以下、図面を参照しつつ、本発明の各実施形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
<第1の実施形態>
<冷蔵庫の概要>
本実施の形態では、本発明に係る扉構造を備えている冷蔵庫の一例について説明する。なお、本実施形態では、本発明の扉構造の一例として、飲料供給装置に設けられている回転扉を挙げて説明する。但し、本発明はこの構成に限定されない。まず、本実施の形態にかかる飲料供給装置10が搭載される冷蔵庫1の概要について説明する。図1は、本実施の形態にかかる飲料供給装置10を搭載する冷蔵庫1を示す正面図である。
図1に示すように、冷蔵庫1は、4つの扉を有している。本実施の形態にかかる冷蔵庫1は、上部に冷蔵室を、下部に冷凍室を搭載する。冷蔵庫の各扉には、取っ手3がそれぞれ設けられている。そして、冷蔵庫1の冷蔵室用の正面から見て右側の扉(本体扉)2に、飲料供給装置10が搭載される。
但し、飲料供給装置10が搭載される冷蔵庫1は、4つより少ない扉を有するものであってもよいし、4つより多い扉を有するものであってもよいし、冷蔵室が下部や中部に配置されるものであってもよい。
図1では、飲料供給装置10の非使用時の状態を示している。図1に示すように、非使用時の状態では、飲料供給装置10の回転扉21が冷蔵庫1の正面側に位置している。つまり、飲料供給装置10の給水機構は、回転扉21(小扉)の裏側に配置され、見えない状態となっている。回転扉21の近傍には、物体検知センサ(検知部)22が設けられている。
また、冷蔵庫1の正面には、表示パネル23が設けられている。表示パネル23の位置は特に限定はされないが、本実施形態では、表示パネル23は、扉2の表面に配置されている。表示パネル23はタッチパネル式の表示装置であって、操作パネル(操作部)としても機能してもよい。この場合、使用者は操作パネルから冷蔵庫1の運転モードや、飲料供給装置10の動作モードなどを変更することができる。
物体検知センサ22は、その周囲に飲料供給装置10の使用者の手などが近づいたり、当該センサに手が触れたりしたことを検知する。なお、物体検知センサ22は、例えば、静電容量式の非接触センサで構成される。例えば、物体検知センサ22は、検出対象の物体との距離に応じて出力電圧が変化するような近接センサであってもよい。これにより、冷蔵庫1の扉2の表面に手やグラスが接触して、汚れが付着することを抑えることができる。しかし、本発明はこれに限定はされず、回転扉の近傍に物体が存在するか否かを検知する検知部は、接触式のセンサ、押しボタンなどで構成してもよい。
図2(a)は、冷蔵室用の右側の扉2部分の正面図である。図2(b)は、冷蔵室用の右側の扉2部分の斜視図である。図2(a)及び(b)では、飲料供給装置10の使用時の状態を示す。なお、飲料供給装置10の水タンク30は、冷蔵室の扉2の裏側に配置されており、正面からは見えない状態となっているが、図2(a)では、便宜上、水タンク30を破線で示している。また、図3では、飲料供給装置10の使用時に回転扉21が回転し、給水機構が露出する様子を、(a)から(c)に順に示す。
図3に示すように、飲料供給装置10は、物体検知センサ22が使用者の手などを検知すると、回転扉21が水平方向に回転して、給水機構が正面に現れるように構成されている。回転扉21が回転すると、図2(a)及び(b)に示すように、飲料供給装置10を構成する注水レバー12、底部13(水受け)、背面板14、側面板15などが正面に現れる。そして、底部13、背面板14、及び、側面板15によって、飲料供給装置10の給水室10a(飲料供給室)が形成される。この給水室10aの内部に注水レバー12などの給水機構が収容される。回転扉21は、給水室10aの構成の一部として設けられている。具体的には、回転扉21は、背面板14と重なるように配置されている。
そして、使用者の操作に基づいて、冷蔵室内において冷やされた水タンク30内の水が、注水口(図示せず)から吐出される。本実施の形態では、例えば、使用者がグラスなどの容器G(図3参照)で注水レバー12を背面板14側へ押すことで、グラス内へ水が供給される。なお、飲料供給装置10の給水機構は、センサによって自動で注水される構成を有していてもよい。
物体検知センサ22の設置場所は特に限定されないが、本実施の形態では、飲料供給装置10の左隣りに配置されている。そして、物体検知センサ22が使用者を検知すると、飲料供給装置10の回転扉21は左回りに回転し、左側から給水機構が現れる(図3参照)。これにより、グラスなどを手に持った使用者は、物体検知センサ22の正面付近から横方向に手を移動させることで、容易に給水機構に手を近づけることができる。
この構成によれば、飲料供給装置の利便性がより向上する。なお、飲料供給装置の回転扉が右回りに回転して給水機構が現れる構成の場合には、飲料供給装置の右隣に物体検知センサを設けることが好ましい。このように、飲料供給装置の回転方向に合わせて、物体検知センサが配置されていることが好ましい。
なお、本発明の冷蔵庫における飲料供給装置の配置位置は、図1に示す例に限定はされない。すなわち、本実施の形態では、冷蔵庫の右側の扉に飲料供給装置が設けられているが、冷蔵庫の左側の扉に飲料供給装置が設けられていてもよい。例えば、本実施形態と同様に、中央から左右それぞれに開く2つの扉を有する冷蔵庫の場合には、冷蔵庫の中央に近い側に物体検知センサを設け、その外側に飲料供給装置を設置することができる。このような構成の冷蔵庫では、冷蔵庫の扉の取っ手を使用者が触った場合には、飲料供給装置の物体検知センサが反応しない程度に、取っ手と物体検知センサとが離れて設置されていることが好ましい。なお、冷蔵庫の左側の扉に飲料供給装置が設けられている場合には、飲料供給装置の右隣に物体検知センサを設け、物体検知センサ側から給水室が露出するように、給水室を右回りに回転させるのがよい。
上記の構成によれば、冷蔵庫の中央に近い側から使用者が飲料供給装置に接近し、給水姿勢に入ることができる。また、給水動作が終了した後には、冷蔵庫の中央側に向かって、給水室を回転させて、非使用時の状態(回転扉が正面に向いている状態)に戻すことができる。これにより、飲料供給装置の回転が、冷蔵庫の左右両脇にいる他者の動作の妨げになることを抑えることができる。
