物の中で使用することもできる。この系には、5個以上の官能価を用いて架橋させる加硫剤、および少なくとも1種の加硫促進剤が含まれる。5個以上の官能価を用いて架橋させる加硫剤は、たとえば次の一般式D):
D) G[C2a−CH−SY]
[式中、Gは、1〜100個の原子を含む、多価の環状炭化水素基および/または多価のヘテロ炭化水素基および/または多価のシロキサン基であり;それぞれのYは、独立して、硫黄含有官能基を含むゴム反応性の基であり;そしてa、bおよびcは、整数であって、独立して、a=0〜6;b=0〜8;そしてc=3〜5である。]を有している。
ゴム反応性の基は、好ましくは、以下のものから選択される:チオスルホネート基、ジチオカルバメート基、チオカルボニル基、メルカプト基、炭化水素基、およびナトリウムチオスルホネート基(Bunte塩基)。
このようにすることで、本発明によるゴム混合物の極めて良好な摩耗特性および引張特性が達成される。
元素状硫黄および/またはさらなる硫黄供与体の形態にあるさらなる硫黄の必要量は、それぞれのゴム混合物の使用分野に依存する。添加するべきそれぞれの量は、当業者には公知である。元素状硫黄を添加する場合、車両用タイヤのビードのためのゴム混合物の場合には、その量はたとえば、0〜5phrである。ビードよりも硫黄含量が一般的に低い、車両用タイヤのトレッドの場合においては、添加するべき元素状硫黄の量を、0〜4phrとするのが好ましい。
本発明の有利な展開においては、複数の加硫促進剤を使用する。スルフェンアミド加硫促進剤、より好ましくはCBSを、グアニジン加硫促進剤のDPG(ジフェニルグアニジン)と組み合わせて使用するのが好ましい。DPGの量は、0〜5phr、好ましくは0.1〜3phr、より好ましくは0.5〜2.5phr、最も好ましくは1〜2.5phrである。
さらに、ゴム混合物の中に加硫遅延剤を存在させてもよい。
本発明はさらに、硫黄−架橋可能なゴム混合物を製造するためのプロセスも提供する。本発明のプロセスには、以下の工程が含まれる:a)10〜100phrの(先に説明したようにして調製した)少なくとも1種の変性ポリマーAと、0〜90phrの少なくとも1種のさらなるゴムと、20〜300phrの少なくとも1種の充填剤とを混合して、ゴムのベース混合物を製造する工程、およびb)次いで、先に述べたようにして、少なくとも1種の硫黄供与体および/または元素状硫黄および/または少なくとも1種の加硫促進剤を混合して、仕上げたゴム混合物を製造する工程。好ましくは、この後で加硫を実施する。
ポリマーAおよび本発明のゴム混合物の他の構成成分に関連して先に記述したことはすべて、本発明のプロセスにも同様に適用することができる。
そのようなプロセスによって、従来技術のゴム混合物に比較して、転がり抵抗性と濡れ時におけるグリップ性との間のトレードオフの関係において改良され、さらに摩耗特性が相当するレベルに留まるかまたは同様に改良された、ゴム混合物が得られる。
本発明にとって本質的に重要なことは、本発明のゴム混合物について先に述べたように、ポリマーが、ポリマー鎖Pに沿って変性された後に、ゴム混合物の中に混ぜ込まれることである。
国際公開第2008/076875A1号パンフレットに開示されているようにして、ポリマーを変性剤と単に混合してから、さらなる加工してゴム混合物とするのでは、転がり抵抗性と濡れ時におけるグリップ性との間のトレードオフの関係におけるそのような驚くべき改良は得られない(表4参照)。
