JP6754623B2 - 非水電解質二次電池 - Google Patents
非水電解質二次電池 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6754623B2 JP6754623B2 JP2016117639A JP2016117639A JP6754623B2 JP 6754623 B2 JP6754623 B2 JP 6754623B2 JP 2016117639 A JP2016117639 A JP 2016117639A JP 2016117639 A JP2016117639 A JP 2016117639A JP 6754623 B2 JP6754623 B2 JP 6754623B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- negative electrode
- aqueous electrolyte
- positive electrode
- secondary battery
- electrolyte secondary
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
Landscapes
- Electric Double-Layer Capacitors Or The Like (AREA)
- Secondary Cells (AREA)
- Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
Description
この結果、まず、(化学式1)で表される環状カーボネート溶媒としてエチレンカーボネート(EC)及びプロピレンカーボネート(PC)を用いることで、特に、高温下における容量維持率を良好に維持できることを見出した。
また、(化学式2)で表される鎖状エーテル溶媒として、ジメトキシエタン(DME)を用いることにより、常温下における容量を確保しながら、特に、低温特性を向上させることができることを見出した。
さらに、上記のEC、PC及びDMEの混合比を調整することで、特に低温環境下において放電容量を維持できる効果が顕著に得られることを見出した。
具体的には、まず、環状カーボネート溶媒として、誘電率が高く、支持塩の溶解性が高いPC及びECを用いることにより、大きな放電容量を得ることが可能となる。また、PC及びECは、沸点が高いことから、仮に高温環境下で使用又は保管した場合であっても、揮発し難い電解液となる。
また、環状カーボネート溶媒として、ECよりも融点が低いPCを、ECと混合して用いることにより、低温特性を向上させることが可能となる。
また、鎖状エーテル溶媒として、融点の低いDMEを用いることにより、低温特性が向上する。また、DMEは低粘度なので、電解液の電気伝導性が向上する。さらに、DMEは、Liイオンに溶媒和することにより、非水電解質二次電池の放電容量が大きくなる。
さらに、電解液に用いる支持塩として、導電性に優れたLiFSIを単独で、上記範囲のモル比で含むことにより、放電初期の電圧降下を抑制することができることから、非水電解質二次電池を長期にわたって保存・保管、又は使用した際の放電特性を改善でき、仮に、電解液の揮発や電池内への水分の浸入が生じた場合でも、リチウムが劣化するのを抑制できるので、十分な放電容量が得られ、長期保存特性(長期信頼性)が向上する。
また、本発明によれば、負極における負極活物質として、SiOX(0<X<2)を用いることで、負極の導電性が向上し、内部抵抗の上昇が抑制されることから、放電初期における電圧降下が抑制され、放電特性をより安定化させることが可能となる。
従って、長期保存特性に優れ、長期信頼性を有する非水電解質二次電池を提供することが可能となる。
図1に示す本実施形態の非水電解質二次電池1は、いわゆるコイン(ボタン)型の電池である。この非水電解質二次電池1は、収納容器2内に、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な正極10と、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な負極20と、正極10と負極20との間に配置されたセパレータ30と、少なくとも支持塩及び有機溶媒を含む電解液50とを備える。
より具体的には、非水電解質二次電池1は、有底円筒状の正極缶12と、正極缶12の開口部12aにガスケット40を介在して固定され、正極缶12との間に収容空間を形成する有蓋円筒状(ハット状)の負極缶22とを有し、正極缶12の開口部12aの周縁を内側、即ち負極缶22側にかしめることで収容空間を密封する収納容器2を備える。
また、図1に示すように、ガスケット40は、正極缶12の内周面に沿って狭入されるとともに、セパレータ30の外周と接続され、セパレータ30を保持している。
また、正極10、負極20及びセパレータ30には、収納容器2内に充填された電解液50が含浸している。
本実施形態において、収納容器2を構成する正極缶12は、上述したように、有底円筒状に構成され、平面視で円形の開口部12aを有する。このような正極缶12の材質としては、従来公知のものを何ら制限無く用いることができ、例えば、SUS329J4L、NAS64等のステンレス鋼が挙げられる。
ガスケット40は、図1に示すように、正極缶12の内周面に沿って円環状に形成され、その環状溝41の内部に負極缶22の先端部22aが配置される。
