JP6754986B2 - 振動可視化素子、振動計測システム、及び振動計測方法 - Google Patents

振動可視化素子、振動計測システム、及び振動計測方法 Download PDF

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Description

本開示は、計測対象物に取り付けられる振動可視化素子、当該振動可視化素子を用いた振動計測システム及び振動計測方法に関する。
日本では、橋梁やトンネルなどの公共の構造物の多くが1970年代の高度成長期に建設されている。これらの構造物の寿命は、一般に建設後50年と言われている。このため、今後、寿命を超える構造物が急速に増えることが予想される。それに伴い、これらの構造物の点検・補強の需要が急激に増加している。
一般に、構造物の剛性と固有振動数とは相関関係があることが知られている。この関係を利用し、構造物の固有振動数の変化を計測することにより、構造物の劣化を検査することが従来行われている。
例えば、非特許文献1には、レーザドップラ速度計を用いて橋梁の振動計測を行い、橋梁を補強する前後で固有振動数が変化する度合を調べることで、構造物の劣化を検査する方法が記載されている。
また、米国のイリノイ大学では、加速度センサ、CPU、及び無線ユニットを備える無線センサノードを計測対象物に多数取り付け、当該無線センサノードから送られてきたデータに基づいて振動等を分析するシステムが研究開発されている(Illinois Structural Health Monitoring Project)。
実験力学 Vol.11、No.3、201頁〜208頁(2011年9月)、「レーザドップラ速度計を用いた振動計測による実橋梁の構造同定」、牧野高平、松田浩、森田千尋、一宮一夫
本開示の一態様は、計測対象物に加わった振動を可視化することができる振動可視化素子を提供する。
本開示の一態様に係る振動可視化素子は、計測対象物との相対的な位置関係が固定される固定部と、前記固定部に所定方向の加速度が加わることにより、前記固定部との相対的な位置関係が変化するように、前記固定部に可動に支持される可動部と、を有する光学部材を備え、前記光学部材は、前記固定部と前記可動部との位置関係の変化に応じて、再帰性反射方向へ反射する光又は電磁波の反射強度を変化させ、前記固定部に前記加速度が加わっておらず、前記固定部と前記可動部との位置関係が一定である静止状態において、前記固定部と前記可動部との位置関係は、再帰性反射させるための位置関係からずれている。
本開示の包括的又は具体的な態様は、素子、装置、システム、方法又はこれらの任意な組み合わせで実現されてもよい。
開示された実施形態の追加的な効果および利点は、明細書および図面から明らかになる。効果および/または利点は、明細書および図面に開示の様々な実施形態または特徴によって個々に提供され、これらの1つ以上を得るために全てを必要とはしない。
本開示の一態様に係る振動可視化素子は、計測対象物に加わった振動を可視化することができる。
本開示の第1実施形態に係る振動計測システムの概略構成図である。 図1の振動計測システムが備える光学部材の斜視図である。 図2の光学部材が光又は電磁波を反射する原理を示す側面図である。 図2の光学部材が光又は電磁波を反射する原理を示す斜視図である。 図2の光学部材に反射された反射光又は反射電磁波の進行方向を示す側面図である。 鏡の成す角度及び計測対象物の加速度と、撮影装置が検出する輝度との関係を示す図である。 サイン波形の加速度変化を示す振動のグラフである。 図6の設定1の加速度変化の範囲内で、サイン波形の加速度変化を示す振動を図1の振動可視化素子に付与したときの輝度変化を示すグラフである。 図6の設定2の加速度変化の範囲内で、サイン波形の加速度変化を示す振動を図1の振動可視化素子に付与したときの輝度変化を示すグラフである。 図6の設定3の加速度変化の範囲内で、サイン波形の加速度変化を示す振動を図1の振動可視化素子に付与したときの輝度変化を示すグラフである。 図2の光学部材を複数敷き詰めるように備える振動可視化素子の一例を示す図である。 図2の光学部材を複数敷き詰めるように備える振動可視化素子の他の例を示す図である。 図1の振動計測システムを用いた振動計測方法のフローチャートである。 図1の振動計測システムを用いて橋梁の振動を測定する様子を示す斜視図である。 図1の振動計測システムを用いて橋梁を夜間に撮影したときの映像を示す図である。 本開示の第2実施形態に係る振動計測システムが備える振動可視化素子の概略構成図である。 本開示の第2実施形態に係る振動計測システムが備える振動可視化素子の概略構成図である。 変形例に係る振動可視化素子の概略構成図である。 変形例に係る振動可視化素子の概略構成図である。 本開示の第3実施形態に係る振動計測システムが備える振動可視化素子の概略構成図である。 本開示の第3実施形態に係る振動計測システムが備える振動可視化素子の概略構成図である。 実施例に係る振動可視化素子に所定の振動を加えたときの輝度値の変化を示すグラフである。 図15の輝度値の変化を示す波形のパワースペクトルの計算結果を示すグラフである。
(本開示の基礎となった知見)
本開示は、橋梁やトンネルなどの計測対象物の微小な振動を可視化することができる振動可視化素子、当該振動可視化素子を用いた振動計測システム及び振動計測方法に関する。
レーザドップラ速度計は、ドップラ効果を利用するものであり、計測器から計測対象物に向けてレーザを照射し、当該レーザが、計測器から離れていく速度、及び計測対象物に反射されて計測器に近づいてくる速度を計測する装置である。このため、レーザドップラ速度計を用いた振動計測方法では、1箇所ずつしか振動計測することができず、計測対象物の全体を振動計測するには相当な時間がかかる。
これに対して、無線センサノードを用いた振動計測方法では、複数の無線センサノードを計測対象物の全体に分散して貼り付けることで、計測対象物の全体を同時に振動計測することが可能になる。しかしながら、この振動計測方法では、センサ、CPU、無線ユニット等の消費電力が大きいため、電池を頻繁に交換する必要がある。特に計測対象物が橋梁などの大型構造物である場合には、当該大型構造物に取り付けた複数の無線センサノードの電池を頻繁に交換することは、非常に困難である。このため、メンテナンス回数をできる限り少なくすることが求められている。
そこで、本発明者は、計測対象物の全体の振動計測をより短時間で行うことを可能にするとともに、メンテナンス回数をより少なくすることができる振動可視化素子、当該振動可視化素子を用いた振動計測システム及び振動計測方法を提供すべく、鋭意研究した。その結果、計測対象物の全体の振動計測をより短時間で行うことを可能にするとともに、メンテナンス回数をより少なくすることができる振動可視化素子、当該振動可視化素子を用いた振動計測システム及び振動計測方法を想到した。
本開示の一態様の概要は以下のとおりである。
[項目1]
計測対象物との相対的な位置関係が固定される固定部と、
前記固定部に所定方向の加速度が加わることにより、前記固定部との相対的な位置関係が変化するように、前記固定部に可動に支持される可動部と、
を有する光学部材を備え、
前記光学部材は、前記固定部と前記可動部との位置関係の変化に応じて、再帰性反射方向へ反射する光又は電磁波の反射強度を変化させ、
前記固定部に前記加速度が加わっておらず、前記固定部と前記可動部との位置関係が一定である静止状態において、前記固定部と前記可動部との位置関係は、再帰性反射させるための位置関係からずれている、振動可視化素子。
[項目2]
前記光学部材は、固定部と前記可動部との位置関係の変化に応じて、再帰性反射方向へ反射する光又は電磁波の反射強度が単調に変化するように構成されている、項目1に記載の振動可視化素子。
[項目3]
前記光学部材は、それぞれの鏡面が互いに交差して向き合う、第1の鏡、第2の鏡、及び第3の鏡を備え、
前記第1の鏡は、前記固定部に含まれ、
前記第2の鏡は、前記可動部に含まれ、
前記第2の鏡は、前記固定部に前記加速度が加わることにより前記第1の鏡とのなす角度が変化するように支持されており、
前記静止状態において、前記第1の鏡と前記第2の鏡とのなす角度は直角からずれている、項目1に記載の振動可視化素子。
[項目4]
前記第2の鏡は、弾性部材を介して前記固定部に接続されている、項目3に記載の振動可視化素子。
[項目5]
前記光学部材は、前記第1の鏡と前記第2の鏡とのなす角度の変化に応じて、再帰性反射方向へ反射する光又は電磁波の反射強度が単調に変化するように構成されている、項目3又は4に記載の振動可視化素子。
[項目6]
前記静止状態において、前記第1の鏡と前記第2の鏡とのなす角度は90度よりも大きく、
