JP6757636B2 - アブレーションカテーテル用評価器具 - Google Patents

アブレーションカテーテル用評価器具 Download PDF

Info

Publication number
JP6757636B2
JP6757636B2 JP2016184415A JP2016184415A JP6757636B2 JP 6757636 B2 JP6757636 B2 JP 6757636B2 JP 2016184415 A JP2016184415 A JP 2016184415A JP 2016184415 A JP2016184415 A JP 2016184415A JP 6757636 B2 JP6757636 B2 JP 6757636B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
color
ablation
ablation catheter
molded product
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016184415A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018049156A (ja
Inventor
拓也 桝田
拓也 桝田
久生 宮本
久生 宮本
倫彦 光宗
倫彦 光宗
寛 梅本
寛 梅本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Pilot Ink Co Ltd
Pilot Corp KK
Japan Lifeline Co Ltd
Original Assignee
Pilot Ink Co Ltd
Pilot Corp KK
Japan Lifeline Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Pilot Ink Co Ltd, Pilot Corp KK, Japan Lifeline Co Ltd filed Critical Pilot Ink Co Ltd
Priority to JP2016184415A priority Critical patent/JP6757636B2/ja
Publication of JP2018049156A publication Critical patent/JP2018049156A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6757636B2 publication Critical patent/JP6757636B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は臓器代用樹脂成形物を用いたアブレーションカテーテル用評価器具に関する。更に詳細には手術機器を用いて臓器を焼灼する医療行為におけるシミュレーションに用いられる臓器代用樹脂成形物を用いたアブレーションカテーテル用評価器具に関する。
従来、内視鏡外科手術機器等の手術機器を用いて臓器を焼灼する医療行為におけるシミュレーションには、豚や牛等の動物組織が使用されているが、屠殺直後の動物組織を維持するには手間を要すると共に、動物組織を用いることは衛生上及び室内環境上好ましいことではなかった。
そこで、動物組織の代りに合成樹脂からなる臓器モデルが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
前記臓器モデルは、動物組織のように使用迄の組織の維持や、衛生面や個体差を気にすることのない、利便性の高い模擬臓器であるが、焼灼部位を明瞭に確認することができ難く、十分なシミュレーション(学習、訓練、修練、習熟、演習等)に活用することはできなかった。
特開2015−36809号公報
本発明は、この種の焼灼を伴う手技練習用臓器モデルの焼灼の度合いを明瞭に確認することが可能な臓器代用樹脂組成物を用いたアブレーションカテーテル用評価器具を提供しようとするものである。
本発明は、アブレーションカテーテルを用いた焼灼を評価するための器具であって、対極板と、前記対極板上に配置され、前記焼灼を評価する際に用いられる液体を収容すると共に、導電性樹脂により構成された容器と、前記容器内に配置される、前記焼灼を評価する際の試料としての臓器代用樹脂成形物と、を備えたものである。
前記臓器代用樹脂成形物は、(イ)電子供与性呈色性有機化合物、(ロ)電子受容性化合物、(ハ)前記(イ)、(ロ)成分による電子授受反応を特定温度域において可逆的に生起させる反応媒体とからなる感温変色性色彩記憶性組成物を内包し、色濃度−温度曲線に関して大きなヒステリシス特性を示して第1色相と第2色相間の互変性を呈し、前記第1色相の状態にあって温度が上昇する過程では、温度t3に達すると、前記第1色相は変色し始め、前記温度t3より高い温度t4以上の温度域で完全に前記第2色相となり、前記第2色相状態にあって温度が下降する過程では、温度t2に達すると、前記第2色相は変色し始め、前記温度t2より低い温度t1以下の温度域で完全に前記第1色相となり、前記温度t2前記温度t3の間の温度域で前記第1色相或いは前記第2色相が保持されるヒステリシス特性を示し、前記温度t2が常温未満の温度であり、前記温度t4が常温を超え、且つ、臓器に対する焼灼温度以下の温度である感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料を成形物中に含有してなると共に、導電性材料を含んでなり、臓器外科手術機器による焼灼を確認する。
更には、例えば、前記温度t4が体温を超える温度であること、前記温度t2が5℃以下の温度であり、前記温度t4が40℃以上の温度であること、前記温度t4が50〜100℃の温度であること、前記温度t1が−50〜0℃の温度であること、前記温度t4が異なる複数の前記感温変色性色彩記憶性組成物を前記成形物中に含有してなること、前記臓器の形状を模してなること、等を要件としてもよい。
本発明は、手術機器による臓器の焼灼部位を明瞭に確認することができ、医療行為におけるシミュレーションを十分に行うことが可能な利便性の高い臓器代用樹脂成形物を用いたアブレーションカテーテル用評価器具を提供することができる。
本発明に用いられる感温変色性色彩記憶性組成物の変色挙動を示す説明図である。 本発明に用いられる他の感温変色性色彩記憶性組成物の変色挙動を示す説明図である。 本発明の臓器代用樹脂成形物の一実施例の縦断面説明図である。 図3の臓器代用樹脂成形物の焼灼後の状態を示す縦断面説明図である。 本発明のアブレーションカテーテル用評価器具の概略構成例を表す模式図である。
本発明の臓器代用樹脂成形物は、感温変色性色彩記憶性組成物を内包した感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料を樹脂製の成形物中に含有してなる。
前記感温変色性色彩記憶性組成物は、特公平4−17154号公報、特開平7−179777号公報、特開平7−33997号公報、特開平8−39936号公報等に記載されている大きなヒステリシス特性(ΔHB=8〜50℃)を示す、即ち、温度変化による着色濃度の変化をプロットした曲線の形状が、温度を変色温度域より低温側から上昇させていく場合と逆に変色温度域より高温側から下降させていく場合とで大きく異なる経路を辿って変色し、完全発色温度(t1)以下の低温域での発色状態、又は完全消色温度(t4)以上の高温域での消色状態が、特定温度域〔t2〜t3の間の温度域(実質的二相保持温度域)〕で色彩記憶性を有する加熱消色型(加熱により消色し、冷却により発色する)の可逆熱変色性組成物である(図1参照)。
前記感温変色性色彩記憶性組成物の色濃度−温度曲線におけるヒステリシス特性について説明する。
図1において、縦軸に色濃度、横軸に温度が表されている。温度変化による色濃度の変化は矢印に沿って進行する。ここで、Aは完全消色状態に達する温度t4(以下、完全消色温度と称す)における濃度を示す点であり、Bは消色を開始する温度t3(以下、消色開始温度と称す)における濃度を示す点であり、Cは発色を開始する温度t2(以下、発色開始温度と称す)における濃度を示す点であり、Dは完全発色状態に達する温度t1(以下、完全発色温度と称す)における濃度を示す点である。
変色温度域は前記t1とt4間の温度域であり、着色状態と消色状態のいずれかの状態を呈することができ、色濃度の差の大きい領域であるt2とt3の間の温度域が実質変色温度域である。
また、線分EFの長さが変色のコントラストを示す尺度であり、線分EFの中点を通る線分HGの長さがヒステリシスの程度を示す温度幅(以下、ヒステリシス幅ΔHと記す)であり、このΔH値が小さいと変色前後の両状態のうち常温域では特定の一方の状態しか存在しえない。また、前記ΔH値が大きいと変色前後の各状態の保持が容易となる。
前記感温変色性色彩記憶性組成物は、色保持温度幅(t3−t2)の全域で発色状態と消色状態のいずれかの状態が択一的に保持することができ、発色開始温度t2と消色開始温度t3の間に常温域を有する。
なお、前記常温域は、JIS Z 8703に記載されている5〜35℃の範囲であることが好ましく、一般的な使用環境温度で発色状態或いは消色状態を択一的に記憶保持することができる。
また、前記温度t2が常温未満の温度であり、温度t4が常温を超え、且つ、臓器に対する焼灼温度以下の温度であることにより、温度t1以下で発色させた感温変色性色彩記憶性組成物が臓器外科手術機器による焼灼により消色し、その状態は常温域で保持されるため、焼灼部位を明瞭に確認することができ、十分なシミュレーション(学習、訓練、修練、習熟、演習等)に活用することができる。
更に、前記温度t4が体温を超える温度であることにより、より現実的なシミュレーションを行うことができる。
なお、前記温度t2は、感温変色性色彩記憶性組成物が発色しない常温域未満の5℃以下の温度であり、温度t4は、常温を超え、且つ、臓器に対する焼灼温度以下である40℃以上の温度である。
ここで、何故温度t4が常温を超え、且つ、臓器に対する焼灼温度以下の温度であり、且つ、温度t2が常温未満の温度であるかを説明すると、発色状態から消色開始温度(t3)を経て完全消色温度(t4)に達しない状態で加温を止めると、再び第一の状態に復する現象を生じること、及び、消色状態から発色開始温度(t2)を経て完全発色温度(t1)に達しない状態で冷却を中止しても発色を生じた状態が維持されることから、完全消色温度(t4)が常温を超え、且つ、臓器に対する焼灼温度以下の温度であれば、発色状態は焼灼前の通常の使用状態において維持されることになり、発色開始温度(t2)が常温域を下回る温度であれば消色状態は焼灼後の通常の使用において維持される。
よって、前記温度設定は感温変色性色彩記憶性組成物の焼灼部位が変色した状態を択一的に視認させるためには重要な要件であり、利便性と実用性を満足させることができる。
前述の完全消色温度(t4)の温度設定において、発色状態が通常の使用状態において維持されるためにはより高い温度であることが好ましく、且つ、臓器を過剰に焼灼しない温度であることが好ましい。
よって、完全消色温度(t4)は、好ましくは50〜100℃、より好ましくは50〜80℃である。
更に、前述の発色開始温度(t2)の温度設定において、消色状態が通常の使用状態において維持されるためにはより低い温度であることが好ましく、0℃以下が好適であり、−5℃以下がより好適である。
なお、感温変色性色彩記憶性組成物を予め発色状態にするためには冷却手段としては汎用の冷凍庫にて冷却することが好ましいが、冷凍庫の冷却能力を考慮すると、−50℃迄が限度であり、従って、完全発色温度(t1)は−50℃〜0℃であることが好ましい。
以下に感温変色性色彩記憶性組成物の(イ)、(ロ)、(ハ)成分について化合物を例示する。
本発明の(イ)成分である電子供与性呈色性有機化合物としては、ジフェニルメタンフタリド類、フェニルインドリルフタリド類、インドリルフタリド類、ジフェニルメタンアザフタリド類、フェニルインドリルアザフタリド類、フルオラン類、スチリノキノリン類、ジアザローダミンラクトン類、ピリジン類、キナゾリン類、ビスキナゾリン類等が挙げられる。
以下にこれらの化合物を例示する。
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、
3−(4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、
3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、
3,3−ビス(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、
