JP6755775B2 - 4−フルオロイソキノリンの製法 - Google Patents

4−フルオロイソキノリンの製法 Download PDF

Info

Publication number
JP6755775B2
JP6755775B2 JP2016216053A JP2016216053A JP6755775B2 JP 6755775 B2 JP6755775 B2 JP 6755775B2 JP 2016216053 A JP2016216053 A JP 2016216053A JP 2016216053 A JP2016216053 A JP 2016216053A JP 6755775 B2 JP6755775 B2 JP 6755775B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fluoroisoquinoline
chloro
represented
fluoro
reaction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016216053A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018070562A (ja
Inventor
晏央 大塚
晏央 大塚
哲哉 櫻田
哲哉 櫻田
Original Assignee
富士アミドケミカル株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 富士アミドケミカル株式会社 filed Critical 富士アミドケミカル株式会社
Priority to JP2016216053A priority Critical patent/JP6755775B2/ja
Publication of JP2018070562A publication Critical patent/JP2018070562A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6755775B2 publication Critical patent/JP6755775B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Other In-Based Heterocyclic Compounds (AREA)

Description

本発明は4−フルオロイソキノリンの製法に関し、更に詳細には医薬品中間体として有用な4−フルオロイソキノリンの経済性の高い製法に関する。
下記式(1)で表される4−フルオロイソキノリンは、Rhoキナーゼ阻害を主作用とする緑内障・高眼圧症治療薬である式(2)のリパスジル(4−フルオロ−5−[[2−メチル−1,4−ジアゼパン−1−イル]スルホニル]イソキノリン)の重要中間体として用いられている(特許文献1)。さらに、このリパスジル(2)は、脳血管障害治療薬(特許文献2)、Rhoキナーゼが関与する疾患の治療薬、例えば、自己免疫疾患治療薬、がん細胞転移抑制薬(特許文献3)等としての可能性があり、新たな医薬品としての開発が進められている。
Figure 0006755775
上記4−フルオロイソキノリン(1)は、これまで下記反応式で示されるような、式(3)の4−ブロモイソキノリンを経由する製造法のみが知られている。すなわち、4−ブロモイソキノリン(3)に−78℃でn−ブチルリチウムを作用させてリチオ化し、それにN−フルオロベンゼンスルホンイミドを作用させて4−フルオロイソキノリン(1)を得る方法(特許文献3)、4−ブロモイソキノリン(3)に特殊なパラジウム錯体存在下でフッ化銀とフッ化カリウムと反応させて4−フルオロイソキノリン(1)を得る方法(非特許文献1)および4−ブロモイソキノリン(3)を式(4)の4−アミノイソキノリンに変換した後、ジアゾニウム塩(5)のバルツ−シーマン(Balz−Schiemann)反応を利用して4−フルオロイソキノリン(1)を得る方法(特許文献4、非特許文献2)である。
Figure 0006755775
しかし、上記のように4−フルオロイソキノリン(1)の製法はいくつか知られてはいるが、実際には−78℃の低温設備を必要とする、多量の無水溶剤を使用する、特殊な触媒と高価なフッ化銀を使用する、ジアゾニウム塩(5)をフッ素に置換する際の操作が難しく、収率幅が0〜50%と振れが大きくて多量の製造が困難である等何れも工業的な方法としては問題のあるものであった。