上述した冷蔵庫における飲料供給装置の配置位置は、本発明の一例であり、本発明はこれに限定はされない。また、飲料供給装置の回転扉を開閉するための物体検知センサの配置位置についても、限定はされない。
<飲料供給装置の構成>
次に、本実施の形態にかかる飲料供給装置10の構成について詳述する。図4には、飲料供給装置10の内部構成を示す。図4では、飲料供給装置10の回転扉の制御に関連する構成部材を主に示している。
飲料供給装置10は、駆動モータ17、電流検知部19、回転扉21、物体検知センサ22、表示パネル23、操作パネル24、スピーカ25、制御部40、及びタイマ51などを備えている。本実施形態では、回転扉21は、給水室10aに取り付けられている。
駆動モータ17は、回転扉21が取り付けられている給水室10aの回転軸と接続されている。駆動モータ17は、給水室10aの回転を駆動する。
電流検知部19は、駆動モータ17に流れる電流を検知する。例えば、回転扉21が開閉動作中に異物が挟まった場合などには、駆動モータ17には、通常よりも大きな電流(ロック電流)が流れる。電流検知部19は、このようなロック電流を検知することができる。
表示パネル(報知部)23は、冷蔵庫1及び飲料供給装置10の動作モードや、冷蔵庫1内の内容物に関する情報などを表示する。また、本実施形態においては、例えば、電流検知部19がロック電流を検知した場合などのように、異物などが挟まることによって回転扉21の動作に異常が発生した場合などに、表示パネル23にその旨の警報表示をさせるようにしてもよい。このように、本実施形態に係る冷蔵庫1には、光によって警告を発する報知部として表示パネル23が設けられている。なお、光によって警告を発する報知部は、表示パネルに限定はされず、例えば、LEDなどの発光素子などで実現することもできる。
なお、LEDなどの発光素子による警告表示は、異常が発生した場合以外に、例えば、飲料供給装置10の使用が終わった後、回転扉21が閉動作を開始するときに発するようにしてもよい。特に、飲料供給装置の使用終了後、所定時間が経過した後に自動で回転扉が閉まるような構成を有する装置には、このような警告表示を行うことが好ましい。これにより、回転扉に指などを挟む危険を低減させることができる。
また、回転扉21が閉動作を開始してから完全に閉じるまでの間、警告表示を継続して行ってもよい。例えば、LEDなどの発光素子の点滅によって警告表示を行う場合には、回転扉21が閉動作を開始した直後は、点滅の速度を比較的遅くし、回転扉21が閉状態に近づくにつれて、点滅の速度を速くしてもよい。これにより、より指やグラスなどを挟む危険性の高い回転扉21が完全に閉まる直前に、使用者に対して警告表示をより意識させることができる。
操作パネル24は、使用者が飲料供給装置10の動作モード、物体検知センサ22のセンサ感度などを変更するために備えられている。本実施形態では、操作パネル24は、冷蔵庫1の表示パネル23内に、その構成の一部として配置されている。
スピーカ(報知部)25は、音を発することによって使用者に冷蔵庫1及び飲料供給装置10に関する情報を報知する。また、本実施形態においては、例えば、電流検知部19がロック電流を検知した場合などのように、異物などが挟まることによって回転扉21の動作に異常が発生した場合などに、スピーカ25が警告音を発するようにしてもよい。このように、本実施形態に係る冷蔵庫1には、音によって警告を発する報知部としてスピーカ25が設けられている。
なお、スピーカによる警告音は、異常が発生した場合以外に、例えば、飲料供給装置10の使用が終わった後、回転扉21が閉動作を開始するときに発するようにしてもよい。特に、飲料供給装置の使用終了後、所定時間が経過した後に自動で回転扉が閉まるような構成を有する装置には、このような警告音を発生させることが好ましい。これにより、回転扉に指などを挟む危険を低減させることができる。
また、回転扉21が閉動作を開始してから完全に閉じるまでの間、警告音を継続して発生させてもよい。この場合、例えば、回転扉21が閉動作を開始した直後は、警告音の音量を比較的小さくしておき、回転扉21が閉状態に近づくにつれて、徐々に音量を大きくしてもよい。これにより、より指やグラスなどを挟む危険性の高い回転扉21が完全に閉まる直前に、使用者に対して警告音をより意識させることができる。
制御部40は、飲料供給装置10内の各構成部品と接続され、これらの制御を行う。制御部40内には、回転制御部41、及びメモリ43などが備えられている。制御部40は、冷蔵庫1本体の制御部とは独立して設けられていてもよいし、冷蔵庫1の制御部(図示せず)に、その構成の一部として設けられていてもよい。なお、図4には示していないが、制御部40内には、物体検知センサ22のセンサ感度を調節するためのセンサ感度調整部などがさらに備えられていてもよい。
回転制御部41は、飲料供給装置10の回転扉21の開閉動作の制御を行う。例えば、回転制御部41は、物体検知センサ22から送信された信号に基づいて、回転扉21の動作を開始させたり停止させたりする。これにより、回転扉21は開状態となったり、閉状態となったりする。ここで、回転扉21が開状態であるとは、回転扉21の背面側に位置する給水部が冷蔵庫1の正面に露出した状態のことをいう。また、回転扉21が閉状態であるとは、回転扉21が冷蔵庫1の正面側に位置する状態のことをいう。回転扉21が閉状態の場合には、回転扉21の表面と冷蔵庫1の扉2の表面とが略面一の状態になっている。
メモリ43は、ROM(read only memory)及びRAM(Random Access Memory)を含む。メモリ43は、飲料供給装置10の動作プログラムや設定データを記憶するとともに制御部40による演算結果を一時記憶する。タイマ51は、回転扉21の開閉動作の所要時間を計測する。