3−〔2−エトキシ−4−(N−エチルアニリノ)フェニル〕−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、
3,6−ジフェニルアミノフルオラン、
3,6−ジメトキシフルオラン、
3,6−ジ−n−ブトキシフルオラン、
2−メチル−6−(N−エチル−N−p−トリルアミノ)フルオラン、
3−クロロ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、
2−メチル−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、
2−(2−クロロアミノ)−6−ジブチルアミノフルオラン、
2−(2−クロロアニリノ)−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン、
2−(3−トリフルオロメチルアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−(N−メチルアニリノ)−6−(N−エチル−N−p−トリルアミノ)フルオラン、
1,3−ジメチル−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−クロロ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−アニリノ−3−メトキシ−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン、
2−アニリノ−3−メトキシ−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン、
2−キシリジノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、
1,2−ベンツ−6−ジエチルアミノフルオラン、
1,2−ベンツ−6−(N−エチル−N−イソブチルアミノ)フルオラン、
1,2−ベンツ−6−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)フルオラン、
2−(3−メトキシ−4−ドデコキシスチリル)キノリン、
スピロ〔5H−(1)ベンゾピラノ(2,3−d)ピリミジン−5,1′(3′H)イソベンゾフラン〕−3′−オン、
2−(ジエチルアミノ)−8−(ジエチルアミノ)−4−メチル−スピロ〔5H−(1)ベンゾピラノ(2,3−g)ピリミジン−5,1′(3′H)イソベンゾフラン〕−3−オン、
2−(ジ−n−ブチルアミノ)−8−(ジ−n−ブチルアミノ)−4−メチル−スピロ〔5H−(1)ベンゾピラノ(2,3−g)ピリミジン−5,1′(3′H)イソベンゾフラン〕−3−オン、
2−(ジ−n−ブチルアミノ)−8−(ジエチルアミノ)−4−メチル−スピロ〔5H−(1)ベンゾピラノ(2,3−g)ピリミジン−5,1′(3′H)イソベンゾフラン〕−3−オン、
2−(ジ−n−ブチルアミノ)−8−(N−エチル−N−i−アミルアミノ)−4−メチル−スピロ〔5H−(1)ベンゾピラノ(2,3−g)ピリミジン−5,1′(3′H)イソベンゾフラン〕−3−オン、
2−(ジブチルアミノ)−8−(ジペンチルアミノ)−4−メチル−スピロ[5H−(1)ベンゾピラノ(2,3−g)ピリミジン−5,1′(3′H)−イソベンゾフラン]−3−オン、
3−(2−メトキシ−4−ジメチルアミノフェニル)−3−(1−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、
3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、
3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−ペンチル−2−メチルインドール−3−イル)−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、
4,5,6,7−テトラクロロ−3−[4−(ジエチルアミノ)−2−メチルフェニル]−3−(1−エチル−2−メチル−1H−インドール−3−イル)−1(3H)−イソベンゾフラノン、
3′,6′−ビス〔フェニル(2−メチルフェニル)アミノ〕−スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9′−〔9H〕キサンテン]−3−オン、
3′,6′−ビス〔フェニル(3−メチルフェニル)アミノ〕−スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9′−〔9H〕キサンテン]−3−オン、
3′,6′−ビス〔フェニル(3−エチルフェニル)アミノ〕−スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9′−〔9H〕キサンテン]−3−オン、
4−[2,6−ビス(2−エトキシフェニル)−4−ピリジニル]−N,N−ジメチルベンゼンアミン、
2−(4′−ジメチルアミノフェニル)−4−メトキシ−キナゾリン、
4,4′−(エチレンジオキシ)−ビス〔2−(4−ジエチルアミノフェニル)キナゾリン〕等を挙げることができる。
なお、フルオラン類としては、キサンテン環を形成するフェニル基に置換基を有する前記化合物の他、キサンテン環を形成するフェニル基に置換基を有すると共にラクトン環を形成するフェニル基にも置換基(例えば、メチル基等のアルキル基、クロロ基等のハロゲン原子)を有する青色や黒色を呈する化合物であってもよい。
前記(ロ)成分の電子受容性化合物としては、活性プロトンを有する化合物群、偽酸性化合物群(酸ではないが、組成物中で酸として作用して成分(イ)を発色させる化合物群)、電子空孔を有する化合物群等がある。
活性プロトンを有する化合物を例示すると、フェノール性水酸基を有する化合物としては、モノフェノール類からポリフェノール類があり、さらにその置換基としてアルキル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシ基及びそのエステル又はアミド基、ハロゲン基等を有するもの、及びビス型、トリス型フェノール等、フェノール−アルデヒド縮合樹脂等を挙げることができる。又、前記フェノール性水酸基を有する化合物の金属塩であってもよい。
以下に具体例を挙げる。
フェノール、o−クレゾール、ターシャリーブチルカテコール、ノニルフェノール、n−オクチルフェノール、n−ドデシルフェノール、n−ステアリルフェノール、p−クロロフェノール、p−ブロモフェノール、o−フェニルフェノール、p−ヒドロキシ安息香酸n−ブチル、p−ヒドロキシ安息香酸n−オクチル、レゾルシン、没食子酸ドデシル、4,4−ジヒドロキシジフェニルスルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ヘプタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−オクタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ノナン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−デカン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ドデカン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2,3−ジメチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−エチルブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,7−ジメチルオクタン、1−フェニル−1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ペプタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−オクタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ノナン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−デカン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ドデカン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチルプロピオネート、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン等がある。
前記フェノール性水酸基を有する化合物が最も有効な熱変色特性を発現させることができるが、芳香族カルボン酸及び炭素数2〜5の脂肪族カルボン酸、カルボン酸金属塩、酸性リン酸エステル及びそれらの金属塩、1、2、3−トリアゾール及びその誘導体から選ばれる化合物等であってもよい。
前記(イ)、(ロ)成分による電子授受反応を特定温度域において可逆的に生起させる反応媒体の(ハ)成分について説明する。
前記(ハ)成分としては、アルコール類、エステル類、ケトン類、エーテル類を挙げることができる。
前記(ハ)成分としては、色濃度−温度曲線に関し、大きなヒステリシス特性(温度変化による着色濃度の変化をプロットした曲線が、温度を低温側から高温側へ変化させる場合と、高温側から低温側へ変化させる場合で異なる)を示して変色する、色彩記憶性を示す可逆熱変色性組成物を形成できる5℃以上50℃未満のΔT値(融点−曇点)を示すカルボン酸エステル化合物、例えば、2−メチル安息香酸ステアリル、4−tert−ブチル安息香酸セチル、4−シクロヘキシル安息香酸ベヘニル、4−フエニル安息香酸ミリスチル、4−オクチル安息香酸ラウリル、3,5−ジメチル安息香酸ヘキシル、3−エチル安息香酸ステアリル、4−イソプロピル安息香酸デシル、4−ベンゾイル安息香酸ステアリル、4−tert−ブチル安息香酸フエニル、2−メチル安息香酸4−クロロベンジル、4−クロロ安息香酸ステアリル、3−ブロモ安息香酸ミリスチル、2−クロロ−4−ブロモ安息香酸ステアリル、3,4−ジクロロ安息香酸デシル、2,4−ジブロモ安息香酸オクチル、3−ニトロ安息香酸セチル、4−アミノ安息香酸シクロヘキシルメチル、4−ジエチルアミノ安息香酸セチル、4−アニリノ安息香酸ステアリル、4−メトキシ安息香酸デシル、4−メトキシ安息香酸セチル、4−ブトキシ安息香酸オクチル、4−ヒドロキシ安息香酸セチル、安息香酸4−メトキシフエニルメチル、p−クロロフエニル酢酸ステアリル、p−クロロフエニル酢酸セチル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸ネオパンチル、サリチル酸4−メトキシメチルフエニルメチル、安息香酸4−クロロフエニルメチル、カプリン酸4−クロロフエニルメチル、ミリスチン酸4−メトキシフエニルメチル、ステアリン酸4−メチルフエニルメチル、ステアリン酸4−ニトロフエニルメチル、カプロン酸4−メチルフエニルメチル、ミリスチン酸2−クロロフエニルメチル、カプリン酸4−メトキシフエニルメチル、11−ブロモラウリン酸4−クロロフエニル、ステアリン酸4−イソプロピルフエニル等の分子中に置換芳香族環を含むカルボン酸エステル、1−ナフトエ酸ステアリル、ベンジル酸セチル、ベンジル酸ステアリル、3−ベンゾイルプロピオン酸デシル、安息香酸ステアリル、安息香酸セチル、安息香酸ミリスチル等の無置換芳香族環を含むカルボン酸と炭素数10以上の脂肪族アルコールのエステル、ケイ皮酸シクロヘキシルメチル、ラウリン酸シクロヘキシル、ミリスチン酸シクロヘキシル、パルミチン酸シクロヘキシル、ステアリン酸シクロヘキシルメチル、ステアリン酸シクロヘキシルエチル、シクロヘキシル酢酸ステアリル、2−シクロヘキシルプロピオン酸ステアリル、シクロヘキサンカルボン酸ステアリル、2−ベンゾイルプロピオン酸シクロヘキシル等の分子中にシクロヘキシル基を含むカルボン酸エステル、カプロン酸ベンジル、パルミチン酸ベンジル、パルミチン酸4−メチルベンジル、ステアリン酸3−フエニルプロピル、11−ブロモラウリン酸フェニル等の炭素数6以上の脂肪酸と芳香族アルコール又はフェノールのエステル、オクチル酸ネオペンチル、ラウリン酸ネオペンチル等の炭素数8以上の脂肪酸と分岐脂肪族アルコールのエステル、セバシン酸ジベンジル、4,4′−ジフエニルジカルボン酸ジネオペンチル、アゾジカルボン酸ジベンジル等のジカルボン酸と芳香族アルコール又は分岐脂肪族アルコールのエステル、ケイ皮酸ジベンジル、ステアリン酸ヘプチル、アジピン酸ジデシル、アジピン酸ジラウリル、アジピン酸ジミリスチル、アジピン酸ジセチル、アジピン酸ジステアリル、トリラウリン、トリミリスチン、トリステアリン、ジミリスチン、ジステアリン等が用いられる。