前記固定部に前記加速度が加わり前記固定部と前記可動部との位置関係が変化する変位状態において、前記第1の鏡と前記第2の鏡とのなす角度は90度以上である、項目3〜5のいずれか1項に記載の振動可視化素子。
[項目7]
前記静止状態において、前記第1の鏡と前記第2の鏡とのなす角度は90度よりも小さく、
前記固定部に前記加速度が加わり前記固定部と前記可動部との位置関係が変化する変位状態において、前記第1の鏡と前記第2の鏡とのなす角度は90度以下である、項目3〜5のいずれか1項に記載の振動可視化素子。
[項目8]
前記光学部材は、それぞれが互いに直交する3つの反射面を有するコーナーキューブと、前記コーナーキューブに接触する変形部材と、を備え、
前記コーナーキューブの少なくとも一部は、前記固定部に含まれ、
前記変形部材は、前記可動部に含まれ、
前記変形部材は、前記固定部に前記加速度が加わることにより前記コーナーキューブの前記3つの反射面のうちの少なくとも1つを変形させるように、前記固定部に支持されており、
前記静止状態において、前記コーナーキューブの3つの反射面のうちの前記少なくとも1つは前記変形部材によって変形されている、項目1に記載の振動可視化素子。
[項目9]
前記光学部材は、前記コーナーキューブの3つの反射面のうちの前記少なくとも1つの変形量に応じて、再帰性反射方向へ反射する光又は電磁波の反射強度が単調に変化するように構成されている、項目8に記載の振動可視化素子。
[項目10]
前記光学部材は、球状レンズと、前記球状レンズの後方に位置する凹面反射材と、を備え、
前記球状レンズ及び前記凹面反射材のうちの一方は、前記固定部に含まれ、
前記球状レンズ及び前記凹面反射材のうちの他方は、前記可動部に含まれ、
前記球状レンズ及び前記凹面反射材のうちの前記他方は、前記固定部に所定方向の加速度が加わることにより前記球状レンズ及び前記凹面反射材のうちの前記一方との相対的な位置関係が変化するように、前記固定部に支持されており、
前記静止状態において、前記球状レンズの曲率中心と前記凹面反射材の曲率中心とは互いにずれている、項目1に記載の振動可視化素子。
[項目11]
前記球状レンズは、互いに連結された複数の球状レンズの1つであり、
前記凹面反射材は、前記複数の球状レンズのそれぞれの後方に位置する複数の凹面反射材の1つであり、
前記複数の凹面反射材は、前記固定部に含まれ、
前記複数の球状レンズは、前記可動部に含まれ、
前記複数の球状レンズは、弾性部材を介して前記固定部に接続されている、項目10に記載の振動可視化素子。
[項目12]
前記光学部材は、前記球状レンズの曲率中心と前記凹面反射材の曲率中心との距離の変化に応じて、再帰性反射方向へ反射する光又は電磁波の反射強度が単調に変化するように構成されている、項目10又は11に記載の振動可視化素子。
[項目13]
項目1〜12のいずれか1項に記載された第1の振動可視化素子と、
項目1〜12のいずれか1項に記載された第2の振動可視化素子と、
計測対象物に設置された、前記第1の振動可視化素子及び前記第2の振動可視化素子に向けて光又は電磁波を照射する照明装置と、
前記計測対象物と、前記第1の振動可視化素子及び前記第2の振動可視化素子と、を含む映像を撮影する撮影装置と、
前記撮影装置が撮影した前記映像における、前記第1の振動可視化素子及び前記第2の振動可視化素子のそれぞれからの反射光の輝度又は反射電磁波の量の変化に基づいて、前記第1の振動可視化素子及び前記第2の振動可視化素子のそれぞれにおける前記固定部と前記可動部との相対的な位置関係の変化を計測する振動計測装置と、
を備える、振動計測システム。
[項目14]
前記照明装置は、前記第1の振動可視化素子及び前記第2の振動可視化素子を照射することができる照射角を有する、項目13に記載の振動計測システム。
[項目15]
前記振動計測装置は、
前記反射光の輝度又は前記反射電磁波の量の変化を抽出する画像処理部と、
前記画像処理部によって抽出された前記反射光の輝度又は前記反射電磁波の量の変化を振動の大きさに対応する信号に変換する変換部と、
を備える、項目13又は14に記載の振動計測システム。
[項目16]
項目1〜12のいずれか1項に記載された振動可視化素子を用いて前記計測対象物の振動を計測する方法であって、
計測対象物に設置された前記振動可視化素子に向けて光又は電磁波を照射し、
前記計測対象物及び前記振動可視化素子を含む映像を撮影し、
前記映像における、前記振動可視化素子からの反射光の輝度又は反射電磁波の量の変化に基づいて、前記計測対象物の振動を計測する、
振動計測方法を提供する。
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施形態によって、本開示が限定されるものではない。同一又は類似の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。
(第1実施形態)
図1は、本開示の第1実施形態に係る振動計測システムの概略構成図である。本第1実施形態に係る振動計測システムは、振動可視化素子1と、照明装置2と、撮影装置3と、振動計測装置4と、を備えている。
振動可視化素子1は、橋梁やトンネルなどの計測対象物100に取り付けられ、当該計測対象物100に加わった振動(機械的振動)を可視化するものである。振動可視化素子1は、図1に示すように、筐体11と、光又は電磁波に対して再帰性反射性を有する光学部材12とを備えている。
光学部材12は、図2に示すように、互いに交差するように配置された3枚の鏡を備えている。本第1実施形態において、3枚の鏡のうちの1枚は、計測対象物100に加えられた振動に応じて動く可動鏡13である。3枚の鏡のうちの2枚は、固定鏡14である。2枚の固定鏡14の少なくとも1枚は、筐体11に固定される。可動鏡13は光学部材12の一部の一例である。固定鏡14は光学部材12の他の部分の一例である。可動鏡13は固定鏡14に対して振動に応じて相対的に動くように構成されている。筐体11は、例えば、樹脂、金属又はこれらの組合せで構成されている。
可動鏡13は、弾性部材の一例であるばね15を介して筐体11に接続されている。可動鏡13は、図1に示すように、計測対象物100に加わる振動10による慣性力を受けて、ばね15の弾性力により、一点鎖線で示す位置13aと点線で示す位置13bとの間で振動するように構成されている。計測対象物100に加わる振動10がゼロのとき、可動鏡13は、実線で示す位置13cに位置する。位置13cは、初期位置ともいう。
照明装置2は、振動可視化素子1に向けて光又は電磁波を照射する装置である。照明装置2としては、フリッカーが生じにくい光源、例えば、DC(直流)駆動のLEDなどの装置を用いてもよい。なお、照明装置2は、計測対象物100を照らす適度な照射角、及び撮影距離や環境に応じた明るさを有するものであれば、特別な照明装置でなくてもよい。例えば、照明装置2として、LED照明、HID照明、ハロゲン照明、水銀灯などを用いることができる。照明装置2は、例えば、白色LEDなどの光源と、出射光学系とを備え、出射光学系の出射口から光が出射されるように構成されてもよい。
撮影装置3は、図1に示すように、光学部材12によって再帰性反射方向に反射された反射光又は反射電磁波を含む映像を撮影する装置である。本第1実施形態において、撮影装置3は、照明装置2の近傍に配置されている。撮影装置3としては、例えば、カメラやレーダーを用いることができる。また、撮影装置3は、例えば、CMOS又はCCDと入射レンズとを備えたデジタルビデオカメラであってもよい。この場合、撮影装置3の入射レンズの中心と照明装置2の光の出射口の中心との間の距離は、1m以内であってもよく、50cm以内であってもよい。また、撮影装置3と照明装置2とは、撮影中に互いの位置関係が変わらないように、互いに結合して固定されていてもよい。これにより、撮影装置3が移動体に搭載されたり、風などの外乱で揺れたりしても、振動可視化素子1の再帰性反射特性により、安定した撮影、計測が可能となる。
なお、撮影装置3は、反射光又は反射電磁波の放射強度量の変化を撮影するのに十分なスピードの動画撮影を行えるものであればよい。なお、計測対象物100が橋梁のような大型の構造物である場合、当該構造物の固有振動数は数十Hz以下と遅い。このため、撮影装置3として一般的に普及しているデジタルカメラを用いても、十分なスピードの動画撮影を行うことができる。
振動計測装置4は、撮影装置3が撮影した映像に基づいて計測対象物100に加わった振動を計測する装置である。本第1実施形態において、振動計測装置4は、撮影した映像から振動可視化素子1の輝度の変化を抽出し、当該抽出した輝度の変化を振動の大きさに対応する信号に変換することで、計測対象物100に加わった振動を計測するように構成されている。具体的には、振動計測装置4は、撮影した映像から振動可視化素子1の輝度の変化を抽出する画像処理部4aと、抽出した輝度の変化を振動の大きさに対応する信号に変換する変換部4bとを備えている。振動計測装置4は、例えば、パーソナルコンピュータにインストールされたソフトウェアによって実現可能である。また、振動計測装置4は、例えば、ソフトウェア及び映像データを記憶するメモリと、プロセッサと、ディスプレイとを備えてもよい。
