JP3888397B2 - イソプレン誘導体 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は新規なイソプレン誘導体、その製造法、およびそれらを有効成分として含有する医薬組成物、特定的にはそれらを有効成分として含有する癌の多剤耐性を克服するための多剤耐性克服剤、および制癌剤の作用増強剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
癌を克服することは人類共通の課題であり、そのために現在までに多くの制癌剤が開発されている。しかるに一方で、臨床的には癌に多剤耐性が発現することが問題となっている。多剤耐性とは、ある制癌剤の投与、または元々癌細胞が有する制癌剤に対する抵抗性により、癌細胞が制癌剤に対して、その制癌剤についてのみならず他の制癌剤に対しても耐性化する(交差耐性)現象である。新たに癌と診断された患者のうちの約50%が制癌剤治療に対し耐性を示し、また、癌死亡患者の90%以上が制癌剤による治療において癌が制癌剤に対して耐性とは何らかの関連性を有する挙動を示していたと言われている。それゆえに、癌の化学療法において、癌細胞の制癌剤に対する多剤耐性の克服が、極めて重要になってきている。
【0003】
癌細胞が多剤耐性を発現するメカニズムについては、未だ不明な点も多いが、基本的には癌細胞が多剤耐性を獲得した場合に細胞内において制癌剤の濃度低下がもたらされるというメカニズムが働くことに起因するものと考えられている。一方、多剤耐性癌細胞の多くは、P−糖蛋白を過剰に産生しており、そしてこのP−糖蛋白が制癌剤の細胞外への輸送を担っていると考えられている。
【0004】
P−糖蛋白はヒトではMDR1と呼ばれる遺伝子によりコードされており、従ってヒト癌細胞においてMDR1遺伝子の発現が耐性獲得の一因であると考えられる(MDR1耐性)。そしてP−糖蛋白は基質特異性が低く、多岐に渡る化合物と結合して薬物を細胞外へ輸送することができることから、一度癌細胞においてP−糖蛋白が発現すると、多くの制癌剤に対しても耐性を獲得することになる。
【0005】
事実、アドリアマイシン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、アクチノマイシンD、コルヒチン等の構造的に異なる多くの制癌剤がP−糖蛋白による細胞外輸送の基質となることが知られている。従って、P−糖蛋白の機能を阻害することが、多剤耐性の克服につながると考えられる。また、多剤耐性のうち、約30%がP−糖蛋白によるものと言われている。
【0006】
一方、P−糖蛋白をコードするMDR1遺伝子のメッセンジャーRNAは、正常組織、例えば腎臓、副腎、大腸、小腸、結腸、肺、肝臓、膵臓、リンパ球等に発現していることが知られている。そして、腎臓ではP−糖蛋白が薬物の体外への排出を担っているが、腎細胞が癌化した腎臓癌において制癌剤の効果が弱いのは、腎臓に発現しているP−糖蛋白により細胞外に制癌剤が排出されるためであると考えられる。また、最近になり薬物の脳内への移行を制御する血液脳関門の本体がP−糖蛋白であると考えられるようになった。このことは、P−糖蛋白を阻害することにより脳、腎臓、副腎、大腸、小腸、結腸、肺、肝臓、膵臓、白血病リンパ球等への制癌剤の濃度を上昇させ得ることを意味しており、P−糖蛋白阻害剤によって脳腫瘍、腎臓癌、副腎癌、大腸癌、小腸癌、結腸癌、肺癌、肝臓癌、膵臓癌、白血病等において制癌剤の効果の増強が期待されるものである。
【0007】
癌の化学療法の領域においては、マイトマイシン、シクロホスファミド、メルファラン、ニドラン、カルボコン、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン、ブレオマイシン、5−フルオロウラシル、アドリアマイシン、シスプラチン、アクチノマイシンD、メトトレキサート、アクラルビシン、トヨマイシン、ネオカルチノスタチン、イホスファミド、エトポシド、カンプトテシン、ドキソルビジン、イリノテカン等の多くの制癌剤が利用されており、これらの制癌剤はそれぞれ特有の抗癌スペクトルを有する。しかし、これらの制癌剤のいくつかは連続または長期投与により癌細胞が耐性化することが知られており、さらに交差耐性という問題も生じている。従って、癌の化学療法においては、制癌剤に対する耐性癌細胞の感受性を賦活化または増強することが求められている。また、制癌剤の多くは主作用である制癌作用だけでなく、脱毛、下痢、吐き気、嘔吐などの副作用を有し、時には癌患者にとって副作用が制癌剤による治療の障害になる場合もある。従って、耐性癌患者のみならず、非耐性癌患者においても制癌剤が有する副作用の軽減の目的から、少ない投与量で同等の制癌剤作用を発揮することができる制癌剤の作用増強剤が求められている。
【0008】
また、近年、タキソールおよびその誘導体であるタキソテールが米国で承認され、国内においても承認される見通しである。タキソールおよびタキソテールは、特に固形癌領域において奏効率が高く、今後固形癌化学療法の中心のひとつになることが予想される。しかしながらタキソールは、P−糖蛋白による細胞外輸送の基質になることが知られており、MDR1耐性により効果が減弱すると考えられる。ところで最近になり、MDR1耐性細胞において、P−糖蛋白阻害剤がタキソール耐性を克服するとの報告がなされている(Cancer Res., 55巻, p.1086, 1995年)。このことは、P−糖蛋白阻害剤が、タキソール耐性にも有効であることを示唆している。
【0009】
多剤耐性の克服剤として鶴尾らは式(IV)
【化5】
Figure 0003888397
で示されるベラパミルがP−糖蛋白を阻害し、MDR1耐性を克服することを報告している(Cancer Res., 41巻, p.1967, 1981年)。
【0010】
中川らは特公平5−16411において式(V)
【化6】
Figure 0003888397
で示される化合物および製剤上許容される塩を開示している。本化合物は、制癌剤の一種であるアドリアマイシン(ADM)耐性に対して、耐性克服作用を有する。また、尾川らは、特開平2−138211において式(V)で示される化合物のリンゴ酸塩が抗癌活性増強作用を有することを開示している。また、式(V)で示される化合物が、MDR1耐性細胞においてタキソールの効果を増強することについては格別の報告はない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
P−糖蛋白阻害剤は癌の多剤耐性の克服に有効である。しかし、既存のP−糖蛋白阻害薬は細胞毒性あるいはカルシウム拮抗作用による副作用が強く臨床的に問題がある。そこでこれらの副作用のない、臨床的に制癌剤の活性を増強し、または多剤耐性を克服する医薬品の開発が望まれている。さらに、近年になりタキソールおよびその誘導体、例えばタキソテールに対する制癌効果の増強が望まれている。従って、細胞毒性あるいはカルシウム拮抗作用を持たず、より副作用の少ない多剤耐性克服薬、あるいはタキソール、タキソテールを初めとする種々の制癌剤の作用増強剤として有用な新規な化合物の開発が望まれている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、カルシウム拮抗作用を持たず、細胞毒性が低く、そしてタキソールおよびその誘導体の効果を増強する化合物の解明とその取得を目指して鋭意研究を行なった結果、式(I)で示される構造を有する新規なイソプレン誘導体が上記の課題を解決することを見いだし本発明を完成させた。即ち、本発明の新規なイソプレン誘導体は、制癌剤に耐性の細胞における多剤耐性を克服するものであり、そして本化合物はMDR1耐性細胞においてタキソールおよびその誘導体の制癌効果を増強するものであるが、カルシウム拮抗作用を持たず、かつ細胞毒性が低いものであることを見出して本発明を完成させたのである。
【0013】
すなわち、本発明は式(I)
【化7】
Figure 0003888397
(式中、mは0〜3の整数を表し、nは5〜12の整数を表し、Aはシクロ(C3〜C6)アルキレン基、フェニレン基、フルオレニレン基、ピロリジニレン基、ピペラジニレン基、9−アザ−3−オキサビシクロ〔3.3.1〕ノニレン基を表し、R1、R2はそれぞれ独立にベンジル基を表し、そしてこのベンジル基のフェニル環は、水酸基、C1〜C4アルキル基、C1〜C4アルコキシ基およびハロゲン原子から選ばれる1〜5個の置換基で置換されていてもよく、Xは、単結合を表すか、または−(CH2)pNH−で表される2価の基であり、pは0〜3の整数を表す)で表される化合物およびその製薬上許容される塩に関する。
【0014】
また、本発明は上記式(I)で表される化合物またはその製薬上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物に関するもので、より具体的には、上記式(I)で表される化合物またはその製薬上許容される塩を有効成分として含有する、癌細胞の制癌剤に対する多剤耐性の克服剤、および脳腫瘍、腎臓癌、副腎癌、大腸癌、小腸癌、結腸癌、肺癌、肝臓癌、膵臓癌、白血病を初めとする、癌治療における制癌剤と併用される制癌剤の作用増強剤に関する。また、タキソールおよびその誘導体と併用される、上記式(I)で表される化合物またはその製薬上許容される塩からなるタキソールおよびその誘導体の作用増強剤に関する。
ここでタキソールの誘導体としては、例えばタキソテールが挙げられる。
【0015】
また、本発明は下記式(II)
【化8】
Figure 0003888397
(式中、m、A、X、R1、R2は上記式(I)に定義した通りである)の化合物と下記式(III)
【化9】
Figure 0003888397
(式中、nは上記式(I)に定義した通りであり、Lはハロゲン原子、C1〜C4アルキルスルホニルオキシ基、およびアリールスルホニルオキシ基から選ばれる脱離基である)の化合物とを反応させて上記式(I)の化合物を製造する方法にも関する。
【0016】
上記した本発明の式(I)の化合物およびこれを製造するための原料化合物の式(II)および式(III)の化合物において、シクロ(C3〜C6)アルキレン基の具体例としては、シクロプロピレン、シクロブチレン、シクロペンチレン、シクロヘキシレン基が挙げられ、C1〜C4アルキル基の具体例としては、直鎖または分岐鎖状アルキル基のメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル等の基が挙げられ、C1〜C4アルコキシ基の具体例としては直鎖または分岐鎖状アルコキシ基のメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、t−ブトキシ基が挙げられ、ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられ、C1〜C4アルキルスルホニルオキシ基の具体例としては、メタンスルホニルオキシ、エタンスルホニルオキシ、プロパンスルホニルオキシ、ブタンスルホニルオキシ、イソプロピルスルホニルオキシが挙げられ、アリールスルホニルオキシ基の具体例としては、フェニルスルホニルオキシ、p−トルエンスルホニルオキシ、ナフタレンスルホニルオキシが挙げられる。
【0017】
上記式(I)および式(III)中、式(VI)
【化10】
Figure 0003888397
(式中、nは上記式(I)に定義した通りである)で表されるポリイソプレン基の具体例としては、ゲラニルファルネシル基(n=5)、ファルネシルファルネシル基(n=6)、ファルネシルゲラニルゲラニル基(n=7)、ファルネシルファルネシルゲラニル基(n=8)、ソラネシル基(n=9)、デカプレニル基(n=10)、ウンデカプレニル基(n=11)、ドデカプレニル基(n=12)などを挙げることができる。
【0018】
本発明の化合物の製薬上許容される塩としては、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、燐酸塩等の無機酸塩類、酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、フタル酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩等の有機酸塩類が挙げられる。
本発明の化合物には、上記式(I)で表される化合物で可能な幾何異性体、光学異性体およびラセミ体、ならびにこれら化合物の代謝産物、代謝前駆物質を包含する。
【0019】
本発明の化合物は、種々の慣用的方法により、例えば分割剤として光学活性酸を用いて、個々の鏡像異性体に分割し得る。あるいは、本発明の化合物の任意の鏡像体は、絶対配置のわかった光学的に純粋な出発物質を用いた立体特異合成により生成し得る。
【0020】
本発明の上記式(I)で示される化合物は以下に示す方法により製造することができる。
即ち、下記式(II)
【化11】
Figure 0003888397
(式中、m、A、X、R1、R2は上記式(I)に定義した通りである)で示される化合物と、下記式(III)
【化12】
Figure 0003888397
(式中、nは上記式(I)に定義した通りであり、Lはハロゲン原子、C1〜C4アルキルスルホニルオキシ基、およびアリールスルホニルオキシ基から選ばれる脱離基である)で示される化合物とを反応させて上記式(I)の化合物を製造することができる。
【0021】
この反応は、式(II)の化合物に対し、0.1〜10モル当量の式(III)で表される化合物を用い溶媒の存在下、または非存在下で行なわれるが、場合によりこの反応を塩基を存在させて行うことができる。用いられる塩基としては、例えば、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等の炭酸塩類、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等の水酸化物、トリエチルアミン、ジエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルアミン、トリメチルアミン等のアミン類、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等のピリジン類などが挙げられ、好しくはジイソプロピルアミンが用いられる。
【0022】