また、ガスケット40は、例えば、その材質が、熱変形温度が230℃以上の樹脂であることが好ましい。ガスケット40に用いる樹脂材料の熱変形温度が230℃以上であれば、非水電解質二次電池1を高温環境下で使用又は保管した場合や、非水電解質二次電池1の使用中に発熱が生じた場合でも、ガスケットが変形して電解液50が漏出するのを防止できる。
本実施形態の非水電解質二次電池1は、電解液50として、少なくとも有機溶媒及び支持塩を含むものを用いる。そして、本実施形態で説明する電解液50は、有機溶媒として、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)及びジメトキシエタン(DME)を、体積比で{PC:EC:DME}={0.5〜1.5:0.5〜1.5:1〜3}の範囲で含有する混合溶媒を用いる。さらに、電解液50は、支持塩として、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)又はリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiTFSI)の少なくとも何れかを合計で1.4〜2.0(mol/L)で含有するものである。
このような電解液50は、通常、支持塩を、有機溶媒等の非水溶媒に溶解させたものからなり、電解液50に求められる耐熱性や粘度等を勘案して、その特性が決定される。
具体的には、まず、環状カーボネート溶媒として、誘電率が高く、支持塩の溶解性が高いPC及びECを用いることにより、非水電解質二次電池1の放電容量が大きくなる。また、PC及びECは、沸点が高いことから、仮に高温環境下で使用、又は保存・保管した場合であっても、揮発し難い電解液となる。
また、環状カーボネート溶媒として、ECよりも融点が低いPCを、ECと混合して用いることにより、低温特性を向上させることが可能となる。
また、鎖状エーテル溶媒として、融点の低いDMEを用いることにより、低温特性が向上する。また、DMEは低粘度なので、電解液の電気伝導性が向上する。さらに、DMEは、Liイオンに溶媒和することにより、非水電解質二次電池の放電容量が大きくなる。
本実施形態においては、特に、導電率向上の観点に加え、さらに、常温下における容量を確保しながら低温特性を向上させる観点から、下記(化学式2)で表される構造の鎖状エーテル溶媒として、リチウムイオンと溶媒和しやすいDMEを用いる。
一方、PCは、ECに較べて誘電率が低いことから支持塩の濃度を高められないため、含有量が多過ぎると大きな放電容量が得られ難くなる可能性があることから、その配合比率を上記範囲の上限以下に制限することが好ましい。
一方、ECは、粘度が高いことから電気伝導性に乏しく、また、融点が高いことから含有量が多過ぎると低温特性が低下する可能性があるため、その配合比率を上記範囲の上限以下に制限することが好ましい。
さらに、有機溶媒中におけるECの配合比率を上記範囲とすることにより、低温環境下における内部抵抗の上昇を抑制することが可能となる。
一方、DMEは誘電率が低いことから支持塩の濃度を高められないため、含有量が多過ぎると大きな放電容量が得られ難くなる可能性があることから、その配合比率を上記範囲の上限以下に制限することが好ましい。
さらに、有機溶媒中におけるDMEの配合比率を上記範囲とすることにより、放電初期の電圧降下を抑制することが可能となる。
さらに、本実施形態の非水電解質二次電池1によれば、上記の電解液50の組成の適正化に加え、詳細を後述する負極20を、表面の少なくとも一部に炭素が被覆されたSiOX(0≦X<2)、あるいは、Li−Al合金のうちの、何れかの負極活物質を含むものとすることにより、上述した長期保存特性がより一層向上する。
正極10としては、リチウムマンガン酸化物からなる正極活物質を含有するものであれば、特に限定されず、従来からこの分野で公知のものを用いることができる。また、正極10としては、上記の正極活物質に加え、さらに、結着剤としてポリアクリル酸を、導電助剤としてグラファイト等を混合したものを用いることができる。
また、本実施形態では、正極活物質として、上記のリチウムマンガン酸化物のうちの1種のみならず、複数を含有していても構わない。
正極活物質の粒子径(D50)が、上記好ましい範囲の下限値未満であると、非水電解質二次電池が高温に曝された際に反応性が高まるために扱いにくくなり、また、上限値を超えると、放電レートが低下するおそれがある。
なお、本発明における「正極活物質の粒子径(D50)」とは、従来公知のレーザー回折法を用いて測定される粒子径であって、メジアン径を意味する。
正極導電助剤としては、例えば、ファーネスブラック、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、グラファイト等の炭素質材料が挙げられる。
正極導電助剤は、上記のうちの1種を単独で用いてもよく、あるいは、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、正極10中の正極導電助剤の含有量は、4〜40質量%が好ましく、10〜25質量%がより好ましい。正極導電助剤の含有量が、上記の好ましい範囲の下限値以上であれば、充分な導電性が得られやすくなる。また、電極をペレット状に成型する場合に成型しやすくなる。一方、正極10中の正極導電助剤の含有量が、上記好ましい範囲の上限値以下であれば、正極10による充分な放電容量が得られやすくなる。
