JP4575587B2 - 振動素子アレイの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波診断装置の探触子に用いられる振動素子アレイに関し、特に個別の振動素子に対応して相互に分離された個別の音響整合層が装着されたタイプの振動素子アレイ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
2次元アレイ超音波探触子は、圧電体からなる振動素子を例えば碁盤目状などに2次元配列し、その超音波放射面側に音響整合層を設けて構成される。所望のビームフォーカスやビーム操作を実現するためには、各振動素子が個別に駆動されることはもちろん、音響整合層も各振動素子ごとに個別に分離されていることが望ましい。各振動素子上の音響整合層同士が完全に分離されていない場合、振動素子から発せられた超音波が、近隣の素子の音響整合層に漏れて不要振動が起こり、いわゆるクロストークが生じる。これは、超音波特性の悪化の一つの原因となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
2次元アレイ探触子では、各振動素子を個別に駆動するために駆動電極を各振動素子ごとに分離して設ける必要がある。ところが、音響整合層と振動素子の間は配線の取り回しがきわめて困難なので、駆動電極は振動素子のもう一方の面に設け、音響整合層と振動素子との間にはグランド線用の共通電極を設けることが一般的である。
【0004】
このような構造において、共通電極上に音響整合層の板を貼り付け、これをダイシングソーなどで切断して振動素子単位に分割しようとする場合、整合層板を完全に分割しようとすると共通電極を切断してしまうおそれがある。このため、従来このような方法で音響整合層を完全に分割することは困難であった。
【0005】
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、共通電極を損なうことなく音響整合層を切断して完全に分離することができる超音波振動素子アレイの製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る振動素子アレイの製造方法は、目的とする振動素子アレイに応じたサイズの音響整合材板の一面を覆う共通電極を形成する工程であって、そのアレイの構造によって定められる切断マージン部が他の部分より厚く突出するよう前記共通電極を形成する工程と、前記アレイ構造に従って前記共通電極に振動素子群を接着する工程であって、前記共通電極の前記切断マージン部同士の間に各振動素子が位置するように接着する工程と、前記音響整合材板の前記アレイ構造に従って切断し、互いに分離された個別音響整合層を形成する切断工程と、を含む。
【0007】
また、本発明に係る方法は、目的とする振動素子アレイに応じたサイズの圧電板の所定の面に、そのアレイの構造によって定められる位置に切断マージン用の凹部を形成する工程と、前記圧電板の前記所定面を覆うように前記共通電極を形成する工程であって、前記切断マージン用凹部に対して他の部分よりも電極層が厚くなった切断マージン部が形成される工程と、前記共通電極に対して前記アレイに応じたサイズの音響整合材板を接着する工程と、前記音響整合材板及び前記圧電板を前記アレイ構造に応じてそれぞれ切断し、各振動素子及び各個別音響整合層を形成する切断工程と、を含む。
【0008】
これらの発明では、共通電極に振動素子方向に盛り上がった切断マージン部が形成されるので、音響整合材板を完全に切断しても、その共通電極が完全に切断されることを防ぐことができる。また、切断工程の結果得られた振動素子アレイは振動素子も個別音響整合層も個々に分離されているので、容易に湾曲させることができ、様々な超音波放射面形状を実現することができる。
【0009】
ここで、共通電極の切断マージン部は、前記アレイ構造に応じて定まる音響整合材板の切断経路に沿って形成することが好適である。また、切断マージン部は、前記アレイ構造に応じて定まる音響整合材板の切断経路の交差部分に形成するようにすることも好適である。
【0010】
また、本発明に係る製造方法は、目的とする振動素子アレイに応じたサイズの音響整合材板の一方の面に対し、前記アレイ構造によって定められる前記音響整合材板の切断路に沿って切断マージン溝を形成する工程と、共通電極となる導電性シートの一方の面に前記音響整合材板の前記切断マージン溝が形成された面を、他方の面に前記所定のアレイ構造に配列された振動素子群を、それぞれ接着する工程と、前記音響整合板の前記アレイ構造に従って切断し、互いに分離された前記個別音響整合層を形成する切断工程と、を含む。
【0011】
この発明では、音響整合材板切断の際、マージン溝の部分まで切断するように切断手段を制御すればよいので、導電性シートが切断されることがなく、各振動素子群を接続する共通電極が確保できる。また、この発明でも、切断工程により得られた振動素子アレイは、湾曲整形可能である。
【0012】
本発明の好適な態様では、切断工程により形成されたアレイを所定形状に湾曲させる工程と、前記振動素子間及び前記個別音響整合層間をモールドする工程と、を更に含む。
【0013】
この態様によれば、湾曲した超音波放射面形状を持つ振動素子アレイを形成できる。
【0014】
また、好適な態様では、両面に電極層を形成された圧電板を切断することにより各振動素子を形成する。
【0015】
この態様では、振動素子の両面に電極層が形成されているので、共通電極と振動素子の電気的接触がより確実となる。
【0016】
また、本発明に係る2次元超音波探触子は、両面に電極層が形成された振動素子が所定のアレイ構造に従い相互に間隔をあけて配列構成された振動素子アレイと、前記各振動素子の一方の電極層に接続され、それら各振動素子を電気的に接続する共通電極と、前記各振動素子に対応してそれぞれ個別に設けられ、相互に間隔をあけて前記共通電極上に取り付けられた個別音響整合層とを備える。
【0017】
この構成では、振動素子アレイを所望の形状に容易に湾曲整形することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態(以下実施形態という)について、図面に基づいて説明する。
【0019】
[実施形態1]
図1は、本発明に係る2次元超音波振動素子アレイの構造を模式的に示す斜視図である。
【0020】
図に示すように、振動素子アレイは、相互に間隔をあけて碁盤目状に2次元配列された複数の振動素子10を備える。各振動素子10は、例えば圧電セラミックなどの圧電板12の上下の面に、薄いグランド電極14a及び駆動電極14bを形成したものである。
【0021】
これら各振動素子10は、グランド電極14aがグランド電極接続部20に接続されることにより、相互に連結されている。このグランド電極接続部20と各振動素子10のグランド電極14aとが電気的に接続されて、各振動素子10に対するグランド用の共通電極を形成している。この共通電極の周縁部からグランド線が引き出され、回路基板に接続される(図示省略)。また、各振動素子10の駆動電極14bは、それぞれ個別の信号線を介して回路基板に接続される。なお、各振動素子10は、駆動電極14b側の面をバッキング材(図示省略)上に接着して固定される。バッキング材の内部には信号線が埋設され、この信号線により駆動電極14bが回路基板に接続される。
【0022】
共通電極を構成するグランド電極接続部20の上には、各振動素子10ごとに対応して、相互に分離した個別音響整合層30が配設されている。各個別音響整合層30は、それぞれ対応する振動素子10の超音波放射方向を覆うよう、振動素子10の上面よりも若干広い面積になっている。
【0023】
この振動素子アレイでは、振動素子10同士が間隙40aにより相互に隔てられ、個別音響整合層30同士が間隙40bにより相互に隔てられているので、クロストークが起こりにくく、良好な超音波特性を得ることができる。
【0024】
なお以上の振動素子アレイの寸法関係は、例えば、振動素子10の厚みが0.3〜0.5mm程度、個別音響整合層30の厚みが0.1〜0.2mm程度、振動素子10や個別音響整合層30の超音波放射面が0.3×0.3mm程度の正方形、振動素子10間の間隙40aは幅0.05mm程度、個別音響整合層30間の間隙40bは幅0.03mm程度である。
【0025】
図2は、この振動素子アレイの製造手順を示す図である。図2は、振動素子アレイの横方向、すなわちアレイの配列面内の方向(図1の矢印A方向)から見た場合の様子を示す概念図である。この製造手順は、以下の通りになる。
【0026】
