JP6750570B2 - 遮光層形成用樹脂組成物、遮光層、および遮光性部材 - Google Patents

遮光層形成用樹脂組成物、遮光層、および遮光性部材 Download PDF

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本発明は、光学用途やオプトデバイス用途、表示デバイス用途、機械部品、電気・電子部品等の各種用途に有効な遮光性部材、前記遮光性部材を構成する遮光層、および前記遮光層の形成に用いられる遮光層形成用樹脂組成物に関する。
遮光性部材は、例えば、レンズユニット等の光学部材の他、オプトデバイス部材、表示デバイス部材、機械部品、電気・電子部品等の各種用途において、所望の波長の光を散乱・吸収等してその波長の光を遮光するための遮光層を有する部材である。
例えば、高性能一眼レフカメラ、コンパクトカメラ、ビデオカメラ、デジタルカメラ、携帯電話用カメラのカメラモジュール等の光学用途では、小型化、薄型化、軽量化への要求により、金属材料により形成されていた光学機器の遮光性部材がプラスチック材料へと代わりつつある。
このような遮光性部材としては、基材フィルムにカーボンブラック、艶消し剤を含有する遮光層を設けた遮光性部材が知られている。(特許文献1)
また、有機樹脂として溶剤可溶性ポリイミド樹脂と、特定のカーボンブラックとを必須成分とする遮光層形成用樹脂組成物、および前記遮光層形成用樹脂組成物から形成されてなる遮光層を有する遮光性フィルムが開示されている。(特許文献2)
特開平9−274218号公報 特開2012−017419号公報
しかしながら、これら従来の遮光性部材では、遮光層形成時に、樹脂のそり(カール)が発生し、実用化が問題であったり、近年要求される光学部材の小型化、薄型化、軽量化への要求に十分対応できていない。
さらに、従来の遮光層形成用樹脂組成物は、遮光性および黒味と、樹脂組成物の安定性との両立が困難であった。
そこで本発明は、樹脂組成物中のカーボンブラックの分散性、および安定性に優れ、かつ遮光層の遮光性、黒味、塗膜強度を十分に保持しつつ、遮光層のそり(カール)がなく、薄型化、軽量化で加工性に優れた遮光層の形成が可能な樹脂組成物、およびそれを用いた遮光性、黒味、および塗膜強度に優れる遮光層および遮光性部材を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、バインダー樹脂とカーボンブラックとを含む遮光層形成用樹脂組成物であって、前記バインダー樹脂は、繊維素系樹脂であり、前記カーボンブラックの一次粒子径は、10nm以上50nm以下である遮光層形成用樹脂組成物により、遮光層の遮光性、黒味、および塗膜強度と、樹脂組成物の分散性、および安定性との両立が可能となることを見出し、本発明に至った。
また、本発明は、さらに可塑性成分を含有することを特徴とする遮光層形成用樹脂組成物に関する。
また、本発明は、前記遮光層形成用樹脂組成物から形成してなる遮光層に関する。
また、本発明は、前記遮光層を有する遮光性部材に関する。
本発明の遮光層形成用樹脂組成物は、バインダー樹脂としての繊維素系樹脂と、特定のカーボンブラックとを使用することで、樹脂組成物中にカーボンブラックを容易に分散することができ、遮光性、黒味、塗膜強度に優れ、かつ遮光層のそり(カール)がない遮光層の形成が可能である。さらに、本発明の遮光性部材は、基材フィルムを有しない、遮光層のみの単層で用いることもできるため、より薄型化、軽量化を可能とすることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の遮光層形成用樹脂組成物は、バインダー樹脂とカーボンブラックとを含み、前記バインダー樹脂は、繊維素系樹脂であり、前記カーボンブラックの一次粒子径は、10nm以上50nm以下であることを特徴とする。また、遮光層形成用樹脂組成物は、可塑性成分を含有することで、遮光層の樹脂によるそり(カール)を防止する点で、より好ましいものである。
《遮光層形成用樹脂組成物》
本発明の遮光層形成用樹脂組成物は、バインダー樹脂とカーボンブラックとを含み、前記バインダー樹脂は、繊維素系樹脂であり、前記カーボンブラックの一次粒子径は、10nm以上50nm以下である。このような遮光層形成用樹脂組成物により、カーボンブラックを容易に分散することができ、カーボンブラックとバインダー樹脂とを、容易に混合することができる。それにより、遮光性に優れ、かつ分散性、および安定性に優れたものとすることができる。
<バインダー樹脂>
本発明のバインダー樹脂は、繊維素系樹脂を含有する。
(繊維素系樹脂)
繊維素系樹脂としては、天然高分子である繊維素をベースにした熱可塑性樹脂であり、六員環構造を持った連続構造を有する樹脂であるため、塗膜強度に優れている。また、六員環構造と官能基に富んだ構造になっているため、カーボンブラックを保持、吸着させ、分散、混合が容易になる。
これら繊維素系樹脂としては、セルロース、セルロース誘導体等が挙げられる。
セルロース誘導体としては、例えば、セルロースエステル、セルロースカーバメート、セルロースエーテル等が挙げられる。
セルロースエステルとしては、例えば、セルロースジアセテート、セルローストリアセテートなどのセルロースアセテート;セルロースプロピオネート、セルロースブチレートなどのセルロースC3−5アシレート;セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートなどのセルロースアセテートC3−5アシレートなどのセルロースアシレートが挙げられる。
また、セルロースカーバメートとしては、例えば、セルロースフェニルカーバメートが挙げられる。
また、セルロースエーテルとしては、例えば、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、ヒドロキシアルキルアルキルセルロース、カルボキシアルキルセルロース、アルキル−カルボキシアルキルセルロース、これらの誘導体[例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどのCMC塩(アルカリ金属塩など)など]などが例示できる。
これらの1種又は2種以上を混合して使用することができる。
なお、加工時や使用時の耐熱性を考慮すると、ガラス転移温度が100℃以上の繊維素系樹脂が好ましい。
また、好ましくは、加工時の材料取扱い性、使用時の耐久性の点から、溶剤可溶型の繊維素系樹脂が挙げられる。
溶剤可溶型の繊維素樹脂としては、セルロースエステルがより好ましい。
繊維素系樹脂の数平均分子量は、ポリスチレン換算で、好ましくは10,000以上であり、更に好ましくは20,000以上である。数平均分子量が10,000未満の場合は、十分な被膜強度を得ることができない場合がある。
また、遮光層形成用樹脂組成物中には、本発明の機能を損なわない場合であれば、繊維素系樹脂以外のバインダー樹脂を含んでも良い。
このバインダー樹脂としては、ポリ(メタ)アクリル酸系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン/ポリブタジエン樹脂、ポリウレタン樹脂、アルキド樹脂、アクリル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシエステル樹脂、エポキシ樹脂、エポキシアクリレート系樹脂、ウレタンアクリレート系樹脂、ポリエステルアクリレート系樹脂、ポリエーテルアクリレート系樹脂、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂、尿素系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、エポキシポリオール等のポリオール系樹脂などの熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂(必要に応じて加えるイソシアネートなどの架橋剤を含む)が挙げられ、これらの1種又は2種以上を混合して使用することができる。
<カーボンブラック>
カーボンブラックとしては、一次粒子径が10nm以上50nm以下であるカーボンブラックを必須成分として含有する。より好ましくは、10nm以上40nm以下である。
この範囲にあることで、分散性が良好となり、かつ遮光性と黒味を十分にすることができるだけでなく、繊維素系樹脂とともに用いることで、塗膜強度を十分に保持しつつ、耐久性、取り扱い性にも優れた遮光層形成用樹脂組成物とすることができる。
一次粒子の大きさを一次粒子径というが、上記カーボンブラックの一次粒子径とは、透過型電子顕微鏡像により評価したものであり、一次粒子径の個数平均値(平均一次粒子径)が上述の範囲であることが更に好ましい。平均一次粒子径を求めるにあたっては、20個以上の一次粒子の大きさを測定し、それらの測定値の平均を求めることが好ましい。
また、一次粒子径が10nm以上50nm以下であるカーボンブラックの、遮光層形成用樹脂組成物中の含有量は、遮光性、および外観の深みの点から、繊維素系樹脂100重量部に対して、好ましくは1重量部以上100重量部以下、より好ましくは5重量部以上75重量部以下、特に好ましくは10重量部以上50重量部以下の範囲である。この範囲にあることで、薄膜化が可能となり、カーボンブラックの含有量を抑えながらも遮光性が良好となるために好ましい。
なお、帯電防止性を考慮すると、BET比表面積が50m/g以上であるカーボンブラックであることが好ましい。BET比表面積は50m/g未満であると、カーボンブラック中の導電経路が形成しにくく、少量の添加で高導電性を発現することが困難になる場合がある。また、より好ましくはBET比表面積が50m/g以上、1500m/g以下であるカーボンブラックが良い。1500m/gを超えると、カーボンブラックの分散濃度や添加量を増加させることが困難となるため、ごく少量しか添加できず、遮光性が発現しないおそれがある。さらに好ましくは75m/g以上、500m/g以下である。
また、カーボンブラックは、DBP(ジブチルフタレート)吸油量が100m/g以上であるカーボンブラックであることが好ましい。DBP(ジブチルフタレート)吸油量が100m/g未満であると、アグリゲートの発達度合い(ストラクチャー)が小さくなり、高導電性を発現しないおそれがあり、樹脂との親和性も低下して被膜強度低下のおそれもある。より好ましくは100m/g以上、500m/g以下である。
また、遮光層形成用樹脂組成物中には、本発明の機能を損なわない場合であれば、一次粒子径が50nmより大きいカーボンブラック、一次粒子径が10nm未満のカーボンブラック、有機顔料、無機顔料、金属顔料等の粒子を含んでもよい。これらの1種又は2種以上を混合して使用することができる。
<可塑性成分>
本発明の遮光層形成用樹脂組成物は、可塑性成分を含むことが好ましい。
本発明における可塑性成分とは、バインダー樹脂である繊維素系樹脂へ可塑性を与えることのできる成分をさし、一般的に可塑剤と言われるものだけでなく、ポリエステル、ポリエーテル、ポリカーボネ−ト、ポリブタジエン、またはそれらの誘導体をも含む。
また、ポリオールを用いることもできる。
可塑性成分は1種又は、2種以上組み合わせて使用することもできる。
可塑剤成分を含むことで、繊維素樹脂特性の内部応力の緩和が可能となり、遮光層形成時に樹脂特性の内部応力の影響と考えられる遮光性部材のそり(カール)を抑制することができる。
また、可塑性成分は、カーボンブラック、有機顔料、無機顔料、金属顔料等の粒子の前処理剤として使用しても良く、遮光層形成用樹脂組成物を調製する際に加えてもよい。
前処理剤として使用した場合、カーボンブラック、有機顔料、無機顔料、金属顔料等の粒子の分散安定性が確保でき、遮光層を形成する際に、粒子による沈降、ムラ等を抑制することが可能となる。
可塑性成分として具体的には、直鎖の末端または分岐した末端に、カルボキシル基と反応可能な官能基、水酸基と反応可能な官能基、およびイソシアネート基と反応可能な官能基の少なくともいずれか1種を有する、ポリエステル、ポリエーテル、ポリカーボネート、ポリブタジエン、またはそれらの誘導体を用いることができる。
これらの中でも、可塑性、強靱性のバランスの点からポリエステル、またはポリエーテルが好ましく、特に好ましくはポリエステルである。
また、ポリオールを用いることも好ましく、より好ましくはポリエステルポリオールである。
カルボキシル基と反応可能な官能基としては、水酸基、エポキシ基、アミノ基、イソシアネート基等が挙げられるが、反応性の点で水酸基が好適である。
水酸基と反応可能な官能基としては、水酸基、エポキシ基、アミノ基、イソシアネート基等が挙げられるが、反応性の点でイソシアネート基が好適である。
また、イソシアネート基と反応可能な官能基としては、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、N−メチロール基、N−アルコキシメチル基等が挙げられるが、反応性の点で水酸基が好適である。カルボキシル基と反応可能な官能基と、水酸基と反応可能な官能基と、イソシアネート基と反応可能な官能基とは、同一の官能基でも構わないし、異なる官能基でも構わない。
ポリエステルの例としては、ジカルボン酸の少なくとも1種と、多価アルコール、多価フェノール、またはこれらのアルコキシ変性物等のポリオールの少なくとも1種とをエステル化して得られる末端水酸基含有エステル化合物、及び末端の水酸基をアミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、N−メチロール基、またはN−アルコキシメチル基に変性したエステル化合物などが挙げられる。
ジカルボン酸の例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、1,5−ナフタル酸、p−オキシ安息香酸、p−(ヒドロキシ)安息香酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライ酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等のジカルボン酸等が挙げられる。
多価アルコールの例としては、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,4−ブタンジオール、1,2−ジメチル−1,4−ブタンジオール、2−エチル−1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、3−エチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、2−メチル−1,7−ヘプタンジオール、3−メチル−1,7−ヘプタンジオール、4−メチル−1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、2−エチル−1,8−オクタンジオール、3−メチル−1,8−オクタンジオール、4−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、トリメチロールプロパン、1,1,1−トリメチロールプロパンエチレングリコール、グリセリン、エリスリトール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール等が挙げられる。
多価フェノールの例としては、カテコール、レゾルシン、ヒドロキノン、ヘキシルレゾルシン、トリヒドロキシベンゼン、ジメチロールフェノール等が挙げられる。
市販品のポリエステルとしては、例えば、株式会社クラレ製のクラレポリオールP−510、P−1010、P−1510、P−2010、P−3010、P−4010、P−5010、P−6010、P−2011、P−2013、P−520、P−1020、P−2020、P−1012、P−2012、P−530、P−1030、P−2030、PMHC−2050、PMHC−2050R、PMHC−2070、PMHC−2090、PMSA−1000、PMSA−2000、PMSA−3000、PMSA−4000、F−2010、F−3010、N−2010、PNOA−1010、PNOA−2014、O−2010、住友バイエルウレタン株式会社製のデスモフェン650MPA、651MPA/X、670、670BA、680X、680MPA、800、800MPA、850、1100、1140、1145、1150、1155、1200、1300X、1652、1700、1800、RD181、RD181X、C200、東洋紡績株式会社製のバイロン200、560、600、GK130、GK860、GK870、290、GK590、GK780、GK790等が挙げられる。
また、ポリエーテルの例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリアルキレングリコール、及び末端の水酸基をアミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、N−メチロール基、イソシアネート基、またはN−アルコキシメチル基に変性したエーテル化合物が挙げられる。
市販のポリエーテルとしては、例えば、住友バイエルウレタン株式会社製のデスモフェン250U、550U、1600U、1900U、1915U、1920D、三井化学社製のタケネートM631、M605等が挙げられる。
中でも、三井化学社製のタケネートM631、M605が好適である。イソシアネート基を可塑性成分の末端に有していることから、それ自身で硬化、増膜するため塗膜の強靭性、耐溶剤性の向上が期待される。
また、ポリカーボネートの例としては、下記一般式で表されるポリカーボネートジオール、及び末端の水酸基をアミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、N−メチロール基またはN−アルコキシメチル基に変性したカーボネート化合物が挙げられる。
H−(O−R−OCO−)nR−OH
R:アルキレン鎖、ジエチレングリコール等)
市販のポリカーボネートとしては、例えば、株式会社クラレ製のクラレポリオールPNOC−1000、PNOC−2000、PMHC−2050、PMHC−2050R、PMHC−2070、PMHC−2070R、PMHC−2090R、C−2090等が挙げられる。
また、ポリブタジエンの例としては、α,ω−ポリブタジエングリコール、α、β−ポリブタジエングリコール、及び末端の水酸基をアミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、N−メチロール基またはN−アルコキシメチル基に変性したブタジエン化合物が挙げられる。
市販のポリブタジエンとしては、例えば、日本曹達株式会社製のNISSO−PB G−1000、G−2000、G−3000、GI−1000、GI−2000、GI−3000、GQ−1000、GQ−2000等が挙げられる。市販のエポキシ基を2個以上有するポリブタジエンとしては、例えば、日本曹達株式会社製のNISSO−PB BF−1000、EPB−13、EPB−1054等が挙げられる。
可塑性成分は、ポリスチレン換算の重量平均分子量が、好ましくは500以上、50,000以下であり、更に好ましくは1,000以上、25,000以下である。重量平均分子量が50,000を越える場合には、溶剤への溶解性、繊維素樹脂との相溶性が低下する場合があり。また、500未満の場合には、十分な可塑性を付与することができない場合がある。なお、可塑性成分を硬化する場合は、硬化前の重量平均分子量である。
また、可塑性成分は、遮光性部材形成時、または形成後に硬化させることが好ましい。
可塑性成分を硬化させることで、見かけの分子量が増大し、可塑性成分の移行(ブリード)の抑制や防止、被膜強度の向上が期待される。
可塑性成分の含有量は、遮光性部材のそり(カール)を抑制する観点から、繊維素系樹脂100重量部に対して、好ましくは1重量部以上50重量部以下、より好ましくは3重量部以上50重量部以下、さらに好ましくは5重量部以上40重量部以下、特に好ましくは10重量部以上30重量部以下の範囲である。この範囲にあることで、繊維素系樹脂を用いても、塗膜強度に優れ、遮光層のそり(カール)がない遮光性部材とすることが容易となる。
本発明の遮光層形成用樹脂組成物は、本発明の機能を損なわない場合であれば、慣用の添加剤、例えば、安定化剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐光安定剤、熱安定化剤など)、難燃剤、難燃助剤、耐衝撃改良剤、充填剤(又は補強剤)、分散剤、帯電防止剤、発泡剤、抗菌剤、滑剤などを使用することができる。これらの添加剤は単独で又は2種以上組み合わせてもよい。
なお、本発明の遮光層形成用樹脂組成物は、実質的に、シリカやアルミナといった無機フィラーや、樹脂ビーズのような、従来、入射光の反射を抑え、遮光性に優れたものとするために用いられる、艶消し剤を使用しなくても、遮光性に非常に優れている。しかし、使用する用途に応じ、要求される光学濃度、構成にあわせて、艶消し剤を併用しても問題はない。
<遮光層形成用樹脂組成物の製造方法>
本発明の遮光層形成用樹脂組成物は、一次粒子径が10nm以上50nm以下のカーボンブラックと繊維素系樹脂とを、必要に応じて、可塑性成分、溶剤等とともに、ニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、横型サンドミル、縦型サンドミル、アニュラー型ビーズミル、またはアトライター等の各種分散手段を用いて微細に分散して製造することができる。このとき、その他のカーボンブラックや有機顔料等を同時に分散しても良いし、別々に分散したものを混合しても良い。
なお、カーボンブラックや有機顔料等の溶解性が高い場合、具体的には使用する樹脂や溶剤への溶解性が高く、攪拌により溶解、異物が確認されない状態であれば、上記のような微細に分散して製造する必要はない。
本願の遮光層形成用樹脂組成物は、特定のカーボンブラックと繊維素系樹脂を用いていることで、分散性、流動性が非常に優れているために、微細な分散処理を行うことなく、遮光性に優れ、経時での変化も抑制された、安定な樹脂組成物の作製が可能となる。
また、前述したように、可塑性成分を用いる場合には、可塑性成分によりカーボンブラックを前処理剤として使用し、前記可塑性成分処理カーボンブラックと、繊維素系樹脂と、必要に応じて、溶剤等とともに、混合、または分散して遮光層形成用樹脂組成物とすることも好ましい。この場合、分散安定性が良好であり、遮光層を形成する際に、粒子による沈降、ムラ等の抑制に、より優れるものとすることができる。
《遮光層》
本発明の遮光層は、バインダー樹脂とカーボンブラックとを含み、前記バインダー樹脂は、繊維素系樹脂であり、前記カーボンブラックの一次粒子径が10nm以上50nm以下である遮光層形成用樹脂組成物から形成してなる遮光層である。なかでも、遮光層形成用樹脂組成物を、一般的な方法で樹脂組成物をコーティングすることにより得ることが好ましい。
このような遮光層により、薄膜でありながら、遮光性、黒味、塗膜強度に優れるだけでなく、樹脂によるそり(カール)もないものとすることができる。
遮光層は、各層を構成する材料を含む遮光層形成用樹脂組成物を、ウエットコート法により層形成することができ、例えば、ディップコート、ロールコート、バーコート、ダイコート、ブレードコート、エアナイフコート等の従来公知の塗布方法により基材上に塗布し、乾燥させることにより得ることができる。
本発明の遮光層は、目的とする遮光性部材の構造(構成)等に応じて、転写法により形成することもできる。
転写法は、ロール転写法、型転写法等の公知の技術を用いることができる。
例えば、剥離可能な基材上に、遮光層を形成し、剥離可能な基材を剥離することで、遮光層を得ることができる。このような方法により得られた、剥離可能な基材と遮光層とを有する遮光性フィルムから、剥離可能な基材をはがした遮光層単層を、遮光性部材として用いることもできる。
剥離可能な基材は、ポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム等の合成樹脂フィルム、合成紙、紙、金属板などの基材が挙げられる。
また、剥離可能な基材は粗面化していても良い。表面が粗面化されてなる剥離可能な基材の粗面化面上に、遮光層を形成し、剥離可能な基材を剥離することで、表面の凹凸形状を有した遮光層を得ることができる。
基材表面を粗面化する方法は特に限定されない。例えば、バインダー樹脂とマット化剤とを含むマット層塗布液を支持体表面上に塗布、乾燥することにより粗面化することができる。その他、対象物表面に細かい砂を高速で吹き付けるサンドブラスト加工、対象物を金属彫刻ロールと弾性ロールとの間を通すことによってなされるエンボス加工、対象物表面を化学薬品で処理するケミカルエッチング等により基材表面を粗面化することができる。
基材と遮光層とは、剥離可能に構成されている。基材と遮光層とを剥離可能に構成するためには、基材、マット層、若しくは遮光層に、離型効果に優れる材料を含有させたり、基材やマット層上に離型処理を施すことが好ましい。離型効果に優れる材料としては、アルキド系樹脂化合物、フッ素系化合物、シリコーン系化合物があげられる。
基材の粗面化の程度は、要求される光沢により異なるが、算術平均粗さRa(算術平均粗さ)(JIS B0601:2001)は0.3〜6.0μmとすることが好ましく、0.5〜5.0μmとすることがより好ましく、1.0〜4.0μmとすることがさらに好ましい。Raを0.3μm以上とすることにより光沢を低く抑えやすくすることができ、6.0μm以下とすることにより、剥離可能な基材を遮光層から剥離しやすくすることができる。
剥離可能な基材の厚みは特に限定されることはないが、剥離時の作業性を考慮して、25〜250μm程度とすることが好ましい。
遮光層の厚みは、要求される光学濃度、遮光性部材の構成により異なるが、0.5μm以上100μm以下が好ましく、1μm以上50μm以下とすることがより好ましい、特に好ましくは、2μm以上30μm以下である。0.5μm以上とすることにより、遮光層にピンホール等生じにくくすることができ、充分な遮光性を得やすくできる。また、100μm以下とすることにより、生産性を確保することができ、薄膜化が可能となる。
ただし、遮光層の厚みは、転写法で形成する場合、転写材の粗面化の算術平均粗さRa(算術平均粗さ)(JIS B0601:2001)よりも大きくする必要がある。
本発明の遮光層は、塗膜強度に優れるため、2μm以上30μm以下といった薄膜においても、遮光性、黒味が十分であるだけでなく、取り扱い性にも優れている。
遮光層の表面抵抗値は、1×1010Ω/□以下であることが好適である。表面抵抗値が上記範囲であると、遮光性部材に充分な導電性を持たせることができる。より好ましくは、1×10Ω/□以下である。
《遮光性部材》
本発明の遮光部材は、バインダー樹脂とカーボンブラックとを含み、前記バインダー樹脂は、繊維素系樹脂であり、前記カーボンブラックの一次粒子径が10nm以上50nm以下である遮光層形成用樹脂組成物から形成してなる遮光層を有する。本発明の遮光性部材は、遮光層の塗膜強度が高いため、基材を有しない、遮光層単層での構成も可能である。このとき、遮光性部材の厚みも、例えば3μm以上30μm以下といった薄膜とすることが可能となり、薄膜でありながら、遮光性と取り扱い性、安定性、加工性に優れたものとすることができる。
遮光性部材の厚みは、要求される光学濃度、構成により異なるが、0.5μm以上100μm以下が好ましく、1μm以上50μm以下とすることがより好ましい、特に好ましくは、2μm以上30μm以下である。0.5μm以上とすることにより、十分な遮光性を得やすくできる。また、100μm以下とすることにより、生産性を確保することができ、薄型化、軽量化も可能となる。
また、遮光層上には、光学用途やオプトデバイス用途、表示デバイス用途、機械部品、電気・電子部品等に遮光層を接着させるための接着層を有してもよい。接着層は、アクリル系接着剤、ウレタン接着剤、ポリエステル接着剤、シリコーン接着剤などの感圧接着剤、感熱接着剤などの各種接着剤から形成することができる。また、遮光層上には必要に応じてセパレータを設けてもよい。
接着層は、各層を構成する材料を含む遮光層用塗布液をディップコート、ロールコート、バーコート、ダイコート、ブレードコート、エアナイフコート等の従来公知の塗布方法により基材上に塗布し、乾燥させることにより得ることができる。
本発明の遮光性部材は、その形態に係わらず、少なくとも一方の表面の光沢度が20以下であることが好ましい。遮光性部材の光沢度が20を超えると、遮光性が充分とならず、例えば、レンズユニットとして用いた場合にノイズとして誤作動の原因となるおそれがある。より好ましくは、10以下であり、更に好ましくは、5以下である。
さらに両面とも光沢度が上記範囲であることが好ましい。
光沢度は、日本電色工業社製 光沢計 VG−2000を用いて、測定角度(θ)60度で測定することができる。
遮光性部材は、表面の光沢度を上記範囲とするために、部材表面を凹凸形状(凹凸構造)を有するものとすることが好適である。表面に凹凸形状を有することにより、遮光性部材の光沢をなくし、光の反射を防ぎ、遮光することができる。また、表面に凹凸形状を有する遮光性部材は、このような形態とすることにおいて、本発明の効果が発揮される点でも好適である。このように、上記遮光性部材が、部材表面の少なくとも片面に凹凸形状を有すれば、遮光性部材の光沢度を後述する光沢度の範囲に制御するために有効である。より好ましくは、両面に凹凸形状を有するものであり、当該効果がより充分に発揮されることとなる。
ここで、遮光性部材が遮光層以外の層を有する場合、上記凹凸形状は、この遮光層以外の層が形成されている面とは反対側の遮光層表面に形成されていることが好ましい。
すなわち、遮光性部材は、少なくとも片面の遮光層に凹凸形状を有するものであることが好ましい。遮光層に凹凸形状が形成されることにより、光の反射を抑制し、遮光性を充分に優れたものとすることができる。より好ましくは、遮光性部材の遮光層の両表面の遮光層が凹凸形状であることである。遮光層が遮光性部材の表面に形成されていない場合、凹凸形状は、遮光層と遮光性部材の表面にある層との両方に形成することが好ましい。
上記凹凸形状としては、例えば、入射光が鏡面反射せずに散乱される程度に表面が平滑でなければよい。また、表面の凹凸は遮光したい光を散乱するのに適当な大きさであることが好ましい。例えば、遮光性部材をレンズユニットに用いる場合には、可視光領域、紫外線領域及び赤外領域などの光を効果的に散乱するものである。
この場合、算術平均粗さRa(算術平均粗さ)(JIS B0601:2001)は、0.3μm以上であることが好ましい。より好ましくは0.5μm以上、更に好ましくは1.0μm以上、特に好ましくは2.0μm以上である。
基材を有する場合、基材としては、ポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム等の合成樹脂フィルムが挙げられる。中でもポリエステルフィルムが好適に用いられ、延伸加工、特に二軸延伸加工されたポリエステルフィルムが機械的強度、寸法安定性に優れる点で特に好ましい。また、耐熱用途への使用には、ポリイミドフィルムが好適に用いられる。
基材の膜厚は、遮光性部材の用途、および構成により異なるが、1μm以上100μm以下が好ましく、2μm以上50μm以下とすることがより好ましい、特に好ましくは、4μm以上30μm以下である。1μm以上とすることにより、遮光性部材の生産性を確保することができる。また、100μm以下とすることにより、薄型化、軽量化を可能とすることができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。なお、「部」は「重量部」、「%」は「重量%」を意味する。
実施例で使用した材料を以下に示す。
<カーボンブラック>
実施例および比較例で用いたカーボンブラックの物性値を下記にまとめた。
Figure 0006750570
[実施例1]
下記組成の混合物をシェーカー(スキャンデックスSK450:Fast & Fluid Management社製)により均一に攪拌混合し、遮光層形成用樹脂組成物1を得た。
<遮光層形成用樹脂組成物1>
・バインダー樹脂 :10.8部
繊維素系樹脂
CAP482−20(セルロースエステル):イーストマンコダック社製
・カーボンブラック(CB−1) : 2.2部
・希釈溶剤(メチルエチルケトン) :43.5部
・希釈溶剤(トルエン) :43.5部
[実施例2]
遮光層形成用樹脂組成物1のカーボンブラック(CB−1)をカーボンブラック(CB−2)に変更した以外は、実施例1と同様にして、遮光層形成用樹脂組成物2を得た。
[実施例3]
下記組成の混合物をシェーカー(スキャンデックスSK450:Fast & Fluid Management社製)により均一に攪拌混合し、遮光層形成用樹脂組成物3を得た。
<遮光層形成用樹脂組成物3>
・バインダー樹脂 :10.6部
繊維素系樹脂
CAP482−20(セルロースエステル):イーストマンコダック社製
・カーボンブラック(CB−1) : 2.2部
・可塑性成分 : 1.6部
ポリエステルポリオール(クラレポリオールF−3010:クラレ社)
・希釈溶剤(メチルエチルケトン) :42.8部
・希釈溶剤(トルエン) :42.8部
[実施例4]
遮光層形成用樹脂組成物3の可塑性成分をポリエーテル(デスモフェン250U:住友バイエルウレタン株式会社製)に変更した以外は、実施例3と同様にして、遮光層形成用樹脂組成物4を得た。
[実施例5]
下記組成の混合物をシェーカー(スキャンデックスSK450:Fast & Fluid Management社製)により均一に攪拌混合し、遮光層形成用樹脂組成物5を得た。
<遮光層形成用樹脂組成物5>
・バインダー樹脂 :10.8部
繊維素系樹脂
CAP482−20(セルロースエステル):イーストマンコダック社製
・カーボンブラック(CB−1) : 2.2部
・可塑性成分 : 0.2部
ポリエステルポリオール(クラレポリオールF−3010:クラレ社)
・希釈溶剤(メチルエチルケトン) :43.4部
・希釈溶剤(トルエン) :43.4部
[実施例6]
下記組成の混合物をシェーカー(スキャンデックスSK450:Fast & Fluid Management社製)により均一に攪拌混合し、遮光層形成用樹脂組成物6を得た。
<遮光層形成用樹脂組成物6>
・バインダー樹脂 :10.4部
繊維素系樹脂
CAP482−20(セルロースエステル):イーストマンコダック社製
・カーボンブラック(CB−1) : 2.2部
・可塑性成分 : 5.0部
ポリエステルポリオール(クラレポリオールF−3010:クラレ社)
・希釈溶剤(メチルエチルケトン) :41.2部
・希釈溶剤(トルエン) :41.2部

ただし、実施例1、2、および5は参考例である。
[比較例1]
下記組成の混合物をシェーカー(スキャンデックスSK450:Fast & Fluid Management社製)により均一に攪拌混合し、遮光層形成用樹脂組成物7を得た。
<遮光層形成用樹脂組成物7>
・バインダー樹脂 :21.0部
アクリルポリオール
(アクリディックA807:DIC社製)
・イソシアネート : 3.5部
(バーノックDN950:DIC社製)
・カーボンブラック(CB−1) : 2.1部
・希釈溶剤(メチルエチルケトン) :36.7部
・希釈溶剤(トルエン) :36.7部
[比較例2]
遮光層形成用樹脂組成物1のカーボンブラック(CB−1)をカーボンブラック(CB−3)に変更した以外は、実施例1と同様にして、遮光層形成用樹脂組成物8を得た。
[比較例3]
下記組成の混合物をシェーカー(スキャンデックスSK450:Fast & Fluid Management社製)により均一に攪拌混合し、遮光層形成用樹脂組成物9を得た。
<遮光層形成用樹脂組成物9>
・バインダー樹脂 :36.6部
ポリイミド樹脂
(PIAD200A:荒川化学工業社製)
・カーボンブラック(CB−1) : 2.4部
・希釈溶剤(シクロヘキサノン) :30.5部
・希釈溶剤(メチルシクロヘキサン) :30.5部
[遮光性部材の評価]
実施例、比較例で得られた遮光性部材について、光学濃度、塗膜強度、明度の評価をした。結果を表4に示す。
(遮光層の形成方法)
基材(フィルムバイナDG2:藤森工業社製、厚み50μm)の離型処理面上に、得られた遮光層形成用樹脂組成物を塗布、乾燥し、厚み20μmの遮光層を形成した。
本実施例においては、得られた遮光層単層にて、遮光性部材として評価した。
なお、評価結果において、「○」は優れており、「△」は実用可能なレベルである。
[評価項目]
1.顔料凝集性
遮光層形成用樹脂組成物の分散性、安定性を、顔料の凝集性評価により判断した。
形成した遮光層を10cm×10cmの大きさにカットし、その遮光層の表面を目視で観察することにより、顔料凝集物をカウントした。
顔料凝集物が5個以内のものを「〇」、10個以内のものを「△」、10個を超えるものを「×」とした。
2.光学濃度
得られた遮光層について、JIS K7651:1988に基づき光学濃度計(TD−
904:グレタグマクベス社)を用いて光学濃度を測定した。測定は、UVフィルターを用いた。
光学濃度が4.0を超え、測定不能領域の濃度のものを「○」、4.0以下のものを「×」とした。
3.塗膜強度
引張強さ(破断強度)をJIS K 7161を準拠して測定した。
幅10mm、長さ50mmの遮光層を引張試験機(テスター産業社)で速度200mm/minで引張、遮光層が切断したときの荷重を測定した。
250g以上の荷重で破断したものを「〇」、250g未満の荷重で破断したものを「×」とした。
4.明度指数
分光色差計(SE−6000:日本電色社)を用いて、遮光層の反射光での明度指数L*を測定した。明度指数L*は100が白さを意味し、0が黒味を意味する数値である。
L*が40以下のものを「〇」、40を超えるものを「×」とした。
5.カール
形成した遮光層を10cm×10cmの大きさにカットし、その遮光層を、平滑なガラス板上に置き、遮光層の端部4辺のカールを測定した。
なお、カールの度合いがきつくなると、異なる端部同士が重なり合い遮光性部材が筒状になる。その場合、カールの測定が困難になるため、筒状になった円の直径を測定する。カールがきつくなる場合は、より端部同士の重なり合いが増えて、直径は小さくなる。
端部4辺のカールの平均値が±20mm以内のものを「〇」とし、±20mmより大きく、直径50mm以上の筒状になるものを「△」とし、直径50mm未満の筒状になるものを「×」とした。
6.帯電防止性
抵抗率計(ロレスターGP:三菱化学アナリテック社製もしくはハイレスターUX:三菱化学アナリテック社製)を用いて、遮光層の表面抵抗率を測定し、1×108Ω/□以
下のものを「〇」、1×108Ω/□より大きく1×1010Ω/□以下のものを「△」、
1×1010Ω/□を超えるものを「×」とした。
Figure 0006750570
表2に示すように、本発明の遮光層形成用樹脂組成物は、繊維素系樹脂であるバインダー樹脂と、一次粒子径10nm以上50nm以下であるカーボンブラックとを含有することにより、顔料凝集がなく、樹脂組成物中のカーボンブラックの分散性、および安定性に優れていた。また、本発明の遮光層形成用樹脂組成物を用いて形成してなる遮光層は、遮光性、黒味、塗膜強度を十分に保持しつつ、遮光層のそり(カール)も抑えられるという、良好な結果を示した。
以上の結果より、本発明の遮光層を有する遮光性部材は、遮光層のみの単層でも光学濃度、塗膜強度、遮光性に優れているため、小型化、薄型化、軽量化が可能であることが確認できた。
また、遮光性部材が基材を有する場合にも、遮光層単層の場合と同様に、光学濃度、塗膜強度、遮光性、いずれも優れる結果であった。
そのため、本発明の遮光性部材は、光学用途やオプトデバイス用途、表示デバイス用途、機械部品、電気・電子部品等の各種用途に好適に用いることが可能である。

Claims (4)

  1. バインダー樹脂とカーボンブラックとを含む遮光層形成用樹脂組成物であって、
    さらに可塑性成分を含有し、
    前記バインダー樹脂は、繊維素系樹脂であり、
    前記可塑性成分は、ポリエステル、およびポリエーテルからなる群より選ばれる少なくともいずれかであり、
    前記可塑性成分の含有量は、繊維素系樹脂100重量部に対し、3重量部以上50重量部以下であり、
    前記カーボンブラックの一次粒子径は、10nm以上50nm以下であることを特徴とする遮光層形成用樹脂組成物。
  2. 前記可塑性成分は、ポリエステルポリオールである、請求項1記載の遮光層形成用樹脂組成物。
  3. 請求項1または2記載の遮光層形成用樹脂組成物から形成してなる遮光層。
  4. 請求項3記載の遮光層を有する遮光性部材。
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