JP6752812B2 - 1−(3,4−二置換)フェニル−2−(3,4−二置換)フェニルエタン化合物及びその使用 - Google Patents

1−(3,4−二置換)フェニル−2−(3,4−二置換)フェニルエタン化合物及びその使用 Download PDF

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Description

本発明は、1-(3,4-二置換)フェニル-2-(3,4-二置換)フェニルエタン化合物の使用、とりわけ、タンパク質、詳細には皮膚、爪及び/又は毛髪のタンパク質の糖化(glycation)を阻害するためのその使用に関する。本発明は、皮膚及び/又はその付属器(appendages)、最も特定すれば毛髪の老化(ageing)の徴候を低減及び/又は遅延させるための作用剤としての少なくとも1種の1-(3,4-二置換)フェニル-2-(3,4-二置換)フェニルエタン化合物を生理学的に許容される媒体中に含有する組成物に関する。
糖化は、単糖類(グルコース又はリボース)に関与する非酵素プロセスであり、単糖類は、メイラード反応によりアミノ酸残基(例えばリシン)、詳細にはタンパク質のアミノ酸残基のアミン基と反応して、シッフ塩基を形成する。この塩基は、アマドリ分子転位の後で、一連の反応により、架橋、詳細には、例えばペントシジンタイプの分子内架橋を生じ得る。
この現象は、加齢に伴って規則的に増加する。これは、糖化生成物の出現を特徴とし、生成物の含有量は、年齢に応じて均等に増加する。例えば、糖化生成物は、ピラリン、カルボキシメチルリシン、ペントシジン、クロスライン(crossline)、Nε(2-カルボキシエチル)リシン(CEL)、グリオキサル-リシン二量体(GOLD)、メチルグリオキサル-リシン二量体(MOLD)、3DG-ARGイミダゾロン、バースパーリシン(versperlysine)A、B、C、スレオシジン又は終末糖化産物(advanced glycosylation end products)、すなわちAGEである。
したがって、タンパク質の糖化は、皮膚に関して、詳細には真皮成分に関して周知であるが、糖化に必要とされる条件を満たせば、皮膚付属器、例えば爪又は毛髪で、詳細にはケラチンで、より一般的にはタンパク質系全体においても起きる普遍的現象である。
ヒトの皮膚は、2つの区画、すなわち上部区画の表皮、及び深部区画の真皮で構成される。
天然のヒト表皮は、主に3種類の細胞、すなわち大部分を形成するケラチノサイト、メラノサイト及びランゲルハンス細胞からなる。これらの細胞型はそれぞれ、その固有の機能によって、皮膚が体において果たす必須の役割に貢献している。
真皮は、表皮の堅牢な支えとなる。真皮は表皮の栄養要素でもある。真皮は、線維芽細胞及び細胞外マトリックスから主に形成され、細胞外マトリックスは、それ自体が、様々な細胞外タンパク質、その中でもとりわけコラーゲン線維、エラスチン及び様々な糖タンパク質で構成される。これらの細胞外成分はいずれも、線維芽細胞により合成される。白血球、マスト細胞又は組織マクロファージも、真皮で見出される。最終的に、真皮は血管及び神経線維を含有する。
線維芽細胞は、細胞外マトリックスタンパク質(プロテオグリカン、コラーゲン線維及び他の構造糖タンパク質)の合成におけるその活性により、真皮の構造発現において主要な作用物質となる。
コラーゲン線維は、真皮に堅牢性を付与する。これらは、きわめて頑丈であるが、コラゲナーゼとして一般に公知の特定の酵素に感受性である。真皮において、コラーゲン線維は、一緒に封じ込められた原線維から形成されるので、10種類を超える様々な構造を形成する。真皮の構造は、大部分で、一緒に集められたコラーゲン線維の絡み合いによる。コラーゲン線維は、皮膚の張りに寄与する。
コラーゲン線維は、定期的に再生するが、この再生は加齢に伴って減少し、これにより、とりわけ真皮の菲薄化が引き起こされる。外部要因、例えば喫煙又は特定の処置(例としてレチノイン酸及び誘導体、グルココルチコイド、ビタミンD及び誘導体)が、皮膚及びそのコラーゲン含有量に影響を及ぼすことも認められている。
皮膚の真皮成分に関しては、糖化は、上記のプロセスに従って、主に真皮において、コラーゲン線維上に起きる。コラーゲンの糖化は、加齢に応じて均等に増加し、これにより、皮膚において糖化生成物の含有量の均等な増加を引き起こす。
皮膚の老化に関する何らかの理論を持ち出すことを望むものではないが、熱変性の減少、耐酵素消化性の増強及び分子間架橋の増加のような、コラーゲンにおける他の変化も、糖化の結果であり得ることは留意されるべきである。これらの効果は、皮膚の老化の過程で実証できる(Tanaka S.ら、1988年、J. Mol. Biol.、203、495〜505頁;Takahashi M.ら、1995年、Analytical Biochemistry、232、158〜162頁)。更に、基底膜の特定の構成成分、例えばコラーゲンIV、ラミニン及びフィブロネクチンにおける、糖化により媒介される変化も実証できる(Tarsio JF.ら、1985年、Diabetes、34、477〜484頁;Tarsio J.F.ら、1988年、Diabetes、37、532〜539頁;Sternberg M.ら、1995年、C. R. Soc. Biol.、189、967〜985頁)。
したがって、皮膚の老化の過程で、コラーゲンの物理化学的性質が修飾を受けるようになり、コラーゲンは、溶解がより困難になり、分解がより困難になることが理解される。
したがって、老化した皮膚の成分の1つは、糖化したコラーゲンであると明らかに分かっている。
皮膚は、皮膚が構成されている少なくとも2つの区画、すなわち表皮及び真皮の間の密接な会合から生じることが知られている。真皮及び表皮の間の相互反応は、一方の変化は他方に影響を及ぼすと考えることが妥当なものである。詳細には、糖化現象による真皮の老化は、それらと会合した表皮に影響を及ぼすよう結び付いていると推測できる。したがって、皮膚の老化の過程で、コラーゲンの糖化は、表皮において、表皮の老化に寄与するのに必須の変化を引き起こすはずである。
したがって、真皮タンパク質、詳細にはコラーゲンの糖化が、皮膚にきわめて多くの有害な影響を及ぼす場合、皮膚付属器、例えば爪及び/又は毛髪におけるタンパク質、更にいえば任意のタンパク質系の糖化に関して類似した結果が予想される。
WO2012/149608
Tanaka S.ら、1988年、J. Mol. Biol.、203、495〜505頁 Takahashi M.ら、1995年、Analytical Biochemistry、232、158〜162頁 Tarsio JF.ら、1985年、Diabetes、34、477〜484頁 Tarsio J.F.ら、1988年、Diabetes、37、532〜539頁 Sternberg M.ら、1995年、C. R. Soc. Biol.、189、967〜985頁 Peter G. M. Wuts及びTheodora W. Greene、Greene's Protective Groups in Organic Synthesis、第4版、Wiley、2006年 Synthetic Communications、1987年、17(7)、877〜92頁 Harvery, Benjamin G.ら、Polymer Preprints (American Chemical Society, Division of Polymer Chemistry)、2011年、52(1)
