JP6749105B2 - 扉構造 - Google Patents

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Description

本発明は、冷蔵庫、保温庫などの貯蔵装置などに取り付けられる扉構造に関する。
従来から、水などの飲料を供給するための飲料供給装置(ウォーターディスペンサとも呼ぶ)が知られている。また、この飲料供給装置を冷蔵庫に内蔵し、冷蔵庫内に設けられた冷水タンクから冷蔵庫の扉を開けることなく冷水を取り出すことができる構成が提案されている。
例えば、特許文献1には、冷水を供給するディスペンサー部をドアに備えた冷蔵庫が開示されている。また、特許文献2には、冷蔵室内の冷気で冷却された水を貯水する冷却タンク、及び、冷水タンク内の水を被給水部材に給水する給水栓を備えた冷蔵庫が開示されている。そして、特許文献2の冷蔵庫には、冷蔵庫扉に開口部と該開口部を開閉する小扉が設けられており、開口部に対応する位置に、冷水タンク及び給水栓が配置されている。
特開2010−65962号公報 特開平10−132456号公報
特許文献1に記載の冷蔵庫は、冷凍室ドア21に窪みを設け、その内部にディスペンサー部10(より具体的には、レバー15)を配置している(特許文献1の図1参照)。そして、ディスペンサー部10(より具体的には、レバー15)は、外部にむき出しの状態となっている。そのため、室内の埃等がレバー15などに付着する可能性があり、衛生的に望ましくない。
一方、特許文献2に記載の冷蔵庫には、給水栓の小扉が設けられている。しかし、給水栓4及び小扉2は、冷蔵室扉1から突出するように配置されている(特許文献2の図3など参照)。このように、飲料供給装置を、冷蔵庫等の他の装置に組み込んだ場合には、その外観形状が、通常の当該装置の形状から逸脱し、装置の美観を損ねる可能性がある。また、飲料供給装置の部分が前面に突出した場合には、使用時の利便性が低下する可能性がある。
また、飲料供給装置を組み込んだ冷蔵庫に限らず、例えば、冷蔵室扉に、開閉式の小扉が取り付けられた冷蔵庫なども提案されている。このような冷蔵庫においても、小扉から収納物を取り出す際に、使用者の利便性を考慮して、収納物をより取り出しやくすることへの需要が高まってきている。
そこで、本発明では、冷蔵庫などの貯蔵庫に備えられた飲料供給装置などにおいて、使用時の利便性をより高めることのできる扉構造を提供する。
本発明の一局面にかかる扉構造は、扉と、前記扉の周囲の物体を検知する少なくとも一つの検知部と、前記扉の開閉を制御する制御部とを備える。この扉構造において、前記制御部は、前記検知部が物体を検知したときに、前記物体を検知した側から前記扉の内側が露出するように前記扉を開かせる。
上記の本発明の一局面の扉構造において、前記扉は、左右何れの側からも開閉可能であってもよい。また、前記扉が左右何れの側からも開閉可能である構成において、前記検知部は、前記扉の左右両側にそれぞれ設けられていてもよい。
また、前記扉が左右何れの側からも開閉可能である構成の扉構造において、前記検知部は、物体の動きを検知するものであり、前記制御部は、前記検知部が検知した物体の動きの方向と同じ方向に前記扉を動かして、前記扉を開くように制御してもよい。
上記の本発明の一局面の扉構造において、前記検知部が、前記扉の周囲に人が存在することを検知している間、前記制御部は、前記扉を開放した状態に維持してもよい。
以上のように、本発明の扉構造では、検知部が物体を検知したときに、物体を検知した側から扉の内側が露出するように扉を開かせるように制御される。これにより、扉を開く人の動作に合わせるようにして扉を開けることができる。そのため、本発明を、飲料供給装置、収納庫などの扉構造に適用した場合に、使用時の利便性を高めることができる。
本発明の一実施の形態に係る冷蔵庫の外観を示す正面図である。 (a)は、図1に示す冷蔵庫に備えられた飲料供給装置の使用時の状態を示す平面図である。(b)は、(a)に示す飲料供給装置の使用時の状態を示す斜視図である。 (a)から(c)は、図1に示す冷蔵庫に備えられた飲料供給装置の使用方法の一例を示す模式図である。 図1に示す冷蔵庫に備えられた飲料供給装置の内部構成を示すブロック図である。 (a)〜(e)は、図2に示す飲料供給装置の断面図であって、給水室が回転する様子を示すものである。 本発明の第2の実施形態に係る冷蔵庫の一部分の外観を示す正面図である。この図では、飲料供給装置が使用時の状態を示す。 (a)から(c)は、図6に示す飲料供給装置の使用方法の一例を示す模式図である。これらの図は、使用者が左側からグラスを出した場合の例である。(d)は、図6に示す飲料供給装置の内部構造を模式的に示す上方斜視図である。 (a)から(c)は、図6に示す飲料供給装置の使用方法の一例を示す模式図である。これらの図は、使用者が右側からグラスを出した場合の例である。 図6に示す冷蔵庫に備えられた飲料供給装置の内部構成を示すブロック図である。 本発明の第3の実施形態に係る冷蔵庫の一部分の外観を示す正面図である。この図では、飲料供給装置が使用時の状態を示す。 図10に示す冷蔵庫に備えられた飲料供給装置の内部構成を示すブロック図である。 (a)から(c)は、図10に示す飲料供給装置において、右側から回転扉が開く場合を示す模式図である。 (a)から(c)は、図10に示す飲料供給装置において、左側から回転扉が開く場合を示す模式図である。 図10に示す飲料供給装置における扉開閉制御の流れを示すフローチャートである。 (a)から(c)は、本発明の第4の実施形態に係る冷蔵庫に備えられた小型収納庫の使用方法の一例を示す模式図である。 (a)は、本発明の第5の実施形態に係る飲料供給装置の一部分の外観を示す正面図である。(b)は、(a)に示す飲料供給装置の内部構造を模式的に示す上方斜視図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の各実施形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