続いて、図3を参照しながら、飲料供給装置10の回転動作について説明する。図3(a)に示すように、水を飲みたい使用者は、例えば、グラスGなどを持った状態で、物体検知センサ22の正面に手をかざす。すると、図3(b)に示すように、飲料供給装置10は、その回転軸を中心に左回りに回転を始める。これにより、回転扉21の裏面に隠れていた給水室10aが、図3(b)から図3(c)に示すように、冷蔵室の扉2の左側から徐々に正面に表れる。この給水室10aの露出に合わせて、使用者は、給水口(図示せず)の下へ手をスライド移動させることができる。そして、図3(c)に示すように、給水機構を構成する注水レバー12(図2(a)参照)が正面に位置したところで、回転動作は停止する。
このように、本実施の形態の飲料供給装置10では、飲料供給装置10の左隣りに物体検知センサ22が配置されている(図1参照)とともに、飲料供給装置10が左回りに回転する構成となっている。つまり、飲料供給装置10は、物体検知センサ22が配置されている側から、回転扉21の内側に存在する給水室10aが現れるような構成となっている。そのため、グラスGを手に持った使用者は、物体検知センサ22の正面から、そのまま右方向へ手をスライドさせることで、給水の体勢に入ることができる。
給水作業が終了すると、使用者は、給水室10aから離れる。このとき、物体検知センサ22は、給水室10aから使用者及びグラスなどが離れたことを検知する。すると、飲料供給装置10は上述した回転動作と反対の方向(すなわち、右回り)に回転し、最終的に図3(a)に示す状態となる。なお、物体検知センサ22が給水室10aから使用者及びグラスなどが離れたことを検知した後、タイマ51がカウントを開始し、所定時間経過した後に、回転扉21が閉まるようにしてもよい。また、物体検知センサ22とは別に、注水レバー12に物体検知用のセンサを設け、このセンサが給水操作の終了を検知してから一定時間経過した後に、自動で回転扉21が閉まるような構成としてもよい。
以上のように、物体検知センサ22の位置と、飲料供給装置10の回転方向とを合わせることで、飲料供給装置10の使用性を向上させることができる。なお、本実施の形態で説明した物体検知センサの位置、及び、飲料供給装置の回転方向は、本発明の一例であり、本発明はこれに限定はされない。例えば、物体検知センサを飲料供給装置の右隣に配置し、飲料供給装置を右回りに回転させる構成としてもよい。
さらに、本実施形態に係る飲料供給装置10には、駆動モータ17に流れる電流を検知する電流検知部19が備えられている。そして、回転制御部41は、電流検知部19が駆動モータ17に流れる電流の異常(例えば、ロック電流など)を検知すると、回転制御部41は、駆動モータ17を停止し、回転扉21の開閉動作を停止する。
<異常検知で回転扉の動作を停止する制御について>
続いて、図5及び図6を参照しながら、飲料供給装置10の回転扉21の制御方法について説明する。図5は、回転扉21が閉状態から開状態へ移行する場合の制御の流れを示す。図6は、回転扉21が開状態から閉状態へ移行する場合の制御の流れを示す。
回転扉21が閉状態から開状態へ移行する場合には、先ず、回転制御部41は、物体検知センサ22から回転扉21を開状態とする旨の信号(小扉開信号)が送信されたか否かを判別する(ステップS11)。ここで、小扉開信号は、物体検知センサ22の検知範囲内に使用者が近づいた場合に、物体検知センサ22から回転制御部41に対して送信される。
ステップS11において、回転制御部41が小扉開信号を受信すると(ステップS11でYES)、回転制御部41は、駆動モータ17を駆動し、回転扉21の動作を開始させる(ステップS12)。本実施形態においては、回転扉21を左回りに回転させる(図3(b)参照)。このとき、タイマ51は、時間のカウントを開始する。
ここで、制御部40内のメモリ43には、回転扉21が正常に動作したときの、閉状態から開状態に移行するまでの予定時間T1が記憶されている。制御部40は、回転扉21が動作を開始してからの経過時間が、予定時間T1を超えたか否かを判定する(ステップS13)。そして、回転扉21が動作を開始してからの経過時間が、この予定時間を超えない間(すなわち、ステップS13でNOの場合)は、回転制御部41は、電流検知部19が電流の異常(例えば、ロック電流など)を検知したか否かを判定する(ステップS14)。
電流検知部19が電流の異常(例えば、ロック電流など)を検知することなく(ステップS14でNO)、回転扉21が動作を開始してからの経過時間が、予定時間T1を超えると(ステップS13でYES)、回転扉21が完全に開いたと判断する(ステップS15)。そして、回転制御部41は駆動モータ17を停止させ(ステップS16)、回転扉21の開動作を終了させる。
一方、回転扉21が動作を開始してからの経過時間が、予定時間T1を超える前に(ステップS13でNO)、電流検知部19が電流の異常を検知すると(ステップS14でYES)、制御部40は、回転扉21の開動作に異常が発生したと判断する(ステップS17)。ここでの異常とは、例えば、回転扉21に、使用者の指や異物などが挟まった状態である。そして、回転制御部41は駆動モータ17を停止させる(ステップS18)。
なお、制御部40が、回転扉21の開動作に異常が発生したと判断したとき(ステップS17)、回転制御部41は駆動モータ17を停止させた後、回転扉21を逆方向に回転(本実施形態の場合は、右回りに回転)させてもよい。すなわち、ステップS18から、後述するステップS22(図6参照)へ移行してもよい。また、この場合には、制御部40が、回転扉21の開動作に異常が発生したと判断したとき(ステップS17)に、タイマ51のカウントを停止させてもよい。そして、このときのタイマ51の計測時間をメモリ43に格納しておき、回転制御部41は、同じ計測時間だけ、回転扉21を逆方向に回転させてもよい。これにより、回転扉21が完全に閉まったときに、回転制御部41は駆動モータ17を停止させることができる。
続いて、回転扉21が開状態から閉状態へ移行する場合の制御方法について、図6を参照しながら説明する。先ず、回転制御部41は、回転扉21を閉状態とする旨の信号(小扉閉信号)が送信されたか否かを判別する(ステップS21)。ここで、小扉閉信号は、例えば、物体検知センサ22が給水室10aから使用者及びグラスなどが離れたことを検知した後、タイマ51がカウントを開始し、所定時間経過した後に送信される。
ステップS21において、回転制御部41が小扉閉信号を受信すると(ステップS21でYES)、回転制御部41は、駆動モータ17を駆動し、回転扉21の動作を開始させる(ステップS22)。本実施形態においては、回転扉21を右回りに回転させる。このとき、タイマ51は、時間のカウントを開始する。
ここで、制御部40内のメモリ43には、回転扉21が正常に動作したときの、開状態から閉状態に移行するまでの予定時間T2が記憶されている。なお、回転扉21を開けるときの回転速度と、回転扉21を閉めるときの回転速度とが同じ場合には、予定時間T2は、T1と同じである。しかし、本発明はこれに限定はされない。回転扉21を開けるときと、回転扉21を閉めるときとで、回転速度を変更してもよい。
制御部40は、回転扉21が動作を開始してからの経過時間が、予定時間T2を超えたか否かを判定する(ステップS23)。そして、回転扉21が動作を開始してからの経過時間が、この予定時間を超えない間(すなわち、ステップS23でNOの場合)は、回転制御部41は、電流検知部19が電流の異常(例えば、ロック電流など)を検知したか否かを判定する(ステップS24)。
電流検知部19が電流の異常(例えば、ロック電流など)を検知することなく(ステップS24でNO)、回転扉21が動作を開始してからの経過時間が、予定時間T2を超えると(ステップS23でYES)、回転扉21が完全に閉まったと判断する(ステップS25)。そして、回転制御部41は駆動モータ17を停止させ(ステップS26)、回転扉21の閉動作を終了させる。
一方、回転扉21が動作を開始してからの経過時間が、予定時間T2を超える前に(ステップS23でNO)、電流検知部19が電流の異常を検知すると(ステップS24でYES)、制御部40は、回転扉21の閉動作に異常が発生したと判断する(ステップS27)。ここでの異常とは、例えば、回転扉21に、使用者の指や異物などが挟まった状態である。そして、回転制御部41は駆動モータ17を停止させる(ステップS28)。
なお、制御部40が、回転扉21の閉動作に異常が発生したと判断したとき(ステップS27)、回転制御部41は駆動モータ17を停止させた後、回転扉21を逆方向に回転(本実施形態の場合は、左回りに回転)させてもよい。すなわち、ステップS28から、ステップS12(図5参照)へ移行してもよい。また、この場合には、制御部40が、回転扉21の閉動作に異常が発生したと判断したとき(ステップS27)に、タイマ51のカウントを停止させてもよい。そして、このときのタイマ51の計測時間をメモリ43に格納しておき、回転制御部41は、同じ計測時間だけ、回転扉21を逆方向に回転させてもよい。これにより、回転扉21が完全に開いたときに、回転制御部41は駆動モータ17を停止させることができる。
<回転扉の開状態から閉状態への移行について>
続いて、一旦開状態となった回転扉21を閉状態とするための制御について、図7を参照しながら説明する。図7に示す制御は、例えば、図5に示すステップ16の後に実行される。
上述したように、回転扉を閉状態へ移行させる指示となる小扉閉信号は、例えば、給水室10aから使用者及びグラスなどが離れたことを検知した後、所定時間経過した後に送信される。しかし、飲料供給装置10の使用が終わった後にも、冷蔵庫1の正面付近に人がいる場合には、回転扉21を開状態に維持するように制御することも可能である。このような制御は、例えば、冷蔵庫1を店頭などで展示するようなデモモードの場合に有効である。
そこで、本実施形態の飲料供給装置10には、物体検知センサ22以外に、飲料供給装置10周辺の人の存在を検知する人感センサが備えられていてもよい。人感センサの検知範囲は特に限定はされないが、物体検知センサ22よりもより広範囲の人の存在を検知できることが望ましい。そして、飲料供給装置10がデモモードになると、人感センサが人を検知しているときには、飲料供給装置10を使用するか否かにかかわらず、回転扉21を開状態に維持してもよい。
例えば、飲料供給装置10の使用が終わると、給水室10aから使用者及びグラスなどは離れる。これにより、物体検知センサ22の検知範囲内から、使用者及びグラスは存在しなくなる。このとき、タイマ51が時間のカウントを開始し、制御部40は、図7に示すように、使用者が給水室10aから離れてから所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS31)。
そして、所定時間が経過すると(ステップS31でYES)、次に、制御部40は、人感センサが人を検知したか否かを判定する(ステップS32)。ここで、人感センサが人を検知すると(ステップS32でYES)、回転制御部41は、回転扉21を開状態のまま維持する(例えば、ステップS16などに進む)。一方、人感センサが人を検知しない場合は(ステップS32でNO)、回転制御部41は、回転扉21の閉動作を開始する(例えば、ステップS22へ進む)。
なお、ここでは、物体検知センサ22と人感センサとが別々のセンサである構成について説明したが、物体検知センサ22のセンサ感度を変更することなどによって、物体検知センサ22と人感センサとを一つのセンサで実現することもできる。この場合、例えば、回転扉21が閉状態のときは、物体検知センサ22のセンサ感度の閾値を小さく設定し、回転扉21が開状態のときは、物体検知センサ22のセンサ感度の閾値を大きく設定すればよい。このようなセンサ感度の制御は、例えば、制御部40内のセンサ感度調整部で行うことができる。
(左右何れの方向からも回転扉が開く構成)
第1の実施形態に係る飲料供給装置10は、左側からのみ回転して開状態となるが、本発明はこの構成に限定はされない。例えば、飲料供給装置10の回転扉の右側に物体検知センサが配置され、回転扉が右側から開く構成とすることも可能である。さらに、回転扉の左右両側に物体検知センサが配置される構成とすることもできる。この場合、左側の物体検知センサが使用者を検知した場合には、左側から給水室10aが現れるように回転扉が回転し、右側の物体検知センサが使用者を検知した場合には、右側から給水室10aが現れるように回転扉が回転するのがよい。これにより、より利便性の高い飲料供給装置を提供できる。
<第1の実施形態のまとめ>
以上のように、本実施の形態の冷蔵庫1に搭載されている飲料供給装置10は、回転扉21の左側に配置された物体検知センサ22が使用者を検知すると、飲料供給装置10の回転扉21は左回りに回転し、左側から給水機構が現れる構成を有している。これにより、グラスなどを手に持った使用者は、物体検知センサ22の正面付近から横方向に手を移動させることで、容易に給水機構に手を近づけることができる。
以上のように、本実施形態の構成によれば、飲料供給装置10を使用する場合に、使用者の自然な動作に合わせて、回転扉21を開状態とすることができる。そのため、回転扉21を開ける動作を敢えて行う必要がなく、飲料供給装置10の使用時の利便性を高めることができる。
また、本実施形態に係る飲料供給装置10によれば、回転扉21の動作時に電流検知部が駆動モータの異常を検知すると、回転扉の動作を停止させることができる。そのため、自動開閉式の回転扉を備える飲料供給装置において、使用者が動作中の回転扉に誤って手を触れるなどして、回転扉の回転動作が制限された場合に、回転扉の動作を停止させることができる。そのため、使用者が飲料供給装置の使用時に指などを挟む危険性を低減させることができる。
このように、本実施形態に係る飲料供給装置では、電流検知部が回転扉の開閉動作の異常を検知する検知部の機能を果たす。本発明において、検知部は電流検知部に限定はされない。検知部は、外力によって小扉の回転動作が制限されたことを検知できるものであればよい。
<第2の実施形態>
続いて、本発明の第2の実施形態について説明する。上述した第1の実施形態では、回転制御部が駆動モータのロック電流を検知することで、回転扉の開閉動作の異常を検知する例について説明した。しかし、本発明の扉構造では、他の方法で小扉の開閉動作の異常を検知してもよい。そこで、本実施形態では、小扉の開閉動作の所要時間が閾値を超えた場合に異常であると判断する例について説明する。
図8には、本実施形態にかかる冷蔵庫1に備えられた飲料供給装置110の内部構成を示す。本実施形態に係る冷蔵庫1については、第1の実施形態の冷蔵庫と基本的に同じ構成を適用できる。図8では、飲料供給装置110の回転扉の制御に関連する構成部材を主に示している。
飲料供給装置110は、駆動モータ17、回転扉121、扉開閉検知スイッチ118、物体検知センサ22、表示パネル23、操作パネル24、スピーカ25、制御部140、及びタイマ51などを備えている。本実施形態では、回転扉121は、給水室10aに取り付けられている。
本実施形態の飲料供給装置110には、電流検知部19は備えられていない。しかし、本発明では、飲料供給装置が電流検知部19をさらに備えていてもよい。これにより、回転扉121の開閉動作の所要時間が閾値を超えた場合だけでなく、電流検知部19がロック電流を検知した場合にも、制御部140は、異常が発生したと判断して回転扉21の開閉動作を停止することができる。
駆動モータ17、物体検知センサ22、表示パネル23、操作パネル24、スピーカ25、及びタイマ51は、第1の実施形態と同様の構成を適用できる。
扉開閉検知スイッチ118は、回転扉121が開状態であるか閉状態であるかを検知する。扉開閉検知スイッチ118は、例えば、回転扉121(または給水室10a)と冷蔵室の扉2とにそれぞれ設けられている。各位置に配置されているスイッチがON状態となっているか否かで、回転扉121が開状態であるか閉状態であるかを検知することができる。本実施形態では、図9(b)に示すように、扉開閉検知スイッチ118は、冷蔵室の扉2に設けられた小窓の四隅付近と、給水室10aの外周側面とにそれぞれ設けられている。扉2側のスイッチと、給水室10a側のスイッチとが接触したか否かによって、回転扉121が開状態である閉状態であるかを検知する。
制御部140は、飲料供給装置110内の各構成部品と接続され、これらの制御を行う。制御部140内には、回転制御部141、及びメモリ143などが備えられている。制御部140は、冷蔵庫1本体の制御部とは独立して設けられていてもよいし、冷蔵庫1の制御部(図示せず)に、その構成の一部として設けられていてもよい。
回転制御部141は、飲料供給装置110の回転扉121の開閉動作の制御を行う。例えば、回転制御部141は、物体検知センサ22から送信された信号に基づいて、回転扉121の動作を開始させたり停止させたりする。これにより、回転扉121は開状態となったり、閉状態となったりする。また、回転制御部141は、回転扉121の開閉動作の所要時間が閾値を超えた場合に、回転扉の動作に異常が発生したと判断する。この場合、回転制御部141は、駆動モータ17の動作を停止させる。
メモリ143は、第1の実施形態と同様の構成を適用できる。本実施形態のメモリ143には、回転扉121が正常に動作した場合に、開状態から閉状態になるまでの所要時間の情報が記憶されている。なお、回転扉121の開動作時の回転速度と、回転扉121の閉動作時の回転速度とが異なる場合には、開状態から閉状態になるまでの所要時間と、閉状態から開状態になるまでの所要時間がそれぞれ記憶されている。
続いて、飲料供給装置110の回転動作について説明する。図9には、飲料供給装置110の回転動作を示す。図9(a)に示すように、水を飲みたい使用者は、例えば、グラスGなどを持った状態で、物体検知センサ22の正面に手をかざす。すると、図9(b)に示すように、飲料供給装置110は、その回転軸を中心に左回りに回転を始める。これにより、回転扉121の裏面に隠れていた給水室10aが、図9(b)から図9(c)に示すように、冷蔵室の扉2の左側から徐々に正面に表れる。この給水室10aの露出に合わせて、使用者は、給水口(図示せず)の下へ手をスライド移動させることができる。そして、図9(c)に示すように、給水機構を構成する注水レバー12が正面に位置したところで、回転動作は停止する。
次に、図10及び図11を参照しながら、飲料供給装置110の回転扉121の制御方法について説明する。図10は、回転扉121が閉状態から開状態へ移行する場合の制御の流れを示す。図11は、回転扉121が開状態から閉状態へ移行する場合の制御の流れを示す。
回転扉121が閉状態から開状態へ移行する場合には、先ず、回転制御部141は、物体検知センサ22から回転扉121を開状態とする旨の信号(小扉開信号)が送信されたか否かを判別する(ステップS41)。ここで、小扉開信号は、物体検知センサ22の検知範囲内に使用者が近づいた場合に、物体検知センサ22から回転制御部141に対して送信される。
ステップS41において、回転制御部141が小扉開信号を受信すると(ステップS41でYES)、回転制御部141は、駆動モータ17を駆動し、回転扉121の動作を開始させる(ステップS42)。本実施形態においては、回転扉121を左回りに回転させる(図9(b)参照)。このとき、タイマ51は、時間のカウント(a)を開始する。
そして、制御部140は、回転扉121が回転を開始した後、扉開閉検知スイッチ118が開状態となったか否かを判定する(ステップS43)。ここで、制御部140内のメモリ143には、回転扉121が正常に動作したときの、閉状態から開状態に移行するまでの予定時間T1が記憶されている。そして、扉開閉検知スイッチ118が開状態となるまでの間(ステップS43でNO)、制御部140は、回転扉121が動作を開始してからの経過時間が、予定時間T1を超えたか否かを判定する(ステップS44)。
回転扉121が動作を開始してからの経過時間が、予定時間T1を超えない間は(ステップS44でNO)、再びステップS43に戻り、扉開閉検知スイッチ118が開状態となったか否かの判定を行う。その後、扉開閉検知スイッチ118が開状態を検知した場合には(ステップS43でYES)、制御部140は、現時点でのタイマ51のカウント時間(a)と予定時間T1との比較を行う(ステップS45)。ここで、回転扉121が開状態となるまでの時間(a)が、予定時間T1と同程度である場合には(ステップS45でNO)、回転扉121が完全に開いたと判断する(ステップS46)。そして、回転制御部141は駆動モータ17を停止させ(ステップS47)、回転扉121の開動作を終了させる。
一方、扉開閉検知スイッチ118が開状態となる前に(ステップS43でNO)、回転扉121が動作を開始してからの経過時間が、予定時間T1を超えた場合(ステップS44でYES)には、制御部140は、回転扉121の開動作に異常が発生したと判断する(ステップS48)。また、予定時間T1よりも大幅に早く扉開閉検知スイッチ118が開状態となった場合(ステップS45でYES、T1>aの場合)にも、制御部140は、回転扉121の開動作に異常が発生したと判断する(ステップS48)。
そして、タイマ51は、時間のカウントを停止する。ここでの異常とは、例えば、回転扉21に、使用者の指や異物などが挟まった状態である。そして、回転制御部141は駆動モータ17を停止させる(ステップS49)。
なお、第1の実施形態と同様に、制御部140が、回転扉121の開動作に異常が発生したと判断したとき(ステップS48)、回転制御部141は駆動モータ17を停止させた後、回転扉121を逆方向に回転(本実施形態の場合は、右回りに回転)させてもよい。すなわち、ステップS48から、後述するステップS52(図11参照)へ移行してもよい。
続いて、回転扉121が開状態から閉状態へ移行する場合の制御方法について、図11を参照しながら説明する。先ず、回転制御部141は、回転扉121を閉状態とする旨の信号(小扉閉信号)が送信されたか否かを判別する(ステップS51)。ここで、小扉閉信号は、例えば、物体検知センサ22が給水室10aから使用者及びグラスなどが離れたことを検知した後、タイマ51がカウントを開始し、所定時間経過した後に送信される。
ステップS51において、回転制御部141が小扉閉信号を受信すると(ステップS51でYES)、回転制御部141は、駆動モータ17を駆動し、回転扉121の動作を開始させる(ステップS52)。本実施形態においては、回転扉121を右回りに回転させる。このとき、タイマ51は、時間のカウント(b)を開始する。
そして、制御部140は、回転扉121が回転を開始した後、扉開閉検知スイッチ118が閉状態となったか否かを判定する(ステップS53)。ここで、制御部140内のメモリ143には、回転扉121が正常に動作したときの、閉状態から開状態に移行するまでの予定時間T2が記憶されている。そして、扉開閉検知スイッチ118が閉状態となるまでの間(ステップS53でNO)、制御部140は、回転扉121が動作を開始してからの経過時間が、予定時間T2を超えたか否かを判定する(ステップS54)。
回転扉121が動作を開始してからの経過時間が、予定時間T2を超えない間は(ステップS54でNO)、再びステップS53に戻り、扉開閉検知スイッチ118が開状態となったか否かの判定を行う。その後、扉開閉検知スイッチ118が閉状態を検知した場合には(ステップS53でYES)、制御部140は、現時点でのタイマ51のカウント時間(b)と予定時間T2との比較を行う(ステップS55)。ここで、回転扉121が開状態となるまでの時間(b)が、予定時間T2と同程度である場合には(ステップS55でNO)、回転扉121が完全に閉じたと判断する(ステップS56)。そして、回転制御部141は駆動モータ17を停止させ(ステップS57)、回転扉121の閉動作を終了させる。
一方、扉開閉検知スイッチ118が閉状態となる前に(ステップS53でNO)、回転扉121が動作を開始してからの経過時間が、予定時間T2を超えた場合(ステップS54でYES)には、制御部140は、回転扉121の閉動作に異常が発生したと判断する(ステップS58)。また、予定時間T2よりも大幅に早く扉開閉検知スイッチ118が閉状態となった場合(ステップS55でYES、T2>bの場合)にも、制御部140は、回転扉121の開動作に異常が発生したと判断する(ステップS58)。
そして、タイマ51は、時間のカウントを停止する。そして、回転制御部141は駆動モータ17を停止させる(ステップS59)。
なお、第1の実施形態と同様に、制御部140が、回転扉121の閉動作に異常が発生したと判断したとき(ステップS58)、回転制御部141は駆動モータ17を停止させた後、回転扉121を逆方向に回転(本実施形態の場合は、左回りに回転)させてもよい。すなわち、ステップS59から、ステップS42(図10参照)へ移行してもよい。
<回転扉の開状態から閉状態への移行について>
本実施形態に係る飲料供給装置110において、一旦開状態となった回転扉121を閉状態とするための制御については、第1の実施形態と同様の制御方法(図7参照)を採用することができる。ここで、図7に示す制御は、例えば、図10に示すステップ47の後に実行される。
以上のように、本実施形態に係る飲料供給装置110によれば、回転扉121の開閉動作の所要時間が予定時間よりも長い場合に、異常が発生したと判断し、回転扉の動作を停止させることができる。そのため、自動開閉式の回転扉を備える飲料供給装置において、動作中の回転扉に異物が挟まるなどして回転扉の回転動作が制限された場合に、回転扉の動作を停止させることができる。そのため、使用者が飲料供給装置の使用時に指などを挟む危険性を低減させることができる。
このように、本実施形態に係る飲料供給装置では、タイマ及び制御部が回転扉の開閉動作の異常を検知する検知部の機能を果たす。
<第3の実施形態>
続いて、本発明の第3の実施形態について説明する。本実施形態では、冷蔵庫の使用者の安全性を高めるために、大扉(冷蔵室扉)が開状態のときは、小扉(飲料供給装置の回転扉)の動作を停止する構成について説明する。
図12には、本実施形態にかかる冷蔵庫200の構成を示す。冷蔵庫200の外観の構成については、第1の実施形態に係る冷蔵庫1と同様である。そして、冷蔵庫200内に飲料供給装置210が搭載されている。第1の実施形態の冷蔵庫1と同様に、飲料供給装置210は、冷蔵室の扉2に配置されている。冷蔵室の扉2には、扉開閉検知スイッチ8が取り付けられている。扉開閉検知スイッチ8は、扉2(本体扉)が開状態であるか閉状態であるかを検知する。扉開閉検知スイッチ8は、従来公知の構成を適用することができる。
飲料供給装置210は、駆動モータ17、電流検知部19、回転扉221、扉開閉検知スイッチ218、物体検知センサ22、表示パネル23、操作パネル24、スピーカ25、制御部240、及びタイマ51などを備えている。本実施形態では、回転扉221は、給水室10aに取り付けられている。
駆動モータ17、電流検知部19、物体検知センサ22、表示パネル23、操作パネル24、スピーカ25、及びタイマ51は、第1の実施形態と同様の構成を適用できる。
扉開閉検知スイッチ218は、回転扉221(または、給水室10a)と冷蔵室の扉2とにそれぞれ設けられている。第2の実施形態の扉開閉検知スイッチ118と同様に、扉開閉検知スイッチ218は、回転扉221が開状態であるか閉状態であるかを検知する。つまり、回転扉221及び扉2の各位置に配置されているスイッチがON状態となっているか否かで、回転扉221が開状態であるか閉状態であるかを検知することができる。
制御部240は、飲料供給装置210内の各構成部品と接続され、これらの制御を行う。制御部240内には、回転制御部241、及びメモリ243などが備えられている。制御部240は、冷蔵庫1本体の制御部とは独立して設けられていてもよいし、冷蔵庫1の制御部(図示せず)に、その構成の一部として設けられていてもよい。メモリ243は、第1の実施形態と同様の構成を適用できる。
回転制御部241は、飲料供給装置210の回転扉221の開閉動作の制御を行う。例えば、回転制御部241は、物体検知センサ22から送信された信号に基づいて、回転扉221の動作を開始させたり停止させたりする。これにより、回転扉221は開状態となったり、閉状態となったりする。
また、回転制御部241は、冷蔵室の扉2の開閉状態に応じて、回転扉221の動作の制御も行う。例えば、扉開閉検知スイッチ8によって扉2が開状態であると検知された場合には、回転制御部241は、物体検知センサ22から回転扉221を開ける指示(小扉開信号)があっても、回転扉221を動作させない。また、回転扉221の開閉動作の途中に、扉開閉検知スイッチ8によって扉2が開状態となったことが検知された場合には、回転制御部241は回転扉221の動作を停止させる。これにより、冷蔵庫200及び飲料供給装置210の使用時の安全性を高めることができる。
次に、図13を参照しながら、飲料供給装置210の回転扉221の制御方法について説明する。図13は、回転扉221が閉状態から開状態へ移行する場合の制御の流れを示す。
回転扉221が閉状態から開状態へ移行する場合には、先ず、回転制御部241は、物体検知センサ22から回転扉221を開状態とする旨の信号(小扉開信号)が送信されたか否かを判別する(ステップS61)。ここで、小扉開信号は、物体検知センサ22の検知範囲内に使用者が近づいた場合に、物体検知センサ22から回転制御部141に対して送信される。
ステップS61において、回転制御部241が小扉開信号を受信すると(ステップS61でYES)、次に、制御部240は、冷蔵室の扉2の開閉状態を判別する(ステップS62)。すなわち、制御部240は、扉開閉検知スイッチ8から送信される信号に基づいて、冷蔵室の扉2の開閉状態を判別する。
ここで、冷蔵室の扉2が閉状態である場合には(ステップS62でNO)、回転制御部241は、駆動モータ17を駆動し、回転扉221の動作を開始させる(ステップS64)。本実施形態においては、回転扉221を左回りに回転させる(図3(b)参照)。
一方、冷蔵室の扉2が開状態である場合には(ステップS62でYES)、回転制御部241は、駆動モータ17を停止状態に維持する(ステップS63)。そして、再びステップS62に戻る。その後、ステップS62において、冷蔵室の扉2が閉状態であると判定された場合には(ステップS62でNO)、回転制御部241は、駆動モータ17を駆動し、回転扉221の動作を開始させる(ステップS64)。
その後、回転制御部241は、回転扉221が開状態となるまで駆動モータ17を動作させる。駆動モータ17が動作している間、扉開閉検知スイッチ218は、冷蔵室の扉2が開けられた否かを検知する(ステップS65)。ここで、冷蔵室の扉2が閉状態のまま維持されていると(ステップS65でNO)、回転制御部241は回転扉221の開動作を継続する。