式(III)で示される化合物の具体例としては、例えば、塩化ゲラニルファルネシル、塩化ファルネシルファルネシル、塩化ファルネシルゲラニルゲラニル、塩化ファルネシルファルネシルゲラニル、塩化ソラネシル、塩化デカプレニル、塩化ウンデカプレニル、塩化ドデカプレニル、臭化ゲラニルファルネシル、臭化ファルネシルファルネシル、臭化ファルネシルゲラニルゲラニル、臭化ファルネシルファルネシルゲラニル、臭化ソラネシル、臭化デカプレニル、臭化ウンデカプレニル、臭化ドデカプレニル、ヨウ化ゲラニルファルネシル、ヨウ化ファルネシルファルネシル、ヨウ化ファルネシルゲラニルゲラニル、ヨウ化ファルネシルファルネシルゲラニル、ヨウ化ソラネシル、ヨウ化デカプレニル、ヨウ化ウンデカプレニル、ヨウ化ドデカプレニル、ゲラニルファルネシルメタンスルホネート、ファルネシルファルネシルメタンスルホネート、ファルネシルゲラニルゲラニルメタンスルホネート、ファルネシルファルネシルゲラニルメタンスルホネート、ソラネシルメタンスルホネート、デカプレニルメタンスルホネート、ウンデカプレニルメタンスルホネート、ドデカプレニルメタンスルホネート、ゲラニルファルネシルエタンスルホネート、ファルネシルファルネシルエタンスルホネート、ファルネシルゲラニルゲラニルエタンスルホネート、ファルネシルファルネシルゲラニルエタンスルホネート、ソラネシルルエタンスルホネート、デカプレニルエタンスルホネート、ウンデカプレニルエタンスルホネート、ドデカプレニルエタンスルホネート、ゲラニルファルネシルプロパンスルホネート、ファルネシルファルネシルプロパンスルホネート、ファルネシルゲラニルゲラニルプロパンスルホネート、ファルネシルファルネシルゲラニルプロパンスルホネート、ソラネシルプロパンスルホネート、デカプレニルプロパンスルホネート、ウンデカプレニルプロパンスルホネート、ドデカプレニルプロパンスルホネート、ゲラニルファルネシルブタンスルホネート、ファルネシルファルネシルブタンスルホネート、ファルネシルゲラニルゲラニルブタンスルホネート、ファルネシルファルネシルゲラニルブタンスルホネート、ソラネシルブタンスルホネート、デカプレニルブタンスルホネート、ウンデカプレニルブタンスルホネート、ドデカプレニルブタンスルホネート、ゲラニルファルネシルイソプロピルスルホネート、ファルネシルファルネシルイソプロピルスルホネート、ファルネシルゲラニルゲラニルイソプロピルスルホネート、ファルネシルファルネシルゲラニルイソプロピルスルホネート、ソラネシルイソプロピルスルホネート、デカプレニルイソプロピルスルホネート、ウンデカプレニルイソプロピルスルホネート、ドデカプレニルイソプロピルスルホネート、ゲラニルファルネシルp−トルエンスルホネート、ファルネシルファルネシルp−トルエンスルホネート、ファルネシルゲラニルゲラニルp−トルエンスルホネート、ファルネシルファルネシルゲラニルp−トルエンスルホネート、ソラネシルp−トルエンスルホネート、デカプレノニルp−トルエンスルホネート、ウンデカプレニルp−トルエンスルホネート、ドデカプレニルp−トルエンスルホネート等が挙げられる。
【0023】
この反応において使用される溶媒としては、反応に影響を与えなければ特に限定はなく、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタンの様な炭化水素類;クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素、1,2−ジクロロエチレン等のハロゲン化炭化水素;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミド等のアミド類;メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;スルホラン;ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等のピリジン類;水;またはこれらの混合溶剤が好適に用いられる。
【0024】
この反応は氷冷下から加熱還流下までの温度の範囲で行なわれる。反応時間は反応試薬、反応温度などによって異なるが、通常0.5時間ないし36時間である。好適にはエーテル類の溶剤中で5時間ないし36時間、10℃ないし30℃で行なわれる。さらに好適には、テトラヒドロフラン中で12ないし24時間、10℃ないし25℃で行なわれる。
【0025】
上記式(II)で表される化合物は、種々の慣用的方法、例えば以下の方法により製造することができる。式(VII)
【化13】
Figure 0003888397
(式中、m、A、X、R2は上記式(I)に定義した通りである)で表される化合物と式(VIII)
3CHO (VIII)
(式中、R3は水酸基、(C1〜C4)アルキル基、(C1〜C4)アルコキシ基、およびハロゲン原子から選ばれる1〜5個の置換基で置換されていてもよいフェニル基である。)で表される化合物を反応させ式(IX)
【化14】
Figure 0003888397
(式中、m、A、X、R2は上記式(I)に定義した通りであり、R3は上記式(VIII)に定義した通りである)で表される化合物を製造(A工程)後、還元する(B工程)ことによって式(II)で表される化合物を製造することができる。
【0026】
A工程は前記式(IX)を有する化合物を製造する工程であり通常、溶媒の存在下で好適に行なわれる。反応は、場合により、Dean-Stark装置等で生成する水を除去しながら行なうか、あるいは脱水剤として無水炭酸ナトリウム、無水炭酸カリウム、無水硫酸ナトリウム、無水塩化カルシウム、無水硫酸マグネシウム、モレキュラーシーブ存在下で行なわれる。使用される溶媒としては、反応に影響を与えなければ特に限定はなく、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタンの様な炭化水素類;クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素、1,2−ジクロロエチレン等のハロゲン化炭化水素;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミド等のアミド類;メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;スルホラン;またはこれらの混合溶剤が好適に用いられる。反応温度は氷冷下ないし加熱還流下で行なわれる。反応時間は反応試薬、反応温度などによって異なるが、通常0.5時間ないし24時間である。好適には炭化水素類、アルコール類の溶剤中で1時間ないし12時間0℃ないし加熱還流下で行なわれる。さらに好適にはメタノール中で3ないし12時間0℃ないし30℃で行なわれる。
【0027】
B工程は、前記式(II)を製造する工程であり、前記式(IX)を有する化合物を還元する工程である。反応は通常、還元剤の存在下に行なわれる。使用される還元剤としては、例えば水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、水素化リチウムアルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウムのような金属水素化物が用いられる。反応は、通常溶媒の存在下で行なわれ、使用される溶剤としては反応に影響を与えなければ特に限定はなく、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタンの様な炭化水素類;クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素、1,2−ジクロロエチレン等のハロゲン化炭化水素;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミド等のアミド類;メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;水;またはこれらの混合溶剤が好適に用いられる。反応温度は氷冷下ないし加熱還流下で行なわれる。反応時間は反応試薬、反応温度などによって異なるが、通常0.5時間ないし24時間である。好適にはアルコール類の溶剤中で水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウムの存在下、1時間ないし5時間、氷冷下ないし50℃で行なわれる。
【0028】
上記B工程は場合により接触水素化によっても行われる。接触水素化を行う場合反応は溶媒の存在下に好適に行われる。反応は通常触媒の存在下に行われる。使用される触媒としてはパラジウムー炭素、二酸化白金、水酸化パラジウムなどの接触水素化触媒が好適に用いられる。使用される溶媒としては反応に影響を与えなければ特に限定はなく、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタンの様な炭化水素類;クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素、1,2−ジクロロエチレン等のハロゲン化炭化水素;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミド等のアミド類;メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル類;水又はこれらの混合溶媒が用いられる。反応は大気圧の水素ガス又は中圧ないし高圧の水素ガス下に行われるか、又はギ酸若しくはギ酸塩、例えばギ酸ナトリウム、ギ酸アンモニウム等を水素ドナーとして行われる。反応は場合により酸を加える事ができる、使用される酸としては例えば、塩酸、硫酸、リン酸、硝酸等の無機酸、酢酸、プロピオン酸等の有機酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、カンファスルホン酸、またはこれらの混合物が挙げられる。反応時間は反応試薬、反応温度などによって異なるが、通常0.5時間ないし24時間である。好適にはアルコール類の溶剤中でパラジウム−炭素触媒を用いて大気圧の水素ガス下に1時間ないし12時間、0℃ないし50℃の温度で行われる。
【0029】
上記A、B工程は場合により、同一容器中で行なうことができる。すなわち式(VII)の化合物と式(VIII)の化合物を溶媒中、反応させ式(IX)の化合物を製造した後、同一容器中で還元剤を用いて還元して、式(II)の化合物を製造することができる。使用される還元剤としては、例えば水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、水素化リチウムアルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウムのような金属水素化物が用いられる。使用される溶剤としては反応に影響を与えなければ特に限定はなく、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタンの様な炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミド等のアミド類;メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類;酢酸メチル、酢酸エチル等の有機酸エステル類;酢酸等の有機酸類;またはこれらの混合溶剤が好適に用いられる。反応は好適には、アルコール溶剤、さらに好適にはメタノール又はエタノール中、0℃ないし30℃で、1 ないし12時間式(VII)と式(VIII)の化合物を反応させ式(IX)の化合物を製造後、同一容器中、0℃ないし30℃で水素化ホウ素ナトリウムまたはシアノ水素化ホウ素ナトリウムを加えて1ないし5時間反応させることにより行なわれる。
【0030】
上記還元は、場合により接触水素化によっても行われる。接触水素化を行う場合反応は溶媒の存在下に好適に行われる。反応は通常触媒の存在下に行われる。使用される触媒としてはパラジウムー炭素、二酸化白金、水酸化パラジウムなどの接触水素化触媒が好適に用いられる。使用される溶媒としては反応に影響を与えなければ特に限定はなく、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタンの様な炭化水素類;クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素、1,2−ジクロロエチレン等のハロゲン化炭化水素;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミド等のアミド類;メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル類;水又はこれらの混合溶媒が用いられる。反応は大気圧の水素ガス又は中圧ないし高圧の水素ガス下に行われるか、又はギ酸若しくはギ酸塩、例えばギ酸ナトリウム、ギ酸アンモニウム等を水素ドナーとして行われる。反応は場合により酸を加える事ができる、使用される酸としては例えば、塩酸、硫酸、リン酸、硝酸等の無機酸、酢酸、プロピオン酸等の有機酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、カンファスルホン酸、またはこれらの混合物が挙げられる。反応時間は反応試薬、反応温度などによって異なるが、通常0.5時間ないし24時間である。好適にはアルコール類の溶剤中でパラジウムー炭素触媒を用いて大気圧の水素ガス下に1時間ないし12時間、0℃ないし50℃の温度で行われる。
【0031】
上記式(II)で表される化合物のうちXが−(CH2)pNH−であり、かつR1とR2がそれぞれ同一の置換基を有するベンジル基であるものは以下の方法によっても製造することができる。
式(X)
【化15】
Figure 0003888397
(式中、m、A、pは上記式(I)に定義した通りである)で表される化合物と式(VIII)で表される化合物を反応させ式(XI)
【化16】
Figure 0003888397
(式中、m、A、pは上記式(I)に定義した通りであり、R3は上記式(VIII)に定義した通りである)で表される化合物を製造(C工程)後、還元して(D工程)式(II)において、X=−(CH2)pNHである式(XII)
【化17】
Figure 0003888397
(式中、m、A、p、R1、R2は上記式(I)に定義した通りであるが、R1とR2はそれぞれ同一の置換基を有するベンジル基である)で表される化合物を製造することができる。
【0032】
C工程は前記式(XI)を有する化合物を製造する工程であり通常、溶媒の存在下で好適に行なわれる。反応は、場合により、Dean-Stark装置等で生成する水を除去しながら行なうか、あるいは無水炭酸ナトリウム、無水炭酸カリウム、無水硫酸ナトリウム、無水塩化カルシウム、無水硫酸マグネシウム、モレキュラーシーブ存在下で行なわれる。使用される溶媒としては、反応に影響を与えなければ特に限定はなく、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタンの様な炭化水素類;クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素、1,2−ジクロロエチレン等のハロゲン化炭化水素;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミド等のアミド類;メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;スルホラン;またはこれらの混合溶剤が好適に用いられる。反応温度は氷冷下ないし加熱還流下で行なわれる。反応時間は反応試薬、反応温度などによって異なるが、通常0.5時間ないし24時間である。好適には炭化水素類、アルコール類の溶剤中で1時間ないし12時間0℃ないし加熱還流下で行なわれる。さらに好適にはメタノール中で3ないし12時間0℃ないし30℃で行なわれる。
【0033】
D工程は、前記式(II)(但し、式中、m、A、p、R1、R2は上記式(I)に定義した通りであるが、R1とR2はそれぞれ同一の置換基を有するベンジル基である)を製造する工程であり、前記式(XI)を有する化合物を還元する工程である。反応は通常、還元剤の存在下還元するか、または触媒の存在下で水素添加することにより行なわれる。使用される還元剤としては、例えば水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、水素化リチウムアルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウムのような金属水素化物が用いられる。反応は、通常溶媒の存在下で行なわれ、使用される溶剤としては反応に影響を与えなければ特に限定はなく、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタンの様な炭化水素類;クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素、1,2−ジクロロエチレン等のハロゲン化炭化水素;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミド等のアミド類;メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;水;またはこれらの混合溶剤が好適に用いられる。反応温度は氷冷下ないし加熱還流下で行なわれる。反応時間は反応試薬、反応温度などによって異なるが、通常0.5時間ないし24時間である。好適にはアルコール類の溶剤中で水素化ホウ素ナトリウム又はシアノ水素化ホウ素ナトリウムの存在下、1時間ないし5時間、氷冷下ないし50℃で行なわれる。
【0034】
接触水素化を行なう場合、反応は触媒の存在下に行なわれる。使用される触媒としては、パラジウム−炭素、酸化白金、水酸化パラジウム等の接触水素化触媒が好適に用いられる。使用される溶剤としては反応に影響を与えなければ特に限定はなく、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタンの様な炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミド等のアミド類;メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類;酢酸メチル、酢酸エチル等の有機酸エステル類;またはこれらの混合溶剤が好適に用いられる。反応は、大気圧の水素ガス、あるいは中圧ないし高圧の水素ガス、好適には大気圧の水素ガスが用いられる。反応時間は反応試薬、反応温度などによって異なるが、通常0.5時間ないし24時間である。反応は好適には、アルコール溶剤、特にメタノール又はエタノール中、酸化白金を用いて大気圧の水素ガス下に、0℃ないし50℃で0.5時間ないし12時間で行なわれる。
【0035】
上記C、D工程は場合により、同一容器中で行なうことができる。すなわち式(X)の化合物と式(VIII)の化合物を溶媒中、反応させ式(XI)で表される化合物を製造し、同一容器中還元剤を用いて還元するか、あるいは触媒存在下接触水素化することで式(II)(但し、式中、m、A、p、R1、R2は上記式(I)に定義した通りであるが、R1とR2はそれぞれ同一の置換基を有するベンジル基である)の化合物を製造することができる。使用される還元剤としては、例えば水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、水素化リチウムアルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウムのような金属水素化物が用いられる。反応は、通常溶媒の存在下で行なわれ、使用される溶剤としては反応に影響を与えなければ特に限定はなく、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタンの様な炭化水素類;クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素、1,2−ジクロロエチレン等のハロゲン化炭化水素;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミド等のアミド類;メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;水;またはこれらの混合溶剤が好適に用いられる。反応温度は氷冷下ないし加熱還流下で行なわれる。反応時間は反応試薬、反応温度などによって異なるが、通常0.5時間ないし24時間である。反応は好適には、アルコール溶剤、さらに好適にはメタノール又はエタノール中、0℃ないし30℃で、1ないし12時間式(X)と式(VIII)の化合物を反応させ式(XI)の化合物を製造後、同一容器中、0℃ないし30℃で水素化ホウ素ナトリウムまたはシアノ水素化ホウ素ナトリウムを加えて1ないし5時間反応させることにより行なわれる。接触水素化により還元を行なう場合、使用される触媒としては、パラジウム−炭素、酸化白金、水酸化パラジウム等の接触水素化触媒が好適に用いられる。使用される溶剤としては反応に影響を与えなければ特に限定はなく、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタンの様な炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミド等のアミド類;メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類;酢酸メチル、酢酸エチル等の有機酸エステル類;酢酸等の有機酸類;またはこれらの混合溶剤が好適に用いられる。反応は、大気圧の水素ガス、あるいは中圧ないし高圧の水素ガス、好適には 大気圧の水素ガスが用いられる。反応時間は反応試薬、反応温度などによって異なるが、通常0.5時間ないし24時間である。反応は好適には、アルコール溶剤、特にメタノール又はエタノール中、酢酸の存在下に触媒として酸化白金又はパラジウムー炭素を用い、大気圧の水素ガスを用いて、0℃ないし50℃で3時間ないし12時間、式(X)と式(VIII)の化合物を反応させることにより行なわれる。
【0036】
本発明の上記式(I)の化合物は種々の形態で投与される。その投与形態としては例えば錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、シロップ剤、エリキシル剤等による経口投与または、注射剤(静脈内、筋肉内、皮下、腹腔内)、点滴剤、坐剤による非経口投与を挙げることができる。これらの各種製剤は、常法に従って主薬に賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑択剤、矯味矯臭剤、溶解補助剤、懸濁剤、コーティング剤などの医薬の製剤技術分野において通常使用しうる既知の補助剤を用いて製剤化することができる。その投与量は症状、年令、体重、投与方法によって異なるが、通常は成人に対して1日0.1mgないし600mgを投与することができる。この投与量の範囲内では毒性は認められない。
【0037】
以下に本発明を、本発明化合物の製造について実施例で、本発明化合物の合成中間体の製造について製造例で、本発明化合物の薬理効果について試験例で、そして本発明化合物を有効成分とする製剤について製剤例によって説明するが、これらは本発明を単に説明するだけのものであって、本発明を限定するものではない。
【0038】
実施例1
トランス−N,N′−ビス(3,4−ジメトキシベンジル)−N−ソラネシル−1,2−ジアミノシクロヘキサン
【化18】
Figure 0003888397
トランス−N,N′−ビス(3,4−ジメトキシベンジル)−1,2−ジアミノシクロヘキサン10.36g(25mmol)の テトラヒドロフラン50mlの溶液に臭化ソラネシル3.47g(5mmol)のテトラヒドロフラン10ml溶液を室温で滴下して加え、24時間室温で撹拌した後、減圧下に溶媒を留去した。残留物にヘキサン300mlを加え、アセトニトリル(50ml×3)で洗浄した後、取り出したヘキサン層から減圧下に溶媒を留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、トランス−N,N′−ビス(3,4−ジメトキシベンジル)−N−ソラネシル−1,2−ジアミノシクロヘキサン3.0gを得た。
収率:29%;遊離塩基:1H NMR (CDCl3)δ1.00-1.25(m, 4H), 1.60(s, 27H), 1.68(s, 3H), 1.50-1.85(m, 5H), 1.88-2.18(m, 32H), 2.42-2.56(m, 2H), 3.01(d, J=6.5 Hz, 2H), 3.29(d, J=13.5 Hz, 1H), 3.49(d, J=12.5 Hz, 1H), 3.62(s, 3H), 3.68(d, J=12.5 Hz, 1H), 3.81(s, 3H), 3.84(s, 3H), 3.85(s, 3H), 3.80-3.86(d, J=13.5 Hz, 1H), 5.06-5.15(m, 8H), 5.17(t, J=6.5 Hz, 1H), 6.72-6.85(m, 6H)
さらに常法に従い2塩酸塩を得た。
【0039】
実施例2
トランス−N,N′−ビス(3,4,5−トリメトキシベンジル)−N−ソラネシル−1,2−ジアミノシクロヘキサン
【化19】
Figure 0003888397
トランス−N,N′−ビス(3,4−ジメトキシベンジル)−1,2−ジアミノシクロヘキサンの代わりにトランス−N,N′−ビス(3,4,5−トリメトキシベンジル)−1,2−ジアミノシクロヘキサンを用いて実施例1と同様に行ない、トランス−N−ソラネシル−N,N′−ビス(3,4,5−トリメトキシベンジル)−1,2−ジアミノシクロヘキサンを得た。
収率:67%;遊離塩基:1H NMR (CDCl3)δ1.00-1.25(m, 4H), 1.60(s, 27H), 1.68(s, 3H), 1.50-1.85(m, 5H), 1.90-2.15(m, 32H), 2.43-2.57(m, 2H), 3.05(d, J=6.5 Hz, 2H), 3.30(d, J=14.0 Hz, 1H), 3.48(d, J=12.6 Hz, 1H), 3.64(s, 6H), 3.70 (d, J=14.0 Hz, 1H), 3.78(s, 6H), 3.79(s, 3H), 3.82(s, 3H), 3.82(d, J=12.6 Hz, 1H), 5.06-5.15(m, 8H), 5.22(t, J=6.5 Hz, 1H), 6.47 (s, 2H), 6.52(s, 2H)
さらに常法に従い2塩酸塩を得た。
【0040】
実施例3
シス−N,N′−ビス(3,4−ジメトキシベンジル)−N−ソラネシル−1,2−ジアミノシクロヘキサン
【化20】
Figure 0003888397
トランス−N,N′−ビス(3,4−ジメトキシベンジル)−1,2−ジアミノシクロヘキサンの代わりにシス−N,N′−ビス(3,4−ジメトキシベンジル)−1,2−ジアミノシクロヘキサンを用いて実施例1と同様に行ない、シス−N,N′−ビス(3,4−ジメトキシベンジル)−N−ソラネシル−1,2−ジアミノシクロヘキサンを得た。
収率:39%;遊離塩基:1H NMR (CDCl3) δ1.15-1.35(m, 4H), 1.44(s, 3H), 1.60(s, 24H), 1.68(s, 3H), 1.50-1.82(m, 5H), 1.85-2.11(m, 32H), 2.55-2.63(m, 1H), 2.98-3.04(m, 1H), 3.12(d, J=6.5 Hz, 2H), 3.45(d, J=13.0 Hz, 1H), 3.60(s, 3H), 3.73(s, 3H), 3.76(d, J=13.0 Hz, 1H), 3.80(s, 3H), 3.84(s, 3H), 3.85(s, 3H), 5.06-5.15(m, 8H), 5.26(t, J=6.5 Hz, 1H), 6.73-6.87(m, 6H)
さらに常法に従い2塩酸塩を得た。
【0041】
実施例4
1−(3,4−ジメトキシベンジル)−3−〔N,N−(3,4−ジメトキシベンジル)ソラネシルアミノ〕ピロリジン
【化21】
Figure 0003888397
トランス−N,N′−ビス(3,4−ジメトキシベンジル)−1,2−ジアミノシクロヘキサンの代わりに1−(3,4−ジメトキシベンジル)−3−〔N−(3,4−ジメトキシベンジル)アミノ〕ピロリジンを用いて実施例1と同様に行ない、1−(3,4−ジメトキシベンジル)−3−〔N,N−(3,4−ジメトキシベンジル)ソラネシルアミノ〕ピロリジンを得た。
収率:35%; 遊離塩基 : 1H NMR (CDCl3) δ1.60(s, 27H), 1.68(s, 3H), 1.85-2.10(m, 34H), 2.45-2.67(m, 4H), 3.05(d, J=6.5 Hz, 2H), 3.40-3.64(m, 5H), 3.86(s, 6H), 3.87(s, 3H), 5.05-5.15(m, 8H), 5.25(t, J=6.5 Hz, 1H), 6.75-6.91(m, 6H)
さらに常法に従い2塩酸塩を得た。
【0042】
実施例5
エンド−9−アザ−9−ベンジル−7−〔N,N−(3,4−ジメトキシベンジル)ソラネシル〕アミノ−3−オキサビシクロ〔3.3.1〕ノナン
【化22】
Figure 0003888397
エンド−9−アザ−9−ベンジル−7−〔N−(3,4−ジメトキシベンジル)〕アミノ−3−オキサビシクロ〔3.3.1〕ノナン1.27gのテトラヒドロフラン50ml溶液に臭化ソラネシル2.99g(4.31mmol)を室温下で滴下して加え、1.5時間攪拌した。反応液に1%(w/v)炭酸カリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し減圧下で溶媒を留去した。残留物をヘキサンに溶解しアセトニトリルで洗浄後、取り出したヘキサン層から減圧下に溶媒を留去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、エンド−9−アザ−9−ベンジル−7−〔N−(3,4−ジメトキシベンジル)−N−ソラネシル〕アミノ−3−オキサビシクロ〔3.3.1〕ノナン360mgを得た。
遊離塩基:IR(film)νmax cm-1 2928, 2846, 1593, 1515, 1453, 1383, 1265, 1235, 1155, 1134, 1035; 1H NMR (CDCl3) δ1.60(s, 27H), 1.64(s, 3H), 1.68(s, 3H), 1.73-1.76(m, 2H), 1.97-2.06(m, 34H), 2.80-2.83(m, 2H), 3.14 (d, J=6 Hz, 2H), 3.27(d, J=11 Hz, 2H), 3.62(s, 2H), 3.86-3.93(m, 4H), 3.87(s, 3H), 3.88(s, 3H), 5.09-5.13(m, 9H), 5.27-5.29(m, 1H), 6.81(d, J=8 Hz, 1H), 6.88(d, J=8 Hz, 1H), 6.97(d, J=2 Hz, 1H), 7.22-7.29(m, 5H)
さらに常法に従い淡黄色アモルファスの二塩酸塩を得た。
【0043】
実施例6
N−{〔N−(3,4−ジメトキシベンジル)〕−3−アミノプロピル}−N′−{〔N−(3,4−ジメトキシベンジル)−N−ソラネシル〕−3−アミノプロピル}ピペラジン
【化23】
Figure 0003888397
エンド−9−アザ−9−ベンジル−7−〔N−(3,4−ジメトキシベンジル)〕アミノ−3−オキサビシクロ〔3.3.1〕ノナンの代わりにN,N′−ビス{〔N−(3,4−ジメトキシベンジル)〕−3−アミノプロピル}ピペラジンを用いて実施例5と同様に行ない、粗N−{〔N−(3,4−ジメトキシベンジル)〕−3−アミノプロピル}−N′−{〔N−(3,4−ジメトキシベンジル)−N−ソラネシル〕−3−アミノプロピル}ピペラジン1.03g(37%)を得た。さらに常法に従い四塩酸塩とした後、アセトンから再結晶し黄色結晶のN−{〔N−(3,4−ジメトキシベンジル)〕−3−アミノプロピル}−N′−{〔N−(3,4−ジメトキシベンジル)−N−ソラネシル〕−3−アミノプロピル}ピペラジン四塩酸塩1.13gを得た。
遊離塩基:1H NMR (CDCl3) δ1.60(s, 24H), 1.68(s, 3H), 1.90-2.10(m, 32H), 2.25-2.78(m, 12H), 3.03(d, J=6.4 Hz, 2H), 3.47(s, 2H), 3.74(s, 2H), 3.86(s, 6H), 3.87(s, 3H), 3.89(s, 3H), 5.10-5.13(m, 8H), 5.28(t, J=6.4 Hz, 1H), 6.77-6.91(m, 6H)
四塩酸塩 : m.p.163〜171℃。
【0044】
実施例7
N,N′−ビス(3,4−ジメトキシベンジル)−N−ソラネシル−1,3−キシリレンジアミン
【化24】
Figure 0003888397
N,N′−ビス(3,4−ジメトキシベンジル)−1,3−キシリレンジアミン4.55g(10.4mmol)のテトラヒドロフラン50mlに、臭化ソラネシル1.81g(2.61mmol)のテトラヒドロフラン15ml溶液を室温下に滴下して加え、19時間攪拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、水、飽和食塩水で順次洗浄後、有機層を無水炭酸カリウムで乾燥し減圧下に溶媒を留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、淡黄色油状のN,N′−ビス(3,4−ジメトキシベンジル)−N−ソラネシル−1,3−キシリレンジアミン2.10gを得た。
収率:77%; 遊離塩基:1H NMR (CDCl3) δ1.57(s, 3H), 1.60(s, 27H), 1.89-2.11(m, 32H), 3.02(d, J=6.3 Hz, 2H), 3.50(s, 2H), 3.54(s, 2H), 3.74(s, 2H), 3.79(s, 2H), 3.85(s, 3H), 3.86(s, 3H), 3.87(s, 3H), 3.88(s, 3H), 5.01-5.19(m, 8H), 5.34(brt, J=6.8 Hz, 1H), 6.72-6.97(m, 7H), 7.16-7.32(m, 3H)
さらに常法に従い二塩酸塩を得た。
【0045】
実施例8
N,N′−ビス(3,4−ジメトキシベンジル)−N−ソラネシル−2,7−ジアミノフルオレン
【化25】
Figure 0003888397
トランス−N,N′−ビス(3,4−ジメトキシベンジル)−1,2−ジアミノシクロヘキサンの代わりにN,N′−ビス(3,4−ジメトキシベンジル)−2,7−ジアミノフルオレンを用いて、実施例1と同様に行ない、N,N′−ビス(3,4−ジメトキシベンジル)−N−ソラネシル−2,7−ジアミノフルオレンを得た。
収率:25%;遊離塩基:1H NMR (CDCl3) δ1.60(s, 24H), 1.68(s, 6H), 1.93-2.13(m, 32H), 3.70-4.05(m, 16H), 4.45-4.55(m, 2H), 5.05-5.15(m, 8H), 5.27-5.35(m, 1H), 6.55-7.05(m, 7H), 7.15-7.65(m, 5H)
さらに常法に従い二塩酸塩を得た。
【0046】
実施例9
(1R,2R)−N,N′−ビス(3,4−ジメトキシベンジル)−N−ソラネシル−1,2−ジアミノシクロヘキサン
【化26】
Figure 0003888397
トランス−N,N′−ビス(3,4−ジメトキシベンジル)−1,2−ジアミノシクロヘキサンの代わりに(1R,2R)−N,N′−ビス(3,4−ジメトキシベンジル)−1,2−ジアミノシクロヘキサンを用いて実施例1と同様に行ない、(1R,2R)−N,N′−ビス(3,4−ジメトキシベンジル)−N−ソラネシル−1,2−ジアミノシクロヘキサンを得た。
収率 : 46%;遊離塩基 : [α]D 27=−5.0°(c 1.01, エタノール);他の諸スペクトルデータは実施例1と一致した。
さらに常法に従い二塩酸塩を得た。
[α]D 27=+20.1°(c 1.00, エタノール)
【0047】
実施例10
(1S,2S)−N,N′−ビス(3,4−ジメトキシベンジル)−N−ソラネシル−1,2−ジアミノシクロヘキサン
【化27】
Figure 0003888397
トランス−N,N′−ビス(3,4−ジメトキシベンジル)−1,2−ジアミノシクロヘキサンの代わりに(1S,2S)−N,N′−ビス(3,4−ジメトキシベンジル)−1,2−ジアミノシクロヘキサンを用いて実施例1と同様に行ない、(1S,2S)−N,N′−ビス(3,4−ジメトキシベンジル)−N−ソラネシル−1,2−ジアミノシクロヘキサンを得た。
収率 : 47%;遊離塩基:[α]D 27=+5.4°(c 1.00, エタノール);他の諸スペクトルデータは実施例1と一致した。
さらに常法に従い二塩酸塩を得た。
[α]D 27=−20.6°(c 1.03, エタノール)
【0048】
実施例11
トランス−N,N′−ビス(3,4−ジメトキシベンジル)−N−ゲラニルファルネシル−1,2−ジアミノシクロヘキサン
【化28】
Figure 0003888397
臭化ソラネシルの代わりに臭化ゲラニルファルネシルを用いて実施例1と同様に行ない、トランス−N,N′−ビス(3,4−ジメトキシベンジル)−N−ゲラニルファルネシル−1,2−ジアミノシクロヘキサンを得た。
収率:41%;遊離塩基:1H NMR (CDCl3) δ1.00-1.40(m, 4H), 1.54-1.83(m, 21H), 1.88-2.15(m, 18H), 2.41-2.55(m, 2H), 3.01(d, J=6.3 Hz, 2H), 3.28(d, J=14.1 Hz, 1H), 3.49(d, J=13.0 Hz, 1H), 3.62(s, 3H), 3.69(d, J=13.0 Hz, 1H), 3.80(s, 3H), 3.84(s, 3H), 3.85(s, 3H), 3.80-3.85(m, 1H), 5.05-5.13(m, 4H), 5.16-5.22(m, 1H), 6.71-6.83(m, 6H)
さらに常法に従い二塩酸塩を得た。
二塩酸塩:1H NMR (CDCl3) δ0.80-1.40(m, 4H), 1.45-1.74(m, 20H), 1.75-2.40(m, 18H), 3.25-3.38(m, 1H), 3.50-3.65(m, 2H), 3.87(s, 3H), 3.90(s, 3H), 3.99(s, 6H), 3.80-4.00(m, 1H), 4.20-4.90(m, 4H), 4.95-5.22(m, 4H), 5.70-5.90(m, 1H), 6.70-7.15(m, 4H), 7.50-7.80(m, 2H), 10.48(brs, 1H), 11.64(brs, 1H), 11.88(brs, 1H)
【0049】
実施例12
トランス−N,N′−ビス(3,4−ジメトキシベンジル)−N−ファルネシルゲラニルゲラニル−1,2−ジアミノシクロヘキサン
【化29】
Figure 0003888397
臭化ソラネシルの代わりに臭化ファルネシルゲラニルゲラニルを用いて実施例1と同様に行ない、トランス− N,N′−ビス(3,4−ジメトキシベンジル)−N−ファルネシルゲラニルゲラニル−1,2−ジアミノシクロヘキサンを得た。
収率 : 76%;遊離塩基 : 1H NMR (CDCl3) δ1.00-1.40(m, 4H), 1.54-1.83(m, 27H), 1.88-2.15(m, 26H), 2.41-2.55(m, 2H), 3.01(d, J=6.3 Hz, 2H), 3.28(d, J=14.1 Hz, 1H), 3.49(d, J=13.0 Hz, 1H), 3.62(s, 3H), 3.69(d, J=13.0 Hz, 1H), 3.80(s, 3H), 3.84(s, 3H), 3.85(s, 3H), 3.80-3.85(m, 1H), 5.05-5.13(m, 6H), 5.16-5.22(m, 1H), 6.71-6.83(m, 6H)
さらに常法に従い二塩酸塩を得た。
二塩酸塩:1H NMR (CDCl3) δ0.80-1.40(m, 4H), 1.45-1.74(m, 26H), 1.75-2.40(m, 26H), 3.25-3.38(m, 1H), 3.50-3.65(m, 2H), 3.87(s, 3H), 3.90(s, 3H), 3.99(s, 6H), 3.80-4.00(m, 1H), 4.20-4.90(m, 4H), 4.95-5.22(m, 6H), 5.70-5.90(m, 1H), 6.70-7.15(m, 4H), 7.50-7.80(m, 2H), 10.48(brs, 1H), 11.64(brs, 1H), 11.88(brs, 1H)
【0050】
実施例13
トランス−N,N′−ビス(3,4−ジメトキシベンジル)−N−ファルネシルファルネシルゲラニル−1,2−ジアミノシクロヘキサン
【化30】
Figure 0003888397
臭化ソラネシルの代わりに臭化ファルネシルファルネシルゲラニルを用いて実施例1と同様に行ない、トランス−N,N′−ビス(3,4−ジメトキシベンジル)−N−ファルネシルファルネシルゲラニル−1,2−ジアミノシクロヘキサンを得た。
収率:39%;遊離塩基:1H NMR (CDCl3) δ1.00-1.40(m, 4H), 1.54-1.83(m, 30H), 1.88-2.15(m, 30H), 2.41-2.55(m, 2H), 3.01(d, J=6.3 Hz, 2H), 3.28(d, J=14.1 Hz, 1H), 3.49(d, J=13.0 Hz, 1H), 3.62(s, 3H), 3.69(d, J=13.0 Hz, 1H), 3.80(s, 3H), 3.84(s, 3H), 3.85(s, 3H), 3.80-3.85(m, 1H), 5.05-5.13(m, 7H), 5.16-5.22(m, 1H), 6.71-6.83(m, 6H)
さらに常法に従い二塩酸塩を得た。
二塩酸塩:1H NMR (CDCl3) δ0.80-1.40(m, 4H), 1.45-1.74(m, 29H), 1.75-2.40(m, 30H), 3.25-3.38(m, 1H), 3.50-3.65(m, 2H), 3.87(s, 3H), 3.90(s, 3H), 3.99(s, 6H), 3.80-4.00(m, 1H), 4.20-4.90(m, 4H), 4.95-5.22(m, 7H), 5.70-5.90(m, 1H), 6.70-7.15(m, 4H), 7.50-7.80(m, 2H), 10.48(brs, 1H), 11.64(brs, 1H), 11.88(brs, 1H)
【0051】
実施例14
トランス−N,N′−ビス(3,4−ジメトキシベンジル)−N−デカプレニル−1,2−ジアミノシクロヘキサン
【化31】
Figure 0003888397
臭化ソラネシルの代わりに臭化デカプレニルを用いて実施例1と同様に行ない、トランス−N,N′−ビス(3,4−ジメトキシベンジル)−N−デカプレニル−1,2−ジアミノシクロヘキサンを得た。
収率:65%;遊離塩基:1H NMR (CDCl3) δ1.00-1.26(m, 5H), 1.50-1.85(m, 4H), 1.60(s, 30H), 1.68(s, 3H), 1.90-2.13(m, 36H), 2.45-2.50(m, 2H), 3.01(d, J=6.4 Hz, 2H), 3.29(d, J=13.7 Hz, 1H), 3.49(d, J=12.7 Hz, 1H), 3.62(s, 3H), 3.68(d, J=13.7 Hz, 1H), 3.81(s, 3H), 3.81(d, J=12.7 Hz, 1H), 3.84(s, 3H), 3.85(s, 3H), 5.07-5.13(m, 9H), 5.18(t, J=6.4 Hz, 1H), 6.72-6.82(m, 6H)
さらに常法に従い二塩酸塩を得た。
【0052】
実施例15
トランス−N,N′−ビス(3,4−ジメトキシベンジル)−N−ドデカプレニル−1,2−ジアミノシクロヘキサン
【化32】
Figure 0003888397
臭化ソラネシルの代わりに臭化ドデカプレニルを用いて実施例1と同様に行ない、トランス−N,N′−ビス(3,4−ジメトキシベンジル)−N−ドデカプレニル−1,2−ジアミノシクロヘキサンを得た。
収率:71%;遊離塩基:1H NMR (CDCl3) δ1.00-1.26(m, 5H), 1.50-1.85(m, 4H), 1.60(s, 36H), 1.68(s, 3H), 1.90-2.13(m, 44H), 2.45-2.50(m, 2H), 3.01(d, J=6.4 Hz, 2H), 3.29(d, J=13.7 Hz, 1H), 3.49(d, J=12.7 Hz, 1H), 3.62(s, 3H), 3.69(d, J=13.7 Hz, 1H), 3.81(s, 3H), 3.81(d, J=12.7 Hz, 1H), 3.84(s, 3H), 3.85(s, 3H), 5.08-5.13(m, 11H), 5.19(t, J=6.4 Hz, 1H), 6.72-6.82(m, 6H)
さらに常法に従い二塩酸塩を得た。
【0053】
実施例16
トランス−N,N′−ビス(4−メチルベンジル)−N−ソラネシル−1,2−ジアミノシクロヘキサン
【化33】
Figure 0003888397
トランス−N,N′−ビス(3,4−ジメトキシベンジル)−1,2−ジアミノシクロヘキサンの代わりにトランス−N,N′−ビス(4−メチルベンジル)−1,2−ジアミノシクロヘキサンを用いて実施例1と同様に行ない、トランス− N,N′−ビス(4−メチルベンジル)−N−ソラネシル−1,2−ジアミノシクロヘキサンを得た。
収率:83%;遊離塩基:1H NMR (CDCl3) δ0.99-1.23(m, 4H), 1.53(s, 3H), 1.68(s, 3H), 1.49-1.69(m, 28H), 1.73-1.79(m, 1H), 1.87-2.14(m, 32H), 2.31(s, 3H), 2.32(s, 3H), 2.34-2.49(m, 2H), 2.90-3.03(m, 2H), 3.27(d, J=14 Hz, 1H), 3.50(d, J=13 Hz, 1H), 3.68(d, J=14 Hz, 1H), 3.81(d, J=13 Hz, 1H), 5.06-5.18(m, 9H), 7.03-7.17(m, 8H)
さらに常法に従い二塩酸塩を得た。
【0054】
実施例17
トランス−N,N′−ビス(4−イソプロピルベンジル)−N−ソラネシル−1,2−ジアミノシクロヘキサン
【化34】
Figure 0003888397
トランス−N,N′−ビス(3,4−ジメトキシベンジル)−1,2−ジアミノシクロヘキサンの代わりにトランス−N,N′−ビス(4−イソプロピルベンジル)−1,2−ジアミノシクロヘキサンを用いて実施例1と同様に行ない、トランス−N,N′−ビス(4−イソプロピルベンジル)−N−ソラネシル−1,2−ジアミノシクロヘキサンを得た。
収率:73%;遊離塩基:1H NMR (CDCl3) δ1.10-1.27(m, 4H), 1.23(d, J=6.8 Hz, 6H), 1.24(d, J=6.8 Hz, 6H), 1.52(s, 3H), 1.68(s, 3H), 1.50-1.70(m, 28 H), 1.73-1.80(m, 1H), 1.87-2.17(m, 32 H), 2.41-2.58(m, 2H), 2.82-3.04(m, 4H), 3.17(d, J=14 Hz, 1H), 3.53(d, J=13 Hz, 1H), 3.65(d, J=14 Hz, 1H), 3.85(d, J=11 Hz, 1H), 5.06-5.21(m, 9H), 7.08-7.20(m, 8H)
さらに常法に従い二塩酸塩を得た。
【0055】
実施例18
トランス−N,N′−ビス(4−フルオロベンジル)−N−ソラネシル−1,2−ジアミノシクロヘキサン
【化35】
Figure 0003888397
トランス−N,N′−ビス(3,4−ジメトキシベンジル)−1,2−ジアミノシクロヘキサンの代わりにトランス−N,N′−ビス(4−フルオロベンジル)−1,2−ジアミノシクロヘキサンを用いて実施例1と同様に行ない、トランス−N,N′−ビス(4−フルオロベンジル)−N−ソラネシル−1,2−ジアミノシクロヘキサンを得た。
収率:68%;遊離塩基:1H NMR (CDCl3) δ1.07-1.24(m, 4H), 1.53(s, 3H), 1.68(s, 3H), 1.51-1.84(m, 29H), 1.86-2.14(m, 32H), 2.38-2.55(m, 2H), 2.88-3.03(m, 2H), 3.32(d, J=14 Hz, 1H), 3.52(d, J=13 Hz, 1H), 3.64(d, J=14 Hz, 1H), 3.86(d, J=11 Hz, 1H), 5.06-5.15(m, 9H), 6.92(d, J=8.3 Hz, 2H), 6.97(d, J=8.8 Hz, 2H), 7.14-7.24(m, 4H)
さらに常法に従い二塩酸塩を得た。
【0056】
実施例19
トランス−N,N′−ビス(2,3−ジクロロベンジル)−N−ソラネシル−1,2−ジアミノシクロヘキサン
【化36】
Figure 0003888397
トランス−N,N′−ビス(3,4−ジメトキシベンジル)−1,2−ジアミノシクロヘキサンの代わりにトランス−N,N′−ビス(2,3−ジクロロベンジル)−1,2−ジアミノシクロヘキサンを用いて実施例1と同様に行ない、トランス−N,N′−ビス(2,3−ジクロロベンジル)−N−ソラネシル−1,2−ジアミノシクロヘキサンを得た。
収率:71%;遊離塩基:1H NMR (CDCl3) δ1.05-1.27(m, 4H), 1.55-1.81(m, 32H), 1.93-2.17(m, 34H), 2.35-2.45(m, 2H), 2.87(dd, J=4, 14 Hz, 1H), 3.03(dd, J=8, 14 Hz, 1H), 3.58(d, J=15 Hz, 1H), 3.68(t, J=14 Hz, 2H), 3.89(d, J=15 Hz, 1H), 5.09-5.17(m, 9H), 7.02-7.19(m, 3H), 7.29-7.36(m, 3H)
さらに常法に従い二塩酸塩を得た。
【0057】
実施例20
トランス−N,N′−ビス(4−ヒドロキシ−3−メトキシベンジル)−N−ソラネシル−1,2−ジアミノシクロヘキサン
【化37】
Figure 0003888397
トランス−N,N′−ビス(3,4−ジメトキシベンジル)−1,2−ジアミノシクロヘキサンの代わりにトランス−N,N′−ビス(4−ヒドロキシ−3−メトキシベンジル)−1,2− ジアミノシクロヘキサンを用いて実施例1と同様に行ない、トランス−N,N′−ビス(4−ヒドロキシ−3−メトキシベンジル)−N−ソラネシル−1,2−ジアミノシクロヘキサンを得た。
収率:62%;遊離塩基:1H NMR (CDCl3) δ1.09-1.23(m, 4H), 1.56-1.78(m, 32H), 1.83-2.06(m, 34H), 2.45-2.55(m, 2H), 3.00(d, J=7 Hz, 2H), 3.27(d, J=14 Hz, 1H), 3.45(d, J=12 Hz, 1H), 3.56(s, 3H), 3.64-3.70(m, 1H), 3.77(s, 3H), 3.83(d, J=12 Hz, 1H), 5.07-5.13(m, 8H), 5.16-5.19(m, 1H), 6.65-6.82(m, 6H)
さらに常法に従い二塩酸塩を得た。
【0058】
実施例21
トランス−N,N′−ビス(4−メトキシベンジル)−N−ソラネシル−1,2−ジアミノシクロヘキサン
【化38】
Figure 0003888397
トランス−N,N′−ビス(3,4−ジメトキシベンジル)−1,2− ジアミノシクロヘキサンの代わりにトランス−N,N′−ビス(4−メトキシベンジル)−1,2−ジアミノシクロヘキサンを用いて実施例1と同様に行ない、トランス −N,N′−ビス(4−メトキシベンジル)−N−ソラネシル−1,2−ジアミノシクロヘキサンを得た。
収率:72%;遊離塩基:1H NMR (CDCl3) δ1.12-1.17(m, 4H), 1.53(s, 3H), 1.60(s, 24H), 1.68(s, 3H), 1.75-2.10(m, 36H), 2.39-2.47(m, 2H), 2.95-2.97(m, 2H), 3.25(d, J=13.7 Hz, 1H), 3.49(d, J=12.7 Hz, 1H), 3.64(d, J=13.7 Hz, 1H), 3.81(d, J=13.2 Hz, 1H), 3.78(s, 6H), 5.08-5.17(m, 9H), 6.78-6.82(m, 4H), 7.11-7.19(m, 4H)
さらに常法に従い二塩酸塩を得た。
1H NMR (CDCl3) δ1.24-1.49(m, 4H), 1.59(s, 3H), 1.60(s, 24H), 1.67(s, 3H), 1.74-2.29(m, 38H), 3.60(brs, 2H), 3.79(s, 3H), 3.83(s, 3H), 4.31(d, J=13.2 Hz, 1H), 4.47(d, J=12.2 Hz, 1H), 4.63(d, J=12.7 Hz, 1H), 4.83(br, 1H), 5.08-5.12(m, 8H), 5.81(brs, 1H), 6.92-6.96(m, 4H), 7.61-7.73(m, 4H), 10.49(br, 1H), 11.65(br, 1H), 11.81(br, 1H)
【0059】
実施例22
トランス−N,N′−ビス(4−ブトキシベンジル)−N−ソラネシル−1,2−ジアミノシクロヘキサン
【化39】
Figure 0003888397
トランス−N,N′−ビス(3,4−ジメトキシベンジル)−1,2−ジアミノシクロヘキサンの代わりにトランス−N,N′−ビス(4−ブトキシベンジル)−1,2−ジアミノシクロヘキサンを用いて実施例1と同様に行ない、トランス −N,N′−ビス(4−ブトキシベンジル)−N−ソラネシル−1,2−ジアミノシクロヘキサンを得た。
収率:82%;遊離塩基:1H NMR (CDCl3) δ0.98(t, J=7.6 Hz, 6H), 0.99-1.17(m, 4H), 1.44-.52(m, 4H), 1.53(s, 3H), 1.60(s, 24H), 1.68(s, 3H), 1.72-1.79(m, 4H), 1.88-2.06(m, 36H), 2.41-2.44(m, 2H), 2.94-2.96(m, 2H), 3.24(d, J=13.7 Hz, 1H), 3.48(d, J=12.7 Hz, 1H), 3.63(d, J=13.7 Hz, 1H), 3.81(d, J=12.7 Hz, 1H), 3.93 (t, J=6.4 Hz, 4H), 5.10-5.13(m, 9H), 6.77-6.81(m, 4H), 7.10(d, J=8.3 Hz, 2H), 7.16(d, J=8.3 Hz, 2H)
さらに常法に従い二塩酸塩を得た。
1H NMR (CDCl3) δ0.95-1.00(m, 6H), 1.20-1.44(m, 4H), 1.45-1.84(m, 38H), 1.96-2.29(m, 38H), 3.58(brs, 2H), 3.92-3.99(m, 4H), 4.29(d, J=13.2 Hz, 1H), 4.46(d, J=12.2 Hz, 1H), 4.63(d, J=13.2 Hz, 1H), 4.85(br, 1H), 5.07-5.13(m, 8H), 5.83(brs, 1H), 6.91-6.94(m, 4H), 7.58-7.71(m, 4H), 10.49(br, 1H), 11.64(br, 1H), 11.83(br, 1H)
【0060】
実施例23
トランス−N,N′−ビス(2,3,4,5−テトラメトキシ−6−メチルベンジル)−N−ソラネシル−1,2−ジアミノシクロヘキサン
【化40】
Figure 0003888397
トランス−N,N′−ビス(3,4−ジメトキシベンジル)−1,2− ジアミノシクロヘキサンの代わりにトランス−N,N′−ビス(2,3,4,5−テトラメトキシ−6−メチルベンジル)−1,2−ジアミノシクロヘキサンを用いて実施例1と同様に行ない、トランス−N,N′−ビス(2,3,4,5−テトラメトキシ−6−メチルベンジル)−N−ソラネシル−1,2−ジアミノシクロヘキサンを得た。
収率:51%;遊離塩基 : 1H NMR (CDCl3) δ1.15-1.16(m, 4H), 1.60(s, 24H), 1.62(s, 3H), 1.68(s, 3H), 1.95-2.18(m, 36H), 2.13(s, 3H), 2.21(s, 3H), 2.34-2.40(m, 2H), 2.90-2.95(m, 2H), 3.44(d, J=12.2 Hz, 1H), 3.52(d, J=11.7 Hz, 1H), 3.57(d, J=12.2 Hz, 1H), 3.60(s, 3H), 3.61(d, J=11.7 Hz, 1H), 3.75(s, 3H), 3.76(s, 3H), 3.79(s, 3H), 3.80(s, 3H), 3.88(s, 6H), 3.89(s, 3H), 5.08-5.17(m, 9H)
さらに常法に従い二塩酸塩を得た。
1H NMR (CDCl3) δ0.90-1.75(m, 34H), 1.88-2.45(m, 44H), 3.48-4.99(m, 30H), 5.09-5.13(m, 9H), 10.27(br, 1H), 10.71(br, 1H), 11.08(br, 1H)
【0061】
実施例24
トランス−N,N′−ビス(3,4−ジエトキシベンジル)−N−ソラネシル−1,4−ジアミノシクロヘキサン
【化41】
Figure 0003888397
トランス−N,N′−ビス(3,4−ジメトキシベンジル)−1,2−ジアミノシクロヘキサンの代わりにトランス−N,N′−ビス(3,4−ジエトキシベンジル)−1,4−ジアミノシクロヘキサンを用いて実施例1と同様に行ない、トランス−N,N′−ビス(3,4− ジエトキシベンジル)−N−ソラネシル−1,4−ジアミノシクロヘキサンを得た。
収率:56%;遊離塩基:1H NMR (CDCl3) δ1.07-1.13(m, 2H), 1.31-1.37(m, 2H), 1.41-1.45(m, 12H), 1.53-1.58(m, 27H), 1.68(s, 3H), 1.83(d, J=11 Hz, 2H), 1.97-2.06(m, 32H), 2.41(t, J=10 Hz, 1H), 2.55(t, J=8 Hz, 1H), 3.05 (d, J=7 Hz, 2H), 3.49(s, 2H), 3.70(s, 2H), 4.04-4.15(m, 8H), 5.10-5.12(m, 8H), 5.21(t, J=6 Hz, 1H), 6.78-6.92(m, 6H)
さらに常法に従い二塩酸塩を得た。
【0062】
実施例25
1−(2,3,4,5−テトラメトキシ−6−メチルベンジル)−3−〔N,N−(2,3,4,5−テトラメトキシ−6−メチルベンジル)ソラネシルアミノ〕ピロリジン
【化42】
Figure 0003888397
トランス−N,N′−ビス(3,4−ジメトキシベンジル)−1,2−ジアミノシクロヘキサンの代わりに1−(2,3,4,5−テトラメトキシ−6−メチルベンジル)−3−〔N−(2,3,4,5−テトラメトキシ−6−メチルベンジル)アミノ〕ピロリジンを用いて実施例1と同様に行ない、1−(2,3,4,5−テトラメトキシ−6−メチルベンジル)−3−〔N,N−(2,3,4,5−テトラメトキシ−6−メチルベンジル)ソラネシルアミノ〕ピロリジンを得た。
収率:24%;遊離塩基:1H NMR (CDCl3) δ1.60(s, 27H), 1.68(s, 3H), 1.75-1.90(m, 2H), 1.90-2.10(m, 32H), 2.21(s, 3H), 2.25(s, 3H), 2.32-2.38(m, 1H), 2.42-2.48(m, 1H), 2.64-2.67(m, 1H), 2.74-2.77(m, 1H), 2.99(d, J=6.4 Hz, 2H), 3.35-3.42(m, 1H), 3.45-3.55(m, 4H), 3.75(s, 3H), 3.75(s, 3H), 3.76(s, 3H), 3.81(s, 3H), 3.87(s, 3H), 3.88(s, 3H), 3.90(s, 3H), 3.91(s, 3H), 5.05-5.15(m, 8H), 5.21(t, J=6.4 Hz, 1H)
さらに常法に従い二塩酸塩を得た。
【0063】
実施例26
1−(3,4−ジエトキシベンジル)−3−〔N,N−(3,4−ジエトキシベンジル)ソラネシルアミノ〕ピロリジン
【化43】
Figure 0003888397
トランス−N,N′−ビス(3,4−ジメトキシベンジル)−1,2−ジアミノシクロヘキサンの代わりに1−(3,4−ジエトキシベンジル)−3−〔N−(3,4−ジエトキシベンジル)アミノ〕ピロリジンを用いて実施例1と同様に行ない、1−(3,4−ジエトキシベンジル)−3−〔N,N−(3,4−ジエトキシベンジル)ソラネシルアミノ〕ピロリジンを得た。
収率:40%;遊離塩基:1H NMR (CDCl3) δ1.41-1.45(m, 12H), 1.60(s, 3H), 1.68(s, 3H), 1.83-1.85(m, 2H), 1.98-2.06(m, 32H), 2.45-2.61(m, 4H), 3.03(d, J=7 Hz, 2H), 3.40(d, J=13 Hz, 1H), 3.48(d, J=14 Hz, 1H), 3.57(dd, J=6 Hz, 15 Hz, 2H), 4.06-4.11(m, 8H), 5.09-5.12(m, 8H), 5.24(t, J=7 Hz, 1H), 6.78(d, J=2 Hz, 3H), 6.87(d, J=7 Hz, 3H)
常法に従い、2塩酸塩を得た。
【0064】
実施例27
1−(3,4−ジフルオロベンジル)−3−〔N,N−(3,4−ジフルオロベンジル)ソラネシルアミノ〕ピロリジン
【化44】
Figure 0003888397
トランス−N,N′−ビス(3,4−ジメトキシベンジル)−1,2−ジアミノシクロヘキサンの代わりに1−(3,4−ジフルオロベンジル)−3−〔N−(3,4−ジフルオロベンジル)アミノ〕ピロリジンを用いて実施例1と同様に行ない、1−(3,4−ジフルオロベンジル)−3−〔N,N−(3,4−ジフルオロベンジル)ソラネシルアミノ〕ピロリジンを得た。
収率:12%;遊離塩基:1H NMR (CDCl3) δ1.60(s, 27H), 1.68(s, 3H), 1.80(m, 1H), 1.95-2.10(m, 33H), 2.40-2.70(m, 4H), 3.03(d, J=5.8 Hz, 2H), 3.35-3.60(m, 5H), 5.00-5.15(m, 8H), 5.19(t, J=5.8 Hz), 6.90-7.20(m, 6H)さらに常法に従い二塩酸塩を得た。
1H NMR (CDCl3) δ1.60(s, 27H), 1.68(s, 3H), 1.80-2.20(m, 32H), 2.50-3.10(m, 2H), 3.50-4.60(m, 11H), 5.11(m, 8H), 5.36(m, 1H), 7.25(m, 2H), 7.49(m, 2H), 7.68(m, 2H), 13.22(m, 2H)
【0065】
実施例28
N−{〔N−(2,3,4,5−テトラメトキシ−6−メチルベンジル)〕−3− アミノプロピル}−N′−{〔(N−2,3,4,5−テトラメトキシ−6−メチルベンジル)−N−ソラネシル〕−3−アミノプロピル}ピペラジン
【化45】
Figure 0003888397
エンド−9−アザ−9−ベンジル−7−〔N−(3,4−ジメトキシベンジル)〕 アミノ−3−オキサビシクロ〔3.3.1〕ノナンの代わりに、N,N′−ビス{〔N−(2,3,4,5−テトラメトキシ−6−メチルベンジル)〕−3−アミノプロピル}ピペラジンを用いて実施例5と同様に行ない、N−{〔N−(2,3,4,5−テトラメトキシ−6−メチルベンジル)〕−3−アミノプロピル}−N′−{〔N−(2,3,4,5−テトラメトキシ−6−メチルベンジル)−N−ソラネシル〕−3−アミノプロピル}ピペラジンを得た。収率:56%
さらに常法に従い四塩酸塩を得た。
四塩酸塩 : m.p. 118−122℃
【0066】
実施例29
N−{〔N−(3,4−ジエトキシベンジル)〕 −3−アミノプロピル}−N′−{〔N−(3,4−ジエトキシベンジル)−N−ソラネシル〕−3−アミノプロピル}ピペラジン
【化46】
Figure 0003888397
エンド−9−アザ−9−ベンジル−7−〔N−(3,4−ジメトキシベンジル)〕アミノ−3−オキサビシクロ〔3.3.1〕ノナンの代わりに、N,N′−ビス{〔N−(3,4−ジエトキシベンジル)〕−3−アミノプロピル}ピペラジンを用いて実施例5と同様に行ない、N−{〔N−(3,4−ジエトキシベンジル)〕−3−アミノプロピル}−N′−{〔N−(3,4−ジエトキシベンジル)−N−ソラネシル〕−3−アミノプロピル}ピペラジンを得た。
収率:56%;遊離塩基:1H NMR (CDCl3) δ1.42-1.45(m, 12H),1.58(s, 27H),1.58-1.72(m, 4H),1.68(s, 3H),1.97-2.08(m, 32H),2.30(t, J=5 Hz, 2H),2.38-2.68(m, 10H),2.68(bs, 2H),3.02(d, J=6 Hz, 2H),3.45(s, 2H),3.71(s, 2H),4.04-4.10(m, 8H),5.09-5.13(m, 8H),5.27(t, J=4 Hz, 1H),6.78(s, 2H),6.82(s, 2H),6.88(s, 2H)
さらに常法に従い四塩酸塩を得た。
【0067】
実施例30
N,N′−ビス(3,4−ジフルオロベンジル)−N−ソラネシル−1,3−キシリレンジアミン
【化47】
Figure 0003888397
N,N′−ビス(3,4−ジメトキシベンジル)−1,3−キシリレンジアミンの代わりに、N,N′−ビス(3,4−ジフルオロベンジル)−1,3−キシリレンジアミンを用いて実施例7と同様に行ない、N,N′−ビス(3,4−ジフルオロベンジル)−N−ソラネシル−1,3−キシリレンジアミンを得た。
収率:17%;遊離塩基:1H NMR (CDCl3) δ1.55-1.59(m, 27H), 1.67(s, 3H), 1.92-2.07(m, 32H), 2.99(d, J=6.8 Hz, 2H), 3.47(s, 2H), 3.53(s, 2H), 3.75(s, 2H), 3.77(s, 2H), 5.05-5.12(m, 8H), 5.29(t, J=6.8 Hz, 1H), 7.02-7.12(m, 4H), 7.18-7.27(m, 6H)
さらに常法に従い二塩酸塩を得た。
【0068】
実施例31
N,N′−ビス(3,4−ジエトキシベンジル)−N−ソラネシル−1,3−キシリレンジアミン
【化48】
Figure 0003888397
N,N′−ビス(3,4−ジメトキシベンジル)−1,3−キシリレンジアミンの代わりに、N,N′−ビス(3,4−ジエトキシベンジル)−1,3−キシリレンジアミンを用いて実施例7と同様に行ない、N,N′−ビス(3,4−ジエトキシベンジル)−N−ソラネシル−1,3−キシリレンジアミンを得た。
収率:11%;遊離塩基:1H NMR (CDCl3) δ1.40-1.45(m, 12H), 1.55-1.62(m, 27H), 1.68(s, 3H), 1.92-2.09(m, 32H), 3.01(d, J=6.8 Hz, 2H), 3.47(s, 2H), 3.52(s, 2H), 3.72(s, 2H), 3.77(s, 2H), 4.03-4.09(m, 8H), 5.06-5.13(m, 8H), 5.33(t, J=6.8 Hz, 1H), 6.77-6.83(m, 4H), 6.89(s, 1H), 6.92-6.93(m, 1H), 7.16-7.20(m, 1H), 7.25-7.26(m, 2H), 7.29(s, 1H)
さらに常法に従い二塩酸塩を得た。
1H NMR (DMSO-d6) δ1.30-1.35(m, 12H), 3.99-4.09(m, 16H), 6.93-6.96(m, 2H), 7.00-7.02(m, 2H), 7.28(d, J=1.9 Hz, 2H), 7.47-7.51(m, 1H), 7.61(d, J=7.3 Hz, 2H), 7.66(s, 1H), 9.70(brs, 4H)
【0069】
実施例32
N,N′−ビス(2,3,4,5−テトラメトキシ−6−メチルベンジル)−N−ソラネシル−1,3−キシリレンジアミン
【化49】
Figure 0003888397
N,N′−ビス(3,4−ジメトキシベンジル)−1,3−キシリレンジアミンの代わりに、N,N′−ビス(2,3,4,5−テトラメトキシ−6−メチルベンジル)−1,3−キシリレンジアミンを用いて実施例7と同様に行ない、N,N′−ビス(2,3,4,5−テトラメトキシ−6−メチルベンジル)−N−ソラネシル −1,3−キシリレンジアミンを得た。
収率:14%;遊離塩基:1H NMR (CDCl3) δ1.51-1.61(m, 27H), 1.67(s, 3H), 1.95-2.09(m, 32H), 2.17(s, 3H), 2.23(s, 3H), 2.94(d, J=6.8 Hz, 2H), 3.44(s, 2H), 3.53(s, 2H), 3.72(s, 2H), 3.74(s, 3H), 3.76(s, 3H), 3.77-3.82(m, 2H), 3.79(s, 3H), 3.81(s, 3H), 3.85(s, 3H), 3.87(s, 3H), 3.895(s, 3H), 3.899(s, 3H), 5.09-5.12(m, 8H), 5.35(t, J=6.8 Hz, 1H), 7.17-7.27(m, 4H)
さらに常法に従い二塩酸塩を得た。
【0070】
製造例1
トランス−N,N′−ビス(3,4−ジメトキシベンジル)−1,2−ジアミノシクロヘキサン
【化50】
Figure 0003888397
ベラトルアルデヒド16.6g(0.10mol)のメタノール100mlの溶液に室温下、トランス−1,2−シクロヘキサンジアミン5.71g(0.05mol)を加え、12時間撹拌した後、水素化ホウ素ナトリウム7.60g(0.20mol)を少量ずつ加えた後、さらに室温で5時間撹拌した。メタノールを減圧濃縮し、濃縮物に水を加え、クロロホルムで抽出した。クロロホルム層を水で2回、飽和食塩水で1回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下溶媒留去し黄色油状のトランス−N,N′−ビス(3,4−ジメトキシベンジル)−1,2−ジアミノシクロヘキサンを得、精製することなく次の反応に使用した。
【0071】
製造例2
トランス−N,N′−ビス(3,4,5−トリメトキシベンジル)−1,2−ジアミノシクロヘキサン
【化51】
Figure 0003888397
ベラトルアルデヒドの代わりに3,4,5−トリメトキシベンズアルデヒドを使用して製造例1と同様に行ない、トランス−N,N′−ビス(3,4,5−トリメトキシベンジル)−1,2−ジアミノシクロヘキサンを得た。
【0072】
製造例3
シス−N,N′−ビス(3,4−ジメトキシベンジル)−1,2−ジアミノシクロヘキサン
【化52】
Figure 0003888397
トランス−1,2−シクロヘキサンジアミンの代わりにシス−1,2−シクロヘキサンジアミンを使用して製造例1と同様に行ない、シス−N,N′−ビス(3,4−ジメトキシベンジル)−1,2−ジアミノシクロヘキサンを得た。
【0073】
製造例4
1−(3,4−ジメトキシベンジル)−3−〔N−(3,4−ジメトキシベンジル)アミノ〕ピロリジン
【化53】
Figure 0003888397
トランス−1,2−シクロヘキサンジアミンの代わりに3−アミノピロリジンを使用して製造例1と同様に行ない、1−(3,4−ジメトキシベンジル)−3−〔N−(3,4−ジメトキシベンジル)アミノ〕ピロリジンを得た。
【0074】
製造例5
エンド−9−アザ−9−ベンジル−7−〔N−(3,4−ジメトキシベンジル)〕アミノ−3−オキサビシクロ〔3.3.1〕ノナン
【化54】
Figure 0003888397
トランス−1,2−シクロヘキサンジアミンの代わりにエンド−7−アミノ−9−アザ−9−ベンジル−3−オキサビシクロ〔3.3.1〕ノナン(特開平7−10881に記載)を使用して製造例1と同様に行ない、エンド−9−アザ−9−ベンジル−7−〔N−(3,4−ジメトキシベンジル)〕アミノ−3−オキサビシクロ〔3.3.1〕ノナンを得た。
【0075】
製造例6
N,N′−ビス{〔N−(3,4−ジメトキシベンジル)〕−3−アミノプロピル}ピペラジン
【化55】
Figure 0003888397
トランス−1,2−シクロヘキサンジアミンの代わりに1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジンを使用して製造例1と同様に行ない、N,N′−ビス{〔N−(3,4−ジメトキシベンジル)〕−3−アミノプロピル}ピペラジンを得た。
【0076】
製造例7
N,N′−ビス(3,4−ジメトキシベンジル)−2,7−ジアミノフルオレン
【化56】
Figure 0003888397
トランス−1,2−シクロヘキサンジアミンの代わりに2,7−ジアミノフルオレンを使用して製造例1と同様に行ない、N,N′−ビス(3,4−ジメトキシベンジル)−2,7−ジアミノフルオレンを得た。
【0077】
製造例8
N,N′−ビス(3,4−ジメトキシベンジル)−1,3−キシリレンジアミン
【化57】
Figure 0003888397
m−キシリレンジアミン10.0g(73.42mmol) のメタノール300ml溶液にベラトルアルデヒド25.0g(150.50mmol) を加え、室温で10分間攪拌後、減圧下溶媒留去した。残留物をベンゼンに溶解し、減圧下溶媒留去し、この操作を2回行なった、残留物をメタノール200mlに溶解し氷冷下、水素化ホウ素ナトリウム5.83g(154.20mmol)を15分間かけて少量ずつ加え、30分間攪拌後、室温でさらに18時間攪拌した。反応液にアセトン10mlを加え、減圧下溶媒留去し、残留物に水150ml を加え、さらに濃塩酸20mlを加えて酸性にし、氷冷下1時間攪拌した。析出した結晶を濾取し、水から再結晶を行ない無色結晶のN,N′−ビス(3,4−ジメトキシベンジル)−1,3−キシリレンジアミン(二塩酸塩)23.05g(62%) を得た。一部を、10%(w/v)水酸化ナトリウム水溶液に溶解しクロロホルムで抽出し、有機層を無水炭酸カリウムで乾燥後減圧下溶媒留去し、N,N′−ビス(3,4−ジメトキシベンジル)−1,3−キシリレンジアミン(遊離塩基)を得た。
二塩酸塩:1H NMR (DMSO-d6) δ3.76(s, 6H), 3.77(s, 6H), 4.07(s, 4H), 4.09(s, 4H), 6.95(d, J=8.3 Hz, 2H), 7.05(dd, J=1.0 Hz, 6.8 Hz, 2H), 7.35(s, 2H), 7.49(t, J=7.3 Hz, 1H), 7.62(d, J=7.8 Hz, 2H), 7.69(s, 1H), 9.82(brs, 4H, 重水で置換)。
遊離塩基 : 1H NMR (CDCl3) δ1.60(s, 2H, 重水で置換), 3.76(s, 4H), 3.80(s, 4H), 3.87(s, 6H), 3.88(s, 6H), 6.81(d, J=8.3 Hz, 2H), 6.86(d, J=8.3 Hz, 2H), 6.90(s, 1H), 7.23(d, J=7.3 Hz, 2H), 7.27-7.40(m, 2H)
【0078】
製造例9
(1S,2S)−N,N′−ビス(3,4−ジメトキシベンジル)−1,2−ジアミノシクロヘキサン
【化58】
Figure 0003888397
トランス−1,2−シクロヘキサンジアミンの代わりに、(1S,2S)−1,2−ジアミノシクロヘキサンを使用して製造例1と同様に行ない、(1S,2S)−N,N′−ビス(3,4−ジメトキシベンジル)−1,2−ジアミノシクロヘキサンを得た。
収率:87%;1H NMRは製造例1と一致した。
【0079】
製造例10
(1R,2R)−N,N′−ビス(3,4−ジメトキシベンジル)−1,2−ジアミノシクロヘキサン
【化59】
Figure 0003888397
トランス−1,2−シクロヘキサンジアミンの代わりに、(1R,2R)−1,2− ジアミノシクロヘキサンを使用して製造例1と同様に行ない、(1R,2R)−N,N′−ビス(3,4−ジメトキシベンジル)−1,2− ジアミノシクロヘキサンを得た。
収率:100%;1H NMRは製造例1と一致した。
【0080】
製造例11
トランス−N,N′−ビス(4−メチルベンジル)−1,2−ジアミノシクロヘキサン
【化60】
Figure 0003888397
ベラトルアルデヒドの代わりに、4−メチルベンズアルデヒドを使用して製造例1と同様に行ない、トランス−N,N′−ビス(4−メチルベンジル)−1,2−ジアミノシクロヘキサンを得た。
【0081】
製造例12
トランス−N,N′−ビス(4−イソプロピルベンジル)−1,2−ジアミノシクロヘキサン
【化61】
Figure 0003888397
ベラトルアルデヒドの代わりに、4−イソプロピルベンズアルデヒドを使用して製造例1と同様に行ない、トランス−N,N′−ビス(4−イソプロピルベンジル)−1,2−ジアミノシクロヘキサンを得た。
【0082】
製造例13
トランス−N,N′−ビス(4−フルオロベンジル)−1,2−ジアミノシクロヘキサン
【化62】
Figure 0003888397
ベラトルアルデヒドの代わりに、4−フルオロベンズアルデヒドを使用して製造例1と同様に行ない、トランス−N,N′−ビス(4−フルオロベンジル)− 1,2−ジアミノシクロヘキサンを得た。
【0083】
製造例14
トランス−N,N′−ビス(2,3−ジクロロベンジル)−1,2−ジアミノシクロヘキサン
【化63】
Figure 0003888397
ベラトルアルデヒドの代わりに、2,3−ジクロロベンズアルデヒドを使用して製造例1と同様に行ない、トランス−N,N′−ビス(2,3−ジクロロベンジル)−1,2−ジアミノシクロヘキサンを得た。
1H NMR (CDCl3) δ1.04-1.09(m, 2H), 1.18-1.30(m, 2H), 1.72-1.74(m, 2H), 2.02-2.04(m, 2H), 2.16(d, J=14 Hz, 2H), 2.21-2.28(m, 2H), 3.77(d, J=14 Hz, 2H), 3.97(d, J=14 Hz, 2H), 7.15(t, J=8 Hz, 2H), 7.30-7.35(m, 4H)
【0084】
製造例15
トランス−N,N′−ビス(4−ヒドロキシ−3−メトキシベンジル)−1,2−ジアミノシクロヘキサン
【化64】
Figure 0003888397
ベラトルアルデヒドの代わりに、バニリンを使用して製造例1と同様に行ない、トランス−N,N′−ビス(4−ヒドロキシ−3−メトキシベンジル)−1,2−ジアミノシクロヘキサンを得た。
1H NMR (CDCl3) δ1.15-1.27(m, 4H), 1.74-1.76(m, 2H), 2.16-2.19(m, 2H), 2.35-2.38(m, 2H), 3.56(d, J=13 Hz, 2H), 3.72(s, 6H), 3.87(d, J=13 Hz, 2H), 6.72(dd, J=1, 8 Hz, 2H), 6.77(d, J=8 Hz, 2H), 6.85(d, J=1 Hz, 2H)
【0085】
製造例16
トランス−N,N′−ビス(4−メトキシベンジル)−1,2−ジアミノシクロヘキサン
【化65】
Figure 0003888397
ベラトルアルデヒドの代わりに、4−メトキシベンズアルデヒドを使用して製造例1と同様に行ない、無色針状晶のトランス−N,N′−ビス(4−メトキシベンジル)−1,2−ジアミノシクロヘキサンを得た。
収率:67%;m.p. 110-112℃;1H NMR (CDCl3) δ1.01-1.03(m, 2H), 1.19-1.24(m, 2H), 1.70-1.72(m, 2H), 1.81(brs, 2H, 重水で置換), 2.13-2.16(m, 2H), 2.22-2.24(m, 2H), 3.58(d, J=12.7 Hz, 2H), 3.79(s, 6H), 3.83(d, J=12.7 Hz, 2H), 6.84(d, J=8.3 Hz, 4H), 7.22(d, J=8.3 Hz, 4H)
【0086】
製造例17
トランス−N,N′−ビス(4−ブトキシベンジル)−1,2−ジアミノシクロヘキサン
【化66】
Figure 0003888397
ベラトルアルデヒドの代わりに、4−ブトキシベンズアルデヒドを使用して製造例1と同様に行ない、トランス−N,N′−ビス(4−ブトキシベンジル)− 1,2−ジアミノシクロヘキサンを得た。
収率:81%;1H NMR (CDCl3) δ0.97(t, J=7.3 Hz, 6H), 0.99-1.03(m, 2H), 1.15-1.23(m, 2H), 1.44-1.54(m, 4H), 1.70-1.79(m, 6H), 2.11-2.15(m, 2H), 2.20-2.25(m, 2H), 3.55(d, J=12.7 Hz, 2H), 3.81(d, J=12.7 Hz, 2H), 3.94(t, J=6.4 Hz, 4H), 6.83(d, J=8.3 Hz, 4H), 7.19(d, J=8.3 Hz, 4H)
【0087】
製造例18
トランス−N,N′−ビス(2,3,4,5−テトラメトキシ−6−メチルベンジル)−1,2−ジアミノシクロヘキサン
【化67】
Figure 0003888397
ベラトルアルデヒドの代わりに、2,3,4,5−テトラメトキシ−6−メチルベンズアルデヒドを使用して製造例1と同様に行ない、トランス−N,N′−ビス(4−ブトキシベンジル)−1,2−ジアミノシクロヘキサンを得た。
収率:100%;1H NMR (CDCl3) δ1.06-1.08(m, 2H), 1.23-1.33(m, 2H), 1.75-1.78(m, 2H), 2.16-2.19(m, 2H), 2.18(s, 6H), 2.28-2.31(m, 2H), 3.51(d, J=11.7 Hz, 2H), 3.74(s, 6H), 3.76(s, 6H), 3.84(d, J=11.2 Hz, 2H), 3.84(s, 6H), 3.90(s, 6H)
【0088】
製造例19
トランス−N,N′−ビス(3,4−ジエトキシベンジル)−1,4−ジアミノシクロヘキサン
【化68】
Figure 0003888397
トランス−1,2−シクロヘキサンジアミンの代わりに、トランス−1,4−シクロヘキサンジアミンを使用し、ベラトルアルデヒドの代わりに、3,4−ジエトキシベンズアルデヒドを使用して製造例1と同様に行ない、トランス−N,N′− ビス(3,4−ジエトキシベンジル)−1,4−ジアミノシクロヘキサンを得た。
収率:47%:1H NMR (CDCl3) δ1.15(t, J=10 Hz, 4H), 1.41-1.48(m, 12H), 1.96(d, J=6 Hz, 4H), 2.49(bs, 2H), 3.72(s, 4H), 4.07(q, J=7 Hz, 4H), 4.08(q, J=7 Hz, 4H), 6.79-6.86(m, 6H)
【0089】
製造例20
N,N′−ビス(2,3,4,5−テトラメトキシ−6−メチルベンジル)−3−アミノピロリジン
【化69】
Figure 0003888397
2,3,4,5−テトラメトキシ−6−メチルベンズアルデヒド12.7g(52.9mmol)のメタノール100ml溶液に3−アミノピロリジン2.0g(23.2mmol)を加え、加熱還流下4時間撹拌した。室温に冷却後、水素化ホウ素ナトリウム2.0g(52.6mmol)を少しずつ加え、3時間撹拌した。反応液に5(w/v)%水酸化ナトリウム水溶液を加えた後、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒留去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、メタノール/クロロホルム(1/19)の画分からN,N′−ビス(2,3,4,5−テトラメトキシ−6−メチルベンジル)−3−アミノピロリジン6.34gを得た。収率:51%
【0090】
製造例21
N,N′−ビス(3,4−ジエトキシベンジル)−3−アミノピロリジン
【化70】
Figure 0003888397
トランス−1,2−シクロヘキサンジアミンの代わりに、3−アミノピロリジンを使用し、ベラトルアルデヒドの代わりに、3,4−ジエトキシベンズアルデヒドを使用して製造例1と同様に行ない、N,N′−ビス(3,4−ジエトキシベンジル)−3−アミノピロリジンを得た。
収率:76%;1H NMR (CDCl3) δ1.41-1.45(m, 12H), 1.60-1.61(m, 1H), 2.10-2.15(m, 1H), 2.38(dd, J=5 Hz, 10 Hz, 1H), 2.50(dd, J=8 Hz, 15 Hz, 1H), 2.62(dd, J=8 Hz, 15 Hz, 1H), 2.72(dd, J=7 Hz, 9 Hz, 1H), 3.30-3.35(m, 1H), 3.49(d, J=12 Hz, 1H), 3.55(d, J=11 Hz, 1H), 3.64(s, 2H), 4.03-4.10(m, 8H), 6.80-6.90(m, 6H)
【0091】
製造例22
N,N′−ビス(3,4− ジフルオロベンジル)−3−アミノピロリジン−トランス
【化71】
Figure 0003888397
トランス−1,2−シクロヘキサンジアミンの代わりに、3−アミノピロリジンを使用し、ベラトルアルデヒドの代わりに、3,4−ジフルオロベンズアルデヒド使用して製造例1と同様に行ない、N,N′−ビス(3,4−ジフルオロベンジル)−3−アミノピロリジンを得た。
収率:95%;遊離塩基:1H NMR (CDCl3) δ1.61(m, 1H), 2.13(m, 1H), 2.39(m, 1H), 2.47(m, 1H), 2.60-2.70(m, 2H), 3.31(m, 1H), 3.52(d, J=13.2 Hz, 1H), 3.56(d, J=13.2 Hz, 1H), 3.66(d, J=13.7 Hz, 1H), 3.70(d, J=13.7 Hz, 1H), 6.90-7.20(m, 6H)
【0092】
製造例23
N,N′−ビス{〔N−(2,3,4,5−テトラメトキシ−6−メチルベンジル)〕−3−アミノプロピル}ピペラジン
【化72】
Figure 0003888397
トランス−1,2−シクロヘキサンジアミンの代わりに、1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジンを使用し、ベラトルアルデヒドの代わりに、2,3,4,5−テトラメトキシ−6−メチルベンズアルデヒド使用して製造例1と同様に行ない、N,N′−ビス{〔N−(2,3,4,5−テトラメトキシ−6−メチルベンジル)〕−3−アミノプロピル}ピペラジンを得た。
1H NMR (CDCl3) δ1.67-1.74(m, 4H), 2.23(s, 6H), 2.36-2.64(m, 12H), 2.68(t, J=6.8 Hz, 4H), 3.70(s, 4H), 3.78(s, 6H), 3.84(s, 6H), 3.89(s, 6H), 3.90(s, 6H)
【0093】
製造例24
N,N′−ビス{〔N−(3,4−ジエトキシベンジル)〕−3−アミノプロピル}ピペラジン
【化73】
Figure 0003888397
トランス−1,2−シクロヘキサンジアミンの代わりに、1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジンを使用し、ベラトルアルデヒドの代わりに、3,4− ジエトキシベンズアルデヒドを使用して製造例1と同様に行ない、N,N′−ビス{〔N−(3,4−ジエトキシベンジル)〕−3−アミノプロピル}ピペラジンを得た。
収率:80%;遊離塩基:1H NMR (CDCl3) δ1.41-1.46(m, 12H), 1.70(sept, J=7 Hz, 4H), 2.38(t, J=7 Hz, 4H), 2.35-2.58(m, 4H), 2.66(t, J=7 Hz, 4H), 3.70(s, 4H), 4.05-4.12(m, 4H), 6.81(d, J=1 Hz, 4H), 6.87(s, 2H)
【0094】
製造例25
N,N′−ビス(3,4−ジフルオロベンジル)−1,3−キシリレンジアミン
【化74】
Figure 0003888397
ベラトルアルデヒドの代わりに3,4−ジフルオロベンズアルデヒドを使用して製造例8と同様に行ない、N,N′−ビス(3,4−ジフルオロベンジル)− 1,3−キシリレンジアミンを得た。
1H NMR (CDCl3) δ3.76-3.81(m, 8H), 7.04-7.13(m, 4H), 7.16-7.36(m, 6H)
【0095】
製造例26
N,N′−ビス(3,4−ジエトキシベンジル)−1,3−キシリレンジアミン
【化75】
Figure 0003888397
ベラトルアルデヒドの代わりに3,4−ジエトキシベンズアルデヒドを使用して製造例8と同様に行ない、N,N′−ビス(3,4−ジエトキシベンジル)−1,3−キシリレンジアミンを得た。
【0096】
製造例27
N,N′−ビス(2,3,4,5−テトラメトキシ−6−メチルベンジル)−1,3 −キシリレンジアミン
【化76】
Figure 0003888397
ベラトルアルデヒドの代わりに2,3,4,5−テトラメトキシ−6−メチルベンズアルデヒドを使用して製造例8と同様に行ない、N,N′−ビス(2,3,4,5−テトラメトキシ−6−メチルベンジル)−1,3−キシリレンジアミンを得た。
【0097】
製造例28
2,3,4,5−テトラメトキシ−6−メチルベンズアルデヒド
【化77】
Figure 0003888397
1,2,3,4−メトキシ−5−メチルベンゼン34.3g(162mmol)のトリフルオロ酢酸200ml溶液にヘキサメチレンテトラミン25.0g(178mmol)を加え、3時間加熱還流した。反応液を減圧下溶媒留去し、残留物に水200mlを加え1時間加熱還流した。3N水酸化ナトリウムで中和した。酢酸エチル200ml×3で抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、2,3,4,5−テトラメトキシ−6−メチルベンズアルデヒド34.9gを得た。
収率:90%;1H NMR (CDCl3) δ2.46(s, 3H), 3.76(s, 3H), 3.91(s, 3H), 3.95(s, 3H), 10.43(s, 1H)
【0098】
次に、本発明の化合物の多剤耐性克服剤、制癌剤増強剤としての効果を説明する。
試験例1
ヒト乳癌由来アドリアマイシン(ADM)耐性細胞(MCF7/ADM)におけるコロニー形成試験
12穴プレートに、750個/mlに調製したヒト乳癌由来アドリアマイシン耐性細胞(MCF7/ADM)の10%ウシ胎児血清およびグルタミン(2μg/ml)およびカナマイシン(50μg/ml)を含むMEM(minimal essential medium)培養液(日水製薬)を1500個/1穴になるように分注し、5%炭酸ガス雰囲気下に37℃で24時間培養した。試験化合物の0.50mmolジメチルスルホキシド溶液を累積的に添加し、5%炭酸ガス下に37℃で1週間培養した。0.1%メチレンブルー/メタノール溶液で30分間染色後、乾燥、鏡検しコロニー数を計測した。その数より、IC30(30%コロニー形成を抑制する化合物の濃度)を算出した。
【0099】
【表1】
Figure 0003888397
上記表1から明らかなように、本発明の化合物は既知化合物より細胞毒性が低い。
【0100】
試験例2
ヒト乳癌由来アドリアマイシン(ADM)非耐性細胞(MCF7/WT)に対する併用効果
12穴プレートに、ヒト乳癌由来アドリアマイシン非耐性細胞(MCF7/WT)の10%ウシ胎児血清およびグルタミン(2μg/ml)およびカナマイシン(50μg/ml)を含むMEM(minimal essential medium)培養液(日水製薬)を1000個/1穴になるように分注し、5%炭酸ガス雰囲気下に37℃で24時間培養した。培養液にアドリアマイシンを0〜50ng/mlの範囲で累積的に添加し、さらに試験化合物のジメチルスルホキシド溶液を、最終濃度が試験例1で求めたIC30値になるように添加し、5%炭酸ガス下に37℃で1週間培養した。対照例として、アドリアマイシンのみを添加した。0.1%メチレンブルー/メタノール溶液で30分間染色後、乾燥、鏡検しコロニー数を計測した。その数より、IC50(50%コロニー形成を抑制する化合物の濃度)を算出し、さらに増強倍率(対照例(アドリアマシン単独投与)について得られたIC50値を1とした時の相対値)を求めた。
この試験は、2系列の実験として、すなわち対照例としてドリアマイシンのみを添加したものと、これに実施例1(二塩酸塩)または実施例6(二塩酸塩)の化合物を併用したものについて(第1の実験)、および対照例としてドリアマイシンのみを添加したものと、これに実施例4(二塩酸塩)の化合物を併用したものについて(第2の実験)行った。
【0101】
【表2】
Figure 0003888397
上記表2から明らかな様に本発明の化合物は、ヒト乳癌由来ADM非耐性細胞において、アドリアマイシンの制癌作用を増強する。
【0102】
試験例3
ヒト乳癌由来アドリアマイシン耐性細胞(MCF7/ADM)に対する併用効果12穴プレートに、ヒト乳癌由来アドリアマイシン耐性細胞(MCF7/ADM)の10%ウシ胎児血清およびグルタミン(2μg/ml)およびカナマイシン(50μg/ml)を含むMEM(minimal essential medium)培養液(日水製薬)を1500個/1穴になるように分注し、5%炭酸ガス雰囲気下に37℃で24時間培養した。培養液にアドリアマイシンを0〜5000ng/mlの範囲で累積的に添加し、さらに試験化合物のジメチルスルホキシド溶液を、最終濃度が試験例1で求めたIC30値になるように添加し、5%炭酸ガス下に37℃で1週間培養した。対照例として、アドリアマイシンのみを添加した。0.1%メチレンブルー/メタノール溶液で30分間染色後、乾燥、鏡検しコロニー数を計測した。その数より、IC50(50%コロニー形成を抑制する化合物の濃度)を算出し、さらに耐性倍率(試験例2の対照例(アドリアマシン単独投与)のIC50値を1とした時の相対値)を求めた。
この試験も試験例2と同様に、2系列の実験として、すなわち対照例としてドリアマイシンのみを添加したものと、これに実施例1(二塩酸塩)または実施例6(二塩酸塩)の化合物を併用したものについて(第1の実験)、および対照例としてドリアマイシンのみを添加したものと、これに実施例4(二塩酸塩)または実施例7(二塩酸塩)の化合物を併用したものについて(第2の実験)行った。
【0103】
【表3】
Figure 0003888397
上記の表から明らかなように本発明の化合物は、ヒト乳癌由来アドリアマイシン耐性株(MCF7/ADM)において耐性克服作用を有する。
【0104】
以上のように本発明の上記式(I)で表される化合物、またはその塩は、細胞毒性が低く、非耐性癌細胞において制癌剤の作用を増強する。また、多剤耐性癌細胞において耐性克服作用を有する。
従って、本発明の上記式(I)で表される化合物、またはその塩は多剤耐性克服剤、制癌剤増強剤として有用である。
【0105】
最後に、本発明の化合物またはその塩酸塩を有効成分とする医薬の製剤例を示す。
製剤例1 経口用硬カプセル剤
実施例1の化合物25g、およびポリオキシエチレンひまし油7.5gをメタノールに溶解し、つぎに無水けい酸25gを混合した。メタノールを蒸発した後、さらにカルボキシメチルセルロースカルシウム5g、とうもろこし澱粉5g、ヒドロキシプロピルセルロース7.5gおよび微結晶セルロース20gを混合し、30mlの水を加えて練合しそして粒状化した。これを、No.24メッシュ(B.S.)のスクリーンを付した造粒機で造粒した。顆粒は水分5%以下に乾燥し、そしてNo.16メッシュ(B.S.)のふるいで処理した。次にこの粒子をカプセル充填機で1カプセルあたり200mgを充填した。
【0106】
製剤例2 経口用軟カプセル剤
実施例1の化合物30g、およびポリエチレングリコール(マクロゴール400)130gを混合して均一な溶液とした。別にゼラチン93g、グリセリン19g、D−ソルビトール10g、パラオキシ安息香酸エチル0.4g、パラオキシ安息香酸プロピル0.2gおよび酸化チタン0.4gの組成からなるゼラチン溶液を調製し、これをカプセル皮膜剤として手動式平板打抜法により内容物190mgを含有するソフトカプセルを製造した。
【0107】
製剤例3 経口用軟カプセル剤
実施例1の化合物40g、およびポリエチレングリコール(マクロゴール400)120gを混合して均一な溶液とした。別にゼラチン90g、グリセリン16g、D−ソルビトール8g、パラオキシ安息香酸エチル0.35g、パラオキシ安息香酸プロピル0.2gおよび酸化チタン0.3gの組成からなるゼラチン溶液を調製し、これをカプセル皮膜剤として手動式平板打抜法により内容物180mgを含有するソフトカプセルを製造した。
【0108】
製剤例4 注射剤
実施例1の化合物の塩酸塩5g、落花生油適量およびベンジルアルコール1gを混合し、さらに落花生油を使用して全量を100mlとした。この溶液を無菌操作によりアンプルに1ml分注して融閉した。
【0109】
製剤例5 注射剤
実施例1の化合物の塩酸塩9g、水素添加ひまし油ポリオキシエチレン(60モル)エーテル(ニッコールHCO 60)5.0g、プロピレングリコール20g、グリセリン10gおよびエタノール5.0gを混合し、これに蒸留水100mlを加え攪拌した。この溶液を無菌操作によりアンプルに2ml分注して融閉した。

Claims (7)

  1. 下記式 (I)
    Figure 0003888397
    (式中、mは0〜3の整数を表し、nは5〜12の整数を表し、Aはシクロ(C3〜C6)アルキレン基、フェニレン基、フルオレニレン基、ピロリジニレン基、ピペラジニレン基、9−アザ−3−オキサビシクロ〔3.3.1〕ノニレン基を表し、R1、R2はそれぞれ独立にベンジル基を表し、そしてこのベンジル基のフェニル環は、水酸基、C1〜C4アルキル基、C1〜C4アルコキシ基およびハロゲン原子から選ばれる1〜5個の置換基で置換されていてもよく、Xは単結合を表すか、または−(CH2)pNH−で表される2価の基であり、pは0〜3の整数を表す)で表される化合物およびその製薬上許容される塩。
  2. Aがシクロ(C3〜C6)アルキレン基である請求項1記載の化合物。
  3. Aがシクロヘキシレンである請求項1又は2記載の化合物。
  4. 請求項1乃至3に記載された化合物を有効成分として含有する医薬組成物。
  5. 請求項1乃至3に記載された化合物を有効成分として含有する制癌剤に対する耐性癌細胞の多剤耐性克服剤。
  6. 請求項1乃至3に記載された化合物を有効成分として含有する制癌剤の作用増強剤。
  7. 下記式 (II)
    Figure 0003888397
    (式中、mは0〜3の整数を表し、Aはシクロ(C3〜C6)アルキレン基、フェニレン基
    、フルオレニレン基、ピロリジニレン基、ピペラジニレン基、9−アザ−3−オキサビシクロ〔3.3.1〕ノニレン基を表し、R1、R2はそれぞれ独立にベンジル基を表し、そしてこのベンジル基のフェニル環は、水酸基、C1〜C4アルキル基、C1〜C4アルコキシ基およびハロゲン原子から選ばれる1〜5個の置換基で置換されていてもよく、Xは単結合を表すか、または−(CH2)pNH−で表される2価の基であり、pは0〜3の整数を表す)で表される化合物と、下記式 (III)
    Figure 0003888397
    (式中、nは5〜12の整数を表し、Lはハロゲン原子、C1〜C4アルキルスルホニルオキシ基、およびアリールスルホニルオキシ基から選ばれる脱離基である)で表される化合物とを反応させて下記式(I)
    Figure 0003888397
    (式中、m、n、A、R1、R2、およびXはそれぞれ上記式(II)及び(III)に定義した通りである)で表される化合物を製造する方法。
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