タンパク質糖化の現象を低減する製品の必要性は、このようにして理解され得る。
これに関連して、本出願者は、驚くべきことに、かつ想定外に、特定の1-(3,4-二置換)フェニル-2-(3,4-二置換)フェニルエタン化合物が、タンパク質糖化の現象を低減又は阻害する性質を有することを示した。
スチルベン由来化合物は、皮膚の老化の処置に有用になり得ることがWO2012/149608から公知である。しかし、この文献は、本発明の化合物と異なるパターンで置換されているフェニル基を含む化合物の使用を報告している。
本発明の主題の1つは、皮膚タンパク質、とりわけ真皮タンパク質、例えばコラーゲンの糖化を阻害するための、並びに/又は皮膚付属器、例えば爪及び毛髪のタンパク質、例えばケラチンの糖化を阻害するための、本明細書中で定義されている少なくとも1種の1-(3,4-二置換)フェニル-2-(3,4-二置換)フェニルエタン化合物、又は前記化合物の異性体若しくは塩若しくは溶媒和物の、生理学的に許容される媒体を含有する組成物における美容的使用である。
本発明は、皮膚及び/又はその付属器、詳細には爪及び毛髪の老化の徴候を予防及び/若しくは処置するための、本明細書中で定義されている少なくとも1種の1-(3,4-二置換)フェニル-2-(3,4-二置換)フェニルエタン化合物、又は前記化合物の異性体若しくは塩若しくは溶媒和物の、生理学的に許容される媒体を含有する組成物における美容的使用に関する。
詳細には、本明細書中で定義されている1-(3,4-二置換)フェニル-2-(3,4-二置換)フェニルエタンは、皮膚、爪及び/又は毛髪の老化の徴候の美容的処置に使用でき、この処置は、皮膚、爪及び/又は毛髪のタンパク質糖化に関連する老化の徴候の美容的処置を含む。
「皮膚の老化の徴候」という用語は、時間生物学的であろうと、かつ/又は外因性であろうと、老化による皮膚の外観の何らかの改変を意味し、外因性老化は、主に環境による物理的又は化学的攻撃によって引き起こされ、この老化は、例えば、皺及び小皺、みずみずしさを失った皮膚、弛緩した皮膚、皮膚の菲薄化、つやがなく活気がない皮膚若しくは皮膚の弾力性及び/又は張りの不足により現れる。本明細書の解釈上、外因性老化は、主に、環境による物理的又は化学的攻撃によって引き起こされる。環境による物理的攻撃は、温度限界を含む。環境による化学的攻撃は、皮膚及び/又はその付属器と、とりわけ大気中に存在する汚染物質の接触を含む。
この用語は、「時間的老化及び/又は外因性老化により誘導される皮膚障害」という用語と同等と考える。
本発明によれば、「予防すること」又は「予防」という用語は、所定の現象、すなわち本発明によれば、皮膚の老化の徴候及び皮膚の付属器の老化の徴候が発現するリスクの低減又はその発現の減速を意味する。
本発明はまた、本明細書中で定義されている、式(I)の少なくとも1種の1-(3,4-二置換)フェニル-2-(3,4-二置換)フェニルエタン化合物を含む組成物に関する。
本発明による、すなわち本発明を実践することが意図されている組成物は、化粧用組成物であってよく、したがって、生理学的に許容される媒体を含み得る。
本発明に従って使用される組成物は、とりわけ局所的に又は経口的に投与され得る。
有利には、本発明による式(I)の1-(3,4-二置換)フェニル-2-(3,4-二置換)フェニルエタン化合物を含む、本発明における使用に適している組成物は、局所投与が意図されている。
「生理学的に許容される媒体」という用語は、あらゆるケラチン物質、例えば皮膚、頭皮、爪、粘膜、眼及び毛髪、又は体の皮膚の任意の他の領域と適合する媒体を意味する。生理学的に許容される媒体は、優先的には、好ましくない色及び/又は外観を有さず、及び対象となっている投与経路と完全に適合する、美容的又は皮膚科学的に許容される媒体である。
組成物は、局所的に投与されることが意図される場合、そのような媒体は、使用者に許容されない刺激感、こわばり又は赤みを一切引き起こさなければ、生理学的に許容されるものと考える。
本発明はまた、皮膚、爪及び/又は毛髪の、とりわけ糖化に関連する老化の徴候を処置するための美容方法であって、化粧用組成物が、有効量の、本明細書中で定義されている式(I)の少なくとも1種の1-(3,4-二置換)フェニル-2-(3,4-二置換)フェニルエタン化合物を、皮膚、爪及び/又は毛髪に塗布することを含むことを特徴とする、方法に関する。
式(I)の特定の1-(3,4-二置換)フェニル-2-(3,4-二置換)フェニルエタン化合物は、本明細書中でその使用が定義されており、公知である。式(I)の他の特定の1-(3,4-二置換)フェニル-2-(3,4-二置換)フェニルエタン化合物は、本明細書中でその使用が定義されており、本発明を実践する目的のために特別に設計されている新規な化合物である。
したがって、本発明はまた、本明細書中で定義されている式(I)の特定の1-(3,4-二置換)フェニル-2-(3,4-二置換)フェニルエタン化合物に関する。本出願者の知る限りこの化合物は、従来技術では説明されていない。
同様に、本発明は、式(I)の1-(3,4-二置換)フェニル-2-(3,4-二置換)フェニルエタン化合物を調製するための方法を提供し、本明細書中でその使用が定義されており、式(Ia)又は(Ib)の新規な1-(3,4-二置換)フェニル-2-(3,4-二置換)フェニルエタン化合物を含む。
本発明に従って使用される1-(3,4-二置換)フェニル-2-(3,4-二置換)フェニルエタン化合物
先に述べたように、本発明は、一般的に、皮膚及びその付属器の老化の徴候を予防及び/又は処置するための、式(I)
Figure 0006752812
[式中、
- R3は、水素原子又はヒドロキシル基を意味し、
- R1及びR2は、互いに独立して、水素原子、直鎖状若しくは分岐状C1〜C6アルキル基;ベンジル基;カルボニルとコンジュゲートしていない直鎖状若しくは分岐状C1〜C6アルキルカルボニル基;又は直鎖状若しくは分岐状C1〜C6アルコキシカルボニル基を意味する]
の少なくとも1種の化合物並びに/又は前記式(I)の化合物の異性体及び/若しくは塩及び/若しくは溶媒和物の、生理学的に許容される媒体を含有する組成物における美容的使用に関する。
本発明の解釈上、アルキル基は、直鎖状又は分岐状、飽和又は不飽和脂肪族基である。飽和アルキルは、1個の水素が欠けているアルカンから得られる基を指す。不飽和アルキル基は、2個の炭素原子の間に、それぞれ、少なくとも1つの二重結合又は少なくとも1つの三重結合を含み1個の水素を除いた、アルケン又はアルキンから得られる基を指す。これらの基は、アルケニル又はアルキニル基もそれぞれ指す。アルキニル基は、少なくとも1つの二重結合をその構造内に更に含み得る。
本発明の意味において、アルキル基が不飽和である場合、「アルキルカルボニル基がカルボニルとコンジュゲートしていない」という語句は、不飽和アルキル基に存在する二重結合が、カルボニル官能基の炭素原子に隣接している炭素原子に直接的に連結できないことを意味する。
C1〜C6アルキル基は、1から6個の炭素原子を含むアルキル基、すなわち1、2、3、4、5又は6個の炭素原子を含み得るアルキル基である。挙げることができるアルキル基の例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシル、アリル等の基を含む。