ゴム混合物は、別の方法として、ゴム工業において慣用されるプロセスによって製造されるが、そこでは、加硫系(硫黄および加硫に影響する物質)以外の、すべての構成成分を含むベース混合物が最初に、1段または複数段の混合ステージで製造される。最終的な混合物は、最終混合ステージで加硫系を添加することによって製造される。そのようにして仕上げた混合物を、さらに、たとえば押出し加工操作によって加工して、適切な形状に二次加工する。
本発明はさらに、ポリマーAおよび少なくとも1種の充填剤を含む、本発明の少なくとも1種のゴム混合物を硫黄加硫することによって得られる加硫物も提供する。したがって、ここで本発明によって得られるのは、加硫ゴム混合物である。
ポリマーAおよび本発明のゴム混合物の他の構成成分に関連して先に記述したことはすべて、本発明の加硫物にも同様に適用することができる。
車両用タイヤにおいて使用するには、その混合物を、好ましくはトレッドの形状にし、そして公知の方法で適用して、車両用タイヤブランクを製造する。しかしながら、タイヤブランクの上に、ゴム混合物の細いストリップの形態でトレッドを巻き上げることもまた可能である。二部構成のトレッド(上側:キャップ、下側:ベース)の場合においては、本発明のゴム混合物を、キャップおよびベースの両方に使用することができる。
車両用タイヤにおけるボディ混合物(body mixture)として使用するための本発明のゴム混合物は、上の、トレッドのために説明したのと同様にして製造することができる。その違いは、押出操作の後で成形するところにある。そのようにして得られた1種または複数の異なったボディ混合物のための本発明のゴム混合物の形状を次いで、タイヤブランクの構成に使用する。
ここで、表1〜3にまとめた比較例および実施例を援用して、以下で本発明をさらに詳しく説明する。
本明細書で使用するとき、「室温」(RT)という用語は、約20〜25℃の温度を指しているが、特定のパラメーターの測定の場合には、20℃の温度を指すこともある。
ポリマー骨格変性剤BM1の合成
ヘキサン−1,6−ジチオール(12.7g、84.2mmol)を300mLのtert−ブチルメチルエーテルの中に溶解させ、n−BuLi(30.0gmL、92.5mmol、シクロヘキサン中20重量%)を、滴下により添加した。その混合物を、室温で2時間撹拌してから、tert−ブチルジメチルクロロシラン(12.6g、83.7mmol)を添加した。その混合物を、一夜リフラックスさせてから、水を加えた。その有機相を取り出し、水を用いて2回洗浄した。その水相を集めて合わせ、ジエチルエーテルを用いて洗浄した。その集めて合わせた有機相を、硫酸ナトリウムを用いて乾燥させ、減圧下に揮発性成分を除去した。その残渣を分別蒸留して、BM1(0.2mbarで沸点105℃)を、64%の収率で得た。
H NMR(400Hz,C,298K):δ=0.21(s,6H,Si(CH);0.99(s,9H,C(CH);1.15−1.05(m,3H,CH/SH);1.23−1.15(m,2H,CH);1.29(qu,2H,CH);1.50(qu,2H,CH);2.12(q,2H,CH−SH);2.40(t,2H,CH−S−Si);13CNMR(101Hz,C,298K):δ=−3.09(CH),19.50(CH),24.90(CH),26.91(CH),27.04(CH),28.43(CH),28.67(CH),33.63(CH),34.53(CH).