可動鏡13が2枚の固定鏡14に対して直交する位置に位置するとき、可動鏡13又は固定鏡14に入射した光又は電磁波は、図3の側面図では実線の矢印又は点線の矢印に示すように2回反射される。これら2回の反射による反射角の和と、可動鏡13と固定鏡14とが成す角度(90度)との合計は180度になる。このため、可動鏡13又は固定鏡14に反射された反射光又は反射電磁波は、入射方向と逆方向に進行する。以下、この入射方向と逆方向に進行する光又は電磁波の進行方向を「再帰性反射方向」という。なお、図4の斜視図のように可動鏡13と2枚の固定鏡14とを立体的に示した場合、照明装置2から照射された光又は電磁波は、3枚の鏡の内面に入射すると3回反射され、再帰性反射方向に反射される。
図1において、一点鎖線で示す位置13aは、固定鏡14に対して直交する位置に可動鏡13が位置している状態を示している。このとき、照明装置2から照射された光又は電磁波は、一点鎖線の矢印で示すように、位置13aに位置する可動鏡13及び固定鏡14に反射されて、再帰性反射方向A1に進行する。
図1において、実線で示す位置13cは、固定鏡14に対して直交する位置13aから角度θ/2ずれた位置に可動鏡13が位置している状態を示している。すなわち、実線で示す位置13cは、固定鏡14から90度+θ/2ずれた位置に可動鏡13が位置している状態を示している。このとき、照明装置2から照射された光又は電磁波は、実線の矢印で示すように、位置13cに位置する可動鏡13及び固定鏡14に反射されて反射方向B1に進行する。この反射方向B1は、再帰性反射方向A1に対して角度θずれる。
図1において、点線で示す位置13bは、固定鏡14に対して直交する位置13aから角度θずれた位置に可動鏡13が位置している状態を示している。すなわち、点線で示す位置13bは、固定鏡14から90度+θずれた位置に可動鏡13が位置している状態を示している。このとき、照明装置2から照射された光又は電磁波は、点線の矢印で示すように、位置13cに位置する可動鏡13及び固定鏡14に反射されて反射方向B2に進行する。この反射方向B2は、再帰性反射方向A1に対して角度2θずれる。
なお、図1では、説明を簡単にするために、照明装置2から照射された光又は電磁波が一本の線であるものとして示したが、実際には、照明装置2から照射された光又は電磁波は、光学部材12の全体に照射される。このため、図5の側面図に示すように、可動鏡13が位置13bに位置するとき、可動鏡13、固定鏡14の順に反射されて反射方向B2に進行する光又は電磁波と、固定鏡14、可動鏡13の順に反射されて反射方向B2aに進行する光又は電磁波とが存在する。反射方向B2は再帰性反射方向A1に対して角度+2θずれ、反射方向B2aは再帰性反射方向A1に対して角度−2θずれる。
また、図1では、反射光又は反射電磁波の反射方向A1,B1,B2をそれぞれ一本の線であるものとして記載したが、実際には、可動鏡13及び固定鏡14には僅かな凹凸、配置の誤差、角度のバラツキなどが存在する。このため、反射光又は反射電磁波は、拡散性を有する。この拡散性は、鏡の凹凸、配置の誤差、鏡の角度のバラツキの程度によって異なる。しかし基本的には、正規分布のような放射強度分布を示す。
すなわち、再帰性反射方向A1に反射される反射光又は反射電磁波は、再帰性反射方向A1を放射強度のピークとし、再帰性反射方向A1から離れるに従い放射強度が減衰するような拡散性を有する。この再帰性反射方向A1に反射される反射光の配光分布を、図1の横方向を放射強度の大きさ、図1の上下方向を方位として概念的に示したものが曲線9aである。同様に、反射方向B1,B2に反射される反射光又は反射電磁波は、当該反射方向B1,B2を放射強度のピークとし、当該反射方向B1,B2から離れるに従い放射強度が減衰するような拡散性を有する。この反射方向B1,B2に反射される反射光の配光分布を同様に概念的に示したものが曲線9c,9bである。
可動鏡13が初期位置13cに位置するとき、曲線9cに示すように、反射光の配光分布は、反射方向B1をピークとして拡散角φの角度範囲にある。この状態から可動鏡13が初期位置13cから位置13a又は位置13bに振動すると、反射光の配光分布は、曲線9a又は曲線9bのように変化する。
撮影装置3に入射する反射光の放射強度は、各曲線9a,9b,9cと再帰性反射方向A1とが交わる交点の強度となる。すなわち、可動鏡13が位置13aに位置するとき、曲線9aと再帰性反射方向A1とが交わる交点(丸印で示す)が、撮影装置3に入射する反射光の放射強度を示す。また、可動鏡13が位置13cに位置するとき、曲線9cと再帰性反射方向A1とが交わる交点(三角印で示す)が、撮影装置3に入射する反射光の放射強度を示す。また、可動鏡13が位置13bに位置するとき、曲線9bと再帰性反射方向A1とが交わる交点(四角印で示す)が、撮影装置3に入射する反射光の放射強度を示す。従って、可動鏡13が固定鏡14に対して直交する位置13aに位置するとき、撮影装置3に入射する反射光の放射強度が最大になる。一方、可動鏡13が位置13aから角度θずれた位置13bに位置するとき、撮影装置3に入射する反射光の放射強度がほぼゼロになる。
また、反射光の配光分布は、曲線9a,9b,9cに示すように、ピークから拡散角φの半分(φ/2)でゼロとなる。このため、再帰性反射方向A1に対する反射方向B2のズレ角度2θをφ/2と等しくしてもよい。この場合、可動鏡13が位置13aから位置13bに移動するに従い、撮影装置3が検出する輝度が暗くなる。これにより、輝度の変化の範囲をより一層大きくすることができる。
図6は、可動鏡13と固定鏡14とが成す角度と、撮影装置3が検出する輝度との関係を示す図である。合せて、計測対象物100の加速度と輝度との関係も示している。ここでいう加速度は、計測対象物100の振動10に起因する加速度であり、重力加速度を含まない。但し、静止時(振動10がゼロの時)の鏡の位置は重力の影響を受ける。すなわち、計測対象物100に取り付けられて重力を受けた状態で可動鏡13が所定の位置に位置するように、振動可視化素子1は設計又は調整されている。撮影装置3が検出する輝度は、図6に示すような特性曲線L1を描くように加速度に応じて変化する。
図6の設定1では、鏡の成す角度が90度のとき、加速度が最大+Gmaxになり、鏡の成す角度が(90±φ/4)度(=(90°±θ)度)のとき、加速度が最小−Gmaxになるように設定されている。図1に示す本第1実施形態に係る振動計測システムは、設定1のように構成されている。なお、+Gmaxは、所定方向の加速度の最大値であり、−Gmaxはその逆方向の加速度の最大値を意味する。
設定1において、加速度がゼロのとき、撮影装置3が検出する輝度は、輝度の最大値と最小値との間の値になっている。ここで、加速度がゼロであるとは、振動10がゼロであることを意味する。また、撮影装置3が検出する輝度は、反射光又は反射電磁波の放射強度に相関する。すなわち、設定1では、振動がゼロのときの放射強度が、放射強度の最大値と最小値との間の値になっている。
また、設定1では、加速度が−Gmaxから+Gmaxになるとき、撮影装置3が検出する輝度はS字状に単調に増加する。一方、加速度が−Gmaxから+Gmaxになるとき、撮影装置3が検出する輝度はS字状に単調に減少する。撮影装置3が撮影した映像から輝度の変化を抽出し、当該抽出した輝度の変化を示す特性曲線に対してγ補正を行うと、振動と輝度とは正比例の関係になる。これにより、前記抽出した輝度の変化を振動に変換することができ、撮影装置3が検出する輝度から計測対象物100の振動を計測することが可能になる。
なお、設定1において、図7Aに示すようなサイン波形の加速度変化を示す振動を振動可視化素子1に付与すると、図7Bに示すように、加速度変化と同様の輝度値変化を得ることができる。
図6の設定2では、鏡の成す角度が90度のとき、加速度がゼロになるように設定されている。設定2では、加速度がゼロになるタイミングで、輝度の増加と減少との関係が逆転する。このため、撮影装置3が検出する輝度は、設定1のときのように単調には増減せず、輝度に基づいて加速度を簡単に算出することができない。
なお、設定2において、図7Aに示すようなサイン波形の加速度変化を示す振動を振動可視化素子1に付与すると、図7Cに示すように、加速度がゼロのときに輝度が最大になり、加速度の波形の2倍の周期の波形で輝度値が変化することになる。
図6の設定3では、鏡の成す角度が(90+φ/4)度(=(90+θ)度)のとき、又は(90−φ/4)度(=(90−θ)度)のとき、加速度がゼロになるように設定されている。設定3では、鏡の成す角度が(90+φ/4)よりも大きくなると、又は(90−φ/4)度よりも小さくなると、輝度がほぼゼロとなるため加速度変化を検出することができない。
なお、設定3において、図7Aに示すようなサイン波形の加速度変化を示す振動を振動可視化素子1に付与すると、図7Dに示すように、加速度がゼロより小さいときに、輝度値がほぼゼロ(ノイズのみ)になり、正しい波形を再現できない。
このように、鏡の成す角度の動作範囲を適切に設定することにより、撮影装置3で検出した輝度(反射光又は反射電磁波の放射強度)から、振動を容易に測定することができる。鏡の成す角度の変化の範囲の設定は、振動がゼロのときの可動鏡13の位置を、再帰性反射方向A1の輝度が最大値と最小値との中間値(丁度真ん中の値)となるように設定してもよい。このとき、鏡の成す角度は、90度と(90+φ/4)度との中間の角度、又は90度と(90−φ/4)度との中間の角度に設定されることになる。その上で、適正な測定範囲を、輝度が最大、最小となる加速度に限定するように使用条件を決めることにより、加速度と輝度とは増減を示すことになり、正確な振動測定が可能となる。
なお、一般に(機械的)振動とは、計測対象物の変位、速度、加速度のいずれかの指標の毎秒毎の変化で示される。本開示においても、計測できる振動は、可動鏡13の固有振動数と計測対象物100の振動周波数帯域との関係で決まり、どの指標を使用するかは可動鏡13の固有振動数の設計により選択することができる。具体的には、可動鏡13の固有振動数より十分小さい周波数では、可動鏡13は加速度に比例して動く。可動鏡13の固有振動数より十分大きい周波数では、可動鏡13は変位に比例して動く。可動鏡13の固有振動数の近くでダンパーを作用させれば、可動鏡13は速度に比例して動く。変位、速度、加速度は、微分積分により相互に変換可能であるので、振動の計測は、変位計、速度計、加速度計のどれを用いてもよい。また、鏡の成す角度の設定を同様に行えば、振動検出を変位や速度で行っても同じ作用効果が得られる。
本第1実施形態によれば、光学部材12が再帰性反射特性を有しているので、1つの照明装置2で複数の光学部材12に光又は電磁波を照射することで、当該複数の光学部材12に反射された反射光又は反射電磁波を1つの撮影装置3で受けることができる。すなわち、計測対象物100に複数の振動可視化素子1を貼り付け、複数の振動可視化素子1に照明装置2から光又は電磁波を照射する。これにより、複数の振動可視化素子1により反射された反射光又は反射電磁波の放射強度の変化を、1つの撮影装置3で同時に計測することができる。これにより、計測対象物100の全体の振動の状態をより短時間かつ詳細に分析することが可能になり、計測対象物100に加わる振動10を可視化することができる。
また、本第1実施形態によれば、振動可視化素子1が電力を消費する部品は含まないので、電池を交換する必要性を無くして、メンテナンス回数をより少なくすることができる。また、振動可視化素子1の製造コストを安くすることができ、腐食などの劣化を抑えることができる。
また、本第1実施形態によれば、可動鏡13が固定鏡14に対して振動10に応じて相対的に動くことにより、光学部材12の再帰性反射方向への反射光又は反射電磁波の放射強度が変化するようにしている。また、振動10がゼロのときの放射強度が、放射強度の最大値と最小値との間の値になるように構成している。具体的には、例えば振動10がゼロのとき、可動鏡13と固定鏡14とが成す角度が90度よりも大きくなるように構成している。この構成によれば、反射光又は反射電磁波の放射強度を振動10に応じてより大きな範囲で増減させることができるので、振動10をより容易に計測することができる。
また、本第1実施形態によれば、光学部材12が、予め設定された計測可能範囲の振動10の増減に応じて反射光又は反射電磁波の放射強度が増減するように構成(すなわち、設定1)されている。具体的には、振動10により変化する可動鏡13と固定鏡14とが成す角度の最小値が90度以上になるように構成している。この構成によれば、反射光又は反射電磁波の放射強度を振動10に応じてより一層大きな範囲で増減させることができるので、振動10をより一層容易に計測することができる。
なお、本第1実施形態では、振動10がゼロのとき、可動鏡13と固定鏡14とが成す角度が90度よりも大きくなるように構成したが、本開示はこれに限定されない。例えば、振動10がゼロのとき、可動鏡13と固定鏡14とが成す角度が90度よりも小さくなるように構成してもよい。この構成によっても同様の効果を得ることができる。
また、本第1実施形態では、振動10により変化する可動鏡13と固定鏡14とが成す角度の最小値が90度以上になるように構成したが、本開示はこれに限定されない。例えば、振動10により変化する可動鏡13と固定鏡14とが成す角度の最大値が90度以下になるように構成してもよい。この構成によっても同様の効果を得ることができる。
また、本第1実施形態では、振動可視化素子1が、3枚の鏡を備える光学部材12を1つ備えるものとしたが、本開示はこれに限定されない。振動可視化素子1は、例えば、図8A及び図8Bに示すように、光学部材12を複数敷き詰めるように備えてもよい。この構成によれば、光又は電磁波の反射面積を増加させて、計測対象物100の振動計測をより遠距離からでも正確に行うことができる。
なお、図8Aは、複数の光学部材12のそれぞれの可動鏡13をZ方向に振動するように配置した図である。図8Aに示す振動可視化素子1Aによれば、Z方向の振動に対して感度を有することができる。また、図8Bは、複数の光学部材12のそれぞれの可動鏡13をY方向に振動するように配置した図である。図8Bに示す振動可視化素子1Bによれば、Y方向の振動に対して感度を有することができる。
なお、図8Aの例では、2枚の固定鏡14の接続辺のZ方向の端部と可動鏡13の1つの角部とを、ばね15(例えば、板ばね)によって接続するように構成している。また、図8Bの例では、2枚の固定鏡14の接続辺のY方向の端部と可動鏡13の1つの角部とを、ばね15(例えば、板ばね)によって接続するように構成している。しかしながら、本開示はこれに限定されない。可動鏡13は、2枚の固定鏡14に弾性部材を介して接続されてもよい。例えば、2枚の固定鏡14のいずれか一方の1辺と可動鏡13の1辺とを、弾性部材(例えば、板ばね、ヒンジ、トーションばね等)で接続するように構成してもよい。
また、図8A及び図8Bの例では、可動鏡13と2枚の固定鏡14との間に、可動鏡13と2枚の固定鏡14とが衝突しないように隙間を設けているが、本開示はこれに限定されない。例えば、可動鏡13と2枚の固定鏡14とが直接衝突しないように、可動鏡13又は2枚の固定鏡14に緩衝材を設けてもよい。
また、図8Aに示す振動可視化素子(第1振動可視化素子の一例)1Aと、図8Bに示す振動可視化素子(第2振動可視化素子の一例)1Bの前方(照明装置2側)にそれぞれに異なる色のカラーフィルタを配置してもよい。互いに異なる色のカラーフィルタは、例えば、透過波長帯が異なる第1及び第2のカラーフィルタである。第1のカラーフィルタは、少なくとも振動可視化素子1Aに入射する光又は電磁波の進路上又は振動可視化素子1Aから出射される反射光又は反射電磁波の進路上に配置されてもよい。第2のカラーフィルタは、少なくとも振動可視化素子1Aに入射する光又は電磁波の進路上又は振動可視化素子1Aから出射される反射光又は反射電磁波の進路上に配置されてもよい。例えば、振動可視化素子1Aの前方に赤色のカラーフィルタを配置する一方で、振動可視化素子1Bの前方に青色のカラーフィルタを配置してもよい。
この構成によれば、振動可視化素子1Aの可動鏡13がZ方向に振動したとき、振動可視化素子1Aが赤色に点滅して見える。この振動可視化素子1Aを計測対象物100に取り付けることにより、計測対象物100のZ方向の振動を計測することが可能になる。また、前記構成によれば、振動可視化素子1Bの可動鏡13がY方向に振動したとき、振動可視化素子1Bが青色に点滅して見える。この振動可視化素子1Bを計測対象物100に取り付けることにより、計測対象物100のZ方向の振動を計測することが可能になる。また、それらの振動可視化素子1A,1Bを計測対象物100の全体に分散して配置すれば、計測対象物100の2軸方向(Y,Z方向)の振動を独立して計測することが可能になる。
また、X方向の振動に対して感度を有する振動可視化素子を作成し、当該振動可視化素子の前方に赤色及び青色とは異なる色(例えば、緑色)のカラーフィルタを配置してもよい。この振動可視化素子と振動可視化素子1A,1Bを、計測対象物100の全体に分散して配置すれば、計測対象物100の3軸方向(X,Y,Z方向)の振動を独立して計測することが可能になる。
