JP6755651B2 - 圧電素子及びその製造方法 - Google Patents
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例えば、半導体装置にあっては、ウエハ上でダイシングラインが交差する角部にバリが生じ易いことから、半導体基板のうち角部に相当する位置(ダイシングラインが交差する位置)に予め開口を形成しておき、そこに封止樹脂を充填した上で各開口間をダイシングすることにより、封止樹脂からなる角部を有した個々の半導体装置を切り出す製造方法がある(例えば、特許文献1を参照)。また、互いに直交する第1溝及び第2溝がダイシングラインに沿って予め形成された基板に対し、まず各溝が設けられた箇所をダイシングした後に、第1溝と第2溝とが交差する箇所を部分的に除去するという先行技術が開示されている(例えば、特許文献2を参照)。
〔配置工程〕
この工程では、シート状に形成された圧電基板の少なくとも一方の表面上に相互に直交する切断予定線を規定し、各切断予定線に沿って切断代より広い幅で断続的に延びる破線状のマスクを配置する。なお、マスクはスクリーン版上の不透過領域(金属ペーストを透過させない領域)として形成されていてもよい。
この工程では、配置工程を経た圧電基板に対し、マスクが配置された少なくとも一方の表面にペースト状の金属を塗布して金属膜を形成する。上記のスクリーン版を用いた塗布(印刷)手法であれば、マスク部分以外の圧電基板の表面には金属膜が形成されるが、マスク部分には金属膜が形成されない。
この工程では、塗布工程を経た圧電基板の表面上からマスクを除去し、マスクが配置されていたマスク領域内にて圧電基板の表面が露出した大版基板を完成させる。なお、スクリーン版を用いた手法であれば、スクリーン版の除去とともにマスクも除去される。
この工程では、除去工程を経て得られた大版基板を各切断予定線に沿ってダイシングし、個片化された圧電素子を得る。
ここで得られた圧電素子には、ダイシングラインに沿って金属膜が形成されていない領域が断続的に連なって破線状に形成されている。
図1は、圧電素子11の使用形態を表す斜視図である。この図に示されるように、圧電素子11は、矩形平板状に形成された圧電セラミックス12をその上下から挟むようにして2つの電極14a,14bが配置された3層構造をなしている。なお、ここでは矩形平板状としているが、圧電セラミックス12の平面視形状を正方形その他の四辺形としてもよい。
図2中(A):圧電素子11の平面図である。圧電セラミックス12の上面は、縁辺部分の一部を除く大半の領域が第1電極14aにより覆われている。第1電極14aは、さらに領域別に電極中央部15(主電極部)及び電極凸部16(副電極部)分かれる。このうち電極中央部15は、圧電セラミックス12上面の縁辺部分を除く内側の矩形領域を全面的に覆う部分に相当する。また電極凸部16は、電極中央部15から圧電セラミックス12上面の縁端の一部まで延び出た凸状の領域を覆う部分に相当し、このような電極凸部16は複数箇所に設けられている。ただし、電極中央部15と電極凸部16とは一様に連続して形成されており、切込み等はなされていない。また、電極中央部15と電極凸部16とで機能が異なることはなく、両者は一体として圧電セラミックス12に電圧を印加する電極として機能する。
図3中(A):図2中のA−A切断線に沿う圧電素子11の垂直断面図である。この位置において、圧電セラミックス12は上下両面ともその幅方向の全域が電極14a,14bにより覆われており、外部に露出した箇所が存在しない。第2電極14b、圧電セラミックス12、第1電極14aは何れも一様な平板状に形成されており、これらが下から順に重ねられてなる圧電素子11は幅方向に長細い矩形状の断面を有している。
またこの断面の位置は、圧電セラミックス12の下面の角部にも重なっており、下面の幅方向両端部には電極14bに覆われていない電極非形成領域が設けられている。よって、圧電セラミックス12は、上下両面とも外部に露出した箇所を有している。
図4は、本実施形態における圧電素子11及び比較例としての圧電素子51における金属バリの形成態様を説明する図である。図4中(A)〜(C)において左右に並べられた2つの図のうち、左側には本実施形態における圧電素子11が、右側には比較例としての圧電素子51が示されている。
次に、一実施形態の圧電素子11の製造方法について説明する。圧電素子11の製造には、多数の個体製品が集合した大版基板(集合基板)を用いる。なお、ここでは説明の便宜上、塗布又はスクリーン印刷により第1銀膜40a及び第2銀膜40bを形成する場合を例に挙げて説明するが、成膜方法はこれに限定されず、他の方法(例えば、無電解めっき、電気めっき等の湿式めっき法やスパッタ、真空蒸着、イオンプレーティング、CVD等の乾式めっき法)を用いて形成することも可能である。
図5は、大版基板10の平面図である。この図に示す大版基板10からは、例えば9個の製品(圧電素子11)を得ることができる。なお、1枚の大版基板10から何個の製品を得るかは任意であり、図示の例に限定されない。
図5に示されているように、大版基板10の上面には、格子状に露出枠32が形成されており、この露出枠32を除いた全域は第1銀膜40aで覆われている。第1銀膜40aは、ペースト状の銀からなり、大版基板10の中間層をなすセラミックス層20の上面に塗布又はスクリーン印刷されることにより形成されている。露出枠32は、第1銀膜40aに形成された細長い矩形状の開口である第1露出部30aの集合である。すなわち、第1露出部30aは、その長手方向に一定間隔で複数個整列して縦横に延びる帯を形成し、これら縦横の帯が互いに直交することで、全体と露出枠32を構成する。このような露出枠32により、マス目の内側には3×3のマトリックス状に製品となる予定領域が配置されている。見方を変えると、複数の第1露出部30aが整列してなる縦横の帯によって第1銀膜40aが複数の略矩形領域に区画されていることになる。
本実施形態の製造方法において、以下の工程を通じて大版基板10が製作される。
〔配置工程〕
予め、大版基板10に相当する大きさの圧電基板(圧電セラミックス12の集合基板)を用意し、圧電基板の表面(いずれか一方の外面)にマスクを配置する。配置するマスクのパターンは、図5に示す個々の第1露出部30aを縦横の帯状に連ねて露出枠32を構成した態様とする。逆に言えば、ここでマスクした領域が露出枠32として大版基板10に形成される。スクリーン印刷を用いる場合、スクリーン版にマスクパターンを予め形成しておく。
ここで、マスクを置く位置は、圧電基板の表面に予め規定した切断予定線上である。切断予定線は、後の工程で大版基板10をダイシングする際の仮想的な線であり、図5の例では縦横に4本ずつ規定されている。また、切断予定線に対するマスクの幅は、ダイシングによる切断代(ダイサーの幅)よりも広いものとする。
特に図示していないが、マスクを配置した状態の圧電基板に銀ペーストをスクリーン印刷し、図5に示す第1銀膜40aを形成する。
スクリーン版とともにマスクを除去する。これにより、圧電基板上でマスクが配置されていた位置(マスク領域)には第1露出部30aが形成され、その他の領域には第1銀膜40aが形成される。マスクの除去により、図5に示される大版基板10が得られる。
図示していないが、圧電基板の両面に銀ペーストを塗布して電極を形成すると、大版基板10全体を分極処理する。
図7は、大版基板の一部(図5中の一点鎖線VIIに囲まれた枠内)を拡大した平面図である。露出枠32を構成する複数の第1露出部30aは、一定の間隔Lを置いて整列配置されている。
図8は、大版基板11をダイシングする工程を説明する図である。
図8中(A):大版基板11にダイサーDCを進入させる様子を表している。ダイサーDCは回転刃を有しており、その刃先は非常に薄く、第1露出部30aの幅(短手方向の長さ)よりも薄く形成されている。なお、説明の便宜のため、この図においてはダイサーDCがコンパクトに描かれているが、実際のダイサーDCは大版基板11に対する大きさの比率がこの図よりも遥かに大きい。
なお、この時点では大版基板10をダイシングすることにより得られた各個片がまだ台紙TPに接着したままである。この後の工程で各個片から台紙TPを剥離させることにより、圧電素子の製造工程が完結する。
図10は、圧電素子61の素となる大版基板60の変形例を示す平面図である。この変形例は、第1露出部の形状が上述した実施形態におけるものとは大きく異なっている。上述した大版基板10においては、第1露出部30aが細長い矩形状に形成されていたのに対し、変形例としての大版基板60においては、第1露出部80aが略正円状及び略楕円状に形成されており、縦方向には略正円状の第1露出部80aが、横方向には略楕円状の第1露出部80aが、それぞれ長さLの間隔を置いて整列配置されている。
12 圧電セラミックス(圧電体)
14a,54a 第1電極(電極)
14b,54b 第2電極(電極)
15 電極中央部(主電極部)
16 電極凸部(副電極部)
18a,58a バリ
18b,58b バリ
10 ,60 大版基板
20 セラミックス層(圧電基板)
30a,80a 第1露出部(マスク領域)
30b 第2露出部(マスク領域)
32, 82 露出枠
40a 第1銀膜(金属膜)
40b 第2銀膜(金属膜)
Claims (4)
- 厚み方向で対をなす外面が四辺形状をなす平板状の圧電体と、
前記外面の縁辺部分を除く内側の領域全体を覆う導電膜の主電極部に加え、前記主電極部から前記外面の縁端の一部までを覆う導電膜の副電極部を少なくとも1箇所に有する、各前記外面に異なる形状で形成された電極と
を備えた圧電素子。 - 請求項1に記載の圧電素子において、
前記電極は、
少なくとも一方の前記外面において、前記外面の縁端に沿う方向でみた前記副電極部の幅が前記圧電体の厚み以下に形成されていることを特徴とする圧電素子。 - シート状に形成された圧電基板の表面上に相互に直交する切断予定線を規定し、一方の表面に各切断予定線に沿って切断代より広い幅で断続的に延びる破線状の第1マスクを配置しつつ、他方の表面に前記第1マスクとは異なる形状の第2マスクを配置する配置工程と、
前記配置工程を経た圧電基板の表面に金属膜を形成する塗布工程と、
前記塗布工程を経た圧電基板の表面上から前記第1及び第2マスクを除去し、前記第1及び第2マスクが配置されていたマスク領域内にて圧電基板の表面が露出した大版基板を完成させる除去工程と、
前記除去工程を経て得られた前記大版基板を前記各切断予定線に沿ってダイシングし、個片化された圧電素子を得る切断工程と
を含む圧電素子の製造方法。 - 請求項3に記載の圧電素子の製造方法において、
前記配置工程で配置する前記第1マスクは、
各切断予定線に沿って断続する個々の配置の間隔が前記除去工程により得られる前記圧電基板の厚み以下に設定されることを特徴とする圧電素子の製造方法。
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