正極バインダとしては、従来公知の物質を用いることができ、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリアクリル酸(PA)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリビニルアルコール(PVA)等が挙げられ、中でも、ポリアクリル酸が好ましく、架橋型のポリアクリル酸がより好ましい。
また、正極バインダは、上記のうちの1種を単独で用いてもよく、あるいは、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、正極バインダにポリアクリル酸を用いる場合には、ポリアクリル酸を、予め、pH3〜10に調整しておくことが好ましい。この場合のpHの調整には、例えば、水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化物や水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属水酸化物を用いることができる。
正極10中の正極バインダの含有量は、例えば、1〜20質量%とすることができる。
また、正極10の厚さも、非水電解質二次電池1の大きさに応じて決定され、非水電解質二次電池1が、各種電子機器向けのバックアップ用のコイン型のものである場合、例えば、300〜1000μm程度とされる。
例えば、正極10の製造方法としては、正極活物質と、必要に応じて正極導電助剤、及び、正極バインダのうちの少なくとも何れかと、を混合して正極合剤とし、この正極合剤を任意の形状に加圧成形する方法が挙げられる。
上記の加圧成形時の圧力は、正極導電助剤の種類等を勘案して決定され、例えば0.2〜5ton/cm2とすることができる。
本実施形態で用いられる負極20は、負極活物質として、SiOX(0≦X<2)、あるいは、Li−Al合金を含むものである。負極20としては、上記の負極活物質に加え、さらに、適当なバインダと、結着剤としてポリアクリル酸を、導電助剤としてグラファイト等を混合したものを用いることができる。
また、負極20は、負極活物質として、上記のSiOx(0≦X<2)、又は、Li−Al合金に加え、さらに、炭素、Li−Al合金以外の合金系負極、Si、WO2及びWO3のうちの少なくとも何れかを含有していてもよい。
負極20に、負極活物質として上記材料を用いることで、充放電サイクルにおける電解液50と負極20との反応が抑制され、容量の減少を防止でき、サイクル特性が向上する。
一方、上記のモル比(Li/SiOX)が4.9を超えると、Liが多過ぎることから、充電異常が発生する可能性がある。また、金属LiがSiOXに取り込まれずに残存することから、内部抵抗が上昇して放電容量が低下する可能性がある。
負極20において、上記材料からなる負極活物質の含有量が、上記好ましい範囲の下限値以上であれば、充分な放電容量が得られやすく、また、上限値以下であれば、負極20を成形するのが容易になる。
負極20は、バインダ(以下、負極20に用いられるバインダを「負極バインダ」ということがある)を含有してもよい。
負極バインダとしては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリアクリル酸(PA)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリイミド(PI)、ポリイミドアミド(PAI)等が挙げられ、中でも、ポリアクリル酸が好ましく、架橋型のポリアクリル酸がより好ましい。
また、負極バインダは、上記のうちの1種を単独で用いてもよく、あるいは、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、負極バインダにポリアクリル酸を用いる場合には、ポリアクリル酸を、予め、pH3〜10に調整しておくことが好ましい。この場合のpHの調整は、例えば、水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化物や水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属水酸化物を添加することで行うことができる。
負極20中の負極バインダの含有量は、例えば1〜20質量%とされる。
また、図1に示す非水電解質二次電池1においては、負極20の表面、即ち、負極20と後述のセパレータ30との間に、リチウムフォイル60を設けている。
この場合の加圧成形時の圧力は、負極導電助剤の種類等を勘案して決定され、例えば0.2〜5ton/cm2とすることができる。
セパレータ30は、正極10と負極20との間に介在され、大きなイオン透過度を有するとともに耐熱性に優れ、かつ、所定の機械的強度を有する絶縁膜が用いられる。
セパレータ30としては、従来から非水電解質二次電池のセパレータに用いられ、上記特性を満たす材質からなるものを何ら制限無く適用でき、例えば、アルカリガラス、ホウ珪酸ガラス、石英ガラス、鉛ガラス等のガラス、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリアミド、ポリイミド(PI)、アラミド、セルロース、フッ素樹脂、セラミックス等の樹脂からなる不織布や繊維等が挙げられる。セパレータ30としては、上記の中でも、ガラス繊維からなる不織布を用いることがより好ましい。ガラス繊維は、機械強度に優れるとともに、大きなイオン透過度を有するため、内部抵抗を低減して放電容量の向上を図ることが可能となる。
セパレータ30の厚さは、非水電解質二次電池1の大きさや、セパレータ30の材質等を勘案して決定され、例えば5〜300μm程度とすることができる。