なお、光学部材12が風や腐食などの計測対象物100の振動以外の要因の影響を受けた場合には、計測対象物100の振動を正確に計測することができない。このため、光学部材12を覆うようにカバーを設けるなどして、光学部材12を封止してもよい。また、光学部材12又はカバーの表面は、防汚表面処理などが施されてもよい。
なお、振動可視化素子1A,1Bの形状は、図8A及び図8Bに示す形状に限定されるものではなく、種々の形状とすることができる。例えば、振動可視化素子1A,1Bの形状を三角形や四角形などの図形や、文字を示す形にしてもよい。この場合、振動可視化素子1Aと振動可視化素子1Bとで形状を異ならせ、計測対象物100の全体に分散して配置すれば、計測対象物100の2軸方向の振動を独立して計測することが可能になる。また、X方向の振動に対して感度を有する振動可視化素子を、振動可視化素子1A,1Bの形状と異なる形状に形成してもよい。この振動可視化素子と振動可視化素子1A,1Bを、計測対象物100の全体に分散して配置すれば、計測対象物100の3軸方向(X,Y,Z方向)の振動を独立して計測することが可能になる。
また、本第1実施形態では、光学部材12が備える3枚の鏡のうちの1枚を可動鏡13とし、2枚を固定鏡14としたが、本開示はこれに限定されない。例えば、光学部材12が備える3枚の鏡のうちの2枚を可動鏡13とし、1枚を固定鏡14としてもよい。この場合、2枚の可動鏡13は、固定鏡14の2辺に弾性部材(例えば、板ばね)で接続されてもよい。また、2枚の可動鏡13が互いに直接衝突しないように、2枚の可動鏡13と固定鏡14との間に隙間が設けられてもよい。また、2枚の可動鏡13が互いに直接衝突しないように、2枚の可動鏡13に緩衝材を設けてもよい。この構成によれば、2軸方向の振動に対して感度を有することができる。但し、この構成では、1台の撮影装置3では、振動方向を検出することが困難である。この場合、2台以上の撮影装置3を設置してもよい。例えば、再帰性反射方向に対してZ方向にずれて反射方向B1に進む光又は電磁波を検出するために、図1に示す撮影装置3の上方にもう1台の撮影装置3を設置してもよい。この構成によれば、Z方向の振動成分を同定でき、撮影装置3の検出信号からZ成分を除くことで、Y方向の成分を抽出することができる。
また、本第1実施形態では、光学部材12が備える3枚の鏡を備えるものとしたが、本開示はこれに限定されない。例えば、光学部材12は、1枚の可動鏡13と1枚の固定鏡14の2枚の鏡を備えるものであってもよい。この場合、光学部材12に対して斜めから入射した光又は電磁波に対して再帰性反射することはできないが、光学部材12に対して垂直に入射した光又は電磁波に対しては再帰性反射することができる。
また、例えば、図2では、可動鏡13及び固定鏡14の形状を矩形として示したが、本開示はこれに限定されない。例えば、可動鏡13及び固定鏡14の形状は三角形であってもよい。
なお、可動鏡13、固定鏡14、及びばね15は、例えば、ステンレスなどの金属箔(数μmから100μm程度の厚さ)をレーザなどで切断、折り曲げ、接着、溶接などで加工することにより作成することができる。また、可動鏡13及び固定鏡14は、例えば、プラスチックの金型成形で本体を形成し、当該本体の表面にアルミニウムなどを蒸着することにより鏡面を形成してもよい。また、ばね15の一端部及び固定鏡14を支持する振動可視化素子1の筐体11は、プラスチックの金型成形などにより正確に角度、形状を作成してもよい。
なお、照明装置2が電磁波を照射するものである場合、当該電磁波は光よりも波長の長い電磁波であってもよい。また、この場合、可動鏡13及び固定鏡14のフラットな状態の鏡面のサイズは、電磁波の波長より大きくてもよい。これにより、照明装置2が光を照射する場合と同様に取り扱うことができる。なお、波長の長い電磁波を用いた場合、より離れた場所、例えば衛星からでも振動計測が可能となる。
次に、本第1実施形態に係る振動計測システムを用いた振動計測方法について説明する。図9は、当該振動計測方法のフローチャートである。ここでは、図10に示すように、計測対象物100が橋梁であるとする。また、以下では説明を簡単にするため、照明装置2は光のみを照射するものとし、電磁波についての説明は省略する。
まず、ステップS1では、計測対象物100に複数の振動可視化素子1を取り付ける。
なお、計測対象物100の種類や構造に依存するが、計測対象物100の全体の振動モードが推定できるように、振動可視化素子1を計測対象物100の劣化し易い部分を中心として分散させて設置してもよい。本第1実施形態に係る振動可視化素子1は、消費電力が大きい部品を含まないので、計測対象物100に一旦取り付ければ長期間使用することができる。このため、計測対象物100から外れないように、振動可視化素子1を計測対象物100にしっかり固定してもよい。
次に、ステップS2では、図10に示すように、計測対象物100に向けて照明装置2から光を照射し、振動可視化素子1の光学部材12によって再帰性反射方向に反射された反射光を含む映像を、撮影装置3により撮影する。
なお、ステップS2において、撮影装置3により撮影する映像は、複数の振動可視化素子が計測対象物100の振動に応じて明滅する映像となる。計測対象物100が橋梁である場合、橋梁の振動は、主に、Z方向(すなわち、鉛直方向)とY方向(すなわち、橋の長軸方向)の2軸方向の成分からなることが知られている。このため、図8Aに示す振動可視化素子1Aと図8Bに示す振動可視化素子1Bとを、橋梁の全体に分散して配置する。これにより、Z方向とY方向の2軸方向の振動計測を行うことができる。
次に、ステップS3では、振動計測装置4が、撮影装置3が撮影した映像に基づいて計測対象物100の振動を計測する。例えば、振動計測装置4は、撮影装置3により撮影された映像の各フレームの画像から特定位置の画素の輝度変化をサンプリングするなどの画像処理を行う。これにより、映像に映っている複数の振動可視化素子1の振動波形を抽出することができ、計測対象物100の複数箇所の振動の周波数、位相、及び振幅を計測することができる。
本第1実施形態に係る振動計測方法によれば、計測対象物100の振動に応じて複数の振動可視化素子1が明滅するので、計測対象物100の当該振動を目視により観測することもできる。また、振動可視化素子1に再帰性反射される反射光は、高い指向性を有しているので、例えば、計測対象物100から数百m離れた位置からでも観測することが可能である。また、撮影装置3自体が微振動するなどして多少の焦点のボケやブレが生じた場合であっても、反射光の輝度の変化を検知することができれば、計測対象物100の振動を計測することができる。したがって、本第1実施形態に係る振動計測方法は、従来の方法に比べてノイズや環境の変化に対して強い計測方法であると言える。
なお、振動計測装置4は、計測した計測対象物100の振動データを蓄積して記憶する記憶部と、文字や音等により異常を報知する報知部を備えてもよい。記憶部は、例えば、半導体メモリである。報知部は、例えば、モニタ及び/又はスピーカである。この構成によれば、記憶部に蓄積された過去の振動データと今回計測した振動データとを比較することで、計測対象物100の異常箇所及び程度を検出することが可能になる。また、当該検出結果に基づいて報知部が管理者に異常を報知することで、計測対象物100に対する早期のメンテナンスを可能にすることができる。
なお、ステップS2において、照明装置2から照射する光は、計測対象物100の振動周波数付近で周期的に点滅させてもよい。この場合、ストロボ撮影により、計測対象物100の振動周波数とストロボの周波数との差分周波数がうねるように振動するので、当該うねりから振動数の詳細な周波数の同定を行うことが可能になる。
なお、照明装置2及び撮影装置3は、計測対象物100から離れた位置で固定されてもよいし、車やヘリコプターなどの移動体に設置されてもよい。照明装置2及び撮影装置3を計測対象物100から離れた位置に固定する場合は、例えば、安全や演出のために橋梁を照らしている照明装置の横に設置してもよい。これにより、定点観測が行える。
また、照明装置2及び撮影装置3を車に設置し、車の通行によって振動を励起する場合には、車の重量や速度を一定にしておくことにより、計測対象物100の振動を安定して計測することができる。なお、車などの移動体に搭載された撮影装置3で撮影した場合には、撮影した映像の中で振動可視化素子1の位置は移動するが、一旦位置を同定すれば、画像処理で特徴を抽出して追跡することは容易である。
なお、一般的に普及しているデジタルカメラで可視光による撮影を行う場合は、太陽光による影響が少ない状況、例えば、夜間に撮影を行う方がよい。この場合、撮影装置3が撮影した映像には、例えば、図11に示すように、照明装置2により薄暗く照らされた計測対象物100と、再帰性反射により明るく光る振動可視化素子1と、街灯やビルの明かりなどの背景が含まれる。この映像から複数の振動可視化素子1の位置を抽出する必要がある。この場合、例えば、振動計測の開始時又は振動計測中において、照明装置2の光を点滅させる。このようにすれば、照明装置2の光と同期して点滅する部分を特定することにより、振動可視化素子1の位置を同定することが可能である。すなわち、照明装置2から複数の振動可視化素子1に光を点滅させて照射し、撮影装置によって反射光を含む映像を撮影する。撮影した映像において、照明装置2からの光の点滅と同期して点滅する周囲よりも明るい部分を特定することにより、複数の振動可視化素子1の位置を同定することができる。
なお、照明装置2として、水分子の吸収により、地上での太陽光のスペクトルが弱い波長域、例えば1.35μm付近や1.15μm付近の光を発光するLEDを使用してもよい。この場合、太陽光による影響を少なくすることができ、昼間でもSN比の高い振動計測が可能になる。
(第2実施形態)
図12A及び図12Bは、本開示の第2実施形態に係る振動計測システムが備える振動可視化素子の概略構成図である。
本第2実施形態に係る振動計測システムが前記第1実施形態に係る振動計測システムと異なる点は、光学部材12に代えて、コーナーキューブ型構造を有する光学部材21を備えている点である。その他の点は前記第1実施形態と同様である。
光学部材21は、コーナーキューブ22と、当該コーナーキューブ22の頂部に接触してコーナーキューブ22を変形させることが可能な変形部材23とを備えている。変形部材23は光学部材21の一部の一例であり、コーナーキューブ22は光学部材21の他の部分の一例である。
コーナーキューブ22は、シリコーンゴムやゲルなどの透明で柔軟な樹脂で形成され、立方体の角部を形成する3つの反射面を有している。コーナーキューブ22は、当該3つの反射面で再帰性反射を行うことが可能である。また、コーナーキューブ22は、振動可視化素子1の筐体11の内面に取り付けられている。
変形部材23は、コーナーキューブ22の3つの反射面の少なくとも1つの平面度を振動10に応じて変化させるように構成されている。変形部材23は、錘24に取り付けられている。錘24は、例えば、平板状に形成されている。錘24の両端部は、弾性部材の一例であるばね25を介して振動可視化素子1の筐体11に取り付けられている。本第2実施形態において、筐体11は、光又は電磁波を透過する部材で構成されている。
図12Aは、振動可視化素子1の筐体11が静止しているとき、すなわち、振動可視化素子1に加わる振動10がゼロのときの状態を示している。本第2実施形態においては、振動10がゼロのときの反射光又は反射電磁波の放射強度が、放射強度の最大値と最小値との間の値になるように構成している。具体的には、コーナーキューブ22の頂部が変形部材23により変形され、コーナーキューブ22の3つの反射面の少なくとも1つの平面度が、振動10により変化する平面度の最大と最小との間(例えば、中間)の平面度になるように構成されている。これにより、コーナーキューブ22の面と空気との界面で反射された反射光又は反射電磁波の反射方向B3が再帰性反射方向A1からずれる。
図12Bは、予め設定された計測可能範囲の最大振幅の振動10が振動可視化素子1に加わった状態の一例を示している。このとき、変形部材23によるコーナーキューブ22の頂部の変形が抑えられ、コーナーキューブ22の3つの反射面の少なくとも1つの平面度が最小になっている。図12Bは、コーナーキューブ22の3つの反射面の少なくとも1つが平坦になっている状態を示している。この場合、照明装置2から照射された光又は電磁波は、筐体11を通過してコーナーキューブ22に入射し、コーナーキューブ22の面と空気との界面で全反射される。その後、当該光又は電磁波は、コーナーキューブ22の内部及び筐体11を通って、再帰性反射方向A1に進行する。このとき、再帰性反射方向A1における反射光又は反射電磁波の放射強度は最大となる。
一方、予め設定された計測可能範囲の最大振幅の振動10が振動可視化素子1に加わり、コーナーキューブ22の頂部が変形部材23によって図12Aの状態よりも更に変形された場合、コーナーキューブ22の反射面の少なくとも1つの平面度が最大になる。これにより、コーナーキューブ22の反射面に反射された反射光又は反射電磁波の反射方向(図示せず)は、反射方向B3よりも再帰性反射方向A1からずれる。これにより、再帰性反射方向A1における反射光又は反射電磁波の放射強度は最小となる。
なお、図12A及び図12Bでは、反射光又は反射電磁波の反射方向A1,B3をそれぞれ一本の線であるものとして記載したが、実際には、コーナーキューブ22の3つの反射面には僅かな凹凸、配置の誤差などが存在する。このため、反射光又は反射電磁波は、拡散性を有する。この拡散性は、コーナーキューブ22の反射面の凹凸、配置の誤差の程度によって異なるが、基本的には、図1を用いて説明した曲線9a〜9cと同様に正規分布のような放射強度分布を示す。従って、振動可視化素子1の筐体11が振動し、それに応じて光学部材21のコーナーキューブ22が振動すると、撮影装置3が受ける再帰性反射方向A1における反射光又は反射電磁波の放射強度が増減する。この反射光又は反射電磁波の放射強度の変化に基づいて、計測対象物100の振動計測を行うことが可能になる。
また、本第2実施形態において、光学部材21は、複数敷き詰めるように配置されている。各光学部材21のコーナーキューブ22は、図12A及び図12Bに示すように、互いに一部を共有するように連結されている。すなわち、複数の光学部材21は、プリズム状のシートで構成されている。各光学部材21の変形部材23は、一枚の平板状に一体化されている。
本第2実施形態によれば、光学部材21が再帰性反射特性を有しているので、1つの照明装置2で複数の光学部材21に光又は電磁波を照射することで、当該複数の光学部材21に反射された反射光又は反射電磁波を1つの撮影装置3で受けることができる。すなわち、計測対象物100に複数の振動可視化素子1を貼り付け、それらの振動可視化素子1に照明装置2から光又は電磁波を照射することで、それらの振動可視化素子1により反射された反射光又は反射電磁波の放射強度の変化を撮影装置3で同時に計測することができる。これにより、計測対象物100の全体の振動計測をより短時間かつ詳細に分析することが可能になり、計測対象物100に加わる振動10を可視化することができる。
また、本第2実施形態によれば、振動可視化素子1が電力を消費する部品は含まないので、電池を交換する必要性を無くして、メンテナンス回数をより少なくすることができる。また、振動可視化素子1の製造コストを安くすることができ、腐食などの劣化を抑えることができる。
また、本第2実施形態によれば、変形部材23がコーナーキューブ22に対して振動10に応じて相対的に動くことにより、光学部材21の再帰性反射方向への反射光又は反射電磁波の放射強度が変化するようにしている。また、振動10がゼロのときの放射強度が、放射強度の最大値と最小値との間の値になるように構成している。この構成によれば、反射光又は反射電磁波の放射強度を振動10に応じてより大きな範囲で増減させることができるので、振動10をより容易に計測することができる。
また、本第2実施形態によれば、光学部材12が、予め設定された計測可能範囲の振動10の増減に応じて反射光又は反射電磁波の放射強度が増減するように構成されている。この構成によれば、反射光又は反射電磁波の放射強度を振動10に応じてより一層大きな範囲で増減させることができるので、振動10をより一層容易に計測することができる。
なお、本第2実施形態では、各光学部材の変形部材23は、一枚の平板状に一体化されているものとしたが、本開示はこれに限定されない。変形部材は、振動可視化素子1の振動に応じてコーナーキューブ22の3つの反射面の少なくとも1つの平面度を変化させ、反射光又は反射電磁波の反射方向B4を再帰性反射方向A1からずらすことが可能なものであればよい。例えば、変形部材は、図13A及び図13Bに示すように、錘24の表面からコーナーキューブ22側へ突出する突起部26であってもよい。振動可視化素子1の振動に応じて突起部26がコーナーキューブ22の一部に接触して、コーナーキューブ22の3つの反射面の少なくとも1つの平面度を変化させることで、本第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第3実施形態)
図14A及び図14Bは、本開示の第3実施形態に係る振動計測システムが備える振動可視化素子の概略構成図である。
本第3実施形態に係る振動計測システムが第1実施形態に係る振動計測システムと異なる点は、光学部材12に代えて、ビーズ型構造を有する光学部材31を備えている点である。その他の点は第1実施形態と同様である。
光学部材31は、球状レンズ32と、球状レンズ32の後方(照明装置2より離れる側)に配置され、球状レンズ32とは独立して移動可能な凹面反射材33とを備えている。図14Aの状態では、凹面反射材33は、球状レンズ32と同心円の凹面を有している。すなわち、凹面反射材33は、部分的に球状の形状を有する。球状レンズ32は光学部材31の一部の一例であり、凹面反射材33は光学部材31の他の部分の一例である。本第3実施形態において、球状レンズ32の曲率中心P1と凹面反射材の曲率中心P2との距離D1は、振動10に応じて変化するように構成されている。
図14Aは、振動可視化素子1の筐体11が静止しているとき、すなわち、振動可視化素子1に加わる振動10がゼロのときの状態を示している。本第3実施形態においては、振動10がゼロのときの反射光又は反射電磁波の放射強度が、放射強度の最大値と最小値との間の値になるように構成している。具体的には、球状レンズ32と凹面反射材33とは、振動10がゼロのとき、振動10により変化する距離D1の最大と最小との間(例えば、中間)の距離となるように配置されている。これにより、凹面反射材33に反射された反射光又は反射電磁波の反射方向B5は再帰性反射方向A1からずれている。
図14Bは、予め設定された計測可能範囲の最大振幅の振動10が振動可視化素子1に加わった状態の一例を示している。振動10が予め設定された計測可能範囲のうち、所定方向において最大となるとき、球状レンズ32の曲率中心P1と凹面反射材の曲率中心P2との距離D1は最大となる。振動10が予め設定された計測可能範囲のうち、所定方向とは逆方向において最大となるとき、距離D1は最小となる。図14Bは、距離D1がゼロである状態を示している。この場合、照明装置2から照射された光又は電磁波は、球状レンズ32を通過して凹面反射材33上で集光される。その後、当該光又は電磁波は、凹面反射材33に反射されて再び球状レンズ32に入射し、球状レンズ32の球中心に対して対称な経路を通って、再帰性反射方向A1に進行する。このとき、再帰性反射方向A1における反射光又は反射電磁波の放射強度は最大となる。
一方、距離D1が最大(例えば、図14Aに示す距離D1の2倍の距離)となる場合、凹面反射材33に反射された反射光又は反射電磁波の反射方向(図示せず)は、反射方向B5よりも再帰性反射方向A1からずれる。これにより、再帰性反射方向A1における反射光又は反射電磁波の放射強度は最小となる。
なお、図14A及び図14Bでは、反射光又は反射電磁波の反射方向A1,B5をそれぞれ一本の線であるものとして記載したが、実際には、球状レンズ32又は凹面反射材33には僅かな凹凸、配置の誤差などが存在する。このため、反射光又は反射電磁波は、拡散性を有する。この拡散性は、球状レンズの凹凸、配置の誤差の程度によって異なるが、基本的には、図1を用いて説明した曲線9a〜9cと同様に、正規分布のような放射強度分布を示す。従って、振動可視化素子1の筐体11が振動し、それに応じて光学部材31の凹面反射材33が振動すると、撮影装置3が受ける再帰性反射方向A1における反射光又は反射電磁波の放射強度が増減する。この反射光又は反射電磁波の放射強度の変化に基づいて、計測対象物100の振動計測を行うことが可能になる。
また、本第3実施形態において、光学部材31は、複数の球状レンズ32が敷き詰めるように配置されている。各光学部材31の球状レンズ32は、図14A及び図14Bに示すように、支持部材34によりそれぞれ支持されている。支持部材34は、例えば、球状レンズ32を受け容れる複数の穴を有する板状の部材であり、弾性部材の一例であるばね35を介して振動可視化素子1の筐体11に取り付けられている。支持部材34は、例えば、樹脂、金属またはこれらの組合せで構成される。
本第3実施形態によれば、光学部材31が再帰性反射特性を有している。したがって、1つの照明装置2で複数の光学部材31に光又は電磁波を照射することで、複数の光学部材31によって反射される反射光又は反射電磁波を1つの撮影装置3で受けることができる。すなわち、計測対象物100に複数の振動可視化素子1を貼り付け、それらの振動可視化素子1に照明装置2から光又は電磁波を照射することで、それらの振動可視化素子1により反射された反射光又は反射電磁波の放射強度の変化を撮影装置3で同時に計測することができる。これにより、計測対象物100の全体の振動計測をより短時間かつ詳細に分析することが可能になり、計測対象物100に加わる振動10を可視化することができる。
また、本第3実施形態によれば、振動可視化素子1が電力消費する部品は含まないので、電池を交換する必要性を無くして、メンテナンス回数をより少なくすることができる。また、振動可視化素子1の製造コストを安くすることができ、腐食などの劣化を抑えることができる。
また、本第3実施形態によれば、振動10に応じて、球状レンズ32が凹面反射材33に対して相対的に動くことにより、光学部材31の再帰性反射方向A1への反射光又は反射電磁波の放射強度が変化するようにしている。また、振動10がゼロのときの反射光又は反射電磁波の放射強度が、放射強度の最大値と最小値との間の値になるように構成している。具体的には、振動10がゼロのとき、球状レンズ32の曲率中心P1と凹面反射材の曲率中心P2とが互いにずれるように構成している。この構成によれば、反射光又は反射電磁波の放射強度を、振動10に応じてより大きな範囲で増減させることができるので、振動10をより容易に計測することができる。
また、本第3実施形態によれば、光学部材31が、予め設定された計測可能範囲の振動10に応じて反射光又は反射電磁波の放射強度が増減するように構成されている。この構成によれば、振動10に応じて、反射光又は反射電磁波の放射強度をより一層大きな範囲で増減させることができるので、振動10をより一層容易に計測することができる。
(実施例)
実施例に係る振動可視化素子は、前記第1実施形態に係る振動可視化素子1と同様の構成を有するように構成した。すなわち、実施例に係る振動可視化素子は、可動鏡13と、固定鏡14と、ばね15とを備えている。実施例に係る振動可視化素子において、可動鏡13と固定鏡14とばね15とは、3Dプリンタを用いて樹脂成形した。可動鏡13と固定鏡14とは、アルミを蒸着した薄いガラス鏡を備えるように構成した。ばね15は、可動鏡13の固有振動数が56Hzになるように構成した。
また、固定鏡14の裏面には、可動鏡13と固定鏡14とが成す角度を微調整できるように調整機構を設けた。この調整機構により、振動を加えない状態における可動鏡13と固定鏡14とが成す角度を、撮影装置3の輝度が最大となる角度と撮影装置3の輝度がほぼゼロになる角度との中間の角度になるように調整した。
このような構成を有する実施例に係る振動可視化素子を加振器に取り付け、信号発生器から3.0Hzのサイン波を加振器に入力して振動を発生させた。当該振動と同一条件の振動を市販のMEMS型加速度計で計測したところ、加速度のピーク値が±0.010m/sのサイン波の振動が加振器より発生されていることを確認した。
実施例において、撮影装置3は、市販のデジタルカメラを使用した。照明装置2は、白色のLEDビデオライトを使用し、撮影装置3の上部の装着部に装着した。その後、実施例に係る振動可視化素子に照明装置2からLED光を照射しながら、撮影装置3により120フレーム/秒の動画を撮影した。
撮影された動画の映像には、実施例に係る振動可視化素子が3Hzで明暗を繰り返す様子が撮影されていた。当該映像からフレーム毎に実施例に係る振動可視化素子の部分の画素領域のデータを抽出し、当該画素領域のRGBの輝度を積算して、実施例に係る振動可視化素子の輝度値を得た。図15は、このようにして得られた輝度値の変化を示すグラフである。
図15に示すように、輝度値の変化を示す波形120は、僅かにノイズがあるものの、3Hzのサイン波形となっている。なお、ノイズの大きさは、市販のMEMS型加速度計よりも小さかった。また、図15の波形120に対してFFT(高速フーリエ変換)によりパワースペクトルを計算したところ、図16に示すように、正確に3.0Hzに単一のピークを有することを確認した。これにより、振動の波形を計測できることが確認された。また、加振器への入力信号を変えて、振動の振幅、周波数を変えると、それに応じて輝度値も変化し、40Hz程度までの周波数帯域で、加振器の振動強度に対応する振動の波形を計測することができた。
なお、静止時における可動鏡13と固定鏡14とが成す角度を直角に近づけると、波形の上端に歪みが生じた。また、静止時における可動鏡13と固定鏡14とが成す角度を直角にすると、輝度値の波形は、サイン波の絶対値に相当する波形となった。従って、振動(本実施例では加速度)の波形を輝度値から復元するには、本開示の振動可視化素子のように、静止時における可動鏡13と固定鏡14とが成す角度を、撮影装置3への放射強度が最大値と最小値との間の値になるように設定してもよいことが分かった。
以上のようにして、本開示に係る振動可視化素子を計測対象物に貼り付けることで、遠方から振動計測を行えることを確認した。
なお、前記様々な実施形態のうちの任意の実施形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
本開示は、添付図面を参照しながら幾つかの実施の形態に関連して充分に記載されているが、この技術に熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した請求の範囲による本開示の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。
本開示は、計測対象物全体の振動計測をより短時間で行うことを可能にするとともに、メンテナンスの回数をより少なくすることができる。したがって、橋梁やトンネルなどの公共の構造物のみならず、機械、ビルなどの健全度の評価、監視に有用である。また、振動可視化素子のサイズを大きくすれば、航空機や衛星から計測対象物全体の振動計測を行うこともでき、地震の計測、監視にも応用可能である。
1 振動可視化素子
2 照明装置
3 撮影装置
4 振動計測装置
4a 画像処理部
4b 変換部
10 振動
11 筐体
12 光学部材
13 可動鏡
14 固定鏡
15 ばね(弾性部材)
21 光学部材
22 コーナーキューブ
23 変形部材
24 錘
25 ばね(弾性部材)
26 突起部
31 光学部材
32 球状レンズ
33 凹面反射材
34 支持部材
35 ばね(弾性部材)
100 計測対象物

Claims (16)

  1. 計測対象物との相対的な位置関係が固定される固定部と、
    前記固定部に所定方向の加速度が加わることにより、前記固定部との相対的な位置関係が変化するように、前記固定部に可動に支持される可動部と、
    を有する光学部材を備え、
    前記光学部材は、前記固定部と前記可動部との位置関係の変化に応じて、再帰性反射方向へ反射する光又は電磁波の反射強度を変化させ、
    前記固定部に前記加速度が加わっておらず、前記固定部と前記可動部との位置関係が一定である静止状態において、前記固定部と前記可動部との位置関係は、再帰性反射させるための位置関係からずれている、振動可視化素子。
  2. 前記光学部材は、固定部と前記可動部との位置関係の変化に応じて、再帰性反射方向へ反射する光又は電磁波の反射強度が単調に変化するように構成されている、請求項1に記載の振動可視化素子。
  3. 前記光学部材は、それぞれの鏡面が互いに交差して向き合う、第1の鏡、第2の鏡、及び第3の鏡を備え、
    前記第1の鏡は、前記固定部に含まれ、
    前記第2の鏡は、前記可動部に含まれ、
    前記第2の鏡は、前記固定部に前記加速度が加わることにより前記第1の鏡とのなす角度が変化するように支持されており、
    前記静止状態において、前記第1の鏡と前記第2の鏡とのなす角度は直角からずれている、請求項1に記載の振動可視化素子。
  4. 前記第2の鏡は、弾性部材を介して前記固定部に接続されている、請求項3に記載の振動可視化素子。
  5. 前記光学部材は、前記第1の鏡と前記第2の鏡とのなす角度の変化に応じて、再帰性反射方向へ反射する光又は電磁波の反射強度が単調に変化するように構成されている、請求項3又は4に記載の振動可視化素子。
  6. 前記静止状態において、前記第1の鏡と前記第2の鏡とのなす角度は90度よりも大きく、
    前記固定部に前記加速度が加わり前記固定部と前記可動部との位置関係が変化する変位状態において、前記第1の鏡と前記第2の鏡とのなす角度は90度以上である、請求項3〜5のいずれか1項に記載の振動可視化素子。
  7. 前記静止状態において、前記第1の鏡と前記第2の鏡とのなす角度は90度よりも小さく、
    前記固定部に前記加速度が加わり前記固定部と前記可動部との位置関係が変化する変位状態において、前記第1の鏡と前記第2の鏡とのなす角度は90度以下である、請求項3〜5のいずれか1項に記載の振動可視化素子。
  8. 前記光学部材は、それぞれが互いに直交する3つの反射面を有するコーナーキューブと、前記コーナーキューブに接触する変形部材と、を備え、
    前記コーナーキューブの少なくとも一部は、前記固定部に含まれ、
    前記変形部材は、前記可動部に含まれ、
    前記変形部材は、前記固定部に前記加速度が加わることにより前記コーナーキューブの前記3つの反射面のうちの少なくとも1つを変形させるように、前記固定部に支持されており、
    前記静止状態において、前記コーナーキューブの3つの反射面のうちの前記少なくとも1つは前記変形部材によって変形されている、請求項1に記載の振動可視化素子。
  9. 前記光学部材は、前記コーナーキューブの3つの反射面のうちの前記少なくとも1つの変形量に応じて、再帰性反射方向へ反射する光又は電磁波の反射強度が単調に変化するように構成されている、請求項8に記載の振動可視化素子。
  10. 前記光学部材は、球状レンズと、前記球状レンズの後方に位置する凹面反射材と、を備え、
    前記球状レンズ及び前記凹面反射材のうちの一方は、前記固定部に含まれ、
    前記球状レンズ及び前記凹面反射材のうちの他方は、前記可動部に含まれ、
    前記球状レンズ及び前記凹面反射材のうちの前記他方は、前記固定部に所定方向の加速度が加わることにより前記球状レンズ及び前記凹面反射材のうちの前記一方との相対的な位置関係が変化するように、前記固定部に支持されており、
    前記静止状態において、前記球状レンズの曲率中心と前記凹面反射材の曲率中心とは互いにずれている、請求項1に記載の振動可視化素子。
  11. 前記球状レンズは、互いに連結された複数の球状レンズの1つであり、
    前記凹面反射材は、前記複数の球状レンズのそれぞれの後方に位置する複数の凹面反射材の1つであり、
    前記複数の凹面反射材は、前記固定部に含まれ、
    前記複数の球状レンズは、前記可動部に含まれ、
    前記複数の球状レンズは、弾性部材を介して前記固定部に接続されている、請求項10に記載の振動可視化素子。
  12. 前記光学部材は、前記球状レンズの曲率中心と前記凹面反射材の曲率中心との距離の変化に応じて、再帰性反射方向へ反射する光又は電磁波の反射強度が単調に変化するように構成されている、請求項10又は11に記載の振動可視化素子。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載された第1の振動可視化素子と、
    請求項1〜12のいずれか1項に記載された第2の振動可視化素子と、
    計測対象物に設置された、前記第1の振動可視化素子及び前記第2の振動可視化素子に向けて光又は電磁波を照射する照明装置と、
    前記計測対象物と、前記第1の振動可視化素子及び前記第2の振動可視化素子と、を含む映像を撮影する撮影装置と、
    前記撮影装置が撮影した前記映像における、前記第1の振動可視化素子及び前記第2の振動可視化素子のそれぞれからの反射光の輝度又は反射電磁波の量の変化に基づいて、前記第1の振動可視化素子及び前記第2の振動可視化素子のそれぞれにおける前記固定部と前記可動部との相対的な位置関係の変化を計測する振動計測装置と、
    を備える、振動計測システム。
  14. 前記照明装置は、前記第1の振動可視化素子及び前記第2の振動可視化素子を照射することができる照射角を有する、請求項13に記載の振動計測システム。
  15. 前記振動計測装置は、
    前記反射光の輝度又は前記反射電磁波の量の変化を抽出する画像処理部と、
    前記画像処理部によって抽出された前記反射光の輝度又は前記反射電磁波の量の変化を振動の大きさに対応する信号に変換する変換部と、
    を備える、請求項13又は14に記載の振動計測システム。
  16. 請求項1〜12のいずれか1項に記載された振動可視化素子を用いて前記計測対象物の振動を計測する方法であって、
    計測対象物に設置された前記振動可視化素子に向けて光又は電磁波を照射し、
    前記計測対象物及び前記振動可視化素子を含む映像を撮影し、
    前記映像における、前記振動可視化素子からの反射光の輝度又は反射電磁波の量の変化に基づいて、前記計測対象物の振動を計測する、振動計測方法。
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