JP6753646B2 - コーヒー飲料 - Google Patents

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本発明は、コーヒー飲料に関する。
コーヒー飲料は嗜好飲料として広く愛好されており、またコーヒー飲料に含まれるクロロゲン酸類は、抗酸化作用や血圧降下作用といった優れた生理活性を有することが知られている(特許文献1)。
一方、イソクエルシトリンは、強力な抗酸化活性を有し、色素の退色を防止することが知られており(特許文献2)、また抗動脈硬化、血流改善等の生理作用も期待されている。ところが、イソクエルシトリンは水に難溶であるため、飲料等の水系の組成物としての利用が制限されるという問題あった。そこで、水への溶解性を改善すべく、イソクエルシトリンに糖化合物の存在下、糖転移酵素を作用させて得られる「酵素処理イソクエルシトリン」が開発されている(特許文献3)。酵素処理イソクエルシトリンについて、ビタミンC又はDと共存させることで、ビタミンC又はDの光劣化を抑制できるとの報告があるが(特許文献4)、酵素処理イソクエルシトリンがコーヒー飲料の風味の改善に有効であるとの報告はない。
特開2002−87977号公報 特開2008−131888号公報 特開平1−213293号公報 特開2006−315985号公報
コーヒー飲料は、苦味を楽しむ飲料であり、その代表例としてエスプレッソがある。近年、コーヒー飲料において、口に含んだときにシャープな苦味が感じられ、その苦味の後引きがなくキレのよい良質の苦味が好まれる傾向にある。カフェインは、苦味を有するものであるが、コーヒー飲料中のカフェインを単純に高濃度化しただけでは、飲用時にシャープな苦味が感じられるものの、後味に不快な苦味が残りやすい。ここで、本明細書において「良質な苦味」とは、飲用時にシャープな苦味が感じられ、後に引かない苦味をいい、また「後味」とは、JIS Z 8144:2004に記載の「口内に残る感覚」をいう。
また、コーヒー飲料の風味には、苦味、酸味、甘味、香り等の様々な要素があり、コーヒー飲料の風味はこれらの味覚のバランスの上に成り立っており、また味に奥行きや広がりが増すことでコクとして感じられる。したがって、コーヒー飲料の風味の一つの要素が増減すると、風味バランスが崩れ、風味に違和感を生ずることがあり、またバランスの崩れた風味からはコクを感じ難い。
本発明の課題は、良質な苦味を有し、かつコクのあるコーヒー飲料を提供することにある。
本発明者らは、上記課題に鑑み検討した結果、一定量のカフェインに特定のポリフェノールを一定の量比で配合し、pHを特定範囲内に制御することにより、良質な苦味が増強されるとともに、風味バランスが良好でコクのあるコーヒー飲料が得られることを見出した。
すなわち、本発明は、次の成分(A)及び(B);
(A)カフェイン:0.01〜0.2質量%
(B)イソクエルシトリン及びその糖付加物
を含有し、成分(A)と成分(B)との質量比[(B)/(A)]が0.3〜1.5であり、かつ pHが5〜7である、コーヒー飲料を提供するものである。
本発明によれば、口に含んだときにシャープな苦味が感じられ、後引きがなくキレのよい良質の苦味を有し、かつコクのあるコーヒー飲料を提供することができる。
本発明のコーヒー飲料は、成分(A)としてカフェインを含有する。本発明のコーヒー飲料中の成分(A)の含有量は、0.01〜0.2質量%であるが、苦味付与の観点から、0.02質量%以上が好ましく、0.03質量%以上がより好ましく、0.04質量%以上が更に好ましく、また風味バランスの観点から、0.18質量%以下が好ましく、0.16質量%以下がより好ましく、0.14質量%以下が更に好ましい。かかる成分(A)の含有量の範囲としては、本発明のコーヒー飲料中に、好ましくは0.02〜0.18質量%、より好ましくは0.03〜0.16質量%、更に好ましくは0.04〜0.14質量%である。なお、成分(A)の分析は、後掲の実施例に記載の方法にしたがうものとする。