(a)まず一枚板の音響整合材板35の一方の表面に、導電材料からなる導電層25をスパッタリングや蒸着、メッキ等の手法で形成する。このとき、目的とするアレイ構造において、振動素子10同士の間隙40aとなる部分については、他の部分25bよりも導電層を厚く成長させる。この他より厚く形成された部位を。以下切断マージン部25aと呼ぶ。切断マージン部25aは、後の切断作業の際に音響整合材板35を完全に切断しても、その一部が切れずに残り、図1で示したグランド電極接続部20を構成することになる。逆に言えば、切断マージン部25aは、切断作業の際の切断手段(ダイシングソーなど)の制御精度等を考慮して、音響整合材板35を完全に切断しても、その切断手段がそのマージン部25aの底面まで到達しないような厚みに形成する。
【0027】
このとき形成される導電層25のパターン例を図3に示す。この図は、図2(a)の構成の導電層25が形成された面を、振動素子10が装着される方向から見た図である。この例では、ハッチングにより示した切断マージン部25aは、他の薄い導電層部分25bに対して格子状に盛り上がって形成されている。個々の振動素子10は、マージン部25aによって区切られた薄い部分25bにそれぞれ嵌め込まれることになる。逆に言えば、マージン部25aの幅28は、図1における振動素子10同士の間隙40aの幅にほぼ等しい。なお、図3において、マージン部25aの中に示した波線は、音響整合材板35の切断幅を示す。すなわち、ダイシングソー等により波線間の幅26の幅で音響整合材板35が切断され、個別音響整合層30へと完全に分離される。したがって、この幅26は、個別整合層30同士の間隙40bの幅にほぼ等しい。
【0028】
このような導電層パターンの形成のためには、例えば、音響整合材板35の一面にわたって所定の厚さまで導電層25が成長したところで、そのアレイ構造に応じたパターンを持つマスクを設け、その間隙40aに対応する部位のみ膜が成長し、他の部分の膜成長が止まるようにすればよい。また、この代わりに、切断マージン部25aの厚さまで音響整合材板35の一面にわたって導電層を形成し、切断マージン部25aの部分をマスクで保護した上でエッチングを行うなどの方法でも同様のパターンを形成することができる。
【0029】
再び図2の説明に戻り、(b)を参照して説明する。(a)の段階にて切断マージン部25aを有する導電層25が形成されると、次にこの(b)の段階では、振動素子10群を、予定しているアレイ構造に応じたパターンに応じて、音響整合材板35上の導電層25に加圧接着する。ここでは、導電層25の厚い部分25a、薄い部分25bのパターンが所望のアレイ構造を反映しており、その薄い部分25bに対して、振動素子10の一方の電極層の側を嵌め込んで加圧接着する。嵌め込まれた側の電極層がグランド電極14aとなり、反対の電極層が駆動電極14bとなる。
【0030】
なお、この(b)の処理に先立ち、振動素子10を製作しておく必要がある。これには、例えば、圧電セラミック等からなる圧電板の両面にスパッタリング等で薄い電極層を形成し、これを所定の素子サイズにダイシングすればよい。
【0031】
また、この(b)の処理で、振動素子10を1つずつ音響整合材板35に接着していくのは効率があまりよくないので、次のような加工手順を採ることが好適である。すなわち、まず、両面に電極層が形成された圧電板の一方の電極面を、個別振動素子ごとの信号線引出部が形成されたバッキング材に貼り付ける。そして、この状態で圧電板を所望のアレイ構造に従ってダイシングし、個々の振動素子10へと完全に分割する。そして、この結果得られた振動素子10のアレイを音響整合材板35側に加圧接着する。この手順によれば、すべての振動素子10を一度に音響整合材板35側に接着することができる。なお、ここでは圧電板をバッキング材に保持することで、素子分離後の各振動素子10を一体に取り扱い可能としているが、バッキング材に限らず、ある程度の厚み(圧電板切断作業において切れない程度の厚み)のある粘着シートに圧電板を貼り付けるようにしてもよい。この場合、最終的には、そのシートを振動素子10群から剥がした後で、所定のバッキング材(やフレキシブル基板)などにそれら振動素子10群を貼り付けることになる。
【0032】
