JP2945980B2

JP2945980B2 - 超音波探触子

Info

Publication number: JP2945980B2
Application number: JP2258512A
Authority: JP
Inventors: 康雄清水
Original assignee: Nihon Dempa Kogyo Co Ltd
Current assignee: Nihon Dempa Kogyo Co Ltd
Priority date: 1990-09-27
Filing date: 1990-09-27
Publication date: 1999-09-06
Anticipated expiration: 2014-09-06
Also published as: JPH04135400A

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）本発明は超音波探触子を利用分野とし、特に微小圧電
片を二次元方向（Ｘ、Ｙ方向）に配置して構成した超音
波探触子に関する。

（発明の背景）超音波探触子は、例えば医用関係の超音波診断装置に
超音波の送受波部として有用される。近年では、微小圧
電片を二次元方向に並べた、例えばマトリクックス型の
超音波探触子が注目を浴びている。

（従来技術）第６図はこの種の超音波探触子を説明する図である。

超音波探触子は、図示しない平板状の圧電板を作業台
１上に固着した後、二次元方向（縦横）に切断して溝を
設け、多数の微小圧電片２（圧電小片群３とする）を形
成する。そして、圧電小片群３の各溝及びその外周にエ
ポキシ樹脂等の充填材４を埋設して微小圧電片２を結合
一体化する「第６図（ａ）」。なお、これを複合圧電板
５とする。

次に、複合圧電板５を作業台２から取り外して他主面
の全面に共通電極（未図示）を形成し、一主面の各電極
に信号導出入用のリード線６を接続する「第６図
（ｂ）」。接続には、例えば半田や導電性接着剤あるい
はボンディングが使用される。そして、複合圧電板５を
図示しない保持材上に固着し、さらに音響整合層等を付
加して構成していた。

（従来技術の問題点）しかしながら、上記構成の配列型探触子では、微小圧
電片２の大きさ（面積）が約1mm²以下になると、リード
線６の接続作業を困難にして作業性を低下させる。ま
た、これに派生して隣接する微小圧電片２間の絶縁不良
等も発生させ、電気的性能を低下させる。そして、リー
ド線６自体も細くなり断線等の機械的強度を損なう等の
問題があった。また、リード線があるので、微小圧電片
２の保持が充分でなく、探触子の機械的強度を損なう問
題もあった。さらに、これらに付随して、微小圧電片２
の大きさは自ずと制約を受け、ブロードな指向特性を得
ることができずに、画像性能を向上し得ない問題をも発
生させていた。

（発明の目的）本発明は作業性、電気的特性及び機械的強度をを良好
して、画像性能を向上させ得る超音波探触子を提供する
ことを目的とする。

（解決手段）本発明は、圧電小片群を固着する基台を、複数の導電
路が主面から一端面に延出した信号導出体を相互に絶縁
するとともに積層して形成し、この基台の一端面上に前
記圧電小片群が固着されるとともに、該一端面に延出し
た各導電路と前記各微小圧電片における一主面の電極と
が接続して構成したことを基本的な解決手段とする。以
下、本発明の一実施例を製造工程を示して説明する。

（実施例）第１図乃至第５図は本発明の一実施例を説明する超音
波探触子の工程図である。

本実施例では、複合圧電板を作業台上にて形成せず、
第１図に示したように、先ず、圧電板７をバッキング材
としても兼用し得る基台８の一端面上に直接固着する、
圧電板７は前述のようにPZTからなり、両主面に電極
（未図示）が形成されている。基台８は複数の信号導出
体９の間に絶縁材10を介在させてそれぞれ接着して形成
される。すなわち、信号導出体９を相互に絶縁するとと
もに積層してされる。信号導出体９は、第２図に示した
ように、多数の信号路11を有する例えばフレキシブルプ
リント基板（以下FPCとする）からなる。各信号路11は
被膜されて主面に並行して形成される。そして、一端側
11aが主面から一端面に延出して露出する。このよう
に、基台８の一端面には、露出した信号路が２次元方向
に配置される（第３図）。また、信号路11の他端側11b
は、他端面、一側端面、他側端面に延出して接続端とな
る。

次に、圧電板７上から、基台８に達する切断溝12を設
けて複数と単位振動体となる微小圧電片13に分割する
（第４図）。但し、切断溝12は二次元方向の各信号路11
間に設けられる。

次に、切断溝12にエポキシ樹脂等の充填材14を埋設す
る。また、充填材14を含む圧電小片群15上の全面に共通
電極16を形成する（第５図）。そして図示しない音響整
合層等を形成して超音波送受波面とする。また、各信号
路11の他端側11bに例えばリード線を半田付け等により
接続して（未図示）超音波探触子を構成する。

このようなものでは、圧電板７を基台８の一端面上に
固着して切断することにより微小圧電片13毎の電極を導
出する。そして、基台８の他端面あるいは側端面に延出
した信号路11の他端側11bを接続端としてリード線を接
続する。したがって、基台８の他端面あるいは側端面の
面積に応じて接続端の間隔等を自在に決定できるので、
リード線の接続作業を容易にする。そして、これによ
り、隣接する微小圧電片13の絶縁を確実にして電気的性
能を維持する。また、電極導出用としての導電路11を信
号導出体に形成して基台８とするので、断線等の虞もな
く機械的強度を満足する。このようなことから、微小圧
電片13の大きさは、切断精度、FPCパターン精度及び積
層精度に依存して極小にできる。したがって、指向特性
をブロードにし得て画像性能を向上する。そして、付随
的に、本実施例では基台８を直接バッキング材として兼
用できるので、複合圧電板を形成するときの作業台を不
要とする。したがって、直接圧電小片群13を基台８で保
持できるので、機械的強度を増すとともに、さらに作業
性を向上できる。

（他の事項）なお、上記実施例では、接続端を積層された各信号導
出体毎にの他端面、一側端面あるいは他側端面に導出し
たが、例えば次のようにしてもよい。すなわち、各信号
導出体を相互に例えば一端面側のみを接着して、他端面
側は非接着とする。そして、非接着部に接続端を形成す
るようにする。したがって、このような場合でも、接続
端へのリード線の接続を容易にする。そして、この場
合、各信号導出体の長さを変えてやればリード線の接続
作業をさらに容易にする。このように、接続端の位置は
自在に変更できるものであり、上記実施例に限定される
ものではない。

また、信号導出体はFPCとしたが、単なるプリント基
板でもよい。そして基台は信号導出体と絶縁材とを積層
するとしたが、予め一体化されてあってもよい。

また、本実施例では、基台の一端面にはそれぞれ独立
した信号路をXY方向に設けることになるが、結果的には
切断による分割されるので基台の全面に信号路となる電
極を形成しておいてもよいものである。

また、微小圧電片にFPCの各信号路を接続して微小圧
電片を単位振動体としたが、導電路をXY方向の複数個毎
に共通接続して単位振動体とし、単位振動体を複合化し
てもよい。この場合、XY方向のみならず、例えば同心円
上に共通接続してもよい。そして、各微小圧電片をさら
に例えばハーフカットしてもよいものである。

（発明の効果）本発明は、圧電小片群を固着する基台を、複数の導電
路が主面から一端面に延出した信号導出体を相互に絶縁
するとともに積層して形成し、この基台の一端面上に前
記圧電小片群が固着されるとともに、該一端面に延出し
た各導電路と前記各微小圧電片の一主面の電極とを接続
して構成したので、作業性、電気的特性及び機械的強度
を良好にして、画像性能を向上し得る超音波探触子を提
供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第５図は本発明の一実施例を製造工程図をも
って説明する図で、第１図は圧電板を基台に固着した部
分図、第２図は信号導出体の図、第３図は基台の一部平
面図、第４図は圧電板を微小圧電片に分割した一部図、
第５図は共通電極を形成した後の断面図である。第６図（ａ）は従来例を説明する複合圧電板の図、同図
（ｂ）は同複合圧電板にリード線を接続した一部図であ
る。

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】両主面に電極の形成された複数の微小圧電
片を二次元方向にならべて圧電小片群とし、該圧電小片
群を基台上に固着して構成した超音波探触子において、前記基台は、複数の導電路が主面から一端面に延出した
信号導出体を相互に絶縁するとともに積層して形成さ
れ、該基台の一端面上に前記圧電小片群が固着されるととも
に、該一端面に延出した各導電路と前記各微小圧電片に
おける一主面の電極とが接触して構成されたことを特徴
とする超音波探触子。