本発明のコーヒー飲料は、良質な苦味及びコクを増強するために、成分(B)としてイソクエルシトリン及びその糖付加物(以下、「(B)イソクエルシトリン糖付加物等」とも称する)を含有する。ここで、「イソクエルシトリン」とは、ケルセチンの3位にグルコース1つがβ結合したものであり(quercetin 3-O-β-D-glucopyranoside)、また「イソクエルシトリン糖付加物」とは、イソクエルシトリンのグルコース残基に1以上のグルコースをα−1,4結合で更に付加したα−グルコシルイソクエルシトリンである。イソクエルシトリン糖付加物は、イソクエルシトリンに対してグルコースを1〜15個付加した混合物が好ましく、1〜10個付加した混合物がより好ましく、1〜7個付加した混合物が更に好ましい。
また、(B)イソクエルシトリン糖付加物等中のイソクエルシトリン糖付加物/イソクエルシトリンの質量比は、水溶性の点から、1以上が好ましく、2以上がより好ましく、4以上が更に好ましく、また製造効率の点から、1000以下が好ましく、500以下がより好ましく、100以下が更に好ましく、50以下が更に好ましく、25以下が更に好ましく、10以下が殊更に好ましい。かかる質量比の範囲としては、好ましくは1〜1000、より好ましくは1〜500、更に好ましくは1〜100、更に好ましくは1〜50、更に好ましくは1〜25、更に好ましくは1〜10、更に好ましくは2〜10、殊更に好ましくは4〜10である。ここでいう「イソクエルシトリン糖付加物」は、イソクエルシトリンに対するグルコース付加数が1〜7のα−グルコシルイソクエルシトリンの合計量をイソクエルシトリン換算したものとする。
(B)イソクエルシトリン糖付加物等は、例えば、イソクエルシトリンに糖化合物の存在下、糖転移酵素を作用させて得ることができる。酵素反応は、公知の方法を採用することが可能であり、例えば、特開平1−213293号公報等に記載を参酌することができる。また、(B)イソクエルシトリン糖付加物等は商業的に入手してもよく、例えば、サンメリンAO−3000、サンメリンAO−3000P、サンメリンAO−1007、サンメリンパウダーC−10(以上、三栄源エフ・エフ・アイ社製)が挙げられる。
本発明のコーヒー飲料中の成分(B)の含有量は、成分(A)と成分(B)との質量比[(B)/(A)]として0.3〜1.5であるが、良質な苦味の増強の観点から、0.4以上が好ましく、0.5以上がより好ましく、0.6以上が更に好ましく、またコクの増強、イソクエルシトリン糖付加物等由来の異味抑制の観点から、1.2以下が好ましく、1.1以下がより好ましく、1.0以下が更に好ましく、0.9以下がより更に好ましい。かかる質量比[(B)/(A)]の範囲としては、好ましくは0.4〜1.2、より好ましくは0.5〜1.0、更に好ましくは0.5〜1.1、より更に好ましくは0.6〜0.9である。なお、本明細書において「成分(B)の含有量」は、イソクエルシトリンと、イソクエルシトリンに対するグルコース付加数が1〜7のα−グルコシルイソクエルシトリンとの混合物の合計量をイソクエルシトリン換算したものとする。
本発明のコーヒー飲料中の成分(B)の含有量は、良質な苦味の増強の観点から、0.02質量%以上が好ましく、0.03質量%以上がより好ましく、0.04質量%以上が更に好ましく、またコクの増強、イソクエルシトリン糖付加物等由来の異味抑制の観点から、0.12質量%以下が好ましく、0.1質量%以下がより好ましく、0.08質量%以下が更に好ましく、0.07質量%以下がより更に好ましい。かかる成分(B)の含有量の範囲としては、好ましくは0.02〜0.12質量%、より好ましくは0.03〜0.1質量%、更に好ましくは0.04〜0.08質量%、より更に好ましくは0.04〜
