JP6753194B2 - 放射線検出器 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体積層体を有する放射線検出器に関する。
X線、ガンマ線などの放射線を分析するために、種々の放射線検出器が用いられている。例えばX線の検出には、シリコン基板にリチウム(Li)をドリフトさせた、p型半導体層、ドリフト層(i層)、高濃度n型半導体層(n+半導体層)を有するSi(Li)型検出器が用いられている。この放射線検出器では、i層を挟んで配置されたp側電極とn側電極との間に逆電圧を印加することにより、放射線有感領域であるi層で吸収された放射線が電荷の形で取り出される。シリコン基板でのリチウムドリフトによって、放射線有感領域の厚い放射線検出器が得られる。
特許第4356445号公報
しかしながら、p側電極とn側電極との間に逆電圧を印加することによってリチウムドリフト層を流れるドリフト電流により、リーク電流が増大する。リーク電流はノイズの原因となり、放射線検出器の分解能が劣化してしまう。分解能の低下は、検出された放射線のエネルギーの特定が困難になるという観点などから、許容できない。また、リーク電流は温度とともに上昇する傾向があるため、比較的高温(マイナス数十度程度)での放射線検出の場合にリーク電流が特に問題となる。
上記問題点に鑑み、本発明は、リーク電流の発生が抑制された放射線検出器を提供することを目的とする。
本発明の一態様によれば、p側電極と、前記p側電極の上方に配置された放射線有感領域と、前記放射線有感領域の上面に配置されたn+半導体層と、前記n+半導体層の上面に配置されたn側電極とを備える、前記p側電極と前記n側電極との間に逆電圧を印加することにより放射線を検出する射線検出器であって、前記p側電極と前記放射線有感領域の間に配置される、下面の全体が前記p側電極に接続する、膜厚が50μm〜150μmであるp型半導体層を、 備えることを特徴とする放射線検出器が提供される。
本発明によれば、リーク電流の発生が抑制された放射線検出器を提供できる。
本発明の第1の実施形態に係る放射線検出器の構成を示す模式図であり、図1(a)は平面図であり、図1(b)はI−I方向に沿った断面図である。 比較例の放射線検出器の構成を示す模式的な断面図である。 放射線検出器の積層構造を示す模式図であり、図3(a)は本発明の第1の実施形態に係る放射線検出器の積層構造を示す模式的な断面図であり、図3(b)は比較例の放射線検出器の積層構造を示す模式的な断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る放射線検出器と比較例の放射線検出器のリーク電流を示すグラフである。 リーク電流の測定に使用した本発明の第1の実施形態に係る放射線検出器の構成を示す模式的な断面図である。 リーク電流の測定に使用した比較例の放射線検出器の構成を示す模式的な断面図である。 ダイオードの電流電圧特性を示すグラフである。 シリコン膜に入射したX線の透過率を示すグラフである。 本発明の実施形態に係る放射線検出器の製造方法を説明するための模式的な断面図である(その1)。 本発明の実施形態に係る放射線検出器の製造方法を説明するための模式的な断面図である(その2)。 本発明の実施形態に係る放射線検出器の製造方法を説明するための模式的な断面図である(その3)。 本発明の実施形態に係る放射線検出器の製造方法を説明するための模式的な断面図である(その4)。 リチウムドリフトによりi層を形成した構造を示す断面写真である(その1)。 リチウムドリフトによりi層を形成した構造を示す断面写真である(その2)。 リチウムドリフトによりi層を形成した構造を示す断面写真である(その3)。 本発明の第2の実施形態に係る放射線検出器の構造を示す模式図であり、図16(a)は平面図であり、図16(b)は図16(a)のXVI−XVI方向に沿った断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る放射線検出器の構造を示す模式図であり、図17(a)は平面図であり、図17(b)は図17(a)のXVII−XVII方向に沿った断面図である。
図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、以下に示す実施形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置を例示するものである。この発明の実施形態は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る放射線検出器は、図1に示すように、p側電極20と、p側電極20の上面に配置されたp型半導体層11と、p型半導体層11を介してp側電極20の上方に配置された、放射線有感領域であるi層12と、i層12の上面に配置されたn+半導体層13と、n+半導体層13の上面に配置されたn側電極30とを備える。p型半導体層11は、p側電極20とi層12との間に薄く一様に配置されている。p型半導体層11の膜厚tは50μm〜150μm程度であり、放射線検出器の全体の厚みは2.5mm程度である。