<第1の実施形態>
<冷蔵庫の概要>
本実施の形態では、本発明に係る扉構造を備えている冷蔵庫の一例について説明する。なお、本実施形態では、本発明の扉構造の一例として、飲料供給装置に設けられている回転扉を挙げて説明する。但し、本発明はこの構成に限定されない。まず、本実施の形態にかかる飲料供給装置10が搭載される冷蔵庫1の概要について説明する。図1は、本実施の形態にかかる飲料供給装置10を搭載する冷蔵庫1を示す正面図である。
図1に示すように、冷蔵庫1は、4つの扉を有している。本実施の形態にかかる冷蔵庫1は、上部に冷蔵室を、下部に冷凍室を搭載する。冷蔵庫の各扉には、取っ手3がそれぞれ設けられている。そして、冷蔵庫1の冷蔵室用の正面から見て右側の扉2に、飲料供給装置10が搭載される。
但し、飲料供給装置10が搭載される冷蔵庫1は、4つより少ない扉を有するものであってもよいし、4つより多い扉を有するものであってもよいし、冷蔵室が下部や中部に配置されるものであってもよい。
図1では、飲料供給装置10の非使用時の状態を示している。図1に示すように、非使用時の状態では、飲料供給装置10の回転扉21が冷蔵庫1の正面側に位置している。つまり、飲料供給装置10の給水機構は、回転扉21(扉)の裏側に配置され、見えない状態となっている。回転扉21の近傍には、物体検知センサ(検知部)22が設けられている。
また、冷蔵庫1の正面には、表示パネル23が設けられている。表示パネル23の位置は特に限定はされないが、本実施形態では、表示パネル23は、扉2の表面に配置されている。表示パネル23はタッチパネル式の表示装置であって、操作パネル(操作部)としても機能してもよい。この場合、使用者は操作パネルから冷蔵庫1の運転モードや、飲料供給装置10の動作モードなどを変更することができる。
物体検知センサ22は、その周囲に飲料供給装置10を使用する使用者の手などが近づいたり、当該センサに使用者の手が触れたりしたことを検知する。なお、物体検知センサ22は、例えば、静電容量式の非接触センサで構成される。例えば、物体検知センサ22は、検出対象の物体との距離に応じて出力電圧が変化するような近接センサであってもよい。これにより、冷蔵庫1の扉2の表面に手やグラスが接触して、汚れが付着することを抑えることができる。しかし、本発明はこれに限定はされず、回転扉の近傍に物体が存在するか否かを検知する検知部は、接触式のセンサ、押しボタンなどで構成してもよい。
図2(a)は、冷蔵室用の右側の扉2部分の正面図である。図2(b)は、冷蔵室用の右側の扉2部分の斜視図である。図2(a)及び(b)では、飲料供給装置10の使用時の状態を示す。なお、飲料供給装置10の水タンク30は、冷蔵室の扉2の裏側に配置されており、正面からは見えない状態となっているが、図2(a)では、便宜上、水タンク30を破線で示している。また、図3では、飲料供給装置10の使用時に回転扉21が回転し、給水機構が露出する様子を、(a)から(c)に順に示す。
図3に示すように、飲料供給装置10は、物体検知センサ22が使用者の手などを検知すると、回転扉21が水平方向に回転して、給水機構が正面に現れるように構成されている。回転扉21が回転すると、図2(a)及び(b)に示すように、飲料供給装置10を構成する注水レバー12、底部13(水受け)、背面板14、側面板15などが正面に現れる。そして、底部13、背面板14、及び、側面板15によって、飲料供給装置10の給水室10a(飲料供給室)が形成される。この給水室10aの内部に注水レバー12などの給水機構が収容される。回転扉21は、給水室10aの構成の一部として設けられている。具体的には、回転扉21は、背面板14と重なるように配置されている。
そして、使用者の操作に基づいて、冷蔵室内において冷やされた水タンク30内の水が、注水口(図示せず)から吐出される。本実施の形態では、例えば、使用者がグラスなどの容器G(図3参照)で注水レバー12を背面板14側へ押すことで、グラス内へ水が供給される。なお、飲料供給装置10の給水機構は、センサによって自動で注水される構成を有していてもよい。
物体検知センサ22の設置場所は特に限定されないが、本実施の形態では、飲料供給装置10の左隣りに配置されている。そして、物体検知センサ22が使用者を検知すると、飲料供給装置10の回転扉21は左回りに回転し、左側から給水機構が現れる(図3参照)。これにより、グラスなどを手に持った使用者は、物体検知センサ22の正面付近から横方向に手を移動させることで、容易に給水機構に手を近づけることができる。
この構成によれば、飲料供給装置の利便性がより向上する。なお、飲料供給装置の回転扉が右回りに回転して給水機構が現れる構成の場合には、飲料供給装置の右隣に物体検知センサを設けることが好ましい。このように、本発明においては、飲料供給装置の回転方向に合わせて、物体検知センサが配置されている。
なお、本発明では、飲料供給装置の冷蔵庫内における配置位置は、図1に示す例に限定はされない。すなわち、本実施の形態では、冷蔵庫の右側の扉に飲料供給装置が設けられているが、冷蔵庫の左側の扉に飲料供給装置が設けられていてもよい。例えば、本実施形態と同様に、中央から左右それぞれに開く2つの扉を有する冷蔵庫の場合には、冷蔵庫の中央に近い側に物体検知センサを設け、その外側に飲料供給装置を設置することができる。このような構成の冷蔵庫では、冷蔵庫の扉の取っ手を使用者が触った場合には、飲料供給装置の物体検知センサが反応しない程度に、取っ手と物体検知センサとが離れて設置されていることが好ましい。なお、冷蔵庫の左側の扉に飲料供給装置が設けられている場合には、飲料供給装置の右隣に物体検知センサを設け、物体検知センサ側から給水室が露出するように、給水室を右回りに回転させるのがよい。