また、炭素数9以上の奇数の脂肪族一価アルコールと炭素数が偶数の脂肪族カルボン酸から得られる脂肪酸エステル化合物、n−ペンチルアルコール又はn−ヘプチルアルコールと炭素数10乃至16の偶数の脂肪族カルボン酸より得られる総炭素数17乃至23の脂肪酸エステル化合物も有効である。
具体的には、酢酸n−ペンタデシル、酪酸n−トリデシル、酪酸n−ペンタデシル、カプロン酸n−ウンデシル、カプロン酸n−トリデシル、カプロン酸n−ペンタデシル、カプリル酸n−ノニル、カプリル酸n−ウンデシル、カプリル酸n−トリデシル、カプリル酸n−ペンタデシル、カプリン酸n−ヘプチル、カプリン酸n−ノニル、カプリン酸n−ウンデシル、カプリン酸n−トリデシル、カプリン酸n−ペンタデシル、ラウリン酸n−ペンチル、ラウリン酸n−ヘプチル、ラウリン酸n−ノニル、ラウリン酸n−ウンデシル、ラウリン酸n−トリデシル、ラウリン酸n−ペンタデシル、ミリスチン酸n−ペンチル、ミリスチン酸n−ヘプチル、ミリスチン酸n−ノニル、ミリスチン酸n−ウンデシル、ミリスチン酸n−トリデシル、ミリスチン酸n−ペンタデシル、パルミチン酸n−ペンチル、パルミチン酸n−ヘプチル、パルミチン酸n−ノニル、パルミチン酸n−ウンデシル、パルミチン酸n−トリデシル、パルミチン酸n−ペンタデシル、ステアリン酸n−ノニル、ステアリン酸n−ウンデシル、ステアリン酸n−トリデシル、ステアリン酸n−ペンタデシル、エイコサン酸n−ノニル、エイコサン酸n−ウンデシル、エイコサン酸n−トリデシル、エイコサン酸n−ペンタデシル、ベヘニン酸n−ノニル、ベヘニン酸n−ウンデシル、ベヘニン酸n−トリデシル、ベヘニン酸n−ペンタデシル等を挙げることができる。
また、ケトン類としては、総炭素数が10以上の脂肪族ケトン類が有効であり、2−デカノン、3−デカノン、4−デカノン、2−ウンデカノン、3−ウンデカノン、4−ウンデカノン、5−ウンデカノン、2−ドデカノン、3−ドデカノン、4−ドデカノン、5−ドデカノン、2−トリデカノン、3−トリデカノン、2−テトラデカノン、2−ペンタデカノン、8−ペンタデカノン、2−ヘキサデカノン、3−ヘキサデカノン、9−ヘプタデカノン、2−ペンタデカノン、2−オクタデカノン、2−ノナデカノン、10−ノナデカノン、2−エイコサノン、11−エイコサノン、2−ヘンエイコサノン、2−ドコサノン、ラウロン、ステアロン等を挙げることができる。
また、総炭素数が12乃至24のアリールアルキルケトン類、例えば、n−オクタデカノフェノン、n−ヘプタデカノフェノン、n−ヘキサデカノフェノン、n−ペンタデカノフェノン、n−テトラデカノフェノン、4−n−ドデカアセトフェノン、n−トリデカノフェノン、4−n−ウンデカノアセトフェノン、n−ラウロフェノン、4−n−デカノアセトフェノン、n−ウンデカノフェノン、4−n−ノニルアセトフェノン、n−デカノフェノン、4−n−オクチルアセトフェノン、n−ノナノフェノン、4−n−ヘプチルアセトフェノン、n−オクタノフェノン、4−n−ヘキシルアセトフェノン、4−n−シクロヘキシルアセトフェノン、4−tert−ブチルプロピオフェノン、n−ヘプタフェノン、4−n−ペンチルアセトフェノン、シクロヘキシルフェニルケトン、ベンジル−n−ブチルケトン、4−n−ブチルアセトフェノン、n−ヘキサノフェノン、4−イソブチルアセトフェノン、1−アセトナフトン、2−アセトナフトン、シクロペンチルフェニルケトン等を挙げることができる。
また、エーテル類としては、総炭素数10以上の脂肪族エーテル類が有効であり、ジペンチルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジヘプチルエーテル、ジオクチルエーテル、ジノニルエーテル、ジデシルエーテル、ジウンデシルエーテル、ジドデシルエーテル、ジトリデシルエーテル、ジテトラデシルエーテル、ジペンタデシルエーテル、ジヘキサデシルエーテル、ジオクタデシルエーテル、デカンジオールジメチルエーテル、ウンデカンジオールジメチルエーテル、ドデカンジオールジメチルエーテル、トリデカンジオールジメチルエーテル、デカンジオールジエチルエーテル、ウンデカンジオールジエチルエーテル等を挙げることができる。
また、前記(ハ)成分として、下記一般式(1)で示される化合物を用いることもできる。
Figure 0006757636
〔式中、R1は水素原子又はメチル基を示し、mは0〜2の整数を示し、X1、X2のいずれか一方は−(CH2nOCOR2又は−(CH2nCOOR2、他方は水素原子を示し、nは0〜2の整数を示し、R2は炭素数4以上のアルキル基又はアルケニル基を示し、Y1及びY2は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、メトキシ基、又は、ハロゲンを示し、r及びpは1〜3の整数を示す。〕
前記式(1)で示される化合物のうち、R1が水素原子の場合、より広いヒステリシス幅を有する可逆熱変色性組成物が得られるため好適であり、更にR1が水素原子であり、且つ、mが0の場合がより好適である。
なお、式(1)で示される化合物のうち、より好ましくは下記一般式(2)で示される化合物が用いられる。
Figure 0006757636
式中のRは炭素数8以上のアルキル基又はアルケニル基を示すが、好ましくは炭素数10〜24のアルキル基、更に好ましくは炭素数12〜22のアルキル基である。
前記化合物として具体的には、オクタン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ノナン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、デカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ウンデカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ドデカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、トリデカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、テトラデカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ペンタデカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ヘキサデカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ヘプタデカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、オクタデカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチルを例示できる。
更に、前記(ハ)成分として、下記一般式(3)で示される化合物を用いることもできる。
Figure 0006757636
(式中、Rは炭素数8以上のアルキル基又はアルケニル基を示し、m及びnはそれぞれ1〜3の整数を示し、X及びYはそれぞれ水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲンを示す。)
前記化合物として具体的には、オクタン酸1,1−ジフェニルメチル、ノナン酸1,1−ジフェニルメチル、デカン酸1,1−ジフェニルメチル、ウンデカン酸1,1−ジフェニルメチル、ドデカン酸1,1−ジフェニルメチル、トリデカン酸1,1−ジフェニルメチル、テトラデカン酸1,1−ジフェニルメチル、ペンタデカン酸1,1−ジフェニルメチル、ヘキサデカン酸1,1−ジフェニルメチル、ヘプタデカン酸1,1−ジフェニルメチル、オクタデカン酸1,1−ジフェニルメチルを例示できる。
更に、前記(ハ)成分として下記一般式(4)で示される化合物を用いることもできる。
Figure 0006757636
(式中、Xは水素原子、炭素数1乃至4のアルキル基、メトキシ基、ハロゲン原子のいずれかを示し、mは1乃至3の整数を示し、nは1乃至20の整数を示す。)
前記化合物としては、マロン酸と2−〔4−(4−クロロベンジルオキシ)フェニル)〕エタノールとのジエステル、こはく酸と2−(4−ベンジルオキシフェニル)エタノールとのジエステル、こはく酸と2−〔4−(3−メチルベンジルオキシ)フェニル)〕エタノールとのジエステル、グルタル酸と2−(4−ベンジルオキシフェニル)エタノールとのジエステル、グルタル酸と2−〔4−(4−クロロベンジルオキシ)フェニル)〕エタノールとのジエステル、アジピン酸と2−(4−ベンジルオキシフェニル)エタノールとのジエステル、ピメリン酸と2−(4−ベンジルオキシフェニル)エタノールとのジエステル、スベリン酸と2−(4−ベンジルオキシフェニル)エタノールとのジエステル、スベリン酸と2−〔4−(3−メチルベンジルオキシ)フェニル)〕エタノールとのジエステル、スベリン酸と2−〔4−(4−クロロベンジルオキシ)フェニル)〕エタノールとのジエステル、スベリン酸と2−〔4−(2,4−ジクロロベンジルオキシ)フェニル)〕エタノールとのジエステル、アゼライン酸と2−(4−ベンジルオキシフェニル)エタノールとのジエステル、セバシン酸と2−(4−ベンジルオキシフェニル)エタノールとのジエステル、1,10−デカンジカルボン酸と2−(4−ベンジルオキシフェニル)エタノールとのジエステル、1,18-オクタデカンジカルボン酸と2−(4−ベンジルオキシフェニル)エタノールとのジエステル、1,18-オクタデカンジカルボン酸と2−〔4−(2−メチルベンジルオキシ)フェニル)〕エタノールとのジエステルを例示できる。
更に、前記(ハ)成分として下記一般式(5)で示される化合物を用いることもできる。
Figure 0006757636
(式中、Rは炭素数1乃至21のアルキル基又はアルケニル基を示し、nは1乃至3の整数を示す。)
前記化合物としては、1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンとカプリン酸とのジエステル、1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンとウンデカン酸とのジエステル、1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンとラウリン酸とのジエステル、1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンとミリスチン酸とのジエステル、1,4−ビス(ヒドロキシメトキシ)ベンゼンと酪酸とのジエステル、1,4−ビス(ヒドロキシメトキシ)ベンゼンとイソ吉草酸とのジエステル、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンと酢酸とのジエステル、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンとプロピオン酸とのジエステル、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンと吉草酸とのジエステル、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンとカプロン酸とのジエステル、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンとカプリル酸とのジエステル、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンとカプリン酸とのジエステル、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンとラウリン酸とのジエステル、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンとミリスチン酸とのジエステルを例示できる。
更に、前記(ハ)成分として下記一般式(6)で示される化合物を用いることもできる。
Figure 0006757636
(式中、Xは水素原子、炭素数1乃至4のアルキル基、炭素数1乃至4のアルコキシ基、ハロゲン原子のいずれかを示し、mは1乃至3の整数を示し、nは1乃至20の整数を示す。)
前記化合物としては、こはく酸と2−フェノキシエタノールとのジエステル、スベリン酸と2−フェノキシエタノールとのジエステル、セバシン酸と2−フェノキシエタノールとのジエステル、1,10-デカンジカルボン酸と2−フェノキシエタノールとのジエステル、1,18-オクタデカンジカルボン酸と2−フェノキシエタノールとのジエステルを例示できる。
更に、前記(ハ)成分として下記一般式(7)で示される化合物を用いることもできる。
Figure 0006757636