本発明者は、上記方法に代わる4−フルオロイソキノリン(1)を簡単に、より収率良く得られる方法について検討を行っていたところ、ベンゼン環にブロム基やニトロ基が結合した、下記式(6b、c、d)の1−ヒドロキシイソキノリン誘導体にフッ素化剤を作用させると、式(7b、c、d)で表される4−フルオロ−3−ヒドロキシ(または、メトキシ)−1−ヒドロキシジヒドロイソキノリン誘導体が好収率で得られることが報告されていることを知った(非特許文献3、特許文献5、6、7)。また、このフッ素化合物は酸処理で容易に脱水(または、脱メタノール)して4−フルオロ−1−ヒドロキシイソキノリン誘導体(8b、c、d)になり、更にこのうち(8b、d)をオキシ塩化リンでクロル化すると1−クロロ−4−フルオロイソキノリン誘導体(9b、d)に変換されることを知った。
Figure 0006755775
一般に芳香環に置換したフルオロ基よりクロル基の方が還元を受けやすいとされているので、例えば化合物(9a)のクロル基を還元すると4−フルオロイソキノリンが得られることが期待される。そこで、前記1−ヒドロキシイソキノリン(6a)をフッ素化後、酸処理、オキシ塩化リン処理した後、還元するなら4−フルオロイソキノリン(1)が得られると予測される。
これまで1−クロロイソキノリン誘導体の還元分解による1−クロル基の還元は、例えば、水素化ホウ素ナトリウム−テトラメチルエチレンジアミン−パラジウム錯体系(非特許文献4)、スズ−酢酸−塩酸系(特許文献8)、リン−ヨウ化水素酸−酢酸系(特許文献9)、水素−パラジウム炭−酢酸ナトリウム系(非特許文献5)、などで進行することが報告されている。
しかしながら、1−クロロ−4−フルオロイソキノリン(9a)、およびその誘導体の還元による4−フルオロイソキノリン(1)、およびその誘導体の合成についてはこれまで報告されていなかった。その理由は、一般には芳香環に結合したフルオロ基よりクロル基の方が還元を受けやすいとはいえ、同じ複素環に結合したフルオロ基の影響でクロル基の反応性が低下している可能性があり、4−フルオロイソキノリン(1)を得るには1−クロロ−4−フルオロイソキノリン(9a)の1−クロル基だけを選択的に還元するには問題があった。
WO 2012/026529 WO 99/20620、97/28130 WO 2008/105442;2008/105058 IN 2005MU00436 WO 2013/184734 WO 2014/097041 WO 2014/201073 WO 2010/127855;US 2005/0113576 WO 2010/045401 WO 2103/092979、2007/053346
J.Am.Chem.Soc., 136、3792(2014) J.Am.Chem.Soc., 64、783(1942);73、687(1951) Tetrahedron Lett., 48、7371(2007) J.Molecular Catalysis A、393、191(2014) Bioorg.Med.Chem., 28、1701(2015) Synthesis、47、3583(2015) J.Org.Chem.,10、429(1945) 薬誌、80、1637(1960) Indian J.Chem.,16B、1019(1978) J.Org.Chem.,16、800(1951)
従って本発明は、従来知られている方法に比べ、4−フルオロイソキノリンを簡単にかつ短時間で製造しうる方法を提供することを課題とするものである。
本発明者らは、上述した知見に基づき、1−ヒドロキシイソキノリン(6a)にフッ素化剤を作用させた後、1−ヒドロキシ基を1−クロル基に変換し、これを還元除去することにより、新しいルートで4−フルオロイソキノリン(1)を製造できる可能性に着目し、上記課題を解決すべく鋭意検討を行っていたところ、特定の還元法を利用することで、1−ヒドロキシイソキノリン(6a)から4−フルオロイソキノリン(1)を効率よく製造することができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、
次の式(9a)
Figure 0006755775
で表される1−クロロ−4−フルオロイソキノリンを還元分解することを特徴とする次の式(1)
Figure 0006755775
で表される4−フルオロイソキノリン(1)の製法である。
また本発明は、上記1−クロロ−4−フルオロイソキノリン(9a)として、式(6a)
Figure 0006755775
で表される1−ヒドロキシイソキノリンを、フッ素化剤で処理して、式(7a)
Figure 0006755775
で表される4−フルオロ−1−ヒドロキシ−3−メトキシ−3,4−ジヒドロイソキノリンとし、次いでこれを塩素化剤と反応させることにより得られたものを使用する上記の4−フルオロイソキノリン(1)の製法である。
更に本発明は、前記1−クロロ−4−フルオロイソキノリンとして、式(6a)
Figure 0006755775
で表される1−ヒドロキシイソキノリンを、フッ素化剤で処理して、式(7a)
Figure 0006755775
で表される4−フルオロ−1−ヒドロキシ−3−メトキシ−3,4−ジヒドロイソキノリンとし、次いでこれを酸処理して式(8a)