上記の構成によれば、冷蔵庫の中央に近い側から使用者が飲料供給装置に接近し、給水姿勢に入ることができる。また、給水動作が終了した後には、冷蔵庫の中央側に向かって、給水室を回転させて、非使用時の状態(回転扉が正面に向いている状態)に戻すことができる。これにより、飲料供給装置の回転が、冷蔵庫の左右両脇にいる他者の動作の妨げになることを抑えることができる。
上述した冷蔵庫における飲料供給装置の配置位置は、本発明の一例であり、本発明はこれに限定はされない。また、飲料供給装置の回転扉を開閉するための物体検知センサの配置位置についても、本実施形態の構成に限定はされない。
<飲料供給装置の構成>
次に、本実施の形態にかかる飲料供給装置10の構成について詳述する。図4には、飲料供給装置10の内部構成を示す。図4では、飲料供給装置10の回転扉の制御に関連する構成部材を主に示している。
飲料供給装置10は、駆動モータ17、扉開閉検知スイッチ18、回転扉21、物体検知センサ22、操作パネル24、制御部40、及びタイマ51などを備えている。本実施形態では、回転扉21は、給水室10aに取り付けられている。
駆動モータ17は、回転扉21が取り付けられている給水室10aの回転軸と接続されている。駆動モータ17は、給水室10aの回転を駆動する。
扉開閉検知スイッチ18は、回転扉21が開状態であるか閉状態であるかを検知する。扉開閉検知スイッチ18は、例えば、回転扉21(または給水室10a)と冷蔵室の扉2とにそれぞれ設けられている。各位置に配置されているスイッチがON状態となっているか否かで、回転扉21が開状態であるか閉状態であるかを検知することができる。
操作パネル24は、使用者が飲料供給装置10の動作モード、物体検知センサ22のセンサ感度などを変更するために備えられている。本実施形態では、操作パネル24は、冷蔵庫1の表示パネル23内に、その構成の一部として配置されている。
制御部40は、飲料供給装置10内の各構成部品と接続され、これらの制御を行う。制御部40内には、回転制御部41、センサ感度調整部42、及びメモリ43などが備えられている。制御部40は、冷蔵庫1本体の制御部とは独立して設けられていてもよいし、冷蔵庫1の制御部(図示せず)に、その構成の一部として設けられていてもよい。
回転制御部41は、飲料供給装置10の回転扉21の開閉動作の制御を行う。例えば、回転制御部41は、物体検知センサ22から送信された信号に基づいて、回転扉21の動作を開始させたり停止させたりする。これにより、回転扉21は開状態となったり、閉状態となったりする。ここで、回転扉21が開状態であるとは、回転扉21の背面側に位置する給水室10aが冷蔵庫1の正面に露出した状態のことをいう。また、回転扉21が閉状態であるとは、回転扉21が冷蔵庫1の正面側に位置する状態のことをいう。回転扉21が閉状態の場合には、回転扉21の表面と冷蔵庫1の扉2の表面とが略面一の状態になっている。
センサ感度調整部42は、物体検知センサ22のセンサ感度を上げたり下げたりする。例えば、物体検知センサ22が近接センサである場合には、検出対象物の距離に応じて物体検知センサ22の出力電圧が変化する。そして、この近接センサの感度は、設定によって変更することができる。そこで、物体検知センサ22が近接センサである場合には、回転扉21が開状態であるか閉状態であるかによってセンサの感度を変更してもよい。
メモリ43は、ROM(read only memory)及びRAM(Random Access Memory)を含む。メモリ43は、飲料供給装置10の動作プログラムや設定データを記憶するとともに制御部40による演算結果を一時記憶する。タイマ51は、回転扉21の開閉動作の所要時間を計測する。
続いて、図5を参照しながら、飲料供給装置10の回転動作について説明する。図5では、使用者の手の位置(図5中、Uで示す)に応じて飲料供給装置10の給水室10aが回転し、給水部が正面に現れる様子を(a)〜(e)として順に示す。
図5(a)に示すように、水を飲みたい使用者Uは、例えば、グラスなどを持った状態で、物体検知センサ22の正面に手をかざす。すると、図5(b)に示すように、飲料供給装置10は、その回転中心Cを軸として、左回りに回転を始める。これにより、回転扉21の裏面に隠れていた給水室10aが、図5(c)から図5(d)に示すように、冷蔵室の扉2の左側から徐々に正面に表れる。この給水室10aの露出に合わせて、使用者Uは、給水口(図示せず)の下へ手をスライド移動させることができる。そして、図5(e)に示すように、給水機構を構成する注水レバー12(図2(a)参照)が正面に位置したところで、回転動作は停止する。
このように、本実施の形態の飲料供給装置10では、飲料供給装置10の左隣りに物体検知センサ22が配置されている(図1参照)とともに、飲料供給装置10が左回りに回転する構成となっている。つまり、飲料供給装置10は、物体検知センサ22が配置されている側から、回転扉21の内側に存在する給水室10aが現れるような構成となっている。そのため、グラスを手に持った使用者Uは、物体検知センサ22の正面から、そのまま右方向へ手をスライドさせることで、給水の体勢に入ることができる。