(式中、Rは炭素数4乃至22のアルキル基、シクロアルキルアルキル基、シクロアルキル基、炭素数4乃至22のアルケニル基のいずれかを示し、Xは水素原子、炭素数1乃至4のアルキル基、炭素数1乃至4のアルコキシ基、ハロゲン原子のいずれかを示し、nは0又は1を示す。)
前記化合物としては、4−フェニル安息香酸デシル、4−フェニル安息香酸ラウリル、4−フェニル安息香酸ミリスチル、4−フェニル安息香酸シクロヘキシルエチル、4−ビフェニル酢酸オクチル、4−ビフェニル酢酸ノニル、4−ビフェニル酢酸デシル、4−ビフェニル酢酸ラウリル、4−ビフェニル酢酸ミリスチル、4−ビフェニル酢酸トリデシル、4−ビフェニル酢酸ペンタデシル、4−ビフェニル酢酸セチル、4−ビフェニル酢酸シクロペンチル、4−ビフェニル酢酸シクロヘキシルメチル、4−ビフェニル酢酸ヘキシル、4−ビフェニル酢酸シクロヘキシルメチルを例示できる。
更に、前記(ハ)成分として下記一般式(8)で示される化合物を用いることもできる。
Figure 0006757636
(式中、Rは炭素数3乃至18のアルキル基、炭素数3乃至18の脂肪族アシル基のいずれかを示し、Xは水素原子、炭素数1乃至3のアルキル基、炭素数1又は2のアルコキシ基、ハロゲン原子のいずれかを示し、Yは水素原子、メチル基のいずれかを示し、Zは水素原子、炭素数1乃至4のアルキル基、炭素数1又は2のアルコキシ基、ハロゲン原子のいずれかを示す。)
前記化合物としては、4−ブトキシ安息香酸フェノキシエチル、4−ペンチルオキシ安息香酸フェノキシエチル、4−テトラデシルオキシ安息香酸フェノキシエチル、4−ヒドロキシ安息香酸フェノキシエチルとドデカン酸とのエステル、バニリン酸フェノキシエチルのドデシルエーテルを例示できる。
更に、前記(ハ)成分として下記一般式(9)で示される化合物を用いることもできる。
Figure 0006757636
(式中、Rは炭素数4乃至22のアルキル基、炭素数4乃至22のアルケニル基、シクロアルキルアルキル基、シクロアルキル基のいずれかを示し、Xは水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子のいずれかを示し、Yは水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子のいずれかを示し、nは0又は1を示す。)
前記化合物としては、p−ヒドロキシ安息香酸オクチルの安息香酸エステル、p−ヒドロキシ安息香酸デシルの安息香酸エステル、p−ヒドロキシ安息香酸ヘプチルのp−メトキシ安息香酸エステル、p−ヒドロキシ安息香酸ドデシルのo-メトキシ安息香酸エステル、p−ヒドロキシ安息香酸シクロヘキシルメチルの安息香酸エステルを例示できる。
更に、前記(ハ)成分として下記一般式(10)で示される化合物を用いることもできる。
Figure 0006757636
(式中、R1及びR2は、炭素数7〜21の直鎖又は分岐のアルキル基又はアルケニル基を示し、R3及びR4は、水素原子、炭素数1〜2のアルキル基、又はCF3を示す。)
前記化合物としては、4,4′−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ビスフェノールジカプレート、4,4′−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ビスフェノールジラウレート、4,4′−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ビスフェノールジミリステート、4,4′−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ビスフェノールジパルミエート、4,4′−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ビスフェノールジウンデカノエート、4,4′−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ビスフェノールジトリデカエート、4,4′−(イソプロピリデン)ビスフェノールジカプレート、4,4′−(イソプロピリデン)ビスフェノールジラウレート、4,4′−(イソプロピリデン)ビスフェノールジミリステート、4,4′−(イソプロピリデン)ビスフェノールジパルミエート、4,4′−(イソプロピリデン)ビスフェノールジウンデカノエート、4,4′−(イソプロピリデン)ビスフェノールジトリデカエート、4,4′−メチレンビスフェノールジカプレート、4,4′−メチレンビスフェノールジラウレート、4,4′−メチレンビスフェノールジミリステート、4,4′−メチレンビスフェノールジパルミエート、4,4′−メチレンビスフェノールジウンデカノエート、4,4′−メチレンビスフェノールジトリデカエート4,4′−エチリデンビスフェノールジラウレート4,4′−(1−メチルプロピリデン)ビスフェノールジラウレート、4,4′−(1−エチルプロピリデン)ビスフェノールジラウレートを例示できる。
更に、前記(ハ)成分として4−ヒドロキシメチルビフェニルデカン酸エステル、安息香酸フェニル−n−デシルエーテル、4−ヒドロキシベンゾフェノンラウリルエーテル、4−クロロ−4’−ヒドロキシベンゾフェノンラウリン酸エステル、4−ヒドロキシメチルビフェニルのデシルエーテルを用いることもできる。
また、電子受容性化合物として炭素数3乃至18の直鎖又は側鎖アルキル基を有する特定のアルコキシフェノール化合物を用いたり(特開平11−129623号公報、特開平11−5973号公報)、特定のヒドロキシ安息香酸エステルを用いたり(特開2001−105732号公報)、没食子酸エステル等を用いた(特公昭51−44706号公報、特開2003−253149号公報)加熱発色型(加熱により発色し、冷却により消色する)の感温変色性色彩記憶性組成物(可逆熱変色性組成物)を内包した感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料(可逆熱変色性マイクロカプセル顔料)を適用することもできる(図2参照)。
前記(イ)、(ロ)、(ハ)成分の配合割合は、濃度、変色温度、変色形態や各成分の種類に左右されるが、一般的に所望の変色特性が得られる成分比は、(イ)成分1に対して、(ロ)成分0.1〜50、好ましくは0.5〜20、(ハ)成分1〜800、好ましくは5〜200の範囲である(前記割合はいずれも質量部である)。また、各成分は各々二種以上を混合して用いてもよい。
前記感温変色性色彩記憶性組成物はマイクロカプセル壁膜に内包して感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料(可逆熱変色性マイクロカプセル顔料)として使用される。これは、種々の使用条件において感温変色性色彩記憶性組成物は同一の組成に保たれ、同一の作用効果を奏することができるからである。
前記感温変色性色彩記憶性組成物をマイクロカプセル化する方法としては、界面重合法、界面重縮合法、in Situ重合法、液中硬化被覆法、水溶液からの相分離法、有機溶媒からの相分離法、融解分散冷却法、気中懸濁被覆法、スプレードライング法等があり、用途に応じて適宜選択される。更にマイクロカプセルの表面には、目的に応じて二次的な樹脂皮膜を設けて耐久性を付与したり、表面特性を改質させて実用に供することもできる。
ここで、感温変色性色彩記憶性組成物とマイクロカプセル壁膜の質量比は7:1〜1:1、好ましくは6:1〜1:1の範囲を満たす。
感温変色性色彩記憶性組成物の壁膜に対する比率が前記範囲より大になると、壁膜の厚みが肉薄となり過ぎ、圧力や熱に対する耐性の低下を生じ易く、壁膜の感温変色性色彩記憶性組成物に対する比率が前記範囲より大になると発色時の色濃度及び鮮明性の低下を生じ易くなる。
更に、前記臓器代用樹脂成形物中に、温度t4が異なる複数の感温変色性色彩記憶性組成物を含有させることにより、焼灼部位の熱の伝わり具合が段階的に色変化して視認されるため、精度の高いシミュレーションが可能になる。
前記臓器代用樹脂成形物は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂から選ばれる成形用樹脂中に感温変色性色彩記憶性組成物をブレンドし、成形して得ることができる。
前記成形用樹脂としては、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中高密度ポリエチレン、超高密度ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ポリプロピレン、塩素化ポリプロピレン、ポロイソブチレン、ポリブタジエン、ポリメチルペンテン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル樹脂、塩素化ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、アクリル酸エステル樹脂、メタクリル酸エステル樹脂、ポリアミド、共重合ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアセタール、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリフェニルエーテル、ポリフェニレンサルファイド、ポリサルホン、フッ素樹脂、アイオノマー樹脂、エチレン−プロピレン共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂、エチレン−アクリル酸エステル共重合樹脂、エチレン−メタクリル酸エステル共重合樹脂、エチレン−塩化ビニル共重合樹脂、塩化ビニル−プロピレン共重合樹脂、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合樹脂、スチレン−ブタジエン共重合樹脂、アクリロニトリル−塩化ビニリデン共重合樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル−エチレン−スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル−塩素化ポリエチレン−スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル−アクリル酸エステル−スチレン共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂−塩化ビニルグラフト共重合樹脂、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂、スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系可塑性エラストマー、ウレタン系可塑性エラストマー、ポリステル系可塑性エラストマー、1,2−ポリブタジエン系可塑性エラストマー、塩化ビニル系可塑性エラストマー、石油系炭化水素樹脂、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、ニトロセルロース、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリブテン、クマロン−インデン共重合物、フェノキシプラスチック等の熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、トルエン樹脂、グアナミン樹脂、エポキシアクリレート、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フラン樹脂、ポリイミド、ポリ(p−ヒドロキシ安息香酸)、ポリウレタン、尿素樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられる。
また、前記臓器代用樹脂成形物に導電性物質を含有させて導電性を付与することもできる。
前記臓器代用樹脂成形物の形状は特に限定されるものではなく、正方形、長方形、球形、円柱形、円錐形等の形状であってもよいが、心臓、肺、膵臓、脾臓、胆嚢、肝臓、腎臓、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、膀胱等の形状に成形したものであってもよい。
前記手術機器としては、早期の大腸がん、胃がん、大腸ポリープなど、病変組織が内側の粘膜にとどまっている場合に、内視鏡で観察しながらその粘膜下層を剥離して切除する内視鏡的粘膜切除術に用いられる内視鏡外科手術機器の高周波メスや高周波スネアの他、頻脈性不整脈の治療方法の一つとして、カテーテル(一般に「アブレーションカテーテル」と呼ばれる)を用いたカテーテルアブレーションに用いられる機器が挙げられ、長尺且つ柔軟なカテーテルシャフトを足の付け根にある太い血管(例えば大腿動脈又は大腿静脈)に挿入し、その先端を心臓内に到達させる。次いで、カテーテルシャフトの先端の電極を心臓の内壁に接触させながら心電図を計測し、異常部位を探索する。異常部位が見つかると、カテーテルシャフトの先端の電極から高周波(RF波)電流を発生させ、深部にある心筋を焼灼し、不整脈発生の原因となっている部位(病巣)の細胞を壊死させる。