本発明の解釈上、ベンジル基は、実験式C6H5-CH2-R'及び構造式(X1)の芳香族基である。
Figure 0006752812
本発明の解釈上、アルキルカルボニル基は、式(X2)
Figure 0006752812
[式中、「Alk」は、上で定義されているアルキル基を意味する]
の基である。
アルキルが不飽和である場合、「カルボニルとコンジュゲートしていないアルキルカルボニル基」という表現は、不飽和アルキル基に存在する二重結合が、カルボニル官能基の炭素原子に隣接している炭素原子に直接的に連結できないことを意味する。
本発明の解釈上、アルコキシは、アルキル基が既に定義されている通りの-O-アルキル基である。C1〜C6アルコキシ基は、アルキル基が、1から6個の炭素原子を含む、すなわちアルキル基が、1、2、3、4、5又は6個の炭素原子を含み得る-O-アルキル基である。C1〜C6アルコキシ基は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ及びヘキシルオキシ基を含む。
本発明の解釈上、アルコキシカルボニル基は、式(X3)
Figure 0006752812
[式中、「Alk-O」基は、既に定義されている通りであるアルコキシ基を意味する]
の基である。
好ましくは、本発明による異性体は、立体異性体、詳細には鏡像異性体、ジアステレオ異性体、また、ラセミ混合物を含むその混合物である。
式(I)、(Ia)及び(Ib)の化合物の許容される溶媒和物は、従来の溶媒和物、例えば、溶媒が存在することにより、前記化合物を調製する最後の工程中に形成されるものを含む。例として、水、又は直鎖状若しくは分岐状アルコール、例えばエタノール若しくはイソプロパノールが存在することによる溶媒和物を挙げることができる。
「塩」という用語は、これらの化合物の中和反応による従来のイオン性化合物を指す。塩は、最終生成物が電気的に中性になるように、相関した数のカチオン及びアニオンで構成される。
式(I)、(Ia)及び(Ib)の化合物の塩は、有機塩及び/又は無機塩であってよい。これらは、金属塩、例えばアルミニウム(Al3+)、亜鉛(Zn2+)、マンガン(Mn2+)又は銅(Cu2+);アルカリ金属塩、例えばリチウム(Li+)、ナトリウム(Na+)又はカリウム(K+);及びアルカリ土類金属塩、例えばカルシウム(Ca2+)又はマグネシウム(Mg2+)から選択され得る。これは、式NH4+の塩又は式NHX3 +の有機塩も含み得、NX3は、有機アミンを指し、X基は同一であり、又は異なり、2個又は3個のX基は窒素原子と、それらを保有する環を対で形成でき、又は、NX3は、場合により芳香族アミンを表す。有機アミンは、詳細にはアルキルアミン、例えばメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン又はエチルアミン;ヒドロキシアルキルアミン、例えば2-ヒドロキシエチルアミン、ビス-(2-ヒドロキシエチル)アミン又はトリ-(2-ヒドロキシエチル)アミン;シクロアルキルアミン、例えばビシクロヘキシルアミン又はグルカミン、ピペリジン;ピリジン等、例えばコリジン、キニン又はキノリン;及び塩基の特徴を有するアミノ酸、例としてリシン又はアルギニンを表す。
好ましくは、式(I)、(Ia)及び(Ib)の塩化合物は、カルシウム塩である。
本発明の第1の変形によれば、式(I)の化合物は、
- R1が、水素原子;カルボニルとコンジュゲートしていない直鎖状若しくは分岐状C1〜C6アルキルカルボニル基、又は直鎖状若しくは分岐状C1〜C6アルコキシカルボニル基を意味し、
- R2が、直鎖状又は分岐状C1〜C6アルキル基を意味する
ことを特徴とする。
本発明の第2の変形によれば、式(I)の化合物は、
- R1が、水素原子を意味し、
- R2が、直鎖状又は分岐状C1〜C6アルキル基、好ましくは直鎖状又は分岐状飽和C1〜C4アルキル基を意味する
ことを特徴とする。
本発明の第3の変形によれば、式(I)の化合物は、
- R1が、水素原子を意味し、
- R2が、メチル基を意味し、
- R3が、水素原子又はヒドロキシル基を意味する
ことを特徴とする。
明細書のその他の部分でR3がヒドロキシル基を意味する場合は化合物(A)と称し、R3が水素原子を意味する場合は化合物(B)と称する、これら2つの特定の化合物の構造式を、以下に示す:
Figure 0006752812
本発明は、式(Ia)
Figure 0006752812
[式中、
R1及びR2の意味は、以下の組合せから選択される:、
A. R1は、水素原子を意味し、R2は、水素原子;直鎖状若しくは分岐状C2〜C6アルキル基;ベンジル基;カルボニルとコンジュゲートしていない直鎖状若しくは分岐状C1〜C6アルキルカルボニル基;又は直鎖状若しくは分岐状C1〜C6アルコキシカルボニル基を意味し、
B. R1は、メチル基を意味し、R2は、直鎖状若しくは分岐状C2〜C6アルキル基;カルボニルとコンジュゲートしていない直鎖状又は分岐状C1〜C6アルキルカルボニル基;又は直鎖状若しくは分岐状C1〜C6アルコキシカルボニル基を意味し、
C. R1は、直鎖状若しくは分岐状C2〜C6アルキル基;ベンジル基;カルボニルとコンジュゲートしていない直鎖状若しくは分岐状C1〜C6アルキルカルボニル基;又は直鎖状若しくは分岐状C1〜C6アルコキシカルボニル基を意味し、R2は、水素原子;直鎖状若しくは分岐状C1〜C6アルキル基;ベンジル基;カルボニルとコンジュゲートしていない直鎖状若しくは分岐状C1〜C6アルキルカルボニル基;又は直鎖状若しくは分岐状C1〜C6アルコキシカルボニル基を意味する]
の新規な化合物並びに更に式(Ia)の化合物の異性体、塩及び溶媒和物に関する。
本発明は、式(Ib)
Figure 0006752812
[式中、
R1及びR2の意味は、以下の組合せ:
A. R1は、水素原子又はエチル基を意味し、R2は、水素原子;直鎖状若しくは分岐状C2〜C6アルキル基;ベンジル基;カルボニルとコンジュゲートしていない直鎖状若しくは分岐状C1〜C6アルキルカルボニル基;又は直鎖状若しくは分岐状C1〜C6アルコキシカルボニル基を意味する、
B. R1は、メチル基を意味し、R2は、直鎖状若しくは分岐状C3〜C6アルキル基;カルボニルとコンジュゲートしていない直鎖状若しくは分岐状C1〜C6アルキルカルボニル基;又は直鎖状若しくは分岐状C1〜C6アルコキシカルボニル基を意味する、
C. R1は、ベンジル基又はアセチルを意味し、R2は、水素原子;直鎖状若しくは分岐状C2〜C6アルキル基;ベンジル基;カルボニルとコンジュゲートしていない直鎖状若しくは分岐状C1〜C6アルキルカルボニル基;又は直鎖状若しくは分岐状C1〜C6アルコキシカルボニル基を意味する、
D. R1は、直鎖状若しくは分岐状C3〜C6アルキル基;カルボニルとコンジュゲートしていない直鎖状若しくは分岐状C2〜C6アルキルカルボニル;又は直鎖状若しくは分岐状C1〜C6アルコキシカルボニル基を意味し、R2は、水素原子;直鎖状若しくは分岐状C1〜C6アルキル基;ベンジル基;カルボニルとコンジュゲートしていない直鎖状若しくは分岐状C1〜C6アルキルカルボニル;又は直鎖状若しくは分岐状C1〜C6アルコキシカルボニル基を意味する
から選択され、但し、R1及びR2は、水素原子又はメチル、アリル、n-ブチル、n-ペンチル若しくはアセチル基を同時に表せない]
の新規な化合物並びに更にこの式(Ib)の化合物の異性体、塩及び溶媒和物に関する。
新規な化合物の合成
式(II)の共通前駆体
式(II)
Figure 0006752812
のエチレン前駆体は、様々な手法で、
- ウィッティヒ型及びその変形のオレフィン化により、若しくは、アルデヒドから出発するマクマリー型のカップリングにより、
- 又はスチレン誘導体から出発するメタセシスにより
得ることができる。
以下のスキームは、前記前駆体を得るための様々な経路を表す。
Figure 0006752812
試薬の考えられるヒドロキシル基は、Peter G. M. Wuts及びTheodora W. Greene、Greene's Protective Groups in Organic Synthesis、第4版、Wiley、2006年により検証されているように、必要な場合は、適切な保護基を用いて事前に保護してよい。
3つの考えられる反応型によるこれらの化合物を合成するための完全なプロトコールは、実験セクションで詳述されている。
式(Ia)の化合物
式(Ia)の化合物は、
- 式(II)のエチレン前駆体から出発するエポキシ化反応、すなわち、以下のスキームによる、その考えられる遊離ヒドロキシル基が適合する保護基で事前に保護されている式(II)のエチレン誘導体から出発する2段階反応
Figure 0006752812
- 又は、以下のスキームによる、ベンジル基のハロゲン化物誘導体及びアルデヒドで出発する、野崎-檜山、グリニャール又はバルビエ型の反応
Figure 0006752812
により得ることができる。
試薬の考えられるヒドロキシル基は、必要な場合は、適切な保護基で事前に保護してよい。
様々な反応型によるこれらの化合物を合成するための完全なプロトコールは、実験セクションで詳述されている。
式(Ib)の化合物
式(Ib)の化合物は、
- 式(II)のエチレン前駆体から出発する、接触水素化型の還元反応により得ることができ
Figure 0006752812
- 又は、ウルツ若しくは根岸型の金属触媒カップリング反応により、ハロゲン化ベンジル誘導体から出発して得ることができる。
Figure 0006752812
試薬の考えられるヒドロキシル基は、必要な場合は、適切な保護基で事前に保護してよい。
様々な反応型によるこれらの化合物を合成するための完全なプロトコールは、実験セクションで詳述されている。
本発明によれば、式(I)の化合物は、当業者が通常の方法に従って当業者により得ることができる。式(I)の化合物は、上で特定されている方法によってもることができる。
化粧用組成物
本発明は、式(I)の化合物、式(Ia)の化合物、式(Ib)の化合物並びに化合物(A)及び(B)から選択される少なくとも1種の化合物、本明細書中で定義されているその異性体、その塩及びその溶媒和物を生理学的に許容される媒体中に含む組成物、とりわけ化粧用組成物に関する。
式(I)の化合物は、式(Ia)の化合物、式(Ib)の化合物並びに化合物(A)及び(B)を包括することが回想される。
本発明との関連で使用できる式(I)の化合物の量は、望ましい効果に明白に左右され、糖化を低減又は更に阻害するのに有効な量でなければならない。
例として、式(I)の化合物の量は、組成物の総質量に対して、例えば、0.001質量%から30質量%、好ましくは0.01質量%から10質量%、とりわけ0.5質量%から5質量%の範囲であってよい。
本発明による組成物は、とりわけ、局所塗布が意図されており、これは、更に、生理学的に許容される媒体、すなわち、頭皮、粘膜、爪、毛髪、まつ毛、眉及び/又は眼を含む皮膚と適合する媒体を含む。
したがって、組成物は、想定される用途に通常使用される任意の構成成分を含み得る。
水、溶媒、鉱物、動物及び/若しくは植物起源の油、ワックス、顔料、フィラー、界面活性剤、化粧用活性剤又はポリマーをとりわけ挙げることができる。
例えば、本発明による組成物において、生理学的に許容される媒体は、水;有機溶媒、詳細にはC2〜C6アルコール及びC2〜C10カルボン酸エステル;炭化水素系油、シリコーン油、フルオロ油、ワックス、顔料、フィラー、色素、界面活性剤、乳化剤、化粧用又は皮膚科学的活性剤、UV遮蔽剤、皮膜形成ポリマー、親水性又は親油性ゲル化剤、増粘剤、保存剤、香料、殺細菌剤、臭気吸収材及び抗酸化剤から選択される少なくとも1種の化粧用補助剤を含み得る。
また、本発明による組成物において、生理学的に許容される媒体は、角質剥離剤;保湿剤;脱色剤又は着色促進剤(propigmenting agent);抗糖化剤;NO合成酵素阻害剤;真皮若しくは表皮の高分子の合成を刺激する作用剤及び/又はそれらの分解を予防する作用剤;線維芽細胞及び/若しくはケラチノサイトの増殖を刺激する作用剤、又はケラチノサイト分化を刺激する作用剤;筋弛緩剤及び/又は皮膚収縮防止剤;伸張剤;抗汚染剤及び/又はフリーラジカル捕捉剤;毛細血管循環作用剤;細胞エネルギー代謝作用剤;並びにそれらの混合物から選択される少なくとも1種の化合物を含み得る。
したがって、本発明による組成物は、皮膚の老化の外面的徴候に対抗するための、アンチエイジング組成物、とりわけケア組成物の形態であってよい。
本発明の組成物がエマルションである場合、脂肪相の比率は、組成物の総質量に対して、5質量%から80質量%、好ましくは5質量%から50質量%の範囲であってよい。組成物にエマルション形態で使用される油、乳化剤及び任意の共乳化剤は、対象となる分野で従来使用されていたものから選択される。組成物に、乳化剤及び共乳化剤は、組成物の総質量に対して、場合により、0.3質量%から30質量%、好ましくは0.5質量%から20質量%の範囲の比率で存在する。
この組成物は、化粧品及び医薬品分野で通常使用される任意のガレヌス形態であってよく、とりわけ、任意選択でゲル化水溶液、ローション型の分散体、任意選択で2相の分散体、脂肪相を水性相に分散させること(O/W)により、若しくはその逆(W/O)で得られるエマルション、若しく3相(triple)(W/O/W又はO/W/O)エマルション、又はイオン性及び/若しくは非イオン性型の小胞分散体の形態であってよい。
本発明の組成物は、例えば、ローション、ゲル、クリーム又はミルク、例えばメーキャップ除去又はクレンジングローション又はミルク、シャンプー又はシャワーゲルを構成し得る。
本発明に適している組成物は、化粧品分野に通常使用される任意のガレヌス形態であってよい。
これは、とりわけ、任意選択でゲル化した水溶液又はアルコール性水溶液、任意選択で2相ローションのローション型分散体、水中油若しくは油中水若しくは多相エマルション、水性ゲル、ゲル化若しくは非ゲル化油、とりわけ小球を用いた水性相中の油の分散体であってよく、これらの小球は、場合により、ポリマー粒子、又は更に適切には、イオン性及び/若しくは非イオン性型の脂質小胞の形態であり、或いはパウダー、セラム、ペースト又は可撓性スティックの形態であってよい。これは、固体、ペースト状、又は程度の差はあるが液体の稠度であってよい。
したがって、組成物は、想定される局所塗布及び投与に通常使用される任意の構成成分を含み得る。
水、溶媒、詳細には本明細書で以下に詳述されている鉱物、動物及び/若しくは植物起源の油、詳細には本明細書で以下に記載されているワックス、顔料、フィラー、界面活性剤、増粘剤、ゲル化剤及び保存剤、並びにそれらの混合物を特に挙げることができる。
本発明における使用に適している組成物は、化粧品分野に一般的に使用される様々な補助剤、例えば金属イオン封鎖剤、臭気吸収材、UV遮蔽剤、香料、マット効果剤及び研磨フィラー又はスクラブ剤及びそれらの混合物も含有し得る。