Figure 0006640370
1,3−ブタジエンとスチレンとの共重合(比較ポリマーV)
その共重合は、40Lのジャケット付きスチール製反応機の中で実施したが、それには、窒素でパージした後に、有機溶媒、モノマー、極性の配位化合物、重合開始剤化合物、およびその他の成分を添加した。以下の成分を、記載順に添加した:シクロヘキサン溶媒(18 560g);ブタジエンモノマー(1777g)、スチレンモノマー(448g)、およびテトラメチルエチレンジアミン(TMEDA、1.0g)。その混合物を加熱して40℃とし、それに続けて、n−ブチルリチウムを滴下で加え、微量の水分およびその他の不純物を除去した。その重合反応器にn−BuLi(17.6mmol)を添加して、重合反応を開始させた。20分かけて重合を実施したが、その間、重合温度が70℃を超えて上がるようなことが起きないようにした。次いで、モノマーとしてのブタジエン(1202g)およびスチレン(91g)を、55分かけて添加した。その重合をさらに20分間実施した後で、63gのブタジエンモノマーを添加した。20分経過後、メタノール(重合開始剤を規準にして1当量)を添加することにより重合を停止させた。そのポリマー溶液に対して、モノマーの全重量を規準にして0.25重量%のIRGANOX 1520を安定剤として添加した。この混合物を、10分間撹拌した。そのようにして得られたポリマー溶液を、次いで、スチームを用いて1時間かけてストリッピングして溶媒および他の揮発性物質を除去し、オーブン中70℃で30分、さらに室温で3日かけて乾燥させた。
主鎖−変性ポリマーAの調製
最初に、比較ポリマーVの調製と同様にして、1,3−ブタジエンとスチレンとの共重合を実施した。主鎖の変性は、ジャケット付きの10Lのスチール製反応機の中で実施し、最初に窒素を用いてパージした後に、比較ポリマーV(4000g)を添加し、それに続けてシクロヘキサン(2000g)および主鎖変性剤BM1(7.7g、29.1mmol)を添加した。その混合物を加熱して95℃とし、ラウロイルペルオキシドのシクロヘキサン中溶液を、30分の間隔を空けながら4回に分けて添加した(1.13/0.86/0.57/0.28mmol、全部で2.84mmol)。そのポリマー溶液を冷却して室温とし、1.2gのIRGANOX 1520を添加した。変換されていない(unconverted)主鎖変性剤BM1のGC分析では、60%のグラフト収率を示した。その変性させたポリマー溶液を、次いで、スチームを用いて1時間かけてストリッピングして溶媒および他の揮発性物質を除去し、オーブン中70℃で30分、さらに室温で3日かけて乾燥させた。
ポリマーAから変換されていない主鎖変性剤BM1を抽出することによる、ポリマーA’の調製
ポリマーA(94g)をグラニュレーターの中で微粉砕し、そのようにして得られたゴム粉末(rubber crumb)をイソプロパノール(800g)の中に懸濁させた。その懸濁液を、8時間リフラックスさせ、ゴム粉末を取り出して、乾燥させた。GC分析では、存在していた主鎖変性剤BM1の90%が除去されたことを示した。
Figure 0006640370
ゴム混合物の調製および比較試験
ここで、「I」を付けた混合物は本発明の混合物であり、それに対して、「C]を付けた混合物は、比較混合物である。表2〜4の中の混合物の例すべてにおいて、記載されている量は、全部のゴム100重量部をベースとするか(phr)、または100重量部のシリカをベースとする(phf)重量部である。
混合物は、標準的な条件下に、実験室用タンゼンシャルミキサー中で、2段階で製造した。
本発明のゴム混合物のI1、I2およびI4には、90phrのポリマーA(式I)が含まれている。ゴム混合物C1、C3およびC4においては、式I)のポリマーではなく、ポリマーAに相当する分子量、相当するビニル含量、および相当するスチレン含量を有する比較ポリマーVを使用した。その比較ポリマーは、未変性であり、そして、カップルドポリマー(coupled polymer)ではない。ゴム混合物C2は、70℃でI1と同じ硬度になるように、加硫剤(加硫促進剤および硫黄)の量を増やして調節したので、同じ硬度の参照物質である。本発明のゴム混合物I3には、ポリマーA’を含んでいるが、これは、変性の完了後に、ポリマーAから、精製により、すなわち残存変性剤BM1をすべて除去して得られたものである。
すべての混合物を使用して、加硫させることによって試験片を作製し、それらの試験片を使用して、ゴム工業で典型とされる物性を測定した。試験片についての上述の試験では、以下の試験法を採用した:
・ 室温(RT)および70℃でのショアーA硬度(単位:ショアーA、略してShA)、DIN 53 505に準拠
・ 室温(RT)および70℃での反発弾性(レジリエンス)、DIN 53 512に準拠
・ 室温(RT)での、50%、100%、200%、300%伸びでの応力値(それぞれ、50モジュラス、100モジュラス、200モジュラス、および300モジュラス)、DIN 53 504に準拠、リング状試験片:C1、C2、I1、C3、I2、I3、C5、C6、C7、および2mmフレームからのS3試験片:C4、I4、C8、C9、C10
・ 室温での引張強度および破断時伸び、DIN 53 504に準拠
・ 室温での摩耗、DIN 53 516またはDIN/ISO 4649に準拠
・ 動的機械的測定からの最大損失係数tanδ(max)、DIN 53 513に準拠(温度スイープ)
使用した物質は、以下のとおりである:
a)老化安定剤:オゾン亀裂防止剤ワックス、および6PPD
b)シリカ:VN3、Evonik製
c)シラン:S2シラン、75重量%のジスルフィド、たとえばSi 266(登録商標)、Evonik Industries AG製
d)ブロックされているメルカプトシラン:NXT、3−(オクタノイルチオ)−1−プロピルトリエトキシシラン、Momentive製
e)変性剤:ヘキサン−1,6−ジチオール
f)変性剤:二重保護されたヘキサン−1,6−ジチオール。
Figure 0006640370
Figure 0006640370
Figure 0006640370
Figure 0006640370
表1からも明らかなように、充填剤としてカーボンブラックを含む本発明のゴム混合物I1は、比較例混合物C1と比較して、転がり抵抗性と濡れ時におけるグリップ性との間のトレードオフの関係における改良を示しているが、そのことは、70℃における反発弾性(転がり抵抗性)と室温における反発弾性(濡れ時におけるグリップ性)の二つの指標における差が大きくなっていることからも明らかである。さらに、I1の転がり抵抗性が改良されていることも、最大損失係数(tanδmax.)の値が低いことからも明らかである。それに加えて、本発明のゴム混合物I1は、C1に比較して、同等の摩耗特性および同等の引張強度を示している。
同じ硬度の参照物質C2と比較して、本発明のゴム混合物I1は、摩耗特性における明らかな改良を示している。
表2に見られるように、充填剤としてシリカを含む、本発明のゴム混合物I2、I3およびI4は、それぞれ比較例混合物のC3およびC4と比較すると、転がり抵抗性と濡れ時におけるグリップ性との間のトレードオフの関係における改良を示しているが、このことは、70℃における反発弾性(転がり抵抗性)と室温における反発弾性(濡れ時におけるグリップ性)の二つの指標における差が大きくなっていることからも明らかである。ここで明らかなことは、変性が完了してからのポリマーの精製(精製された変性ポリマーA’を用いたI3 対 変性ポリマーA)を用いたI2)が、転がり抵抗性と濡れ時におけるグリップ性との間のトレードオフの関係の改良については、顕著な効果を有していないということである。I2およびI4の摩耗特性は、それぞれ比較例混合物と比較すると、受容可能なレベルであるが、それに対して、精製されたポリマーA’を含むI3は、驚くべきことには、良好な摩耗特性を示している。
したがって、本発明のゴム混合物を用いると、特にはトレッドにおける使用では、従来技術を規準にすると、摩耗抵抗性における劣化をもたらすことなく、転がり抵抗性と濡れ時におけるグリップ特性との間のトレードオフの関係をさらに改良することが可能となる。
表3に見られるように、比較ポリマーVにゴム混合物の混合において変性剤として添加され、そしてポリマーに前もって結合されていない、ヘキサン−1,6−ジチオール(C6またはC7対C5、およびC9対C8)を用いるか、あるいは二重保護されたヘキサン−1,6−ジチオール(C10対C8)を用いるかのいずれにおいても、改良が観察されない。この場合、反発弾性の差およびtanδにおける劣化が存在するか、または摩耗特性における劣化で同等のレベルに留まっているかの、いずれかである。
ポリマーAを、式I)のような先に変性した後で、それをその他の混合物の構成成分と共にゴム混合物に混合し、そしてゴム混合物に対して、未変性ポリマーおよび変性剤を別途に添加しないということが、本発明において本質的に重要である。