本実施形態の非水電解質二次電池1においては、負極20の容量と正極10の容量とから表される容量バランス{負極容量(mAh)/正極容量(mAh)}が、1.56〜2.51の範囲であることがより好ましい。
負極20と正極10との容量バランスを上記範囲とすることで、負極側の容量に所定の余裕を確保しておくことができ、例えば、電池反応による負極活物質の分解が早く進んだ場合であっても、一定以上の負極容量を確保することが可能となる。従って、仮に、非水電解質二次電池1を過酷な高温多湿環境下において、長期にわたって保存・保管するか、あるいは長期使用した場合であっても放電容量の低下が抑制され、長期保存特性が向上する効果が得られる。
本実施形態においては、非水電解質二次電池の一実施形態として、ステンレス鋼製の正極缶と負極缶とを用い、これらをかしめた収納容器を備えるコイン型構造の非水電解質二次電池を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、セラミックス製の容器本体の開口部が、金属製の封口部材を用いたシーム溶接等の加熱処理によって、セラミックス製の蓋体で封止された構造の非水電解質二次電池であってもよい。
本実施形態の非水電解質二次電池1は、上述したように、例えば、過酷な温度・湿度環境下で、長期にわたって保存・保管、又は使用した場合においても十分な放電容量を確保することができ、長期保存特性に優れたものなので、例えば、電圧値2〜3Vのバックアップ用の電源に好適に用いられる。
以上説明したように、本発明の実施形態である非水電解質二次電池1によれば、上述のように、電解液50として、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)及びジメトキシエタン(DME)を、体積比で{PC:EC:DME}={0.5〜1.5:0.5〜1.5:1〜3}の範囲で含有する有機溶媒を用いるとともに、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)又はリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiTFSI)の少なくとも何れかを合計1.4〜2.0(mol/L)で含有する支持塩を用い、且つ、負極活物質として、SiOX(0≦X<2)、あるいは、Li−Al合金を含む負極20を用いている。
このように、電解液に用いられる有機溶媒及び支持塩の組成を適正化するとともに、負極における負極活物質に上記材料を用いることで、非水電解質二次電池1を長期にわたって保存・保管、又は使用した際、仮に、電解液の揮発や電池内への水分の浸入が生じた場合でも、リチウムが劣化するのを抑制できるので、十分な放電容量が得られる。
従って、長期保存特性に優れ、長期信頼性を有する非水電解質二次電池を提供することが可能となる。
[実験例1〜8]
実験例1〜8においては、電気化学セルとして、図1に示すようなコイン型の非水電解質二次電池を作製した。なお、これらの実験例では、下記表1に示す組成の電解液を調整し、さらに、正極活物質としてLi1.14Co0.06Mn1.80O4、負極活物質として表面全体が炭素で被覆されたSiOを用いて非水電解質二次電池を作製した。本実験例では、図1に示す断面図において、外形が6.8mm、厚さが2.1mmのコイン型(621サイズ)の非水電解質二次電池(リチウム二次電池)を作製した。
まず、下記表1に示す配合比率(体積%)に従って有機溶媒を調整し、この有機溶媒に支持塩を溶解させることで電解液50を調整した。この際、有機溶媒として、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、及び、ジメトキシエタン(DME)を、体積比で{PC:EC:DME}={1:1:2}の割合で混合することで、混合溶媒を調整した。次いで、得られた混合溶媒に、支持塩として、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)を、下記表1中に示した各々異なる濃度で溶解させることで電解液50を得た。
正極10として、まず、市販のリチウムマンガン酸化物(Li1.14Co0.06Mn1.80O4)に、導電助剤としてグラファイトを、結着剤としてポリアクリル酸を、リチウムマンガン酸化物:グラファイト:ポリアクリル酸=90:8:2(質量比)の割合で混合して正極合剤とした。
次いで、得られた正極合剤98.6mgを、2ton/cm2の加圧力で加圧し、直径8.9mmの円盤形ペレットに加圧成形した。
そして、正極ユニットにおける正極缶12の開口部12aの内側面にシール剤を塗布した。
次いで、得られた負極合剤15.1mgを、2ton/cm2加圧力で加圧成形し、直径6.7mmの円盤形ペレットに加圧成形した。
そして、ペレット状の負極20上に、さらに、直径6.1mm、厚さ0.38mmに打ち抜いたリチウムフォイル60を圧着し、リチウム−負極積層電極とした。
また、上記各電極の作製にあたっては、負極20の容量と正極10の容量とから表される容量バランス{負極容量(mAh)/正極容量(mAh)}を、下記表1に示す値となるように調整した。
これら、各実験例の非水電解質二次電池は、上記のように、電解液に含まれる支持塩の量がそれぞれ異なるものであり、また、そのサンプル数(作製数)nを、下記表1に示す数量とした。