Figure 0006755775
で表される4−フルオロ−1−ヒドロキシイソキノリンとし、更にこれを塩素化剤と反応させることにより得られたものを使用する前記4−フルオロイソキノリン(1)の製法である。
更にまた本発明は、上記反応において中間体として利用される、式(8a)で表される4−フルオロ−1−ヒドロキシイソキノリンおよび式(9a)で表される1−クロロ−4−フルオロイソキノリンである。
Figure 0006755775
本発明によれば、極低温設備などの製造設備や、無水溶剤、特殊触媒、高価なフッ化銀などを使用することなく、汎用製造設備、汎用溶剤で目的物である上記4−フルオロイソキノリン(1)を非常に高い転化率で生成させることができ、しかも他の副生成物の生成は抑制されたものである。
従って、本発明方法は、特に医薬品の中間体として有用な4−フルオロイソキノリン(1)を安全にかつ、経済性高く製造しうるものである。
本発明の4−フルオロイソキノリン(1)は、下記反応式に従い、1−ヒドロキシイソキノリン(6a)から調製することができる。
Figure 0006755775
このうち、1−ヒドロキシイソキノリン(6a)から1−クロロ−4−フルオロイソキノリン(9a)までは、先行技術(非特許文献3、特許文献5、6、7)に準じて合成することができる。すなわち、1−ヒドロキシイソキノリン(6a)を、メタノールを含むアセトニトリル中、フッ素化試薬でフルオロエーテル化して(7a)の立体異性体の混合物を得、それを酸処理して4−フルオロ−1−ヒドロキシイソキノリン(8a)となし、さらに(8a)の1−ヒドロキシ基をオキシ塩化リンなどでクロル化して1−クロロ−4−フルオロイソキノリン(9a)とすることができる。
また、フルオロエーテル体(7a)を、先行技術(非特許文献3)に準じてオキシ塩化リン等と反応させると直接1−クロロ−4−フルオロイソキノリン(9a)に変換することもできる。
出発原料である1−ヒドロキシイソキノリン(6a)は、例えば公知(特許文献10、非特許文献6、7、8、9、10など)の方法に従い、調製することができる。
1−ヒドロキシイソキノリン(6a)のフッ素化に用いられるフッ素化剤は、求電子フッ素化剤で、ハイポフルオライト系試薬、N−フルオロ系試薬等が挙げられる。中でもハイポフルオライト系試薬のトリフルオロメチルハイポフルオライト、アセチルハイポフルオライト、トリフルオロアセチルハイポフルオライト、N−フルオロ系試薬の1−フルオロピリジニウムトリフラート、N−フルオロベンゼンスルホンイミド(NSFI)、1−クロロメチル−4−フルオロ−1,4−ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンビステトラフルオロボラート(セレクトフルオル(商標名);Selectfluor)、N−フルオロ−オルトベンゼンジスルホンイミド(NFOBSI)など一般に市販されている求電子フッ素化剤を使用することができ、更に好ましくはN−フルオロ系試薬の1−クロロメチル−4−フルオロ−1,4−ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンビステトラフルオロボラート(セレクトフルオル(商標名))である。
このフッ素化剤の使用量は、その種類により若干変動するが、例えばセレクトフルオル(商標名)を使用する場合、基質となる化合物(6a)に対して1〜2倍モルであり、好ましくは1.05〜1.5倍モルである。
更に、フルオロエーテル化反応の溶剤として、アセトニトリルにメタノールを混合させて使用することで好結果が得られる。
フルオロエーテル化反応の反応温度は−10〜50℃、好ましくは0〜35℃である。
得られたフルオロエーテル(7a)から1−クロロ−4−フルオロイソキノリン(9a)への変換は、オキシ塩化リン、五塩化リン、塩化チオニル、フェニルホスホン酸ジクロリド等のクロル化剤を単独、またはそれらの混合物を使用することができ、中でもオキシ塩化リンが有効で、反応温度は室温〜120℃、好ましくは室温〜80℃である。
フルオロエーテル(7a)から1−クロロ−4−フルオロイソキノリン(9a)への変換反応の際の反応温度が低い場合(例えば47℃以下)、(9a)の他に反応中間体の4−フルオロ−1−ヒドロキシイソキノリン(8a)が副生するが、さらに反応を行うと全て1−クロロ−4−フルオロイソキノリン(9a)に収束する。
本発明の1−クロロ−4−フルオロイソキノリン(9a)の還元分解反応は、還元分解触媒としてパラジウム炭、パラジウム黒等のパラジウム系触媒や、ラネーニッケル等ニッケル系触媒を使用することで実施でき、中でもパラジウム炭を利用した場合が最も効率よく還元できることが判明した。