本発明における使用に適している組成物は、有利には、少なくとも1種の追加の活性剤を含み得る。
「追加の活性剤」という用語は、本発明との関連で、単独で、すなわち、活性化に外部の作用剤の介入を必要とせずに、詳細には以下であり得る生物学的活性を有する化合物を意味する:
本発明における使用に適している組成物に使用される追加の活性剤は、組成物の総質量に対して、0.0001質量%から20質量%、好ましくは0.01質量%から10質量%、より一層適切には0.01質量%から5質量%を表し得る。
更に、本発明における使用に適している組成物は、有利には、前記組成物の総質量に対して、5質量%から99質量%、好ましくは35質量%から95質量%の水を含み得る。
いうまでもなく、当業者は、本発明による式(I)の化合物の有利な性質が、想定される添加によって有害な影響を受けない、又は実質的に受けないように、また、それらから生じる組成物の性質が、好ましい投与経路と適合するように、これ若しくはこれらの任意選択の追加の化合物、及び/又はそれらの量を、選択するのに注意を払うであろう。
本発明における使用に適している組成物は、有利には、室温及び大気圧で液体である少なくとも1つの脂肪相を含み得る。
本発明における使用に適している組成物に存在する油性相の量は、組成物の総質量に対して、例えば、0.01質量%から50質量%、好ましくは0.1質量%から30質量%の範囲であってよい。
本発明における使用に適している組成物は、有利には、とりわけ、脂肪相中に水性相(W/O)、若しくは水性相中に脂肪相(O/W)を分散させることにより得られるエマルション、液体又は半液体の稠度のミルク型、又は軟固体、半固体若しくは固体の稠度のクリーム若しくはゲル型、或いは多相エマルション(W/O/W又はO/W/O)の形態であってよい。これらの組成物は、通常の方法に従って調製される。
この種類の組成物は、顔及び/又は身体のケア又はメーキャップ製品の形態であってよく、例えば、ジャーに入ったクリームの形態又はチューブ若しくはポンプアクションボトルに入った流体の形態に調整され得る。
本発明における使用に適しているエマルションは、単独で又は混合物として使用される、両性、アニオン性、カチオン性及び非イオン性乳化剤から選択される少なくとも1種の乳化剤を含み得る。
有利には、乳化剤は、得られるエマルション(W/O又はO/W)に応じて適切に選択される。乳化剤は、一般的に、組成物の総質量に対して、0.3質量%から30質量%、好ましくは0.5質量%から20質量%の範囲の比率で組成物に存在する。
本発明における使用に適している組成物は、例えば、顔料、真珠層、色素及びある効果を有する材料、並びにそれらの混合物から選択される少なくとも1種の染料も含み得る。
これらの染料は、組成物の総質量に対して、0.01質量%から50質量%、好ましくは0.01質量%から30質量%の範囲の含有量で存在し得る。
本発明における使用に適している組成物は、少なくとも1種のフィラーも、組成物の総質量に対して、とりわけ0.01質量%から50質量%の範囲、好ましくは0.01質量%から30質量%の範囲の含有量で含み得る。
経口投与の場合、組成物は、錠剤、ゲルカプセル剤、糖衣錠剤、シロップ剤、懸濁液剤、液剤、散剤、顆粒剤、乳剤、放出を制御できるミクロスフェア、ナノスフェア又は脂質若しくはポリマー小胞の懸濁液剤の形態であってよい。好ましくは、組成物は、栄養補助食品の形態である。
局所投与の場合、本発明による組成物は、皮膚又は半粘膜をケアするための生成物、例えば、顔、唇、手、足、身体構造上のひだ又は体用の保護、処置又はケア組成物(例えば、デイクリーム、ナイトクリーム、メーキャップ除去クリーム、メーキャップベース、保護若しくはケアボディミルク、アフターサンミルク、スキンケア又はスカルプケアローション、ゲル又はフォーム、セラム、パウダー、マスク、人工日焼け組成物、アフターシェーブ組成物、頭髪用組成物、腋部位用製品又は衛生用品及びクレンジング製品)の形態であってよい。
好ましい実施形態によれば、本発明の式(I)の化合物を含む組成物は、アンチエイジングクリームとして配合される。
本発明による組成物は、化粧品分野で一般的に使用される、任意の公知のプロセスにより製造できる。
美容方法
本発明はまた、皮膚を処置するための非治療的美容方法であって、本明細書中で定義されている組成物の皮膚への塗布を含む、方法に関する。
本発明はまた、皮膚、爪及び/又は毛髪の、とりわけ糖化に関連する老化の徴候の発生を処置及び/又は予防するための美容方法であって、本明細書中で定義されている化粧用組成物を、皮膚、爪及び/又は毛髪に塗布することを特徴とする、方法に関する。
これらの方法のある特定の実施形態では、組成物は、成熟した及び/又は皺の寄った皮膚に塗布される。
本発明の非治療的美容方法は、本発明による組成物の局所的投与により行われる。
局所投与は、これらの組成物を使用するための通常技術による化粧用組成物の、皮膚、爪又は毛髪への外部適用からなる。
例示として、本発明による美容方法は、本発明による組成物の、例えば1日1回の塗布により行うことができ、この組成物は、例えば、クリーム、ゲル、セラム、ローション、エマルション、メーキャップ除去ミルク又はアフターサン組成物の形態で配合されていてよい。
本発明による方法は、単回の塗布を含み得る。
別の実施形態によれば、塗布は、例えば1日又はそれ超にわたり、一般的には少なくとも4週間の長期間にわたり、又は更に4から15週間、適切な場合は、1回又は複数回の中止期間を伴って、1日に2から3回繰り返される。
更に、本発明により定義されている組成物の活性を補完又は強化するために、任意選択で経口又は局所形態による処置の組合せが想定される。
したがって、任意選択で式(I)の化合物を含有する経口又は局所組成物と組み合わせた、本発明による組成物を用いた局所処置が想像され得る。
成分は、形成される前に、当業者により容易に決定される順番及び条件下で混合される。
本発明の特定の組成物によれば、皮膚の外観及び/又はテクスチャをより魅力的にすることが意図されている他の作用剤も、本発明による組成物に添加してよい。
本発明はまた、皮膚及びその付属器の老化の徴候を美容的に予防及び/又は処置するための、既に定義されている通りである化粧用組成物の非治療的使用に関する。
本発明はまた、皮膚の堅さを改善するための、本明細書中で定義されている組成物の非治療的使用に関する。
本発明はまた、皮膚、爪及び/又は毛髪のタンパク質の糖化を低減又は更に阻害するための、本明細書中で定義されている組成物の非治療的使用に関する。
本発明はまた、真皮タンパク質、特にコラーゲンの糖化を低減又は更に阻害するための、本明細書中で定義されている組成物の使用に関する。
本発明はまた、ケラチンの糖化を低減又は更に阻害するための、本明細書中で定義されている組成物の使用に関する。
特許請求の範囲を含めた本明細書全体で、「を含む」という用語は、特段の指定がない限り、「少なくとも1種を含む」と同義のものとして理解されるべきである。
「…から…の間」及び「…から…の範囲」という用語は、特段の指定がない限り、両端を包含すると理解されるべきである。
(実施例1)
式(II)の共通前駆体の合成
式(II)のエチレン前駆体は、以下のスキームに従って、ウィッティヒ型及びその変形体のオレフィン化(1)により、又はアルデヒドで開始するマクマリー型のカップリング(2)により、又はスチレン誘導体で開始するメタセシス(3)により、様々な手段で得ることができる。