+半導体層13は、シリコン基板にリチウムを拡散してリチウム拡散層を形成した高濃度n+層である。また、i層12は、シリコン基板にリチウムをドリフトして形成されたリチウムドリフト層である。このように、図1に示す放射線検出器は、p型半導体層11、i層12及びn+半導体層13が積層された半導体積層体10を有する、pin構造のSi(Li)型検出器である。p型半導体層11とp側電極20の境界で形成されるショットキー障壁をできるだけ低くするように、p型半導体層11の抵抗率は低く設定され、例えば1〜2kΩcm程度である。例えば、p型半導体層11として、p型のシリコン基板のリチウムがドリフトされた領域の残余の領域を使用する。
p側電極20側或いはn側電極30側から入射した放射線がi層12で吸収される。ここで、n側電極30とp側電極20との間に高電圧を逆方向に印加することにより、i層12で吸収された放射線は、電子と正孔として電荷の形でp側電極20とn側電極30で取り出される。このように、放射線検出器に照射された放射線のエネルギーが、電気信号に変換される。
なお、図1に示した放射線検出器はトップハット型であり、n側電極30、n+半導体層13及びn+半導体層13から連続的に構成されるi層12の大部分の上部構造物の外縁部が、p型半導体層11やp側電極20の外縁部よりも内側に位置する。
上記のように、図1に示した放射線検出器は、放射線有感領域がリチウムドリフト層である。これに対し、放射線有感領域として母材の高純度高抵抗のシリコン基板をそのまま使用する場合もある。しかし、放射線有感領域として空乏層が容易に広がるような均一性を持った高純度高抵抗で膜厚の厚いシリコン結晶を製造することは難しい。このため、一般的にはシリコン結晶をそのまま使用した放射線検出器の厚みは数百μmである。
しかし、数keVから数十keVのエネルギー範囲のX線を検出する放射線検出器などでは、検出感度を上げるために放射線有感領域であるi層12が厚いことが好ましい。
このため、高純度シリコン基板に予めボロン(B)などのp型不純物を添加したp型のシリコン基板を母材とし、シリコン基板にリチウムをドリフトさせるリチウムドリフトを使用して、厚い放射線有感領域を持った放射線検出器が製造される。例えば、リチウムドリフトにより、シリコン基板のボロンをリチウムで補償し、見かけ上の真性半導体となる高抵抗基板を作り出せる。このように、例えば数mmの厚みのシリコン基板の内部でリチウムをドリフトさせることにより、膜厚の厚い高抵抗の真性半導体基板を作り出すことができる。
図1に示した放射線検出器は、p側電極20とi層12が直接に接触する図2に示した比較例の放射線検出器に比べて、リーク電流を抑制することができる。これは、以下に説明するように、p側電極20とi層12との間にp型半導体層11が介在するためである。
図2に示した比較例は、半導体積層体10の下面の中央領域にi層12が露出し、i層12の下部の側面がp型半導体層11に接続している。そして、半導体積層体10の下面の周辺領域で、i層12を囲んでp型半導体層11が半導体積層体10の下面で露出している。p側電極20は、p型半導体層11の下面及びi層12の下面に連続して配置されている。このように、比較例の放射線検出器では、p側電極20がi層12と直接に接触している。そして、i層12の上面にn+半導体層13が配置され、n側電極30がn+半導体層13の上面に配置されている。
図1に示した放射線検出器は、図3(a)に示すように、n+半導体層13、i層12及びp型半導体層11を積層した積層構造である。一方、比較例の放射線検出器は、図3(b)に示すように、n+半導体層13とi層12を積層した積層構造である。
図3(a)に示した第1の実施形態に係る放射線検出器の積層構造における逆電圧印加時のリーク電流I1と、図3(b)に示した比較例の放射線検出器の積層構造における逆電圧印加時のリーク電流I2を、図4に示す。なお、測定温度は40℃である。図4に示すように、リーク電流I2は、リーク電流I1の100倍程度の大きさである。つまり、n+半導体層13とi層12によって構成される積層構造よりも、n+半導体層13、i層12及びp型半導体層11によって構成される積層構造の方が、リーク電流を減少させることができる。
なお、図4に示したリーク電流I1は図5に示す構造を用いて取得し、リーク電流I2は図6に示す構造を用いて取得した。即ち、図5及び図6に示すように、図4に示したデータは、p側電極20を形成していない構造を用いて取得されたものである。これは、以下の理由による。
リチウムドリフトでは、シリコン基板の一方の主面を拡散面としてリチウムを拡散し、拡散面の保護と拡散面の全面を同電位にするために、拡散面に金属電極が蒸着される。シリコン基板は、通常、抵抗率が1〜2kΩのものが使用される。このため、リチウムドリフトにおいて、シリコン基板に僅かながら電流が流れる。また、p面表面がリチウムドリフトを行う装置の金属板全体と接触していることもあり、シリコン基板のp側に金属電極は必要とならないのである。したがって、図4に示したデータは、p側電極20の有無に関係なく、図1に示した放射線検出器と比較例の放射線検出器のリーク電流の大小を比較したものである。
図4から、p型半導体層11、i層12、n+半導体層13の積層構造では、i層12とn+半導体層13の積層構造よりも、リーク電流が抑制されることが確認された。
リチウムドリフトでは、リチウムイオンがシリコンの格子内を移動することにより、シリコン基板の内部に欠陥が発生する。このため、欠陥の生じたシリコン基板に逆電圧をかけたときに、欠陥に起因する電流(以下において「発生電流」という。)が発生する。また、逆電圧を印加することにより、積層構造の内部に電界が生じ、この電界よるキャリアの移動によってドリフト電流が流れる。
比較例のようにn+半導体層13とi層12のみの積層構造では、発生電流とドリフト電流が、リーク電流の主体である。リーク電流はノイズの原因となり、放射線検出器の分解能の劣化を招く。
これに対し、p型半導体層11がi層12とp側電極20との間に配置された図1に示す放射線検出器では、逆電圧を印加したときに発生するドリフト電流がp側電極20に流入することが、p型半導体層11によって抑制される。このため、図1に示した放射線検出器では、リーク電流が低減される。
また、リチウムドリフトによって形成されるi層12は、抵抗率が数十kΩcm以上の高抵抗領域である。このため、比較例のようにi層12をp側電極20と直接に接触させると、i層12とp側電極20の境界に高いショットキー障壁が形成され、p側電極20はショットキー電極になる。ここで、図7に、通常の半導体接合された整流ダイオードの電流電圧特性C1と、ショットキーダイオードの電流電圧特性C2を示す。電流電圧特性C2では、順方向電圧VFの立ち上がりが小さく、逆バイアス時の電流IRのリーク電流が大きい。図2の比較例のp側電極20はショットキー電極であり、それ自体のリーク電流が大きいことがわかる。
ところで、一般的に、Si(Li)型検出器は、0.2keV程度の低エネルギーから数十keVの比較的高エネルギーのX線を検出するために使用される。
高エネルギーのX線に対する感度を上げるためには、放射線有感領域を厚くして収集効率を高くする必要がある。Si(Li)型検出器では、シリコン基板にリチウムをドリフトし、シリコン基板に添加されたp型不純物をリチウムで補償する。これにより、数mmの厚みの放射線有感領域を形成し、高エネルギーX線に対する感度を上げることができる。
一方、低エネルギーのX線に対する収集効率を高くして感度を上げるためには、X線の入射面にX線を透過させにくい不感層を有さない構造とすることで対処している。例えば、p側電極20とi層12とを直接に接触させる構造を採用する。
図8に、3種類のエネルギーのX線について、X線がシリコン膜に入射した場合の透過率を計算した結果を示す。5.9keVの低エネルギーX線のMn−Kα線は、20μmの厚みのシリコン膜によって吸収されることで、半分の強度になる。しかし、図8に示すように、20keVのRh−Kα線や23keVのCd−Kα線は、シリコン膜に対する透過率が高い。即ち、X線のエネルギーが20keV以上になると、100μm程度の厚みのシリコン膜を、90%以上のX線が吸収されずに透過する。
加速器や宇宙線計測などで検出するX線は比較的高エネルギーであることから、10%程度の吸収効率の悪化は重要ではなく、高温動作におけるリーク電流の大きさの方が重要である。このため、図1に示すようにp側電極20とi層12との間にp型半導体層11が100μm程度の膜厚で存在しても、感度の低下は重要な問題とならない。
しかしながら、p型半導体層11の膜厚tが厚すぎると、p型半導体層11を透過できない放射線の比率が増大して感度が低下する。一方、p型半導体層11の膜厚tが薄すぎると、p側電極20に流入するドリフト電流を抑制する効果が低下するおそれがある。例えば、p型半導体層11の膜厚tを薄くしすぎた場合に、p型半導体層11の膜厚に不均一な部分が生じて、i層12とp側電極20とが接触するおそれがある。本発明者らが検討を重ねた結果、p側電極20とi層12とに挟まれた領域におけるp型半導体層11の膜厚tは、50μm〜150μm程度であることが好ましい。
なお、リーク電流は温度とともに増大する傾向がある。このため、高エネルギーX線やガンマ線などの放射線を検出する場合などにマイナス数十度程度の比較的高温の環境で使用される放射線検出器のリーク電流は、液体窒素温度で使用する場合よりも大きい。したがって、図1に示す放射線検出器は、比較的高温の環境での放射線検出のために、特に好適に使用することができる。
以上に説明したように、本発明の第1の実施形態に係る放射線検出器では、p側電極20とi層12との間に、p型半導体層11が介在している。このため、放射線を検出するためにp側電極20とn側電極30の間に逆電圧を印加した場合に流れるドリフト電流が、p側電極20に流入することが抑制される。その結果、リーク電流が減少する。したがって、図1に示した放射線検出器によれば、リーク電流の発生が抑制され、高い分解能が得られる。
以下に、図面を参照して、図1に示した放射線検出器の製造方法の例を説明する。なお、以下に述べる放射線検出器の製造方法は一例であり、この変形例を含めて、これ以外の種々の製造方法により実現可能であることはもちろんである。
まず、図9に示すように、p型のシリコン基板100の上面にリチウム膜200を真空蒸着法などによって成膜する。このとき、基板温度を200℃〜400℃に設定することにより、リチウムがシリコン基板100の表面から内部に拡散される。これにより、n+半導体層13が形成される。n+半導体層13の厚みは、例えば100μm〜300μmである。
+半導体層13が形成されたシリコン基板100を室温まで冷却した後、シリコン基板100の表面のダメージ層と、余分なリチウム膜200を除去する。例えば、シリコン基板100の表面を弗硝酢酸(例えば、弗酸16.7%、硝酸66.6%、酢酸16.7%の混酸)でエッチングする。その後、水洗により混酸を洗い流す。
次いで、図10に示すように、n側電極30をn+半導体層13上に成膜する。例えば、真空蒸着法によって、Au膜をn+半導体層13の上面に蒸着する。
次に、トップハット型にするための加工を行う。即ち、図11に示すように、n側電極30、n+半導体層13及びシリコン基板100の上部の一部について、外周領域を超音波研削加工などによって除去する。
その後、n+半導体層13とシリコン基板100の底面との間に逆バイアスを印加してリチウムをドリフトさせ、i層12を形成する。このとき、図12に示すように、シリコン基板100の下面までリチウムがドリフトされないように、i層12を形成する。これにより、i層12の下方に、p型半導体層11としてシリコン基板100の一部が残される。
次いで、p型半導体層11の下面に、p側電極20を形成する。p側電極20には、例えばニッケル(Ni)膜/金(Au)膜を使用する。これにより、図1に示した放射線検出器が完成する。
図13〜図15に、シリコン基板に、p型半導体層11を一様に薄く残すようにリチウムをドリフトしてi層12を形成した構造の例を示す。図13は図1に示した半導体積層体10の右側の構造、図14は中央の構造、図15は左側の構造を、それぞれ示す。シリコン基板100にリチウムを供給する高温状態のリチウム蒸着と拡散、リチウムドリフト時の温度と印加電圧の設定値の制御により、リチウムがドリフトされずに残されるp型半導体層11の膜厚tを調整することができる。既に述べたように、p型半導体層11の膜厚tは、50μm〜150μm程度が好ましい。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る放射線検出器は、図16に示すように、n側電極30及びn+半導体層13の外縁部にガードリング溝50を形成したガードリング構造を有する点が、図1と異なる。その他の構成については、図1に示した放射線検出器と同様である。
図16に示した放射線検出器では、環形状のガードリング溝50によって、n側電極30及びn+半導体層13が、平面視で、ガードリング溝50の内側の円形状の中心領域と、ガードリング溝50の外側の環形状の周辺領域とに分割されている。ガードリング溝50の内側の中心領域において、放射線が検出される。
ガードリング溝50は、n側電極30の表面から延伸して、n側電極30及びn+半導体層13を貫通してi層12の表面に達する。ガードリング構造を採用することにより、表面リーク電流を抑制できる。ガードリング溝50の幅は、1mm程度である。また、n+半導体層13の厚みが100μm〜300μm程度の場合、n+半導体層13を貫通するのに十分な深さであるように、ガードリング溝50のn側電極30の表面からの深さは300μm以上である。
ガードリング溝50は、例えば、円環形状の雄型の研削刃をn側電極30の上面に接触させた状態で超音波振動させる超音波研削加工によって形成される。例えば、図12を参照して説明したi層12を形成する工程の後、ガードリング溝50を形成する。
本発明の第2の実施形態に係る放射線検出器によれば、p側電極20とi層12との間にp型半導体層11を配置することによってリーク電流の発生を抑制し、且つ表面リーク電流を抑制することができる。他は、第1の実施形態と実質的に同様であり、重複した記載を省略する。
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態に係る放射線検出器は、図17に示すように、直線状のセグメント溝60によって、検出領域を平面視で複数の領域に分割している。このようにn側電極30及びn+半導体層13を分割した構造を、「セグメント構造」という。セグメント溝60は、n側電極30の表面から、n側電極30及びn+半導体層13を貫通してi層12の表面に達する。
なお、図17は、ガードリング構造を有する放射線検出器をセグメント構造にした例である。図17に示した例では、ガードリング溝50で囲まれた検出領域が、セグメント溝60によって、第1の分割検出領域41、第2の分割検出領域42、第3の分割検出領域43及び第4の分割検出領域44の4つの検出領域に分割される例を示した。しかし、検出領域の分割の仕方は上記に限られないことはもちろんである。
セグメント構造の放射線検出器では、同一の分割検出領域に配置されたn側電極30及びn+半導体層13は互いに電気的に接続されるが、異なる分割検出領域に配置されたn側電極30及びn+半導体層13は、セグメント溝60によって分離されている。このため、放射線がどの分割検出領域で吸収されたかを特定することができる。これにより、図17に示した放射線検出器は、位置センサとして機能する。
セグメント溝60の幅は、1mm程度である。また、厚みが100μm〜300μm程度のn+半導体層13を貫通するために、セグメント溝60のn側電極30の表面からの深さは、300μm以上である。
セグメント溝60は、例えば、ガードリング溝50と同様に、超音波研削加工によって形成される。例えば、ガードリング溝50を形成した後にセグメント溝60を形成する。或いは、セグメント溝60を形成した後にガードリング溝50を形成してもよい。
本発明の第3の実施形態に係る放射線検出器によれば、p側電極20とi層12との間にp型半導体層11を配置することによってリーク電流の発生を抑制し、且つ放射線が吸収された検出領域の位置を特定できる。更に、セグメント構造にガードリング構造を組み合わせた場合には、表面リーク電流を抑制することもできる。
(その他の実施形態)
上記のように、本発明は実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
既に述べた実施形態の説明においては放射線検出器がトップハット型である場合を例示的に説明したが、放射線検出器の形状はトップハット型に限られない。ただし、p側電極20とn側電極30との間に高電圧が印加されるので、耐圧を向上させるために、検出領域がメサ形状であることが好ましい。
また、上記ではシリコン基板にp型半導体層11、i層12及びn+半導体層13を形成した放射線検出器の例を示した。シリコン基板を用いた放射線検出器は、X線検出などに使用される。一方、ガンマ線の検出には、ガリウム基板を用いた放射線検出器が使用される。このように、検出対象の放射線の種類に応じて、放射線検出器の母材は適時選択される。
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施形態等を含むことはもちろんである。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
10…半導体積層体
11…p型半導体層
12…i層
13…n+半導体層
20…p側電極
30…n側電極
50…ガードリング溝
60…セグメント溝

Claims (5)

  1. p側電極と、
    前記p側電極の上方に配置された放射線有感領域と、
    前記放射線有感領域の上面に配置されたn+半導体層と、
    前記n+半導体層の上面に配置されたn側電極とを備える
    前記p側電極と前記n側電極との間に逆電圧を印加することにより放射線を検出する放射線検出器であって、
    前記p側電極と前記放射線有感領域の間に配置される、下面の全体が前記p側電極に接続する、膜厚が50μm〜150μmであるp型半導体層を、
    備えることを特徴とする放射線検出器。
  2. 前記放射線有感領域が、半導体基板にリチウムをドリフトさせた領域であることを特徴とする請求項1に記載の放射線検出器。
  3. 前記p型半導体層の抵抗率が1〜2kΩcmであることを特徴とする請求項1乃至2のいずれか1項に記載の放射線検出器。
  4. 前記n+半導体層及び前記n側電極を中心領域と前記中心領域を囲む周辺領域とに分割するように環形状に配置され、前記n側電極と前記n+半導体層を貫通して前記放射線有感領域に達するガードリング溝を更に備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の放射線検出器。
  5. 前記n側電極と前記n+半導体層を貫通して前記放射線有感領域に達し、前記n側電極と前記n+半導体層を平面視で複数の領域に分割する直線状のセグメント溝を更に備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の放射線検出器。
JP2016150178A 2016-07-29 2016-07-29 放射線検出器 Active JP6753194B2 (ja)

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