前記臓器代用樹脂成形物を用いて、アブレーションカテーテルを用いた焼灼(アブレーション)を評価する際に使用されるアブレーションカテーテル用評価器具について説明する(図5参照)。
前記アブレーションカテーテル用評価器具は、アブレーションカテーテルを用いた焼灼を評価するための器具であって、対極板と、この対極板上に配置され、焼灼を評価する際に用いられる液体を収容すると共に、導電性樹脂により構成された容器からなり、容器内には焼灼を評価する際の試料としての臓器代用樹脂成形物が配置される。この場合、臓器代用樹脂成形物は導電性材料を含んでなる。
前記アブレーションカテーテル用評価器具は、焼灼の際の温度を一見して把握できると共に、容器を簡易に得ることができる。よって、アブレーションカテーテルを用いた焼灼を簡易に評価することが可能になると共に、アブレーションカテーテル用評価器具を簡易に製造することが可能となる。
前記アブレーションカテーテル用評価器具は、アブレーションカテーテルを用いた焼灼を評価する臓器代用樹脂成形物が、感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料および導電性材料を含むため、焼灼の際の温度(臓器代用樹脂成形物における温度)を測定するための専用の素子(例えば熱電対等の温度センサ)が不要となり、臓器代用樹脂成形物における変色状況に応じて、焼灼の際の温度が一見して把握できる(視認できる)ようになる。また、焼灼を評価する際に用いられる液体を収容する容器が、導電性樹脂により構成されていることから、例えば特殊な素材や製法を用いて得られる容器等の場合と比べ、容器を簡易に得ることができるようになる。
前記アブレーションカテーテル用評価器具は、容器の底面に臓器代用樹脂成形物を挿入配置するための窪みを形成すると共に、この窪みを対極板まで非貫通とするのが望ましい。このようにした場合、臓器代用樹脂成形物が窪みに挿入配置された状態で焼灼されることにより、容器に収容される液体の濃度等に関わらず、焼灼の際の短絡電流の発生が防止され、その結果、焼灼の評価精度(評価の際の測定精度)が向上する。また、この窪みが対極板まで非貫通となっているため、窪みに挿入配置された焼灼対象物と対極板との間に容器が介在することとなり、実際の治療時により近い環境下(より的確に人体を模擬した環境下)でのインピーダンス値が得られるようになる。その結果、例えば、窪みが対極板まで貫通している場合(窪みの代わりに貫通孔が形成されている場合)と比べ、実際の治療時により近い環境下での焼灼が実現され、この点でも評価精度の向上が図られる。
この場合において、窪みが非テーパ状の側壁を有するのが望ましい。このようにした場合、例えば、吸水性を有する臓器代用樹脂成形物を使用する場合等に、窪みがテーパ状の側壁(対極板側へ向かって径が徐々に小さくなるテーパ状の側壁)を有する場合とは異なり、以下のようになる。すなわち、液体を吸水して膨潤することに起因して臓器代用樹脂成形物が窪みから飛び出してしまうおそれが、低減もしくは回避される。その結果、焼灼の評価を行う際の利便性が向上することになる。
また、前記アブレーションカテーテル用評価器具では、ポンプを用いて液体を容器内へ流入させる流入機構を更に設けるのが望ましい。このようにした場合、容器内で液体が流動するようになるため、実際の治療時(血液が流れている環境)により近い環境下(より的確に人体を模擬した環境下)での焼灼が実現される結果、評価精度の更なる向上が図られる。
この場合において、容器に収容されている液体を外部へ排出させる排出機構を更に設けるのが望ましい。このようにした場合、流入機構による液体の流入に起因して容器外へ液体が漏れ出してしまうおそれが回避されると共に、液体が排出されることで、容器内での液体の流動がより効果的になされるようになる。よって、評価の際の利便性が向上すると共に、更に的確に人体を模擬した環境下での焼灼が実現される結果、評価精度がより一層向上することになる。
前記アブレーションカテーテル用評価器具では、容器のインピーダンスが臓器代用樹脂成形物のインピーダンスと略等しくなっているのが望ましい。このようにした場合、実際の治療時により近い環境下での焼灼が実現されるようになり、評価精度の更なる向上が図られる。
なお、液体としては、例えば、生理食塩水、低濃度食塩水または血液等が挙げられる。
更に、アブレーションカテーテル用評価器具の容器は、焼灼を評価する際の臓器代用樹脂成形物が挿入されると共に対極板まで貫通する貫通孔を有してもよく、容器に収容される液体の濃度等に関わらず、焼灼の際の短絡電流の発生が防止される。前記アブレーションカテーテル用評価器具では、貫通孔が対極板側へ向かって径が徐々に小さくなるテーパ状の側壁を有するのが望ましい。このようにした場合、容器内の液体が貫通孔(臓器代用樹脂成形物と側壁との間の隙間)を介して対極板側へ漏れてしまうおそれが、より確実に防止されるようになる(容器内の液体に対する止水性が向上する)。よって、そのような液体漏れに起因した短絡電流の発生が回避される結果、評価精度の更なる向上が図られる。
以下に実施例を示すが、本発明は実施例に限定されない。なお、実施例中の部は質量部を示す。
実施例1
感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料Aの調製
(イ)成分として3′,6′‐ビス[フェニル(3‐メチルフェニル)アミノ]‐スピロ[イソベンゾフラン‐1(3H),9′‐[9H]キサンテン]‐3‐オン2.0部、(ロ)成分として4,4′−(2−エチルヘキサン−1、1−ジイル)ジフェノール3.0部、2,2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン5.0部、(ハ)成分としてカプリン酸4−ベンジルオキシフェニルエチル50.0部からなる感温変色性色彩記憶性組成物を加温溶解し、壁膜材料として芳香族イソシアネートプレポリマー30.0部、助溶剤40.0部を混合した溶液を、8%ポリビニルアルコール水溶液中で乳化分散し、加温しながら攪拌を続けた後、水溶性脂肪族変性アミン2.5部を加え、更に攪拌を続けてマイクロカプセル懸濁液を得た。前記懸濁液を遠心分離して感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料を単離した。
なお、前記マイクロカプセル顔料の平均粒子径は2.2μmであり、t1:−20℃、t2:−10℃、t3:46℃、t4:56℃、ΔH:66℃のヒステリシス特性を有する挙動を示し、青色から無色、無色から青色へ可逆的に色変化した。
臓器代用樹脂成形物の作製(図3、4参照)
予め−20℃以下に冷却して青色にした前記感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料A30部、ポリビニルアルコール(重合度1800、ケン化度87.0〜89.0)100部、塩化セチルピリジニウム0.5部、水400部を混合し、加温しながら攪拌して混合液を得た。
前記混合液を容器に入れて電子線照射装置を用いて電子線を照射し、ポリビニルアルコールを架橋させて円筒形状の臓器代用樹脂成形物を得た。
前記臓器代用樹脂成形物は、常温(25℃)では感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料による青色が視認され、その状態は常温域で維持される(図3)。
次いで、前記臓器代用樹脂成形物にカテーテルアブレーションを適用して60℃に加温すると感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料は消色して焼灼部位が半透明になり、その状態は常温域で維持されると共に当該焼灼部位は明瞭に視認することができるため、臓器を焼灼する医療行為におけるシミュレーションに活用することができた(図4)。
前記焼灼部位が半透明の臓器代用樹脂成形物を−20℃以下に冷却すると、再び感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料が発色して青色になり、繰り返し使用することができた。
実施例2
感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料Bの調製
(イ)成分として2−(ジブチルアミノ)−8−(ジペンチルアミノ)−4−メチル−スピロ[5H−[1]ベンゾピラノ[2,3−g]ピリミジン−5,1′(3′H)−イソベンゾフラン]−3−オン1.0部、(ロ)成分として4,4′−(2−エチルヘキサン−1、1−ジイル)ジフェノール3.0部、2,2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン5.0部、(ハ)成分としてカプリン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル50.0部からなる感温変色性色彩記憶性組成物を加温溶解し、壁膜材料として芳香族イソシアネートプレポリマー30.0部、助溶剤40.0部を混合した溶液を、8%ポリビニルアルコール水溶液中で乳化分散し、加温しながら攪拌を続けた後、水溶性脂肪族変性アミン2.5部を加え、更に攪拌を続けてマイクロカプセル懸濁液を得た。前記懸濁液を遠心分離して感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料を単離した。
なお、前記マイクロカプセル顔料の平均粒子径は2.3μmであり、t1:−20℃、t2:−10℃、t3:48℃、t4:58℃、ΔH:68℃のヒステリシス特性を有する挙動を示し、ピンク色から無色、無色からピンク色へ可逆的に色変化した。
臓器代用樹脂成形物の作製
予め−20℃以下に冷却してピンク色にした前記感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料30部、ポリビニルアルコール(重合度1800、ケン化度87.0〜89.0)100部、塩化セチルピリジニウム0.5部、水400部を混合し、加温しながら攪拌して混合液を得た。
前記混合液を容器に入れて電子線照射装置を用いて電子線を照射し、ポリビニルアルコールを架橋させて心臓の形状の臓器代用樹脂成形物を得た。
前記臓器代用樹脂成形物は、常温(25℃)では感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料によるピンク色が視認され、その状態は常温域で維持される。
次いで、前記臓器代用樹脂成形物にカテーテルアブレーションを適用して60℃に加温すると感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料は消色して焼灼部位が半透明になり、その状態は常温域で維持されると共に当該焼灼部位は明瞭に視認することができるため、臓器を焼灼する医療行為におけるシミュレーションに活用することができた。
前記焼灼部位が半透明の臓器代用樹脂成形物を−20℃以下に冷却すると、再び感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料が発色してピンク色になり、繰り返し使用することができた。
実施例3
感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料Cの調製
(イ)成分として9‐エチル(3‐メチルブチル)アミノ‐スピロ[12H‐ベンゾ(a)キサンテン‐12,1′(3′H)イソベンゾフラン]‐3′‐オン2.0部、(ロ)成分として、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−デカン5.0部、2,2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン5.0部、(ハ)成分としてパルミチン酸4−メチルベンジル50.0部からなる感温変色性色彩記憶性組成物を加温溶解し、壁膜材料として芳香族イソシアネートプレポリマー35.0部、助溶剤40.0部を混合した溶液を、8%ポリビニルアルコール水溶液中で乳化分散し、加温しながら攪拌を続けた後、水溶性脂肪族変性アミン2.5部を加え、更に攪拌を続けてマイクロカプセル懸濁液を得た。前記懸濁液を遠心分離して感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料を単離した。
なお、前記マイクロカプセル顔料の平均粒子径は2.4μmであり、t1:−3℃、t2:5℃、t3:37℃、t4:43℃、ΔH:39℃のヒステリシス特性を有する挙動を示し、ピンク色から無色、無色からピンク色へ可逆的に色変化した。