次に、図2の(c)に示す段階では、音響整合材板35をダイシングソー等で上から切断し、複数の個別音響整合層30へと完全に分離する。このとき、切断幅は、前述のごとく切断マージン部25aの幅28よりも狭い幅26であり、ダイシングソー等を切断マージン部25aの中央部に位置決めして切断処理を行う。ここで、切断マージン部25aは充分な厚さを持つので、音響整合材板35を完全に切断できる高さまでダイシングソー等を降下させたとしても、そのマージン部25aの一部は(例えば0.01mm程度の厚みで)つながったままで残り、グランド電極接続部20を構成することになる。
【0033】
以上説明した製造方法により、図1に例示した振動素子アレイが製造できる。
【0034】
このようにして生成された振動素子アレイは、すべての振動素子のグランド電極14aがグランド電極接続部20で電気的に1つに接続されたまま、音響整合層が振動素子10ごとに個別に完全分離されたものとなる。したがって、良好な超音波特性が得られる。
【0035】
更によいことには、この製造方法では、音響整合材板35の切断が終わった(c)の段階で、振動素子10及び個別音響整合層30がそれぞれ個別に分離された状態となっているので、この後アレイを湾曲整形することにより、超音波放射面を所望形状に湾曲させることができる。例えば、図4は、アレイを凹面状に湾曲整形した場合の例を示す。このような湾曲アレイは、例えば、上述の(c)の段階で形成された振動素子アレイの各振動素子10の駆動電極14b側を、バッキング材50の湾曲面に合わせて湾曲させ、取り付けるようにすることにより形成できる。このとき、各個別音響整合層30の上面をシート状の支持部材などで仮留めすれば、湾曲及びバッキング材への貼り付け作業を安定して行うことができる。また、圧電板をフレキシブル基板などに貼り付けて切断分割することで振動素子10群を形成する場合は、音響整合層の分割が終わった段階で振動素子アレイがその基板上に形成されている形となっているので、その基板自体を湾曲整形することで、アレイを湾曲させることも可能である。なお、このように音響整合層分割の終わった振動素子アレイを所望形状に整形した後、振動素子10間の間隙40aや個別音響整合層30間の間隙40bを適切な充填材でモールドすることにより、振動素子アレイの強度やその他の特性を向上させることも好適である。
【0036】
なお、共通電極を切断せずに音響整合層を完全分割するための技術としては、特開平6−254089号公報に示される技術がある。この従来技術では、圧電板に素子分割用の溝を形成し、その溝に対して当該圧電板の超音波放射面より少し低い高さまで充填材を充填した後で、その圧電板上にスパッタリング等で共通電極を形成する。そして、その上に音響整合材板を接着し、ダイシングソーなどで切断する。この方法でも、切断部位では共通電極が下に迂回しているので、音響整合材板切断時に共通電極を損なう可能性が減る。しかしながら、この従来技術では、振動素子同士が根本でつながっており、しかもその間が充填材でモールドされているので、本実施形態のように湾曲整形することはほとんど不可能である。このように、本実施形態は、音響整合層を完全分割することができるだけでなく、湾曲変形容易な振動素子アレイが得られるという効果がある。
【0037】
以上の例では、共通電極確保のための切断マージン部25aを、図3などに図示したように、振動素子10群の間隙40a(音響整合材板35の切断経路にほぼ等しい)をすべてカバーするような格子形状に形成したが、これは原理上必須のことではない。すなわち、本実施形態の共通電極の分断防止の効果は、音響整合層の分離作業後に切れずに残ったマージン部の導電層で各振動素子のグランド電極14aが電気的に1つに接続されていれば得ることができる。したがって、例えば図5に示すように、音響整合材板35の切断経路の交差点に、その交差点に接する4つの振動素子10のグランド電極14aと接触を保てる程度の形状・面積の導電層の凸部(切断マージン部25c)を形成するなどすれば、所望の効果が得られる。
【0038】
[実施形態2]
振動素子アレイの製造方法の別の実施形態について図6を参照して説明する。
【0039】
この実施形態では、まず上記実施形態1と同様、圧電板12の両面に薄い電極層14を形成した振動板15を用意する。そして、その振動板15のグランド電極の面に対し、切断マージン部とする部分を、溝や窪みとして穿設する。そして、その溝又は窪みに対して導電性材料を充填することで、図6の(a)に示すように、音響整合材板35切断時の誤差を考慮した厚みを持つ導電性材料の切断マージン部50が、後にグランド電極となる電極層14に電気的に接続された形で、形成される。すなわち、この実施形態2では、実施形態1で音響整合材板35上に形成していた切断マージン部付きの導電層25に相当するものを、圧電板12に予め形成することになる。このとき切断マージン部として形成するパターンは、実施形態1の場合と同様の条件を満たせばよい。なお、ここでは両面に電極層14を形成した振動板15を削って切断マージン部用の窪みを形成したが、電極層14のない圧電板12の一面に同様の窪みを形成し、その面に対してスパッタリング等で導電層を形成するという手順でも、同様の切断マージン部を持った導電層を形成できる。
【0040】
次に、図6の(b)に示すように、振動板15のグランド電極側の面に対し、音響整合材板35を加圧接着する。
【0041】
そして、図6(c)に示すように、振動板15及び音響整合材板35をそれぞれ所定のアレイ構造に従って切断することで、所望の振動素子アレイを得る。この場合、音響整合材板35と振動板15の両方から切断を行うので、切断マージン部50の厚みは、それら両方向の切断の制御誤差等を考慮して定めておく。この切断作業により、振動素子10同士、及び個別音響整合層30同士がそれぞれ分離され、それら各振動素子10のグランド電極14a同士がグランド電極接続部55(切断マージン部50の残り部分)により相互に電気的に接続された、振動素子アレイが得られる。また、(c)の状態に形成された振動素子アレイは、実施形態1と同様、容易に湾曲整形が可能であり、自由な形状の振動素子アレイを容易に製造できる。
【0042】
なお、この手順では、音響整合材板35と振動板15の切断を、いずれを先に行ってもよいが、一般に圧電材料の方が硬くて切断作業か困難なので、振動板15の切断を先に行って後から比較的柔らかい音響整合材板35を切断するようにした方が作業性がよいであろう。
【0043】
[実施形態3]
振動素子アレイの更に別の製造方法について、図7を参照して説明する。
【0044】
上記実施形態1及び2では、音響整合材板35を切断しても共通電極部分が切断されてしまわないように、振動素子10の方向にふくらんだ切断マージン部25a、50を共通電極部分に設けていた。これに対し、この実施形態3では、共通電極部分に切断マージンを設ける代わりに、音響整合材板35の方にそのマージン分相当の溝を刻んでおく。
【0045】
すなわち、図7の(a)に示すように、所望の振動素子アレイのサイズ・形状に応じた音響整合材板35の一方の面に対し、ダイシングソーなどを用い、音響整合層分割時の切断経路に沿って格子状に溝37を形成する。この溝37の深さは、実施形態1等における切断マージン部の厚みと同じ考え方で定めればよい。
【0046】
次に、(b)に示すように、導電性材料からなる導電性シート60を、音響整合材板35の溝37を形成した面と、振動素子10群のアレイのグランド電極14a側の面とで挟んで積層し、それらを加圧接着する。これにより、各振動素子10のグランド電極14aが導電性シート60で相互に接続されて、共通電極が形成される。
【0047】
そして、音響整合材板35を上からダイシングソーなどで切断することで、(c)に示すような個別音響整合層30に分割する。この場合、溝37の空隙があるので、その溝37のところまで切断するように切断手段を制御すれば、音響整合材板35を完全に切断しても、導電性シート60を切断してしまうことがない。
【0048】
このように、この実施形態3の手順でも、共通電極部分の切断を防止しつつも、音響整合材板35を個別音響整合層30に完全に分割することができる。また、(c)の状態に形成された振動素子アレイは、実施形態1と同様、容易に湾曲整形が可能であり、自由な形状の振動素子アレイを容易に製造できる。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、共通電極を損なうことなく、音響整合層の完全な分割を実現することができる。また本発明によれば、音響整合層分割後に得られる振動素子アレイを容易に湾曲整形でき、所望の超音波放射面の形状を容易に形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1の振動素子アレイの構造を概略的に示す斜視図である。
【図2】実施形態1の製造手順を説明するための図である。
【図3】実施形態1における導電層のパターンの例を示す図である。
【図4】振動素子アレイを湾曲したバッキング材に装着した場合の例を示す図である。
【図5】導電層パターンの別の例を示す図である。
【図6】実施形態2の製造手順を説明するための図である。
【図7】実施形態3の製造手順を説明するための図である。
【符号の説明】
10 振動素子、12 圧電板、14a グランド電極、14b 駆動電極、20 グランド電極接続部、25 導電層、25a 切断マージン部、30 個別音響整合層、35 音響整合材板、40a,40b 間隙。

Claims (7)

  1. 振動素子とその振動素子の超音波放射面側に設けられた個別音響整合層とを含む振動素子ユニットが所定のアレイ構造で配列され、それら振動素子と個別音響整合層との間に設けられた共通電極によりそれら振動素子が互いに電気的に接続されてなる振動素子アレイを製造する方法であって、
    前記アレイに応じたサイズの音響整合材板の一面を覆う共通電極を形成する工程であって、前記所定のアレイ構造によって定められる切断マージン部が他の部分より厚く突出するよう前記共通電極を形成する工程と、
    前記アレイ構造に従って前記共通電極に振動素子群を接着する工程であって、前記共通電極の前記切断マージン部同士の間に各振動素子が位置するように接着する工程と、
    前記音響整合材板の前記アレイ構造に従って切断し、互いに分離された前記個別音響整合層を形成する切断工程と、
    を含む振動素子アレイの製造方法。
  2. 振動素子とその振動素子の超音波放射面側に設けられた個別音響整合層とを含む振動素子ユニットが所定のアレイ構造で配列され、それら振動素子と個別音響整合層との間に設けられた共通電極によりそれら振動素子が互いに電気的に接続されてなる振動素子アレイを製造する方法であって、
    前記アレイに応じたサイズの圧電板の所定の面に、前記アレイ構造によって定められる位置に切断マージン用の凹部を形成する工程と、
    前記圧電板の前記所定面を覆うように前記共通電極を形成する工程であって、前記切断マージン用凹部に対して他の部分よりも電極層が厚くなった切断マージン部が形成される工程と、
    前記共通電極に対して前記アレイに応じたサイズの音響整合材板を接着する工程と、
    前記音響整合板層及び前記圧電板を前記アレイ構造に応じてそれぞれ切断し、前記各振動素子及び各個別音響整合層を形成する切断工程と、
    を含む振動素子アレイの製造方法。
  3. 前記共通電極の切断マージン部は、前記アレイ構造に応じて定まる音響整合材板の切断経路に沿って形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記共通電極の切断マージン部は、前記アレイ構造に応じて定まる音響整合材板の切断経路の交差部分に形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
  5. 振動素子とその振動素子の超音波放射面側に設けられた個別音響整合層とを含む振動素子ユニットが所定のアレイ構造で配列され、それら振動素子と個別音響整合層との間に設けられた共通電極によりそれら振動素子が互いに電気的に接続されてなる振動素子アレイを製造する方法であって、
    前記アレイに応じたサイズの音響整合材板の一方の面に対し、前記アレイ構造によって定められる前記音響整合材板の切断路に沿って切断マージン溝を形成する工程と、
    共通電極となる導電性シートの一方の面に前記音響整合材板の前記切断マージン溝が形成された面を、他方の面に前記所定のアレイ構造に配列された振動素子群を、それぞれ接着する工程と、
    前記音響整合材板の前記アレイ構造に従って切断し、互いに分離された前記個別音響整合層を形成する切断工程と、
    を含む振動素子アレイの製造方法。
  6. 前記切断工程により形成されたアレイを所定形状に湾曲させた後、前記振動素子間及び前記個別音響整合層間をモールドする工程、
    を更に含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 両面に電極層を形成された圧電板を切断することにより前記各振動素子を形成することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
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