0.07質量%である。
本発明のコーヒー飲料は、容器詰された飲料1本当たりの成分(B)の含有量が、好ましくは0.05〜0.3g、より好ましくは0.08〜0.25g、更に好ましくは0.1〜0.2gである。なお、容器の容量は、180〜600mLが好ましい。
また、本発明のコーヒー飲料は、成分(C)としてクロロゲン酸類を含有することができる。ここで、本明細書において「クロロゲン酸類」とは、3−カフェオイルキナ酸、4−カフェオイルキナ酸及び5−カフェオイルキナ酸のモノカフェオイルキナ酸と、3−フェルラキナ酸、4−フェルラキナ酸及び5−フェルラキナ酸のモノフェルラキナ酸と、3,4−ジカフェオイルキナ酸、3,5−ジカフェオイルキナ酸及び4,5−ジカフェオイルキナ酸のジカフェオイルキナ酸を併せての総称であり、本発明においては上記9種のうち少なくとも1種を含有すればよい。
本発明のコーヒー飲料中の成分(C)の含有量は、生理活性の観点から、0.01質量%以上が好ましく、0.02質量%以上がより好ましく、0.03質量%以上が更に好ましく、また風味バランスの観点から、0.4質量%以下が好ましく、0.3質量%以下がより好ましく、0.2質量%以下が更に好ましい。本発明のコーヒー飲料中の成分(C)の含有量の範囲としては、好ましくは0.01〜0.4質量%、より好ましくは0.02〜0.3質量%、更に好ましくは0.03〜0.2質量%である。なお、成分(C)の含有量は上記9種の合計量に基づいて定義され、また成分(C)の分析は、後掲の実施例に記載の方法にしたがうものとする。
本発明のコーヒー飲料のpH(20℃)は、5〜7であるが、コクの増強の観点から、
5.1以上が好ましく、5.3以上がより好ましく、5.5以上が更に好ましく、また良質な苦味の増強の観点から、6.9以下が好ましく、6.7以下がより好ましく、6.5以下が更に好ましい。かかるpH(20℃)の範囲としては、好ましくは5.1〜6.9、より好ましくは5.3〜6.7、更に好ましくは5.5〜6.5である。
本発明のコーヒー飲料のBrix(20℃)は、コク付与の観点から、0.8以上が好ましく、1.0以上がより好ましく、1.2以上が更に好ましく、また口当たりの良さの観点から、6.0以下が好ましく、5.5以下がより好ましく、5.0以下が更に好ましく、4.0以下がより更に好ましく、3.0以下がより更に好ましく、2.5以下がより更に好ましく、2.3以下がより更に好ましい。かかるBrixの範囲としては、好ましくは0.8〜6.0、より好ましくは0.8〜5.5、更に好ましくは0.8〜5.0、より更に好ましくは0.8〜4.0、より更に好ましくは0.8〜3.0、より更に好ましくは1.0〜2.5、より更に好ましくは1.2〜2.3である。
このようなコーヒー飲料は、焙煎コーヒー豆から抽出した焙煎コーヒー豆抽出物、インスタントコーヒーの水溶液、コーヒー濃縮組成物等のコーヒー液に、(B)イソクエルシトリン糖付加物等を配合し、(A)カフェインの濃度、質量比[(B)/(A)]及びpHを調整して製造することができる。
焙煎コーヒー豆抽出物としては、コーヒー飲料100g当たりの焙煎コーヒー豆の使用量が生豆換算で1g以上となるものが好ましく、2.5g以上となるものがより好ましく、5g以上となるものが更に好ましい。ここで、生豆換算値は、焙煎コーヒー豆1gが生コーヒー豆1.3gに相当するものとする(改訂新版・ソフトドリンクス、監修:全国清涼飲料工業会、発行:光琳、平成元年12月25日発行 421頁記載)。
抽出に使用する焙煎コーヒー豆の豆種及び産地は特に限定されず、嗜好性に応じて1種又は2種以上を適宜選択すればよい。また、抽出方法も特に制限はなく、公知の方法を採用することができる。