給水作業が終了すると、使用者は、給水室10aから離れる。このとき、物体検知センサ22は、給水室10aから使用者及びグラスなどが離れたことを検知する。すると、飲料供給装置10は上述した回転動作と反対の方向(すなわち、右回り)に回転し、最終的に図3(a)に示す状態となる。なお、物体検知センサ22が給水室10aから使用者及びグラスなどが離れたことを検知した後、タイマ51がカウントを開始し、所定時間経過した後に、回転扉21が閉まるようにしてもよい。また、物体検知センサ22とは別に、注水レバー12に物体検知用のセンサを設け、このセンサが給水操作の終了を検知してから一定時間経過した後に、自動で回転扉21が閉まるような構成としてもよい。
以上のように、物体検知センサ22の位置と、飲料供給装置10の回転方向とを合わせることで、飲料供給装置10の使用性を向上させることができる。なお、本実施の形態で説明した物体検知センサの位置、及び、飲料供給装置の回転方向は、本発明の一例であり、本発明はこれに限定はされない。例えば、物体検知センサを飲料供給装置の右隣に配置し、飲料供給装置を右回りに回転させる構成としてもよい。
<センサ感度の調整方法について>
続いて、本実施の形態の飲料供給装置10において、物体検知センサ22のセンサ感度を調整する方法について説明する。
センサ感度調整部42は、例えば、扉開閉検知スイッチ18からの信号に応じて物体検知センサ22の感度を変更することができる。具体的には、扉開閉検知スイッチ18からセンサ感度調整部42に対して、回転扉21が閉状態である旨の信号が送信されたときには、センサ感度調整部42は、物体検知センサ22のセンサ感度を下げる(センシング距離を小さくする)ことができる。一方、扉開閉検知スイッチ18からセンサ感度調整部42に対して、回転扉21が開状態である旨の信号が送信されたときには、センサ感度調整部42は、物体検知センサ22のセンサ感度を上げる(センシング距離を大きくする)ことができる。
ここで、物体検知センサ22の初期状態の感度は、例えば、20cm程度とすることができる。センサ感度20cmの物体検知センサでは、センサから最大で20cmの距離の範囲内に存在する人や物を検知することができる。
そして、センサ感度調整部42は、回転扉21が閉状態のときは、物体検知センサ22のセンサ感度の閾値を小さく設定しておくことができる。例えば、センサ感度の上限を2cm程度に下げておけばよい。これにより、人が飲料供給装置10を使用したい場合に、物体検知センサ22付近に指などを近づけるとセンサが反応し、回転扉21を開けることができる。一方、人が冷蔵庫1の扉2を開けたい場合には、通常、物体検知センサ22から2cm以上離れて冷蔵庫1に近づく。このとき、センサ感度の上限が2cmとしておくことで、回転扉21は動作を開始することはない。
また、回転扉21が開状態となった後は、センサ感度調整部42は、物体検知センサ22のセンサ感度の閾値を大きく変更することができる。例えば、センサ感度の上限を20cm程度に上げてもよい。これにより、例えば、給水操作が終了した後であっても、人が飲料供給装置10の前にいる間は、物体検知センサ22は人がいることを検知する。そのため、回転制御部41は回転扉21の閉動作を開始することなく、回転扉21は開状態のまま保持される。
その後、人が飲料供給装置10の前から所定距離だけ(例えば、センサ感度の閾値である20cm以上)離れた後に、回転制御部41は回転扉21の閉動作を開始する。ここでは、人が飲料供給装置10の前から所定距離だけ離れた後、タイマ51が時間の計測を開始し、所定時間経過した後に、回転制御部41が回転扉21の閉動作を開始してもよい。
以上のような流れで回転扉21が閉動作を開始し、回転扉21が完全に閉まると、扉開閉検知スイッチ18は回転扉21が閉状態となったことを検知する。このとき、センサ感度調整部42には、扉開閉検知スイッチ18から回転扉21が閉状態となった旨の信号が送信される。これにより、センサ感度調整部42は、物体検知センサ22のセンサ感度を、例えば2cm程度に下げることができる。
なお、本実施形態の飲料供給装置10では、操作パネル24を操作することにより、物体検知センサ22のセンサ感度を変更できるようにしてもよい。これにより、使用者が自身で物体検知センサ22の検知距離を設定することができる。
例えば、冷蔵庫1を店頭などで展示するようなデモモードでの使用の際には、回転扉21が閉状態の場合であっても、物体検知センサ22の検知距離を20cm程度に設定しておいてもよい。これにより、冷蔵庫1の前を人が通るだけで回転扉21が開動作を開始し、飲料供給装置10の内部を通行人が視認できるようなる。
また、本実施形態の飲料供給装置10には、物体検知センサ22以外に、飲料供給装置10周辺の人の存在を検知する人感センサが備えられていてもよい。そして、飲料供給装置10がデモモードに設定されると、人感センサが人を検知している間は、飲料供給装置10を使用するか否かにかかわらず、回転扉21を開状態に維持してもよい。
<第1の実施形態のまとめ>
以上のように、本実施の形態の冷蔵庫1に搭載されている飲料供給装置10は、回転扉21の左側に配置された物体検知センサ22が使用者を検知すると、飲料供給装置10の回転扉21は左回りに回転し、左側から給水機構が現れる構成を有している。これにより、グラスなどを手に持った使用者は、物体検知センサ22の正面付近から横方向に手を移動させることで、容易に給水機構に手を近づけることができる。
以上のように、本実施形態の構成によれば、飲料供給装置10を使用する場合に、使用者の自然な動作に合わせて、回転扉21を開状態とすることができる。そのため、回転扉21を開ける動作を敢えて行う必要がなく、飲料供給装置10の使用時の利便性を高めることができる。
<第2の実施形態>
続いて、本発明の第2の実施形態について説明する。上述した第1の実施形態では、回転扉の左側のみに物体検知用のセンサが設けられている例について説明した。しかし、本発明の扉構造は、複数の検知部を備えていてもよい。そこで、本実施形態では、回転扉の左右両側に検知部が1個ずつ設けられている例について説明する。