実験例9,10においては、電気化学セルとして、下記表2に示すように、電解液50に含まれる支持塩をLiTFSIとして支持塩濃度を変化させるとともに、容量バランスを下記表2中に示す値に調整し、さらに、図1に示す断面図において、外形が9.5mm、厚さが2.0mmのコイン型(920サイズ)として構成した点を除き、実施例1〜8と同様の条件で非水電解質二次電池(リチウム二次電池)を作製した。この際、各サンプル数(作製数)nを、下記表2に示す数量とした。
上記手順で得られた実験例1〜10の非水電解質二次電池に対して、以下に説明するような評価試験を実施した。
(放電容量試験)
初期電気特性の評価においては、実験例1〜10の非水電解質二次電池の初期の放電容量試験を行った。具体的には、上記各実験例の非水電解質二次電池を(各実験例においてn=3)、25℃の環境下、100kΩの抵抗を電流制限用抵抗として用い、電圧2.0Vになるまで放電し、次いで、25℃の環境下、470kΩの定抵抗を用いて、電圧3.1Vで96時間印加した。その後、25℃の環境下、100kΩの抵抗を電流制限用抵抗として用いて電圧2.0Vになるまで放電した際の容量を測定し、この値を常温下の容量(初期容量:mAh)とした。
また、上記の実験例1〜8のデータを表1中に示すととともに、実験例9,10のデータを表2中に示した。
(放電容量試験及び容量維持率試験)
上記の各初期特性の測定が完了した実験例1〜10の非水電解質二次電池に対して、以下に説明するような高温高湿保存試験(HHTS)を実施した。具体的には、まず、実験例1〜8の非水電解質二次電池を、恒湿恒温槽を用いて、80℃、90%RHの高温高湿環境下で80日間保存した。
また、上記の実験例1〜8のデータを表1中に示すととともに、実験例9,10のデータを表2中に示した。
図2(a),(b)のグラフ及び表2に示すように、電解液中に含まれる支持塩のモル濃度を変化させた実験例1〜8においては、初期の容量特性については大きな差は見られなかった。
即ち、電解液中に含まれる支持塩のモル濃度が0.6〜1.2(mol/L)の範囲とされた実験例1〜4の非水電解質二次電池は、高温高湿環境下において40日間保存した後から容量及び容量維持率が大きく下がり始めていることがわかる。
そして、図3(a)に示すように、80日間保存した後の実験例1〜4の非水電解質二次電池は、全ての例において容量が0.7(mAh)以下となり、実験例1,2においては容量がほぼ0(mAh)に近いことがわかる。また、図3(b)に示すように、80日間保存した後の実験例1〜4の非水電解質二次電池は、全ての例において容量維持率が20%以下であり、実験例1,2においては容量維持率がほぼ0%(1%弱)である。
表2に示すように、電解液50中に含まれる支持塩にLiTFSIを用いた場合においても、支持塩にLiFSIを用いた場合と同様、電解液中の支持塩のモル濃度が1.0(mol/L)である実験例9に比べ、支持塩のモル濃度が1.4(mol/L)である実験例10は、高温高湿環境下において80日間にわたって保存した後の容量が3.687(mAh)、容量維持率が57%と、長期保存特性に優れていることが明らかである。
2…収納容器
10…正極
12…正極缶
12a…開口部
14…正極集電体
20…負極
22…負極缶
22a…先端部
24…負極集電体
30…セパレータ
40…ガスケット
41…環状溝
50…電解液
60…リチウムフォイル
Claims (5)
- 正極活物質としてリチウムマンガン酸化物を含む正極と、
負極活物質として、SiOX(0<X<2)を含む負極と、
有機溶媒として、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)及びジメトキシエタン(DME)を、体積比で{PC:EC:DME}={0.5〜1.5:0.5〜1.5:1〜3}の範囲で含有し、且つ、支持塩として、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)を単独で1.4〜2.0(mol/L)で含有する電解液と、を含むことを特徴とする非水電解質二次電池。 - 前記正極は、前記正極活物質に用いられるリチウムマンガン酸化物として、少なくともLi1+xCoyMn2−x−yO4(0≦x≦0.33、0<y≦0.2)を含むことを特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次電池。
- 前記負極は、前記負極活物質が、表面の少なくとも一部が炭素で被覆されたSiOX(0<X<2)を含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の非水電解質二次電池。
- 前記負極活物質に含まれる、表面の少なくとも一部が炭素で被覆されたSiOX(0<X<2)の粒子径(D50)が、0.1〜30μmであることを特徴とする請求項3に記載の非水電解質二次電池。
- 前記負極の容量と前記正極の容量とから表される容量バランス{負極容量(mAh)/正極容量(mAh)}が、1.56〜2.51の範囲であることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか一項に記載の非水電解質二次電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016117639A JP6754623B2 (ja) | 2016-06-14 | 2016-06-14 | 非水電解質二次電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016117639A JP6754623B2 (ja) | 2016-06-14 | 2016-06-14 | 非水電解質二次電池 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017224430A JP2017224430A (ja) | 2017-12-21 |