焙煎コーヒー豆は、色差計で測定したL値が、好ましくは10〜60、より好ましくは12〜45、更に好ましくは15〜35であり、焙煎度の異なるコーヒー豆を混合して使用することもできる。ここで、本明細書において「L値」とは、黒をL値0とし、また白をL値100として、焙煎コーヒー豆の明度を色差計で測定したものである。色差計として、例えば、スペクトロフォトメーター SE2000((株)日本電色社製)を用いることができる。焙煎度の異なるコーヒー豆を併用する場合、L値が上記範囲外のものを用いても差し支えないが、L値の平均値が上記範囲内となるように適宜組み合わせて使用することが好ましい。L値の平均値は、使用する焙煎コーヒー豆のL値に、当該焙煎コーヒー豆の含有比率を乗じた値の総和として求められる。なお、コーヒー豆の焙煎方法及び焙煎条件は特に限定されない。
また、本発明のコーヒー飲料には、所望により、甘味料、乳成分、酸化防止剤、香料、有機酸類、有機酸塩類、無機酸類、無機酸塩類、無機塩類、色素類、乳化剤、保存料、調味料、酸味料、アミノ酸、pH調整剤、品質安定剤等の添加剤の1種又は2種以上を配合してもよい。本発明のコーヒー飲料は、ブラックコーヒー飲料、ミルクコーヒー飲料とすることもできる。
本発明のコーヒー飲料は、ポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)、金属缶、金属箔やプラスチックフィルムと複合された紙容器、瓶等の通常の包装容器に充填して、容器詰コーヒー飲料として提供することができる。
また、本発明のコーヒー飲料は、加熱殺菌されていてもよく、加熱殺菌方法としては、適用されるべき法規(日本にあっては食品衛生法)に定められた条件に適合するものであれば特に限定されるものではない。例えば、レトルト殺菌法、高温短時間殺菌法(HTST法)、超高温殺菌法(UHT法)等を挙げることができる。また、容器詰飲料の容器の種類に応じて加熱殺菌法を適宜選択することも可能であり、例えば、金属缶のように、飲料を容器に充填後、容器ごと加熱殺菌できる場合にあってはレトルト殺菌を採用することができる。また、PETボトル、紙容器のようにレトルト殺菌できないものについては、飲料をあらかじめ上記と同等の殺菌条件で加熱殺菌し、無菌環境下で殺菌処理した容器に充填するアセプティック充填や、ホットパック充填等を採用することができる。
1.クロロゲン酸類及びカフェインの分析
分析機器はHPLCを使用した。装置の構成ユニットの型番は次の通りである。
・UV−VIS検出器:L−2420((株)日立ハイテクノロジーズ)
・カラムオーブン:L−2300((株)日立ハイテクノロジーズ)
・ポンプ:L−2130((株)日立ハイテクノロジーズ)
・オートサンプラー:L−2200((株)日立ハイテクノロジーズ)
・カラム:Cadenza CD−C18 内径4.6mm×長さ150mm、粒子径3μm(インタクト(株))
分析条件は次の通りである。
・サンプル注入量:10μL
・流量:1.0mL/min
・UV−VIS検出器設定波長:325nm
・カラムオーブン設定温度:35℃
・溶離液A:0.05M 酢酸、0.1mM 1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、10mM 酢酸ナトリウム、5(V/V)%アセトニトリル溶液
・溶離液B:アセトニトリル
濃度勾配条件
時間 溶離液A 溶離液B
0.0分 100% 0%
10.0分 100% 0%
15.0分 95% 5%
20.0分 95% 5%
22.0分 92% 8%
50.0分 92% 8%
52.0分 10% 90%
60.0分 10% 90%
60.1分 100% 0%
70.0分 100% 0%
HPLCでは、試料1gを精秤後、溶離液Aにて10mLにメスアップし、メンブレンフィルター(GLクロマトディスク25A,孔径0.45μm,ジーエルサイエンス(株))にて濾過後、分析に供した。
クロロゲン酸類の保持時間(単位:分)9種のクロロゲン酸類
・モノカフェオイルキナ酸:5.3、8.8、11.6の計3点