前述の如く(9a)の還元分解による4−フルオロイソキノリン(1)の合成についてはこれまで報告されていないので、パラジウム系触媒や、ニッケル系触媒を利用することで、1−クロロ−4−フルオロイソキノリン(9a)のクロル基だけを選択的に効率よく還元分解するという知見は新規なものといえる。
上記還元分解反応の溶剤として、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等のアルコール類や酢酸エチルなどを単独、またはそれらの混合物を使用することができ、反応温度は0〜80℃で、好ましくは5〜30℃である。
この還元分解反応の水素源としては、水素ガスの他にギ酸アンモニウム、ギ酸ナトリウム、ヒドラジンを使用することができるが、工業化する場合において爆発の危険性を低くし、汎用設備で還元できるギ酸アンモニウムやギ酸ナトリウムを水素源として用いることで、有効に基質を還元分解することができる。水素ガスを使用する場合、反応圧力は、加圧でもよいが、好ましくは常圧である。
なお、分子状水素を反応容器内に供給する場合、予め十分な分子状水素を供給した後、密閉系で反応を行ってもよいし、また連続的に分子状水素を流通させて行ってもよい。
上記のようにして得られた4−フルオロイソキノリン(1)は、不純物や反応副生物が少ないので、反応後の処理は、通常の方法で行うことができる。
以上の本発明により生成した4−フルオロイソキノリン(1)は1〜15%程度のイソキノリンを含むが、必要により精製し、より純度の高いものとすることができる。この精製手段としては、慣用の分離手段、例えば、蒸留、カラムクロマトグラフィーなどの分離手段、またはこれらを組合せた分離手段が挙げられ、また、硫酸等との塩を形成させることで結晶化して、目的物である化合物(1)を容易に残存する原料や、副生成物から分離精製することができる。
本発明では、原料である化合物(6a)から目的物である化合物(1)への各工程の転化率が非常に高く、他の副生成物の副生が著しく抑制されるので、効率が非常に高い。
以上のようにして得られた4−フルオロイソキノリン(1)は、例えば、その5位をスルホン化して化合物(9e)とし、それを更に化学変換することにより、式(2)で表されるアミノスルホニルイソキノリン化合物とすることができるが、この化合物は、緑内障・高眼圧症治療薬として用いられているRhoキナーゼ阻害剤(特許文献1、2、3)であり、この化合物はさらに新たな医薬品になることが期待されている。
次に実施例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に何ら制約されるものではない。なお、以下の実施例において、反応、生成物の追跡は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で行い、生成率、純度は面積百分率(area%)で示した。分離カラムはInertsil ODS−2(5μm、4.6x150mm;ジーエルサイエンス社製)を用い、検出器のUV波長は220nmで測定した。溶出は流速1mL/分、溶媒にA液として水(0.1%リン酸)を、B液としてアセトニトリルを用い、0〜5分までをB液が80体積%、5〜25分までをB液が80〜30体積%の直線グラジエントで、25〜35分までをB液が30体積%で行った。
実 施 例 1
4−フルオロ−1−ヒドロキシ−3−メトキシ−3,4−ジヒドロイソキノリン
(7a)の合成:
先行技術文献(非特許文献3)に準じ、窒素雰囲気下、1−ヒドロキシイソキノリン(6a)(290mg)のアセトニトリル(15mL)とメタノール(2mL)の懸濁液に、セレクトフルオル(商標名)(1062mg)を加え、室温で2.5時間撹拌した。反応混合物を氷冷後酢酸エチルで希釈し、この中に水を加えて撹拌した。水層を除き、有機層を水、重曹水、20%食塩水の順に洗い、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶剤を減圧留去すると褐色カラメル状の4−フルオロ−1−ヒドロキシ−3−メトキシ−3,4−ジヒドロイソキノリン(7a)の混合物(約2:1)(313mg)が得られた。これを精製せずに次の反応に使用した。
IR(KBr):3220、1697cm−1
HPLC:12.1分(62.6area%)、LC/MS:m/z196
(M+1)。
HPLC:13.0分(30.1area%)、LC/MS:m/z196
(M+1)。
実 施 例 2
4−フルオロ−1−ヒドロキシイソキノリン(8a)の合成:
実施例1で得られた(7a)の混合物(100mg)のジクロロメタン(2mL)溶液に、4M塩酸/酢酸エチル溶液(0.4mL)を加え、室温で6時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、得られた固形物に水−メタノール(10:1)溶液を加えた後、7%重曹水で中和した。室温で1時間撹拌した後、固形物をろ過し、淡褐色粉末を得た。これを水−メタノール(10:1)溶液で洗浄後、乾燥すると4−フルオロ−1−ヒドロキシイソキノリン(8a)(68mg)が得られた。
HPLC:14.6分(99.2area%)。
H−NMR(CDCl):7.16(1H、d;3−H)、7.62(1H、
dt)、7.79(1H、dt)7.82(1H、dd;5−H)、8.4
3(1H、dt;8−H)、11.62(1H、br;NH)。
IR(KBr):3158、1652cm−1
MS:m/z163(M)、136(M−27)。
実 施 例 3
1−クロロ−4−フルオロイソキノリン(9a)の合成:
実施例2で得られた(8a)(120mg)にオキシ塩化リン(1mL)を加えて66〜68℃で2.5時間加熱撹拌した。反応混合物を特許文献7に従って後処理すると、淡灰色粉末の1−クロロ−4−フルオロイソキノリン(9a) (129mg) が得られた。
HPLC:27.0分(99.0area%)。
H−NMR(CDCl):7.77(1H、dt)、7.85(1H、dt)、
8.11(1H、dd;5−H)、8.16(1H、d;3−H)、8.33
(1H、ddd;8−H)。
IR(KBr):1315、1260、763cm−1
MS:m/z183、181(M)、146(M−Cl)。
実 施 例 4
1−クロロ−4−フルオロイソキノリン(9a)の合成:
先行技術文献(非特許文献3)に準じて実施した。実施例1で得られた(7a)混合物(310mg)のジクロロメタン(3mL)溶液を1℃に冷却し、この中にオキシ塩化リン(1.0mL)を滴下した。反応混合物を室温で一晩撹拌した後、オキシ塩化リン(1.0mL)を追加し、47℃で1時間加熱した。溶剤とオキシ塩化リンを減圧留去した。特許文献7に従って後処理すると(8a)と(9a)の混合物(257mg)が淡赤色粉末として得られた。
HPLC:14.6分(32.5area%)、27.0分(66.7area%)。
LC/MS:m/z164(M+1)(HPLC:14.6分)、
m/z182(M+1)(HPLC:27.0分)。
得られた(8a)と(9a)の混合物(256mg)にオキシ塩化リン(1.5mL)を加え、65〜67℃で2時間加熱撹拌した。反応混合物を特許文献7に従って後処理すると、1−クロロ−4−フルオロイソキノリン(9a)(253mg)が得られた。
HPLC:27.0分(99.0area%)。
実 施 例 5
1−クロロ−4−フルオロイソキノリン(9a)の合成:
先行技術文献(特許文献7)に準じて実施した。実施例1で得られた(7a)混合物(310mg)にオキシ塩化リン(1.5mL)を加えて65〜67℃で3.5時間加熱撹拌した。反応混合物を特許文献7に従って後処理すると、(9a) (246mg) が得られた。
HPLC:27.0分(98.4area%)。
実 施 例 6
1−クロロ−4−フルオロイソキノリン(9a)のH/Pd−C還元分解による
4−フルオロイソキノリン(1)の合成:
実施例3の方法で得られた1−クロロ−4−フルオロイソキノリン(9a)(55mg)のエタノール(2mL)溶液に、10%Pd炭(26mg;水分54%を含む)を加え、1気圧の水素雰囲気下、室温で還元分解が終わるまで(5〜15時間)撹拌した。触媒をろ過して除き、ろ液を減圧濃縮した。残査を酢酸エチル−水に溶解して水層を除き、有機層を20%食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶剤を減圧留去すると4−フルオロイソキノリン(1)とイソキノリンの混合物(33mg)が無色油状物として得られた。
HPLC:4−フルオロイソキノリン(1):13.8分(78.2area%)、
イソキノリン:3.6分(11.1area%)。
実 施 例 7
1−クロロ−4−フルオロイソキノリン(9a)のHCONH/Pd−C
還元分解による4−フルオロイソキノリン(1)の合成:
実施例3の方法で得られた1−クロロ−4−フルオロイソキノリン(9a)(55mg)のエタノール(5mL)溶液に、10%Pd炭(26mg;水分54%を含む)とギ酸アンモニウム(70mg)を加えて窒素雰囲気下室温で2時間撹拌した。触媒をろ過で除き、ろ液を減圧濃縮した。残査を酢酸エチル−水に溶解して水層を除き、有機層を20%食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶剤を減圧留去すると4−フルオロイソキノリン(1)とイソキノリンの混合物(31mg)が無色油状物として得られた。
HPLC:13.8分(79.6area%)、
3.6分(19.1area%)、
HPLC(254nm):13.8分(80.0area%)、
3.6分(15.0area%)。
本発明方法により得られる化合物(1)は、上記のように医薬の中間体として有用なものである。また、化合物(1)の原料となる式(8a)や式(9a)の化合物も同じく医薬の中間体として有用なものである。

Claims (5)

  1. 次の式(9a)
    Figure 0006755775
    で表される1−クロロ−4−フルオロイソキノリンの1−クロル基をパラジウム系触媒の存在下還元分解することを特徴とする次の式(1)
    Figure 0006755775
    で表される4−フルオロイソキノリン(1)の製法。
  2. 還元分解の水素源として、ギ酸塩を使用する請求項1記載の4−フルオロイソキノリン(1)の製法。
  3. パラジウム系触媒が、パラジウム炭またはパラジウム黒である請求項1または2記載の4−フルオロイソキノリン(1)の製法。
  4. ギ酸塩が、ギ酸アンモニウムまたはギ酸ナトリウムである請求項2または3記載の4−フルオロイソキノリン(1)の製法。
  5. 式(9a)
    Figure 0006755775
    で表される1−クロロ−4−フルオロイソキノリンが、式(6a)
    Figure 0006755775
    で表される1−ヒドロキシイソキノリンを、フッ素化剤で処理して、式(7a)
    Figure 0006755775
    で表される4−フルオロ−1−ヒドロキシ−3−メトキシ−3,4−ジヒドロイソキノリンとし、次いでこれを塩素化剤と反応させることにより得られたものである請求項1ないし4のいずれかの項記載の4−フルオロイソキノリン(1)の製法。
JP2016216053A 2016-11-04 2016-11-04 4−フルオロイソキノリンの製法 Active JP6755775B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016216053A JP6755775B2 (ja) 2016-11-04 2016-11-04 4−フルオロイソキノリンの製法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016216053A JP6755775B2 (ja) 2016-11-04 2016-11-04 4−フルオロイソキノリンの製法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018070562A JP2018070562A (ja) 2018-05-10
JP6755775B2 true JP6755775B2 (ja) 2020-09-16

Family

ID=62113944

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016216053A Active JP6755775B2 (ja) 2016-11-04 2016-11-04 4−フルオロイソキノリンの製法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6755775B2 (ja)

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07603B2 (ja) * 1987-02-27 1995-01-11 北陸製薬株式会社 イソキノリンスルホンアミド誘導体
AU1557497A (en) * 1996-02-02 1997-08-22 Nippon Shinyaku Co. Ltd. Isoquinoline derivatives and drugs
CZ306810B6 (cs) * 1999-02-10 2017-07-19 Astrazeneca Ab Použití chinazolinového derivátu jako inhibitoru angiogeneze
DE602005013819D1 (de) * 2004-12-22 2009-05-20 Astrazeneca Ab Pyridincarbonsäureamidderivate zur verwendung als antikrebsmittel
AU2008220104B2 (en) * 2007-02-28 2012-09-27 Asahi Kasei Pharma Corporation Sulfonamide derivative
AU2008249745B2 (en) * 2007-05-09 2012-01-12 Pfizer Inc. Substituted heterocyclic derivatives and compositions and their pharmaceutical use as antibacterials
DE102009007038A1 (de) * 2009-02-02 2010-08-05 Merck Patent Gmbh Metallkomplexe
TW201107306A (en) * 2009-07-28 2011-03-01 Daiichi Sankyo Co Ltd Substituted piperidine compounds
WO2013184734A1 (en) * 2012-06-08 2013-12-12 Bristol-Myers Squibb Company Macrocyclic factor viia inhibitors

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018070562A (ja) 2018-05-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2794575B1 (en) Synthesis of triazolopyrimidine compounds
CN106928236B (zh) 一种瑞博西尼的合成工艺
JP6987930B2 (ja) 1−(3,5−ジクロロフェニル)−2,2,2−トリフルオロ−エタノン及びその誘導体の製造方法
US7847127B2 (en) Process for preparation of atovaquone and novel intermediates thereof
JP6755775B2 (ja) 4−フルオロイソキノリンの製法
JP2009242270A (ja) 4−パーフルオロイソプロピルアニリン類の製造方法
CA3146869A1 (en) Process for the preparation of a nitric oxide donating prostaglandin analogue
CN111233866B (zh) 托法替尼或其盐的制备方法
WO2014103947A1 (ja) ハロゲン化アニリンおよびその製造方法
Tiyasakulchai et al. Scalable synthesis of favipiravir via conventional and continuous flow chemistry
Kamo et al. Synthesis of enantiomerically pure juglomycin C and NHAB
TW201625632A (zh) Pi3k抑制劑及其鹽之合成
JP3268459B2 (ja) アセトフェノン類の製造法
RU2676098C1 (ru) Способ синтеза 1,2,3,4,6,7,8,9-октагидро-4a,5b,10,12-тетраазаиндено[2,1-b]флуорен-5,11-диона
JP2012097041A (ja) フルオロアルキル基を有するテトラヒドロピラゾロピラゾロン誘導体及びその製造方法
JP4995456B2 (ja) 置換アダマンチルエタノールの製造方法
JPH0586000A (ja) 2−アミノ−4−フルオロ安息香酸の製造方法
WO2008075468A1 (ja) 2-イソプロペニル-5-メチル-4-ヘキセン-1-イル 3-メチル-2-ブテノアートの製造方法
EP3207024B1 (en) Process for the preparation of halo-substituted trifluoroacetophenones
CN106795080B (zh) 用于制备卤代三氟苯乙酮的方法
Kanth et al. A concise, greener, and improved scalable process for the preparation of an anti-thrombotic agent, Ticagrelor
JP4569755B2 (ja) アミノベンゾピラン化合物の製造方法
JP2016199489A (ja) 2−アミノ−6−メチルニコチン酸エステルの製造方法
JP2004300036A (ja) β−アラニン誘導体およびその製造方法
JPH0692916A (ja) 3’−アミノ−2’−ヒドロキシアセトフェノンの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190424

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200213

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200310

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200511

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200804

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200826

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6755775

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250