そして、回転制御部241は、扉開閉検知スイッチ218から回転扉221が開状態となった旨の信号が送信されるまで(ステップS66)、駆動モータ17を作動させる。そして、扉開閉検知スイッチ218が回転扉221の開状態を検知すると(ステップS66でYES)、回転制御部241は回転扉221の動作を停止させる(ステップS67)。これにより、回転扉221は開状態となる。
一方、駆動モータ17の動作中、冷蔵室の扉2が開けられると(ステップS65でYES)、回転制御部241は回転扉221の動作を停止させる(ステップS68)。そして、再びステップS62へ戻る。ステップS62において、冷蔵室の扉2が閉められたことを検知すると(ステップS62でYES)、回転制御部241は、回転扉221の動作を再開させる(ステップS64)。
なお、上述した回転扉221の開閉制御は、回転扉221が開状態から閉状態へ移行する場合にも適宜応用できる。
以上のように、本実施形態の冷蔵庫200によれば、冷蔵庫の扉2が開状態となっている間は、回転扉221の動作を停止させることができる。そのため、例えば、冷蔵室の扉2を開けようとする人が、誤って回転中の回転扉221に手を挟むなどの事故の発生を抑えることができる。したがって、より安全性の高い冷蔵庫を提供することができる。
なお、本実施形態の冷蔵庫200の冷蔵室には、左右に分割された観音開きの冷蔵室扉が設けられている(図1参照)。このような構成の冷蔵庫の場合には、右側の扉2のみの開閉状態に応じて回転扉221の開閉動作を制御すればよい。すなわち、左側の扉を開けた場合には、飲料供給装置210の回転扉221は動作を停止することなく、通常通りの開閉動作を行うようにすればよい。また、冷蔵室の扉が、左右の何れかの端部から開閉する片開き方式の扉の場合には、冷蔵室の扉の開閉状態に応じて、上述の回転扉の開閉制御を行えばよい。
<第4の実施形態>
続いて、本発明の第4の実施形態について説明する。上述した第1から第3の実施形態では、本発明の扉構造の適用例として、冷蔵庫に内蔵された飲料供給装置の例を挙げて説明した。しかし、本発明の扉構造は、飲料供給装置以外の扉構造に適用することもできる。
例えば、本発明の扉構造を、冷蔵庫などの大型収納庫内に搭載された小型収納庫に適用することもできる。小型収納庫に備えられた回転扉の構造については、第1から第3の実施形態の何れかと同様の構成が適用できる。なお、第1の実施形態同様の構成を適用した場合、小型収納庫は左側からのみ回転して開状態となるが、本発明はこの構成に限定はされない。例えば、小型収納庫の回転扉の右側に物体検知センサが配置され、回転扉が右側から開く構成とすることも可能である。さらに、回転扉の左右両側に物体検知センサが配置される構成とすることもできる。この場合、左側の物体検知センサが使用者を検知した場合には、左側から収納庫が現れるように回転扉が回転し、右側の物体検知センサが使用者を検知した場合には、右側から収納庫が現れるように回転扉が回転するのがよい。
このような小型収納庫に、使用頻度のより高い飲料を収容しておけば、冷蔵庫の扉を開けることなく、回転扉から所望とする飲料を取り出すことができる。このようにして回転扉から飲料を取り出すことで、扉を開けて飲料を取り出す場合と比較して、冷蔵庫内の温度上昇を抑えることができる。また、小型収納庫の回転扉を、比較的低い位置に設けることにより、小さな子供でも容易に回転扉から飲料を取り出すことができる。
以上、本発明の扉構造を小型収納庫の回転扉に適用する例について説明した。なお、ここで説明した小型収納庫は、必ずしも冷蔵庫に設けられる必要はなく、保温庫、物置などの他の貯蔵装置に取り付けられていてもよい。
<第5の実施形態>
続いて、本発明の第5の実施形態について説明する。上述した第1から第3の実施形態では、冷蔵庫に飲料供給装置が備えられており、飲料供給装置に自動開閉式の扉が設けられている例について説明した。しかし、本発明の扉構造は、必ずしも冷蔵庫に設けられる必要はなく、自動回転式の飲料供給装置に本発明を適用することもできる。そこで、本実施の形態では、本発明にかかる扉構造を備えた飲料供給装置の例について説明する。
図14(a)には、本実施形態にかかる飲料供給装置300の外観の構成を示す。図14(a)では、飲料供給装置300の使用時の状態を示す。また、図14(b)には、飲料供給装置300の内部構造を示す。
飲料供給装置300は、本体扉301、給水室10a、水タンク30、並びに、物体検知センサ(検知部)322などを備えている。給水室10aは、注水レバー12、底部13(水受け)、背面板14、側面板などを有している。水タンク30は、飲料供給装置300の本体扉301の裏側に配置されており、正面からは見えない状態となっているが、図14(a)では、便宜上、水タンク30を破線で示している。物体検知センサ322は、給水室10aの左隣りに配置されている。
図14(b)に示すように、回転扉321は、給水室10aの構成の一部として設けられている。具体的には、回転扉321は、背面板14と重なるように配置されている。本体扉301は、水タンク30に水を補給する場合などに開けられる。
飲料供給装置300は、物体検知センサ322が使用者の手などを検知すると、回転扉321が水平方向に回転するように構成されている。回転扉321が回転すると、給水室10aが正面に現れる。回転扉321の開閉動作の制御方法については、第1から第3の実施形態の何れかの飲料供給装置と同様の構成が適用できる。
なお、第1の実施形態同様の構成を適用した場合、飲料供給装置300は左側からのみ回転して開状態となるが、本発明はこの構成に限定はされない。例えば、飲料供給装置300の回転扉の右側に物体検知センサが配置され、回転扉が右側から開く構成とすることも可能である。さらに、回転扉の左右両側に物体検知センサが配置される構成とすることもできる。この場合、左側の物体検知センサが使用者を検知した場合には、左側から給水室10aが現れるように回転扉が回転し、右側の物体検知センサが使用者を検知した場合には、右側から給水室10aが現れるように回転扉が回転するのがよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。また、本明細書で説明した異なる実施形態の構成を互いに組み合わせて得られる構成についても、本発明の範疇に含まれる。