・モノフェルラキナ酸:13.0、19.9、21.0の計3点
・ジカフェオイルキナ酸:36.6、37.4、44.2の計3点
ここで求めた9種のクロロゲン酸類の面積値から5−カフェオイルキナ酸を標準物質とし、質量%を求めた。
なお、カフェインの分析は、UV−VIS 検出器設定波長:270nm、カフェインを標準物質とした以外はクロロゲン酸類と同様に実施した。カフェインの保持時間は18.9分。
2.イソクエルシトリン及びその糖付加物の分析
イソクエルシトリン及びその糖付加物の分析は、HPLC(高速液体クロマトグラフ)法により、次に示す方法にしたがって行った。分析機器としては、LC−20AD(島津製作所社製)を使用した。
分析機器の装置構成は次の通りである。
・検出器 :紫外可視吸光光度計 SPD-20A(島津製作所社製)
・カラム :YMC-Pack ODS-A AA12S05-1506WT、φ6mm×150mm(ワイエムシィ社製)
分析条件は次の通りである。
・カラム温度:40℃
・移動相 :水、アセトニトリル、2−プロパノール及び酢酸の混液(200:38:2:1)
・流量 :1.0mL/min
・試料注入量:10μL
・測定波長 :360nm
以下の手順にて分析用試料を調製した。
検体2gを量りとり、メタノール及び水の混液(1:1)を加えて50mLに定容した。次いで、この液1mLを分取し、メタノール及び水の混液(1:1)を加えて10mLに定容した。次いで、この液1mLを分取し、メタノール及び水の混液(1:1)を加えて10mLに定容し、試料溶液とした。そして、試料溶液を高速液体クロマトグラフ分析に供した。
また、イソクエルシトリンの標準品を用いて濃度既知の溶液を調製し、高速液体クロマトグラフ分析に供することにより検量線を作成し、イソクエルシトリンを指標として、前記試料溶液中のイソクエルシトリン糖付加物等の定量を行った。即ち、前記検量線から、前記試料溶液のHPLC分析におけるイソクエルシトリン及びその糖付加物についてそれぞれモル濃度を求め、更にイソクエルシトリンの分子量からその含有量(質量%)を計算し、試料中のイソクエルシトリン糖付加物等の定量を行った。
3.官能評価
各容器詰コーヒー飲料を専門パネル5名が試飲し、良質な苦味、コクについて下記の基準にて評価し、その後協議により最終スコアを決定した。また、専門パネルが飲用の際に違和感を生じた場合には、表中の備考にその旨を記載した。
良質な苦味の評価基準
実施例3の容器詰コーヒー飲料の評点を「5」とし、比較例4の容器詰コーヒー飲料の評点を「1」として5段階で評価した。具体的な評価基準は以下のとおりである。
5:口に含んだときにシャープな苦味が強く感じられ、後引きがない
4:口に含んだときにシャープな苦味が感じられ、後引きがほとんどない
3:口に含んだときにシャープな苦味が感じられるが、後引きがややある
2:口に含んだときにシャープな苦味が感じられるが、後引きがある
1:口に含んだときにシャープな苦味がやや感じられるが、後引きがある
コクの評価基準
実施例3の容器詰コーヒー飲料の評点を「5」とし、比較例4の容器詰コーヒー飲料の評点を「1」として5段階で評価した。具体的な評価基準は以下のとおりである。
5:コクが十分にある
4:コクがある
3:コクがややある
2:コクがやや弱い
1:コクがない
製造例1
コーヒー抽出液A
L22の焙煎コーヒー豆400gを、ドリップ抽出器(内径73mm、容積11L)に投入し、95℃の温水をドリップ抽出器に供給することにより焙煎コーヒー豆抽出物2.4kgを得た。本抽出物をコーヒー抽出液Aとした。
製造例2
コーヒー抽出液B
L値16.5の焙煎コーヒー豆を使用したこと以外は、製造例1と同様の操作によりコーヒー抽出液Bを得た。
製造例3
コーヒー抽出液C
L値24の焙煎コーヒー豆を使用したこと以外は、製造例1と同様の操作によりコーヒー抽出液Cを得た。
実施例1〜7、10及び比較例1〜6、9
表1に示す各成分を配合し、PETボトルに充填して容器詰コーヒー飲料を得た。得られた各容器詰コーヒー飲料について分析及び官能評価を行った。その結果を表1に併せて示す。なお、イソクエルシトリン糖付加物等としてはサンメリンパウダーC−10(イソクエルシトリン1.8質量%、イソクエルシトリン糖付加物8.7質量%(イソクエルシトリン換算)含有)、又はサンメリンAO−3000P(イソクエルシトリン1.9質量%、イソクエルシトリン糖付加物9.0質量%(イソクエルシトリン換算)含有)を用いた。また、イソクエルシトリンと同様にケルセチンをアグリコンとするものの、糖鎖構造が異なるルチンの糖付加物(αGルチンPS、東洋精糖株式会社製,有効成分100質量%)についても評価を行った(比較例9)。
Figure 0006753646
実施例8及び比較例7
表2に示す各成分を配合し、PETボトルに充填して容器詰コーヒー飲料を得た。得られた各容器詰コーヒー飲料について分析及び官能評価を行った。その結果を表2に併せて示す。
Figure 0006753646
実施例9及び比較例8
表3に示す各成分を配合し、PETボトルに充填して容器詰コーヒー飲料を得た。得られた各容器詰コーヒー飲料について分析及び官能評価を行った。その結果を表3に併せて示す。
Figure 0006753646
表1〜3から、一定量のカフェインに、イソクエルシトリン糖付加物等を一定の量比で配合し、pHを特定範囲内に制御することにより、良質な苦味を有し、かつコクのあるコーヒー飲料が得られることが確認された。また、比較例9に示されるように、イソクエルシトリンとアグリコンが同じケルセチンであっても、糖鎖構造が異なるルチンの糖付加物では、良質な苦味の増強は示されず、コクの増強も少なかった。なお、イソクエルシトリン糖付加物等の0.056質量%水溶液はわずかに苦渋く、ルチン糖付加物の0.08質量%水溶液はほぼ無味であり、どちらも良質な苦味やコクを有するものではなかった。

Claims (8)

  1. 飲料100g当たりの焙煎コーヒー豆の使用量が生豆換算で2.5g以上である焙煎コーヒー豆抽出物を含むブラックコーヒー飲料であって、
    次の成分(A)及び(B);
    (A)カフェイン 0.04〜0.2質量%
    (B)イソクエルシトリン及びイソクエルシトリンのグルコース残基に1以上のグルコースをα−1,4結合で更に付加した糖付加物 0.02〜0.12質量%
    を含有し、
    成分(A)と成分(B)との質量比[(B)/(A)]が0.3〜1.5であり、かつpHが5〜7である、ブラックコーヒー飲料。
  2. 成分(B)中前記糖付加物/イソクエルシトリンの質量比が1〜1000である、請求項1記載のブラックコーヒー飲料。
  3. 成分(C)としてクロロゲン酸類を含み、(C)クロロゲン酸類の含有量が0.01〜0.4質量%である、請求項1又は2記載のブラックコーヒー飲料。
  4. ブラックコーヒー飲料のBrixが0.8〜6.0である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のブラックコーヒー飲料。
  5. ブラックコーヒー飲料のBrixが0.8〜3.0である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のブラックコーヒー飲料。
  6. 煎コーヒー豆のL値が12〜45である、請求項1〜のいずれか一項に記載のブラックコーヒー飲料。
  7. 容器詰ブラックコーヒー飲料である、請求項1〜のいずれか一項に記載のブラックコーヒー飲料。
  8. 加熱殺菌されたものである、請求項記載のブラックコーヒー飲料。
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