臓器代用樹脂成形物の作製
予め−3℃以下に冷却してピンク色にした前記感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料C20部、ポリビニルアルコール(重合度1800、ケン化度87.0〜89.0)100部、塩化セチルピリジニウム0.5部、水400部を混合し、加温しながら攪拌して混合液を得た。
前記混合液を容器に入れて電子線照射装置を用いて電子線を照射し、ポリビニルアルコールを架橋させて正方形の臓器代用樹脂成形物を得た。
前記臓器代用樹脂成形物は、常温(25℃)では感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料によるピンク色が視認され、その状態は常温域で維持される。
次いで、前記臓器代用樹脂成形物にカテーテルアブレーションを適用して60℃に加温すると感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料は消色して焼灼部位が半透明になり、その状態は常温域で維持されると共に当該焼灼部位は明瞭に視認することができるため、臓器を焼灼する医療行為におけるシミュレーションに活用することができた。
前記焼灼部位が半透明の臓器代用樹脂成形物を−3℃以下に冷却すると、再び感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料が発色してピンク色になり、繰り返し使用することができた。
実施例4
臓器代用樹脂成形物の作製
予め−20℃以下に冷却して青色にした前記感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料A20部、予め−3℃以下に冷却してピンク色にした前記感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料C20部、ポリビニルアルコール(重合度1800、ケン化度87.0〜89.0)100部、塩化セチルピリジニウム0.5部、水400部を混合し、加温しながら攪拌して混合液を得た。
前記混合液を容器に入れて電子線照射装置を用いて電子線を照射し、ポリビニルアルコールを架橋させて円筒形状の臓器代用樹脂成形物を得た。
前記臓器代用樹脂成形物は、常温(25℃)では感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料による青色とピンク色が混色となった紫色が視認され、その状態は常温域で維持される。
次いで、前記臓器代用樹脂成形物にカテーテルアブレーションを適用して50℃に加温すると感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料Cは消色して焼灼部位が青色になり、更に、前記臓器代用樹脂成形物にカテーテルアブレーションを適用して60℃に加温すると感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料Aは消色して焼灼部位が半透明になり、その状態は常温域で維持されると共に当該焼灼部位の熱の伝わり具合が段階的に色変化して明瞭に視認されるため、臓器を焼灼する医療行為における精度の高いシミュレーションに活用することができた。
前記焼灼部位が半透明の臓器代用樹脂成形物を−20℃以下に冷却すると、再び感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料が発色して紫色になり、繰り返し使用することができた。
実施例5
感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料Dの調製
(イ)成分として7‐[4‐(ジエチルアミノ)‐2‐エトキシフェニル]‐7‐(1‐エチル‐2‐メチル‐1H‐インドール‐3‐イル)フロ[3,4‐b]ピリジン‐5(7H)‐オン1部、(ロ)成分として2,2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン5.0部、(ハ)成分としてピメリン酸と2−(4−ベンジルオキシフェニル)エタノールとのジエステル50部からなる感温変色性色彩記憶性組成物を加温溶解し、壁膜材料として芳香族イソシアネートプレポリマー35.0部、助溶剤40.0部を混合した溶液を、8%ポリビニルアルコール水溶液中で乳化分散し、加温しながら攪拌を続けた後、水溶性脂肪族変性アミン2.5部を加え、更に攪拌を続けてマイクロカプセル懸濁液を得た。前記懸濁液を遠心分離して感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料を単離した。
なお、前記マイクロカプセル顔料の平均粒子径は2.5μmであり、t1:−10℃、t2:1℃、t3:70℃、t4:79℃、ΔH:79℃のヒステリシス特性を有する挙動を示し、青色から無色、無色から青色へ可逆的に色変化した。
臓器代用樹脂成形物の作製
予め−10℃以下に冷却して青色にした前記感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料D30部、ポリシロキサン100部、架橋剤1部を混合し、プレス機で加熱プレスして板状の臓器代用樹脂成形物を得た。
前記臓器代用樹脂成形物は、常温(25℃)では感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料による青色が視認され、その状態は常温域で維持される。
次いで、前記臓器代用樹脂成形物に高周波メスを適用して100℃に加温すると感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料は消色して焼灼部位が半透明になり、その状態は常温域で維持されると共に当該焼灼部位は明瞭に視認することができるため、臓器を焼灼する医療行為におけるシミュレーションに活用することができた。
前記焼灼部位が半透明の臓器代用樹脂成形物を−10℃以下に冷却すると、再び感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料が発色して青色になり、繰り返し使用することができた。
実施例6
感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料Eの調製
(イ)成分として7,7‐ビス[4‐(ジエチルアミノ)‐2‐エトキシフェニル]フロ[3,4‐b]ピリジン‐5(7H)‐オン2.0部、(ロ)成分として4,4′−(2−エチルヘキサン−1、1−ジイル)ジフェノール3.0部、2,2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン5.0部、(ハ)成分として1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンとカプリル酸とのジエステル50.0部からなる感温変色性色彩記憶性組成物を加温溶解し、壁膜材料として芳香族イソシアネートプレポリマー30.0部、助溶剤40.0部を混合した溶液を、8%ポリビニルアルコール水溶液中で乳化分散し、加温しながら攪拌を続けた後、水溶性脂肪族変性アミン2.5部を加え、更に攪拌を続けてマイクロカプセル懸濁液を得た。前記懸濁液を遠心分離して感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料を単離した。
なお、前記マイクロカプセル顔料の平均粒子径は2.2μmであり、t1:−16℃、t2:−8℃、t3:38℃、t4:52℃、ΔH:57℃のヒステリシス特性を有する挙動を示し、青緑色から無色、無色から青緑色へ可逆的に色変化した。
臓器代用樹脂成形物の作製
予め−16℃以下に冷却して青緑色にした前記感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料A30部、ポリビニルアルコール(重合度1800、ケン化度87.0〜89.0)100部、塩化セチルピリジニウム0.5部、水400部を混合し、加温しながら攪拌して混合液を得た。
前記混合液を容器に入れて電子線照射装置を用いて電子線を照射し、ポリビニルアルコールを架橋させて円筒形状の臓器代用樹脂成形物を得た。
前記臓器代用樹脂成形物は、常温(25℃)では感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料による青緑色が視認され、その状態は常温域で維持される。
次いで、前記臓器代用樹脂成形物にカテーテルアブレーションを適用して55℃に加温すると感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料は消色して焼灼部位が半透明になり、その状態は常温域で維持されると共に当該焼灼部位は明瞭に視認することができるため、臓器を焼灼する医療行為におけるシミュレーションに活用することができた。
前記焼灼部位が半透明の臓器代用樹脂成形物を−16℃以下に冷却すると、再び感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料が発色して青緑色になり、繰り返し使用することができた。
実施例7
感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料Fの調製
(イ)成分として3′,6′‐ビス[フェニル(3‐メチルフェニル)アミノ]‐スピロ[イソベンゾフラン‐1(3H),9′‐[9H]キサンテン]‐3‐オン2.0部、(ロ)成分としてヒドロキシ安息香酸ミリスチル8.0部、(ハ)成分としてヘキサデカン20.0部からなる加熱発色型の感温変色性色彩記憶性組成物を加温溶解し、壁膜材料として芳香族イソシアネートプレポリマー30.0部、助溶剤40.0部を混合した溶液を、8%ポリビニルアルコール水溶液中で乳化分散し、加温しながら攪拌を続けた後、水溶性脂肪族変性アミン2.5部を加え、更に攪拌を続けてマイクロカプセル懸濁液を得た。前記懸濁液を遠心分離して感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料を単離した。
なお、前記マイクロカプセル顔料の平均粒子径は2.2μmであり、28℃以上で発色し始め(t’3)、45℃以上で完全に青色に発色し(t’4)、0℃以下で消色し始める(t’2)挙動を示し、青色から無色、無色から青色へ可逆的に色変化した。
臓器代用樹脂成形物の作製
予め無色にした前記感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料A30部、ポリビニルアルコール(重合度1800、ケン化度87.0〜89.0)100部、塩化セチルピリジニウム0.5部、水400部を混合し、加温しながら攪拌して混合液を得た。
前記混合液を容器に入れて電子線照射装置を用いて電子線を照射し、ポリビニルアルコールを架橋させて円筒形状の臓器代用樹脂成形物を得た。
前記臓器代用樹脂成形物は、常温(25℃)では半透明の状態が視認され、その状態は常温域で維持される。
次いで、前記臓器代用樹脂成形物にカテーテルアブレーションを適用して50℃に加温すると感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料は発色して焼灼部位が青色になり、その状態は常温域で維持されると共に当該焼灼部位は明瞭に視認することができるため、臓器を焼灼する医療行為におけるシミュレーションに活用することができた。
前記焼灼部位が青色の臓器代用樹脂成形物を0℃以下に冷却すると消色し始め、室温下では半透明の状態を保持して、繰り返し使用することができた。
1 臓器代用樹脂成形物
1B 評価器具
11 容器
110 窪み
12 対極板
13 焼灼対象物
14 流入路
15 ポンプ
16 排出路(排出機構)
2 液体
3 アブレーションカテーテル
30 カテーテルチューブ
31 リング状電極
32 先端電極
I1,I2 …電流
Is 短絡電流
S1 底面
S2 側面(側壁)
Lin,Lout 液体
1 加熱消色型の感温変色性色彩記憶性組成物を内包したマイクロカプセル顔料の完全発色温度
2 加熱消色型の感温変色性色彩記憶性組成物を内包したマイクロカプセル顔料の発色開始温度
3 加熱消色型の感温変色性色彩記憶性組成物を内包したマイクロカプセル顔料の消色開始温度
4 加熱消色型の感温変色性色彩記憶性組成物を内包したマイクロカプセル顔料の完全消色温度
t’1 加熱発色型の感温変色性色彩記憶性組成物を内包したマイクロカプセル顔料の完全消色温度
t’2 加熱発色型の感温変色性色彩記憶性組成物を内包したマイクロカプセル顔料の消色開始温度
t’3 加熱発色型の感温変色性色彩記憶性組成物を内包したマイクロカプセル顔料の発色開始温度
t’4 加熱発色型の感温変色性色彩記憶性組成物を内包したマイクロカプセル顔料の完全発色温度
ΔH ヒステリシス幅

Claims (14)

  1. アブレーションカテーテルを用いた焼灼を評価するための器具であって、
    対極板と、前記対極板上に配置され、前記焼灼を評価する際に用いられる液体を収容すると共に、導電性樹脂により構成された容器と、
    前記容器内に配置される、前記焼灼を評価する際の試料としての臓器代用樹脂成形物と
    を備え、
    前記臓器代用樹脂成形物は、
    (イ)電子供与性呈色性有機化合物、(ロ)電子受容性化合物、(ハ)前記(イ)、(ロ)成分による電子授受反応を特定温度域において可逆的に生起させる反応媒体とからなる感温変色性色彩記憶性組成物を内包し、
    色濃度−温度曲線に関して大きなヒステリシス特性を示して第1色相と第2色相間の互変性を呈し、
    前記第1色相の状態にあって温度が上昇する過程では、温度t3に達すると、前記第1色相は変色し始め、前記温度t3より高い温度t4以上の温度域で完全に前記第2色相となり、
    前記第2色相状態にあって温度が下降する過程では、温度t2に達すると、前記第2色相は変色し始め、前記温度t2より低い温度t1以下の温度域で完全に前記第1色相となり、
    前記温度t2前記温度t3の間の温度域で前記第1色相或いは前記第2色相が保持されるヒステリシス特性を示し、
    前記温度t2が常温未満の温度であり、前記温度t4が常温を超え、且つ、臓器に対する焼灼温度以下の温度である感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料を成形物中に含有してなると共に、導電性材料を含んでなり、
    臓器外科手術機器による焼灼を確認する
    アブレーションカテーテル用評価器具
  2. 前記温度t4が体温を超える温度である
    請求項1記載のアブレーションカテーテル用評価器具
  3. 前記温度t2が5℃未満の温度であり、前記温度t4が40℃以上の温度である
    請求項1又は2記載のアブレーションカテーテル用評価器具
  4. 前記温度t4が50〜100℃の温度である
    請求項1乃至3のいずれか一項に記載のアブレーションカテーテル用評価器具
  5. 前記温度t1が−50〜0℃の温度である
    請求項1乃至4のいずれか一項に記載のアブレーションカテーテル用評価器具
  6. 前記温度t4が異なる複数の前記感温変色性色彩記憶性組成物を、前記成形物中に含有してなる
    請求項1乃至5のいずれか一項に記載のアブレーションカテーテル用評価器具
  7. 前記臓器の形状を模してなる
    請求項1乃至6のいずれか一項に記載のアブレーションカテーテル用評価器具
  8. 前記容器の底面に、前記臓器代用樹脂成形物を挿入配置するための窪みが形成されており、
    前記窪みは、前記対極板まで非貫通となっている
    請求項1乃至7のいずれか一項に記載のアブレーションカテーテル用評価器具。
  9. 前記窪みは、非テーパ状の側壁を有する
    請求項に記載のアブレーションカテーテル用評価器具。
  10. 前記容器は、前記焼灼を評価する際の前記臓器代用樹脂成形物が挿入されると共に前記対極板まで貫通する貫通孔を有する
    請求項1乃至7のいずれか一項に記載のアブレーションカテーテル用評価器具。
  11. 前記貫通孔は、前記対極板側へ向かって径が徐々に小さくなるテーパ状の側壁を有する
    請求項1に記載のアブレーションカテーテル用評価器具。
  12. ポンプを用いて前記液体を前記容器内へ流入させる流入機構を更に備えた
    請求項1乃至11のいずれか一項に記載のアブレーションカテーテル用評価器具。
  13. 前記容器に収容されている前記液体を外部へ排出させる排出機構を更に備えた
    請求項1に記載のアブレーションカテーテル用評価器具。
  14. 前記容器のインピーダンスが、前記臓器代用樹脂成形物のインピーダンスと略等しい
    請求項1乃至13のいずれか一項に記載のアブレーションカテーテル用評価器具。
JP2016184415A 2016-09-21 2016-09-21 アブレーションカテーテル用評価器具 Active JP6757636B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016184415A JP6757636B2 (ja) 2016-09-21 2016-09-21 アブレーションカテーテル用評価器具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016184415A JP6757636B2 (ja) 2016-09-21 2016-09-21 アブレーションカテーテル用評価器具

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018049156A JP2018049156A (ja) 2018-03-29
JP6757636B2 true JP6757636B2 (ja) 2020-09-23

Family

ID=61767568

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016184415A Active JP6757636B2 (ja) 2016-09-21 2016-09-21 アブレーションカテーテル用評価器具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6757636B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7246638B2 (ja) * 2019-06-25 2023-03-28 日本ライフライン株式会社 臓器モデルおよびその製造方法並びに焼灼治療トレーニング用キット
CN114078354A (zh) * 2020-08-12 2022-02-22 北京创鑫汇智科技发展有限责任公司 3d打印软体器官模型在医疗手术模拟中的用途
JPWO2022130533A1 (ja) * 2020-12-16 2022-06-23

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3454840B2 (ja) * 1992-02-13 2003-10-06 オリンパス光学工業株式会社 温熱治療用アプリケータの加温試験装置
JP3726217B2 (ja) * 1993-07-21 2005-12-14 パイロットインキ株式会社 感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料
JP3306609B2 (ja) * 1994-08-02 2002-07-24 パイロットインキ株式会社 感温変色性色彩記憶性組成物
JP3396787B2 (ja) * 1993-12-24 2003-04-14 パイロットインキ株式会社 感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料
US6474993B1 (en) * 1996-12-04 2002-11-05 Erbe Elektromedizin Gmbh Artificial tissue
US7722605B2 (en) * 2004-01-27 2010-05-25 Japan Lifeline Co., Ltd. Ablation catheter
JP5272888B2 (ja) * 2009-05-19 2013-08-28 東レ株式会社 ガイドワイヤ及びバルーン付きアブレーションカテーテルシステム
US9468492B2 (en) * 2010-06-03 2016-10-18 Covidien Lp Specific absorption rate measurement and energy-delivery device characterization using image analysis
US8984969B2 (en) * 2012-01-27 2015-03-24 Medtronic Ablation Frontiers Llc Thermochromic polyacrylamide tissue phantom and its use for evaluation of ablation therapies
US20130288218A1 (en) * 2012-04-27 2013-10-31 Medtronic Cryocath Lp Cardiac model for simulating medical procedures
JP6153222B2 (ja) * 2013-08-16 2017-06-28 有限会社 テクノ・キャスト 導電性臓器モデル

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018049156A (ja) 2018-03-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6757636B2 (ja) アブレーションカテーテル用評価器具
TW201120154A (en) Reversible thermochromic aqueous ink composition, writing implement using the same and writing implement set
JP2009166310A (ja) 固形筆記体及びそれを用いた固形筆記体セット
JP2005001369A (ja) 感温変色性色彩記憶性組成物及びそれを内包した感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料
JP5638445B2 (ja) 固形筆記体及びそれを用いた固形筆記体セット
JP4093940B2 (ja) 感温変色性色彩記憶性液状組成物
JP2001105732A (ja) 可逆熱変色性組成物
JP6199132B2 (ja) 固形筆記体セット
JP2016121344A (ja) 固形筆記体及びそれを用いた固形筆記体セット
JP2013231138A (ja) 可逆熱変色性マイクロカプセル顔料
JP6778564B2 (ja) 臓器代用樹脂成形物
JP6778565B2 (ja) 臓器代用樹脂成形物
JP6027424B2 (ja) 固形筆記体
JP2012088095A (ja) 感温変色性適温表示包装体
JP3984509B2 (ja) 可逆熱変色性液状組成物及びそれを用いた可逆熱変色性積層体
JP6494904B2 (ja) 固形筆記体
JP5956262B2 (ja) 固形筆記体
JP4589057B2 (ja) 感温変色性色彩記憶性成形用樹脂組成物及びそれを用いた成形体
JP7431513B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物及びそれを用いた成形体又は積層体
JP6294173B2 (ja) 固形筆記体及びそれを用いた固形筆記体セット
JP6199131B2 (ja) 固形筆記体及びそれを用いた固形筆記体セット
JP7236822B2 (ja) 可逆熱変色性固形筆記体及びそれを用いた可逆熱変色性固形筆記体セット
JP6067406B2 (ja) 固形筆記体
JP2014101440A (ja) 金属光沢調可逆熱変色性粘着テープ、金属光沢調可逆熱変色性粘着テープの製造方法
JP6168930B2 (ja) 固形筆記体及びそれを用いた固形筆記体セット

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190409

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20191226

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200204

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200310

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200825

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200831

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6757636

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250