Figure 0006752812
試薬の考えられるヒドロキシル基は、GPeter G. M. Wuts及びTheodora W. Greene、Greene's Protective Groups in Organic Synthesis、第4版、Wiley、2006年により検証されているように、必要な場合は、適切な保護基を用いて事前に保護してよい。
1.1 ウィッティヒ-ホーナー反応
ホスホン酸塩誘導体は、対応するハロゲン化ベンジルから標準的な手順により得ることができる。例として、以下のプロトコールを使用できる:
● 高沸点非極性溶媒、例えばトルエン中のハロゲン化ベンジル(1当量)及び亜リン酸トリメチル又はトリエチル(2当量)の混合物を、110℃で4〜16時間加熱する。
● 次いで、生成物を、蒸留により、又は標準的な技術、例えばシリカカラム上でのクロマトグラフィーにより精製した。
● 無水条件下及び不活性雰囲気下で、極性非プロトン溶媒、例えばTHF中のホスホン酸塩誘導体(1〜1.3当量)の溶液を、0℃にて、強塩基(1.1〜2当量)、例えば水素化ナトリウム(NaH)、リチウムジイソプロピルアミド(LDA)又はn-ブチルリチウム(BuLi)で処理し、続いて、同溶媒中にアルデヒド(1当量)の溶液を滴下添加する。
● 撹拌を、アルデヒドが消失するまで、室温にて終夜続け、次いで、混合物を0℃に冷却する。
● 水、続いて希塩酸水溶液を、撹拌しながら滴下添加する。
● 次いで、有機溶媒、例えばエーテル、CH2Cl2又はEtOAcを使用して混合物を抽出する。
● 有機相を合わせ、乾燥させ、減圧下で濃縮する。
● 残留物は、シリカカラム上でのクロマトグラフィーにより精製され得る。
1.2 マクマリー反応
活性化チタンを調製するために、以下のプロトコールを使用できる:
● 無水条件下及び不活性雰囲気下で、極性非プロトン溶媒、例えばTHF中の、任意選択でアレーン、例えばナフタレン(1当量)と合わせた、TiCl3又はTiCl4(5〜6当量)と還元性の塩基性金属、例えばLi、Mg、Zn、Zn-Cu(10〜20当量)の混合物を、手順に応じて、-5℃から20℃の間の温度にて撹拌する。
カップリング工程は、このようにして行うことができる:
● 調製したばかりの活性化チタンの溶液に、同溶媒中のアルデヒド(1〜2当量)の溶液を添加する。
● 反応混合物を、アルデヒドが消失するまで、室温にて撹拌し、又は加熱還流し、次いで、手順に応じて飽和NH4Cl水溶液又は10% K2CO3溶液で中和し、有機溶媒、例えばCH2Cl2又はEtOAcを使用して抽出する。有機相を合わせ、乾燥させ、減圧下で濃縮する。
● 残留物は、シリカカラム上でのクロマトグラフィーにより精製され得る。
1.3 メタセシス
以下のプロトコールが適用される:
無水条件下及び不活性雰囲気下で、非極性溶媒、例えばCH2Cl2中の触媒、例えばグラブス触媒(1〜2mol%)及びスチレン誘導体(1当量)の混合物を、スチレンが消失するまで加熱還流する。
● 次いで、混合物を濾過し、減圧下で濃縮し、シリカカラム上でのクロマトグラフィーにより精製する。
(実施例2)
式(Ia)の化合物の合成
2.1 式(Ia)の化合物は、以下のスキームに従って、その考えられる遊離ヒドロキシル基が適合する保護基で事前に保護されている式(II)の対応するエチレン誘導体から2つの工程で得ることができる。
Figure 0006752812
エチレン前駆体(II)のエポキシ化のプロトコールは、以下の通りである:
工程1:エポキシ化
● 非極性溶媒、例えばジクロロメタン中の式(II)の化合物(1当量)を、室温にて、酸化剤(1.5〜5当量)、例えばmCPBA又はH2O2で処理する。
● 反応混合物を20時間撹拌し、次いで、飽和NaHCO3溶液を添加することにより希釈する。
● 沈降した後で、相を分離し、水性相を、有機溶媒、例えばジクロロメタンで抽出する。
● 有機相を合わせ、次いで乾燥させる。
● 溶媒を蒸発させ、残留物をシリカカラム上でのクロマトグラフィーにより精製する。
工程2:還元
● 工程1に由来する中間体1(1当量)を、極性溶媒、例えばメタノール、エタノール又は酢酸エチルに溶解する。
● Pd/C型(5〜10mol%)の不均一な触媒を、この混合物中に懸濁する。
● 反応混合物を、室温にて、二水素雰囲気下で1〜24時間撹拌する。
● 次いで、濾過により触媒を除去し、濾液を減圧下で濃縮する。
● 残留物を、シリカカラム上でのクロマトグラフィーにより精製する。
● 次いで、得られた生成物を、任意選択で、第3の工程で脱保護する。
2.2 式(Ia)の化合物は、以下のスキームに従って、野崎-檜山、グリニャール又はバルビエ型の反応により、ハロゲン化ベンジル誘導体及びアルデヒドから得ることができる:
Figure 0006752812
試薬の考えられるヒドロキシル基は、必要な場合は、適切な保護基で事前に保護してよい。
2.2.1 グリニャール型の反応
工程1:グリニャール試薬の調製:
● 無水条件下及び不活性雰囲気下で、三口ナシ形フラスコに削り屑状マグネシウム(1.5当量)を導入し、次いで、70℃にて30分間、真空下(0.5mmHg)で加熱する。
● 次いで、フラスコをアルゴンで再度満たし、無水極性非プロトン溶媒、例えばTHF又はジエチルエーテルを、注射器により添加し、続いて1,2-ジブロモエタン(数滴)を添加して、反応を開始する。
● 同溶媒中の溶液中のハロゲン化ベンジル(1.2〜1.3当量)を、穏やかな還流(15mL/h)を維持するように、注射器によりゆっくり添加する。
● 添加した後で、混合物を2時間還流させる。
工程2のカップリング:
● 別の三口丸底フラスコにおいて、無水条件下及び不活性雰囲気下で、同溶媒又は非極性溶媒、例えばトルエン中のアルデヒド(1当量)の溶液を、0℃に冷却し、次いで、マグネシウム溶液を、注射器又はカニューレによりゆっくり添加する。
● 添加した後で、反応混合物を、アルデヒドが消失するまで、0から20℃の間にて2時間撹拌し、次いで、0℃に冷却した飽和NH4Cl溶液で希釈する。
● 水性相を分離し、有機溶媒、例えばジエチルエーテル(2×)で再抽出する。
● 有機相を合わせ、飽和NaCl溶液で洗浄し、乾燥させ、減圧下で濃縮する。
● 残留物を、シリカカラム上でのクロマトグラフィーにより精製する。
● 次いで、得られた生成物を、任意選択で、第2の工程で脱保護する。
2.2.2 バルビエ型の反応
● 亜鉛粉末(2当量)、CdCl2(1当量)及びInCl3(0.1当量)を、水中のアルデヒド(1当量)及びハロゲン化物(2当量)の混合物に添加する。
● 反応混合物を、室温にて試薬が消失するまで撹拌し、次いで、有機溶媒、例えば酢酸エチル(3×)を使用して抽出する。
● 有機相を合わせ、乾燥させ、減圧下で濃縮する。
● 残留物を、シリカカラム上でのクロマトグラフィーにより精製する。
● 次いで、得られた生成物を、任意選択で、第2の工程で脱保護する。
2.3 望ましい置換基の導入
標的化合物を形成するための重要な反応に適合できない基は、標準的な手順による後続の工程中に導入されなければならないであろう。同様に、試薬が市販ではない場合、置換基は、化学的な適合性に応じて、カップリング工程の前後で、対応するフェノール誘導体に導入されなければならないであろう。
以下に記載されている反応は、置換基を、式(II)の前駆体、並びに式(Ia)及び(Ib)の新規な化合物に導入するのに一般的である。