JP6754623B2 true JP6754623B2 (ja) | 2020-09-16 |
Family
ID=60688480
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016117639A Active JP6754623B2 (ja) | 2016-06-14 | 2016-06-14 | 非水電解質二次電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6754623B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019212041A1 (ja) * | 2018-05-02 | 2019-11-07 | 株式会社ジェイテクト | リチウムイオン二次電池 |
CN113644317B (zh) * | 2019-07-30 | 2023-05-12 | 宁德时代新能源科技股份有限公司 | 一种锂离子电池 |
WO2022181207A1 (ja) * | 2021-02-26 | 2022-09-01 | セイコーインスツル株式会社 | 非水電解質二次電池 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2702311B1 (fr) * | 1993-03-02 | 1995-04-14 | Accumulateurs Fixes | Electrolyte pour générateur rechargeable au lithium. |
JP5827103B2 (ja) * | 2011-11-07 | 2015-12-02 | セイコーインスツル株式会社 | 小型非水電解質二次電池及びその製造方法 |
JP6090743B2 (ja) * | 2013-03-14 | 2017-03-08 | セイコーインスツル株式会社 | 電気化学セル用負極の選別方法、及び、電気化学セルの製造方法 |
JP6425225B2 (ja) * | 2014-01-21 | 2018-11-21 | セイコーインスツル株式会社 | 非水電解質二次電池 |
-
2016
- 2016-06-14 JP JP2016117639A patent/JP6754623B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2017224430A (ja) | 2017-12-21 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6080284B1 (ja) | 非水電解質二次電池 | |
JP6587235B2 (ja) | 非水電解質二次電池 | |
KR102253216B1 (ko) | 비수 전해질 2차 전지 | |
JP6425225B2 (ja) | 非水電解質二次電池 | |
US11641028B2 (en) | Nonaqueous electrolyte secondary battery | |
JP6754623B2 (ja) | 非水電解質二次電池 | |
JP6146770B2 (ja) | 電気化学セル用の電解液及びこれを用いた電気化学セル | |
CN105977413B (zh) | 非水电解质二次电池 | |
JP7181816B2 (ja) | 非水電解質二次電池 | |
JP6587929B2 (ja) | 非水電解質二次電池 | |
WO2022181207A1 (ja) | 非水電解質二次電池 | |
JP6648202B2 (ja) | 非水電解質二次電池 | |
JP2007115518A (ja) | 非水電解液二次電池 | |
JP2009146690A (ja) | コイン型リチウム二次電池 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20181026 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20190410 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20191217 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20191218 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20200114 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20200630 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20200722 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20200818 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20200824 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6754623 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |