JP2015166728A - 振動計測装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】構造物上の振動波形の信頼度を正確に算出することは困難であること。
【解決手段】信頼度算出装置は、位置関係取得手段と信頼度算出手段とを有する。位置関係取得手段は、非接触振動センサの位置である計測点から構造物上の計測対象点までの距離を取得する。信頼度算出手段は、上記距離に基づいて、計測点から非接触振動センサによって計測する複数の計測対象点の振動波形の信頼度を算出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、信頼度算出装置、計測点決定装置、振動計測装置、及びそれらの方法ならびにプログラムに関する。
橋梁やトンネルなどの構造物の振動波形の計測は、構造物の診断などのために実施される。例えば、土木建築構造物上の複数の箇所の振動波形をCCDカメラ(Charge-coupled device camera)等の非接触振動センサで計測して構造物の固有振動数を検出し、正常状態時の固有振動数と比較することにより、構造物の劣化を判定することが、本発明に関連する第1の関連技術として提案されている(例えば特許文献1参照)。
また、構造物上の複数の箇所の振動波形をレーザドップラ振動計等の非接触振動センサで計測して構造物の固有振動数や固有振動モードなどの振動特性を測定し、構造物の健全度を検査することが、本発明に関連する第2の関連技術として提案されている(例えば特許文献2、3参照)。
他方、3次元形状情報が既知である対象物体の位置および姿勢を計測する位置姿勢計測装置が、本発明に関連する第3の関連技術として提案されている(例えば特許文献4参照)。具体的には、対象物体の3次元モデルを保持する保持部と、対象物体の位置姿勢の概略値を入力する入力部と、対象物体の距離画像を取得する取得部と、距離画像に保持される情報を3次元座標系上の3次元点の位置情報に変換する変換部と、距離画像に含まれる計測誤差に起因する3次元点の位置情報の信頼度を算出する信頼度算出部と、信頼度が高い3次元点から順に、所定の数だけ位置姿勢計測に用いる3次元点を選択する選択部と、概略値に基づいて3次元モデルを平行回転移動することにより、3次元モデルを構成する面と選択部により選択された所定の数の3次元点のそれぞれとを対応付ける対応付け部と、対応付けられた所定の数の3次元点と3次元モデルを構成する面との3次元距離の二乗和が最小となる位置姿勢を、対象物体の位置姿勢として決定する決定部とを備えている。ここで、信頼度算出部は、3次元点の箇所が局所的に平面であると仮定し、その平面の法線ベクトルと距離画像を撮像する撮像装置の光軸との成す角度に基づいて信頼度を算出している。なお、距離画像において隣接する3点座標の距離データを用いて平面を構成し、この平面の法線ベクトルを求めることは特許文献5にも記載されている。
特許第3404302号公報 特許第4001806号公報 特開2007−309899号公報 特開2012−26895号公報 特開2003−240539号公報
ところで、非接触振動センサを用いて構造物上の複数の箇所の振動波形を計測する場合、各箇所の振動波形がどの程度の信頼度で計測されるのかが、わかると好ましい。しかし、構造物上の振動波形の信頼度を算出する方法を記載した文献は見当たらないのが現状である。そこで、対象物体の位置および姿勢を計測する分野で使用されている上記第3の関連技術を適用し、構造物上の各箇所を構成する平面の法線ベクトルと当該箇所と計測点とを結ぶ直線との成す角度に基づいて信頼度を算出することが考えられる。しかし、橋梁など奥行のある構造物上の複数の箇所について振動波形を計測する場合、複数の箇所の上記角度が同じであっても、計測点との距離が箇所間で大きく相違する。このため、非接触振動センサから遠く離れた箇所と近くの箇所とで信頼度が同じになる上記第3の関連技術による信頼度の算出方法では、構造物上の振動波形の信頼度を正確に算出することは困難である。
本発明の目的は、上述した課題、すなわち、構造物上の振動波形の信頼度を正確に算出することは困難である、という課題を解決する振動計測装置を提供することにある。
本発明の第1の観点に係る信頼度算出装置は、
非接触振動センサの位置である計測点から構造物上の計測対象点までの距離を取得する位置関係取得手段と、
上記距離に基づいて、上記計測点から上記非接触振動センサによって計測する上記計測対象点の振動波形の信頼度を算出する信頼度算出手段と
を有する。
また本発明の第2の観点に係る計測点決定装置は、
非接触振動センサの位置である計測点から構造物上の計測対象点までの距離を取得する位置関係取得手段と、
上記距離に基づいて、上記計測点から上記非接触振動センサによって計測する上記計測対象点の振動波形の信頼度を算出する信頼度算出手段と、
上記信頼度に基づいて、計測点の集合である計測点セットを決定する計測点決定手段と
を有する。
また本発明の第3の観点に係る振動計測装置は、
非接触振動センサの位置である計測点から構造物上の計測対象点までの距離を取得する位置関係取得手段と、
前記距離に基づいて、前記計測点から前記非接触振動センサによって計測する前記計測対象点の振動波形の信頼度を算出する信頼度算出手段と、
前記計測点に設置した前記非接触振動センサを用いて前記構造物上の前記計測対象点の振動波形を計測する振動計測手段と
を有する。
本発明の第4の観点に係る信頼度算出方法は、
非接触振動センサの位置である計測点から構造物上の計測対象点までの距離を取得し、
上記距離に基づいて、上記計測点から上記非接触振動センサによって計測する上記複数の計測対象点の振動波形の信頼度を算出する。
また本発明の第5の観点に係る計測点決定方法は、
非接触振動センサの位置である計測点から構造物上の計測対象点までの距離を取得し、
上記距離に基づいて、上記計測点から上記非接触振動センサによって計測する上記計測対象点の振動波形の信頼度を算出し、
上記信頼度に基づいて、計測点の集合である計測点セットを決定する。
また本発明の第6の観点に係る振動計測方法は、
非接触振動センサの位置である計測点から構造物上の計測対象点までの距離を取得し、
上記距離に基づいて、上記計測点から上記非接触振動センサによって計測する上記計測対象点の振動波形の信頼度を算出し、
上記計測点に設置した上記非接触振動センサを用いて上記構造物上の上記計測対象点の振動波形を計測する。
本発明の第7の観点に係るプログラムは、
非接触振動センサの位置である計測点から構造物上の計測対象点までの距離を取得する位置関係取得手段と、
上記距離に基づいて、上記計測点から上記非接触振動センサによって計測する上記複数の計測対象点の振動波形の信頼度を算出する信頼度算出手段と
して機能させる。
また本発明の第8の観点に係るプログラムは、
コンピュータを、
非接触振動センサの位置である計測点から構造物上の計測対象点までの距離を取得する位置関係取得手段と、
上記距離に基づいて、上記計測点から上記非接触振動センサによって計測する上記計測対象点の振動波形の信頼度を算出する信頼度算出手段と、
上記信頼度に基づいて、計測点の集合である計測点セットを決定する計測点決定手段と
して機能させる。
また本発明の第9の観点に係るプログラムは、
コンピュータを、
非接触振動センサの位置である計測点から構造物上の計測対象点までの距離を取得する位置関係取得手段と、
上記距離に基づいて、上記計測点から上記非接触振動センサによって計測する上記計測対象点の振動波形の信頼度を算出する信頼度算出手段と、
上記計測点に設置した上記非接触振動センサを用いて上記構造物上の上記計測対象点の振動波形を計測する振動計測手段と
して機能させる。
本発明は上述した構成を有するため、構造物上の振動波形の信頼度を正確に算出することができる。
本発明の第1の実施形態に係る振動計測装置のブロック図である。 本発明の第1の実施形態における構造物とその上に設定される複数の計測対象点と非接触振動センサの置かれる位置である計測点との関係の一例を示す概念図である。 本発明の第1の実施形態に係る振動計測装置の計測対象点情報の構成例を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る振動計測装置の計測点情報の構成例を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る振動計測装置の位置関係情報の構成例を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る振動計測装置において振動波形の信頼度を算出するための距離と角度の説明図である。 本発明の第1の実施形態に係る振動計測装置の信頼度情報の構成例を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る振動計測装置の計測点セット情報の構成例を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る振動計測装置の振動計測データの構成例を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る振動計測装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施形態に係る振動計測装置における計測点セット決定部の動作の一例を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施形態に係る振動計測装置における計測点セット決定部の動作の他の例を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態に係る振動計測装置のブロック図である。 本発明の第2の実施形態に係る振動計測装置の計測対象点情報の構成例を示す図である。 本発明の第2の実施形態における構造物とその上に設定される複数の計測対象領域および計測対象点と非接触振動センサの置かれる位置である計測点との関係の一例を示す概念図である。 本発明の第2の実施形態に係る振動計測装置の計測点セット情報の構成例を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る振動計測装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態に係る振動計測装置における計測点セット決定部の動作の一例を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態に係る振動計測装置における計測点セット決定部の動作の他の例を示すフローチャートである。 本発明の第3の実施形態に係る振動計測装置のブロック図である。 本発明の第3の実施形態に係る振動計測装置の計測点セット決定部が次の1つの計測点を決定する場面の概念図である。 本発明の第3の実施形態に係る振動計測装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の第4の実施形態に係る信頼度算出装置のブロック図である。
次に本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施形態]
図1を参照すると、本発明の第1の実施形態に係る振動計測装置100は、非接触振動センサを用いて構造物上の複数の箇所の振動波形を計測する機能を有する。振動計測装置100は、主な構成要素として、非接触振動センサ110、通信インターフェイス部(以下、通信I/F部と記す)120、操作入力部130、画面表示部140、記憶部150、および演算処理部160を有する。
非接触振動センサ110は、構造物上に設定された複数の計測対象点における振動波形を構造物から離れた場所から計測する機能を有する。非接触振動センサ110は、CCDカメラなどのカメラ撮像方式であってもよいし、レーザドップラ振動計などであってもよい。またカメラ撮像方式において、遠距離観測で解像度の低下が問題になる場合は、サンプリングモアレ法などの高解像度化手法を併用してもよい。
図2は、構造物とその上に設定される複数の計測対象点と非接触振動センサ110の置かれる位置である計測点との関係の一例を示す概念図である。図2において、構造物170は、例えば橋梁などの土木建築物である。或いは構造物170は、自動車や列車などの工業製品など、土木建築物以外の構造物であってもよい。構造物170の面上に描かれた矩形171は振動を計測する対象となる箇所、すなわち計測対象点である。計測対象点171は、振動波形を計測したい領域を網羅するように設定される。符号181、182が付された丸印は、計測点を示す。計測対象点171の振動波形を計測する場合、非接触振動センサ110は何れかの計測点に置かれ、その計測点から遠隔で計測対象点171の振動波形を計測することになる。
通信I/F部120は、専用のデータ通信回路からなり、通信回線を介して接続された各種装置との間でデータ通信を行う機能を有している。
操作入力部130は、キーボードやマウスなどの操作入力装置からなり、オペレータの操作を検出して演算処理部160に出力する機能を有している。
画面表示部140は、LCD(Liquid Crystal Display)やPDP(Plasma Display Panel)などの画面表示装置からなり、演算処理部160からの指示に応じて、計測点セットなどの各種情報を画面表示する機能を有している。
記憶部150は、ハードディスクやメモリなどの記憶装置からなり、演算処理部160における各種処理に必要な処理情報やプログラム150Pを記憶する機能を有している。プログラム150Pは、演算処理部160に読み込まれて実行されることにより各種処理部を実現するプログラムであり、通信I/F部120などのデータ入出力機能を介して外部装置(図示せず)や記憶媒体(図示せず)から予め読み込まれて記憶部150に保存される。記憶部150で記憶される主な処理情報として、計測対象点情報150A、計測点情報150B、位置関係情報150C、信頼度情報150D、計測点セット情報150E、および振動計測データ150Fがある。
計測対象点情報150Aは、構造物上に設定される計測対象点の位置情報である。図3は計測対象点情報150Aの構成例を示す。この計測対象点情報150Aには、計測対象点毎に、その識別情報である計測対象点IDと、位置情報とが記憶されている。図3に示す具体例では、計測対象点の位置情報は、構造物が存在する空間に設定したXYZ座標系の座標値である。計測対象点情報150Aは、構造物全体の3次元構造モデル(CAD(Computer Aided Design)データ等)や、3Dレーザスキャナ等で計測した構造物の3次元データに基づいて作成することができる。
計測点情報150Bは、非接触振動センサ110を設置する位置である計測点の位置情報である。計測点情報150Bには、予め定められた1以上の計測点の位置情報が格納されている。図4は計測点情報150Bの構成例を示す。この計測点情報150Bには、計測点毎に、その識別情報である計測点IDと、位置情報とが記憶されている。図4に示す具体例では、計測点の位置情報は、上述した計測対象点情報150Aと同じ構造物が存在する空間に設定したXYZ座標系の座標値である。
位置関係情報150Cは、計測点と計測対象点との間の位置関係を表す情報である。図5は位置関係情報150Cの構成例を示す。この位置関係情報150Cには、計測点ID毎に、計測対象点ID毎の距離Lと角度θとが記憶されている。ここで、距離Lは、例えば図6の模式図に示すように、計測点181から計測対象点171までの距離である。また角度θは、図6に示すように、構造物上の計測対象点171が属する平面の法線ベクトルV1と計測点181と計測対象点171とを結ぶ直線V2との成す角度である。
信頼度情報150Dは、計測対象点で計測される振動波形の信頼度の情報である。信頼度とは、計測される振動波形に含まれる計測誤差に起因する誤差の小ささを示す指標である。図7は信頼度情報150Dの構成例を示す。この信頼度情報150Dには、計測点ID毎に、計測対象点ID毎の信頼度Rが記憶されている。信頼度Rの算出方法については後述する。
計測点セット情報150Eは、計測点情報150Bに格納された計測点のうち、振動計測に使用する1以上の計測点のセットである。図8は計測点セット情報150Eの構成例を示す。この例の計測点セット情報150Eでは、計測点セットID毎に、その計測点セットを構成する計測点のIDのリストが記憶されている。例えば、1行目の計測点セットは、ID=1の計測点とID=Mの計測点との2つの計測点から構成されている。ID=1の計測点セットによる構造物の振動波形の計測は、その計測点セットに格納されている計測点のそれぞれから実施されることになる。
振動計測データ150Fは、計測点に設置した非接触振動センサ110を用いて計測した構造物の計測対象点における振動波形の計測データである。図9は振動計測データ150Fの構成例を示す。この振動計測データ150Fには、計測点ID毎に、計測対象点ID毎の計測値Vが記憶されている。ここで、計測値Vは、例えば振動波形を時刻情報と一緒に記録した時刻歴波形である。
演算処理部160は、MPUなどのマイクロプロセッサとその周辺回路を有し、記憶部150からプログラム150Pを読み込んで実行することにより、上記ハードウェアとプログラム150Pとを協働させて各種処理部を実現する機能を有している。演算処理部160で実現される主な処理部として、位置関係取得部160Aと信頼度算出部160Bと計測点セット決定部160Cと振動計測部160Dとがある。
位置関係取得部160Aは、記憶部150から計測対象点情報150Aと計測点情報150Bとを読み出し、計測点毎に、計測対象点毎の距離Lと角度θとを算出し、その算出結果を位置関係情報150Cとして記憶部150に保存する機能を有する。例えば、計測点の位置を(XS,YS,ZS)、計測対象点の位置を(XT,YT,ZT)とすると、計測点から計測対象点までの距離LSTは、例えば次式1により算出できる。
ST={(XT−XS2+(YT−YS2+(ZT−ZS2}1/2 …(1)
また、ある計測点とある計測対象点との角度θは、以下のようにして算出できる。まず、当該計測対象点に隣接する2つの計測対象点を計測対象点情報150Bから抽出する。次に、当該計測対象点の位置情報と上記抽出した2点の位置情報との合計3点の位置情報により構成される平面を算出する。次に、上記平面の法線を作成する。他方、当該計測点と当該計測対象点とを結ぶ線分を作成する。そして、この作成した線分と上記法線とのなす角度θを算出する。
信頼度算出部160Bは、記憶部150から位置関係情報150Cを読み出し、計測点毎に、計測対象点毎の信頼度Rを算出し、その算出結果を信頼度情報150Dとして記憶部150に保存する機能を有する。信頼度算出部160Bは、例えば、距離Lがより短いほど、また角度θがπ/2(90°)により近いほど大きな値をとる評価関数を使用して、信頼度Rを算出する。そのような評価関数として、例えば次式2を使用することができる。なお、式2において、%は剰余演算子、wθとwLは重み係数である。
R={wθ*sin(θ%Π)}/{wL*L} …(2)
あるいは信頼度算出部160Bは、非接触振動センサ110の計測精度の保証範囲を考慮して信頼度Rを算出してもよい。具体的には、例えば非接触振動センサ110の計測精度の保証範囲がLS〜LEの場合、距離LがLS以上、LE以下ならば(即ち保証範囲内ならば)、例えば上記式2を使用して信頼度Rを算出し、距離LがLS未満あるいはLEを超えるならば(即ち保証範囲外ならば)、予め定められた値以下の信頼度RLとする。
計測点セット決定部160Cは、記憶部150から信頼度情報150Dを読み出し、計測点毎の各計測対象点の信頼度Rに基づいて、振動計測に使用する1以上の計測点セットを決定し、この決定結果を計測点セット情報150Eとして記憶部150に保存する機能を有する。具体的には、計測点セット決定部160Cは、全ての計測対象点が少なくとも1つの計測点からの計測によって予め定められた信頼度閾値を超える信頼度で計測できる、計測点総数が最小または総数閾値以下の計測点セットを決定する。ここで、信頼度閾値は、全計測対象点に共通する値であってもよいし、計測対象点毎あるいは計測対象点のグループ毎に定められる値であってもよい。計測対象点毎あるいは計測対象点のグループ毎に信頼度閾値を定める場合、計測対象点あるいは計測対象点のグループが属する構造物の面の素材(鉄、木、コンクリート、ガラスなど)や部分構造(ネジの上や横、橋桁の両端や中央、周辺の支柱の有無など)に基づいて信頼度閾値を定めてよい。
また計測点セット決定部160Cは、決定した計測点セットを画面表示部140に表示する機能を有する。計測点セットの表示では、計測点セットを構成する計測点のIDを画面表示部140に表示してもよいし、計測点セットを構成する計測点のIDと、そのIDに対応して計測点情報150Bに記載されている計測点の位置情報とを画面表示部140に表示してもよい。あるいは計測点セット決定部160Cは、計測対象点が設定された構造物と計測点セット中の計測点とを描いた3次元画像を画面表示部140に表示してもよい。あるいは計測点セット決定部160Cは、決定した計測点セットを通信I/F部120を通じて外部の装置へ送信してもよい。
振動計測部160Dは、構造物上に設定された複数の計測対象点の振動波形を、非接触振動センサ110を用いて計測する機能を有する。振動計測部160Dは、記憶部150から計測対象点情報150Aと計測点セット情報150Eとを読み出し、計測点セット情報150Eに格納されている計測点セットを使用して計測を実施する。計測点セット情報150Eに複数の計測点セットが格納されている場合、それら全ての計測点セットを使用して計測を行う形態、操作入力部130からの利用者入力によって選択された一つの計測点セットを使用して計測を行う形態が考えられる。計測点セットを使用する計測では、振動計測部160Dは、その計測点セットに格納されている計測点IDによって定まる計測点から、計測対象点情報150Aに格納されている計測対象点IDによって定まる計測対象点の振動波形を、非接触振動センサ110を用いて計測する。具体的には、振動計測部160Dは、以下のように機能する。
まず振動計測部160Dは、計測点セットから1つの計測点IDを取得し、この計測点IDを有する計測点の位置情報を計測点情報150Bから検索する。次に、この検索した位置情報が示す計測点に非接触振動センサ110を配置させる。例えば、非接触振動センサ110の移動を人手で行う場合、振動計測部160Dは、非接触振動センサ110を指定した位置(計測点の位置)まで移動させるように指示するメッセージを画面表示部140に表示してよい。また非接触振動センサ110がロボット等の移動体に搭載されている場合、振動計測部160Dは、通信I/F部120を通じて移動体に対して移動指令を送信し、計測点の位置まで自動的に移動させるようにしてもよい。
次に振動計測部160Dは、非接触振動センサ110を制御し、計測対象点情報150A中の各計測対象点の振動波形を計測し、計測結果を振動計測データ150Fとして記憶部150に保存する。例えば、CCDカメラやレーザドップラ振動計等の非接触振動センサ110を図2の計測点181に設置し、計測対象点171の振動波形を計測する場合、振動計測部160Dは、計測対象点情報150A中の位置情報に従って、計測対象点171を非接触振動センサ110により光学的に視準し、その計測対象点の振動波形データを電気的に取り出す。振動計測部160Dは、非接触振動センサ110を用いて複数の計測対象点171の振動波形を一定時間内に計測することが望ましい。但し、必ずしも一定時間内に計測する必要はない。振動計測部160Dが非接触振動センサ110を用いて計測する振動波形は、車両走行や打撃振動などの人工的な振動を与えたときの構造物の振動波形であってもよいし、そのような人工的な振動がない状態で常に生じている構造物の振動波形であってもよい。振動計測のサンプリング周波数は、構造物で生じる振動周波数の2倍以上であることが望ましい。また振動計測の時間長は、計測された振動波形をもとに周波数スペクトル解析を行う場合、定常的なスペクトルを得ることができる程度の時間長であることが望ましい。
振動計測部160Dは、計測点セット中の1つの計測点からの振動波形の計測を完了すると、計測点セット中の他の計測点について上述した処理と同様の処理を繰り返す。
図10は、本実施形態に係る振動計測装置100の動作を示すフローチャートである。以下、図10を参照して振動計測装置100の動作を説明する。なお、振動計測装置100の動作開始時点では、記憶部150には、図3に示したような計測対象点情報150A、図4に示したような計測点情報150Bが記憶されており、位置関係情報150C、信頼度情報150D、計測点セット情報150E、および振動計測データ150Fは全てクリアされている。
まず、振動計測装置100の位置関係取得部160Aは、記憶部150に記憶されている計測対象点情報150Aと計測点情報150Bとに基づいて、計測点毎に、計測対象点毎の距離Lと角度θとを算出し、その算出結果を位置関係情報150Cとして記憶部150に保存する(ステップS101)。
次に、信頼度算出部160Bは、上記算出された位置関係情報150Cに基づいて、計測点毎に、計測対象点毎の信頼度Rを算出し、その算出結果を信頼度情報150Dとして記憶部150に保存する(ステップS102)。
次に、計測点セット決定部160Cは、上記算出された信頼度情報150Dに基づいて、振動計測に使用する1以上の計測点セットを決定し、この決定結果を計測点セット情報150Eとして記憶部150に保存すると共に画面表示部140に表示する(ステップS103)。
最後に、振動計測部160Dは、非接触振動センサ110を用いて、上記決定された計測点セット情報150Eに格納されている計測点セットによって定まる計測点から、計測対象点情報150Aに格納されている計測対象点IDによって定まる計測対象点の振動波形を計測し、その計測結果を振動計測データ150Fとして記憶部150に保存する(ステップS104)。
図11は、図10のステップS103において最小の計測点総数の計測点セットを決定する動作の一例を示すフローチャートである。まず計測点セット決定部160Cは、変数Aに1を代入し(ステップS111)、計測点情報150Bに格納される計測点のA個の組み合わせから構成される計測点セットを網羅的に算出する(ステップS112)。変数Aが1の場合、1個の計測点を格納する計測点セットが算出されることになる。次に計測点セット決定部160Cは、ステップS112で算出した計測点セットの1つに注目し(ステップS113)、その計測点セットが所定の条件を満たすかどうかを評価する(ステップS114)。このときの所定の条件は、計測対象点情報150Aに格納される計測対象点のそれぞれが、当該計測点セット中の少なくとも1つの計測点からの計測によって予め定められた信頼度閾値以上の信頼度で計測できることである。計測点セット決定部160Cは、注目中の計測点セットが条件を満足したならば計測点セット集合(初期値は空)に注目中の計測点セットを格納し(ステップS115)、ステップS116へ進む。注目中の計測点セットが条件を満足しないときは、ステップS115をスキップし、ステップS116へ進む。
ステップS116では、計測点セット決定部160Cは、ステップS112で算出した他の計測点セットの1つに注目を移す。そして、ステップS114の処理に戻って上述した処理と同様の処理を繰り返す。若し、ステップS112で算出した全ての計測点セットに注目し終えたならば(ステップS117でYES)、計測点セット決定部160Cは計測点セット集合が空か否かを判定する(ステップS118)。計測点セット集合が空でなければ、計測点セット集合に格納された計測点セットを計測点セット情報150Eとして記憶部150に保存し、また画面表示部140に表示する(ステップS119)。そして図11の処理を終える。
他方、計測点セット集合が空であれば、計測点セット決定部160Cは、変数Aに1を加え(ステップS120)、変数Aの値が最大値(計測点情報150Bに格納されている計測点の数)を超えたか否かを判定する(ステップS121)。変数Aの値が最大値を超えていなければ、計測点セット決定部160Cは、ステップS112に戻って上述した処理と同様の処理を繰り返す。変数Aの値が最大値を超えていれば、所定の条件を満たす計測点セットが存在しなかった旨のエラーメッセージを画面表示部140に表示し(ステップS122)、図11の処理を終える。
図12は、図10のステップS103において計測点の数が閾値以下の計測点セットを決定する動作の一例を示すフローチャートである。図12において、ステップS131〜S137は、図11のステップS111〜S117と同じである。ステップS138では、計測点セット決定部160Cは、変数Aに1を加える。次に計測点セット決定部160Cは、変数Aの値が予め定められた総数閾値を超えたか否かを判定する(ステップS139)。変数Aの値が総数閾値を超えていなければ、ステップS132に戻ってステップS132〜S137の処理を繰り返す。変数Aの値が総数閾値を超えていれば、計測点セット決定部160Cは、計測点セット集合が空か否かを判定する(ステップS140)。計測点セット集合が空でなければ、計測点セット集合に格納された計測点セットを計測点セット情報150Eとして記憶部150に保存し、また画面表示部140に表示する(ステップS141)。そして、図12の処理を終える。他方、計測点セット集合が空であれば、所定の条件を満たす計測点セットが存在しなかった旨のエラーメッセージを画面表示部140に表示し(ステップS142)、図12の処理を終える。
このように本実施形態によれば、構造物上の振動波形の信頼度を正確に算出することができる。その理由は、計測点から複数の計測対象点までの距離に基づいて振動波形の計測の信頼度を算出するためである。
また本実施形態によれば、構造物上の振動波形の信頼度をより正確に算出することができる。その理由は、計測点から複数の計測対象点までの距離と非接触振動センサ110の計測精度の保証範囲とに基づいて振動波形の計測の信頼度を算出するためである。
また本実施形態によれば、無駄な計測点からの計測を防止することができる。その理由は、計測点毎に算出された信頼度に基づいて実際に使用する1以上の計測点から構成される計測点セットを決定するためである。
[第2の実施形態]
図13を参照すると、本発明の第2の実施形態に係る振動計測装置200は、非接触振動センサを用いて構造物上の複数の箇所の振動波形を計測する機能を有する。振動計測装置200は、主な構成要素として、非接触振動センサ210、通信I/F部220、操作入力部230、画面表示部240、記憶部250、および演算処理部260を有する。このうち非接触振動センサ210、通信I/F部220、操作入力部230、および画面表示部240は、図1に示した本発明の第1の実施形態に係る振動計測装置100の非接触振動センサ110、通信I/F部120、操作入力部130、および画面表示部140と同一の機能を有する。
記憶部250は、ハードディスクやメモリなどの記憶装置からなり、演算処理部260における各種処理に必要な処理情報やプログラム250Pを記憶する機能を有している。プログラム250Pは、演算処理部260に読み込まれて実行されることにより各種処理部を実現するプログラムであり、通信I/F部220などのデータ入出力機能を介して外部装置(図示せず)や記憶媒体(図示せず)から予め読み込まれて記憶部250に保存される。記憶部250で記憶される主な処理情報として、優先度付き計測対象点情報250A、計測点情報250B、位置関係情報250C、信頼度情報250D、計測点セット情報250E、および振動計測データ250Fがある。
計測対象点情報250Aは、構造物上の計測対象領域に設定される計測対象点の位置情報である。図14は計測対象点情報250Aの構成例を示す。この計測対象点情報250Aには、計測対象点毎に、その識別情報である計測対象点IDと、位置情報とが記憶されている。図14に示す具体例では、計測対象点の位置情報は、構造物が存在する空間に設定したXYZ座標系の座標値である。また計測対象点情報250Aには、各計測対象点が属する計測対象領域のIDと計測優先度とが記憶されている。ここでは、計測優先度は、計測対象領域単位で設定しているが、計測対象点単位で設定してもよい。また、計測優先度は、高、中、低の3レベルになっているが、3レベルに限定されず、2レベルでもよく、4レベル以上であってもよい。
図15は、構造物とその上に設定される複数の計測対象領域および計測対象点と非接触振動センサ210の置かれる位置である計測点との関係の一例を示す概念図である。図15において、構造物270は、例えば橋梁などの土木建築物である。或いは構造物270は、自動車や列車などの工業製品など、土木建築物以外の構造物であってもよい。構造物270の面上に描かれた矩形271は振動を計測する対象となる箇所、すなわち計測対象点である。計測対象点271は、振動波形を計測したい領域を網羅するように設定される。図15では、構造物270に複数の計測対象領域291、292が設定されており、計測対象点271は何れか1つの計測対象領域に属している。符号281、282が付された丸印は、計測点を示す。計測対象点271の振動波形を計測する場合、非接触振動センサ210は何れかの計測点に置かれ、その計測点から遠隔で計測対象点271の振動波形を計測することになる。
計測点情報250Bは、非接触振動センサ210を設置する位置である計測点の位置情報であり、その構成は図1に示した本発明の第1の実施形態に係る振動計測装置100の計測点情報150Bと同じである(図4参照)。
位置関係情報250Cは、計測点と計測対象点との間の位置関係を表す情報であり、その構成は図1に示した本発明の第1の実施形態に係る振動計測装置100の位置関係情報150Cと同じである(図5参照)。
信頼度情報250Dは、計測対象点で計測される振動波形の信頼度の情報であり、その構成は図1に示した本発明の第1の実施形態に係る振動計測装置100の信頼度情報150Dと同じである(図7参照)。
計測点セット情報250Eは、計測点情報250Bに格納された計測点のうち、振動計測に使用する1以上の計測点のセットである。図16は計測点セット情報250Eの構成例を示す。この例の計測点セット情報250Eでは、計測点セットID毎に、その計測点セットを構成する計測点のIDのリストと各計測点から計測する計測対象領域のIDのリストとが記憶されている。例えば、ID=1の計測点セットは、ID=1の計測点とID=Mの計測点との2つの計測点から構成され、ID=1の計測点からはID=1の計測対象領域を計測し、ID=Mの計測点からはID=3、5の計測対象領域を計測することが記憶されている。
振動計測データ250Fは、計測点に設置した非接触振動センサ210を用いて計測した構造物の計測対象点における振動波形の計測データであり、その構成は図1に示した本発明の第1の実施形態に係る振動計測装置100の振動計測データ150Fと同じである(図9参照)。
演算処理部260は、MPUなどのマイクロプロセッサとその周辺回路を有し、記憶部250からプログラム250Pを読み込んで実行することにより、上記ハードウェアとプログラム250Pとを協働させて各種処理部を実現する機能を有している。演算処理部260で実現される主な処理部として、位置関係取得部260Aと信頼度算出部260Bと計測点セット決定部260Cと振動計測部260Dとがある。
位置関係取得部260Aは、記憶部250から計測対象点情報250Aと計測点情報250Bとを読み出し、計測点毎に、計測対象点毎の距離Lと角度θとを算出し、その算出結果を位置関係情報250Cとして記憶部250に保存する機能を有する。距離Lおよび角度θの算出方法は、本発明の第1の実施形態に係る振動計測装置100の位置関係取得部160Aと同じである。
信頼度算出部260Bは、記憶部250から位置関係情報250Cを読み出し、計測点毎に、計測対象点毎の信頼度Rを算出し、その算出結果を信頼度情報250Dとして記憶部250に保存する機能を有する。信頼度Rの算出方法は、本発明の第1の実施形態に係る振動計測装置100の信頼度算出部160Bと同じである。
計測点セット決定部260Cは、操作入力部230から計測優先度閾値を入力し、また記憶部250から優先度付き測定対象点情報250Aと信頼度情報250Dを読み出し、計測対象点毎の計測優先度と計測優先度閾値と計測点毎の各計測対象点の信頼度Rとに基づいて、振動計測に使用する1以上の計測点セットを決定し、この決定結果を計測点セット情報250Eとして記憶部250に保存する機能を有する。具体的には、計測点セット決定部260Cは、計測優先度閾値以上の計測優先度を有する計測対象領域に属する計測対象点のそれぞれが、少なくとも1つの計測点からの計測によって信頼度閾値以上の信頼度で計測できる、計測点総数が最小または総数閾値以下の計測点セットを決定する。ここで、信頼度閾値は、全計測対象点に共通する値であってもよいし、計測対象点毎あるいは計測対象点が属する計測対象領域毎に定められる値であってもよい。計測対象点毎あるいは計測対象領域毎に信頼度閾値を定める場合、計測対象点あるいは計測対象領域が属する構造物の面の素材(鉄、木、コンクリート、ガラスなど)や部分構造(ネジの上や横、橋桁の両端や中央、周辺の支柱の有無など)に基づいて信頼度閾値を定めてよい。
また計測点セット決定部260Cは、決定した計測点セットを画面表示部240に表示する機能を有する。計測点セットの表示では、計測点セットを構成する計測点のIDと計測対象領域のIDを画面表示部240に表示してもよいし、計測点セットを構成する計測点のIDおよび計測対象領域のIDと、計測点IDに対応して計測点情報250Bに記載されている計測点の位置情報とを画面表示部240に表示してもよい。あるいは計測点セット決定部260Cは、計測対象領域および計測対象点が設定された構造物と計測点セット中の計測点とを描画した3次元画像を画面表示部240に表示してもよい。あるいは計測点セット決定部260Cは、決定した計測点セットを通信I/F部220を通じて外部の装置へ送信してもよい。
振動計測部260Dは、構造物上に設定された複数の計測対象点の振動波形を、非接触振動センサ210を用いて計測する機能を有する。振動計測部260Dは、記憶部250から計測対象点情報250Aと計測点セット情報250Eとを読み出し、計測点セット情報250Eに格納されている計測点セットを使用して計測を実施する。計測点セット情報250Eに複数の計測点セットが格納されている場合、それら全ての計測点セットを使用して計測を行う形態、操作入力部230からの利用者入力によって選択された一つの計測点セットを使用して計測を行う形態が考えられる。計測点セットを使用する計測では、その計測点セットに格納されている計測点IDによって定まる計測点から、計測対象点情報150Aに格納されている計測対象点IDによって定まる計測対象点のうち、計測点セット中の計測対象領域IDで特定される計測対象領域に属する計測対象点の振動波形を、非接触振動センサ210を用いて計測する。具体的には、振動計測部260Dは、以下のように機能する。
まず振動計測部260Dは、計測点セットから1つの計測点IDを取得し、この計測点IDを有する計測点の位置情報を計測点情報250Bから検索する。次に、第1の実施形態における振動計測部160Dと同様に、検索した位置情報が示す計測点に非接触振動センサ210を配置させる。次に振動計測部260Dは、非接触振動センサ210を制御し、計測対象点情報250A中の各計測対象点のうち、計測点セット中の計測対象領域に属する計測対象点の振動波形を計測し、計測結果を振動計測データ150Fとして記憶部150に保存する。振動計測部260Dは、計測点セット中の1つの計測点からの振動波形の計測を完了すると、計測点セット中の他の計測点について上述した処理と同様の処理を繰り返す。
図17は、本実施形態に係る振動計測装置200の動作を示すフローチャートである。以下、図17を参照して振動計測装置200の動作を説明する。なお、振動計測装置200の動作開始時点では、記憶部250には、図14に示したような計測対象点情報250A、図4に示したような計測点情報250Bが記憶されており、位置関係情報250C、信頼度情報250D、計測点セット情報250E、および振動計測データ250Fは全てクリアされている。
まず、振動計測装置200の位置関係取得部260Aは、記憶部250に記憶されている計測対象点情報250Aと計測点情報250Bとに基づいて、計測点毎に、計測対象点毎の距離Lと角度θとを算出し、その算出結果を位置関係情報250Cとして記憶部250に保存する(ステップS201)。
次に、信頼度算出部260Bは、上記算出された位置関係情報250Cに基づいて、計測点毎に、計測対象点毎の信頼度Rを算出し、その算出結果を信頼度情報250Dとして記憶部250に保存する(ステップS202)。
次に、計測点セット決定部260Cは、操作入力部230から処理優先度閾値を入力する(ステップS203)。次に計測点セット決定部260Cは、処理優先度閾値と測定対象点情報250Aと信頼度情報250Dとに基づいて、振動計測に使用する1以上の計測点セットを決定し、この決定結果を計測点セット情報250Eとして記憶部250に保存すると共に画面表示部240に表示する(ステップS204)。
最後に、振動計測部260Dは、非接触振動センサ210を用いて、上記決定された計測点セット情報250Eに格納されている計測点セットによって定まる計測点から、計測対象点情報250Aに格納されている計測対象点のうち計測点セットに記載された計測対象領域に属する計測対象点の振動波形を計測し、その計測結果を振動計測データ250Fとして記憶部250に保存する(ステップS205)。
図18は、図17のステップS204において最小の計測点総数の計測点セットを決定する動作の一例を示すフローチャートである。まず計測点セット決定部260Cは、変数Aに1を代入し(ステップS211)、計測点情報250Bに格納される計測点のA個の組み合わせから構成される計測点セットを網羅的に算出する(ステップS212)。変数Aが1の場合、1個の計測点を格納する計測点セットが算出されることになる。次に計測点セット決定部260Cは、ステップS212で算出した計測点セットの1つに注目し(ステップS213)、その計測点セットが所定の条件を満たすかどうかを評価する(ステップS214)。このときの所定の条件は、計測対象点情報250Aに格納される計測対象点のうち処理優先度閾値以上の処理優先度の処理対象領域に属する計測対象点のそれぞれが、当該計測点セット中の少なくとも1つの計測点からの計測によって信頼度閾値以上の信頼度で計測できることである。計測点セット決定部260Cは、注目中の計測点セットが条件を満足したならば計測点セット集合に注目中の計測点セットを格納する(ステップS215)。このとき、計測点セット中の計測点から信頼度閾値以上の信頼度で計測できる処理対象領域のIDのリストを生成し、計測点セットに格納しておく。そして、ステップS216へ進む。注目中の計測点セットが条件を満足しないときは、ステップS215をスキップし、ステップS216へ進む。
ステップS216では、計測点セット決定部260Cは、ステップS212で算出した他の計測点セットの1つに注目を移す。そして、ステップS214の処理に戻って上述した処理と同様の処理を繰り返す。若し、ステップS212で算出した全ての計測点セットに注目し終えたならば(ステップS217でYES)、計測点セット決定部260Cは計測点セット集合が空か否かを判定する(ステップS218)。計測点セット集合が空でなければ、計測点セット集合に格納された計測点セットを計測点セット情報250Eとして記憶部250に保存し、また画面表示部240に表示する(ステップS219)。そして図18の処理を終える。
他方、計測点セット集合が空であれば、変数Aに1を加え(ステップS220)、変数Aの値が最大値(計測点情報250Bに格納されている計測点の数)を超えたか否かを判定する(ステップS221)。変数Aの値が最大値を超えていなければ、ステップS212に戻って上述した処理と同様の処理を繰り返す。変数Aの値が最大値を超えていれば、所定の条件を満たす計測点セットが存在しなかった旨のエラーメッセージを画面表示部240に表示し(ステップS222)、図18の処理を終える。
図19は、図17のステップS204において計測点の数が閾値以下の計測点セットを決定する動作の一例を示すフローチャートである。図19において、ステップS231〜S237は、図18のステップS211〜S217と同じである。ステップS238では、計測点セット決定部260Cは、変数Aに1を加える。次に計測点セット決定部260Cは、変数Aの値が総数閾値を超えたか否かを判定する(ステップS239)。変数Aの値が総数閾値を超えていなければ、ステップS232に戻ってステップS232〜S237の処理を繰り返す。変数Aの値が総数閾値を超えていれば、計測点セット決定部260Cは、計測点セット集合が空か否かを判定する(ステップS240)。計測点セット集合が空でなければ、計測点セット集合に格納された計測点セットを計測点セット情報250Eとして記憶部250に保存し、また画面表示部240に表示する(ステップS241)。そして、図19の処理を終える。他方、計測点セット集合が空であれば、所定の条件を満たす計測点セットが存在しなかった旨のエラーメッセージを画面表示部240に表示し(ステップS242)、図19の処理を終える。
このように本実施形態によれば、図1に示した本発明の第1の実施形態と同様の効果が得られると共に、以下のような効果が得られる。
構造物上の計測対象点が有する計測優先度に基づいて、計測優先度閾値以上の計測優先度を有する計測対象点のそれぞれが、少なくとも1つの計測点からの計測によって信頼度閾値以上の信頼度で計測できる、計測点総数が最小または総数閾値以下の計測点セットを決定することができる。
また計測対象点が属する計測対象領域単位で計測優先度を設定することにより、計測優先度閾値以上の計測優先度を有する計測対象領域のそれぞれが、少なくとも1つの計測点からの計測によって信頼度閾値以上の信頼度で計測できる、計測点総数が最小または総数閾値以下の計測点セットを決定することができる。
[第3の実施形態]
図20を参照すると、本発明の第3の実施形態に係る振動計測装置300は、非接触振動センサを用いて構造物上の複数の箇所の振動波形を計測する機能を有する。振動計測装置300は、主な構成要素として、非接触振動センサ310、通信I/F部320、操作入力部330、画面表示部340、記憶部350、演算処理部360、および3次元位置検出センサ370を有する。このうち非接触振動センサ310、通信I/F部320、操作入力部330、および画面表示部340は、図1に示した本発明の第1の実施形態に係る振動計測装置100の非接触振動センサ110、通信I/F部120、操作入力部130、および画面表示部140と同一の機能を有する。
3次元位置検出センサ370は、構造物上の各点の3次元位置を遠隔地から計測する機能を有する。3次元位置検出センサ370は、3次元距離画像センサやミリ波レーダーやレンジファインダなどのToF(Time of Flight)測距装置であってもよいし、三角測量方式による測距センサであってもよい。
記憶部350は、ハードディスクやメモリなどの記憶装置からなり、演算処理部360における各種処理に必要な処理情報やプログラム350Pを記憶する機能を有している。プログラム350Pは、演算処理部360に読み込まれて実行されることにより各種処理部を実現するプログラムであり、通信I/F部320などのデータ入出力機能を介して外部装置(図示せず)や記憶媒体(図示せず)から予め読み込まれて記憶部350に保存される。記憶部350で記憶される主な処理情報として、計測対象点情報350A、計測点情報350B、位置関係情報350C、信頼度情報350D、計測点セット情報350E、および振動計測データ350Fがある。これらの処理情報は、図1に示した本発明の第1の実施形態に係る振動計測装置100の計測対象点情報150A、計測点情報150B、位置関係情報150C、信頼度情報150D、計測点セット情報150E、および振動計測データ150Fと同じである。但し、本実施形態では、計測対象点情報350Aは、3次元位置検出センサ370を使用して計測点ごとに取得されて、記憶部350に保存される。
演算処理部360は、MPUなどのマイクロプロセッサとその周辺回路を有し、記憶部350からプログラム350Pを読み込んで実行することにより、上記ハードウェアとプログラム350Pとを協働させて各種処理部を実現する機能を有している。演算処理部360で実現される主な処理部として、位置関係取得部360Aと信頼度算出部360Bと計測点セット決定部360Cと振動計測部360Dとがある。
位置関係取得部360Aは、3次元位置検出センサ370を使用して、計測点決定部360Cから通知された計測点から構造物上の計測対象点の3次元位置を取得し、計測対象点情報350Aとして記憶部350に保存する機能を有する。位置関係取得部360Aは、計測点決定部360Cから通知された計測点に3次元位置検出センサ370を配置させる場合、3次元位置検出センサ370を指定した位置(計測点の位置)まで移動させるように指示するメッセージを画面表示部340に表示してよい。或いは3次元位置検出センサ370がロボット等の移動体に搭載されている場合、位置関係取得部360Aは、通信I/F部320を通じて移動体に対して移動指令を送信し、計測点の位置まで自動的に移動させるようにしてもよい。また位置関係取得部360Aは、計測対象点情報350A中の計測対象点ごとに、上記計測点からの距離Lと角度θとを算出し、その算出結果を位置関係情報350Cとして記憶部350に保存する機能を有する。距離Lおよび角度θの算出方法は、本発明の第1の実施形態に係る振動計測装置100の位置関係取得部160Aと同じである。
信頼度算出部360Bは、記憶部350から位置関係情報350Cを読み出し、計測点決定部360Cから通知された計測点から振動を計測する際の計測対象点毎の信頼度Rを算出し、その算出結果を信頼度情報350Dとして記憶部350に保存する機能を有する。信頼度Rの算出方法は、本発明の第1の実施形態に係る振動計測装置100の信頼度算出部160Bと同じである。
計測点セット決定部360Cは、記憶部350に記憶される計測点情報350Bの中から実際の振動計測に使用する計測点の集合である計測点セットを決定する機能を有する。具体的には計測点セット決定部360Cは、以下のような機能を有する。
計測点セット決定部360Cは、計測点セットを構成する計測点を1つ決定するごとに、この決定した計測点の情報を記憶部350の計測点セット情報350Eに追加し、またその決定した計測点の情報を位置関係取得部360Aおよび信頼度算出部360Bに通知する。そして、計測点セット決定部360Cは、位置関係取得部360Aが上記決定した計測点から計測対象点までの距離Lと角度θを算出し、信頼度算出部360Bが上記決定した計測点から振動を計測する際の計測対象点毎の信頼度Rを算出すると、上記決定した計測点の情報を振動計測部360Dに通知する。そして、振動計測部360Dによる当該計測点からの振動波形の計測が完了すると、計測点セット決定部360Cは、計測点セットが所定の条件を満たすか否かを決定する。所定の条件としては、例えば、計測点セットが、構造物上の複数の計測対象点のそれぞれが少なくとも1つの計測点からの計測によって予め定められた信頼度閾値以上の信頼度で計測できる計測点の集合になっている、という条件が考えられる。計測点セット決定部360Cは、上記条件が満たされるか否かを、予め設定された計測対象点のリストと信頼度閾値以上の信頼度で計測できた計測対象点とを照合して決定してもよいし、信頼度閾値以上の信頼度で計測できた計測対象点の情報を画面表示部340に表示し、上記条件を満足しているか否かに関するオペレータからの入力に基づいて決定してもよい。但し、所定の条件はこれに限定されず、計測点総数が予め定められた総数閾値を超えていないなどの他の条件であってもよいし、複数の条件の組み合わせであってもよい。
計測点セット決定部360Cは、計測点セットが所定の条件を満たしていれば、処理を終了する。他方、計測点セット決定部360Cは、計測点セットが所定の条件を満たしていなければ、計測点セットを構成する次の1つの計測点を決定する。計測点セット決定部360Cは、次の1つの計測点の決定では、直前に決定した計測点から信頼度閾値以上の信頼度で計測できない計測対象点が存在しない場合、任意の方法により次の1つの計測点を決定する。また直前に決定した計測点から信頼度閾値以上の信頼度で計測できない計測対象点が存在する場合は、当該計測対象点の振動波形を信頼度閾値以上の信頼度で計測できる可能性のある他の計測点を、次の1つの計測点に決定する。具体的には、計測点セット決定部360Cは、以下のようにして次の1つの計測点を決定する。
計測点セット決定部360Cは、計測点セットに未だ組み入れられていない計測点毎に、直前に決定した計測点から信頼度閾値以上の信頼度で計測できない計測対象点のうち、当該計測点から信頼度閾値以上の信頼度で計測できる計測対象点の総数を算出する。そして、計測点セット決定部360Cは、上記総数が最大の計測点を次の1つの計測点に決定する。計測点セットに未だ組み入れられていない計測点から計測対象点を信頼度閾値以上の信頼度で計測できるかどうかは、直前に決定した計測点から当該計測対象点までの距離Lおよび角度θと、直前に決定した計測点と計測点セットに未だ組み入れられていない計測点との間の位置関係とから推測する。
図21は、計測点セット決定部360Cが次の1つの計測点を決定する場面の概念図である。図21において、計測点391は直前に決定された計測点であり、構造物380上の計測対象点のうち、計測対象点381は信頼度閾値以上の信頼度で計測できるが、計測対象点382はできないとする。また、計測点392、393は計測点セットに未だ組み入れられていない計測点である。このとき、計測点セット決定部360Cは、計測点391から計測対象点382までの距離Lおよび角度θと、計測点391と計測点392との間の位置関係とから、計測点392から計測対象点382までの距離Lと角度θとを推定し、この推定値に基づいて計測点392から計測する計測対象点382の信頼度を算出し、信頼度閾値以上か否かを決定する。同様にして計測点セット決定部360Cは、計測点393から計測対象点382までの距離Lと角度θとを推定し、この推定値に基づいて計測点393から計測する計測対象点382の信頼度を算出し、信頼度閾値以上か否かを決定する。
また計測点セット決定部360Cは、決定した計測点セットを画面表示部360に表示し、または通信I/F部320を通じて外部の装置へ送信する機能を有していてもよい。
振動計測部360Dは、構造物上の計測対象点の振動波形を、非接触振動センサ310を用いて計測する機能を有する。振動計測部360Dは、計測点セット決定部360Cから計測点の情報の通知を受けると、記憶部350から計測対象点情報350Aを読み出し、計測点セット決定部360Cから通知された計測点から、構造物上の計測対象点の振動波形を、非接触振動センサ310を用いて計測する。具体的には、振動計測部360Dは、本発明の第1の実施形態に係る振動計測装置300の振動計測部160Dと同様の方法によって、通知された計測点に非接触振動センサ310を配置させ、非接触振動センサ310を制御して各計測対象点の振動波形を計測し、計測結果を振動計測データ350Fとして記憶部350に保存する。振動計測部360Dは、通知された計測点からの振動波形の計測を完了すると、その旨を計測点セット決定部360Cへ通知する。
図22は、本実施形態に係る振動計測装置300の動作を示すフローチャートである。以下、図22を参照して振動計測装置300の動作を説明する。なお、振動計測装置300の動作開始時点では、記憶部350には、図4に示したような計測点情報350Bが記憶されており、計測対象点情報350A、位置関係情報350C、信頼度情報350D、計測点セット情報350E、および振動計測データ350Fは全てクリアされている。
まず、計測点セット決定部360Cは、計測点情報350Bに格納されている複数の計測点の中から初回の計測点を決定し、記憶部350の計測点セット情報350Eに追加する(ステップS301)。例えば計測点セット決定部360Cは、計測点情報350Bに格納されている計測点の一覧を画面表示部340に表示し、オペレータに初回の計測点を選択させるようにしてよい。あるいは計測点セット決定部360Cは、計測点セット情報350Bから無作為に選択した計測点を初回の計測点としてもよい。計測点セット決定部360Cは、決定した初回の計測点に注目する(ステップS302)。注目中の計測点の情報は、計測点セット決定部360Cから位置関係取得部360A、信頼度算出部360B、振動計測部360Dへ通知される。
次に位置関係取得部360Aは、3次元位置検出センサ370を使用して、計測点決定部360Cから通知された計測点から構造物上の計測対象点の3次元位置を取得し、計測対象点情報350Aとして記憶部350に保存する(ステップS303)。次に位置関係取得部360Aは、計測対象点情報350A中の計測対象点ごとに、上記計測点からの距離Lと角度θとを算出し、その算出結果を位置関係情報350Cとして記憶部350に保存する(ステップS304)。
次に信頼度算出部360Bは、記憶部350に保存された位置関係情報350Cに基づいて、計測点決定部360Cから通知された計測点から振動を計測する際の計測対象点毎の信頼度Rを算出し、その算出結果を信頼度情報350Dとして記憶部350に保存する(ステップS305)。
次に振動計測部360Dは、記憶部350から計測対象点情報350Aを読み出し、計測点セット決定部360Cから通知された計測点から、構造物上の計測対象点の振動波形を、非接触振動センサ310を用いて計測し、振動計測データ350Fとして記憶部350に保存する(ステップS306)。
次に計測点セット決定部360Cは、計測点セット情報350Eに格納される計測点セットが所定の条件を満たすか否かを判定する(ステップS307)。計測点セット決定部360Cは、計測点セットが所定の条件を満たしていれば(ステップS307でYES)、図22の処理を終了する。他方、計測点セット決定部360Cは、計測点セットが所定の条件を満たしていなければ、計測点セットを構成する次の1つの計測点を決定する(ステップS308)。計測点セット決定部360Cは、ステップS308では、注目中の計測点から信頼度閾値以上の信頼度で計測できない計測対象点が存在しない場合、例えば、計測点情報350Bに格納されている計測点のうち計測点セット情報350Eに格納されていない計測点の情報を画面表示部340に表示し、オペレータに次の計測点を選択させる等の方法により、次の1つの計測点を決定する。また、注目中の計測点から信頼度閾値以上の信頼度で計測できない計測対象点が存在する場合は、当該計測対象点の振動波形を信頼度閾値以上の信頼度で計測できる可能性のある他の計測点を、次の1つの計測点に決定する。そして、計測点セット決定部360Cは、ステップS302の処理へ戻り、上述した処理と同様の処理を繰り返す。
このように本実施形態によれば、本発明の第1の実施形態と同様の理由により、構造物上の振動波形の信頼度を正確に算出することができる。
また本実施形態によれば、無駄な計測点からの計測を防止することができる。その理由は、計測点毎に算出された信頼度に基づいて実際に使用する1以上の計測点から構成される計測点セットを決定するためである。特に、或る1つの計測点から信頼度閾値以上の信頼度で計測できない計測対象点の振動波形を信頼度閾値以上の信頼度で計測できる可能性のある他の計測点を、次の1つの計測点に決定する構成によれば、網羅性を維持しつつ冗長性を抑えた次の計測点を決定することができる。
本実施形態は上記の構成を基本としつつ、各種の付加変更が可能である。例えば、上記第2の実施形態と同様な計測優先度を計測対象点に付与し、構造物上の計測対象点が有する計測優先度に基づいて、計測優先度閾値以上の計測優先度を有する計測対象点のそれぞれが、少なくとも1つの計測点からの計測によって信頼度閾値以上の信頼度で計測できる計測点の集合である計測点を決定するようにしてもよい。
[第4の実施形態]
図23を参照すると、本発明の第4の実施形態に係る信頼度算出装置400は、主な構成要素として、位置関係取得部410と信頼度算出部420とを有する。
位置関係取得部410は、非接触振動センサの位置である計測点から構造物上の計測対象点までの距離を取得する機能を有する。
信頼度算出部420は、計測点から非接触振動センサによって計測する計測対象点の振動波形の信頼度を算出する機能を有する。
上述のように構成された本実施形態に係る信頼度算出装置400は以下のように動作する。まず位置関係取得部410は、非接触振動センサの位置である計測点から構造物上の計測対象点までの距離を取得する。次に信頼度算出部420は、上記距離に基づいて、計測点から非接触振動センサによって計測する計測対象点の振動波形の信頼度を算出する。
本実施形態に係る信頼度算出装置400は、計測点から構造物上の計測対象点までの距離に基づいて振動波形の計測の信頼度を算出するため、構造物上の振動波形の信頼度を正確に算出することができる。
[その他の実施形態]
本発明は上述した実施形態に限定されず、その他各種の付加変更が可能である。例えば以下のような実施形態も本発明に含まれる。
非接触振動センサの位置である計測点から構造物上の計測対象点を計測する際の信頼度は、上述した距離L、角度θ、非接触振動センサの計測精度の保証範囲に基づく以外に、その他の情報を考慮して算出してもよい。他の情報としては、構造物上の計測対象点の特性(素材、表面の滑らかさの程度、色、揺れの程度)、周辺環境の特性(計測対象点周辺の部分構造による隠れ、苔、植物、車、および歩行者などの前景による隠れ、太陽光や影等の照明条件)、および非接触振動センサの特性(レーザの強度や装置の揺れ)などが考えられる。
計測対象点情報は予め記憶部に記憶しておく以外に、振動計測時に動的に生成するようにしてもよい。例えば、3次元レーザスキャナ等を使用して構造物の3次元形状を計測して画面表示部に表示する。次に、オペレータに3次元形状上で計測対象領域を指定させる。次に、指定された計測対象領域内に一定の密度で計測対象点を発生させる。そして、この発生させた計測対象点の情報を計測対象点情報として記憶部に記憶させる。
遠距離が得意なセンサと近距離が得意なセンサ等、計測精度の保証範囲が相違する複数の非接触振動センサを用いて、複数の計測対象点あるいは複数の計測対象領域のそれぞれが少なくとも1つの非接触振動センサを用いた計測点からの計測によって信頼度閾値以上の信頼度で計測できる、計測点総数が最小または総数閾値以下の計測点セットを決定してもよい。
例えば橋脚構造のように、ある基本構造の組み合わせで構成される構造物については、基本構造に対して既に作成した計測点セットを参照して、同一の基本構造に対する計測点セットを決定してもよい。
また本発明は、上述した第1乃至第3の実施形態に例示されるような振動計測装置として実現する以外に、上述した第1乃至第3の実施形態から振動計測部の機能を省略した計測点算出装置として実現してもよい。或いは上述した第1乃至第3の実施形態から計測点セット決定部および振動計測部の機能を省略した信頼度算出装置として実現してもよい。
本発明は、橋梁などの構造物上の振動波形を計測する分野全般に適用できる。
100…振動計測装置
110…非接触振動センサ
120…通信I/F部
130…操作入力部
140…画面表示部
150…記憶部
150A…計測対象点情報
150B…計測点情報
150C…位置関係情報
150D…信頼度情報
150E…計測点セット情報
150F…振動計測データ
150P…プログラム
160…演算処理部
160A…位置関係取得部
160B…信頼度算出部
160C…計測点セット決定部
160D…振動計測部

Claims (18)

  1. 非接触振動センサの位置である計測点から構造物上の計測対象点までの距離を取得する位置関係取得手段と、
    前記距離に基づいて、前記計測点から前記非接触振動センサによって計測する前記計測対象点の振動波形の信頼度を算出する信頼度算出手段と
    を有する信頼度算出装置。
  2. 前記信頼度算出手段は、前記距離と前記非接触振動センサの計測精度の保証範囲とに基づいて、前記信頼度を算出する
    請求項1に記載の振動計測装置。
  3. 非接触振動センサの位置である計測点から構造物上の計測対象点までの距離を取得する位置関係取得手段と、
    前記距離に基づいて、前記計測点から前記非接触振動センサによって計測する前記計測対象点の振動波形の信頼度を算出する信頼度算出手段と、
    前記信頼度に基づいて、計測点の集合である計測点セットを決定する計測点決定手段と
    を有する計測点決定装置。
  4. 前記信頼度算出手段は、前記距離と前記非接触振動センサの計測精度の保証範囲とに基づいて、前記信頼度を算出する
    請求項3に記載の計測点決定装置。
  5. 前記計測点セット決定手段は、前記複数の計測対象点のそれぞれが少なくとも1つの前記計測点からの計測によって予め定められた信頼度閾値以上の前記信頼度で計測できる計測点の集合である計測点セットを決定する
    請求項3または4に記載の計測点決定装置。
  6. 前記計測点セット決定手段は、複数の計測対象点のうちの一部の計測対象点のそれぞれが少なくとも1つの前記計測点からの計測によって予め定められた信頼度閾値以上の前記信頼度で計測できる計測点の集合である計測点セットを決定する
    請求項4に記載の計測点決定装置。
  7. 前記位置関係取得手段は、構造物全体の3次元位置データに基づいて、計測点ごとに当該計測点から構造物上の複数の計測対象点までの距離を取得する
    請求項3乃至6の何れかに記載の計測点決定装置。
  8. 前記計測点決定手段は、計測点総数が所定の条件の計測点セットを決定する
    請求項7に記載の計測点決定装置。
  9. 前記計測点決定手段が前記計測点セットを構成する或る1つの計測点を決定する毎に、
    前記位置関係取得手段は、前記或る1つの計測点から前記構造物上の計測対象点までの距離を取得し、
    前記信頼度算出手段は、前記距離に基づいて、前記或る1つの計測点から前記非接触振動センサによって計測する前記計測対象点の振動波形の信頼度を算出し、
    前記計測点決定手段は、前記計測点セットが所定の条件を満たすか否かを決定する
    請求項3乃至6の何れかに記載の計測点決定装置。
  10. 前記計測点決定手段は、前記計測点セットが前記所定の条件を満たしていない場合、前記或る1つの計測点から前記信頼度閾値以上の前記信頼度で計測できない計測対象点の振動波形を前記信頼度閾値以上の前記信頼度で計測できる可能性のある他の計測点を、次の1つの計測点に決定する
    請求項9に記載の計測点決定装置。
  11. 非接触振動センサの位置である計測点から構造物上の計測対象点までの距離を取得する位置関係取得手段と、
    前記距離に基づいて、前記計測点から前記非接触振動センサによって計測する前記計測対象点の振動波形の信頼度を算出する信頼度算出手段と、
    前記計測点に設置した前記非接触振動センサを用いて前記構造物上の前記計測対象点の振動波形を計測する振動計測手段と
    を有する振動計測装置。
  12. 前記信頼度算出手段は、前記距離と前記非接触振動センサの計測精度の保証範囲とに基づいて、前記信頼度を算出する
    請求項11に記載の振動計測装置。
  13. 非接触振動センサの位置である計測点から構造物上の計測対象点までの距離を取得し、
    前記距離に基づいて、前記計測点から前記非接触振動センサによって計測する前記複数の計測対象点の振動波形の信頼度を算出する
    信頼度算出方法。
  14. 非接触振動センサの位置である計測点から構造物上の計測対象点までの距離を取得し、
    前記距離に基づいて、前記計測点から前記非接触振動センサによって計測する前記計測対象点の振動波形の信頼度を算出し、
    前記信頼度に基づいて、計測点の集合である計測点セットを決定する
    計測点決定方法。
  15. 非接触振動センサの位置である計測点から構造物上の計測対象点までの距離を取得し、
    前記距離に基づいて、前記計測点から前記非接触振動センサによって計測する前記計測対象点の振動波形の信頼度を算出し、
    前記計測点に設置した前記非接触振動センサを用いて前記構造物上の前記計測対象点の振動波形を計測する
    振動計測方法。
  16. コンピュータを、
    非接触振動センサの位置である計測点から構造物上の計測対象点までの距離を取得する位置関係取得手段と、
    前記距離に基づいて、前記計測点から前記非接触振動センサによって計測する前記複数の計測対象点の振動波形の信頼度を算出する信頼度算出手段と
    して機能させるためのプログラム。
  17. コンピュータを、
    非接触振動センサの位置である計測点から構造物上の計測対象点までの距離を取得する位置関係取得手段と、
    前記距離に基づいて、前記計測点から前記非接触振動センサによって計測する前記計測対象点の振動波形の信頼度を算出する信頼度算出手段と、
    前記信頼度に基づいて、計測点の集合である計測点セットを決定する計測点決定手段と
    して機能させるためのプログラム。
  18. コンピュータを、
    非接触振動センサの位置である計測点から構造物上の計測対象点までの距離を取得する位置関係取得手段と、
    前記距離に基づいて、前記計測点から前記非接触振動センサによって計測する前記計測対象点の振動波形の信頼度を算出する信頼度算出手段と、
    前記計測点に設置した前記非接触振動センサを用いて前記構造物上の前記計測対象点の振動波形を計測する振動計測手段と
    して機能させるためのプログラム。
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