2.3.1 フェノールのアルキル化/ベンジル化
Figure 0006752812
以下のプロトコールが適用される:
● 極性非プロトン溶媒、例えばDMF又はDMSO中で、置換されるフェノール誘導体(1当量/フェノール)を、弱塩基(1〜2当量)、例えば炭酸カリウム又は炭酸セシウムを添加することにより脱プロトン化する。
● 反応混合物を0〜80℃にて撹拌し、アルキル化剤RX(1〜2当量)を一滴ずつ導入する。例えば、アルキル化剤は、ハロゲン化アルキル、優先的には、ヨウ化アルキル又は臭化若しくはヨウ化ベンジルである。
● 撹拌を1〜96時間続ける。
● 飽和NH4Cl水溶液を添加し、有機溶媒、例えば酢酸エチルを使用して抽出することにより、反応混合物を希釈する。
● 有機相を合わせ、乾燥させ、減圧下で濃縮する。
● 残留物は、シリカカラム上でのクロマトグラフィーにより精製され得る。
2.3.2 フェノールのアシル化
Figure 0006752812
● 極性非プロトン溶媒、例えばジクロロメタン、アセトン、アセトニトリル又はTHF中の、置換されるフェノール誘導体(1当量/フェノール)及び有機塩基、例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン又はピリジン(1.2〜1.5当量)の溶液を、0℃にて、同溶媒中の酸塩化物又は対応する無水物(1.1〜1.5当量)の溶液で一滴ずつ処理する。
● 反応混合物を、室温にて3〜18時間撹拌し、次いで水で希釈する。
● 沈降させ、相分離した後で、有機相を、飽和NaCl溶液で洗浄し、乾燥させ、減圧下で濃縮する。
● 残留物を、シリカカラム上でのクロマトグラフィーにより精製する。
2.3.3 フェノールの炭酸化
Figure 0006752812
手順は、クロロギ酸アルキル又はジカルボン酸アルキル(1.1〜2当量)を使用した、アシル化のものと同様である。
(実施例3)
式(Ib)の化合物の合成
3.1 式(Ib)の化合物は、式(II)のエチレン前駆体で開始する還元反応により得ることができる。
式(II)のエチレン誘導体の水素添加は、以下のスキームに従って表される:
Figure 0006752812
エチレン前駆体(II)を接触水素化するためのプロトコールは、以下の通りである:
● エチレン誘導体(II)を、極性溶媒、例えばメタノール、エタノール、THF又は酢酸エチルに溶解する。
● 不均一なPd/C又はPtO2型の触媒を、この混合物中に懸濁する。
● 反応媒体を、二水素下(1〜40bar)で、20〜90℃にて1〜24時間撹拌する。
● 濾過により触媒を除去し、濾液を減圧下で濃縮する。
● 残留物は、シリカカラム上でのクロマトグラフィーにより精製され得る。
この反応物に適合できない基、例えばベンジル基は、標準的な手順による後続の工程中に導入されなければならないであろう。
3.2 式(Ib)の化合物は、以下のスキームに従って、ウルツ又は根岸型の金属触媒カップリング反応により、ハロゲン化ベンジル誘導体から得ることができる。
Figure 0006752812
試薬の考えられるヒドロキシル基は、必要な場合は、適切な保護基で事前に保護してよい。
式(Ib)の化合物は、詳細には、根岸型反応によりハロゲン化ベンジル誘導体から得ることができ、そのための実験プロトコールを以下に提示する。
工程1- 亜鉛誘導体の調製:
● 無水条件下及び不活性雰囲気下で、亜鉛粉末(1.5当量)を、ナシ形シュレンクチューブに入れ、次いで、真空下(0.5mmHg)で、70℃にて30分間加熱する。
● 次いで、チューブをアルゴンで再度満たし、無水極性非プロトン溶媒、例えばTHF、DMA(N,N-ジメチルアセトアミド)又はDMI(1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン)、続いてヨウ素(I2、0.025当量)を注射器により添加する。
● 反応混合物を、赤色が淡くなるまで(約5分)、70℃にて撹拌する。
● 同溶媒中の溶液中のハロゲン化ベンジル(1当量)を、注射器によりゆっくり添加する。
● 混合物を70℃にて12時間撹拌し、次いで、未反応の亜鉛粒子をフラスコの底に堆積させるようにするために、撹拌せずに放置して室温に1時間冷却する。
● 混合物をアルゴン下で、二口ナシ形フラスコに備えた焼結製品により濾過し、フラスコ中の亜鉛誘導体の溶液を回収する。
工程2 - カップリング:
● 三口丸底フラスコにおいて、無水条件下及び不活性雰囲気下で、触媒系(任意選択でリガンドにカップリングする触媒)の混合物、例えば、極性非プロトン溶媒、例えばDMI、DMA、DMF、NMP又はTHF中の、NiCl2・グライム(0.05〜0.07当量)/Pybox型のリガンド(0.055〜0.09当量)、NiBr2・ジグライム(0.1当量)/Pybox型のリガンド(0.13当量)、Pd2(dba)3(0.02当量)/IPr・HCl(0.08当量)、Pd2(dba)3(0.005当量)/トリ-o-トリルホスフィン(0.02当量)又はPd(OAc)2(1mol%)/CPhos(2mol%)、及びハロゲン化誘導体(1当量)を、室温にて5〜10分間撹拌し、次いで、注射器又はカニューレにより有機亜鉛溶液(1.2〜1.6当量)をゆっくり添加しつつ、内部温度を0から30℃未満で保つ。
● 反応混合物を、ハロゲン化誘導体が消失するまで、0から75℃の間にて5〜24時間撹拌する。
● 次いで、エタノールを添加することにより過剰な亜鉛試薬を中和し、混合物を有機溶媒、例えばジエチルエーテルで希釈する。
● この溶液を、水(3×)で洗浄し、乾燥させ、減圧下で濃縮する。
● 残留物を、シリカカラム上でのクロマトグラフィーにより精製する。
次いで、望ましい置換基を導入するための工程を、実施例2で提示されているように行う。
(実施例4)
化合物(A)及び(B)の生物学的活性
化合物Aは、例えば、以下の参考文献に従って合成される:Synthetic Communications、1987年、17(7)、877〜92頁。
化合物Bは、例えば、Harvery, Benjamin G.ら、Polymer Preprints (American Chemical Society, Division of Polymer Chemistry)、2011年、52(1)に従って合成される。
式(I)の化合物のアンチエイジング効果は、ウシ血清アルブミン(すなわちBSA)の糖化を阻害する従来の試験に従って、これらの化合物(A)及び(B)が、タンパク質の糖化活性を阻害する能力により例示されている。
A. 材料及び方法
試験化合物を、BSA及びリボースと接触させ、インキュベーションを15日間維持する。リボースでのBSAの糖化による蛍光を、T0日及びT15日で測定する。1mMアミノグアニジンを、陽性対照として使用し、これは、100%阻害に相当する。糖化を25%阻害する有効量は、用量反応曲線によって判定される。
B. 結果
式(I)A及びBの化合物のそれぞれの、BSAの糖化を阻害する能力は、材料及び方法セクションに記載されている試験によって試験した。
結果を以下のTable 1(表1)で報告する。
Figure 0006752812
Table 1(表1)では、IC25値は、BSA糖化の25%阻害を誘導する各化合物の濃度を表す。
Table 1(表1)は、指示されている各化合物の100μMの濃度により誘導される、BSA糖化を阻害する百分率の値も提示する。