なお、本願は、特許請求の範囲に記載の発明に関するものであるが、他の態様として以下も包含し得る。
1.硫黄−架橋可能なゴム混合物であって、少なくとも次の構成成分:
− 少なくとも1種の充填剤、および
− 10〜100phrの、少なくとも1種の次の式I):
Figure 0006640370
[式中、
Sは、硫黄原子であり、そして
Pは、少なくとも1種の共役ジエン、および任意成分の1種または複数のビニル芳香族化合物をアニオン重合させることによって得ることが可能なポリマー鎖であるが、場合によっては鎖末端を変性されており、
は、独立して、C 〜C 11 −アルキル、C 〜C 11 −アリール、C 〜C 11 −アラルキル、およびC 〜C 11 −ジアルキルエーテル、好ましくはC 〜C 11 −アルキル、より好ましくはC 〜C −アルキルから選択され、
は、独立して、H、C 〜C 11 −アルキル、C 〜C 11 −アリール、C 〜C 11 −アラルキル、C 〜C 11 −ジアルキルエーテルおよび−SiR (ここで、R 、R およびR は、独立して、H、C 〜C 16 −アルキル、C 〜C 16 −アリールおよびC 〜C 16 −アラルキルから選択される)から選択され、そしてR は、好ましくは、独立してHおよび−SiR (ここで、R 、R およびR は、独立して、H、C 〜C 16 −アルキル、C 〜C 16 −アリール、およびC 〜C 16 −アラルキルから選択される)から選択され、そして
nは、1〜200、好ましくは1〜100、より好ましくは1〜50から選択される整数であるが、
ここで、前記−S−R −S−R 基は、ポリマー鎖Pの主鎖に結合されている。]のポリマーA
を含むことを特徴とするゴム混合物。
2.前記少なくとも1種の共役ジエンが、1,3−ブタジエン、2−(C 〜C −アルキル)−1,3−ブタジエン、特にはイソプレン(2−メチル−1,3−ブタジエン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2,4−ヘキサジエン、1,3−ヘキサジエン、1,3−ヘプタジエン、1,3−オクタジエン、2−メチル−2,4−ペンタジエン、シクロペンタジエン、および1,3−シクロオクタジエンからなる群より選択されることを特徴とする、上記1に記載のゴム混合物。
3.前記少なくとも1種の共役ジエンが、1,3−ブタジエンであることを特徴とする、上記2に記載のゴム混合物。
4.前記ビニル芳香族化合物が、スチレン、C 〜C −アルキル−置換されたスチレン、特には2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、α−メチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、および4−tert−ブチルスチレン、スチルベン、ビニルベンジルジメチルアミン、4−ビニルベンジルジメチルアミノエチルエーテル、N,N−ジメチルアミノエチルスチレン、tert−ブトキシスチレン、ビニルピリジンおよびジビニル芳香族化合物、特には1,2−ジビニルベンゼン、1,3−ジビニルベンゼン、および1,4−ジビニルベンゼン、ならびにこれらの2種以上の混合物、からなる群より選択されることを特徴とする、上記1〜3のいずれかに記載のゴム混合物。
5.前記ビニル芳香族化合物がスチレンであることを特徴とする、上記4に記載のゴム混合物。
6.前記充填剤が、少なくとも1種のシリカおよび/または少なくとも1種のカーボンブラックであることを特徴とする、上記1〜5のいずれかに記載のゴム混合物。
7.前記ゴム混合物が、20〜300phrの少なくとも1種の充填剤を含んでいることを特徴とする、上記1〜6のいずれかに記載のゴム混合物。
8.40〜90phrのポリマーAおよび10〜60phrの少なくとも1種のさらなるゴムを含むことを特徴とする、上記1〜7のいずれかに記載のゴム混合物。
9.前記少なくとも1種のさらなるゴムが、天然ポリイソプレン、合成ポリイソプレン、ブタジエンゴム、およびスチレン−ブタジエンゴムからなる群より選択されるジエンゴムであることを特徴とする、上記8に記載のゴム混合物。
10.上記1〜9のいずれかに記載の少なくとも1種のゴム混合物を硫黄加硫させることによって得られる、加硫物。
11.車両用タイヤであって、少なくとも1種の成分の中に、上記10に記載の少なくとも1種のゴム混合物の少なくとも1種の加硫物を含むことを特徴とする、車両用タイヤ。

Claims (11)

  1. 硫黄−架橋可能なゴム混合物であって、少なくとも次の構成成分:
    − 少なくとも1種の充填剤、および
    全部のゴム100重量部を基準として、10〜100phrの、少なくとも1種の次の式I):
    Figure 0006640370
    [式中、
    Sは、硫黄原子であり、そして
    Pは、少なくとも1種の共役ジエン、および任意成分の1種または複数のビニル芳香族化合物をアニオン重合させることによって得ることが可能なポリマー鎖であるが、場合によっては鎖末端を変性されており、
    は、独立して、C〜C11アルキレン、C〜C11アリーレンおよび〜C11アラルキレンから選択され、
    は、独立して、H、C〜C11−アルキル、C〜C11−アリール、C〜C11−アラルキルおよび−SiR(ここで、R、RおよびRは、独立して、H、C〜C16−アルキル、C〜C16−アリールおよびC〜C16−アラルキルから選択される)から選択されそして
    nは、1〜200から選択される整数であるが、
    ここで、前記−S−R−S−R基は、ポリマー鎖Pの主鎖に結合されている。]のポリマーA
    を含むことを特徴とするゴム混合物。
  2. 前記少なくとも1種の共役ジエンが、1,3−ブタジエン、2−(C〜C−アルキル)−1,3−ブタジエン、特にはイソプレン(2−メチル−1,3−ブタジエン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2,4−ヘキサジエン、1,3−ヘキサジエン、1,3−ヘプタジエン、1,3−オクタジエン、2−メチル−2,4−ペンタジエン、シクロペンタジエン、および1,3−シクロオクタジエンからなる群より選択されることを特徴とする、請求項1に記載のゴム混合物。
  3. 前記少なくとも1種の共役ジエンが、1,3−ブタジエンであることを特徴とする、請求項2に記載のゴム混合物。
  4. 前記ビニル芳香族化合物が、スチレン、C〜C−アルキル−置換されたスチレン、特には2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、α−メチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、および4−tert−ブチルスチレン、スチルベン、ビニルベンジルジメチルアミン、4−ビニルベンジルジメチルアミノエチルエーテル、N,N−ジメチルアミノエチルスチレン、tert−ブトキシスチレン、ビニルピリジンおよびジビニル芳香族化合物、特には1,2−ジビニルベンゼン、1,3−ジビニルベンゼン、および1,4−ジビニルベンゼン、ならびにこれらの2種以上の混合物、からなる群より選択されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のゴム混合物。
  5. 前記ビニル芳香族化合物がスチレンであることを特徴とする、請求項4に記載のゴム混合物。
  6. 前記充填剤が、少なくとも1種のシリカおよび/または少なくとも1種のカーボンブラックであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載のゴム混合物。
  7. 前記ゴム混合物が、全部のゴム100重量部を基準として、20〜300phrの少なくとも1種の充填剤を含んでいることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載のゴム混合物。
  8. 全部のゴム100重量部を基準として、40〜90phrのポリマーAおよび10〜60phrの少なくとも1種のさらなるゴムを含むことを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載のゴム混合物。
  9. 前記少なくとも1種のさらなるゴムが、天然ポリイソプレン、合成ポリイソプレン、ブタジエンゴム、およびスチレン−ブタジエンゴムからなる群より選択されるジエンゴムであることを特徴とする、請求項8に記載のゴム混合物。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の少なくとも1種のゴム混合物を硫黄加硫させることによって得られる、加硫物。
  11. 車両用タイヤであって、少なくとも1種の成分の中に、請求項10に記載の少なくとも1種のゴム混合物の少なくとも1種の加硫物を含むことを特徴とする、車両用タイヤ。
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