図6には、本実施形態にかかる冷蔵庫100の冷蔵室の扉2部分の外観の構成を示す。第1の実施形態と同様に、冷蔵庫100には、飲料供給装置110が搭載されている。図6に示すように、飲料供給装置110には、2つの物体検知センサ(検知部)122a及び122bが備えられている。物体検知センサ122aは、飲料供給装置110の給水室10aの左隣りに配置されている。また、物体検知センサ122bは、飲料供給装置110の給水室10aの右隣りに配置されている。
第1の実施形態の冷蔵庫1では、飲料供給装置10の回転扉21は、左側からのみ回転して開状態となる。これに対して、本実施形態の冷蔵庫100では、飲料供給装置110の回転扉121は、左右何れの側からも回転して、閉状態から開状態へ移行することができる(図7及び図8参照)。そして、飲料供給装置110では、左右何れの物体検知センサ122a及び122bが使用者を検知したかによって、回転扉121の回転方向が異なる。
図9には、飲料供給装置110の内部構成を示す。図9では、飲料供給装置110の回転扉の制御に関連する構成部材を主に示している。
飲料供給装置110は、駆動モータ17、扉開閉検知スイッチ18、回転扉121、左側の物体検知センサ122a、右側の物体検知センサ122b、操作パネル24、制御部140、及びタイマ51などを備えている。本実施形態では、回転扉121は、給水室10aに取り付けられている。以下では、第1の実施形態の飲料供給装置10とは異なる構成のみについて説明する。
制御部140は、飲料供給装置10内の各構成部品と接続され、これらの制御を行う。制御部140内には、回転制御部141、センサ感度調整部142、及びメモリ43などが備えられている。
回転制御部141は、飲料供給装置110の回転扉121の開閉動作の制御を行う。回転制御部141は、左側の物体検知センサ122a及び右側の物体検知センサ122bからそれぞれ送信された信号に基づいて、回転扉121の動作を開始させたり停止させたりする。
センサ感度調整部142は、左側の物体検知センサ122a及び右側の物体検知センサ122bのセンサ感度を上げたり下げたりする。例えば、センサ感度調整部142は、回転扉が開状態であるか閉状態であるかによって物体検知センサの感度を変更することができる。また、人が操作パネル24を操作することによって、センサ感度調整部142は、左側の物体検知センサ122a及び右側の物体検知センサ122bのセンサ感度をそれぞれ調整することができる。左右両側の物体検知センサ122a及び122bは、互いに同じ感度に設定されてもよいし、異なる感度に設定されていてもよい。
上述したように、本実施形態の飲料供給装置110においては、左右何れの物体検知センサが使用者を検知したかによって、回転扉121の回転方向が異なる。この点について、図7及び図8を参照しながら説明する。
図7及び図8に示すように、飲料供給装置110は、左側の物体検知センサ122aまたは右側の物体検知センサ122bが使用者の手などを検知すると、回転扉121が水平方向に回転して、給水機構が正面に現れるように構成されている。回転扉121が回転すると、図6に示すように、飲料供給装置110を構成する注水レバー12などが正面に現れる。図7(d)に示すように、回転扉121は、左右何れの方向からも開閉動作を行うことが可能となっている。
図7(a)から(c)には、使用者が左側から飲料供給装置110に近づく場合の回転扉121の動作を示す。図7(a)に示すように、水を飲みたい使用者は、例えば、グラスGなどを持った状態で、左側の物体検知センサ122aの正面に手をかざす。すると、図7(b)に示すように、飲料供給装置110は、左回りに回転を始める。これにより、回転扉121の裏面に隠れていた給水室10aが、図7(b)から図7(c)に示すように、冷蔵室の扉2の左側から徐々に正面に表れる。この給水室10aの露出に合わせて、使用者は、給水口(図示せず)の下へ手をスライド移動させて、給水室10aの底部13にグラスGを置くことができる。
また、図8(a)から(c)には、使用者が右側から飲料供給装置110に近づく場合の回転扉121の動作を示す。図8(a)に示すように、水を飲みたい使用者は、例えば、グラスGなどを持った状態で、右側の物体検知センサ122bの正面に手をかざす。すると、図8(b)に示すように、飲料供給装置110は、右回りに回転を始める。これにより、回転扉121の裏面に隠れていた給水室10aが、図8(b)から図8(c)に示すように、冷蔵室の扉2の右側から徐々に正面に表れる。この給水室10aの露出に合わせて、使用者は、給水口(図示せず)の下へ手をスライド移動させて、給水室10aの底部13にグラスGを置くことができる。
以上のように、本実施の形態の飲料供給装置110は、使用者が左右何れの方向から近づいた場合にも、使用者が近づいた方向から回転扉121を回転させることができる。したがって、飲料供給装置110の使用時の利便性をより向上させることができる。
<第3の実施形態>
続いて、本発明の第3の実施形態について説明する。上述した第1及び第2の実施形態では、物体検知センサによって使用者の存在を検知して回転扉の開閉を行う例について説明した。しかし、本発明の扉構造では、検知部が物体の動きを検知するものであってもよい。そこで、本実施の形態では、検知部が検知した物体の動きの方向と同じ方向に扉を動かして、扉を開ける構成例について説明する。
図10は、本実施の形態にかかる飲料供給装置210を搭載する冷蔵庫200を示す。図10は、冷蔵室用の右側の扉2部分の正面図である。冷蔵庫200は、第1の実施形態の冷蔵庫1と同様の構成を有している。
飲料供給装置210は、給水機構を有する給水室10a、動き検知センサ222、及び水タンク30などを備えている。給水室10aは、注水レバー12、底部13(水受け)、背面板14、側面板15などを備えている。給水室10a内の構成は、第1の実施形態の飲料供給装置10とほぼ同様の構成となっている。
動き検知センサ222は、物体の動きを検知する。動き検知センサ222には、従来公知のモーションセンサなどを適用できる。本実施形態の飲料供給装置210は、動き検知センサ222が、飲料供給装置210の周辺でグラスなどを有する使用者の動きを検知する。そして、後述するように、動き検知センサ222が検知した物体の動き情報は、制御部240内の回転制御部241(図11参照)に送信される。回転制御部241は、動き検知センサ222が検知した物体の動きの方向と同じ方向に回転扉221(図11参照)を動かして、回転扉221を開状態とする。なお、第1の実施形態と同様に、回転扉221は、背面板14と重なるように配置されている。
水タンク30は、冷蔵室の扉2の裏側に配置されており、正面からは見えない状態となっている。図10では、便宜上、水タンク30を破線で示している。
図11には、飲料供給装置210の内部構成を示す。図11では、飲料供給装置210の回転扉の制御に関連する構成部材を主に示している。
飲料供給装置210は、駆動モータ17、扉開閉検知スイッチ18、回転扉221、動き検知センサ222、操作パネル24、制御部240、及びタイマ51などを備えている。回転扉221は、給水室10aに取り付けられている。
駆動モータ17、扉開閉検知スイッチ18、操作パネル24、メモリ43、タイマ51については、第1の実施形態と同様の構成を適用できる。また、動き検知センサ222は、上述した通りである。
回転扉221は、第2の実施形態の回転扉121と同様に、左右何れの方向からも開閉動作を行うことが可能となっている。回転扉221の回転方向は、動き検知センサ222が検知した使用者の動きの方向に基づいて決定される。
制御部240は、飲料供給装置210内の各構成部品と接続され、これらの制御を行う。制御部240内には、回転制御部241、センサ感度調整部242、及びメモリ43などが備えられている。制御部240は、冷蔵庫200本体の制御部とは独立して設けられていてもよいし、冷蔵庫200の制御部(図示せず)に、その構成の一部として設けられていてもよい。
回転制御部241は、飲料供給装置210の回転扉221の開閉動作の制御を行う。例えば、回転制御部241は、動き検知センサ222によって使用者などの物体が右から左へ相対的に移動したと検知されとたきには、回転扉221が右側から開くように制御する。また、回転制御部241は、動き検知センサ222によって使用者などの物体が左から右へ相対的に移動したと検知されとたきには、回転扉を221が左側から開くように制御する。
センサ感度調整部242は、動き検知センサ222のセンサ感度を上げたり下げたりする。
続いて、飲料供給装置210の回転扉221の制御方法について、図12及び図13を参照しながら説明する。図12は、回転扉221が右側から開く場合の動作を示す。図13は、回転扉221が左側から開く場合の動作を示す。
図12(a)及び図13(a)には、動き検知センサ222の検知範囲を模式的に示す。一例では、動き検知センサ222は、自身から放射状に広がる範囲に存在する物体の位置及びその物体の動きを検知することができる。図12(a)及び図13(b)では、動き検知センサ222が検知可能な各位置を、(1)〜(8)として示す。図12(b)及び図13(b)では、閉状態の回転扉221と各位置(1)〜(8)との関係を示す。
図12(b)に示すように、例えば、グラスGを持った使用者が回転扉221に右側から近づく場合、動き検知センサ222は、検知範囲の右側(図12(a)の斜線を付した領域)に物体が存在することを検知する。さらに、動き検知センサ222は、使用者の動きを検知する。具体的には、動き検知センサ222は、使用者が右から左へ動いたか、あるいは左から右へ動いたかを検知する。
動き検知センサ222が検知したこれらの情報は、回転制御部241に送信される。回転制御部241は、この情報に基づいて、回転扉221を開けるか否か、及び左右何れの方向から回転扉221を開けるかを判断する。例えば、図12(a)の実線矢印で示すように、動き検知センサ222が、使用者が位置(1)から位置(2)へ動いたことを検知すると、回転制御部241は、回転扉221を右側から開けるように駆動モータ17を回転させる。これにより、回転扉221は右側から正面に現れ、使用者は右側からグラスGを給水室10aに置くことができる(図12(c)参照)。
また、図13(b)に示すように、例えば、グラスGを持った使用者が回転扉221に左側から近づく場合、動き検知センサ222は、検知範囲の左側(図13(a)の斜線を付した領域)に物体が存在することを検知する。さらに、動き検知センサ222は、使用者の動きを検知する。具体的には、動き検知センサ222は、使用者が右から左へ動いたか、あるいは左から右へ動いたかを検知する。
動き検知センサ222が検知したこれらの情報は、回転制御部241に送信される。回転制御部241は、この情報に基づいて、回転扉221を開けるか否か、及び左右何れの方向から回転扉221を開けるかを判断する。例えば、図13(a)の実線矢印で示すように、動き検知センサ222が、使用者が位置(8)から位置(7)へ動いたことを検知すると、回転制御部241は、回転扉221を左側から開けるように駆動モータ17を回転させる。これにより、回転扉221は左側から正面に現れ、使用者は左側からグラスGを給水室10aに置くことができる(図13(c)参照)。
このような回転扉221の制御における一連の処理の一例を、図14のフローチャートを参照しながら説明する。最初に、動き検知センサ222は、飲料供給装置210の周辺に人がいるか否かを検知する。そして、人がいることを検知した場合、図14に示す制御が開始される。
先ず、制御部240は、動き検知センサ222が検知した人の位置が、位置(1)〜(4)の何れかに該当するか否かを判定する(ステップS11)。ここで、位置(1)〜(4)の何れの位置にも該当しない場合は(ステップS11でNO)、続いて、動き検知センサ222が検知した人の位置が、位置(5)〜(8)の何れかに該当するか否かを判定する(ステップS12)。ここで、検知した人の位置が、位置(5)〜(8)の何れにも該当しない場合は(ステップS12でNO)、回転制御部241は、回転扉221を動作させることなく処理を終了する。
一方、ステップS11において、検知した人の位置が、位置(1)〜(4)の何れかに該当すると判定すると(ステップS11でYES)、制御部240は、動き検知センサ222が検知した人の位置の変化を判定する(ステップS13)。具体的には、(1)から(4)という位置を表す数値が増加したか否かを判定する。ここで、数値が増加したと判定された場合は(ステップS13でYES)、制御部240は、検知した人が飲料供給装置210を使用すると判断する。そして、回転制御部241は、右側から回転扉221を開ける(ステップS15)。
また、ステップS13で、数値が増加していないと判定された場合は(ステップS13でNO)、制御部240は、検知した人は飲料供給装置210を使用しないと判断する。そのため、回転制御部241は、検知した信号を無効化し(ステップS16)、回転扉221を動作させることなく処理を終了する。なお、ステップS13で、数値が増加していないと判定される場合とは、例えば、使用者が図12(a)の破線の矢印で示すような動きをする場合である。
また、ステップS12において、検知した人の位置が、位置(5)〜(8)の何れかに該当すると判定すると(ステップS12でYES)、制御部240は、動き検知センサ222が検知した人の位置の変化を判定する(ステップS14)。具体的には、(5)から(8)という位置を表す数値が減少したか否かを判定する。ここで、数値が減少したと判定された場合は(ステップS14でYES)、制御部240は、検知した人が飲料供給装置210を使用すると判断する。そして、回転制御部241は、左側から回転扉221を開ける(ステップS17)。
また、ステップS14で、数値が減少していないと判定された場合は(ステップS14でNO)、制御部240は、検知した人は飲料供給装置210を使用しないと判断する。そのため、回転制御部241は、検知した信号を無効化し(ステップS16)、回転扉221を動作させることなく処理を終了する。なお、ステップS14で、数値が増加していないと判定される場合とは、例えば、使用者が図13(a)の破線の矢印で示すような動きをする場合である。
以上のように、本実施形態に係る飲料供給装置210によれば、使用者の動きに応じて回転扉を開けるか否かを決定することができる。つまり、飲料供給装置210を使用する場合に、使用者の自然な動作に合わせて、回転扉221を開状態とすることができる。そのため、回転扉221を開ける動作を敢えて行う必要がなく、飲料供給装置210の使用時の利便性を高めることができる。
また、飲料供給装置210によれば、使用者が左右何れの方向から近づいた場合にも、使用者が近づいた方向から回転扉221を回転させることができる。したがって、飲料供給装置210の使用時の利便性をより向上させることができる。
<変形例>
続いて、第3の実施形態の変形例について説明する。上述した第3の実施形態では、使用者の動きに応じて、左右何れの側からも回転扉を開くことが可能な飲料供給装置の例について説明した。しかし、本発明はこの構成に限定されない。すなわち、動き検知センサの検知結果に基づいて回転扉が開かれる飲料供給装置を、左右何れかの一方の側のみから回転扉を開く構造の装置に適用してもよい。
例えば、第1の実施形態の飲料供給装置10と同様に、回転扉が左回りにのみ回転して給水機構が現れる飲料供給装置の場合には、動き検知センサが、図13(a)に示す位置(5)〜(8)において、位置の数値が減少したことを検知したときに回転扉を開状態とすることができる。また、回転扉が右回りにのみ回転して給水機構が現れる飲料供給装置の場合には、動き検知センサが、図12(a)に示す位置(1)〜(4)において、位置の数値が増加したことを検知したときに回転扉を開状態とすることができる。
<第4の実施形態>
続いて、本発明の第4の実施形態について説明する。上述した第1の実施形態では、本発明の扉構造の適用例として、冷蔵庫に内蔵された飲料供給装置の例を挙げて説明した。しかし、本発明の扉構造は、飲料供給装置以外の扉構造に適用することもできる。
例えば、本発明の扉構造を、冷蔵庫などの大型収納庫内に搭載された小型収納庫に適用することもできる。そこで、本実施の形態では、冷蔵庫に搭載された小型収納庫に本発明の扉構造が適用される例について説明する。図15(a)から図15(c)には、第4の実施形態に係る冷蔵庫300を示す。
図15(a)に示すように、冷蔵庫300は、冷蔵室の扉2に、小型収納庫310を備えている。小型収納庫310は、回転扉321、2つの物体検知センサ(検知部)322a及び322bなどを備えている。物体検知センサ322aは、小型収納庫310の左隣りに配置されている。また、物体検知センサ322bは、小型収納庫310の右隣りに配置されている。
また、図15(b)に示すように、回転扉321の裏面側には、収納室310aが設けられている。収納室310aには、例えば、1個あるいは数個の飲料(牛乳パック、飲料パック、缶飲料、ペットボトルのお茶又は清涼飲料など)を収容することができる。
小型収納庫310は、左側の物体検知センサ322aまたは右側の物体検知センサ322bが使用者の手などを検知すると、回転扉321が水平方向に回転するように構成されている。回転扉321が回転すると、図15(c)に示すように、収納室310aが正面に現れる。回転扉321の開閉動作の制御方法については、第2の実施形態の飲料供給装置110と同様の構成が適用できる。つまり、回転扉321は、2つの物体検知センサ322a及び322bの検知結果に応じて、左右何れの方向からも開閉動作を行うことが可能となっている。
このような小型収納庫310に、使用頻度のより高い飲料を収容しておけば、冷蔵庫300の扉2を開けることなく、回転扉321から所望とする飲料を取り出すことができる。このようにして回転扉321から飲料を取り出すことで、扉2を開けて飲料を取り出す場合と比較して、冷蔵庫内の温度上昇を抑えることができる。また、小型収納庫310の回転扉321を、比較的低い位置に設けることにより、小さな子供でも容易に回転扉321から飲料を取り出すことができる。
以上、本発明の扉構造を小型収納庫の回転扉に適用する例について説明した。なお、ここで説明した小型収納庫は、必ずしも冷蔵庫に設けられる必要はなく、保温庫、物置などの他の貯蔵装置に取り付けられていてもよい。
また、本実施形態に係る小型収納庫は、左右両側から開くことのできる構成であったが、第1の実施形態の飲料供給装置と同様に、左右何れか一方のみから開く構造としてもよい。また、小型収納庫に備えられる検知部は、物体検知センサに限定はされず、第3の実施形態と同様に動き検知センサであってもよい。
<第5の実施形態>
続いて、本発明の第5の実施形態について説明する。上述した第1の実施形態では、冷蔵庫に飲料供給装置が備えられており、飲料供給装置に自動開閉式の扉が設けられている例について説明した。しかし、本発明の扉構造は、必ずしも冷蔵庫に設けられる必要はなく、自動回転式の飲料供給装置に本発明を適用することもできる。そこで、本実施の形態では、本発明にかかる扉構造を備えた飲料供給装置の例について説明する。
図16(a)には、本実施形態にかかる飲料供給装置400の外観の構成を示す。図16(a)では、飲料供給装置400の使用時の状態を示す。また、図16(b)には、飲料供給装置400の内部構造を示す。
飲料供給装置400は、給水室10a、水タンク30、並びに、2つの物体検知センサ(検知部)422a及び422bなどを備えている。給水室10aは、注水レバー12、底部13(水受け)、背面板14、側面板などを有している。水タンク30は、飲料供給装置400の表面パネルの裏側に配置されており、正面からは見えない状態となっているが、図16(a)では、便宜上、水タンク30を破線で示している。物体検知センサ422aは、給水室10aの左隣りに配置されている。また、物体検知センサ422bは、給水室10aの右隣りに配置されている。
図16(b)に示すように、回転扉421は、給水室10aの構成の一部として設けられている。具体的には、回転扉421は、背面板14と重なるように配置されている。
飲料供給装置400は、左側の物体検知センサ422aまたは右側の物体検知センサ422bが使用者の手などを検知すると、回転扉421が水平方向に回転するように構成されている。回転扉421が回転すると、給水室10aが正面に現れる。回転扉421の開閉動作の制御方法については、第2の実施形態の飲料供給装置110と同様の構成が適用できる。つまり、回転扉421は、2つの物体検知センサ422a及び422bの検知結果に応じて、左右何れの方向からも開閉動作を行うことが可能となっている。
本実施形態に係る飲料供給装置は、左右両側から開くことのできる構成であったが、第1の実施形態の飲料供給装置と同様に、左右何れか一方のみから開く構造としてもよい。また、本実施形態の飲料供給装置に備えられる検知部は、物体検知センサに限定はされず、第3の実施形態と同様に動き検知センサであってもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。また、本明細書で説明した異なる実施形態の構成を互いに組み合わせて得られる構成についても、本発明の範疇に含まれる。
1,100,200,300 :冷蔵庫
10,110,210,400 :飲料供給装置
21,121,221,321,421 :回転扉(扉)
22,122a,122b,322a,322b,422a,422b:物体検知センサ(検知部)
40,140,240 :制御部
41,141,241 :回転制御部
2 :(冷蔵庫の)扉
10a :給水室
12 :注水レバー
18 :扉開閉検知スイッチ
222 :動き検知センサ(検知部)

Claims (2)

  1. 左右のいずれか一方から開閉する収納庫の本体扉と、
    前記本体扉に設けられた収納室を開閉する回転扉と、
    前記回転扉の周囲の物体を検知する少なくとも一つの検知部と、
    前記回転扉の開閉を制御する制御部とを備え、
    前記検知部は、前記回転扉に対して前記本体扉の前記一方に近い側に設けられ、
    前記制御部は、前記検知部が物体を検知したときに、前記物体を検知した側から前記回転扉の内側が露出するように前記回転扉を開かせ、また、前記検知部が物体を検知しなくなったときに、前記回転扉を閉じるように動作させ、
    前記検知部は、検出対象の物体との距離に応じた出力レベルを、感度の設定にて変更可能であり、
    前記回転扉が閉状態のときは、前記回転扉が開状態のときよりも、前記感度を下げる、扉構造。
  2. 前記本体扉は、冷蔵庫の扉であり、
    前記回転扉は、前記冷蔵庫に備えられた飲料供給装置の扉である、請求項1に記載の扉構造。
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