Table 1(表1)の結果は、式(I)の化合物は、モデル試験において糖化反応を阻害することが可能であると示している。
したがって、化粧品配合物の活性剤として、これらの化合物は、糖化の特性である老化の徴候:ゆるみのある外観、弛緩した皮膚、細かい皺の発生を予防及び/又は遅延させるための支援に有効である。
(実施例5)
本発明による組成物の例
示されている化合物の百分率は、それらが存在する組成物の総質量に対する質量百分率である。
化合物A 1%
グリセロール 12%
40%AM*(SEPPIC社のSepigel 305)のポリアクリルアミド 1% AM*
保存剤 適量
香料 適量
水 100%までの適量
皮膚に局所的に塗布される上記組成物は、老化の徴候、例えば、皺及び小皺、又はみずみずしさを失い、たるんだ、かつ/若しくは菲薄化した皮膚にも対抗することを可能にする。
*AMは活性物質を意味する。
(実施例6)
本発明による組成物の例
示されている化合物の百分率は、それらが存在する組成物の総質量に対する質量百分率である。
化合物(A) 1%
グリセロール 12%
40%AM(SEPPIC社のSepigel 305)のポリアクリルアミド 1% AM
α,ω-ヒドロキシル及びシクロペンタジメチルシロキサン基(15/85)を含有するポリジメチルシロキサンの混合物 2%
保存剤 適量
香料 適量
水 100%までの適量
化合物Aと化合物Bを置き換えることにより、同一の型の結果が得られる。

Claims (14)

  1. 皮膚のタンパク質の糖化による皮膚の老化の徴候を処置するための、式(I):
    Figure 0006752812
    [式中、
    - R3が、水素原子又はヒドロキシル基を意味し、
    - R1及びR2が、互いに独立して、水素原子又は直鎖状若しくは分岐状C1〜C6アルキル基を意味する]
    の少なくとも1種の化合物並びに/又は前記式(I)の化合物の塩の、生理学的に許容される媒体を含有する組成物における、非治療的美容的使用。
  2. 前記式(I)の化合物が、
    - R3が、水素原子又はヒドロキシル基を意味し、
    - R1が、水素原子を意味し、
    - R2が、直鎖状又は分岐状C1〜C6アルキル基を意味する
    ことを特徴とする、請求項1に記載の非治療的美容的使用。
  3. 前記式(I)の化合物が、
    - R3が、水素原子又はヒドロキシル基を意味し、
    - R1が、水素原子を意味し、
    - R2が、メチル基を意味する
    ことを特徴とする、請求項1に記載の非治療的美容的使用。
  4. 式(Ia):
    Figure 0006752812
    [式中、
    R1及びR2の意味が、以下の組合せ:
    A. R1が、水素原子を意味し、R2が、水素原子又は直鎖状若しくは分岐状C2〜C6アルキル基を意味する、
    B. R1が、メチル基を意味し、R2が、直鎖状若しくは分岐状C2〜C6アルキル基を意味する、
    C. R1が、直鎖状若しくは分岐状C2〜C6アルキル基を意味し、R2が、水素原子又は直鎖状若しくは分岐状C1〜C6アルキル基を意味する
    から選択される]
    の化合物及びその塩。
  5. 式(Ib):
    Figure 0006752812
    [式中、
    R1及びR2の意味が、以下の組合せ:
    A. R1が、水素原子又はエチル基を意味し、R2が、水素原子又は直鎖状若しくは分岐状C2〜C6アルキル基を意味する、
    B. R1が、メチル基を意味し、R2が、直鎖状若しくは分岐状C3〜C6アルキル基を意味する、
    D. R1が、直鎖状若しくは分岐状C3〜C6アルキル基を意味し、R2が、水素原子又は直鎖状若しくは分岐状C1〜C6アルキル基を意味する
    から選択され、
    但し、R1及びR2は、水素原子又はメチル、アリル、n-ブチル若しくはn-ペンチル基を同時に表せない]
    の化合物及びその塩。
  6. 請求項1に記載の式(I)の化合物、請求項4に記載の式(Ia)の化合物、及び請求項5に記載の式(Ib)の化合物から選択される少なくとも1種の化合物を生理学的に許容される媒体中に含む、皮膚のタンパク質の糖化による皮膚の老化の徴候を処置するための非治療的美容的組成物であって、前記少なくとも1種の化合物が請求項1に記載の式(I)の化合物または請求項5に記載の式(Ib)の化合物である際、前記生理学的に許容される媒体が、角質剥離剤;保湿剤;脱色剤又は着色促進剤;抗糖化剤;NO合成酵素阻害剤;真皮若しくは表皮の高分子の合成を刺激する作用剤及び/又はそれらの分解を予防する作用剤;線維芽細胞及び/若しくはケラチノサイトの増殖を刺激する作用剤、又はケラチノサイト分化を刺激する作用剤;筋弛緩剤及び/又は皮膚収縮防止剤;伸張剤;抗汚染剤及び/又はフリーラジカル捕捉剤;毛細血管循環作用剤;細胞エネルギー代謝作用剤;並びにそれらの混合物から選択される少なくとも1種の化合物を含む、非治療的美容的組成物。
  7. 前記式(I)、(Ia)又は(Ib)の化合物が、単独で又は混合物として、前記組成物の総質量に対して、0.001質量%から30質量%の間の量で存在する、請求項6に記載の非治療的美容的組成物。
  8. 前記生理学的に許容される媒体が、水;有機溶媒;炭化水素系油、シリコーン油、フルオロ油、ワックス、顔料、フィラー、色素、界面活性剤、乳化剤、化粧用又は皮膚科学的活性剤、UV遮蔽剤、皮膜形成ポリマー、親水性又は親油性ゲル化剤、増粘剤、保存剤、香料、殺細菌剤、臭気吸収材及び抗酸化剤から選択される少なくとも1種の化粧用補助剤を含む、請求項6に記載の非治療的美容的組成物。
  9. 前記少なくとも1種の化合物が請求項4に記載の式(Ia)の化合物であり、前記生理学的に許容される媒体が、角質剥離剤;保湿剤;脱色剤又は着色促進剤;抗糖化剤;NO合成酵素阻害剤;真皮若しくは表皮の高分子の合成を刺激する作用剤及び/又はそれらの分解を予防する作用剤;線維芽細胞及び/若しくはケラチノサイトの増殖を刺激する作用剤、又はケラチノサイト分化を刺激する作用剤;筋弛緩剤及び/又は皮膚収縮防止剤;伸張剤;抗汚染剤及び/又はフリーラジカル捕捉剤;毛細血管循環作用剤;細胞エネルギー代謝作用剤;並びにそれらの混合物から選択される少なくとも1種の化合物を更に含む、請求項6に記載の非治療的美容的組成物。
  10. 皮膚を処置するための非治療的美容方法であって、請求項6に記載の非治療的美容的組成物の前記皮膚への塗布を含む、方法。
  11. 皮膚及び/又は爪の老化の徴候の発生を処置するための非治療的美容方法であって、請求項6に記載の非治療的美容的組成物を、前記皮膚及び/又は爪に塗布することを特徴とする、方法。
  12. 皮膚のタンパク質の糖化による皮膚の老化の徴候を美容的に処置するための、並びに/或いは皮膚の堅さを改善するための、請求項6に記載の非治療的美容的組成物の非治療的美容的使用。
  13. 前記皮膚及び/又は爪のタンパク質の糖化を低減又は更に阻害するための、請求項6に記載の非治療的美容的組成物の非治療的美容的使用。
  14. 真皮タンパク質の糖化を低減又は更に阻害するための、並びに/或いはケラチンの糖化を低減又は更に阻害するための、請求項13に記載の非治療的美容的使用。
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